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1949/05/23 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第30号
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1949/05/23 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第30号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第30号
昭和二十四年五月二十三日(月曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君
   理事 川本 末治君 理事 久保田鶴松君
   理事 藤田 義光君 理事 立花 敏男君
   理事 圖司 安正君
      生田 和平君    井上 知治君
      河原伊三郎君    野村專太郎君
      龍野喜一郎君    門司  亮君
      千葉 三郎君    谷口善太郎君
      田中  豊君
 出席政府委員
        大藏事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        大藏事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 地方税法の一部を改正する法律案(八木一郎君
 外二十九名提出、衆法第一五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員長及び小委員選任に關する件
 地方税法の一部を改正する法律案(八木一郎君
 外二十九名提出、衆法第一五号)
 地方財政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 去る五月二十二日当委員会に付託されました地方税法の一部を改正する法律案、八木一郎君外二十六名提出、衆法第十五号を議題といたします。本法案に対してお諮りいたします。会期もありませんので、この法案の審議は継続審査をしたいと考えますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中島委員長 御異議ありませんければさように決定いたしたいと思います。それでは本法案に対しては継続審査を要求することにいたします。
 次に閉会中の小委員会設置に伴う各委員長及び委員の選任を行います。これにつきましては、去る二十一日の委員会において協議の結果、委員長において指名いたすことと相なつておりますので、各委員諸君の御希望を参酌いたしまして、これより指名いたします。
 地方財政に関する小委員
   生田 和平君  大内 一郎君
   川西  清君  河原伊三郎君
   川本 末治君  菅家 喜六君
   清水 逸平君  中島 守利君
   野村專太郎君  福田 篤泰君
   龍野喜一郎君  足鹿  覺君
   久保田鶴松君  門司  亮君
   千葉 三郎君  立花 敏男君
   谷口善太郎君  圖司 安正君
   小平  忠君  井出一太郎君
 地方自治に関する小委員
   生田 和平君  大泉 寛三君
   川本 末治君  菅家 喜六君
   中島 守利君  野村專太郎君
   足鹿  覺君  久保田鶴松君
   門司  亮君  千葉 三郎君
   立花 敏男君  谷口善太郎君
   田中  豊君  井出一太郎君
   小平  忠君
 警察及び消防に関する小委員
   大内 一郎君  川本 末治君
   菅家 喜六君  清水 逸平君
   中島 守利君  福田 篤泰君
   淵上房太郎君  龍野喜一郎君
   久保田鶴松君  門司  亮君
   藤田 義光君  立花 敏男君
   田中  豊君  小平  忠君
 選挙に関する小委員
   生田 和平君  井上 知治君
   大泉 寛三君  川西  清君
   河原伊三郎君  菅家 喜六君
   中島 守利君  淵上房太郎君
   久保田鶴松君  門司  亮君
   藤田 義光君  圖司 安正君
   小平  忠君
をそれぞれ指名いたします。
 次に各小委員長としては、警察消防に関する小委員長を除きまして、他の地方財政、地方自治、選挙に関する小委員長としては私が勤めることにいたします。警察及び消防に関する小委員長には福田篤泰君を指名いたします。
 主計局長が参りますまでこのままでお待ち願います――主税局長が見えましたから、御質問のある方は……。
#4
○谷口委員 管轄は違うかもしれませんが、財産税で現物納税をしたところがたくさんあります。私は京都ですが、特に京都は非戰災都市ですから、家屋の現物納税があつて、これを財務局が管理しているのですが、最近それを買つてくれと言われ、そこに住んでいるものは非常な恐慌を來しておるので、住むことについて何とか保護をしていただけないかどうか。借金してでも買おうと思つても、不動産取得税がかかつてたいへんだからということで買えない場合もあるので、そういう場合は特別な扱いで、税金は免除するような手段でもあるのかどうか、何とか借家人を救う道がないか。そういう点をお尋ねしておきたい。
#5
○平田(敬)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、御承知の通り、政府も財政の苦しい状態でございますので、せつかく物納されました財産につきましては、これを処分換貨して財政收入を確保しよう、こういう考え方で極力賣り拂いを促進いたしておるような次第であります。從いまして、一般的に現在利用者に若干御迷惑をかけている筋もあろうかと思いますが、賣り拂う場合、現在住んでいる人につきましては、價格等も若干しんしやくしているように聞いております。また状況次第で、なんでもかんでも事情をわきまえないで、むりなことをするのも行過ぎではないかと言つているようでありまして、個別的な事情もある程度しんしやくを加えて、適当な賣りさばきをして行く。しかし、非常に苦しい際でありますから、何とか早く賣りさばくようにという方針でいたしております。個別的な問題は個別的に妥当な解決をはかるようにするのがよいではないかと考えておりますが、こまかい具体的な問題は、國有財産局が所管しておりますので、そういう方面から別途に詳しく、御説明申し上げるようにいたしたいと思います。
#6
○谷口委員 個別的にいろいろごしんしやくを願つていることは事実のようでありまして、そういう点では借家人も喜んでいるのですけれども、京都は今日七つの行政区で、小さいところでも一行政区二千戸ある状態ですから、全市で相当の量になるわけです。値段も時價よりも安いようでありますし、ほんとうなら買いたいという人が多いのですけれども、実は買えないでいる。個人的に非常にごしんしやくを願つていることはありがたいが、しかし話がそういうふうになつて來ますと、買えなければ結局出て行かなければならぬのではないかという不安がある。数がわずかならばよいのですが、非常に大量にそういう状態になつておりまして、一種の社会不安をかもしておりますので、何とかここのところを、借金して買うというような場合、不動産取得の税金を免除するとか、特別な扱いを願えないかどうか。また買う人があつても、なるべく現に住んでいる人の住居權が脅かされる結果にならないようなやり方をやつてもらえないかどうか。住んでいる連中を保護する具体的な見通しがつけば、非常によいと思うのでありますが、これはどうでしようか、もう一應お伺いいたします。
