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1949/07/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第26号
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1949/07/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第26号

#1
第005回国会 商工委員会 第26号
昭和二十四年七月二十日(水曜日)
    午後一時三十五分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田 博君
   理事 今村長太郎君 理事 小金 義照君
   理事 澁谷雄太郎君 理事 今澄  勇君
   理事 川上 貫一君 理事 永井 要造君
   理事 河野 金昇君
      阿左美廣治君    岩川 與助君
      江田斗米吉君    門脇勝太郎君
      高木吉之助君    多武良哲三君
      聽濤 克巳君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  増岡 尚士君
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        通商産業事務官 小滝  彬君
        通商産業事務官 武内 龍次君
        通商産業事務官 近藤 止文君
        資源廳長官  進藤武左エ門君
        通商産業事務官 中島 征帆君
        通商産業事務官 田口 良明君
        通商産業事務官 武内 征平君
        中小企業廳長官 蜷川 虎三君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 鉱工業生産増強に関する件
 貿易産業及び中小企業振興に関する件
 電源開発に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件、
 石炭に関する件
 纎維に関する件
 電源開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○神田委員長代理 これより商工委員会を開会いたします。前会に引続き私が委員長事の職務を行います。まず石炭に関する件を議題にいたしたいと思います。
#3
○小金委員 石炭の生産及び需要の、バランスといいますか、その関係と申しますか、その点が第五國会が終つてから相当変化があつたように、私ども承知いたしておるのであります。経済九原則を実行し、今までの構想とまつたく違つた新しい均衝予算を立てたところの二十四年度の予算を実行して、今日まで参りましたその経過において、各産業界にいろいろな影響を及ぼしておることと了承するのであります。そのうちで特に石炭は四千二百万トンを掘り出すという一つの大きな目標があります。それに関連して、生産の増強に需要が伴わないようなおそれはないか。また石炭の生産條件がいろいろかわつて來ておる。需要の方も経済九原則の実施とか、あるいは企業の合理化というようなことで、相当質的変化をしておるやに承知いたしておるのであります。これらの点についてごく大綱的な御説明を願いたい。その御説明によつてまたこちらからそれぞれ資料をいただきたいと思いますが、まずその御説明をお願いいたします。
#4
○宮幡説明員 まずごあいさつを申し上げます。今回はからずも通商産業政務次官を仰せつかりまして、当商工委員の皆樣の御指導をことさらいただかなければならないような状態になりました。何分にもしろうとのことでありまして、十分皆さんの御期待に沿うような活動も困難かと思いますが、努力に努力を重ねまして、ぜひとも皆樣の御期待の幾分にでも沿うように立ち働かしていただきたいと思います。ぜひとも商工委員各位の格別なる御後援、御配慮をいただきたいことを、まずもつてお願いいたしておきます。事ただいま小金委員からの御質問でありますが、すでに御承知のように、石炭面に対します有効需要が減退いたしました結果、ただいまでは石炭の生産額に対しまして、需要面がこれにバランスをとつておらない。毎月配炭公團の方に四十万トンないし六十万トン程度の貯炭が発生しておるような現実でありまして、計画生産の四千二百万トンの問題は、五月の炭労の爭議の場合におきまするいささかの計画違算以外は、おおむね順調の経路をたどつておりますので、ただいまのところでは四千二百万トンの生産達成ということになりますが、遺憾ながら消費の面におきましては、有効需要の減退に伴いまして、ただいま申し述べましたような公国の手持ち分がふえて参るような現実であります。これの打開策につきましてはただいまいろいろと苦心研究をいたしております。もちろん関係筋との交渉経過もありまして、ただいまその全貌を申し上げるわけには参りませんが、何らかの対策におきまして、せつかく計画せられました四千二百万トンの生産が基礎的資材といたしまして、國内産業の早期樹立、早期安定、國際経済への早期参加という、この三つの目標のもとに活用せられるよういたしたいという念願のもとに、それぞれ努力を傾けておる状態でありまして、この問題につきましても、近き将來におきまして一つの成案を持つて、あらためて当委員会の御審議と御檢討を願う運びになることは確信いたしておりますが、いずれにいたしましても、小金委員の御質問に対しまする当面のお答えといたしましては、はなはだ遺憾でありますが、現状を申し上げる程度にしか、ただいまのところ用意が、ございません。なお本件に関しまして詳細なるお尋ねにつきましては、資源廳長官及び石炭の生産局管理局の両局長がまかり出ておりますので、こまかい問題につきましてはお尋ねに應じましてお答えいたすことにいたします。
#5
○小金委員 ラウンド・ナンバーでよろしゆうございますから、四月以降の毎月の石炭の出炭高、及び四千カロリ以下の炭の占める。パーセンテージ、並びにもし五千カロリー以下の石炭の数字がわかりましたら、そのラウンド・ナンバーと割合でけつこうですからお示しを願いたいと思います。
#6
○中島説明員 四月以降の出炭実績の数字はただいま持合せておりませんが、大体三百二、三十万トン程度であります。そのうち五月には炭鉱ストがございまして、約四十万トンほど計画を下まわつておりますが、六月にはほとんど百パーセント近い出炭ができた、こういうふうに私は伺つております。それからただいまの四千カロリー以下の淡でございますが、大体当初の予想といたしまして、全出炭の割が四千カロリー以下の淡、及び無煙煽石を含めましてそういうものが一割余り、一割一分にはなりませんが、大体一割くらいある、こういうように予想されておるわけであります。それから四千カロリー以下が七月日からはずれましたが、その後二十日間の実績を見ますと、大体ほとんど四千カロー以下の炭があまり出まわつておらぬ。と申しますのは、それだけ炭質が向上いたしまして、あるいは上級炭と混炭いたしまして、公團の方へ出させておる、こういう状況であります。それから五千カロリー以下になりますと、どのくらいになりますかと申しますと、全体の出炭高から申しまして、二七%程度のものが五千カロリー以下、こういうふうに見積られております。それから現在までに四千カロリー以下並びに無煙煽石がはずれておりまして、それ以外のものを公團で取扱つておりますけれども、そのうち五千カロリー以下のものが何パーセントになるかと申しますと、二一%余りというふうな数字になつております。
#7
○小金委員 石炭の生産に関連してお聞きしたいのでありますが、炭鉱の坑夫、鉱山労働者の賃金及びいわゆる炭住の実情はどういうふうになつておりますか。全國的なごく大ざつぱなところでよろしゆうございますが、聞かしていただきたいと思います。
#8
○神田委員長代理 生産局長はもう少したつと見えるらしいのですが……。
#9
○小金委員 それからでもけつこうです。
 石炭は常識的に、今まで出ない出ないということで、石炭第一主義、すべて傾斜生産の見本のようにして石炭に何もかもつぎ込まれて、その結果相当な成績をあげたと思うのでありますが、今日の状況は、今当局のお話によれば、三百二十万トンくらい、そうするとこれは大体三千六百万トンを突破して、四千二百万トンとの間に行くだろうと思うのです。これに有効需要を勘案いたしますると、どの程度の石炭の数量をわが國の産業が必要とするか。これにどの程度の資金がいるか。この資金の関係、すなわち施設に要する資金、並びに流動資本と申しますか、そのような運轉資金の関係が一應考えられていくと思いますが、現下の情勢ではどういうお見込みでありましようか。
#10
○宮幡説明員 お答えをいたします。ただいまのお尋ねは至極適切な御観点からでありまして、これに対しましてただいま確定的な数字、構想等を申し上げる段階になつておりません。概略の事情から申し上げますと、四千二百万トンの生産計画を作成いたしまして、國内的にながめましてこれが供給過剩に陷ろうとは思つておりません。有効需要の減退は一概に金詰まりと申しておりますが、それぞれただいまは企業の能率化、企業の合理化を要請せられております関係で、それぞれの各企業家は從來の手持ち炭というものに対しまして、きわめて手薄な用意をするようになつております。各企業ごとに十日間の貯炭を用意しておりました、ものが、ただいまでは二日ないし三日というような、いつでも入手ができるであろうというような見方から、かたがた金融のためにさような情勢にありますので、四千二百万トンが幸いにいたしまして各企業の合理化、能率化によりました場合には完全に消化されまして、これが基礎資材として活用せられることは確信を持つておる次第であります。從いまして四千二百万トンの生産をたまたま時期的な問題で、かりに今年年間の計算において三千六百万トンないし四千万トン程度で、むしろ過剩の現実が出て参りましても、これを理由といたしまして将來にわたつて石炭の減産をいたしますということは、間違いであろうと考えております。從いまして明年度の計画といたしましては、ただいま四千二百万トンをさらに四千五百万トンに上げる、かような希望は持つておりませんが消極的ではありますが、四千二百万トンの線を推持するという程度の施策は行つております。御承知のように石炭は破壞に次ぐ建設と申しまする掘進作業をやつて参らなければならぬわけで、昨年度におきまして復興金融金庫からの融資によりましてでき上りましたところの設備の状況が、本年の四千二百万トン生産の達成を容易ならしめておるわけであります。引続いて本年は明年度の出炭計画に対しまする設備資金の供給が必要であると考えまして、ただいまこの資金を概算いたしまして八十億と推定いたしております。八十億の資金はこれをエイド・フアンドから供給いたしますか、あるいはエイド・フアンドの部の変形的な、すなわち復金に返済いたすべき六百二十四億七千万円の復金債を償還いたしますものを、ひもつき的にこの方面に融資いたしますか、あるいはさらに轉じましては國庫の余剩金を振りかえる等の手続によりますか、一面には預金部資金等の説もありますが、この点は困難であろうと思いますが、この八十億をもつて明年度に備えまする企業費を獲得するために、ただいま新たに設けられました日本銀行内の政策委員会、ポリシー・ボードに向いましてこの設備資金のわくを設定すべく努力いたしておりまして、しかもこの点につきましてはあらましの見通しができまして、明年の石炭生産には、支障のないように参るであろう、かように考えておる次第であります。
 なお当面の資金難の問題でありますが、これは金詰まりという問題の総合的な御説明と申し上げると、はなはだ僭越な言い分になりますが、およそ資金の需要というものは資金の效果的回轉率と申しますか、資金の效率によつて決せられるものでありまして、設備資金と異なりまして、運轉資金の面はかりに総額において百億を要するといたしましても、それを時間的に見ましてどれだけの回轉をし、どれだけの效率を上げるかによつて勘案すべき問題でありまして、ただいま石炭に要しまする運轉資金を推算してみますると、百五億程度。現在の配炭公團の機構をそのまま存続いたした場合に要すると思われるものは百五億程度であります。しかも資金は年間において四回轉をいたすであろうという構想のもとにやつております。從いまして効率四回轉といたしましたものに誤差がありますならば、これに伴いますところの算術的の修正を加えまして資金の需要はふえて参る、かように考えてただいま手配中であります。現在の機構のもとにおいての構想であることを重ねて申し上げまして、はなはだ不完全でありますがお答えにかえる次第であります。
#11
○小金委員 大局からのお答えでその点は判明いたしましたが、最近の状況をわれわれ推測いたしますると、どうも石炭がもたれぎみになつていやしないか。一時的の現象にもせよ、こういうふうになつて来ると需要者はなるべく買入れを控えておる。そうすると貯炭がますますふえる。一年のうちで一番需要が少いこの夏場に臨んで、いろいろな企業の合理化とかあるいは経営者、從業員の能率の増進によつて増産されて来る。そこで公團がもし出る数量を買い切れないというような状態が、そろそろ起りはしないかという心配もあるのですが、この点についての見通しをどういうふうにつけておいでになりますか、一應伺いたいと思います。
#12
○宮幡説明員 ただいまのお尋ねでありますが、これはもうすでに客観的な情勢から勘案しまして、委員各位はそれぞれの進むべき道をおおむね御了承だと存じます。石炭の生産と消費とが少くともバランスいたしました場合には、これはひとり石炭のみならず、あらゆる物資において共通なことと思いますが、現在のような統制方式はおそらく必要としなくなるであろう、かようなことが常識的に考えられるわけであります。從いまして幸いにして四千二百万トンの生産確保の実績が上り、明年度の企業費も十分目安がつきまして、そうしてさらに四千二百万トンを上まわる生産ができて参りますような目安となりましたならば、現在の機構に相当大きな変改を加えなければならぬではなかろうか、かように考えまして、これは関係の方からもいろいろなアドバイスもありまして、新聞にも多少その片鱗が示されております。たとえば五千カロリー以下の炭は公團の買取りをやめたらどうかというようなことでありまして、この言葉を逆に申すならば、石炭を自由販賣にしたらいいじやないかということに、私の解釈がなるかもしれませんが、さようにもとれるわけでありまして、かようなアドバイスもあります以上、この線に沿いまして、國内産業の健全な自立を目標といたしました基礎資材たる石炭行政の面に、相当の変改を加えなければならぬであろうと考えまして、それぞれこの方面の準備をいたしております。もとよりこれを実施するにあたりましては、ただいま時間的の問題でありますが、一時的の問題と申しましようか、公團の貯炭の増加しております問題に対しては、金融的措置その他の方法によりまして、次に現わるべき石炭の自然経済債務を圧迫したりあるいは刺激したりしないような方向に、これを操作したいと考えております。
#13
○小金委員 配炭公團はいずれ清算さるべき問題でありまして、それがなくなつた場合、またすでに四千カロリー以下の炭は無煙炭や煽石と同樣に自由になつておりますが、これを廃止する前提のもとに卸賣制度、小賣制度の整備をすることが、この前の國会においてすでに約束されておるのでありますが、その点はいかがな状態になつておりますか。
#14
○宮幡説明員 ごもつともなお尋ねだと存じます。ただいまの問題につきましては御承知のように石炭は戰時中からのいわゆる統制物資でありまして、自由販賣に対する各業者の経驗がございません。かりの話でありますが、もし公團が廃止せられまして統制がなくなつたと仮定いたしますときには、これに対しまする荷受機関と申しますか、卸賣機関と申しますか、小賣機関と申しますか、とにかく高所から消費者に連結する一連の機構が必要となつて参るのであります。これをただちにその線に密着するように操作しろといつても、これは容易ならない問題だと思いますので、若干言葉は適切でないかもしれませんが、石炭配給取扱規則というような程度のものをもつて、これに移りかわるのに遺憾のない準備訓練をするための計画をただいま持つて、おります。万が一にも公團を廃止する時期が参りましても、その廃止を発表いたしましてから相当の日数を経て廃止の效力が出ますような準備態勢をただいまとつておりまして、御配慮になりますところの統制から自由への移りかわりにおける混乱等はでき得る限り防ぎたい、かような構想で進んでいることを御了承願いたいと思います。
