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1947/12/08 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第65号
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1947/12/08 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第65号

#1
第001回国会 本会議 第65号
昭和二十二年十二月八日(月曜日)
   午前十時四十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第六十四号
  昭和二十二年十二月八日
   午前十時開議
 第一 酒類配給公團法案(内閣提出)(委員長報告)
 第二 未復員者給與法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 会社利益配当等臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 最高法務廳設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 國の利害に関係のある訴訟についての最高法務総裁の権限等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 最高法務廳設置に伴う法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 内務省及び内務省の機構に関する勅令等を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 内務省官制等廃止に伴う法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 建設院設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 昭和二十二年法律第百二十一号(國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 横須賀港を開港に指定する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一三 都会地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一四 自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一五 農地調整法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一六 警察法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一七 地方税制の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一八 熊本薬学專門学校の復興に関する請願(委員長報告)
 第一九 國立大阪療養所拂下げに関する請願(委員長報告)
 第二〇 六・三・三教育制度完全実施に関する請願(委員長報告)
 第二一 六・三教育制度の経費を全額國庫負担とすることに関する請願(委員長報告)
 第二二 中央氣象台牛深出張所設置に関する請願(二件)(委員長報告)
 第二三 關門港に外國貿易船の入港に関する請願(委員長報告)
 第二四 油津港を第二種港湾編入並びに貿易開港場指定に関する請願(委員長報告)
 第二五 横須賀開港指定促進等に関する請願(委員長報告)
 第二六 四國循環鉄道開通促進に関する請願(委員長報告)
 第二七 姫路、播磨新宮、若櫻間に國営自動車の運輸を開始することに関する請願(委員長報告)
 第二八 大系線全通促進に関する請願(四件)(委員長報告)
 第二九 上毛鉄道水害復旧に関する請願(委員長報告)
 第三〇 若松港を第一種重要港湾に編入することに関する請願(委員長報告)
 第三一 山陽本線柳井、岩國両駅間に國営自動車の運輸を開始することに関する請願(委員長報告)
 第三二 上野、土浦及び平両駅間の電化に関する請願(委員長報告)
 第三三 佐原、成東間の栗源より山倉、常磐村に國営自動車の運輸を開始することに関する請願(委員長報告)
 第三四 釜石線全通促進に関する請願(委員長報告)
 第三五 膽振國富内、十勝清水間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第三六 國鉄電氣工事独占開放に関する請願(委員長報告)
 第三七 千葉、大綱成東間電化促進に関する請願(委員長報告)
 第三八 木材業者の水害復旧費に対する融資並びに國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第三九 塩業対策の確立に関する請願(委員長報告)
 第四〇 國縣税の市町村委譲に関する陳情(委員長報告)
 第四一 地方財政の健全化に関する陳情(委員長報告)
 第四二 警察事務を市町村に移管することに関する陳情(委員長報告)
 第四三 戰災都市復興対策に関する陳情(委員長報告)
 第四四 公立学校人件費を全額國庫負担とすることに関する陳情(委員長報告)
 第四五 新制高等学校実施促進に関する陳情(委員長報告)
 第四六 勤勞青年の定時制高等学校設置に関する陳情(委員長報告)
 第四七 教員勤務地手当増額等に関する陳情(委員長報告)
 第四八 鹿児島縣に國立癩研究所を設置することに関する陳情(委員長報告)
 第四九 造船技術の振興方策に関する陳情(委員長報告)
 第五〇 若松港を第一種重要港湾に編入することに関する陳情(委員長報告)
 第五一 大糸線全通促進に関する陳情(委員長報告)
 第五二 東京、鹿児島間の急行列車復活に関する陳情(委員長報告)
 第五三 高崎、熊谷間に電化工事を実施することに関する陳情(委員長報告)
 第五四 低物價政策上官営事業料金の値上げ反対に関する陳情(委員長報告)
 第五五 今次日立鉱山地区の水害復旧特別融資等に関する陳情(委員長報告)
 第五六 旧軍用施設拂下げ價格に関する陳情(委員長報告)
 第五七 地方財政及び地方行政に関する調査に関する件(委員長報告)
 第五八 東北、北陸地方水害状況に関する件(委員長報告)
 第五九 水害対策に関する調査に関する件(委員長報告)
 第六〇 電力問題に関する調査に関する件(委員長報告)
 第六一 総合燃料、動力対策に関する調査に関する件(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。日程第一、酒類配給公團法案(内閣提出)、日程第二、未復員者給與法案(内閣提出、衆議院送付)、日程第三、会社利益配当等臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長黒田英雄君。
   〔黒田英雄君登壇、拍手〕
#5
○黒田英雄君 只今上程せられました三案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申します。
 先ず酒類配給公團法案につきまして御報告いたします。本法案は、去る七月三日、本委員会に付託せられましたのでありまするが、それ以來、委員会を開きますること十回、農林、商工と財政及び金融との連合懇談会を開きますること三回に及びまして、八月二十六日に小委員会を拵えまして、これに審議を付託いたしたものであります。小委員会におきまして審議しましたる回数は十一回に及び、その間、農林委員会の公團法案の取扱に関しまする小委員会との連合打合会も開いたのであります。非常に慎重に審議をいたしたのであります。その間、政府の公團に対しまする態度が、甚だ疑わしいような点もあつたのであります。即ち多数の公團法案が出るということであつたのに拘わらず、それらが止められるというようなことも聞いたのでありまして、政府の公團に対する態度が或いは変わつたのではないかというような疑いもあつたのであります。又一方独占禁止法に例外の法案も提出されるというようなことがあつたのでありまして、そのために、政府のいろいろの意見も聽く必要を生じまして、慎重に審議をいたしたのであります。そういう次第でありまして、審議が大変に長引いたのであります。
 次に法案の提出の理由について御説明を申し上げます。近來食糧事情の悪化、燃料資材の窮迫等のために、酒類の生産は、逐次減少の一途を辿つておるのであります。併し酒類は、石炭その他重要の産業勞務者に対しまするところの特配物資としても、食糧供出の報奨物資としても、亦國民生活の明朗化のためにも欠くべからざるものでありまして、酒類の配給が適正に行われるか否かということは、國民生活の安定、産業の復興、食糧の増産等に極めて重大な関係があるのであります。従來この目的のためには、酒類によりまして、販賣会社と共販組合がありまして、政府監督の下に一手買取販買の機関となつて、これを政府の定めまする配給計画によりまして小賣機関に渡すようになつておつたのでありまするが、これらの会社、組合は、私的企業でありまするので、独占禁止の法律の趣旨に副わないので、いずれ解散をしなければならない状態になつておるのであります。併しながらこの需要に対しまして著るしく生産量の少ない酒類、又輸送の事情も悪い今日におきまして、地域的、又時期的需給の不均衡、需要者の嗜好等を考慮しつつ、公平適正な配給をいたしまするのには、従來ありましたこれらの機関に代る機関を設けまして、多数の生産者から迅速に集荷し、全酒類を通じまして、價格、運賃、容器代等について、プール計算を行いまして、適正な價格で全國各地に的確に配給するのには、政府の責任において酒類の配給を有効に統制しまするために、酒類配給公團報を設ける必要があるので、この法案を出したということであるのであります。
 次に法案の内容の大要を申上げまするが、先ず公團の基本金は三千万円でありまして、全額政府の出資となつておるのであります。運営資金は、必要がありまする時は復興金融金庫から借入れることになつておるのであります。次に公團の役職員は、官吏その他の政府の職員として、政府の代行機関としての性格を持たしめておるのであります。役職員は、できる限り、公團設立と共に解散する会社又は組合の従事者、その他民間の優秀な経験者を採用したいとのことであるのであります。又役職員は、酒類の製造、保管、賣買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に従事し、若しくはその営業について一切の利害関係を有してはならないということを規定しておるのであります。又公團の業務は、酒類の配給の基本的な生産計画に基ずきまして、主務大臣の指示監督に従つて酒類の一手買取及び一手販賣、保管、輸送等をいたすことになつておるのであります。その他会計監督のこと、助成等の規定を設けておるのであります。そして平常の経済状態に復帰しました暁には、直ちに解散することを前提といたしまして、昭和二十三年四月一日か、又は経済安定本部廃止の時か、いずれは早い時に解散することになつておるのであります。以上が本案の内容の大体であるのであります。
 次に質疑応答について申上げますが、これにつきましては、すでに大部分の速記録が皆様のお手許に配布されておるのであまするから、その詳細はこれを省略いたしたいと存ずるのであります。各委員の質疑に現れました御意見を要約して申上げますれば、酒類のような嗜好品につきましてはむしろ統制を止めて自由経済に復帰させることがよろしいのではないか。殊に生産量も今日は更に減少しようとするような有樣であるのでありますから、家庭配給も僅かとなるような情勢である。かかる場合にかくのごとき大きな機構を設けるところの必要はないのではないかというふうな御意見もあります。又一方におきましては、需要に対しまして生産量の極めて少ない酒類につきましては尚統制の必要はあるであろうが、公團のような官僚的色彩の濃厚な機構を設けることはよろしくない。もつと十分民主化したところの機構によるべきではないであろうかという意見でありまして、公團という名称を改めてはどうとか、或いは役職員を官吏又は政府の職員とすることを止めて、これは單に法令による公務員とする方がよろしくはないか。又役員を総裁、副総裁とあるのを、むしろこれは理事長、副理事長というようにするのがいいのではないか。或いは安本長官とあるのを安本総裁にすることの方が適当である。或いは安本長官と主務大臣との権限が誠に複雑になつておるので、これを簡單明確にすることが必要である。或いは運営委員会を設けて業務を監視する等のことが必要ではないかというふうな、修正的の御意見も出たのであります。
 かくて質疑を終了いたしまして討論に入りましたところ、伊藤委員からいたしまして、本案に対しまする修正の道義が提出されたのであります。それは附則第一條に「この法律施行の期日は、政令でこれを定める。」となつておりますが、政令で定めるということは適当でない。これはこの法律に明らかにこれをいたしまして、「この法律は昭和二十二年十二月十一日からこれを施行する。」というふうに改めることが適当ではないかという修正動議が出たのであります。これにつきまして採決をいたしましたところ、全会一致を以て修正案が可決されたのであります。
 次に日本社会党の森下委員から、この修正を加えた本案に甚だ不本意ながら賛成をする。片山内閣は現在の國民生活の難局打開のために、流通秩序の確立の具体的、現れたとして、公團方式を採り上げたものだと期待しておつたのである。然るに政府の説明によりますると、單に現在の統制機構に公團という衣を着せたに過ぎない感じが多分にあるのであつて、これでは却つて現在以上の官僚的の統制が強化されて、従來以上に國民に不愉快な感じを持たせることが多くなるのではないかと憂うるのである。従つて公團の内容については、更に一層これを民主化する必要があると考えたが、諸般の情勢からこの希望を具体化することはできないことが明らかになつたので、よんどころなく原案のままこれを承認せざるを得なくなつたのであるが、政府は流通秩序の確立の方策の一環として公團たらしめるために、本案成立の暁には、官僚的な統制の強化というような國民の欲せざる弊害を助長することを極力なくすることに努められまして、流通秩序の確立の成果を上げるように留意されたいということを熱心に希望して賛成するという意見の発表があつたのであります。
 次に日本自由党の松嶋委員から、自分も賛成をするが、公團法というような樣式につきましては、この複雑な社会情勢の下で組織を切換えるというようなことは余り適当ではない。この難局を打開して民主的に官僚統制を緩和するという観点において遺憾な点が多々あるのであるけれども、森下議員の申されたような意味において遺憾ながら賛成をする。機会があればこの弊害を速かに除去することに努められたいということであつたのであります。
 他に御発言がなく、討論を終わりまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て原案を修正いたしたものを可決することに決したのであります。
 次に未復員者給與法案につきまして申上げます。
 本法案提案の理由は、元陸海軍に属していて未だ復員しておらない同胞に対しましては、今日従前の例によつて給與が支給されておるのでありまするが、その給與は旅費、埋葬費等を除きましては、階級によつて相当著るしい相違があるのであります。特に兵につきましては、たとえ内地に扶養親族を残しておる者でありましても、扶養手当の支給を受けていない実情であるのでありまして、今日の事態に即しない給與となつているのであります。そこで今回階級差の著るしい従前の俸給を改めまして、階級如何に拘わらず、元の大将から兵に至るまで一律に月額百円としますると共に、兵で内地に扶養親族を残している者には、新たに兵以外の者と同様に、その扶養親族一人当り月額百五十円の扶養手当を支給することにしたのであります。ただ兵以外の者で従前の家族渡しの給與額が右原則によります支給額より多い者には、本年三月の支給額実績額まではこれをほしようすることにしているのであります。未復員者が連合軍の命令によつて、戰爭犯罪人又は戰爭犯罪容疑者として逮捕、抑留又は処刑された場合には、それらの事実のあつた日の属する月の翌月分から俸給、扶養手当は支給されないというふうに規定してあります。以上の改正と、旅費その他従前の給與等を法律化しまして、昭和二十二年七月一日以後給與の事由の生じた給與に適用するものであるのであります。尚このために要しまする追加予算額は本年度約六億円で、これを補正予算に計上しているということであつたのであります。これに対しまして、果してこの金額で以て今日の物價高や生活の困難な時において十分であると考えるかというふうな御質問もありましたが、これは速記を止めての答弁でありましたから報告は省略いたします。
 かくて討論、採決に入りましたところ、全会一致を以て政府提案通り可決すべきものなりと決定いたしたのであります。
 次に会社利益配当等臨時措置法案について申上げます。
 本法提案の理由は、昨年四月連合軍最高司令部よりの覚書に基ずいて制定されました会社配当等禁止制限令によりまして、資本金二十万円以上の会社で、いわゆる制限会社等には、現在配当を年五分以下に制限しているのであります。然るに昨年いわゆる戰時補償の打切りが行われまして、これに伴つて損失を蒙ります費用は、会社経理措置法及び企業再建整備法の規定で、損失の適正な処理が図られることになつたのであります。従つて前述の会社配当禁止制限令は、この制定の趣旨に鑑みまして、もはや引続き施行する必要がなくなりました。他面、今後経済の民主化を図りまするために、極めて多額の有價証券を廣く國民の間に分散させることが必要であり、又経済復興再建のためには多額の新規資本の蓄積を図らなければならない状態でありますので、この見地から、会社の配当を一定限度以下に制限することは、活発な有價証券の取引を阻害し、國民の証券投資に不利な影響を與えるのでありまするから、政府は連合軍最高司令官に対し同令の廃止を懇請しておつたのでありますが、本年十月二十二日附覚書で以て、その許可を得ましたので、同令を廃止しますると共に、覚書で指示されたところに従つて、会社の利益配当についていろいろな措置を講ずることとなり、本案を提出したいということであるのであります。
 その内容の大要を申上げますれば、先ず禁止制限令と異なりまして、資本金の大小を問わず、又戰時保証請求権を有しておると否とに拘わらず、すべての会社が例外なく、この法律の適用を受けることとなるのであります。次に会社の配当率には何らの制限を設けないのでありますが、その事業年度の総益金から総損金を控除したいわゆる純益金を超過して配当することは禁止するのであります。又会社は借入金によつて配当してはならないのである。且つその事業年度末までに支拂期日の到來した金銭債務を完全に支拂つた後でなければ配当してはならないというような制限があるのであります。次に金融機関につきましては、金融機関再建整備法の規定によつて、整備の完了までは利益の配当はできないのであります。その他報告義務とか、検査等についていろいろな規定を設けておるのであります。これに対しましては、いろいろ証券の民主化、或いは会社利益に対する税金が重過ぎる。或いは株主をもう少し優遇しなければ株式の民主化というものもおこなわれないではないかというような各種の質疑があつたのでありますが、これは速記録に譲ることをお許し願いたいのであります。
 かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、日本社会党の森下委員から修正の動議が提出されたのであります。それは、本法案には経済力集中排除法案との関連の規定があるのであります。経済力集中排除法案は未だ本院において可決に至つておらないのでありますから、これらに関する規定を削除することは適当であると認めるから、左記の通り修正したいという動議であつたのであります。即ち
 一、第四條第一項中「又は経済力集中排除法第三條第一号及第三号の規定により指定された会社(以下指定会社という)」及び「又は経済力集中排除法の決定指令の内容」を削る。
 二、第四條第二項を削る。
 三、第七條第一項中、「第四條第一項」を「第四條」に改める。
 かような修正の動議が出たのであります。これにつきましては西郷委員の賛成もあつたのであります。修正案を委員会に諮りましたところ、全会一致で修正案は可決されたのであります。採決に入りまして、修正案を除き全部を全会一致で可決しました。よつて本案は修正をしまして全会一致可決いたしましたのであります。
 これを以て報告を終ります。(拍手)
#6
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより三案の採決をいたします。先ず酒類配給公團法案及び会社利益配当等臨時措置法案の両案全部を問題に供します。委員長の報告は両案とも修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#7
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(松平恒雄君) 次に未復員者給與法案全部を議題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#9
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#10
○議長(松平恒雄君) 議事の都合によりこの際日程の順序を変更して、日程第一六、警察法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。治安及び地方制度委員長吉川末次郎君。
   〔吉川末次郎君登壇、拍手〕
#12
○吉川末次郎君 只今議題となりました警察法案は、日本警察制度の根本的改革を行わんとする重大法案でございます。今委員会における審議の経過並びに結果につきまして御説明申上げたいと存ずるのであります。
 先ず法案の内容を簡單に御説明申上げます。この法案は、政府当局の言を以ていたしますれば、日本國憲法の精神に則つて新たなる民主的警察制度を確立せんとするものでありまして、その重点は警察民主化の徹底と、地方分権の強化とに置かれておりまするが、同時に警察本來の使命でありまする公安の維持及び法律の有効なる執行という面につきましても十分の考慮を拂つておると、これは政府の言うところであります。
 この法案を我々の委員会におきまして審議いたしまするに際しまして、我々委員が最も有力なる参考資料といたしましたものの一つでありまする日本警察制度改革に対して、マツカーサー元帥が去る九月十六日に片山首相に宛てられたる書幹の中に、このような言があるのを見受けるのであります。「警察力を現在の中央集権的形体において保存することは、新憲法の精神及び意図と全く相容れないものであり、民主的発展に対し害をなすものと思考する、」こういうようなことが言われております。且つ又マツカーサー元帥は同書翰の中におきまして、「戰前十ケ年間における日本の軍閥の最も強大なる武器は、中央政府が都道府縣をも含めて行使した思想警察及び憲兵隊に対する絶対的なる権力である。これらの手段を通じて軍は政治的スパイ網を張り、言論、集会の自由、更に思想の自由まで弾圧し、而して非道の圧制によつて個人の尊厳を脱落せしむるに至つたものである。日本はかくて全く警察國家であつた。この状態を認識すればこそ、警察制度はこれを改組して、貴下が(即ち片山首相が)その書翰に明瞭に述べられた如き、『過去における國家権力による警察力の濫用の根本的是正』をなさねばならないのである。この目的を達成するためには、中央集権的統制に不可分に附従する警察國家的可能性は最も注意してこれを避けなければならない。極右たると極左たるとを問わず、反民主的分子が人民の自由を警察テロ網の中に陥落せしめるような事態を再び可能ならしめてはならない。以上の根本目的は、憲法に盛られた地方自治の原則に則つて、警察制度を完全に地方に分散することによつて最もよく達成することができる。各都市及び町はその管轄区域の治安維持の責に任すべきであり、これがためには中央政府より独立したそれ自身の地方警察を有すべきものである。」というような意味のことがマツカーサー元帥の書翰の中に見受けられるのであります。
 かくて右法案は、第一に警察民主化に対する一方策といたしまして、警察を管理するがために公安委員会なる制度を採用いたしておるのでございまして、又その法律の巻頭におきまして、警察の職能の範囲を限定いたして、これを公安の維持、生命財産の保護、犯罪の捜査、犯人の逮捕に止めることとしたことが挙げられると思うのであります。
