くにさくロゴ
1949/04/21 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第18号
姉妹サイト
 
1949/04/21 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第18号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第18号
昭和二十四年四月二十一日(木曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 小峯 柳多君 理事 島村 一郎君
   理事 塚田十一郎君 理事 宮幡  靖君
   理事 田中織之進君 理事 荒木萬壽夫君
   理事 風早八十二君
      石原  登君    岡野 清豪君
      小山 長規君    北澤 直吉君
      佐久間 徹君    前尾繁三郎君
      三宅 則義君    吉田 省三君
      宮腰 喜助君    河田 賢治君
      内藤 友明君    河口 陽一君
 出席政府委員
        大藏政務次官  中野 武雄君
        大藏事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
 委員外の出席者
        議     員 松永 佛骨君
        参  考  人
        (國立東京第一
        病院長)    坂口 康藏君
        参  考  人
        (全日本國立医
        療労働組合委員
        長)      堀江信二郎君
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 國立病院特別会計法案(内閣提出第三八号)
 揮発油税法案(内閣提出第五七号)
 酒税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五九号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより会議を開きます。
 國立病院特別会計法案を議題といたします。本案に関しましては、先般來質疑を継続し、なお厚生委員会との連合審査会を開いて審議をして参つたのでありまするが、種々問題がありまして、本委員会としては、結局一般民間の意見を聽取した上で、本案に対する態度を決定することにいたしました。本日出席をいただきました参考人の方は、國立東京第一病院長坂口康藏氏及び全日本國立医療労働組合委員長堀江信二郎氏のお二人でございます。参考人の方におかせられましては、本案に関する率直な意見の開陳をお願いいたしたいと存じます。それではこれより本案について、参考意見を聽取いたします。國立東京第一病院長坂口康藏君。
#3
○坂口参考人 私は別にこの法案に関しまして研究もいたしておりませんので、どういう点について御質問であるかということが、まだ私にはよくのみ込めておりませんが、何かある箇條について御質問をいただきますと、もう少し具体的なことが申し上げられると思います。一般的にこれについて何か意見を言えということでありますと、私はこれはどういう趣旨から特別会計になつたかということにつきまして、よく存じておらないのですが、もしも大藏省当局の方で、よく民間の人たちが考えておりますように、病院はやり方によつては自給自足ができるから、そういうふうな方向に持つて行くために、特別会計にした方がいいのだろうというお考えであるとすれば、これはどうもたいへんな間違いじやないかというように考えております。しかし、もしも皆さん方が病院を理想的に経営して、國立病院としての使命を十分に果すためには、当然これは赤字が出るものであるということを十分に御了解になりまして、一般会計の方から相当の補助金は出す。しかしまた特別会計には特別会計でむろんよい点もございますから、その特別会計のよい点だけを十分に生かして行くのだということでありまするならば、これもけつこうと思います。結局特別会計がいいか、一般会計がいいかというようなことにつきましては、大藏当局、厚生当局のやり方によりまして、よくもなり惡くもなると私は思つておるのです。実は私は、大藏当局の方で特別会計にするということの根本的な御趣旨についてはわかつておりませんので、これでよいとか、惡いとかいうことを、私としては申し上げることはできぬと思います。私が大学におりましたときに、やはりあそこが特別会計になつておりましたが、それには政府から相当の補助金をもらつて、特別会計をやつておつたのでありまして、いろいろ一般会計よりも都合のよい点もございました。しかし今度の國立病院につきましては、私は相当の赤字が出るというふうに考えておりますから、一般会計の方から相当の繰入金があるという條件のもとにおいては、單純な一般会計よりもよいかとも存じます。そういう点におきましては、第十八條の附則になつております第三項に「政府は、この会計の歳出の財源に充てるため必要があるときは、当分の間、」云々ということがございますけれども、これは永久に相当の補助金を出して繰入れて行かなければならないものと思います。だんだん医学が進歩いたしますにつれて、医療費というものはだんだん高くなつて参りますので、一般会計の繰入金というようなものも、だんだんと多くなつて行かなければならない性格のものであると思います。これを「当分の間」という言葉を使うということはどうかと思います。
 それからこれは本則に繰入れるべきものであるというふうに私は考えます。それで少し余談になるかもわかりませんが、從來の一般の縣立病院とか、そのほかの組合病院などの樣子を見ておりますと、何か病院というものは経営の仕方によつては黒字になる。黒字にすべきものである。從來の縣立病院などでも、病院で上つた收入をほかの方にまわしておつたような所がありましたのですが、そういう考え方が國民の間に大分廣がつておるように思います。これは根本的の間違いであると思います。昔は医療費というものは病人もしくは家族が当然負担すべきもので、もしも負担し得ない場合には、何か慈善團体、宗教團体あるいは國家なりが、それを補助しておるというような考え方であつたようであります。そういう場合でありますと、自分のふところの許す限りにおいて、出してやらないよりはましだというような考え方でありましたけれども、だんだん社会の制度が発達して参りまして、これは皆さん方十分御承知のことでありますが、病人ができれば、ちようど指にとげを刺したようなもので、全体の活動に妨げになるのでありますから、一日も早くその病人を取除いて、社会全体の機能と能率をよくし、また安寧を維持して行くためには、本人が金が拂えても拂えなくても、とにかくその病人を社会から除いてしまうことが必要なので、これは國家の責任でその病人の完全な診療をするというようにしなければなりません。そういう点におきまして、國立病院が十分にその使命を果すためには、相当の金額を一般会計の方から補助していただかなければ、十分の使命達成はできぬかと思います。それが根本問題でありまして、そのやり方につきまして、一般会計か、特別会計かということにつきましては、これはまつたく大藏当局と厚生当局とのやり方いかんによつて、よくもなり、惡くもなると思つております。そういう十分な補助金があるという條件付におきましては、私はしいて特別会計に反対はいたしませんが、初めに申し上げましたように、もしも特別会計にするという出発点が、將來自給自足ということを目標とするということであれば、これはたいへんな間違いであると考えております。
 なお、どういうことを申し上げてよいかよく私わかりませんので、何か御質問がありますればそのことについて御返事申し上げることにいたしたいと思います。
#4
○川野委員長 ただいまの御意見に対して質疑はあとまわしといたしまして、次に全日本國立医療労働組合委員長堀江信二郎君。
#5
○堀江參考人 私は國立病院と療養所の現場に奉職しております三万名の職員の、この今回実施されようとしている特別会計なるものに対する意見を述べさせていただきます。
 まず私どもが最も憂慮していることは、今回実施される特別会計制度によつて、從來の國立病院の性格がかわつてしまうということを最も憂慮しております。御承知のように、全國で九十七ある國立病院は、約二万四千の病床を持つておりまして、月平均延べの患者数は約六十万余、それから外來の患者の延べは月五十万余。その患者を分析してみますと、生活保護法による医療給付による患者が約五〇%を占めております。それから社会保險の患者が約二〇%、次に生活保護法にも社会保險にもよらない患者、これは厚生省のはからいによりまして、そういう患者は全額免除しておるのであります。そういう免除している患者は約一〇%、これらの生活保護法、社会保險、全額免除の患者は計八〇%の延べであります。しかも國立病院におきましては、社会保險についても割引しております。これは入院の患者に対しては約一五%、外來の患者に対しては、一〇%一般よりも割引しておるのであります。さらに厚生省の権限においての減免規定というものをつくつておりまして、拂えない患者に対しては段階をつけて拂い得るようなぐあいに処置しておるのであります。
 こういうぐあいに、ほとんどの部分がこの社会保險、生活保護法の患者を積極的に扱つて來ておる國立病院というものが、一般の大衆からどういうぐあいに見られ、扱われて來ておるかと申しますと、最もよい具体例は、これは私が直接扱つた問題でありますが、名前はもちろん申し上げませんが、ある代議士の方なのであります。その代議士の方が自分のお孃さんが結核になつて、月々約六千円ずつ使つておられたわけなのであります。ところがそれが非常に自分としては身にこたえて來られた。けれどもそういうことを外部に発表するわけにも行かなかつたのであります。それを國立病院において、減免規定、あるいはまた社会保險、生活保護法、そういつたものによつて收容していただける、みていただけるということがわかりまして、そういうぐあいに処置したのでありますが、そういうことをされた結果、その代議士の方が身にしみて、國立病院の意義ということをよく感じられたということがありました。さらにもう一つの例は、相当裕福な家庭の人でありますけれども、その方が一人の病人のために月約二万円から三万円の治療費を使つておられました。そうして昨年の秋ごろまでにその一人の病人のために、約四十万円使い切つてしまつた。とうていこれではやつて行けないということで、民生委員の方に泣きついたのであります。そういう相当裕福な人が一人の病人を何ともまかない切れないで、民生委員に泣きついて國立病院を利用して來た。こういうことがありました。この二つの例から見ましても、國立病院が從來果して來た役割について御承知願えると思うのであります。
 すでに御承知のように、アメリカからもわれわれは社会保障制度の確立を勧告されております。なおまた厚生省におきましても、民主主義國家における医療のあり方というものが、社会保障を根本にして打立てられなくちやならないということは、皆樣もすでに確認されていることと思うのでありますが、從來果して來た國立病院の実績は非常にゆるいものではありましたけれども、社会保障の基盤に立ちまして、今申し上げましたような八〇%の生活保護法、社会保險、全額免除、こういう人々を積極的に吸收して扱つて來ているわけであります。これが國立病院の性格であります。この性格を明確にして、さらにこれを強化して行くということ、このことこそがわれわれの任務であります。なおわれわれ以上に厚生省、大藏省、さらに國会の任務でなくちやならないものと、われわれは考えておるのでありまするが、この性格そのものが今回の特別会計制によつてかわるのではないか、いな、われわれがいろいろ研究した結果かわると思つているのであります。まずそれを第一点として申し上げたい。
 第二といたしましては、今回特別会計制を実施するについて、大藏省当局も、厚生省当局も、十分やり得るという自信を持つているということを言つておられます。その根拠は昨年度の歳入歳出の実績を、唯一の根拠としておられるようであります。昨年度の実績及び今年度の見透しにつきまして、われわれはこう思つているのであります。まず今まで國立病院の入院患者の五〇%を占めておる生活保護法の患者について見ますと、昨年度生活保護法に使われた金は八十九億円出されております。その八十九億の三八%が医療給付の方に支出されておるわけであります。ところが本年度は百十四億が組まれているわけであります。しかし若干殖えている生活保護法の金も、おそらく今年度においては相当の人員整理、行政整理、失業者の続出、そういうことによりまして、むしろこれは医療給付に使うよりも生活扶助に使わなければならないということを、まず見透しとしてわれわれは考えなくちやならぬと思います。
 さらに生活保護法の適用ということは、市町村の財政の状態によりまして、市町村が生活保護法を適用するということを言わなければ、生活保護法の適用はでき得ないのであります。ところが御承知のように、本年度の市町村の財政状態は、昨年度より以上にきゆうくつになるということを、われわれは断定しなくちやならぬと思います。しかも生活保護法の最近の状況を見ますると、東京の第二病院の例をとつてみますと、入院患者四百十五名のうち、生活保護法の適用者は百十四名あるのであります。その百十四名のうち、旧軍人だつた人が四十五名、引揚者が十三名、一般の人が五十六名、こういうような生活保護法の適用者のうちの旧軍人だつた四十五名の適用者に対して、最近に至つて十七名の人が保護法の適用を停止されてしまつた。しかもその停止された月を繰つてみますると、昨年の七月ごろから一人、二人と徐々に打切られて來たものが、今年の三月に至るや、急激に九名というものが、生活保護法の適用を停止されてしまつたのであります。これは四十五名の患者のうち、十七名停止されておる。全般に見ましてこのような状況に生活保護法の適用が打切られようとしております。このように生活保護法の今後の見通しといたしまして、なおまた現在打切られようとしておるこういう情勢から判断いたしまして、現在五〇%を占めているこの生活保護法の患者、これは五〇%をはるかに下まわらざるを得ないということが、われわれには予想されるのであります。そうすると、この生活保護法に適用できない人は、当然減免によつて無料の患者に扱つてやらなくちやならぬということになります。さらに社会保險の問題にいたしましても、健康保險においては昨年十億の赤字が出ておるということを聞いております。そういうぐあいに、この健康保險の運営そのものが非常にきゆうくつになつて來ておる。円滑を欠いて來ておる。從つて保險から入る金というものは、二箇月、三箇月遅れておるのでありまするが、さらにそれが不円滑になるということをわれわれは予想せざるを得ない。そういつたようなぐあいに、この收入の八〇%を期待しておる生活保護法、社会保險からは、当然今まで通りにそこから歳入が上つて來るということを期待してはいけない、こういうことをわれわれは断定せざるを得ないのであります。さらにそれでは生活保護法、社会保險によらない患者ならば、自分の費用で出させたらいいじやないかということを、お考えになるかもしれませんが、しからば自費でもつてやつている患者がどういう負担をしているかと申しますると、大体これは最低で一万九千七百円ぐらい拂つておるようであります。しかも先ほど申しましたように、これは最低でありまして、一般の病院にかかつておる人はすでに四十万も一つの病院に使つて、民生委員に泣きついたというような状態でありまして、自分の費用で負担し得た人でも、今後はとうてい自分の費用で負担し得ないで、むしろそういう割に裕福な人たちが、民生委員に泣きついて來ておるような状況であつて、今後自費の患者をより多くとるということも、なかなかこれは困難な問題じやないかということも予想されます。そういうぐあいに、昨年度の收入によりまして、今年も当然それを上げるんだというような根拠、これについてはその根拠がはなはだ薄弱だ、あまりにも樂観しておる、檢討が足らないということを申し上げざるを得ないのであります。しかしもちろんわれわれ職員が收入を上げるということを、しいてサボつているとか、怠るとか、妨害するとか、そういうことでは絶対ないのでありまして、現にわれわれ末端にいる職員といたしましては、一人々々の患者の生活保護法の適用のために、各市町村をかけずりまわりまして、一人々々の患者の苦情、状況をこまごまと説明してまわつて、一月々々生活保護法を延ばしてもらうためにお願いしておるのでありまして、それは非常な努力を拂つておる。決してこの收入を上げるということを、しいてサボろうとしておるものではないということを、一應御承知願いたいと思うのであります。こういつたぐあいにやり得るという自信を持つておる根拠、收入の面についてわれわれは非常な不安を持つておるということを第二として申し上げたい。