#15
○小金委員 石炭は何といつても基礎産業中の基礎的なものでありまして、これがある程度まで自由になつて需要者の選択によつて賣買が行われるということになりますと、他の産業に非常に大きな影響を及ぼします。たとえば運賃プールをはずしただけの問題といたしましても、他の産業の立地條件に非常に大きな影響を持つて來る。それからまた公定価格制度を根本的にかえられる必要はないか。あるいはまたほかの産業の製品については、公定価格制度はそのままにしておいて、一應石炭生産業並びにその卸小賣の販売業に影響がないように、統制をはずして行く場合において、他の産業はあとから物価の影響を見て直して行かれるつもりでありましようか。これは安本といろいろ御相談なさらなければならぬと思いますが、運賃プールと価格プールをはずした場合においては、相当な心理的な影響があるということを私は心配するのですが、その点についてはどういうお考を持つておられますか。
#16
○宮幡説明員 ごもつともな御配慮だと思いますが、御承知のように物資の流通を自由にしまして價格だけの統制を行うことは、常識的にも理論的にも適合しないわけでありますから、もし自由に販賣する立場になりますならば、價格も同時に撤廃いたさなければならぬと思います。そこで自由價格が生れて参りまして、この自由價格が現在の暫定價格より高くなるか低くなるかは、他の産業との関連上概に断定はできないわけでありますが、高くなりました場合においては、ただいま持つております公團の経営費、また少々ふえるであろうと考えられているところの公團の手持荷をもつてこれを調節するというようなことは、時間的には相当の期間の間には操作ができるだろうと思います。また現在の暫定價格より非常に下の線に自由價格が納まつたといたしました場合においては、これはむしろ他の産業につきましても、コスト構成の上におきまして好條件を付與するものと思いまして、あえて配慮をいたしておりません。しかしながら万一高くなつた場合には肥料、セメントというようなものに及ぼします影響を、ただいま安本とそれぞれ檢討を続けております。先ほどもちよつと言い漏らしましたが、石炭の需要が減つて参つた問題につきまして直接にお考えを願わなければならないことは、ただいま日発の扱つておりますところの発送電事業の電気料の問題であります。ただいま配炭公團に対しまする石炭代の未拂いが順次増加して参りまして、これを一應算するために特段の金融措置を設けまして、一應の解決はいたしました。しかしながらあくまでもドツジ・ラインによりまして赤字融資ということはできない。公團の基本的営業におきまして、欠損となるであろうということを推定いたした融資はできないのでありまして、おのずから公團の操作上、日発の炭代の解決にもただいま限度があるわけであります。これを安本との交渉及び関係筋との交渉におきまして、ある程度の電力料金の値上げが許されまして、これを実施いたしましたならば、そこに初めて赤字でない黒字に対しまする炭代の融資ということができるわけでありまして、これによりまして、石炭の需要は御承知のようにかつては三百二十万トン、ベースから四百五万トン・ベースに本年は引上げて、約百万トンのベースの差があるのでありまして、これらについても石炭の需要は喚起されて来るのではなかろうか、かようなことを考え合せまして、おそらく石炭の價格は基礎産業といたしましての本年の意味から申しましても、自由價格は現在の暫定價格よりも若干下まわるのではなかろうか、かような構想のもとに、ただいま安本と総合計画を立てまして、しかし原則といたしましては物の流通を自由にいたしまして、價格の統制をする意思はございませんので、自由價格に放任して、他の産業に惡影響を及ぼします面だけを是正いたす手段について、研究をいたしておる次第であります。
#17
○小金委員 いろいろ御配慮になつておるようでありまするから、すみやかに成案を得られんことを希望いたします。わが國の石炭政策は、やはりドイツあたりでもそういう節があるのでありますが、賦存状態が非常に相違があるのであります。從つて掘り出すのに條件がそれぞれ異なつておる。すなわち炭田が小さい。それからまたカロリーが非常にまちまちである。そこで非常に石炭が足らない状態においては、これは今までのような政策がしかるべきであつたと思うのでありますが、ほぼ需給関係のバランスがとれる、あるいは余りぎみになつたというようなときには、これは非常にむずかしい問題がわが國では発生する。言葉は惡いのでありますが、低品位炭だとか、あるいはこれも非常に言葉が惡いのですが、弱小炭鉱と申しましようか、中小炭鉱と申しますか、そういうような山の経営者及びその從業員というような問題、これは石炭問題のほかに社会問題として現われて來る。これらについて十分な考慮を拂つていただきたいと同時に、石炭の價格を分析いたしますると、石炭の價格構成はおそらく六〇%以上が人件費じやないか。それが非常にむずかしい問題でありまして、今日わが國の問題は石炭がどれだけとれるかということよりも、石炭をいかに安く普遍的に使用することができるようにするか。そこへ問題が今日は來ておると思います。これらの点について政府御当局のお考えはいかがでありましようか。
#18
○宮幡説明員 適切なるお尋ねでありまして、むしろ当面の通産省といたしましての施策の乏しさをはなはだ遺憾と思うのでありますが、先ほどもお話なりました運賃プールの撤廃というようなこと、あるいは弱小炭鉱特に離れ島炭鉱についての考慮というものは、これは最も重大な関心を要するものでありまして、ことに離れ島炭鉱の問題につきましては、御承知のように重油の不足に原因いたしまして、ただいま機帆船の操作がきわめて不円滑であります。近き將來におきまして、機帆船だけでもこれに從事いたしまする十万に近い方々が、失業しなければならぬであろうというような、労務面から出た苦情ではありますが、さような現実は離れ島等の石炭の運送を非常に困難ならしめ、絶対的に見ました、四千二百万トンの生産は、かりに山元ではできましても、これを市場に供給する点におきまして、かなりの不円滑な事態もときたまには起きるであろうという点を、最も心配いたしております。かつて、最近の事実でありますが、いわゆる鉱山労働者と石炭連盟と定による案等を拜見さしていただきますと、四千三百円の賃金ベースを現実に行い得ます炭鉱はきわめて少い。大体六、七箇所しかないように記憶します。それ以下の、どうしても労資の間に協調した四千三百円ベース以下においてやらなければならないという弱小炭鉱もあるわけであります。これを全面的に本來の自由主義経済のもとに放任するか、あるいはこれに若干の保護的な措置を講ずるかということについては、問題がきわめて重大であるので、ただいま結論を得ておりません。しかしながらこれを自然淘汰、自由競爭の波の中にそのまま放置すべきではない。何らかの條件におい、これをある期間完全安定の時期まで誘導して行くだけの責任は、通産省として持たなければならないじやないか、かような観点のもとに、これまた安本でただいま研究の一課題になつていることを御了承願いたいと思います。
#19
○小金委員 石炭の價格はむずかしい問題でありまして、今の配炭公團すなわち公團方式を廃止することによつて、相当な金が出るということも私は聞いております。どの程度まで需要者價格の引下げができるかということを研究していただきたいのでありますがいずれにしてもある時期がたつと、廃業するものもでき、また残存する鉱山については整理、合理化が行われるのであります。それらの場合において相当な失業者というか、余剩人員が出るのであります。幸いなことには企画官廳として経済安定本部あり、また通商産業省は機構こそかわりましたけれども、國内の諸般の生産業をコントロールというか、行政する役所でありますので、ここで私は発電関係に淡をまわすとか、ガスを盛んに発生させるとか、あるいは思い切つてセメントを傾斜生産さして、この荒廃せる山野、道路、土木建築業に向けて國土の補修をするというような計画の構想を、私は通商産業省で立て得るのみならず、立てなければならぬ事態とも考えておりますが、これらの点について政務次官はどういうお考えをおもちになりますか。
#20
○宮幡説明員 ただいま小金委員から御抱負をお述べになりましたが、ただいま石炭行政の全面的な移りかわりにつきましては、石炭の需要面を喚起することによつて、炭價も常識的な実質の線に置く、こういう構想のもとに、お説のようにセメントとかガスとかいうよう事業いよいよ盛んならしめ、ことにセメントの方は、炭代が現在の暫定價格より下まわつて参るならば、幸いセメント資源の多い國丙事情でありますので、一層セメントの増産はできるであろう。その場合において、ただいま続けられている若干の輸出を果しても、あるいはより以上の輸出に振り向けても、國内の河川、山野の荒廃を回復する資材として使うことができる。かたがたかような資材の増産されることは、総合的な失業対策の一環ともなるわけでありますので、ぜひかような方面に有効需要を喚起したいということで、事務当局を督励してただいま安本で一生懸命やつております。その成果はぜひとも早いうちにつくり上げまして、あるいは末定稿の状態におきましても、場合によりましては本委員会の祕密会等にお訴え申し上げまして、一應の御檢討をいただきたいことを念願といたしておるのであります。
#21
○小金委員 石炭が当貯炭の形においてたくわえられておりまして、需要と申しますか、購買の方に向う消費者の心持を鈍らせるというふうに伺うのであります。石炭政策の根本的な轉換期に來ておるこの際、相当思い切つた政策をとらなければいかぬと思いますがいずれにしてもわが國には今放つておいてはつぶれてしまう炭鉱がある。しかもその炭鉱は放つておいてつぶしてはならぬと考えられる炭鉱も相当ある。これらを率いて連れて行くところに、私は日本の石炭政策のむずかしいところがあるように承知しておりますが、いずれにしても輸出貿易が予定通りはたして行つているかどうか。私はこの点について貿易全般についてまたお伺いしたいのでありますが、これはまた別の機会にいたしまして、石炭自体で輸出されている数量の見込みはどのくらいになつておりますか。その点もしおさしつかえなかつたならばひとつお話願いたいと思います。
#22
○中島説明員 ただいま輸出されている数量は月約十二万トンぐらいです。これは朝鮮、香港、フィリピンへ出ておりますが、朝鮮に出ております五、六万トシの数量の六月分についてはしばらく待てということで、それだけ減つております。大体十万トンから十二、三万トンぐらいのものが毎月出ているという現状であります。
#23
○小金委員 その炭は一体どこの炭で規格はどんなものでありましようか。ちよつとお伺いします。
#24
○中島説明員 大体九州の炭がおもでありまして、品位は五千五百から六千五百ぐらいまでの間のものが行つております。主として三池炭等の西九州の炭が積み出されております。それから値段は、從来まで十二ドル余りでありましたが、今度の為替レートの決定によりまして、これは余りに低過ぎるということで、十六ドル程度まで上げたはずであります。
#25
○小金委員 原料炭の輸入状況はどういうふうになつておりますか。、
#26
○中島説明員 本年度の原料炭の輸入は百二十七万トン程度の予定でありまして、大体その程度のものが入つているわけであります。
#27
○小金委員 國内の原料炭、発生炉炭等の産出は予定通り行つておりますか。
#28
○中島説明員 今日まで大体予定通り行つております。原料炭、発生炉炭の貯炭も現在においては合せて二十五万トン程度でございます。
#29
○小滝説明員 輸入先によつても違いますが、大体二十三ドル見当と御了承願いたいと思います。それから今資源廳の方から説明がありました中で、朝鮮のはとまつているという説明がありましたが、それは実は六月ごろから一時停頓しているのです、その理由は先ほどの御説明にもありましたように、日本の石炭は少し高いという朝鮮側の意向であります。特に船賃について、今まで円建で運営会がやつていたのを、ただ数学的に三百六十で割つてドルの運賃をつくつたために非常に運賃が高いというので、朝鮮の大使から当分使わないということを言われました。そうしてその大使の説明によりますと、今二十万トンぐらいストツクがあるということを言つて参りましたので、今関係筋を通じて、一体今後はどうするつもりかという照会を出しておりますけれども、いまだ返事は参つておりません。そういうような状態であります。
#30
○小金委員 小滝通商監に專門的な見地からお答えを願いたいのでありますが、わが國の石炭の輸出に関してはどういう見通しを立てておられますか。見通しでありますから当る当らぬは別といたしまして、現在のところどういうふうに考えておりますか、伺いたいと思います。

#31
○小滝説明員 石炭につきましては、今後できるだけ原料炭の輸入を少くする。こちらの高品位の石炭を使つてこれに代換するようにしなければならぬというのは関係筋でも考えております。ただ現在の実情といたしまして、貯炭を一体どうさばくかということにつきましては、本日も関係筋に話しておる問題でありますけれども、現に濠州からも引合いがあります。根本的な遠い将来の計画は別として、この際の措置として適当の價格でさばけるものはさばいた万がいいのではないかという点につきましては、ただ單に濠州の今ある引合いのみならず、できれば朝鮮あるいは中國の方にも需要があるとすれば、香港あたりを通じていわゆる可能性を研究しなければならぬだろうということで、目下関係方面とも話しておるような次第であります。
#32
○小金委員 バンカー用としてはどのくらいでありますか。もしわかりましたらお願いします。
#33
○中島説明員 その点まだはつきりしておりません。
#34
○小金委員 まだ根本的問題について二、三お尋ねしたいことがありますが、私ばかりで時間をとるのは恐縮でありますから、一應私はこの程度にしておきます。
#35
○川上委員 私はどなたに答えてくださいということは言いませんが、いろいろお聞きしたいことをまとめて質問してみたい。從つて御返事の方もやはりまとめてしてもらいたい。それからいま一つはお座なりでない返事をしてもらいたい。とにかく委員会でも本会議でも同じことですが、質問に対して政府当局は言い拔けさえすればいいという態度で答えているが、ああいうことでなく、納得の行くような親切な答えをしてもらいたい。それからなるべく具体的に御答弁を願いたい。
 まず第一の問題は四千二百万トンの石炭計画です。石炭問題も石炭だけ取上げて問題にするということは実際の問題の底を突かないのですが、取扱い方がこういうぐあいになつておりますから、しかたがありません。これについて質問します。四千二百万トン計画は、先にも小金君が質問されたように、これは賣れておらぬで、非常な滯貨がどんどん出る。この数字は政府の方にはたくさんあるわけですが、九月ごろには五百万トンないし六百万トンぐらいの滯貨ができるであろうということは、関係者がみな言つているはずだ。これを一体どうさばくのか。しかるべく考慮するというようなことでは答弁にはならぬ。これをどういう形でおさばきになるか。見通しがどういうふうになるか。ことに配炭公團を廃止するというのに備えて、私最近九州を見て來たのでありますが、石炭を相当盛んに掘つている。だから今では石炭が四千二百万トン計画を掘つておるのだというようなことは自慢にも何にもならぬ。これをどのようにしてさばくかということの方が問題なのだ。これについてひとつ具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
 要点は、どういうふうにして滯貨をなくするつもりであるか。またいつごろどういう形でこれが解消されるのか。ここに案があるかどうか。行き当りばつたりになつているのかどうか。これが第一点です。
 それから第二の問題は、政府の方ではなぜかような滯貨ができたかということに対するお考えをお聞きしたい。この前の臨時國会の場合には、共産党は重ねて質問してある。こうなりませんかということを言うてある。政府の方ではならないと答弁をしてある。この計画は必ずスムースに行くということを商工大臣も答弁している。ところが共産党の言う通りになつている。そこでこの滯貨がどういう原因でこうなつたと政府はお考えになりますか。これも大事な問題であります。これは一般的金詰まりの問題というような問題ではないとわれわれは考えている。それからこの問題は合理化で片づくという答弁が先にもありましたが、われわれの考えでは、合理化というものが問題なのですが、そんなことで片づく問題じやない。有効需要を何とか喚起するというのは口の先であつて、具体的な方針が示されなければ合点が行かない。結論的に言うと、この賣れない原因は單なる金詰まりという問題でなく、貿易政策の破綻である。輸出がいけなくなつてしまつた。これが根幹になつて、日本の産業資金その他の計画がくずれでいる。これが大きなもとだと思うのでありますが、この点について政府の方のお考えをお聞きしたい。
 第三の問題は、鉄鋼生産百八十万トン計画をあの通りおやりになるつもりでありますか。これをどう変更なさつているのであるか。これと石炭需要との関係、この鉄鋼生産計画がかわりますと、それに付随するところの一切の石炭計画がかわつて來るはずであります。そうすると四千二百万トン計画はその通りだと言うたところで、これはほかの計画とマツチしない。四千二百万トンというのは、こんな数字じやない。ほかの全部の産業計画とマツチされて四千二百万トンという数字が出ているのだ。ところが方において鉄鋼生産というものに対する計画がかわるのか、かわらぬのか。そういう作業が行われているのかおらぬのか。行われているとすれば、どういうふうに行われているか。それと石炭との関係はどうなるか。ほかの事情との関係はどうなるか。この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
 第四番目には、こういう状態であるのに、一面においては先にも御答弁がありましたように、十万トンないし十二万トンの輸出が行われている。値段は十二、三ドルだという御答弁がありましたが、その半面に非常に厖大な石炭が輸入されている。國内では石炭が賣れない。滯貨している。一面においては輸出もわずかながらされているが、一面においてかなり高い石炭が非常に厖大に輸入されておる。この計画はこれでよろしいのですか。これを遂行なさるのですか。これでどうして石炭をさばいて行くのですか。この点をひとつお尋ねしたい。聞くところによると、石炭の輸入については相当産業資本家も反対なさつているように聞いているのですが、この具体的なことは別といたしまして、政府の方のお考えをお聞きしたい。
 第五番目には、配炭公團の問題でありますが、政務次官は万が一にも廃止するようなことがあればと言われましたが、万が一か千が一か知らぬが、これは腹の中はほとんど廃止にきまつて参つてもしようがないというのか。参いるのと違うかどうか。万が一どころじやない。一が十でもその氣じやないか。それは明らかである。もしそうなるとすれば、石炭の未拂代金が非常にたくさんになつている。これをしきりに取立てておられるのです別、配炭公團を廃止するその時分には、適当な暫定処置を講じてうまくやるというお話なのですが、これはあてにならぬ。政府の方ではうまくやるということを言うてのがれて、あとでほんとうにうまくやるだろうと思つていると、とんでもないことになる。うまくやるのでなしに、どうやるのか。これを具体的に聞きたい。もし配炭公團を廃止するならば、これはこのつなぎ金だけでも実に厖大なものである。おそらく二百億以上なかつたらこれはやれない。現在でももう三千五百以下、三千七百を切り離すだけでも大問題です。宇部なんかもこのつなぎに困つている。これは配炭公團を廃止するようなことになつたら、たいへんなことになつてしまう。それに五百万トンも貯炭がある。これをどんどん賣り出してやつたらどうなるか。これは大問題である。これに対する一体腹があるのかどうか。ほんとうにしよがないからやるのかどうか。具体的の度胸のあるところをはつきり言うてもらいたい。
 第六の問題は、中小炭鉱の問題です。私は山口、九州地方だけ見て來たのですが、ほかの方の調査をしても、ここに中小企業廰の長官も来ておられますが、大きな問題である。小さい炭鉱は参ります。ことにメリツト制をやつて、配炭公團を廃止すれば、参つてしまう。あるいは参らぬというのか。参つてもしようがないというのか。参つては困るというなれば、どうなさるつもりであるか。これをお聞きしたい。
 第七番目には、石炭の配炭について機帆船を全部とめてある。九州では五百五十隻の機帆船が全部つないである。これが動かぬ。そのために九州の炭鉱は石炭の回送ができない。しかも九州、ことに北九州は機帆船で運搬するような形に海とのつながりがついている。大きな船は寄りつかぬ。ここに機帆船が動かなくなつてしまつた。これを一体どうするのか。だから貯炭の奨励をして、山元に積んでおくような形が出ている。これを政府はどうお考えになりますか。もし機帆船をやめてしまつて、普通の汽船で運搬することになると、一切のものを同じ船に積込まれるから、これを消費地にもつて行つて一々分けなければならぬ。分けて今度機帆船に積まなければ形がつかない。こういう操作をどう政府はやつて行かれるつもりであるか、これをお聞きしたい。
 第八番目には、関連産業に未拂金百五十億ある。これは幾分は解決されたようではありますが、まだ非常にたくさん解決されておらない。これはどうなさるともりであるか、政府は手がないと言つて、手をあげておられるのか。この点について方針をお聞きしたい。
 第九番目には、日発の炭代の未拂問題であります。これは今政務次官からお話がありましたが、これは炭代を拂わぬにきまつている。今五十万トンくらいおそらく日発に貯炭ができていると思う。というのは、まだ使うておらない。日発はもう水力でいいというので、火力を動かしておらない。そこへ石炭をどんどん配給している。未拂代がたしか五月末で四十二億円ぐらいあるだろうと思いますが、これはどんどん配給しますと、向うは使つておらぬから、何ぼでもたまる。こういうことをしておいて、それでこれに赤字融資もできないが、金繰りをつけるこういうことになつてはいかぬと思う。これは体どういうことであるか。日発では火力はほとんど使つておわぬ。水力でよろしいと言つている。それを配炭している。そこで貯炭どんどんできている。その結果、石炭代が拂えない。その未拂いに対して融資をしようというように今御答弁になつた。その間の関係をひとつ調べて御答弁願いたい。
 第十番目には、この石炭の滯貨の問題、石炭が詰まつてしもうておるということ。未拂いができている。関連産業にも石炭工業の未拂い金がたくさんあるという問題。これは全体をひつくるめてみて、この前の臨時國会に提出されました政府の全般的産業計画、輸出入計画、貿易の計画、資金資材の計画というものが、全面的に崩壞しつつある証拠だと思う。こういうことになりませんかということを、これまた臨時國においてわれわれはたびたび質問したのでありますが、さような御心配はありませんということを御答弁なすつた。ところがさような御心配になつてしまつた。これはわれわれの考えでは石炭だけの問題ではなく、全産業計画というものが崩壞しておるその一つとして、この石炭問題を言つておる。全体のからくりのとまつておること、これはあとからも質問しますが、これはほかの方にも綿糸にしても、鉄鋼にしても、中小企業にしても、あるいはその他一切の産業状態、この状態をしさいに見、その上に厖大なる税金收奪の問題からあらゆるものを考えますならば、この計画というものはくずれてしまう。これを番よく知つておられるのは、おそらく委員長を初めとする民主自由党の諸君だと私は思う。それからわれわれはこれは單に石炭の問題ではなくて、産業計画の破綻だと思う。こう思うのですが、これは政府当局はどうお考えになりますかということを、この場限りの答弁じやなしに納得の行くようにひとつ御返事をお願いしたい。これがまとめて質問申しました要点です。なお答弁によりまして合点の行きませんところは、もう一度質問させていただきたいと思います。
#36
○宮幡説明員 ただいま川上委員から懇切にしてきわめて痛烈なる御質問をいただいたわけでありますが、お言葉のはしはしにありましたように、おざなりの答辞をするな。委員会さえ通ればいいのだというような氣持は捨ててほしいという御要望でありましたが、ごもつともだと存じます。また施策の足りないところは足りないで、その不敏を補うための努力を重ねておるという意味合いにおきまして、当面お話申し上げてさしつかえないことは、簡明率直に申し上げたいと存じます。ただし川上委員も御承知の通り、ただいまの状態におきまして、率直に申し上げる限界というものはおのずからせばめ参られております。一言にして盡せば、先ほど万一配炭公團が廃止されたと考えたならばということを申し上げましたところ、なぜ廃止するときまつたと言えないのかというようなことか、これが代表的な言葉であろうと思います。どうぞその点につきまして、從来川上委員の御満足の行かない、かつての商工省が御答辞を申し上げた数々もございましようけれども、今後は通産省といたしましては、できる限りひとつ御納得の行く方法で話したい。この努力を惜しまないことをまず申し上げます。たいへん盛りだくさんなお尋ねでありますが、きようちようど大臣も閣僚も懇談会にただいま出席しておりますために、ちよつとこの席へ参られません。大臣ならばすばらしい答辞のできますものを、かわつての政務次官ではどうも御納得の行かないという向きもありましようと思いますから、その点につきましては次の機会に大臣からよく弁明させることにいたします。こまかいことは事務当局から答えさせることにいたします。
 概要について一應ただいま通産省としてとつておりまする方針について、御質問の点についてお答え場をいたしたいと思います。しかしこの第一として上げました貯炭処理という問題、それと貯炭公團は廃止するのじやないかという二つの面からの御追究でありまするが、これは御質問の間にもすでに要旨の食い違いがあると思うのでありまして、自由販賣にしてしまうというようなことであるならば、また貯炭の処理というものも違うのであつて、これは配炭公團を存続するといえば、その処理方もおのずから違うのであつて、川上委員の御説明によるならば、配炭公團は当然やめるのにきまつておるじやないか、こういう前提からの御質問であつてみますと、第一の貯炭処理という問題についての当方のお答えにも、どの点を申し上げたら川上委員の御満足が行くかということについて、簡單な言葉で申せば氣持がはなはだ迷うわけであります。從いまして万一川上委員の質問の要旨と食い違いができましたような場合にはどうぞ御遠慮なく重ねてお尋ねを願うことにいたしたいと存じます。
 第一番に貯炭の増加、処理問題についてのお話の中にありましたように、現在はただ石炭だけの問題ではなく、全産業に現われたところの不振の状況というものは、貿易政策の間違い、貿易の不振に原因するものであると思うがどうかというようなお尋ねで、ごもつともであります。貿易の不振の状況が國内産業に及ぼしておりますることは、現実の問題として否定できません。理論的にこれを説明し、解決する道はないと思いますが、しかしながら貿易不振であるところの原因が、はたして現在の環境にありまする日本の政府当局の全面的責任であるかどうかという問題につきましては、これはしばらく考慮をめぐらす余地があるであろうと思います。御承知の通り日本の貿易は長い間鎖國経済の中から、たまたま片山内閣当時に貿易が再開せられまして、簡單に申せばめくら貿易であります。つんぼさじきに追い込まれた國民であります。從いましてそれらがかつての古い体驗から割出しましたところの國際経済の市場に不知な者が、勇敢に貿易の面に突入いたしたのでありまするから、もしこれが民間の企業のトレイダーでありましたならば、やはり知らないで失敗したということで済むであろうと考えますが、いやしくも國をあげての政治であります以上、さような弁解は通らぬわけであります。從いましてぜひ早く國際市場の状況を知つて、そのめくら貿易を脱却して、貿易不振の原因をまずただすべきである。かようなことは通産省設置以来強力に推進いたしまして、すでに御承知の通り海外自由渡航を許される方向に、関係筋とも各般にわたつての交渉折衝を続けておりまして、幸いにしてその一部として、すでに発表せられましたように外貨を保留する。輸出により獲得しました外貨の三%あるいは六%、一〇%、各物資によりましての保留分を認められまして、しかもこれは大月二十五日以後に積み出したものによつて保留せられる外貨でありまするこれを活用いたしまして、まず官民といわず適当なる人々を海外に送りまして、市場の状況あるいは貿易に関します、文献、あるいは見本の改築、あるいは宣傳等に当らせまして、ぜひとも貿易不振の現実を打解して参りたいかように考えて切々とやつておるわけであります。また先ほど申しました輸入炭の問題でありますが、この輸入炭の問題といたしましても、なるほど計画といたしましては原料炭を百二十万トン入れたい、かようなことになつていますが、すでに國内的にも優秀なる原料炭が入手できる希望も相当数量あるわけでありまするので、でき得べくんばかような援助貿易という言葉は当りませんかしれませんが、結局、アメリカのガリオア・イロアの資金につながります、日本の経済の面におきまして御遠慮申し上げることができたならば、かような面もぜひ差控えていただきまして、そうしてもしこの百二十万トンが六十万トンになるか五十万トンになるか、極力これが輸入を抑制しまして、國内の原料炭資源の開発と増産によつてこれを補填して参る。かような方向に現在手を打つておるわけでありまして、貯炭の処理の問題については、おおむね小金委員の御質問に対しましてお答えいたした通りであります。産業の不在面的な不振をいかに回復すべきかの問題は、これは川上委員が具体的に説明しろと仰せられましても、川上委員御自身御承知の通り産業の数百万種類と申してよろしいあらゆる企業の業態、形態は、ここに具体的にこの問題についてこれだけの金をやる、これだけの石炭を買わしめて、これだけのものを生産せしめて、これをどこに売るかというようなことは、これは具体的に申し上げたくても申し上げることのできないものであります。從いまして、中小企業がまず不振、中小企業の有数購買力が減退しておりますので、中小企業等につきましてもかつて誤り使えられました集中生産方式等を断然排除いたしまして、能率のいいもの、いわゆる合理化されました産業を保護育成する。それも從來のような官僚的な意味の保護育成ではありません。法的な統統や保護を加えまして、そうしてそれによつて育成しようというのでな、企業意欲のため眞に協力、くふうをこらしまして、努力に努力を重ねることによつて企業の合理化をはかる、かような面について御相談があれば、積極果敢にこれに対しまして適正なる御慶助を申し上げる。しかしながらこれは物的な援助ではありません。精神的な協力をいたしまして、一日も早く能率的な生産、すなわちコストが切下げられまして、貿易不振の最大原因になつておりますところの國際價格の段階とのしわ寄せ及びさや寄せをいたしまして、國際経済に参加できる態勢をとつて参りたい、こういう総合的な施策をとつております。從いまして、ただいまは個々の問題について残念ながら具体的な事例として、この産業についてはこうだということを申し上げる運びになつておらないことを、特に御了承を願いたいのであります。次に、鉄鋼生産百八十万トンはどうするかというお話でありました。これはその内容は事務当局からも申し上げますが、計画生産の百八十万トンは本年達成することに変更はございません。のみならず将来ともこれを変更するような要素を含んでいないと思います。百八十万トンは可能かという問題につきましては、すでに川上委員も御承知でありましようが、日本鋼管の川崎工場に休止の状態にありましたトーマス轉炉、これは、あらゆる面において消費資材の節約ができますし、きわめて能率的な轉炉でありまして、これも操業に入れまして、おおむね昨年の百二十万トン生産の倍額生産が達成せられるであろうという操業状態にありますので、突発的な惡條件のない限り百八十万トンは計画、実現ともに達成でき得るものだ、かように考えておるわけであります。
 配炭公團を廃止した場合金融的措置は、二百億くらいの資金がいるのではないかというお説でありますが、一應同感であります。これは廃止したとした場合であります。廃止するという前提ではありません。その二百億はむしろ川上委員のお見積り方の方が少いような氣持がいたします。二百二十億ないし二百三十億はいるであろう、かように推算いたしております。しかし金融については先刻も申し上げましたように、資金の絶対所要量が三百三十億であるから、二百三十億を必ずそれに投げてやらなければならないかということは、これは資金の効率、資金の回轉率というものを十分勘案しなければなりません。從いまして炭鉱業の資金の回轉率が、もし六十日一回轉、あるいは九十日一回轉であるならば、この資金の絶対需要量では二百三十億ありましても、一時的にいります資金の量は相当集約できるものであろう。ただ総合したところにみだりにこれを供給するということは、毛頭考えておらないわけであります。それから中小炭鉱の倒れて行くものを見殺しにするのか。これは見殺しにすることもなければ、中小炭鉱であるからといつて特別な保護育成をしようとも考えておらないのであります。しかし中小炭鉱には、御承知のように中小炭鉱としての特異性があるわけであります。大炭鉱にもまさるところの特異性炉ある。その特異性をむしろ個々の炭鉱によつて生かして行く。あてがいます條件は、大小を問わず國内普遍的に平等にいたしまして、そうして企業意欲の働くもとにおきまして、やはり落伍して参らないだけの努力はして行きたい。これがために政府あるいは当省といたしまして御援助申し上ぐべきところの総合施策があるならば、その努力は惜しまないという観点でおるのであります。また機帆船の問題も、先ほどちよつと小金委員の御質問に対してお答えしておきました別、これは重油の不足が原因でありまして、何も離れ島やあるいは九州方面の石炭を機帆船が積み出すのがいやだ。大型船が石炭を積んで、また配炭するのをいやがる。そんなことで不足しておるのではないのであります。重油の不足、すなわち油の輸入というものが、ただいま関係方面に申請中でありますが、從來は精製油をもつて國内に注入せられるところの制度でありましたが、精製油を輸入いたしますことについての不利は、私が申し上げるまでもなく川上委員十分御承知のはずであります。從いまして、原油で輸入いたしまして、國内において製油いたし、そうしてその製油によつて、ほとんど原油からとりますものにむだがないといわれるのがこの石油工業でありまして、かような意味におきましてあらゆる資材を國内の経済循環の中に流して参りたい、かようなことで原油で輸入いたし、精製油の輸入はぜひひとつ差控えたいというような観点でせつかく交渉中でありまして、アメリカの太平洋岸の油糟所、あるいは國内の製油工場等の整備をきわめて迅速にいたしたく、ただいまほんとうにかけひきなく急いでおります。これができ上りますれば、機帆船に対しまして相当の重油量を供給できるであろう。しかる場合においては機帆船の操作もできるであろう。もしこれを放任いたしますならばお説の通り、先刻も申しましたが、おおむね十万人の機帆船從業者の失業を見るというような、きわめて重大なところに差追つておりますので、ぜひこの原油輸入、國内製油、そうしてこれらのあらゆる資材を他の方面にも利用したいというので具体的に努力いたしておりますが、遺憾ながら現在においてこれだけのことをこうしたという現実的な、数字的なお答えを申し上げる段階に参つておりません。
 その次に石炭の未拂金の問題でありますが、この関連産業への未拂金は、お説の通り百五十億あるいはもつとあつたかもしれません。しかし、およそこの未拂金が他の関連産業に惡影響を及ぼすということにつきましては、從來の石炭の國管法の俗に呼ばれるこの管理方式にも大いに反省を要する部面があります。つまり石炭に対しまするところの補給金制度でやつておつたとするならば、これに対してもつと一段と強力なる監査等も実施いたしまして、眞に石炭の生産コストをとらえる等の方法、あるいは誤つた経理の面を是正する等の方法を講じまして、もつと指導育成すべきであつたはずでありますが、やはりこれらの制度になれない間のことでありまして幾多の欠陷を残していることは、これはおおうことのできない事実でありますが、さりとてこれが全部政府の指導よろしきを得ざるがゆえに発生した、かようには申しにくいと存じます。そこで関連産業の未拂金の問題につきましては、先ほども度々申しますように資金の運用は効率的なものである。かりに一個の産業について百億の未拂いがありますと、それが支拂われた結果においては各たまり、各枝に流れて参りましてこれが各方面にうるおう。絶対におきましてはただ一箇所の百億の遅滯というものが、これが数万あるいは数百万の企業に影響を及ぼすという実情でありますので、そのもとを合理的に断つごとによつて一切が解決するであろうというねらいから、関連産業の末拠金もあえて川上委員の度々申されますように國民から收奪する税になる。これは川上委員のお言葉をかりて申すのでありますが、あえて收奪というお言葉をお使いでありますから收奪と申しますが、國民の血と汗から出て來たところの税金からなるものであります。ただ百五十億出したならば未拂金が関連産業にまわるであろうという端的な目標のもとに、これを易々諾々と出すことは問題であろうと存じます。あらゆる要素なりあらゆる角度から檢討いたしまして、本年度もすでに十八億八千万円未拂金処置のために、この方面に金融措置を講じております。これによつて相当量の緩和ができておりまして、なおかつ眞に関連産業の未拠金解決のために、有効なる資金の供給をしなければならない絶対條件となります。ならば、当省は進んでこれが解決に努力を惜しまないだけの決意を持つております。
 また自発の炭代の問題でありますが、四十二億ぐらい未拂いがあるであろうというお話でありました。これも小金委員の御質問のときに概略お答えいたしたのでありますが、御指摘の五月末日では、ただいま記憶しております数字ではおおむね二十九億の未拂金であります。しかしこれは配電会社に対する未收入金がありますので、これを取立てまして約二十億決済を促進させまして、そうしてあとに残るところの問題は、先ほど申し上げました三百五十万トンからさらに四百二十万トンへと日発の操作、川上委員によりますと火力発電はしなくてもいいのだというお話であります別、そうではありません。百万トンの石炭を余分に使つて発電能力を増加して参りたいという方向に進んでおりますので、この百万トンの増加した部分に対して、公團それ自身に金も何も持つておらぬのでありますから、これに対して適当な融資をすることは当然であります。この理論によつて、あえて損だから赤字でも、何でも融資するというでたらめなことでなく、その石炭増加によりまする必要品を供給しようという努力を拂い、またその一部をやつたということで、この点は大きな言葉で申しますれば、実にこの問題に対しまする適切果敢な処置であつたと、御賞揚をいただきたいくらいの氣持を持つております。なおその他の問題につきまして、こまかい点がごさいましたようでありますが、これは補充質問としてお尋ねをいただきまして、各事務当局からお答えをさしていただきたいと思います。
 なお鉄鋼生産の問題については、ただいままだ鉄鋼局長が見えておりませんので、この点はもしお尋ねの時間中に参りませんでしたら、次の機会にお讓り願うことにいたしまして、その他の方はそろつておりますので、補充質問としてこまかい点はお尋ねいただきたい。
 最後に申し上げますが、私の方もできる限りふところを拡げて皆さんの御納得の行く御説明をいたしたい。また皆樣の御協力、御意見によりまして、日本の早期の安定と早期の自立と早期國際経済への参加をいたしたい念願でありますので、どうかこの点特に川上委員も御了承を願いたいと思います。
#37
○神田委員長代理 川上委員から質問をまた他の機会にしたいというので、一應宮幡政務次官の答弁を聞いておくということでございますが、他にこの石炭問題に対しまして政府側に対する御質疑がございましたら、御発言願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#38
○神田委員長代理 それでは石炭問題はこの程度にいたしまして、電気の方に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○神田委員長代理 御異議なしと認めまして、ただいまから電気関係の質問を伺いたいと思います。
#40
○小金委員 電力問題につきましてお尋ねをいたします。
 まず三つにわけてお尋ねいたしますが、第一は電源の開発問題、第二は電氣事業の再編成が問題になつておるようでありますから、この電氣事業の再編成の問題、第三が電力料金の問題であります。
 第一の電源の開発問題につきましてまずお尋ねいたしますが、電源開発資金として例の対日援助見返資金、この中から百四十五億か何がしかの融資が決定したように伺つておりますが、この額ははたして確定的のものであるか、またわが國の電力需給の関係からして、さらに増額する必要がある場合においては増額ができるものであるか。またこの金はいつから使えるものであるか。この点をひとつお尋ねいたします。
#41
○武内(征)説明員 電力開発のカウンターパート・フアンド百四十五億は内定いたしております、これは内容といたしましては新しい開発が大部分でありますが、一部配電設備、それからメーター関係の取付、一部電氣試驗機械の補修というようなことで、百四十五億は大体内定はいたしております。おそらくこれについては本年度はきまると思いますが、場合によつては関係方面で一部電氣機械のテスティング・マシン等はこれから落そうかという御意見もあるようであります。しかしその落した分は開発の方にまわるわけでございますから、トータルといたしましては大体百四十五億で参ると思います。増加するかどうかという御意見でございますが、これは全体のエイド・フアンドの操作につきまして、最終的には関係方面で御決定にならぬようでありまするから、多少の変更はあるかもしれませんが、われわれがただいま考えておりますところでは、百四十五億は増しても減りはしないのではないか、と考えております。それからこのエイド・フアンドの使用時期でございますが、これは最近大藏省の方でエイド・フアンドの引出します手続が政令で発布されまして、その樣式に從いましておのおの手続をとつてやるべくただいま準備をいたしております。ただ償還期間とかあるいは償還の利率というようなものが、最終的にきまつておりませんが、それがきまり次第措置をいたすつもりでございます。おそらく來月中旬くらいまでには一番最初のが出るのではないか。また出るようにわれわれといたしましては努力いたしたいと考えております。
#42
○小金委員 次に電源の開発は三十三箇所か何か内定したように伺つておりますが、今回の、今電力局長が言われた百四十五億円の内定した金額でどのくらいの箇所が着工できますか。その点をひとつお尋ねます。
#43
○武内(征)説明員 それではお手元に差上げました資料につきまして簡單に御説明いたしまして、さらに御質問がございますればお答え申し上げます。百四十五億の企業別設備の内容は、ここに表で差上げてございますが、大体この中には三十三箇地点の中に自家発が一部ございまして、電氣事業用と自家発とございます。電氣事業用は第一ページに書いてございますが、百三十七億四千万円でございまして、内訳は日発、配電、それから大分縣営がございまして、このような数字になつております。自家発電はあとにも書いてございますが、昭和電工一箇所と日本窒素が二箇所。自家用のフアンドは六億五千百万円。その下に一億一千万円と出ておりますのが、先ほど申し上げました電氣機械器具の試驗設備の回收でございます。これが百四十五億の資金的の内訳でございまして、これを工事別にわけますと、五百五十件ということになるのでございます。カウンターパートの手続といたしましては、五百五十件を工事の大きい小さいはございますけれども、おのおの別々に手続をしなければならぬというような計画になつております。それからこの計画によりますと、大体七億の増加の合計がこのしまいから三分の一くらいのところに書いてございますが、三十二箇地点で四十八万キロがあります。その工事別の地点とかあるいは工事の継続工事であるとか、承認不用工事、関係筋の承認を得たもの、さらに近く追加申請をいたしまして許可を得る予定のものというものがここに書いてございます。それから火力発電設備も八箇地点近く申請いたしまして、大体内諾を得ておりますので、これのアプルーヴも近く参ると思いますが、増加出力二十四万キロというものがこれで出るわけであります。この三十八箇地点及びこれに関しまする配電、発電設備の完成によりまして、どういう電力の需給バランスになるかということは詳細にこの資料に書いてございますので、あまりこまかく御説明いたしますと時間がなくなりますから、大体以上のように説明をいたしまして、さらに御質問がありましたら申し上げます。
#44
○小金委員 この電源開発の問題は、治山治水にも非常に関係があるし、また総合的な失業対策の一環をになうものだと私は思つております。こういう点から考え合せまして、大体予定になつておるこれらの地点はどうしてもすみやかに着手していただきたい。もし十分な見通しがないとすれば政府はどういうような処置をとるか。必ずこれは予定通り着工できるかどうか。その見通しをひとつ伺いたいと思います。
#45
○武内(征)説明員 この第三表にもございますが、これらの地点は必ず本年度におきまして百四十五億は確実に承認される前提でございますが、これは大体間違いないとわれわれはただいまのところ考えております。そういう前提のもとにおきまして、これらの地点は必ず着工いたすことが可能であるというふうにただいま考えております。
#46
○小金委員 どうも官廳の手続が特に統制経済に入つてから遅滯がちである。いわんや客観情勢がいろいろ手続の進歩をさまたげるような場合もあるかと考えますけれども、今のカウンターパート・エード・フアンドの金を引出すについては、今局長さんは来月の半ばごろと言われたのですが、これはなかなか國内の事大藏省関係になると、容易なことでこれはきまらぬ。これはどういう方針で腹をきめておられますか。政務次官にひとつお答えをお願いしたいと思います。
#47
○宮幡説明員 小金委員の御質問と申しますか、電力開発資金の運営につきましての御心配をいただきましたことは、通産省といたしましてもまことに恐縮し、かつ敬意を表するわけでありますが、お説のように國内の資金操作というものは非常に緩慢でありまして、來月の半ばごろには始められると考えましても、いろいろな面において障害を來したことが、お説の通り前例には乏しくないのであります。今回は御承知のような政策委員会が発足いたしておりまして、その政策委員会の構想によりましてきわめて迅速に処理できる。すでにこの面に対しまするところの資金の積立てということが一番重大でありますが、今まで貿易特別会計に積み立てられましたものはいまだ百億であります。從いまして百四十五億という資金を一ぺんに出すとすれば、御心配の通り行き詰まつてしまいますから、これを順次出して行くということと、それから順次積み立てられるということで、九月末まではおおむね五百億程度の積み立ができるというような想定になつておりますので、この積み立てさえできますれば、表裏ともに大藏省に迫り、政策委員会に訴えまして、急速にこれを引出すように、現実の問題として努力して参りたいことをお誓い申し上げます。
#48
○小金委員 去る第五國会におきまして、通商産業者設置法案に関連してその一翼として資源廳の設置法案が出たのでありますが、その際われわれは電力局だけでは不十分である。電力の問題はおそらく場合によつては石炭以上の深刻なかつ基本的な問題になるであろうというので特に最小限度電力局に開発部程度のものを置けという意味におきまして、本商工委員会が修正案を出しまして、幸いにこれが採用になつたのであります。ところが定員その他の関係で十分な力を持ち得ないではないかというふうな考慮もわれわれいたしております。この電力開発の問題が始まりといろいろ監督――この監督というのは、ややもすると工事を遅らせるような働きをするおそれがあつたのでありますが、今政務次官がお答えになりましたような意味で、資金とかあるいはその他の資材あるいは労務等の問題について、いろいろないい方の面の監査、監督、指導というようなものが行われるはずであります。これらについてはたしてその開発部の陣容は十分であるかどうか。もし足りないとすれば、これをどういうふうに補つて行くか。一應のお考えを承りたいと思います。
#49
○宮幡説明員 開発部の運営上の問題のように伺いましたが、現在の見通しにおきましては、開発部の陣容等はこの程度で一應支障ないと考えております。結局小金委員も十分御承知のことと存じますが、人を増加いたし、あるいはそれらに伴います施設を増強いたしまして、工事能力を拡大して参ります方法と、逆に、仕事量に押されまして、所要の施設をやつて行くということが適切な場合とあるわけでありますが、おそらくこの電源開発、特に開発部の運営につきましては、幸いにいたしましていまだここに現われておらないその他の好條件等が現われまして、この開発部の仕事量の増加に押されました場合において当然これの運営にさしつかえない人員その他の施設を施して参りたい。逆な行き方でありますが、いわゆる現実の仕事量のふえました方から押されて、開発部の状態を檢討して参りたい。ただいまのところはおおむね計画の遂行に支障ない事情であることを御了承願いたいと思います。
