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1949/09/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第45号
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1949/09/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第45号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第45号
昭和二十四年九月二十日(火曜日)
    午後一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 石原  登君 理事 小峯 柳多君
   理事 塚田十一郎君
      岡野 清豪君    小山 長規君
      北澤 直吉君    高間 松吉君
      西村 直己君    前尾繁三郎君
      三宅 則義君    吉田 省三君
      風早八十二君    河田 賢治君
      河口 陽一君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 池田 勇人君
 委員外の出席者
        大藏事務官   河野 一之君
        大藏事務官   平田敬一郎君
        大藏事務官   愛知 揆一君
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 税制改革に関する件
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより会議を開きます。
 昨日委員会におきまして、平田主税局長よりシャウプ税制勧告に関する説明を聽取いたしましたが、本日は今回行われます税制改正に関して、政府当局への質疑を行いたいと存じます。なお池田大藏大臣は二時ごろお見えになる予定でありますので、御了承願いたいと存じます。三宅則義君。
#3
○三宅(則)委員 私は大臣のお見えになりましたときに質問いたしたいと思う点がありまするが、これはおいでになりましたときに譲りまして、大体の構想を申し上げまして、政府当局の御参考に供せられたいと思うのであります。
 昨日平田主税局長から私どもに詳細な御説明を賜わつたのでありますが、私のかねてからの構想でありまして、これは各選挙区をまわつて聞いたことでありますが、この税制改革につけ加えて、ぜひ次の数点を了承せられたいということを考えているのであります。その一つとしてここに申し上げたいと思います事柄は、やはり税制改革に対しましては、官吏が一方的にきめることはどうかと考えますので、ぜひ市区町村に公選せられた二十名内外の財務調査員を構成いたしまして、原案をつくるのは税務署長がおつくりになるでありましようが、最後の決定をするのはやはり税務調査委員会というような、委員会制度でもつてきめられたいという希望を持つておるのであります。これにつきまして政府当局の御意思はどうでありますか伺いたい。かつて池田大藏大臣もこれについてはシャウプ博士がおいでになりましたときには、十分に意思を体しまして、これを織り込むというような御意思も承つておるのでありますが、その後の経過につきましてもしおわかりでありましたならば、主税局長からその辺のいきさつを承りたいと考えるのであります。その案といたしましてちようど選挙に選挙管理委員会があり、農地に農地委員会があり、警察権には公安委員会があるように、その委員会によつて最後の決定をするのが、いわゆる民主的ではないかと考えておるものであります。この点が一つ。
 第二番目の点を申し上げます。税務署長が原案を作成するに至りましては、各種業種團体の意見を今日も参考に供せられておることと考えておりますが、これは私の試案によりますれば、農村におきましてもやはり同一市区町村に模範農村というものを設けまして、これらを大中小とか、あるいはその範囲を三段ぐらいにわけまして、これらの人に正式の帳簿をつけさせまして、これを基準にやりますれば、やはり各種の農業でも適用し得られると同樣に、今度は商店にいたしましてもまた工場にいたしましても、同一市区町村に同じような形態を備えました店あるいは工場を、大中小あるいはそういうような三段階ぐらいにわけますならば、これまた適当な判断の資料ができる、かように考えておりますが、政府の方といたしましてはどういうようなお考えでありまするか。その辺もし漏らすことができますならば、主税局長からこの二点についてお答えを願いたいと思うのであります。
#4
○平田説明員 お答え申し上げます。ただいまお述べになりました最初の、民間の委員会制度を設けまして、所得税の所得額の決定なり、あるいは審査の処理等に当つてもらうということにつきましては、私どもとしても実は一案をつくりまして相当説明をいたしてみたのでございます。でございますが、考え方の基本が私どもの考えておるところとやや違うところがございまして、非常に理想的な見方をとられたようでございます。と申しますのは、税金というものはなるべく税法できちつとこまかくいろいろなことを書いておきまして、それに基きまして事実をよく調べて納税し徴税をする、そういうことに基本が置かるべきものであつて、適当にさばくといつたような行き方の方は、どちらかというとどうも感心しない。從いまして納税者はまず自己の事業の状態、所得の状態について記帳を行うべきで、記帳を行つておきますれば税務官廳は必ず記帳を調べた上でないと更正決定はしない。税務官廳はよくその記帳を調べて更正決定をする、こういうふうに、しかも税法通りやる。これが今後における所得税の行くべき道であつて、この道をふみはずしてはとても理想的な所得税制はできないわけでございます。從いまして委員会等の第三者機関ができて、常識である程度さばくという方向に対しましては、どちらかと申しますと、今後における所得税の正しい行き方に対して調和がとれない、こういう点の強調を重ねられたのでございましよう。委員会制度につきましては大分大臣からもいろいろ実情を話して、意見の交換をしていただいておるのでありますが、結論から申しますと賛成しないという結論になつておるようでございます。そうしてむしろ向うの考え方としましては、納税者はあくまでも自分の所得の状態について事実を明らかにしてもらう、そうして税法は税法で取扱いの基準等につきましても極力あらかじめ明らかにしておきまして、それで申告してもらう、申告に対して税務署が不当と認めたら、その記帳等をよく調べて、それに対して更正決定をして、それで異議ある場合においてはまた税務署でよく調べまして――ことに直接更正決定をやつた税務署の官吏が調べると、今までの行きがかりにとらわれる心配があるから、別個に專任の審査の官吏を置いて調べる。それできめたらどうか。それでもなお話がつかない場合においては、堂々訴訟とか訴願とかいう法律上の成規の手段で解決をはかつたらどうか。こういうふうにすべて問題を合理的に考えたらどうかということが強く考えられておりまして、今の実情からするとあるいはそういう委員会等の必要もあるかもしれないが、一旦設けると、今後における理想にますます遠ざかるおそれがある。從つて委員会については積極的にイエスという意見は言いがたい。むしろ反対である。かような考え方になつているように見受けられます。それが第一点の問題に対する使節團の考え方の大要であろうかと存じます。日本政府としてどうするかという問題は、今後の問題でありまするので、よく承つて善処いたしたいと思つております。しかしこの問題は使節團としても相当審議を盡した上、結論を一應下しておられるようでありまするし、関係方面等の意向もあるいはそういう方向にあるのではないかと考えられますので、大体のラインは使節團の報告のようなラインに行くよりほかない情勢ではなかろうかと思つております。しかしまだ私どもの意見をきめているわけではございません。
 それからいま一つの問題の、模範的、基準的のしつかりした調査をやつて、それをだんだん押し廣げて行つたらどうか。それを基準にして適正な所得の調査をするようにしたらどうか、こういう御意見のようでありまするが、これは先ほど申しましたように、今度の所得税の実際の行政面におきましては、私もやはり記帳をつけてもらうことが、何としてもまともに問題を解決する道じやないか。從つて極力そういう方向で、課税の紛爭をできるだけ少くして、所得税法通りの納税が行われるように努めて行つた方がいいんじやないかと考えますが、しかしそれを全部に一挙に及ぼそうと申しましても、さようなわけには参らないと存じます。從つてお話の通り基準的なものにつきましては、さらによく記帳の方法なりその他につきましてもよく指導しまして、それをもとにしてやむを得ず推定課税をやる場合におきまする重要な参考にすることは、いい方法だろうと考えますので、そういう点については今後よく研究してみたらどうか。ただ團体の意見等を聞きましてよろしくさばくという方法は、先ほど委員会について申し上げたような意味で、これは非常に反対されているようでございます。あくまでも納税者は自分の收支に関する事実を明らかにすべし。税務官廳はそれを尊重してよく調べて決定すべし。それが今後における所得税を正しく導く最大のかぎだということを非常に強調して、報告書はでき上つているということを重ねて申し上げて、御参考にいたしたいと思います。
#5
○三宅(則)委員 私はこの休会中も民情視察といたしまして各税務署をまわりました。神奈川縣、靜岡縣、愛知縣、三重縣、岐阜縣あるいは千葉縣、埼玉縣、茨城縣等をまわりました経驗等からいたしまして、今日次の意見を申し上げますが、本年の春の國会では主税局長に大分督促いたしまして、異議のあつた場合には早く審査をするようにということを申しておきましたところ、幸いにしてその趣旨はだんだん徹底しておるようでありますが、それにはまだ半年も一年もたつておるものもありました。この意味におきまして私の構想といたしましては、税務署にもりつぱな人もありますが、中には怠慢の者もありまして、これについての基準的構想をひとつ申し上げたいと思います。個人所得に対しまして異議のあつた場合におきましては、六箇月以内に必ず処理するというように、ひとつ何か規則の上において改めたらどうかと思います。その理由は、長くなりますと情勢もかわりますし、あるいは資産が散りましたり変化がありまして、納められない場合もありますし、納得いたしますればさつそく納めようとする善良な國民もあると思います。かような場合におきまして、一方的に國民にしいるばかりでなく、税務署の方でもやはり相当責任を持つてやるという思想を、植えつけてもらつたらどうかということを考えます。また法人に至りましては、決算の終了後報告書を出しました以上は、一箇月以内に税務署が責任をもつてきめる。場合によりましては、外國等に支店がありました場合には不可能かもしれませんが、内地において、ことに本店の所在地と納税地とが同樣な場合におきましては、一箇年くらいのうちには必ず決定するという方向を示されたいと思います。私の調査によりますると、大体二箇年以上かかつておるのでありまして、大体昭和二十一年もしくは二十二年の方針を決定するという場合が多かつたのであります。その理由は法人税を担当いたしまする官吏が割合に貧弱である。内容はそろつていない。経驗が未熟である。こういうような理由でもつて、あるいは手が足らぬという理由で延期になつておつたのでありますが、これもまた法人に対してはなはだ迷惑でありまして、私がここで申し上げることは釈迦に説法でありまして、はなはだ恐縮でありまするが、そのために加算税、追徴税がかかつて参りましては、法人のごときは二箇年も罰金に類するような税金を納めておると私は聞いておるのでありますが、これに対しては私の試案といたしましては、一箇年以内に必ず決定する。決定を怠つた場合においては、これは申告者の申告通りに是認いたしたものとするというふうにした方が、税務行政を円滑にするゆえんであると考えますが、政府はどういう御方針でありますか。もし承われれば承りたいと思います。