 それから第三といたしまして、これを実施することによつて、運営そのものが完全に営利化して行くということを申し上げたい。これは國立病院に対しまして、実は昨年の春、歳入というものの目標を示して來たのであります。今まではできるだけとれる人からとつてほしいという程度のものが、昨年の春はつきり目標を示して來た。何%何%と目標を示して來た。そのとたんに施設側におきましては、そういう目標を示されたことによつて、どうしてもそこまで上げなくちやならないというような心理的な影響を受けまして、ある施設におきましては、それの收入にこぎつけるために、一等病室とか、二等病室、こういつたような特別な病室をつくることを始めたわけなのであります。そういつたように收入の目標を示すことに対してだけでも、こういう反響を呼び起しております。ましてやこの生活保護法、それから社会保險、それから自費の患者、これは今後の見通しから見ましても、特別会計という今回の案に組まれておる約七〇%のこの歳入を是が非でも上げるためには、どうしても拂える患者のみを吸收しなくちやならないということになるわけであります。そのためにはそういつたようなもうかる人だけを目当に吸收しないと、七〇%是が非でも取らなければ運営ができないというわくを取るためには、そういつたように完全に職員の氣持が営利化の方向にどうしても行かざるを得ない。そういう影響を受けるということをわれわれははつきり申し上げたい。厚生省といたしましては、これは大丈夫だ、大丈夫だということを先ほどからしきりと申しておるようでありますけれども、私ども職員といたしましては、実は三年來厚生省当局に対しまして、軍病院から引継いだ國立病院を、文字通り國民全部の病院たり得るように、整備拡充してほしいということを、こまごまと常に意見を具申して來たわけなのであります。しかしそれに対しましては、いろいろ予算の関係もあるのではありましようが、從來の軍病院の当時からほとんど何ら整備拡充については前進しておりません。むしろ政府当局としてやるべきことは、かつての軍病院を文字通り國民全部の病院たり得るように、模樣がえするということに努力しなければならないのであります。しかしそういうことすらやり得なかつた。だからそのために現在いろいろな欠陷も見えますけれども、その欠陷は直すべきことを直さないで置いたという欠陷なんであります。そういう事態を拾收できなかつた厚生省当局は、大丈夫、大丈夫と言つておりますが、しかしわれわれ末端の職員といたしましては、從來の経驗からいたしまして、厚生省及び大藏省が営利化しない、大丈夫だという保証に対しまして、今申し上げましたように、非常に憂慮しております。ことに最近におきまして、この國会において特別会計制が実施されるといううわさが出たとたんに、方々の病院におきましては、職員の医療費徴收の態度が非常に強硬になつて來たということを、患者側は具申しております。直接これは患者からわれわれの方に申し出ている声であります。今申しましたように、まず完全に営利化して行く。これは勢いとしてそうならざるを得ないということを、まず申し上げておきます。
 その次には、社会保險、生活保護法、それから無料、こういつた患者を締め出す傾向になるということを申し上げます。これは先ほどから申し上げておりますように、この特別会計制によつて運営する場合には、その與えられたわくを是が非でもとらなかつたならば、運営はできないわけであります。そういう意味におきましても、まずそういう金をあまり十分拂い切れない、そういう方々の患者、社会保險の患者、無料の患者は締め出すと言つたような傾向が、自然の勢いとして生れて來るということを、まず申し上げたいと思います。
 次は医療の質と内容とが低下するということになります。從來一般会計において非常に予算がきゆうくつでありましたけれども、國立病院におきましては、この医療の面につきまして非常に良心的にやり得たということが、唯一のとりえであります。ところが從來も予算が少いために、ペニシリンというようなものはすべて患者の自己負担にさしておつたようなわけであります。ところが今度はこのペニシリンのほかの藥品なども拂えない患者には、とうていやつてやれないという場合もあると思います。さらに國立病院をよりよくして行くためには、さらにより以上の研究を遂げなくてはならぬわけであります。そういう研究費も患者の收入の中から研究費をたくさん見積らなければ、とうてい研究して行けないというような状態になる。こういうことでありますから、お医者さんの良心というものが経営費のために非常に制約されて來る。だから医療の質と内容の低下を來すということは、これは必然の結果であるということを、われわれは申し上げたいと思うのであります。
 その次の問題といたしましては、國立病院の施設の整理ということ、廃止ということが自然の勢いとして出て來ざるを得ないということを申し上げたい。というのは、過去においてもすでに厚生省側の意見、大藏省側の意見としてそういう意見が出ておるのであります。國会においてはそういうことはないと否定されておりまするが、実際においてそういうことが出ております。現に今回の特別会計制が厚生省内で論議されておる際においても、厚生省内においてはつきりと今後の國立病院の施設の整理というものは、特別会計をしくことによつて手入らずにやり得るということを、放言している声すらあつたのであります。ということは、とかく收入の上らない施設は、当然仲間同士の中からじやまにされて來る。收入の上る施設は收入の上らない施設に、自分の働いたものをわけてやるといつたような傾向には決してならないで、むしろそういうものをじやまにして來る。そういうような傾向から当然この仲間同士から、そういう收入を上げ得ない施設は整理したらよいだろうという声が出て來る。こういうことを予想しておるようでありまして、收入の上らないということは何も職員が怠慢であつて上らないということじやなしに、いろいろな隘路があるのであります。そういうふうな隘路に対しまして今まで何ら手を打たないで、そういう收入が現に上らないということだけで、仲間同士からじやまにされるようなやり方が、特別会計制の中に含まれて來るということを、われわれは指摘しなくてはならないと思うのであります。
 以上いろいろ述べましたが、私どもは特別会計制に反対するのは、何も一つのイデオロギーの立場から、反対しておるのではないのであります。現にこの國立病院というものが、どういう人たちに利用されているかということをお考え願えれば、おわかりになると思うのであります。今現にこういう患者はおそらく日本の大部分の人と思います。そういう人たちが今後も安心して、またわれわれが積極的にそういう人たちの医療を、心配なく引受けてやれるような状態を、われわれはこの場合むしろ強化したいという氣持から、申し上げておるのであるということを御了承願いまして、ぜひひとつ國立病院の性格をかえないで、さらにむしろ今後これをより拡充して行く。しかもこれが社会保障の医療の面における基盤になり得るようにやつていただきたいということを、特に希望をつけ加えまして私の意見を終ります。
#6
○川野委員長 以上お二人の意見に対して質疑があればこの際発言を許します。なお質疑は簡潔に願います。風早八十二君。
#7
○風早委員 組合委員長の方にちよつとお伺いいたします。今公述なさいましたことはごもつとも千万だと固く信ずるものでありますが、しからば積極的にどうしたらよろしいか、どうすべきかというあなたの方の御主張、御要求をぜひ聞かしていただきたいと考えます。
#8
○堀江參考人 そういう具体的な問題につきましては、組合といたしましては、医療対策委員の中で非常にこまかいものをつくつておりますが、これは後ほど皆さんの方にお届けしたいと思つております。
#9
○川野委員長 ほかに御質疑ございませんか。――なければこれにて参考意見の聽取を終ります。
 これより議案の審査に入ります。國立病院特別会計法案に対して質疑を続行いたします。ほかに御意見はございませんか。――なければ本案に対する質疑は打切ります。
    ―――――――――――――
#10
○川野委員長 次に昨日説明を聽取いたしました税法案二件を議題といたします。
 まず酒税法等の一部を改正する法律案に対する質疑に入ります。質疑に入るに先だちまして主税局長平田政府委員より、案の説明を聽取いたしたいと存じます。平田政府委員。
#11
○平田(敬)政府委員 税制改正に関する法律案につきましては、お手元に法律案要綱というのをお配りしてある次第でございますが、この要綱につきまして若干提案理由の説明を補足いたしまして、御説明申し上げたいと存じます。
 まず方針といたしましては、提案理由でもよく御説明申し上げましたように、税制につきましてはさしあたり現行税制を踏襲して、根本的な改正は將來の研究にゆだねるということにいたしております。これは近くアメリカからシヨープ・ミツシヨンが見えまするので、その際に政府といたしましても極力妥当な税制が樹立できますように、万全の準備を目下進めつつありますが、その結論によりまして税制の全般的な改正を行うことに相なるかと考えている次第であります。しかしながら部分的に申しますと、この際改正をしていい事項が相当多数ございますので、さような点につきまして今回法律案としまして、まとめて提案いたしたような次第でございます。直接税につきましては実は御存じのようにほとんど改正がございません。ただ間接税、なかんずく酒税と取引高税につきましては相当な改正でございます。その他の諸税につきましても若干の改正を行いますとともに、新たに揮発油税を今回創設することに相なつたのでございます。以下各税の要点につきまして若干提案理由を補足しまして、御説明申し上げたいと存じます。
 まず所得税でございますが、所得税につきましては現在の税法では四月と七月と十月と一月の四期に、それぞれ四分の一ずつを納めることに相なつておりますが、その建前を本年度は三回にわけて、六月と十月と翌年一月の三回としまして、それぞれ三分の一ずつを納めるということにいたしておるのでございます。これは一つはいろいろ予算、税制等の点が遅れましたのと、もう一つは從來から一月の確定申告に対する更正決定が行われまして、課税が少し遅れておりまする点も考慮いたしまして、大体第一期を六月にし、第二期を十月にし、それから確定申告は今まで通り一月としまして、それぞれ三分の一ずつ徴收するというようにいたしますることが、現在の納税者の実情並びに所得税の行政の点から行きまして、最も妥当であろうという考え方からいたしまして、かような改正案を提案いたした次第でございます。
 その次は法人税でございますが、法人税につきましても、大藏省の税制審議会でいろいろな研究案を公表いたしましたことは、御承知の通りでございますが、これにつきましても相当根本的に檢討を要する点が多々ございますので、法人税の根本改正も、やはり來るべき税制改正の際にゆだねることに相なつたのでございます。ただその中でプレミアムに対する課税の問題は、目下資本金が各法人とも非常に少くて、しかも借入金は相当多い。何と申しましても、この際自己資本を充実させるという必要は、非常に緊急の要請事と考えられますので、このプレミアムにつきましては、この際積立金として積み立てた場合は、全額免除するということにいたす必要を認めまして、この法律案を提案いたしたのでございます。これによりまして、各会社が株式を一般に公募する方法により資金を調達するということは、相当容易になると私ども考えておる次第でございます。その改正がおもなものでございますが、なお從來土地收用法なり農地調整法等により、不動産等を一時に強制的に買收される場合、あるいは賣却される場合がございますが、かような場合におきまして、一ぺんに所得が出て來て、その際超過所得税を課税しますと、実際において課税が酷な場合がありますので、そういう場合におきましては、普通の所得税、法人税だけ課税しまして、超過所得税は免除するというような措置が妥当であると考えまして、かような改正案を租税特別措置法として提案いたしておるのでございます。直接税の関係はさような点がおもなものでございます。
 そのほかに最後にございますように、納税準備預金の制度を設けまして、この預金の利子に対して所得税を免除する。これは御承知の通り、営業者、農家の方々の納税が今非常に困難である。負担が相当重いために、納税資金の調達に非常に困難を感じておられるのは、私ども痛切に感じておりまするが、平素から一定の額を納税準備預金として積み立てておきまして、それを各納期に納めるということにいたしますれば、相当重い負担でも、割合に苦痛が少くて納め得るのではないかという点を考えまして、今回新たに納税準備預金の制度を設けまして、その預金の利子に対しましては課税を免除する。この預金は、原則として納税のためにしか引出しは認めない方針でございまするが、ただ天災その他やむを得ない事情がある場合におきましては、他の用途に、金融機関の承認を得て引出すことも認めております。その場合におきましては、本來の目的外に使われることになりまするので、課税は免除しない。租税の納付に充てられる場合におきましては所得税を免除する。かような建前にいたしておるのでございます。
 その他なお法律案として、もう一つ実は少し遅れまして準備して、あとで御審議願うものといたしまして、加算税の規定を簡素化するための法律案を今準備いたしまして、近く提案する見込みでございます。これはその際に御説明申し上げたいと思いまするが、直接税につきましては大樣さような点を、さしあたり本年度の目下開会されておりまする國会で御審議を願いまして、改正を加えて参りたいと存じております。