#50
○小金委員 私はそういうお考えに対して賛成でありますが、特に私が申し上げるのは、人員の数ばかりではありませんので、人の問題を十分御檢討願いたい、こういう意味であります。
 それから日発が相当開発に当るようでありますが、私は日本発送電株式会社ができるときのいきさつをよく承知いたしておりまして当時火力発電の石炭の問題についてしばしば引合いに出されたことがあります。長い間日発というような大きな独占的な会社として事業を営んでおりました。そうして相当な計画を自分の実力の範囲内にかかえ込んで來た。はたしてこういう画期的な電力の開発計画をかかえ込んで、十分の準備ができておるか。日発の模樣についてもしおさしつかえなければ、簡單でよろしゆうございますから見通しをお願いいたします。
#51
○武内(征)説明員 開発部の陣容と日発の陣容について政務次官から話がございましたが、その補足的なことと、日発についてお話申し上げます。実はこの開発部については、開発部創設当時はまだ具体的に関係筋からアプルーヴアルは参つておりません。三十三箇地点のアプルーヴアルはたしか六月三日に参つた。從つてその当時は人員的あるいはそれに伴う予算的措置を講ずるに由がなかつたのでありますが、いよいよ三十三箇地点のアプルーヴアル参つていろいろと計画いたしておりまして、今までのところは関係方面との折衝、具体的のプランをつくつているわけでございますから、ただいまの火力課とか水力課というところの人を、開発部の方に兼務させて何とかやつて参つたのでありますが、先ほど御説明申し上げたように、本年度の百四十五億のカウンターパートと五百五十一件の件数がありまして、々の資金別に毎月のレポートをとりまして、工事の進捗状況、資金の支出状況、資材の使用状況その他をとつて、関係方面に逐一報告するという具体的の面に入つて参りましたので、もはや兼務だけではやり通せないということからいたしまして、九月までは議会が開けませんので大体現在の擁している陣容を保有するという程度で、予算の例の削減を行わないように大藏省と折衝しております。それから九月以降の問題については臨時議会も開けるようでございますので、これに対して適当なる人員的あるいは現地の調査その他の費用を織り込んで予算的措置を講じまして本委員会の御審議をいただくように考えております。先ほども小金委員から御指導がございましたように、開発の計画というものはプランニングでありまして、人数だけでは参らぬのであります。最も有力なる人を電力廳なりあるいは資源廳なり廣くは通産省なりから集めまして、なるべく少い数で能率を上げる。また仕事の性質もそうでありますので、さように予算的措置を講じたいと考えております。それから日発としては日発内にすでに建設局を設けて、大体副総裁が建設局長を兼ねられるようでございます。各日発の支店においては建設部を置きまして、しかしこれは從来の土木部であるとかあるいは経理部であるとかいうような独立したつの局ではなくて、水力、火力、経理といつた面で、特に建設部の方に関係のある方がそちらの方に兼務する。建設局にはプロパーの人がおられますけれども、これが窓口になりまして、建設委員会というものはその日発の各担当部門の方々が建設委員会に出られましてそれを建設局長たる副総裁が掌理して行かれる、こういうふうな陣容になるとうに考えております。今のところそういう、ことでスタートをしております。各支店においても建設部は本社と同じような状況でするというふうに、ただいま進んでいる次第であります。
#52
○小金委員 次に火力発電の問題についてちよつとお尋ねいたします。おそらく北海道、九州、宇部等の炭鉱地方に火力発電の計画があると思つておりますが、これはぜひ必要でありまして、この方についてはやはりアプルーヴアルを得て着手する準備がございますでしようか。
#53
○武内(征)説明員 差上げました資料の第四表にありますが、大体七、八地点ございます。汽罐増設工事というものが小倉、戸畑、江別、拡充工事というのが、港第二、砂川、小野田、築上、名島、これらにつきましては近くアプルーヴアルが来るように大体内諾を得ておりますので、正式にアプルーヴアルが参りましたらただちに着手する。かように考えております。
#54
○小金委員 どうも認可、許可事項になりますと、それにこぎ着けるまでが、なかなか容易でない。もう大体見通しがついたならば、いつでも着手できるように準備をしていただきたいと思います。とかく許可、認可事項というのは、出しさえすればプランニングボートというのはそれで役目が済んだように思うのですが、通商産業省のような行政の実行面を担当する官廳においては、十分に御注意をお願いしたい。ここで特に具体的な実情を申し上げて、政府の特別なる御考慮を拂つていただきたいと思う問題があります。先般私でもは商工委員会として中部地方あるいは関西地方に参りました。特に先月の終りから神田委員長を團長として、北海道方面に参りましたが、驚いたことは北海道は從來一番電力が豊富であつたというふうに私の記憶にあつたのであります。ところがどこへ行つても常識を逸脱するような電力の制限をやつております。電力調整何々会というのが至るところの地方にありまして、非常な苦労をされております。これはなぜかというと今まで北海道を放擲し過ぎた結果であります。かつて日本で高等工業という学校がありまして、これは非常に便利であつた。この高等工業学校の卒業生が実際の工場等で一番よく働いた。ところが便利であるままに大正十二年から昭和十二年まで教室もふやさずに放擲しておりました。そこで相当なる技術者が入用だというときに非常にあわてまして、たいへんな混乱を來したことがあります。北海道もちようどそういうふうにかつて水力電氣も相当あつたが、長い間放擲されておつた。これを回復するには非常に急激な方法を講じなければいかぬと思います。御承知の通り水力で電氣を起して、それで火力発電のもとになる石炭を掘り出すのに、ほとんど百パーセントつぎ込んでおるというような、実に常識をはずれた電力の消費方をやつておるのであります。どうしても砂川とかあるいは岩見沢あるいは釧路あるいは、室蘭方面に、相当なる発電計画を火力によつて実施すれば、これは水力よりはるかに早いのである。この点をいかに考えられますか。三十三箇地点の問題は別として急遽これを考慮していただきたいと思うのでありますが、全般的な立場から政務次官の御考慮を煩わしたいと思います。どうぞお願いいたします。
#55
○宮幡説明員 ただいま小金委員の御要望されたような現実の問題がございましたら、これはゆゆしき大事と心得ます。さつそく調査して、それも名目的の調査じやなく、ただちにその是正のために最大の努力を拂わしていただきます。
#56
○小金委員 これは必ずしもカウンターパート、エイド・アカウントでやる必要はない。石炭はともかく百パーセント以上の生産を北海道でやつておりますが、運賃をかけなければ、山で掘り出した炭を山で電力化するということについて、私は相当な採算も立ち得るのじやないかと思います。ことに北海道のように冬の期間が長く、その間には土木工事などができないというような状況にある所には、ひとつ格段の御配慮を煩わしたいと思うのであります。これは特に通産省当局にお願いいたして、その点は御考慮を煩わしたいと思うのであります。それから第二の問題といたしまして、電氣事業の再編成が相当程度まで進んでおるやに聞き及んでおるのであります。日発を解体すると申しますか、あるいは各配電会社との間の調整をとると申しますか、今までの日発の独占的な電氣事業でなく、そこに電力事業の、あるいは電氣事業の再編成という問題が相当進んでおるのではないかと思いますが、もしおさしつかえがないならば、おさしつかえのない限度でよろしうございますから、ひとつ政府の対策を承りたいと思います。
#57
○宮幡説明員 ただいまお尋ねの日発の解体問題でありますが、この問題につきましては、巷間いろいろ取沙汰をされ、また民間からもいろいろな方法、その実行の時期等の問題につきまして進言も多数あるわけであります。しかしこの問題は、主とし当省の大臣がマーカツト会談において話を進めておつたということが申し上げられるわけであります。本日ちようど経済閣僚懇談会がございまして、大臣がお見えになりません。われわれも大臣の補助者といたしまして、若干、この方面のことも聞き及んでおりますが、ただいまといたしましては、これを公表する時期になつておりません。從いまして、明日にでも大臣の出席がありましたときに、大臣の氣持におきましてさしつかえない限度を、答えさしていただきたいと思うのであります。但し從來傳えられましたように、即刻日発を解体し、分断しなければならないという情勢にはなつておらない。また集中排除法の指定が今全面的になくなつてしまつたという段階でもない。この程度に御了承願いたいと思います。
#58
○小金委員 その程度ならばやむを得ません。またかえつて私は仕合せだと思いますのは、決定案ができておるとなかなかやつかいであります。日発を解体して幾つにわけるかということについては、わが國の産業の分布状況を十分に勘案していただきたい。うそかほんとうかわかりませんが、七つにわけるとか、あるいは九つにわけるとかいう話がありますが、これも道聽途説でありまして、はたしてほんとうであるかどうかわかりませんが、心配する向きでは、名古屋を中心にしたあの区域を関西にくつつけてしまう。北陸は電源地帶であるから、関西電源地帶として体にする。名古屋地区も一緒に持つて行つてしまうというふうに言うておる向きもあるように聞いております。これは日本の産業の分布、ことに輸出産業その他から考えまして、地方的な地方的というよりも相当廣範囲な地域的な実情を考慮されましてこの日発の解体、電氣事業の再編成については十分なる御考慮を願いたいのであります。次に第三の問題といたしまして、電力料金についてお尋ねいたします。が、大体ほかの物價は戰前と申しますか、基準の数字から見ますと、百倍あるいはそれ以上になつておる。しかしひとり電氣料金のみが三十七倍とか何倍とかにとどまつておる。何もその倍数がふえることは、決していいことではありませんが、つり合わないでむりをさしておくと、必ずその産業にはいつかはむりなきずが出て参ります。そこで電氣料金の値上げもこれはやむを得ないと思いますが、これが他の物價等にどういう影響があるか。電力料金を値上げするのは、どういう技術的な考慮を拂うのがいいか。これはいろいろ問題があると私は思います。これについてもしおさしつかえない部分がありましたならば、お話願いたい。これもまた影響が多いので、具体的なことはまだおつしやる域にはなつていないかと思いますが、大体の模樣でよろしゆうございますから、ひとつお願いいたします。
#59
○武内(征)説明員 電力料金が他の物價に比べまして低いレートにあるということは、ただいまお示しの通りでありますが、本問題につきましては、すでに先ほど政務次官からもお話がありましたように、昭和二十二年度におきましては、二十三年度に比べまして火力用の石炭百万トンをよけいたくということで、需給計画が立つておるわけであります。御承知のように石炭をたきまして、火力発電で電力を起しますと、大ざつぱな見当でキロ五円五、六十銭になるのであります。水力は非常に安くて十七、八銭、平均して円七、八十銭、こういうようなことでありますので、百万トン石炭を増加してたくということになりますれば、当然にその分は電氣料金が上らなければならないということからいたしまして、先ほどの政務次官のお話の融資の問題もあつた。そういうことから当然にレートが低過ぎるからということばかりでなく、改訂しなければならぬというフアクターが、今年度の電力の供給の問題にすでに包藏されておるのであります。賃金ペース等も上つておりますので、それらも考慮いたしまして各部局と物價廳、安本とも関連いたしまして研究をいたしております。ただまず配電事業が極力合理化をやつて経費を引下げて、その上に立つて料金の改訂を見るべきであるという意見が有力でありますから、その案をまず第に檢討いたしまして、大体の草稿はつくりましたので、なるべく早い機会にこの結論を見たいというように考えております。今せつかく努力中でございます。
    〔神田委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕
#60
○小金委員 電氣事業を再編成すると、幾つかの会社になりますが、そうするとこれは登記料だけでも相当な金額に上る。いわんや会社をわけてたくさんの重役をそれぞれつくるというようなことで費用もかかりましよう。これらの点が非常に電氣料金その他に関係して來ると思う。だから電氣事業の再編成という方針は私はいいと思います。これを実行する時期は、いろいろな発電計画とにらみ合せて、十分な客観情勢に対して手を打たれまして適当な時期をお選び願いたい。これを綜合概観いたしますと、百四十五億というようなともかくもカウンターパート、エイド・アカウントの金を使い得る。電線はあり余つて、おそらく銅の製品は公定價格を下まわつている。そのうちの銅の非常に大きな部分を占める電線も十分に手に入る。セメント工業も石炭その他の関係でやり方によつてはうんと増産ができる。そうしていろいろな企業の合理化、能率の増進によつて能力がついて來る。そうすると今の電源の開発に非常に惠まれた時期ではないかと思います。これで政府がぐずぐずしておつたのではほんとうに申訳ない。この電力問題につきましては、通産省はもちろんのこと、政府をあげてほんとうに力を打込んでいただきたい。これらの点について政務次官の御決心のほど御決意のほどを伺いたいと思います。
#61
○宮幡説明員 ただいまの小金委員の御勧告と申しますか、御忠告はまことに適切だと存じます。通産省として考えております方針は、今小金委員の仰せられる通り、この時期をのがしまして電力の開発はできないとまで考えておるわけであります。またわれわれ政務次官会議の定例の席上に吉田総理大臣も出席せられまして、特に失業対策等ともにらみ合せ電力開発については從來の型破りの方法をとつて、急速にしかも果敢にこれを実行すべきであるとの御注意をたびたびいただいておりますので、小金委員の御要望せられる方向に最大の努力を拂いまして、これの実施に進みたいという決意を持つております。
#62
○小金委員 たいへん長い時間を頂戴いたしましてありがとうございました。私の質問は一應これで終ります。
#63
○澁谷委員長代理 川上貫一君。
#64
○川上委員 電力開発についてですが、電力開発がどうだこうだという問題よりも、私が一番聞きたいことは、一應の計画はできているが総合した全体の計画ができていないということです。これは先ほどの話の通りだ。全体の日本産業の復興計画というものが端からこわされてしまつている。これは結論的に言えば民主自由党ではもうやつて行けないのだと私は考える。そこで部分的に伺いますが、電力開発案が出ておるのですが、あの資金問題について政府のお考えを聞きたい。これが一つ。
 第二には火力発電の面についてどう考えられておるか。
 第三番目には時間を儉約するためにまとめて質問しますが、見返り資金の配分をちよつとお聞きしたい。それできようはその係の方が見えておられるかどうかちよつとわからぬのですが、どういうぐあいにこれをお使いになるのか。現在その方法が政府の方でできておりますか。これは電力の資金とも関係して來るし、ほかの産業の資金とも関係して來るわけです。新聞などで見るところによると産業資金は七百四、五十億、打出の小づちだと言われた。ところが三百何十億になつてしまつている。これはとんでもない話だ。この前の臨時國会の時分には何を言つても二口目には見返り資金で、そのころの商工大臣のばかの一つ覚えみたいな答弁だつた。とにかくそれがなんぼあるか。新聞で見ると三百億なんぼくらいしかない。これはほんとうかどうか。それからこれをどういうふうに配分なさる計画が今日あるのか。これをお聞きしたい。また中小企業に対して見返り資金の方から活用される金が出るようなことを、盛んに新聞で宣傳されているが、これはほんとうにそういうように進みつつあるのでしようかどうか。さらにこれにうけ加えて中小企業の金融についてついでにお聞きしたい。それから電源開発その他の産業に対する資金関係として、見返り資金以外に日銀その他の保証融資をしきりに考えておられるようなことが新聞に書いてあるが、これをもしやられるならばまつたく復金の性質と同じものになるが、これをおやりになるかどうか。同時にこれは復金の復活と同じ内容を持つことになるが、政府はこれをどうお考えになるか。
 第四番目は先ほどの石炭滞貨が処理できますかということについての答弁ができておらぬ。これを具体的にどうして処理するつもりであるかということを御答弁願いたい。
 第五番目には鉄百八十万トン生産は必ずできる、やるとおつしやいましたが、これについてちよつとわからぬ点があるので重ねてこの際聞いておきたい。第、四半期の輸出はおそらく五万五千トンくらいだろうと思う。六月中の契約は三万五千トンくらいではないかと思いますから、輸出は半分ぐらいしかないと思う。ところが鉄の関係は輸出できなければ原料は入つて來ない関係になつている。これは輸出品の代償として輸入ができる関係だと解釈している。輸出ができなければ鉄鉱石その他がすぐ輸入に関係して来る。そうなつて來ると百八十万トンつくれるかという問題が出て來る。この点を具体的にお話をお願いしたい。さらにこれについては貿易の見通しの問題別ありますが、これはあとで貿易問題が出ると思いますから、貿易については相当お聞きしたいことが残つておりますので、そのとき全部まとめてお聞きすることにいたしますが、とりあえず今申し上げた点だけを簡單でけつこうですから、要点だけを御答弁願いたい。
    〔澁谷委員長代理退席、神田委員長代理着席〕
#65
○宮幡説明員 川上委員の御質問にお答え申し上げます。冒頭の産業計画が破滅になつているんだ、民主自由党ではだめだということにつきましては、これは御意見として承つておきます。それから電力開発の資金問題につきましては、すでに小金委員の質問に対しまして電力局長から小金さんにお答えをしてあります。そのことに関連しました保証融資というものに問題があるのではないか。これが復金の復活を意味する。もしそういうようなことを極端な方向にいたしますればお説の通りになると思います。この本年度の均衡予算は、すでに御承知の通り財政資金を極度に押える。ディスインフレの方同に持つて行く。ここに重点があるわけでありまして、保証融資という意味でお考えになつておる程度がどの程度のものでありますかわかりませんが、もし復金が財政インフレを仲介いたしましたような操作と同じように再びなる面は、ただいま考えておりませんし、また将來もさように考うべきでなかろうと考えております。
 火力発電所の操業につきましては、またこれも御質問の趣旨が全面的にどの辺にあるかもよくわかりませんが、すでに小金委員との御質問に対してお答えの中でも申し上げましたように、火力発電所は百万トンだけ少くとも余分にたいて、操業度を増して行こうと、いう方向に進んでおるのでありまして、もしこのお答えで足りない点がありましたら補足してお尋ねをいただきたいと思います。
 見返り資金の配分の関係につきましては、新聞でいろいろ書いておりますが、ただいまでは発表の段階に行つておりません。しかしながら通商企業局長が参つておりますので、一應当省として考えております試案的なものなら申し上げてもよいと思います。しかしながら全体のわくといたしまして、第五國会当時に打出の小づちだといつたのが、たつた三百四十三億ぐらいしか使えないのではないかというお話でありますが、これはやはり見樣見方の問題でありまして、あえてこちらからこれに対して御答弁を申し上げる必要はないのであります。かりに一つの見方といたしまして私見の程度を申し上げるといたしますならば、千七百五十億を予算化しておりましたが、それがアメリカの方の援助額の変更によりまして、三百六十円レートによつて換算せられた場合に、千四百億円程度になるであろうという推定のもとに、ただいま操作しております。かりにアメリカの援助額が傳え聞くごとく打切られたと仮定いたしましても、この問題につきましてただちに数学的に千七百五十億が千四百億に減退したから、これによつてその差額だけ算術的に失うものだとは私どもは考えておりません。すなわちアメリカのガリオア及びイロア資金の減額というものは、おおむねアメリカの生産者價格において三〇%、消費者價格において三〇%、消費者價格において四〇%の物價下落、なおこれに対しまして将来約一箇年にわたつて物價下落の趨勢が続くであろうという、アメリカの國勢調査的な基本的数字から生れましたところのもののように漏れ聞いております。從いまして金額の表示ドルの表示におきまして、物の量の輸入に変更は來さないことになり、債務が下つた結果、ドル建の貨幣の呼び値におきましては数量が減つておりますが、物の数量においてこれが減るなどとは私ども考えておりません。從いましてこれが國内に輸入され、三百六十円で算術換算をいたしますれば、千四百億になるでございましようけれども、その千四百億で表示せられる物資というものは、かつての千七百五十億と同樣の効力がある。その結果それ以上の効力を上げ得る物資が、イロア・ガリオアの資金によつて買えるものだと考えるのであります。しかして援助物資でありますから、物の活用でただちに貨幣の建値が直結されまして、そうしてこの資金の運用が左右されるものでないということについて特段の御考慮をいただきたい。これはもちろん私見でありますので、これをもつて政府当局の意見であるとは申し上げるわけではありませんけれども、さような見方によつて必ずしもこの打出の小づちが何も出ないじやないか、かような考え方に対しましては全面的にそうだと御答弁申し上げることができないような事情にあります。
 それから中小企業の見返り資金の問題でありますが、中小企業の需要いたしまする資金というものは、これはおおむね運轉資金の方面が多いのであります。すでに中小企業でも、また設備の復元を要求しております部面が相当数ございます。しかしながらこの中小企業の本來の性質から申しますと、中小企業で欲求いたしますところの設備資金というものは、やはり相当の期間のものでありまして、中小企業聽で行つております、長期資金と言いますのは、非常に短い期間をとつておりますが、通産省として全体的に考えますと相当固定貸しのできます資金でなければならない。しかもそれが見返り資金本来のインヴェストメントオンリーという方向に行かねばならぬというので、中小企業廳で重要度を算定いたしておりますが、約八十億円の設備資金はこれを見返り資金の中で調達する方向にただいま進んでおります。これはおそらく実現するであろうという方向に進んでおります。その余の所要資金は百五十億は最小限度必要といたしておりますので、これは預金部資金の運用あるいは中小企業廳に密着いたしており、しかも從來その運営を忘れられておりましたところの商工中央金庫等を通じましての融資の道を開きたい。ことに次の國会におきましては、商工中央金庫の方をでき得べくんば皆樣方の御発案のもとに改正案として出していただきまして、これにも興業銀行と同樣の発券の能力與えまして、自己資金の調達によりまして、中小企業の金融、しかもその運轉資金の面にこれをまわして参るという考え方を持つておるのであります。さようなことを考えているうちには、中小企業は次から次へと倒れて参ります。倒してはならぬので、さしあたつては中小企業の資金といたしまして、從來十二億円ないし十二億五千万円の融資のわくでありましたものを、二十五億に拡張いたしまして、ただいま最も適当と認められますものについては中小企業廰において行つておりますいわゆる工場診断その他の企業の調査を基準といたしまして、これに融資のあつせんをただいますでに開始いたしております。これによつてつなぎつつあるうちに、ただいま申し上げましたような全面的な中小企業廳でやります金融の道を開いて参りたい、かように考えております。
 それから滯貨処理のうち石炭の滯貨を処理する問題に答弁がなかつたというお話でありますが、これも見方、聞き方でありまして、答弁したような氣持もいたしております。しかしこれは先ほども申しましたように、公團を廃止するという前提の滯貨処理であるか、公團を存続することにしての滯貨処理であるかというところに疑問があります。いずれにしましても、滯貨を処理しなければならぬことは明らかであります。またこれも滯貨を処理せられるべき方向にあることも明らかであります。從いまして、その滯貨処理の問題は川上委員と御懇談申上げてもいいですが、一体公團を廃止する上での滯貨処理か。そうすれば、現在公團はまだあるのでありますから、なかつたらという一つの仮定の上の問題になります。それから公團がある現在の滯貨処理という問題になれば、現況によるものでありますので、その点についてはさらに適当な時期に御懇談を申し上げた方がよろしいと思つております。
 それから輸出が不振のために鉄鋼石が入らないじやないか。鉄鋼石がなくて百八十万トン鉄鋼の生産は困難じやないか。これは一應御卓見だと思います。しかしながら現在の鉄鋼生産の実情は、すでに御承知の通り國内産の鉄鋼石と、戰後開始されたスクラツプによります生産がおもなものでありまして、現在の状況で行きますと、輸出の振興が一日早ければ鉄鋼石の輸入が早めれることも理論的に明らかでありますが、もし実際に鉄鋼石を見返り的に輸入することができなかつた場合がありましても、いまだ國内にあります資源をもちまして、さしあたつて当面の百八十万トン生産ということには、支障ないように考えているわけであります。考えのみならず実際においてさような状況にあることを、御了承願いたいのであります。なお見返り資金配分の問題については、御希望がありましたら、通商企業局長から一應の答弁を、その配分の内容はまだ確定はしておりませんが、ある程度のことなら申し上げてさしつかえないと思います。
#66
○川上委員 見返り資金の配分の確定しているものでなくて、案でもあれば、あとで文書でも何でも、けつこうですから、お願いいたします。
 私の質問はこれで打切りますが、見返り資金の問題については、資源局の考えと私の考えとはたいへん違うので、明日もう一度機会があると思いますから、明日申し上げます。それから中小企業についてはもつとたくさん聞きたいと思いますので、その際あらためて質問することにいたします。
 それから先ほどの答弁については、政務次官のお考えと私の考えと食い違いがあるが、これを議論しておつたらきりがない。政務次官はなかなか答弁かうまいが、これもしがし考え方が違うけれども、議論しません。それで本日は今まで質問いたしました質問の一部を留保しまして、この際の質問を打切ります。
#67
○神田委員長代理 この際委員長から政府側に要望しておきます。國会閉会後相当の期間がたつて、おりますのでいろいろの資料がおありだろうと思つております。國政審議上できるだけ各般の資料を当委員会に提出願いたい。ただいま委員諸君からもいろいろ資料提出の要求があつたようですが、これはもとよりのことであります。そのほかにつきましても、きようは電力関係の資料をいただいたきりで、その後いただいておらぬようでありますので、それは政務次官は特に責任を持つていただいて連絡上十分御指示いただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#68
○神田委員長代理 次は纎維関係についての質問に移りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○神田委員長代理 それでは纎維関係の質疑に移ります。
#70
○門脇委員 纎維に関する点について政府当局に御質問申し上げます。五月末以来順次絹織物、次いで交織織物並びにくず纎維を原料といたしますガラ紡あるいは生糸、こういつた部面が全面的に統事制のわくから解除されたわけであります。折柄物價高に伴う購買力の低下と金詰まり等が原因をいたしまして、統制を解除されました纎維製品が、最近では價格が非常な暴落を來しているといつたような現象に直面しているのであります。業者側としましては、生産者にしましても、あるいは、卸、小賣業者にしましても、手持商品のこういつた大暴落ということは非常な痛手でありますが、しかしながらこれによつてインフハを抑止し、かつ消費者面に非常な公益を及ぼしたということは、たいへんけつこうではないかと考えております。現在これらの現象がどういつた程度まで展開しておるかということを、政府当局から一應御説明願いたいことと、なおこれらに刺戟されまして最近人絹製品並びに麻織物関係が、やはり全面的に統制解除の域に進展をしております。價格の面におきましても、また出まわりの現状においても、ほとんど統制によつて、政府から交付されるところのチケツトに対する受配者が、現実に品を受けない、こういつたようなことも現出しておるのであります。從つて人絹、麻織物等はこの現状に即して政府がすみやかにこれらを統制のわくから解放されることが、やはり妥当であると考えまするが、これらに関しますところの当局の御見解をあわせてまず第一に承りたい。
#71
○近藤説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。第一に五月末以来逐次統制を解除して参りました絹製品あるいは交織混紡の関係の品物につきまして、その後の状況を見て参りますと、やはり購買力の減退ということが一番大きな原因でございますが一つは季節の関係もございまして、その後價格の関係その他から見まして、從來ございましたマル公をはるかに下まわる程度のところで、商況は割合に活発でございません。最近に至りましてたとえば絹の関係で申しますと從來のマル公と比べまして、大体八割から六割五分ぐらいの程度で、つまり二割ないし三割五分低落ぐらいのところに一應の相場はおちついて來ておるようであります。ただ統制解除の問題につきましては、部分的に規則の関係が整備いたしておりません点がございまして、たとえば糸の関係で割当が、残つており製品の関係では割当が解除されておるというような面がございまして、これらを逐次整備いたして参りまして、ただいまのところでは絹及びその交織、混紡関係、それからガラ紡、特紡関係の品物につきましては、大体一應統制関係が撤廃されて來つつある状態でありまして、あと一、二の種類の糸につきましての割当制度が解除されますと、これらのものは全面的に統制を解除されるという結果になるのであります。絹あるいはガラ紡特紡関係の統制の解除に伴いまして、一番最初に影響を受けましたのが人絹でございます。これはやはり絹の代用品としての人絹というものが、從來相当の値打を持つておつたのでございます。綿製品の値下りに伴いまして、人絹の需要というものも比較的昔のようなことではなくなりまして、同時に人絹は現在なお切符制事によつて縛られておりますので、それらの関係から現在賣れ行きがきわめて不振でございます。特に人絹は季節的に需要が起きまして、これから冬の時期におきましては、非常に需要の減退する時期でございます。それに加わりまして、現在人絹糸の生産は逐月上つて参つておりまして、輸出もただいまのところ停滯いたしておる状況で、それらを考えまして、人絹の統制を解除いたしますことは、できるだけ早い機会に実現する必要があろうか考えております。この点につきましては、ただいま経済安定本部と相談をいたしまして、関係方面の意向を聞いておるところでございます。私どもといたしましてはできるだけ早い機会に、この統制が解除ないしはある程度でも緩和されるように持つて参りたい、かように思つておるわけであります。
 なお麻の織物その他麻製品につきましては、現状におきましてほぼ需給関係が均衡を得て來ておるような状況でございまして、麻の関係につきましてはごく特殊な生産資材、特に嚴格なる配給を確保する必要があるという生産出資材につきましては、場合によつて一部分統制を残すということになる場と思いますが、國民衣料の観点におきましては、麻製品につきましてはできるだけ早い機会に統制を解除いたしたいと考えまして、現在関係方面と打合せ中でございますが、比較的早い機会に実現の可能性があると考えております。
#72
○門脇委員 人絹並びに麻織物につきましてはその筋と折衝中で、比較的早い時期に両種類とも統制のわくから解放されるといつたようなお見込みでありますが、そういつた見込みにつきまして、今少しく具体的に時期等のお話が伺えますれば伺いたい。
 次に絹織物関係の統制解除とともに、原料生糸が非常に暴落しまして、実際聞くところによりますと、一時のやみ相場の高値当時に比較しますと、約三分の一の價格暴落をしておる。やみ値で十八万円したものが、現在では六万円程度まで下つたというようなことを聞いております。その生糸は國内需要のみでなく貿易方面に非常な関需要のみでなく、貿易方面に非常な関連性があるわけでありまして、最近の情報によりますと、アメリカに対する輸出が極度に減退しておる。自然これが内需に轉換されるというようなことが、纎維界全体に対して非常に大きな一つの材料になるわけでありますが、生糸の対外輸出ということについては、古くから非常に重要視された問題でありまして、一時は生糸の輸出ということが、日本の國是であるかのように考えられた時代もあるのであります。現在の見通しとして生糸をどういう程度に輸出されるのか。また輸出に関連をして内需の方へどういつたぐあいに採用するのであるか。こういつたような輸出、内需両面を組合せまして、全般的な数字等を基礎にひとつ將來の御見解を伺いたいのであります。なおいま一つ重ねて伺いたいことは、最近海外貿易が非常に不振であるということに起因しまして、輸出品が非常に多く滯貨しておる。ことに纎維製品の滯貨が多い。傳え聞くところによりますと、三百億円以上の品が滯貨しておるということを聞いております。一体それらの滯貨ははたして將來輸出の見込みがあるのかないのか。もしこれがないとしたならばどういつた内容であつて、それがどういう方法で將來処理されるのであるか。あるいは内需轉換ということが第一に考えられる問題でありますが、そういつたことの見通しに対しましても、当局の御意向を承りたいのであります。
#73
○近藤説明員 第一の御質問の人絹、麻につきましての統制の解除される時期の問題でございますが、これは実はまだ折衝中でございまして、はつきりしたことを申し上げかねますが、私の方の希望といたしまして考えておりますのは、麻につきましては大体九月ないし十月の時期にこの解除をやつて参りたい。人絹につきましては、この年内くらいにその解除の時期が來るようにいたしたいと思いまして現在関係方面と折衝いたしておるわけでありまして、はつきり申し上げることができませんのはまことに残念に存じます。それから第二の御質問の生糸の問題につきまして、將來の見通しその他のお尋ねがございましたが、実は貿易の関係につきまして明日この委員会が続行されると思うのでございますがその方で專門的な見方をする関係の向きがございますので、そちらの方から明日相当詳細に御説明があると存じます。またこれは農林省の蚕糸局の関係が非常に密接でございますから、そちらの方の御意見もあろうと存じますので、その方は明日私の方から連絡をいたしまして、見解をこの委員会で答えていただくことにしたいと存じます。私どもの見方としまして、生糸そのものの輸出について、実は私の方でいろいろ申すのは少し僭越でございますが、絹製品としての輸出につきまして、これは纎維局で主管している事項でございますが、この問題につきましては、実はあまり大きな期待を今後は持ち得ないのじやないか。言いかえますれば、從來絹織物の輸出は大体羽二重というような種類に集中されておりまして、これが季節的なアメリカの需要に適合する程度に実は輸出されておつたのであります。ただこの絹織物の輸出につきまして、昨年から本年の春にかけまして需要の変動が非常にはげしゆうございまして、例を申し上げますと、軽目の羽二重の輸出実績は、大体今年の一月から三月までの間に、昨年一年分の輸出実績の約二倍半相当する商賣をしたというような実情がございまして、まだ確定的な需要かどの辺であるかということはちよつと予測かつかないのでございますが、現在アメリカ市場の不況等を反映して考えますると、まずせいぜいよけい参りまして昨年の輸出実績の三倍くらいという程度のところで、納まるのじやないかというふうに考えておるわけであります。いずれにいたしましても、これはあまり大きな期待を持ち得ないというように考えるのであります。
 なおアメリカにおきまして、最近ナイロンその他の合成纎維の発達が非常に急速に伸びておりまして、現在婦人の靴下のごときは大部分ナイロンが生糸にとつてかわつておるような状況でございますので、織物としての輸出は相当ございましようが、生糸あるいはその他の二次製品になりましての綿製品の輸出につきましては、実はあまり大きな期待を持ち得ないのではないかと考えております。從つて生糸については現在におきましても、輸出をいたします生糸を製糸いたします優良会社を指定いたしまして、その会社が生産いたしました一級品につきましては、これを横浜及び神戸の倉庫に搬入せしめまして、その約一週間分程度のものがその倉庫にたまりました場合には、それ以上超過いたしまする生糸につきましては、これを國内に流してよろしいということで、一定量の数量は常に輸出として確保しておりまするが、それ以外のものにつきましては、すべてこれを内需に流し得るというようなことで、生糸の内需轉換を現在やつておる状況でございます。
 なお第三の御質問の輸出滯貨の問題でございますが、現在纎維関係の輸出滯貨につきましては、貿易公團で手持をいたしておりますものが、先ほど御指摘の通りに三百億やや越える程度の滯貨がございます。最近の新聞紙上でも御承知と思いますが、その中でも綿につきましては、一億五千万ヤールの國内放出別ございまして、綿の滯貨の約半分は國内に放出されることになつたわけでございます。残りのものにつきましても、現在その実質を檢討いたしまして、これは相当輸出に向くものもありますので、輸出に向き得ないものにつきましては、逐次今後も放出されることになると存じております。これは一つは從來につきましては、輸出が昨年以降最近まで相当たくさん出て参りまして、そのために國内向けの綿糸あるいは綿製品の供給が、四分六という割合になりませんで、むしろ七割何分というものが輸出されまして、二割二、三分が國内に向けられたという状況がございますので、そういうことの穴埋めの点もございます。もう一つは、これらの滯貨をたくさんかかえていることは今後新しい輸出品の生産及び新しい輸出契約に大きな支障を來しますので、それらを合せて國内放出の措置をとつたわけでございます。綿につきましては、いずれにいたしましても國内においてまだまだ需給関係が非常に逼迫しておりまして、むしろ幾らでもまだ供給いたしたいという状況にございますので、この綿の滯貨については実はあまり問題はないのでございます。
 ただ問題になりますのは、実は絹織物の滯貨が相当ございます。これは金額にして約八十億をちよつと越える程度の滯貨がございますが、この八十億に上る絹織物については、これは市場の関係で特別につくつたものが、その市場の惡化により、あるいは為替の許可制度の強化、あるいは輸入制限、そういつたことによりまして、結局滯貨として残つたものが多いのであります。これらのものは必ずしも國内の絹製品の需要にはぴつたり合わないものが多いのであります。言いかえますと、國内に流しましても、國内の需要としてはあまり希望しないものが相当ございますので、この滯貨の処理については相当大きな問題を今後に残しているのであります。おそらく相当程度の損を見込んで、逐次これを処分して参る。特に綿製品については最近國内の統制が解除になつておりまして、需給関係もきわめて不振でございます。そこに相当多量の滯貨を放出することが一面生産者あるいは販賣業者等に極端な惡影響を與える場合もございますので、この國内放出の仕方については愼重に考えて、措置をいたして参りたいと考えております。
 そのほかの滯貨といたしましては、人絹、スフ、毛というものがございますが、毛については先般五十五万ヤールの國内放出の許可がございました。これは近く國内市場に出まわることになりますが、これは綿と同樣に、國内といたしましては非常に窮迫した品物でございますので、これらを國内で処置することは非常に簡便なことでございます。また公團においてもこれを放出することによつて、決して損をするようなことはないのでございますが、問題は人絹の糸なり、あるいは織物その他の製品についての滯貨でございます。これはやはりこの放出の仕方を誤りますと、一時的に需給関係の惡化している市場を不当に圧迫する結果を生じますので、相当愼重に國内放出の関係は処置をいたしたいと考えております。
 なおスフの滯貨につきましては、現在その滯貨されている品物は比較的國内で需要しているものが多いものでございますから、この放出は割合に簡單に処理できると存じますし、またその数量が割合に少うございますので、その方は比較的簡單に行くと考えております。
 なおそのほかの綿、毛、あるいは人絹等につきまして、第二次製品の滯貨がある程度ございます。その中でまつたく國内では需要いたさない、純粋にアメリカ向けであるというようなものが多少ございます。これらの処理につきまして、今後相当問題別あると考えておりますが、現在できるだけこれらのものを急速に処置の方針をきめたいと存じまして、個々の品物別の具体的の数字を調査中でございます。近い機会にこれらをどうするかという方針がきまると存じます。
#74
○門脇委員 滯貨の処理等について非常に明快な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。ついては綿、スフ関係あるいは毛関係については、將來ともそう悲観する必要はない、こういつたように今伺つたのでありますが、この綿、スフ、毛の関係について、これらの原料資材の輸入と、日本の生産と、今後の輸出と、また内需と、こういつた関連性について一應伺いたいと思います。
#75
○近藤説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。まず綿につきましては、大体すでに御承知と存じまするが、全部これは輸入品でございまして、棉花を輸入いたしまして綿製品を輸出する、そうしてその割合は大体現在のところ六割を輸出に向けて、四割を國内需要に充てるというような計画を立てましてやつて参つておるわけであります。從いまして綿につきましては、綿製品の輸出が進行いたしますれば、國内に流される綿の数量も比例してふえるというかつこうになるのでございますが、現在のところでは実はアメリカにおきまして、本年度の棉花は非常な増産でございまして、昨年よりもなお二百万俵ぐらいよけいな生産が見込まれておるわけであります。從いまして現在のアメリカの棉花相場は逐次低落の一途をたどつておりまとて、これがどの辺まで下るかということが一つ問題でございますが、そういつた原料の豊作という関係から参りまして、現在日本の綿業といたしましては、比較的割高の原料を使いまして生産をし、その輸出されますものは結局綿生産の相場も棉花の相場に大体比例いたしておりますので、比較的競爭がしにくいというような現状にあるわけでございます。そこへもつて参りまして最近ポンド、ドルの関係につきまして相当深刻な問題がございます。日本の綿製品の輸出先は、大部分がポンド地域でございまして、ドル地域にはほとんどわずかしか輸出されておらないという状況でございます。このため、ドル、ポンドのクロス、レートの部面というものが、綿製品の輸出に相当暗い影を投じておりますのと、なお英帝國のブロックにつきましては、ポンドにつきましての、方針が確定いたしますまで、一時綿製品の輸入を制限する措置がとられておりますので、先行きの見込みというものは実ははつきりいたさないのでございます。ただことしの一月から六月までの輸出の綿製品の契約の実績を見ますと、大体約二億ドル近くの金額に上つておるのであります。もちろんその中にはその後におきましてキャンセルされたものも多少ございますし、あるいはLCが開設されまして、そのまま契約が延期されておるというものもございますが、とにかくただいまの状況で参りますと、大体纎維関係の輸出の見込みといたしまして、特に綿につきましては約四億ドル見当を年間の輸出総額を、見ておりますので、契約面から見ますと、ある程度の数字まで上つておるということが言えるのでございます。ただこの六月以降になりまして、今の国際的な不安の問題、アメリカの物価低落の問題に関連いたしまして、一時的に輸出がとまつておる。また輸出されますものも相当に競爭をはげしくいたしまして、いわゆるチェック、プライスというものに近づきつつあるような状況を呈しておりますので、これらの事情を考えますと、大体計画の一割減程度の輸出に結論としてはなるのではないかというように考えるのでございます。そういたしますとその数字から逆算いたしまして、國内に流される綿製品の数字というものも、計画の九割程度ということになるわけでございますが、現在輸出、滯貨を國内に放出いたしました、数字は、実は四・六の割合のそとに別口としてこれを放出するということに相なつております。この結果といたしましては、國内向けの綿製品は、今年度の計画よりは二、三割よけいなところに結局おちつくのではないかというように考えられるわけでございます。そういつた状況で綿の関係は現在参つて來ておるわけでございますが、この綿につきましても御承知のように現在棉花の買付につきまして民間輸入を促進していただくように関係方面に懇請をいたしておるのであります。現在手当をされております棉花がなくなりました場合におきましては、今度は個々の業者が棉花を直接買い付けて、それをこちらに持つて参るということにいたしますと、製品の輸出と原料の買入れはこれを別といたしまして、危險負担を相当程度避け得る状態が出て来るのじやないか、かように考えておるわけであります。
 それからスフにつきましては現在全部國内のパルプによつて、スフの原料に充てておるわけでございます。ただそのうちで、できるだけ輸出に向けようという方針で現在処理しておるのでございますが、事情によりましてはスフ関しましては、原料が全部國産パルプでございますので、相当程度は國内にこれをまわし得るのでございます。ただ割合にスフ、これは綿の形のままのものもございますが、糸なり織物の形にいたしまして、タイなりビルマ方面に相当輸出があるようでございます。また一例といたしましては、アフリカあたりにおきましても、相当外國のものと競爭いたしまして、日本の品物が輸出されたという実績もございますので、極力輸出できますものは輸出いたしますが、それ以外のものは内地に流すという仕組みに相なつておるのであります。
 毛につきましては、これは一番條件が惡いのでございます。原料は全部輸入で棉花と同樣でございますが、輸出の関係は、実は毛につきましてはまだ綿ほど進んでおりません。これは戰前におきましても辛うじてサージその他ごく品質の同じ形のものを、香港あたりにわずかばかり輸出いたしました。あるいは婦人服地を少量輸出した実績があるのでございますが、戰後におきましては、よほど技術的の檢討をいたし、あるいは新しい、外國市場の市況というものを見まして、それに適合するようなものをつくつて行くように努力いたしますが、毛につきましても輸出を伸ばして行くことば、相当困難があると思われるのでございまして、この点につきましてはいろいろ現在外國市場の檢討なり、あるいは生産者におきまして外國市場に向くようなものをつくるように指導をいたしておりますが、現状におきましてはまだ実は大きな期待が持てないのでございます。從いましてこの毛の関係につきましては、國内に毛が十分に供給されるということになりますのは、相当先ではないかと考えられます。
#76
○門脇委員 るる御親切な答弁をいただいたのでありますが、ただいまのお話のうちに、綿関係、スフ関係、毛関係ともに大体の年間扱い数量の点が拔けております。三項目とも大体の年間扱いの予定数量をいま一應お知らせ願いたい。なお順次統制から解放されつつあるのでありまするが、これらの製品に対しまする生産設備、一例を言いますならば紡機あるいは織機、ミシン等、ことに統制を解放されました絹関係等の解放済みのものに対する分も、今なお嚴重な設備統制がありまして、一々非常に手きびしい相当な取締りをいただいておるようなわけであります。ことに最近はいろいろ集中生産等の関連性からそういつた方面に対する取締りも、新たな観点からおやりになつておるような点もあるのでありまするが、これらの設備に対しまする統制は、將來どういうような方針でおやりになるかということを、ひとつお伺いしたいのであります。
#77
○近藤説明員 ただいまの数字を申し上げます。綿につきましては綿花にいたしまして現在大体年八十万俵程度を予定いたしております。これはもちろん今後の輸出の進捗状況いかんによりまして変動いたしますが、一應その程度の数字を見込んでおります。それからスフにつきましては年間約六千万ポンド、それから毛につきまして、現在計画といたしましては、羊毛換算で十万五千俵程度年間見込んでおるわけであります。これらはいずれも現在の計画で、ございましてこれから先の計画といたしましては、大体この約二割増くらいのところの計画でやつて参りまして、その原料の手当、あるいは原料の輸入の問題を懇請いたしたいと思つております。
