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1949/10/21 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 災害地対策特別委員会 第13号
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1949/10/21 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 災害地対策特別委員会 第13号

#1
第005回国会 災害地対策特別委員会 第13号
昭和二十四年十月二十一日(金曜日)
    午後二時二十三分開議
 出席委員
   委員長 大内 一郎君
   理事 青木  正君 理事 飯塚 定輔君
   理事 小金 義照君 理事 小平 久雄君
   理事 鈴木 明良君 理事 田中織之進君
   理事 小林 運美君 理事 小平  忠君
      岡延右エ門君    川端 佳夫君
      甲木  保君    菅家 喜六君
      黒澤富次郎君    小峯 柳多君
      澁谷雄太郎君    鈴木 善幸君
      野村專太郎君    前田  郁君
      三浦寅之助君    青野 武一君
      加藤 鐐造君    門司  亮君
      床次 徳二君
 委員外の出席者
        農 林 技 官 遠藤 信二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 災害対策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大内委員長 これより開会いたします。
 昨日門司亮君の質問に対して、水産庁農林技官遠藤信二君の御答弁があります。遠藤説明員。
#3
○遠藤説明員 昨日関係者の方が、国府津町の町道とプールが災害によりまして決壊し、そのコンクリートの固まりが海岸と海中に入りまして、それによりまして地引きができない。それに従業する者が約百名、非常に被害をこうむり、あるいは操業ができないという現状にあるから、そのコンクリートを取除くために国費を補助せよ、そういう陳情がごさいましたので、当局としましては、関係係官と愼重協議いたしましたが、附近に漁港も、それから船だまりや防波堤とかいうような公共事業費に該当するようなものがございません。それで国費として補助することが非常に困難なような情勢にあります。ちようど県から中川技師が来庁しておりましたので、県の方とよく相談いたしまして県の水産課、土木課とよく愼重協議の上、県費をもつてこれに補助をしてはどうかということを、県当局とよく相談をいたしました。県でも非常に前からこういうような問題が漁業者の方から陳情がございまして十分考慮中であるというようなことを中川技師から承りました。なお大臣も非常に心配いたしまして、県費で何とかなるのではないかという点も、中川技師から強い発言がございましたので、なお水産庁としましても、十分漁業者のこうむる災害は、あるいは被害はわかるけれども、国費で負担することは非常に不可能な情勢にあるから、県当局で十分やつていただくように特にご要望をしておきました。
 以上お答えいたします。
#4
○青木(正)委員 第五国会で設置されました本委員会も、近く第六国会が召集されることになりますので、第六国会開会前に、本委員会としての結論をつける必要があると思うのであります。しかして本年は御承知のごとく、近年まれに見る災害が続発いたしまして、概算いたしまして、すでに一千億に達する被害を受けておるということを、私どもは承知いたしております。
 しかして本委員会といたしましては、デラ台風以来調査班を各地に派遣いたしましてそれぞれつぶさに調査を遂げ、またその調査班によつてすみやかに立つべき対策についても一応の結論を得ておるのであります。従いまして、従来調査しました結果に基きまして、当面やらなければならない問題について、この際それをとりまとめて、政府に対し急速にそういうような対策を実施するように要望する必要があると思うのであります。たとえば、応急の復旧問題であるとか、あるいはまた罹災者に対する生活救助の問題であるとか、減免税の問題であるとか、あるいは供米の補正の問題であるとか、さらにまた港湾の復旧といつたような、さしあたり民生の安定のためにどうしても急速にやらなければならない諸問題があるのであります。これらの問題につきましては、明二十五年度の予算において処理するというようなことでありましては、とうてい焦眉の急を救うことはできませんので、何といたしましても二十四年度の補正予算においてすみやかに実行するように、本委員会として政府に強く要望する必要があると思うのであります。しかしてどういう施策を急速に実施すべきかということにつきましては、従来の調査におきまして、本委員会において詳細に検討して結論を立てていただきたいと思うのであります。