 その次に間接税の方におきましては、酒税でございますが、酒税につきましては、実はこの際相当な改正をいたしたらどうであろうかという趣旨で、税率等につきまして改正を加えることにいたしております。その趣旨はこの要綱にも書いてありまするように、酒類は原則といたしまして自由販賣とする。その値段は、現在の配給酒の値段と、現在の自由販賣酒、特價酒の値段、これとの大体中間程度になるような税率にしよう。ただ消費の性質にかんがみまして、高級酒につきましては相当高目な値段になるような税率にする。これに反しまして大衆消費に属する、たとえばしようちゆう等の税率は比較的低くする。そういうことにいたしまして、一方においては財政收入を確保しつつ、他方におきましては消費の性質に應じて、妥当な價格になるようにいたしたいという趣旨で、税率をきめておる次第でございます。すなわちここにございますように、清酒につきましては特級酒を新たに新設いたしました。これは從來の一級酒の中で相当品質のよいものをある程度さらに選別いたしまして、特級酒にいたしまして、この方は少し高目に、すなわち千百五十円、現在の一級酒の特價酒が九百七十三円でございますから、この方は百八十円程度かえつて高くなります。これは全國の銘釀地からよい酒を特に集めまして、それをまず地方で予選をやりまして、予選をしたものをさらに中央に集めて審査をいたしまして、その中から審査に合格したものを特級酒として指定しまして、販賣するつもりでございます。この品質につきましては、大藏省におきましても相当責任を持つて賣り出すつもりでございます。現在の一級酒の実際の賣れ行き状況から見まして、特別に高いよい酒が千百五十円くらいでございますと、大都市方面あるいは地方においても、ある程度の消化は可能であると考えまして、こういう制度を設けることにいたした次第であります。その反面一級酒につきましては、現在九百七十三円でございますが、これを九百二十円程度に引下げる。もつとも配給酒の値段は四百八十六円でございますので、配給酒の値段に比べますと大分高くなるのでございます。それから二級酒につきましては、大体中間程度にきめて六百五十円、現在特價酒が八百十円、配給酒が三百七十八円、そのまん中を行くということになりまするが、六百五十円にいたしたい。それからしようちゆうにつきましては、現在は特價酒が七百八十七円で、配給酒が三百六十五円ですが、その中間よりも相当下まわつておりまする四百五十円程度にいたしたい。これは本年度はかんしよ等も割当が前年に比べて若干ふえておりまするので、極力安いしようちゆうを豊富に供給いたしまして、一方におきましては大衆の需要に充てますと同時に、他方密造の取締りをやろうという考えでございます。それからビールにつきましては、一本百三十円程度にいたしたいと、かような價格になるような税率にいたしております。この値段は取引高税及び地方税を込めました最終價格の見込みでございまして、ただ地域によりましては、若干特定地加算等の運賃加算等がございますので、東京都等の場合におきましては、あるいはこれに五円か十円かの端数がつく場合があるかもしれません。それから價格の原價計算の必要上、できるだけさような点を考慮いたしまして、ラウンド・ナンバーの消費者價格にいたしたいと思つておりますが、若干の狂いがあるかもしれませんが、おおむねこの程度の消費者價格になるようにという意味合いにおきまして、それぞれ税率を定めておる次第でございます。さようにいたしまして大体酒類につきましては、この際原則として自由販賣にしまして、配給をやめるということにいたしております。ただ実際問題といたしまして、労働者や農村等に対しましては、現在も相当配給いたしております。この値段をこの際上げますと、やはり米價あるいは労働者の家計、重要産業の労働者の家計等に重大な影響があつて、そのために賃金に響くというようなことがあつては、おもしろくございませんので、これにつきましては、大体数量を前年度より二割くらい減らし、値段は現在の値段をすえ置きまして配給する考えでございます。清酒につきましても、生産費が前年よりも五、六十円高くなりますので、実は税率をそのままにいたしておきますと五、六十円は高くなるのでございますが、消費の性質にかんがみまして、特にこの税率をその部分を引下げまして、値段は大体現行價格と同じようなことになるように、いたしておるのでございます。さような点が大体酒類につきましての改正のおもなる点でございます。
 そのほかに税法といたしましては、密造酒の取締りのために若干の規定を補足いたしております。その詳細は法律案をごらんになればおわかりになると思いまするが、たとえば器具、容器等につきまして、密造にかかわる器具、容器等は所有者の何たるを問わず、これを沒收できるような規定を設けております。そういうことに関連しまして、現在の密造の取締りの実況に應じまして、実際に法律上の欠陷があると認められる点につきまして、補足的の規定を設けておる次第でございます。
 それから次は清涼飲料税でございますが、この税率につきましては若干この際引下げる。大体一石についてサイダーの場合を例にとりますと、現在は九千五百円の税率ですが、これを八千円程度に引下げる。現在サイダーの一本の値段が三十六円くらいですが、これが三十三円くらいになります。業界の希望からいたしますと、もつと大幅に引下げてもらいたいという希望が、大分あるようでございますが、現在の財政情勢からいたしますと、なかなかそう参れないので、私どもこの際清涼飲料の税率が少し行き過ぎであることが叫ばれておりますから、この程度の引下げを行いまして、極力消費の確保をはかりたいと考えておるのでございます。現在一本三十六円でございますが、税金がサイダー一本当り約三円程度低くなりますので、三十三円くらいになろうと思います。現在は税金が一本に対しまして、十九円で五割ちよつと強なのが、五割弱になるようであります。
 それから次は砂糖消費税でございますが、砂糖消費税につきましては、実は昨年の追加予算の際に、外國から輸入される砂糖にも課税するということに相なつたのでございますが、その後いろいろ先方と話い合いました結果、やはりこの際輸入砂糖につきましては、非課税にして値段を極力低くした方が妥当である。一面におきましては、今後におきましては、貿易廳から一定の換算レートで價格をきめなければならぬ事情もあるのでありまして、この際輸入砂糖につきましては、非課税にすることが妥当であろうということで、かようなことになつたわけでございます。これに伴う價格の改訂は、目下物價廳で檢討いたしておるようでございますが、あるいは若干現在よりも引下げになる可能性があると考えております。
 それから次は物品税でございますが、物品税につきましては、御承知の通り、非常に税率が高いので、下げてもらいたいという要請が、各方面で出ておるようでございます。私どももこういう種類の品物の生産がふえて参りますと、確かにこれでは業者の方におきましても、やりにくいという面は相当あろうと思いますが、ただどうも最近の財政事情から申しますと、全般的な引下げをいたすということは、なかなか困難のように見受けられるのであります。ただしかしながら、この提案しましたような数種の品目についても、何としてもこの際若干の緩和をはかつた方がよろしかろうという考え方からいたしまして、引下げの提案をいたしたわけであります。これも物品税全体といたしまして、歳入が減るということになりますと、なかなか財政事情とマツチできませんので、この際乘用の小型自動車等の課税品目を、新たに若干追加することによりまして、それによる歳入の増加で歳入の補填をはかりたいと考えております。なお緑茶につきましては、実際上從來從課税でしかも免税点を設けておりますと、非常にトラブルが起きてうまく行かないという点がございますので、この際從量税に組みかえまして、その税率を若干引下げるという改正案を、提案いたしておる次第でございます。
 次は取引高税でございますが、取引高税につきましては、根本的な問題は將來の檢討にゆだねることといたしまして、さしあたり印紙納税制度を毎月の現金の制度に改めることにいたしたのであります。毎月分の取引金額を翌月十日までに政府に申告いたしまして、申告と同時にこれに対する一%の取引高税を納める、かような課税方法に変更いたしたのでございます。これは印紙を実際にやりました結果に顧みまして、手続が煩瑣なことと、実際にはなかなか励行されなかつたということに関連いたしまして、むしろかような改正をこの際やつた方が、円滑に行われるのではないかという趣旨で、提案いたしたわけでございます。それからそのことに関連して、あまりにも少額の取引に対しまして、毎月納税せしむることはお互いに手数でございますので、この際一月分の取引額が三万円、從つて税額からいたしまして、三百円くらいまでのところは取引高税を免税いたしたいと考えております。それと、いま一つは取引高税につきまして、從來から相当課税除外の要望がございますが、その中で最も大衆の必需的な消費に関係の深い部面で、この際考慮を要する面につきまして、新たに非課税とすることにいたしたのでございます。すなわち理髪は從來は男の散髪だけでしたが、今度は御婦人の方も入れまして理容業全部が対象になる。それから木賃宿等の簡易旅館を除く。それから加工水産物につきましては、この前から当委員会で問題でございましたが、配給されるもの全部を除く。それから主要食糧や種等の取引を除く。それから葬儀の請負も除くことにいたしております。その他若干、組合間の取引で物調法の適用を受けるものにつきましては、非課税にするという規定を設けることにいたしております。さようなことによりまして、この際取引高税を実施して行こうということに相なつたわけでございます。
 それから揮発油税につきましては、これは新たに揮発油税を創設することにいたしたのでございますが、大体揮発油は九割程度自動車用でありまして、一割くらい工業用として使つているようでございます。実際の消費の実情から見ましても、自動車に使つておりますものは現在のほかの燃料に比べて、コストは非常に低いという実情もございますし、大体揮発油につきましては諸外國におきましても、相当の財源を求めているという点を考慮に入れまして、この際小賣價格の從價十割程度の課税をしてもよいのではないかという考え方で、揮発油税を創設することにいたしたのでございます。この課税はきわめて簡單でございまして、製造場または保税地区から引取る際に課税しますれば、完全な課税ができるものと考えております。揮発油税は戰時中設けまして、その後廃止したのでありますが、現在の情勢にかんがみましてこの際新たに設けて、年四十二、三億程度の税收をあげたいと考えております。
 その他につきましては、土地の賃貸價格につきましても、宅地の賃貸價格の簡易補正をやるための法律案を目下準備して、近くこれも提案して御審議を煩わすつもりでおります。これは戰災地の状況が、大分土地の金額が前とかわつておりますし、それを現在の状況になるべく合せまして修正するということは、ほかの賃貸價格の全面改訂に先んじてやるべき緊急なことと考えられますので、今税務官廳も非常に所得税その他に追われて忙しい際でございますが、緊急な部面だけ先にやろうというので、臨時宅地賃貸價格修正法案を提案いたしまして、近く御審議を煩わしたいと考えております。その他各税法に若干の補足的な改正がございますが、大要は以上申し上げた通りでございます。あとは御質問によりましてお答えいたします。
#12
○三宅(則)委員 この際ちよつと、主税局長がおいでになりましたからお話しておきたいと思いますが、私ども大藏委員といたしまして、この税法を審議するためには、ぜひ租税類集の直税編、間税編、徴收編、財政法、こういうものを参考資料として各大藏委員に御配付くださるか、もし配付ができないというならば、実費で頒布していただくか、いずれにいたしましてもそういうお手配をぜひこの際お願い申し上げたいと思います。
#13
○川野委員長 ただいま三宅君御要求の参考資料は当委員会に届け出たそうでございますので、あとで届けます。なお政府委員の方にお願い申し上げておきますが、当委員会といたしましては、できるだけ迅速に法案の審議を終りたいと思いますので、参考書類等につきましてはできるだけひとつお出しを願いたいと存じます。
 午前はこの程度にいたしまして、午後一時より再開いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時五十四分開議
#14
○川野委員長 午前中に引続き会議を開きます。
 税法の審議に入る前にちよつとお諮りいたします。それはただいま内閣委員会で審査中の大藏省設置法案につきましては、常任委員長会議の申合せによりまして、内閣委員会と連合審査会を開きたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○川野委員長 御異議がないようでございますからさよう決定いたします。
 なお連合審査会開会の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
 それではこれより税法案二件に関する質疑に入ります。質疑の順位、時間等につきましては、理事会での申合せを嚴守していただくこととし、通告順によつてこれをお許しいたします。三宅則義君。
#16
○三宅(則)委員 今回の税制改革につきましては、シヨープ博士がおいでになる前提といたしまして、こちらで政府当局がこれを立案されたものでありますか。それとも根本趣旨は、日本独得の精神によつてやろうという意味合いで立案されたのですか。その辺を一應御説明願いたいと思います。
#17
○平田(敬)政府委員 税制の根本に関する問題、なかんずく直接税に関する問題につきましては、いずれシヨープ博士が見えましてから、根本的な案をつくりまして提案することとして、今回の案はこれに至らない前におきましても、緊急必要と認められる若干の比較的細目の問題につきまして案をつくりまして、御提案いたしたような次第でございます。税制の、なかんずく直接税の諸般の根本問題につきましては、追つて檢討した上で提案するということに相なるかと存じます。
#18
○三宅(則)委員 ただいまの主税局長のお話によりますと、現在の立場においてとりあえず税制に関する法律案を出したと伺つたのでありますが、これにつきまして所得税に関しまする現在の状況をひとつ資料としてお出し願いたいと思います。その辺はいろいろありましようが、御承知の通り勤労者の所得もありますし、一般の事業者の所得もありますし、また特殊階級の所得もあると思いますが、それらに対しまする資料はたしかそろつておると思いますから、この際ひとつお示し願えれば幸いと存じますが、いかがでありましようか。
#19
○平田(敬)政府委員 とういう資料でございますか、具体的に御要求願いますれば、できる限りすみやかに調製いたしまして提出いたしたいと思います。
#20
○三宅(則)委員 私の考えるところによりますれば、はなはだ僭越な考えかしませんが、現在の納税者の立場を考慮に入れまして、実際昭和二十三年度内において所得の決定をなさいました人数、それに対しまする更正決定をせられました人数及び金額、その後においてこれを修正された点があつたり、あるいは多少割引といいますか、ないしはこれをさらに審議した結果直された点があろうと思いますが、そういうような点で具体的な表ができておるものと思うのでありますが、もし政府においておりまするならば、参考にこれらを示していただけば、審議の都合上まことに便利かと考えますが、いかがでありましようか。
#21
○平田(敬)政府委員 正確なところはまだそろつておりませんが、概数でございますと大体ございますので、至急調整しまして提出いたしたいと思います。
#22
○三宅(則)委員 ただいま主税局長のお話によりますと、後日調査をしてこの委員会に御提出くださるそうでまことにけつこうと存じます。つきましては昭和二十四年の所得申告並びに納付については時期を六月、十二月、翌年の一月の三期に区別なさつたことは、私としてはけつこうかと存じまするが、政府の方といたしまして第一期にどのくらいとり、第二期にどのくらいとり、第三期にどのくらいとるというような目安がありましようか。ありませんでしようか。それがありましたらばひとつお示し願いたいと思います。
#23
○平田(敬)政府委員 われわれといたしましては、本年度は大体現在の状況がそのまま横ばいすると見ておりますので、法律の建前からいたしますと、三分の一の額が各納期に入つて來ることを理想にして進めて参りたい。なかんずく昨年度は、第一期の申告では年間の性格といたしまして、予算に対しましてたしか三割弱の申告しか出ていなかつたのでありますが、本年度は極力その申告の宣傳、指導等に努めまして、第一期から相当の税額が申告されるように努めて参りたい。從いまして私どもとしましては、極力税額が三期に等分されて納まるように鋭意努力いたしたい。かように考えておるのであります。
#24