 それから次にお尋ねのございました統制がだんだん解除されて参りますに從いまして、現在纎維関係につきましては、その纎維設備につきまして相当嚴重な許可制度をしきましてこれを登録制度によりまして整理いたしておるのでありますが、こういつた時期になつて参りまして、また同時にいろいろ統制を解除いたします品目もふえて参つておりますので、現在安定本部と最後的にまだはつきりきまつておりませんが、打合せを大体了しました方針を申し上げますと、この設備の制限あるいは登録という問題につきましては、將來の問題といたしましてはこういつた許可制度は撤廃して参りたいと思つております。但しさしあたり過渡的な措置といたしまして、一つはBSコントラクトによりまして、輸出品を製造いたします纎維設備につきましてはその登録を認めて参りたい。それから内地物につきましても、注文生産制を採用しております品種につきましては、その設備の登録を認めて参りたい。それから統制を逐次解除して参りますが、それらの統制のない纎維を使います設備につきましては、これまた登録を認めて参りたい。從いまして相当嚴重に統制を継続して行くというものにつきましては、いましばらくこの登録の問題は嚴格に取扱いますが、その他のものにつきましては、ただいま申し上げましたような方針で登録を認めて参ることにいたしたい、かように考えております。
#78
○門脇委員 次にお伺いしたいことは、これは國内問題でありまするが、現在纎維製品の配給機構として、生産者から卸段階、小賣段階、こういつたような段階になつております。卸段階、小賣段階ともにこれは登録制で現在動くようになつておりますが、この登録制がしばしば登録がえが行われるということが、いろいろな意味において業者の非常な迷惑と言いますか、そういつたことによつていろいろなむだな経費が使われているわけであります。最近またこの卸、小賣段階ともに登録がえをおやりになるといつたような計画があるやに伺うのでありましてそういうことを機会に、從來抗爭しておりますところの商業者系統と農業協同組合系統とが、そこでまた猛烈な合戰を始めているわけです。ことに今度は農業協同組合側は、縣の連合会が卸段階の立場において登録の立場をとりたいというようなことで、現在非常に意氣込んで契約されておるのであります。この商業者及び農協の問題につきましては、いろいろ深刻な問題がありますので、これはあらためていろいろ御意向を伺い、また御質問もしたいと考えておるのでありますが、とりあえずこの登録がえにつきまして、御予定なりまた御見解を伺いたいと思います。
#79
○近藤説明員 配給業者の登録の問題につきまして、ただいま御質問がございましたが、実はまだ最終的な決定を見ておりませんので、これは纎維局として考えております程度のものとしてお聞きを願いたいと思うのでございます。これはいろいろ実は関係方面から、るるやかましいお話もございまして、最終的にはなかなかきめかねるのでございますが、私の方でただいま考えておりますのは、最終的にきわめて嚴格適正な配給を確保しなければならないというごくわずかの品種は、これは登録につきましてもある程度制限的な登録制度を採用いたしまして、そして場合によりましては、その一部のものにつきましては改選をすることを考えておりますが、それ以外のものにつきましては、大体定の條件を備えておりますものにつきましては、その登録をそのまま認めて参るという方針で、この問題は処置をいたしたいと考えております。それで結局最終的に申しますれば、まず綿関係等につきましてはあまり無制限な登録を認めるわけには参らぬと存じますが、それ以外の纎維につきましては相当大幅に登録を廣げて参る、あるいは登録制そのものを撤廃して参りたい、かように考えておるわけであります。それでただいま農協、商協の問題につきましてもお話があつたのでございますが、結局將来の配給機構のあり方といたしましては卸、小賣あるいはその上にまた生産者、あるいは中央卸というふうな嚴格な段階規整ということをやつて参りますのは今日もうすでにある程度時期か過ぎておるのでございまして、生産者があるいは直接小賣に賣る、あるいは小賣が中央卸から直接買う、こういう形を認めますことの方がむしろ自然の成行きでありますし、またそれを認めますことによつてそう乱暴な結果になりません。おのずからおちつくところにおちついて参るというふうに考えておりまして、できるだけそういう方向に持つて参りたいと存じております。が、過渡的には先ほども申し上げましたような登録の方針で参りたい、かように考えております。
#80
○門脇委員 纎維問題につきましては、いろいろ同僚からの質問があると考えますので、私だけで時間をとることは恐縮に存じますので、この辺で打切りたいと存じます。最後に一言特にこれは政務次官に注文しておきたいのでありますが、麦、ばれいしよの報奨物資の配給扱い者の選定につきまして、当時本省側の全國に発せられた通牒というものがきわめて不徹底な通牒であつたために、各地方末端において業者の間に非常な抗爭がありまして、全國区々な結果に終つております。商業の腕つ節の強いところは大体五割々々の割合で、農協との扱いの取りきめをいたしております、商業者の腕つ節の弱いところはわずかに、一割ぐらいしかとつておらぬ。あと九割は農協の方にしてやられておるといつたようなぐあいで、全国非常にまちまちであります。これは当時の農林政務次官もこの席に参られまして、これに対して非常に御熱心な御意見があり、また当時の商工政務次官に対してもるる話したのでありますが、大体國民の職業分野があつて、商業者は、商業者の分野があり、農業者は農業者の分野があり、お互いにその分野についていろいろな矛盾が起るようなことをいたしますと、非常に不愉快な結果をそこに招來するわけでありまして、それ以上はよく御存じでありますから、あえて説明する必要はないと思いますが、來るべき秋の米の報奨物資の扱い店の問題につきまして、やはり相当深刻な抗爭が展開されるだろうと思います。政務次官はなかなかそういつたことに対する押しが非常に強いようでありまして、今度は商業者側の分野はあまり農業者側に奪取されないように、今からいろいろ御盡力願いたいと考えます。
#81
○宮幡説明員 門脇委員の御要望であり、また御意見の点は率直に承りまして、この方面につきましても從來起りましたいろいろなトラブルを繰返さないように、ただいま通商纎維局においてもそれぞれ施策を練つております。しかしながら事前にいろいろなことを申上げますといろいろな反響を招きまして、結局有数適切だと思う施策の実行を困難ならしめるおそれがございます。たとえて申しますと、今度の報奨物資は原反でひとつ配給いたそうというようなことをかりに発表いたしたといたしますれば、ただちに加工業者の方から猛烈な反対が出て来るであろうということを想定いたさなければなりません。これは一つの私の仮定的な例でありますが、さようなことになりますので、この方面についても愼重に考慮を拂つておることで、当省で考えております含みの点を十分おくみとりを願いたい。但し仰せのごとく商業者には商業者の分野があり、農業者には農業者の分野があるのでありまして、この分野を相競うということにおきましては、やはり産業の健全なる発展を阻害とまでは行かなくても不円滑ならしめる一つの要因となることは、確定的に申し上げてさしつかえないと思います。かような摩擦面もとつて参りたい。ことにただいま中小企業という部面から考えますと、農業経営も廣義な意味におきましては中小企業廳に属します仕事の分量が相当あるわけであります。そこでこれらは調和こそしていただかなければならぬが、相対立すべきものではなかろう。かような信念も持つておりますので、御趣旨をことごとく拜聽いたしまして、その線に沿つて最大の努力をいたしまして、從來現われました摩擦等のないように努めさせていただきたい。御了承願いたいと思います。
#82
○阿左美委員 政務次官にお尋ねをいたしますが、絹製品の統制解除におきまして一應業界は混雑さを明るくいたしたのでございますが、いまだ綿、スフ織物を除く他の纎維に関する織物はいずれも消費税が四割課税になつておる。この四割課税がやはり國民の購買力を非常にはばんでおります。これは第五國会当初より各業者からいろいろの陳情ございますし、いろいろまた政府当局の御意見も聞いておつたのでございますが、いまだその運びになつていないのでございます。これは結局大藏当局との関係もございますし、臨時國会の承認を得なければという亡とになると思うのでございますが、政府はこれに対しましていかなるお考えをもつて臨時國会に、お臨みになりますか。一應御所見を承りたいと、思います。
#83
○宮幡説明員 阿左美委員のお尋ねにお答えをいたします。この消費税、物品税の問題が中小企業を中心といたしますあらゆる企業に対します一つの障害となつて来たことは、現実の問題であります。特にマル公を下まわる実際価格等が現われて参ります商品につきまして、物品税を課したり消費税を課したりすることは、これが適切でないことははつきりしております。元來消費税、物品税というものは戰時緊急の財源に充てるためにつくられました戰時立法でありまして、平和産業の形態においては存続はちよつと困難な課目であろうと思つております。しかも消費税なるものはあくまで消費者に轉嫁せらるべき、ものであるにもかかわらず、実質において生産者負担の税とまで進んでおります。さような場合にはこれは断固惡税であると申し上げてさしつかえないのでありまして、私も大藏委員会にごやつかいになつておりました当時から、この物品税、消費税を中心といたします税制改革案をつくり上げてありました。またこれもどういう方法とまでは申し上げられませんが、当時の状況、第五國会が開かれます事前の状況におきまして、関係の向きへ意見を具申したり、あるいは関係担当官とも折衝をいたした体驗も持つております。ことに第六國会を控えまして業者の御要望のみならず、社会実勢がすでにこれらの税の存続を拒否しなければならぬような立場にありますので、今回税制改革のために御來朝中のシャウプミッションに対しまして、通商産業省といたしましても物品税、消費税等につきまして適切なる免除軽減の手続をとつていただくことを要望いたし、そのうちにただいま阿左美委員の仰せられます絹織物あるいはこれに関連いたします人絹、スフ等の一切の織物に対しまする不均衡な部分あるいはその他生産意欲あるいは購買力を抑圧するというような障害となります部分を除くような進言をいたしております。特に御承知の内閣に設けられております。税制審議会、これに対しまして、これは私が現在の通産省政務次官としてでなく、個人宮幡の立場でありますが、十分なこの面に対しますかねての研究と試案とを提供いたしまして、同樣な意味におきまして御希望に沿う方向にこの案も組まれておるようであります。また大藏省当局特に主税局から編纂されました面におきましても、これに特段の考慮を拂われておるように漏れ聞いておりますので、次の國会で幸いにいたしまして税制改革に対します自由を與えられまして、皆樣の御協賛をいただくことができれば、この問題はある程度の解決可能であると考えております。さよう御了承願いたいと思います。
#84
○阿左美委員 非常に御懇切な御答弁をいただきまして、きわめて満足した次第でございますが、かかる場合になるといたしますと、現在の取引状況から考えてみますと、一般業界は消費税は前途引下がるのではないかというようなことを、相当に扱い業者は考えておるようであります。それがためにもしこれが臨時國会におきまして消費税の減額があつた場合に、手持商品に対する負担が税金だけは損をしなければならぬということを、非常に業界はおそれておりまして現在の取引に非常にこれが障害になつております。しかしこれを解決するにあたりましては、何用何日後の取引におきましてはもどし税する、割りもどしするということがこの秋、この冬の取引の樣式であると思います。もしかりにそういうことができないということになりますと、相当期間を経ますと実施期は相当遅れるのではないか。その間取引を中断ずるのではないかという心配があるのでございますが、これらに対する何らかの対策をおもちになつておりますか。ひとつお伺いいたしたい。
#85
○宮幡説明員 ただいまのお尋ねはまつたく適切な御意見だと思いますが、御承知のように次の國会で予想せられます税制改革なるもの、その根幹をなすものはシャウプ博士の勧告に基くものでありましてその案を拜見しない限り確定的なことは申し上げられないのでありますが、ただいまお話のようなことが正常な取引を阻害するということは、消費税の面では生産者が負担しておるという立場でごもつともだと思いますが、物品税の面においては、その面は心配はなかろうと思います。そこで消費税の面におきましての問題でありますが、これを遡及いたしまして法律的効果、税法上の効果を及ぼすということは、そういたしたいという氣持は御同感でありますが、おそらく困難であろうと思います。むしろ先に延びて、かりに九月の下旬におきまして税法の改正が両院の御協賛を得まして法律として公布されましても、早くても十月の一日ということになる。むしろそれより延びる可能性の方が多いのであります。從いまして税金を目安といたしましての思惑の取引をしていただくという一つの商業者のもちます通例的の氣質でありますか、これを是正していただくことが、かえつて適切ではなかろうかと思います。この点はどうも税法の建前から申していろいろ勘案してみましても、遡及してこの効果を及ぼすであろう、また將來こうなるだろうということによつて賣買を規正したり、あるいは賣買を奨励したりするということは遺憾ながらできないじやないかと考えておりますが、なおせつかくの御意見でありますから承りまして、十分研究させていただきたいと存じます。
#86
○阿左美委員 業者は物價改訂によりまして三分の二は差益金として政府に納めてあります。現在は公債を割つております。ただいま政府当局もお認めになつた通り、三割ないしは三割五分、四割近いところのマル公を割つておりますので、現在といたしましては非常に差損金が出ております。この差損金に対してどういうようなお扱いをしていただけますか。最近納めてありますもので、一方的にでは少し扱い方がむりではないか、こういうようなことを考えておりますが、この差損金に対する取扱い方についていかなるお考えを持つておりますか。
#87
○宮幡説明員 これまた道理の前には屈せざるを得なという御議論でありまして、價格差益金をとつた以上、價格差損金は補填すべきだと申されるのが当然だと思います。ちようど税法におきましても利益のあつた場合は課税するけれども、損のあつた場合はこれを國家でもとしてくれればまことにいいという理論が、正常経済の時分に非常に旺盛な時期もありました。それと同じような議論になると思うのであります。しかしながら残念ながら現在の價格差益金を納付せしめます法制的な制度の上におきましては、この差損を補填するという政府措置を許されておらないわけであります。從つて現在のままでは実態論としてはごもつともきわまる問題でありまするけれども、これを保障するということは困難な実情にあろうと思います。また將來といたしまして、價格差の差損金を國家で保障するということになりますると、この織物業者に対しますだけの範囲ならば、あるいは特段の処置として考慮せられる場合もありましようけれども、かような事例は、あらゆる商品を通じて起るべき事態でありまして、かりにこれを保障いたしますと、おそらくやはり一面においては赤字融資、一面におきましては財政インフレを助長するような國家の施策になるであろうと思います。少くとも経済安定九原則の忠実な履行をいたします以上御希望の点は実際としてむりからぬことであり当然だと考えますけれども、現在の段階においてはすでに申し上げたように、これは実行不可能のことであります。將來といたしましても考慮の余地ありとは御答弁申し上げかねる次第でありましてまことにせつかくの御意見でありますがこれを御採用申し上げるような御満足の回答のできないことを、阿左美委員とともに残念に思う次第であります。
#88
○神田委員長代理 本日はこの程度にいたしまして、明日は午後一時より商工委員会を開会いたします。それでは散会いたします。
    午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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