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1949/05/18 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第35号
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1949/05/18 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第35号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第35号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 塚田十一郎君 理事 宮幡  靖君
   理事 田中織之進君 理事 風早八十二君
   理事 内藤 友明君
      岡野 清豪君    小山 長規君
      佐久間 徹君    高間 松吉君
      前尾繁三郎君    三宅 則義君
      吉田 省三君    宮腰 喜助君
      河田 賢治君
 出席政府委員
        大藏政務次官  中野 武雄君
        大藏事務官
        (國有財産局
        長)      舟山 正吉君
        大藏事務官
        (銀行局長)  愛知 揆一君
        大 藏 技 官
        (主税局税関部
        長)      伊藤 八郎君
 委員外の出席者
        議     員 稻田 直道君
        議     員 角田 幸吉君
        議     員 田中不破三君
        議     員 土倉 宗明君
        大藏事務官   金子 一平君
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 貸金業等の取締に関する法律案(内閣提出第二
 〇六号)
  請願
 一 未復員者給與法の一部改正に関する請願外
   三件(松谷天光光君紹介)(第二〇六号)
 二 海苔に対する物品税撤廃の請願(多田勇君
   紹介)(第二三一号)
 三 玩具に対する物品税軽減の請願(天野公義
   君紹介)(第二三二号)
 四 運動用品に対する物品税撤廃の請願(森幸
   太郎君紹介)(第二三六号)
 五 運動用品に対する課税最低限設定に関する
   請願(森幸太郎君紹介)(第二三七号)
 六 生産者税並びに土地使用税創設反対の請願
   (山口好一君外二名紹介)(第二四〇号)
 七 学習用水彩繪具に対する物品税免除の請願
   (三宅則義君紹介)(第二四五号)
 八 眼鏡枠に対する物品税免除の請願(坪川信
   三君紹介)(第二四六号)
 九 自給製塩業者救済に関する請願(山本久雄
   君紹介)(第二七一号)
一〇 自給製塩業者救済に関する願請(塚原俊郎
   君外一名紹介)(第二七二号)
一一 絹、人絹織物消費税軽減の請願(早稻田柳
   右エ門君紹介)(第二七九号)
一二 鏡類に対する物品税の免税点設定に関する
   請願(淺香忠雄君紹介)(第二八二号)
一三 久留米市に煙草製造工場設置に関する請願
   (龍野喜一郎君外八名紹介)(第二九七
   号)
一四 油津港を開港場に指定促進の請願(田中不
   破三君外五名紹介)(第三〇五号)
一五 毛織物消費税軽減の請願(阿左美廣治君外
   二名紹介)(第三二一号)
一六 元大山軍馬赤碕派出所跡地及び建築物拂下
   の請願(稻田直道君紹介)(第三四二号)
一七 ラジオ受信機類に対する物品税軽減の請願
   (山本猛夫君紹介)(第三五二号)
一八 海苔に対する物品税撤廃の請願(多田勇君
   紹介)(第三五三号)
一九 左官労働組合員の徴税に関する請願(逢澤
   寛君紹介)(第三六七号)
二〇 國鉄退職者の共済年金増額に関する請願(
   田中不破三君紹介)(第三九五号)
二一 佐敷町に税務署設置の請願(福永一臣君紹
   介)(第四〇六号)
二二 映画、演劇入場税軽減の請願外一件(塚田
   十一郎君外一名紹介)(第四一〇号)
二三 農業所得税制改革等に関する請願(今井耕
   君紹介)(第四一八号)
二四 城邊町に税務署設置の請願(高橋英吉君外
   六名紹介)(第四二二号)
二五 未復員者給與法の一部改正に関する請願(
   廣川弘禪君外一名紹介)(第四七〇号)
二六 乾海苔に対する物品税撤廃の請願(柳澤義
   男君紹介)(第四八三号)
二七 医藥品類に対する取引高税免除の請願(塚
   田十一郎君外一名紹介)(第五一九号)
二八 引揚者の中小事業融資に関する請願(足立
   篤郎君紹介)(第五四二号)
二九 沿岸漁業用資金融通に関する請願(石原圓
   吉君紹介)(第五五〇号)
三〇 織物消費税法の一部改正に関する請願(塚
   田十一郎君紹介)(第五五一号)
三一 洗濯業者に対する取引高税免除の請願(三
   宅則義君紹介)(第五五二号)
三二 織物消費税軽減の請願(阿左美廣治君紹
   介)(第五九三号)
三三 雪害地方の課税軽減に関する請願(圖司安
   正君紹介)(第五九四号)
三四 重要農業生産資材に対する取引高税免除に
   関する請願(河口陽一君紹介)(第五九五
   号)
三五 戰爭公務災害補償に関する請願(志賀健次
   郎君紹介)(第六二三号)
三六 紅茶に対する物品税軽減の請願(宮幡靖君
   紹介)(第六二七号)
三七 引揚者に対する生産資金貸付に関する請願
   (足立篤郎君紹介)(第六二八号)
三八 福井縣の罹災法人及び個人業者に対する租
   税減免の請願(坪川信三君外三名紹介)(
   第六三一号)
三九 同(飛嶋繁君外一名紹介)(第六三二号)
四〇 中小企業の金融改善に関する請願(早稻田
   柳右エ門君紹介)(第六五九号)
四一 重要農業生産資材に対する取引高税免除に
   関する請願(高橋清治郎君紹介)(第六六
   二号)
四二 水飴に対する物品税軽減の請願(大上司君
   紹介)(第六六六号)
四三 税制改革に関する請願(岡田春夫君紹介)
   (第六六七号)
四四 美容師に対する取引高税撤廃の請願(早稻
   田柳右エ門君外二名紹介)(第六六八号)
四五 税制改革に関する請願外百件(神山茂夫君
   紹介)(第六七〇号)
四六 洗張業者に対する取引高税免除の請願(佐
   藤榮作君外一名紹介)(第六七一号)
四七 こんろに対する取引高税免除の請願(木村
   公平君紹介)(第七二六号)
四八 絹、人絹織物消費税軽減の請願(阿左美廣
   治君外五名紹介)(第七二七号)
四九 生命保險契約者に対する利益配当に関する
   請願(春日正一君紹介)(第七四〇号)
五〇 新潟市における屎尿汲取組合に対する取引
   高税免除の請願(松木弘君外一名紹介)(
   第七五〇号)
五一 委託製パン加工に対する取引高税撤廃の請
   願(土倉宗明君紹介)(第七九四号)
五二 税制改革に関する請願外八件(徳田球一君
   外一名紹介)(第七九五号)
五三 府縣に対する國庫支出金等の算定基準適正
   化に関する請願(川野芳滿君外四名紹介)
   (第八一二号)
五四 税制改革に関する請願(松谷天光光君紹
   介)(第八一七号)
五五 山林所得税の軽減に関する請願(前田正男
   君紹介)(第八三二号)
五六 大理石に対する物品税軽減に関する請願(
   武藤嘉一君紹介)(第八三三号)
五七 医藥品類に対する取引高税免除の請願
   (若林義孝君紹介)(第八三四号)
五八 税制改革に関する請願外一件(徳田球一君
   外一名紹介)(第八四八号)
五九 中小企業の税金問題に関する請願(風早八
   十二君紹介)(第八五二号)
六〇 未復員者給與法の一部改正に関する請願(
   福田昌子君紹介)(第八六二号)
六一 蓄音機、レコードに対する物品税軽減の請
   願(宮幡靖君紹介)(第八九三号)
六二 勤労所得税等軽減の請願(松澤兼人君紹
   介)(第八九四号)
六三 大衆課税反対に関する請願(赤松勇君紹
   介)(第八九五号)
六四 税制改革に関する請願(聽濤克巳君紹介)
   (第八九八号)
六五 所得税の審査決定の通知期間を法制化する
   請願(橘直治君紹介)(第九〇〇号)
六六 人造バターに対する物品税撤廃の請願(井
   上良二君外一名紹介)(第九八一号)
六七 漆器に対する物品税軽減の請願(菅家喜六
   君紹介)(第九九三号)
六八 茨城縣下の自給塩製業存続の請願(山崎猛
   君紹介)(第一〇〇九号)
六九 冷藏器に対する物品税軽減の請願(高橋等
   君紹介)(第一〇一四号)
七〇 松山市に國民金融公社支所設置の請願(藥
   師神岩太郎君紹介)(第一〇一五号)
七一 旧軍港地の國有財産拂下に関する請願(北
   村徳太郎君紹介)(第一〇二二号)
七二 中小企業の税金徴收等に関する請願(春日
   正一君外一名紹介)(第一〇三八号)
七三 鴻榮町民主商工会員の税金問題に関する請
   願(渡部義通君外三名紹介)(第一〇三九
   号)
七四 藝術奬励のための文化運動に対する入場税
   免除の請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第
   一〇四〇号)
七五 電氣アイロンに対する物品税軽減の請願(
   天野公義君外一名紹介)(第一〇四一号)
七六 帽子類に対する物品税軽減の請願(塚田十
   一郎君紹介)(第一〇六四号)
七七 旧軍港地の國有財産拂下に関する請願(永
   井要造君紹介)(第一〇九四号)
七八 同(宮原幸三郎君外一名紹介)(第一〇九
   五号)
七九 医藥品類に対する取引高税免除の請願(竹
   尾弌君外一名紹介)(第一〇九九号)
八〇 油津港を開港場に指定の請願)(田中不破
   三君外五名紹介)(第一一一〇号)
八一 扇子に対する物品税の免税点設定の請願(
   角田幸吉君外一名紹介)(第一一一六号)
八二 カレンダー、扇子及び團扇に対する物品税
   改正の請願(角田幸吉君外一名紹介)(第
   一一一九号)
八三 飯能町に税務署設置の請願(山口六郎次君
   外一名紹介)(第一一六一号)
八四 麻織物消費税引下に関する請願(河原伊三
   郎君紹介)(第一一六五号)
八五 金庫に対する物品税改正に関する請願(山
   本久雄君紹介)(第一二五四号)
八六 引揚促進映画の入場税免除に関する請願(
   安部俊吾君紹介)(第一二五九号)
八七 重要農業生産資材に対する取引高税免除に
   関する請願(岡村利右衞門君紹介)(第一
   二七〇号)
八八 鹿兒島縣下の煙草耕作反別増加の請願(岩
   川與助君紹介)(第一二九八号)
八九 株式讓渡所得税廃止に関する請願(小峯柳
   多君紹介)(第一三〇三号)