○三宅(則)委員 ただいまのお説によりますと、在來の習慣と申しますか、昨年の実績によりますと、実際に予定申告いたしましたのは、政府の御決定の三割弱であるということを承つたのであります。これは全國的に見てさようであろうと思いまするが、これを補正いたしまするためには、やはり納税思想の涵養が第一でありまするが、私は次のようなことを政府に一ぺん伺いたいと思うのであります。その事柄は、現在正直者が割合にばかを見る。たとえば年々歳々所得を納める方は、昨年の何倍、そのまた昨年の何倍というように、必ず一旦登録せられた以上はこれが下つたためしがない。こういうのが一般の輿論であると私は信ずる。しかるに終戰以來急にもうけた人、もしくは今までは商賣をしていなかつたにかかわらず、やみ商人になりましてそれが相当蓄積があり、あるいは利益がありましたにかかわりませず、その租税たるやきわめて微々たるものである。こういう実情を私は多少知つておるのであります。この点についてひとつ政府当局は鋭意その心情を吐露するとともに、その眞相を把握してもらいたいと思うのであります。たとえて申しますと、在來は相当な店であり、あるいは営業いたしておりまして十分なる成績を上げておつた。ところが終戰になりまして以來店は貧弱になり、店員にはひまをとらせる、労働爭議がたまに起るというようなぐあいで、必ずしも從來成績のよかつた会社なり商店なり個人なりが、現在それと同樣によいとは言い得られないのであります。この点につきまして政府当局の方はそうでありませんでしようが、末端に参りますると、私の申しましたように過去の実績のよかつた者は非常に率が惡くなつておる。しかるに過去の実績のなかつた者が割合に軽く済んでおる。こういう実情がありまするが、政府当局はこれを御存じであろうかどうであろうか、一應お聞きしたいと思います。
#25
○平田(敬)政府委員 今御指摘の点は、確かに傾向としてはさような傾向がありますことを私どもは認めておりまして、從いまして方針といたしましては、それと逆に、終戰後におきまして相当な利益を收めた者に対して、徹底的に調査を加えるということに実は力を入れるべく、昨年度から努力いたしておるわけでございまして、相当な成績を上げつつございまするが、まだ十分でないということは御指摘の通りだと思います。本年度におきましては、個人の所得税におきましても一定額以上の所得者は、必ずこの実地調査を加えた上で決定するということに持つて参りたいと思います。ただ非常に残念なことには、優秀な熟練した官吏が少いということであります。從いまして私どもは、まずいかにしてこの帳簿をほんとうに調査し得る能力のある役人をつくるか。それに第一に力を入れますと同時に、今申しましたように相当な所得を査定する場合におきましては、必ず実地についてよく調べた上で決定する。ことに終戰後の特別な理由で相当收益を上げておるような部面に対しましては、査察部等の活躍と相まちまして、極力課税の不均衡をなくして参るように努めたいと、考えておる次第でありまするので、一挙に完全に行くということまでは申し上げかねますが、できる限りそういう方向で努力いたしたいということを、この機会にはつきり申し上げておきたいと考える次第であります。
#26
○三宅(則)委員 今主税局長の親切な御答弁でありまして、そのように実際行われんことを切に希望するのであります。しかし現状をもつて見ますならば、これと大分遠く離れておるものがありますから御参考までに申し上げたい。その一つは昨日も浦和の税務署に参りましたが、そのうちの大部分は二十五歳以下の者でありまして、平均勤務年数は二箇年何がしであるということを言つておりました。私の選挙区であります愛知縣の岡崎税務署について調査いたしましたところによりましても、やはりこれとほとんど同樣であります。最高幹部であります税務署長とか、直税課長、あるいは間税課長ぐらいまでは、多少の年限は持つておりますが、そうでない者は割合に経驗年数が少い。しかもまた二十歳や、二十歳未満の者までも雇いとして相当な働きをしておる立場にある。ところがこれらの方々ははなはだ恐縮でありまするが、その年齡の点において、また経驗の点において、きわめて未熟であると言わなければならぬ。こういう者が陣頭に立つて決定しておるのが、事実であると私は信じております。そのため往々にして間違いが起つたり、また不平不満、あるいは不十分な点がありはしないかということを考えるのでありまして、主税局長の先ほどの答弁につけ加えて、もう一ぺんその眞相に対する御答弁を賜わりたいと存じます。
#27
○平田(敬)政府委員 お話の通り、先ほどもちよつと触れたのでございますが、どうも熟練した官吏が少いということは、実は私ども税務行政をやつて行く上におきまして、今一番むずかしい点だということはお話の通りだと思います。そこでできますならば、できるだけ税金を軽くしまして、その荷を少くするということは、これは一つの考え方でございまするが、遺憾ながらこれは財政の事情からしてできない。そうしますと、結局におきまして、やはりこの際なるべく早く、すみやかに熟練した官吏を養成いたしまして、指導よろしきを得まして、適切な処置をとる。かようなことに努力するほかない現状でありまして、本年度におきましては、あらゆる講習の施設等を利用しまして、極力実地調査の力のある税務官吏をつくるということに、全力をあげてみたいと考えております。それから先ほど申しましたように、一定額以上の大所得者に対しましては、税務署にあらずして財務局に相当有力なスタツフをそろえまして、そのスタツフをして必ず調べさせるというようなところに持つて行きたい。そういたしますると、相当大納税者の方面に対しましては、適切な調査が行きわたると考えておりまするが、極力さようなことに努力いたしまして、一刻も早くできるだけ不平を少くしまして、税金が納まるように努めたい。かように考えております。
#28
○三宅(則)委員 今政府委員のお話によりますと、まことによき線に沿つておるわけであります。またそれを私も期待をいたします。私の試案をここに申し上げまして、もし即答ができなければ、あとで政府当局で御相談なさつて御答弁なすつてけつこうでございますが、簡單に申し上げたい。少くとも実地調査に当る人は五年くらいの経驗を持つ人にしてもらいたいと思います。そうして学力の点から言つてもはなはだ恐縮でありますが、もしでき得べくんば專門学校くらい出た人をその中心といたしまして、これに訓練を與えて実地調査に当つてもらつたならば、いくらかでも早くこれが調査できるのではないかと思つております。もう一つ申し上げたいことは、この前非公式に局長にお伺いしたことでありますが、税務署長が決定する場合において、一方的に御決定なさる場合があると私思うのであります。その理由はこの間ちよつと聞きましたが、一月に確定申告いたしまして、二月に更正決定、三月に徴收しなければならぬから、その時間が間に合わないとおつしやいましたが、私の試案によりますれば、昨年中にある程度まで審議会にかける原案をつくつておいて、一月早々にそれに対しまする準備工作をしておいて、二月の早々には各市町村から選出せられたる財務協力員でありますとか、あるいは財務調査員とか、所得税調査員というような制度を設けられて、これらの人によつて定規をきめ、あるいは差等をきめということが最も適切な方法であると思いますが、現在政府当局はさような意思をお持ちであるかないかということを、ひとつ念を押したいと思うのであります。
#29
○平田(敬)政府委員 今最初にお述べになりましたことはまことにもつともでございまして、私どももできるだけさようなことに持つて行きたい。ただ今すぐそれを実行しますと、大多数の納税者につきまして実際において手がまわらないということになつておりますので、行く行くはお話の通り相当の経驗のある人に限つて、調査するようにするということにいたしたいと思いますが、現状におきましてはそれだけに限りますと、またかえつて遅れるというようなことで、全部さようなふうにするわけには参らないと思いますけれども、將來徐々にそういう方向に持つて行きたいと考えております。
    〔委員長退席、島村委員長代理着席〕
 それから後段のお話につきましては、前々からいろいろ申し上げておるわけでございますが、一年間の実績を調べるにつきましてやはり相当な期間がいる。ことに数多くの納税者について調べようとすればするほど、ますますさようなことに相なりまして、十二月までに調べてそれに基いて一月早々にかけて更正決定をするというようなところにまで行きますについては、よほどこれは研究してみなければ簡單には行かないではないか。從いましてむしろ先般も申し上げましたように、もう少し会計年度が六月ごろでございますと、あるいはその辺が相当やりよいわけですが、どうも一月の確定申告に対しまして、とにかく年度内にその不足額を徴收するということにいたしますと、どうもある程度早くやらざるを得ないということに相なりますので、その辺との調整がなかなか困難のようでございます。從いまして目下考えておりますのは、更正決定をした後におきまして異議の申立て等があつた場合、よくひとつ責任ある委員の意見を聞いて決定するという方式は、どうであろうかということでありまして、そういう案を目下研究いたしております。從いましてこの案も、実を申しますと申告納税制度の本來から申しますと、どうもやはりぴつたり來ないところがたくさんありまして、税金は納税者が税法に從つて自分が納める。正しくないかどうかは十分熟練した責任ある官吏が調べて決定する。こういうようになるのが將來の理想ではないかと考えておりますが、その辺の調整の問題と関連しまして、さて実行ということになりますと各方面にいろいろ意見がありまして、まだ結論を得ていないのでありますが、極力円滑に徴税を確保すべく諸般の情勢を考えて行きたい、かように存じております。
#30
○三宅(則)委員 まことに御親切な御答弁でありますが、もう少し聞かしていただきたいと思うのであります。私の信ずるところによりますれば、各納税者というものは、現今の日本人の通念からいたしますると、なるべく安くしてもらいたい、安くしてもらいたいという一心であろうと思います。またとる方から見ますると、これと反対にでき得べくんばある程度まで増徴したい。これが心理であろうと思います。聞くところによりますと、アメリカにおきましては物品を販賣いたしましても、賣上高と同時に税金なら税金というとろかが別に一つありまして、レジスターにきちんとその税金ができ上つて來るというふうになつておるそうでありますが、わが国の現状から見ますると、必ずしもそういうふうになつていないと思います。要は國民の納税思想の実質を把握するというところに、重点があると思うのであります。たとえて申しますると、正直に申告いたしたにもかかわらず、さらに倍額に増徴せられる。たとえば取引高税もそうでありますが、所得税も実際これだけの所得しかないにもかかわらず、君たちは長くやつておるから、店が大きいから、経驗が深いから、おそらくもつと二倍も三倍もあるだろう、こういう猜疑心を持つて見る官吏が、往々にしてあるということを聞いております。また実際私は見ております。これを匡正せしめたいと思いますが、政府から嚴重に税務署に対しまして、そうした末端に至りますまで、その精神を、今平田主税局長が仰せになつた趣旨を十分に徹底せしめるように、ひとつ嚴重なる警告を発せられたいと思いますが、現在その用意がありますかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#31
○平田(敬)政府委員 趣旨につきましては、十分徹底をはかりたいと考えておるわけでございます。でありますが、先ほど申し上げたこと、あるいは三宅委員がお話になりましたことは、いずれも理想でございまして一刻も早くそういうことによつてすべてを解決して行くようになればよいのであります。所得税のわれわれの理想は申告納税で、これを九〇%まで納める。あとの一割くらいをよく調べて更正決定する。こういう時期が一刻も早く來るように持つて行きたいと考えております。ただ現在のところはまだ納税者の側におきましても、税法に関する知識が十分でないのと、役所におきましても、先ほどから御指摘のように熟練した官吏が少いので、なかなかさような状態に参つていないのでございまするが、將來の方向はぜひさような方向に持つて参りまして、極力円滑にしかも公平に税金が納められるように、持つて行きたいと考えております。それに関連してなお三宅委員は特に御関係が深いのでありますが、民間におきましても公認会計士といつたような、あるいは相当信用のある税務代理士という制度が発達いたしまして、その方々が納税者のよき相談相手になるという組織が、同時に他方面において発展するということが、私は申告納税制度を育て上げて行くために必要なことかと思います。そういういろいろな体制が整いまして、初めて理想的なところに行くと思うのでありますが、一刻も早くさような方向に持つて行くべく、全力を盡したいと考えておりますことを、申し上げておきたいと思います。
#32
○三宅(則)委員 私の想像するところによりますと、税務官吏の月給はおそらく高くないだろうと思つておる。ところが私が言うまでもなく相当な身なりをいたしたり、優遇されておるかに聞いております。それが那辺にあるかということは想像するまでもないことだと思いますが、これらに対しまして政府当局は嚴重に監督していらつしやることだろうと思いますが、その辺の感想を聞きたい。
 第二点といたしまして、更正決定をされたそのときに異議のあつた人が、審査請求をなす場合がありますが、そういう場合になるべく早く、政府の方もお忙しいでありましようが、民間の実際を調査せられまして、一日も早くそれを解いてやる。それを早く見てやつて、納得の行くような税金に改めてやる。こういうことを一番希望しておるのでありますが、往々にして一年も半年もそのままにしておく。こういうのがあるかに聞いております。その現状につきまして、ひとつ政府の方で眞に御同情ある御理解のもとに促進せられたいと思いますが、その辺はいかがでありましよう。
#33
○平田(敬)政府委員 税務官吏の監督につきましては、各財務局に監察課というものを設置いたしておりまして、その連中にしよつちゆうまわらせまして、いろいろ監督を加えておるわけでございます。一般の事務の監督につきましても、今年度から特に署長級の人物を相当そろえまして、始終各税務署にまわらせまして、監督を加える制度を実行いたして参りたいと思います。東京財務局につきましては、本年の二月ごろから実施しまして相当の成績を上げておるようであります。そういうところから見まして、極力そういうようなことのないように努力して参りたいと、考えておるのでございますが、何しろ数多い官吏の中でございますので、ときどき間違つたものが出て來ることははなはだ残念でございますが、極力さようなことのないように、十分監査を加えて参りたいと存じております。なおお話になりました審査の請求につきましては、何しろ相当の件数が出て來るのでありまして、これは実は率直に申し上げますと、調査はどうも十分でない向きが多いようでございます。從つて出て來たものについてはなるべくすみやかに調べまして、かようなものはなるべく早く処理する。しかしわけがわからないで、何でもかんでも話合いで直すということも、かえつて弊害がございますので、やはりできる限りていねいに調べた上で処理するようにしております。その例によりますと、調べた上でかえつて増額決定をしなければならぬものも中にはあるようでございます。同じ業種で一人そういう者がありますと、あとの問題は自然解決するといつた例もあるようでございますが、他方訂正を要するものもございまして、お話のようになるべく早く処理するようにしておりますが、何しろ数が相当にございますので、進捗がうまく行つていない現状であります。本年度につきましては遅くとも大体五月一ぱいくらいには、全部片づけるようにやかましく言つております。大体そうやるようでありますが、特殊なむずかしい件数については、なお若干残つて行くということに相なるかと思いますが、極力御趣旨に沿いまして善処いたしたいと考えております。
#34