#6
○平田説明員 全体といたしまして審査の処理とかあるいは方針の決定等を、できる限りすみやかに行うということにつきましては、まつたく同感でございます。私どもも極力さようなことに努めて参つておるわけでございます。ただ非常に人間の不足、なかんずく熟練した者の不足というようなことからいたしまして、御指摘の通り法人等の場合におきましては相当遅れておるものがございます。ことに大都市方面になりますと、特にその感が強いようでございまして、これはひとり納税者に影響を及ぼすだけではなく、歳入にも大分影響を及ぼしますので、極力督励をいたしておるのでございますが、何しろ法人関係の熟練した調査ができる者が少くなつているというのが致命的な実は欠陷でありまして、この人間の養成ということに極力努めておりまするが、なかなか思うように参つてないというのが、率直に申しまして現状でございます。將來の理想といたしますならば、お話のごどく極力そういう方面を充実いたしまして、御意見のような趣旨に運用してしかるべきものではないかと考えます。ただ一面審査の方は別ですが、法人の普通の決定につきましては、やや民間方面も考え方を違えていただきたいということがあるのでございます。と申しますと、昔は申告は一應の申告でございまして、全部税務署が査定をいたして実は納税していただくのでございます。それがいわゆる賦課課税の建前と称するのでありまして、税金は税務署が決定をしてから納めるものだ、こういうわけでございますが、最近の税法はすべて逆でございまして、税金は先に納税者が自分で計算して納める。それが正しいかどうかを税務官吏は、どちらかと申しますと、裁判官に近い立場であとでよく調べまして是正して行く。從つて申告によつて納めるのが原則で、更正決定で納めるのは申告が税法通り行つてない場合の補助手段である。こういうぐあいに税法の例外と原則が新税法によりましてかわつておりまして、その点十分に認識していただきたい。とりあえず税額だけ申告して納めておいて、あとで税務署が言つて來たときに納めるということですと、建前が全部かわつて、從つて加算税の問題あるいは罰金の問題が違つて來ておりますので、その辺は十分に納税者の各位にもわかつていただくようにお願いいたしたい。かように考えております点をつけ加えてまして、なるべく早くやるということにつきましては、その通りでありますことを申し添えまして、御参考にいたしたいと思います。
#7
○三宅(則)委員 私は先ほどの主税局長のお話によりまして了承いたしましたが、次に先の第一問と関連のあることでありますが、苦情処理機関というものを別に設けたい。決定するには委員会できめるか、苦情のあつた場合は苦情処理機関を別に設けて、簡單な苦情はその苦情処理機関で早く片づけるという制度にいたしたい。こういう構想が一つあるのです。この苦情処理機関というのは、私の案といたしましては、やはり官選あるいは民選、あるいは町村長とか、税に関係の深い委員の方を選びまして、これまた六箇月くらいに苦情処理を片づけてしまう。こういう構想を持つているのです。あとで話のありました裁判の意見もありましようが、とりあえず裁判まで行かないで、國民の代表者を交えまして簡單に片づける。こういう制度をひとつ設けたらどうかと思つております。
 それから相当納税された人に対しましては、國家といたしまして何かの方法で表彰するという方法と、同時にまた善良なる税務官吏に対しましてはこれまた賞與をやるとか、褒美をやるとか、あるいは表彰するとか、こういうような方法を講じますとともに、その反面税務署が故意に高くきめる。たとえば税務官吏の意に反するからとか、しやくにさわるとか、私の感情にとらわれたりして百万円のものを百五十万円ときめたり、また反対に百万円のものを五十万円と安くきめるというような思想がかりにあり、またそうしたようなことが見つかつた場合においては、税務官吏を懲戒したり譴責したりする方法を講じなければならぬ。こういうような考え方を持つております。一つはほめ、一つは懲戒する。こういう意見を持つておりますが、これにつきまして政府といたしましては、そういうことをお考えでありましようかどうか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#8
○平田説明員 苦情処理機関につきましては、先ほど委員会に関連しまして申し上げた趣旨で御了解願いたいと思います。
 第二の納税者の表彰の問題でございますが、これはひとつよく研究してみたいと思います。何らか税法の上で完納した場合の有利になるような措置を考えるか考えないかという問題でしようが、もう少し具体案を承りまして、よく研究してみたいと思います。税務官吏につきましては、もちろん善良な者につきましては極力仕事の上あるいは給與の上等で、それぞれ適正な報いが來るように行くべきものじやなかろうか。それと反対に故意に不当課税をしたような場合におきましては、もちろん責任は問うべきものだと考えております。税務官吏の行動につきまして最近大分いろいろな非難がございますので、先般國税廳に主として税務官吏の態度等に対する苦情受付、そういうものを設けまして目下その仕事に当つておるようでございます。具体的なものがございますれば申し出ていただきまして、それによつて適切なる処置を講じて、全体としてなるべくそういうことがないような方向に持つて行くということに努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#9
○三宅(則)委員 私は先ほどの局長のお話にありました通りの第一の委員会の構想に似ておるのでありますが、私はもう一つの構想があるのです。その構想は、決定する前に各種業種團体なり職業なりの平均をとるということを基準にいたしまするために、私の構想としては納税に対します全國的な審議会というものを設けまして、それは業種別にいろいろありましようが、各代表者に出てもらつてその参考案を示すということは、將來に向つて日本國民の所得に対しまする一般的な妥当性がわいて來るのではないかという構想がありますので、前の構想と似ているかもしれませんが、これは税制審議会というもので各業種別に参考案を示す。こういう案を示したい。今日では國税局あるいは税務署が独断で、各業種別、たとえて申しますと印刷業は何ぼ、あるいは洗濯屋は何ぼ、農業が何ぼというように、かつてに税務署なり國税局できめておると私は信じておるのでありますが、これははなはだ不権衡であると思います。それらを全國的に業種團体なりあるいは地区團体なり、そういう方面の連絡をとりまして、税務署がかつてにきめるというのではなくて標準を示されたい。私は今日まで地方等をまわりました結果、あなたは大藏委員であるか、私は確かに大藏委員である。ところがこの業種においては何ぼになつておるか、知らぬ、なぜ知らぬか大藏委員でありながらそういうことを知らないのは何事であるかと言つて、面責と言いますか、譴責と言いますか叱られた。私はここで言うと失礼でありますが、そうしたような事柄からひとつ一般的に公表できるものなら公表して、またわれわれ代議士に対しましても参考案を示して、こういうものを國民に納得の行くようにしたら、私は理解がし得ると考えておりますが、今日局長の御意見はいかがでありましようか、お伺いしたいと思います。
#10
○平田説明員 今問題は今回の使節團の報告の筋から考えますと、なるべく業種別に行くというような考え方は、過渡的にはある程度やむを得ぬかもわからぬが、將來としては望ましくない。やはり根本的に個々の納税者ごとに事実を明らかにして、納税者等に対して直接所得の適否を調べて決定すべきだ、こういう方向に実はなつております。またそれがうまく行くことが初めて所得税を健全の育てるゆえんだ、こういうわけでありまして、從いまして権衡調査といつたような方式から、急速度に帳簿に基く個別調査、こういう方向に切りかえて行く方がいい、私どもさように考えておるのであります。しかし帳面をつけると申しましても、過渡的にはなかなか全部の納税者を一時につけるわけには参らない点もございましようし、從いまして從來のような方法をある程度やはり繰返して行くということは、避け得ないと思いますけれども、方向がいずれにいたしましても、今までの方向に対して少し切りかえをやつたらどうかということになつております。なお今後の運用上の重要問題でございますが、御意見はよく承りまして、できるだけ妥当な課税になりますように努めて参りたいと思います。
#11
○三宅(則)委員 私は次に構想を申し上げまして、主税局長並びに政府当局の御意見を承りたいと思うのでありますが、今日私がまわつた経驗によりますると、個人の所得に関しましては大体税務官吏一人で千軒ないし千百軒きめておりましたところが、その実、実際を調査いたしますと大体一割から一割五分、百軒か百五十軒ぐらいしかまわつていない、こういう例が往々ありました。いわゆる税に関しましては八〇%はまわらないできめております。こういうのでありまして、はなはだしきに至りましては死んだ人にきめたり、移轉してしまつていなかつた人にきめる場合がありまして、迷惑を感じた場合がありますが、こういうことのないように今後は主税局長から、國税局なりあるいは税務署に指令を発せられまして、ほとんど八〇%見てまわる、こういう趣旨に切りかえられることを期待するのであります。
 第二番目の問題は、私の試案といたしましては、人間が生れますると戸籍簿があつて、死ぬまでついてまわるのでありますが、税籍簿というものは今ないようであります。今までは御承知の通り徴兵の義務、納税の義務、教育の義務、この三大義務がありましたが、徴兵の義務はなくなつたのですけれども、私の構想といたしましては二十歳に至りましたならば必ず税籍簿に載つける。載つけたものは日本人である。こういうぐあいに完全に確実にやつてもらいたい。戸籍簿と同樣に移轉もについてまわる、こういう構想をひとつやつていただきたいと思います。その一つの例を申します。日本橋で五十万円で決定したものがたいへん多いというので品川に移轉する。移轉した先から完全に申告して納税するのでありますが、場合によりましては申告を怠つてないしよにしておるという場合があります。また調査が不完全でありますから、ないしよにやつておることが一年なり一年以上わからぬことになつてしまうことがある。こういうことははなはだ不権衡でありますから、日本橋から品川に移轉しても、戸籍簿と同樣に税籍簿も移轉する、税籍簿を持たなければほんとうの日本人じやない、こういう構想をもつて税籍簿というものを完全に國民同士の間において利用するようにしていただきたい。その一つは税籍謄本によりまして、その人の納税資格もわかるし、また信用状況もわかり、また脱税の防止にもなる、かように考えておるのであります。この私の構想はどうでありまするか、主税局長の私見でもけつこうでありますが、私の構想に対する御意見を伺いたいと思います。
#12
○平田説明員 ただいまの御意見の中の最初の戸別調査を極力やるべしという御議論は、まつたくその通でございまして、今後におきましては一層そういう方向に行かなければならないと思いまするが、本年度といたしましても大体各國税局とも、少くとも三割以上は納税者につきましてよく調べまして決定する。もちろんその他の納税者につきましてもよく調べるのでございますが、少し丁寧に調査をやるものは少くとも三割以上をやるということで、目下いろいろ計画されてやつておるようでございます。相当進捗しておるようでございますから、大体その程度まではできるかと思つておりますが、今後はむしろそういう方向に極力重点を置きまして適正な課税ということに努むべきものだと思つております。いま一つの税籍簿の問題でございますが、これはどういう具体案でございますか、よくお聞きしないと困難だと思いますが、所得税につきましてはやはり一つの調査簿というものがございまして、住所が移轉になると、調査簿を移しておるわけであります。その移し方が納税者が届出しないとか、あるいは届出が遅れたとか、あるいは税務署の整理が十分でないということのために、住所を移轉したときに適切に納税が行われないということが確かにございまして、極力注意さしておるのでございますが、もう少し全体としましてやはり税務署の仕事の能率をあげまして、その際においてもすぐ見つかるように、ただちに納税が確保されるように、今後におきましては極力努めたいと思つております。それから年齢の点につきましては、どういう制度にいたしますか、これは一つ具体案と相まちまして研究してみたいと考えます。