 第二番目には警察の地方分権化策といたしましては、市及び人口五千以上の市街的町村にはそれぞれ自治体警察を置くこととしたことでございます。又國家地方警察につきましても、その運営を都道府縣公安委員会の管理の下に置くことといたしておるのでございます。後程述べまするが、非常特別の場合を除きましては、我が國警察の運営は、この法律を通じまして、全く中央政府の手から離れて、地方住民の代表者の手によつて行われるということになることを内容といたしておるのでございます。
 第三番目には、このような制度の下におきまして、國内治安維持のための措置といたしましては、先ず定員三万人の國家地方警察隊を置きます。警察官の総数を十二万五千人に増加いたしますると共に、さつき申しました國家非常事態に際しましては、國内の治安維持のために特に必要なる場合、内閣総理大臣が國家及び自治体双方の警察を一括いたしまして、その統制下に置くことができるという特別の措置を規定いたしておるのでございます。
 以上が大体この警察法案の骨子とするところであるということができるかと思うのであります。
 我々の委員会は、十一月の十一日に本案の予備審査の付託を受けまして以來、前後十回に亘りまして、司法委員会とも連合委員会を開きまして、慎重審議を重ねて参りました。その間に我々は警視廳に赴き実地調査をいたしまして、警視廳当局より諸種の警察行政に関するところの問題につきまして聽取するところがあり、又千葉縣に参りまして、同縣におけるところの警察制度改革の状況を実地に調査もいたしました。或いは又別個に、参議院に公聽会を開きまして、廣く経験者、学界その他一般の意見をも聽取いたすところがありまして、これらを十分検討いたして参つたつもりでございます。
 委員会におけるところの各委員の熱心にして精細なる一々の発言の内容につきましては、時間の関係上ここに御紹介申すことは省略いたしたいと存じまするので、何卒速記録或いは会議録等によつて御覧を願いたいと存ずるのでございます。併しその中質疑応答の主なるものの二三につきまして申上げなければならないかと思います。
 一委員は、この法案の根本的観念として、警察は市町村の固有の事務であるか、或いは本來國家事務であるが、これを市町村に委任しておるところの事務であるか。どのようにこの警察法案に関して政府当局は思考するかというところの質問がございましたのに対しまして、内務大臣より、警察事務の中には観念的に本來市町村の固有の事務であるべき事務と、國家自体の事務と観るべきものとの双方がある。この法案においてはこれを当該市町村の事務としたものである。但し人口五千以下の町村等においては、その町村の態樣や実力が、本來その團体に固有すべきところのこの警察事務をも十分に行うに適当でないと認められるがために、公共福祉の増進を図るということの見地から、これを國家が本來國家事務と見るべきものと併せて、みずから行うこととするように、この法案の中に規定したのであるというような答弁がございました。又一委員から、この新警察制度によつて、國内治安の最終の責任というものは一体誰が負うものであるかというところの質問がございましたのに対しまして、内務大臣から、この法案の規定するところに従い、自治体警察を持つところの市町村の区域においては、即ちその市町村が持つのである。その他の地域は、内閣総理大臣の下におけるところの國家公安委員会と都道府縣公定委員会とがそれぞれその地域内の責任を負うべきものであり、又國家非常事態の場合は、内閣総理大臣がその責任を負うこととなる。その最終の責任という意味が、國家非常事態を布告すべき場合を考えるものとしたならば、勿論警察の最終の責任者は内閣総理大臣である。こういう答弁がございました。又一委員から、法案第一條に揚げられておるところの「公安の維持」という言葉があるが、その「公安の維持」というこの法案の文言の中には、従來の高等警察や特高警察の事務を含まないということを明示する必要はないかという質問がございましたのに対しまして、内務大臣から、「公安の維持」というのは抽象的な概念であるが、警察の任務としてはこれを具体的に詳細に規定し盡すということは困難である。そこで質問のごとき疑問が起ることを慮つて、特に第一條第二項において、警察の活動は苟くも日本國憲法の保障する言論、思想、集会等の自由及び権利の干渉に亘る等その権能を濫用することとなつてはならないということを明らかに規定した次第であるということの答弁がございました。又一委員から、この警察法によつて治安を十分に維持し得ることができるかどうかというところの質問に対しまして、片山内閣総理大臣から、できると思うというところの答弁がございましたことを御紹介申上げて置きたいと思います。
 次に、委員会におきましてのこの法案に対するところの希望意見といたしましてありましたものを又二、三御紹介申上げなければなりません。一つは、國家地方警察の管区本部の管轄区域に関する問題でございます。お手許にありまする法案を御覧下さいましたならばお分りであると思いますが、原案によりますると、全國を六つの警察管区に分けまして、警察管区本部をその六つの警察管区のそれぞれに置くこととなつておるのでありますが、その原案によりますれば、名古屋地方が大阪に、又四國の全体が廣島に所属いたしますことになつております。それは高等検察廳の管轄区域と相合致しないものであるから不便ではないか、よろしく名古屋管区及び四國管区本部というものをば、その原案に揚げられておるところの六つの警察管区以外に設けて、これを八つにするということが適当であると思うがどうであるかということの意見がございました。失礼いたしました。そういうふうに八つに殖やすことが適当であるというところの多数委員の希望意見かあつたということを御紹介申上げて置きたいと思います。併しながら諸般の情勢上、一応いろいろなことを勘案いたし、又政府当局の答弁をも承りまして、原案を認めることといたしたのでございます。又治安の維持は基本的には民生の安定である。経済生活の確保が前提である。全面的にこうした警察制度の改革に関連して、政府は更により一層治安維持と民生の安定との関連性について、十分の考慮を拂うべきものではないかということについて強い希望意見が述べられたのでございます。尚警察費に関する寄附金の問題でございまするが、警察行政に要するところの費用を民間の寄附に俟つということは、厳正公平なるべき警察権の執行に対して、國民の信用を害する憂えがあるばかりでなく、いわゆるその寄附金を通じてボス警察の暗影を與える原因ともなるものであるから、極力そういうことは避けなければならんと思う。警察制度の改革が多額の民間の寄附によつて実施されるというようなことのないよう、厳重な注意を拂われたいと、切に要望するところの声が我々の委員会において強く述べられておつたのでございます。
 かくして去る十二月の六日、政府提出案をば衆議院におきまして修正可決した旨の通知があつたのでございます。この衆議院の修正いたしました事項は多数に亘つておるのでございますが、警察制度の改革上必要且つ適正な事項といたしまして、我々参議院の治安及び地方制度委員会におきまして、予ねてこの法案の予備審査をいたしておりまする間に、関係方面と数回に亘つて連絡の上に慎重審議をいたしました結果決定いたしましたところのもの、又衆議院の委員会とも連絡いたしまして決定いたしましたものを中心といたしまして、その衆議院の修正案というものが作られておるのでございます。今その中主要なものの数項目につきまして、その概要を申上げなければなりませんが、第一には、この法律の犯罪には経済関係法規によるものを含むものとしたことでございます。又第二には、都道府縣公安委員というものは、原案によりますれば、他の職業を兼ねることはできないということになつておつたのでございますが、知事が委員の職務に支障があると認める場合の外は、他の職務も兼ねることができるように修正いたしましたこと、第三番目には、都道府縣公安委員に対しまして、新たに原案になかつたところの解職請求の規定を加えましたこと、これら我々参議院の委員会において大体基本的に修正意見として纏めましたところの意見が、この衆議院の修正案の中に加えられておるところの一つの例であります。第四には、市町村におきましては警察長と警察署長とは兼ね得ないことになつておつたのでありまするが、それを修正いたしまして兼ねることができるように規定を直しました。これも又我々の委員会の意見であります。第五には、國家地方警察官は市町村公安委員会から援助の要求がありましたときには、出動し得ることといたしましたこと。第六には、市町村警察職員の方から國家地方警察の職員となりました場合の恩給年限通産の規定を設けましたこと。第七番目には、警察用の都道府縣有の財産を市町村に譲渡するところの途を開いたこと等が、主要な修正の項目といたしまして挙げることができるかと存ずるのでございます。その他はお手許に配布されておりますところの文書によりまして御了知が願いたいと存ずるのでございます。
 本委員会は今申し述べましたところの修正案をも一括いたしまして審議いたし、討論に入りましたところ、社会党所属羽生委員、緑風会所属の鈴木委員、岡本愛祐委員、岡元義人委員、並びに自由党所属黒川委員等よりいずれも賛成の開陳がありました。次いで無所属懇談会所属の阿竹委員から、都道府縣以下の公安委員を当該自治体選挙人の公選によるべしとの修正意見が述べられましたが、採決いたしましたところ、これには他に賛成者なく否決せられました。次いで衆議院より送付の原案につきまして採決いたしましたところ、多数を以て、即ち阿竹委員を除く他の委員全部によりました多数を以て本法案は衆議院修正通り可決いたしました次第でございます。右御報告申上げる次第でございます。(拍手)
#13
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#14
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(松平恒雄君) 日程第四、漁業法の一部す改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
#16
○木下辰雄君 只今議題となりました漁業法の一部を改正する法律案の水産委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本案につきましては、十一月の十八日の水産委員会におきまして予備審査をいたしまして、衆議院からの送付を待つておりましたところ、十二月二日送付されましたので、十二月六日に水産委員会を開きまして慎重に審議をいたしましたのであります。
 先ず改正の内容を申上げますが、これは極めて簡單な改正でありまして、第一の点は、漁業法中「行政官廳」を「行政廳」に改めることとか何とかいうような字句の改正であります。第二の点は、漁業法の中に明治二十三年法律第八十四号に基ずいて罰則を附した部分がありますが、この根拠法律は昭和二十二年法律第七十二号によりまして本年の十二月三十一日限り無効となりますので、新たに漁業法の中に罰則を加えたいというのであります。第三の点は、漁業法中第三十四條第一項の規定に基ずいて地方長官の発する命令の中に規定されました罰則は、前と同じような理由によりまして本年十二月三十一日以降は無効となりますので、地方自治法の関係によりましてこれに代わるべき罰則は直接漁業法中に規定するという必要があるのであります。その三点でありますが、他の條項につきまして衆議院から二、三の修正がして参りました。それは漁業法第二十四條第一項中に「國防其ノ他ノ軍事上」という言葉があります。これを削る。第四十一條第一項中に「海軍鑑艇乗組将校」という言葉がありますが、これを削るという、この二点の修正であります。
 全部を一括して質疑に入りましたが、丹羽委員から、この罰則を改めて漁業法に規定するのならば、その罰則中五百円という罰金の額があるが、これは余りに低いじやないかというような質問がありましたが、政府の答弁は、これは單に罰則を漁業法中に設けるだけの改正であつて、やがて次の議会におきまして、漁業法の全面的改正をするから、その場合にすべてを直したいと思うから、了承せられたいというような答弁があつたのであります。その他丹羽委員、三好委員から質疑がありましたが、これは速記録を御覧願いたいと思います。
 以上で質疑を終了いたしまして、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決いたしましたところ、全会一致、衆議院の修正通り本案全部を可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告いたします。(拍手)
#17
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#18
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(松平恒雄君) 日程第五、最高法務廳設置法案、日程第六、國の利害に関係のある訴訟についての最高法務総裁の権限等に関する法律案、日程第七、最高法務廳設置に伴う法令の整理に関する法律案、日程第八、内務省及び内務省の機構に関する勅令等を廃止する法律案、日程第九、内務省官制等廃止に伴う法令の整理に関する法律案、日程一〇、建設院設置法案、日程第一一、昭和二十二年法律第百二十一号(國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律)の一部を改正する法律案、いずれも内閣提出、衆議院送付、以上七案を一括して議題とすることに御異論ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。委員長の報告を求めます。決算委員長下條康麿君。
   〔下條康麿君登壇、拍手〕
#21
○下條康麿君 只今議題に上りました最高法務廳設置法案等七件、行政機構に関する法律案につきまして、決算委員会の審議の状況を御報告申上げたいと存じます。
 最高法務廳設置法案の審議につきましては、司法委員と連合委員を開きまして、慎重に審議を遂げたのであります。この法案の内容は、大略して申上げますと、司法省と法制局を合併しまして、それに内務省の事務の一部と國の提訴に関する事項等を加えて、内閣に法務廳を作りまして、國務大臣を以てその長官として、法務総裁という名称を付けたのであります。法務総裁は、法律問題に関する政府の最高顧問でありまして、内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対して意見を述べたり、勧告をしたりする役目を持つておるのであります。大体におきましてアメリカのアトーニー・ゼネラルの制度にならつたものであります。この案の審議に当りましていろいろ質疑がありましたが、行刑事務を独立させてはどうかという質問に対しまして、これは政府としては、将來外局として独立させる見込である。尚その他に行刑委員を各地に作りまして、運営の適正を期したいというような答弁があつたのであります。
 討論に入りまして、二つの修正があつたのであります。第一は、最高法務廳のいわゆる「最高」という字がおかしい。外に高等とか簡易とか下級の法務廳がないのに、突然最高法務廳というのが出て來てはおかしいという意見がありました。この点につきましては、衆議院においてもいろいろ努力したようでありまするが、修正ができなかつたようでありましたが、本委員会におきましては、どうしてもこの点はおかしいから、是非直したいていうので、この修正をしたのであります。従いまして、「最高法務廳」「法務廳」に「最高法務総裁」は「法務総裁」というようにやつたのであります。それからもう一つは、検察長官というのがあります。次官級のものでありまするが、それはいわゆる検察官ではないのであります。にも拘らず検察長官とありますると、いかにも紛らわしいのでありまして、これも適当な名前を附けた方がいいというので、結局「検務長官」、従いまして、「検察局」は「検務局」ということに修正いたしました。
 尚その際に、少年保護に関する事項につきまして、この法務廳の規定を見ますると、誠に難解でありまして、幾分疑惑を生ずる虞れがありますので、研究いたしました結果、罪を犯した少年の矯正は、これは法務廳所管であるが、その他の少年の保護につきましては、これは厚生省所管である。従いまして、「私立矯正施設の廃止」ということが書いてありまするが、これは法務廳所管の問題に止まつて、厚生省所管の保護事業に及ばないということが明らかとなつたのであります。
 次の法案、國の利害に関係のある訴訟についての最高法務総裁の権限等に関する法律案というのは、國を当事者又は参加入とする訴訟について、法務総裁が國を代表する権限があるということが書かれてあるのであります。
 又最高法務廳設置に伴う法令の整理に関する法律案、これは司法省、法制局廃止に伴います法令の整理でありまして、いずれも適当な法案でありまして、これらはすべて全会一致を以て可決したしたのであります。
 次に内務省及び内務省の機構に関する勅令等を廃止する法律案、これは今回内務省を十二月三十一日限り廃止しまするので、内務省官制、戰災復興院官制等を廃止いたしまして、その仕事は大体各省に振り分けまするが、どうしても内務省に残る仕事がありますので、その部分は、内務省に内時局というものを設けまして、そこに臨時的に、九十日の期間を超えない程度におきまして、残して置くということであります。
 内務省官制等廃止に伴う法令整理に関する法律案は、内務省の官制の廃止に伴う土地収用法等の関係のいろいろな條文の整理でありまして、これもいずれも適当な法案として、全会一致可決いたしたのであります。
 次に建設院設置法案の審議につきましては、國土委員会との連合委員会を開いたのであります。この法案はなかなかいろいろ問題があつたのでありまするが、要するにこの法案は、内務省の廃止に伴いまして、國土局と戰災復興院とを合せて一つの建設院を作ることにいたしたのでありまするが、省にしてはどうかという意見が可なり強かつたのであります。併しながら、取敢えず内務省の解体に伴う臨時の措置であるといたしまして、将來は大規模な國土建設事業に関する省を設くることを予期いたしまして、取敢えず暫定的の措置として、この小規模な建設院で先ず我慢をして置くということにいたしたのであります。従いまして、條文を見ますると、随分不備な規定が沢山ありまするけれども、余り修正などをいたさないで、そのままにして置きまして、将來大規模な建設省を作るという下に、この案に賛成をいたしたのであります。従いまして、かような点につきましては、請願とか陳情が随分参つておりまして完全な廣範囲な國土建設機関を作つて貰いたいという要望が強かつたのであります。又委員会におきましては、建設行政の最高審議機関として建設院に建設審議会を作つて貰いたいという強い要望があつたことを申添えて置きたいと存じます。尚決算委員会に置きましては、いろいろ政府から行政機構に関する法案が出て参りますけれども、その間に連絡もなく、又極めて不備な法案が出て來るのであります。又考え方が極めて官僚的である虞れもありますので、次の國会におきましては、この行政機構に関することを政府の手を持たないで、國会において積極的に自主的に一つの案を作つて見たいという希望が非常に強く起こつて参りました。いずれ適当の機会におきまして本來の調査研究に関する御承認を得まして、かような段取りに進みたいということに委員会としては一致して希望いたしておるのであります。(拍手)
 最後に昭和二十二年法律第百二十一号即ち國家公務員法に関係する規定でありまするが、この規定は臨時的に従來の規定によるということになつておりまするが、そこに「官吏」とありまして、「政府職員」が抜けておりましたので、これは補充する必要がありますので、臨時にこの点を附加えるということにいたしたのであります。これもいずれも全会一致を以て可決いたしたのであります。以上を以て決済委員会の報告を終ります。(拍手)
#22
○議長(松平恒雄君) これより七案の採決をいたします。先ず最高法務廳設置法案、國の利害に関係のある訴訟についての最高法務総裁の権限等に関する法律案及び最高法務廳設置に伴う法令の整理に関する法律案の三案全部を問題に供します。委員長の報告は三案とも修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#23
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#24
○議長(松平恒雄君) 次に内務省及び内務省の機構に関する勅令等を廃止する法律案、内務省官制等廃止に伴う法令の整理に関する法律案、建設院設置法案、昭和二十二年法律第百二十一号(國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律)の一部を改正する法律案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#25
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて四案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#26
○議長(松平恒雄君) 日程第一二、横須賀港を開港に指定する等の法律案、日程第一三、都会地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案、いずれも内閣提出、衆議院送付、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。國土計画委員長赤木正雄君。
   〔赤木正雄君登壇、拍手〕
#28
○赤木正雄君 只今議題となりました横須賀港を開港に指定する等の法律案に対する委員会の審議の状況並びに結果を御報告申上げます。
 この法案の内容は、横須賀、和歌山、下津、田邊、呉、廣島、坂出、新居濱、小松島、岩國、徳山下松、佐世保、舞鶴、酒田、稚内の諸港を開港に指定せんとするものでありますが、従來開港は関税法第九十九條に基ずく委任勅令によつて指定して参つたのであります。併し新憲法の施行に伴つて港域と共に法律によつて指定することを適当と認め、本法案を見るに至つたのであります。審議に当りまして、一委員から、いずれも港域が相当廣範囲に亘つておるため、港域に河口を持つ河川の改修施行上に制限を受ける虞れがないかとの質問に対して、これは関税を対象とするものであるからその憂いはない。又和歌山と下津を一つにした理由は如何との間に対しまして、現在下津が貨物の輸出入に主役を果しているが、和歌山も又港湾の修築と共に相当の輸出入を見るのは明らかで、この際和歌山、下津を一連として考えるが適当であるとの答えでありました。かくて討論に入りまして、別に異議もなく、今後外國貿易に大いに期待すべき我が國情に照らしても、この法案は全会一致を以ち可決すべきものと決定いたしました。
 次に都会轉入抑制緊急措置令を改正する法律案に対する委員会審議の状況を申上げますと、戰災によつて食糧並びに住宅に著しく不足を來しておる都市に人口の無秩序な増加はますます各種の混乱を助長いたしますから、都市轉入抑制緊急措置令を全國人口十万以上の戰災都市の中二十五都市に対し、各種の事情が好轉の場合は漸次抑制を解除するという前提の下に、二十一年三月一日から公布実施して來たのでありますが、この暫定措置もその後の実情に照して、二十一年五月、九月、十一月及び本年三月の四回に亘りまして延期して参りましたが、併しこれは本年の十二月三十一日まで継続することになつていまして、有効期限も目前に迫つた今日、各種の状況を考えて、ここに改めて本法案の提出となつたのであります。
 本法案の内容は、現行の都会地轉入抑制措置例を骨子とするものでありますが、特に注意すべき点は、その改正の一つとしまして都会地轉入抑制緊急措置令に定むるものの外に、第二條第二項の期限附轉入許可の條項を追加した点、即ち従來の経緯に鑑みまして、轉入許可に際して、一定の期限を附することができ得るようになつたことであります。これは特殊の勞務者とか、或いは各種短期講習会又は指定都市周辺に災害等の起こつた場合等、特別な而も止むを得ない理由のある者には、特に期限を限定して轉入を許可するものであります。次に改正の二点といたしまして、指定都市の範囲でありますが、食糧、住宅、交通等の状況、復興の程度、過去における抑制の実情等を総合的に考究しまして、東京都の特別区の存する区域、横濱市、川崎市、横須賀市、京都市、大阪市、堺市、布施市、神戸市、尼崎市、和歌山市、下関市、福岡市、八幡市の十四の都市を指定したこの二つの点であります。かくて質疑におきまして、この法案は昭和二十三年の十二月三十一日まで効力を発生するが、若しその間に轉入可能の状態に復興した都市に対してはいかに処置するかとの問に対して、政府は、現在の状況ではなかなかそのような見込はないし、又好轉の場合には運営のよろしきによつて遺憾なきを期するとかく申しております。又この法律の有効期限後にはいかにするかとの問に対しては、そのときは改めて法律によるとの答でありました。尚本案の中に記載してある「建設院設置法の一部を次のように改正する。」のこの一項でありますが、これは建設院がまだ設置されていない今日においてはこれを削除すべきであると修正しました。このことは衆議院においても同様に修正され、又政府も建設院が設置されていない今日、当然の修正と認めまして、かくて一部修正の上、戰災都市の現状においてはこの法律も止むを得ないものとし、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。以上御報告いたします。(拍手)