○三宅(則)委員 今平田政府委員の仰せになつたところでは、五月一ぱいに片づける方針でやる。まことにけつこうであります。ぜひそういう方向によつて異議の申請のあつたものは、四月、五月に片づけてやるという御同情あるお言葉を、現実に各税務署長に対して嚴重に傳達せられんことを、特にこの委員会を通じてお願い申し上げておきたいと思います。
 次にちよつとお伺いいたしたいと思いまするが、政府の支拂いが不拂いになつておりまして、その支拂いが遅れましたために、その会社の税金なりを納めることが遅くなつたという場合が往々あろうと思います。そういう場合に延滯利子も相当とられるかと思います。そういう場合に対しては善処方法がありましようかどうかお伺いいたしたい。
#35
○平田(敬)政府委員 税法は法律ではつきり義務がきまつておりまして、それを延ばすということがなかなか実はできにくいことでございまするので、私ども極力支拂いの遅れておる方を促進するという方向によつて、問題を解決してもらうように、関係方面にも始終そういう注文をいたしておるわけでございます。その方が遅れたから税金の延納を表面から認めるということになりますと、なかなかちよつと簡單でないように考えますので、さようなことは今のところできにくいと申し上げておきたいと思います。
#36
○三宅(則)委員 しからば所得税に対しましては、納期のことだけであつて、ほかのことには改正する意思がありませんでしようか、それもお伺いいたしたい。
#37
○平田(敬)政府委員 根本的の問題につきましては、税率の基礎控除、家族控除、いろいろ控除の制度上につきましては、前々申し上げておりますように、アメリカのシヨープ博士が來ました上で、なるべく早く結論を出したいと考えております。いま一点加算税の簡素化につきまして提案する準備を目下いたしております。近く提出し得ると思いますが、それ以外の点につきましては、今回はさしあたり改正する考えは持つておりません。
#38
○三宅(則)委員 それでは法人のことをちよつと伺いますが、現在の法人に対しまして、りつぱな法人でありますにもかかわらず相当滯納もありますし、納められない実例もございますが、事実政府当局によつて調べられたところによりますれば、わが國の法律によつてできております株式会社、合資会社、合名会社、これらに対しますその数と、納税すべき金額、滯納金額、いろいろあると思いますが、その調査ができておりましようか。これも参考としてお聞かせ願いたいと思います。
#39
○平田(敬)政府委員 昭和二十三年十二月三十一日現在で会社の総数が二十万七千ほどあります。二十二年三月三十一日現在ですと、十二万三千ぐらいでございましたので、最近会社の数は大分ふえております。これはいろいろ理由はあろうかと思うのでありますが、私ども極力調査の促進をはかりまして、会社の税金につきましても遅れることのないように努めたい。なかんずく今年度におきましては、さようなことにつきましても極力意を用いまして、なるべくすみやかな決定をして参りたいと考えております。
#40
○三宅(則)委員 私の承るところによりますと、法人の方は割合に決定がおそくなつておると思つております。これはいろいろな御都合もあろうかと思いますが、一年に二期の決算であると私は思つておりますが、これに対しましてなるべく早い機会に、御調査をなさつていただきたいと思つておりますとともに、またそれに対しても、更正決定をなさる場合も多々あろうかと思いますが、そういうような場合においても、なるべく法人の方には早く御通知を賜わりまして、納税することができますように、ひとつ促進せられたいと思つておりますから、主税局長から特に各税務署長に警告してもらいたいと思います。
#41
○平田(敬)政府委員 率直に申し上げまして、東京財務局管内の決定は大分遅れておるようであります。大阪は割に進捗がよくて進んでおるようであります。これはいろいろ熟練者の関係その他あるようでありまして、遅れておるようでありますが、本年度は先般もその担当の課長を集めまして、極力決定の促進をはかるように申し渡しておるような次第でありまして、本年はよほどその点よくなつて來ると確信しております。
#42
○三宅(則)委員 ただいまのお話と関連いたしておると思いますが、「法人の増資拂込に因る資金調達を」云々と書いてありまして、額面超過金を積み立てた場合におきましては、当分の間その全額を益金に算入しないということになりますが、この政府の予算がありましようか。ありませんでしようか。法律をつくるだけでしようか。実際はどんなふうでしようか。
#43
○平田(敬)政府委員 大体この低減措置によりまして、平年度でたしか十一億ぐらいの減收になります。本年度は途中からでございますから、七億円強の減收を、法人税の歳入予算見積りの際に計上いたしておるような次第であります。
#44
○三宅(則)委員 二番目に「固定資産を買收若しくは收用され又は別に讓渡せしめられた場合について課税上の特例を設けること。」とありますが、その辺についてもう一ぺん御説明願いたいと思います。
#45
○平田(敬)政府委員 これは先ほど申し上げましたように、土地收用法とか、あるいは農地調整法とかいう法律によりまして、会社の持つておる不動産を一ぺんに賣却される場合があります。その際におきまして、そのまま課税しますと、普通の利益の上に、その賣却差益が乘つて來まして、超過所得税の負担が著しく高くなつて來る。從いまして、こういうものにつきましては普通の法人税を課すれば十分で、特別な超過所得税まで課する必要はなかろう、こういう趣旨からいたしまして、かような規定を設けた次第でありまして、ケースとしましては点々とございましようが、額としては大した額ではないと思います。しかし負担を極力実情に即せしめるために、さような規定を設けたのであります。
#46
○三宅(則)委員 物品税のことをちよつとお伺いしますが、これを見ますと、ここに書いてありますものだけを今度はおはずしなさるという趣旨でありましようが、たとえば学校で使う学用品というものは、全面的に物品税からはずしてもよいと私は思つておるのですが、ここに書いてある以外は、おはずしなさる御意思はないでしようか。
#47
○平田(敬)政府委員 実は物品税につきましては、先ほど申し上げました通り非常に要望が多うございまして、税率を引下げてくれ、あるいは免税点を設けてくれ、あるいは課税を撤廃するようにという希望がありますことは、御承知の通りでありますが、ただいかんせん、今の財政状況からいたしまして、なかなかさようなわけには参らないことはもう御存じだと思います。從いまして今回は今まで課税していなかつた小型自動車に対しまして、二〇%程度の課税をして、それである程度の收入が出て來ます。その收入と大体見合う範囲内におきまして、各種の要望のうち、なるほどこれは優先的に考慮を要するだろうと考えられますものを拾い上げまして、提案をいたしたような次第でございます。從いまして今回といたしましては、提案いたしました法律案による改正の程度、その点を除きましてはなかなか困難である。しかし將來必要に應じまして、また財政事情に應じて、理由のあるものは考えて行くという方向で処理したのでございます。かように考えております。
#48
○三宅(則)委員 私はこの際政府当局の方に聞いていただきたい点があるのであります。物品税というものについては、製造者がこれを納めるものと確信いたしておりますが、しかるに過去の商人、製造業者の中においては、全部が全部物品税を納めなくて、七割、はなはだしきは六割しか納めないで、あとは横流しした者があつたと聞いておりますが、政府といたしましては、物品税は全面的に納まり得るものであろうと考えておられるか。そういうことは知らぬとおつしやるのでしようか。その辺をお伺いしたいと思います。
#49
○平田(敬)政府委員 私ども査察調査の結果によりましても、拔けておるものがあることは、御指摘の通りでありまして、これは極力課税の適正を期しまして、そういうものを防止すべく努力しなければならぬと思つておりますが、調べ方によりましては、相当成績を上げ得るのではないかと考えておりまして、本年度もさような点はよく勉強いたしまして、極力課税の適正をはかりたい、かように考えております。
#50
○三宅(則)委員 私案でありますが、政府当局に一つの希望を申し上げたいと思います。物品税はもちろん製造業者が全面的に納めなければならぬものでありますが、たまに惡徳商人、惡徳業者がありまして、これを横流しするということがありますから、これをよく嚴重に査察するとともに、納税者自身もその意思をよく体しまして、お互いに間違いのないようにすることを、特に私は希望いたしておきたいと思います。
 次に申し述べたい事柄は、取引高税につきまして、はなはだおこがましい次第でありますが、正直に帳面をつけておつて、実際の取引高税を示したにもかかわらず、政府の方では、その二倍であろう、三倍であろうとか言つて、やかましくおどかされて拂わされたという例を聞いておりますが、こういう点について主税局長のお考えはいかがなものでありましようか。
#51
○平田(敬)政府委員 取引高税につきましても、御承知の通り印紙がなかなか完全に励行されていないということは、皆樣御承知の通りでございまして、それを放任しますと、まじめに印紙で納めておる人との間に不権衡になりますし、また歳入予算が確保できないことになりますから、相当調べまして更正決定をいたす方針にいたしたのであります。しかしながらこれはあくまでも取引金額をとらえまして、それに対して課税すべきものでありまして、よく巷間、とにかく理由なく取引高税を納めてくれ、こういうことを言つている向きがあるように聞いておるのであります。これは全然間違いでありまして、そういうことは断じてやるべきことでないということを、たびたび連絡いたしておるような次第でございます。
 それから取引高税を今回申告納税制度にかえたわけでありますが、これは毎月納税でございますし、所得税なんかと違つて負担は非常に軽いのですから、私は申告で相当納まることを期待いたしております。また必ず納まるように極力宣傳もし、指導して参りたいと思います。しかし結果において申告で十分納めなかつた人につきましては、やはり調査をいたしまして、適正な更正決定はいたさざるを得ないのではないか、かように考えておりますが、極力これも申告で納まることを、私どもといたしましては期待いたしたい。さように考えておる次第であります。
#52
○三宅(則)委員 たいへん時間をとりまして申訳ありませんが、最後に一言お聞きしたい。取引高税に対する非課税範囲でございますが、ここに理容業とか、簡易旅館業とか、あるいは加工水産云々と書いてありますが、そのほかに國民衛生に最も必要な洗濯業というようなものも、やはりこの方から取除いてよいかと思いますが、そのお考えがあるかないか。最後にもう一つ、われわれといたしまして、納税する義務はもちろん承知しております。われわれもでき得べくんばある程度まで進んで納税することは、各人とも承知いたしておりますが、一方的に高圧的にきめられるということは、はなはだ不見識きわまることだろうと思いますから、政府当局におきましても、納税申告を認め、予定申告を求められる以上は、決定にあたつても本人の意思を十分に尊重し、しかして、それを聞かない者には嚴重にするけれども、ある程度本人の意思を尊重してやるように、帳簿なり、あるいはほかの証拠なりによりまして御檢定くださらんことを、特に希望いたしておきます。はなはだ長い時間質問いたしましたが、何とぞ親切なる御答弁を賜わらんことを希望いたします。
#53
○平田(敬)政府委員 洗濯業について取引高税を免税するようにという要望は、私どものところにも参つておるのでありますが、ただ取引高税は相当廣く課税する建前の税でありまして、免税範囲をあまり拡張いたしますと、実は物品税とあまりかわらなくなるので、税の性質から行きまして、やはり税率は低いが、相当廣くかかつてもやむを得ない、こういうのが取引高税の本來の性質であろうと思います。そこでサービス業だから非課税にしてくれというような要望があるようですが、そういう理由だけでやるわけに参らないのではないか。洗濯が相当必要なことは私どもも否認するわけでございませんが、今回拡張しましたものと比べてはたしてどうであろうかということを考えますと、この際相当廣汎に取引高税をかけざるを得ない今としては、どうも困難ではなかろうかと考えておるのであります。
 それから先ほど來たびたび申し上げましたように、所得税、法人税その他の申告につきましては、私どもも極力申告を認めて参りたいという氣持があることは、申し上げるまでもないことでありますが、ただ調べてみますと、なかなか申告が事実通り行つていないという例も多数ございますので、取引高税につきましても、実は先般財務局からの報告ですが、財務局に、こういう決定をされては困るとやんやん言うので、調べに行つたところが、どうもかえつてまだ増額決定をしなければならぬ事情が出て、陳情に來た人がすつかり平あやまりにあやまつたというような例もままあるのでありまして、やはり申告だけで行くわけにもいかない。正しい申告はあくまでも認める。そうでないものについては、よく調べた上で更正決定をやる。これを私どものモツトーとして極力努力いたしたいと思います。
#54
○島根委員長代理 塚田十一郎君。
#55
○塚田委員 私に割当てられた時間が三十五分だそうでありますので、実は大藏大臣と安本長官にお尋ねしたい事柄があるのでありますが、本日お見えになつておりませんので、その時間を約十五分とりまして、残る二十分だけを局長にお答え願いたいと思います。
 最初にお尋ねしたいことは、五千百四十六億という予算を今年お組みになつたのですが、予算はどう御審議になつたか、とうに通過をしてしまつたのでありますが、私どもの感じでは、よくも主税局がこういう数字をおはじき出しになつた。実際あきれるという感じを持つておるのであります。本会議その他でいろいろと質問があつて、大藏大臣が、今の税法ならば必ずこれだけの数字はとれるという御答弁であつたように記憶しておるのでありますが、これはとろうという氣になれば、どんなにでもとれるに違いないのでありまして、一方は権力を持つておるのでありますし、一方は服從せざるを得ないという立場でありますから、とれるのでありますけれども、このとれるということが、ほんとうに國民の負担というものと考え合せて、納得してもらつてとれるような形でなければ、これは絶対に正しい意味でのとれるということではないのでありまして、これは強奪することができるというだけの問題ではないかと私たちは思います。そこで一体五千百四十六億というこの数字がどういう根拠において出て來たのかという、明細な資料を頂戴したいと思うのでありますけれども、全部にわたつてはなかなかたいへんだろうと思いますので、せめて所得税の中についてだけでも、これも資料がそろえてありませんければ、そこで御説明願つてもよいと思うのでありますが、一体どれくらいの平均所得をお考えになつて、こういう数字が出て來たのかということを、最初にひとつお聞かせ願いたいと思います。
#56