#13
○三宅(則)委員 大分構想も承つたのでありますが私の試案にはまだあるのであります。税籍簿というものに関連いたしますが、二十歳に至つたならば必ず備える。その人が月給をもらいましても税籍簿に載る。商人になつても載る。あるいは勤人、官吏になりましても税籍簿が必ずつくられる、こういう方式によりますとまことにけつこうであると思うのであります。それは多少今も大阪とか東京とか大都会におきましては、相当納税すべき資格がありましたのにかかわらず、調査が不完全であつたために免税になつておる場合が往々あると思います。これをぜひ局長のお力で各税務署を動員せられまして、これらの調査をいたされまして、公平な税の負担ができますようにお願いいたしたい、かように存ずるのであります。
 次に申し上げたいことは、今度のシャウプ勧告案によりましても、赤字経営の場合は、前年度の決算を認める、こういうことになつておりまするが、私の今までの單なる経驗の一端を申し上げますと、場合によりましては、会社におきましては労働攻勢をいたしたり、あるいは労資の軋轢等がありまして赤字になつておる場合もあります。また瀬頭になる方々の熱意の欠けておることもありますが、赤字経営という点に対しましては國家も損でありますから、これは徹底的に調査いたしまするかもしくは指導いたしまして、これの赤字にならぬように導くことが、一つの税務行政の構成とわれわれ考えておるのでありますが、これに対する御感想はいかがでございましようか、承りたいと思います。
#14
○平田説明員 ただいまのお尋ねの趣旨がよくわかりにくいのでございますが、赤字を出さぬように努めてくれということでございますと、これは私の方でお答えいたしましてもどうかと思うのでございますが、経営にもしも赤字を生じた場合におきましては、今回の勧告案によりますると、今後ずつと所得から通算して引いてやる。前の分もとりもどしまして課税を直してやる。こういう方法が勧告されておりまして、そういう点はもしも実行になりますれば、現在に比較いたしましては非常に税の公平が期待できるであろう、かように考えております。
#15
○三宅(則)委員 今の勧告案の内容は完全な帳簿ができておるということを基準に、勧告案が出ておるものと考えております。ところが今までは御承知の通りやみの会計が相当ありましたので、税務署の方から見ましても穏健でないものもあり、また納税者の方からいたしましても、たとえて言うとはなはだしきに至りましては、ほんとうのことが書けないということがありまして、お互いに腹の探り合いをしたということがあつたのであります。これらは今後は経済も安定いたしまするし、また將來も確実に記帳計算するという制度ができまするならば、そうした疑いはなるなるかと思いまするが、一層の御留意を願いまして、公平なる負担のできまするようにおとりはからい願いたいと思う。
 次に勧告案の最後の方に書いてございまするが、会計制度を確立いたしまして、納税者が端的にわかつて納税ができるようにするということが書いてあるのでございます。私はこれにひとつ関係いたしまして、自分も伺いたいと思うことでございますが、今度の公認会計士問題につきまして、將來は公認会計士制を利用しようということを書いてあるのでございます。これは現在主税局長の管轄でないかもしれませんが、今の公認会計士は非常に少いのでありまして、今日の発表によりますと、たとえば五十二名ばかりということでありますが、こんな少い公認会計士じや足らね。少くとも私は二千人とか二千五百人とかの、現在の弁護士程度くらいに人数もふえなければならないと考えております。そうしたような構想はもちろん主管外であるかもしれませんが、もし御承知であるならば承りたい。
 またもう一つ承りたい事柄は、最後のところに今日公認会計士の特別試驗に対しては、私が指摘いたしましたパネル・エキザミネーション、陪審式制度によつて公認会計士たることができる、こういうあり方については何だか反対のようなことが書いてあるのでありますが、今の点もある程度参考に供しまして善処していただきたいと考えております。今日公認会計士制度もしくは計理士制度に対しまする政府の御感想なり、主税局長の今日の御感想を承わればけつこうであると思います。
#16
○平田説明員 この公認会計士の制度あるいは高級な税務代理士の制度、これらは普通の弁護士がまず税に関しまして相当專門的な知識を得て、税に関する相談相手なり訴訟代理人になる、そういうことにつきましては使節團も非常に重要性を認めておられるようでございます。一方におきましてそういう民間のほんとうの職業的な有能な機関が健全に育てられて、初めて実際の課税も妥当になる。從いまして、こういう制度につきましては今後極力発展を期するように政府としても配慮すべきだ、かような意見のようでございます。これは私どもしごくもつともなことだと考えているわけでございまして、具体的にはどういう制度を採用した方が一番いいだろうかということにつきましては、いろいろ御意見を承るのでありまして、できるだけのことをいたしたいと思つておりますが、とにかく相当レベルの高い、非常に識見、人格並びに能力等におきまして十分資格を備えた方が、相当多数生れて來る必要を認めておるようでございます。そういう意味合いからいたしまして、おそらく公認会計士の制度につきましてもいわゆる嚴選主義と申しますか、そういう方針で陪審制式の試驗につきましては、どちらかと申しますと否定的な回答で、あくまでも試驗は公正に、相当レベルの高いものにして、それに合格したものを公認会計士として、また公認会計士の見たり証明したものはすべて非常な信用性があるものにして行く、こういう考え方のようでございます。税務代理士等の制度もございますが、こういうものにつきましても極力そういう方向で、こういう各種の制度が健全に発達して行くように、私どもといたしましても適当な方法を考えたい、かように考えております。
#17
○川野委員長 今愛知銀行局長がおいでになりましたので御報告申し上げます。
#18
○三宅(則)委員 ただいま構想を承りましたが、これは過去のことになりまして恐縮であります。この春の國会で、弁護士は当然税務代理士の業務ができる、こういうように改正になりまして、私どもはそれは行き過ぎではないかということで、大藏委員会を通じまして申したのでありますが、すでにそれは手遅れでありました。今後弁護士さんはもちろんけつこうでありますが、税務代理士の会というものに統一して行くように、認可してもらつてやるという事柄が、ほんとうの税務行政上必要であると考えておりますが、政府のお考えいかがでありましようか、ひとつ承りたい。
 二番目は裁判訴訟でございます。今の税金に関しまする訴訟は私の知る範囲においてはきわめて少い。大体官尊民卑の弊がありまして、官吏のおつしやることは承認しなければならないような通念がありまするためでありましようが、こういうことはほんとうに國民の民意を代表するものでないと考えますために、今後は勧告案にもあるのでありますから、裁判所の中の一部に租税部というものが特別に設けられるかもしれませんが、いずれにいたしましても税務に堪能なる官吏なりあるいは係官なりを置きまして、第三者の業者團体等の意見を聞きましたりいたしまして、適当に勘案してこれもまたさつそくに判決を下す、こういう寸法に行くべきものと思いますが、これらの構想について今政府のお考え方がありますかありませんか。その辺をひとつ承りたい。
#19
○平田説明員 第一の弁護士は当然税務代理士の仕事をすることができるように、先般の弁護士法の改正でなつたようでございますが、この点は御指摘のように相当問題があるのじないかと私どもも考えております。この際も意見を若干申し上げたのでありますが、時間が十分なかつたために改正案がそのまま通つたということになつております。さらに研究してみたい、かように考えております。
 それから第二の裁判所の問題につきましては、今お話のように今後は相当成規の手続で、税の問題を解決するという方向で行つた方がいいじやないかという考え方のようであります。從いまして今の組織ではそれにしては不十分であるから、裁判所に租税部あるいは租税裁判所を設置いたしまして、それで簡易に早く事件をさばいて片つける、かような考え方のようであります。この必要性につきましては法務府の方でもある程度認めておるようでございます。事件の件数等の関係もありますので、將來の方向はもちろんかような方向に行くことについては異論はないようでありますが、具体的にさしあたりどの程度やるかということにつきましては、目下法務府で具体的な案を進めておるようでございます。おそらく最高裁判所におきましても同樣な立場から、いろいろな考えをしておられるのではないか、かように考えておるのであります。
#20
○川野委員長 ちよつと三宅委員に御相談申し上げますが、実は質問通告者が多数ございますので、三宅委員だけ時間を独占するということは……
#21
○三宅(則)委員 たいへん長く時間をとりまして恐縮でありますが、また愛知局長もおいででありますから、私の質問はもう一問だけで終ることにいたします。これはたいへんこまかい問題でありまして恐縮でありますが、今までの所得税に関しまして、勤労所得者がうちの事業をいたしておりますと、事業所得を合算された総合課税であるというので、たとえて申しますと、自分のむすことかあるいは女の子が銀行や会社へ行きまして、源泉課税を受けて來る、また家へ來ると総合課税がかかる。これは私は非常に惡いと思つておりましたが、今度は総合課税ということはなくなつたと考えておりますが、これに対しまして、所得の收入のぐあい等につきましてはどういうことになりますか、お答えを承りたいと思います。さらに私の考案といたしましては、國民の個人個人個人の所得ということに基準を置くようになりましたが、惡質でないものならば、全部單独課税にして、総合課税はやめる形にいたしたい、こういう私の線です。
 次にもう一つは相続税のことでありますが、寄付金は幾らでも認める、こういうことは勧告案にも書いてあるのでありますが、寄付金は幾らでも認めるということになると、その人の名譽のためであるとか、その人、特に町村のみのために使われることがあると思いますから、寄付金というものはある一定の限度にいたしまして、あとは國税として收める、こういうふうに構想を練り直さないと、不公平であると私は考えておるのでありまするが、ひとつその辺も御考慮願いたい。
 最後にお伺いいたしたいことは、資産再評價問題、これは金融とも非常に関係の深いものであります。こういうような大問題等はたくさんありまするが、一々申し上げますることは、時間をとりますから、きようはその三つの問題、特に再評價に関する今日の構想といたしまして、どのくらいとり得るような見込みか、あるいは構想の一部分も大体書いておりまするが、政府のお見通しを承ることができますればけつこうであると思います。この辺で質問を打切りますが、簡單に御説明願います。
#22
○平田説明員 最初の合算課税の問題は、今三宅委員がお話になりましたようなことに実は勧告がなつておるのであります。ほとんどすべての場合が合算はむしろしないというのに近くなつたのでございまして、やりまするのは、先般も申し上げましたように、未成年の子供と、それから配偶者の資産所得、これだけは合算しますが、その他の所得はもう一切合算しないということでございますから、非常にお話になりましたのに近いわけでございます。資産所得はやはり合算しませんと、お話の通り名前を適当につけかえることによりまして、変な関係になりますので、この方は合算するよりほかないと私どもも考えますが、そのラインだけは残されておりまして、大体お話の筋に報告書はなつております。
