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1949/07/21 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第27号
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1949/07/21 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第27号

#1
第005回国会 商工委員会 第27号
昭和二十四年七月二十一日(木曜日)
    午後一時四十三分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 今村長太郎君 理事 小金 義照君
   理事 村上  勇君 理事 今澄  勇君
   理事 川上 貫一君 理事 永井 要造君
   理事 河野 金昇君
      岩川 與助君    江田斗米吉君
      門脇勝太郎君    高木吉之助君
      多武良哲三君    聽濤 克巳君
 出席國務大臣
        通商産業大臣  稻垣平太郎君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  秋本  保君
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        通商産業事務官 武内 龍次君
        通商産業事務官 松尾泰一郎君
        通商産業事務官 谷口 龍雄君
        通商産業事務官 榊原 二郎君
        通商産業事務官 市田 友治君
        通商産業事務官 平井富三郎君
        通商産業事務官 佐久  洋君
        通商産業事務官 藤井  淳君
        通商産業事務官 記内 角一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 繊維に関する件
 地方通商産業分室に関する件
 貿易に関する件
 中小企業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○神田委員長代理 これより商工委員会を開会いたします。
 前会に引続き私が委員長の職務を行います。
 まず繊維に関する件を議題として調査を進めます。質疑を継続いたします。
#3
○高木(吉)委員 昨日の繊維局長の御答弁によりますと、人絹糸並びに人絹織物の統制撤廃は、大体十二月ごろに実施する心組みであるということでありますが、現在の人絹のストツク状態から勘案いたしますと、一日も早くこれを撤廃することによつて、絹織物並びに生糸と同じような道程をたどる経済的な不安が、かえつて除去せられるところの傾向にありますので、いま少しすみやかにこの人絹織物の統制を御撤廃を願う意思がないかということを、御質問いたすわけであります。
 なお次には交織の絹織物に対してすべての統制が解除せられておりますが、ただ價格統制のみが現存しておりますので、この價格の形成面から行きますと、すでに生糸はその積算價格から三割ないし四割の下落をしております。にもかかわりませず、依然として從來通りのマル公が現存しておる。その間に織物消費税をかけます場合において、公定價格の四割というものを課税せられることになりますと、実際の販売價格は公定價格に売れない。そのために生産者がいわゆるその差額だけの消費税をよけい負担しなければならぬという矛盾が生じます。と同時にマル公ではとうてい現在では販売できない状態になつておりますので、すみやかに絹織物の交織物に対する價格を撤廃していただく意見はないか。
 第三には公團の保有しておられますところの人絹織物を、三十万ヤールのうち千二百万ヤールを御放出になる。しかもそれには十万ヤール以上のものに対してはフロア・プライスから一割を滅ずる。また二十万平方ヤールの場合は一割五分を滅ずる。なお五十万平方ヤール買つた者は二割五分を滅ずるというような方法で放出されるということを聞いておりますが、たださえ人絹界において相当な打撃をこうむつておりますので、かかる方法は嚴に政府としては熟慮していただきたい。
 第四にはキヤンセルを受けました絹織物に対する金融の措置は、政府におかれましてはどのような対策を講ぜられるかということをお尋ねしたいと思います。
 なお、五には絹、人絹織物の一万台に対する織機の設備資金といたしまして、昨年度融資を受けた分は二千五百台でありまして、なお六千三百台が融資を受けるべき資格を有しておる状態におかれておりますので、これに対する設備資金の融資の方法をいかにお考えくださるか。なおまた改造織機五百台に対する融資も、同じく同様な方法をもつてやつていただけるかということを、御質問いたしたいのであります。
 なお最後に絹織物價格が撤廃せられまして、これに対する消費税の基準がつくられておらないのでございます。以前の自由販売價格のときには消費税の標準價格というものがつくられておりまして、それによりまして税金を算出しておつたのでございますが、マル公のとられました今日、すみやかに織物消費税の標準價格をおつくりになる意思はないか。以上の諸点について御答弁を願いたいと思います。
#4
○稻垣國務大臣 御質問の点について、お答え申し上げます。第一のスフ、人絹の統制をはずす意思があるかどうか、どういう御質問であつたように思います。原料がエイド資金またはいずれにいたしましても原料の全部が、外國から参つております絹でありますとか毛織物であります綿でありますとか毛織物でありますとかいうものにつきましては、これはちよつと問題になりかねると存ずるのでありますが、スフ、人絹につきましてはできるだけ早い機会において、これが統制をはずして行きたいという考え方を持つております。但しその時期あるいはまたそのはずし方等につきましては、まだここでお答えする時期に至つていないことを遺憾といたします。さよう御承知を願います。
 それから第二の点で絹の交織について價格の方の面がまだはずされていないので、非常ないろいろな矛盾もそこにあり、それから御迷惑をかけている。この点も十分承知いたしておるのであります。これは交織物をはずす節にも、実はこの点には触れて折衝もいたしたようなわけでありますけれども、まだこれを全部價格の面まではずすというところの段階に至つていないのを、はなはだ遺憾としている次第であります。しかしこの点もできるだけ早い機会において、今お話の御希望に沿い得るようにいたしたい。かように努力いたしていることを御報告申し上げます。他の点につきましては、それぞれ繊維局次長なりあるいは政務次官からお答えいたします。
#5
○宮幡説明員 高木委員のお尋ねのうち、消費税の標準價格の点についてお答えいたしておきます。同時にあわせまして御質問の各項にわたります消費税が生産者あるいは消費者の利益を害し、あるいは生産を阻害するであろうというような御意見に対しては、昨日も大臣にかわつて御答弁申し上げましたように、すでに明白な事実でありまして、この点につきましては通商産業省といたしまして、ただいま來朝中のシヤウプ・ミッションに対してきわめて適切なる方法を御進言申し上げております。幸いにいたしまして御採用願うならば、來るべき臨時國会に予想せられます税制改革の中に取込まれるであろうということを申し上げる程度でございまして、ただいまのところは御意見の点はごもつともでありますが、即刻かような方法で、かような実施方法をとるというところまで進んでおらないことを、御了承願いたいと思うのであります。
 次に消費税の標準價格の問題でございますが、これは税法上の末端と申しますか、課税技術を容易ならしめあるいは徴税を容易ならしめるために設けた便宜的な処置でありまして、税法の運用の面から申しますと必ずしも正道とは考えられません。むしろ消費税の從價課税であるならば、実体的に販売いたしました價格に対して何パーセントか納めていただく。しかも課税の体系が賦課徴收からかわりまして申告納税主義となつた今日にいきましては、特に生産者、消費者の良心的御判断に訴えまして、その價格の実際に対しまする從價課税をお納め願うことが適切ではなかろうか、かように考えておりますが、御意見の点もありますので、大蔵当局ともまた標準價格を設けるの是非につきまして、一應の御相談あるいは御協議はいたしてみたいと存ずるわけでありますが、根本的に当省といたしましては、消費税の標準價格を設けべからざる現在の課税の体系にあるだろう、かように考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
#6
○佐久説明員 ただいまお答え申し上げました以外の残つた問題についてお答え申し上げます。第三点の現在公團で保有されておる三千万ヤールの絹織物のうちから千二百万ヤールを放出して、その放出價格はある量に應じてフロア・プライスから下げて渡すというお話でありましたが、私まだこの点については全然承知しておりませんので、いかんともお答えのいたし方がありません。
 それから次に先般キャンセルを受けました絹織物の金融対策でありますが、この点につきましてもまだ結論に達しておりません。何らかの金融方策を考えなくてはならぬということで、関係者の間で相談をいたしておりますが、ただいまのところはつきりした結論には実は達しておらないのであります。実際の状況を見ますると、サプライヤーから絹織屋さんに対しては貿手あるいは商業手形のような形式によつて、八〇%ないし九〇%ぐらいの支拂いが進んでおるように思われます。そこで現実の問題といたしますと、一番金融で困るのはそのサプライヤーの方の立場の方が大きいのではないか。こういうふうに思われますが、絹織屋さんについてもまだでき上る途中の品物を持つているところもありますし、とにかく何らかの方法は講じなければならぬ。そこでキャンセルされた品物を内地に放出いたすにつきましても、これが非常に特殊なものでありますので、一般國内に実は向かないのであります。しばらく時期を待てばさらに放出の見込みがあるのではないかという考えも持たれますので、その間金融の方法を講じてしばらく見て、それでどうしても売れないときにはこれを國が買い上げるというような段取りで、今関係者の間で相談を進めておるところであります。
 それから次に復元機械の融資の問題がありますが、これはまだ融資が済んでいない部面があるのであります。この点も現在の金融難の時代に何らかの方法を考えなくてはいかんということで、関係者と相談はいたしておりますが、まだ実は結論に達しておりません。中小企業の金融対策の一つとして実現させたい。こう思つております。
#7
○高木(吉)委員 キャンセルの絹織物に対しましては、ある期間肩がわりをしていただいたならば、次の時期クリスマス用のときまでには資金をつくつて、サプライヤーがその金を返すというように考えておるのでございます。せいぜいひとつわずかの期間だけの金融でも、政府においてやつていただけば幸いと思います。なお政務次官にお願いしたいのは、標準課税でございます。ただいまの御趣旨はよくわかるのでございますが、一應それがございませんと、販売價格と申しましても、どうしても安く受けるということにもなります。基準がきまつておらぬということによつて、非常に手数がかかるということから、脱税という悪い方面に進んで参りますので、でき得れば以前同様の基準をつくつていただきまして、そうして社会の経済情勢によりまして何パーセント本月から上る、あるいは何パーセント下るというような、スライドし得るところの方法に持つて行つていただきたいということを希望申し上げます。
#8
○宮幡説明員 高木委員の重ねての御要望でありまして、御趣旨はごもつともと拜承するわけであります。この問題につきましてはまた特別な方法で高木委員とも御相談をしてみたいと思います。標準を設けることは好都合であるという半面に、これは納税者に不測の災害を及ぼすであろうということさえ実は予想されるわけであります。なぜかと申しますと、かりに基準を設けましても、実際の販売價格がこれより上まわつておりますと、税法の表ではこれをとることが可能なのであります。從いましてただいまのように國税廳が徴税機関として独立し、調査査察部が強力なる権限、具体的に申せばマーカット覚書に対する一つの権利行政機関になつておる関係で、幸いにいたしまして予定いたしました税收が、標準價格をもつて満足せられるという事態になれば、おそらくさようなこともないのでありましようけれども、もし不足だという場合には意外な割当價格、まだあるじやないかというようなことで、かえつてこのことによつて企業の経営を脅かすというような面が生じて來やしないか。その点を実は憂うるのであります。すでに同様の場合が私どもの縣である静岡にあります。静岡の特産物の製茶においてこの事例があつた。マル公を撤廃した、標準價格をこの点に置いて課税をしようということで、一應それで完納したのであります。しかるところ実際の販売價格はそれよりはるかに上まわつておる。これでは不合理だ、脱税されておるから業者はお互いにひとつ申し合せて、お互いの氣持によつて一億円の物品税をさらに納付したらよかろう。もしそれを納付しないならば各業者を徹底的に調査してやるであろうというようなことになりまして、一大センセーションを起しまして、実際に納めました数字は妥協的なものに終つておるようでありますが、数字はあえてここで申しませんが、かなり痛烈な痛手を受けたことは現実であります。御意見といたしまして、先刻も申し上げましたように、大蔵当局と御相談は十分にいたしまするが、いわゆる利害両面を勘案して、業者の立場を十分に保護育成できる方向に改正して参りたい、かような氣持でおりますので、ぜひとも御了承をお願いいたします。
#9
○神田委員長代理 今村長太郎君。
#10
○今村(長)委員 まず第一点は、繊維割当量算定の基準及び現金支拂と手形取引。第二点は、割当のチケットと空手形。第三点は、昭和二十四年度第一・四半期の労務者用繊維製品の加算額をすみやかに発表していただきたい。第四点は、書類の処理はきわめて敏速にしていただきたい。以上四点について質問をいたしたいと思います。
 織物にいたしましても、メリヤスにいたしましても、割当票の発券されます場合は、同時に発券をしていただきたい。その理由は、どちらか一方が先に割当票を交付されました場合、どうしてもチケットを早くもらつた方が糸の買付を行うことになると、遅れた方は非常に糸の買付が、むずかしくなつて來る。こういう意味において、できる限り繊維に関する限り割当票の交付は同時発券をしていただきたい。これに対しておそらく繊維局の方々は、何と意地の悪い質問をするじやないか、それはこういう理由があるということを知つていながら、そういう質問をするのは意地の悪い姑のような質問だ、とお考えになるかもしれませんが、われわれはまたわれわれの立場において、この機会に商工委員としてお尋ねしなければならないという立場にあることを、よく了承していただきたいのであります。統制がしかれまして、糸の割当を受けましたその当初は、実績による割当の方法が講ぜられて参りましたが、昭和十五年に設備割当というふうに割当の方法が変更になつて参つたのであります。しかるところメモランダムが出まして、今後の割当の方式というものはリンク成績に重点を置いて、リンク成績を加味したところの割当でなければならない。しかも操業度六〇%を維持するために、企業の合理化も必要であろうし、そこにはまた注文生産ということで、おのずから需要者割当方式というふうに変更されて参つたのであります。ここにおいて、今年の第一・四半期までにこの成績によるところの割当が、メリヤス界においては行われたのでありまするが、繊維ははたしてどういうような方式で割当をやつておるのか。しかも繊維は現在割当をされておるような方式を今後踏襲して行くのか。メリヤスにおいてはやはり依然として第一・四半期に行つたような割当の方式をとつて行くのか。この点につきましておそらく通産省の最高首脳部の方は、非常にその事情はわかりかねる点があろうと思うのでありますが、この間の事情については繊維局長なりその他製品課長が、よく事情を詳しく御承知のはずであります。これとても知つていながら、そういう質問をしなくてもよさそうなものだというふうに、お考えになりますかわかりませんが、公開の席で発表できる範囲でけつこうですから、今後の割当基準というものはどういうような方法によつて行うのだということを、はつきりしていただきたいと思うのであります。と申しますのは、割当の方法が、当初においては実績割当であり、次は設備割当である。今回またリンク成績を対象とした割当が行われつつある現在、一・四においてはさようにいたしましたが、今後においてまた何らかかわつた方式になろうことを私は想像もしており、業界全体の空気としては、現状の方式では大出血であり、企業が大体全面的に大きな痛手をこうむるという現段階において、企業家がいろいろと陳情をし、現在のリンク成績方式を修正をしていただきたいという希望を持つております。そこで繊維局としてそういうふうな業界の事情を知れば知るほど何か手を打ちたい、こういうふうにあたたかい親心をもつて、お考えになつているであろうことは想像するのでありますが、目下のところでは確なる方針が定まつていないように、われわれかつてながらさような判断をいたしておりますので、この機会に確固不動の方針を明確にしていただきたい。しかも、注文生産ということは製品の横流れを防止する、労務者用の報奨物資の横流れを防止するという意味から、こういう注文生産という方式が與えられたのであろうと思います。卸登録店にいたしましても、このでき上つた製品をいち早くひもつきでとつて、この報奨物資を流してよかろうというふうな指図があればいざしらず、問屋側の言い分を全面的にうのみにするというふうにいたしましたならば、どうもひもつきの相手がわからない。そのために製品がストックするのだ、こういうふうなことを盛んに提唱いたしているのである。真偽のほどはわかりませんが、さように言つているのであります。その理由として、われわれ企業家は前金でなければ原糸の購入はできないのであります。これは現実の姿であります。しかるにわれわれ企業が製品を製造いたしましたとき、二箇月の約束手形でなければ問屋は注文生産なるがゆえに受取らない。統制がしかれてから、その法の示すところによつて、商品は庭離れであつた。企業家の庭において取引をするということが明示されておりましたのが、今回は注文生産の形になりましたので、問屋の言い分を前に申したように全面的にうのみにするといたしましたならば、問屋は売り先のひもつきがわからないために、滞貨をしなければならない。それから金融の面が特に閉塞されていることも、一つの理由として、この二点で二箇月の約束手形でなければ買えない。いわゆる注文生産というその字句に便乘して参りまして、非常に問屋の力が強大になつて参つたのであります。われわれ中小企業家は前金によつて糸を購入し、これにまた約束手形でなければ商品の代金が支拂われない。ちようど行李弁当のごとく、上下で非常な苦境に陥つているということを、当局は御承知になつているのかどうか。もしお知りになつているとするならば、このままでこれを放置すべきであるのかどうか。昨日の門脇議員の質問に対して繊維局長は、現実においてはいたし方がないが、近く登録店が解消する域に達するであろう、こういう発言があつたのであります。この点については特に責任のある当の最高責任者として、商工大臣のこれに対する裏づけを頂戴いたしたいと思うのであります。幸いにいたしまして登録店がなくなつたならば、われわれ企業家といたしましては、現金支拂いをしていただける所へどこへでも販売をするという自由が許されるのであります。統制はだんだんと解かれて参りまして、自由の叫ばれておりますときなので、そういうふうになることは私は双手をあげて望むものであります。これが繊維と割当量算定の基準及び現金支拂いと手形取引、この一点であります。
 第二点、割当チケットと空手形、昭和二十三年三・四半期より四・四半期に至るまで綿糸並びに特紡チケットが発券されておりましても、現実といたしまして糸を購入することができないのであります。統制下において空手形、空チケットというようなことは、世人ひとしく想像もつかないことであります。しかしながらそれは現実の繊維界の姿であるということを、御認識されておることと存ずるのであります。もしかりにさようなことを認識されておるとするならば、これに対する対策ありや否や。これをお伺いいたしたいと同時に、全國でどれだけの空手形が出ておるかという数字を、あわせて御発表願いたいと思います。
 次はチケットの書きかえの問題であります。昭和二十三年四・四半期、労務者用の製品を製造いたしまする場合に、表は綿でありますが、裏は特紡糸であります。この特紡が発券されましたのは十二の二号というのが発券されたのであります。しかしながらこれが手に入らなかつた。入手困難でありましたので、このチケットは七月一ぱいの有効期間に書きかえをお願いいたしまして、幸いにさようにしていただいたのでありますが、なおかつ十二の二号の一号であれば手持の紡績がありますので、これの書きかえをきわめて迅速にしていただきたい。七月一ぱいということになりますれば余すところ幾日もないのであります。從いまして特別の御配慮によつてこれの書きかえをしていただきたい。でなければ一方の綿糸を入手いたしておりましても、裏の特紡がないために製造きわめて困難の状態に陥るのであります。リンク成績対象というものを奨励いたしておりまするゆえんのものは、流れのないように、物のストックのないように、すみやかに物資が流通するようにということをねらつておりますときに、一方的に糸を入手いたしましても、裏と表と双方がなければ、これは製品製造には不可能であります。從つてチケットの書きかえ等につきましても、きわめて迅速におとりはからいを願いたいと思うのであります。これがすなわち第二の点の割当チケットと空手形の問題であります。
 第三点は昭和二十四年度の一・四半期、労務者用製品加算額をすみやかに発表していただきたいと思うのであります。これらにつきましてはすでに物價廳告示第五百六号をもつて、昭和二十四年七月十五日に発令をされて一部改正されております。その改正された要点は、「原料費の算定につき昭和二十四年五月物價廳告示第三百十九号(綿糸の販売價格の統制額指定の件)による綿糸の統制額を適用するのは昭和二十四年八月一日以降とする。」こういうことに相なつておるのでありまするが、すみやかにこの告示に現われておりまするように、労働者製品加算額を発表していただきたい。これは念を押しておきます。
 最後に書類の処理方法であります。どうも書類の処理はきわめて迅速でない。前の繊維局長にもこの点を強く強調いたしまして、文書課の方がお見えになつておりますれば、特にこの点をよくお聞きを願いたいのでありますが、文書課では非常にその処理が停頓するといううわさがあるのであります。また事実そうでなかろうかと思います。前の局長はすべての書類は一箇月以内に処理すべしというような指導方針をもつて、進んでおられたのでありますが、これは事志と相違いたしまして、非常に書類が澁滯しておるのであります。
    〔神田委員長代理退席、村山(勇)
  委員長代理着席〕
 これらに対して政府としてはどういうふうな御処置をとられるのか。以上四点をお尋ねいたしまして御答弁をお願いいたしたいのであります。きわめて簡單に責任がある御答弁をお願いいたします。
#11
○稻垣國務大臣 今村君のお尋ねのうち私に特にお尋ねになりました、いわゆる登録制が廃止されるということを局長が申されたのは事実であるかどうか。この点については私はまださような決定に至つておらぬということを、はつきり申し上げておきたいと思う。そうしませんと誤解が生ずるかと思うのであります。おそらく繊維局長がお答えしましたのは、統制が種々の段階においてはずされた場合には、登録制はもちろん廃止されるであろう、こういう意味合いで申し上げたのではないかと存ずるのであります。いずれにいたしましても、それは決定の段階に至つていないということを御承知を願いたいと思います。
 最後の文書がおそくなるということについては、それはどういう書類か、私自身としても承知いたしておきたいと思うので、もしそういう事実があるならばあとで今村さんに直接お伺いしたいと思いますが、そういう書類に停頓するということのために業界に非常な支障を與えることは、これはもつてのほかのことでありまして、この点については十分私としても取調べまして、そういうことのないようにいたしたい、かように存じます。なお他の問題については他の者から……
#12
○今村(長)委員 ただいま大臣から御答弁のありました書類の処理を迅速にする点につきまして、具体的な事実をあげてもらいたいということでありましたが、これは次長さんにお聞きになつたらおわかりのことと存じますから、発表することだけは一應私の立場を考えて、これは御遠慮申し上げたいと思います。次長さんにお聞きになつた上で、そういう事実がなければ今村は腹を切つてもよいと思います。決して抽象的なことを申し上げておるのではないのであります。
 それから私が大臣に御答弁を願つた問屋登録でありますが、これを廃止に決定したというようなことを私は申し上げたのではない。各縣に農業協同組合というものができて、これが卸登録店となりたいという希望に燃えている。從つていつか近くそういうふうな登録店が解消する機運に向いておるということを繊維局長がおつしやつたので、それに対して大臣の所属をお尋ねしたわけで、決定事項でないということは、もちろんこれは私もばかながらさようなことは承知いたしておりますので、私の質問に対してあなたからお聞きしたことが、まとはずれになつていることはまことに残念であります。
#13
○佐久説明員 ただいま御質問の点につきましてお答え申し上げます。
 第一の割当基準の問題でありますが、この各業種について割当の基準が若干ずつ違うのであります。と申しますのは供給される原料の量と、それを使います設備の量に、おのおの違つた関係が出て來る関係上、こういうことになるのであります。大きく考えてみますと、最初は各業種について設備を基準にした割当をいたしております。それも切符制度によつて、物の動きはすべて切符によつて動くのでありますから、還流された切符にリンクして原料の割当をする、こういうふうにかわつたわけであります。ただ先ほどお話がありましたメリヤスにつきましては、三月十五日に一つのメモランダムが出まして、そこに六〇%の操業を確保するという一つの條件が入つたわけであります。その結果、還流切符にリンクした割当でありますけれども、成績のいいところは相当の原料をもらつておりまして、成績の悪いところは全然原料がもらえないというような結果になるのであります。そこで從來の登録成績だけを考えた場合には、そういう結果でいいという議論も一應立つのでありますが、今日のような状態におきまして、ある特定のものだけが非常に大きな負担をかぶせられて割当が全然ゼロになるというようなことは、行政措置としては適当でないのだという考えから、それを是正する一つの案をつくりまして、企業の設備台数の統合を行いまして、すべての業者に一應割当が行くというような形態をつくりたい、こういうことにつきまして、今村議員にもいろいろ御盡力を願つたはずであります。そういう形態がかりにでき上つたあとにおきまして、設備割当ていいと私は考えておるのであります。
 それからそのほかの機械についての割当はどうしているかというお尋ねでありますが、これも先ほど申し上げましたように、最初は設備を基準にした割当をいたしておつたのでありますが、現在は綿機械にしても、絹、人絹機械にいたしましても、還流切符にリンクした割当をいたしておるのであります。ただ綿機械につきまして少し違いますのは、第一・四半期の割当をいたしましたときには、昨年の第一・四半期の生産計画を本年の二月までに完了したものについてだけ設備に應じた割当をする、こういうことをいたしたのであります。
    〔村山(勇)委員長代理退席、神田
  委員長代理着席〕
今後の割当をどうするかというお尋ねでありますが、これは技術的に多少研究を要し、またむずかしい点もあるのでありますけれども、利用者側の最も好むところに注文をいたすのが自然の理でありますから、注文生産方式によつて原料の割当を行つて行きたい、こういうふうに考えておるのであります。ただこれは一般内需のものにつきまして考えておるのでありまして、BSコントラクトにつきましてはもちろん從來通りまるまる原料割当という行き方をとりたい。
 それから第二点と申しますか、例の現金でなければ物が動かないというお話でありますが、これはそういう現象も私ども承知いたしておりまして、ただそういう現象を放任いたしますると相当物の動き上支障が多いのであります。私どもの方、あるいは物價廳とか関係團体の方々、日銀というような関係者が集まりまして、再三協議をいたしました結果、手形決済方式によつて物を円滑に動かして行こうということで、一つのとりきめを行つているのであります。ただ、それが実際に末端に行つた場合に、申合せ通りに実施されていないという面があるかと思うのであります。それから一つの申合せを実施いたしましても、個人的な信用が非常に弱い場合には、例外といたしまして、手形だけでは物が片づかないという場合があり得るのだろうと思います。そういう現象が相当多くなるといたしますれば、一應第二・四半期としてはそういう方法でやつたのでありますが、第三・四半期の場合にはさらに何らかの方法を考えなければならぬのじやないか、こう考えております。
 第三点として、かつて出された切符を打切られたその数量がどのくらいあるか、今後の対策はどうするかという御質問でありますが、昨年の第三・四半期の綿糸の切符は実際は打切られた結果になつたのであります。と申しますのは、原綿を七万五千俵ほど南方から買い入れる。それの見返りといたしまして綿糸四万五千俵でありましたか、実は内需用に引当てたものを急に輸出に向けるというような措置がとられた結果、結局それを引当てに出された切符の現実化ができないという結果になつたのであります。現在私どもの手元でどの程度未現物化された切符があるかということを調査中でありまして、本日正確な数字を申し上げることができないのは遺憾でありますが、大体の推定で、俵数にして二万八千俵くらい未現物化になつているのではないかと考えております。これの今後の引当てでありますが、実は今までの状態では引当ての対策がないのであります。何らかの方法で引当てをしたいということで、実は一月から四月あたりまで大分じたばたしたのでありますが、いい方法がないままに今日に至つておるわけであります。ただその糸の引当てにして相当生産資材となるものを必要とするという方面につきましては、その織物の需要者を調べまして、今度の一億五千万ヤード放出の際に、重点的にそういう需要者に当てて行きたい、こういうことで関係当局とも話合いがついておりますので、その糸によつてつくられた物の需要者の面は、一應解決されるのではないかと思います。それから糸の需要者、つまりメリヤス屋さんとか機屋さんとか、そういうものは結局打切りになるわけであります。
 第四点と申しますか、第四・四半期に出されました繊維局の書きかえでありますが、これは繊維局の方へ持つて來ていただけば、書きかえはできるということを申し上げておきます。
 次の質問の労務者用加算額というのは私よく存じません。これは物価廰の問題ではないかと思います。
 最後の書類の処理が非常におそいというお話、まことに私痛いところを突かれて申訳ないのでありますが、非常に事務が煩雑であるのと、これも事務的に欠陥があるのでありますが、陳情者が非常に多い関係でおそくなつておることは、まことに申訳ないと思います。この点は十分氣をつけまして、御趣旨に沿いたいと考えております。
#14
○秋本説明員 御質問のありました加算額の問題でありますが、この八月一日から実施する予定で現在準備中であります。
#15
○今村(長)委員 物價廰の方にお願いいたしますが、間違いなしにやつていただきたい。それでなければ荷物が動かないのです。早く流せ流せ、ストツクはいけないんだと言つておりますが、割当の方法がかわつたりいろいろなことをしているときに、物をとめるようなことをお考えにならないようにしてもらいたい。すでに糸が企業家の手に渡つて製品ができている。それが出せない。こういうことになつておるので、すみやかにやつていただきたいということを重ねてお願いをしておきます。
 それから次長に今一度お尋ねするのですが、同時発券の問題です。これは私はできないことはないと思うのです。どういうわけでできないかふしぎなんです。それでもしこういうところに隘路があつて同時発券ができないんだと言えば、それは繊維局においてその業界を、君のところの業界はこういう理由で発表が遅れるのだ。だからこういう点に隘路があるからこれを処理しろ、そしてこうするんだというふうに親切に指導をしてやつていただきたいと思う。必ず私は同時発券ができるのではないかと思うのです。これは私のかつてな考え方かもしれません。しかし人事を盡して天命を待つというごとく、親切に指導していただいて、なおかつ繊維局の考え通りに行かないということであればやむを得ませんが、私はこういう意味において、同時発券を重ねて強調したいと思います。
 次は、お答をいただきました今後は設備の割当で行くんだ、こういうことをおつしやつたように私は聞きとつておるのですが、そういうふうに解釈してよろしいですか。いわゆる七級の割当は設備割当でよいということは、責任のある御答弁であるというふうに解釈してよろしいのですか。これは速記の上にも残りますから、強くいま一度お尋ねするのです。これは製品課長も大分苦労をするでしようが……
 それから空手形の数量がわからない。これについては参考の資料を持つて來ております。全國数百の糸の割当を受ける組合がある中で、私の方の組合を引合いに出すことはどうかと思いますが、参考になるので申し上げるのであります。特紡の割当を四万五千三百八十ポンド頂戴いたしまして、入荷したのは五千八百ポンド、未入荷が三万五千三百五十八ポンド、それから線糸は三十番手、二十番手、十番手、入荷が二十六万六千ポンドである。これは私の組合の和歌山縣メリヤス協同組合だけでこれだけの未入荷があるのですから、全國至るところの組合の数量を合算すれば厖代な数量になろうと思うのです。統制下においてかようなことは想像もつかぬことである。これは参考のために書類をお出します。從つてこういう点につきましては、今後ともよく御注意願いたいと思う。
 それからいま一つは、七・九の割当ものについては一貫して手形取引をやるのだ、まことにけつこうです。信用のない小さなものはそういうわけにも参りません。これはまことに懇切丁寧なおさとしであります。しかしながら現状の姿は、大小のいかんにかかわらず、業界のすべてをあげて前金でなければ糸が入らないということは事実です。この事実の前にいかに抗弁されてもそれはまつたく無意味であります。從つて眞相をよく把握していただいて、手形取引というようなものは言うべくして実行できない。機業家は注文生産ならどうしても問屋へ持つて行かなければならぬというくらいに問屋は大きな力を持つておるから、泣く泣く手形であつてもそこへ商品を渡さなければならないというひもつきになるわけです。紡績の方はそうでない。從つてこういうふうにするならば、紡績の方も個々紡績は何々業者に必ずこの糸を渡すべしという、さような終始一貫した注文生産であればいい。現在の段階規正というものは非常に不公平になる。たとえばわれわれが糸を購入する場合、糸商を通じ紡績を通じて二段構えでなければ糸の購入ができぬのであります。しかるにかかわらず、われわれの商品を讓渡する場合には、段階規正において注文生産において問屋に渡さなければならないということは不合理だと思う。段階規正をすみやかに撤回していただきたいということを強く強調するとともに、現段階において段階規正が必要であるとすれば、これは機業家が糸を購入する場合のごとく紡績からも買い入れられ、糸商からも購入できるというふうに、各府縣に一つずつの小賈の荷受機関があるのですから、各府縣の小賈荷受機関によつてもよろしい。御登録店でもよろしい。段階規正はそのままとして、廣義の解釈によつてわれわれが糸を購入するときに使われておるような方式を御検討願いたいのです。御登録店は全國に何箇所もありますが、ほとんど東京、中京、大阪ではありませんか。全國至るところに御登録店というものはないのです。從つて全國の中小企業家はあげてことどく大阪、中京、東京に行かなければ注文をしてもらえないという不合理なことが相当あるのですが、小賈の荷受機関であれば全國至るところにあるのであります。從つてそれに賈つてもいいだろう。卸屋に賈つてもいいだろう。迅速に物を処理する観点から判断いたしましても、機業家が糸を購入する場合のことをよく勘案されました場合において、どうしてもわれわれの商品も、糸を購入すると同じく、段階規正がはずされないとすれば、そういうふうな二段構えの方式によつて進んでいただきたい。糸の購入だけは二本筋である。われわれの商品の販賣だけは注文生産によつて一本である。しかも東京、大阪、中京以外いずれに卸登録店ありやということをよく御認識願いたいのである。この点を重ねてお尋ねいたします。
#16
○佐久説明員 先ほど同時発券の問題についてお答えを忘れて申訳ありませんが、同時発券は趣旨としてそうしたいということで努力はいたしておりますし、現に綿糸については同時発券をいたしておるのであります。ただ中央で発券する場合と地方で発券する場合を違うものがありますので、そこでいささか時期のずれが起る場合があり得るのであります。
 それから設備割当を今後もやるかどうかというお話でありますが、メリヤスについては少し事情が違いますので、後ほど製品課長より御答弁いたさせます。
 それから次の手形取引の問題でありますが、お話のような非常に不都合な点がありますれば、さらに関係者寄りまして何らか打開策を講じたいと考えております。
 それから段階規正の問題と、現在の糸の入手の問題でありますが、この点ももう少し研究の時間を與えていただきたいと思います。
#17
○藤井説明員 第二・四半期のメリヤスの割当の問題について私の方からお答え申し上げます。ただいま繊維局次長が設備割当と申しましたのは、御承知のように第二・四半期の割当におきまして、機業の再編成をしようということで、その再編成がうまく行つた場合においては、当然それをやろうというような氣持で申されたと思います。しかしながら現在の状況におきましては、関係方面においてその問題を相当大きく取上げております。それで実際にわれわれの言わんとする氣持というものは、十分にわかつていただいておると思いますけれども、特にメリヤスの場合におきましては、三月十五日のメモランダムによつてやる場合において、残る業界というものが二割ないし四割しかない。落ちるのが六割ないし七割である。その落ちるものを今度の合理化によつて救うという点について、大きな関心を持つておるわけであります。そういうような関係から第二・四半期の割当が、ただいま次長が申されたような結果においてやれるかどうかという、時期も非常に切迫しておりますので、相当困難じやないかというように見ておりますが、われわれとしましては、それに対しては相当積極的に先方との連絡をとつております。それでもし最悪の場合、どうしてもならぬというような場合におきましては、これからなお一箇月の間だけ猶予してもらいまして、その間にやはり関係筋との交渉を引続き行わなければならぬのじやないかというように考えております。そうなりますと、第二・四半期の割当はどうなるかということでありますが、第二・四半期の割当につきましては、三月十五日のメモランダムによつてやるよりしかたがないと思います。ただしその場合におきましては綿製品が割当の主体になりますので、まず綿製品で六〇%操業する工場を選びまして、残りの工場に対しまして、綿以外の糸量を割当しますときにおきまして、当然操業率にアンバランスができますので、ただいま経済安定本部ともいろいろ相談しまして、綿以外の割当の工場に対しましてできるだけ操業率を同じにするように、今回だけは何とか追加供給量を出してもらうようにただいまお願いしております。これは確実にできるか、できないかということもまだ保障できないのでありまして、とにかく操業のバランスをとるというような氣持でただいま進んでおります。
#18
○今村(長)委員 ただいま製品課長の方から御答弁がありました。私どもはリンク方式につきまして、製品課長といろいろ協議をしたこともありますので、それで大体のことは、承知いたしておるのでありますが、いろいろな事情によりまして、遺憾ながら七・九もリンク制による割当方式で進んで行くということであれば、この機会に一点だけ、これはもう答弁をいただかなくてもけつこうです。だからよくきもに銘じていただきたいのは、四・六の割当の基準になりましたリンク制というものは正確なものであつたどうか。ほかの分子と分母に大きな隘路があつたということはよく御檢討をいただきたい。非常にこちらもつらいのです。從いまして七・九の割当が、事情やむを得ず、從来通り、司令部のメモランダムのごとく、依然としてリンク成績を対象としての割当を行うということであれば、三月二十日に締め切つた最近の、きわめて正しい資料によつてお取扱いを願いたい。從来の誤つたそういうふうな参考資料に対して、最近の正しい参考資料を加味して行うことについて、私どもは非常にこれに対して反対を唱えなければならないと思うのであります。と申しますのは、一應四半期の分母に、私は非常な正確なものでなかつた点があつたように想像するのであります。これは民主主義で、私が想像するのはかつてであります。しかし幸いさようなことはなかろうとかたく信じております。ないとかたく信じておることが世の中にときどき現われて來るので、これが世の中の七ふしぎとなるのであります。從つてそういう点をよく御賢察にならないと、悔いを千歳に残すことに相なろうと思うのであります。もしあやまてる方式を依然として踏襲するということであれば、私どもは敢然として立つて戰わざるを得ない。しかしそれは間違いであやまちないことをかたく信じております。かたく信じておりますだけに、念には念を入れろということがありますから、よく御注意を願つて、それを正しいリンク方式による割当の公平なる基準によつて行つていただいて、しかる後自主的な企業の合理化が出現いたしましたあかつきは、設備による割当方式というふうに私は了承をいたします。從いましてこれらの点については、再答弁の必要はありません。大体以上をもつて私の質問を終りたいと思います。なかなか理論闘争しておりますれば、幾日たつても盡きないことになりますので、大体この辺で私の質問は打ち切りたいと思います。
#19
○門脇委員 繊維問題につきまして、最後に一言通産大臣に要望いたしておきます。先刻高木委員から人造繊維の統制解除を、至急に敢行せられんことの要望があつたのに対しまして、通産大臣はきわめて抽象的な答弁をされたのでありますが、昨日繊維局長から、繊維局長個人の見通しでありまするが、人絹は統制解除いたしたいが、大体その準備期間が年内一ぱいくらいかかるだろう、こういつたようなお話があつたのであります。それに対して高木委員は、もつとこの統制解除の時期を促進する意味において、先刻の発言があつたと私に考えます。現状を見まするに、人絹のごときはすでに價格の点におきまして、普通の取引相場がマル公をはるかに下まわつております。政府で発行されておるところのチケットは全部これを辞退して引受け手がない、こういうような現状になつております。そういう現状になつた製品を、なお統制せられるということの必要はどこにあるかということを考えますと、そこにわれわれは非常な矛盾を感ずるのであります。大体統制を解除いたしまする場合に、こいねがわくは幾らかでもまだうまみのあるときに、一歩でも半歩でも先んじて統制を解除せられると、その解除の善後処置というものに非常に都合よく運ぶのであります。ところがどんづまりになつてチケットの引受け手もない、價格もはるかに下まわつて、その損失に対する責任の所在がどうなるかというような問題が起つてから、統制を解除されるということのために、善後処置というものがきわめて不結果に終ります。こういうような意味から、現在そういうことに直面しておりますところの人絹なりまた麻製品関係、また将來予想されるところのスフ関係、こういうものにつきましては、きわめてあざやかな手ぎわを打つ、こういう処置において相当促進しい統制解除されんことを、特に通産大臣に要望いたしておきます。なお先ほど今村委員から御発言がありましたうち、段階規制の問題で、生産者が直接に小賣業者の荷受團体に物を販賣するようにといつた要望があつたのでありますが、これは正しい意見であると私は感じます。どうして正しいとかいうことにつきまして、その理由を申し上げますると時間を要しまするので、次の機会に讓りたいと思いまするが、ぜひこれに眞劍に考慮されて、生産者から直接に小賣業者の共同荷受け機関へ、物が販賣できるというところの機構を急速に実施されるように、特にこの点要望いたしておきます。以上二点で終ります。
#20
○稻垣國務大臣 門脇委員の第一点の問題は、さつき高木委員にお答えいたしましたようなわけでありますが、御指摘のように、一体すべてのものにつきまして統制をはずすというときには、大体需要が八〇%になつたとかあるいは九〇%になつた、そういうようなときに進んではずすことが、これを実際に一〇〇%にしあるいは一二〇%にするより、より効果的な方法である。こういう点について私は御同感であります。こういう考え方ですべてやつて行きたい。また現にやるように工作をいたしておるのであります。ただわれわれがこれをはずすということで、即時手続きが済むというものでございますると、非常にけつこうなんでありますが、御承知の通りいろいろ制約されている点もありまするので、時期をいつにするか。先ほどのお話だと、繊維局長は今年一ぱいかかるだろうとお答え申し上げたということでありますが、これは今年一ぱいということを目標としたということではなくて、できるだけ早い機会において、そういつたような手段をとりたいということをおそらく申し上げたのだが、しかしそれでやはり今年一ぱいかかるのではないだろうか、こういうことを申し上げたのだろうと思います。できるだけ早い機会において、お話のようにうまみのある間において、これを廃して行ということを心がけております次第であります。まつたく御同感であります。なお第二段の点で、先ほど今村さんのお話になつた点は、これは段階的な二段構えのお話、私非常に十分の興味を持つて拜聴いたしたようなわけであります。この点もよく檢討いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#21
○神田委員長代理 次にお諮りいたしたいと思います。貿易に関する調査を行う前に通産省の出先機関であります分室の件につきまして、大臣が参つておりますので、議題に供したいと思いますが、実は昨日は広報に載つておつたのを、今日はミス・プリントで落ちておりますので、一應お諮りいたしまして、御異議がなければ分室の件について調査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○神田委員長代理 御異議なしと認めます。それではさようはからいます。門脇君
#23
○門脇委員 從來ありました商工省地方局の各縣の出張所、これが行政整理あるいは各省の設置法等に関連いたしまして、去る第五國会の最終の御決定としましては、地方局の分室としてこれが適当に存置されるということに、御決定になつたように私記憶しているのであります。その後地方局の分室の問題が全國各地、地方側の強烈なる要望、また行整整理の関係あるいは商工行政の滲透。こういつたようなあらゆる関係がデリケートに作用しまして、相当この問題が現在中央、地方ともに関心を持たれておるということは、私が喋々いたすまでもありません。つきましてはこの問題の最近の情勢並びに今後の見通しにつきまして、特に通産大臣から御忌憚のないところを伺いたいと存じます。
#24
○稻垣國務大臣 分室の問題についての御質問でありますが、この問題を今月中に何らか処理いたさなければならないので、いろいろそれぞれの意見をとりまとめておるようなわけでありまして、実はきようこれが議題になりますことも、ある意味からいうとそういう進行のためにどうかという点も、実は私懸念しておるのであります。こういうような二つの事実がある。地方自治体では地方自治体へこの権限を讓つてもらいたい。こういう御要望は依然として從來のままであります。それからなお一面におきまして、この前の設置法のときの経緯から申しますと、分室を必要な場所に置く、こういうことでいたしたのでありますが、この必要な場所に置くということは、甲の地は非常にこれによつて利益をするが、乙の地域は非常に迷惑をこうむる、こういう非常な不公平な事柄が起つて來ると思うのであります。そういう意味におきましてオール・オア・ナッシングに、そのまま残るか、あるいは全然これを廃止してしまうか、こういうよりほかはないではないか、こういう考え方を持つております。それから一面出張所が地方にあるということは、いわゆる自給調整法によりまして、統制物資がある。その統制物資に対する事務を各出張所でいたしておるのでありまして、これについては関係筋が直接に仕事を通産省で見なければいけない。地方自治体へ讓ることについて難色がある。そういうような事実がそれぞれあるのであります。そこで直接に見なければいけないという点と、それから先ほども申しました甲が利益し、乙が不利益をこうむるといつたようなことがないような立場に置かなければ相ならぬということと、そうじて地方自治体がこれをぜひまわせということを要求せられておるという点、この三つの点をどのようにして調節するかということが、今通産省として非常に悩んでおる点であります。これは近くこの三つの利害を調節し得るような方法を考究いたしたいと考えておるのでありまして、目下まだどういうことに相なるか結論には参つておらないのであります。この程度だけしか申し上げられないと思います。
#25
○門脇委員 まだ最終の決定に至つてはおらぬという御答弁でありまして、御事情お察し申し上げますが、先ほどもお話がありましたように必要事項がある。そういつたようなわけで少くともある地区にはこれを設置しなければならぬというような結論になりました場合に、その設置される地区と設置されない地区ということにつきましては、その地方人のこうむる便利、不便利に非常に差別がつきます。先ほどもお話がありましたように商工行政滲透のために、ぜひ設置をする必要がある、こういつた結果に相なりました場合には、その機構の大小を問わず、全國各地方一律にこれを設置されるように、またもし行政整備の趣旨を尊重して、最大限にこれを地方に委讓して設置しないということになれば、もうこれは一律に設置されぬように、いずれになりましても、地方民の受ける立場は公平になるような結果に、御努力あらんことを切望いたします。
#26
○稻垣國務大臣 先ほど申し上げましたようにいわゆるオール・オア・ナッシングというような考え方でなければ、実際問題として非常に御迷惑をこうむる方面が多いのではないか、かように考えておりまして、できるだけそういう趣旨に沿つて処置いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
#27
○神田委員長代理 次に貿易に関する調査に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○神田委員長代理 御異議なしと認めます。それではさようとりはからいます。川上君。
#29
○川上委員 繊維の問題、それからそのほかの問題でもここでまとめていろいろ御質問したいと思つていることがたくさんありますので、いろいろ小さい事項については通産大臣以外の当局の方から御答弁を願つてもいいと思います。通産大臣に特にお聞きしたい点を二、三だけ先に質問さしてもらいたい。
 まず第一番の問題は貿易に関係するのでありますが、見返り資金の問題であります。これは日本の産業の復興に対しては唯一の産業資金の元であつて、またこれが今の政府の計画なさつている基本になつておりますが、一向にこれが出まわつて來ない。新聞なんか見ますと、いろいろ政府の方でもこれの使途について御計画があるのでありますが、実現して來ない。これはいつごろ実際に動くようになる見込みがあるのであるか。それから新聞なんかに傳えているところでは、三百億ないし三百五十億が産業資金にまわるであろうというようなことが出ている。ああいうような形が実際の政府のお考えであるかどうか。なおつけ加えて臨時國会の時分にいろいろ御答弁を承つた。あれ以來この活用の内容が動いているのか動いておらないのか。こういう点について実際の状態をお聞かせ願いたい。
#30
○稻垣國務大臣 ただいまの川上さんの御質問は見返り資金のその後の経緯についての話をしろというお話だと思います。御承知のように見返り資金は、あの当時七千百五十億をいうことが想定されておつたのでありますが、その後アメリカにおけるイロアなりガリオア資金のいろいろな関係で、一應千四百億と想定されております。そこでその千四百億をどのように使うかということでありますが、この千四百億は今あるわけでもなし、一度に今來るわけでもありません。要するにガリオアなりイロアで輸入された都度、貿易会計へ拂い込まれる。これがこの見返り資金に振りかわつて行くという形でありまして、第一・四半期、第二・四半期を合せて大体五百億、あとの残りが第三、第四・四半期、大体大内駅をするとそういうことに相なるだろうと存ずるのであります。そこでこのうちで千四百億の大体のわくの見当は、あのときの予算の面におきましても、運輸並びに逓信関係の起債に應する貨付、この問題の二百七十億がきまつていることは御承知の通りであります。それから六百二十四億の復金債の償還も大体きまつているわけであります。そうすると残りが五百五億何千万円かになるわけであります。それをどういうふうに使うかということですが、政府として目下想定しておりまするのに、大体百億見当を失業対策の費用としてとりたい。この百億を失業対策関係の仕事に入れるか、あるいは産業資金に入れるかということであいまいな点もありますけれども、失業対策の中へ入れる場合に、もう二十億円ふやすかもしれぬので、大体百億円ないし二十億円と御承知願いたいのであります。その残りを産業資金にまわすということでありまして、一應の草案ができ上ります。御承知のように見返り金の向うのエイド資金によつてできるものでありますので、関係筋との間にそれが使途について目下折衝を続けているというのが現状であります。しからば産業資金の内訳どういうふうになつているかと申しますと、これは新聞などに出ているので、大体御承知であろうと思いますが、基礎産業たる石炭につきましては大体八十七億円見当、それから電源開発いわゆる電力関係のものについて百四十五億円、鉄鉱関係に四十億円、船舶関係に七十億円、その他肥料でありますとか、あるいは農水産方面の問題、あるいは鉄道電化の問題、そういうようなものが残りを占めているというように御承知を願いたいと思うのであります。そうして実際に金が流れませんでも、決定するということが自然見返り資金を見返りとして必要融資ができるということになるのでありまするから、できるだけ早くこれを決定することは、現下の産業方面の金詰まりを打開し、また今日の産業上の窮境を打開して行く上においても非常に必要なのでありまして、一日も早くこれがOKを得ることに努力いたしておるような次第であります。大分その工作も進行しておりますので、遠からず決定を見ることであろうと存じておる次第であります。
#31
○川上委員 ただいま御答弁を承つたのでありますが、新聞などにいろいろなことがいろいろに出て來る。たとえばごく最近の新聞で見ると、復金債の償還は一億延期して、これをほかに使おうじやないかという考え方があるということも出ている。それから失業対策に百億円使うということはなかなか困難である、とても実現しそうにないじやないかということも出ている。それからいつごろこれが決定するのか、なかなかわかりそうもないというような話もある。もう七月でありますが、八月、九月、十月と今の日本の産業は苦境な状態になつて來る。臨時國会以来これが日本の産業再開の基礎になつているのでありますが、一向目鼻がついておらぬ。そこで大臣の方では、いつごろ目鼻がつくという予定でありますか、この予定はまるきりありませんか、それから今までの新聞などに出たところの、今も大臣が言われた数字などは、政府の方はおよそこの通りであろうというお考えでありましようが、これは相当変更されると思う。もちろん鉄道あるいは通信、この建設の方面はきまつておるとよく言われるのでありますが、われわれがはたから見たところに、その他が少しも固まつておらぬ。実は政府のお考えも動揺しておるといろいろに言われている。もう少しほかの言葉で言えば、これを種にしてあらゆる形のものがどんどん出て行つた。國民から言うと、つかんでいいような、つかまないでいいような、頼つていいような、頼ることのできないような、しかもこれで、非常に幻想をふりまいて一時をひつぱつて行くというかつこうにとれる。そこでもう少し実際のお考えをはつきりさせていただきたいというのが、この質問の第一の要旨であります。しかじか努力をしておるというのがいつでも政府の御答弁ですが、それではどうも雲をつかむようでさつぱりわからない。
#32
○稻垣國務大臣 これは川上さんのおつしやるように、新聞ではいろいろなことが報ぜられておるのです。たとえば六百二十四億の復金債の償還はやめようじやないか、言いかえればドツジ・ラインの修正をする方が今月の時勢では適当なのではないかというのでありますが、これはしかし新聞の一部の人の希望意見、あるいは一部の人の、一体ドツジ・ラインが行き過ぎて産業まで梗塞を生じたのではいかぬのではないか、この際ドツジ・ラインをゆるめてはどうかという希望的意見が、さもあれはやめるのだというように書かれているのではないか。あるいは産業資金も政府直接これをやるのではなくて、銀行を通じてやるのだというようないろいろなうわさが出ているのではないかと思うのであります。しかし私が先ほど御説明した範囲に進行をいたしております。また六百二十五億の復金債の償還もとりやめて産業資金にまわせというのも、復金債は大部分日本銀行にあるのでありますから、あれで日本銀行の復金債を償還する。日本銀行はその金をもつて一般市中銀行の國債を買い入れる。そうして國債を買い入れる場合のひもつきにいたしますならば、六百二十五億円も産業設備資金として動かすことができる、こういう考え方を持つておるのを混同しておるのだと思うのであります。うわさはいろいろ飛んでおります。ただ川上さんのお話のように、これは一日も早く決定することが必要であるのでありますが、われわれの方の考え方はまとまつてその通りに進行しておるけれども、ただ関係筋との折衝が今日残つている、こういうように御了承願いたいのであります。しかしながら、これも一日も早くその了承を得ることにいたしませんと、通産省の立場といたしましてはますます重大でありますので、われわれとしては一日も早くこれが促進されるように努力いたしておるのであります。
#33
○川上委員 御答弁の意味はよくわかるのでありますが、もはや七月、八月になる。見返り資金の問題が決定したのは臨時國会の時分でありまして、今年の第一・四半期が済んでしまつて第二・四中期がもうどんどん進行しておる。早く早くと言うてもこれはおかしいと思うのです。政府の方の腹はきましているが、関係筋との方がきまらぬという。これはどういうことなんですか。実にこういうぐあいになる時分に、最初におよその見当はついておつたはずなんで、これが半年も一年もきまらずにぐずぐずするというのは、産業省もお困りになるだろうし、これでは日本の産業は因つてしまうと思う。これは非常に重大な問題だと思うのですが、いつごろまでにはどうしてもきめなければならぬという御計画がありますか。とにかく努力をしておるのだがなかなかきまらぬのだ。一年でもしかたがないというようなお考えなのか。そこは一体どうなのか。
#34
○稻垣國務大臣 これはどうも川上さんにも似合わないことで、一年もほうつておかれたら私は皆さんにさようならをしなければならぬと思います。一年もほうつておくとか、あるいは中年もほうつておくとかいう意味はないので、先ほど申し上げましたように、通産省といたしましては一日も早く、一分でも、これはあすにもきめてもらいたいと考えておるのでありますけれども、しかしながら何時にこのエイド資金の性質そのものから言つて、われわれがかつてにきめてはいけない点もありますことを御了承願いたい。これはほんとうに遠からぬうちに決定せられるべきものであると思いますし、また決定さすようにわれわれとしても特別なる促進策をやらなければならぬ、かように考えておることを御了承願いたいと思います。
#35
○川上委員 その問題は商工大臣の腹の中も推測して、これ以上質問いたしません。政府の方もいろいろお困りになつておるのだろうと思います。
 第二に、輸出の滯貨の問題をちよつとお聞きしたいのですが、この数字その他についてはあとで事務当局の方から詳しくお聞きしたいと思いますから、これはあとに残しますが、一般の情勢だけについて商工大臣にお聞きしたい。非常にたくさんの滯貨ができて、臨時國会のときに政府がお考えになりましたような貿易計画はできそうにないと思われます。それでどういうようなぐあいに滯貨ができておるかという――数字的なことはけつこうです。あとでよろしゆうございますが、そうでなしに、今まで政府が立てて來られ、またに臨時國会でわれわれが承つておるあの方式を遂行できる御予定でおりますか。変更せなければとてもあれはできないとお思いになりますか。それは金額、方式その他全体について、産業省の方の腹をひとつお聞きしたいのであります。それに伴うてついでにこういうことも聞きたいのですが、この輸出滯貨の問題、輸出不振の問題についてはいろいろな理由があり、原因がある。これは政府の方でも十分お調べになつておると思うのでありますが、そのうちで特にお聞きしたいことは、資本主義圏が恐慌の段階に入つたことは、これはもう明らかだと思うのです。これを恐慌という言葉で言うか、不景気という言葉で言うか、物價下落という言葉で言うかは別といたしまして、とにもかくにも消費市場が非常に狭まつたということは明らかである、しかもこれは戰争以前の状態と戰争後の状態と比べてみましても、資本主義の消費圏というものは戰争後には非常に狭まつておることは事実なのです。ことに東洋における日本の輸出先が非常に挟まつておる。こういうような形において、今まで立てて來られました貿易方式、特に東洋市場を足としてのドル建貿易というものが、今後スムースに進展するものとお考えになつておりますか。これははなはだ困難になつて來たというお考えでありましようか。この点をお開きいたしたい。それにつけて、もし困難であるということになつてスムースに行くんだというならこれは別問題ですが、なかなか困難な状態になつて來たというのでありますならば、從來の貿易計画について変更の意思がありますか、ありませんか。從來の貿易計画を必ず遂行するという御決心でありますか。またそれが可能であるというお考えでありますかどうですか。それにつけて一緒に聞きますが、これがくずれまして変更されるということになると、現内閣の全産業政策、日本復興計画は全部かわる。またかわらなければならぬようにくずれてしまつて來ていると思うのです。そこでこの日本の復興政策というものを変更になるような意思がありますか、ありませんか。臨時國会の時分に承りましたあのライン、あれは嚴として堅持して、必ず遂行できるという確信のもとにやつておられますかどうでありますか。この点をお聞きいたしたい。
#36
○稻垣國務大臣 この問題に貿易のことで、相手國があることでありますから、私がここでできますと申し上げても、これはいろいろな情勢の変化によつてかわり得ることがあろうと思うのであります。あの当時申し上げました要するに大体あの当時にきめた五億ドルの輸出、こういつた線の問題を守れるか守れぬかというような御質問といたしまして、これに対する考え方を申し上げてみたいと思うのであります。これはなるほど貿易の不振がこの五月に入りまして見えて來た。大体一月の輸出が一億一千万ドルありました。これはレートが設定されたことを氣構えて特に多かつたわけでありますが、一億二千万ドルあつた。二、三、四が大体四千万ドルを越した線になつたということに相なつております。ところが五月に入つてこれが俄然減りまして二千四百万ドル何がし、大体二千五百万ドルぐらいの程度に下落した。ここに貿易不振の声が俄然起つて來た、こういうことであります。六月は回復いたしまして、大体四千万ドルの線にまたもどつて参つております。そういう状態であります。五月が特別に低かつたということで、そういう問題が起つて來たと思うのであります。しからばどうしてそういう問題が起きて來たか。今それについての御解釈に、川上さんは資本主義國家の不景気とおつしやいましたか、あるいは恐慌とおつしやいましたか、そういつた言葉でこれを表わされたけでありますが、もちろんアメリカにおけるところの物價の下落がそれに影響いたしておるということも一つの原因であります。しかしながらこれも、非常な恐慌をもたらしているのだという見方がはたして正しいかどうかということについては、私は必ずしも川上さんと意見が一致していないのであります。それに大体昨年の十月は、アメリカにおける最高のピークであります。そのピークに比べて非常に下つているのだ。こういう説が唱えられておるのでありまするけれども、しかしながら戰前の数字に比べますると、なお非常な高い数字を保持いたしております、あるいは鉄鋼が非常に景氣が悪くて八五%の操業率しかない。こういつたことを言われるのでありますけれども、戰前のアメリカの鉄鋼業というものは、これはよく言われたところでありますが、大体七〇%を保持しておつて、鉄鋼業が相当の殷賑をきわめておるという時代のときが七〇%であつたのであります。今日はなお八五%を維持しておるのでありまして、必ずしも鉄鋼業が非常に悪いということではないと私は思うのであります。それからまた一般に繊維工業は非常に下火でありまするけれども、しかしながらほかの自動車工業でありますとか、あるいは機会工業はなお今日從來よりも上昇率を示しておる。こういう実態でありまして、アメリカ自身の実態というものは、必ずしもいわゆる恐慌であるとか、非常なるところの不景氣が招來したのだという状態ではなくて、一時的に昨年の十月の非常なピークが、今日下つておるのだという事態であるというように私は考えております。この点は多少川上さんのお考え方と私は違つておるのであります。しかしながらいずれにいたしましても、アメリカに一時的にも下落が來た。これが一つの原因をなしたことに事実であります。
 それから第二段としては、よく言われまするところのドル対ポンドの関係、いわゆるポンドの切下げ説が唱えられる。あるいはポンド地域において、ドルの不足からできるだけドルの地域の物は買い控えをするといつた問題が起つておるということも事実であり、それが影響したということも事実であります。なお一番大きく影響したことに、おそらくはキャンセルされたという問題――キャンセルが一度に非常に高まつて起つて來たということが、私は日本の貿易業者の上に非常に大きな心理的影響を與えておる、かように考えておるのであります。しかしながらこのキャンセルはこれまた考えてみますると、終戰以來二、三年の間、管理貿易下におきまして、ある意味から言うとその半分は業者の方に罪がある。半分に業者の方に罪があるということはどういうことであるかと申しますと、当時來たバイヤーが――それがいかなるハイヤーであろうとも、これにへばりついて行つた。同じバイヤーにへばりついて競合して行つた。バイヤーの方も、当時アメリカが上昇程度にあつたのだから、何でも買い込んで行つた。そういつたような点、当時長い間の経験を持つところの貿易業者は、あんな羽二重を賈つて日本はキヤンセルされないであろうか。あるいは何かの事態が起きはしないかということは、当時すでに言つておつたのであります。言つておつたにもかかわらず、終戰後のでき合いの貿易業者――でき合いの貿易業者というのは非常に悪い言葉でありますけれども、経験を持つていない貿易業者もたくさんおりました。そういうものを通じた取引がキャンセルされたということは、一面において日本の当時の情勢のしからしめたところもありますけれども、また業者自身についても、十分市場に対する檢討がつかなかつたということが言われるとと思うのであります。そういう事情からしてキヤンセルが起つた。あるいは品物についてもいろいろなクレームが起こるような原因がたくさんあつた。ということのためにキヤンセルが引続いて起こつた。こういつたような諸種の問題が原因に相なりまして、いわゆる貿易不振の一つの因をなした。たまたまそれがために二千五百万ドルに下つた、こういうことであります。しかしながらこれが何らかの打開の方法といたしましては、御承知のようにいわゆる外貨保留システムを採用いたしまして、從來賈つた品物に対して一定の率の外貨を保留する。これによつて從來言われておりましたところのいわゆるめくら貿易、あるいはつんぼさじきにおる、こういつたような非難を取りにけ、日本人自身が市場をほんとうに檢討することができるようになると思うのであります。すでにこの制度を利用して、シヤムあたりには人を出すような計画にも相なつておりますし、この外貨保留制度が実際に行われますと、年に二千万ドルの外貨が保留されることになります。年に二千万ドルの外貨が保留されると仮定いたしますと、一月に五、六百人の日本の人が海外へ出ておることができる、こういう計算になると私は思うのであります。だから五、六百人の日本人が海外へ出ておることができるということは、言いかえれば海外に目もあり耳もありすることができるのだ、こういうことでありまして、日本の貿易にとつて從來よりはよほど有利のなるだろうということが想像されるのであります。なおドル不足を打開する意味からしまして、できるだけ貿易協定を促進して行く。御承知のように中南米へ派遣されておりました調査團も最近に帰つて参られまして、中南米における各國との間に貿易の協定が――金額協定、あるいは交易すべきところの品物に対するものを決定するといつたような貿易協定もでき上り、今までできておりませんでしたフィンランドあるいは西ドイツとの間の貿易協定もできて来る、こういうことでこの方面の問題を少しでも促進して行くことができると思うのであります。なおキヤンセルされたことによつて心理的に非常に貿易生産意欲と言いますか、そういつたものを阻害しておる面に対する方策といたしましては、業者の相互保險といつたような形で、輸出信用保証制度といつたようなものをつくつたらどうだろうということを今研究いたしております。これはどうせ國会で御協賛を得なければなりませんから、すぐできるかどうかわかりませんけれども、そういうようなことについて今檢討いたしておるような次第であります。なお近く英國との間に、ポンド・スターリング・ブロツクとの間の貿易協定についても話合いが進められ、この場合に英國としてはドル資金をできるだけ拂わないために、日本からの輸入についてある種の制限的な提案があり得ると存ずるのでありますが、これにつきましても、できるだけポンドをドルに振りかえる機関をなくするとか、あるいはその他のいろいろな方策によつてこの間の処理をいたして行くようにしたいと考えておるのであります。
 なお川上さんからこの前の國会のときにも御質問があつたと思うのでありますが、中共の貿易の問題にも、ついてに言及いたしたいと存ずるのでありますが、中共の貿易につきましては、もとより日本は目下占領下にあり、管理下にあるのでありますから、中共との間の正式貿易ということにつきましては、どこまでも関係筋のポリシーに沿うて行かざるを得ないのでありますけれども、実際問題としましては、従来香港あるいは澳門のバイヤーを通じておつたところの取引だけでなく、直接に北支方面からの取引があり、そうしてまたそれについても実際の取引が実際上は行われておることに相なつておりますので、この方面のものについても相当期待されるのではないか、かようにわれわれは考えておるのであります。ただ問題は、たとえば五月の二千五百万ドルが六月には四千万ドルに上つたというのですが、ここで繊維が依然として不振だ。従来日本の輸出の大宗というものが繊維であつた。しかるにそれが不振だということが大きく響いていると私は思うのでありますけれども、しかしながら他の品物まで非常な不振だ、こういうことでもないのでありまして、今後の日本の貿易の品種の構成に繊維の占めるパーセンテージというものは、今後とも各東南洋方面における紡績業に確立、あるいはアメリカにおける化学繊維の進歩、こういつたものと比べ合せまして、今後を多く期待できないのである。しかるにもかかわらず、それを非常に多く期待しておるということのために、なお精神的な大きな影響を與えておるという面も私はあると思うのであります。そういうことをかれこれ考え合せまして、われわれといたしましてはこの前の五億ドルという予定の遂行に邁進して行きたい、かように考えておる次第であります。
#37
○川上委員 キヤンセルの問題、クレームの問題も非常に重要な問題でありますが、しかし問題の中心は、こういうような解約があつたから、この額は全体に比べれば重大問題でありますけれども、全体を根本的に左右するほどの問題ではない。そうではなくて、すべての面にわたつて輸出が困難になつているということは、具体的に言わないでもこれは明らかだと思う。そこでこれは技術的な問題ではないとわれわれは考えておるのでありますが、貿易全体の問題であつて、今までお立てになつた貿易計画というものが遂行できない段階に入つて来た。こういう考えを持つておる。それだから一時的なキヤンセルの問題とかあるいは技術的な單なる金融の問題とかいうものではないと私は見ているのでありますが、通産大臣のお考えはそうではないようなお考えである。この点については、私は議論しても始まらぬと思いますから申しませんが、それにつけてさらにお尋ねしたい点は、今御答弁もありましたが、たとえば輸入物資そのものも滞貨しつつある。引取り手がない。それから輸入物資の代金の未拂いがだんだんたまつておる。それから輸出物資の方の滞貨は、これは言うまでもない状態にあると思うのであります。そういう状態でありますから、全体の産業計画が貿易中心の計画になつておつて、商工省を通商産業省にお切りかえになつたのも、その線を保持するために切りかえられてある。何しろ貿易問題というものが頭を突くことになれば、日本の産業の計画はかわらざるを得ない。その結果として石炭が非常に滞貨になつておる。九月には五百万トン以上の滞貨ができるであろうということはだれも言つていることである。これを一体どうして解決するか。一つの問題は、見返り資金の案さえまだ片づかない。努力はしておると言われるのでありますけれども、努力の成果が出ない。いつごろこれができるかわからない。一方において物は滞貨しておる。たとえば石炭のごときも今言います通りにどんどんとたまつておる、こういうような状態になつております時分に、政府の方としてはこれをどういう形で――努力するだけではわかりませんので、これはこう片づける、これはこういうぐあいになつて片づくのである、石炭の滞貨のごときはこうなる、貿易の問題はこうなるのだという、もう少し具体的な御答弁をお願いしたい。この石炭單價の問題につきましても、きのう政務次官の御答弁を得たのでありますが、さつぱりになつておらぬ。今日政務次官がおられませんから、(「おりますよ」と呼ぶ者あり、笑声)それはどういうわけか。石炭炭鉱の問題について質問をいたしましたのに対して、政務次官なんかはそれはそういうことを質問するのも配炭公團を置くのか置かぬのか、これで問題が違うて来るのだ、こういう御答弁だ。われわれはこんなことを質問しているのじやない。配炭公團を置くのも置かぬのも政府の政策なんだ。政府の考えなんだ。これを解決するために配炭公團を廃止するなり、あるいは存続さすなり、それは政府の方でお考えになることだ。廃止するかせぬかで結論が違うのだというような御答弁はなつておらぬ。大体考え方が違うと思う。石炭の代價の問題がいかにして解決される見通しがありますか。この質問に答えない。だから答弁がなつておらぬ。これを一緒にあわせて私は商工大臣から聞きたい。輸入物資さえも滯貨しておるけれども、この代金さえも拂いが滯つている。かような状態でありますから、資金の行き詰まりはこれはもう言うまでもありません。全國的なたいへんな事件である。中小企業はなんともかつこうがつきません。この形で行くならばことしの秋から冬にかけていかなる産業形態の状態が起るかということは、当局の方が最もよく御承知になつていることだと思う。この際に何とかつかぬと思う。たとえば一年もそのような状態で行きますならば、日本の全産業は崩壊の危機に瀕することはきわめて明らかである。これはあるいは税金にも関係する。五千五百億の税収なんかできやしない。こうしてみると全予算の遂行がおかしくなつて来る。これがおかしくなつて来ますと、吉田内閣が考えられた全体の日本の計画というものがことごとく齟齬して来るわけだ。このもとが貿易問題にあるわけなんです。これは決して心配ないという、こういう了解ができるような御答弁には、商工大臣の御答弁も触れておらぬと思いますので、この全体の見通しをつけて滯貨の問題、金詰まりの問題、中小企業が崩壊しつつある問題、これについてはこういう形の方法で今までの政策が必ず遂行できるのだということを、ひとつ具体的に御答弁をお願いしたい。今までの御答弁では何か雲をつかむようで、名答ではありますが了承がさつぱりできない。
#38
○稻垣國務大臣 どうも大分川上さんからおしかりをこうむつた形になりますが、しかし川上さんのお話の通りに、たとえば石炭におきましても、これはこの前のときに川上さんも言つたが、四千三百万トンをお前できるか。できぬじやないかというおしかりをこうむつたのですが、私はそのときには必ずできますと、こうお返事をしたはずだつた。そのようになつて来たので実は困るということになる。それからまた鉄鋼でも当時百八十万トン、これもどうもどうだというようなお話もあつた。これもその通りなつて来た。そこで生産計画というものが今日においてはある意味において遂行されたということに非常に大きな問題が起つて来た。こういうことであると思う。また一方為替レートが一本レートになつた。この一本レートになつたために日本における価格というものが非常なでこぼこが現われて来た。これはお認めになる通りである。実際に國際市價に直結したために、あるものはむしろ國際市價より日本の市價が非常に安い。しかしまたあるものは非常に高過ぎる、こういつたようなでこぼこができて来たこともこれは事実であります。そこで價格面においても一つの修正が加えられなければならぬ段階になつていることも事実であります。そういう一連の事実と、それからまた一連の事実といたしまして非常な金詰まりが起つておる、こういう事実の影響を考え合せまして、今日われわれがとるべき対策はできるだけ早く金融の道をつける、金詰まりの道を打開する、こういうことが最も必要なことであることは言うまでもないのであります。それと同時にこの行き詰まりを打開する一つの方法としては、できるだけいわゆる統制のわくをはずして行く。できるだけ自由経済の域に入つて行く。もつともこれはどうしてもはずすことのできない面もあります。これはもちろんありますが、その必要なる面のものをのけては、他のものを一切この際野放しにして行く、こういうような形と、それからそのときに際しては、できるだけ金融の道を講ずるという二つの政策を遂行することがどうしても必要であろう、かように考えております。そういう面についてわれわれは今考究し、そして金の面については今からでも一日も早く――なぜお前日にちがはつきり言えないかとおしかりをこうむりましたけれども、先ほどもお答えしたように、見返り資金についてはできるだけ早くやらなければいかぬということを私は考えております。そればかりでなく一般の融資につきましても日本銀行の御承知の委員会を督促いたしまして、市中銀行に対する操作をせしめるという面を強めて行く必要があると私は考えております。この二つの面から、今の行き詰まりになつておる産業界の打開を画策して行くということが、根本的に私は必要であろうと考えまして、そういう面に努力いたしております。これはひいては貿易に対する振興と合せてやつて行くならば、これでおのずから御心配になつている経済界の崩壊というような点を避け得られるのではないかと考えております。個々の例を言えとおつしやいますから、例として石炭の貯炭を――それじやお前どうするのだというお話にぶつかつて来られるだろうと思うのであります。この石炭の貯炭は、当時貯炭ができるどころではない。四千二百万トンが遂行できないというおしかりをこうむつておつたのでありますが、これは実際できた。そこでこの貯炭につきましても、むろんこれが新しい境地を開いて行くということも考えられるのでありますが、根本は何と申しましてもいわゆる各種の方面の産業が、金詰まりのために引取ることを躊躇しておる。たとえば今日貨車でとるものをほんのトラツク一ぱいでさしあたりの石炭を間に合しておる、こういう情勢でありますので、とにかくできるだけこの金詰まりを打開するということが、私は根本的の貯炭整理対策の第一段だと考えておるのであります。と同時に先ほど政務次官が申し上げました配炭公團を廃止するということは、何も貯炭の方法にならぬとおつしやいますが、しかしながらこれは日本が販賣組織が全然捨てられてしまつたということである。いわゆる石炭の小賣業者は実際に門口へ行つて、そうしてほんとうにそこの旦那様のぞうりまでそろえてやつたというような、そういう販賣組織があつたが、こういう組織がぶちこわれているということは、石炭の賣れ行きについても考究さるべき面がたくさんあるということを、私は一面に示しておるのだと考えております。そういつた面において政務次官がお答えした配炭公團の廃止ということは、石炭貯炭に対しても大きな働きをなすと私はかたく信じておるのであります。そういつた面もあると思います。あるいは良燃炭の輸入はしておりますが、これはなるべく内地振りかえの方策を講ずる。あるいはコークス炉を拡張するという面も考えられるのであります。貯炭についての方策を考えることは、われわれ十分道はあると思いますが、ただ問題はこの貯炭をわれわれが整理するという面になりますと、私はまたここで申し上げておきますが、川上さんからおしかりをこうむる。今貯炭を放出したら、これはお前とにかくほかの鉱山の今出さねばならぬ炭を圧迫するのではないか。政府はこれを握つておけときつとおつしやるに違いないと私は思う。これは困る状況だから私はどうしても配炭公團を整理する場合におきましても、できるだけ貯炭の放出の仕方は、ほんとうに中小炭鉱に直接なる影響をしないような出し方をしなければならぬ。ある意味においては置いておかなければならぬということも考えなれるのではないかと思うのであります。これが実態であります。この面を数字だけでお考えにならないで、実際の面をお考えになつていただきたいと思うのであります。この面においては、たとえば私は、具体的の例を引けとおつしやいますから、具体的の例として石炭を持つて来たのでありますが、すべての面でこういつたことについて申し上げられると思うのであります。
#39
○川上委員 商工大臣に対する質問は一應この程度で、お考えの点が具体的ではなくても推測されますので、打切りますが、大臣の御答弁は全体の行き詰まりを、第一に金詰まりの打開、金融措置、第二にはでき得れば統制の野放し、第三の点は貿易上のテクニックに求めておられる点に、根本的な見解の相違があるということを明らかにしておきたい。この問題は金融操作の問題、統制のやりくりの問題、貿易上のテクニックの問題ではないということをわれわれは考えておる。これはさつきも申し上げました通り、全体の資本主義閣内におるところの消費市場の狹隘、これが具体的にさつきも大臣から言われました通りに、アメリカを中心とするところの物價の下落、株價の低落、それから各産業人の生産の手控え、これもやはり関連しましてイギリスにおけるところの生産並びに貿易政策の変更、ある意味において狼狽、こういうことがもとになつて、これが東洋の市場にも重大なる影響をもたらした。これが一つと、いま一つ國内市場の狹隘、厖大なる失業者が出る。中小企業が滅亡しつつある。あるいは商業は全面的に破壊されるような状態になりつつある。この國内市場の狹隘というものが、大きな問題である。これを解決せぬ限りは今申し上げましたような三つの点、テクニックの点では解りますから、一應これで打切りたいと思います。
#40
○今澄委員 簡單に一つだけ大臣にお聞きいたしますが、根本的なものは臨時國会でお伺いするとして、今の政府の政策は、当面のいろいろな状態はただいま聞いた通りでありますが、大体経済の民主化という日本に與えられた大きな課題と、経済安定という二つの課題の中で、当面の通産省のやり方は、経済の民主化は犠牲になろうとも、これが安定をはからなければならぬというふうに見えるのでありますが、この民主化と安定という問題について、ひとつ大臣の御見解を承りたい。
 もう一つの今のドツジ・ラインでありますが、輸出貿易その他諸般の状態から見て、極端なデフレをわが國の産業界に招くならば、ドツジ・ラインの緩和を関係方面に強烈に交渉して、ある程度実現を見るということの方が、今の産業の状態から見て、私どもは日本の経済からは妥当ではないかと思つておりますが、その二点についてお考えをお願いしたいと思います。
 それからもう一つは石炭について、マーカット少將と二、三度会見されておりますが、これは商工大臣でむずかしければ政務次官でよろしゆうございますから、その会見のときの実情と今後の石炭問題に関する御見解を、これもあわせてお伺いいたしたいのであります。
#41
○稻垣國務大臣 第一の御質問の民主化と安定という二つの題目、これで安定ははかつておるが、民主化については考えていないというような意味合いに受取つたのでありますが、私非常に意外のお言葉を聞くので、われわれは一体、たとえば私が今川上さんにお答えした一つの統制のわくをはずして行こうではないか、こういつたことは、私はむしろ逆にこれは民主化の線に沿うのだと考えております。またそういうような形において行かなければならぬ。実に経済の民主化の線はできるだけそういつた線に沿つた行き方をしなければならぬ。しかしながらまた同時に経済の安定もはからなければならぬ。このいわゆる両立をいかに調節するかということが、私らの苦心の存するところだと御承知願いたいと思います。
 それからドツジ・ラインの修正の問題でありますが、これはあまりこういう所で議論しない方がよろしいのではないかと考えておるのであります。今の今澄さんのような御意見も実際またあり得るのだということを、私も考えておることを申し上げましてとどめたいと思います。
 第三番目の石炭の交渉についてマーカット氏と会つた問題について話をしろ。これは私が会いましたのですから、私からお答えしておきます。この問題につきましてはいろいろ先方にも意見があり、またわれわれの方の意見も遠慮なく申し述べておるのであります。ただそういつた話が漏れますと、われわれが考えておる方向と違つた方向に往々にして参りますので、たとえば私はそういうことを言つたのでないのでありますけれども、配炭公團を廃止するのだということを私が述べた。しかも八月十日だという。私は全然記憶もないのですが、述べたということでも非常に障害を來しておるような点もありまするので、この会談の様子については、ひとつ私個人的に今澄さんとお話いたすことにして、この公開の席上で申し上げることはお許し願いたいと存ずる次第であります。
#42
○今澄委員 それでは政務次官に当面の中小企業の問題についてお願いしたいが、中小企業についていろいろ政府が御苦心なさつておることはよくわかるのであります。しかし具体的の問題として、見返り資金の中から中小企業へ何ぼか融資をするとか、あるいは預金部資金三百億の中で、大体各種の公團方面にあれこれ金が出ておるようでありますが、こういつた預金部資金、見返り資金というものは、ある程度まとめて百億なり百五十億なり中小企業の方へまわされるという考えはないですか。それからこういうようなお考えをする上の隘路、こういうようなことを聞きたいと思います。もう一つは今石炭の滯貨を新聞で見ると、火災予防のために海へ一部ほうり込んでおるようでありますが、新聞の報道がほんとうとすると、海の中にほうり込まなければならぬという事態は、これは公正妥当に考えて、きのうの宮幡さんの御答弁と今日のあれで見ると、火災予防のために海へ一部ほうり込んでおるようでありますが、新聞の報道がほんとうとすると、海の中にほうり込まなければならぬという事態は、これは公正妥当に考えて、きのうの宮幡さんの御答弁と今日のあれでみるとぴつたりしないようです。そのことは石炭の滯貨が処分されないならば、海に入れて海水である種の石炭に対する変質を與えないで、淡水湖に入れて、政府である程度の責任をもつて一年くらい保管するという方策をとつたらどうかと思うのですが、この二点を御答弁願いたい。
#43
○宮幡説明員 中小企業の問題、特に金融の問題でありますが、昨日もこの点について若干のお答えを申し上げておきましたが、本日は中小企業廰の方で認められた案ではなくして、通産省としてかく運用いたしたいという希望的な案を安本に提出いたしたもので、協議の中心になつておる問題でありますが、これは資料をお配りすることになつております。それをごらんくださいまして御検討いただきたい。特に昨日神田委員長代理から御検討がありまして、資料はなるたけこまかく出せということでありますから、その線に沿うて準備しております。これについて詳細をごらん願いたいと思います。しかしながらさしあたつての問題でありますが、大体金詰まりということを川上委員からもまた他の委員からも言われるのでありますが、金詰まりということは、りくつになつてはなはだ恐縮でありますが、どういうふうに定義されておるのかということをまず第一番に考えるのであります。金が詰まつて來たという現実はわかるのでありますが、金が詰まるそのことは何であるかと申しますと、これがいわゆる先ほどからドツジさんのラインを修正しなければならぬじやないか。いわゆるドツジ・ラインから教えられました均衡財政に並行いたしておりますところの耐乏生活によるものであります。インフレが進みます過程におきましては、御承知のように資金の需要も旺盛であります。そしてその資金を獲得いたしまして、物を生産して一回轉すれば、必ず名目的な利益でも獲得できるのであります。そうしてまた貸す方におきましては、貸してやつて物をつくらしてこれを販賈いたしますと必ずもうかるので、資金の回收も確実であります。從つてこれを融資する折にきわめて放胆に融資して参る。これがインフレの状況におきますところの融資の面でありますが、ただいまのディス・インフレーションという形から申しますと、この資金が逆に――インフレ当時には貸してくれというものに貸したくても資金がまわつて來ない。通貨の量は増発されるにかかわらず、資金の需要にこたえられないというのがインフレの状況であるのに対しまして、ディス・インフレにおいては、資金は余つておるけれども、同收の面において不確実であるというので、金融をするということに対してきわめて果敢でなくなつて來るのが、金詰まりの原因となるわけでありますから、中小企業に対しましても、たとえて申しますならば、復金債を日本銀行で持つておりますが、その復金債の引受けに関しまして、六百二十四億七千万円程度の償還をいたしまして、この資金ができます。また二百五十億も予算の面から日銀へ償還されるわけであります。これを合わせますと九億以上一千億くらいの金があります。この金は日本銀行が貸せる状態である。これは市中銀行を通じても、また旧來の特殊銀行的なものを使いましても、十分貸せるだけの元はあるのであります。しかしながら状態が貸せられないということになる。そこにいわゆる札を持たせるということが、多耐乏生活の趣旨に反するという意味から出ておる。そこで金融面を関係筋の方と折衝いたしましても、非常にこの点において難関がある。施策とかあるいは方法がないのじやないか、具体的じやないかという御説明もたくさんありますが、具体的の方法は幾らもある。しかしながら金を持たせないことが、ディス・インフレ――経済の早期安定という方向にいち早くもつて行く方法であるという観点から、ある金が貸せられない実情である。そこでこれをどうして貸して行かせるか、貸すべきであるかという実際的な解決をはかつておるので、そこに時間的なずれが相当ある。しかしこういう時間的ずれのために中小企業は倒れて行くであろうという観点から、ただいまでは昨日も御説明申し上げましたが、とりあえず中小企業に対しましては、二十五億円運轉資金のわくを設けました。これは從來よりもおよそ倍額であります。これをそれぞれの状態において貸し付ける、資金を貸せる、こういう形でただいまあつせんしてやつております。また長期資金につきましては、これも昨日申しましたが、八十億程度のもの――これは見返り資金が投資一点張りということになつております。そういう関係上、この方面はエイド・ファンドの中から出してもらおうとせつかく折衝いたしておりまして、これの資料としてお配りする表の中に明示されておるのでございます。これは獲得困難でなく、またきわめて同收の上においても安全だと確信するものでありますから、この道は開けておる。ただ預金部資金を運轉資金の方面に使うであろうということが、どういう関係か通産省の施策として考えておるように流れたのでありますが、ただいま通産省といたしましては、預金資金を流用いたそうというような考え方は持つておりません。しかしながら短期間におきましては、御承知のように財政法の改正によりまして、ただいまでは國庫の余裕金から一時予算に基づきまして流用を認められておる、操りかえ使用ができますようになつておる関係上、預金部におきまして将來一定のルートから明らかに運轉資金が注入されるであろう、その措置を待つことができない場合のつなぎ的な運轉資金としては、預金部の資金を流用したい、かように考えてせつかく交渉いたしておるのであります。預金部資金は御承知のように総額四百二十三億と推定されておりまして、そのうち二百三十三億が地方の起債に充てられまして、残りが百九十億程度であります。その百九十億程度の中でわが省の必要といたしましております最低百五十億の運轉資金、中小企業の方で安心行く運轉資金の所要量は二百億、これは、全部調達できないことは明らかであります。幸いにいたしまして、預金部の方は郵便預金の増加が比較的順調でありまして、さらにこの間の余裕があるのでありますが、預金部資金の運用というものはあくまで具体的な、将來他から補填されるのであろう、繰りかえられるであろうというものの資金に対しまするつなぎ的な融通をつけたい。なおそのほかに残つておりますものは、今度大藏省所管から郵政省の所管に移管いたしました簡易生命保險の積立金がございます。この積立金というものは保險の性質上長期にわたります蓄積、これも考え方によると二百億ないし三百億の運用は必ずしも困難ではありません。この面におきましては特別に話をいたしまして、中小企業で最も必要な、いわゆる有効資金として一般の資金から供給されない面があれば、これがために近き将來において稼働状態におもむき、また輸出振興といわず、あらゆる経済の安定に役立つであろうという企業で設備資金にという企業で設備資金に枯渇したような場合には、この面から融通を受けるような特別の手配もいたしております。たとえて申しますれば、本委員会はきわめてなごやかな委員会でありますからざつくばらんに申しますが、川上委員のお考えによりますと、何にもやつていないじやないかと言われますが、何にもやらないどころじやない。一生懸命でやつておりますが、ちようど腹の減つたときに食事をいたしますとすぐに満足いたしますが、病気になつたときに医薬をのんでも、すぐに全快しないと同じように、ドツジさんによつて下剤をのめと言われてのんだ。しかも疲労極度に達しておりまして、これから栄養をとつておもむろに回復いたしまして、経済の早期安定、早期の自立、早期國際経済への参加を達成したいと同時に、達成すべき若干の確信と申しますか、強い確信をもつてただいま大臣のおさしずに從いまして努力いたしております。特に中小企業の面につきまして申し上げますが、まじめな意味で――先ほど金詰まりの中で理論的なことを申して恐縮ですが、銀行がまじめな貸付をする。こういう方面に政策委員会を指導して参る。極端に申せば、銀行の支店長が頭をはねなければ貸さないのだという從來の考えは改めまして、必要があればまじめに貸せるんだという方策をとつてもらいたい。そうすればまじめな中小企業に、必要な資金が行き渡らないようなことはないと考えているのでありまして、あるいはお尋ねに対しまして適切な言葉でなかつたかもしれませんが、以上、今澄さんに甘えてお答えしたわけであります。
 石炭を海へ投げ入れたという問題でありますが、これは私寡聞にして実際の報告を聞いておりません。一説には北海道で炭が余るから谷へほうり込んだらどうだというようなお話も前々から聞いております。しかしながらこれは川上さんからもいろいろお尋ねを受けまして、公團を廃止した場合と廃止しない場合とは、趣が違うというような抽象的なお話もして参りました。今日大臣はかなり具体的な積極的なことを申しましたが、かりに公團を廃止してこれを自由價格にいたした場合に、石炭の需要はどうなるでありましようか。これは仮定論でありますが、石炭の單價は今の三千七百円の状態にはとどまらないということは明らかだろうと思います。少くとも下まわつて來るだろう。かりに二千円になつたならば、今の北海道の寒冷地に住みます何百万の住民から、石炭が五千円では暖房用の石炭を買うこともできない。特別な價格を設けろということは道をあげての陳情であり、請願であります。從つてもしこれが二千円になつたならば買い得るのであります。しかも運賃プール等をはずしました場合においては、生産地である北海道はこれを喜んで受け入れる態勢にあるのであります。またセメントにしても、三千七百円の石炭を買いましてセメントをつくつたのでは、現在のマル公ではとうてい引合わない。かりにこれが千五百円とかあるいは千二百円とかいうような、もつと申し上げれば二千円というような現在よりもはるかに低い價格になつたらば、石炭をどんどん買い入れてセメントを生産する意欲が起きて來ることは当然であります。また塩業にいたしましても、塩は四十万トンの生産をいたしたい。賠償價格は一万一千円と思つておりますが、平均價格になつている。ところが塩は実際は平がまでは一万五千円程度かかります。平均しまして一万四千五百円程度の賠償價格に引上げなければ、塩の生産というものはできなくなる。その最大の原因をなすものは製塩のごときは格外炭でたくさんであります。あるいは亜炭等でたくさんであります。優良炭も相当数やらなければなりませんが、これらはやはり價格の点で、もしこれを安く供給することができますならば、一万一千円の平均賠償價格でも、四十万トンの塩の生産達成ということは困難ではない。さらに進んでこれが四十五万トンとなり五十万トンとなりますと、御承知のように、二千二百億に組み立てられておりますところの價格調整費のうち、三十七億の輸入塩に対しまする補給金の節約ができまして、國内においてたとい價格を仮定的に一万四千円に引上げましても、その補給金の減額によるものを減税の財源といたしますならば、消費全家庭に対しまするところの調和は完全にとれるであろうと考えております。かような意味におきまして、石炭の四千二百万トン程度のものを健全なる自由主義経済のもとに――これは野放しではありません。経済的合理性を追究せんとすることが、現在の新しい自由主義経済であります。このもとに立てられますれば、必ずや現在の貯炭量等は解決せられるということは信じて疑わないところであります。もちろん主義、主張の異なる面から考えますれば、先ほど川上委員からもお話がありましたように、五千百七十億の税金がとれない。とれないということは國民が出さないという気持になればとれないのですが、出す気持になれば、これは通貨の量を縮小して参る強制貯蓄である。この通貨の数量の減少による物價の安定、ここにねらいがあるのでありますから、國民が耐乏生活を忘れ、戦いに負けたということを忘れて、おれは出すのはいやだという気持になりますならば、五千百七十億はおろか、三千億もとれない。國民が真に安定経済の、ドツジさんの金融政策の耐乏生活の真の意味を御理解願うならば、これはとることができる。從いまして、ただいままでの経済政策なるものは破綻を生ずることは私どもは考えておりません。その余の問題につきましては、要するにこれは考え方の相違である。主義、主張の相違であります。從つて議論にわたりますので、こちらからしいて御答弁を申し上げません。
 石炭につきましては、さような考えで、政府が処置してくれなければ海へほうり込んでしまうというような、一種脅迫的なことはあつたかもしれません。しかしこれらに対しては将來とも現在の経済、進むべき道等を懇切にお話申し上げまして、かような基礎資材を海に投じて水の泡にいたしたくはないのであります。もしさような事実がありましたならば、通産省の大臣の適切なる処置によりまして、かようなことの発生しないように努力いたしたいと思います。
#44
○今澄委員 大部いろいろ薀蓄を傾けての御答弁がありましたが、ちよつと二、三質問をいたします。今の中小企業の問題につきましては、私どもはさつき大臣の質問したのでありますが、経済の民主化と経済の安定ということが基本でありまして、中小企業といえども営業績を許可され、一個の産業の中において生きて行くべき権利を持つところの自由なる企業家である。これらのものが自由にその企業の存続をするということが経済の民主化でなければならぬ。そこで今仰せられるような金融集中方式をとるならば、だんだんと資本の集中した結果、独占的な大きな組織を持つところのものに集中されて行くということは明らかなのであつて、そういうようなやり方は、経済の民主化に背反するところの行き方である、かように私どもは考えざるを得ないのであります。そこで今仰せられるように、貯金部のいろいろな金あるいは私から申し上げた見返り資金の問題については、八十億の長期の資金、あるいは貯金部の資金の三百億円については、これは通産省の方で運用するという話も出ておりましたが、これはデマであると承つたので釈然といたしました。しかし少くとも中小企業については、復金債の償還とか國債の償還をして、だぶついて來た金を――中小企業はどうしても大企業から比べれば、その信用状態とその力の上において、銀行家としては純経済的な観点から見るならば、どうしても遠慮するというようなことから、純然たるいわゆる安定した企業のみに融資を向けるという状態のもとにおいては、中小企業の金詰まりは絶対に救われない。そういう意味においてある程度は國家的な立場に立つて、これらの経済民主化の線からすれば、中小企業に対しては特段の金融の措置が講ぜられるのではないかということが、私の質問した要点の一つであります。
 それから石炭については、きようの中外も工業新聞も同時に石炭の滞貨が二百七十万トンと報道しておりまして、その中で非常に気温が高くて自然発火のおそれがあるから、二十七万トンを一時貯炭の意味において海底に投じた。これは工業新聞の報道でありますが、まだ私どもは実情を調査いたしておりません。われわれは貯炭をする場合にはそういう方法を使い、夏季の高温に備える場合には、これを少くとも海中に投ずるか、あるいは湖水の中に入れて、石炭を何年間か貯蔵したということは、各國のこれまでの経済政策に見られるところであつて、私は何もただ單に海に一時投じたものだとは思いません。それらの奇遇を防止しつつ、あらゆる方面における円滑なる操作として、これらの石炭を海に入れたものと思うのであります。そういう点について、きようは資源廳の長官はお見えになつておらぬようですが、政務次官としては十分目を届かしていただいて、かなり石炭の滞貨があるということだけはひとつ御認識を願わなければならぬ。そしてかように海へどんどん入れなければ発火の危險があるという状態であるならば、少くともあなたの言われた根本的な大きな問題は臨時國会でやるとして、当然かような特別な操作をしなくても、やつて行けるだけの資金的なめんどうを見なければならぬというふうに、私は考えておるわけであります。
#45
○宮幡説明員 今澄さんのお説は私が最初聞きそこなつて恐縮でありますが、そういう意味で海へ投じたというお話であれば、しごくごもつともなお話であります。仰せのように資源廳の長官もおりませんし、石炭部門は少し省内の作文をやつております関係から、きようは御無礼させていただいております。適当な措置につきましては、ただちに申し上げるわけには行きませんが、御趣意を十分体しまして、これに善処さしていただきたいと思います。
 それから中小企業の問題は一應端的に御説明を申し上げますと、やはり独占資本の態勢とかあるいはある資本の擁護、金融資本擁護という言葉に当てはまるものもあると思いますが、それを解消しなければ、仰せのように企業の民主化ということはできないのであります。もともと現在政府が考えておりますことは、自由主義経済ということをモットーとしておる関係上、これはどうしても今澄委員の御所論に一致したい。そこで政府委員会に、ただいま中小企業に平等な金融の機会を與えるという施策といたしまして、從來は御承知のように地方銀行は、これは十三日会というものを形成いたしておりまして、強力に金融資本の統制をしておつたのであります。極端に申せば、事業者團体法にもひつかかるようなやり方をしておつたのでありますが、地方銀行が地方で資金を集めまして、最も安全な貯金者保護の目的を達成するために、親銀行とかあるいは中央銀行とかいう意味で、日本銀行等に貯金をいたしまして、そうして利ざやをかせいで経営をして参つた。これではお説の通り中小企業は参つてしまいます。だから都市銀行は十一ありますが、この都市銀行に集中いたしまして、資本が都市にのみ撒布せられますと、これは一つの金融資本の強力なる推進となることは明らかでありますので、政府委員会において特に檢討していただきたいという点を強く要望いたします。地方銀行が地方であつめました資金は、預金者保護の目的を達成し得る最小限度、こちらで申します案は一〇%だけは中央に集中することはやむを得ない。しかしあとの八〇%は集めた地方の企業に撒布すべし。これを鉄則として実行していただきまして、中小企業が金融の機会からはなはだしい不平等な取扱いを受けないように、地方で集めた資金はその地方へ撒布するというように、政府委員会で持つて行つてもらうようにただいま大いに努力をいたしております。先ほど中座いたしまして、証券民主化連盟の会合に参りましたが、これにちようど日本銀行の一万田総裁がでておられましたので、これに対しまして強い要望をいたしておきました。これなくしては中小企業の金繰りの不円滑をすくうものはない、かように措置いたしまして、これは大蔵省の所管でありまして、私個人の所見になりますが、もし地方銀行がその弊害をためることなくして、依然として都市集中の方策をあらゆる銀行と為替措置等を通じて、陰に陽に集中をやるような場合には、都市銀行の有力なるものをもつて地方にあえて支店、出張所等を増加させる措置をとつて、そうして中小企業に対します、あるいは庶民金融に対します機会を平等にして参りたい。後段のことは私の私見であります。しかも大蔵省の管轄でありますから、これは御参考であります。ただいまのところはその地方で集めた資金をその地方で撒布する。これなくして中小企業の金融は全うし得ない。この強い線でやつております。これらにつきましては國会におきまして特別御決議等をいだきまして、政策委員会にさらに強く働きかける必要もあるのではなかろうかと考えておる次第であります。
#46
○川上委員 時間がだんだんたつのですが、どうも話を聞いておると、まるで選挙の立会演説みたいな話を聞くのです。これは政府の答弁でも何でもない。私ははなはだ遺憾に考える。もう少し責任のある答弁をしてもらいたい。何を聞いても、こういうふうに政府はするのだ。事実こうしておる。この政策を立てておるという返事はない。そうしてまるで金詰りの講義を聞いておる。そんな講義を聞きにきておるんじやない。どうも政務次官の答弁というものはますますなつておらぬと思う。たとえて言えばこういうことを言われる。石炭は統制を撤廃して値が下がれば四千二百万トンはどうにでもなる。これは雜誌の座談会か、演説会なら通用するでしようけれども、政府の答弁としては通用しない。それならば配炭公團を撤廃するのですか。こうなれば、こうなるのだから、必ず四千二百万トンは消化する。この政策をお言になるなら通る。そうじやない。まるで抽象論。こうなればこうなるというまるで討論会みたいな答弁である。これでは困る。耐乏生活だから金がないのはあたりまえだ。これも演説ならいいでしようけれども、政府の答弁としてはきわめて奇怪です。こんなものじやない。どういうぐあいにしてこの金詰りの問題を解決する考えがあるのだということを示すのが政府の答弁だ。耐乏生活をしておるのだから金がないのはあたりまえだ。こんなことを聞きに來ているんじやない。病気だからなかなか早くなおらぬ。これは死んでしまいますよ。こういう答弁をなされておつては、私はなおりはせぬと思う。税金の問題についても実に奇怪きわまる。國民が拂わぬ氣になつたら一文もとれぬ。拂う氣になつたら五千億とれる。これは政府の答弁としてはむちやです。これはお考えになる必要があると思う。そんなばかげた話というものはない。五千百億がとれるには、かようかような状態によつて國民所得がこうある。たとえばこういうような状態になつておるから、五千百億をとる見込みが政府としてはあるというのなら、これは政府としての答弁です。國民が出す氣になれば何ぼでも出す。出さぬ氣になつたら一文もとれぬ。こんな答弁はかつて聞いたことがない。これは政談演説や討論会ならいいでしようけれども、政府当局の答弁としては不謹慎きわまる。具体案を少しも示しておらない。まるでりくつを述べておる。そうして金詰りの問題について講義なんかしておる。これはけしからぬと思う。こういう態度を改めてもらいたい。政府の現在具体化しつつあるところの政策について檢討していかなくては困る。こういう政策を立てたら、それゆえにこの問題はかように解決するということをはつきり言つてもらいたい。こういう政策をたてればこうなる。こうすればこうなる。こういうことは政府の答弁と違う。民主自由党と共産党と、あるいは社会党とが何か討論会でもやつておる時分にはこれは通用するでしようが、政府当局の答弁としてはかようなことではいけないと私は考える。このことを特に私は申し上げまして、私の次の質問に移らせてもらいたいと思う。
 第一にお聞きしたいのは、これは政務次官でなくても、事務当局の方でよろしいが、まず第一に、今まで輸出貿易でキヤンセルになつて、クレームになつておる数字をひとつ聞きたい。それは今日まで関係筋に提訴された数字、それから現在ここまで行かぬが、業者が泣き寝入りになつているものがあると思う。これの政府の握つておられる数字、それから交渉中のものがあるだろうと思う。これらの政府の握つておられます数字、それの合計、この数字を、ここでは時間がとりましたならば、概略の数字をお答えを願つて、各品目別にあとでけつこうでありますから、ぜひこの数字をちようだいいたしたいと思います。
 それから第二には輸出滞貨の問題でありますが、滞貨の総額、これはどういう形になつて滞貨しつつあるかをひとつ月別に知らせていただきたい。その滞貨の中で輸出不適格ときめられておるところの数字、これの歩合、漸減しつつあるか、漸増しつつあるかということが明らかになるような形でこの数字をお聞かせ願いたい。但しこの輸出滞貨のうちには、貿易公團が持つております滞貨、この問題ももちろんでありますが、このほかに民間業者の手元にある滞貨が相当たくさんあるわけです。これについてどういう数字を当局は握つておられますか。おそらくあると思いますので、これも公團が握つておる数字に対應いたしまして、民間業者の手元にある滞貨が一体幾らあるか。これも品目、数量、價格にして幾らか。これをお知らせ願いたい。これの詳しい数字はあとでけつこうでありますから、今は概略の数字だけで御答弁を願います。
#47
○宮幡説明員 川上委員の御質問は資料の要求のようでありますから、速記録をよく調べまして、その資料は綿密に用意いたしまして近いうちに出させていただくことにいたしまして、お説のように、ただいまわかりますことだけ振興局長から話させていただきます。
 なお先ほどの川上委員のお説は、國会議員としてしかるべき御議論でありまして、それは拜聽いたしておきますが、私の申したことは、あなたのおつしやつたことと速記録の上でどれだけ相違がありますか。それを私の言つたことでない方に御理解を願つて御判断をくださつたようでありますが、政策を示せということは、今後も委員会運営の上にあると思いますが、一に一を足して二と出るようなもののみが政策とは考えておりません。從いまして、私が金詰りの問題を話したこともお氣障りになつたようです。税金の問題も國民所得がこうだからこうだ、こういうように説明するのは、それは予算のときで済んでいるわけです。だからそれを一應とれるのだというのだけれども、あなたの方のお考えではとれないというから、とれないということならば、そういう理論的にくみたてられました予算の基礎に対します見解の相違である。であるから、もしそういう意味からいつて出さないというような氣持になればできないけれどもと、こういうふうに申し上げたのでありまして、言葉の端的な表現ではない。私新米でここに参りましたけれども、当商工委員会はきわめてなごやかな委員会だそうでありますので、お互いその点は言葉のあやをもつて申さないように昨日も御希望がありまして、なるだけ率直に言えということでありますから、かなり率直に申し上げているはずであります。そういうふうに御了解願いたい。御要求の資料等がございましたならば、國会の権威に対してきわめて忠実に当省は働く考えでおります。今さしあたりわかることだけについて復興局長からお答えいたさせます。
#48
○平井説明員 クレームの件数でありますが、終戦後本年の五月までの輸出クレームの件数は二百六十七件であります。これを品目別に見まして大きいのだけを見ますと、雑貨関係が百七件で約四三%、繊維関係が九十一件で約三四%、その他になつております。それから仕向け別件数でありますが、これも大きいところだけを申しますと、アメリカが百六十一件で六〇%、これが大部分を占めております。その他の地区は大体大同小異であります。それからクレームの原因でありますが、品質不良という原因に基くものが百二十六件、これが約四七%で大半を占めております。それから輸入國の法規に抵触するものが四十三件で一六%、着荷不足が二十八件で一〇%、これらがおもな原因でございます。それからクレームの処理状況でありますが、金額として六月までの総件数はまだこまかい内訳はございませんが、総件数が二百九十八件に上つておりまして、要求額が約四十万ドルであります。そのうちで解決したものが七十九件でございまして、その他のものはいわば未解決の押問答中であります。大体輸出に関するクレームの状況は以上の通りであります。それから公團の滞貨の関係でございますが、大体大ざつぱに申し上げて、鉱工品公團に属するものが約七十億現在在庫品がございますが、その中の約二十億がいわゆる滞貨と称するものでありまして、その他は若干の時日があれば輸出が可能であり、二十億程度が滞貨ということで仕訳されると思います。それから繊維公團の持つている繊維関係でありますが、これが約二百八十億でございまして、そのうちの人絹、あるいは人絹織物、あるいは繊維第二次製品、これが約五、六十億でありまして、これが大体滞貨に属しております。その他は主として綿関係でありまして、これはそれぞれ輸出のいわゆる一般の外需に充当されているものと内地に放出されるものが入つておりますので、この分に対してはたいした問題はないというふうに考えております。それから民間輸入になりましてからのキヤンセルの問題でありますが、民間輸入になつてからキヤンセルについては報告のないものが大部分でありまして、現在これについては全般的に調査中でございますので、これの具体的な資料はなお若干の時日を要するものと考えております。ただ最近問題になつております民間のいわゆる輸出の溜貨でありますが、おおざつぱに申し上げまして、約七十億から八十億程度のものが溜貨になつているというふうに推定しております。
#49
○川上委員 民間業者の手元にある溜貨は金額で推測してどれくらいあるとお考えになりますか。
#50
○平井説明員 ただいま申し上げました七十億ないし八十億と一應推測をしているわけです。
#51
○川上委員 輸出だけですか。
#52
○平井説明員 輸出関係だけであります。
#53
○川上委員 それから溜貨を内需向けの方に轉換するという計画があるようですが、その中には内需に向けて賣れないものがある。それから昨日ちよつとお話があつたと思うのですが、價格をどういうふうにするかということ、それから溜貨の中にはどうにもこうにも処分のつかないものがあると思う。虫が喰つたり、腐つたり、ことに竹製品なんかおそらく虫が喰つておるのではないかと思うのですが、こういうものがどういうぐあいになつておるかということ、それから溜貨は民間の倉庫にあると思いますが、たとえば三菱倉庫とかその他のものに入つておるのではないかと思いますが、そこへ行けばいつでもこれだけの溜貨があるというふうに、帳簿面と倉庫にしまつてある数量とがきちつと合うようにできているかどうか。われわれがあなたの方の帳簿を見せてもらつて、どこに何ぼあるということを聞いて、そこへ行つて調べさせてもらえばきつちりと帳じりがそろうものです。もしそれがそろわないとすれば、どういう事情によつてそろわないかということをちよつとお聞きしたい。
#54
○平井説明員 溜貨の処理につきましては、今お述べになりましたように輸出に向けるものは輸出に向くように、いろいろあつせんその他できるだけの措置は講じておりますが、物によりましては輸出に向かないものが相当あるわけでありまして、これらにつきましてはできるだけ内需に轉換せしめたいと考えております。従いまして、内需にも向かない、輸出にも向かないというものにつきましては、これは別途の考え方をする必要があるかと考えております。
 次に公團のストックの状況でございますが、その点につきましては公團のいわゆるストックが全部デッド・ロックしてはおりませんので、ただいま申しました一般の輸出在貨と見られるものもあるのでありまして、そのうち繊維品にいたしましてもあるいは鉱工品にいたしましても出ておるのであります。そういう関係につきまして私どもといたしましては十分注意をいたしておる次第であります。
#55
○川上委員 内需向けにも輸出向けにも処置がつかぬようなものはどう処置する予定であるかということが一つ。それからその中にはたとえばよく新聞なんかに出ているクリスマスの装飾品みたようなもの、あるいは軽目羽二重みたようなものは、日本においては買手がないであろうと思うのですが、これらはどう処理するつもりであるか。
#56
○平井説明員 内需にも向かない、輸出にも向かないというのは、一つには程度の問題あるいは時期の問題があると思います。三月以内には向かないとか、半年以内では向かないとか、あるいはもう少し待てば向くとか、いろいろ段階があると考えます。また内需に向けるにしても、相当値を思い切つて賣れば賣れるようなもんが大部分を占めていると思います。またストックしておりましたために荷いたみその他のあるものにつきましては、輸出の値段を引下げるということも考えていかなければならぬと考えております。ただ、ただいま御指摘のあつたような腐つたようなものがございますれば、これは損失として処理していかざるを得ないのではないかと考えております。
#57
○川上委員 倉庫の実際の品物と帳簿のしり、これはいつでも合いますか。合わないような形になつておりますか。われわれが見せてもらいに行けば、きつちり合いますか。
#58
○平井説明員 これは私どもといたしまして、毎日の決算あるいは毎月公團から報告書をとつておりまして、それと現物との見合いはあるものと考えております。ただ先ほど申しましたように日々出し入れがございますから、そう整理というものについて若干の食い違いは当然出て来ると思います。
#59
○川上委員 東洋経済にこういう記事があるのですが、こういうことがあるのですか。ありませんか。ちよつとお聞きしたいと思います。「現物は三井倉庫等の営業倉庫や、製造業者の自家倉庫に委託保管されている。このうちメーカー倉庫に入れられている商品については、外部のものに対しては、一見メーカーの所有に属するごとき感じを與えるので、これを担保に利用して高利の金を借りるというのが最近の金づまりによく使用される手段である。」ということが書いてあります。「しかも、これだけならまだよい方で、その上盗難が頻々とある。最近問題となつたものをあげると、某メーカーの倉庫に保管してあつた、子供用三輪車(時價三百万円)が盗まれるという事件が起つたが、同様な事例はきわめて多く、貿易公團はこれがため帳簿じりを合わすのに悩んでいるといわれている。」こういうことがあるのですが、こういうことが事実あるか。あるとすれば盗まれたというようなことでは、これは帳簿じりが合わなくなつてしまう。それからこのものを利用して自分のものか公團のものかわからぬから、これで金操りをつけるとか、横流しをやる。たくさん一緒に入つているのだから、これは帳簿じりが合つているのですと言つたら、それで済んでしまう。そうするとそこで横流しもできれば、金繰りに利用もできる。こういう点については日々どういうふうな調査を行われておるのですか。あるいはこういう点については、ここに書いてあるようなことはまるで間違いであるか。この点をお聞きするのです。
#60
○平井説明員 今お読みになりました東洋経済の記事の事実につきましては、私どもとしては聞き及んでおりません。ただ貿易公團の整理が過般行われまして、鉱工品材料公團、食糧公團等の解散に伴いまして、これを機会に私どもといたしましても、たなおろしを一挙にもう一ぺんやつてみたいというように考えております。このストックを利用して金融を受けるということ、あるいはそれを横流ししておるというような事実については聞き及んでおりません。
#61
○川上委員 そういう御答弁をなさるのが普通でしようが、時期がたちますから輸入物資の代金の未收がありますかどうか。第二は輸入物資で引取り手がなかなかない。輸入物資の溜貨、これは妙な溜貨ですが、こういうものがあるかないか。もしありとすれば、どういうわけでこういう形になつておるのであるかということをお聞きしたいと思います。
#62
○平井説明員 大体現在の輸入の溜貨は、総額約二百七十億円程度でございます。従いまして先般の一年間の輸入計画から見まして、約九億ドルの輸入でございますので、その分から行きますれば、著しい輸入溜貨というようには考えておらぬのであります。ただ未收金の大部分、その中の半分程度がいわゆる公團関係でございます。公團の金繰りの悪いために代金の回收が遅れている。この分につきましては、今般約九十億円が農林関係五公團に融資されるのではないか。従つてただいま申し上げました輸入計画の丗から見まして、百億ないし二百億程度の未收金といたしましては、大したものではないというふうに考えております。それから輸入の溜貨の問題は、先ほど申し上げました二百七十億円でありますが、溜貨の中にはおつしやるようになかなか賣りにくい。これは主として値段の関係でございますが、それは政府貿易が開始されまして、現在まで四年ないし五年たつておるのであります。その間当初輸入をいたしました当時、國内には生産がなかつた。しかし輸入がつきまして着荷いたしましたときには、國内に生産が起つてきたというような関係のものもございまして、化学薬品等につきましてはなかなかあるようでございます。これは今般ただいまのマル公、あるいは生産者事情その他を考慮いたしまして、價格操作によりまして、できるだけ早く処分いたしたいというような準備を進めておる次第であります。
#63
○川上委員 肥料の溜貨が、これは輸入にも関係いたしますかということを聞いておるのでありまあす。これは関係の方がいらつしやらないかと思いますが、わかつたらこれを聞かしていただきたい。肥料不足の場合、肥料が賣れない状態になつているのはどういうわけか。それからこれは輸出入に直接関係はありませんが、間接に関係すると思いますけれども、鉄鋼の溜貨その他の基礎資材の溜貨、これの数字をわかる限りおつしやつていただきたい。
#64
○市田説明員 肥料の関係は、通産省で輸入したものを全部肥料公團の方へ引渡しておりますが、通産省の関係では溜貨という関係はありません。それから肥料原料の過燐酸石灰の原料になります燐鉱石は、一時相当不良の溜貨がございました。しかしこれは消費できないという溜貨がございました。しかしこれは消費できないという溜貨ではなく、生産計画に対する余分のストックを持つておつたという関係が一時ございました。その溜貨は最近ではほとんどなくなりまして、今度は新たなる輸入をやらなくてはならないという状態にあります。
#65
○榊原説明員 鉄鋼の溜貨の点につきまして、ちよつとお答え申し上げます。輸入されます鉄鋼につきましては、大体これは生産計画を通じまして直接メーカーへ行つておりまして、大体消滅されております。ただ政府輸入の形で灰つて参りますので、いわゆる工場としての必要の保有量よりも多くございます。その場合にはその全額について代金を取立てることは酷でありますので、純保有量に相当する原料面だけ一應代金を回収しまして、その他は一應溜貨という形で政府所有のものになつているわけであります。これはしかしある時期が参りますれば、一應消化されるものと考えます。おそらくお話の鉄鋼の溜貨を申しますのは、現在八幡その他でてきております鉄鋼製品の溜貨だろうと思います。この点につきましては、わかつておりません。
#66
○谷口説明員 おもな物資の五月末の現在の溜貨を申し上げますと、鋼材は約十八万トン、これは閉鎖期間の産業復興公團のものを含んでおりません。それを含めますと、約二十六万トンであります。それからセメントは現在で約十四万トンであります。
#67
○川上委員 そうすれば貿易の問題についてはなお総合的に聞きたいことが残つておりますが、本日は時間の関係もありますので、これを保留しておきまして、私の質問は一應これで打切ることにいたします。
#68
○門脇委員 中小企業対策問題は刻下の緊急問題でありまして、これについていろいろ質問も申し上げたいし、また政府の対策について詳細に承りたいのでありますが、本日はもう時間がありませんから、ごく短時間になるべく核心をつかみたいと考えますので、特に政務時間並びに中小企業廰関係の方々は一切の作文を抜きにして――ああもしよう、こうもしようといつたそういう作文を抜きにして、これこれだけは必ずやるのだという正味のところを、短時間にまとまるように的確にお話願いたい。
#69
○記内説明員 中小企業の振興対策の問題につきましては、当面まず金融の問題でありますが、これは先ほど政務次官からお話がございましたような方法で目下進んでおります。あのほかに、まず第一二日銀の中小わく――現在中小業者に融通します短期融通資金のわくとして、十二億五千万円になつておりますが、これを倍額の二十五億円に増加したいということで、これは大体内定いたしております。それから例の復金の機能が停止しておりましたが、最近預金部資金が公團の方にまわつて来ましたので、公團の方から返済される金が約四十一億ございます。そのうちの約二十億見当が余裕金として出て参りますので、これを見返りにいたしまして保証金融をやりたいというふうに、これも内定いたしております、この点については関係方面と折衝しなければならぬ点が残つておりますが、國内的には大体決定いたしました。あと預金部資金を融通する点につきまして、これも國内的には大体方針は内定しておるのでありますが、根本的に関係筋の方がまだ十分に了解するところまで至つておりませんので、この点は確言するわけにいかぬのであります。しかしわれわれといたしましてはこの線を突破して、預金部資金をまわすようにいたしたいと考えております。予定は大体百億ないし百五十億というふうに考えております。そのほかにたとえば商工中金の増資の問題とか商工債券の発行の問題とかございますが、この点につきましては今度の議会あたりに改正法提案いたしまして、議会のご協賛を得たいと考えておる次第であります。
 これが当面の金融の問題でございますが、こういうふうな資金の関係が解決いたしましても、受入れ態勢の中小業者が金を借りられる態勢を整える必要があるというふうに考えますので、この点につきましては、前議会で御協賛を願いました中小企業等協同組合法を運用いたしまして、なお事業協同組合、信用協同組合ないし企業協同組合等を使いまして業者の團結をはかつて参りたい。それによつて業者の力をつけるような方向に進んで行きたい。さらに昨年からやつております工場の診断指導を今年も引続いてやつておりますが、これをもつと強力にやつて参りたい。ただこのやり方につきましても、昨年はどちらかと申しますと、個個の工場に参つて工場の診断をするというふうにやつておりましたが、今後は業種別に問題を取上げて再検討を加えて参る。それと結びついた形によつて工場の診断をやりたいというふうに考えております。そのほか例の借用保証協会を活用いたしまして、これによつて借りる場合に銀行が安心して貸せるという態勢をとつて参りたい。これは先ほど申し上げました復金の保証貨付、これともやはり相並行して進んで参る問題だと考えております。大体以上のような点で中小企業の対策を考えて参りたいと考えております。
#70
○門脇委員 とにかくただいまのお話が、非常に内容が貧弱であるかどうかという批評は第二としまして、とりあえず今お話になつた範囲でもうちよつと的確に具体的に伺いたいのですが、日銀のわくを拡大して十二億五千万円が二十五億になつている。この貸出しの方法は具体的にどういうような方法で貸し出すか。またその復金を通じて行われるところの保証金融は、どういう方向で直接中小企業者に恩典を與えるかという点について御説明願いたい。
#71
○記内説明員 日銀の中小融資はただいまのところ勧業銀行、興行銀行、商工組合中央金庫、この三行を通じて行うことになつております。條件といたしましては、利子は公定利子であります。期限を六十日ということで目下やつてみております。但しわれわれといたしましては、少くともこれを九十日くらいに延ばして参りたいというふうに折衝をしておるのであります。この点についてはまだ未決定であると思います。現在行われているのは六十日ということになつております。
#72
○門脇委員 対象は……
#73
○記内説明員 対象は貿易手形及び輸出手形だけを中心にして、主として割引を中心にしてやつております。
#74
○門脇委員 個人ですか。
#75
○記内説明員 個人もしくは小さな会社ということになつております。
#76
○門脇委員 組合は……
#77
○記内説明員 組合もあります。
#78
○門脇委員 これは実際に利用されておりますか。
#79
○記内説明員 現在相当出ております。約十二億が大体一ぱいになつたならば、これを増額するということで進んでおりまして、大体これが満額に近づいたものですから、今度増額することになつております。それから復金の方は各市中銀行と復金との契約によりまして、市中銀行が貸し付けました際に復金が保証するという関係になつております。これにつきましては、この方法等について目下檢討を加えておりますが、まだ決定に至つておりません。
#80
○門脇委員 まだ利用を開始されておらぬのですか。
#81
○記内説明員 まだ開始されておりません。これは関係方面の了解を得なければならぬということになつておる……
#82
○門脇委員 そうすると復金がかりに保証して金融をする場合には、公團から借りる金は四十億、そのうちの全額じやないのですか。
#83
○記内説明員 一部は公團融資の資金にまわります。從つて約三十億見当が融資されるということになります。
#84
○門脇委員 そうしますと、この復金のいわゆる保証金融の方はまだこれからその筋の了解を得る。それから預金はまだ予定額である。そうすると現在実際に利用されておるのは、十二億五千万円が今度四十五億に拡大される分だけだということになりますね。
#85
○記内説明員 その通りであります。現に動いているのはその点だけであります。
#86
○門脇委員 これは政務次官に御詰問というわけじやないですが、相当きびしく聞きたいのですが、いたずらに掛声のみ大にして作文のみが多くて、いかに実行されていることが貧弱であるかということを痛切に感ずるわけです。作文的答弁でなしに、これだけは責任を持つて早急に行うのだという決意のほどを伺いたい。
#87
○宮幡説明員 門脇委員からの仰せは、中小企業その他産業の現実に照し合わせてごもつともであります。そのお言葉に対していささかも異議を申し立てることもありません。作文に堕してとかく掛声ばかりで実を結ばないということは恐縮千万であります。特に資金の問題につきましては、これは各委員からもいろいろな御意見のあります通り、具体的に御説明申し上げる自由を持つているところを持つていないところとあるのであります。特に見返り資金の運用につきましては、関係方面の意向はただいまのところはなはだはつきりいたしておりません。こちらの計画としては、承認さえいただけば即時実行できるというふうに陣立てはできておるのでありますが、残念ながら承認を得られないわけであります。そこで掲げてあることがいわゆる作文ということになつて、実を結ばないでまことに恐縮であります。全國の例として見ましても、日銀として貸してよいということになりますれば、大体一千億程度の資金は持つております。これが財政インフレの原因にならない限りは、これを融通してよいというのが関内的な考えであります。ところがそれに対していたしておりますあらゆる関係筋との交渉がただいまこちらで期待いたしましたほどに順調に進捗しておらない。この交渉は安本が中心となつておりますが、いわゆる安本なんかに対しまして、まだ完全なる御承認がないのであります。御要望の点ももつともであります。われわれの方は御要望がなくとも、それを即時やらなければ当面の急務に間に合わない。あらゆる機会において大臣及び担当官の方から、それぞれ関係方面の機関に対しまして交渉促進を急いでおります。まだそれにはつきりした答えが得られないので残念であります。從いまして御要望はごもつともでありますが、ここまではつきりこれがこうだということで、國内で自由にできる範囲だけしかただいま行えない。まことに残念な話でありますが、ただいまの現状はさような状態であります。これがおそらく各委員に御不満であり、また國民一般にもはなはだ歯がゆい思いをさせておる問題であろうと思いますが、門脇委員からの御要望もことさらお強いようでありますから、一層この方面に努力をいたして解決する。ただいまのところは私が参りましても、それ以上申し上げられない状態でありますから、ひとつ御了承をお願いしたいと思います。
#88
○門脇委員 どうも與党であります民自党の議員が、政府委員に向つてこれ以上のことを申し上げますと、かえつてまた共産党の諸君にいろいろ利用されることになりますから、これはこの辺で……。また民自党の内輪で申し上げることにして、きよう申し上げたいことは山々ありますが、かえつて申し上げぬ方がいいと思います。
#89
○高木(吉)委員 中小企業の税制改革の問題でありますが、大体中小企業は同族家族で相当働いておるものでありますが、勤労所得に対しては相当の免税点があり控除額があるのであるから、中小企業に対しても何らかの控除額を與えてもらいたいという点と、それから事業所得の査定の面でありますが、申告の場合に帳簿の不完全なために、税務署が認めないというような場合がございます。ある一定の簡單な帳簿を用意していただきまして、これを税務署が認めることによつて、過酷な脅威的な税金から犠牲者が救われるというような方法をとつていただきたい。これに対する政務次官の御意見を承りたい。
#90
○宮幡説明員 中小企業に対します家族労働者の問題でありますが、これもやはりただいまシャウプ・ミッションに対して要望いたしております。それのお許しがなければ実現しない問題でありますから、はつきり申し上げるのはどうかと思いますが、世上に傳わつておりまして、きようも実は中小企業擁護連盟の方から要望書をお持ちくださいまして、その中にもただいまお尋ねの件がありました。それは中小企業でも何でも、あえて農業だけでなく、家族労働者、家族從業者というものにある程度の生活費をカバーするという意味で、ただいまの段階は扶養家族同様の税額控除をいたそうという方向に進んでいるわけであります。それから課税の面を適正ならしめるための簡易なる中小企業向けの帳簿組織なり会計組織なり、税務会計に即應するものをつくりたいと考えております。これは中小企業廳の方でもただいま考案中であります。しかしながら税というものの情勢においては、なかなか中小企業廳の方の考えとマッチしにくいところがあります。そこで今度の税制改革の中に、これを調和いたします要望をいたしております。しかしこれらは先方のアメリカ流の税の行き方から見るとかなり難色がある。これはあるいはそういう私見を述べてはいかぬではないかというおしかりを受ければ、申し上げる必要もないかと思いますが、大体どんなふうな方向を持つているかと言いますと、申告納税の現在でありますから、もとのような税務調査員というようなものを設けることはできない。自分がこれだけの所得があるということを申告するのでありますから、これに対して異議を申し立てる場合に、いつまでもほうつておけば追徴税、加算税をとられる、こういうようなつたので、これはでき得べくんば税務に対するところの勧告委員会、これは仮称でありますが、勧告委員会というものをつくつて、都道府縣の各行政部に置きます。もし議会があれば議会があれば議会の承認を得た委員が半数、何らかの方法によつて公選された委員が半数で勧告委員会をつくりまして、更正決定に対する異議の申立てがあつた場合には、この写しを勧告委員会に送付する。勧告委員会は税務署と全然不独立の立場においてこれを調査して、税務署に対して適切な勧告を行う。その勧告に対して税務署が訂正して、更正決定の修正をした場合において、勧告委員会はそれでもう任務は終えたわけであります。但し納税者が万一勧告委員会の勧告に対してなお異議がある場合には、納税者はさらにあらためて税務裁判所に申立てをする。勧告委員会が勧告したにもかかわらず税務署がこれに應じなかつた場合には、勧告委員会が税務委員会が税務裁判所に申し出る。そうして税務裁判所において重ねて調査をして最後の決定をする。この税務裁判所を税務に関する最高機関といたしたい、かような構想のもとに話しておりましたが、これはアメリカの方には受け入れられない態勢でありまして、おそらくそのままには成立しがたいものだと想像しておりますが、そのような方向について課税の面における適正ということをはかつて行きたい、かように考えているのであります。帳簿の方の関係の資料は中小企業廳のほんとうの生命でありますから、できるだけ早くして間に合うようにいたしたい、かように考えております。
#91
○神田委員長代理 それでは本日は以上をもつて委員会を閉じることにいたしたいと思います。次会は來月十日午後一時から開会いたしたいと思います。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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