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1949/04/05 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 災害地対策特別委員会 第3号
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1949/04/05 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 災害地対策特別委員会 第3号

#1
第005回国会 災害地対策特別委員会 第3号
昭和二十四年四月二日
      青木  正君    飯塚 定輔君
      小金 義照君    小平 久雄君
      鈴木 明良君    久野 忠治君
      田中織之進君    中西伊之助君
 が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年四月五日(火曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 大内 一郎君
   理事 青木  正君 理事 小金 義照君
   理事 小平 久雄君 理事 高橋清治郎君
   理事 久野 忠治君
      岡延右エ門君    小川原政信君
      尾関 義一君    角田 幸吉君
      鈴木 善幸君    飛嶋  繁君
      野村專太郎君    山本 久雄君
      逢澤  寛君    長谷川四郎君
      林  好次君    宮腰 喜助君
      足鹿  覺君    砂間 一良君
      金子與重郎君    小平  忠君
      石野 久男君
 出席政府委員
        経済安定本部建
        設局長     高野 與作君
        建設政務次官  内海 安吉君
        建 設 技 官 目黒 清雄君
 委員外の出席者
        建設事務官   伊藤 大三君
四月五日
 高橋清治郎君が理事に追加当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
    ―――――――――――――
#2
○大内委員長 これより会議を開きます。いろいろ行き違いがあつて、時間も遅れたことをお詫びしておきます。
 昨日の運営委員会において理事を一名追加することに決定になつたのであります。この理事の追加選任を行いたいと思いますが投票の手続を省略して、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大内委員長 それでは御異議なしと認めまして委員長より高橋清治郎君を理事に指名いたします。
 それでは災害の復旧状況に関して、当局より説明を聽取したいと思います。
#4
○高野政府委員 経済安定本部の建設局長であります災害の復旧の状況につきましてごく概略御説明申し上げたいと存じます。
 御承知の通り戰事中から終戰後にかけまして國土がひどく荒廃いたしておりまする上に年々かつて記録に珍しいような大降雨がありましたことやまた大きな地震等によりまして年々厖大な災害をこうむつております実情でありますが、これに対しまして復旧状況はどうかと申しますると毎年国庫の予算が常にきゆうくつであります関係上、被害に対して復旧の状況が遅遅としておりますることは私ども当局者といたしましてはなはだ遺憾に考えておるわけにあります。ちようど今年こそは今までのような災害対策を推進して行つておつては、いよいよ國土の荒廃が容易ならぬことに立ち至るであろうというふうな考えからこの二十四年度予算こそは災害対策に最も重点をおいて國の予算も編成しなければならぬこういうふうに考えておつたわけでありまするが公共事業費総額の極度の圧縮の関係から私どもが計画しておりました災害予算が十分に盛り得なかつたことははなはだ残念に存ずるのであります。
 お手元に差上げてありまする二枚の表につきまして御説明申し上げたいと思います。公共事業費予算案という表をごらんになつていただきますと第一項は二十四年度各省の原局の要求でありますが、これを載せてございます。その次の欄には二十四年度予算案、それから参考のために次の欄には二十三年度予算をかかげて御参考に供してあります。そこで二十四年度予算でありますが、総額五百億という小さなわくではありまするが、特に治山治水に重点を置きまして、災害対策及び災害の原因となりまする治山治水に実に重点を置いてこの配分をいたしたつもりであります。従来災害は復旧に重点を置いておつたのでありまするが復旧のみで源を治めない限りとうていこの累増する災害は食いとめることができないという極点から、この河川の項目とかあるいは砂防、特にまた山林の源を治めるための費用に相当重点を置いたつもりであります。一体今までの災害に対して、國でどれくらいの負担を負わなければならぬかという調べを実は別の表にごらんいただきますると調べがあるわけであります。これは各省からの報告に基きまして、ごく概略をここに一表にまとめたわけであります。公共事業災害復旧費調という表であります。これによりますと、昭和二十一年以前の災害と、昭和二十二年度、二十三年度の災害、鉱害、地盤沈下、こういうふうな項目にわけてありまするが、各項目のしたに括弧をしてありますのは、二十四年度を含みまして、それ以降に國費の所要見込額を記載してあるわけであります。