#7
○平田(敬)政府委員 個人が買います場合におきましては、原則として全部が不動産取得税の課税対象になるという建前になつておりますので、財産税で物納したものを買う場合に限つて免税するということは、少し公平の原則に反していかがであろうかと私どもは考える次第であります。現在入つている人との利害を賣り拂いの関係でございますが、今日としましては、入つている人の事情はよく考え、しかも極力賣りさばくというような方針で、個人的な事情をよく調べた上で善処すると言うよりほかないと思います。具体的な樣子につきましては、國有財産局で所管しておりますので、直接そちらの方の御相談願つたらどうかと考えております。
#8
○谷口委員 昨日ですか、一昨日ですか。本会議に、戰時中國鉄で買上げた十線が拂下げられる法律案が出たのでありますが、あの方は免税にするというような道を講じてあつたようであります。そういうような意味で実は買いたくないが、住家を失いたくないというので、借金してでも買うという場合でありますから、相当たくさんの國民に影響を及ぼすことでありますので、國鉄の地下げと同樣な方針をとつてもらうことは、ちよつとも不合理ではないと思いますが、そういう点について政府はいかに考えておられますか。
#9
○平田(敬)政府委員 不動産取得税につきましては、先ほど申し上げました通りでございまして、やはり私人が新しく家を取得するわけでありますから、現に利用すると言いましても、これを免税するというのは行き過ぎではないかと考えます。
#10
○谷口委員 鉄道の場合は税金は拂わなくてもよろしい。つまり非常に大きな財産を取得する場合は税金はとらないが、むりやりに自分の住むところがなくなる恐ろしさに、むりしてでもそれを手に入れようというような状態のときは、免税するのは行き過ぎだというふうに、政府の方では考えていらつしやると了解してよろしうございますか。
#11
○平田(敬)政府委員 價格の点につきましては先ほども申し上げたように、現に利用しておる特殊の縁故関係のあるものにつきましては、若干しんしやくをして拂い下げるということになつておりまして、そういう点ででき得る限りのことをいたすというのが本務じやないか。やはり今後個人の用に供するために取得するそのものにつきましては、特に免税するということは適当でなかろうと思うのであります。
#12
○門司委員 今の問題に関連してちよつとお聞きしておきたい。物納の場合の処分の問題ですが、会社に処分をおまかせになつておるというのはどういう理由かということをお聞きいたしたい。なぜならば、税務署のとります拂下價格のほかに、大体一割くらい手数料がとられておる。納める方は税務署に税金のかわりに納めます。また買う方も買つた金が税務署に納まるものだと考えておりますが、ほんとうに長屋などに住んで困難な生活をして、無理算段をしてでも買わなければならないという場合に、これが税務署直轄でないために、約一割くらいの手数料がとられておることは現実の問題だと思いますが、どういうわけでああいう会社にまかさなければ、税務署ではできないのか。税務署はかなり差押えをして競賣などしておる事實があるんだから、家だけに限つてああいうことをしなくてもいいと思うのですが、このことはどういうわけで委託されておるのかお聞きしたい。
#13
○平田(敬)政府委員 物納財産の換貨処分ということは、簡單のようでなかなか簡單でございません。税務署にもそういう方面をうまく処理する能力のある人物も、相当おることはおりますが、何しろ徴税の方で手一ぱいでございまして、なかなかそういう方面に適当な人物をさいてやるというわけには参らない現状であります。そこでむしろある程度そういう知識経驗に精通した民間の方に、賣りさばきの事務の一部を分担していただきまして、それによつて若干の手数料を拂うという方が、全体としまして、非常に複雜な事情のもとにおける賣りさばきがうまく片づくんじやないか、こういう考え方であります。
#14
○門司委員 趣旨はよくわかりましたが、そうすると手数料をだれが納めることが至当かということになる。國の方の都合で委託されて、その手数料を買受人がそれだけ余分のものを拂わなければならぬ。それが委託を受けておる人の收入になつて、國庫にも入らない、むろん物納した人にも入らない、こういうりくつでは全部が損をしておる。國も損をし、買う者も、賣る者もみんな損をして、もうける者は一つの営利会社だけということになる。こういう処置の仕方について私は非常に不可解に感じておる。ただ單になれておるからそれに委託した方がいいということでは、われわれ承服できない。もう一度御迷惑でも御答弁願いたい。
#15
○平田(敬)政府委員 今のような仕事を政府で直接やりますと、その関係におきましても同樣な費用がかかるわけでございまして、むしろ現在の実情から申しますと、民間の精通して会社等に委託しまして、そこで能率よくさばいてもらつた方が、全体としてはかえつて経費の点におきましても少くて済む場合がございますし、実際問題としても、先ほど申しましたように役所においては手を広くその方へまわしまして、直接賣りさばくという可能性が比較的少いのではないか、かように考えておる次第であります。
#16
○門司委員 問題はこの負担をだれがするかということです。物納者はもちろんその價格で政府に納めておりますし、買う方も公正な値段できめられた代價を拂えばいいはずであります。國もまたそれをとればいいはずであります。何も余分な手数料を支拂う必要はないと思う。徴收するのにこれが便利だからというのであれば、この費用を当然國が拂うべきだと思う。何を好んで買受人に一割の費用を負担させるか。その点がいかにも國のやり方はずるいと思う。國の都合でそういうことをすることが必要であるというならば、國が委託しておるのだから、國の雇い人と同じように、それらの費用をお拂いになることが至当だと思う。どういうわけで國が拂えないか。國が委託しておる國の雇い人の費用を國が拂わないで、買受人に拂わせるということは、不都合な話だと思う。
#17
○平田(敬)政府委員 先ほど申し上げましたように國が直接やるとしますならば、やはり國において相当の費用がかかるということになると思います。その仕事を民間の会社が請負つてやるわけでございますから、從いましてそこに相当の費用がその方面にかかるということになりまして、問題はどちらがはたして能率的であるか。國が直接やるとしても可能であるかどうかというところから、議論もおのずからきまつて來るのじやないかと考えます。價格の点につきましても、物納した價格そのままで賣り渡すわけではございませんで、処分する際の時價を基準にして、先ほど申しましたように、縁故者等につきましては適当なしんしやくをいたしまして拂い下げる。かようなことになつておるわけでございます。問題ははたしてそういう民間会社に請負わしてやつた方がいいかどうかということは、いろいろ御議論がございましようが、現在の状況のもとにおいて、役所において十分なそういう精通者及び手足がないということと、実際におきまして民間会社にやらした方がより適切に処理される。こういう見地からさようなことになつておるわけであります。