九〇 熊本市の戰災者及び引揚者住宅敷地拂下に
   関する請願(松野頼三君紹介)(第一三四
   一号)
九一 生命保險事業助成に関する請願(武藤運十
   郎君紹介)(第一三四二号)
九二 復元綿・スフ織物業者に対する復金融資設
   備資金の返済に関する請願(足立篤郎君外
   二名紹介)(第一三四三号)
九三 農民に対する課税軽減に関する請願(木村
   榮君紹介)(第一三九二号)
九四 旧軍港地の國有財産拂下に関する請願(前
   尾繁三郎君外一名紹介)(第一三九八号)
九五 清水燒に対する物品税撤廃の請願)(谷口
   善太郎君外一名紹介)(第一三九九号)
九六 陶磁器に対する物品税軽減の請願(谷口善
   太郎君外一名紹介)(第一四〇〇号)
九七 農地証券に対する金融許可の請願(坂田英
   一君紹介)(第一四〇六号)
九八 開業医の社会保險医療收入に対する所得税
   免除等の請願(前田正男君紹介)(第一四
   二三号)
九九 國営競馬賞金に対する課税撤廃の請願(飛
   嶋繁君紹介)(第一四二八号)
一〇〇 医業に対する課税軽減の請願(稻田直道
   君紹介)(第一四三九号)
一〇一 賠償指定工場の家屋税等免除に関する請
   願(小金義照君紹介)(第一四四〇号)
一〇二 毛皮及び毛皮製品の物品税率引下及び免
   税点設定の請願(天野公義君紹介)(第一
   四四一号)
一〇三 乾海苔に対する物品税撤廃の請願(三宅
   則義君紹介)(第一四五九号)
一〇四 引揚者及び留守家族に対する租税免除に
   関する請願(山手滿男君紹介)(第一四六
   六号)
一〇五 電氣製塩対策に関する請願(根本龍太郎
   君紹介)(第一四七九号)
一〇六 「ナトコ」映写機用部分品に対する課税
   撤廃等に関する請願(稻村順三君外二名紹
   介)(第一四九三号)
一〇七 勤労所得税軽減の請願(田島ひで君紹
   介)(第一四九九号)
一〇八 医藥品類に対する取引高税免除の請願(
   宮原幸三郎君紹介)(第一五一一号)
一〇九 未亡人の所得税軽減に関する請願(川野
   芳滿君外四名紹介)(第一五一五号)
一一〇 東洋合成株式会社に融資の請願(渡邊良
   夫君外三名紹介)(第一五三〇号)
一一一 医藥品類に対する取引高税免除の請願(
   前田正男君紹介)(第一五三六号)
一一二 開業医の社会保險医療收入に対する所得
   税免除等の請願(竹村奈良一君外四名紹
   介)(第一五六〇号)
一一三 農民課税の適正化に関する請願(三宅正
   一君紹介)(第一五六六号)
一一四 土地家屋調査員の免許制に関する請願(
   降旗徳弥君紹介)(第一五七一号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 ただいまより会議を開きます。
 これより貸金業等の取締に関する法律案を議題として質疑を継続いたします。塚田十一郎君。
#3
○塚田委員 まずお尋ねしたい第一の点は、國会に提出してある現在の貸金業の取締に関する法律の前に、政府が一應試案としてお持ちになつたものの中にありまして、國会にお出しになつたものに拔かれておる條項があるのであります。それは法案の條文で申しますと十五條、元の政府の試案で申しますと十七條の三項に、何人といえども小切手の呈示のときに、自己の処分し得る資金がない場合には、小切手を振り出してはならないということがあつて、これにもし違反した場合には処罰される。そういうことによつて金を持たない者が小切手を出すことを、嚴格に取締つてある規定があつたのが、國会に出された案にはそれが拔けているのであります。そのお拔きになつた理由というものを一應政府から伺つておきたい、こういうわけであります。
#4
○愛知政府委員 ただいまの問題は、御指摘のように試案として事務当局で一應考えましたときには、そういうことを実情に即してやりたいと実は考えておつたのであります。ところが申し上げるまでもございませんが、現行の小切手法の第三條に振出しの制限でございまして、それに対しまして小切手法上の罰則も過料が規定されておるわけであります。なおまた小切手につきましては、小切手に関する統一條約の関係も考慮しなければなりませんので、公正的の意見を檢討いたしました結果、前の試案のような條文をそこに入れますことは、現在までの研究では不適当という結論になりましたので、それを省いたのでございます。小切手法の第七十一條によりますると、小切手の呈示のときにおいて、その処分し得る資金のないものが小切手を振り出した場合には、五千円以下の過料に処せられることになつております。そうしてこの罰則が多少不均衡のきらいがあるわけでございまして、現在の実情から、もつと嚴重な罰則を私は規定いたしたいところでございますが、今までの研究では統一條約等の関係で、引上げることがちよつとこの時期には間に合わなかつたわけでございますので、趣旨におきましてはごもつともの御質疑でもあり、また私どもも今申しましたように一應はそういうふうに考えたのであります。なお條約関係その他の方の解釈が打開せられまするならば、御趣旨のように適当に修正をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#5
○塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、一昨日でありましたか、小峯委員からの質問がありましたときに、貸金業者の貸出金利の制限を、臨時金利調整法の例に準じてやるのかやらないのかということの解釈に関して、われわれが頂載しているこの提案理由の説明にはミスプリントがある。これには最高限を定めることとしたのであると書いてあるが、実は考え方は定め得ることとしてあるのであつて、今のところはそこまでは拘束をする意図がないのだということの御説明であつたように承知しております。そこでそういう定め得るということの法的な根拠がどういうぐあいになつておるのか、その点をひとつ。
#6
○愛知政府委員 この点は、この法案の第八條で臨時金利調整法を準用することになつておるわけでございます。それから臨時金利調整法の第二條におきましては、大藏大臣が諸般の情勢から金利の最高限を定める必要ありと認めるときには、臨時金利審議会の議を経て日本銀行に決定させるという規定でございます。從つて第一には準用という規定であり、第二には臨時金利調整法自体が必要ありと認めるときには、金利調整審議会の議を経てきめていただくということになつておりますので、その両者を合せまして、貸金業等についての貸付の利率も、必要がありと認めるときには、そういう段取りでもつて定め得ることになつておる。こういう法律構成になつておるわけでございまして、提案理由の中に定めることとしてございまするプリントが出ておりますのは、一昨日申しましたようにあやまちでございまして、定め得るというふうに説明のときには申し上げましたつもりでございまするので、その点はプリントの方を訂正していただきたいと考えておる次第であります。
#7
○塚田委員 そういたしますと、現在坊間に非常に行われておるやみ金利というものを、今のところは全然何らの措置も講じ得ないということに、実際問題としてはなると思うのでありますが、全然ほうつておくということもちよつとどんなものかと考えるのですが、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#8
○愛知政府委員 この点は今申しましたように、定め得るということにいたしておるのでありますが、申すまでもなくやみ金利の中には二つあるわけでございまして、正規の金融機関がやみ金利を出しております場合は、臨時金利調整法それ自体に、現在すでに違反することになるわけでございまして、これに対しましては取締りを十分にやつて行かなければならぬというふうに考えておりますし、またやつておるつもりでございます。それからいま一つは、やみと言いますよりはむしろ無法律状態であるわけでございまして、これに対しましては、この貸金業法等の今後の実効に徴しまして、この法案にございまするように、届出を受理したものにつきましては、実体が現状以上に非常にはつきりすると思いますので、やはりある程度最高限をきめた方がいいということになりました場合には、今申しました定め得るということになつております権限を行使いたしまして、臨時金利調整審議会の議にかけて、あやまちなきを期したいというふうに考えておるわけでございます。一昨日も申し上げましたように、現在どのくらいの金利で、どういう状況になつておるかということそれ自体が、当局といたしましても十分に把握できておりませんので、現在のところはやり得る権限だけをいただいておきまして、行政上必要を認めた場合には発動し得ることにいたしたいと考えておる次第であります。
#9
○塚田委員 そういたしますと、後日こういう貸金業者の金利に対しての何らかの措置がとられる場合があり得るということのように伺うわけでありますが、そうした場合にこの金利調整審議会の審議会員に、貸金業者の代表というものを加えるということが、むしろ貸金業者の金利も取締られるというのであれば、その方が民主的な考え方のように私どもは考えるわけであります。今までは貸金業者の金利というものは國家の手では全然取上げなかつた。從つてそういうものを考えなかつたのであるが、もしそれを取上げて問題にするというようであれば、そういうものの立場も代表して一應考えに入れるということの方が、適当であるように思うのでありますが、その点についての政府の意向はどうでありましようか。
#10
○愛知政府委員 この点は、そういう事態が必要になりますることが予想されますので、必要に應じては別途臨時金利調整法自体の改正も必要かと考えております。これは実は日本銀行法中の一部改正案を立案いたしましたときにも、現在の臨時金利調整審議会の改組ということを当然考えたのでありますが、先般御説明いたしましたように、そういう全般にわたりますことはいま少し御猶予を願いまして、この次の機会に総ざらいの御審議を願うというような関係になりましたために、御指摘のように貸金業に及ぶということになれば、当然、利益代表というのはいかがかと思いますけれども、その実体をよく承知しておられる方に御参加願うことは当然と考えるわけであります。
#11
○塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、第七條の「貸金業者は、預り金をしてはならない。」という規定についてであります。この規定はおそらく実際の法の運用の上に、非常な疑義を起すだろうと私どもは案じておるのであります。もちろんはつきりと預り金という形のものはしもしますまいし、できもしませんのでありますが、預り金であるか、預り金でないか、どういう形で金が貸金業者の手元に集まるかということの判断は、この預り金というものの定義をただ不特定多数の者からの金銭の受入れだということだけのものでは、非常に困難が出て來るんじやないかと思うのであります。たとえば非常に疑問視されますのは貸金業者が株主を募集する。もしくは金を貸金業者に貸したいという人間があるときに株主になつてもらう。一株か二株持つてもらつて一應その事業に対しては株主という関係で特定の形が出て來る。そういう形としてあとは今度多額の金を受入れる。そういうものが預り金にならないでみんな逃げてしまうというように、これはなかなか知惠のある連中がやつておりますから、いろいろ出て來るだろうと思います。そういう点についてどういう考えを持つておられるのか。もしくはまた何らか別途にお考えになる氣はないかどうか、その点をひとつ……
#12
○愛知政府委員 株主という特定した者から借入金をするということは、文字通り確認できまする場合は、ここにいわゆる預り金の定義には入らないと思います。ただその事実の認定が非常にむずかしいと思うのでありますが、脱法的に、私どもの申しますように、不特定多数の人から預り金の受入れと同樣の経済的性質に及んでおるというふうに認定されます場合は、やはり預り金として受入れてはならないということになると思うのでありまして、なかなかこれは法理論としては非常に微妙な点でございます。從つてまた事実の認定の行政措置が非常に困難な点と思いますが、一昨日も申しましたように、これは本法案の一番の重点でございまするので、行政上の措置、解釈等についてもなお一層御意見のほどを十分参酌いたしまして、具体的にこまかくひとつきめて行きたいというふうに考えております。
#13
○塚田委員 これはどうも、御意見のほどを参酌してと言われて逃げられてしまつたのでは、私もどうもそれ以上うまい知惠は出て來ないのでありますが、実際問題としていろいろな問題が將來起るでありましようから、そういう事実に照し合せて、その機会に私どもも考え、政府においても考えていただくということにいたして、とにかくあまり見にくい脱法をされて、法律はつくつたが効果がなかつたというようなことにならないように、政府側においても十分ひとつ御善処願いたい。こういうふうに思います。
 最後にひとつ希望を全体として申し上げたいと思うのでありますが、貸金業者というものに対しての世間のいろいろな批判、判断というものはあまりよくないのであります。私どももあまりいい感じは持つておらないのであります。しかしこれを冷靜に考えてみますと、そうは言うもののやつぱり貸金業者というものがないということになりますと、相当に経済界に問題を起す。やはり貸金業者があるために世の中が動いているという面も多分にあると思います。ことに私はインフレの高進期におきましては、一般の金利というものが非常に安く押えられてあつたために、貨幣價値の上りぐあいと金利との間の開きから、どうしても金がほんとうに銀行などの正規の金融業者のところへは集まらないで、金が蓄積できない。資金が蓄積できないと、結局産業資金も非常にうまく集まらないというようなことで、相当働きをしておつたように私どもも思うのであります。当時私どもはむしろもつと正規の金融機関の金利を上げて、資金がもつと銀行に集まるようにくふうしたらいいんじやないかというような考えも持つたこともありますが、そういう意味においてもある程度高い金利で金を集めて、從つてそれを高い金利で貸すということも、全然これは経済の面から否定のできない事実だと私は考える。從つてこういう業者の行います業務に伴う弊害というものは、十分これは監督是正をして行つていただいて、社会公共の福祉に合致するようにやつていただかなければならないと思うのでありますが、あまりにそれが行く過ぎて、結局角をためて牛を殺すというようなところまで行かないように、その辺の運用上の手心というものを、十分にひとつお考えおき願いたいということを、希望として申し上げて質問を打切ります。
#14
○前尾委員 貸金業等の取締に関する法律案につきましては、すでに各條文にわたつて御質問がありまして、大体了解したのでありますが、ただ一点、非営業無盡の取締りに関する点について、御質問申し上げたいと思います。その第一は、その規模が大きく、公共の利益に影響を及ぼすと認められるものについては、具体的に現在どういうような事実があつて、どういうふうな考え方を持つておられるか。それから大藏大臣が指定するという指定の方法は、どういう基準によつて指定するものか。あるいは指定と申しますから、個々に指定せられるものかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。それからついででありますから、最近よく問題になつております会員制度で、その会員が数人を紹介すれば、またその孫会員が紹介する。何名か紹介すれば幾ら貸すというような、いわゆる萬世倶樂部式の無盡式のものができておるわけでありますが、それがいろいろ司法上の問題も起しておるようであります。大藏当局としてどういう見解を持つておられるか。どういう点を取締ろうというふうなお考えであるか。それについて御説明願いたいと思います。
#15
○愛知政府委員 現在までの制度のもとにおける非営業無盡というのは、大体日がけの掛金を集めておりますようなもの、それからいわゆる頼母子講というものであつて、実際は相当営業無盡に近い程度の廣範囲の業務を行わんとしつつあるようなものがございます。それから大藏大臣の指定する場合でありますが、これは具体的に個々の頼母子講等を指定する場合も考えておりまするし、また一般的の基準といたしましては、一定の口数以上の頼母子講を指定するという場合も考えられると思います。大体私どもの腹案といたしましては、契約金額が五十万円ないし百万円程度に上るものについては、一應指定の対象として考えてみたいと思つておりますが、これはなお実情がわかりましたのに應じまして檢討いたしたいと考えております。
 それから会員制度の金融会社でございまして、その典型的なものはただいまお話のございました万世倶樂部が終戰直後にできております。ところがこれは最近清算を決議いたしたようでございます。これによつてみましても、万世倶樂部というようなやり方は結局うまく行かない。またこの程度で清算までしなければならぬというところに追い込まれたということは、ああいうふうなやり方が経済的にもうまく行かないという証左にもなるかと思うのであります。そういうような前例もございますので、これは個々にやはり檢討しなければいけないと思いますが、大体具体的に檢討の結果としては、取締りの対象として、あるいは脱法行為として禁止しなければならぬのではなかろうかと思うわけでございます。万世倶樂部につきましては御承知かと思いますが、当時終戰後の非常にいろいろ混乱のありました時代にああいう提案がなされまして、当時これを律する法律もございませんでした。そうかと言つて野放しもできませんでしたので、社團法人として大藏省が一應認可したものでございます。その認可の條件としていろいろ監督、指示を與えて参りましたわけでありますが、どうしても状況はなはだおもしろからず、遂に清算過程に入つたわけでございます。
#16
○前尾委員 大藏大臣の指定があつた後に届出をすればいいのでありますか。ある基準に從つて届出をする。それで大藏大臣が指定するか。その手続をお問いしたいのが一つ。それから万世倶樂部の問題でありますが、それは今後はこの條文によつておやりになるのか。あるいはどの法律によつて取締りをおやりになるのか。その点をお伺いいたしたい。
#17
○愛知政府委員 指定の問題につきまして個々にやります場合は、どつちみちその会社あるいは当の方々と話合いをした結果やることになると思うのでありますが、ただ指定をいたします場合は一定の基準を公表いたしまして、それに該当する方は本法案によつて届出をしていただく。あるいはみなし無盡で認可を申請していただく。こういうことになると思うのであります。
 それから第二の万世倶樂部式のものにつきましては、これまた先ほどお話がございましたが、やはり不特定多数の者から事実行為として金錢を受け入るということになるかと思いますので、具体的の認定の問題でございますが、預かり金をしてはならないという貸金業者の取締りの問題として、禁止するということになるかと考えるわけでございます。
#18
○田中(織)委員 一点だけ伺つておきたいのですが、貸金業者が今度の取締り法令に從つて届出をいたしました場合の届出受理書が、申請者に送達されるまでの期間が大体どの程度になりますか。それによりまして、いろいろ條件が備わつておらなければ受理しない場合がある。受理しない場合の通知はなさることになつておるのですか。届出がなされてから届出書についてのそうした調査ができて、届出受理書が通達されるまでの間どのくらいになりますか。それと届出をいたしまして、届出の受理書が通達されるまでの間の貸金業者の営業の継続ということが、どういう取扱いになりますか。その点を伺いたいと思います。
#19
○愛知政府委員 届出についての受理は免許と異なりますので、届出書の中に本法律によります欠格條項がない限りは、ただちに受理書を交付するという考えであります。ただ問題が問題でございますので、件数などもちよつと見当がつきかねますので、大体私どもといたしましては財務局中心に、各地方的にこれを受理するようにいたしたいと思つております。その際に財務局の受理すべき心得というものを具体的に本法律が制定されましたならば、ただちに各財務局に示達をするつもりをしておりますが、その際に虚偽の記載があるかどうかということだけは、念を入れて調べたいと思つております。從つて法律的に申しますれば、欠格條項さえなく正当な申告でありますれば、ただちに受理するようにいたしたいと思つております。
#20
○内藤(友)委員 私はこの際銀行局長に一つ承つておきたいことがあるのです。それは昨日の確かな筋からの話によりますと、千七百五十億の対日援助資金から農林、漁業に融資をされるものを、安本では百十何億という数字を出しておられたのでありますが、これが全然できなくなつたというのであります。こうなると農林、漁業に対してのいろいろな仕事は全然できないことになりますので、これによる農林、漁業の打撃は非常に深刻なものがあると思うのであります。從いまして私はこういう問題に対処するただ一つの道は、大藏省の預金部の金を農林、漁業に流してもらうほかに手はないと思うのであります。ところが大藏省預金部の金はただいまのところ府縣債引受けだけでありますので、どうにもならぬのでありますが、これは関係筋からのメモランダムによつてそうなつておりますので、この際大藏省といたしまして関係筋にその預金部の金を、地方債引受け以外のところにも流せるような御努力を願わなければならぬのでありますが、このただいま御審議の法律とは直接関係はございませんけれども、この際その点をひとつ承りたいと思うのであります。
#21