 それから第二に寄付金の問題でございますが、これにつきましてはむしろ私どもは、やはり相続税の課税をする場合におきましては、寄付金は公益法人というような團体でございますれば免税した方がやはりいいんではなかろうか、むしろ勧告の方がいいのではないか、今までの方が少しきつかつたんじやないかと考えますので、この方がむしろよろしかろうと思つておるのでありますが、ただ非常に勧告書にもありますように、自分の財産を保全するような色彩の強い、利害関係の深い財團法人等をつくりまして、そこにどさつと財産を移すといつたようなものに対しましては、免税すべきではないという配慮もしておりますし、そういうことに制限を加えますれば、むしろ勧告案の方向がよろしいのではないかと考えております。
 それから再評價問題につきましてはお尋ねが非常に漠然といたしておりまして、ちよつと簡單に申し上げにくいと思うのでありますが、もしも何でございましたらあとのときにお願いしたいと思います。
#23
○三宅(則)委員 ありがとうございました。
#24
○川野委員長 ただいま主計局長もお見えになりましたので御了解を願います。
 北澤委員に御相談申し上げますが、大藏大臣に対する質問はありませんか。
#25
○北澤委員 ありますが、大臣がお見えになりませんければ……
#26
○川野委員長 それでは風早八十二君。
#27
○風早委員 それでは大臣に対する質問は保留いたしておきまして、理財局長、銀行局長、さらに特殊金融局長ですが、これらの方に若干伺つてみたいと思います。
#28
○川野委員長 ちよつと発言中ですが、実は理財局長はお見えになつておりません。なお特殊金融課長はお見えになつておりますが、特殊金融局長はおられませんので御了承を願いたいと思います。銀行局長に主計局長、主税局長、以上がお見えになつております。
#29
○風早委員 それでは伺いますが、池田大藏大臣に伺いたいことはたくさんありまして、それが遅れるのははなはだ遺憾なんですが、さしあたりシャウプ勧告案というものと関連しまして、目下一番大きな問題について若干伺つてみたいと思います。
 まずポンドの切下げというものがいよいよあつたわけであります。それで結局円の平價切下げということも時期の問題ではないかと思うのでありますが、今それは一應前提といたしましてやらない。そうしますと貿易というものが、特に輸出関係におきまして非常に不振になりはしないか。そこで今までもいろいろコストの引下げという大問題にぶつかつて、首切りであるとか賃下げであるとか、こういうことを盛んにやられておるわけでありますが、それにもおのずから限度がありわけであります。結局円の切下げということをやらなければならないとは思うのであります。それまでの間内外市場が非常に狹くなるのでありまして、他方総体的な過剩生産恐慌というものがどんどん進行して参りますので、このまま行けば結局金融恐慌というところまで発展する可能性もあると思うのです。これに対して政府は結局インフレーションというものを、再び促進しなければならぬというところに行くと思うのでありますが、こういうふうな非常な経済不安定という前提條件のもとで、今度の税制改革案でもうたつてあります……
#30
○川野委員長 ちよつと風早委員に申し上げますが、大臣が見えましたから……
#31
○風早委員 ひとつ池田大藏大臣にお願いしたいのですが、固定資産の再評價ということをやつてもむだではないかと私は思うのです。というのは今経済が非常に不安定でありまして、すぐまたインフレが高進して、またまた再評價をやらなければならぬ、こういうような点が十分に見通されるのではないかと思いますが、政府はこういうふうな為替の関係、金融の関係、あるいは賃金、物價の関係が非常に不安定であるという事情を無視しても、やはり固定資産の再評價ということは強行されるつもりであるかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
#32
○池田國務大臣 経済の見通しにつきまして風早委員の御意見は、私とはかなり違つておるのであります。私としてはこの際資産の再評價を行い、課税の適正を期するということは適当であると考えております。
#33
○風早委員 むろん池田大藏大臣としてはそれ以外にお答えはなかろうと思うのであります。しかしながら大体固定資産の再評價というものはどのくらいに見積つておられるか、これは勧告案によれば大体一兆億円というふうに考えられるのでありますが、大藏大臣としてはどのくらいに見積つておられますか。
#34
○池田國務大臣 シャウプ勧告案によつてただいま檢討中でございます。数字を申し上げる段階に至つておりません。
#35
○風早委員 この再評價につきましては、再評價するには前提としてやはり利潤がなければ、そういう黒字がなければやれないと思う。ところが多くの企業は赤字だ赤字だと言つて來ておつた。これは結局この際に脱税ということをごまかしていたということが明らかになるのではないか。実際には赤字になつたんでは、これは再評價はできないと考えられるのでありますが、そういう際に今まで赤字だというわけで補給金なんかをもらつておつた。こういうふうな企業の内情につきまして、政府はどういうふうに考えられておるか。この点は特に今度のシャウプ勧告案によりますと、自分の勧告案はある都合のよい一つだけを採用して、他は採用しないということでは意味がない。のみならず有害である。やはり自分の勧告案を採用するならば、これは全体として採用しなくてはならないということもあるのでありますが、今回いろいろ法人税についての軽減の処置がとられた。特に大法人におきましては、また、旧財閥系の大法人におけるほど非常に有利な関係になるのではないかと思います。しかしそのことはシャウプ勧告案によりますれば、他方におきまして脱税の問題を十分に考慮しておる。これを徹底的に追究して行くということと、これが相またなければ意味をなさない。これは法人税の点だけについて言つてもそういう問題があると思うのでありますが、この際再評價をどうしても強行されるとなれば、この点について政府はどれだけの決意を持つておられるか。この点を伺つておきたいと思います。
#36
○池田國務大臣 御質問の点がはつきりいたしませんが、御質問の点を私想像いたしましてお答えいたしますと、会社の経理内容につきましては、おおむね大体健全な道をたどつております。從いまして法人税におきましても、相初の予算の二百七十億円をはるかに突破すると見込んでおるのであります。從いまして、こういう状況から考えまして資産の再評價をこの際やることは、先ほどお答えいたしましたように適当であると考えておるのであります。
#37
○風早委員 今企業の内容についてちよつと触れられましたが、今まで修理費の名前なんかで、結局償却費にかえまして、いろいろ脱税ということが事実あつたと思うのです。これは主税局長においても十分に御承知のことだと思いますが、むろん大藏大臣も御承知と思うのです。この実際の固定資産の実情というものと税金関係とが、非常に食い違つておるということもあつたと思うのです。こういうことを十分にこの際に檢討される意思があるかということを聞いておるわけです。そうしますと、ある企業につきましては減價償却ということが事実上できておる。それにまた再評價する。これは非常におかしな話ではないかと思うのです。またもしそれができておらないということになりますと、今まで修理費等の名目でやつておつたことが、これが一つの脱税的な内容を持つていやしないか、そういうふうな問題がまた今後出て來ると思います。それで私がお尋ねしたいのは、こういう脱税の問題をこの際この再評價に関連させて、もつとつつ込んで行かれる意思があるかを聞いておるわけであります。
#38
○池田國務大臣 御質問の点がはつきりいたさないのでありますが、とにかく今までの会社の利益状況と、そうして固定資産の記帳價格の状況とがこの物價高のところに、言いかえれば適正價格が非常に高くなつておる場合に、償却その他の問題で非常に実際に合わぬ点があるのであります。從いまして今回の再評價の場合においては、そういうふつり合いの点を是正する意味も持つのでありまして、先ほど來申し上げますように、会社の経理が実際の経済界に沿うようなやり方にしようとする一助になると考えております。
#39
○風早委員 再び脱税の問題に触れますけれども、今度富裕税というようなものが公平という関係から採用せられるということは、それ自身として異議のないことでありますが、そういう場合にもやはりこの脱税防止ということについて、もつと積極的な措置をとられなければ意味をなさないことになつて來やしないか。これを憂うるのであります。これにつきまして、今まで預金の秘密あるいは営業の秘密といいますか、そういうふうな問題が出て來ると思うのでありますが、この点について新しく措置を講ぜられるようなお考えがありますか。この点を伺つておきたい。
#40
○池田國務大臣 課税に脱税があるということは最もいかないことでございまして、脱税のないように適当な措置をとつて行きたいと考えております。なおせんだつての御質問にありましたシャウプ・ミッションのリポートにつきましては、猶予することなく全般的にこれを採用する考えでおるのであります。富裕税の賦課徴收につきましても、これに関連しまして無記名債券あるいは無記名預金につきましても、徐除に適当の措置をとつて行きたいと考えております。
#41
○風早委員 その点について大藏大臣にもう一点だけ伺います。先般大藏大臣に伺いました際には、シャウプの勧告案は勧告案、しかし自分はやはり独自の立場から日本の実情に即して考えて行くというようなお話がありましたが、きようのお話ではやはりシャウプの勧告案を、しかもこれを全面的に取上げて行く、採用して行くというようなお話でありますが、それは間違いありませんね。
#42
○池田國務大臣 間違いはございません。シャウプのリポートに沿つて日本の税制を改正して行く考えでおるのであります。ただシャウプのリポートをそのままそつくりやるというのではありません。やはり実情に即しまして、あの線に沿つて適当な措置をとつて行きたい、こう考えております。
#43
○風早委員 次に今度の税制改革案につきましては、税率の軽減ということが確かに出ております。それで税率の軽減の面から計算すれば、確かに減税にもなるわけであります。しかしながら、この前もこの質問を発したのでありますが、一番大事なことは、実質上の税金負担がはたして軽減されるかどうかという問題であります。この点についてはいろいろ勧告案の中には公平ということが非常に言われまして、これは公平という言葉に限りではわれわれも大賛成なのでありますけれども、しかしどうも説体として公平の内容というものが非常に見当がはずれていやしないか。たとえば勤労所得税と中小商工業者に対する事業所得税、こういうものとの間の均衡ということを取上げられて、そうしてそれが今まで、たとえば勤労控除が二五%あるのに、事業所得控除がないというようなことが問題になりまして、その幅を今度は二五%から一〇%に縮減する、こういうことが言われた。しかしそういうところに公平の問題があるのではなかろうかと思うのです。私はむしろこの公平の問題は、中小事業者につきましては、これは独占資本の関係において問題が解決されなければならない。同じく勤労所得者につきましても、これと資本家との利潤の関係において問題が考えられなければならぬかと思う。それを、この根本的な相手方を全然この際にはおおい隠しまして、あたかも中小事業者と勤労所得者とが利害相反するかのごとき前提のもとに、これらの間の公平ということを考えておられる。これはまだまだ日本の現状、日本の現在当面している危機というようなものに対する感覚というか、その実情認識というか、それが非常に稀薄であるということの感を深くするのです。いずれにしましても、減税ということは、もつと実質的に――今実際に税金の負担で困つている。それは率だけの問題ではない。税率ということは極端に言えば、あまり特別な重要性がないと言つて過言ではないと私は考えるくらいであります。從つて実際上の税負担の軽減ということを考えた場合におきまして、今度のこの勧告案に從つて、全面的に税制改革をされると言うならば、そこに非常に問題が起つて來るのではないかと思います。特に減税が主として補給金の削減によつて行われるということになつておりますから、この補給金の削減によつて生ずる物價の値上り、あるいは賃金もまたりくつから言えば、各自的に言えば上らなくちやならぬわけであります。それだけまた課税所得というものも増加するわけであります。從つて勤労者、農民、中小商工業者、こういう人たちの税金は減らないということになるのではないか。すなわち税率は下りましても、実際に拂う税金というものは逆にふえるのではないか。政府はこの税率が下ることによりまして減税になると、そういう点だけは勧告案に関連して非常に宣傳しておられるのでありますけれども、この課税所得の増加によりまして、実質的に増税となる点を説明から省略しておられるように考える。私は実質的にはこれが増税となるのではないかと思うのですが、ここで政府は率直に増税となる側面を明らかにしてもらいたい。今数字によつてはつきり示されることができないとしても、そういう面を認められるかどうか。その点を伺つておきたいと思います。