#18
○門司委員 質問の要旨が違うのですが、私はそういうことを述べているのではないのです。國がそういうことが便利だ、民間に請負わせた方が便利だというならば、國が当然その費用を民間会社に拂うべきであつて、買受人が拂うべき筋合いのものではないと思います。政府自身がおやりになれば、買受人に費用をかけないで、國の費用でむろんおやりになる。國がやれないから民間に委託されておるのに、その費用まで買受人が負担しなければならないというりくつは立たないと思う。当然この手数料は國が支拂うべきであつて、買受人が毛頭支拂うべき筋合いのものではないと思う。その点をもう少しはつきり御答弁願いたい。
#19
○平田(敬)政府委員 詳細なことは國有財産局にお尋ねになつた方が間違いないかもしれませんが、私聞いておるところでは、一定の手数料をきめまして、政府の方から請負わしておる会社に拂つておる。問題はそういうふうに手数料により割高になつておる、むしろ政府の方で直接やつた方が割安になるか。そういう点が問題だろうと思います。手数料は政府の方から民間に対して拂つております。
#20
○中島委員長 そうすると民間の会社で扱う手数料は、政府が拂つておるんだから民間の会社は買受人との間に御礼として買受人が拂えばよし、そうでなければ買受人は拂わなくてもよろしいということになるわけですね。
#21
○河野(一)政府委員 國の物納になりました財産その他は、非常に巨額なものに上るものでありますから、政府がこれを直接やるということにいたしますと、非常に經費もかかりますし、それからいろいろな職員も置かなければならぬということに相なりますので、現在の制度といたしましては、請負制度と申しますか、一定の、幾らまでは何パーセントの手数料をやるという割に実はなつておるのであります。ただ民間の慣行といたしまして、買賣の場合に、両方から一定の手数料をとるというような慣行が現在ある程度あるのじやないかと思うのでありまして、こういう点についてどういうふうに考えて行きますか、民間の慣行もございますし、また政府の代行しているものでありますから、これは負担すべきではないかというような考え方もあると思うのでありますが、建前としては民間に委託しておる関係上、現在の慣行で、おのおの不動産会社その他が処理しておるのじやないかと思います。この点につきましては御趣旨もありますので、よく研究してみたいと思います。
#22
○谷口委員 この質問は、非戰災都市では非常に大きな問題になつておりまして、数も非常に多いものですから、特にこの際にお聞きしておきたいのですけれども、民間会社にその差配をおまかせになつていらつしやると、いろいろ政府の方ではその事情を御斟酌なさる建前の上でありますけれども、民間会社に入つている場合、特に京都のような場合には何々信託会社とか何とかいうような、いつてみれば非常に惡質な会社がそれを担当しておるという実情がございまして、この家を買つてくれというような話合いのときでも、幾ら幾らで買わなければ、何日中に出てもらわなければならぬというように、やつて來る社員が、非常に強制的な言葉をはいておるのでありまして、これがそこに住んでいる人々の一種の恐怖の的になつておる、こういう状態にあるのが実情であります。これは実際は自分で住む所がないから、金でもあれば買いたい。またその点では若干の事情を斟酌していただいて、値段も安くしていただけるだろうということを考えておりますけれども、しかしそういうふうに、あそこへ來てもここへ來ても、これをこれだけで買わなければ三月以内とか、あるいは二月以内とかに、出てもらわなければならないというようなやり方をやつておりますと、借家人に対する保護法がありまして、そういうことはあり得ないと思つていても、相手は政府をうしろだてに持つているものでありますから、非常にみなこわがつているわけです。そのために実は昨年の暮あたりから、相当こういう政府のお持ちの借家に住んでいる者の間に不安動搖がありまして、社会問題化しようとしているわけであります。私どもがここでお願いしておきたいのは、そういう民間会社にお渡しになつて、政府のお心ではないと思いますが、逆なものが出て來ておるわけです。こういう点についても、もう少し政府の方で監督が願いたいと思います。
 それから今も申し上げたのでありますが、買おうとすれば非常にみなむりをする。金がないが、借金をして買おうかというような氣持で、自分で住居を失いたくないから、むりをするわけです。こういう者に対して不動産取得税をかけるというようなことは、これは國鉄拂下げの例なんか見まして、非常に片手落ちじやなかろうかと思います。こういう場合に、事情が事情だから、そういう税金はかけないというような政府の建前をとつていただければ、これはみな非常に助かると思います。今も申しましたけれども、國鉄拂下げのときにはそういう税はとらない、免税するということがちやんときまつておつた。まして非常にたくさんの人間が、住むに家なく非常にむりをして買おうというような場合には、税金をかけないということは当然あり得べきことだと思いますが、これについて何か便法を講じていただけるのじやないかと思いますが、どうでしようか、お尋ねいたしたいと思います。
#23
○平田(敬)政府委員 数の多額の國有財産につきまして、從來國の收入をあげるためにこれを迅速に賣拂いを促進しようというふうなお話がありまして、現在その方針でやつておる次第でありまして、從來國の持つておるものでありますと、家賃も地代もなかなか入らないというのが実情なのでございます。それでこれは國の管理のせいもあるのだと思いますが、やはり國が直接こういうものを持つということは、あまり適当でないというような考え方から、これをその方面におけるエキスパートである不動産会社に委託してやつておるのでありますが、御承知のような事情がありますならば、これはとくと嚴重に監督いたしまして、そういうことをしないようにいたしたいと存じます。
 また不動産取得税のものでございますが、これは國と一般人との私的な契約というようなことに相なりますので、ただちにこの不動産取得税を免税いたすということは困難ではないかと思います。むしろ不動産價格の問題として考えるべき筋合いのものだと思いますが、御趣旨の点もよく研究いたすことにいたします。
#24
○大泉委員 最近どうも事業税、所得税についてしきりに課税の公平化を叫ばれておりますけれども、その公平の基準をどこに置いてあるか。もちろんその事業の規模、内容について種々違つておりましようが、大体やみ値とかあるいは使用人員とか、その他同業者間におけるところの均衡を維持しておるか、こうしたことについて、公平の基準をどこに置いておるかということをお尋ねいたしたいと思います。
#25