○愛知政府委員 千七百億円の使途につきまして、昨日そういう確かな筋からの示達があつたということは、私まだ聞いておりませんので、はつきりしたことは全然わかりませんが、ただ一方の預金部のお話につきましては、実は預金部をお預かりいたしております私どもの計算によりますと、二十四年度の預金部資金は郵便貯金、簡保、年金等を合せまして、純増加額とそれから既貸出しの回收額等を計算に入れますと、大体四百二十三億円程度の運用し得る資金量がございます。從いまして二百三十三億の地方債の融資は決定されたわけでありまして、同時に二百三十三億以上は地方債は出ないということになりましたので、その差額の百九十億は当然地方債以外への運用を認めてもらわなければならないことになるわけでございます。その点は二十四年度の予算編成の過程におきまして以來、各種の考え方の資料等を関係方面に提出いたしまして、目下具体的に審議を願つておるわけであります。でありますから預金部資金の性格から申しましても、もし千七百五十億が農林、漁業あるいは中小企業金融等に期待できないということになりますれば、私どもは当然百九十億の余裕金をその方面に重点的に運用を再開してもらうことを、なお一層努力いたさなければならぬ段階になつたものと考えるわけでございます。
#22
○三宅(則)委員 私は二、三の点について質問をいたしたいと思います。この貸金業に対しますところの――第十五條にあります金融機関の役員や職員が、自分の地位を利用して第三者に利益を與える場合が相当あると思うのであります。これに対しまして、罰則の十九條に懲役もしくは三十万円以下の罰金とあるが、利益を供與された者はもつとたくさんの罰金を出してもいいように考えますが、そういう御意向はないでしようか、伺いたいと思います。
#23
○愛知政府委員 この点は実は私どももあるいは低過ぎるという意見も実はあつたのでございますが、体刑と罰金との間には法務廳方面におきまして一定の刑罰の基準がございますそうでありまして、その一般の基準によりまして、こういう立案をいたしたわけでございます。
#24
○三宅(則)委員 私どもの試案ですが、相当額というふうにやることは法律上の技術としてはまずいかもしれませんが、実際面といたしましては、利益を相当得た者からはそれを吐き出させるという方法がよいかと思いますが、そういう方法にはならぬものでしようか。ちよつともう一度お伺いいたしたいと思います。
#25
○愛知政府委員 その点につきましては、実は私どももはなはだ不本意でございますが、そこまではこの法律案では参れないことになつております。
#26
○三宅(則)委員 監督なさるのはもちろん銀行局だろうと思いますが、実際上において貸金業者が怠慢をしたり、虚偽の申告などいたした場合があつたときには、相当嚴重に監督してもらいたいと思いますが、その辺について御感想がありましたら一應ひとつ御説明願いたいと思います。
#27
○愛知政府委員 私どもの今後の行政上のやり方といたしましては、この貸金業者の問題を所掌いたしまするのは、銀行局が大綱を押えまして、同時に先般來問題のような非常に微妙の点を、きわめて細部にわたつて基準をつくりますことは銀行局が担当いたします。それから実際それを適用する方面は財務局中心に行いたいと考えておるわけであります。從つて虚偽の申告であるかどうかというようなことは、率直に申しますと、初めのうちはあまりよくつかめないのかもしれないのでございます。しかし一面の要請もございますからできるだけ手取り早くこれを処理する。また爾後虚偽の申告等に基くものがございますれば、それに対しては本法案の定めるところに從いまして、嚴重な態度で臨みたいと考えておるわけでございます。要は先ほど塚田さんからもお話がございましたが、一面において自然発生的に庶民階級の要望として現われて参りましたものに対しては、できるだけこれを実情に應じて受入れて善導しなければならぬと考えますので、その方面に重点を置きたいと思つております。しかし中には現在までわかつておりますところでも、非常に惡意を持ちあるいは脱法を意図していろいろのことをやつて、計画しておられる向きも相当多いのでありまして、当局側のそういうような氣持を運用して來るというようなものがおります場合は、断然嚴重な態度で臨みたいと考えております。
#28
○三宅(則)委員 長くなりましたがもう一言で終ります。これについて高利貸との関係についての取締り規定ですが、高利貸のなるべく少くなることを庶民階級として希望いたしたいのですが、その辺についての細部のお答えがあれば仕合せであります。
#29
○愛知政府委員 高利貸等につきましては、御承知のごとく憲法制定後におきまして取締り規則がなくなりましたので、無法律状態になつております。從つてまた一つはこの法律案が必要とされるゆえんでもあるわけでございます。いわゆる高利貸につきましては、この法律案に基きまして措置すべきは当然でございますけれども、何とかして私どもとして個々の問題について処理をいたします場合にも、一般的な法律の権限あるいは基準というものがどうしても必要でございますので、今後の問題としては、あくまでこの法律案の趣旨を生かして、この法律をあくまでも根拠にいたしまして、善処して参りたいと考えておるわけであります。なお高利貸ができるだけ少くなるようにということについては、当局といたしましてもまつたく同感でございます。
#30
○塚田委員 先ほどの内藤委員の御質疑に関連して、自分もひとつ二、三お尋ねしておきたいと思うのであります。実は内藤委員はただ預金部資金の運用の問題一点しかおつしやらなかつたのであります。おそらく関連の問題でない関係上、御遠慮になつたと思うのでありますが、ちようど時間もまだあるようでありますから伺います。私どもはここ一年ぐらいの経済情勢全体を見ておりまして、農村の將來というものに非常な危惧の念を持つておるのであります。おそらくこのままで何らかの措置をしなければ、農村というものは急速に沒落して行くだろう。そうしてその沒落して行く動きというものは、私どもは経済の動きの上から來る宿命的な運命だと思つておる。それに対して國会もいろいろな方法を考えますけれども、また政府でもお考え願ういろいろな方法に対して、その筋の理解がまだ十分に得られていない。その十分に理解が得られないということの根本の原因は、日本の農業というものの日本の経済全体の中における地位とか、それから経済を自然の成行きにまかしておくとどうなるかということの見通しについて、十分向うに認識がまだできておらぬのじやないかと思う点が非常にある。そこで私どもは全体の政策としては、ただ金融政策だけではとても農村は救われないと思つておる。経局それは足しになるだけであつて、根本的に救われないのでありますが、しかしそれにしてもまだ政府がせわをしていただいて、安い金を貸していただくということになればまだ多少いい。ところがその方法すらもほとんど今まではとられていない。これは政府が怠慢であるという意味では毛頭ありませんが、実際にはできていない。そういうような状態になると、ずつと経済もしくは金融を見ておりますと、農村の連中が汗水たらして働いて、幾らかでも蓄積したものは都市へ行く。また都市のものにしても中小の都市のものから大きな都市というように、集めるところは廣く集めて、使うところはどつか大きなところに行く、こういう形になつておるように私ども漠然といつでも感じておる。おそらくこれは自分もしつかりした統計的数字を持つておりませんけれども、日本の金融状態についてのこの事実、この私どもの感じというものは狂つておらぬと思うのであります。地方から集めた金はみな中央で使うという機構にしかなつていない。これは明らかに一つの搾取の形になると私ども思うのであります。こういうことを根本的に金融政策の面で、金融を扱つておられる大藏省銀行局において、これの再檢討をお願いしたいと、私どもは今日の事態を考えて衷心より希望しておる。そこで預金部資金の運用の問題ももちろんでありますが、その他あらゆる面におきまして政府が金融政策を御立案になるときには、どうかこういうような状態になつておる日本経済というものを頭に置いて、そうしてその中でも特に非常にいつでも込みやられて、不当に不利益を受けておる農村の立場というものを、むしろ考え過ぎると思われるくらいにひとつお考え願わないと、これはたいへんなことになる、こういうふうに私どもは考えております。その点についての銀行局長のお考えをお伺いし、私どもの希望するような方法で將來金融政策というものを推進願えるかどうか、その点について御答弁を得たいと思います。
#31
○愛知政府委員 私見を申し上げることは恐縮でございますが、私は個人的には、こういう関係のところに從來必ずしも政府側としても十分の力が入つておらなかつたと思うのであります。たとえばごく卑近な例を申し上げますが現在においては銀行局といたしましても、特殊金融課というものをできるだけ充実いたしまして、農山漁村の関係その他いわゆる特殊の金融で銀行行政とはまた別個の点で、しかも現在の日本が最も要求しておりまする点に、人的配置その他も非常な重点を置いて、最近ようやく私の考えが実現されつつある点は、個人としても喜んでおるような次第であります。從つて特に役所関係といたしましても、農林省とは非常に緊密な連繋をとつておりまして、少くとも毎週でき得る限り定時に農林省の幹部とも会談をいたしまして、特に農林金融の問題について、できてもできなくても、できるだけの努力を拂つて行こうというような申合せで進んでおるような次第でございます。それからたとえば昨年八月の司令部の提案によりましても、これは現在そのまま生きておるものとは思いますけれども、そのときにも農地開発関係というようなことは、先方でも特殊な部門として考えておるようでございまするので、その特殊部門というものは実は計画はいたしましたが、財政の状況からいつて、今日実現を見なかつたわけでございます。しかしせめて預金部資金の戰前の状態から見ましても、これは水利灌漑その他農林関係に相当の金をつぎ込んでおつたわけであります。それが全然杜絶いたしておりまして、かわるものがないというので、今度初めて先ほど申しましたような資金状態になりましたので、その方面に預金部としてはできるだけの力を入れて参りたいと考えております。それから從來御指摘のように特に大銀行等におきましては、支店網を全國的に持つておりまして、非常な金融力を持つておりますが、えてして、これは統計上もはつきりいたしておりますが、地方で吸收いたしました金が、大都市中心また大企業中心に運用せられておつたということは、明瞭な事実であると考えるのでありまして、その点につきましては、銀行法等の改正をまたずして――銀行法等の改正のありまする場合は、そういう從來の弊をためるようなことを、法律的にも規定いたしたいと思つておりますが、それをもまつことなく、銀行の檢査その他によりまして氣づきますところは、実際の行政上の措置として、いろいろ銀行当局も考え方を直してもらうようにもしておるつもりでございますが、特に最近の事実といたしましては、大銀行の地方への支店の進出ということは原則的に全部とめております。これは必ずしも集中排除の指定が大銀行に適用されなかつたということに対する政治的なゼスチュアだけではなく、実際実態的にも今御指摘のような点にも深くかんがみまして、当分のところいわゆる大銀行の地方進出というようなことは考えたくないという方針を、堅持いたしておるような次第でございます。でき得る限り地方、特に農山漁村方面における、しかも預貯金の吸收率などから言えば、かえつてそういうところが非常に好成績のところがあるわけでありますから、できるだけ地方の資金の地方還元ということは、銀行行政の一般といたしましても、今日まで及ばずながら念頭に置いて参つたつもりでありますが、今後一層その方面に力を用いて参りたいというふうに考えておるわけであります。