#44
○池田國務大臣 シャウプのレポートに対しまする御意見は一應承つておきましよう。私はただいまそのレポートのラインによりまして、來年度の予算並びに今年度の補正予算を作成中であるのであります。國民の負担がどうなるかということにつきましては、予算案とともに税制改革案を政府の責任において提出いたしまするから、そのときに御意見を承りたいと思います。
#45
○風早委員 この貸倒れ準備金でありますが、これは固定資産再價評による原價償却金の増加と相まつて、社内保留金というものを増加せしむる。そこでこの企業の自己金融というものの能力は、確かに増大せられるのではないかと思うのです。しかしそれだけに社会的な消費というものを低下させるということもまた考えなくちやならぬ。このことが結局恐慌の危險をますます促進さして行くのではないか。これはよくひとつ聞いていただきたいと思うわけです。このことはアメリカの経済界並びに経済学界におきましても、相当の問題になつておるわけであります。アメリカもなた同樣な企業の自己金融の能力を増大させるということばかりやつたわけでありますが、その結果、結局恐慌を深めることになつたということが相当反省させられているわけであります。それを今またここで日本でむし返そうというのであります。これは具体的に申し上げますと、賃金部分というものを結局圧縮する。大衆の購買力を一層低下する。この点でどの程度まで一体社会的な消費を減少させるか。すなわち賃金を圧迫するか。これはぜひとも説体としての数字でもつて説明していただきたい。これは主税局長におかれてお答えになつてもけつこうであります。
#46
○池田國務大臣 貸倒れ準備金につきましては、その企業の性質にかんがみまして、適当なる方法をとりたいと考えております。今数字的にどうこう申し上げる材料を持つておりません。
#47
○風早委員 その点、どうです。主税局長、何か独自の御意見がありましたら、ひとつ聞かしていただきたい。
#48
○平田説明員 現在の段階におきましては、ただいま大臣の申されました通りでございまして、將來成案を得ました際必要がございますならば、さらにお答えを申し上げることにいたします。
#49
○風早委員 池田大藏大臣に対する質問はこれでやめます。
#50
○川野委員長 風早委員に申し上げますが、大臣は他に要件があるそうでございます。そこで池田大藏大臣に対す質疑を先にいたしたいと存じますが、ほかに質疑の通告がございますので、大藏大臣に対する質疑が終りました後に、風早委員の質疑を願うことにいたしたいと思います。
#51
○風早委員 それでは委員長の仰せ通りにしたいと思いますが、大藏大臣の質疑が終りましたらすぐ継続さしていただきたいと思います。
#52
○北澤委員 大藏大臣に二、三点お伺いいたします。
 第一点は、御承知のように一昨日の十八日にポンドの切下げがあつて、それと同時にポンド・ブロックの各國の通貨が切り下つたわけであります。これは非常に大きな問題でありまして、日本の経済状態にもいやでもおうでも非常に大きな影響があると思うのであります。それを考えまして、今度のシャウプのレポートというものをわれわれが研究する場合、このシャウプの勧告案なるものは、たとえて申しますと、数学の方程式のようなものでありまして、それを当てはめます基礎の数字がかわつて來れば答えもかわつて來るのであります。あるいは國民の所得の分布にしましても、いろいろな面で日本の経済自体がかわつて來れば、それにシャウプの勧告案という方程式によるその答えは違つて來ると思います。われわれがシャウプの勧告案を研究する場合においては、來年度及び來年以降における日本の経済の大きな動き、シャウプ勧告案をつくつた当時には考え得られなかつた大きな日本経済の動きがあると思うのであります。そういうものに対します政府のお考えを伺いまして、われわれの研究の参考にしたいと思います。
#53
○池田國務大臣 昨日ポンドが三割六厘引下げられたことを耳にいたしまして、その後ポンド地域の各國がおおむの三割あるいは三割六厘の引下げを行いました。ヨーロッパ諸國におきましても、デンマーク、ノールウェーあるいはオランダも引続いて引下げを行いますし、また昨夜フランスも二九%程度の引下げを行つてような状況であります。しかし私といたしましては、現行の一ドル三百六十円の為替相場は動かすべきではないということを、昨日声明いたしたのであります。関係方面におきましても昨日來また今朝來審議を重ねられた結果、私がここへ参りますときに向うからの手紙が参りまして、私の声明通り、一ドル三百六十円は動かさない。すなわち一ポンド千八円の計算で行くということが來たのであります。私といたしましては、予定通り三百六十円を堅持して行きたいと考えております。また行くべきだと考えておるのであります。從いましてヨーロッパ各國のポンドあるいはドルの切下げによりましての財政上の問題につきましては、ほとんど変化はございません。補給金の問題につきましても、ポンド地域から参りまする物につきましては、かえつて輸入が安くなりましたために、財政上はよろしゆうございますが、ドル地域からの分は普通でございますので、財政上はあまり影響がございません。しかし経済上ポンド地域に対しまする輸出がどうなるかという問題を檢討いたしますると、これはポンドが三割六厘も下つて來れば、かなりの影響があると思うのであります。しかしポンド地域に対しまする輸出の大宗であり、相当部分を占めておる綿製品につきましては、從來のポンドのやみ相場を勘案いたしまして、原料の米綿あるいは印綿を相当高價に拂い下げておりまする関係上、綿製品の方につきましてはあまり影響はございません。すなわち鉄鋼あるいは機関車、機械類につきましては相当の影響がありましようが、今までポンド地域に対しまする日本の貿易は、向うがドル不足のために、非常に片貿易的になつておるのであります。全般から申しますると、ポンドが相当程度下つたので、ポンド地域からの貿易はかなり順調に行くのではないか。個々の産業にとりましては非常にきつい点もあるかもしれませんが、私は苦しい面ばかりでなしに、全体のポンド地域と日本との貿易というものは、相当正常に復するのではないかと考えておるのであります。從いましてただいまのところシャウプ・レポートに相当の影響があるとも考えておりません。しかし個々の産業につきましては、先ほど申し上げましたように、相当の國内産業の影響は考えなければなりませんので、その点は今後の財政経済政策の上に十分加味して行きたいと考えております。
#54
○北澤委員 ただいま大臣の御答弁のように、日本の現在の為替レートをかえるべきでないという御意見には、私ども全然同感であります。それから今度のポンドの切下げというものが、全般的に長い目で見て、世界経済の復興に非常に貢献がある。從つて、長い目で見てみれば、日本の経済にも非常にいい影響があるということは、これも全然同感であります。しかしながら問題は、將來の日本の貿易と日本の経済の自立をはかるという点から申しましたならば、どうしてもアジア地域におきまする日本の貿易を発展させるべきであるということは、御承知の通りであります。ところがお隣りの中國は中共の支配下にあつて、これもマッカーサー元帥の声明のように、中國との貿易というものはそう期待をかけられない。こういうことを考えますと、結局非共産地区との貿易の発展をはかるということが日本の生命線である。そういう点から申しますると、東南アジアの日本のマーケットというものは、日本にとつて非常に大事なところと思います。ところがそれが大体においてポンド・ブロックである。しかもそのポンドが、平價が下つたということになりますると、そこへ行きまする日本の品物というものは、値段が大体三割くらい上つたということになりまするので、日本の商品とポンド地域におきまする製品との競爭は相当はげしくなつて、日本の輸出貿易ことに東南アジアに対する輸出貿易というものには、相当影響があることは否定できないことであると思います。今後政府におかれましてもそういう状態を考えまして、東南アジアに対しまする日本の輸出の増進ということにつきましては、善処をされると思うのでありますが、結局この東南アジアの経済開発発展、これに対する日本の輸出の増進ということが、今後日本が自立経済を達成するかどうかということをきめるかぎだと思いますので、この上とも御善処願いたいと思うのであります。
 もう一点お伺いしたいのは、今度のシャウプのレポートを見ますと、日本におきまする資本の蓄積ということに非常に重点を置かれておるようであります。そのほかにも國民負担の公平ということも書いてありますが、どうもこのレポートを通覧してみますと、資本の蓄積ということに非常な重点が置かれておるようであります。今日のような敗戰経済におきまして、日本に最も欠乏しているのは資本であります。從いましてこの資本の蓄積ということに最大の重点を置くということは当然と思うのでありまするが、もしそういうこの筋を通すならば、このシャウプの勧告の中に、もう少しその点をはつきり拡張して考えるべきではないか。たとえば資本の蓄積と申しますと、結局國民の消費を節約し、特に國民の奢侈的消費を節約して、それを資本の蓄積の方にまわすということが必要なんでありまするが、そういう点から考えますると、國民の奢侈的な消費を抑制するというふうな観点で、もう少し税制の方面においても考える余地はなかつたか。あるいは物品税にしましても、あるいは奢侈的ないろいろなものにしましても、そういう点で國民の奢侈的消費を節約して、それをもつて資本の蓄積の方にまわすということを、もつと考える余地はなかつたかと思うのでありまするが、それに対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
#55
○池田國務大臣 御質問の第一点の、東南アジアに対するわが國の輸出貿易の振興をはからなければならぬということは、御意見の通りでございまして、ただいまにおきましても、私の計算では、純然たるポンド地域との貿易の中で、輸出は大体四六%程度になつております。お話の東南アジア地区、これはどちらかといえばドル地域と目すべきものでありまするが、これが三〇%程度に相なつております。お話の通りにこの方面に対する輸出につきましては、格段の努力を拂つて行きたいと考えております。
 第二の、シャウプのレポートの中で、資本の蓄積を非常に重点的に考えておるということはお説の通りであります。從つてこの上とも資本の蓄積をするためには、奢侈的消費についてもつと思い切つた案が出ないかという御意見でございまするが、シャウプの勧告案の中におきましても、酒類についてはもう少し上げてはどうか。いわゆる本年の春減税したものを元にもどしてはどうかというふうな意見もあるのであります。私はこの点につきまして愼重な檢討を加えておりまするが、檢討を加えなければならぬと思つております。また物品税につきまして十割課税のものを少し引下げる、あるいは入場税の十五割課税を十割に引下げる、こういう点も奢侈の抑制にもおのずから程度があるものでございまして、私はこの酒を除いてのシャウプのあのレポートの税率の引下げは、大体適当ではないかと考える次第でございます。