 なおこの際私としてお願いいたしたいことは、災害対策委員会が設けられまして、今日までの経過を見まするときに、災害が起きてそれからいろいろと委員会を開いて調査をするというようなことをやつて参つたのでありますが、わが国のごとく常に災害が起る国にありましては、もつと災害対策について根本的に考えて見る必要があるのではないか。たとえて見ますれば、調査の問題にいたしましても、この国会といたしまして災害対策委員会というものがあります以上、甲の土地に災害が起きたというときには、ただちに自動的に国会として調査員を派遣して、つぶさに調査して対策を立てるというふうな機構も必要じやないかと思うのであります。なおまた予算的措置に関しましては、従来はその都度予算を要求する。たとえば、今年度も災害が起きてから公共事業費の繰上げをやる、他の方から金を持つて来るというようなことをやつておるのでありますが、そういうことでなしに、災害か起きたならば、自動的に調査もできるし、またただちに必要なる資金も出せるというような根本的な対策を立てておく必要があるのではないかと思うのであります。なおまた同時に災害が起きてから、そういつた対策を立てるばかりでなしに、さらに一歩を進めて災害を未然に防止するような根本対策を立てることが必要なることも、また申し上げるまでもないと思うのであります。これらのことにつきましても、本委員会として結論をつけまして、私どもの今日まで審議した経過にかんがみまして、各委員のほとんど一致した意見があるのであります。そうした各委員の一致しました意見をとりまとめて本委員会の意思として、これを国会に報告する、また政府に強く要望することにいたしたいと思います。どういう形式でとりまとめるかといつたようなことにつきましては、また委員長において皆さんの御意見を承つて、適当なる方法によつて私が申し述べましたような結論を作成し、そうしてそれを提出し、政府に要望するというようなおとりはからいを希望するものであります。
 簡單でありますが私の希望を申し述べる次第であります。
#5
○大内委員長 よくわかりました。
#6
○床次委員 ただいま青木委員から御発言がありましたが、私その御意見に対しましては、全面的に賛成でございます。なお右につけ加えさせていただきたいのでありますが、本年は例年になく災害が多数発生いたしまして、その対策が非常に急を要し、しかもこれに対して多額の経費を要することは、すでに御承知の通りでございますが、この現象は單に今年だけのことでになく、従来の日本の現状から見ますると、かかる状態は、今後続々として発生することが考えられるのであります。かく一致をいたしましたところの委員長の報告、また現地の希望等から見まして、今日の私どもの仕事は、單なる災害の復旧にあらずして、今後の災害の根本的予防、別の言葉で申せば、国土保全と申しますか、これに対する根本対策を確立すべきときになつておると存じます。これは制度上において、なお予算措置におきまして、遺憾のないところの国土保全の道を講ずべきことの必要を、皆さんもお認めになつておることと思うのであります。これに対する措置を、この委員会におきまして結論として、お出しになることを要望する次第でございます。簡單にそのおもな点を申し上げますと、国土保全というものを災害予防並びに復旧に対する総合的な根本原則として立てていただきたいことであります。なお今日一面におきまして、国土総合開発その他の計画がありますが、災害予防は單なる国土の開発ということではなしに、それに優先すべきところの、しかも緊急なる仕事であると私は信じておるのであります。国土開発を御計画になることは、これはもとより必要でありますが、しかしその前に、やはり現在そこなわれつつあるところの国土を最小限度に防止し、それから国土並びに人民の生活を確保するの道を講じていただきたい、この道のために一つの方針を立てていただきたいのであります。これに対しましては、何と申しましても災害の調査並びにこの対策の確立が必要であります。