○平田(敬)政府委員 おそらくお尋ねは農業所得の査定の方法だと思います。そういうところにあるのじやないかと伺いまして、お答えいたしますが、現在農業所得につきましては、大体状況類似する地区をとりまして、その中庸と認められる農家等につきまして、ある程度の收支の実際調査、並びに実際に調査ができない場所におきましては推定調査をいたしまして、それをもとにして反当りの所得が幾らであるかという行き方で、農業所得を計算することにいたしております。それによりましてその地方における農家の所得の標準と申しますか、本年のこの地区の田の反当りの所得は大体幾らくらいかという標準をつくりまして、実際適用する場合におきましては、それを極力その状況のいい人、それから状況の惡い人を調べまして、差別をつけて適正な所得を算出する、こういうようなことにいたしております。実は昨年から所得の標準率を公開いたしまして、なるべく標準率の作成にあたりましては、まじめな團体の意見をよく聞くようにということで算定いたす方針にしております。所によりましては相当な治績を收めております所もございますし、所によりましてはなかなか円滑に話がまとまらないで、まだ紛爭を続けておる所もあるようでございますが、今後におきましては極力実態の調査を徹底いたしますとともに、標準率の適用の仕方をさらに研究いたしまして、第一には極力申告で税が納まるように、申告で納まつたものが少い場合には、税務署がよく調べたところによりまして、適正な更正決定をして、極力適正化をはかりたい、かような方針でやつております。
#26
○大泉委員 たいへんよくわかりました。私の特に目につくのは工業、商業の方面においてでありますが、近ごろ税務官吏ににらまれたらもうおしまいだ、こういう観念に商工業者はなつておる。これはやはり申告だけでは明瞭を欠く点が多々あると思います。ともかく二言目にはそれじや全部帳簿を調査するという。その結果が、たいていはみな何らかの形において脱税あるいは滯納、あるいは申告者と税務署の見解の相違によつて支出面がきわめて多くなつたり、少くなつたりする。いわゆる必要經費が多くなつたり、少くなつたりするので、課税というものが非常に違つて來る。調べた結果が決定的に多くなるから、調べるぞと言われると、一声でふるえ上つてしまつてたいてい決定に応ずる、あるいは言い渡しに応ずるというような状態になつておる。こういうことはかえつて納税者全体において、いわゆる税務官吏ににらまれないような、うまく取入るような氣分になつておる。これはきわめて惡い一つの風潮だと思う。ここでやはり同業者間における事実公平な、均衡のとれた一つの形というものは、一応参考にすべきである。徹底的に調べた結果、あがつたものはほとんどとうてい営業できない。やめた方がいいという結果に陷つておるのが今日の状態である。こういうことでは、営業をつぶしてしまうのも、あるいはやめさしてしまうのも何も、官吏の腹一つ、官僚一人できまるのである。こういうようなことが往々ある。これはもう数えるにいとまがない。こういうような状態は、やはり全國あるいはまたその一地方における同業者間の均衡のとれた税というものが大切ではなかろうか。この点、主税局長はどういうふうに見ておられるか、いわゆる一切をあげて、署長の権限にまかしておられるでありましようけれども、その権限たるや、まつたく地方民にとつては何よりも恐ろしい権限になつておる。これは十分納得の行くような、公平な一つの基準を求めなければならないだろう。この点において主税局長から直接お伺いしたいと思つておつたのですが、たまたまお見えになつたからお伺いしたのであります。ぜひ御答弁を願いたいと思います。
#27
○平田(敬)政府委員 営業所得の調査、決定につきまして、いろいろ紛議が起きておりますことは御指摘の通りでございまして、私どもも極力公正な査定をいたすようにということで、第一線にやかましく言つておるのでありますが、なかなか理想通りに参つておりません。現在のやり方は、大体ある程度サンプル的に、同業者の中でも若干の人につきまして丁寧に調べまして、これをもとにして、同業者間の均衡をはかつて査定をする。関係の團体等においても、まじめであるというふうに考えた場合におきましては、その意見をよく聞きますし、順位等も出してもらいまして、極力公正な査定に努めるということにいたしておりますが、実際は経済状態が最近著しくかわつております関係と、税務官吏に熟練したものが少いといつたようなことが手傳いまして、なかなかうまく行つていないので、非常に問題を起しておる点は恐縮に思つております。今後におきましては、一方におきましては、税法を極力合理化すると申しますか、最近の実情にアジヤストいたしまして、税法通りきちつと査定いたしまして、しかも納税が円滑にできるようにというふうに行くのが、一つの重要な眼目ではなかろうか。それと同時に、並行いたしまして、やはり税務官吏というものは手加減によつて査定はしないで、税法に從つて査定をして行く。実際において所得があるかないかもよく調べまして、調べたところによつて適正な決定をなし、徴收をして行く、納税者もあくまでもその趣旨に從つて申告をして行く。こういうことに行きませんと、この問題はなかなか解決しないのでないかというように考えておりますが、本年度からは新しく、從來の財務局に相当有能な熟練した官吏をそろえまして、極力実際調査といいますか、実額調査を徹底する方向に持つて行く。それと同時に、税法につきましても極力合理化をはかりまして、適正に査定をして、納められる税に持つて行くということによつてのみ、営業所得の査定に関するトラブルが解決できるのではないか、そういう方向に一ぺんに、理想通りにはなかなか行かぬと思いますが、漸進的に行きまして、結局公平をはかりつつ、円滑に納まるように努力して行きたいと思います。
#28
○大泉委員 法人の場合は、たいてい申告も正しく取扱われておるようでありますが、個人経営の場合は、たいてい営業の上において、あるいはその規模において、累進的に査定される。個人であろうと、法人であろうと、收益の場合は收益、赤字の場合は赤字があるはずである。ところが個人の場合は、おそらく赤字ということは認められない。たいてい黒字に認められて課税されるというのが実態である。そこで法人によつて、たいてい赤字、もしくは赤字でもなく、黒字でもなく、利益のないような申告をすれば、どうやらそれは默つておるというような関係から、近ごろいかなる小規模のものでも、みな法人に切りかえて來ておる。これは何たる嘆かわしいことであるか。つまらない經費をかけて、つまらない複雜な手数をかけて、ばかばかしい話である。実際でやつて行つたならば、いいじやないかと思うのですけれども、やはり法人の方は、たとい一年遅れの課税とはいいながら、実際は法人に対してやはりある一定の申告を認める結果が、そういうことになると思う。そこで同業者もしくは組合というものによる公正な一つの基準ということは、相当重く見てさしつかえないのじやないか。この點において、調べられたら最後、その営業はたいてい滯納しなければならぬということではいかぬ。どこまでも納税のでき得る範囲内の額にとどめておく必要があるのじやないか。もちろん今日の生活の程度から逆算して行つたならば、あらゆる方面において欠陷があります。むしろ私は逆に怠け者と病人には税金は課せられない。多く働けば働く者に課税しなければならないというのが今日の状態でありますから、これは働いた者、あるいは成績をあげた者に対して多く課税するのはやむを得ないとはいいながら、やはり納められる程度にこれをとどめておかなければいかぬ。赤字経営がのうのうとしてこれがらくに経営できる、黒字経営が破産しなければならないような課税の仕方は、あまりにも過ぎたる不幸だと思う。この点、どうも言葉が少し激しておるかもしれないが、実態がそうだから、この点切に御考慮願いたいと思う。