#56
○北澤委員 ではもう一点だけお伺いいたします。今度のシャウプのレポートドによりますと、先ほど申しましたように、資本の蓄積に重点を置いてあります。それと同時に外資の導入という点も、相当大きく重点を置かれて考えておるようであります。ことに法人に対するいろいろな税の軽減というものは外資の導入という点から申しまして、非常にけつこうな案であるのでありまするが、二、三日前の日本タイムズを見ると、日本におるアメリカの実業家、特に米人商業会議所の意見が出ておりますが、これによりますと、今度のシャウプの勧告では、日本に対する外資の導入は非常に困難である。特に日本で働きまする外國人の円でない所得に対する税は非常に高い。外國の商社に対する税金が高い。こういうことでは外資導入に対して非常な障害になるというわけで、現に商業会議所の方でもシャウプのレポートと違つた勧告案を、関係方面に出すということが出ているのでありまするが、政府におかれましても外資の導入に非常に重点を置かれまして、最近では外債の償還というような問題も考えておるようでありまするが、こういうような、これは外國人の意見でありまするが、外資の導入という点から考えまして、シャウプの勧告以上にもう少し彼らの希望を達成してやるようなことが一体できるのか、できないのか、このシャウプの勧告が最大のものであるかどうかということについて伺いたい。
#57
○池田國務大臣 シャウプの勧告案におきまして、やはり外資の導入についての考え方が、ある程度盛られておると考えておるのであります。これはお説の通りでございます。それはやはり法人に対しまする思い切つた改正であると思いまするが、外資の導入は税法の改正ばかりではなかなか困難でございまして、やはりいろいろな経済條件が整わなければなりません。從いましてこの税法の改正は、その経済條件の一部をなすものでございまして、われわれはできるだけ早くいわゆる企業の合理化、整備、そうして日本経済の安定等、外國人をして日本を信用せしむるあらゆる方途を講じなければ、なかなか外資の導入はむずかしいものだと考えておるのであります。われわれのやつておりまするこの財政、経済政策もその重点の一つはそこにあるのでございまして、御意見に沿つて苦心いたしておる状況でございます。
#58
○風早委員 今の北澤委員の御質問に関連いたしまして、外資の導入の点について、池田大藏大臣がお帰りになる前にちよつと伺つておきたいのですが、確かに今北澤委員の言われたようにホーブライト氏であつたと思いますが、日本タイムズに在日米國商業会議所の意見として、シャウプ勧告案というものは外資導入に、はつきり言えばじやまになるというような反対意見が出ておつたわけであります。私はここで伺いたいのは、むしろ今北澤委員の聞かれたことは反対に、この外資の導入ということは、結局その内容が今までのような政府援助の形から、プライベートな外資の導入へ移つて來る傾向、これは歴然たるものであると思いますが、それによつてシャウプ勧告案というものが、実際にこれにプラスになるものか。マイナスになるものか。これは税制だけでは問題ははつきりしないという。これは正しいお答でありましたが、いずれにしましても、民間の外資が入つて來るということが、この際には主要な問題だと思うのです。反対のホーブライトの言つておる立場というのも、やはりそこに問題があると思う。この際むしろ私が聞きたいのは、この外資の導入ということと日本の資本の蓄積、これとの関係でありまして、外資の導入の結果、日本の資本の蓄積というものにどういう影響を與えるか。この点をひとつ伺いたいわけなんです。なお、これに関連しまして、先ほど質問要求をしたのでありますが、貿易の問題、経済の問題は今度のポンドの切下げによつて相当の影響を受けるが、予算にはあまり影響はないものと見るというようなお話でありました。しかし一たび貿易に非常な関係がある以上、これは明らかに関係があるわけでありますが、貿易特別会計の事業費勘定といつたようなものにどう響いて來るか、こういう点はやはり見通しを持つておられると思う。その点もあわせて伺いたい。かつ最後に、將來の日本の貿易の振興の方向でありますが、北澤委員は非共産圈と貿易をやらなければならないということを、当然のプリンシプルであるかのごとくに言つておられたようでありますが、これはたいへんな私は見当違いだろうと思う。これはいやでもおうでもわれわれは貿易圈を切りかえて行かなくちやならぬ。これは意見でも何でもない、御質問なんですが、結局今までの体形といえば御承知のようにドル圈から買つて――というよりもアメリカから買つて、そうしてポンド圈に賣るというのが貿易の内容の大部分をなしておつた。これを切りかえることなくしては、絶対に日本の貿易というものは先へ進まないのじやないか。この行詰まり、動脈硬化、こういうものが打開されないのじやないか。今度のポンドの切下げというものは、この貿易の方向を打開して行く非常ないい契機ではないか。でありますから、これの影響ということをマイナスの面からばかり考えるのでなくして、積極的にこの際切りかえを断行して行く。その準備をして行く。その努力が当然に必要なのではなかろうかと思うのでありますが、そういう点について最後に政府の御所見を伺つておきたい。
#59
○池田國務大臣 今回のシャウプの勧告案が資本蓄積に重点を置いていることは、北澤委員のお話しの通りであります。しかして風早委員は、日本の資本の蓄積と外國資本の導入とは相反するのではないかというふうなお話でありますが、私の見るところでは、なおしばらくの間は日本において資本の蓄積をみることは必要であり、また日本の資本の蓄積が外資の導入の呼び水にもなり、両者相一致すると考えているのであります。高度の資本主義経済になりました場合には、外資に頼る必要はないときが來ると思うのでありますが、ただいまのところは両者がともに並行して進むべきであると考えているのであります。
 第二のボンド切下げによります予算への影響ということにつきまして、御意見があつたようでありますが、経済事案は全部予算に影響いたします。そういうことから考えますと、ボンド切下げも相当の影響がわが國の経済界、ことに輸出入貿易に関係いたしますので、外國貿易特別会計におきましての影響があることは当然であります。これは申すまでもないことであるので、最もわれわれの負担に関係のあります一般会計について、私は申し上げた次第でございます。影響は相当あることは当然のことであるのであります。
 最後に、わが國の貿易につきまして東南アジアの方に重点を置いて行くという案につきまして、異論がおありのようでありますが、私の見るところでは、今の中國やあるいは滿州に対して貿易を再開しても、向うの経済力が非常に衰えておりますから、あまり多くを期待することはできないと考えております。この点は風早君の意見とは私は反対でございまして、私の見るところでは、今の間はやはりヨーロツパあるいは東南アジアに主力を置き、そうしてまたできれば南米の方にも手を伸ばしたいと考えております。
#60
○三宅(則)委員 私は大臣の來られる前に、約五十分質問したのでありますが、一言だけ申し上げまして質問を打切ります。二つありますが、一つは資産再評價はぜひ明年九月までにやれということを勧告案に言つておりますが、もつともな話でありまして、これには適切なる評價委員を設けていただくことがかんじんであります。この点につきまして大臣もぜひ公正にして人格高邁なる人を選んでいただいて、全企業に対しまする平均を期するようにお願いしておきたい点が一つ。
 次の点は今度の勧告案によりまして、税制に関する法律案が二十数件出るということが新聞に出ておつた。ところが私どもいつも審議の上において感ずるのでありますが、でき上つたあとでわれわれ見るのであります。特に與党でありますわれわれは、事前にひとつ数点についての参考意見を申し上げたい。また政府の意向も聞きたいと思いますから、なるべく早く政務調査会等を通じまして、われわれの意見を織り込んで出していただくようにお願いしたい。かように思つております。
#61
○池田國務大臣 資産再評價の問題につきましては、そのことの重大性にかんがみまして、愼重にやつて行きたいと考えております。シャウプは大体の考え方を勧告されておるのでありまして、実際面におきましては、各企業ごとに相当違つた場合も出て來ると思うのであります。われわれとしては水ぶくれにならないように十分注意して行きたい。しこうしてこれが判定に当りますところの委員につきましては、お話の通り立派な方を選びたいと考えております。
 第二の議会に対します税制改正案の提出の見込みでございますが、ただいま予算と兼ね合せまして檢討いたしております。臨時國会にはそうたくさん出ることはないと思つております。おおむね本國会で大部分を御審議願うことと相なると思うのでありますが、法律案作成につきましては、ここで申し上げるのはいかがかと思いますが、十分わが党と連絡をとりまして、遺憾なきを期して行きたいと思つております。
#62
○川野委員長 大藏大臣にほかに質疑はございませんか。
#63
○風早委員 ほかになければまたちよつと……。先ほど大藏大臣は一般会計にはポンドの切下げは影響ない、特別会計には確かにあるというお話でありましたが、これは少し変だと思います。貿易特別会計にあるということは、結局どこにあるかといえば、見返資金特別会計で行く。これは通り拔け勘定でありまして、当然見返り資金に非常な影響があるわけであります。そういたしますと、これはまた全予算に対して影響があるわけでありまして、今一般会計であれこれと非常に政府出資が問題になつておる。それに直接影響があるわれでありまして、やはりこれはもう全体の予算に関係するということを、政府は承認されていると思うのであります。それはそうですか。
#64
○池田國務大臣 風早委員とは意見を異にいたします。見返資金特別会計におきましては、アメリカのエイド資金によつて左右されるものでございまして、一ドル三百六十円を堅持しておる関係上ほとんど影響はございません。ただポンド地域から見返り資金によつて輸入するものにつきましては、先ほど申し上げましたように、大体半年におきまして六億円程度の補給金の域になりますが、今年はもう既契約に属するもので、今年度においては影響はございません。だからドルを堅持しておる以上は、大した見返り資金への影響もないのであります。しかして貿易特別会計におきましては、この一般会計との貿易の分量によりまして、インヴェントリーの問題でございまして、貿易のかさにより大きさによつてきまる問題であります。從いまして私の先ほど申し上げました一般会計のおきましては大した影響はないということは、誤りないと考えております。
#65
○風早委員 見返り資金が影響ないと言われますが、これは援助資金によつて左右されると言われますが、結局見返資金特別会計はどこから出て來るかといえば、御承知のように特別会計から出て來るわけであります。それはどこから出て來るかといえば貿易の実態から出て來るわけで、これは当然もし減るとすれば、見返り資金に金が入つて來ないことを意味する。そういうような影響はこれは明らかだと思います。
#66
○池田國務大臣 見返り資金は御承知の通りアメリカのエイド・ファンドから出ております。三百六十円勘定を堅持しておればそうした影響はありません。通り拔け勘定でありますから関係はないのであります。ポンドの切り下げによる影響は、ポンド地域との問題で相当影響があるのであります。これによつて輸出が非常に多いか少いかによつて、貿易会計の問題は働いておるわけであります。その点におきまして特別会計の影響は考えてみなければならぬと思います。
#67