○平田(敬)政府委員 現在の税の負担が相当重いものであるということにつきましては、私どももさような考えでおるわけでございまして、別に見解の差はないのでございます。ただ現行税法をかえないということになりますと、実は率直に申し上げまして計算上は大してむりはないのであります。問題は御指摘の通り円滑にそれが納まるかどうか、ここにあると思うのでありまして、その点になりますと、これはなかなか簡單なことではないのでありまして、私どももあらゆる努力をし、また國民の方々の御協力を得なければ、なかなか納まりにくいのではないかというふうに考えておりますが、大体算出の根拠につきましては、先般來予算委員会でもたびたび申し上げた次第でございます。まず勤労所得税ですが、これは実は最近毎月百億ぐらい現に入つて來ておる。一月が百二億、一月は年末調整の関係でちよつと多くなつておりますが、二月が九十四億、三月もおそらくこれに近い数字で入つておると思います。この方は、最近の資金の状況等から見まして、予算額千二百億程度の收入は、今の税法を続けるといたしますと、大体何とか確保できるのではないかと思つております。問題は申告所得税だろうと思います。申告所得税につきましては、二十三年度におきましても非常に努力をいたしまして、しかも相当な摩擦が出て來て、私ども非常に恐縮に思つているのでありますが、それでいてなおかつ、今お手元にお配りいたしました材料によりますと、二十三年度の年度末で八七%の歳入を上げておるのでございます。これは四月一ぱいに入りました分はなお二十三年度の歳入になりますので、大体予算額に近いところまで行くのではないかと見ておりますが、これは納税者の方面から申しますと、なかなか容易ならぬことだと思いますが、これも今の所得税法をすえ置くといたしますと、現在の所得からいたしまして、計算上はそうむりのない数字が実は出て参るわけでありまして、これは別途お配りしてあります。パンフレツトの昭和二十四年度の予算の説明、それによりますと、勤労所得は納税人員を千百四十三万二千人、平均所得は九万円程度と見まして、所得総額で一兆二百九十一億一千万円、それに対しまして收入見込額が千百六十三億、これと、それから配当利子、原稿料等に対する源泉課税が別に三十八億円ほどございまして、合せまして約千二百億になつているのでございます。それから申告所得税におきましては、大体農業の納税人員が三百五十四万人と見ております。平均所得が一戸当り八万六千円程度、そういたしますと所得の総額が三千六十八億九千四百万円になりまして、收入見込額四百九十七億円、この程度の見込を立てております。営業は納税人員が二百二十八万人、一人当り平均所得が十七万三千円、課税所得の総額が三千九百五十三億円、そうして税金を計算いたしますと千百七十五億円。その他事業――商業とか讓渡所得、水産業とかの諸業で、これ以外の事業所得、これが納税人員六十六万七千人、平均所得十一万円、課税所得七百七十七億円で、税金が百六十九億程度見込んでおります。その他――つまり事業以外の所得が、課税所得で六百八十一億円、税金が五十七億円見込んでおりまして、総体で先ほど申しましたように千九百億の歳入を見込んでおる次第でございます。これはしかも決定見込額に対しまして、年度内の徴收額を七六%と押えております。前年度は七一%程度に押えていたのでありますが、若干收入促進はできるだろうという見通しのもとに、五%だけ徴收成績を引上げております。その辺が問題といえば問題かと思いますが、これは極力一方においては申告の慫慂をいたしますとともに、他方においては適正な課税その他によりまして收入を確保いたしたい、かように考えておる次第であります。
#57
○島村委員長代理 お諮りいたします。この際塚田委員の御了解も得ましたので、厚生委員長代理として松永佛骨君より、國立病院特別会計法案に関しまして発言を求められております。これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○島村委員長代理 御異議なしと認めまして、松永佛骨君。
#59
○松永佛骨君 委員長のお許しを得まして國立病院特別会計法案につきまして、厚生委員会の経過その他希望條件等を申し上げたいと存じます。
 厚生委員会におきましては、本法律案の重要性にかんがみまして、数次にわたつて審査を重ねました。さらに二回にわたつて大藏委員会との連合審査を隊げたのでありますが、論議の中心は國立病院に特別会計制度をとる結果、從來の國立病院事業の運営に対して、あるいはその目的に反するがごとき影響を及ぼすことがないかどうかという点に、最も関心が注がれたのであります。委員と政府との間の質疑應答によりまして、政府の意のあるところも次第に明白となつたのでありますが、要するに本事業はその性質上他の特別会計あるいは鉄道、通信事業の場合と異るのでありまして、独立採算制を実施することはまつたく不適当であり、特に現今の実情に照すときは、とうてい実施不可能と認められるのであります。すなわち特別会計となりましても、一般会計からの繰入れ継続は、万やむを得ざるものと思料いたすのであります。よつて厚生委員会においては、この点を明白にするために、本法律案に対して次のごとき修正を施すのを適当と認め、これを厚生委員会の希望として申し上げる次第でございます。すなわち
 一、附則第三項中「当分の間」とあるを削除すること。
 二、附則第三項及び第四項を本文第十七條の第二項及び第三項として挿入すること。
 三、本特別会計運用上、國立病院の経費の不足を生じた場合は、財務当局において適当調整をはかること。
 四、本特別会計運用上、將來國立病院の本質に反するがごとき支障を生ずる場合においては、政府は特別会計制度を潔く撤廃すること。
 五、生活保護法及び社会保險制度の一層適切なる運営をはかり、國立病院の運営及びその利用上万遺憾なきを期すること。
 以上が厚生委員会におきまして、希望として決定いたした諸点でございます。どうか大藏委員会の皆樣におかせられましても、この厚生委員会の希望を十分お受入れくださいまして、万遺憾なき御決議をお願いいたしたいと存じます。
#60
○島村委員長代理 引続きまして、塚田十一郎君。
#61
○塚田委員 いろいろ御説明を伺つたのでありますが、私どもはこの数字自体に、特に事業者の所得に関して、今日の経済の安定しかかつておるという実情に照し合せてみて、どうしても納得の行かない点が非常に多いのであります。ことに昨年度の平均数字と今年の平均数字を比べますときに、非常にそういう感じが強いのでありますが、その点は一應意見の違いということになるでありましようから別といたしまして、一つ私どもがここに非常に関心を持つておりますのは、昨年度の統計で政府が御発表になつておる数字を見ましても、この事業者の所得に非常なる脱税があるという数字が出ておる。脱税があるということは、あるいは正確でないかもしれませんが、要するに國民所得の数字の中に、所得税の面で捕捉されないものがある。そのうちことに営業に属する部分に非常に大きくそれがある。そういう数字が政府の発表になつたものにある。私どもは一体あの國民所得の数字そのものがどこまで正確なのかということは、十分これは確信を持つておらぬのでありますが、しかし何がしかはそういう傾向があるだろうということは、私どももこれは想像いたしておる。そこで問題は予算をお組みになるときには全部を頭に置いてお組みになる。ところが実際に税をおとりになるときには、全部がつかまらぬ。そうすると、全部の頭において組んだ予算は、つかまる人たちだけのところでとらなくちやならぬという実際問題が出て來る。それはもちろん第一線の当局が、所得の正確な把握と正確な税法の適用をさえしていただけば、予算がどうあろうともそんなことは問題ではないはずでありますが、残念ながら今の徴税の実態を見ておりますと、やはり努力目標というものが、相当第一線には心理的に影響する。そうしてそういうものを頭に置いてやるために、ついやはり無意識のうちに、惡意はないにしても、そういう傾向がどうしても出て來るのじやないかということを懸念するわけです。私が二十三年の数字でもつてごく大ざつぱに計算してみましたところだけでも、相当大きな開きがある。平均で背負つてもらえば、昨年度の数字では九%程度の平均負担になるかと思うのでありますが、それが捕捉されておる人たちだけで負担をすると、少くとも倍以上の所得税の負担をしなければならないということになつていると思う。そういうことも今日の税務機構ではどうしてもできないということであれば、これは予算をお組みになるときに、当然考慮に置いてお組みになつておらないと、数字の上では重くないはずの税が、実際の徴税の上には重くなる。私たちは統計数字などから見て、日本がことに敗戰國民として税がそう重くないはずだという数字を見ておるが、現実には非常に重いという事実を見まして、どこからそういう食い違いが出て來るかということを考えますときに、今申し上げたような点が相当大きく作用しておるのじやないか、こういうように考えておるのであります。この点につきまして、予算をお組みになるときの主税局のお考えをひとつお伺いしておきたいと、かように考えます。
#62
○平田(敬)政府委員 御指摘の点は、たしかに一番むずかしい点でございまして、私どももでき得る限り所得を適正に捕捉して、その上で合理的な税制によつて税金を徴收するということに持つて行くべきものだと考えます。ただ安本で調べてみました國民所得との間には、実はまだ相当――私どもはそれに乘つかかつておるわけではございません。私どもの課税所得は、あくまでも前年度の決定に対して來年はどれくらいふえるだろうか。それを最近までの現況に基いて推定いたしておるわけでございまして、その推定し、引き伸ばす場合の見方は、安本が國民所得を見る場合とほぼ類似の方法でやつておりまするが、基礎自体を安本の推定によつて見ておるわけではないのであります。御指摘の通り、はたしてこの國民所得の計算が正しいかどうかということにつきましては、相当檢討を要する面がございます。きわめて大まかな計画を立てる場合の判断材料としては、これは一つの有力な材料だと思いまするが、今現実に歳入見積りをそれに基いてやるということは、どうも非常に危險だと思いますので、さような方法はとつていないのでございます。本年度におきましても、安本の國民所得によりますと、営業者の一人当りの平均所得が二十八万円くらいになつております。私どもの方は十七万円くらいでございますから、なお相当開きがあることは事実でございまして、これは先般予算委員会でもいろいろ問題がございましたが、國民所得の見方がいいか惡いか。それからどの方面が一体課税漏れになつておるか。これは非常に檢討すべき点があろうと思いますが、私どもの予算を見る場合におきましては、とにかく今までの課税実績をもとにしまして、それに対して生産物價等の状況に應じまして、妥当な所得を見積り、課税をするという方向で算定いたしておるのでございます。本年度所得よりも非常に税收がふえますのは、一つは、税率をすえ置きますと、累進税率の関係で税の負担が高くなる。所得が五割ふえますと、税額は、五割にはならずに、実は七割にもふえて來る。三割ふえますと、税は五割くらいふえて來る。從つて税率をすえ置くということは、率直に申しますと、ある程度増税になつてしまう。その結果、税額といたしますと、先ほど計算上はそうむりなく税額は出て來ると申しましたのは、さような点を申し上げたわけでございます。從いまして納税される側から行きますと、所得のふえた以上に税金はふえますので、なかなかなまやさしいことではないと考えておるわけでございまするが、本年度の徹底的な均衡予算という建前からいたしまして、さしあたりとしてはどうもいたし方ない。將來予算の節約をはかりまして、この負担については適切な合理化をはかりたい、かように私ども考えまして、できる限り現在の経済事情に應じた税ができますように努力してみたい、かように考えておる次第でございます。
#63
○塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、今度この物品税と取引高税において若干の品目を改正になつたのでありますが、私たちこの改正の中にお取入れになつたものと、それから陳情請願その他があつて取入れなかつたものとの間に、どういう理由で一方は取入れられ、一方は取入れられなかつたか。どうも十分な根拠がないような感じを実は持つておるのであります。何か別に大した根拠もないが、あるものだけは取上げて、あるものは取上げなかつた。しかもその物品税などをお取上げになるときに、一方に軽減するものができて、それを穴埋めするのに、どうも非常にむりをして、他のものにまた新しい税をかけるという措置をおとりになつた。私はこういうやり方を見ておつて、政府の税に対するお考え方に対して根本的な疑念を実は持つておるのであります。私どもは、税というものはやはり経済実勢というものを、よくにらみ合せて考えるということを主眼にしていただかないと、收入の確保ということを今の税制で主眼に置いていただくと、非常なむりが出て來るという考えを持つておる。これは所得税の点についてもそうでありますが、当然減税さるべきものが今度減税されなかつた。それはやはり歳入に欠陷が生ずるからという考えが強い。そこで、今政府へもいろいろな陳情や請願が参つておると思うのでありますが、物品税はもうほとんど全品目にわたつて減税請願があるのであります。私はこの事実をとらわれずに考えると、これはたしかに今の物品税というものが、今日の日本の経済実勢に合つていないということを、率直に現わしておるのだという感じを持つておる。それで各請願を通じて共通な言い分になつておりますのは、今のように高くてはまともに税金を納めたのでは、購買力がそれだけないから、商品が賣れない。そうして事業をやつて行くのには採算がとれないから、正直な人もやむを得ず一部分脱税をする。また不正直なやつは、てんから問題にせずに、全部脱税をして、かえつて安いものをダンピングをして賣り出すというような結果になつておる。だから正直者がばかを見るというような結果になつておる。從つて税率をお下げになつても税收は絶対に減らないというのが、ほとんど物品税全体についての請願をされる人の口をそろえた理由になつておる。私はこういう点は率直にお取上げになつて、ほんとうに税率を下げて、税收を確保するという方向に向つて物品税に再檢討をお加えになる方が、今の時期に適当した案ではないかと考えておる。この点についての政府の側のお考えを伺いたいと思います。
#64
○平田(敬)政府委員 お話になりました点は、たしかにそういう要素は相当あろうかと思います。私どものところでもそういう声は非常に聞いておるのでございます。從いまして將來といたしましては、物品税等はでき得る限り税率を低くして行くというのが、傾向としましては、私は正しい行き方ではないかと考えます。ただその際におきまして、それでは軽くすればしただけ、收入は差引きとんとんになるかということになりますれば、なかなかそうも簡單には参らないのではないか。たしかにそういう要素はありまするが、それだけが完全に働くと見ますと、また私どもそろばん違いを生ずるような場合が、どうもちよこちよこあるようでございまして、さような要素があるということを判断に入れて考慮しなければいけませんが、そういう角度からだけ判断するのは、少しどうかと思うのであります。今回は多数ある中から相当大衆の消費に充てられるもので、いかにもこの税率は少し高過ぎる、性質も奢侈的とは申せませんでも、必要性の程度が比較的少い、つまり相当一般國民生活に関係が深いといつたようなものを拾い上げまして、できるだけ税率を下げる。たとえば運動具だとか、乳母車類とか、行李とか、それから普通こういうところに下つておりますシヤンデリヤとか、シエードとか、ソケツト、こういう普通の一般國民生活に関係の深いものであつて、しかも税率が今五十になつておりますが、これはいかにも少し高いと思いますので、三十くらいに下げる。その他お茶等につきましても、課税上非常にトラブルを起して、今おもしろく行きませんので、これもむしろ從量税にかえまして、ある程度負担を下げた方がよろしい。かような考え方でいたしておりまして、この考え方を全部に押し廣めますと、程度の差こそあれ、ほんとうは御指摘の通り各物品についてさような点があろうかと思います。しかしながらまだそこまで行きますのはどうかと思うので、やはり今の段階におきましては、ある程度必要性の少いものにつきましては、國民は消費の節約をはかつて行く必要があろうかと考えますので、徐々に生産がふえて生活内容がよくなつて來るということは望ましいと思いまするが、この際ある程度生産を間接にチエツクするというようなことになりましても、いたし方ないものにつきましては、ある程度の税をかけまして、それによつて一方財政收入を上げると同時に、さような効果を生じましても、いたしかたがないということではなかろうか。御承知でしようが、イギリスでは仕入税として相当高い物品税類似のものを課税しておりますが、税率はまだほとんど下げておりません。今年の國会でも大分下げる要望が強かつたけれども、結局下らなかつたらしいのですが、仕入税と称しまして、日本の物品税式の課税を最も廣汎にいたしております。さような点からいたしまして、今の段階におきましては、希望といたしましては下げたいのですけれども、まあこの程度でしんぼうしていただく。將來徐々に考えて行くという方向に行かざるを得ないのではないか。率直に申し上げましてかように考えておる次第でございます。