#29
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#30
○議長(松平恒雄君) 総員起立認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。これにて午後一時まで休憩をいたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十四分開議
#31
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。
   〔「定足数不足、違法なり、注意」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(松平恒雄君) 日程第一四‥‥
   〔淺岡信夫君「定足数にみたいないように思いまするが、一つ数をお読みになつて頂きたいと思います」と呼ぶ〕
   〔あります、あります」と呼ぶ者あり〕
   〔「ぼんやりするな」と呼ぶ者あり〕
   〔「休憩々々」「進行々々」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(松平恒雄君) 暫らく休憩をいたします。
   午後一時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十一分開議
#34
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続きこれより会議を開きます。日程第一四、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、日程第一五、農地調整法の一部を改正する法律案、いずれも内閣提出、衆議院送付、以上両案を一括して議題にすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。尚両案については少数意見の報告書が提出されております。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。
   〔楠見義男君登壇、拍手〕
#36
○楠見義男君 只今議題となりました自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案及び農地調整法の一部を改正する法律案につきまして、一括して委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 御承知のように本件二法律案は、農地改革の一環としての措置でございまして、即ち農地改革によつて庶幾いたしておりまするところの耕作農民の農業経営上の安定、農業生産力の増進を更に一層確保するために、今回新たに必要な措置を講じますると共に、農地改革進行途上の従來の経験に徴して、農地改革本來の趣旨を法律の規定上明確ならしむる等のための補充的改正をなすことをその趣旨としておるのでございまして、内容の主なるものは、第一に、有畜自作農の創設及び土地の集約利用を促進する目的を以て、大体従前の農地開放とほぼ同樣の構想の下に、新たに牧野の開放を行わんとするものでございまして、政府の推算によりますと、買収を予定せられておりまする面積は、既ね北海道において十万町歩、内地において十万町歩、合計二十万町歩でございます。又いわゆる在村地主として保有を認められる小作牧野は、北海道においては一町歩、内地は平均三段歩でありまして、自作牧野の限度は、農地と併せて、北海道では平均二十町歩、内地では平均五町歩、最高限度は四十町歩でございます。第二の改正点は、未墾地買収関係の規定の改正でございまして、即ち現在は開拓用地のみを対象としておるのを大規模な土地改良事業の施行上必要な用排水路の敷地等についても、買収又は使用をなし得るよう拡張し、以て國営土地改良事業の円滑なる実施を期すると共に、買収又は使用予定地域と指定せられました区域内における一定の行爲を制限すべき制度を新たに設けておるのであります。その理由は、未墾地買収につきましては、買収を慎重にするために、買収に先行して適地調査が行われるのでありますが、この調査期間中、土地の轉賣、立木の伐採等の行爲がとかく行われ勝ちでございまして、従來いろいろと支障を來しておる実情でありますので、これらの行爲を都道府縣知事の許可制度といたしておるのでありまして、勿論この指定によつて通常生ずべき損失につきましては、政府がこれを補償することといたしておるのであります。第三点は、農業経営上当然必要な自家用薪炭林、放牧、採草地等につきまして、耕作者の有しておる使用権の保護を図るために、貸主が使用権に関する契約の解除、解約又は更新拒絶をなす場合には、農地と同様に農地委員会の承認を必要としておることが一つ、その二つは、農家が薪炭林、採草地等の利用を必要とする場合において、土地の権利者との間に円滑な協議を整えさせまするために農地委員会の介入を認め、或いは又協議が整わなかつた場合における委員会の裁定を認めておるのであります。尚この新しい使用権の設定については、特に慎重を要しまするので、特別の制限規定を設け、農地委員会の介入に当つても、特に森林組合、牧野組合、その他関係團体の意見を聽かねばならんことといたしておるのであります。第四点は、小作料代物弁済の廃止でありまして、現行法におきましては、或る特定の場合、即ち小作料の支拂期が過ぎて、小作人の発意による場合は、金納によらずして、代物弁済即ち物納が認められておるのでありますが、これは本來農地改革実行上の短期間の経過的規定でありますると共に、今後これを利用しての脱法行爲の余地なからしめるために、今回これを廃止せんとしておるのであります。改正の第五点は、全体を通じて、土地買収にいたしましても、或いは土地引上げの問題にいたしましても、昭和二十年十一月二十三日現在の事実に遡及することは既定の確乎たる方針でございますが、現行法におきましてはその点が明確を欠き、或いは解釈上疑義を生ずるような個所も少くないので、それらの点を法文上明確にいたしますると共に、正当の理由に基ずく土地所有者の地位保全の途をも図つておるのであります。
 以上が法案内容の主なるものでございますが、衆議院におきましては自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案について一部修正を加えておるのであります。即ちそれは農地買収に当りまして、電氣事業者が従來その土地の上に、権限に基ずいて例えば電線路の施設の用に供しており、或いは賃借権、使用賃借権、地上権等の対象としておる場合に、買収後にその権利保全による電氣事業の安定を確保いたしまするために、政府提案の原案におきましても新らしい一つの規定を設けまして、従來のそれらの権利は引続いてその土地の上に賃借権の設定あるものとする法律上の擬制をいたしておつたのでありまするが、その権利の内容は賃借権というよりは地役権とする方がむしろ事実に合しておりまするし、登記その他の場合にも便宜でありますので、地役権と改むる趣旨の修正が行われたのであります。而してこの修正は当然且つ妥当と認められておるのであります。
 次に本件に関する質疑応答の概要について御報告申上げます。前にも申述べましたように、本件は我が國農村民主化の基本的要件でありまする農地改革の一環としての重要法案でありまして、同時に又現に農村各地において農地改革進行途上、政府は概ね順調に行つておると称しておりまするけれども、而も尚いろいろの問題を提起しておることは御承知の通りでありまして、従つて委員会といたしましても前後十回余に亘り慎重審議を重ね、特に現情に対する十分なる検討と鋭い批判を加えることが、結局今回の改正法案は勿論、全体としての農地改革今後のより一層円滑且つ適切なる運営に質する所以でありまするので、この観点に立つての質疑が数多く行われた次第であります。今その一つ一つを御紹介申上げることは時間の関係上到底許されませんし、而も質疑の中で事の軽重を区分することも亦困難ではございますが、特に数項目についてのみ御披露いたしたいと存じます。
 先ず第一の問題は、農地委員会の構成及びその運営に関する問題であります。御承知のように農地改革実行の中樞的役割を果すものは、この農地委員会、特に市町村農地委員会でありますが、この委員会の構成に関して、地主的旧勢力が尚温存せられ、運営又農地改革初期の成果を挙げる上において不充分であるとする見方と、従來の小作人勢力が強く、従つてその運営又行き過ぎの幣ありとする見方との、二つの相反した観点からする質疑が行われたのでありますが、政府のこれに対する答弁は、農村における各階層の利益代表者を妥当ならしむる構成としては、現在のごとき構成が適当であり、その運営についても、今回の改正法において委員会の議決が法令に違反し又は著しく不当なるときは、都道府縣知事はこれを再議に付せしめ、その結果尚違法或いは不当の場合は、府縣、中央とそれぞれ上級の農地委員会に対して議決の取消を請求し得る途を開いたが、その他通常の運営に関しては今後も十分指導を加え、その事務機構も充実せしめたいということでございました。
 次に地主の不当土地取上げに関する問題につきましては、政府は改正法案において、昭和二十年十一月二十三日現在の状態に遡及いたしまして、旧小作人の権利の保護を図ると共に、一面信義誠実の原則に反した小作人側の要求はこれを保護しない旨を明らかにしておるのであります。尚この土地取上の問題に関して、現在小作調停法が地主に悪用せられておるので、これを廃止するの意図なきやとの質問に対して、政府は、小作調停法はまだ廃止の域には達しておらない。但し調停委員については事情に明るい練達の人を入れることに農林、司法両省間に協議済みであるとの答弁がございました。又政府の土地買収價格の問題につきましては、金納小作料の額の問題と共に、現在の経済事情に照して余りにも低額であり、地主特に中小地主を死地に追込むものであるとする観点からの質疑と、偉大なる民主主義革命の行われた今日の状況において、旧來の不勞所得たる地價に対する批判的観点からする質疑がこもごも行われたのでありますが、これに対する総理大臣及び政府委員の答弁は、結論として、土地買収價格及び金納小作料の額の変更は困難であり、又農村民主化の根幹たる耕作農民の経営保護乃至安定を図るためには、買収價格の引上げの問題も、或いは又地代の観念も、従來の考え方とは全く異なつた新しい観点から見直して頂きたい。又地主の方も大きな制度の改革による犠牲として忍んで貰いたいとのことでございました。次に政府の農地買収及び賣渡しに伴う公租公課、土地改良費その他の負担区分の問題でありますが、登記の関係等からいたしまして、買収期日以後に旧所有者の地租或いは家屋税が賦課せられた場合は、その後の政府の賣渡時期に応じて、税金額の全部又は一部をそれぞれ政府或いは農地の買受人から旧所有者に返還をせねばならんことが改正法上明らかにせられました外、買収前の土地改良費、水利組合費等につきましても、地主、小作人間における適当なる負担の調整を、農地委員会をして斡旋せしめるという政府の方針が明らかにせられたのであります。
 以上の質疑の外、農地証券に対する担保力、都市計画地域内における農地買収の問題、その他いろいろありましたが、遺憾ながらこれを割愛いたします。
 かくて質疑終了後討論に入りましたところ、先ず共産党を代表して板野委員から、本案は牧野解散、自家用薪炭林、採草地等に対する使用権の設定、保護に関しては一進歩であるけれども、その他は事務的改正に過ぎず、依然として不徹底な農地改革によつて眞の農民開放、農村民主化が遅らされておるとの立論の下に、全小作地の解放、土地買収價格に関して、一定面積以上の場合の報奨金の廃止、小作料率の減額、小作調停法の廃止、農地委員会の構成を改めること等の問題について、具体的に各條文に亘つて修正意見が提案されたのでありますが、その内容につきましては、後程板野委員から少数意見として御報告があるようでありますから、ここでは省略いたします。次に藤野委員から、本案には賛成である。併し農村民主化の基本的原則たる農地改革の円滑適正なる実行に当つては、従來の経験に徴して、政府は余程反省し、又その善処を要望すべき事項が多い。而してこのことは單に保守的乃至現状維持的観点からではなくして、いかにしてうまく実行せしむるかという建設的な観点から必要であつて、要は関係者全体をして眞に協力的ならしむることが必要である。そのためには制度の犠牲者は犠牲者として、漫然政府は何らの措置をも講ぜず放置するようなことがあつてはならず、これらの人々に対して適切な生活補導、その他農地証券担保金融の必要、買収代金中現金支拂部分の是正、買収價格及び小作料の是正、農地改革事務機構の充実、自作農の維持等数項目に亘つて、具体的事例を以て政府の善処方要望の意見の御開陳がございました。
 討論終結後、本件二法律案を一括議題に供して採決に付し、先ず板野委員提出の修正案を付議いたしましたところ、右修正案は少数を以て否決せられ、結局大多数を以て本件は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
#37
○議長(松平恒雄君) 少数意見者から報告することを求められております。報告時間は十分間に制限いたします。板野勝次君。
   〔板野勝次君登壇、拍手〕
#38
○板野勝次君 土地問題に関するこの二つの法律改正案は、そのいずれもが極めて不徹底な改正案であつて、選挙の際における日本社会党の公約であり、又日本農民組合の決議事項でもある第三次農地改革と言われる土地問題の民主的諸要求さえもが実現されてはいないのであります。これは社会党の議員諸君が最もよく御承知の事柄であります。
 講和会議を前途に控え、世界の輿論の支持を受け、我が國を破滅より救い、民主的再建の上に大きな支援と信頼とを得る前提は、実にこの國の隅々までに眞に民主化を徹底し、軍國主義及び封建的残存物の最後の一片までも掃滅し去る大事業の達成にあることは、何人も否定することのできないものであることを確信いたします。
 この観点から農村を眺めるとき、何が農地改革の推進を阻み、誰が農村の民主化を妨げて來たかは、耕作農民諸君が身を以て体験し來つたところであります。
 然るに保守勢力に追随する片山政権は、この改正案に僅かに牧野の解放と、薪炭林、採草地、放牧地の使用権保護の原則を盛つたに過ぎなかつたのであります。これは確かに一歩前進に相違ないが、その他の点については、現行法実施上の不備或いは他の法律改正に伴い生じた必要に基ずく事務的改正に終つているのであります。今回の改正を機会に取上ぐべきであつた土地改革徹底化の金を、すり替えるに巧みなメツキを以てしたといつても過言ではないと存ずるのであります。この企てに、私は農林委員会において、日本共産党を代表して、次に述べる諸原則を附け加える修正案を提出したのでありました。即ち、自作農創設特別措置法の一部改正法律案の修正要点の第一は、在村地主所有の一町歩を認めず、全小作地を解放すること。従つて農地所有者が所有する小作地は政府がこれを買収し、この農地の外、自作地で、その者の営む耕作の業務が適正でない者の所有する自作地の面積が、北海道にあつては十二町歩、都府県にあつては概ね三町歩程度を超える場合、及び自作地で自作農以外の者が、請負その他の契約に基ずいて耕作の業務の目的に供しておるもの等も買収の対象とするのであります。その理由は、第二次農地改革においては、封建的土地所有が目的であつたので、不在地主の土地は全部買収することになつたのに、不在地主については一町歩、北海道四町歩の所有を認めて、依然として地主制度を根絶しなかつたでありませんか。一町歩の耕地の小作料では、在村地主と雖も生活を維持して行けないことは最早明らかであります。この化け物地主の存在こそ誠に怪しげな存在でありまして、この一町歩の地主の存在を許すことは、将來の土地所有の足場を残して置くものであります。これは現に地主の反動攻勢の拠り所となつておるのであります。この農村民主化を妨害する勢力の拠点を、この改正により止めを刺すべきでありました。この止めを刺す我が党の修正案の提議に賛成されなかつた私以外の多数意見者は、今後いかなる意図、いかなる企らみを持つておるかは言わずして明らかでありましよう。
 修正点の第二は、全小作地解放の実施は、昭和二十年九月二日降伏調印の日に遡及することであります。農林省は、終戰後一ケ年間における地主の土地取上事件は約二十五万件を超えると推定し、第二年目の昭和二十一年八月十五日から二十二年五月三十一日までに、大凡二十万件を超え、そのうち地主の要求の全部又は一部が通つたのもが約七万件あると見積もられると発表しております。これに不思議はないので、耕作権は不安定であり、いろいろな抜け道があり、市町村農地委員会が自作を適当と認める場合が全國的に横行しておるのでありますから、合法的又は非合法的土地取上の多かつたのは必然でありました。従つて現行法によれば、終戰後一ケ年間に二十五万件に達する土地取上の大部分を容認し正当化するので、降伏調印の日に遡及する必要があるのであります。
 修正点の第三は、地主への報奨金を全廃する点であります。土地買上げの際、農地面積が一定面積を越える場合の報奨金は当然全廃さるべきものであります。地主はただ土地所有の名義を持つていただけで、収穫物の半分以上も現物で取上げて來た以外には何ら農業に寄與するところがなかつたのみか、日本農業の発展を阻害して來た寄生地主が、或る一定限度以上の土地を持つておるという理由で、その買収に当つて超過部分に対して特別に報奨金を出して優遇する必要は断じてないと存ずるのであります。
 次に農地調整法の一部を改正する法律案の修正要点でありますが、第一は、小作調停に関する事項の全面的削除と、最高小作料を田畑共に一割に減額する点であります。小作調停法は現に地主の土地取上に悪用されておる事実に照して、改正農調法の附則で小作調停法廃止を規定すると同時に、小作調停に関する事項は全面的に削除されなければなりません。尚小作料については金納制が完全に確立されたことは一進歩でありますが、小作料率の「田ニ在リテハ二割五分、畑ニ在リテハ一割五分」はそのまま据置となつておるのであります。無爲従食して農業の発展に寄與するところ少く、祖先傳來の田畑を継承して搾取をほしいままにして來て、その味を忘れられないその心根は、誠に哀れでさえあるのでありますが、他の企業利潤等に比較して、田畑共一割に減額してもまだ高過ぎはしても安くはないのであります。
 修正の第二は、不耕作地主を排除するために、市町村農地委員及び都道府県農地委員の構成を変更する点であります。農林省調査、昭和二十二年八月末現在の市町村農地委員会長の階層区分では、小作会長の数が二五・八%地主会長の数が三七・九%、自作会長の数が三四・三%、中立が二%となつておる点よりいたしましても、会長構成数の比率が地主会長が第一順位を占め、この点よりしても地主勢力が強く農村に根を張り、土地改革をいかに地主側に有利に導きつつあるかを雄弁に物語つておるのであります。そこで、この不耕作地主を委員中より排除し、市町村農地委員会の場合は、小作農委員五名を七名に、地主兼自作農委員三名を一名とし、自作農委員二名はそのままとする。都道府県農地委員は、小作農委員十名を十四名、地主兼自作農委員六名は二名に、自作農委員はそのままとした修正を加えて、小作農の農地委員会における比重を重くするごとく修正するのであります。
 修正の第三は、附則において昭和二十年九月二日以後の農地の賃貸借の解除、若しくは解約又は更新の拒絶は、これを無効とし、但書として、市町村農地委員会が別に省令の定むる所によつて再審議した結果、眞に止むを得ない理由があると認めるときは、この限りでない旨の規定を設け、且つ小作調停法廃止を規定して、この悪法を廃止する点であります。
 以上が修正案の骨子でありますが、これは我が党の最小限修正案でありまして、農村民主化を望む人々には何一つ反対すべき余地なき程のものでありまするが、社会党の委員諸君の一部の賛成さえも得ることができなかつたのは、不思議にさえ思われるのであります。この我が党の修正案を少数意見として本日ここに報告しましたが、必ずや我が國の農業革命完遂のために悩む議員諸君の良心に触れずにはいないでありましようし、この意見は議会外の勤務大衆諸君の大きな支持を受けずにはいないでありましよう。今日の少数意見は他日必ず多数意見としてこの議場で採択される日の到來することを確信いたしまして、報告を終ります。(拍手)
#39
○議長(松平恒雄君) これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#40
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#41
○議長(松平恒雄君) 日程第一七、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、これを議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員会理事鈴木直人君。
   〔鈴木直人君登壇、拍手〕
#42
○鈴木直人君 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、本委員会の審議経過並びに結果について御報告申上げたいと存じます。
 政府の説明によれば、最近の社会情勢に鑑み、いわゆる官公吏の生活補給金について再検討を加え、協議を重ねた結果、地方議員については、一般官吏と同樣、取敢えず給與の一ケ月分、総額約二十三億五千万円の特別手当を支給するものとして、その地方費負担額約十八億四千万円が所要となりましたので、これが財源として止むなく府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人当り平均賦課税を、先に本國会において可決いたしましたところの府縣民税「百八十圓」を更に「二百四十圓」に、及び市町村民税「百二十圓」を更に「百六十圓」に引上げることとして、これが法案を提出したという政府の説明であります。
 本委員会は慎重審議いたしましたが、その節なされましたる質疑応答の主なるものについて次に申上げます。公吏の待遇改善の経費を住民税のごとき大衆課税とすることは適当ではない。又一旦國会の議決を得たる法律案を、國会通過後数日を経ざるうちに更にその改正案を提出することは不適当ではないか。更に引揚者、復員者、その他の戰災犠牲者に対する課税の減免につき、この法律の中にはつきり規定しておいた方がよいと思うが、政府はいかなる見解を有するか等の質問があつたのであります。これに対して、大蔵大臣から、公吏の待遇改善の経費は、できる限り従來の方針により國庫においてその大部分を負担したいと考えたが、國の財政も財源難のため、止むを得ず住民税にその財源を求めた次第である。又國会において一旦可決された法案を数日たたないうちに再び改正するがごとき変則的な提案は極力避けたいと考えて、いろいろ苦心して、関係方面にも努力したが、諸般の情勢上止むを得ず提案した次第でありまして、将來はかかることなきよう十分注意するつもりである。又引揚者、復員者等に対しては、負担能力なき者に対する課税の減免措置は、十分御趣旨に副うよう処置する方針である旨答弁がありました。
 かくして討論採決に入りましたところ、自由党所属黒川委員及び緑風会所属岡元義人委員並びに無所属懇談会の阿竹委員より賛成意見の開陳があり、次いで全会一致を以て本法律案は可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
#43
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#44
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#45
○議長(松平恒雄君) この際日程の順序を変更して、日程第一八より日程第二一までの請願、及び日程第四四より日程第四六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文教委員長田中耕太郎君。
   〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
#47
○田中耕太郎君 只今議題となりました文教委員会関係請願並びに陳情七件に関しまして、委員会の審議につきまして御報告申上げます。