○風早委員 それは同じことを繰返すようになりますが、援助資金についても左右されると言つても、事実援助資金は千七百五十億円方特別会計に入つて來るわけではない。すなわち貿易特別会計が通り拔け勘定だと言われる以上、どこからか入つて來てどこかに出て行かなければならぬ。ポンド圈の輸出が激減いたしますれば、当然これは勘定に狂いが來るわけでありまして、從つてこれから通り拔けて行くべきものもまた増減があるわけであります。これは言うまでもないことであります。代数というか、幾何というか、当然の勘定でありますから、そういうことは政府としても言われる筋ではなかろうと思います。
#68
○池田國務大臣 エイド資金によつて見返り資金勘定ができ上つておるのであります。一ドル三百六十円が動かなければ、これはアメリカのエイドの分によつてそつくり出て來るのであります。内地での賣拂い代金は貿易会計を通りますが、その分は歳入歳出にあがるだけで影響はないのであります。これは御研究願いたいと思います。私の答えに誤りはないと確信しております。
#69
○河口委員 ただいま対日援助資金のことについて大藏大臣から御答弁がありましたが、春の大藏委員会では為替レートが三百三十円で千七百五十億円の対日援助見返資金が計算されたと私ども聞いておりますが、その後為替レートが三百六十円になつて、当然臨時國会においてそれが補正されるというようなことを聞いておつたのですが、今大藏大臣は三百六十円で千七百五十億円が計算されておるとお答えになつたのですが、ここに食い違いがあるように思います。
#70
○池田國務大臣 三百六十円で千七百五十億円がきまつたとは申し上げておりません。一ドル三百六十円で計算されるかつこうになつておるのであります。從いまして当初お話の通り、三百三十円で四億七千五百万ドルと想像されておつたのであります。ただいまのところアメリカの國会では、四億七千五百万ドルというものはきまつておりません。六月の末までにきまるべきものがまだきまつていない状況であるのであります。それが最近の機会になりまして、あるいは予算をかえなければならぬような状態になるか、ならぬかは別問題といたしまして、私はその問題はそのときになつて考えたいと思つております。
#71
○川野委員長 大藏大臣に対する質疑に他にございませんか。――それでは風早君、銀行局長に対する質問を続けてください。
#72
○風早委員 ドツジ・ラインの強行によりまして、このドツジ・ラインは今度の勧告案でも守られてあると了解しておるわけであります。財政と金融との分離、これはますます明確に分離する必要に迫られているのではないかと思うのであります。そこで伺いたいのは、この場合金融統制政策といいますか、金融面ではいかなる統制政策を持つておられるか。この点をお伺いしたい。
#73
○愛知説明員 いわゆるドツジ・プログラムに基きます財政金融政策に関しましては、御承知のごとくまず財政についてはいわゆる総合的な均衡予算ということになりましたし、また二十四年度のそういう方針でできました財政計画からは、今後金融面に対して、たとえば國債の発行でありますとか、地方債の発行でありますとか、あるいはまた復金債券の発行でありますとか、そういう面から金融方面への要請というものがなくなつていることは、明瞭に御承知のことと思います。のみならず過去における政府及び政府関係機関に債務も、事情の許す限り償還をさせるということになりまするので、財政と金融との関係はそういう意味で分離し申しますか、あるいは裏から申しまするならば、金融の自主性の回復ということになるのではなかろうかと思います。そうした意味における金融の今後のあり方としては、前國会で御協賛を経ました日本銀行法の改組によりまする政策委員会を中心として、金融が動いて行くということになつて行くものと考えておるのであります。從つて法制的に融資の規正の將來については、相当考える余地があるのではなかろうか。と申しますのは、たとえば政府が命令融資をしてこれに保証をつける、あるいは特殊の復興金融金庫というような準財政的機関からの金融が行われなくなりますので、今後はそういうような構想で漸次金融の回復せられたる自主性のもとに、経済再建に必要なる融資が円滑に行くようにということに、將來の行き方としてはなるものと私は考えております。
#74
○風早委員 大藏省としては金融機関経理基準法というものを、金融業法の中に織り込んで出すというお考えがあるそうですが、この点をちよつと伺つておきます。
#75
○愛知説明員 金融機関の経理基準につきましては、一つの考え方として具体的な相当こまかい規定を法制化していただきまして、そのわくの中で行政を運営すると申しますか、一方においてそのわくの中で、各金融機関の自主的な運営を円滑にやつて行くという考え方が一つあるわけであります。ただしかしながら金融機関の経理の基準というものは、あらためて申すまでもなく非常に技術的な專門的なものでもあり、またある場合におきましては、各金融機関それぞれの特殊性も尊重しなければならぬと思いまするので、今後銀行法その他に所要の修正を加える必要があると思つておりますが、ただいまのところでは経理基準についての法制化ということを、それと合せて一本にして出すかどうかということについては、いまだ事務当局の間におきましても意見の一致を見ておりません。從つて結論も出ていないような状況であります。
#76
○風早委員 今度の税制改革勧告案、これはその通りにやつて行きますと、金融機関経理法といつたようなものはいらなくなるのではないかと思うのですが、こういう点については政府はあの勧告案との関連をどういうふうに見ておられますか。
#77
○愛知説明員 もし金融機関の経理基準を法制化するということになりますれば、その主たる問題はたとえば資本の充実、償却率、配当、経費というようなものがその主題になるわけであります。そのうちの相当大きな部分はただいま御指摘の通り、税と特に償却というようなこととの関連が深いと思うのであります。一時私どもが経理基準の試案をつくつてみたのでありますが、その当時におきましては、シャウプの勧告案はもちろん発表されてない時期でもありましたし、ただいまお話のごとくすでにシャウプ勧告も出ましたし、ことにその中には金融機関につきましても相当関連の深いところがございますので、これを十分檢討いたしました上で、法制化をする必要があるかどうかということについても、あらためて考えたいと思つております。從つて今日のところではそういう必要がないとも断言できませんし、またそういう必要があるとも断言できません。ただいま鋭意研究中に属しておるわけであります。
#78
○風早委員 次に預金部資金の問題ですが、預金部資金の使用には嚴重なわくがはめられておると思う。ところが今政府筋並びに民自党関係から、預金部資金の公共事業への支出ということが実現できるかのごとくに言われているわけでありますが、こういう方面に振り向けることは困難なのではなかろうか。これは社会党も同樣なんですが、そういう点につきまして政府の見通しを伺いたいと思います。
#79
○愛知説明員 預金部資金につきましては、二十四年度に集積されまして運用し得る総額の見込みが、大体六百億をちよつと越えまして、一つの試算によりますと六百二十四億という数字が現在見通されているわけであります。ところが他の金融機関の預貯金は相当順調に伸びておりまするし、ことに郵便貯金の増勢は一時顯著なるものがあつたのですが、最近その増勢はやや鈍つております。從つてはたして運用し得る総額がそういう程度に達するかどうか、多少疑問の点もございます。しかし一應はその程度のものが運用し得るものと考えて間違はないと思います。ところが御承知と思いますが、昭和二十年の十一月に開係方面から出されました覚書によりまして、預金部資金の運用先が國債と地方債、その他政府機関に対する資金融通ということに限定されておりまして、その覚書は現在もなお有効でございます。さてその有効でありまするわくの中で、現在決定しておりまする融資額というものは、地方債の二百三十三億とそのほかに短期の資金を合せまして、政府機関係の公團等への融資が認められておるわけであります。これは主として短期資金でございますが、それらの合計は大体マキシマムで三百五十億くらいに達するのではないかと推算されるのであります。しかしながらこの公團にそれだけの金が実際に必要かどうかということにつきましては、別途大藏省預金部といたしましても、公團の経理状況その他を十分に監査した上でなければ、もちろん融資をいたしませんつもりでありまするし、今申しました数字は一應公團側の希望する数字ということになつておるわけであります。そういう関係でございますから、大体大きく見ますれば一ぱい一ぱいの計画が立つておりまするし、さらに今後の計画としては公共事業費の関係、災害復旧の関係等で相当程度地方債の起債を、私見でございますが、少くとも数十億を拡張してもらわなければならぬと思つておりますので、その留保もとつておかなければならないのであります。そういうような未確定かつ希望的な数字などもございますので、的確に他の一般産業面等にどれだけの額がどのくらい出得るかということにつきましては、今確実な数字あるいは具体的な計画をもつてお答えし得る段階にはございません。しかしながら申すまでもなく郵便貯金というものの性格なりから申しますと、許されるならばこうもやりたいという希望は相当に持つておるわけであります。
#80
○風早委員 これは愛知局長でも、それから飯田金融課長でもけつこうでありますが、この復金の早急廃止ということ、これもやはりドッヂ・ラインからいたしまして、今迫られておるようにわれわれは観測しておるわけでありますが、これはいつ廃止されるつもりですか。この点とそれから廃止した後に、つまり民間銀行のほかに日銀のオペレーションというものもそこに入つて参りますが、民間銀行だけで今後の金融操作ということがやつて行けるか。これはまたやり方いかんによりますと、たとえば日銀によるバツク・アップといつたようなこともあるわけでありましようが、ドツジ・ラインというものと変な関係になりはしないかということも考えられるのであります。この復金の廃止の見通しと廃止後のこの金融操作関係につきまして、金融当局として今どう考えておられますか。
#81
○愛知説明員 復金につきましては現在の復興金融金庫法の規定によりますると、開設後三箇年間をもつて復興金融審議会の議を経て、新たなる業務を継続するかどうかということを決定するということになつております。從いましてその期限は來年の一月の末になるわけでございまして、他からの発議がない限りにおきましては、一應來年の一月のその時期を中心にいたしまして、それ以後新規融資を継続するとか、新規の保証業務をも継続するかどうかということを、その際決定すればよろしいことになつておるわけであります。しかしながらこれも私見でございますが、私といたしましてはなるべくすみやかに新規融資はやめたいものであるというふうに考えております。やめるということが政府並びに復興審議会の議を経るということになりますれば、來年一月を待たずして、新規融資をやめるということも、新規の保証をやめるということもでき得る状況になつておるわけでございまして、それらの問題をもあわせ、またかりに廃止したとすれば、その後の処置はどういうことになるかということもあわせまして、きわめて最近――おそらく今週中に一應中間的に復興金融審議会の開催を求めまして、いろいろと討議をしていただきたいというふうに考えておるわけであります。なお回收の問題につきましては、ただいま私どもが復金当局に要請して計画しておりますことは、回收につきまして大体三ないし四つのカテゴリーにわけまして、他の経済界に激動を與えない限り、もちろん回收し得べきものは徹底的に回收を促進するという態度をとります。それから一部について回收の可能のものについては、その一部の可能なる限度において回收計画を――あるいは数年にわたるかもしれませんが、数年にわたりました具体的に回收計画を立てます。それからそれ以外のものにつきましては復金融資を受けておりまする側の会社につきまして、向うの言葉で申しますならば適当なキャピタリゼーションを考えることにいたしたい。たとえば増資とか、社債を発行するということもございましようし、そのほかいろいろの方法もあろうかと思いますが、要するに経済再建上相当業績をあげておる、しかも融資の完全なる回收には期限が長くかかるというものにつきましては、会社自身の更生策と合せまして、政府としても復金の債権をできるだけ多額に確保するような措置を講じたいと思つております。