#65
○塚田委員 時間もたんとないようでありますが、この農業所得が非常に重いということは、私ども考えております。もちろん所得税が全部重いということは明らかなのでありますが、ことに農業所得が非常に重い。そこで先年來しばしば当委員会で問題になりました、例の超過供出に対する課税の問題なのでありますが、これは先議会でも政府が非常に努力されたが、十分に実効をあげなかつた。ところが他の委員会のいろいろうわさを聞きますと、超過供出というものが、強制的な措置になりそうないろいろな動きがあるというようなことも、承知しておるのでありますが、もしそういうようなことにでもなりましたならば、これは絶対的にこの超過額に対して課税する何らかの処置をしなくてはならないのではないかと、私どもはまたこの問題を新しく考え直しておるのであります。その点は主税局長から前議会以來お答えがあつたと思うのでありますが、その筋の意向もあつて、一應現在今年のような取扱いになつておるということは、私たちも承知しておりますが、こういう新しい事態になりましたら、これはぜひ考え直していただきたいということを、私たちは強く希望いたしておるのであります。そういうことに御同意願えるかどうか、局長のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#66
○平田(敬)政府委員 超過供出の問題につきましては、今お話のように実は昨年いろいろな方法を考えてみたのでございますが、これはあたりまえと言えばあたりまえなことですが、ぜひそれを適切に実行するということのために、超過供出をするために、生産その他にむりな経費を要しておる部分は十分考慮に入れて、各現地において適正に調べて、しんしやくして課税するということに相なつたのであります。もつともこれは任意の超過供出の場合でございますので、今回強制的にやらせるとなりますと、若干また考え方の差をつける余地があるのではないかということは考えておりますが、ただこの際全部免税するということは、どうもなかなかむずかしいのではなかろうか。と申しますのは、これは役人の超過勤務の手当でも同樣ですが、ちよつとした職務で超過勤務をいたしますと、三割から三割五分くらいの税金をとられております。石炭の労務者にいたしましても、居残り残業手当をもらいますと、場合によつては四割も五割も税金を納めておる次第でありまして、そういうものとのバランスの関係と申しますか、ひとつはずしますと、全部そういうようなことに波及して來るので、これはやはり所得税法上、いやしくも所得あらば公平に税金を負担してもらう。こういう趣旨と衝突いたしますので、なかなか解決に困難があるのであります。それで源泉課税は一つの方法ではなかろうか。その点今研究いたしておりますが、これもなかなか所得税の原則から申しまして、源泉課税になりますと、所得の少い人の負担が重くなつて、所得の多い人の負担が少くなる。平均のところでねらうとそうなりまして、それを無記名預金の利子のように相当高く課税しますと、これは意味がなくなるというような問題もございまして、なかなか簡單ではないようでございますが、多少そういう方法があるようでございますので、目下研究いたしておる次第でございます。
#67
○小山委員 今の超過供出の代金の課税の問題でありますけれども、この超過供出の場合は局長が言われるように、時間外の勤務手当というようなものとは性質が違うと思う。すべて課税上特段の処置を講ずるというときには、そこに一つの目的があるからであります。たとえば税法の改正でありますが、それにプレミア課税の廃止があります。これは資本の蓄積ということを目的にしておる。それから納税準備預金の免税ということも、これは納税準備預金を大いにやつてもらいたい。こういうことが一つの目的でありますし、その他預貯金におきますところの源泉課税、これも預貯金を、國民大衆が税金の対象にならないような方法で、ひとつ大いにやつてもらいたい。あるいは無記名定期預金というような制度もあります。こういうようなすベて租税上の措置が講ぜられているときには、一つの大きな目的がそこにあつて講ぜられております。從つてこの供出代金に関する源泉課税、あるいは免税というようなことは、これを超過勤務などと同じように考えられるのは、いささか違うのではないか。ことに私農村に選挙区を持つておりますが、農村の人は自分の收入が幾らあるのやら、あるいはそれに対して税金が幾らかかるのやら知らない状態にあるのが非常に多い。ことにめんどうくさい税金の講釈などをいたしますと、せつかく超過供出をしようかと思つておつても、超過供出の意欲がにぶるのが從來の現象であつたのであります。ことにそれをまた強制的にやるというようなことになりまして、やむを得ずやるのでありますが、それに対しては非常に税金がかかるということを承知して、実にいやな思いをしながらやるわけであります。ところがこの強制的な超過供出をしましても、実際問題としてはまだ十分日本の必要とするだけの食糧が集まるわけではない。やはりそこでも二次の超過供出を懇請しなくてはならぬ事態に來るのは当然であります。そしてまた農民がほんとうにひとつ自分の食糧を節約して、超過供出をしようかという氣になれば、今かりに強制的にこれをやらぬでも、もつと食糧が出る。食糧が流通経済上に現われて來るということは、あらゆる人が常識的にも、学問的にもこれは認めているわけです。從つてそういうふうに國家の目的として、少しでもよけいなたくさんの供出を求める、食糧を流通経済に持つて來るということを強くお考えになりますならば、少々の租税の減收とか、あるいは手続上のめんどうさとか、あるいは租税理論上のこととかいうようなことは、相当ネグレクトしていいのではないか。そういう意味において主税局においてもこれはひとつ眞劍に考えていただきたい。農村はかりに免税ということが望まれないならば、もつと簡單な源泉課税の方法でもいいから講じてくれということは、各地の農村でそう言つておる。これはよほど眞劍に考えていただきたい。政府においても農林当局は、万やむを得なければ源泉課税ということまで、考えている。ただあなた方主税局の方、あるいは大藏省の方が租税理論をとなえ、あるいは超過勤務と比較しながら言つておられるのが、むしろわれわれには解せない。これはやらぬという建前ではなく、積極的にやる方法はないかということで、ひとつ御研究を願いたい。
#68
○島村委員長代理 小山君、ただいまのは御意見と伺つてよろしゆうございますか。
#69
○小山委員 もし今までのような局長の御意見でございますならば、そうすると、どうして積極的にやつてはまずいのかということを、御説明願いたいのであります。こういう源泉課税なり、あるいは減免の処置を講じたならば、なぜまずい点があるか。勤労所得、超過勤務手当などと比較しないで、農村が納得するような説明をお願いいたしたい。
#70
○平田(敬)政府委員 私も率直に申し上げまして、食糧の供出ということに非常に重心を置きますれば、場合によりましては租税理論をゆがめましても、税を軽減するというようなことが必要なこともあろうかと考えます。ただ現在におきましては、一方において税金の方も各方面に非常に重い税金を、負担してもらつておる際でありますから、そこの調整がなかなか困難ではなかろうかと考えるのでございます。從いまして超過供出をいたしまして、ほんとうに実際收入があつた場合におきましては、税率の高さが問題であろうと思いますが、ある程度の負担をしていただくということはやむを得ないという議論も、一方において十分成立つのではないかと考えます。ただ現在実際の社会的な情勢その他からいたしまして、はたしてどちらが妥当であるかということによつて、決定さるべき問題だろうと思うのでございます。この点につきましては昨年度のいろいろないきさつにつきましては、前ほど申し上げた通りでございますが、超過供出を強制する場合におきまして、どうするかということにつきましては、なお先ほど申し上げましたように若干の――私は率直に申し上げまして課税を全部免除するところまで行きますのは、どうもなかなかむずかしいのではなかろうか。しかし適当な調節策を講ずるということにつきましては、研究してみたいということを申し上げる次第であります。
#71
○小山委員 そういたしますと、超過供出をしたときにどれくらいまで税收になるかということを、御研究になつたことがございますか。
#72
○平田(敬)政府委員 正確には計算しておりませんが、現在の超過供出が規定通り出ますると、それ自体に対する税額も相当なものになろうと考えます。のみならず石炭労働者に去年いたしました生産奬励金、こういう種類の所得と類似な所得が大分ございますので、そういうものについてどうするかという問題が出て來まして、なかなか簡單にそれだけでは解決できない問題があることを、御了承願いたいと存じます。
#73
○内藤(友)委員 ちよつと局長にお尋ねしたいのですが、今の超過供出は匿名供出になつておりますが、匿名供出に対してどうして税金をかけるのでありますか。これをお尋ねしたいと思います。
#74
○平田(敬)政府委員 これは事実を調べまして課税することに相なつております。その方面の事実につきましては、匿名供出になります際に、事実の報告ができるように農林省に打合せをしておる次第であります。
#75
○内藤(友)委員 匿名供出はほんとうの匿名供出でありまして、それを税務署がしいて名前の報告を命じられておるのであります。私の郷里の農業協同組合で実は全部仮名を使つた。ところが非常にしかられまして、それがほかの問題に波及することをおそれまして、とうとう正直なところを申したということがありますが、これは選挙の何と申しますか無記名選挙と同じようなものでございますが、税務署が内容までせんさくするということは、少し行き過ぎるのではないかと思うのであります。もしそこまでされるならば、匿名供出ではない。匿名供出ではないのを匿名供出であるかのごとく取扱いをされることは、間違いではないか。それを間違いではないというお考えの根拠をひとつ伺いたい。
#76
○平田(敬)政府委員 匿名といたしますのは、私ども承つておりますところによりますと、供出の関係に関して匿名ということになつておると、農林省とはつきり約束いたしております。課税の点につきましては税法上はつきり免税するということでありますれば、それでよろしいと思いますが、いやしくも納税義務がある以上は、やはり職責上調べて課税するのは、当然のことと考えておるのでございます。從いましてこれにつきましては極力正しいところを調べて、間違いをしないようにしなければならないと考えております。
#77
○内藤(友)委員 それでは匿名供出ではございませんな。
#78
○平田(敬)政府委員 課税の関係につきましては匿名供出ではございません。最初から私どもそういう約束に相なつております。
#79
○内藤(友)委員 わかりました。それだけ聞いておきます。
#80
○島村委員長代理 次は風早八十二君。
#81
○風早委員 まず伺いたいのは申告納税制度の問題でありますが、大藏大臣はかねがねこの大藏委員会におきましても、申告納税制度を嚴守するということを言つておられたと思うのであります。しかしながら徴收目標額を各財務局、税務署などに與えておるということがあるように思われるのでありますが、これはやはり天くだり的な割当にならないか、まずお聞きしたいと思います。
#82
○平田(敬)政府委員 徴收目標額と申しますか、努力目標額を税務署に指示しておりますことは、お話の通りでございますが、これはあくまでも一應の目安でありまして、税務署が仕事をやつて行く上において、はたして歳入がうまく上つておるかという場合の、判断材料にすぎないのでありまして、対納税者との関係におきましては、まつたく税法のみが唯一の税務署の手段でございますが、税法に從つて税務官吏は徴收をし、納税者は税法に從つて納税すべきものであります。それに從つて円滑に徴税ができれば、大体これくらいの收入があるのではないかというふうな目標を示しておるのでありまして、その意味におきまして一つの收入の基準とはいたしておりますが、それ以上の何ものでもないということを、特にひとつ御了解願うようにお願いいたしたいと思います。なお課税につきましては極力各地間の権衡、それから各納税者間のバランスをはかるという意味におきまして、これは私ども最近示したのではございません。何十年來事務局が全國税務署を現実に指導します際に示したものであります。たとえば東京都内におきましても、京橋地区の納税者は大体どれくらい引くのが正しいか。これに対して場末の江東地区はどのくらいであろうかということは、多年やつておる方法でありまして、それによつて極力課税の均衡をはかるようにいたしておりますが、しかしこれとてももちろん納税者に対しまして、あくまでも税法による所得が幾らであるということで、所得税は決定すべきものでございますので、その点は誤解ないようにお願いいたしたいと思います。
#83
○風早委員 今お答えでありましたが、なかなかこの問題はそう簡單に片づけられない性質のものだと思うのです。一應それで対納税者の関係ではない、目安であるということを言われるのでありますけれども、この点が依然として問題であるからこそ、実は今回も予算委員会などに、徴税目標の調査のための小委員会というものができておるのでありまして、何のためにできたかといえば、やはりこの目標という問題が非常に問題になるからなのであります。実際におきましてはやはり目標額というものが基礎になりまして、税務署長や署員というものの成績が云云せられ、不成績な署長は左遷せられることも事実聞いておるのであります。これは一つの実例を私は持つておりますが、そうした場合に成績のいい者に対しまして褒賞金が與えられるということは、現在はないのでありますか。その点につきましてお聞きしたい。
#84
○平田(敬)政府委員 一つの努力目標でございますので、これはなかなかつくり方はむずかしいと思うのでございまして、もちろん私どもは完璧なものとは考えておりませんが、一つの目安としまして、非常に徴税成績が惡い場合におきましては、一つの行き方だと考えて、実行して來たわけでございます。將來平常になりました場合におきまして、これをどうするか、あるいはさしあたり本年度においてはどうするかということにつきましては、よく研究いたしてみたいと思つておりますが、一つの努力目標といたしまして、一つの目安にいたしております。それにつきまして相当成績を上げまして、うまく徴税できた場合におきましては、ある程度の褒賞金を交付することにいたしております。
#85
○風早委員 その褒賞金の大体の基準と申しますか、そういうものをお示し願いたいのです。
#86
○平田(敬)政府委員 これは各税務官吏個人に給與としてやることは、いたさないことにいたしております。全体としまして税務署の成績が非常にいい所に対しましては、ある程度多く褒賞金を支給する。それから少し惡い所では少くするというような一つの基準を求めまして、でき得る限り厚生施設その他に使うような方法で、支給いたすことにしておるわけでございます。
#87
○風早委員 そうしますと税務署に與えられることになるわけですか。
#88
○平田(敬)政府委員 署と申しますか職員全体と申しますか、一つの厚生施設的な経費として支給することにいたしております。
#89