#32
○川野委員長 ほかに御質疑はありませんか。――御質疑がないようでありますので、これより本案を議題といたしまして討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君
#33
○宮幡委員 貸金業等の取締に関する法律案につきまして、民主自由党を代表いたしまして、希望條件を付して原案に賛成せんとするものであります。ただいま審議して参りましたこの法律案をながめますると、これをもつて十分であるとは、はなはだ言い方が変であるかもしれませんが、思えないのでありまして、まだ何となく足りないところがあり、各委員からも質問のありましたように、運用の上におきまして幾多の疑義を生じ、ある程度の混乱というような事態も予想されるのではないかと心配しております。しかしながら政府委員から御説明のありました通り、庶民金額の自然に発生して参りました過程において、まつたく野放しであつたということから、実態を把握することが困難であるという立場においては、一應これはこれ程度の法律案において規制しておきまして、そうして近き將來におきまして、実情に沿うように順次改善を講ずる。その御方途があるやに承りまして、まずもつてその政府当局のお考えに全幅の信頼をかけまして、原案に賛成をいたすわけであります。御承知のように法律というものは時代に遅れて存在するものでありまして、現われて來た事実を迫つて法律が制定されて行く。從つて法律が公布されたときには、特に経済環境におきましては一歩躍進しておるわけでありまして、常に法律の適用の方が遅れる、かような形があるわけでありまして、もし法律の運用を誤りますると、この法律のそとに、また自然的に生れて來るところのやみと申しまするか、法に触れないところの金融が考えられる。そういうことになつて参ろうと思いまするから、私は貸金業の取締りというのでありますが、單なる取締りに偏せず、むしろ正しい庶民金融を育成強化するという方面に、立法の趣旨を向けていただく。このことが肝要ではなかろうかと思います。從いまして希望條件といたしまして、二点だけを申し上げておきます。
一、本法の適用を受くべき貸金業及びみなし無盡業に対しては、実情に即した法の運用に留意し、ことに金利に関してはそれぞれの特殊性にかんがみ、特別の扱いをなすこと。
一、本法の適用を受くべきみなし無盡業は、それが庶民金融に関する独立の分野を形成するの性質にかんがみ、將來の金融業法制定に当つては、この点特別な考慮をなすこと。
 この二点の希望條件を付しまして、民主自由党は原案に賛成をいたすものであります。
#34
○川野委員長 田中織之進君。
#35
○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりまする貸金業等の取締に関する法律に対しまして、條件を付して賛成するものであります。元來本法制定の理由は、最近の中小企業並びに一般庶民金額の梗塞状態に出発いたしまして発生したやみ金融、また高利の取締りを目的としたものでございまするが、この点につきましては、われわれはやみ金融が何がゆえに発生したかという根源を強く追究して、拔本的な対策を樹立しなければならないことを主張するものであります。政府の金融政策のどこを見ましても、今日経済九原則の実施課程において、その犠牲者として出て來る中小企業、農林水産業並びに一般庶民階級に対する金融について、何らの國家的なまた社会政策的な考慮が、具体的に拂われておらないという点もきわめて遺憾でありまして、われわれはこうした庶民金融の拔本的な解決策を講ぜずして、現象的に現われて参りますやみ金融を取締つても、何らの意味をなさないという立場から、この根本的な前提條件が解決されない以上、こうした法の制定に対しましては、本來ならば反対の立場をとるべきであると考えるのであります。しかしながら現実に発生いたしておりますやみ金融につきましては、実に目に余るものがあるのであります。從いましてわれわれとしましては、やみ金融の発生するところの根源である庶民金額の梗塞状態に対して、政府はただちに拔本的な対策を樹立し、それを実行することを條件といたしまして、本法律案に賛成するものであります。
 さらにこの法律の運用にあたりまして、二、三の希望意見を述べておきたいのであります。まずやみ金利の抑制問題につきましては、先ほど塚田委員からの御質問にもあつたのでありますけれども、金利調整法の準用によりまして取締り得るということの規定だけでありますが、われわれは本法が制定せられるゆえんは、やみ金利の取締りということが一つの重点をなしておる事実にかんがみまして、やみ金利の抑制につきまして、政府はただちに金利調整法の規定に基きまして、適切なる処置を講ずること、同時に一般の貸金業者ではないところの正規の金融機関、銀行その他の金融機関が現在行つておりますやみ金融に対する取締りは、これは嚴に行つてもらいたいということ、さらに貸金業の取締りの面から、業者の業務運営の実情に対する十分なる査察が必要だということは、十分認めるのでありますが、ともすればこれらに対する行き過ぎの面が、実際に起るのではないかという点も考えられますので、査察について十分その点についての考慮を拂われたいということ、それから民主自由党の方から希望條件として述べられましたいわゆる非営業無盡の関係、また自然発生的に出ておりますこうした貸金業に類似すると申しますか、そうした新しい形態に対しましては、その弊害はあくまでためて行かなければなりませんけれども、これに対して一つの適当なる基準を與えるような処置を講ぜられたい。以上の希望意見並びに條件を付しまして、社会党といたしましては本案に賛成するものであります。
#36
○川野委員長 河田賢治君。
#37
○河田委員 私は日本共産党を代表して貸金業の取締に関する法律案に対しまして、反対の意見を表明するものであります。
 本法案が庶民金融育成あるいは助長ということを目的にしていないということは、本法案の表題にも掲げられております通り、取締りをするということがやはり主になつておるのでありまして、ことに今日いろいろな経済的な事情から高利貸しあるいはやみ金融が発生しておるのでありまするが、しかしこういう問題を根本的に解決するには、單なる取締りの法律によつて解決することはできないと思います。特にこの法案の内容におきましても、御承知のように非常に大まかな点がありまして、この運用を一歩誤れば、非常に大きな問題を起すことが多いと思います。また大藏大臣の頼母子講あるいは無盡というものに対する指定や、あるいは指定無示の干渉という非常に権力的な立場を明らかにとつているから、これが運用によつてはまた大きな影響を受けます。もちろん共産党といたしましても、今日の高利貸であるとかあるいは銀行の日貸し、こういうものに対しましては、もちろん私たちは非常に憎惡感を持つてはおりますけれども、その半面今日の金融事情の逼迫からしまして、中小商工業者あるいは小さな商人というような人々が、月十割あるいは二十割というような高利の金を借りてまでも、その事業を守つて行かなければならない、あるいは企業を継続して行かなければならないような立場に置かれている。すなわち経済の需給原則によつて自然に金利が生じているのでありまして、こういうことをただちに取締ることは、むしろこれによつて今日わずかばかりの最後の一線を守つている中小の企業者、あるいは営業者の営業が非常な妨害を受ける。從つて政府はこういう法案を出す前に、まず今日各産業においても集中生産が行われ、これに並行してやはり金融の集中が行われていることを改めて、もつと中小企業者あるいは一般の働く人民層への庶民金融という方向に大きな力を注いで、その後にこういう取締法を出すべきだ、こういうふうに私たちは信ずるものであります。從つてこの法案に対しては、われわれは時期尚早であり、かつまたこの法律の形式から見ましても、たとえば單行法令なり、無盡業法の一部の改正をここへ入れたり、あるいは本日上程になります大藏省設置法の一部の改正が、これはまだ法律になつておりませんが、これがこの法案の中に入つているというような、きわめて法律の形式からしても妥当でない点がたくさんございます。こういう点から私たちはこの法律案に対して反対の意を表明するものであります。
#38
○川野委員長 内藤友明君。
#39
○内藤(友)委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、本案に賛成いたします。ただここで申し上げたいのは、先ほどからそれぞれの討論がありましたように、こういう金融状態になつた、やみ金融が横行したことの原因について、政府は何ら手を打つておられない。單に最後の取締りだけしておられることは、政治としましてはまことに惡いやり方の政治であります。從つて政府はこの法律を実際にやりますとともに、庶民金融に対しましてのほんとうの力強い政策をとつていただきたいと思います。
 またこの法律審議の過程にかんがみまして、この法律は何と申しますか、非常に大まかな法律でありまして、はたしてこの法律でほんとうの取締りができるかどうか。現実はこの法律をさらに飛び越えているのではないかとも思われる点があるのであります。そういう点を十分にお考えになりまして、ほんとうにこの法律のりつぱな実施をやつていただきたいという希望を付しまして、本案に賛成いたします。
#40
○川野委員長 討論は終局いたしました。
 これより貸金業の取締に関する法律案を議題として、採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#41
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお衆議院規則第八十六條による報告書の件については、委員長に一任願いたいと思いますがいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○川野委員長 御異議ないようですからさようとりはからうことにいたします。
    ―――――――――――――
#43