#29
○平田(敬)政府委員 法人と個人とに関する御意見がございましたが、たしかに從來あるいはそういう傾向があつたように私ども見受けておりまして、法人でございますと、やはりある程度の帳簿を形式上整えて参る。そうして申告書の樣式なども割合にはつきりしたのをつくつて参りますから、どうしてもそれを尊重するということになる。ただこれにつきましても、ほんとうの帳簿でございましたら、どこまでも尊重すべきものでございますし、是認すべきものでありますが、ややもすると、つくつたものもございまして、これはほんとうはよく調べまして適正な査定をすべきであるのに、その能力があつてそこまで行つていないようなものが若干あつたように私は思います。從いまして、この点につきましては、現在盛んに督励をいたしまして遅れることのないように、あくまでも正しい所得を見出して決定するように言いまして、督促いたしております。その反面個人につきましてはどちらかと言いますと、推定による課税が多くて、必ずしも的確を得ないという結果も多いようでございまして、その両方の欠陷をそれぞれ補いつつ、極力適正をはかつて行くように努めて参りたいと考えております。個人の所得税の査定の場合におきましては、やはり税法をあくまでも実現するように、税務官吏は、税法に從つて所得をきめて行く、こういうことに一刻も早く持つて行きませんと、なかなか問題の係爭は絶えないじやないかと考えます。今度の税制改革のときに、何らかその辺をはつきりと明朗化するように持つて行きまして、問題の解決をはかる方向に努力してみたい、かように考えておる次第であります。
#30
○谷口委員 私主税局長お忙しいようでありますから簡單に申し上げます。主税局長ここに出てもらうということはなかなかなかつたので、いろいろお尋ねしたいことがあるのであります。先ほどの話はこれでとめますが、次にお尋ねしたいのは、緊急開拓者として全國各地に入つておる入植者に対する税関係であります。これは御承知の通り昭和二十年の暮の閣議で緊急開拓の要綱が發表されまして、二十一年以後今年までの間に全國で約十四・五万戸入植しておると思うのであります。これは政府から補助金を受け、低利の融資を受けて保護されながら、非常に困難な開拓をやつておるのでありますが、これがほとんど税金の対象になつて所得税がかかつている。また地方税もそれに相当してかかつて來ておる。ところが長野縣におけるがごとく、ある縣によりましては、こういう入植者に対しては一人前の農民になる期間を五年、七年を見まして、その間免税をやつておる例もあるのである。これは大藏省としましては全体的に統一して、こういう人植者、國の援助によつて開墾をやつておる連中に対しては免税するという、立法的な方針をとつていただけないかどうか、あるいはその研究は税務署管轄あるいは財務局管轄内で、特別にそういうような便法を講じてもいいのかどうか、その点を私どもの立場から申しまして、免税にしていただける道があるのかどうかという点をお尋ねしたいと思います。
#31
○平田(敬)政府委員 今お話のような方々に対しましては、所得税等におきまする全体の査定に、相当注意するということは確かに必要だと思います。そうすると一般の從來からやつておられる方々と同じような寸法で所得を課税するというようになりますと、実際に即しないということになりますから、先ほど申しました標準率の適用等につきましても、極力そういう方々につきましては、よく注意を拂わなくちやならぬと考えますが、ただ立法的措置を講じまして、所得税を減免するというようなことにつきましては、若干引揚者等に関する問題がございまして、いろいろ研究してみたのでございますが、そこまで行くには、今の段階におきましてはどうも少し行過ぎであるということであります。特別の減免をやるということには相なつていないのでございます。
 地方税の問題につきましては、ある程度各地方団体におきまして地方議会の承認を経て、若干の特例等も設ける余地がございますので、そういう方面におきまして必要でございますれば、それぞれ適切な措置を講ずるということは可能ではなかろうかと考えます。これは中央におきまして一率にやりますことは、今のところまださようには考えていないような次第であります。
#32
○谷口委員 実情といたしまして、今開墾地に指定されてやつております百五十五万町歩のうちの、ほとんどが酸性の非常に強い寒冷地でありまして、軍がかつて持つておつた飛行場というような所でしたら、元々畑であつたり、田であつたりするので、開拓するのに地味もよいが、それはわずかでありまして、ほとんどが今日まで農民が見捨てて來たような一種の荒蕪地が開墾されております。そのために非常に酸性を中和する上にも、あるいはまた有機物質を入れる上に、普通の農民の考え得られないような多額の肥料などを入れて、牛など持つておりませんから、特に馬糞というようなものを買い込みまして、そういうものを入れなければとれないという状態である。從つて必要経費は非常に高くかかるわけであります。この必要經費を普通の農民より若干多く見てくれることは、交渉の結果、認めてくれることは事実であります。しかし本当の必要経費で赤字が出る。自分のつくつたじやがいもなど食つたりして、苦労して生活を続けておるわけでありますから、なかなか税務署はそういうところを見てくれないので、やはり割合むりな課税となつて來るのであります。こういう実情にありますので、これを一々やつておりましたのではたいへんなので、國から補助を受けておる間くらいは、一方に國から高い金をもらつておるのでありますから、そういう人々に税金をかけないという特例を設けられることは一向さしつかえないことじやなかろうか、現にそういうことをやつておる長野縣のような所があるのでありますから、これを先ほど申しましたように、財務局單位で便法ができるものならば、國としてこれはやつてもらうことが必要じやなかろうか、今詳しくは申し上げませんが、十四、五万戸入つておる緊急開拓者は二年目、三年目しまして、特に昨年あたりからやみごえがきかなくなつたというような状態で、いも麥をつくつておる農民としましては非常に困難な状態になつて、ここ一年、二年のところ、國家が力を入れて保護しなければ、半分くらいは脱落するじやないかという状態にあるのであります。それに補助を一方に与えまして、税金をとるというような建前は、私どもは好ましくない。私どもはそう思いまして、地方団体にもいろいろ陳情しましても、國がとつているという根據において、やはり地方税もかけるのであります。地方ではわずかな金でありましても皆こたえる。まだ電燈がなくほとんどかやの屋根に住んでやつておる。こういう人々に対して、あまり苛酷な税金をかけることにつきましては、私どもは緊急対策という大きな國家的建前からいたしましても、むりがあるじやなかろうか、ここは何とか行過ぎだと言わず、今までは仕方がありませんから、ここ二年、三年くらい免税するというような方向に大藏省は向いていただけないかどうか、いただければ私どもはけつこうだと思うのであります。
 それからこれは別なことでありますが、私ども共産党の者でありますが、いわゆる民主団体の税金適正化に関する運動をやつて今日まで参りました。今年の春でしたか、例の税務代理人という人間を使うことなしに、税務署へ団体的交渉をやることは違法だというような建前から、方々で取締りを受けております。御承知のように税務代理人というものはそうたくさんおりませんので、特に農村に行きますとおりません。ところがやはり皆集まつて自分の代理者を選んで、税務署の適正な課税の交渉にお願いに行くということは、これはそういう職業を持つておる人のいない所では、やむを得ず今自分の代表を選ぶような道しかないのでありまして、そういう方にも、やはり税務代理人でなければ、これは税務代理士法違反として取締るというような考えを、主税局の方でも持つていらつしやるかどうか、あるいはそういう場合には、便法として仲間から選んだ代表者に、二十人三十人の代表として、そういう代表権というとおかしいのでありますが、それを相手にして交渉していただくような措置を講じていただけますかどうか、その点を御答弁願いたいと思うのであります。
#33
○平田(敬)政府委員 前段の問題につきましては先ほど申し上げました通りでございまして、さらに多くをつけ加えることはございませんが、所得の査定にあたりましては、極力考慮するということにつきましては今後も努めたいと思います。
 後段の問題につきましても、ほかの委員会でもお尋ねいただいたのでありますが、不特定多数の者に対しまして、税務に対して一定の代理士法で規定する行為をさせる場合におきましては、やはり税務代理士法違反になる、かような解釈をとつております。実際問題としまして相当そういう運動が激しくありまして、やむを得ずそういう違反についてこちらから告発せざるを得ないような状態になつております。私どもやはりこの解釋は正しいのではないかと思つて、極力さようなことのないように努めて参りたいと思つております。
#34
○谷口委員 非常にこの問題は微妙でありまして、私ども明らかに行き過ぎだと思われるような運動のあることは、今まで若干あつたと思うのですが、しかし私のところで非常に公正に考えてみて、これは不当な査定だと思われる。從つてこれに対する訂正方を交渉に行くという場合、皆んなが出掛けて來てはたいへんなので、集まつて、その中から適当な代表を選んで行くという場合に、税務代理士でないと受付ない。こういうことになりますと、税務代理士がおりますとまだいいのでございますけれども、いない、あるいはそれに頼めば、これは主税局長のことですから御承知だと思いますが、最初五百円なら五百円の手数料をとつて、まかせば何割とるというのが現実であります。こういうことはそれぞれ代表を選んで行けば、そういうばかばかしい出費がなくなるわけですから、そういう場合には、代表を選んで行くということを認めていただいていいのではないかと思うのであります。これは京都の例でありますが、京都の市長さんが、そういう団体を代表して中京税務署に行つたという事例があります。市長さんならかまわないが、共産党では問題が起るというのでは、私は非常に片手落だと思いますが、その場合でも税務代理士法違反になるのか、これは非常に微妙な問題でありますから、もう一歩突き進んで所見を伺つてみたいと思います。
#35
○平田(敬)政府委員 税務代理士業違反になるかという法律の解釈の問題になりますと、私、先ほど申し上げた通りでありまして、不特定多数の者が、税務代理士法に規定する行為をした場合には、税務代理士以外の者がすれば該当すると思います。しかし実際問題としまして、どうも私どもの方から行きますと非常に行き過ぎが多いのでありまして、ややともするとそのために課税が適正化されないで、不適正化されるような場合がまま見受けられますので、私どもはそういう衆をたのんで税務署に押し掛けて、代表を選んで交渉するというようなことに対しましては、原則としてそれを拒否するようにという考えで指導いたしております。もちろんまじめな団体の正しい意見につきましては、極力先ほど申し上げましたように、意見としては聞くということにいたしております。御指摘のような運動の事例につきましては、全部ではないと思いますが、そういう行き過ぎた例が非常に多いというふうに私ども認めておることは、この際申し上げておきます。
#36
○中島委員長 谷口君、もう時間がありません。これは押し詰めて行つても意見の違いでなかなかうまく行かないと思いますし、この後小委員会のとき大藏省の方を呼びますから、この程度で……。
#37
○門司委員 それでは私からお聞きしたい。この前のこの委員会で警察の所管大臣であります樋貝さんにお聞きいたしましたが、樋貝さんには一向お話がわかりませんので、特に大藏大臣に出てもらへば実際がわかると思いましたが、大藏大臣がおいでにならなければやむを得ませんので、主計局長にお尋ねをいたします。警察制度がかわつて一年以上過ぎております。國家警察に從属いたしております諸君につきましては、退職手当が、從來と同じようにやめると同時に支給されておる。ところが自治警察に使われました者は、警部補以上は國庫負擔、巡査部長は都道府縣が半分持ち、國庫が半分を持つということになつておる。ところが引継の関係がまだうまく行つていない、算定がうまく行つていないというようなことが理由になつて、未だにこれの解決ができていない。從つて地方自治体に勤めておりまする警察職員は、辞める場合にほとんど一錢の退職金ももらえないというのが現状であります。從つてこれについて大藏省当局はどういうふうにお考えになつておるか。樋貝さんは一年有余そういう手續を怠つておつたということは遺憾であるというように、遺憾の意を表されたのですが、遺憾の意を表されただけでは実際問題は解決しないので、この点大藏省当局はどういうようにお考えになつておるかということであります。時間が非常に長くなつて同僚にも御迷惑と思いますが、ついでにそのほかの問題について聞きますと、これと同樣な趣旨で、町村の吏員の退職に対しましても、やはり問題の解決がついていないようにわれわれは見ておるのでありますが、これらにつきましても、同じような解決ができないものであるかどうかということを、あわせてお聞きをいたしておきます。
 その次には政府の地方公共団体に支拂われます支拂が非常に遅れておるということは聞いておりますが、ことにその中で問題になつておりますのは、選挙費用の未拂い問題であります。これは総額一億八千二百八十万円ばかりあるのでありますが、これが本年の一月に選挙が行われて、今日まで支拂われておらない。その内容はすでに御承知だと思いますが、七億七千万円の國の選挙費用のほかに、選挙費用がかかつた場合には、それは支拂うということを、当時の官房長官から國の選挙管理委員会にあてて書面が出ておる。にもかかわらず今日まで支拂われていない。そこで官房長官がおりませんので、郡官房次長に聞いてみると、そういうお約束はしたが、予備費が一錢もとつてないから、とうてい支拂うわけにはいかないというのであります。予備費がとつてないから支拂えないということになつて参りますと、非常に大きな問題が起つて來ると思うのでありますが、一体大藏省はこれに対してどういうふうにお考えになつておるかということであります。
 次にお聞きしておきたいと思いますことは、これは相関連した問題でありますが、今度の法律の改正によつて、地方の公共団体の分担金と、さらに支弁金が、從來の補助規定から離れて明確にされておる。從つてそれは今後どうしても支拂わなければならぬことに相なると思うのですが、その場合に、法律の建前といたしましては、地方公共団体はこれらについて問題がある場合には、内閣を通じてこれを國会に提訴することができるような道を一応開いたのでありますが、実際問題としましては、現状のように予備金がないと支拂えないということになると思うのです。政府はこれらの地方公共団体に当然支拂うべき金の遅延することを防禦するといいますか、手続上遅れることを防ぎますることのために、國家予算の中に地方公共団体に支拂うべきものについては予備金を設けるということを、お考えになるかどうかということであります。これは地方の公共団体につきましては非常に重要なことであります。選挙費用と同樣に支拂うのは当然だが、支拂うのに金がないということになると、地方公共団体は非常に迷惑になりますから、國の予算の建前の中に、予備金を置かれる意思があるかどうかということであります。
 それから最後に申し上げたいことは、市町村の吏員に対する恩給の問題でありますが、これも未だにはつきりいたしておりません。國の地方公務員諸君は、十二倍あるいは二十六倍の恩給の処置がとられておりますが、地方公務員に対しては、二十三年度、二十四年度の予算の中には、ほとんどそれらのものが計上されていない。わずかにそういう法律を今政府は立案中だというくらいの程度しか進んでいないと思います。こうなつて参りますと、地方の町村の吏員の諸君の恩給の問題は、きわめて精神的に大きな問題になつて來ると思いますが、この点に対してどういうようにお考えになつておりますか、以上四つの点をひとつ御答弁を願いたいと思います。
#38
○河野(一)政府委員 市町村吏員及び自治体警察の職員の退職手当の問題でありますが、これは從來からそういうふうになつておるのでありますが、こういつた地方団体職員の退職手当は、当該団体において支弁する、負担するという建前になつておるのであります。ただ自治体警察の問題につきましては、途中から國の方から地方に引継がれた関係がありまして、退職手当についてお互いがどう分担するかというような点において問題があつたのではないかと思います現在。府縣と國との関係におきましては、最後の俸給と支拂つたものが全部を負担する、恩給につきましてもそういうふうな建前になつているのであります。ことに自治体警察は、人員が非常に多かつた関係もありますので、当然問題はあるかと思うのでありますが、ただその大部分は市町村と府縣との関係のものであろうと存ずるのであります。從つて府縣と市町村の間において、退職金の分担の割合その他をきめるべきものでありまして、この点は地方財政委員会、あるいは樋貝さんの方でどういうふうにお考えになつておりますか存じませんが、建前としてはそういうふうになつております。
 それから過般の総選挙の経費でございます。これは先ほど一億八千万円とかいうようなお話があつたのでありますが、この点につきましては、私の方で目下いろいろ調査をいたしております。これは配付の方法その他に多少考えるべき点があるのではないかというふうに私らは思うのでありますが、選挙管理委員会の方から配付せられました予算に対して、非常に実績がまちまちになつておるのであります。配付の額で大体間に合つたところもありますし、あるいは多少あまされたといつたようなところもありますので、六割も不足を生ずるといつたことは、どういうふうに実際の事務を執行せられましたのか、経費の内容等につきまして、多少檢討を要する点があるのではないかというふうな氣がいたすのであります。正当に支出せられた経費でありますれば、過般内閣からも聲明がありました通り、そのつもりで私どもも考えております。ただ、ただいまのところ、更正予算を出す機会もございませんので、近い機会において善処するようにいたしたいと考えております。この点過般私が当委員会において申し上げた通りでございます。
 それから地方に対する負担金、あるいは分担金の問題で、予備金を設けたらというようなお話であつたのでありますが、ことしの予算は御承知のような事情で、予備費というものを一切計上いたさない。このこと自体いいか惡いかは、いろいろ議論のあるところであろうと存じますが、外國におきましても、非常に收支を切り詰めてやる場合には、予備費をおかなかつた例もあるようでございます。現在の日本の状態といたしましては、いろいろ御議論はあろうかと思いますが、予備費をおかなかつたということは事実でございます。それで將來のことでありますが、この分担金、負担金の問題につきましても、先ほどの総選挙の費用と相関連したような問題がございまして、これは政令その他で負担の準備その他を定められるのであります。幾らかかつてもということでなしに、國といたしましては、統一性というような観点から、一定の規格、一定の標準のもとに負担せられるということを前提として補助をし、負担をいたしておるというような関係もありますので、こういう点もあわせて考える必要があるのではないか。これにつきましては、現在としては予備費がないのでありますが、それは支出すべきものでありますならば、ただちに予備費というわけにも参らぬこともあるかと思いますが、適当の機会において善処すべき筋合いのものと考えております。
 最後に市町村吏員の恩給の問題でございます。これは御趣旨非常にごもつともな点もございますが、國費、地方費の負担区分の点その他から考えまして、將來は市町村なり、あるいは地方において負担すべき筋合いのものである。なだ財源の点につきましては、別途の問題で考えるべき筋合いのものと思いますが、建前としてはそういうことになるべき筋合いのものであろうと思います。ただ恩給問題自身が、今回御承知のような公務員制度の改正によりまして、官吏と雇用人との区別がなくなつて参つております。官吏の方は恩給がございますが、雇用人以下につきましては、共済制度によつて同樣なことをやつておるのでございまして、その間において、公務員自身についても、この制度自体に、根本的檢討を要する段階に來ておるのでございます。そういつたような点もございまして、市町村吏員あるいは府縣吏員についても同樣だと思いますが、恩給制度について、根本的に再檢討をいたす必要があるのではないか。その段階において、どういうふうにこの問題を考えて行きますか、過去に起つた事実の問題と、今後の方法とをあわせて早急に研究し立案すべき筋合いのものと考えておる次第でございます。御滿足の答弁に相なるかどうか存じませんが、ただいま私の考えておることはさような点でございます。
#39
○門司委員 よく御存じないのではないかと思います。私の聞いておりますのは、今まで國家の警察官として勤めておりました以上は、退職金は当然が國が拂うべきだが、それが支拂われておらないということです。俸給を支拂うとか、支拂わぬということは、最初からわかつているのです。一体國は、今まで使つておつた間の警察官の恩給も退職金も、拂わないという御意思なんですか。國家警察の方は引継いでおりますから、やめれば手当がもらえるが、地方の自治警察の諸君は、國がその処置を怠つているからもらえないということで、この点は大臣も率直に認めて、近いうちに何とかしたいというお考えであつたから、私は特に今日大藏大臣の出席を求めて、それをはつきりさしたいと思つたのであります。この点もう少し明確にしていただきたい。
 もう一つは、負担区分の問題であります。これは今度の選挙費用とは違うのであります。從來の補助金というのは非常にあいまいで、あるいは三分の一以内とか十分の五から十分の八以内ということで、非常に不明確になつておつて、地方の公共団体が仕事をする場合非常に迷惑をしておつた。それで今回の法律では負担区分をはつきりわけておる。これは調査して支給するとか、支給しないという筋合いのものではないので、当然支給すべきものである。支給すべきものでないなら問題は起らない。選挙費用の問題にしてもそうです。使うだけ使わしておいて、あとでやつたことがよかつたかとか、調査して支拂うというような不都合なことはないと思う。もしそうだとすれば、官房長官は、どうして足らない費用はあとで拂うというような通知をしたか。國自体が地方の公共団体に対して、そういう不親切なことでは、地方公共団体の仕事はできない。地方公共団体の仕事ができなければ國の事務は非常に澁滯するのです。その点をもう少し明確にしておいてもらいたい。
#40
○河野(一)政府委員 警察官につきましては、府縣から市町村に行つたものが非常に多いと思うのでありますが、公務員の資格は、恩給法上は継続しておるものと考えることに相なつております。しかしこの分担関係はまた別でございます。
 それから國費、町村費の負担区分の問題であります。先ほど私が申し上げましたのは、國としては一定の標準なりあるいは均衡という考え方のもとに予算を配分いたしておる。負担区分の問題を例にとつて申し上げますと、その事業を執行する上において、國が持つておる一定の考えの程度においてやつて行きたい。やむを得ずそれ以上に超過した分を拂わないという趣旨ではないのでありますが、考え方としてはそういう予算の配分をやるのだということであります。
 それから総選挙の問題でありますが、この点につきましては、その内容が総選挙に使われたものでありますならばおつしやる通りだと思います。この点につきましてこまかい話になりますが、交際費でありますとか、宣傳費でありますとか、多少はつきりといたしておるかどうかといつたような点について、私どももう少しよく見てみたい点がございます。そのことを申し上げたのであります。
#41
○門司委員 なるほど警部補以上は國費であることは事実であります。さらに巡査部長以下の対しましての退職金に二分の一は國庫負担であります。この率がはつきりきまらぬから、これの支拂いがはつきりきまらぬから、地方でも拂えない。國は一体一年有余たつておるのに、なぜそれをしないか、しかも樋貝國務大臣は遺憾であることをはつきり率直に認めておる。大藏省がこれを支拂うことをとやかく言うことはおかしい。どこに支拂えない原因があるか、この点はこれ以上あなたに追究してもおわかりにならぬと思いますから追究いたしません。警察の主管大臣である樋貝國務大臣と相談の上、早急にこれを支拂つてもらいたい。そうしませんと地方自治体の警察官の士氣の上に、大きな影響を持つて來る。薄給でこの生活難の中にあえいで、國の治安維持のために努めております警察官に、こういう不安を与えていいか惡いかということです。大藏省はただ財的のものの考え方で、こういう國のきわめて大きな問題に発展しようとするというようなものを單なるりくつと理論の上だけて押えられているということは、まつたく國の事情と、國民生活の実態を知らない役人の集まりであると言われてもさしつかえないと思います。私はその点のお話を特に強く申し上げておきます。その次に申し上げておきたいことは、ただいまのような御答弁でその使途が非常にあいまいである。あるいはその使途についてはこういうふうにやつてもらいたいというようなことが從來の考えであつて、從來は惡かつたから、從つて今回はそれを補助金という制度をやめて、分担金はいくらやるということを明確に法律の上できめておる。きめただけは当然支拂わねばならぬことになつておる。これは國の委任事務だから、國の委任事務をやらしておいて、地方の事業の補助金とは違う、地方がやる一つの事業に対して國が補助金をやるのではない。國の委任事務で國が当然負担すべき金である。その金をあとで調査してやれるとか、やれぬとかいうことになつたら、地方の公共団体は國政事務をどうしますか。かりに選挙の問題だけを取上げてみましても、國からくれる金だけで、選挙管理委員会の一切の事務をやらずにおればそれで済むというわけに参りますまい。選挙するには選挙するだけの金がかかるのであつて、そういう國が地方の公共団体に対して、きわめて不親切、ことに官僚的なものの考え方であなた方が処理されるというならば、これ以上私はあなたに質問申し上げません。あとは大臣に聞いて責任ある答弁を求める以外にありません。こういう点を十分ひとつ考えておいてもらいたい。これ以上あなたに答弁を求めようと思いません。
#42
○中島委員長 なお大藏省の関係においては継続される小委員会で十分私どもも意見を述べたい点があります。これは次の機会に讓るといたします。参議院の方が非常にせいておりますから、質疑はこの程度に終りたいと思います。
 委員長としてごく簡單にごあいさつ申し上げます。第五國会におけるわが委員会も、突発的事件がない限りはただいまをもつて終了いたしたことになります。当委員会は非常に重要な法案が多かつたのでございます。ことにその法案に対する政府の提出が非常に遅延されまして、私どもこの法案に対して十分な審査期間がなかつたことを遺憾に思います。しかしながら周囲の事情によりまして、不満足ながらこれの審議を終了しまして、大体私どもの審議しました法案は成立を見ると確信をいたしております。委員諸君の御労苦に対しては深く感謝いたすものでありますが、地方行政に対しましては、なお改善を要すべき点、あるいはその他に重要な問題がありまして、継続して、できるだけ地方行政事務と國政との中和をはかりまして、地方行政事務に参画する諸君に対して魅力を特たして行きたいと思います。今日はずいぶん國にたよる関係がすべて放擲されまして、いかに地方行政を扱い得るかというふうに杞憂しておる町村が方々にあるのであります。かような現状は國家のためにまことに遺憾にたえない次第であります。特に本委員会は、休会中にも精励もつて國家のために、これらの問題を解決したいと思います。私委員長の重職にありまして、不肖であり、ことにこういうことには非常に不得手であります。幸いてでいま申し上げたような結果を得たのは、委員諸君のまことに御同情ある御後援のたまものであると深く感謝をいたす次第であります。なお專門員、議会の職員に対しても、この機会にあつく御礼を申し上げます。
 これで散会いたします。
    午後零時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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