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1949/10/05 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第34号
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1949/10/05 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 商工委員会 第34号

#1
第005回国会 商工委員会 第34号
昭和二十四年十月五日(木曜日)
    午後二時十四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 小金 義照君 理事 澁谷雄太郎君
   理事 今澄  勇君 理事 川上 貫一君
   理事 永井 要造君
      阿左美廣治君    江田斗米吉君
      門脇勝太郎君    多武良哲三君
      高木吉之助君    福田  一君
      田代 文久君
 委員外の出席者
        経済安定事務官 日高準之助君
        経済安定事務官 佐藤 健輔君
        大蔵事務官   忠  佐市君
        通商産業事務官 前野 直定君
        通商産業事務官 記内 角一君
        專  門  員 越田 清七君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
    ―――――――――――――
九月十三日
 委員淺沼稻次郎君、村瀬宣親君及び谷口善太郎
 君辞任につき、その補欠として水谷長三郎君、
 橋本金一君及び田代文久君が議長の指名で委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 中小企業に関する件
 貿易に関する件
    ―――――――――――――
#2
○神田委員長代理 これより商工委員会を開きます。
 前会に引続き私が委員長の職務を行います。本日は中小企業に関する件及び貿易に関する件を議題としてまず調査を進めます。質議を解説いたします。
#3
○川上委員 政府委員の方はどなたが見えておるのですか。数も非常に少いようですし、中小企業の方、その他の方をすぐ知らしてください。
#4
○神田委員長代理 御報告申し上げます。通商産業省通商振興局経理部長前野君、中小企業廳振興部長の記内君、経済安定本部貿易局計画第一課長佐藤君、生産局金属課長日高君、以上四人が見えております。なお関係の政務次官、局、課長につきましては、目下交渉を続けております。随時見えられるだろうと思つております。お答えしておきます。門脇君。
#5
○門脇委員 中小企業問題についてまず第一に当局に伺つて、いろいろ御質問申し上げるわけであります。通産大臣並びに政務次官が見えていないことを非常にさびしく感ずるのであります。中小企業廳の記内部長に対していろいろ御質疑申し上げるのでありまするが、どうも伺かしらお気の毒でいたいたしいような感じがありますけれども、これも卸職掌でありまするから、元気よくやりたいと思います。よろしく。
 中小企業対策問題がいたずらにどうも声のみ大にして、その実があまり上つていないということは、前会におきましても非常に遺憾であるということを申し上げましたが、この点につきましては、與党である民自党の一員である私どもの立場といたしましても、まことに恐縮に存じたわけであります。前会はつきり伺つた範囲では、日本銀行の中小企業者に対する資金貸出しのわくが、從來の十五偉億円が二十億円に拡大されて輿銀、勧銀並びに商工中金三者にそれぞれこれが割当てられたということは伺つたのでありますが、この伺つた以後において中小企業に対するところの資金融通の同時がいかに展開されたかということにつきまして、まずお答え願いたいと思います。
#6
○記内説明員 お答え申し上げます。先週の水曜日だつたかと思いますが、例のエイド資金の一部を間接融資するという方針がきまりまして、例の日銀がオープン・マーケット・オペレーションによつて市中銀行の國債を買い上げる。そのかわりその資金は必ず特定の企業なり、重要な産業の間にも建設資金として振り向けるということが決定に相なつたわけでありますが、そのうち今年度におきましては、約二十億の金が中小企業の方にまわることに決定いたしまして、目下その手続を進めておるわけであります。しかもその金の二十億は一應の目安でありますが、このほかに企業別のわくが、重要企業について一應きまつておりますけれども、その中でも最近の情勢によつて相当使い残りが出やしないかということも考えられますので、そういたしますと二十億にとどまらないので、それ以上の金が日銀のオープン・マーケット・オペレーションによつて融通されるのではないかと期待しているような次第であります。最近の動きといたしましては、これは非常に大きな收穫だと思つて、目下その手続を進めているような次第であります。
#7
○門脇委員 日銀の國價買上げの操作によつて、市中銀行を通じて間接融資が二十億円、中小企業面に向けられることが確定したということは、非常に中小企業界の朗報でありまして、喜びにたえぬところでありますが、こういつたような一つの機構がきまつても、これが実際に中小企業者に徹底して、ほんとうのいわゆる中のうちの小に属する分野の企業者に、はたして均霑し得るかと言いますと、從來の例から言いますと、実際的に小企業者に対して、せつかくの政府のそういつた親心が均霑しないというのが過去の実情なんです。でありますから單に新聞に報道されたところの、いわゆる絵に描いたもちにならぬように、ほんとうの小企業者にまでこれが普及して、実際的に均霑し得るように今後機構をはつきりとお願いしたいのですが、これに対して御腹案がありましたら、ひとつごひろう願いたい。
#8
○記内説明員 この問題は、市中銀行がそういう中小企業者に融通した際に、その市中銀行の持つている國債を日銀が買い上げるという操作によつてやることになつております。從つて市中銀行と中小企業者との結びつきをはかることが第一だと思つているわけでありますが、從來も銀行と取引のない中小業者が相当多いので、この間の結びつきを極力はかつて参りたいというふうに考えておりよす。しかしながらごく小さな企業者にとつては、取引の金高もおのずから制限されて参りますので、自然銀行が逆さやにたるというようなことから、取引を好まない部面もできて来るだろうと思います。そういう面については、やはり組合を組織させて、ここにある程度の大きさの取引單位にして取引させるという方向へ持つて行く以外に、道がないのではないかというふうに考えている次第であります。
#9
○門脇委員 從來こういつたような政府の親心によつて、いろいろ中小企業者を対象に金融機関に対する政府の御配慮があつて、銀行までは金ができた。しかし銀行と最後の対象である中小企業者との結びつきがきわめて緩慢であつて、実行されておらなかつたというのが從來の例なんです。そこでこれはひとつ中小企業廳あたりが、今度はほんとうに真劍に積極的に乗り出して、これは一般銀行というより、むしろこういつた問題は商工中金あたりに重点を置かれて、ほんとうにこれだけの金は、こういう方法によつて中小企業者と結びつきがつくのだということを、切実に中小企業者に普及していただきたいと思うのです。どうも從來はそういう上層部の掛声があつて銀行の手元まで金が行つても、はたして最後の対象にそれが結びつくかどうかということについて、多分な疑問があるというのが從來の例でありまして、特にこの点は中小企業廳が今後申先して積極的に最後の対象に必ず結びつくように、そういつたような方針のもとに、いろいろな機構なりまた操作を行使せられんことを切望するわけであります。
 次いで從來の貸出しの制度でありますが、何か相手方に対して甲、乙、丙と等級をつけている。大体中小企業者は丙の段階であつたのですが、それを乙の段階に変更したという制度にかわつたということを聞いておりますので、この問題について具体的にはつきりと御説明願いたい。
#10
○記内説明員 融資準則優先貸出基準表の改正は、八月の初めだつたと思いまするが実施されたのであります。その際貿易に関する金融、それから問屋に対する金融、証券業者に対する金融という面が順位の引上げが行われたのであります。從つて一般の丙種に属する中小企業の順位が引上げられたということにはなつておりません。しかしながら從來金融機関がこういう丙種に貸出す際には貸出し総額の五%だけしか丙種企業に融通はできなかつたのでありますが、その際の改正によりまして二〇%までこれを融通することができるというふうに範囲が拡大せられたのであります。自然丙種の産業につきましても二〇%までは貸出しができるということになりますので、わくとしては事実上相当緩和されておというふうに承知いたしておるわけであります。また銀行の貸出しの実情によりましては、二〇%以上について特別に大蔵省が承認をしまして、この範囲を拡大することもできるという制度もありますので、これの運用によつてはさらに丙種に対する融資も拡大できるじやないかというふうに考えております。さらに以前におきましては一々丙種に対する貸出しについて日銀の承認を得る、政府の承認を受けるというようなシステムでございましたが、この改正の際に二〇%までは爾後の報告でよろしいということになつております。この辺も順位としては引上げられておりませんけれども、そういう貸出しのわくの拡大によりまして、事実上相当の引上げと同じ効果をあげておるということに相なつておるような次第であります。
#11
○門脇委員 從來行われておりまするところの各地区ありまする信用保証協会制度は、現在では別に法律的な根拠はないということに私記憶しておりますが、今國会にこれに対する何か法制的な根拠をお出しになるようなお気持があるかどうか、この点を御答弁願いたい。
#12
○記内説明員 この問題は昨年度も問題になりましたところ、すでに法律案はわれわれの手元で準備されておつたのでありますが、御承知の事業者團体法に抵触するということで関係方面のきつい反対がございまして、さたやみになつたわけであります。しかしながらこの制度の必要なことは最近の中小企業の金融の関係上どうしてもやむをえないということで、目下の状態では黙認と申しますか、事実上存在しておるというような情勢になつているわけであります。その関係方面の意向といたしましても、漸次実情が認識せられまして、中小企業の金融について絶対必要なものであるということであれば、考え直してもいいということを言われまして、われわれとしましては非常に心強く感じまして、さらにその準備を進めて参つておるわけであります。ただ最近ある方面からの情報によりますと、必ずしもそうでないというふうな意向が傳えられております。あるいはその心境の変化がさらに再轉されたのじやないかというようなことも憂慮されますので、この方面に目下接触を保つてできるだけそういうことのないように、でき得ますれば次の臨時國会にはむりかもしれませんが、通常國会にはぜひ法律案として提出するように取運びたいと考えて、目下努力をいたしておる次第であります。
#13
○門脇委員 この信用保証協会の制度は、大分各地においてそれぞれ適当に施設されておるようでありまするが、地方によりましては非常に地方廳が重点を置いて、相当効率的に利用されておるようでありますけれども、どうかひとつ、これは全國的に本廳においてもつと積極性を持つて対應されんことを切望しておきます。
 次にこれは実際的なひとつの大きな期待になつておるのでありますが、商工中金をもつと拡充強化して、そうして名実ともに中小企業の金融機関たらしめたいという熱望が非常にあるわけです。今比較の対象になりまするところの農林中金等と應対しまして、非常に商工中金が現在そういつたような活動振りに遜色がありますので、少くとも農林中金なんかに遜色のない程度までに商工中金を引き上げたいということが、一般國民の要望になつておるわけです。政府においても、商工中金の拡充強化についてはいろいろ御計画があるかのように開いております。その内容をひとつお知らせ願いたい。特に資金の点並びに債券発行の点、それから取引の対象が從來は團体だけに制限されておつたのでありますが、その團体の團体員に対して中金が直接に取引し得るようにということも、ひとつの大くきな國民の期待なのであります。こういつたことにつきましてただいままで契約された内容をごびろう願いたい。
#14
○記内説明員 商工中金の強化の問題につきましては、今御説にありました通り、われわれといたしましても早くからこれを考えまして、できますれば今度の臨時國会にも法律改正の形で提出したいというふうに考えております。目下われわれの考えておりますことは、今お話のありましたように、貸付取引の相手先を組合に限らないで組合員にも及ぼしたい。また余裕金があります場合には、一般の中小企業者にも貸し付けさせるようにしたい。さらに預金につきましても、組合だけの貯金でなくて、また組合員あるいは一般の中小企業からも預金を集めることができるようにしたい。また商工債券は、法律上は発行できることになつておりますが、現在は金融機関再建整備法の手続のために、この債券の発行が禁止になつております。これを解除するようにしたい。現在は資本金の十倍までの債券発行が、法律上は許されておるわけでありますが、できればこれをさらに二十倍にまで拡大したい。また許されますならば、中金の出資は現在は一億五千万円でありますが、これを五億円程度に拡大して、そのうち二億円程度を政府の出資に仰ぎたいというふうに考えて、それぞれ手続を進めておるような次第であります。なお、今申し上げたような点で出費の点につきましては相当難色がありますが、また個人貸付と債券発行との面、あるいは預金の取扱いと債券発行の面、そういうふうな観点におきまして、いろいろ問題が潜在しておりますので、組合を中心とする中小企業の專門的金融機関と一般金融機関との間に非常な違いがあるということを十分に強調しまして、ぜひともこの案が実現するようにいたしたいということを考えまして、目下努力をいたしておるような次第であります。
 なおそのほかに事実上の強化といたしましては、最近に商工中金の役員に、日本銀行の考査局長を追加いたしまして、役員の強化をはかりまして、それと関連いたしまして、先ほどお話のありました日銀の中小企業のわくの融資金の問題、その他あらゆる資金をできる限り中金の方に集中するという方策を、目下講じておるわけであります。いずれにいたしましても中金が活動し得なかつた実情も、結局資金が十分に集まらなかつたという点にありますが、組合が御承知の通りこの変動期にありまして改組されようとしておる際でありますので、中金に預金が十分に集まらないという点もあります。また債券の発行が認められないというような点もありますので、われわれといたしましては今申しあげたような増資ということも考えますが、増資以外にあらゆる方法を通じて、中金に資金が集まるようにいたしたい。資金が集まつて貸出しが増加いたしますれば、それに伴なつて、また預金もふえて参るということにもなるわけであります。そういう方面に、今後とも努力をいたして行きたいというふうに考えておる次第であります。
#15
○門脇委員 いろいろ中小企業対策問題につきまして御配慮になつておることは、われわれとして感謝しておるわけであります。なお最初申しましたように、せつかくの親心で中央の御方針が御決定になつても、えてそういつたような実施の関連が最末端に徹底せぬうらみがあります。今後はそういつた最末端に十分に徹底させて、ひとしく中小企業がその政府の親心に全面的に均霑し得るように、切に御配慮を賜らんことを希望しておくわけであります。
 中小企業問題につきましてはまた他の同僚から御質問がありますので、私は引続き貿易問題について当局にいろいろお問いしたいと考えます。先回の委員会におきまして、時間が非常に少かつたので、最後はほとんどスピード的に切上げたのでありますが、本年度の貿易の予定が大体において六億ドルの予定だつたが、多少の情勢の変化等があるので見込み通りに参らぬが、少なくとも五億ドル見当にはなるだろうといつたような御答弁があつたわけであります。ところがその後ポンドの切下げ問題がありまして、これが相当今後の日本の貿易に非常な大きな影響を與えておるわけでありますが、申すまでもなくポンド地域に向つては今後輸出が相当に不振になるだろう、こういつたようなことも予想されております。
しかし若干輸入の面はこれは有利に展開されるということも言われておりますが、この切下げによつて今後の見通しについて、輸入並びに輸出の面において切実にどういつたような変化が起るかということを、本年度の当初の大体の見込み額に照らしてしかるべく御意見を伺いたいと思います。
#16
○佐藤説明員 今お話がございましたように、本年当初の輸出の計画といたしましては、大体五億七千万ドルを見ておつたわけでございますが、その後諸般の事情もございまして、大体ポンド切下げ以前におきましては五億程度に減少するのではないか。これは御承知のポンド地域に対しまして、三月以降輸出が著しく減退したというのが、非常に大きな原因をなしておつたのでございます。それでそういうふうに五億程度の輸出を見込んでおりましたが、先月の末にポンドの切下げが行われまして、その影響がどれほどあるのということにつきましては、私の方におきましても鋭意研究は進めたのでございますが、今御指摘になりましたように、輸出の量の大小は、日本がポンド地域からどれほど輸入ができるかという面が非常に大きな要因をなしておりますのと、それからポンド切下げによりまして、ポンド地域における物價がどのくらい上昇するか、こういう点も大きな要素としてあるわけでございまして、これらの点はもうしばらく様子を見てみないと、実は正確には算定できないという事情にございまして、作業はやつたのでございますが、結局そういう点からいたしまして、最終的なはつきりした数字はまだ出て来ない。ただ大体の今わかつております限りの算定におきましては、一割五分程度さらに減るのではないとかいうような見通しを立てております。
#17
○門脇委員 大体今後の輸出が一割五分くらい減るというようなお見込みのようでありまするが、これは輸出の面でありまするが、輸入の面につきましては、どういつたようなこれに関する影響があるかというようなことも、あわせてお伺いいたしたいと思います。
 なおこのポンドの切下げ問題は非常に深刻な影響を貿易界全般に與えておりまして、今一番その関心の焦点は、はたして日本が現在の為替レートを維持し得るかいなかという点にありまして、これに非常に大きな興味がかかつておるようであります。ところが先月來横浜の生糸相場が非常に高騰いたしまして、一躍数万円も上つて、最近の相場では大体一俵が十六万四千円といいうようになつております。この十六万四千円はいろいろの面から換算いたしますると、結局為替レートが四百五十円ということにならなければ、この價格というものが、輸出相場と引合わないということに採算されるわけであります。結局生糸相場の変化から見込んで、近い将来に日本のレートが一ドル四百五十円程度まで円の切下げが行われるのじやないかというような、非常に國民に一つの暗示を與えるかのような情勢が展開されておるわけであります。この問題につきましてはおそらく御出席の方が、ただちに日本の円價問題が将来どうなるかといつたような大問題を、明確に御答弁なさるようなことはあるまいと私も考えるわけでありまして、そういうことは要求いたしませんが、要するに現在世界のほとんど各國がそれぞれの通貨の切下げを行つた、こういつたような情勢下にあつて、わが日本がはたしてこれで耐え得るかいなかといつたような、いわば一つの客観的情勢について、政府の所見をお伺いしたいと思います。
#18
○佐藤説明員 この問題は非常に重要で、かつわれわれ事務当局がお答えするにはあまりに重要な問題だと思いますので、私からは御答弁申し上げない方がいいのではないか、こういうふうに考えます。
#19
○門脇委員 各國の情勢もお聞かせ願いたい。要するに世界情勢に対應して日本の現在のレートが耐え得るかどうかという点です。
#20
○佐藤説明員 その点につきましては、もちろん御承知の通り日本の総輸出額に対しまするポンド地域への輸出の占める地位が大体三割三分、全体の三分の一程度を占めておる。從いましてここでもしポンドが三割安くなつて、日本の生産價格を向こうの價格にミートして下げて行くということになりますと、大体算術的に申しますれば三割を切下げなければならない、こういう事情にございますが、他方現地における英國並びにドイツ等の競争品の値段を考えてみますと、大体從來の様子からいたしますと、同一商品に対しまして二割程度日本商品が安かつた。從いまして三割切下げられましても、三割全部を日本として下げる必要は必ずしもないのではないか。ことに御承知の通り現在までは盲貿易をやつておりましてが、幸いに最近に至りまして海外に人も出て、海外の市場を調査し、かつ直接に向うで賣込みもできるということにもなると思うのでございまして、ここういうような点を考えますと、必ずしも三割下つたから三割値段を切下げなければならないというふうには考えられないのでございまして、もちろん現状からいたしますれば、すでに三百六十円レートを決定された際に、非常に苦しかつた企業が多かつたわけでございますが、これにまたポンドの切下げによりまして、されに若干値段を下げなければならぬということは、輸出の面からのみ言えば、非常な影響を生産者の方面に及ぼすことは、いなめない事実だと思うのでございますが、他方輸入の面、それから内地の物價の点を考え合せますと、ここに輸出を増大するという点からのして円價をいじるのがいいかどうか。これはまた大きな疑問ではないか、こういうふうに考えております。
#21
○門脇委員 このポンド切下げに関連しまして、世界情勢の変化に対應して、はたして日本の現在の為替レートで日本の貿易の問題、從つて日本の経済全体がこれに耐え得るやいなやということが、かかつて今日本の経済界全般の非常に大きな問題であり、またこれが日本の今後の再建の動向をきめる一つの中心点になつて行くと考えておりますので、この問題はもちろん御出席の方々だけで全般的に総合的に、しかも結論を明快に御指示いただくことは困難かと思いますので、また将来、これは適当な機会に大臣なり政務次官の御出席を願つて、こういつた問題を完全にこの委員会が消化して行つて、日本全般の動向を指導するということでなかつたらいかぬと思います。政治の最高機関である國会のこの重要委員会に、首脳部の御欠席があるということは遺憾に思いますので、委員長に特にこの点につきまして注意を喚起しておきます。
 先ほどちよつと御答弁の中にあつたのでありまするが、やはりそういつたような難問を打開する方策の一途として、自貿易を是正して行かなければならぬ。これにつきましては先回の委員会でも伺つたのでありまするが、ドル貨の若干の留保によつて海外派遣員を相当派遣し得るようなことに、その筋から許可を受けているということであつたのでありまするが、これは先会でのお話におきましては、單に計画だけであつて、まだ実行に移つておらぬということであつたのでありまするが、その後の状況はいかがでありましようか。なおあわせて從來の常時的な性格を帶びるところの海外駐在員をそれぞれ派遣することについても、大体その筋の了解を受けられたということに伺つておりますが、その点もどうなつておりますか、この二点につきましてお伺いしておきます。
#22
○佐藤説明員 第一点の海外に行く駐在員の渡航許可がどのくらいあつたか。これは実は通産省の振興局の方で実際の手続を関係方面との間に進めておる関係上、私からはちよつと御答弁申しかねます。それから海外の領事館的なものにつきまして、関係方面との間に何か了解事項があるかとの御質問でございますが、この点については私何らまだ承知しておりません。
#23
○門脇委員 なお貿易問題につきましても同僚の質問がありますので、私は最後にいま二点だけお伺いして、私の質問を打切りたいと思います。現在輸出向けの滞貨はどのくらいあるかということ、それから從來もこれは非常に懸案になつておつたのでおりますが、クレーム処理はどういうふなぐあいに現在処理されつつあるか、この二点についてお伺いしたい。
#24
○前野説明員 ただいまの質問にお答えいたします前に、先ほど御質問のありましたインセンテイーヴの件につきまして、ちようど私の方の振興局の方でやつておりますので、便宜ちよつとお答えしておきたいと思いますが、この件につきましては、受付件数が今までに約百四、五十件ありまして、最近になりましてこのうち一件だけが許可になりまして、出ることのできるというようなところまで運んでおります。從いまして一應ルートに乗りましたのですから、今後この件について海外へ出るということは、続々と行われるのではないかというように了解しております。
 それからただいま御質問のありまして輸出品の滞貨の件でありますが、これは大体公團の持つております滞貨と、民間の持つております滞貨とに大きくわけられるわけでありますが、公團関係では繊維公團が約四百億円見当の滞貨と言いますが、在庫品がございます。それから鉱工品公團では約六十八億、七十億円近くの在庫品を持つております。鉱工品公團のこの七十億円の在庫品の中で、船舶関係が約五十億円ございまして、これは在庫品と申しましても例のしかかり中に支拂いました金額でありますので、契約もできておりますし、当然でき上がりますれば出る性質のものでありますから、在庫品としましては約二十億円、こういうふうに考えてよいのではないかと存じております。それから繊維公團の分につきましては、これは御承知のように國内放出等も認められまして、國内処分もいたしておりますので、この点につきましては、その処分についてはさして困難ではないのでないかというように考えます。
#25
○門脇委員 クレーム処理は……
#26
○前野説明員 クレームの方は私直接担当いたしておりませんが、大体個々の件数につきまして、個々に関係方面の方へ提出いたしまして、個別的に解決して行くということで解決しております件数も相当たくさんございますが、ただ私今ここで件数その他につきましての資料を持ち合わせておりませんので、ちよつと具体的のお答えはいたしかねます。それからもう一つは、そういうふうに個々に関係方面を通じまして解決いたして行きます方法と、もう一つ仲裁機構のようなものを根本的に機構的につくりまして、それによつて解決をして行くというようなことも別途考えてられております。
#27
○門脇委員 大体においてこれで質問を切りますが、最後に私として希望申し上げたいことは、先ほど申したように、このポンド切下げに関連しまして、今後日本がどういつたような方針で進むかということが、今最も大きな経済界の焦点になつております。こういつたときに、しかるべき責任者が出て、こういう権威のある委員会を通じて、全國民に一つの指導的な言辞を與えます。爾今はそういつたように取扱われんことを切に委員長にお願い申し上げます。
#28
○神田委員長代理 ちよつとお諮りいたしますが、今日は主税局長も参る予定でおつたのですが、代理の主税局調査課長の忠君が來ております。会議の都合上もしお尋ねがあればお答え申し上げて早く帰りたい、こういう希望でございます。税に関することで御質問でもございましたら……。ちよつと速記をやめて……
    〔速記中止〕
#29
○神田委員長代理 速記を始めて……高木君。
#30
○高木(吉)委員 主税局の課長にお尋ねいたしますが、シャウプの勧告案によりまして、大体來年度の四月一日から織物消費税が減税になる。それまでの期間においては、すみやかに絹織物の税の四割を一割に減ずるようにというシャウプ勧告案が出ておるのであります。あのシャウプ勧告案が出まして以來、順調をたどつておりました人絹織物の販賣機構に一大変革を來しまして、一年間におきましての最大量を消化しますこの秋冬の時期におきまして、滞貨をいたしまして円滑な取引ができないわけであります。と申しますのは、激激に織物税が三割下るといたしますと、相当な差額が生ずるわけでありますから、これはシャウプ勧告案の通りにスムースに軽減をしてもらいまして、そして商取引の上におきましてもまた帳じりの面におきましても、その効果を收めるということが行政面として最も必要なことと存じます。もちろん税率を改正いたしまするには、國会の決議を必要とするのでありますが、その間に行政面におきまして、いわゆる標準價格というものに対して手心を加えていただきまして、これをある程度軽減することによつて、急激な税率の引下げによる影響のないようにやつていただくということが必要であると存じます。從つて、現今は過去の三箇月間の販賣実績によつて、これに対する課税標準をつくつておると思いますが、それをいま少しく大幅に引下げまして、そうして四割から一割になるまでの間に、ある程度の緩和をすることが最も必要であると存じますが、その点に対して御意見を伺いたいと思います。
#31
○忠説明員 絹織物、人絹等につきましてお話がございましたような取引のいろいろの変動を來しておるということにつきましては、かねがねこの事情を調査いたしておりまして、対策を立てておる次第でございますが、通産省といたしましては衣料切符の撤廃とか、それからマル公制度の改正等によりまして、織物全体の取引を円滑にするという方向を着々考えておるようでございます。それでただいまお話にありましたのは、織物の標準價格をできるだけ三割の減税をいたしますのに近づくような手心が加えられないかというお話のように承りましたが、御承知のように織物の價格自体が市場によつて増減いたしますれば、それに伴いまして標準價格も同様に改正する、こういう建前で進んで参りましたので、織物の價格の変動が非常にはげしく現れますと、それにできるだけテンポを早めて追随する、こういうような施策をとることにはいたしておりますが、意識的に三割の税率が低くなることを目標といたしましてそれに近づける、こういうことを政策的に取上げますことは困難であろう。ただいまそういうような態度で、できるだけ実際に合うような施策を進めたいと考えておる次第でございます。
#32
○高木(吉)委員 ただいま御答弁になりましたが、それはいかにもごもつともでありますが、大体将来三割安くなるという見通しのもとに、がんざいではその三割を差引きました程度で取引を行いつつあるのであります。これはもしこのままに放置いたしますれば、大蔵大臣はこの面に対しまして金融をつけると言つておりますが、全國的なこの大きな滞貨に対してとうてい現在の金融状態では金融なんかつけられつこないのであります。そういたしますと、これをスムースに動かしません場合におきましては、脱税の方法よりない。いたずらにそういうことによつて罪人をつくるということになつて参るのでありまして、從つて税收入の点におきましても非常に減つて参る。それよりはむしろ三割減るであろうところの見込みを立てていただきまして、――事実取引におきましてはその税だけ軽減した價格によつて取引が行われつつあるということを見通していただきまして、これに対しての処置を何とかとつていただきたい、こういうことを考えておるのでありますが、それに対しましてのお考えを伺いたいと思います。
#33
○忠説明員 ただいまのお話の点につきましては、事情はよく了解できるのでございますが、建前から申し上げまして、これはいささかどうも取扱いかねるような御提言だと考える次第であります。但し実際の市場價格に追随いたしまして、できるだけ標準價格の改正が逓れまして、これが不自然になるということにならないように努める。その標準價格のきめ方も、できるだけ実情に合うようにきめる、かようなことで、おりのない課税にする、こういうことを申し上げて、できるだけ努力するよりほかないと思います。
#34
○高木(吉)委員 過日主税局長なりおおくら大臣におたずねをいたしたのでありますが、今お答えがありました程度を相当量深めまして、実質的に運営して行くことが困難でないということでございますので、その意味から行きましても、また今のお答えによりましても、操作の面において多少しんしやくできることと存じます。また過去三箇月の標準と申しましても、最高があり最低もあることでありますから、その運営の方法によりまして、なるべく標準價格を下げていただき、スムースな計画を立てて行くことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
#35
○門脇委員 大蔵省の調査課長にちよつとお伺いいたしたいと思います。最近の臨時議会に提案される補正予算の中に、價格差益金において三十億の増徴があるといつた一項目がありまするが、その内容につきまして御説明願いたいと思います。
#36
○忠説明員 價格差益金は物價廳の方で全部取扱つておりまして、私どもはあまり事情を詳しく存じませんので、物價廳の方から御説明願うようにいたしたいと思います。
#37
○神田委員長代理 主税局関係についてほかにございませんか。
 本日政府側はまことに不熱心きわまるものがありまして、当委員会の國政調査にきわめて遺憾の点が多々ありますので、これらの点につきましては十分通産省その他に、われわれの意のあるところを傳えておきいたいと思います。これ以上國政調査を本日進めることは益がないように考えますので、本日はこの程度で散会いたします。明日は午前十時から開会いたします。詳細は公報をもつてお知らせいたします。
    午後三時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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