#82
○風早委員 もう一つだけ、これは一番大事な問題です。集中生産に該当しない企業に対する融資対策ですが、今のようにいろいろ政府のお骨折りなんですけれども、民間銀行だけを通じての金融操作で、こういう企業への融資ということはおそらく不可能に近いのじやないかと思うのです。今すでにもう倒産、廃業というようなこともどんどん起つておると思うのですが、この点については政府は現在及び今後どうやつて行かれるか。これはやはり一應はつぶれるだけつぶすということになるわけですか。その点をあらためて伺つておきます。
#83
○愛知説明員 ただいまのお尋ねは非常に大きな問題でございまして、私が一局長としてお答えするのにはあまりにも大き過ぎると思います。ただ私の立場上お答えできることは生きるべき、また生かすべき産業なり人なりを、金融だけの関係から殺すようなことはいたしたくない。こういう考え方のもとに、いろいろ考えておりますることを詳細に申し上げますると非常に長くなりますが、一口に申しましてただいま言いましたような心持で、努力はいたしておるつもりであります。
#84
○風早委員 河野主計局長に伺いたい。
#85
○川野委員長 河野主計局長は実はほかの集会があつて帰られたのであります。後日に願います。
#86
○風早委員 それでは平田主税局長に伺います。これは直接今度の税金問題でわれわれとして一番関心の高いものでありますが、先ほど池田大藏大臣の答弁は要領を得なかつたのですけれども、平田主税局長は当事者としてもう少し親切にお答え願いたいのであります。実質的な負担の増――税率の面から言いましてたとい軽減がありましても、実質的な負担の増ということが考えられるのじやないかと思いますが、政府はその方面についてやはり率直に國民に示してもらいたい。これは政府の立場からしましても、やはり國民に一層の耐乏生活を要求するというようなことも言われておりますが、それにも関連して実質的負担は増すのだということは、これは主税当局としてもはつきりしておかれなければ、かえつていろいろさしさわりがありはしないかと思うのであります。そういう点について率直にお知らせを願いたいと思います。
#87
○平田説明員 今のお尋ねはどういう意味でありますか、よく意味をとりかねるのですが、今度の税制改正は非常に負担の公平……
#88
○風早委員 意味がわからなくて答えられないのでは困りますから補足します。先ほどもちよつと申しましたように、たとえば補給金削減の関係、それから特に資産再評價の関係から、いずれにしましても物價のはね上りというものが当然に考えられるわけであります。それは予算面から言いましても、これは主計局長にも開いてみるつもりでありましたが、予算面から言いましても、非常に予算の上にはねかえつて行くということは当然に見通される。しかしながら物價の値上りということは考えられるのであります。その点をとりましても、実際に國民のこれからの購買力に及ぼす影響、その負担というものは当然に増大するわけであります。これと今後形式的に税率の面から一應計算上出て來ると言われる減額、そういうものとの差引もまた一つの目途と思います。大体それでおわかりと思いますが、決してわれわれはただ單に形式的に税率だけで、この問題を見過ごして行くということはできないと思うのでありまして、この点の政府の御説明が半分抜けておるのではないか。これは確かに税率の上からこういうようになる。いろいろ昨年度との比較から、また今年度と來年度の比較なんかもありますけれども、それと同時に出さるべき資料が抜けておるのではないか、そういう意味でお聞きしておるわけであります。
#89
○平田説明員 全体としての補給金の削減に伴う物價の増加、これはたしかにある面におきましては私は出い來ると思います。ただ、いまの補給金を削減しておりますように、除々にやつて行くとなると、企業の合理化等によりまして、相当吸收できる面もあるのではないか。それは單に消極的な合理化だけではなくて、増産等によつて積極的にカバーし得る部分も相当出て來るのではないかと考えます。從いまして一率にこの際幾らくらい物價が上るかということは、なかなか簡單な計数はむずかしいと思いますが、傾向としてさような傾向がございますことは、私どもも否認いたしません。しかしながら全体といたしましてマル公が上るということと、それからまた全体の物價水準が上るということはやや若干違いまして、最近のように全体としての総合政策をやつております関係上、やみ値は場合によりましてはある程度下つております。最近もマル公はある程度引上げておりまするが、全体としての物價水準はそれほど上つていない。消費者物價指数等は大体安定の方向をたどつておるというようなことを考えますと、その方面の影響と申しますか、條件がどういうふうになるかということは、そう簡單に一がいに申しにくいのではないかと考えます。政府といたしましては、もちろんさような点につきましてもよく考えまして、大臣もお話になりましたように、さらによく檢討を遂げました上、具体案を作成して提出することになると思います。その際にさらに必要がありますれば、詳細に御説明申し上げます。これは確かに計算上はつきりしておりますので、その点はすでにおわかりでございますから、多く申し上げる必要はないと考える次第であります。なお政府といたしましては、総体として幾ら減るということもございますが、人によつて相当減る人と減らない人もあります。これがいわゆる負担の公平をはかるゆえんでありまして、みんな一律に同じ額だけ減ればいいということでございますれば、実は負担の公平が從來のごとく期せられていいわけでございますが、それがある程度期せられていないから、この際是正するということになりまして、税の上でも同じ勤労所得者の場合でも、家族の多い人は所得税は相当減るのでありますが、独身者はあまり減らないとか、また事業所得者と勤労所得者との間につきましては、事業所得者の減り方が多くて、勤労所得者の方の減り方は少い。あるいは同じ事業所得の中におきましても、從來的確に所得を申告して納税しておられるまじめな納税者の負担は、税法通りきちつと減るのでありますが、從來非常に納税の程度が税法に比較して少い人、あるいは極端に言いますと脱税しておるような人の場合には、税法がかわりましても減らないかもしれませんが、その辺は全体として総合して判断していただきたいと思います。なお間接税等も相当整理されましたので、こういうものはどういう影響があるか。むしろそういうあらゆる点を考慮いたしまして、御批判を願いたいと思います。さように考えております。
#90
○風早委員 地方税におきまして、住民税を中心に非常な増徴が一應なされることになるわけであります。しかもこの住民税の内容というのは、結局今まで寄付金として一應当て込まれておつたものが相当多額――結局約三百億ないし四百億というものがそこに肩がわりして來る。結局税金に名目をかえてとられて行くということであります。それならばこの寄付金制度というものはなくなるのかといいますと、これはやはり存置されておる。現に政府は、この勧告案はさらに百億という寄付金を大体見積つておる。しかしこれは百億で済めばまだ問題ははつきりするのでありますが、寄付金制度というものが公に認められ、かつ予算に密接に関連してこれが存置せられておるということになりますと、今後ま一應税金に肩がわりされて、またそのあと寄付金負担というものが、あるいは六・三制や警察、あらゆる面から振りかかつて來るということが当然に考えられる。そういう危險があると思う。政府はこの寄付金制度について一定の取締りをやるというような意思がおありになるかどうか。もし意思がなかつたとすれば、われわれは今この点をさように考えておりますが、これからこの点について考えられる意思があるかどうか。これを伺いたいと思います。
#91
○平田説明員 寄付金が大体三、四百億前後最近あるのではないかという大体シャウプ博士の見込みでございます。私どもも正確にはわかりませんが、その前後を越えるということはなかつたと思いますが、それよりその近くのものがあるのではないかというふうに考えられます。それは一つは最近まで地方財政が非常にきゆうくつでございまして、よるべき確固たる財源がないというところに、寄付金が大きくなつておるという最大の原因があつたのではないか。今回の改正によりまして、一方においては平衡資金を相当増額しまして交付してやる。貧弱町村に対しましては、平衡資金が從來よりも多く配分されて行くということになると思いますが、地方におきまして必要であれば住民税なり不動産税方面におきまして、正規の正しい標準をもとにしました課税が標準になるということになりますから、これはよほど少くなつて來るというふうに考えられると思います。從いましてあまり寄付金につきまして直接的な統制の規定等を設けなくても、相当大幅に減るのではないか、かような見通しを下しております。なお法令等の関係につきましては、必要があれば研究をしてもいいと思いますが、むしろそれよりも自然に根本的に寄付金に頼らなくてもいいような制度にするというところに、重点がおかれておるということを御了承を願いたいと思います。
#92
○河口委員 質問と申し上げるより要望事項になりますが、徴税、税金の取扱い機関の問題ですが、税金を取扱う機関が局とかあるいは日本銀行に制約されているために、現在の農村としてはその資金がほとんど協同組合に貯金されておる。從つて徴税の時期になれば一村においても二千万円、三千万円という金が動くのですが、これが一々協同組合は銀行から拂いもどして各農民に渡して、その農民に渡した金が銀行なり局に拂い込まれるというまことに複雜な関係を生む。その間において遠い地帯はその金をとりに行つて、帰りに事故を起して協同組合が非常な迷惑をしているというような実情であります。現在の協同組合は御承知のごとく金融機関の強化というような点から、各種事業連合会と分離をいたしまして、連合会は單なる信用協同組合というような組織になり、官業においても未拂い出資が認められず、全額出資というようなことで健全性をはかつておる今日、この協同組合を徴税の取扱い機関に指定されるならば、そうした必要以上の資金の動きを防ぐことができる。從つて農民としても非常に簡單に徴税され、これが中央に吸い上げられて來る。こういうことの要望が農村の方から盛んにあるのですが、これに対して当局のお考えがあればこの際御発表願いたいと思います。
#93
○平田説明員 今回農業所得につきまして源泉課税をやつたらどうかという勧告になつております。これは技術的にいろいろ問題がございますが、私ども極力そういう方向で今研究中でありまして、源泉課税になりますと、自然に一時に多額の金が支拂われる際に、税金の部分は源泉で支拂われまして、それが國庫金の方に移つて行くということになりますから、お話のような問題は相当程度自然に解決できるのではないかと思つております。それからなお源泉課税でない場合につきまして、もう少し國庫金を取扱う金融機関をふやしまして、協同組合等も指定したらどうか、こういう意見がございますことはお話の通りであります。ただ信用力その他の問題等もございまして、かねてから研究いたしておる問題でありますが、なおその点につきましてはよく関係当局とも相談しまして、適当な解決をはかりたいと考えております。
#94
○川野委員長 ほかに質疑はございませんか。――ほかに質疑がなければ本日はこの程度で散会いたします。なお次会は公報をもつて通知することにいたします。
    午後三時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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