○宮幡委員 これは議中進行に関することでありますが、本日午後一時から請願審査に関します小委員会を開催することに日程に上つておるのでありまするが、この請願の数も相当多数あります。請願はいわゆる國民の声でありまして、ただいま主権が國民にあるのでありまして、これを代表する國の最高権威である衆議院の本來の姿から考えますと、これは愼重に審議する必要があります。それですから午後はこれを小委員会でなく本委員会にかけられまして、一々政府当局の御弁明も伺いまして採択すべきものは採択し、熱心にこれを審議して参りたいと考えますので、どうか小委員会開催の件をお取消しになりまして、全体の委員会でこれを審議することにおとりはからいを願いたいと思います。
#44
○川野委員長 宮幡の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○川野委員長 御異議ないようでございますので、午後の小委員会に付託になつておりまする請願の件は、本委員会において審議することに決定いたします。
    ―――――――――――――
#46
○田中(織)委員 議事進行について一つ提議したいのでありますが、本日の公報を拜見いたしますると、「戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案」が議員提出で提案せられて、運輸委員会に付託になつたようでございます。廣い意味における國有財産の拂下げは、きわめて現在重大なる政治的な問題に相なつておるのでありまして、本委員会におきましても関連法案につきましてこの点についての政府の方針が質問されておるのでありますが、それに対しましては政府はまだ各省間の連絡等の――ことに大藏当局があつせんをしておるという程度のもので、われわれは今國会にそうしたことについての提案がなされるとは、実は考えていなかつたのでありまするが、会期切迫いたしました今日、突如として議員提出という形で提案せられたということにつきましては、きわめて重要な意義を持つておると考えるのであります。大藏省設置法案のうちにもありますように、國有財産に関する件は大藏省の所管事項でありまして、本委員会にとりましても重大なる審議の対象でございますので、この際議員提出ではありまするけれども、提案せられておりまする「戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案」の審議にあたりましては、運輸委員会と本委員会の連合審査を要求していただきたいという動議を提出いたすものであります。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#47
○川野委員長 ただいまの田中君の、「戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律案」について、運輸委員会との連合審査会を開いたらどうかという動議でございますが、いかがいたしましようか。――田中君の御要望もございますので、あとで理事会を開きまして、午後の委員会で御相談申し上げる、こういうことにいたしたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○川野委員長 それでは午前はこの程度にいたしまして、午後一時半より再開いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十分開議
#49
○宮幡委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。ただいまより請願の審査に入ります。
 日程第一四、文書番号第三〇五号、油津港を開港場に指定促進の請願、田中不破三君外五名紹介を議題として紹介者の説明を願います。
#50
○田中不破三君 ただいま議題になりました宮崎縣油津港の貿易開港指定に関しましての請願につきまして、御説明を申し上げます。油津港の貿易開港指定に関しましては、一昨年から各方面並びに各種の團体に、それぞれ必要の資料を提出いたしまして事情を具申して、その促進をお願いして來たのでありますが、今般さらにその請願書にも署名してありまするごとく、宮崎縣南部の南那珂郡の十六箇町村の議長会の議長名をもちまして、重ねて請願を申し上げておる次第でございます。幸い政府におかれましては、昭和二十二年度以來港湾の根本的改修工事に着手されておりまして、これが完成のあかつきには、油津港は宮崎縣の中心部以南におきまする主要なる産業開発の拠点として、その主要性はいよいよ増大して参ることは必至であります。すでに昨年四月十五日には衆議院におきまして、また同年七月四日には参議院におきまして、それぞれこの油津港の貿易開港指定に関する請願は採択済みであります。政府並びに縣においても数度にわたつて同地の実地視察を行われたのでありまして、油津港の実情は十分におわかりのことと存ずるのでございます。ただいまはことに南九州の総合開発計画が進められております。この油津港はこの地区の中にございまして、この地方の産業開発の一拠点となるものでございます。何とぞ地元民の念願をお入れくださいまして本案を採択していただきますとともに、政府のこの港に対する今後の御方針並びに御善処方をお願いしたいのでございます。たまたま過般本院を通過いたしました関税法の一部改正の法律案によりまして、一應開港指定の標準も明らかにされておるのであります。從いまして地元といたしましてはその標準に到達するように、努力いたさなければならないと存ずるのでございます。ただいまは残念ながらこの標準にいささか達し得ないような実情でありますが、しかしこれも支那大陸の政情の安定、その他東南地域のそれぞれの貿易の伸展に伴いまして、おのずからこの目標制限額を上まわつて参ることと存ずるのであります。この点につきましては政府におかれましても常に実情を十分御注視くださいまして、地元民の熱望に沿うていただくように重ねてお願いを申し上げる次第であります。私の紹介の説明はこれで終ります。
#51
○宮幡委員長代理 ただいまの請願につき、政府当局の御意見がございましたら伺います。
#52
○伊藤(八)政府委員 ただいまの油津港開港問題についての請願の趣旨はよく拜聽いたしました。油津港につきましては地元の皆樣方が非常に日本の貿易について重大なる関心を持たれまして、從つて請願の開港に関することにも関心を持たれることについては、日本の貿易による経済再建という意味をもちまして、常々敬意を表しておる次第であります。しかしながらただいま田中先生もおつしやいましたように、何と申しましても中國及び台湾方面とのかつての油津港の貿易が、ただいまのところやや中絶しておるような状態でありまして、やがてこの方面等が正常状態に復し、そうしてほかの地方に比較いたしましてより一層の発展を見、貿易の実績等もただいまお示しになりましたようなレベル、あるいはそれ以上に達しました際においては、あわせて他の方面において不必要なる箇所等も整理ができまして、人員その他に余裕ができました場合においては、必ず同港の開港についてもその際あらためてなお考慮することはもちろんのことであります。ただいまのところにおきましては、われわれ今度の改正によりまして嚴密なる統計を作成いたしまして、それを標準として善処するつもりであります。同地方におきましても今後ますます貿易につきまして御関心を持たれ、あらゆる施設を改善し、貿易船の入出等に努力せられまして、一日も早く実績を上げられんことを強く御期待申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#53
○宮幡委員長代理 次は日程第八一、扇子に対する物品税の免税点設定の請願、文書表第一一一六号、紹介議員角田幸吉君外一名、及び日程第八二、カレンダー、扇子及び團扇に対する物品税改正の請願、文書表第一一一九号、紹介議員角田幸吉君外一名。右両請願の紹介議員角田幸吉君の御説明を求めます。角田幸吉君。
#54
○角田幸吉君 まず八一から申し上げます。請願の要旨を冒頭に申し上げます。
 夏季用一般大衆向きの扇子には、物品税免税点を設定し、その額を四十円と定められたい、こういう趣旨の請願をいたします。
 現行の物品税は、昭和十三年に事変の特税別法によつて制定されたものでありまして、当時國民のぜいたくな生活を抑制するための立法として、物品税が重要な意義を持つておりましたことは、いまさら申すまでもないことであります。ところがこの税金によりまして、非常に大衆向きのものにまで物品税が課せられるようになつて、いわゆる一般の大衆課税化してしまつて、國民生活の上に非常な不都合を來しておるのであります。そのうちで、ただいま議題になりました扇子について申し上げますが、扇子は一般國民のほんとうの必需品であり、大衆の必需品であります。ところがこれに全般的に物品税が課せられておりますので、今日では物品税のために扇子が非常に高くなりまして、夏になつて扇子を持てないというような、扇子も買えない人が多く出て参つたのであります。ところが御承知のごとく、日本の夏には扇子はわれわれの必需品であるのでありまして、しかもこれを賣る方から見ますときわもの的で、夏にだけ賣れて秋になつたら賣れない。こういうきわもの的なものであります。これに物品税が課せられるというようなことはきわめて不都合で、値段を高くしなければならぬ。こういう事情にありますので、高級のものにつきましては別といたしましても、今日の價格といたしまして四十円以下のものにつきましては、物品税を免税していただきたい。昨年もこのことについて請願をいたしましたが、本院で御採択になつたのであります。ぜひ御採択の上、請願を内閣に御送付願いたいのであります。
 次に八二の請願について申し上げます。まず請願の要旨を冒頭に申し上げます。
 カレンダー類は、これを出版物とみなし、物品税の賦課にあたり課税品目より除外していただきたい。その理由を申し上げますると、カレンダーは製造実費から見ますると、約八〇%が紙代であります。しかも今日のカレンダーは一つの知能的創作品であります。いろいろな季節のことや、あるいは農村向きから言えば種まきのことを書いたり、漁村向きであれば潮の満ち干のことを書いたり、あるいはこれにまた年中のいろいろな行事のことを書いたり、いろいろと創作をいたしませんと、その用は達しないのであります。そういう次第でありまして、戰爭前におきましては、これは出版物として出版法によつて届出を必要としておつたのであります。從いまして場合によりましては、カレンダーは出版法に違反するというようなことで、発賣を停止されたこともしばしばあるのでありまして、これは一つの創作品であります。でありますから、これは出版物として取扱つて行くのが本質的に相当なのであります。しかもこれは大体十二月から一月の初めまで一般に賣るものでありますが、もう一月の中旬になりますと、ぴたつと賣れなくなつてしまいます。そういう点からきわものだというところから、一般に商品としての値段をきめます場合にも、きわものとしてその値段をきめなければなりません。しかもカレンダーは各家庭の必需品であります。これに物品税を課せられるということは、これまた大衆課税をこれにも加えることになりまして、その本質から考えその実体から考えましても、これは出版物として取扱つていただきたいのであります。この点につきましても、昨年本院において採択されたのでありますが、いまだその免税の実施は行われておりませんので、本院におかれまして御採択の上、内閣に御送付を願いたいのであります。