これによりますると、最後の合計額を右の欄に上げてありますが、今まで支出いたしました合計が二百十六億八千八百万となつておりますが、その下の括弧の合計が八百二十七億になつておりまして、これでごらんをいただきますると、二十四年度以降、國が約八百二十億の災害復旧の義務をつけられておるわけでありまして、これに対しまして、最初の表をごらんいただきますと、二十四年度災害予算として、百六十八億八千万円を見込んでおるわけでありまして、國が義務づけられております八百三十万に対して、その四分の一にもあたらない金額に相当いたしておりますが、災害に重点をおきましてもなおかつこの程度しかできないということになるわけであります。そこでこれは國の公共事業費から今まで支出した金額でありまするが、実は二十三年度におきまして、ここに二十三年度予算で、百八十億何がしの災害費が支出してありまするが、そのほかに実は金額によりまして、相当額支出いたしておるわけであります。その金額を申し上げておきますると、二十二年度以前の過年度災害に対しまして、三十三億八千万円、それから二十二年度災害に対しまして四十億円、これは表にございませんで金融をいたしております金額であります。それから二十三年度災害のうち、特に被害の大きな地域に対しまして、実は國庫債務負担行為が要望されておつたのでありますが、それが時期的にできませんでしたので、預金部資金から約十二億円、それにごく最近地方銀行から地方が借りておられますものの償還に約八億円、合計二十億だけこの二十三年度災害の被害地の大きなところに預金部資金から融資をいたしております。これらの合計が九十三億八千万円となるわけであります。このうちあとの二十三年度災害に対しまする合計二十億というものは新たな二十四年度の予算が出て参りまするとそのうちから預金部へ返済することになつております。それ以外のものは長期債に借りかえて処置いたしております。今までに災害はどれくらい起つて、そして國はどれくらい負担の義務を負わされておるかということと、そのうちの二十四年度どれくらいのものを支出いたしますかということと、さらにこの二十三年度予算以外に融資いたしました金額について、ただいま御報告を申し上げた次第であります。なおこれ以上は御質問等にお答えいたしたいと思います。
#5
○小川原委員 御説明がありましたが、数字の御説明であつて、その事業の経過などはまだ十分承知をしておりません。両年の災害に対して目下政府として着手しておられますものの経過はどういうふうになつておるか。本年はどのくらいに進めて行くかという状況についての概要をひとつ聞かしていただきたと思います。
#6
○高野政府委員 もう一度御質問の内容をひとつ……。
#7
○小川原委員 この両年の災害において、災害が全部復旧してしまつたんならよろしいのでございますが、年度計画としての事業があるならば、その事業の概要を知らしていただきたい。一例をあげるならば、利根川についての話でありますが、利根川が切れておる。しかし昨年度の金でそれが全部終了して、目下のところ政府はどの工事にも着手しておらぬ、こういうのならよろしいのであります。あるいは昨年度の災害において金が十分でなくて五分通りできておる、八分通りできた、こういうのがあるだろうと思う。そういうものがあるのであるかないのであるか、そういう状況をひとつお話していただきたい。
#8
○高野政府委員 御質問の内容は、実は私のところでは十分にわかつておりませんので、今この案に盛つてありまするような、たとえば河川災害百九億何がしというもの、これにつきましては、建設省ではそれぞれ今ご質問の内容のごとき詳細なるものを仕立てておられるわけです。從つて私のところではまだどの河川をどういうふうにやるという各省の御方針なり御計画なりというものは実はまだわかつておりませんので、後刻建設省あたりから詳細に御説明願うことに御了承いたいと思います。
#9
○長谷川委員 二十二、二十三年の両年にわたつた災害が非常に大きなもので、これに対して政府の査定があつたのでありますが、査定額に対して幾らくらいの補助が出て参つておるか。この三十二年度の査定額見積に対して幾ら行つておるか、また二十三年度に幾ら行つておるか。從つて工事の進行状態がどのくらいになつておるかということのお話を承りたいと思うのですが、安本の方でわかりませんか。
#10
○高野政府委員 この総額につきましては、ただいま差上げました表にありまするように、たとえば公共事業災害復旧費調べでございますね、この表をごらんいただきまして、二十二年の項をごらんになりますと、二十二年の災害費査定額が百二十八億となつておりますが、それにつきまして九十三億出ております。それから二十三年度の災害費は、五百六十七億に対しまして六十八億出ております。
#11
○小川原委員 私はさつき質問をいたしましたが、今建設省からお見えになりましたから、全部についてとは申しませんが、大きな事業の概要について聞かしていただけばけつこうだと思いますが、いかがですか。
#12
○内海政府委員 ただいま小川原さんから御質問があつたようでありますが、ちようど大臣は参議院の答弁に当つておりますので、簡單ではありますが、私から災害復旧工事の現状につきまして御報告申し上げたいと思います。