例をもつて申し上げまするならば、南九州一帶のいわゆる火山灰地帯、東地帶は特別なる地帶をもつておるのであります。これに対して風水害がありましたときは、いかに酷烈であるかということは、今回の災害によりまして御承知でありましよう。あるいは中国、四国地方の花崗岩地帶も、相当これまた荒廃しておることは御承知でありましよう。あるいは今回北海道におきまして生じましたごとき旱害は、それぞれ地方々々によりまして、非常に特殊な災害が出ておるのであります。その根本原因を調査いたしまして、これに適切なる対策、復旧事業を行い、さらに予防事業を行うことが必要なのでありましてこれに対しまして十分な審査研究するところの機関をつくつていただくことが必要になつて参ります。
 第三に考うべきことは、この必要なる復旧費並びに予防費を確保するということであります。今回シヤウプ使節の勧告によりまして、災害復旧は国費をもつて負担するという原則が樹立しつつあるやに伺つて、まことにけつこうなことであります。しかしながら、国費をもつて負担し得る限界が、いずこまであるかということにつきましては、私どもなお一沫の懸念なきを得ないのでありますが、十分なる経費を災害復旧予防のために確保して、そうしてこの事業を遺憾なく行わしめるということがまず第一に必要でありまして、これがためには、特別なる積立金と申しますか、基金制度を確立することが必要と存じます。災害がありましたときに、財源の懸念なく、必要な仕事をただちに実施することができるという態勢をとつておくことが、必要なのであります。今回数回の災害がありました場合におきまして、政府も補正予算、あるいは公共事業費繰上げ等につきまして、いろいろ御配慮になつたのてございますが。なお地元として非常にこれに対して残念に思つておることは、その決定が遅れて来るということなのでありまして、すなわちここに特別なる積立金等の措置を必要とすることが痛感せられたゆえんであります。私どもは今後災害がありましたときに、ただちに前の予想せられました額だけは、その復旧並びに予防事業に使用し得るだけの仕組をつくつておくことが必要であると確信するものであります。
 第四番目といたしましてこの災害復旧並びに予防なるものは、農林あるいは建設、水産、厚生、教育の各般の事業について、災害に対する総合的な計画が行われなければならない。單なる一部門において立てました計画では、全面的な災害復旧、予防という目的を達し得ないことは、明らかでありまして、この意味において総合的な見地からその対策を樹立し、その実施をするという考え方が必要であると思います。かかる事柄を網羅いたしましてここに災害の復旧並びに予防に関する根本原則をこの委員会の結論として立てていただきたいと思うのであります。
 詳細につきましては、遺憾ながら時間がありませんので、本委員会の決定とまでに行かないのは、まことに残念に思うのでありますが、来るべき国会におきましては、あらためて委員会を設置せられまして、そうしてこの問題について具体的な研究を立てられ、その結論を得られるようにお願いする次第であります。
 以上私の要望を申し述べまして、委員長にしかるべく善処をお願いする次第であります。
#7
○小平(忠)委員 私はただいま両委員の御発言になりました御意見に対しましては、全面的に賛成であります。さらに本委員会の結論を出すにあたりまして二、三私の意見を申し上げまして御賛同を仰げれば幸いと思うのであります。
 第五国会において持たれました災害地対策特別委員会の経過を見ますのに、この持たれた性格が災害復旧の委員会でなく、災害地対策の委員会でありますから、災害地に関しますことは、復旧も、あるいは今次起りました災害に対する措置も、あるいは今後日本の置かれておる関係においてこれに対する未然の措置も、あらゆる点から具体的に総合的に検討して、最も権威あるものとしてまとめ上げるのが、本委員会の性格だろうと思うのであります。しかるに本委員会の今日までなされて来た実態を見ますと、とかく国会の諮問機関的なものに取扱われ、またそういう感じを非常に強く受けるのであります。これでは本年度起きた災害だけでも一千億に近い被害をこうむつておるのに対しまして、総合的な最も公正妥当な処置を講ずることが不可能ではないかということをおもんばかるものであります。しかし本委員会においても、今次の災害の重要性にかんがみまして、デラ台風については現地に調査団を派遣し、さらに今回のキテイ台風については二個班の調査班、さらに北海道の旱害については一個班の調査班を現地に派遣してその実態を調査し、一応その結論を得て昨日その被害状況なり、現地を調査した結果における対策等について、各班長から意見の発表があつたわけであります。