 以上簡單でありまするが、両案について御説明申し上げました。
#55
○宮幡委員長代理 ただいまの請願につきまして、政府当局の御出席がありませんので、政府の御所見は次の機会に伺いたいと思います。御了承をいただきます。
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#56
○宮幡委員長代理 次は日程第八五、金庫に対する物品税改正に関する請願、文書表第一二五四号、紹介議員山本久雄君。紹介議員の山本久雄君の御出席がありませんので、かわつて土倉宗明君に紹介の説明をお願いいたします。
#57
○土倉宗明君 金庫の物品税改正に関する請願の趣旨を申し上げます。
 金庫類は現在物品税法による第一種丙類に属し、五〇%の税率を課せられております。これを同法第一種戊類、税率二〇%に編入移属せしめられるよう改訂をお願いいたします。すなわち同法施行規則第一條別表課税八十一号事務用器具並びに事務用品イ号中に包含せしめられたいのであります。
 理由といたしましては、第一には金庫は火災とともに盜難防止の役目をになう重要品であつて、公共的にも私的にも必要欠くべからざるものである。金庫は國家社会の信用を最も端的に表現する貨幣、有價証券を初め、貴金属、貴重物等の財宝並びに長年月にわたつて保存を要する貴重書類、日々の事務上の重要品等すべてかけがえのない貴重物を保管し、これが燒失も國家にとり社会にとり甚大な損失を與えるものであつて、これは單に物的、有形的に評價される金額のみならず、評價しがたい無形的の損失もはかり知りがたいものであり、これが防護の役目を果すものは、金庫をおいてはないのであります。実に年々の火災による全國の被害は莫大な額に上るが、金庫の使用により、その被害率を非常な低位にとどめることができることは疑いない。ことに戰災都市の建物はおおむね貧弱な木造家屋が多く、火災の発生度また被害度も大きい今日、一層金庫の必要を痛感するものである。また近來特に社会不安を反映して盗難事故が激増しており、または被害者の損失のみならず、かかる財物の不正移動は社会混乱の大きな原因をなすものであり、これが防止にも金庫は第一の役目を果すものであります。大局的に言へば、金庫は國家の富を防護し、経済の運営に欠くべからざる役割を演じており、ひいては社会の秩序を維持するところの重大なる役目を持つている必需品であります。
 第二の理由といたしましては、現今通貨の激増により、特に金融界においては日々取扱う紙幣のはなはだしい増加に悩まされておつて、金庫の必要度を増すとともに、金庫の需要量は必然的に増加しております。
 理由の第三は、右のごとく金庫の必要度は現在ますます痛感されつつあるにもかかわらず、高率な物品税により一般にこれが取得を妨けられておる実状にあり、特に中小企業体、中小團体、個人等にその悩みが深刻であり、欲求しながら購入に困難を感ずるという声がしきりに聞かれるのであります。
 第四の理由といたしましては、國家再建のかぎを握る海外貿易については、戰前中國、満洲、朝鮮を初め、南方諸地域に年々五万台以上の金庫の輸出の実績を有しており、かつ金庫製造業はわが國においては明治初年より開始され、古き傳統を持ち、技術も優秀で日本独得の製法を完成しておるものであつて、これら東亞諸國への輸出品中の一要目たる資格を備えており、その時期も目前に迫つているものと考えられる。
 理由の第五といたしましては、以上國内需要の著増並びに海外輸出の機運により、各工場は着々設備の整備改善に努力しつつあり、機械化の進捗とともに大量生産におもむきつつある現状であります。
 理由の第六は、けだし金庫が物品税法により第一種丙類に編入され、五〇%の税率を課せられておるのは、これを奢侈品とみなされていることが大きな理由であると思料されるのであるが、右に述べたことく、金庫が國家的、社会的に重要な器具であり、わけても経済界、商工界には必要欠くべからざるものであつて、これを奢侈品とみなすことははなはだ不当である。また戰後の米國文化の輸入は文化的財宝に対する在來の考え方に強い反省を促し、これが防護に一層高度の関心と積極的な努力が要求されておるのであります。この点からも金庫を奢侈品的に取扱う態度は、ぜひ改めていただかなければならぬと存ずるのでございます。かつ金庫は消耗品と異り、使用量を少くすることによつて、それだけ経済力消耗の節約の効をあげるものでなく、まさにその反対の性質のものであり、使用量の増加に伴つて逆に経済力の損耗を節約するものである。
 理由の第七といたしましては、以上金庫の重要性並びに現今の需要量の激増に対應し、物品税の引下げにより大量生産とこれが普及を容易ならしめることによつて國富の喪失を防ぐとともに、政府の納付額を一段と増加することができるならば、これこそ最も望ましいことではないでありましようか。反対に高率の物品税の課税により、これが生産と使用を妨けることにより、それだけ火災、盗難の被害を増すならば、これにより國家、社会の受ける損害がいかに大きくなるであろうかということも、想像にかたくないのであります。國家の政策としてもすみやかにこの税率の引下げをお願いいたしたい次第でございます。
 以上の理由によりまして、金庫物品税の取扱い類別を、物品税法第一種丙類より第一種戊類に移項されたく、特にお願いする次第であります。
#58
○宮幡委員長代理 ただいまの請願に対しまする政府当局の御所見は次の機会に伺うことにいたしまして、本日は保留いたしますので御了承願いたいと思います。
#59
○土倉宗明君 了承いたしました。
    ―――――――――――――
#60
○宮幡委員長代理 次は日程第一〇〇、医業に対する課税軽減の請願、文書表番号第一四三九号、紹介議員の説明を求めます。
#61
○稻田直道君 最近医業に課せられる諸税、なかんずく所得税は著しき高率を示しており、そのため医師の生活脅威は極度に達し、やむなく轉業、廃業する者さえ発生する状況となつております。およそ医師の業務は根本的に他の業種と異り、國民生活の基礎たる保健医療の確保という天職を負わされており、その業態もあくまで仁術の理念に徹する公務としての業態をとつており、とうてい過重なる課税負担にはたえ得ぬ状態である。医業を死守するのあまり、重税の結果心ならずも一般患者に轉嫁されるとすれば、民衆は医療の恩惠より遠ざかることとなり、まさに國民保健上ゆゆしき問題と断ぜざるを得ない。政府は医業に対する諸税、なかんずく所得税の軽減並びに特別所得税の全廃方の御配慮を賜わりたい。
 理由といたしまして、最も重大な保健医療の責務をゆだねられている医業は、また同時に最も脆弱な経営体である上に、公務の観念からして幾多の法的制約を受け、特に健康保險の実施以來二十余年、その趣旨に全面的に賛同して、勤労階級の健康確保のために採算を度外視せる診療を続けて來たのである。にもかかわらず所得税等の面においては、ほとんどその特殊性を考慮されていない実情であり、加うるに特別所得税の過重はとうてい医師の堪え得ない高額であつて、轉廃業の続出は明瞭にこの事実を証明していると信ずる。前述の理由により左記を請願いたします。
 一、医師の所得税は全面的に軽減されたいこと。
 二、医師の特別所得税は全廃されたいこと。
 政府は右に関し至急適当な処置をとられ、もつて医業の安定を保持し、國民の保健上遺憾なきよう御高配賜わりたく、特に次期税制改革に際しては、諸般の事情を詳細御調査の上、しかるべく善処方御盡力願います。
 以上であります。どうかひとつ御採択をお願いしたいと思います。
#62
○川野委員長 稻田君にお諮りしますが、政府当局の御所見は次の機会に伺いたいと思います。この際保留いたしますが、御了承願えますか。
#63
○稻田直道君 保留することはけつこうですから、ひとつ委員長においてしかるべく審議されまして、御採択方をお願いしておきます。
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#64
○川野委員長 なお稻田君に申し上げますが、本日の日程一六になつております元大山軍馬赤碕派出所跡地及び建築物拂下の問題につきましては、四月十六日に代理紹介せられまして、政府当局の御所見を伺つております。でありまするから、他にこれに関連いたしまして御意見がありましたら、ちようど國有財産局長もおられますので、附加して伺つていただきたいと思います。
#65
○稻田直道君 この元大山軍馬の跡に関しまする請願は、数年前から数回お願いしておる請願でありまして、伯耆の大山のすそに数千町歩にわたる元大山軍馬養成所というのがあります。この大山軍馬養成所ができましたのは、明治年間の陸軍の初期の時代であります。そのころ強制的に農家の土地より――強制的にと言つては語弊があるかもしれませんが、土地收用的にきわめて安價でもつて政府が買收されたのであります。その後軍の方の軍馬養成所が廃止されました機会に、元に返してくれという地方農民の声がありましたけれども、陸軍関係の方では元に返さないで、これを現在では農林省の所管といたしまして、一部は縣が苗物その他の農林関係、畜産関係の方に試驗的にやつておりまするし、一部は農林省の種畜牧場といたしまして、現在種畜の研究をやつておるのであります。聞くところによりますると、最近全國的に牧場の整理をされるというふうなことを聞き及びまするので、この際地元民といたしましては、牧場のこの土地を附近町村に農地解放の意味をもちまして、地方の農民に縁故拂下げかあるいは町村に縁故拂下げというようなものにしてもらいますか、あるいは農地解放の意味におきまして、関係農民に入植的な意味において拂下げをしてもらうかというようなことを希望しておるのであります。
 それから附属建物の大きな建物があるのです。地方の教育上の資金がないために建築がなかなか困難な折から、これを地方の高等学校建設のために拂下げもしくは無償讓渡というふうなことにしてもらいまして、政府の方から地方の学校建築のために使わしてもらいたいということが、委員長から申しました前会すでに説明になりまして、私紹介議員として欠席いたしまして詳しく述べる機会を失なつたのでありますが、この機会に陳述してよろしいということですから、簡單に申し上げた次第であります。この建築物を地方の町村に高等学校として使用させてもらいたい、拂い下げてもらいたい、あるいは讓渡してもらいたいという意味の請願であります。何分の御意見をひとつ伺いたいと思います。