 最近水害による公共土木施設の被害は戰時中における濫伐、濫墾による水源山地の荒廃と、河川の維持補修の不完全並びに異常降雨等も加わりまして、累年その被害の高も増額しておるような次第なのであります。ことにカザリン台風が襲来いたしました昭和二十二年の災害復旧費は百五十五億に達しております。さらにまたアイオン、アグネス台風の襲來せる昭和二十三年の水害においては物價の騰貴の影響もあり、その復旧費は四百七十億円の巨額に達しておるのであります。岩手縣の五十億円、宮城縣の三十五億円、群馬縣の三十四億円などの大被害懸を生ずるに至つたのであります。これらの水害は、單に公共土木施設の大損害ばかりではなく、主用鉄道、道路を長期間杜絶させたり、あるいは人家、耕作地の流失などか非常に多かつたのであります。これのために生産に、民生の安定に、食糧の増産、確保などに及ぼした損失は、さらに甚大なものがあつたのであります。人の死傷三万四千四百三十八人、家屋壊滅、流失六万五千八百三戸、家屋浸水三十九万四千四百五十七戸、田畑の流失、埋没、崩壊五万四千六百一町歩、山林の浸水五十一万五百六十五町歩、昭和二十三年度だけにおいても、こういつたような大なる被害を見ておるのであります。水害による公共土木施設の被害には、河川あり、道路あり、橋梁あり、海岸あり、港湾あり、砂防施設あり、しかるに復旧工事費において占むる程度は、河川復旧費において全体の七割以上を占め、道路、橋梁、海岸砂防等について、その残余の三割弱を占めておるのであります。河川の災害が被害の大部分を占めている実情であります。従来公共土木施設の被害は内務省において統轄、実施したところでありますが、港湾局が運輸省に轉属した関係上、港湾災害のみを分離するに至つたのであります。旧来の統制がいささかこの点において弱体化していることも事実なのであります。
 災害復旧工事は実施箇所廣域にわたりまして、施工箇所数もはなはだ多く、工事費また多額に上り、ために施工力においても、國庫財政助成の点においても、單年度に完成をはかることは困難であり、三年ないし四年にまたがることが近年の例なのであります。ことに國庫財政の窮乏と金融の梗塞の結果さらに実施の遅延を來しつつあるのであります。しかるに復旧工事は原状回復を主眼として、生産の面においても、國民生活安定の面においても、原状確保の最低要求でありまして再優先に措置するの緊急なことは言うをまたないのであります。國庫財政等の現状においては、その要求を満し得ぬことははるかに速く、ために復旧工事の実施は緊急度に應じ、実施順位を定めて着工せしめるのほかはないのであります。緊急を要する施工箇所も実施遅延に陷るもの多く、地方においては地元における切なる実施要望を支え切れずして、財政上あらゆる苦慮をなし、多額の認証外工事を実施いたしまして、民心の安定と、生産の増強に努めているのが現状なのであります。
 既往災害に対する國庫補助と工事進捗の概況を御説明いたしますならば昭和二十二年以前災害、國庫補助完了、工事完了。これは一月末現在なのであります。昭和二十二年災害、國庫補助五割完了。工事進捗六割五部完了しております。昭和二十三年の災害は、國庫補助八分完了しております。工事の進捗はわずかに二割完了したのみであります。
 以上災害復旧工事の実情にかんがみまして、今後の実施の方針として昭和二十四年度においては主力を昭和二十三年水害中緊急施行箇所の出水前の完成を目途に、補助予算の要求をなし、災害の防止、軽減を期せんとしておるのであります。昭和二十三年度災害復旧費四百七十億円、被害箇所六万五千箇所中、緊急復旧を要する箇所の工費は全体の約五割を占むるのにかんがみまして、本年度において緊急施行箇所の約三割、工事費において百五十億円程度の完成を期し、さらに昭和二十四年度においては全体の約五割、工事費として二百三十億円程度の完成を予定し、しかも出水期までには二十三年度中の施行を含み、全体の約五割ないし六割を完成して、前記の緊急施行箇所に対する措置をなさんとする計画をなし、目下審議中の予算編成の見込額をもつてしては、計画の半ばにも及ばぬものと推察せられるのであります。これを昭和二十三年度予算編成当時の災害國庫補助義務額百十五億円に対し、本年度内補助額五十八億円、全体の五割あまりの実施をなさしめる実情に照らすときは、昭和三十四年度においても現在の國庫補助義務額三百六十億円に対し、少くとも百八十億円程度の補助予算を編成するにあらざれば、昭和二十三年度程度の実施もはなはだ困難なる状態にあるのであります。しかし國庫財政上増額の道絶対になしとすれば、事実において現に工事施行中のもののみを完成するにも十分ならざる程度の予算見込みなるをもつて、來年度の新規着工はほとんど見込みなしと断ぜざるを得ない現状なのであります。
 かかる結果は、本年の出水期到來のときにおいてもなお多くの緊急復旧を要する未着工箇所を放置する結果となり、寒心にたえざる事態であると思うのであります。政府としては、今後すみやかに新規財源を求め、急速に補正予算の編成をなすことに考慮して、緊急対策を準備するの要あることを認めて、これが実現に進みつつあるのであります。失業救済対策事業その他の場合におきましても、食糧増産等に重大影響のある災害復旧工事を優先に該事業に取入れ、一石二鳥の効果をあげることを期しておるのであります。
 以上はきわめて概括的な報告ではありますけれども、詳しいことは当局よりそれぞれ説明することにいたさせます。どうぞ御了承を願いたいと思います。
#13
○砂間委員 河川の改修もほとんど十分なされておらぬし、災害の復旧工事も非常に遅れておる。それから國土荒廃の現状というようなことにつきまして、いろいろ御説明がありましたが、こういうことは、詳しく御説明くださらなくても、大体委員の方は皆おわかりになつておるのではないか、と思います。ただ政府といたしまして、これに対してどういう対策を持つておるかという点について、もつと突つ込んだ方針をお聞きしたい。その点につきましては、ただいま次官のご報告を開いておりますと、非常に憂慮すべき現状にあるという点だけは盛んに強調されておつたのでありますが、その対策の点につきましては、ほとんど何もない。ただ新規財源を求めて、補正予算でも組んで行きたいというふうな、まことにたよりないお話であつたのでありますが、はたして新規財源を求める見込みがあるのか、補正予算をとつてやつて行く見込みがふるのかという点につきまして、もつとはつきりした、責任ある御報告をお願いしたいと思います。
#14