これに対して当面どうしてもとらなければならない応急の処置として取上げられた問題についでは、本日最後の委員会といたしましたならば、それをこの委員会においてはつきりまとめる必要があるかと思うのであります。そのまとめ方としては、まず現在最も緊急と言いますか、ただちに処置しなければならぬ問題を政府に優先的に取扱うという考え方を持つてもらうことがまず第一点であります。その場合に予算を伴うものは、明二十五年度の予算では間に合わないというものに関しましては、ただちに今年度の補正予算に、これを他のものよりも最優先的に取上げて確保するということが第一点であります。
 その次には、現在相当多数の被害地に対しまする救済の措置であります。さらに被害を受けた国民に対するそれぞれの処置でありますが、これもとかく被害を受けた者、受けない者というような関係において、的確に応急措置がなされていないということが往々あるのであります。この点につきましても、早急に具体策を私は講じなければならぬと思うのであります。この機会にこの災害問題に関しまする根本的な考え方を一、二申し上げまして、皆さん方の御協力と御賛同を仰げれば幸いと思うのであります。
 日本の置かれております気候風土等の関係が、どうしても年々の厖大な災害を免れるということは、非常に至難な状態にあるのであります。これに関しましては、どうしても恒久的な根本的な対策を立てる必要がある。これにつきましては、現在国会に持たれておりますところの諮問機関的な特別委員会では、私はいけないと思います。これはどうしてももつと実行力のある、そうして権威のあるものでなければならない。そのことはこの特別委員会が第五国会のときに持たれたその理由も、今までの災害復旧費の内容を見ますと、建設省所管のものが大半であります。もちろんそれは建設省所管の面が大多数になつておつたから。そういうことになつたのだろうと思いますが、しかしそれが事災害復旧、災害対策については、それぞれの省が個々に取上げたのでは、総合的な国家の政治というものは円滑に遂行でき得ないのではないか、こう思うのであります。災害対策というものは、ひとり建設ばかりでなく、農林も、厚生も、運輸も、各般にわたるのであります。これを具体的に申し上げますならば、事災害に関しては建設所管であろうと、あるいは農林所管であろうと、それから切り離して、別個に常設的な委員会を持つて、それは実際に実行力のあるような形にすべきではないかということを、私は特にこの委員会の委員とし、あるいは理事といたしまして参加し、あるいは災害地を現実に調査したその体験から考えまして、痛切に感じたのであります。そういうような観点とさらにあわせましてただいま発言のありました国土保全あるいは災害を未然に防止する、これに対する考え方についてはただいま発言のあつたような方向にぜひこれを持つて行くべきではないかということに帰一するのであります。
 最後に、本日最後の委員会にあたりまして、しからばどういうまとめ方をすべきであるかという問題に関しましては、先ほど両委員から発言がありましたが、さらに私は一、二つけ加えますと、とりあえず現在持たれておる災害地対策特別委員会の性格から申しまして、これを最も権威あるものにするためには、やはりこの委員会の決議として、意思として、今日まで調査をし、審査をしたその結論を、はつきり出すべきじやないか、それを少くとも他の何ものよりも権威あるものとして国会に報告し、政府当局に強くこの実施方を要望するということでなければならぬと思うのであります。但し、ただいま申しましたような国土保全とか、あるいは災害を未然に防止するというような根本問題については、まだ十分なる審査を本日のこの委員会においてはなし得ないと思うのであります。そういう問題については、委員をあげるとか、あるいは適当な方法によつて、さらにまた次の第六臨時国会において、もつと強力なる委員会を設置してやるというような方向に行くべきではないかと考えるものであります。
 いろいろ具体的な問題についてもお話申し上げたいのでありますが、時間もございませんし、私ばかり発言申し上げても迷惑でございますので、以上の二、三点を申し上げて、皆さんの協力を得られれば幸いだと思います。
#8
○田中(織)委員 第五国会に設置せられた災害地対策特別委員会の最後の締めくくりについて、すでに三人の同僚委員諸君から述べられましたことにつては、われわれ社会党といたしましても、全面的に賛意を表するものであります。問題は、ことに床次委員から強調せられましたように、最近のように頻発いたしまする災害に対して、その厖大な被害に対して、まつたく不十分な施策を講じてその場を糊塗するというようなやり方ではなくて、むしろ未然に災害を防止する、こういう見地に立つてそうした方面の施設を充実する。台風の襲来等に対しましても、そういう意味において、たとえば気象観測の施設を充実するというようなことも、そのうちの大きな題目でなければならぬと思うのでありますが、かりに災害がありましても、被害を最小限度に食い止められるような施設が充実して参りまするまでには、相当の年月を要するものと考えまするがゆえに、非常に膨脹した国家財政の中ではありまするけれども、これが経済の再建、民生の安定の重要な部面でありまするから、少くとも国民の負担において組み立てられる国の予算の面におきまして、当然これらの頻発いたしまする災害に対しましては、時を移さず、少くとも応急の対策は講ぜられるだけの財政的、資金的な、また資材の面における余裕をもつて望むという態度を至急に立てることを、直接衝に当る政府当局にわれわれは強く要望するものであります。
 さらに、これは小平委員からも述べられた点でございまするが、ともすれば災害対策につきましても、各省のセクシヨナリズムが依然として出て来ている、かようにわれわれは見受けるのでありまして、そういう点から、やはり災害が起りまするとともに、各府県が厖大な経費その他時間、労力等を費して、いきおい陳情戰に力こぶを入れると、それだけ国からの補助金のわけ前が多くなるというような形は、これは私は決して健全なやり方だとは考えないのであります。そういう意味におきまして、災害の調査等につきましても、少くとも政府機関といたしましても統一ある態度で――もちろん絶対額にして不十分な予算の中から、それに何十倍、何百倍するところの災害対策を講じなければならないのでありまするから、いきおい不十分な形になるというおそれもありまするけれども、そういう点で災害が起つたところが、たくさんの経費と時間をかけてわざわざ陳情して来なくても済むような形に、政府機関の各部門が十分連絡を緊密にいたしましてそうしたことについて機動的に動ける、調査等につきましても十分それに当れるような体制を整えることも重要だと考えるのであります。こうしたことにつきましては、もちろん屡次起りました災害につきまして、それぞれ当委員会としても緊急の施策を政府に要求する建前をとつて来ておりまするので、そうしたものの中から、さらに本日各委員から述べられておる恒久的、根本的対策とにらみ合せたものを当委員会の一応の結論として、本日の最後の委員会においてそうしたものを決議して、委員会の意のあるところを明らかにすることが必要だと思うのであります。現在までの政府のとり来りました災害対策につきまして、ただ一つ強調しておかなければならない問題は、最近ともすれば農業の災害に対する復旧施設その他の点において、きわめて私は欠くる点があるということを遺憾に思うのであります。当然災害地において最も甚大な被害を受けておるのは、私は農業であると、かように考えておりまするので、農業の再建ということが日本の経済再建の基本的な問題であるという見地からも、この点について政府当局がさらに格段の考慮を農業災害の復旧あるいは予防対策というようなことについて拂うことを強く要請しておくものであります。
 さらに、明年度の予算編成の方針も大体決定いたしまして、機能予算委員会においてもそれが示されたのであります。さらに公共事業費の政府案の最終的決定が本日の閣議で行われるということでございまするけれども、この点につきましても、今日までの委員会の活動の経過に照して、本委員会が政府に要求して参りましたことが、きわめて不十分にしか取上げられておられないであります。われわれはこの委員会でさしあたり緊急的にこれだけの施策を講ずべしと決定いたしました事項については、これを最優先的に取上げていただく、しかも予算のわくが制約されるという見地から、一定規模以下の小規模の災害というようなもの、これがまた量的に一番多く占めるので断りますが、そういうものが、どうも予算的措置を講ずるような場合に、その対象からはずされる危險性が多分に見受けられるのでありまして、そうした点につきましては、災害の規模の大小を問わず、当然私は小規模の災害であろうともそれに対する有効な施策を講ずることによつて、次に来るべき大きな災害を防ぎ得るという見地から、こういうことについても、機械的にこれを取扱つてはならないという点を強調いたします。