#66
○舟山政府委員 ただいまの問題の物件は、今農林省の公有財産になつておるかと存じますが、そういたしますと農林省が所管しておりますが、お話によりますと、近く業務を廃止するということでございますれば、普通財産として大藏省に引継がれる関係に相なります。しかして農地の関係は、自作農創設等でありますれば農林省がこれを行うのであります。特に問題になりました建物につきましては、これを農林省から大藏省へ所管がえいたしまして、処分いたすことになるのでありますが、これらの建物は学校等に充当せられるのが非常に多いのでありまして、御趣旨はまことにけつこうだと存ずるのでございます。なお細目はいろいろ法規の関係もございまして、私の方で調査いたしたいと思つております。
#67
○稻田直道君 今の大藏関係当局の説明は、まことに地方民の請願に適したことでございますから、この件は御採択をひとつ希望しておきます。
#68
○川野委員長 了承しておきます。
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#69
○川野委員長 次は日程二一、文書表番号第四〇六号、佐敷町に税務署設置の請願、福永一臣君紹介。紹介議員の福永一臣君の御出席がありませんので、吉田委員に代理の説明を願いたいと思います。
#70
○吉田(省)委員 熊本縣佐敷町は熊本縣の南部葦北郡の中央に位し、鹿兒島縣に近接し不知火海に臨み、戸数二千百四十七戸、人口一万千五百四十六人を算し、交通は鹿兒島本線の鉄道便並びに國道鹿兒島線、縣道大口線、人吉線、吉尾線によるを主とし、海上においては佐敷港を中心として各方面への交通至便の地であります。從つて漁業、商工業においては地理的及び交通運輸の利便上相当繁栄し、往古より本郡を統御せしものの常に居を定めたところであり、現に熊本縣葦北郡地方事務所、葦北地区警察署の所在地として郡内を管轄しておるのでありまして、明治年間には佐敷税務署が設置せられていたのでありますが、その後廃止せられ現在に至つておるのであります。しかるに終戰後経済界の変動に伴い、國家財政も未曽有の厖大さを加えるに至り、政府におかれてもこれに対應し徴税事務拡充のため、全國的に財務局並びに税務署を増設せられつつあることは、地方経済情勢の的確なる把握を期する面よりして、われわれ地方住民の希求してやまざるところであります。申すまでもなく現下地方住民の生活は窮乏の一途をたどり、必然的に租税能力の低下を來い、かつ滯納者続発の傾向にあるのであります。その原因するところは、地方経済の的確なる把握困難のためと思料せられるのであります。すなわち本郡はそのほとんどが山嶽地帶であつて、耕地は狹少であり、あまつさへ経営農家は多く平均三反、五反歩の零細農にすぎないのでありまして、隣接郡たる八代市及び八代郡その他と対照比較して課税せらるることは、まつたく公平を失するもとであると思考せらるるのであります。現にこの零細農の実体把握困難のためか、供出代金のことごとくが税として徴收せられ、あるいはその代金を越える実情であり、これら農家はその生活資金に追わるるの実情であり、農業課税にきようきようたる有樣であります。一方漁民にしてまたしかりであります。商業者はこれら農山漁民の購買力の低下により困窮状態にありと思料せられます。かかる環境下にある本郡に対しての課税徴税の機構がない限り、現在の税務機構をもつてしてはまつたく將來を憂慮せざるを得ないのであります。われわれは特殊意義を有する本郡のため、特に行政の中枢地であり、郡内町村との交通経済の両面にもつとも利便を得る佐敷町に税務署を設置せらるることが、当局並びに郡民のため最善と信じます。聞くところによりますと、新設税務署は本郡水俣町に設置せらるる模樣でありますが、われわれ八箇町村長は、住民五万四千の総意に基き、絶対的に本郡の最南端である水俣町に設置せらるることに反対し、あくまで郡行政の中心地佐敷町に設置せられんことを要望懇願いたす次第であります。
#71
○宮幡委員長代理 ただいまの請願に対して政府当局の御意見を承ります。
#72
○金子説明員 葦北郡に税務署を置いたらどうかというお話は、前々から聞いておるのでありますが、ただ場所の問題につきましては、ただいまお話になりました佐敷にするか、あるいはまた水俣町にするか、実は両方の町から共願のかつこうになつておるのでありまして、私どもといたしましては、できるだけひとつ地元で話をつけた上で、佐敷に設置について國会に承認を求めたい。かように考えておりますので、目下地元の熊本財務局に愼重に調査を進めさしておるような状況でございますから、ひとつさよう御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#73
○宮幡委員長代理 次に日程第二四、城辺町に税務署設置の請題、文書表番号第四二二号、紹介議員高橋英吉君外六名、紹介議員の御出席がありませんから、吉田委員から代理御紹介をお願いいたします。
#74
○吉田(省)委員 昭和二十三年十一月一日南宇和郡に税務署新設開廳御予定のところ、はからずも延浜となりましたことは、郡民として実に遺憾にたえないところであります。現在税の收入は國家歳入の主たる財源で、これが徴收に万全を期せねばならぬことは申すまでもありません。ことに本郡のごとき交通不便なる假の地において税務署の設置なきことは、公正なる課税の決定を期することが困難でありまして、徴税上の不便のみならず、これがため納税の完璧を期することはとうてい不可能なことと存ずる次第であります。郡民のひとしく税務署の設置を要望するゆえんはここにあるのであります。ことに近時國民の負担は日とともに増嵩を重ね、納税者の苦痛がひとしお深刻の度を加えて参りますときにおいては、いよいよこれが待望は極度に達しております次第でありますから、本年度中において、ぜひともこれが実現を見ますよう特別の御詮議相なりたく、もし本年中において実現できませねば、來年度すなわち二十四年度には必ず達成いたしますよう特に陳情いたします。
 なお新設の位置御決定につきましては、左記各項御考慮の上、郡民多数の希望地たる城辺町に御決定を特に追申いたします。
 一、城辺町は宇和島自動車営業所の所在地で、從つて自動車の始発地である関係上、郡内交通の中心地である。
 二、伊予合同銀行平永支店、ほかに愛媛無盡会社城辺支店があり、金融機関の中心地である。
 三、城辺町は郡経済の中心地である関係上、各種大商店は同町に占めている。
 四、経済諸團体の事務所は郡内の九割以上城辺町にある。
 五、税務署と最も密接な関係を有する松山地方司法事務局城辺出張所、裁判所檢察廳がある。
 なお城辺町は、廳舍並びに官舍は必要に應じ、いつでも提供することができるのであります。廳舍のほかに官舍の新築の場合におきましては、その敷地は廳舍用として宅地二百五十坪、官舍用として六百坪を提供することができます。
 以上諸條件を具備せる関係上、郡内八箇町村中六箇町村は城辺町を希望しておるのでございます。ぜひとも御採択の上、その実現せらるるようお願いする次第でございます。
#75
○宮幡委員長代理 ただいまの請願について政府の御所見を承ります。
#76
○金子説明員 ただいまお話になりました城辺町に税務署を設置する問題につきましては、実はでき得れば本年度におきましても承認を求めたいという考えで、調査を進めておつたのでございますが、いろいろな條件で今年度は提案をするまでに至らなかつたのであります。明年度におきましては、ひとつなるべくすみやかな機会に、承認案を國会に提出したい。かように考えております。
    ―――――――――――――
#77
○宮幡委員長代理 次は日程第八三、飯能町に税務署設置の請願、文書表番号一一六一、紹介議員、山口六郎次君外一名紹介、紹介議員の山口六郎次君がお見えになりませんから、吉田委員から代理御紹介を願います。
#78
○吉田(省)委員 再建日本の経済安定の條件である健全財政の確立は、納税と密接に関連しているものであり、またさきに連合軍総司令部より指示されました経済九原則中にも、徴税政策強化の一項が示されているところでありまして、國家財政上いかに税制の重大事であるかが思考されるのであります。近時税制の改革はしばしば行われ、それに從つて法令もまた改廃されて複雜多岐となり、徴税事税の面においてもますます繁劇の度を加うるに至りました。しかるにこれが運営に当るべき税務署の数は從來の通りであつて、それがために関係官公廳及び一般住民の不便を感ずることは並々ならぬものがあります。飯能町地方には未だ税務署の設置なく、その所轄署は川越税務署でありますが、同署は本町を隔たること二十キロもあり、各官公廳よりの事務連絡はもとより、一般住民の納税等について費される時間的、経済的の不利益はまことに甚大であり、かつ本地方の実情を知るにも、一般住民に税の眞義の徹底を期する上にも不利であるのみでなく、滯納の防止にはさらに困難を伴うことと存じます。かく考えてみたとき、飯能町に税務署を設置して税制の徹底的合理化をはかることは、最も喫緊のことと存じますので何とぞ前述の情状御賢察賜わり、特別の御詮議をもつて飯能町に税務署を設置せられるよう、お願いをする次第であります。ぜひ御採択の上、その実現を期せられるようお願いいたします。
#79
○宮幡委員長代理 政府当局の御説明をお願いいたします。
#80
○金子説明員 飯能町に税務署を置けという話は、実は前々から伺つておるのでありまして、財務局におきましても一應調査をいたしておるのでありますが、何分にもことしは税務署の廳舍を建てる建築費が――これは公共事業費でいつもとつておるのでありますが、大幅に削減となりましたような関係で、新しく廳舍を建てなければならぬところは、一應次の機会に延ばすというような方針をとりましたので、ことしは一應見送るということにいたしたような次第でございます。さよう御了承を願います。
    ―――――――――――――
#81
○宮幡委員長代理 この際紹介議員の天野議員にお諮りいたしますが、他の重要な委員会におきまして速記が足りませんので、これから速記がなくなります。しかし請願の御要旨は速記録に追加して載せまして、政府当局の答弁もやはり速記録に載るようにとりはからいますが、もし速記をつけておやりになるという御希望でありましたならば、明日にしていただきたいと思ひますが、いかがでしようか。
#82
○天野公義君 明日でけつこうです。
#83
○宮幡委員長代理 それでは本日は事務当局の御都合もあまりよくないようでありますし、委員の出席も少いようでありますから、請願の審査はこの程度にいたしまして、これをもつて散会いたします。
    午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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