○内海政府委員 ごもつともな御質問であります。政府におきましても、現任の公共事業費のわく内におきましては、なかなか容易に、皆さんの御満足を得る程度までやり得るかどうか、はなはだ疑問の状態になつております。そこですでに御承知のごとく、政府においては、総合國土計画審議会といつたようなものもつくりまして、この際その財政方面においてもまた、皆さんのねらわれておるところの十大河川というがごとき、それぞれ全國の河川にわたつて調査研究を進めて、急速に皆さんの御要求なり、御意見なりをいれまして、実現に進みたいと思うのでありまするが、何分にも現段階におきましては、限られたる公共本業費予算をもつてしてはまかない切れないような現状にあることは、おそらく御了承のことと存ずるのでありまして、いずれ近いうちにこの問題につきまして、予算等も決定の上は詳細にわたつて御説明申し上げる機会があると存ずるのであります。
#15
○砂間委員 ただいまのお話、公共事業費のわくがもうきまつておるから、どうにもならぬというふうなお話だつたと思うのですが、しかし公共事業費のわくをきめたのは閣議でありまして、きのう百田内閣総理大臣の施政方針演説の中にもありましたように、今年の予算というものは日本政府の責任においてやつたということを、重ねてくどくどしく強調しておりました。あの五百億のわくの中で、災害復旧をも含めた公共事業をやつて行く、それで十分政府の責任が盡せるという点であの予算案を閣議で御決定になつたと思うのですが、しかし私たちの見るところでは、この災害復旧一つだけとつて見ましても、とてもとてもできないというふうに思うわけです。わくがきまつておるからどうにもこうにもならぬというふうなことは、まことに政府委員の御説明としては私ども合点ができぬ。納得が行かないのです。どうしてもこの事業が必要であるということがおわかりであるならば、たとえば他の方の予算は節約ないし縮小いたしましても、もう少し必要方面に経費を増すべきじやないか、大体今年の予算全体をとりましても、七千何百億というふうに非常にふえて來ておるようであります。私どもから見れば相当不必要方面に経費の支出も膨脹して行つておる。にもかかわらず、こういうまつたく緊急必要な災害復旧という点については、その専門の技術者やあるいは当局がいろいろ計画を立てまして、これだけの費用がいるという数字が出ておるにもかかわらず、それをまつたくむちやくちやに削減いたしまして、全然復旧も改修も何もできぬような状態になつておる。こんな状態で今年降雨期に入りましたならば、全國の災害は厖大なものがすぐ起つて來るということは、これはだれにもわかり切つておることだと思う。そうして起つて來た災害を復旧するについては、また費用がかかる。あとから追いかけられ追いかけられ行つていて、これでは何と言いまか、かえつてお命が効果的に使えないと思う。こういう政治のやり方というものは、私ども感心することができないのです。もつと責任ある政策を講ずべきじやないかと思うのですが、今の次官の御説明については、どうしても納得いたしかねます。できれば総理大臣なり、あるいは安本長官なり、大藏大臣なりに、何で閣議でああいう、公共事業費を五百億というような、わくをきめたかということにつきまして、責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
#16
○内海政府委員 予算の内容につきまして、今ここにただちに御答弁申し上げることのできないことは遺憾と思うのでありまするが、大体において昭和三十三年度公共事業費のうちから災害河川方面に向けましたる予算というものは、昭和二十三年度においては公共事業費全体のうちから二九%だけ出ておるのであります。また来年度、すなわち二十四年度におきましては三三・八%というわくをとつておるような次第なのであります。公共事業費全体から見ますると、まず災害対策費並びに河川方面においては、かくのごとき率をもつて、だんだん増額されているような現状なのであります。しかしこの数字について詳しく申し上げることもできませんことは、まだはつきり決定しておらぬのでございますから、いずれ事務当局から詳細に御答弁申しあげることにいたします。
#17
○砂間委員 ただいまのお答えによりますと、公共事業費のわくの中で、河川の費用の占めるパーセンテージが、去年よりは幾らかふえたというようなことをもちまして、申訳にしているようでありますが、しかし問題は、この公共事業費のわく全体が小さいということなのです。ですから、予算全体に対する、たとえば改修工事なら改修工事の國家財政の占める比率という点から申しましても、きわめてわずかなものになつて來て、一例をあげますと、昭和三年におきましては、全國家財政に占める公共事業費の率は一六%でありました。それが昭和十二年には支那事変が始つた年でありまして、臨時軍事費なんかの関係で非常に圧縮されて、六・八%に下つております。昭和十八年にはたつた三%しか行つておりません。最近におきまして、やや増加しては來ておりますけれども、まだ一〇%に達しておらぬというような状態であります。谷津の七千億を超える予算全体におきまして、たとえば改修費、災害復旧の占める比率は幾らになるか、まだちよつと計算いたしておりませんが、おそらくごくわすかなものではないかと思います。ですから問題は公共事業費、わずかなわくの中で幾ら幾らとつたということで何も政府の責任を盡しているというような言訳にはならないのでありまして、災害は年々どんどんふえて來て、荒廃して行つているわけなのです。それを根本的に防ぐためにはどれだけ費用が必要であるという点から割出して行かなければならぬ。政府の施策というものはまつたく災害復旧の点につきましてはうつちやらかしになつて、何ら誠意も政策も持つておらぬように私どもには思われるのであります。この点につきましてはもつと大臣なり首相なりのはつきりした責任ある御答弁を後の機会にお伺いしたいと思います。
#18
○内海政府委員 ただいまの御質問ごもつともでございます。これはやはり安本長官か、あるいは大臣より答弁していただく方がはつきりしていいと思いますから、どうぞそういうことに願います。
#19
○角田委員 河川局長に、技術方面から私はお聞きしておきたい。本年度の少くなつた予算で、昨年のアイオン台風のようなまれに見る大水害で支障がありませんかどうですか。普通の水害であれば今の予算の程度でそう支障を起さないで行かれるかどうか、この技術面のことをお聞きしたいと思います。
#20
○目黒政府委員 先ほど次官からお話がありました通りに、大体残りの災害復旧費の三割程度きり今年は完成しないわけであります。從つて昨年度のアオン台風が來ますれば、もちろんこれは完全に手をあげなくてはなりませんが、それならばどの程度まで安心かということになりますと、これは場所によりまして非常に差異があるのであります。と申しますのはこの災害復旧費が大体知事が予算の補助を受けまして施行を担当しているのでありまして、地方的に多少行き方の相違が起つております。大体われわれの見ますところは、大河川は大体において安心はできますが、中小河川に至りますと、この程度では安心はできない。場所によりますと非常に惡いところになると二百ミリ程度の雨、あるいはこれ以下の雨でも氾濫する箇所ができるだろうと想像しております。しかしわれわれとしては、こういう少い予算で施工をやりまする場合には、やはり氾濫の非常に大きい所をまず救うという以外に手がないのでありまして、全般的に同じような安全度に持つて行くことは不可能であります。今のように大河川、大被害の起るであろうという予想のあります所に金を持つて行つて、ある程度の中洪水に対しては安全であるというところまで持つて行きたいつもりでおります。
#21
○長谷川委員 次官の御説明の中にも非常に圧縮された予算ではあるけれども、新規財源対策等を考えておつて、これをもつて補正して行くというようなお話がありましたが、その新規財源対策の具体的なものをお示し願いたいと思います。
#22
○内海政府委員 この問題も、あまり私から立ち入つて申し上げることはどうかと考えまする。で、幸いに先ほども答弁を保留しておきました安本長官あたりからお聞きを願う方が、かえつて正しいのじやないかと考えます。さよう御承知を願いたいと思います。
#23
○小平(久)委員 まず最初に安本の建設局長にお伺いしたい。先ほどのお配り願つた公共事業、災害復旧費調のことでありますが、この表のうち括弧内の金額の意味であります。どうも先ほどの御説明を伺つておりますと、何か一様にとられておるようではつきりしない。たとえばこの合計欄の八百二十七億ばかりですが、これは二十四年度、つまり本年度以降の所要額というふうに御説明があつたようであります。また一方先ほどどなたかの御質問に対して、今まで必要額に対してどのくらい出たかということに対して括弧内の数字が必要額で、括弧のない数字が既出額だというような御説明でありましたが、その点はどちらがほんとうですか、それが第一点、第二点は括弧内の数字が今後の必要額だとすれば、今申した公共事業災害復旧調によりますと、八百二十七億ばかりになつておるのでありますが、一方二十四年度の公共事業予算案の表を見ますと、本年度の各省の要求額がそれを非常に超える厖大な額になつておるようであります。その辺が非常につじつまが合わんような氣がするのでありますが、その辺もどういう関係になつておるか御説明を願いたい。
 次には建設省の関係でちよつとお尋ねしたい。まず第一に、このお配り願つた昭和二十三年の災害復旧土木工事進捗状況調によりますと、要するに地方の府縣工事の分が國庫の補助相当額以上に、要するに工事が進捗しておる。こういうことになるのだろうと思います。しかもそれは超過額が約三十二億ばかりになつておるようでありますが、これに対して本年度の安本から示されました五百億というわくのうち災害関係の費用としては百六十八億八千万ばかりやるようでありまするが、これはもちろん直轄工事と府縣工事とを含んでおると思うのであります。この内訳として直轄工事がどのくらいになるのか、あるいは府縣工事がどのくらいになるのか。その府懸工事のうち土木関係がどのくらいで、その他がどのくらいになつている、つまり要するに二十三年度中に各府縣が超過してやつた工事、それに対しては本年完全にこれを、もちろん補えることと思いますが、どの程度にそのへん予定してあるか承りたいのであります。
 それともう一つの問題に、先ほど安本の建設局長からの説明によりましても相当各府縣では融資によつてやつておるわけでありますが、そのうち昨年度の特に被害のはなはだしかつた縣に対して二十億ばかし預金部から融資をしておる。それについては今度二十四年の予算ができればこれに振りかえる、こういう話でありましたが、この地方の借入れにつきましては地方としては借入れはそのままにしておいて、そうして予算の文は新たに工事を一つやつてもらたい。こういう希望が非常に熾烈のように承知しておるのでありますが、この点につきましては建設省当局としては大藏当局との間にどういう交渉になつておるか、その点を一つ伺いたい。以上安本関係及び建設省関係で御答弁願いたい。
#24
○高野政府委員 表の説明が十分でありませんので、恐縮でありました。あらためて説明させていただきます。この公共事業災害復旧費調という表でありますが、これにおのおのの項目に二段ずつ書いてあります。上の括弧をしてないもの、これは今まで支出して参つた國庫の補助額であります。下の括弧のついてありますのは、なおその残つたものであります。これが二十四年を含めた二十四年度以降になおこれだけ所要であるという見込額であります。從つて最後の合計では括弧がとれておりますが、八百二十億というものは國庫で今後二十四年度以降負担してやつてやる必要のものであるということであります。從つてこの國庫補助費は三分の二でありますので、三分の一は地方負担になつております。なおこの八百二十億の半額約四百億はこれに出された千二百億なるものが全事業費である。こういうふうにお考え願います。それからこれは別表の二十四年度原局要求額という数字と合いませんが、おそらく各省が要求された。昨年の十二月初めから半ばごろに要求書が出ておりまするので、その後順次現地査定も行われておりますし、これは幾分違うかもしれないと思います。
#25
○小平(久)委員 百四十億ばかり違う。災害関係だけでも九百六十八億要求しておるでしよう。片方は八百二十七億です。
#26
○高野政府委員 これは原局要求を御参考のために書き上げたのでありまして、合計金額も非常に大きいのであります。それから八百二十億にいたしましても、これはもう少し嚴密に査定いたしますと、相当額國の負担額が減るのではないかというふうな考え方を持つておるのであります。從つて今後もう一度こういつたような数字は檢討されなければならぬのではないか、こういうふうに考えております。
#27
○目黒政府委員 災害が相当進捗しておるのに、その後の予算はどうであるか、こういう話でありますが、私どもの今度決定せられるであろうと思いまするところの安本内示の予算を申し上げますると、総体で百六十八億七千四百万円ばかりであります。そのうち災害は、建設省関係の災害としては百九億三千二百万円であります。一般が五十九億四千三百万円、これは一般の河川改修費であります。
 さらにこの災害の内訳を申し上げますると、一般と申しますのは直轄河川改修、中小河川の改修それから北海道その他の河川改修費であります。それから、内訳を申し上げますと、百九億の中には直轄河川の災害復旧費、それから府縣に補助をいたしまする災害復旧費、九州炭鉱地帯の陥没による鉱害復旧費、四國その他の地盤沈下に対する災害復旧費、こんなようなものが入つておるのでありますが、この中で府縣の補助の災害復旧費、いわゆる水害と申しますのが大部分でありまして、八十億一千七百万円、これは二十四年度であります。そういたしますると、三十億ばかりのやり過ぎを調べますると、八十三億でありますから五十一億ばかり今後仕事がやれる、こういう結果になりまするが、実際問題といたしまして、三十一億という金が出ましたのは一月末現在であります。府縣におきましてはその後いろいろの形で工事を続行しておりまするので、現在においてそれ以上工事が進捗しておると思うのであります。從つて今度八十億なにがしかを決定されましても、今後新規着工はほとんど不可能ではないかという推定を下しております。
#28
○伊藤説明員 借入れの問題につきましてちよつと申し上げます。二十三年度に災害が起りまして、予算の折衝が長引きましたので、とりあえず大藏省、安本あたりにいろいろ折衝をお願いいたしまして、約二十五億程度の一時融資を受けたわけであります。これが三月の終りごろに大体借りかえるという條件のもとに融資せられたものでありますから、しかもこれはどちらかと言えば正式な起債というような形式をとらなかつたわけで、この返還につきましては預金部においても相当強行に主張せられたわけであります。そこでそれをとり上げられましたならば、二十何億という水害関係の補助を出しましても、結局その補助が使えないという関係で、これも長くいろいろ折衝いたしまして、とりあえず約二十億程度はこれを借りかえて、二十四年度に延ばしまして、一應の返還をしてまた借りたというかつこうをとらせたわけであります。これもまた六月末に参りますとまた借りかえになるということになりますが、その場合におきまして、さらに私どもの方といたしましても、預金部の貸金の手持ちが十分ある限りは一應交渉して、さらに先に借りかえつて行つて、なるべく補助費並びに補助費に伴う府縣の起債分だけはそれだけ事業に使いたい、使わしていただくようにということを今考えておるわけであります。
#29
○小平(久)委員 今の御説明によりますと、大体國の補助の関係では新たなる工事もほとんど府縣としてはできない、そういう心配があるというはなはだ心細い御答弁をいただいたわけなのでありますが、しかしこれは予算全体の問題でありますから、またあらためて安本長官なり、あるいは大藏当局なりに伺うことにして、とにかく建設省関係の当局に対しましては、今申しました借入金の関係、特にこの予算の方が今申したような次第である以上は、少くともこの融資という関係については、建設省関係においてこれが引続いての借りかえ、さらにこれが増額というような面について、当局としてひとつ特段の御盡力を願いたいということをこの機会に希望いたしておきます。
#30
○足鹿委員 本日は農林省関係もおいでになつておりませんし、安本関係もおいでになつておりませんから、次回においてもけつこうでありますが、大体農地関係について災害復旧の返却要求が百九十億一千万円に対して三十億五千万円という程度であるように聞いております。こういう面から考えて行きますと、非常に今までの方針と昭和二十四年度以降の方針が根本的にかわつておる。從つて今後に対する方針の轉換は、どういうふうにお考えになつておるか、その基本的な考え方としては総合開発委員会を設けるということを先刻建設次官は申されましたが、その一つの委員会ができなければ政府としての基本方針はないのであるか、たとえば從來からいろいろ行われておつたところの事業が、本年度をもつて補助を打切られ、あるいは新規事業として融資が断たれるということになると、地方に及ぼす影響はきわめて深刻なものが出て來るのでありまして、これに対する具体的な方策を総合開発の委員会ができなければ明示できないということは、私ども納得がいかないのであります。たとえばこれらのものに対しては、長期金融を認め、そうしてこれに対しては一つの例でありますが、利子の國庫補給というようなことを対策として考えられない限り、ほとんど絶望状態に陥つてしまうのではないか、こういうことが案ぜられるのであります。災害復旧については耕地は全部停止であるというように聞いております。こういう事態で放任されましたならば、食糧問題に対する農民の増産意欲がどうなつて行くか、おそらく重大問題であろうと思うのであります。これらに対する、具体的な施策を私はまず第一点に伺つておきたい。先ほど民自党の長谷川委員から質疑があつたのでありますが、次官は御自分の説明の中に、新規財源を求めて補正予算を緊急に組みたい、こう仰せられた。御自分で説明をされておりながら、その財源については具体的には自分からは言えない、こういうことになりますと、われわれ了解ができないのであります。大臣がおいでになりましても具体的なものはおそらくないのではないか、一旦さような新規財源を求めると言明された以上、どういう点に新規財源を求めようと考えておるか、ということは少くとも見当はおつきになつておるはずだと思うのであります。この点もう少し具体的に当然御発表になつてしかるべきものではないか、この二点についてお伺いいたしたいと存じます。
#31
○内海政府委員 ただいまの御質問は建設省、農林省と両方に関連性を持つたようであります。建設省といたしましては、決して無計画のもとに進んでおるわけではございません。一昨年の半ばごろから建設省、元の内務省と言いますか、その時代から全國を一貫したる河川全体にわたつて治水調査会というものをつくりまして、先般新聞等においてもその一部を発表されておつたようなわけでありまするが、その治水調査会におきまして、大体全國の十大河川を初めとしてその他九十幾河川かの中小河川等につきましても、調査はほとんど完了に近ずいておるような現状であります。これらのものを総合いたしまして、現在のこの日本の治山治水の現状から見て、総合的に檢討して、そうして國民全体の要望するところに沿いたいというのがわが建設省の方針なのであります。從いまして全國の河川全体に対する調査につきましては大体この治水調査会においてできておるのであります。しかもこれを具体的に政府の方針として取入れて推薦するということにつきましては、おのずからここに経費、予算の関係もありますので、閣議等におきましても、やはり総合國土計画審議会といつたようなものをつくつて、皆さんのお知恵も借りて國策として根本的方針を決定したいという段階なのであります。どうぞ御承知を願いたい。
#32
○小平(忠)委員 建設政務次官の御説明を承つておりますと、非常に抽象的でありまして、御説明の内容ではわれわれ了解に苦しむ点がある。それで特にこれは経本なりあるいは建設省の両者に関係ある問題だとおつしやいます。吉田内閣が成立しましてから、すでに一箇月を経過した今日においては、政府として断然具体案がなくちやならぬはずであります。特にこの予算の内容を見ますると、当初要求した案というものが九百六十八億、それに対して百六十八億という極端な削減を見ておる。こういう極端な削減をした結果において、本年度また天災地変によつてこうむる災害というものは、いかにしてこれを防ぐか、御承知のように、現在の状態というものは、ただちに緊急復旧を要するところの資材、鉄、セメント等においては、需要量の半分に満たないと見ておる。こういう段階ですと、今のような暫定的な復旧工事の状態でありますならば、多少の水によつても烏有に帰するということが言えると思う。この内容につきましてはまだ具体的に問題が提示されていない。從つて應急復旧工事も必要でありますが、恒久対策も政府としてとるべきではないかと思うのであります。從いまして本日この席で具体的の説明を願えられないのであれば、次回におきまして責任ある政府の説明を願いたいのが一点であります。
 もう一つは現在の日本の状態というものは一つの公共事業において五百億なら五百億というわくによつて規制されたから、その中においてやりくりするのだということは、これは一つの逃口上に過ぎないと思います。現下の日本の再建復興の段階において、特に食糧問題の解決は非常に重要であります。その場合においていかにこの問題を解決するかという観点において具体的な政府の考え方をひとつ披瀝願いたいというのが、私のお伺いする点であります。
#33
○内海政府委員 具体的にここに示せという御要求でございますが、先ほど申し上げました通り、この問題は実に重要な問題でありまして、私からただちに御答弁申し上げることは困難なのであります。先ほど申し上げました通り、この問題につきましては安本長官なりあるいは主管大臣なりに根本方針を聞いていただきたいと思います。
#34
○足鹿委員 いろいろ先刻から次官の御答弁を承つたのでありますが、責任ある政府当局の答弁を保留しておられます。大体こういう質疑應答を繰返しておりましても、われわれ満足することはできませんので、委員長の方で次回においては関係の責任者の御出席を願うように御手配願いまして、その席上であらためてこれらの問題についても深く突き進んだ檢討を加えて行く、もちろん委員会としてのいろいろな意向等もまとめて、要望なり遊言なりをするような機会を速急につくつていただくようにお願いを申し上げます。
#35
○逢澤委員 一定のわくの中で災害対策をやつて行こうという河川部長のお話でしたが、一体災害というものはそういうように予想されたように來るか來ぬか、そこで私は局長にひとつあなたの信念を伺つておきたいのです。現在のように荒廃した河川でも、今の一定の予算の中ではできない。それを大削減を受ける、そうするとこの削られた予算の中で、どうしてもこの河川は本年の水害には危ういというところがありはしないかと思う。もしそういうものがあなたの良心の中にあるとすれば、当局に向つてそういうような腹でおられるかということを一應聞きたい。少くとも過去数年戰爭以来の荒廃したことは、あなたが一番よく知つておられると思う。だが、なかんずく本年の降雨期には、非常に危險なものだというところがたくさんある。すでに私どもの縣においてもそういうところがある。そういうものを予算がこれだけしかないのだからやむを得ないというようなことでは、私は承知はできぬから、そういうような危險のあるものに対しては、何をおいても、一定の予算をとつて、一應の対策だけはやつて行かなければならぬ、それが当局の責任だと私は思う。もしそれができるとすれば、その対策をこの議会にひとつ話してもらいたい。聞くところによりますと、災害の問題はどうしてもやらなければならぬ、経済九原則に基いても突如として起つた災害の問題に対しては、何とかやらなければいかぬということは、私は承知しておる。しかしそれに対して当局はどれくらいの信念を持つておるか。どうしてもこれだけのものはやらなければ耕地が荒廃してしまう、あるいは何十万の人命を失うというような重要なものに対しては、信念を持つて、当局者はもしそういう危險なところがあるとすれば議会に向つてあなたの方からこういうようなことであるのだ、しかしながら、予算の関係でこれはいかんともやることができぬのだというようなことを私は率直に言つてもらいたい。そこで私は一番にそういうような危險の箇所に対する当局の役人としての氣持をひとつ承りたい。
#36
○目黒政府委員 わくが押えられて、そのわくで満足して仕事がやれるか、こういうことを言われますると、はつきりこれに不満足であると申しあげなくちやならぬのでありまするが、いろいろ財政の都合、その他をお聞きしますと、ある程度これはやつて行かなくちやならぬというのが事務当局の建前であります。從つてわれわれはこの予算を、いかに有効に危險箇所に向つて突進して行くかということが、われわれの仕事であります。危險箇所はたくさんありますので、これを全部やりますことは厖大な予算になりますが、この危險箇所のうちでも、程度によりましては、局部の犠牲は拂いますが、國全体としてはそれほどではないというところもあるのであります。と言いますのは、國全体の被害を最小限度に食い止めるために、ある局部の犠牲はやむを得ないという形になる場合があると思います。でありますから、ここを放置すれば、國に対して大なる被害を及ぼすだろうと推定される箇所は、われわれはどこまでも遂行して行きたい。われわれはこのわく内で仕事をやつて行きたいという覚悟で参つております。しかしながら、この予算では満足に参りませんから、機会があれば、いつでも予算要求をしまして、増加獲得したいという氣持を持つております。
#37
○逢澤委員 たとえて言えば、予算の関係でできぬというようなことが――予算がないからできぬのですが、しかしながら建設省は一つの河川改修とか、あるいは道路の開発というようなことを一定の公共事業費でやつている。そういうようなものは、かりにあるいは一時中止しても支障のないようなところがある。それも継続して、片方にはどうしてもこれをやらなければ堤防が切れるかもしれないというようなおそれがあるところを放つて置くような箇所があることは、忠実に災害を防止して行こうというような良心的な考え方から言えば、不急でないかもしれないが、後に讓つてもいいような事情のところは一應中止しても、そういうような危險のあるものに対しては、第一にやつて行かなければならぬと思う。そういうような対策をやつたことがあるかどうかを伺つて見たいと思います。
#38
○目黒政府委員 まだはつきりは申し上げられませんが、われわれの氣持としては、現在やつております仕事の中でも不急であるものは中止したいつもりで、よりよりその箇所の選定をはかつているのであります。こうなりますと、今までのいろいろ行きがかりはありましようが、こういう少い予算では、その行きがかりもある程度清算して参らねば、とうてい安心のできるような仕事はできませんので、そこまで決心をつけて参つておりますが、具体的にはまだどこということを申し上げる段階に至つておりません。
#39
○小平(忠)委員 いろいろ政府委員の方から政府当局の御意見を承りましたが、具体的の問題については本日結論を御提示願えないようでありますれば、本件に関しましては、この特別委員会が持たれた趣旨も特に重要であるという観点からでございますから、本日はこの辺で打切つていただきまして、現在日本が占領治下に置かれている段階において、どうしてもこれだけのわくしかとれないというのであれば、この委員会はそのわく内において各事業についてのやりくりもあると思いますから、それを眞劍に取上げてこそ本委員会の使命が達成されると思いますので、とりあえず現段階において政府当局の持つております具体的のテーマを次回に速急に示していただき、それに基いてこの委員会もその対策を講じて行くことにしてもらいたいと思います。
#40
○大内委員長 御意見のあるところは了承いたしました。委員長において適当に処理し、委員各位の御期待に沿いたいと思います。
 なおこの際前回において保留しておりました理事の一名を指名いたします。小平忠君を指名いたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後零時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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