 第一は請願百九十七号でありまして、熊本薬学専門学校が戰災に罹りましてその施設の大半を焼失いたしました。その復興が急速に必要とせられておりますので、この点に関する請願でございます。第二は、請願第四百十四号でございまして、國立大阪療養所拂下げに関する請願でございます。これは大阪府貝塚市所在に厚生省所管の療養所が二ヶ所ございまして、この一ヶ所が余り十分利用されていないので、一ヶ所だけを新学制実施のための学校に使用したいという請願でございます。この二つは、類似の場合も他に多々あるかと存じまして、委員会におきましては、類似の場合を同じように取扱うという方針を以て審議いたしましたのでございます。それから第三の請願は、六・三制教育制度完全実施に関する請願でございます。第四もやはり同様の請願でございます。第五の請願は、公立学校人件費を全額國庫負担にすることに関する陳情でございます。これは現在御承知のように、公立学校につきましては人件費が府縣の負担になつております。これはその結果といたしまして、給與の平均額が甚だしく不均衡になつておりますし、又支拂い困難な所もあるというわけでございまして、この点全額國庫負担にしたいという請願でございます。第六は、新制高等学校実施促進に関する陳述でございます。これは新制高等学校の実施年度が、まだはつきりいたしませんために、教育界に混乱と憶測を生じておるので、文部当局にはつきりその時期を明示してくれという陳情でございます。第七は陳情第六百十四号でございまして、勤勞青年教育の定時制高等学校設置に関する陳情でございます。
 以上の請願並びに陳情の趣旨は、大体におきましていずれも理由ありと認めまして、全会一致、会議に付して採択すべきものと決定いたしました。又意見書を附して内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上を以て御報告を終ります。(拍手)
#48
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を願います。
   〔起立者多数〕
#49
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに決定せられました。
     ―――――・―――――
#50
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第二二より日程の第三七なでの請願及び日程第四九より日程第五三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員会理事小野哲君。
   〔小野哲君登壇、拍手〕
#52
○小野哲君 只今議題となりました請願二十件、陳情五件の運輸及び交通委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。小委員会は公報掲載の通り数回開催をいたしまして、紹介議員の熱心な説明があり、これに対しまして、政府委員の詳細な答弁、説明等がありまして、慎重審議いたしましたが、詳細は関係書類で御覧願うこととし、ここでは簡單に御報告いたしたいと存じます。
 先ず海運関係の請願六件、陳情二件から申上げます。港湾の格付と申しまするか、第一種、第二種重要港湾並びに指定港湾の区別の仕方については、これに伴う港湾工事の施行及び費用負担の関係等がありますし、かたがた政府において十分諸般の関係を調査整備したい意向であるということであります。
 請願第百二十七号及び請願第百四十四号の中央氣象台牛深出張所新設に関する請願二件は、この地方には海洋に関する観測施設がないため、内外出漁者及び附近航行船舶は非常に不便を感じておりますので、土地と建物とは寄附するから、牛深町に、中央氣象台の出張所を設置せられたいというのでありまして、趣旨尤もと考えられますので、審議の結果、内閣に送付することに決定いたしました。
 請願第三百号、油津港を第二種重要港湾編入並びに貿易開港場指定に関する請願は、油津港は貨物の集散も多く、港掃も改修中で、将來性があるから、願意は大体妥当と認めまして、内閣送付と決定いたしました。
 請願第二百五十六号、関門港に外國貿易船の入港促進に関する請願は、関門港を輸入食糧の陸揚地、賠償物件の積出港等に指定し、又掃海及び沈没船の引揚徹底実施並びに航路標識の増設を図られたいというのでありまして、これが実現を期せられたいとの希望を附して、内閣送付と決定いたしました。
 請願第三百六号、横須賀開港指定促進に関する請願につきましては、すでに本院にも法律案として送付になつておりますようなわけで、願意妥当と認め、内閣送付と決定いたしました。
 請願第四百六十四号及び陳情第四百三十七号の若松港を第一種重要港湾に編入することに関しては、この港は重要港湾であるのに拘わらず、四つの港域に分れ、任意に経営せられつつあるから、これを第一種重要港湾に編入して、総合的に計画整備し、港湾行政も一元的に運営せられたいというのでありまして、審議の結果妥当なものとして、内閣送付と決定いたしました。
 陳情第三百三十八号造船技術の振興方策に関する陳情は、我が國海運の本格的再建を図るためには、造船技術の画期的進行を期する必要があるから、船舶技術の中央審議機関の設置、その他研究機関の整備並びに技術研究意欲の昂揚等につき、有効適切な措置を講ぜられたいというのでありまして、審議の結果は大体この線に沿うて願意の実現に努力せられたいとして、内閣送付と決定いたしました。
 引続いて請願第四百三十六号十三件、陳情第五百三十六号外二件の陸上交通に関する請願陳情の委員会におきましての経過及び結果を御報告いたします。
 先ず請願第四百三十六号姫路、播磨新宮、若櫻間に國営自動車の運輸を開始することに関する請願、同じく第四百七十三号山陽本線柳井、岩國両駅間に國営自動車の運輸を開始することに関する請願、第五百三十号佐原、城東間の栗源より山倉、常磐村に國営自動車の運輸開始に関する請願は、いずれも請願にかかる地方の交通の需要に対し交通機関の整備が著しく遅れていると認められますので、成るべく速かに自動車交通機能の充足を図ることが必要であるとし、これを内閣に送付することを要するものと議決いたしました。
 次に請願四百四十号、同じく四百八十九号、同じく五百九十三号、陳情第五百三十六号はいずれも大糸線全通促進に関する件でありまして、これはすでに採択になりました請願第三百二十六号と同一趣旨でありますので、これを採択することに決定いたしました。
 次に請願第四百四十二号上毛鉄道水害復旧に関する請願でありまして、政府におきましても急速復旧の必要を認め、適当な措置を講じつつある由でありまして、これを内閣に送付すべきものと議決いたしました。
 次に請願第四百九十三号上野、土浦及び平両駅間の電化に関する請願は、すでに採択になりました請願第百四十二号と同一趣旨でありますので、これと同様に採択のことに決定いたしました。
 次に請願第五百七十四号釜石線全通促進に関する請願でありますが、僅かの区間が残つておるばかりでありますので、成るべく速やかに工事を完成すべきものとして、これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。
 次に請願第五百八十四号膽振國富内、十勝清水間鉄道敷設促進に関する請願でありまして、これはすでに採択になりました請願第百八十九号と同一趣旨でありますので、同請願と同じく分岐点を十勝、清水と限定することなく、單に鉄道建設を急ぐという意味で採択いたしました。
 次に請願第三百五十五号は四國循環鉄道開通促進に関する請願でありまして、林産物、水産物等の資源が豊富であるのに拘わらず輸送力が甚だしく不足しておるから、速かにこれが循環鉄道の完成を実現せられたいというのでありまして、願意妥当と認め採択することにいたしました。
 次に陳情第四十五号高崎、熊谷間に電化工事を実施することに関する陳情は、すでに採択されました請願第三十六号と同一願意でありますのでこれを採択するものと決定いたしました。次に請願第四百七十四号國鉄電氣工事独占解放に関する請願は、政府においてもその方針で進みつつあるという説明でありまして、これを内閣に送付するものと議決いたしました。
 次に請願第四百九十九号千葉、成東両駅間電化促進に関する請願でありますが、電化は別として、本区間は旅客輸送が甚だしく混乱しておる点に鑑み、成るべく速かに輸送力を増強することとし、これを内閣に送付すべきものと議決いたしました。
 次に陳情第六百五号東京、鹿児島間の急行列車を復活することに関する陳情でありますが、願意至極尤もでありますし、又政府においても考慮する旨の説明があり、全員一致これを内閣に送付するを要するものと議決いたしました。
 以上簡單ながら御報告申上げます。(拍手)
#53
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#54
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。
     ―――――・―――――
#55
○議長(松平恒雄君) この際日程の順序る変更し、日程第四〇より日程第四三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員会理事鈴木直人君。
   〔鈴木直人君登壇、拍手〕
#57
○鈴木直人君 只今議題となりました陳情四件は内容が類似しておりますので、便宜一括して本委員会における審議経過並びに結果について御報告申上げます。
 先ず國縣税の市町村委譲に関する出雲市長森山繁樹君外五名提出の陳情及び地方財政の健全化に関する香川縣知事増原恵吉君提出の陳情、並びに戰災都市復興対策に関する姫路市長石見元秀君提出に係るもの三件について申上げます。これはいずれも地方財政の窮乏を愬え、適当確実なる財源の確保を要求しておるのであります。
 次に警察事務を市町村にむ移管することに関する京都市長神戸正雄君外九名の提案に係るものでありまして、これも警察事務が市町村に移管になるについては、その財源として地方税制の改正を明年四月一日より断行すると共に、消防法についても同様制定実施を願う旨の趣旨であります。
 委員会は慎重審議の結果、願意は大体妥当なものと思われますので、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。右御報告いたします。(拍手)
#58
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの陳情は委員会報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#59
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。
     ―――――・―――――
#60
○議長(松平恒雄君) 日程第四七、日程第四八の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
   〔塚本重藏君登壇、拍手〕
#62
○塚本重藏君 只今議題となりました日程第四七、陳情第三百六十四号教員勤務地手当増額に関する陳情を審議いたしました委員会の結果を御報告いたします。この陳情は大阪府三島郡の教員からの陳情でありまして、大阪府は経済的に物價の最も高い土地柄であつて、大阪市と郡部と何ら変るところがないのである。而も特、甲、乙、丙の四段階に分けておるのは全く実情に即しないものであるから、少くとも大阪においては乙、丙を撤廃して貰いたいというのがその趣旨であります。本陳情は昨日勞働委員長から報告になりました同樣の陳情と同じものでありますので、その内容について詳しいことを省略いたします。但し厚生委員会におきましてはこの種の陳情が非常に多いのであるが、一地方に限つてではなく、これは全國的な問題であるので、政府においては篤とその点慎重に考慮して、この願意を達成するように図つて貰いたいという意見書を附して内閣に送付するものと決定いたした次第であります。
 次に日程第四八、陳情第六百二十二号鹿児島縣に國立癩研究所を設置することに関する陳情の審査の結果を御報告いたします。全世界に癩に冒されておる人間が約一千万人と言われておるのである。その大部分は東洋人であるのであるが、日本医学を結集して癩の完全治療を発見することができたならば、斯し東洋民族否世界人類の福祉の上に非常な大きな貢献をすることになると思う。日本医学はこの使命を果し得る実力を持つておると確信しておるのであるから、國家はこの際独立の研究所を設置して、期会の権威を集め、完全な設備と十分なる資材を提供して、癩の総合的研究機関を設置して貰いたいと、鹿児島縣会の決議を以ちまして縣会議長より出された陳情であります。委員会におきましては願意を妥当なものと認めまして、院議に付して内閣に送付するものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
#63
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#64
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。
     ―――――・―――――
#65
○議長(松平恒雄君) この際日程を変更し、日程第五七、地方財政及び地方行政に関する調査に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。治安及び地方制度委員会理事鈴木直人君。
   〔鈴木直人君登壇、拍手〕
#67
○鈴木直人君 只今議題となりました地方財政及び地方行政に関する調査について御報告いたします。
 内務省解体に伴う行政措置のうち、地方財政及び地方行政に関する調査立案を急速になす必要あるに鑑みまして、本委員会においては去る十月十日議長の承認を経て、地方財政及び地方行政に関する調査立案に着手し、十月十三日小委員長に民主党所属中井光次君を、その他八名の委員を互選いたしまして、数回に亘つて慎重審議をいたし、十六日には一応地方財政委員会設置法案の立案を完了いたし、関係方面え打合せいたすべき段階にまでなつたのでありましたが、一方政府におきましてはこれと別個に提案の運びとなりましたので、右委員会における立案は最終的決定に至らず、地方財政及び地方行政に関する小委員会は解くべきものと決定いたした次第であります。右御報告いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#68
○議長(松平恒雄君) 日程第五八、東北、北陸地方水産状況に関する調査に関する件、日程第五九、水害対策に関する調査に関する件、以上二件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。國土計画委員長赤木正雄君。
   〔赤木正雄君登壇、拍手〕
#70
○赤木正雄君 只今議題になりました東北、北陸地方水害状況に関する調査を御報告いたします。
 昭和二十二年七月末及び八月の初めに起こつた東北地方の大水害に対し、國土計画委員会からこれが調査のために山形、秋田、宮城、岩手、新潟の諸縣の現地に参りました。被害の状況はすでに世上に明白になつたところでありますから、これを省略いたしまして、水害の原因並びにその対策を申しますに、原因は無論稀有の豪雨によりますが、戰時中の森林濫伐と木材搬出の不合理による林地の荒廃、不完全なる林道の破壊等、水源地域から多量の土砂の流出にあいまして、砂防事業施行の概して不十分なると、並びに河川工事の不徹底による一般治水事業の不備の外に、河川の維持、修理に日頃意を用いない点、その他各省の現業官廳の間に、治水上の連絡欠如等を挙げ得るものであります。これが対策といたしまして災害復旧工事の急施と、高率の補助のごとき緊急の施策の外に、森林伐採と造林の調整、山腹並びに渓流砂防工事の徹底的拡充、河川工事の強化を図るべきであります。これを以て報告にします。
 次に水害対策に関する調査に関しまして御報告いたします。
 昭和二十二年七八月の東北地方と、九月十五日の関東水害の惨禍に鑑みまして、本委員会は我が國における水害防止の実行方法に関して慎重審議の結果、次ぎの結論を得ました。
 今次の大水害の実情を見まするに、その原因は多岐に亘りますが、要は治山治水の極めて不徹底なると、河川工事の全きを得ないと、治水的設備の不備に加うるに、戰時中の不合理な森林過伐と、國民の多くは治水に関する理解と認識を欠きて、これら治水施設の維持管理を等閑に附する等によるところは極めて多いのであります。よつて我が國の水害の防止、軽減を期せんがためには、治水事業の急速なる実行、殊に従來立遅れとなつております水源治水事業の拡充強化、治水に影響を及ぼす開墾の再検討、造林の強力なる追行戰爭中に中絶或いは縮小されておる河川改修を急速に実施することは勿論、荒廃林地復旧工事、砂防工事、河川工事等、内務省と農林省両省に分属しております少なくとも直接の治水事業を、この際一つの行政官廳に統括しまして、水源から河口に至る河川全般に亘り一貫せる治水計画を樹立しまして、その他治水、利水の各種施設及び行爲に関して行政機構の革新を断行し、且つ関係官廳問の緊密なる連絡を必要といたします。又栗橋附近下流利根川改修計画に当りましては、一応案を立てていますが、この点は調査報告書をどうか御覧下さるようにお願いいたします。これを以て御報告といたします。(拍手)
#71
○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加し、本日報告書の提出せられました水産廳設置に関する調査に関する件、魚價に関する調査に関する件、漁船建造の資材及び金融に関する調査に関する件、水産関係法令設備のための調査に関する件、以上四件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。水産委員長木下辰雄君。
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
#73
○木下辰雄君 只今議題となりました水産廳の調査外三件の水産委員会におきまする調査の経過を御報告いたします。
 水産廳設置に関する調査でありますが、これは我が國の水産業の重要性に鑑みまして、かねてから水産廳の設置を要望してありましたが、本会議におきまして前農相から、水産廳を是非設置する。参議院の委員会においても援助して貰いたいというような要望がありましたので、水産委員会におきましては、七月の二十五日に議長の承認を得まして、丹羽五郎君を小委員長として鋭意調査研究をいたしたのであります。その結果大体成案を得まして、その筋と今折衝中でありまして、折衝次第、水産廳に関する法案が出るのであろうと思います。
 それから次の魚價に関する調査でありますが、これは現内閣が新物價体系を樹立されますさきに、魚價についても、この新物價体系に副うて魚價の改正をするということでありまて、やはり七月の二十五日に議長の承認を得まして、尾形六郎兵衞君を小委員長にいたしまして鋭意調査に着手いたしたのであります。その結果、大体において調査を完了しまして、新物價体系の確立の参考に供したいのであります。
 次に漁船建造の資材及び金融にに関する調査でありますが、これは終戰後におきまして滅没漁船の代船三十三万トンの新造を政府において計画されたのであります。ところがそれは第一次、第二次、第三次と順調に進みましたけれども、第四次の計画で不許可になりまして、非常に造船業者も漁業者も困難いたしましたのであります。それでこれを根本的に調査いたしまして、その困窮を打開するというために、七月二十九日に議長の承認を得まして、加藤常太郎君が小委員長として鋭意調査に着手いたしたのであります。その結果、大体におきまして第四次漁船の新造の跡始末も見通しがつきましたし、金融におきましても、本年度においては大体希望に近いものができましたので、漁船の建造と金融は大体において目的を達したのであります。併し資材の問題は事極めて重大でありまして、目下鋭意調査中であります。
 それから第四番目の水産関係法令整備のための調査、これは水産関係團体が一応解消することに相成りまして、これに代るべき漁業協同組合の法案と漁業権制度を主体とした漁業法の全面的改正をするために調査をすることになりまして、七月の二十九日に議長の承認を得まして、江熊哲翁君が小委員長として鋭意調査をいたしたのであります。その結果、大体において調査が完了しまして、次の議会に漁業法の全面的改正と漁業協同組合の法案が提案される運びに至つたのであります。
 大体この四件の調査は全く完了したわけではありませんけれども、大体においてその大部分は完了に近い所まで調査いたしましたことを中間的に御報告いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#74
○議長(松平恒雄君) 日程第六〇、電力問題に関する調査に関する件、日程第六一、総合燃料、動力対策に関する調査に関する件、以上二件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。電氣委員長佐々木良作君。
   〔佐々木良作君登壇、拍手〕
#76
○佐々木良作君 只今議題となりました電力復興問題に関する調査並びに総合燃料、動力対策に関する調査に関し御報告いたします。予めお断りして置きますが、本調査につきましては、両方共議長宛に詳細な報告書を出してありますので、一つここでの報告は、極めて簡單にその要領だけを報告させて頂きますことを御了解願いたいと思います。
 先ず電力復興問題に関する調査は、正式の手続を経まして、八月以來この調査を電氣委員会において行つておるわけでありますが、その方法といたしましては、現地調査或いは関係の役所、事業者、その他民間團体、その他からの説明の聽取、その他専門調査をしましていろいろな出向いての調査或いは内情を聽いての調査、その他特定の人に対して特定の部門内の特定の事項の調査を依頼するというような方法を探りまして、現在まで調査を行つたわけであります。この電量復興問題に関する調査につきましては、最初は極めて狭い範囲で、今会期中にすべての結論を得られるような狭い範囲のものを限定してやろうとかかつたわけであります。併しながら段々電力事情が逼迫し、同時に一つの問題を衝けば段々と基本的な問題まで調査をする必要が認められましたので、中途よりむしろ根本的な方針を変更いたしまして電氣関係の基本的な調査ということになつたわけであります。現在基本的調査を中心として行つておるわけであります。従いまして未だ調査は完了しておりません。今國会における調査の内容だけを報告して、後の調査につきましては改めて第二國会におきまして調査の要求もいたしまして、調査を継続したいと考えておる次第であります。
 ここで調査の大略、調査の範囲の大要を申上げますると、これは非常に細かい廣汎な内容になつておるわけでありまして、プランといたしましては、第一に電力事業そのものの発達過程、発達沿革から始まりまして、電力の設備の状態、それから電力の需要の状態、並びに需要と供給の関係、その他発電所その他の電力設備の建設に関する建設地点からそれに関する所要資材、或いは資金、そういつた建設関係、先ず最初に建設を必要とするかしないかということから始まつて、そうしてやるとすればどういう地点であり、どのようなものが必要であるかというところまで全部入つて行く。更に一般の電力の経営状態、電力の経営組織についての問題も含め、更に従業員一般の問題、それから最後には農村電化、農業電化に関する問題、鉄道電化に関する問題をも取扱い、現在問題になつておるところの自家用の発電所の問題、或いは極めて小さい発電所を開発してよいかどうかという問題から、更に風力、温泉力の発電の可能性その他の問題にも入りたいと思つておるわけで、あらゆる電氣関係の非常に廣汎なる問題を一括して調査の対象としたいと思つておるわけでありますが、この締括りは私共の予定では、大体今会期中にこれをすべての一応の輪郭を付けるつもりであつたのでありますが、いろいろな事情でその結論がまだ出ておりませんので、先程申上げましたように來期に延びるわけでありますが、差当つては特に現在の電力危機なるものを中心にして、これがいかなる原因に基ずき、そうしていかなる状態にあるかということを、今度の今期中における調査の結論として報告書が提出してあるわけであります。その報告書の内容の結論につきましても、これは非常に細かく亘つておりますので、内容は省略さして頂きたい。そうして報告書によつて詳細の内容を御覧願いたいと思うわけであります。
 これにつきましてただ簡單に項目だけを申上げますと、本文には第一に数ヵ年前から現在までにいたる電力の生産状態、数字について述べてあります。それから二番目には電力の需要の状態、第一の電力の生産状態というのは、現在電力の危機なるものは電力の生産が低下したことによつて來ておるかどうかという検討であります。第一は、これはそうではなかろう。生産が落ちておるから電力危機が來ておるのじやなかろうという結論が大方出かかつておるわけであります。従つてそれならば二番目には、電力危機は何から來ておるかという点の分析のために、電力の需要の状態がどうなつておるかという、つまり先程の問に答えるわけで、需要の状態が変わつて來ておる。需要が増加して來ておることに電力の危機の原因が現れておるのだということになつて來るわけであります。従つてこの電力需要の状態から、その面から入りまして、これを二つに分けて、鉱工業関係の電力事情がどうなつて來たか。鉱工業以外の電力事情がいかになつておるかという結論が付いております。結論を簡單に申上げますれば、鉱工業におきましても、鉱工業以外のものにおいても‥‥鉱工業以外のものの場合の中心は、家庭用の電灯、電熱であるわけであります。この両方に亘りまして、本來電氣が負担しておつたものではないエネルギー源が、つまり從來なれば石炭なり木炭なり、こういつたものによつておつた熱源或いは動力源が、電氣に置き換えられた。從つて電氣の需要としてはその面に殖えて行つたという結論が大体出ておるわけであります。從いまして一と二の問題から、電力の現在の危機は、電力の生産の低下ということに直接原因しておるのじやなくて、むしろ需要面の増大ということに原因しておるという結論が出たわけであります。更に最近の状態に附け加わつておるのは、一般的には今申しましたようなことでありまするけれども、更にこれは最近の、最近と言いますか、夏以來の極めて大きな渇水が今の原因に加わつて來ておる。そうしてその意味から特殊、特殊というか、極めて部分的な意味で生産状態が落ちておる。先の電力生産が落ちておるということに加わつて、この二つの原因から電力の現在の深刻化を尚深刻にしておるという原因が來ておるわけであります。更に三番目には、今申しましたような状態を設備の面、及びそれが実際にどのように動いて清算ができておるかという点で、電力の供給量という問題を数字的に調べてあります。供給力は発電の供給力と発電の設備と配電の設備、両方に非常に問題がありますので、調査して書いてあります。大体そのようなことを中心としまして、最後に結論としまして要約的に現在の電力不足の原因はどこにあるかということをぼつぼつと述べ、そうして当面の電力不足を解決するための対策はどこに置かれなければならないであろうかという問題の所在点を発見する程度で、その対策がしまいに食つ付いております。
 大体そのような調査になつておりまして、詳細はすべて報告書に譲りたいと重いますが、要するに電力関係の包括的な調査を現在進めており、その包括的な調査の一部として、現在当面しておる問題の解明を中心として調査をする。そうしてその内容は、どのような原因によつて現在の電力危機というものが來ておるか。そうしてそれはどのような状態であるか。それならばそれに対する当面の対策はどういうことに問題があるだろうかという点を、まだ結論ではありませんけれども、大体今のような問題について、結論的な対策を揚げておるわけでありますが、別の場合にでもこの問題につきましては報告したこともありますので、以上で以てこの第一の電力復興問題に関する調査の報告を終りたいと思いますが、この問題は先程申しましたように、尚、來期直ちに継続いたしまして、すべての結論を得たいと思つておりますから、御了承願いたいと思います。
 次に締合燃料並びに動力対策に関する調査でありますが、これは先程の電力復興の問題に関する調査の当然の結論と言いますか、纏め方と言いますか、その方面からその調査の必要性が出て参りまして、そうして現在まで続けてやつたわけであります。先程申しましたように、当面の電力危機を救済するためには先程のような理由からお分りになりますように、現在の電力部面だけでは解決できない。そうしてそれの解決の原因は、むしろ締合的な燃料、総合的な動力という点に問題を廣げて考えなければならないというところから、この調査承認を請求いたしまして、正式の手続によつて調査の承認を得て調査を開始をいたしたわけでありますが、問題の性質上、電氣の委員会だけでは十分なる成果を果し得ないと考えますから、鉱工業並びに農林、それから運輸、この三つの常任委員会に電氣委員会から要請をいたしまして、四委員会の連合委員会という形でこの調査を進めたわけであります。そうしてこの連合委員会におきましては、数回の委員会並びにそれの小委員会におきまして次のような課題を一応考えたわけです。今年の冬の家庭用の光と熱をどのようにして供給するかということ、今年の冬の家庭用ということを書きまして、光と熱をどのような方法によつて確保するかということ、次に産業用動力をどのようにして確保するかということ、それから三番目には、今程申上げましたような各種の燃料並びに動力の資源の合理的な使用方法、例えば家庭用の熱を採るためには、電熱がいいか、ガスがいいか、或いは炭がいいかというような効率的な判断、或いは自動車を運轉するのに今木炭を使つておりますけれども、木炭でなくてももつとよいエネルギーの使い方がないかということを検討したい。それから第四番目には、それらすべての結論として出て來るところの日本全國におけるエネルギー資源の絶対量が出て参ります。この絶対量に対する対策、これが不足であるならば、どのような部面からこれを殖やしていくかという問題を検討したいというわけであります。ただ今期におきましては、今の四つの問題の中、第一の今年の冬の家庭用の光と熱をどのようにして供給するかという問題を中心といたしまして、これに対する調査をやつたわけでありまして、これに対しては一応の結論に従つて、これは調査と別でございますけれども、政治的な手段も採つたというわけであります。その内容は先だつての総合燃料並びに電力危機突破に関する決議案を本院に上程いたしまして可決されたわけでありますが、むしろそこに第一の今年の冬の家庭用の光と熱をどのように確保するかという調査の結論が、先ほど申上げました決議案に要約されており、そうして具体化の前進を成しておるというふうに考えるわけであります。従いまして総合燃料並びに動力関係の調査の中第一課題は一応終了したというわけで報告をするわけでありますが、これも先程の電力復興に関する調査と同様に、第二以降の事項につきましては、第二回國会に継続して調査を進めたいと考えておる次第であります。御了解を願いたいと存じます。
 極めて簡單な報告で申し訳ありませんが、都合によりましてこの簡單な報告で止めたいと思います。詳細は報告書によつて御了解を願いたいと思います。尚報告書に漏れておる点がありましたならば、或いは報告で不十分な点がありましたならば、電氣委員会の調査関係でこれに載つていない資料も沢山集めておりますから、そこで御質問なり御検討を願いたいと考える次第であります。簡單でありますが、以上で終ります。(拍手)
#77
○議長(松平恒雄君) この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後三時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時四十六分開義
#78
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続いて会議を開きます。報告をいたさせます。
   〔寺光参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 臨時石炭鉱業管理法案否決報告書
     ―――――・―――――
#79
○議長(松平恒雄君) この際議事日程に追加して、臨時石炭鉱業管理法案(政府提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。鉱工業委員長稻垣平太郎君。
   〔稻垣平太郎君登壇、拍手〕
   〔「しつかりやれ」「委員長フエアプレー」「名委員長」と呼ぶ者あり〕
#81
○稻垣平太郎君 只今議題と相成りましたる臨時石炭鉱業管理法案につき鉱工業委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告申上げます。石炭の増産が経済再建のうえに不可欠の問題でありまするだけに、本法案につきましては朝野の視聽を集めておる関係もありまして、本委員会におきましても慎重審議を重ねたのでございます。
 只今この法案の内容につきまして、簡單に御説明申上げたいと存ずるのでありまするが、御承知のように本法案が重要法案でありまする関係上、去る九月二十九日の本会議におきまして、当院の要求により商工大臣より詳細御説明があつたのでありまするが、今その要点を簡單に御報告いたしたいと存じます。増産上國家管理が必要であるという具体的理由につき、政府当局が挙げておられるところを要約いたしますると、次の三点に帰するのであります。第一は石炭の重点主義政策を実施するに当りまして、生産実態の把握とこれによる生産要素の確保の問題、第二の点は石炭生産上の人的條件、特に石炭鉱業における現場組織の確立、第三の点は石炭鉱業の運営に関しまする民主的体制の整備の三点でございます。
 本管理法案は、政府の原案によりますれば、附則を入れまして六十九條に及び、又衆議院におきまして可決、送付されました、いわゆる修正案なるものによりましても六十四か條に達する相当廣汎なる法案であります。ここでは法文の一つ一つに触れることは省略いたしまするが、前に述べましたごとく、本管理法案の骨子ともいうべき三つの点が、法案の内容においていかなる項目により、いかに配列されておるかということを一応述べて置く必要があろうかと存ずるのであります。以下政府当局の御説明に従いまして、この点について御報告を申上げます。
 先ず第一の点についてでありまするが、周知のごとく石炭鉱業に対してはいわゆる傾斜生産主義が採用せられておるのでありまして、乏しい國力の中から、又他の産業の犠牲におきまして資金、資材等の物的國力が石炭に集中されておるのであります。從つて政府としては一般産業及び國民生活に対する責務の上からも石炭生産の実態を正確に把握し、真に必要な資材の量並びに資金の額を炭鉱ごとに確認すると共に、これを迅速適切に供給し、これが最も有効に活用される様指導して行かなければならないという建前から、先づ実態把握の手段として炭鉱別事業計画又は業務計画を策定することの方法を取り、政府原案においては一般炭鉱については第五條乃至第七條にこれを規定し、指定炭鉱については第十六條乃至第二十二條に業務計画として詳細に規定しておるのであります。又事業計画或いは業務計画の実施の状況を監査監督するためには、原案第八條乃至第十條にこれをきていしているのであります。尚計画達成のためには、石炭の生産に密接な関連を持つ事業部門、いわゆる関連部門の協力を得る必要があるのでありまして、いわゆる資材の原物化、設備の修理建設、貨物の輸送等につきまして、強力な措置を講じ得るように、原案第四十三條に強力命令の規定を置いておるのであります。
 次に第二の点でありますが、即ち現場組織の確立の問題でありますが、石炭鉱業は一般の鉱業部門と異なり、その生産要素としての勞働力は、全体の上に七十%の割合を占めておるのでありまして、生産実績は勞働者の勤勞意欲の欠如によつて決定的に左右されるというも過言でないのであります。固より勞働者の勤勞意欲の向上には、種々なる方策が考えられるのでありますが、政府は本管理法案において、いわゆる現場組織の確立と、その法制化によつて、これが実現を図らんとし、指定炭鉱の生産協議会を以て問題解決の鍵としようといたしておるのであります。原案第三十條乃至第四十條に規定する生産協議会がこれでありまして、端的に言いまして勞働者の経営参加の法制化であります。
 次に第三の点、即ち石炭鉱業運営上の体制整備についてでありまするが、先ず行政と経営との関係において、監督するものと監督を受ける者とが直接対立する従來の弊害を避け、石炭の生産に関する技術、勞働、経理、それぞれの面における民間企業のエキスパートが生産行政に融け込むように措置すると共に、又従來のごとき形式的な委員会制度とは異なる行政民主化のための実のある組織を設定しなければならないという見地から、本管理法案におきましては、原案第四十五條乃至第五十三條に規定する石炭局を、又第五十四條乃至第六十一條に規定する炭鉱管理委員会を組織して、叙上の要請に応えんとしているのであります。次に企業内部の関係においては、事業主が現場に一切の努力を集中して弾力性のある運用を行うためには、特別の責任者を必要とするという建前から、本管理法案においてはこれを炭鉱管理者と称し、その選任及び職務に関する詳細なる規定を原案第三十三條乃至第二十九條に明文化しているのであります。以上が大体政府の原案でありましたが、これに対し去る十一月二十五日衆議院におきまして修正議決いたされました、いわゆる衆議院修正案は、原案に対しまして、量的に又質的に相当廣範囲に修正されておるのでありまして、その詳細は十一月二十六日配付の閣第七十二号の資料によつて御検討願うことといたしまして、ここではその修正された重要なる項目の二三を御紹介するに止めたいと存ずるのであります。
 先ず官聽の一方的権限を抑制いたしましたこと、いわゆる第五條の事業計画の変更に対する不服の申立て、又第八條の臨検検査の修正、第九條の削除、修正、第十條において炭鉱の休廃止に対する商工大臣の許可が全國炭鉱管理委員会の諮問じこうとなしたること、又修正第十三條において指定炭鉱の基準を明示した点等もかような観点に基ずくものと考えられるのであります。第二に、指定炭鉱の管理について相手方を事業主といたしましたことであります。これは大きなる修正であまりす。政府案が炭鉱現場業務の即決処理を促進する現実的な建前から、いわゆる炭鉱管理者と行政とが直結するというのにあつたのであります。炭鉱管理者に対するこの権限に対しまして、修正案においては企業一体の観念を重視する建前から、事業主に全般的に権限を留保いたしたのであります。修正第十六條、第十七條、十八條、第二十條、第二十一條等かかような意味での修正でありまするが、これによりまして、指定炭鉱のいわゆる事業主の企業権、人事権が確立され、事業主の立場は明確と相成りまして、考え方によりましては著しく強化されたと申してよいかと存ずるのであります。第三に、炭鉱管理者の選任及び解任の方式を変更するの外、その身分的地位に相当大幅の修正をなしたことであります。炭鉱管理者を選任又は解任する場合、原案においては生産協議会の議を経なければならんことになつていたのでありまするが、修正案ではその必要なしとし、又選任が原案では商工大臣の承認事項になつておりましたのを、單にこれを届出事項にいたしたのであります。又炭鉱管理者の解任又は選任を登記によつて第三者に対抗することになつておつたのでありまするが、これを削除したのでありまして、これらの諸点は修正第二十二條、同二十四條、原案第二十七條であります。次に、炭鉱管理者は、原案によりますれば、第二十八條の規定により当然に事業主に代理権が賦與されていたのでありまするが、修正案におきましては同條を削除し、新たに修正第二十五條を追加いたしました結果、炭鉱管理者の事務計画実施に関する必要な権限は、事業主から委任せられることに相成つたのであります。かくて炭鉱管理者は、それ自体の身分関係からして、且つ又事業主との相互関係において、考え方によりますれば原案に比しまして相当弱体化されたというべきでありましよう。次に罰則の適用におきまして、指定炭鉱と一般炭鉱との間に区別を設け、前者即ち指定炭鉱に重く、後者に軽くいたしまして、懲役及び罰金を併科しないことにいたしたのであります。次に施行期日のことでありまするが、各規定について改令でこれを定めるという意味合いのことに相成つておりましたのを施行期日を昭和二十三年四月一日と明記いたしたことであります。
 以上が修正案の主たる諸点であります。以上によりまして大体衆議院送付の案、原案の御説明を申上げたわけでありまするが、さて鉱工業委員会におきましては、政府原案、衆議院送付修正案、並びにこれと密接なる関係がありますところの石炭非常増産対策要綱、炭鉱特別運轉資金融資要綱、更には又石炭増産五ケ年計画等を一括いたしまして、審査の対象といたしたのであります。慎重審議を遂げて來たのであります。即ち去る十月一日、第一回の予備審査を皮切りに、予備審査を行うこと七回、この間二日間に亘つて公聽会を開催いたしまして、本法案に対しまするところの勞資両面の代表者、学識経験者、又一般公述人の意見を聽いたのでありまするが、本法案が十一月二十五日衆議院において修正議決されるや、その翌日より本審査に取掛かり、爾來連日に亘つて、而も長時間熱心に審議を続けて來たのであります。本法案が果して政府の言明しておるごとく、石炭増産のための組織法たり得るかどうか、その結論を見出すために、一切の論議は集中されたのであります。殊に衆議院の鉱工業委員会におきまして、相当応範囲に亘る修正案が、殆んど審議を行うの余裕なくして、本会議に上程された経緯に徴しまして、國会においてこれを審議するのは、ひとり我が参議院のみなりとの観点に立ちまして、(「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)その使命の且つ重大なるを自覚し、本審査に当つては特段の考慮が拂われたのであります。予備審査を合わせ十二月六日質疑終了まで、前後十七会延時間にしまして、五十六時間に及ぶ審査を行つたのであります。審議延時間五十六時間は、衆議院鉱工業委員会における四十三時間をはるかに突破する記録でありまして、(拍手)その間における千万語に達する質疑応答の殆んど全部を速記録に割愛するの止むを得ないことを甚だ遺憾とするものでありまするが、以下主要な質疑につきまして、要約して次に御報告申上げたいと存ずるのであります。
 先ず第一に質疑のありました点は、石炭非常増産対策要綱と本法案との関係如何という問題であります。これに対する政府の答弁は、去る十月三日閣議決定の石炭非常増産対策要綱は、マツカーサー元帥より片山総理宛の書翰を契機といたしまして、従來政府が、石炭増産のために行い來つたことを再確認すると共に、今後措置すべき具体策を明示したものである。即ちマ元帥は、その書翰におきまして、石炭増産の手段として、一、最優秀な土木その他の技術能力を結集して作業の指導に当らしめること、一、交替制を採用して石炭業を一般的に二十四時間作業体制にすること、一、勞働者の生産性を最大限に発揮させるために必要な住宅と食糧を供給すること、一、地質学上妥当なときは新鉱脈及び新鉱を開発すること、一、合法的な工業目的以外に採掘された石炭が振向けられることを厳重に防止すること、一、本事業の達成を故意に妨害する者は厳重にこれを訴追すること、以上の六項目を指示されているのでありますが、これに応えた非常増産対策要綱には更にその具体的施策を詳細に明示しているのであります。これは固より石炭増産の緊急性に鑑み、國営法の施行の如何に拘わらず、政府が強力に推進せんとする非常対策であります。かかる意味において、組織法であるところの本法案とはこれ又一応は形式的に別個のものでありまするが、現に政府は本対策要綱に基ずいて石炭増産特別調査團を組織し、現地に派遣して要綱に支持されたところの作業方式による勞働協約の締結に指導的役割を担当せしめつつあるのでありまして、又炭鉱経営の徹底的改善と生産効率の飛躍的向上を前提とする炭鉱特別運轉資金融資要綱を決定し、炭鉱融資に画期的な措置を講じつつあるのである。併しながら非常対策要綱並びに特別運轉資金融資要綱に謳つているところの炭鉱経営の徹底的改善、生産効率の飛躍的向上、勞働規律の確立並びに二十四時間制の推進等々一連の施策を、一時的ではなく継続的に、或いは恒常的に推進していくためには、國管法という組織法の裏付けが必要であり、かかる大きなる支柱を得てその増産効果は完璧を期し得ると確信しておるとの答弁でありました。
 次に石炭五ヶ年計画と本法案の関係如何という問題であります。これに対する政府の答弁は、政府が樹立しておるところの五ヶ月計画は昭和二十三年を初年度といたしまして、量質両面より増産を図らんとするものでありまして、その生産目標は二十三年度三千三百万トン、品位五千六百カロリー、二十四年度三千六百万トン、五千八百カロリー。二十五年度三千八百万トン、五千九百カロリー、二十六年度四十万トン、六千カロリー、二十七年度四千二百万トン、六千カロリーとなつておる。この計画は形式的には一応管理法とは別個のものである。併しながら各年度を通じて新鉱開発に依存する量は、初年度二十万トン、二年度五十万トン、三年度百五十万トン、四年度三百二十万トン、五年度五百七十万トンである。現在設備による出炭増加は、初年度と最終年度と比較して四百五十万トンに対しまして、新鉱開発による出炭増は初年度と最終年度と比較するときには、実に五百五十万トンの増加となつておるのであります。即ちこの数字は今後の出炭増の大きな部分は新鉱開発によつてなされねばならんということを雄弁に物語つておるのでありますが、かかる大規模な新鉱開発は到底従來のごとく私企業單独の力では不可能でありまして、どうしても國家の積極的援助と力の集中が行わなければならない。かかる意味において増産の基盤たるべき組織法が絶対に必要になつて來るのであり、一応形式的には別個のものでありながら、増産目標管遂という立場からは、実質的に五ヶ年計画と管理法が表裏一体をなす所以も亦ここにあるのだという御説明でありました。
 次の質疑は、本法案において官僚統制の色彩が依然として濃厚なるものあるやに思われるが如何という問題であります。これに対する政府の答弁は、特定勢力を背景とし、指導者原理を基調とするがごとき従來の官僚統制方式は全然採られていないのであり、更に又考え方によつては、尚且つ官廳の一方的権限と思われるような個所には不服申立等の項目が追加され、修正が加えられたのでありますが、本法案自体としては、むしろ行政の民主化を目標としているのであり、一例を挙げまするというと、地方機関として主要な役割を持つている石炭局長のごとき、形式上は商工省の一機構でありますが、実際上は学識経験ある民間人で構成し、民間企業のエキスパートが生産行政に解けこむよう意図しているのであるという答弁でありました。(「そこだ」「分つたか」と呼ぶ者あり)
 次はこれは大分長く、亦も繰返して論議された点でありますが、政府が本法案を以て特定のイデオロギーによるものにあらずとする理由如何という問題であります。これに対して商工大臣の御答弁は、形式的には四等政策協定乃至緊急経済対策の線に沿うて立案されたものであり、実質的に検討するも、社会主義経済体制の根幹をなす企業権の否定、若しくは資本と経営の分離等の考え方が本法案には全然織り込まれいないものであつて、本法案は増産第一主義を以て目的といたしておるものであるという御答弁であつたのであります。
 次の質疑は、本法案を繞る対立的論爭の経緯について見るときに、果して、政府の企図する経営者、勞働者、政府の三位一体的増産協力体制の確立可能なりや否やという問題であります。これに対する政府の答弁は、政府としては、この法案を提出するに当つて、現段階における社会的、経済的事情を考慮し、百パーセント経営者の立場に立つことは間違いであり、又同時に百パーセント勞働者の意図通りになることも誤まりであつて、経営者の希望と勞働者側の要求との間のどこに一線を引くかということが政府の要諦と心得て作成した関係上、勞資双方から、それぞれの立場において論議が分かれていることを率直に認めるものである。併しながら一度この法案が國家最高の意思決定機関である國会を通過した暁には、賛成者、反対者を問わず、この最高意思に服従すべきが國民としての厳粛なる義務であるとの見地から、一応この法案の遂行に支障なきものと信ずるものであるが、尚政府自身としても、法案通過後は、特に反対の立場にあつた人々に対し、誠意を披瀝して積極的な協力方を依頼するつもりである。これにより反対者も欣然と協力するものと期待するのであつて、かねてより意図するように、政府、経営者、勞働者が三位一体となつて増産でき得るものと確信するものであるという答弁でありました。尚本法案が衆議院通過後今日までの短かい期間でありますけれども、勞資両面に現れつつある現実の動きが我々のこの固き信念を裏書き立証しつつあるものであるという商工大臣の後答弁であつたのであります。
 次にこれも非常に長時間質疑に時間を費した問題でありますが、生産協議会の法的性格如何という問題であります。法理論的に見まして單なる詰問機関でないことは、法文の各所に出て参つておりますところの「議を経て」という問題でありますが、これは法理論的に見て單なる詰問機関でないことは言うまでもありませんが、併しながら完全なる決議機関でもないのであつて、全く新しい、どちらかというと、その中間に属すべきものであるが、強いてこれを旧來の用語を借りて言えば、一種の條件附決議機関とでもいうべきものである。即ち完全なる決議機関では議が纏まらぬときには、そのまま決裂状態に入るのであるが、生産協議会においては「議を経る」ことができぬときは、所轄石炭局長の裁定を求むることができるのであり、而も当事者はその裁定に服さねばならないのである。かようない意味合におきまして完全なる決議機関とは申せないのであつて、一種の中間的協議体であるという御答弁でありました。
 次にこれに関連いたしまして、生産協議会の性格が不明確のために運用上支障なきや否やという問題が提起されたのであります。これに対する答弁といたしましては、現在各企業における経営協議会が、専ら勞働條件を中心とするいわゆる分配闘爭を主体として、増産問題を第二義的に取扱つておるに対して、生産協議会においては生産の向上を第一目標としておる点において大なる差異があるのでありまするが、その他の点においては大体に経営協議会の構想を法制化したものであります。よつて各山々における現在の経営協議会は、勞働組合が非常に発達しておる所では決議機関の傾向が強い。反対に勞働組合が未発達の所では詰問期間的傾向があるのでありまするが、それがそのまま生産協議会に反映されるのであつて、生産協議会を諮問機関と決議機関の中間に置いていても実際上の運用には何ら支障を來さないのみならず、却つてその方が弾力性のある運用となり、実情に即した実際的措置であると思う。こういう御答弁でありました。
 その次の質疑は、この生産協議会を通じて経営に参加するということによつて、果して政府の意図するがごとき勞働者の勤勞意欲の昂揚は可能なりや否やという問題であります。これに対しまして政府の御答弁は、生産協議会が従來の経営協議会と異なつて生産の向上を第一の目標としておることは、先の質疑に対して答えた通りでありまするが、法文おいても修正第三十四條に業務計画の樹立、勞働能率の向上を明記しておるのでありまして、経営者と勞働者が互いにその立場を活かしつつ納得ずくで設定した生産設計図は、これが実施に当つて当然に勞働者を拘束し、その責務において達成されねばならんことは論ずるまでもないところである。今日の社会的、経済的情勢よりいたしまして、戰時中のごとき掠奪的な強制勞働による能率増進策は再び実施の余地がないのでありまして、目覚めたる勞働者が救國の熱意に燃えて立上がるところに唯一の期待が掛けられておるのでありまする。而して生産協議会こそはかかる目覚めた勞働者諸君にとつて新しく開かれた門である。かくて尚勞働者の勤勞意欲が上らんとするならば、それは勞働者にとつて一種の自殺行爲であると言わなければならんという御答弁でありました。
 次にこれも可なり長く論議されたのでありまするが、本法案においては勞働強化に関する積極的規定がないが、これに対する政府の施策如何という問題であります。これに封する答弁といたしまして、立案の過程にあつては石炭勞働者に関する條件を考慮したのでありまするが、程々の経緯から削除の止むなきに至つて、一般の勞働問題と共に扱うことになつたのでありまするが、本法案と表裏一体をなす非常増産対策要綱においては、基本方針の一として二十四時間制の完全実施を求めており、又炭鉱特別運轉資金融資要綱においては、「非常増産対策要綱に揚げている三作業方式のいずれかを実行し、生産効率の向上につき明確なる團体協約成の立せること」を前提條件といたしまして、勞働力の強化に努めておるのでありまして、政府としては、その種の勞働施策は飽くまで経営者及で勞働者の自主的協力に従つてこれを推進せんとするものであり、現在までの経過に徴すると、漸次この線に沿うて動きつつあるようでありまするが、石炭生産の緊急性に鑑み、尚所期の成果を挙げ得ない場合におきましては必要な法的措置を講ずる決意であり、故意の妨害者に対しては断固たる方針を以て臨むべきことを闡明するものであるという御答弁でありました。
 次にいわゆる炭鉱の民主的運営の方法でありまする炭鉱管理委員会の法的性格如何ということが問題に相成つたのであります。これに対する答弁といたしましては、全國炭鉱管理委員会は商工大臣の、地方炭鉱管理委員会は石炭局長の、それぞれ詰問機関といたしておるものであります。併し炭鉱管理委員会と行政廳との関係は二位一体の立場にあり、商工大臣及び石炭局長は全國及で地方の各管理委員会の会長でありまするから、そこで決定された事項は当然に決議同様に尊重して行かなければならないところでありまして、一部においては炭鉱管理委員会の持つ役割の重要性を考慮して決議機関となすべしとの御議論もあるようであるが、法律的拘束力もない詰問機関としたのは、行政上の責任を明確にしたためであるという御答弁でありました。
 次に損失補償に関する限界如何という問題であります。(「簡單」と呼ぶ者あり)これは修正案第四十條に対するものでありまするが、これに対する答弁は、この損失の意味は「通常生ずべき損失」であつて、直接この法律に基ずいた命令、例えば新鉱開発に関する損失補償等を指しておるのであつて、インフレの昂進に伴う生産費の根上りにより炭價との間に生じたる経営上のいわゆる赤字は、一般物價政策として別途に講ぜらるべきであり、又石炭行政の衝に当るところの官吏の過失、事故等による違法行爲等によつて被つた経営上の損失等は國家賠償法の規定に譲るべきであり、これ亦当該損失とは別個のものであるという答弁であります。尚事業主の不服の申立てについては法文に明記されていないが、損失の認定がこの法律の趣旨と合致せず、通常生ずべき損失と客観的に認知されながら、尚審議会の議決において然らずと裁定された場合においては、当然に新憲法によつて裁判所に提訴する権利を持つものであると解釈しておるという答弁でありました。
 大体以上のような質疑があつたのでありまするが、かくて今朝午前十時より最後の委員会を開催いたしまして、本法案に対する討議に入つたのでありまするが、日本共産党細川委員より右炭鉱業團営人民管理法案と題する修正案のご提出がありました。又緑風会帆足委員より、この題名を臨時炭鉱増産管理法案と改める修正案の御提出があり、更に緑風会中川委員より修正案の提出がありましたのでありますが、大体その骨子は、一、題名を臨時石炭増産法案に改めること、二、第十三條の指定炭鉱基準をより明確にすること、三、第二十三條に指定炭鉱の従業者の協力規定を追加すること、四、第二十四條に業務計画の実施に著しく協力しない従業者に対する制裁規定を追加すること、五、生産協議会の業務員及び勞働委員に予備委員を選任し置くこと、かような修正案でございまして、以上三つの修正案と衆議院送付の原案に対し、緑風会田村、宿谷、玉置、日本自由党小林、日本社会党下條、カニエ、民主党林屋、無所属懇談会佐々木、日本共産党細川の各委員が賛否それぞれの立場において意見の御開陳があり、討論を終つて採決に入つたのであります。先づ細川、帆足両委員の修正案は少数否決され、中川委員提出の修正案は賛否同数となり、委員長は國会法第五十條の規定によりまして、これを否決と裁定いたしました結果、修正案は全部否決されたのでございます。(拍手)次いで衆議院送付の原案について採決いたしたのでありまするが、総投票数二十八票のうち賛成十三票、反対十五票でありまして、(拍手)少数を以て否決されたのであります。
 以上を以て私の御報告を終ります。(拍手)
#82
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。これより発言を許します。大屋晋三君。
   〔大屋晋三君登壇、拍手〕
#83
○大屋晋三君 議長、同僚議員諸君、並びに政府閣僚諸君、私は本夕の本院の本会議におきまして、目下敗戰後の我が國國運再建の最大のキイ・ポイントでありますところの産業、分化、社会秩序の再建に対しまして最も緊要でありまするところの、あらゆる産業の根幹を形成いたしまするところの、我が國石炭の増産の件に対しまして、政府諸君並びに我が國民全体が最も精根を費やしまして、これこそ我が國再建の最大の急務であるといたしまして、ここに石炭の増産の法案が國会に提出されたことは、諸君御存知の通りでございます(笑声)(「反対か、賛成か」と呼ぶ者あり)御承知の通り衆議院におきましては、御承知の通りの経過を経まして、衆議院におきまして政府原案が通過いたしまして、参議院に回付いたされたのでありまするが、諸君、この衆議院の審議、委員会におきまするところの審議並びに本会議におきまするところの審議の実情を諸君は夙に御承知のことでございます。私は苟くも國民の代表といたしまして、かように重大な法案に対しまして慎重審議をいたすべきことを確信しておつたのであります。然るに私は只今の稻垣委員長の御報告にもございましたが、遺憾ながら衆議院の諸君のこの審議の態度並びにその方法につきましては、私は遺憾ながらこれに満腔の賛意を表することができないのであります。(拍手)(「資本家の代弁か」と呼ぶ者あり)諸君、我が國は敗戰以後民主的に我が國を再建するという命題に立ちまして、この衆議院並びに在來の貴族院を改革いたしまして、最も合理的なる、泰西諸國におきまして数十年乃至百年以上の経験を経ましたそのエッセンスを採用いたしまして、参議院並びに衆議院の二院制度を採用いたした次第であります。諸君、私は衆議院におきまするこの過誤を参議院において繰返したくないという見地に立ちまして、委員会におきましては今稻垣委員長の御報告にありました通り、衆議院よりも十数時間の時間をかけまして、かような意味におきまして慎重審議をいたしたのであります。然るに諸君、私たちはこの審議におきまして、或いはこの法案の意図するところは、或る議員はこれは社会党諸君のイデオロギーに立脚しておると称し、又或る議員は増産対策としては余りに内容が貧弱ではないかというような議論もございましたが、いろいろの見地に立ちまして、私たちは虚心坦懐に、この法案を吟味いたしたのであります。(「そうでもない」「ノーノー」と呼ぶ者あり)然るに政府諸君、この提案者の諸君は、國を憂える念におきましては、我々と等しく日本國民といたしまして深憂の士でありますが、悲しいかな、遺憾ながらこの原提案提出者でありますところの政府諸君並びに衆議院におきまして、これを修正いたしました諸君は、その熱意こそは我が國の再建を憂える、誠に敬意を表する次第でありまするが、この石炭の増産に対する対策にいたしましては、その産業政策に対するその見解が誠に幼稚極まるもので、私たちはこれに対して失望を禁ずる能わざるを得ないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)(拍手)諸君、この見地に立ちまして、私たちは慎重審議いたしたのであります。六十時間に余ります審議におきまして、主管大臣でありますところの商工大臣水谷長三郎君並びに政府委員諸公は、実に終止熱心に渾身の熱意を傾けまして、委員諸君の質疑に応答されましたことは、誠に熱意を表する次第であるのでありまするが、如何せん、商工大臣その他の諸君は、諸君の抱懐いたしまするところの根本理念、又産業特に席炭鉱業の増産を即しまするところの方法に対しまして、その的の外れておることは誠に遺憾と存ずる次第であります。(「其の通り」と呼ぶ者あり)(拍手)私たちは政府諸公並びに國民諸君と共に、石炭の増産をするという見地に対しまして、遺憾ながらこの法案は結局機構いじりをいたしまする。石炭鉱業の増産の主眼といたしまするところは機構いじりではありません。即ち價格政策の面におきまして、或いは資金の面におきまして、或いは資材の面におきまして、或いは勞務の面におきまして、この法案の第一條に謳つておりまするところの政府並びに勞務者諸君がいわゆる三位一体のその薀蓄を傾けまして、この三者の力が揮然と融和いたしたところに初めて百パーセントの能率が発揮いたされる次第であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)政府諸君の意図が、政府並びに経営者並びに勞務者、三者一体揮然として能率を発揮するという意図でありますならば、私はもう少し考えるのである。智慧のあるところの法案が提出さるべきものと考えたのであります。(「その通りだ」「分つたか」と呼ぶ者あり)(笑声起る)然るに、これを厳密に考えまするときに、委員会におきましてしばしばイデオロギーの論が繰返されたのであります。商工大臣水谷君に対して、イデオロギーを主張する諸君は、果してイデオロギーとはいかなることを意味するかというような質問がございました。イデオロギーとはイデオロギーであるというような(笑声)議論もございましたが、要するにこのイデオロギーは、この法案に盛られておりますところのイデオロギーは、産業即ち石炭増産の実体に対しまして少しも貢献をせざるところのイデオロギーによつて充満されておるという結論に到着いたしたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)諸君、その結果といたしまして、この法案は委員会におきまして、十五票対十三票の差を以て否決されたのであります。
 諸君、参議院議員はいわゆるエルダー・ブラザーであります。(笑声)上院的の存在でありまして、諸君は職能的の代表といたしまして、あらゆる面におきまして、或いは文化の面におきまして、或いは宗教の面におきまして、我が國の國民の代表者の又代表者であります。(笑声)諸君、その議員の見解が十五対十三票というのは、これは單なるこの法案を抹殺せんがための議論に非ずして、石炭鉱業の増産という見地に対しまして、資金の面、資材の面、勞務の面におきまして、或いは政府監督の面におきまして、或いは本鉱業の現在におきまするところの欠陥のすべての点に鑑みまして、ありとあらゆるところの智能を搾りまして検討したのでありまするが、その結果は、遺憾ながらこの法案は百害あつて一利ないということを(「それはそうだ」と呼ぶ者あり)私委員会において感ずいて断案を下したのであります。(拍手)諸君、私たちは、この参議院は、資本家の代表の集まりではありません。(「君はそうだ」と呼ぶ者あり)日本國民のあらゆる階層から最高の智能を集めて、(「頭悪いぞ」と呼ぶ者あり)そうして我々が日本再建に対するところの最も良き方式を発見せんとするところの努力であります。諸君、かようの意味におきまして、私は参議院の諸君が、諸君の職能を十分御理解下さいまして、本法案が委員会におきまして、慎重審議を遂げまして、その結果におきまして否決された。(「その通り」「何を」と呼ぶ者あり)(笑声)その点に鑑みまして、私は本法案が決して増産に相成らんという意味におきまして、本案に対して反対を表明する者であります。(拍手)どうぞ賢明なる同僚諸君、参議院の本質に鑑みまして、本法案に反対あらんことを祈願いたしまして、私の討論を終る次第であります。(拍手)
#84
○議長(松平恒雄君) 岩木哲夫君。
   〔岩木哲夫君登壇、拍手〕
#85
○岩木哲夫君 私は今般衆議院より送付されましたる修正原案の本法案に賛成するものであります。(拍手)(「腰が抜けたな」「静かにしろ」と呼ぶ者あり)石炭を増産せねばならないということは、今更申すまでもないことでありまするが、ただ増産をするには二つの方式があると思うのであります。(「反対と賛成だ」、「途中から変わつた」と呼ぶ者あり)その一つは私企業、自由経済を主体とせる増産の方式と、國家管理統制を目途として増産の重点を把握する方法とがあるのであります。もともと私たちは、現下の諸般の事情から、且つこのうらぶれたる経済組織を復活して生産意欲を昂揚する方法といたしまして、(「大きなことを言うな」と呼ぶ者あり)或る場合には私企業を以て活用する場合をよしとすることも少くないのであります。(「何を言つとる」「黙つて聽け」と呼ぶ者あり)けれども現在の状態におきましては、この國家の貴重なる資金資材を傾倒し、乏しき物資を他産業を犠牲にして注ぎ込んで増炭を目途とする方式は、必ずしも私企業を主体とせる自由経済下における増炭の目途は、國家目的並びに最終の増炭の成績を挙げ得ることは極めて困難であります。(「口ばかりだ」と呼ぶ者あり)かような状態におきまして、今回政府の採られましたるこの緊急措置は、臨時措置でありまするこの方法は、多少の疑義もありまするし、多少の意見もありまするが、(「何を言うんだ」「速記録を見ろ」と呼ぶ者あり)これを大衆的見地から見、(「肚と言つていることは違う」と呼ぶ者あり)各方面から検討いたしますれば、現下石炭の増炭の方法におきましては、この方法によらざる外、國家的性格を持つてやる方法より以外は、今申上げまする通り、最終の石炭増炭の成績を高度に発揮することはできないと感ずるのであります。(拍手)(「よく言えたな」と呼ぶ者あり)併しながらこの方法を貫徹いたしまするのは、(「嘘言うな」と呼ぶ者あり)実に係つて人が必要である。第二には、資金、資材を充実し、重点的なる助成の方法を講ずること、(「大きなことを言うな」と呼ぶ者あり)第三は、組織の問題であります。更にこの三つを総合、連合体の有機性を高度に発揮いたしまして、運営の妙を得るということが、これが管理方式の最も重点であり、且つ鍵であり、軸であろうと考えるのであります。
 この法案が我が参議院に回付せられまして以來、今日まで数十時間に亘りまして、いろいろ審議の経過、質疑応答を見まするに、多少の欠陥はありましても、多少高所より判断いたしまして、政府の意図せるところは必ずしも的を外れておらない。(拍手)(「何を言つておるのだ」と呼ぶ者あり)又これらにたいしまする政府の熱意、組織、こうした各般の事情を総合いたしますれば、この法案で十分臨時的な措置といたしましての石炭増産の目的は達し得られるという点が十分看取せられておるのであります。(拍手)もともと私はこの人を得るにつきましても、官廳役人のこれらの衝に当る適正なる人を選び出すこと、或いは事業主の増産意欲に協力熱意を持たしめる方法を探ること、勞務者各位におきましても、國家危急存亡に際会せるこの経済復建の事態に直面し‥‥(「大きなことを言うな」と呼ぶ者あり)大衆的熱意を傾倒せられ、おのおのの人を得られることがもとより肝腎であるのみならず、又政府におきましても、資金、資材各般の事情を最も迅速果敢に、且つ焦点を突いて補給助成をすることの妙を得ること、更にこの組織は、誠に官僚独善に陥らないように有機的な、而も温かい親切な指導力を持つた組織の活用が必要であるのであります。(「何を言つておるのだ」「立派だぞ」と呼ぶ者あり)かような意味におきまして、今回衆議院より回付されましたる修正案は、十分ではないのでありまするが、やや至れり盡せりとまでは言われなくても、その正を得ておるといいうことは十分看取されるのであります。(「何を言うか」「酔つぱらい黙れ」「謹聽」と呼ぶ者あり)黙れ。ただ私はこの場合におきまして、先程申上げましたる通り、この法案は、完全無欠のものではないのでありまして、或いはこの官僚独善に陥りやすい場合が、管理委員会、或いは中央地方の管理委員会、或いは局長が現地管理者に対する措置等、命令事項の各般に跨がる点等は、大いに政府におきましても考慮按案すべき点が亦あると考えます。或いはこの事業主のこの経営体を保護育成、健全なる石炭増産の目的を達成する事業主の立場を、私企業の妙を又得るように、政府は指導するような点につきましての、必ずしも親切な措置のみが盛られておるとは考えられないのであります。(「その通り」「酔つぱらい」と呼ぶ者あり)或いはこの勞務者に対しまする増産協力の熟意を盛り出すために、尚もう一点、二点、三点の必要なる部面もこの法案に織込むべきだとは考えますけれども、併しながら飜つて只今申上げます通り、いろいろの事情を考えまして、且つ又この貴重なる資金、資材、食糧等を他産業を犠牲にいたしまして、この増炭のために血の一滴を注入いたしておりまする事情でありまする以上は、各方面の多少の犠牲は止むを得ぬ。これを管理統制することは國家の目的として又当然なる措置であります。(拍手)(「弱き者よ汝の名は哲夫なり」と呼ぶ者あり)かような見解に基ずきまして、私は本法案に対して賛成の意を表するものでありますが、ただここに一点この法案通過実施の暁におきましては、政府当局に対しまして、只今申します通りこの責任の所在を明らかにしまして、衝に当りまする官吏の各位は熱意を以てこの管理指導統制の衝に当るはもとより、且つこの本法の運営の衝に当りましての親切な取扱が極めて肝要であると思うのであります。又事業主におきましてはそれぞれの分野、責任におきまして能率向上を図り、その責任の重大性に鑑みまして、政府と勞務者の間にあつてよく調和協力の実体を把握していただきますと共に、現下資本の重大性に鑑みまして、多少の犠牲はしましても國家再建の基礎を‥‥いつの日か又事業主に廻り会う春も考えまして、(笑聲)大いに、この間に事業主の立場は幾多の困難もありましようが、大衆的見地より絶大なる協力を懇望せるのであります。(拍手)更に勞務者各位におきましても徒らに分配、分取りの爭議ばかりに熱中することなく、(「大丈夫だ」と呼ぶ者あり)又反抗的な意識を以て各般の委員会、生産協議会に臨まれることなく、或いは本法実施、事業計画実施の衝に当りましての重大なる責任者であります勞務者におきましては、先ず増産を確保することがそれ自体の生活確保でありますと共に、おのおのの給料の改善に大いな要素でありますことに自覚されまして、常に事業主と相互理解の上に立つて、その本分に一路邁進、熱意を傾倒せられんことを望むのであります。(拍手)國家、社会、國民は挙げて‥‥この勞務者の意図せられる方向次第によつて、この法案が誠に政府の意図せられまする増炭の目的を達成するや否やの鍵になると思うのであります。この際勞務者各位は非常なる國家を挙げての期待の中にあることに自覚されまして、(「勞働強化だ」と呼ぶ者あり)且つその責任の重大さに自覚されまして、一層本石炭増炭に対しまして非常なる熱意を傾倒せられんことを(「大きなことを言うな」と呼ぶ者あり)望みまして、私の賛成とする点であります。(拍手)
#86
○議長(松平恒雄君) 細川嘉六君。(「細川嘉六止めろ」、「共産自由党」、「黙つて聽け」、「落着いて」、「もう解つたから止めろ」と呼ぶ者あり)
   〔細川嘉六君登壇、拍手〕
#87
○細川嘉六君 私は日本共産党を代表して本案に反対する者であります。我我の反対の立場は自由党とは(拍手)白と黒との差であります。何故國管が今日問題になつておるか、これは我が國の経済が未曾有の破局に陥つた、これがために年寄も子供も実に難儀しております。これは重大産業が実際そのなさるべきことがなされない。殊に石炭のごときは全産業の心臓であるに拘わらず、三千万トンすら掘れない、この全産業の基礎である炭業は、どうしても一大改革をやつて増産をしなければ、この問題について片山内閣は、政府、事業主、勞働者の三位一体とか、或いは百パーセント資本家的でもなければ、百パーセント勞働者的でもない、中道の道を行つて、これを解決すると言います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)併しながら言葉ではありません。実際はどうか、事実はどうか、今日官僚は従來の専制主義の思想から脱し切れていない。無能腐敗の官僚であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)これに全権を與えようとは誰も考えない。官僚統制はやめて欲しい、これは國民一般の考えであります。事業主はどうか、炭鉱主はどうか、これは終戰以來二ヵ年間に亘つての経験が示しておる。今日まで百五十億の金、大衆課税による財政から大金を注ぎ込まれて、増産ができない、資材がない、資金がない。これは全く今日の石炭増産の責任を担い得ないということを物語つておる。明らかに示しておる。而も炭鉱主は、これは勞働者が悪い、勞働者が働かないからだと言う。責任は勞働者に掛けておる。併しながら勞働者は本当のところはどうか、磨滅した機械の炭鉱において、非常に危険な作業に從事しておる。坑木は碌に與えなれない。排水、排氣、運搬その他の設備は実際は行届いておらない。而も従來長壁後退式採炭をやつておる。これは最も進歩的な採炭法である。併し戰時中の濫掘からして、今日は長壁前進式というような、危険な、落盤の虞が常に絶えないこの危機に暴されて採炭しておるのであります。技術の面におけるこの不しだらな炭鉱主のやり方に対して、勞働者は、経営協議会等においてその技術上の手当てをなすべきことを要求する。併しながら炭鉱主側では、それは儲からないからという言葉で抑え付けてしまう。それがために炭鉱勞働者というものは、技術の点については、長年の経験上、どこをどうすればいいかよく知つておる。それが一つだつて行われない。この状態であります。人間らしい住宅を與えられておるか。これは今日参議院、衆議院の視察團が、皆不十分であるということを認めておる。食糧は他の産業の勞働者よりも與えられておるといいましても、一日の地下勞働において二キロからの目方が減ります。こういう特殊な勞働であります。待遇はいいというものではありません。炭鉱勞働者というものは働かないのではない。働けないというのが実情である。我々は炭鉱問題を解決するに当つて、勞働者の本当のところをよく理解しなければ解決はできません。(「それを思うからできておるのだよ」と呼ぶ者あり)これを要するに、炭鉱の事業主は、國家財政の非常な負担において、そうして勞働者に重い重い負担を加えなければ立つていけないというのが現状であります。(「興奮せず水を呑んでやれ」と呼ぶ者あり)
 そこでこの誠に情けない我が國の炭業において、これを本当に國民経済の基礎として立て直すには、何の途があるか。(「この法案があるじやないか」、「だから國管が必要なんだ」と呼ぶ者あり)それは一つ、國営人民管理であります。これは極端なようなことではあるが、何も極端なことはない。この遂によりますと、三千万トンはおろか、八千万トンも掘れる。(笑声)(「冗談を言うなよ」と呼ぶ者あり)これが世界的水準の科学技術を応用する、そうして大規模な全國を一丸とした炭田としてやる。これがためには、今日の炭鉱主の資本ではやつて行けない。実際、事柄は非常に極端なように聞こえまするけれども、國営人民管理というものは、これは今日の時代の要求である(「ノーノー」と呼ぶ者あり)今日我が國において炭鉱資本というものは、拂込において約二十億円、今日のお金にしますというと些些たるものである。すでに炭鉱業者は百五十億以上の金を政府から注ぎ込まれておる。そうしてこれらの資本というものは、大部分は戰爭の責任を問われて解体されておる財閥の有するものであります。今特株整理委員会にこれをお預けになつておる。この三十億、四十億の金を、今日の國家財政において買取つて、そうしてこれを今皆大改革をやる。これはむずかしいことではありません。國営というと、直ぐ官僚の非能率を指されるが、これは間違つておる。今日人間の進歩した状態においては、人民管理は容易にできる。この國の重大な産業を人民が管理して行く。皆責任を人民が管理して行く。皆責任を以てこれを監視し、そうして事業に当つても、勞働者が、それに当る勞働者が一生懸命になつてやる。これはできることである。勞働者に本当に責任を持たせる。感じさせる。我々のやつておることは即ち國の運命に関することであるということをしつかり知らせる。これが何よりであります。苟くも責任を持つ。そうして我々がこの運命を背負つておるという以上は、これは人間は発奮して努力します。日本の勞働者にこの力がないということはできない。本当に今働いておることが、その上に立つものに搾取されるとか、横取りされるとか、他人のために働いておる、そういうものでなく、我が國の我が民族の運命に関しておる。それに自分は立つ。自分はそのために働いておる。この一念というものは恐ろしいものであります。これはすべてを解決する。
 現政府は民族危機を言う。或いは高度民主主義を言う。本当にこうにいうことを考えるならば、今申すような必要な容易な國営人民管理を行い得るわけであります。九割以上を占める我が勤勞人民の発奮興起することばかり、(笑声)この一点のみがこの國を建設します。(拍手)このどん底から起ち上がらせることができる。このことは我が國においてだけではない。この三十年來世界の歴史においてこれが証明されておる。國の事情は違う。併しながらソ連を見て御覧なさい。あれはどん底から起つた國である。今日は世界において爭われない力を持つておる。ポーランドやチエツコを見て御覧なさい。あの戰爭の中から起ち上つて來て、炭鉱はすでにその戰前の水準を超えようとしておる。(「お前が邪魔しておるのだ」と呼ぶ者あり)(笑声)苟くも國民がその政府を信じ、自分等の立つておる所、立ちつくしておる所、それが即ち民族の運命と一つであるという所を自覚する上において、予期せられない力が発揮される。多くの諸君は勞働者を理解し得ない。國民の、働く者の心理を知らない。個々の大衆の氣持、働く者の精神を摘む。これを最高度に動かして行く。これが政治である。これが國を建てる基である。これは世界が示している。(「増産法案だからね」と呼ぶ者あり)
 今日の國管案というものは、全く四十万勞働者の総意、総力を発揮させるものではない。無能な行詰つた炭鉱資本化を擁護し、(「早く読んでしまえ」と呼ぶ者あり)腐敗無能な官僚支配を強化するものである。水谷商工大臣は、この法案はそういうものであると言つて現状を法律的に確認したものである。併しながから現状を確認したということは、今日の闇、インフレの日本、これを確認したというものである。(「それは違うよ」「さつさと読めや」と呼ぶ者あり)これは今日の國民に更に非常な負担と苦悩とを増大するものである。國家の財政は段々重い負担を背負わなければならなくなつておる。問題は誰が誰を管理するかということである。今日管理さるべきものは官僚である。炭鉱主である。(「然り然り」と呼ぶ者あり)勞働者を今申すように、奮い立たせるということが一番大事である。今國管案について申しまするならば、官僚支配というものは大資本において十分保障されておる。地方管理委員会或いは全國管理委員会という機関が作られておるが、これは民主主義的な色を着けたに過ぎない。(「馬鹿言え」と呼ぶ者あり)炭鉱主と官僚との結託はこれから始まる。(笑声)炭鉱の事業主はどうか。第十五條において事業計画を作成する。その実施の責任は炭鉱管理者に與えられておる。炭鉱管理者とは何ぞや。炭鉱主の任免によるものであつて、全くこの番頭である。そうしてこの炭鉱の経営については、原案の八條においてはかなり厳しい臨検、検査をするというが、今度は監査として、非常に臆病になつておる。殊に原案九條を削除しておる。これは全くどこまで炭鉱の経営を闇にするのか。更に炭鉱主については十二條、三十八條等において重大な保証を與えられておる。これらの保証によつて中小炭鉱は大炭鉱の支配下に属する、いろいろの炭鉱に必要なる資材の製造者はこれに協力しなければならない。こういうふうにして、この財閥炭鉱の事業主は十分に保障されておる。最後に四十條で(「時間時間」と呼ぶ者あり)損失は補償するといつておる。これは三年間も経てばこれらの事業は皆大炭鉱主のものとなるわけであります。その他生産協議会の規定がありまするが、これも結局は名を民主主義に籍つて会社側の意向というものを十分保障されておるのであります。(「もうよろしい」と呼ぶ者あり)いろいろの問題を生産協議会が協議し得るようになつておるが、結局は勞働強化より外はありません。そうして三十五條によりますと、勞働者の爭議権というものは勞調法によつて押し潰されてしまう。こうにうようになつておる。今日國管案は不完全といつても、ないよりはいいと言う。(「時間時間」「その通り」と呼ぶ者あり)併し生産協議会とか或いは管理委員会とか、そういうものによつて或る程度勞働者が文句は言えるようになつておるが、その枠内において締め付ける。その仕組が何の一歩の前進でありましようか。勞働者が今日これらの機関によつて法的に締め付けられることになつておるのであります。(「ゆつくり相談して行こうや」「ゆつくりやれ」「自由党拍手しろ」「そうだ」と呼ぶ者あり)
 今この國管案の通るに当つて自由党の諸君は一体何をやつておる。(「自由攻撃か」と呼ぶ者あり)資本家の擁護である。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)何もこういう管理案によつて縛られておるのは厭だ。政府は金を出せ。資材を出せ。経営は我々に任せろ。こういうわけである。そうして中小炭鉱はこれの犠牲者になれ。自由奔放にやりたいというのである。そこで一番問題になつておるのは生産協議会である。これにおいては、これは全くの詰問機関である。その詰問機関すら置くことはできない。承認することはできない。(「賛成か反対か、はつきりしろ」と呼ぶ者あり)これがためにあらゆる手を盡して反対して來ておる。原案より更に悪くして、参議院まで持つて來ている。(笑声)勞働者の民主主義の要求というものは押え付けることになつておる。今日又自由主義経済というか、日本のこの現状において、又世界のこの状態において、これはできなくなつて來ておる。もう少し自由主義経済が許されるならば、これは闇とインフレを助長して、闇とインフレはここから出ておる。これを何とかしなければならん。これは統制をやるより外はない。統制を外したら何事が始まるか。下手な統制ならば、闇とインフレを抑えようとしても押え切れない。本当の統制は重大産業の國営、人民管理をやればよろしい。これは非常にむずかしいようである。極端のようであるが、これをやれば、これは闇とインフレは止まる。これが厭なんである。自由党の諸君はこれが厭なんである。(拍手)闇とインフレが好きなんである。民主党は‥‥(「民主党席を見て言わないでいいぞ」と呼ぶ者あり)民主党は非常におとなしいことを言つておるが、実際はこの行き詰つた資本主義をどこまでも持つて行こうとしておる。(「責任があつたら言えないよ」と呼ぶ者あり)自由党は荒々しい男のようであります。(拍手)民主党はなかなかおとなしい。紳士のようであるが、狙うところは一つである。(笑声)行き詰つた資本家の腰を何んとか押えて行こうとしておる。(「分つた」と呼ぶ者あり)國民経済を段々と深みに陥れておる。同じことである。(「社会党はどうだ」と呼ぶ者あり)(笑声)社会党は本当は(「石炭問題を話せ」と呼ぶ者あり)当初において現状を把握し、勤勞大衆をどこまでも盛り上げようとした。併しながら連立内閣という口実と下に段々と主張を落している。今日大資本家を擁護する官僚の堕落である。(「二十分を超過したぞ」と呼ぶ者あり)何のための‥‥(「冗談を言うな」「時間だ時間だ」と呼ぶ者あり)今日の政治家は國民の立場において‥‥(「最も力を入れているのはそこじやないか」「冗談言うなよ」と呼ぶ者あり)それぞれの利害を超過して、全國民が生きるための努力をなすべきである。これが政治家である。我が國においては國営人民管理が必要である。これを実現することは、政治家として國民が選んだところの我々の責任である。(「各派交渉会の約束を守れ」と呼ぶ者あり)これによつて今日の炭鉱問題を解決し、(「議長、時間だ」と呼ぶ者あり)全産業を建設することができる。
#88
○議長(松平恒雄君) 細川君、時間を守つて下さい。
#89
○細川嘉六君(続) 我々は徒らに高度民主主義を叫ぶべきでなく、全國民が生きるための有らゆる手を打つべきである。全國民、全勤勞者が一つになつて、(「時間厳守」と呼ぶ者あり)働き得るようになれることを期待している。(「約束を守れ」と呼ぶ者あり)これによつて私は國管案に対して反対の意を表するものであります。(拍手)(「御苦勞様」と呼ぶ者あり)
#90
○議長(松平恒雄君) 兼岩傳一君。
   〔兼岩傳一君登壇、拍手〕
#91
○兼岩傳一君 本案は社会主義立法という堂々たる名称で呼ばれておりますが、その内容は凡そこの名称を裏切つて、極めて妥協的な、極めて中途半端なものであります。(笑声)(「中道を歩む」と呼ぶ者あり)だから、たとい本案が成立いたしましても、恐らく我が國の石炭鉱業の復興に大して役立たないのみならず、(「然り」と呼ぶ者あり)場合によりますと、社会主義立法の名称が立派であるそのために、我が國勤勞者階級の遅れた人たちに、恰かもこれによつて社会主義実現可能のごとき幻想を與えるとしますならば、これによつて有害な作用さえも來る虞れがあるという可能性を我々は感ずるのであります。(拍手)(「その通り」と呼ぶ者あり)従つて私共民主主義團体の代表を以て構成いたしておりまする無所属懇談会といたしましては、(「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)この案に賛成するか、反対するかは非常に慎重な考慮を要する問題として我々は考えたのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)併し私共はここで考えなければならないのは、今日日本の民主主義陣営の勢力が十分に終決されていないということであります。(拍手)統一されていないということであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)強化されていないということであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)依然としてこれらの欠点から、我が國の勤勞者階級である多くの國民大衆は封建的な束縛の下に悩んでおるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)この現状に鑑みまして、これはむしろ本案を通過させ、これを足場として、我が國民主主義勢力の発展を図り、封建勢力を打破して行く。(拍手)こういうことを私共は考えたのであります。(拍手)(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)これによつて私共は、我が國産業の復興と民主化を促進し、一歩前進せんと志すものであります。「然り然り」と呼ぶ者あり)(拍手)これが本案賛成の第一の理由であります。
 賛成の第二の理由は、新しい憲法の下、二院制の下で、私共参議院を民主的にいかにして運営して行くかという問題に関連いたしておりまして、極めて重大であると考えます。(「そこだそこだ」と呼ぶ者あり)本案に反対の政党並びに反対の國民勢力は、共産党は別でありますが、(笑声)(「遠慮するな」と呼ぶ者あり)主として炭鉱資本家を背景とするところの保守政党、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)並びに保守勢力であります。(「その通りその通りだ」と呼ぶ者あり)これは当然であります。(拍手)(「その通りだ」「馬鹿言え」と呼ぶ者あり)然るに最近衆議院におきますあの本案審議のあの三日に亘る乱闘騒ぎ、(「そうだ」と呼ぶ者あり)これはその保守勢力が單に保守的勢力であるのみならず、極めて反動的な、(「そうだ」と呼ぶ者あり)極めて公正ならざる國民勢力を基盤とすることを、(拍手)私は立証したものだと思うのであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)我々はあの乱闘の背後に恥ずべき裏面工作があるということを、(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)察知したのであります。正しくない政治のために悩んでおります幾千万の國民大衆は、勤勞者階級を先登として、あの乱闘を何と眺めたか。(「泣いた」と呼ぶ者あり)犬猫政党と名付けまして、これを指導いたしております。犬猫政党、この犬猫政党という、たつた簡單な四つの、四字を以て構成されておりますこの一句の中に、乱闘議員に対する國民大衆の無限の憎悪と、(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)新しい國会に非常な期待を持つております國民大衆の不信任を、端的に現したものと私は言いたいのであります。(「そうだ」「参議院はどうだ」「参議院は堂々たるものだ」と呼ぶ者あり)(拍手)(笑声)我々はこのような旧態依然たる國会の運営には非常に賛成しにくいのであります。即ち我々は、國会民主化のために、これらの反動的勢力の策動に断乎として反対し、(「そうだ」と呼ぶ者あり)明朗な國会によりまして、民主政治の確立を、聊かなりとも促進する意味におきまして、本案に賛成するものであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)

#92
○議長(松平恒雄君) 玉置吉之丞君。
   〔玉置吉之丞君登壇、拍手〕
#93
○玉置吉之丞君 私は緑風会を代表いたしまして、(「緑風会は一人一党じやないか」「何が代表だ」と呼ぶ者あり)政府原案に反対をいたしまして、委員長の(「反動を代表する者だ」と呼ぶ者あり)報告に賛成する意思の表明をいたしたいと存ずるのであります。
 私は参議院に議席を占むる光栄を得ますと同時に、このたびの憲法の下に、新らしき國会の運営の上において、常任委員の重要性に鑑みまして、私はただ一つの鉱工業の常任委員をいたしておる者であります。(「知つてるよ」「そんなことは分つているよ」と呼ぶ者あり)その他の委員を私は兼ねない理由は、これを專門的に研究して真剣に行くには、人間の能力としてそう多岐多様、(「そんなことは分つているよ」と呼ぶ者あり)に亘れないという私の信念の下にさよう考えたのであります。(「分つておることはいいじやないか」「分つてたら聽いたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)
 我が國は敗戰の結果、その当初におきましてあらゆる生産が非常なる減退を來まして、その結果、今日我々國民が苦しんでおるということは御承知の通りの事実であります。中にもこの石炭は終戰直後におきまして一ヶ月僅かに五十二三万トンにまで減産を來したのであります。この減産の比率は他の産業に比べて非常に大なるものがあつたのであります。その内容を検討いたしますと、炭鉱におきましては中華民國の人、朝鮮の人及び強制的に徴用した人たちがここに働いておつたのが、終戰の結果それぞれ本國に引揚げてしまつて、あとに新しい人が入替つて入つたということが、この石炭の増産が非常に一時的に減退を來したということは、(「古い古い、そんなことは」と呼ぶ者あり)これ亦皆さん御存知の通りであります。(「マイクロフオン不公平だね」「聞えない、議長用意してくれ」「少し落ち着いて」と呼ぶ者あり)私は生産が順次上昇いたして参りまして、本年度におきましてはすでに二千八百余万トンを突破しておる。この事実に考えまして、石炭の増産状況はさように悲観したものではないということを考えておるものであります。(「それ以上出すのだよ」と呼ぶ者あり)それ以上出すために(「國管をやるんだ」と呼ぶ者あり)私は果して本法案が効果的であるか、(「大いに効果的だ」と呼ぶ者あり)増産に適するかしないかということについては、(「非常に適する」と呼ぶ者あり)真剣に検討いたして参つた者であります。故に私は衆議院における鉱工業の委員会の御意見も伺い、又衆議院におけるところの公聽会等にもしばしば出席して、それらの人方の專門家のお話も聽いたのであります。併しながらこれらのことを総合いたしまして、結局経営者はもとより反対をいたしておりますけれども、勤勞階級を代表しておる人たちにもこれに慊らぬものがある。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)即ちこういう生温るいものではいけない。若しも管理を行うならば、全炭鉱に及ぼさなければ意味を成さんという議論も聽いておる。(「都合のいい議論だ」と呼ぶ者あり)又今日は勤勞階級の中、殊に全炭協の人の中にも反対をいたしておるということは蔽うべからざる事実であります。さような事柄を考えます点より、果して本法案が國会を通過いたして実施いたしましても、どれだれの効果が挙がるか。(「非常に挙がる」と呼ぶ者あり)その点に多大の疑念を持つて(「やつて見なければ分らん」と呼ぶ者あり)検討いたして参つたのであります。やつて見なければ分らないような、さようなことでは我々國会に籍を持つところの任務を果せるか。(「同感」と呼ぶ者あり)而もこれも石炭の増産ができるかできないかということは、國家再建の重大なる鍵であると……私は(「そんなことは分つているよ」と呼ぶ者あり)分つておれば黙つて聽き給え。(「黙らない」と呼ぶ者あり)私は前刻衆議院における醜態を誰かが指摘されたに対して、諸君は手を叩いておつたじやないか。(「興奮するなよ」と呼ぶ者あり)興奮はしておらない。静かに聽かなければ論旨は盡きない。(「脱線するな」、「本論をやれ」と呼ぶ者あり)私はこれは増産ができるということによつて國民が救われる。(「余計なことを言わんと先をやれ」と呼ぶ者あり)電力の問題、電燈の問題、悉くこの石炭の増産ができるかできないかということに繋つているということは事実である。これをどうしたらよいかということで……(「政治力を結集すればよいのだ」と呼ぶ者あり)政府当局に質問して見ると、ただこれは一つの組織法であつて、この法案ができて、それに裏附けするものがあれば、初めてそこに増産の目的が達成できるということを水谷商工大臣はたびたび委員会においてお述べになつておる。(「ない」と呼ぶ者あり)私はこの際最も簡潔にどうすれば石炭が余計掘れるかということについて考えて見たのであります。(「反対するのか」と呼ぶ者あり)私は若い頃に炭鉱にたびたび入つたものでありますが、炭鉱というものはおのおの山々に於て特異の性質を持つてゐる。(「違つてゐる。」「君よりももつと余計入つているよ」と呼ぶ者あり)水の湧き方、ガスの出方、又坑内の斜面の状況、坑道に達するところの距離(「それは他人がやるんだろう」と呼ぶ者あり)こういうようなことを考えますときに‥‥(「お前に何が分るか」と呼ぶ者あり)それだけのむずかしいことを私が分らなければ、尚官僚の役人の下つ端には分らない。(拍手)その故に反対しているのであります。(「勞働者は分つている」「そうだ」と呼ぶ者あり)これはさように特異性を持ち、複雑性を持つこの炭鉱の経営が、果して政府の考えている3年間というような短期の期間を以て、この目的が達成できるか、できないかということに多大の疑念を持つのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)長期的に亘つて経営しなければならんもの、やるとするならば、長期的にやるならよいが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)僅かに三年のごとき(「長期だよ」と呼ぶ者あり)短期間では目的が達せられない。かように確信をいたしておるものであります。(「ともかくやるのだよ」と呼ぶ者あり)
 私は、今日迄増産ができなかつた隘路がどこにあるかといえば(「資本家だ」「君らだよ」と呼ぶ者あり)これは石炭の(「業者だ」と呼ぶ者あり)掘り出したものを販賣する上において、いわゆる止むに止まれないこのインフレーシヨン防止のために價格を無理に抑えておるということが最大なる原因を成しておると思うのであります。従來それによる値段の決め方のごときも、ただあとから値段を決めるというような経済の原則に副わないようなことをいたした結果が、赤字金融というようなものが今日も尚解決できずして、業者も困つておれば、石炭の出ないという最大原因を成しておるということは諸君御承知の事実であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)故に私は政府はかくのごとき機構をいじることを考えるよりも、先ず以て金融を迅速に、円滑に行うことをするならば(「資本家のためになるだけだ」と呼ぶ者あり)ここに隘路が打開できる。又資材面においてもいわゆる重点的にこれを傾斜的にここに注ぎ込むと申しますけれども、今日までの実績におきましてはそれが現実に現れておらん。この意味におきまして先日水谷君も縷々お話になりましたが、政府が九月十八日にマツカーサー元帥の書翰即ち片山総理大臣に宛てられた手紙の趣旨に則つて(「新聞に書いてある」と呼ぶ者あり)石炭非常増産対策要綱というものを発表しておる。私はこれぐらい的確に今日の石炭の増産に、これを実施したならば最も効果的なるものであるということを深く信じ且つ敬意を表する者であります。(拍手)今日までの事柄を検討いたして、若しそこに足らざるものあれば、各省がこれを検討いたして即時に実行に移すということを書いてある。例えば石炭の仕事の中において、勤勞者が勤勞所得の不合理なることを考えて生産意欲が阻まれておるということも周知の事実であるこれに対して水谷君は委員会の席上において、この勤勞所得税の改正をすることを公約いたしております。併しながら尚今日これが実現できておらん、私は政府はよろしいと信じたならば、小口からそれを採り上げて、一つ一つ実行に移すことでなければならんと思うのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)ただこういうふうに紙へ書き立てて、例えば坑内の勤勞者に対しては特別に物の給與を考慮するというようなことを書いておりますが、これを出して以來どういうことをいたしておるか。これも何もいたしておらん。(「何の話だ」「さつぱり分らん」「寝言なら寝てからしやべれ」と呼ぶ者あり)私はこの意味におきまして、かような法案をいじるよりも、むしろこの石炭非常増産対策に基ずくところの施策を急速に行うということが一番適当であると思うのであります。
 尚私はこの法案に対して反対いたしまする最も大なる理由をこれから申上げたいと思うのであります。(「これからか」「賛成」、「時間がないぞ」と呼ぶ者あり)それはすでに御承知の官僚の統制が無駄が多い。非能率であるということは國民全部の認めるところであります。又過般鉱工業委員会の席上におきまして、私は大蔵大臣に対して官業の現況を縷々申述べまして、鉄道のこと、通信のこと、それらの事柄を実際に考えて、この度政府がお出しになつた追加予算の中においても、すでに鉄道に対して五十億円、通信に対して二十五億円という巨額な赤字補償の金が出ておる。(「意味が違う」「百億出しておるぞ」と呼ぶ者あり)併しながらかくのごとき(「石炭には百億出しておる」と呼ぶ者あり)巨額な金を出しておる。尚今日その収支が償わないというような(「石炭は違う」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)ことに考えまして、政府がこういうものに対して役人を殖やして、管理を強化するということは、ただ事業場におきまして、私共は常に書類の提出方に閉口しておつて、そのためにどれだけ無駄な人を使い、無駄な紙を使つておるかということは、この仕事に直接関係しておる者は、私共承知いたしておる事実である。(「分つた、分つた」と呼ぶ者あり)而もこれによつて能率が挙るか。(「挙る」と呼ぶ者あり)断じて挙らない。(「挙る」と呼ぶ者あり)その理由は、私は今日の役人が‥‥和田君が千八百円のペースを以て抑えて、現在どんな問題が起こつておるか。(「問題を外らすな」と呼ぶ者あり、その他発言するもの多し)給與の面の不自由を訴えるその不満が、山猫か赤猫か知らんが、(「何を言つているんだ、何を」と呼ぶ者あり)そういう形の新しい言葉の爭議を起こしておる。(発言する者多し)その半面において地方々々には役人が役得を利用して、よくないことよしておるということも事実である。(「誰に言つているんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私は役人を増やすよりも、むしろ(「業者を増せ」と呼ぶ者あり)待遇をよくして役人の能率を挙げなければならんと思うのであります。(拍手)本法案のごときは、若し実行に移すならば、すでに千人近い人を殖やし、又先般大蔵大臣が税務署の役人を二万四千人に殖やして、大いに税の徴収に力を挙げるいうようなことを申しておりますけれども、私は今日の現状に考えて、(「予算委員会で言え」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いかに行政の整理をせんければならんという時代に直面いたしておるときに、ただ役人を殖やすがごときことによつて、果して石炭の増産ができるかどうかということを深く検討しなければならん。(「それを言え」と呼ぶ者あり)それを云うのには頭の惡い方には諄々と申し上げなければ分らんと思うのであります。(「誰が頭が惡いだ」と呼ぶ者あり)私は政府が一体この石炭の増産に役立つものであるとするならば、この案を六月の國会の早々に出すべきものであると思うておつたような氣持をしておつた。然るにこれが九月二十五日に出て來て、衆議院で二ヶ月もかかつて、漸く先月二十五日に参議院に廻つて來た。その事実に鑑みましても、我々は短い期日であるが、熱心に慎重にこれを検討いたしたのである。その結果私は現内閣に対して初めから片山首相を私共は信任いたして投票いたしておる。この内閣に反対する考えはない。故に百六十件か知らん出ておる法案に対しても、その通過したる半数に対して我々は絶対賛成をいたしておるのだ。ただこの重大なる問題が占領下にあつて最高司令部はどう言うておるか。これこそ國会の総意に映して、そうしてその考え方に任ずるがよいと言うておる。それだけ事が重大である。その他の法案は、公團法のごときはどうだ。役人も好まん、又当業者も好まんというようなものでも、議員諸君が反対でも、時には通さなければならんというような憐れなる事態である。この事態に対して慎重審議せんければならんことに向つて‥‥(議場騒然、聽取し難し)私は芦田さんは前から存じておる人でありますが、感慨無量なるものがあると思う。この問題に対して、私は石炭の増産に役立たんこの法案に対しては(「役立つ」と呼ぶ者あり)絶対反対の意思を表明いたすものであります。私はそれよりも、政府は速やかにこの石炭非常増産対策の要綱に基ずいて、これをてきぱき実施に移すことにおいて絶対に増産できるものであると信ずるものであります。而も臨時金融措置の下において、これを実行せないものには金を貸さない。この一言で以て私は明らかに石炭の増産ができ得るものと信ずるのであります。(「さつぱり分らん」と呼ぶ者あり)私は別段にこの法案によらなくとも、三千三百万トンの明年の計画、続いてそれの後におけるそれらの計画が実現でき得るものと確信するものであります。(「やつぱり賛成じやないか」と呼ぶ者あり)私はかくのごとき法案が若し通るとすれば、(「腹を切るか」と呼ぶ者あり)政府においてこの責任を持たなければならん。又これに賛成をいたした者の責任は重大であるということを申上げまして、反対の意思を表明いたします。(拍手)
#94
○議長(松平恒雄君) 大畠農夫雄君。
   〔大畠農夫雄君登壇、拍手〕
#95
○大畠農夫雄君 私は社会党を代表いたしまして、民主党、國民共同等及び社会党三派共同修正になりましたる衆議院送付の原案に賛成の意を表するものでございます。(拍手)
 一國の消長が産業に制約され、一國の産業が石炭に支配せられるといたしまするならば、現日本の段階におきましては、石炭の使命たるや誠に重大なるものでありまして、これに関する法案こそは、実に國家の一大法案と言わなければならないのであります。本法案の審議に当りましては、慎重にして公正なる態度を以て臨み、國会の尊厳を冒涜する、流れるところの風評は、我が参議院によつて抹殺し、真に公僕たる使命を全ういたしまして、立法府の神聖さを保持すると同時に、法治國としての國民の自覚と覚悟の下に國会を信頼せしめて、日本再建の基礎たる民主政治の完璧を期さなければなりません。然るに政府において臨時石炭鉱業管理法案なるものを発表いたしますや、世上雑音を混えまして、賛否両論に分かれ、世間の耳目を聳動し、政府は混乱に陥り、暗黒政治の再現と、本法案に対する迷宮入りの感を國民に與え、多大の迷惑を掛けましたことにつきましては、我々國会議員といたしまして誠に申訳ない次第と存ずるのであります。(拍手)白亜の殿堂に巣籠つて理性を逸脱したる野獣的物真似をなし、(笑声)或いは愚劣なる模倣に流れ、みずからの資格を失うがごとき言動は一切排除いたしまして、真に公僕たるの真價を発揮して、常に真剣にして現実に即したる國民生活の安定を念願とすることこそ、我々議員に與えられたる使命と言わなければならんのであります。(「自由党分つたか」と呼ぶ者あり)産業を以て立國とし、民主政治を以て城壁とするならば、その計画は一方に偏せず、その立案は國情に従いまして、國民の要望する國民の利益のたるに樹立されなければなりません。日本再起の成否が産業にかかり、生産力の増強が國民生活の安定をなすとするならば、計画せるその産業も、計画せる出炭も、共に國家再建の基礎でありまして、而も石炭こそはその絶対量を必要とすることは言を得たないのであります。若しそれ石炭にいたしまして在來のごとき企業形態を持続せしむるならば、果して國民を納得せしむることができるや否や。はた又消費者をして、勞働者をして理解せしむることができるや否や、私はここにおいて確信いたします。それは國家管理の一途あるのみであります。國民の犠牲の下に税金に藉口して納入したるその金は、炭價の赤字補填の名の下に、或いは又建設資金の名目たる美名に隠れて、終戰後すでに莫大なる金を炭鉱に優先注入しておるのでありまして、これを以てするも、國民といたしましてはこれが監視をなすは当然の権利であつて、すでに半管理の轍を追つている業者は進んで政府に協力すべきがむしろ当然の義務であると信ずる者であります。(拍手)若し試みに民間金融業者よりその資金を借入れたることを設例といたしますならば、或いは銀行側より重役陣営の参加を受け、又は銀行の出張出納員によつて、経理の面は勿論、収入金は優先的に拂込ましめられて、事業干渉又指示等の制肘を受け、恰かも金融業者の経営に等しき運命を迫るという事実は日常聞見するところであつて、何ら奇異的現象でないのであります。(「紙芝居」と呼ぶ者あり)又若し依然として石炭を私企業に委ねるとするならば、常に國民は税金を以て赤字補填の責任者となり、反対に石炭を掴む者は産業界を支配し、経済界を征服して、更に國政はその機徴を握られ、國家の安否を襲断する実権は石炭を支配する者の掌中にあつて、國家存亡の鍵また業者に把握せられ、國民は一私人の意思によつてその者に追随するを余儀なくせらるる。又しても非民主的なる変態的特権政治の下に呻吟せざるを得ないといつても過言ではないのであります。(「浪花節」「黙れ」と呼ぶ者あり)今、本案に対する反対の論拠を挙げて批判いたしまして、その賛成の意を表したいと存ずるのでありますが、時間の関係上省略いたします。(「簡單」「やれやれ」と呼ぶ者あり)併しながらいずれも陳腐に属する反対論でありまして、果して真に國を憂い、國民の前途を考えておる議論なりや否や、誠に疑わしきものが多いのであります。
 私は過日炭鉱視察団の一員といたしまして、山口及び九州地方に出張し、具さに現場を見、更に常磐の炭鉱を視察いたしたものでありまするが、私の視察いたしましたる範囲におきましては、いかなる大炭鉱と雖も、資金の不足を訴え、勞働者はこれら不足のために、その生産意欲の上らざることを又訴えておるのであつて、これを見、あれを聞くときには、先ず勤勞意欲の昂揚こそ造炭の第一要件であつて、それをいかにすべきかということが問題であると信ずるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)而して勤勞者の勤勞意欲の昂揚は何に求めるかいうことになりますれば、それは資金、資材の充足であるということは勿論であつて、現在の炭鉱状態にいたしまして、資金、資材の充足せる炭鉱なしとするならば、現在における炭鉱増炭計画なるものはいつまで継続することができるか。それは單に時間の問題であつて、頼むのはただ勤勞者の生産意欲そのものと言わねばならんのであります。勤勞意欲が資金、資材に拘束せられるといたしますならば、現在の状態においてどこに増炭があるでありましよう。勤勞者に対しましては特に敬意を表するものでありまするが、あの社宅、あの資材、あの設備において、果して何年その意欲が続くでありましよう。政府も、事業主も、勞働者も、共に苦しむところのこの出炭を、即ちこの増炭方法を合理的に、而も政府も事業主も勞働者三位一体の下に全力を挙げて増産を達成し、この解決を図ることを目的とするのが本法案でありまして、我々は日本再建のために、この法案が参議院を通過すること衷心より願う者であります。不幸にいたしまして、本日の委員会におきまして否決いたされましたことは委員長報告の通りでありまするが、若し又万一本会議場におきまして否決せられる運命に立到るとするならば、勞働事の生産意欲は喪失し、増産はおろか出炭さえも望むことができず、生産力は抵下し、否、産業界がぴつたりと停止の状態に入つたとき、経済界の混乱は勿論、政府は昏迷に陥り、取捨付かざる事態の発生は必然であつて、誰かこのことなしと保証することができましよう。(「内閣は辞職」と呼ぶ者あり)その責任こそは誰が負うか。そこにおいて我々は赤裸々なる責任感の露出があるべきであると信ずるのであります。(「論旨が徹底しないぞ」と呼ぶ者あり)満場の各位におかれましては産業に復興のために、日本再建と民生の安定ために、速かに可決あらんことを切望いたしまして、私の賛成の言葉といたしたいと思います。(拍手)
#96
○議長(松平恒雄君) 藤井丙午君。
   〔藤井丙午君登壇、拍手〕
  (「修正案どうした」と呼ぶ者あり)
#97
○藤井丙午君 私は本案に賛成いたすものであります。(拍手)敗戰の結果荒廃に帰したる我が國重要産業の中にあつて(「分つておる」と呼ぶ者あり)
ただ一つ戰災を免れた重要産業は石炭、(「そうだ」と呼ぶ者あり)更に又極めて貧困なる國内資源の中にあつて、最も恵まれたる、最も豊富なる石炭、我々はこの石炭の増産によつて、拡大再生産への血路を切り開き、惡性インフレ克服と、経済復興の端緒をはつきり掴まなければならないのであります。(拍手)(「そうだ」と呼ぶ者あり)その意味におきまして、すでに石炭の超重要生産が強行せられまして、一般産業の、或いは國民生活の多大の犠牲の下に、厖大なる資材、資金、食料等が投入されつつあるにも拘わらず、現在の石炭生産は遺憾ながら、三千万トン・ペースにも達し得ないのであります。すでに石炭鉱業に投入せられましたる資金は、昭和二十一年以降本年十一月現在において実に百五十九億六千万円であります。更に又鉄鋼を初めあらゆる重要資材が、その生産の一割及び二割という極めて高い率の厖大なる資材が投入されておるのであります。食糧又然り。この乏しき食料危機の中にあつて、炭鉱勞務者には主食六合、家族三合、加うるに現場給食一合の配給があるのであります。而も亦炭鉱勞務者はすでに四十三万を超え、戰前の炭鉱勞働者の人員を違かに凌駕しておる。むしろ過剰人員の状態にさえあるのであります。先月連合軍司令部において発表せられましたところによれば、炭鉱勞働者の坑内夫一人当りのカロリーは三千四百三十七カロリー、坑外夫二千九百四十六カロリーと発表されておるのであります(「そんなことは分つているよ」と呼ぶ者あり)然るに同じく戰災を受けましたる欧州各國の炭鉱勞働者のカロリーは僅かに千八百八十カロリーと言われておるのであります。而もその出炭量たるや、現在の日本の炭工夫一人当りの月産出炭量は僅かに五トン半そこそこであります。これを先程の欧州各國の一ヶ月の出炭量二十トン以上に比較しますれば、僅かにその四分の一に足らないという極めて非能率なる生産であります。もとより炭鉱におきましては、戰時中の濫掘或いは設備の荒廃、資材、資金の不足、勞務者の質的低下といういろいろな惡條件の累積しておる事実を我々は知つておるのであります。更に又今日までの政府のあらゆる施策が、資金の面においても、或いは資材の供給においても、或いは炭價政策におきましても、悉くが時期を外れ、適正を欠いた事実も我々は指摘し得るのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)併しながら先程申しますように、一般産業の犠牲において、國民生活の犠牲において、かくも厖大なる資金資材が投入せられつつあるにも拘わらず、戰前戰時を通じて五千万トン以上生産されておつた石炭が、未だに三千万トンの水準に達し得ないというこの事実は、確かに私は炭鉱の中に、経営者の経営意欲の減退、(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)炭鉱勞働者の生産意欲の不振、乃至は職場秩序の不確立、技術系列の崩壊といつたより幾多の矛盾と欠陥の内在することを指摘せざるを得ない。(「その通り」と呼ぶ者あり)(拍手)更に又日本の炭鉱は、特に九州におきましても、もはや年々老朽いたしまして、その生産條件は悪化する一方であります。炭鉱増産のためには、今後新鉱の開発或いは設備の改修、拡充等に、厖大なる資金を或いは資材を要するのであります。本年度におきまして尚又四十億の設備資材を必要とし、來年度におきましては百二十八億という厖大な資金を必更とする計画になつておるのであります。而も炭鉱経営者の言うところによれば、現在のこの厖大なる赤字金融等は、到底拂う能力もなし、到底拂う意思もないということをはつきりと言つておるのであります。(「その通りだ」と叫ぶ物あり)(拍手)而もこれらの金融は、すべてといつていい程、復興金融金庫から融資を受けておるのでありまして、若しこれらの厖大な融資が返済不能となりますれば、それらの資金は、すべて國民大衆の犠牲において拂われなければならないのであります。(拍手)(「社会党の責任じやないか」「違う」「黙つて聽け」と呼ぶ者あり)かくのごとく、資材、資金の面のみ言いましても、炭鉱企業は或る意味において國家的、社会的性格を持つておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)況んや今後において厖大な資金、資材を要するとしますれば、これらの炭鉱に対しまして或る程度の國家の意思、國民の意思がその経営に加わることは、これ又当然のことであります。ここに私は今回の法案の重大なる意義があると存ずるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 私は簡單に、委員会を通じて、本法案の最も白熱的論戰の展開されましたる経営権の問題と、生産協議会による経営参加の問題につきまして、二三の所見を申述べたいと存します。委員会の委員の諸君は大多数が企業経営者であるのであります。(拍手)(「そうだ」と呼ぶ者あり)それらの我々の先輩諸氏の所見は、本法案は企業権の重大なる侵害であり、更に又勞働著の経営参加は経営の存立を脅かすものであるという意味において非常なる反対をしておられるのであります。又一部の論者は、現在の勞働運動の発展の段階においては、かくのごとき経営参加の形態は行き過ぎであるという所論を述べておられるのであります。これらの委員の諸君の現場の体験を通じての所見は幾多傾聽に値するものがあつたのでありまするけれども、私の認識を以てしまするなれば、この生産協議会のあり方、性格、機能は、これはすでに現在あらゆる重要産業等の企業体において持たれておりまするところの経営協議会の現在の姿であります。(「然り」「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)或る急進勞働組合においては、この経営協議会を決議機関としておるのも幾多あるのであります。この意味におきましては、或る意味においてはこれは一歩後退とも言い得るのであります。(「騒ぐな」と呼ぶ者あり)よく落着いて聽いて下さい。(「謹聽」と呼ぶ者あり)而もこの生産協議会のこの勞働者の経常参加の水準は、これは全國産業團体、経営者團体と全國勞働團体とによつて結成されておりまするところの経済復興会議におきまして、勞資双方から確認されておりまするところの経営協議会の基本的な水準と全く合致するものであります。(拍手)これこそ現在の経営協議会のあり方をそのまま法制化したのが生産協議会の性格、機能でありまして、(「嘘を言うな」と呼ぶ者あり)何らここに経営権の侵害とか、或いは経営権を脅かすごとき急進的な何ものもないのであります。結局これは勞働組合運動の発展に対する認識の相違であるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)(拍手)我々も経営者陣営に育つ者であります。成る程終戰後今日までの勞働組合運動の発展の推移を見まするに、一部少数者の誤まれる指準、階級的闘爭第一主義の指導によつて、(「共産党」と呼ぶ者あり)非常なる行き過ぎのあつたことも、非常なる弊害を伴つたことも嚴然たる事実であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)併しながら二・一ゼネスト以後におきましては、勞働組合陣営におきましては真剣なる自己批判が行われ、最も急進的と言わるる産別会議に於ても自己批判が繰返されつつあるのでありまして、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)勞働陣営の大衆は生産復興、生産第一主義に轉換されつつあるのであります。(「何を言つてる」)「ごまかすな」「資本家に儲けさせようというのだろう」「大きなことを言うな」「ゆつくりやれ」「簡單に要点をやれ」「頑張れ」「向こうを向いて言え」等と呼ぶ者あり)尚委員会における先輩の諸君は、我々の数十年の体験を以て絶対に反対であるという御意見であつたのであります。尤も我々は経営陣営の先輩諸君のその体験には学ぶべき幾多のものがあることはもとよりであります。けれども、遺憾ながらこれらの日子、これらの時代感覚においては、我我は誠に距たること遠きものあることを率直に発表せざるを得ないのであります。(拍手)
 私はこの意味におきまして、本法案が急進的なものに非ずして、最も現実的に即した組織、その管理方法におきましても、多分に経営民主化の線に沿うた民主的なる法案であることを確信するが故に、本法案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
#98
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告は終わりました。これより採決をいたします。本案の表決につきましては佐藤尚武君外四十五名より記名投票を以て行われたいとの要求が提出されております。現在の出席議員の五分の一以上に達しておるものと認めます。よつてこれより記名投票を行います。本案すなはち衆議院送付案の全部を問題に供します。委員長の報告は否決報告でございます。(拍手)本案即ち衆議院送付案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。これより氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
  [議場閉鎖]
  [参事が指名を点呼する]
  [投票執行]
#99
○議長(松平恒雄君) 投票漏れはございませんか。…投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の閉鎖を命じます。
  [議場閉鎖]
  [参事が投票を計算する]
#100
○議長(松平恒雄君) 投票の結果を報告いたします。投票総数二百十一票、白色票即ち衆議院送付案を可とするもの百三十二票(拍手)、青色票即ち衆議院送付案を否とするもの七十九票(拍手)
 右によつて衆議院修正案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
 [参考]
  賛成者氏名  百三十二名
   阿竹齋次郎君  國井 淳一君
   藤田 芳雄君  兼岩 傳一君
   千田  正君  栗山 良夫君
   佐々木良作君  羽仁 五郎君
   岩間 正男君  池田 恒雄君
   栗栖 赳夫君  波田野林一君
   山下 義信君  岡本 愛祐君
   安部  定君  高田  寛君
   久松 定武君  小野  哲君
   小川 久義君  鈴木 直人君
   楠見 義男君  帆足  計君
   藤井 丙午君  西郷吉之助君
   三好  始君  服部 教一君
   來馬 琢道君  松村眞一郎君
   姫井 伊介君  伊藤 保平君
   小宮山常吉君  飯田精太郎君
   小杉 イ子君  川上 嘉市君
   藤野 繁雄君  米倉 龍也君
   尾崎 行輝君  岩男 仁藏君
   穗積眞六郎君  奥 むめお君
   早川 愼一君  三島 通陽君
   東浦 庄治君  駒井 藤平君
   鈴木 憲一君  高橋龍太郎君
   山本 勇造君  村上 義一君
   中村 正雄君  カニエ邦彦君
   千葉  信君  大野 幸一君
   内村 清次君  中平常太郎君
   木村禧八郎君  下條 恭兵君
   山田 節男君  梅津 錦一君
   堀  眞琴君  松下松治郎君
   赤松 常子君  丹羽 五郎君
   河崎 ナツ君  金子 洋文君
   藤井 新一君  岡林文四郎君
   大山  安君  木下 源吾君
   門田 定藏君  堀内  到君
   石川 準吉君  波多野 鼎君
   原  虎一君  羽生 三七君
   椎井 康雄君  河野 正夫君
   新谷寅三郎君  島   清君
   島田 千尋君  吉川末次郎君
   太田 敏兄君  和田 博雄君
   松井 道夫君  伊藤  修君
   若木 勝藏君  松本浩一郎君
   天田 勝正君  田中 信義君
   谷口弥三郎君  油井賢太郎君
   岡田喜久治君  石川 一衞君
   小畑 哲夫君  鈴木 順一君
   平野善治郎君  安達 良助君
   高橋  啓君  小林 勝馬君
   田口政五郎君  紅露 みつ君
   深川タマヱ君  木内キヤウ君
   高良 とみ君  原口忠次郎君
   竹中 七朗君  藤森 眞治君
  深川榮左エ門君  星   一君
   水橋 藤作君  三木 治朗君
   大畠農夫雄君  田中 利勝君
   淺井 一郎君  伊東 隆治君
   村尾 重雄君  鈴木 清一君
   岩崎正三郎君  齋  武雄君
   岩木 哲夫君  佐々木鹿藏君
   鬼丸 義齊君  稻垣平太郎君
   岡田 宗司君  森下 政一君
   小泉 秀吉君  塚本 重藏君
   林屋 次郎君  中井 幸次君
   櫻内 辰郎君 尾形六郎兵衞君
   境野 清雄君  大隈 信幸君
          ―――――
  反対者氏名   七十九名
   中西  功君  板野 勝次君
   中野 重治君  細川 嘉六君
   廣瀬與兵衞君  九鬼紋十郎君
   玉置吉之丞君  田村 文吉君
   小林米三郎君  高瀬荘太郎君
   宿谷 榮一君  中川 以良君
   青山 正一君  加賀  操君
   伊達源一郎君  町村 敬貴君
   寺尾  博君  赤木 正雄君
   岡部  常君  北條 秀一君
   鎌田 逸郎君  徳川 宗敬君
   河井 彌八君  下條 康麿君
   佐佐 弘雄君  竹下 豐次君
   木下 辰雄君  佐藤 尚武君
   野田 俊作君  田中耕太郎君
   梅原 眞隆君  佐伯卯四郎君
   宇都宮 登君  山内 卓郎君
   井上なつゑ君  岡元 義人君
   結城 安次君  渡邊 甚吉君
   北村 一男君  加藤常太郎君
   西川 昌夫君  淺岡 信夫君
   堀  末治君  荒井 八郎君
   西川甚五郎君  奥 主一郎君
   鈴木 安孝君  大屋 晋作君
   山田 佐一君  中山 壽彦君
   黒田 英雄君  寺尾  豊君
   草葉 隆圓君  石坂 豊一君
   柴田 政次君 大野木秀次郎君
   遠山 丙市君  小林 英三君
   板谷 順助君  小泉 政喜君
   松野 喜内君  黒川 武雄君
   玉屋 喜章君  松嶋 喜作君
   徳川 頼貞君  一松 政二君
   大隅 憲二君  深水 六郎君
   平岡 市三君  小野 光洋君
   團  伊能君  中川 幸平君
   重宗 雄三君  西山 龜七君
   左藤 義詮君  小串 清一君
   水久保甚作君  平沼彌太郎君
#101
○議長(松平恒雄君) 本日はこれにて延会いたします。明日は午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後九時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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