○風早委員 大体どのくらい全体として褒賞金の額を計上しておられますか。
#90
○平田(敬)政府委員 昭和二十三年度におきましては約三千万円、二十四年度におきまして約三千万円、二回にわけて支給する考えでございます。職員一人当り千円平均でございます。それに差別をつけまして、個々の職員には渡さないで、職員全体に対して先ほど申し上げたような用途に振り向けるべく支給する、かように考えます。
#91
○風早委員 そういうようにはつきりお答え願えれば、非常にけつこうなんでありますが、実は大藏委員といたしまして浦和の税務署に監査に参りましたとき、そういうものはないということを極力言つて否定しておられたのでありますが、あつたつてそれはよし惡しということはまた別問題でありますが、あるならばあつたつてさしつかえないのです。そういう運用の仕方にもよるわけでありましようが、そういうようなことを言われておりますが、一應建前は対社会的にどういうふうな扱いになつておるのですか。
#92
○平田(敬)政府委員 昨年もやりまして、実は新聞等にも出たようなわけで別段祕密にはいたしておりません。ただ個人の給與としては嚴につつしむようにいたしております。全体の厚生施設等に使うという條件で、交付することにいたしております。
#93
○風早委員 次の質問に移りますが、徴收目標額とは別に賦課目標額というものを立てておられるのでありますか。その点お伺いいたします。
#94
○平田(敬)政府委員 これは先ほど申しましたように、ずつと昔からやつていた方法でございますが、大体どこの管内の営業者の平均はどのくらいになるのか、農業收益ならば反当り平均はどれくらいかという意味におきまして、課税の均衡を極力はかるためにさようなことをいたしております。
#95
○風早委員 ここで翌年度繰越分の二五%ですか、それから審査請求に対する訂正分を一五%、こういうふうな減を見越しておられると思われるのですが、これはやはり賦課目標というものを立てて行かれるということからくるわけでありますか。これは天くだり割当というようなことに、結局帰着しないでしようか。その点お伺いいたします。
#96
○平田(敬)政府委員 これは結局全部の営業者、納税者につきまして、先ほど三宅委員とも議論しましたように、完全に実額を調査して更正決定をするという段階にまで行きますれば、当然こういうことはなくてもいいわけでありますが、現在はなかなか申告状況が一方においてはよくない。他方におきましては、調べると申しましても、そう数多くなかなか調べるわけに参らない。ところで申告が低いものをそのまま放置しますと、なかなか適正な納税を期しがたいので、いろいろな間接調査によりまして、所得額を推定して課税する方法をとつております。かような場合におきましても、やはりある程度財務局がさような方向によりまして、課税の均衡をはかるようにしないと、これまた不均衡な課税になりますから、現在といたしましてはいたしかたないと考えております。さような趣旨から申しますと、かような点につきましては、今後ともやはりでき得る限り公正な基準でなければいけませんし、そういう方向で行かざるを得ないと考えております。これはひとり最近だけではありません。多年財務局が実際に税務署を指導する際に、そういう方法によりまして指導いたしているわけでございます。更正決定を数多くせざるを得ない場合におきましては、そういう方向によりまして税務署、財務局を指導して行くことは、どうもいたしかたない制度だと考えるのでございまして、それによつてかえつて課税の公正を期し得る場合も多々あると、私ども考えております。
#97
○風早委員 これは所得の計算の一番「いろは」でありますが、要するに納税等につきましては、その收入から必要な経費を差引いたものに対して行うのが当然でありますが、現在の実情を見ますと、やはり去年の何倍とか、仮更正決定は何割増しとかになつて來ていると思うのでありますが、こういうことは税法の違反になりはしないか。最も新しい申告制度に基いた税法の根幹を、これで破つているのではないかという疑問も、常に持つているのでありますが、この点は現在では大藏当局としてどういうふうに考えていられますか。
#98
○平田(敬)政府委員 税法違反と申したら、決定した所得が事実合つてない場合が税法違反だろうと思います。決定する方法は別に法律できめているわけではございませんで、理想の方法といたしましては先ほどから三宅委員にお答えいたしたように、できるだけ実際に帳簿をよく調べた上で決定することが、理想的な方法だと考えますが、遺憾ながら現在の状況では、納税者の方は税法に対して十分な理解がない。從つて申告が低い。それかといつてほつたらかしておきますと、賦課税の適正が期せられないので、相当廣範囲に更正決定をせざるを得ない状態にあります。この幅を徐々に縮めて行きまして、何年か先にはほとんど大部分は申告で納めて、一部のものについて徹底的に調べて更正決定をするような運用にもつて行きますのが、理想と考えますが、現在すぐただちにそこに行きますこともなかなか困難なことでございますので、いろいろと間接的な方法等によりまして、でき得る限り正しい所得をすみやかに決定して、税源を確保すべきだというふうに行かざるを得ない現状でございます。それは決して税法違反だとは私は考えません。ただ正しい所得でない場合におきましては、これは税法通りの所得でないのでございますから、審査請求等によつてよく調べた上で、直すべきものはすみやかに直して行くことにすべきではないかと思います。
#99
○風早委員 この更正決定というものはこれは結局政府の調査によつて行うことになつておるものでありますが、この調査資料も見せないで、調査の根拠というものを明らかにしないで、査定することになりますと、やはりこれは税法の違反であると思います。その実質が実際の所得に対して課せられておるようなことになつておりさえすれば、さしつかえないといわれるのでありますが、その実質を調査する基準は、どこまでも申告納税制度のもとにおきましては、申告によらなければならない。もしも今のような過渡的な必要ということを言われるならば、やはりその過渡規定を設けて、それによつてなされるのが適法であろう。そういうことでなしに、今あの法律があるが、やむを得ずこうやつておるというのは、やはり実情から見ましても、また法律の上から見ましてもこれは違反になる。われわれはこういうふうに解釈せざるを得ないのであります。この申告が正しくないというふうに認めた場合、最小限度一回でも納税者の申告の基礎というものを聞いて、実地に調査すべきであると思うのでありますが、そういう点につきましても一回もそういう手続を踏まないで、そしてただ頭ごなしに査定が行われて來るというふうなところから、事実幾多のいろいろな紛議が巻き起つておるのであります。こういう点につきまして、現に最近におきましてもいろいろな問題が起つておるわけであります。政府は今年度の徴税におきましても、やはり同じような行き方を、これは経過的にやむを得ないというような意味でなされるつもりでありますか、その点をひとつ伺いたいと思います。
#100
○平田(敬)政府委員 現在の実情は風早さんよく御存じだと思うのでありますが、多数の納税者はまだなかなか帳簿をつけておりません。帳簿がありましても非常に不完全なものが多いのでありまして、帳簿によつてまともに調べ上げまして、全部の納税者について決定するということは、私どもとしては今の段階としてなかなかむずかしいと思います。かと言つて申告を見たままで、そういう納税者に対してかけるということも正しくない。從いましてある種の納税者について調べたのに基きまして、あとはいろいろ店舗の状況あるいは実際における賣上金の状態、その他いろいろな状況を調べまして、それによつて比較檢討しまして、できるだけ正しい所得を推定によつて調べまして、すみやかに更正決定をやるということは、今の状況からいたしまするといたしかたがない。もちろんそれをやらなければ納税はうまく行かないと私は考えております。從いましてそういう行き方は決して現在の税法に照して、私どもは法令違反だとは考えておりません。ただでき得る限り正しい調査をして、極力的をはずさないようにするということにつきましては、全力をあげて努力いたす覚悟でございます。それから納税者につきましても、正しい帳簿を全部調べないにいたしましても、いろいろな店舗の状況あるいは商品の在庫の状況その他を調べまして、極力公平な課税をするように努力いたしたい、かように考えます。
#101
○風早委員 そういう妥当な調査と、一方では申告というものを十分に基礎にしてやるというために、実はこの再審査というようなものにつきましては、特に財務局員がこれに当ることになつておる。ところが実際におきましては税務署員――税務署員と申しましても十九歳から二十歳ぐらいの雇いのような人たちが、これに当つておるというような事実が、各税務署においてあるように見受けるのでありますが、そういう点については大藏当局としてはどういう処置をとつておられますか。
#102
○平田(敬)政府委員 その点も先ほど三宅委員に詳しく申し上げたのでございますが、できるならば相当熟練者のみが更正決定をやるというのが、私どもとしては理想として正しい行き方だと考えます。ただ遺憾ながら現在におきましては、多数の納税者について申告の状態が必ずしもよくない。しかも一定の期限まで更正決定をしなければならぬということになりますと、ついそれほど熟練していない官吏にまで分担せしめまして、相当重要な仕事をさせざるを得ない状況でございまして、この運用につきましては先ほども申し上げましたように、極力すみやかに熟練した官吏を育て上げるということによつて、問題を積極的に解決するという方向で、この際私ども極力勉強いたしまして、課税のトラブルが極力少くて円滑に納まるように、お願いしたいと考えております。
#103
○風早委員 次は源泉所得税の負担の問題について伺いたいと思いますが、三千七百円ベースのときに、大体二十三年度当初予算におきましては、源泉所得税が三百八十億円になつております。しかるに六千三百円ベースの二十四年度予算におきましては千二百億円になつておる。これは大体昨年におきましては四月、五月にはまだ二千九百二十円ベース、それから六月から十一月まで三千七百円ベース、いろいろ段階がありまして少し計算が複雜になるように思いますけれども、この両者の間におきまする負担の変化というものは、比率にいたしますとどういうふうになるか、この点を伺いたいと思います。
#104
○平田(敬)政府委員 勤労所得税につきましては、実は今の税率をきめましたのは、御指摘の通り三千七百円ベースをきめた際に一緒にきめたのでございます。その後大分賃金、物價が上りまして、現在は税率、控除等の関係ですえ置きますので、所得がふえた以上に、先ほど申しましたように税額としては増加することに相なるのでございます。從いまして所得がふえた以上に税金がふえない程度に、改正をいたしたらどうかということで案をつくりましたが、本年度さしあたりといたしましては、とにかく均衡予算をつくるということで実行を見合せまして、將來の改正にゆだねるということに相なつたのでございます。從いまして最近の状況から申しましても、すでに予算額が六百十二億円に対しまして、三月末の勤労所得税は七百三十七億入つております。これはやはり賃金が上りました結果税率、基礎控除等がすえ置かれますと、それだけ所得がふえた以上に税收入がふえて來る。反面から申しますと負担がふえて來るという結果であろうと思いまして、大体その辺は傾向として御推察願えるだろうと思いますが、具体的に所得税の負担額、税法のあとにくつついておりますが、それをごらんくださいますと、ただちにその大体の状況がおわかりになるだろうと考えます。
#105
○風早委員 これを四月から十一月までのいろいろな段階を拔きにしますと、非常にこれは増徴になるのであります。昨年は大体七割増――この六千三百円ベースというものは、三千七百円に対しましては七割増になるのでありますけれども、千二百億の増收ということになりますと三百八十億に対しまして二十割になる。それほどにはならないと思いますけれども、大体どのくらいになるか。これはひとつ政府の方で人手もありますし、計算器もあることでありますから、ぜひ示していただきたいと思います。これはこの制度の、また今年度の税制につきまして討議をする必要な資料と思いますから、ぜひお願いいたします。
 次に所得税につきましては、今度は申告を三期にわけたわけでありますが、その結果二十四年度の四月十六日から、六月三十日までの所得税の税收入というものは、どういうことになつておるか。これは手続上の問題でもありますが伺いたい。つまり暫定予算というものは四月十五日までしか組んでいないので、これはどういうふうになるのですか。
    〔島村委員長代理退席、委員長着席〕
#106
○平田(敬)政府委員 実は租税は税法に從つて徴收するものでございまして、税法は毎年きめるのではなくして法律は一應でき上つておりますので、その法律の適用によりまして歳入に入つてくるわけです。予算は歳入につきましては幾ら入つて來るか見積りまして、その中で適当な金額を四月の暫定予算の歳入に組んだのでございます。從いまして、四月分として所得税として入つてくる歳入の中で、暫定予算に必要な額を、先ほど御審議をいただきました予算の歳入額として、計上いたしたような次第でございます。それ以上のことは特段のことはないと存じます。
#107
○風早委員 次に法人税につきまして、プレミアム課税の廃止に伴つて法人税の減額の見込みというふうなものは、先ほどたしか平年度は大体十一億、今年度は七億というふうに言われたと思いますが、そうですか。その場合におきまして、先ほど小山委員から、これは資本蓄績の見地から行われておる改正であろうというふうな御見解もありましたが、大体この超過所得者というものは、大きな法人であろうと思われるのでありますが、改正した結果、法人税の中においての負担の軽減の不均衡というふうなものが起るのではないかと思うのであります。そういう点について、法人の所得をずつと段階別に調べられた資料を、提供していただきたいと思います。
#108
○平田(敬)政府委員 プレミアムの免税によつて減る額を正確に申しますと、平年度におきまして十一億四百万円、今年度においては七億三千六百万円程度であります。ただこれは御指摘の通り、主として株式を公開しているような大きな会社が多いことは、もちろんお話の通りでございます。ただ私どもとしましては、そこまでこまかく調べて出していないのでありまして、大体において今までの状況から大づかみの推定をいたしたわけでございます。階級別にお示しすることはちよつと困難ではなかろうかと存じます。これについては実は株主側が額面を越えて拂込む金額でありまして、所得税法上、法人税法上はたして所得と見るべきかどうかということについて、実は疑問のある所得なんでございます。かつて大正の終りごろ行政訴訟になつた例もあるのでございます。それでこういうのは、株主たらんとする者が拂込む金なのだから、会社の普通の利益とは違う。從つて課税すべきでないじやないかという議論も大分ございましたが、今までの法人税の建前から申しますと、やはりこれは益金の一つとして、課税してもいいということになつて参つたのでございます。しかしそもそもそういう所得でございますし、それから現在の状況下において会社が資本金が少くて、公募等の方法によつてこの際資金を調達する必要が顯著でございますので、この程度の歳入減ならば実行した方がよろしかろうということで、提案いたしておるような次第でございます。
#109
○風早委員 大体初め予定されました四時四十五分という時間が参つたようでありますが、まだ相当質問の事項がありますので、今日はこれで打切つて、明日に続行していただきたいと思いますが、いかがでしようか。
#110
○川野委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト