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1949/05/26 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第23号
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1949/05/26 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第23号

#1
第005回国会 商工委員会 第23号
昭和二十四年五月二十六日(木曜日)
    午前十一時五十四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 小金 義照君 理事 村上  勇君
   理事 川上 貫一君
      阿左美廣治君    岩川 與助君
      江田斗米吉君    門脇勝太郎君
      高木吉之助君    多武良哲三君
      福田  一君    森下  孝君
      聽濤 克巳君
 出席政府委員
        総理廳事務官
        (物價廳第四部
        長)      向井 鹿松君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  最上 章吉君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  齋藤 八郎君
        農林事務官   青柳 確郎君
        通商産業事務官 佐久  洋君
        專  門  員 越田 清七君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 繊維に関する件
    ―――――――――――――
#2
○村上(勇)委員長代理 これより商工委員会を開きます。
 私が委員長の職務を行います。ただいまより繊維に関する件を議題として調査を進めます。質疑を継続いたします。
#3
○川上委員 議事進行について発言をいたします。この委員会を開かれておるのでありますが、どうもこの委員会を開く、またどういうことを審議するということについて、理事会を開かれておりませんし、私理事の一人でありますが、何も知らない。おそらく委員長の方でかつてにおきめになつたのだろうと思いますが、こういうやり方はやらぬようにしてもらいたい。きようどういう疑似があるのかわれわれはわからない。これから審議を進めるのでありますが、私理事でも何をやるかちつとも知らない。これははなはだ横暴だと思う。こういうやり方はやつてもらいたくない。この点についてひとつどういうわけであつたのか、委員長の方から御説明願いたい。
#4
○村上(勇)委員長代理 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#5
○村上(勇)委員長代理 それでは速記を始めてください。質疑を続けます。
#6
○門脇委員 繊維関係のうち繭、生糸を原料としまするところの絹製品、あるいは生糸と人絹糸とをもつて交織しておりますところの交織織物、あるいはくず繊維を原料としますところのガラ紡とか特紡、こういつたものを統制のうちから解除するという計画が、相当前から政府において進められておつたわけであります。中間報告はたびたび伺つたのでありまするが、從來の話に相違して実施が非常に延引しておりますが、その間の経緯並びに今後の予定、そういつたことについて政府当局から詳細に伺いたいと思います。
#7
○佐久説明員 繊維品の統制解除について大分前から安本、商工省、繭、生糸に関してはこれにまた農林省が加わるのですが、打合せをいたしまして、一案を呈示いたしまして、司令部の了解を求めるように努めて参つたのでありますが、その間指令部の折衝に非常に時間を要しました。司令部の中においても事が相当重要問題であつたために、議論も相当あつたようでありますが、一昨々日でありますが、正式なメモが向うから出たのであります。それによりますと、私ども関係者の間で一應の相談をいたした内容、それから一部衆議院の方にも中間報告として御報告申し上げた内容と、若干の狂いがあるのであります。向うからOKの出た内容につきましては、昨日新聞発表をいたしてありますが、最初の私どもの考えた点と狂つた点だけを申し上げますと、ガラ紡、特紡というような製品については、織物以降の段階で統制からはずすということはかわりがないのでありますが、さらにもう一つさかのぼつた糸の段階で、ガラ紡、特紡の糸も、ある特殊なものを除いては統制からはずそう。こういう考えでおりましたが、それが糸の段階においても、一應統制すべきであるというようにかわつたのであります。
 それから第二の点は絹織物その他の繊維と交織の製品でありますが、一應糸として統制されるものを含んだ場合には、絹との交織製品も統制から解除してはならない。こういうふうにかわつたのであります。
 そのほか設備制限の関係もありますが、これは急にかわつたのではなく、最初私どもが考えた点と初めから話が食い違つたのでありまして、一昨々日のメモによつて変更されたものではないのであります。大要そういうような点が変更されております。なおこの生糸の点につきましては私の方の所管と違いますので、別にお答えがあることと思います。
#8
○門脇委員 ただいまのお話で、もう一段克明に答弁していただきたいのですが、ガラ紡、特紡は織物になりました以後は統制が解除されるのですか。それをはつきりしていただきたい。ガラ紡、特紡の原料の糸まで統制されるのか。そうしたならば、ガラ紡、特紡の糸をつくる原料のくずの関係は、どういう処置を受けるかということを、引続き質問はいたしますが、とりあえずもう一つ伺います。
#9
○佐久説明員 ただいまの御質問の順序を逆にしてお答えした方がわかりやすいかと思います。
 ガラ紡、特紡の糸の原料、つまりくず繊維ですが、これは工場発生の木綿くず、毛くず、スフくず、人絹くず、こういうものは統制を受けるのであります。その工場発生という意味が、最初私どもの了解しましたのは、紡績も工程で発生したものだけを統制して、その以降の段階で発生したもの、つまり機屋さんだとかあるいはメリヤス屋さんというところから出て來るくず繊維については、統制から除外するというふうに考えておりましたが、工場発生というものはそれらのすべてを含む、こういうふうな向うの解釈のようであります。この点まだ若干疑問がありますので、けさも司令部の方へ行つてその点をただしております。それからそういうものでつくつた糸は統制をされるわけであります。そのほかに糸が全然出ないのではありませんが、たとえば家庭から発生したくずのようなものでつくつたものは統制から除外される。こういう解釈になるわけであります。それから糸が統制を受けて、それをもつてつくりましたガラ紡の織物、あるいは特紡の織物は原則的に統制からはずれる、こういうふうになるわけであります。
#10
○門脇委員 そこで工場系統から発生したくずそのものは、くず自体が統制を受ける。工場以外のくずと言いますると、家庭から発生したものだけだと思いまするが、家庭から出ましたぼろ類は統制を受けないということに解釈できるわけです。そこで統制されたものをもつても、あるいは統制されぬくずをもつても、できた糸は両方とも統制を受けるのですか。あるいは、統制されたくずをもつてつくつた糸だけが統制を受けて、統制をされぬくずをもつてつくつた糸はやはり統制されない、こう解釈してもいいのですか。
#11
○佐久説明員 お答えをいたします。この発生したるくずというのは大部分工場発生のものでありまして、現実問題としては家庭発生のものだけのくず糸というものは從來もありませんし、今後もそういうものは出ないんじやないか、こういうふうに思います。もし家庭発生のくずだけでできた糸があるとすれば、それは統制から除外されるわけです。
#12
○門脇委員 それからこのガラ紡、特紡の製品の範囲ですが、特紡というのは種類がなかなか廣汎でありまして、でき上つた製品から言いますと、特紡であるか、紡毛であるかということについて相当のくろうとでも認識しかねる。こういうような原料であるのでありますが、この特紡、ガラ紡の範囲、特に紡毛なんかとの限界についてはつきりと伺いたいと思います。
#13
○佐久説明員 これはちよつと見た目でなかなか特定が困難でありますが、一應技術的には毛成分三〇%以上を含んだものを紡毛として扱い、それ以下のものを特紡として扱う、こういうふうに考えております。
#14
○門脇委員 そうしますと、毛成分三〇%以下を含んだものは特紡として統制解除になる。ガラ紡ももちろん。この織物以降は完全に自由になつた商品として、民間で処理されるということに解釈するわけです。
 次に絹関係でありまするが、繭から糸の関係は農林省の御所管でありますので、繭から糸のことはまたあとでお伺いするといたしまして、糸の割当を受けて生産者がそれを織物にする。織物になつて以後は、これは全然統制から解除されるといいことに解釈でき得るか。なおその交織製品は、前回の御報告によりますると、五〇%まで含むものはやはり解除するというようなことであつたのですが、これはパーセンテージのいかんにかかわらず、全部交織製品は統制のわくに入つて來るかということにつきまして、はつきりお伺いしたいと思います。
#15
○佐久説明員 絹織物の段階で、それか純絹の織物であれば統制は全部解除されます。從つて流れの段階として卸、小賣というものを通りませんし、買う場合には衣料切符もいらないということになります。それから交織物でありますが、交織の糸が統制される糸を含んでいる場合には、それがかりに一本入つている場合もその織物は統制を受ける、こういうことになるわけであります。
#16
○門脇委員 次に農林省御当局にお伺いいたしたいと思いますが、繭に対する扱いの関係、それからこの繭から糸になりまする関係、それから糸の処理関係、これらにつきまして御説明願いたいと思います。
    〔村上(勇)委員長代理退席、神田委員長代理着席〕
#17
○最上政府委員 ただいまの御質問でございますが、繭に関しましては価格と配給の統制がはずれました関係上、繭をどこへやるというようなことは何も制限がないのでございます。ただそれが生糸になりました場合に、生糸の配給につきましては輸出を確保するということが、現下のわが國経済再建に絶対必要でございますので、その輸出の新しい情勢に應じまして、輸出をいかにするかということを目下いろいろ檢討し、また折衝しておるわけでございますが、その制度が何らかの決定を見るまでは、從來通りの配給のみの統制を続けて行く、かような方針でやつております。
#18
○門脇委員 ただいまのお話によりますと、繭の段階においては全然統制をしないということでありまして、これは統制関係から完全に除外されたというふうに解釈できるわけであります。その全然統制のわく外にあつて、農家がこれをつくろうとつくるまいと、それはもう一つの農林省の指導的範囲のみの対象になるわけで、統制とは全然関係がない。そしてできた繭が適当に生産者の方に買われて行つて、生産者の手でそれが生糸になる。生糸になつて以後はただいまのお話によりますると、輸出の関係で統制をするかのようなお話であります。そうするとちよつとその辺が少し茫漠としておりますが、その統制がどの範囲に行われるものか。すなわち輸出向きの生糸についてはどの程度に政府がこれを制約されるものか。またその一般の国内の織物生産者に向つてする配給というもの、これは全然自由にまかせられるものであるか。あるいはその輸出の関係の糸を確保するということに関連をして、やはりこの織物生産者に対するところの割当等についても、政府がこれに関與されるものであるか。また生糸の生産者につきましても、いわゆる完全な設備を有する輸出製品を生産するところの大製糸家のみが対象になるものであるか。あるいは地方におけるところの小規模の製糸家は、その場合にどういう地位に置かれるものであるか。そういつたことをいま少しく掘り下げて、完全にひとつ御説明願いたいと思います。
#19
○最上政府委員 ただいまの御質問でございますが、繭の面につきましても、法規的には配給の統制を一切撤廃されることになります。しかし輸出をできるだけ増進するという見地から、実際の行政的の方針によりまして輸出品をつくるような製糸業者に繭を出した者については、ある程度報奨物資その他の点において、できるだけそういう方面から輸出の奨励、輸出の糸ができるようにやつて行こう、かように考えているのでございます。
 なお生糸につきましては、さしあたりは先ほど申しましたように從來通りの配給の面の統制を続けて行くのでございまするが、目下私どもが研究し、また関係方面とも折衝いたしておりますることは、輸出向けの糸が自由に國内に流れるという措置をとることは困難でありますけれども、しかしながら海外に輸出がある場合は、できるだけ輸出に向けるということは当然でありますが、海外に輸出があまり出ないような場合には、國内にできるだけ使えるようなことにして、その間は生糸の需給状況によつて、できるだけ自由に國内に流れるようなふうにしたい。かような方針をもつて研究しまた折衝いたしておる次第であります。
#20
○門脇委員 たいへんしつこく申し上げるようでありますが、ちよつと御答弁が茫漠としておりますのでお伺いいたします。繭から小さい規模の製糸家に渡るのは自由だ、しかしなるべく輸出向きの糸ができる大製糸家の方に賣ることを奨励するのだということであります。そこでその奨励に対應して大製糸家の方へ繭を賣つて大製糸家が糸をつくる、それから統制に入るかのようなお話でありますが、統制に入るなら統制に入るということをはつきりとおつしやつて、そういつた場合に統制の対象になるのはどういつた規模の製糸業者からであるか。その統制の仕方等について――あるいは余つた場合に内地の織物の生産者にも分けるのだとおつしやいましたが、その辺の構想についていま少しく具体的に、はつきりとお聞かせ願いたいと思います。
#21
○最上政府委員 これは目下先方と交渉いたしておりますので、その話がつくまでは生糸の配給については從來通りの統制を続けて行くわけでありますが、先ほど申しましたようにこれは目下折衝中のことでありますので、具体的にこうするということをはつきり申し上げることができないことを、はなはだ遺憾とする次第でございますが、要しまするに輸出向きのものはできるだけ海外に需要がある場合には輸出をする、しかしながらあまり海外に需要等がない場合には、できるだけ國内に流れるようにする、こういう方針で具体的な案を立てているのでございまして、その具体的な内容について今ここで申し上げる段階まで行つていないことを、はなはだ遺憾とするのでございます。要するに輸出関係の需給状況とにらみ合せて、できるだけ円滑に輸出が出る場合には輸出に向け、輸出がない場合には國内にできるだけ円滑に流れるようにするという方針で、目下折衝いたしている次第でございます。
#22
○門脇委員 ただいま折衝中であるがために、具体的に詳細な説明をいたしかねるということは了承するわけでありますが、そうしますと、ある程度輸出向けの設備を有する製糸家の手に入つて以後は、政府の立場において糸自体が統制を受けるということに了解するわけでありますが、この点についても一應はつきりした御返事を伺いたい。なおその際内地の絹繊物の生産業者は、輸出品が余つたならば統制にならない方面へも若干の配給がある。もし輸出品に余りがなかつたならば、内地の需要家、絹織物の生産業者は、そういつた海外向きの規格を有する工場の糸の配給は期待できないということになるのでありまして、その辺をはつきり具体的におつしやられぬというのでありますが、これは非常に関係が多いのでありまして、一應できるだけお願いいたします。なお繭の段階におきましては、これは奨励の範囲であつて、統制はしないということでありまするので、価格等ももちろん自由になるわけでありますが、これはことしの春繭以後はそうなると考えるのであります。そして從來生糸にしまして約七万俵近い滯貨があるということを、かねがね伺つておるのでありますが、この滯貨に対する価格上の変動に対する補助金、その他の政府の方針を伺いたいのであります。
#23
○最上政府委員 第一の御質問の生糸の統制問題でございますが、これは先ほど申しましたように、さしあたつては從來の方針を踏襲して行くのでございます。しかし將來の方針としましては、これは今申し述べましたように、目下具体的の案を司令部方面と折衝中でございますが、要しまするに輸出があれば――海外の需要があればそれだけ國内に使うものは少くなる。こういうことになつている問題だと思います。なお滯貨の問題につきましては、目下政府部内において具体的に問題を研究中でございまして、ここでまだはつきり申し上げるところまで行つていないのでございます。どうかその点御了承願いたいと思います。
#24
○門脇委員 内地向けの絹糸というものは全然統制からはずされるわけでありまするが、この統制からはずされました糸をもつて織物をつくるという場合に、織機の設備に対する從來の統制でありまするが、統制から解放された糸をもつてつくる織機というもの、この從來のような織機自体の設備に関する統制が、今後どうなるかということについてお伺いいたします。
#25
○佐久説明員 ただいまのところは織物の統制がはずれましても、設備の制限は從來通り続けるつもりであります。
#26
○門脇委員 いろいろ他の諸君からも御質問があるかと思いまするが、一應私の考えておりますることを、一貫して先にひとつお伺いしたいと思います。物価廰にお伺いしまするが、昭和二十二年度あるいは二十三年度等に相当の物価の改訂がありまして、繊維関係の製品あるいは第二次製品、そういつた大幅な改訂があつたわけであります。その大幅の改訂がありまする都度、生産者あるいは卸業者、小賣業者の相当莫大に上る手持品に対しまして、差益金に関するところの御処置をされたわけであります。この差益金に関するところの從來の経過等につきまして、一應お伺いしたいと思います。
#27
○向井政府委員 ただいま差益金の御質問がございましたが、私物價廳の第四部を受持つておりまして、差益の点は第一部に属しておりますので、詳しい個々の御質問があれば、よく承りまして後日責任者から御答弁を申し上げたいと思います。
#28
○門脇委員 実は差益金の問題につきましては、御承知のように最近繊維製品の価格の変動がありまして、ことに第二次製品におきましては、中には相当暴落をしておるものもありまして、特に昨二十三年度の差益金のその後の処理等につきまして、当該業者はこれが処理について非常に迷惑をこうむつておる。こういう事実がありまするので、物価を改訂して、物が上つた場合には、政府は容赦なくこれに差益金を命じ、下つた場合には差損金をもつて政府が補償するのか、というような論議も出ておるわけでありまして、いろいろ資料を当業者から提出しておりまするが、ただいま向井部長さんのお話では、当該係ではないということでありましたから、そういう意味で今後適当に御連絡をいただきまして、質疑をいたしたいと存じます。大体において私の質問は打切ります。
#29
○高木(吉)委員 農林省の方にお尋ねいたしまするが、当分の間は生糸の配給はそのまま持続するというのでありますか。現在非常に製糸家が弱つておりまして、すぐにこれを解除してやる必要上、生糸の価格並びに繭の統制がはずされたと思うのであります。そこで、暫定的な輸出の要綱ができますまでの間は、その日数におきまして幾日間くらいかかるつもりでありますか。
#30
○最上政府委員 実はただいまのお話はごもつともでございまして、私どもとしましては現在の状況かから見まして、この統制をはずすと同時に、しばらくでもいいから内地の配給の統制をはずしてもらいたいということを、要望したのでございまするが、そういうことが了解を得るに至りませんので、今あとの対策を考えておる次第でございます。これはできるだけ早い機会に司令部の了解を得次第、またできるだけ早い機会に実施いたしたいとかように考えております。
#31
○高木(吉)委員 それは大体輸出に対して何パーセント確保するということがきまりまして、それが輸出に行かぬ場合においては、内地に流せる。その場合においては、内地で買い得るという制度になりますか、現在においては、その都度生糸のチケツトを出されて、それによつて購入されるということになりますが、その点をお伺いしたいと思います。
#32
○最上政府委員 その問題は目下交渉中でございますが、私どもの希望といたしましては、國内に流してもいいというものについては、切符制度などはないようにいたしたいと考えております。
#33
○高木(吉)委員 それから繊維局にお尋ねいたしますが、きようの新聞によりますと、こういう文句が出ております。くず繊維の製品でございますが、製品の生産及び販賣は特に確保を要するものを除き自由とする。この確保を要するというのはどういうものか。御説明を願いたいと思います。
#34
○佐久説明員 これは先般も例がありましたが、たとえばガラ紡製品で唐突に相当量の輸出を命ぜられた例があります。そういうものについては、自由ということでなしに特別の方法を講ずる、こういう意味であります。
#35
○高木(吉)委員 それから交織のものにつきましては、以前は繊維局の案といたしましては、人絹においては、五〇%その他の繊維については三〇%ということでございましたが、これは全然見通しがなくて、当分は繊維局の案が通るということはありませんでしようか。そのお見通しを伺いたいと思います。
#36
○佐久説明員 人絹、スフをまぜた場合は一應五〇%、それから綿とか毛とかいうものをまぜた場合は三〇%、こういう案を一應考えて、また現実問題として、それが最も妥当なる線であるというように考えておりましたが、正式のメモによりましてその考えは一應撤回せざるを得ませんので、当分は統制糸が一本でも入ればその織物は統制する、こういうことになると思います。
#37
○高木(吉)委員 そういたしますと、交織の分に対しましては現在通りの統制が続くわけでありますが、衣料切符の対象になるわけでありますから、やはり品目の面におきましても、製品の価格など全部統制せられるものでありますか。これをお伺いいたします。
#38
○佐久説明員 ただいまのお話の通りであります。今の通りの統制を受けるわけであります。
#39
○高木(吉)委員 わかりました。
#40
○阿左美委員 ちよつとお伺いいたします。そういたしますと繭、生糸、絹製品、ガラ紡、特紡というものはマル公を撤廃し、現在の統制を廃止するということになりますが、糸の割当はやはり切符制において現在通り行われるわけでありますか。
#41
○佐久説明員 その通りであります。
#42
○阿左美委員 そういたしますと、統制を撤廃いたしましても何らそこに自由のないことになると思うのでありまして、切符によつて割当を受けますと、繭量において檢査をするということになりますが、その範囲外には生産はでき得ないということになりますと、現在同様やみ製品の温床をつくるというようなことになると思います。生糸は撤廃をいたしましても割当を制限いたしますと、その範囲においてやるということになるので、生産者といたしますとかえつて統制を強化されたということになると思いますが、これに対しましてどういうふうにお考えになりますか。
#43
○佐久説明員 糸の統制を受けるものについては、その糸を使つてつくられた織物はまさに統制と申しますか、割当を受けた繭量から発生するだけのものしか出ないのでありますから、数量的に大きな生産が上るとはちよつと考えられません。ただ今までは織物そのものも統制を受けまして、価格とかあるいは販賣先とかいうものがきまつておりましたが、そういうものが今度はなくなります。從つて一般需要者の最も好むものが出て來るという点で、統制撤廃の効果はあるのじやないか、こう思います。
#44
○阿左美委員 そういたしますと割当てるところの基準はどういうような方法にして、またそれはどこに置いてお定めになるのでありますか。
#45
○佐久説明員 まだ最後の決定を見ておりませんので、私がこれから申し上げる通りになるかどうか、ちよつと保証をいたしかねますが、ただいま考えておりますのは織物に課せられた税金額が、その割当の基準として考えられます。それから第二は出荷の数量申請をしていただいて、その数量によつて繭糸の割当をするということが考えられます。もう一つは設備能力というものも割当の一つの基準になろうと思います。そういう点を勘案しまして原糸の割当をする、こういうふうにただいまのところは考えております。
#46
○阿左美委員 農林当局にお伺いいたしますが、現在製糸家といたしますと非常に生糸がストックして困つておる。御承知の通りすでに五千六百掛で買いましたところの繭が七万俵も現在ストックいたしまして、その処置に現在製糸家は困つておるようなわけでありますから、一日も早く統制を解除せられまして、これを國内に消費いたさなければ、製糸家は現在金融上生きる道がない。政府においてこれらに対する処置を現在何ら講ぜられておらない。ことにただちに購繭資金を必要としておる今日、製糸家は金融的に非常に困つておりまして、この統制の解除の一日も早からんことを現在こいねがつておるのです。ここで統制が解除せられましたといたしましても、切符制でありますとその範囲きりしか製糸家も処分することはでき得ない。こういうようなことはまことに矛盾きわまることでありまして、製糸家としても決して喜ぶべきものでありませんし、この切符制に対してはもちろん製糸家は大反対だと思います。金融にも困り、購繭資金に対してもいかにしたらよろしいかという今日、この制限をするということはどこにその必要があるかというふうにわれわれには考えられますし、また輸出々々ということを申しますけれども、現在ストツクしておりまして輸出ができないのであります。現在横浜に三万俵をストツクしておつて、これが輸出にならないというものをことさらそこに制限をするということは、われわれといたしますとどうも了解ができ得ないのでありまして、何ゆえにそういう制限をするのか。もしかりに輸出に必要があるならば、そのときにおいて制限をすることが妥当ではないか。今日はむしろそれを解除して自由にして國内でそれを消費するということが、対外政策の上においても必要なのではないか。こういうふうに考えますが、蚕糸局長さんのお考えをお伺いいたします。
#47
○最上政府委員 ただいまのお話は私どもとしましても同感でございまして、今までそういう線でやつて來たのでございますが、一時的に輸出が悪くても一應輸出ができるものは、國内に自由に流すというようなことは了解を得るに至らなかつたのでございます。しかしながら先ほどもお話しましたように、海外の需要がある場合には、できるだけ輸出に向けるというのは当然でございますが、海外に需要がない場合にはできるだけ國内に円滑に流れるように、また國内に使用を許されたものについては、切符制度というようなことをとらないように、そういう方針でもつて目下折衝しておる次第でございます。
#48
○阿左美委員 一時了解を得られるまでの時期の間は、現在やむを得ないというようなお言葉をお伺いしておるのですが、時期としては今をおいて他にはないじやないか、どういう時期があるんだ、私はこう考えるのであります。現在は生糸が非常に余つておりまして、この処置に困つておる。一日も早くこれを資金化しなければならぬというような時期に差迫つておりまして、今日をおいて他にこれを解除する時期はないと私は思います。今後の情勢いかんによつては、再び統制をする必要が起きるのではないかということは考えられますけれども、今日解除することはできない。追つて解除をするんだというようなことに対しましては、私了解でき得ないのでございます。これは何とか即時切符制を撤廃させるというようなお運びには行かないものでございましようか、お伺いいたします。
#49
○最上政府委員 ただいまスフ全部の製造をやめるという了解を得ることは、今までやつておりますが、得ることは困難と思います。少くとも需給関係から見て國内に相当多量のものを使用許可してもらう。また國内に使用が許可されたものは切符はいらない。こういう線でできるだけ早い機会に実現をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#50
○阿左美委員 商工当局にお伺いいたしますが、切符で割当てられますときに、先ほどお伺いいたしますと、いろいろ設備とかあるいは能率とか、織物消費税とかいうことを勘案して割当てをするというようなお話でありました。それは大体においてごもつともだと思いますが、しかしまたその必要に應じて業者からこれだけの割当てをしてもらいたいというような申請のあつた場合には、その申請はお聞きなさるようなお考えはないでしようか。
#51
○佐久説明員 ただいまのお話は業者から申請があつた場合に、先ほど申し上げましたような基準で割当てることを考えておりますので、申請のない者にも割当てをやるということではございません。そしてまた申請があつた場合には、その申請の内容、つまり品質だとかいうことは十分檢討して割当てをいたしたい、こう考えております。
#52
○阿左美委員 そういたしますと、切符制ではありますが、ある程度そこに相当の勘案するところがある。こういうふうに了承してよろしゆうございますか。
#53
○佐久説明員 十分その間の事情は考慮をいたしまして割当てをいたします。現在の制度でももちろんこの申請書に基いて割当てをいたしておるのでございます。
#54
○小金委員 毛織物の問題について二、三の御質問を申し上げますが、今紡毛機と申しますか、そういうようなものは何台ぐらい復旧しておりますか。私のほのかに聞いておりますところによりますと、大体一万一千ないし二千錘だということを聞いております。ところが集中生産と申しますか、企業の合理化と言いますか、輸出採算を基準にして國内産業の態勢を整えるということになると、そこに非常な整理を行わなければならぬというようなことを聞いておるのですが、その点はいかがでしよう。
#55
○佐久説明員 ただいま戰時中に行われましたような整理ということは全然考えておりませんが、ただ能率のいいところに割当をふやして行くという方策は目下檢討中であります。
#56
○小金委員 目下檢討中ならば、この事実を十分認識して善処していただきたい。大体輸入の数量がきまりますので、それをコストの引下げその他の観点からこれを業者に配給して行きますと、大体四千錘と申しますか、そのぐらいで事足りる。予備数を大きく考えても大体七千錘ぐらいでよろしい。あとのものは整理してしまうのだ。これはうわさでありますが、そういうことが巷間に傳えられておるのであります。しかしながらこの紡毛機といいますか、紡織といいますか、毛の問題についても中小の業者がたくさんある。その大きいところを四千錘選んで、さらに三千錘のスペヤを持たしておけばそれでいいというような政策をとられますと、ここに中小の業者が非常に苦境に立つ。しかしわが國の中小産業の共通的な点として、家内工業的にこれをやつておるのがたくさんある。それを大きなところへ集中して、八時間労働で、月に二十五日の稼働をすれば四千錘でたくさんだ。スペヤを置いても七千錘でいいのだということになりますと、ここにたいへんな混乱事態が生ずるのではないか。つまり大きいところだけを稼働させて、小さいものをただ整理してしまうというようなことは、社会問題としても非常に重要な問題であるのみならず、わが國の中小企業の特徴を消してしまう。八時間二十五日というようなことだけで基準を置かれては、たいへんなことになるという事態が発生するおそれを抱いておる向きがありますが、この点を十分勘案されまして、家内工業的にやつておるものに、八時間労働、二十五日の稼働というようなことのものさしで事を処理されては、たいへんなことになりますので、この点を十分考えていただきたいのであります。
#57
○佐久説明員 ただいまのお話の事情は、私どもよく承知しております。これは紡毛設備だけに限りませんで、一般の二次製品、たとえばメリヤスというような問題についても同様な問題がございます。お話のように中小企業というものは、日本の産業構造からいえば、その主体でありますので、これがどう扱われるかということは、直接社会問題になります。そこで私どもとしても、かりに原料面から見て、現在の設備が余つて、そうしてその設備をどういうふうに一時休止させて行くかという問題についても、必ずしも大きなところを重点的に考えるとかいうような考え方はしておりませんので、かりにそういう犠牲がしいられる場合には、すべてに肩の荷を平均させて行くというふうな考え方で目下檢討いたしております。お話の点は今後十分注意をいたしたいと思います。
#58
○小金委員 綿機とか第二次製品についてまで、そういう十分な考慮を拂われるということでありますから、私の質問及び要望はこれで終ります。
#59
○村上(勇)委員 先ほどから伺つておりますと、大体生糸の統制は暫定的の措置であつて、輸出の量が確保せられる場合には、政府としては即座にこれを撤回する意思があるということに間違いないのでございますか。さよう了承してよろしゆうございますか。
#60
○最上政府委員 今の新しい事態に即應しまして、輸出はできるだけ確保する。その確保する量その他については、需給の関係によつて調節をはかる。こういう考えで進んでおりますので、そういう制度ができましたならば、暫定的に行つております今の統制制度はなくなりまして、できるだけ融通性のある新しい制度にかえたい、かように考えておるわけであります。
#61
○村上(勇)委員 次にちよつと物価廰にお尋ねいたしますが、絹人絹織物の交織の価格が発表になつておらないのであります。この前のときには、これは統制改善とか何とかいうことで発表にならなかつたと思いますが、これはいつごろ御発表になりますか。
#62
○向井政府委員 先ほどもお話のありましたように、大体物価関係の統制解除になるものだというようなことで押えられておつたのでありますが、急にああいうようになりましたので、ただいま交織関係の作業をして、関係方面と折衝しております。きわめて近き將來に――数日中には何とかなると思います。
#63
○村上(勇)委員 それではこの間の改訂は、そのまま出るということに考えてよろしゆうございましようか。この間から計算しております分がそのままに発表されるのですか。
#64
○向井政府委員 絹関係におきましては、大体そういうことになります。
#65
○門脇委員 各位の質問等で大体の全貌は判明しておるように考えるのでありますが、生糸を初め、ガラ紡、特紡の原料糸の價格は、全部統制から解除される。價格を解除して配給ルートだけを統制するということになるわけでありますが。その價格の統制されぬものを、配給ルートを統制いたします場合に、その價格面とのいわゆる矛盾、摩擦が相当起るわけであります。そういつたことに対しては、どういうような操作をされるものであるか。一應伺いたい。
#66
○佐久説明員 お話のように價格がまつたく自由で配給だけが統制されるという場合には、過度的には若干の問題もあろうと思いますが、特別の手を打つということなしに、おのずからおちつくところにおちつく、ただいまのところはかように考えております。過去においても、そういう経験があつたのでありますが、そういうふうに考えております。
#67
○門脇委員 價格が今後自由であつて、配給ルートだけを統制される。これは実際おやりになつて、非常にそこに矛盾摩擦が起り得ると考えます。しかしこういう制約された政治情勢から行きますから、そういつたことも何とか話合いで折合いがつくものと考えますが、全般的に考えて全面的に近い將來に解除されるものということに目標を置いて、万事操作されんことを希望いたします。なお新聞紙上によりますると、こういつたようなきめられた範囲の解除は、明二十七日から実施されるというふうになつておりますが、その点を伺います。
#68
○佐久説明員 明二十七日から解除されるというのは、價格の問題だけだと私承知しておりますが、一般の原料の配給統制解除については、例の指定生産資材割当規則だとか、衣料切符制度とか、衣料配給制度というような法令の内容に、若干変更を加えなければなりませんので、その手続関係で少し遅れると思います。六月早々の予定でただいま準備を進めております。なおただいまちよつと間違つたことを申し上げたのでありますが、繭はあしたから統制が解除されると思います。
#69
○門脇委員 そういたしますと、價格だけは、先ほどからるるお伺いした範囲の解除されるべき筋合のものは、明日から解除されるということに確定したのですか。
#70
○向井政府委員 絹に対しましては、人絹物の種類が昨日発表した通り出ておりますが、絹に関するものは二十七日から解除されるということになつております。
#71
○阿左美委員 交織の物でありますが、一本でも入りますれば、これは現在通りの統制範囲において行うことになるのでありますが、交織物はきわめて大衆的衣料でありまして、値段におきましても人絹よりも價格は安い。また現在は非常に質も改良されておりまして、交織品が大衆衣料ということはこれは御承知の通りであります。それが統制が解除されぬことになりますと、衣料切符の関係上必要があつても買えないというような現在の状態、また昨日もいろいろ百貨店、問屋等の意見を聞いてみますると、交織物に対しては、やはり一本でも入れば統制は解除にならぬということが一般市場に流布されまして、問屋も百貨店も全部仕入れを停止しておる。現在非常に生産者は苦境に立つておつて、品物を抱いて困るというような実情でありまして、交織品は現在取引が中止になつておるというような状態であります。これは非常に問題と思うのでありまして、現在はそうなりましても、これはどうかひとつ一日も早く了解を求めまして、この交織品に対しましても、絹製品同様撤廃の早からんことをなおお願いいたしまして、私の質問を終ります。
#72
○佐久説明員 ただいまのお話まことにごもつともであります。今の統制解除の全部の問題についてやり方が二つあるわけであります。最初私ども関係者の考えましたやり方は、すベて了解をつけるまでは、統制の解除問題は全然実施しないというやり方と、一應了解のついたものはだんだんと統制解除を実施して行くというやり方と、二つあるわけであります。さしあたりは向うの了解のついたものから、順々に統制解除を実施して行こうということにいたしたのでありまして、交織物についても今後私どもとしては実際に適應するように努力を続けて行きたいと考えます。
#73
○神田委員長代理 委員長からこの点に関して一言申し上げておきたいと思います。絹の統制をはずすということは、現在の需給情勢から見て、また國内資源であるということからいつて当然のことでありますが、人絹一本入つても交織物である限りにおいては統制ははずさないということになると、今申されたようなりくつは指導者というか有識者にはわかるのだが、大衆にはわからぬりくつだろうと思います。納得の行かぬことだろうと思います。そこで同僚の阿佐美君その他からもいろいろ述べられ、佐久君の御答弁では大いに努力したいということでありましたけれども、これは通産省の機構も新しくスタートした際でありますし、できるだけ近い機会に相当の交織物まではずしていただくように御努力していただく。これは当委員会あげての声と思い、また國民の要望と思いますので、帰られましたらそれぞれ関係方面、上司等とも御連絡されて、御盡力の結果すみやかに対應できるように、物価廰の方からも御努力をお願いしたいと思います。非常に関心を持つておりますから、特に委員長から申し上げておきます。
#74
○川上委員 大分時間がたつているので、一つ二つのことだけお聞きしたい。生糸の統制の問題でいろいろ御苦労なさつておるようでありますが、一体輸出の見込み、これをどうお考えになつているか。アメリカに行つてから賣れないで非常に滯貨があり、それで輸出向きのものをやはり統制しなくちやならない。こういうかつこうに落ち込んでいる。そこで今年の輸出の見込み、これが滯貨を加えてどういうようにさばける見込みがあるか。それから將來生糸としての輸出に対してどういう見通しを持つておられますか。まずこの二点だけをお聞きしたい。
#75
○最上政府委員 輸出の問題になりますと、あるいは通商産業省からお答えすることが適当かと思いますが、便宜私から述べさしていただきたいと思います。今年の輸出はどのくらいできるかということは、非常にむずかしい問題でございますが、大体の見通しから申しますと、実は昨年生糸として約八万俵出たのでございますが、本年一月一日からアメリカのドルの最低價格が一ポンドにつきまして十セント上りましたので、またそういうことがある程度わかつておりましたので、昨年の十二月から今年の一月にかけて非常にたくさんの生糸が一時に出たのでございます。そういう見通しの海外の輸入があつたことと、その後主として、アメリカにおきまして絹織物のみならず、繊維品が相当大幅な値下りをしました結果、機屋がさつぱり糸を買わなくなつた。糸の消費が相当大幅に減少したというのが、二、三月ごろから現在までの実情であるのでございます。しかしながら最近の諸般の情報から判断いたしますと、アメリカの織物の値下りもやや底をつきまして、絹織物等につきましても、一部ある程度の盛り返しをしておるという事情もございまして、大体六月、七月ごろからは相当生糸が賣れるだろうというくろうと筋の見通しでございます。從いまして問題は、下半期にどれほど出るかということにかかつておるわけでございます。また昨年も八月、九月が一番よく生糸が消費された時期でございまして、この下半期、今後の情勢いかんということにかかつておりますが、私どもといたしましては、大体昨年程度、あるいにそれより減りましても、そんなに大きな減り方はしないのではないか、かように考えておるのでございます。と申しますのは、一月から四月までの総計をいたしますと、一月に非常にたくさん出たために、今年の一月から四月までは約一万八千俵出ておるのでございますが、昨年は一万五千俵程度でございまして、現在までの総計は二月、三月以来非常に不振でございますけれども、一月にたくさん出ました関係上、一月からの合計にいたしますと、昨年よりも減つていないのでございます。從いまして、今後昨年程度に近いものが期待できますならば、これは今後の海外の市況いかんにかかつておることでございますけれども、最近底をついた見通しがあることなどから総合いたしまして、昨年度程度出るのではないか。あるいはそれより減りましても、そんなにひどく減ることはないのではないか、かような見通しをいたしております。
#76
○川上委員 將來の見通しについては、これは國内の消費関係その他もありますが、どういう計画を立てておられますか。生糸の輸出の問題です。
#77
○最上政府委員 將來の方針といたしましては、結局できるだけ需要を増進する、海外に販路を拡張するということに盡きると思うのでございますが、現在は戰争前と違いまして――戰争前は生糸の大部分はアメリカに行き、しかもその大部分はくつ下に使われておつたのでございますが、現在ではアメリカに行く割合が、昔のように八割とか九割とかでなくして、昨年は大体五割五分程度がアメリカで、その他向きとしてはイギリス、フランスその他ヨーロツパ、その他の地方に行つたという事情でございます。そうして向うではくつ下よりも織物に大部分が使われておるという実情でございます。結局需要者、消費者がもつと満足するような糸をつくつて出すことが根本でございますが、戰前の需要とすつかり事情がかわつておりますので、できるだけ日本人の消費者が向うへ行きまして、需要者、消費者側が最も好むような糸をつくつて出す。そうしてまた新規の用途、あるいは新販路の拡張という方面に努力をいたしたい。かように考えておる次第でございます。
#78
○川上委員 販路の拡張とあなたは言われるのですが、それは輸出ということになりますけれども、これは価格の関係があり、レートの関係があるわけであります。これからぐんぐん輸出をやつて行くということになると、それが繭の値段に関係して来る。こういう問題はどういうぐあいに操作なさるお考えでありますか。どんどん輸出して行く――これは実際はできぬと思うのです。しかし実際はともかく事実は一生懸命やつて行こうという方針を立てておられるようです。そうすると、その場合の價格操作はどういうぐあいにやる計画でありますか。
#79
○最上政府委員 ただいまのお話、價格の点は非常にむずかしい問題でございますが、できるだけ他の競争繊維あるいはほかの國の生糸との競争にたえ得るようにして行かなければ、輸出の振興もむずかしいと思いますが、そのためには結局企業の合理化によつて、コストを下げるということになるのでございます。その方法といたしまして、結局養蚕、製糸の両面にわかつて合理化を促進することになると思いますが、そのためには反当の繭の收量を増加する。これは戰前反当繭の收量は十五、六貫あつたものが、現在は八貫、九貫という程度にすぎませんので、これを肥料その他の資材の配給をできるだけ増配いたしまして、反当の收繭量を上げて、繭のコストの引下げをはかり、また製糸の部面におきましては、新規機械の導入をいたしまして、自動操糸機その他の能率の増進をはかるようなことを、資金資材の面から極力援助する。なお販賣の方法といたしまして、從來かせ巻で出しておりました生糸を、コーン巻にして出すというようなことも考えているのでございます。コーン巻にして出しますと、向うで相当高く買いましても、結局日本が高く賣りましても、機屋の方ではそれだけ手が省けるということになりますので、そういつたような新しい販賣方法もぜひやりたい、かように考えている次第でございます。
#80
○川上委員 これはりくつでいろいろ言うておつてもなかなかけりがつかぬのですが、合理化というても今の日本の製糸の状況では、繭代が大部分を占めているのです。あれは大体合理化する余地のないものです。これは知れたものです。そうすると、合理化ということになれば繭代を下げることになる。肥料をやつて反当りをよくすると言われるが、問題はそこにあるのではなくて、あの農家における重労働の中にあり、飢餓的な労働をやつて、今まで繭をつくつておつた。実際は夜も寝ないようなことをして初めて繭を生産しておつた。桑畑の問題ではなくして、むしろ農家労働の問題なんです。それで肥料をというお話でありますが、肥料もことし百万トンもよけいつくる余地はない。硫安なんかもつくる余地はない。自給肥料というがこれはできつこない。そして肥料などできはせねような政策をとつている。だから桑園問題を引つかけてみても、口でいろいろのことを言うだけで実際はできませんが、これはほんとうのことを言うてもらいたい。繭の値段を下げなければだめだということになるのですか。こうならざるを得ないというのですか。正直なところ農林当局ではどうお考えになつておりますか。こうしなければとても輸出はできないと思うのですか。
#81
○最上政府委員 為替のレートが從來四百二十円であつたものが今度三百六十円になつたのでございますから、これが結局製糸養蚕両方ともに影響して参りますので、ある程度繭価が下がることはやむを得ないことと思います。
#82
○川上委員 それからいま一つ、この点はどうお考えになつておられますか。生糸で非常に輸出しておるのですが、これを日本で製品にして輸出するのと、それから生糸で出すのと、この点についてお調べになつたものがあると思いますが、この関係が一体どうなのかということが一つ。時間もありませんからついでにお尋ねしますが、今のお話で生糸の輸出はまず去年くらいは行くだろうということでありましたが、去年くらいまで行つたところで、滯貨は非常にできて來ておる。たまつておる。賣れなくなつておる。そうするとこれの上の方を統制しましたならば、どうしても滯貨が増して來る。この二つの質問は関連してるわけではありませんが、上の方を、しかも生糸だけ統制するということになると、結局においては滯貨は増して來ることになりはしないか。腹の中では農林当局その他は非常に困つておられるのではないかと思う。処置がつかぬのではないか。こういう点を正直に言うてもらいたい。
#83
○最上政府委員 第一の生糸で輸出するか絹織物で輸出した方がいいかという問題でございますが、これは通商産業省からお答えするのがいいかもしれませんが、便宜私からお答えいたします。これは要するに織物で輸出できれば、できるだけ織物で輸出するということが、國際貸借の改善の点から申しましてもいいことは問題ないのでございますが、ただ織物の点は、その市場――ことにアメリカ等の場合を考えますと、技術的に日本の織物の需要というものはすでに制限されておるということと、それから海外の、ことにアメリカ等におきましては流行の変躍が非常にはげしいために、織物だけに日本の絹の輸出を頼るということは、非常に安定を欠くのではないかと考えるのでございます。むろん織物が出るときは織物でできるだけ出さなければならないことはもちろんでございますけれども、やはり同時にアメリカ、ヨーロツパ各地の絹織物の織機を目あてに生糸をできるだけ出すということも、また最も重要なことだと考えておるのでございます。從いましてこれはどつちを主に考えるかということでなく、両建でできるだけ行くべきじやないかと考えるのでございます。
 なお滯貨の問題でございますが、いろいろお話がございましたけれども、これは実は需給の面から考えますならば、昨年度は生糸の輸出が八万俵、それから絹織物の輸出が生糸に換算しまして四万俵、合計十二万俵。それから國内の消費が八万俵、合計二十万俵消費されておるのでございまして、これに対しまして生産が約十八万俵あつたのでございます。從いまして今年は一應十五万俵の生産計画になつておりますけれども、輸出絹織物がどの程度になるか判然と今正確な数字を予測することは困難でございますが、かりに去年通り、あるいは去年よりも相当減りましても、國内の消費が相当ございますので、需給の面から見ますならば、生糸が輸出できない場合にはできるだけ國内に流すということを考えておりますので、需給の面から見ますならば非常に物が余つて困るというような状況には、現在の生産額の点ではないのではないかと考えておる次第でございます。
#84
○阿左美委員 先ほど門脇委員から差益金の問題に対しまして御質問がございましたが、お係が違うというので明確な御答弁がありませんでした。これはひとつ当商工委員会として強く要望をいたしたいのでございますが、当初より今日あることはほとんどわかつておりましたので、政府は差益金がある場合には差益金を業者から納めよというので、差益金を徴收したのであります。その当時全國の業者から、もし物価が下つたときの差損金に対してはどういう処置をとるのか、差益金はとるが損したときの補償はするのかしないのかということの強い要望があつたのでございますが、今日ちようどその機会に遭遇したわけであります。これは当然理論から参りましても、利益のあつた場合に利益をとるということは当然と思いますが、損失の場合もやはりその損失を補償するというのが当然のことと思うのでありまして、一般の業者は現在マル公を二割三割割つて処分をしております。それにもかかわらず現在相当のストツクがまだありますので、それらに対する処置については相当政府としてもお考えをいただかなければ、社会問題だと思うのでございます。この点特に要望をしておく次第であります。
#85
○神田委員長代理 ほかに御要望や御質問はございませんか。――ないようであります。
 次回の開会日時は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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