本委員会が今までの活動を本日をもつてまとめたものを委員会の決議としてこれを決定すると同時に、今日までの委員会の活動において果し得なかつたことに根本的な対策の問題、そうしたことにつきましては、いわゆる国土保全の総合的見地に立ちまして、来るべき国会におきましては、十分そうした見地から強力なる案の策定が進められるような権威ある委員会が引続き設置せられまして、いろいろの関係から本日までにわわれの果たし得なかつた点が、さらにきわめて早い機会に完成できるような処置を講ずべきことを委員会の総意として表明するということに対しまして、賛成をいたしたいと思うのであります。
#9
○大内委員長 それではこの委員会の各位の御意見のあるところを総合して、委員会としての結論を一応決定して議長に報告するということに対して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○大内委員長 それでは御異議なしとして、そのことは委員長において原案を作成して、理事会にかけてこれを決定するということにしたいと思うのでが、それに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○大内委員長 それではさよう決定いたします。
#12
○小平(忠)委員 その問題と別個になりますが、本日並びに明日の開議で、本年度の補正予算の一応最終決定をなすような情勢にあるということを承つております。特に本年度の補正予算における災害復旧に関しまする公共事業費の問題でありますが、この件については、もちろん政府といたしましても、国家財政の見地からなかなか思うようには参らないことは重々わかるのでありますが、ただいま各委員からも発言がありましたように、今回の災害確保するということについては、全委員の方が賛成されておるわけであります。従いまして、でき得るならば本日の閣議に、この委員会の結論を、特にこの補正予算の獲得という問題について意思の伝達と言いますか、そういつたような方法がとられるならば非常にいいのではないか。そのことはもちろんこの委員会としての自主的な活動でもあり、また増え方を政府当局に伝達することは、私は当然ではないかと思う。ただいま委員長から諮られて決定になりました事項については、今ただちにこれはなし得ないのでありまして、補正予算がまつたくコンクリートにされてしまうということになつたのでは、この委員会の結論というものは遅れますし、たまたま時間的にも今そういつたような意思を閣議の方に伝達するならば、最も有効的に政府当局も考慮されるのではないかと思われますので、その点を委員長からお諮り願えれば幸いだと思うのであります。
#13
○大内委員長 ただいまの御意見は、ごもつともと思いますから、委員長として政府に御意向のあるところを伝達することにいたします。
#14
○小平(久)委員 当委員会の結論を出すことにつきましての先刻来の各同僚委員の御意見には、私も全然賛成でありまするが、私も過般第二班の調査員として各地方を調査した結果、若干気づいたと申しますか、目についた点につきまして、当委員会としての結論を出すについて、でき得ればそれに織り込んでいただきたいと思うことが一つございますので、それをこの際申し述べておきたいと思うのであります。
 と申しますのは、私どもは、さきに御報告がありました通り、群馬、栃木、福島、茨城と、この四県を見て歩いたのでありますが、今回の堤防の決壊箇所、あるいは橋梁の破壊箇所というような点を見て歩きますと、堤防の場合におきましては、前回までの災害の復旧工事の途中にして、あるいはもう少しやれば工事が完成する直前において、これが再び決壊をしたというような箇所が非常に多かつたように思うのであります。さらにまた橋梁の場合におきましても、もう少し工事を進めたならば、あえてこの破損にまで至らぬでも済んだのではないかと思われるような場合が間々見受けられたのであります。そのような次第でありまして、工事がもう少し進んでおつたならばというような事例が非常に多かつたのであります。なぜこのように、もう少しというところで工事が進まなかつたのか、もしこれが進んでおれば、むざむざこの尊い国費なり地方費なりを濫費しないでも済んだ、さらにまた莫大な損害を引起さぬでも済んだ、こういうことが非常に残念に思われたのであります。そこで私は、これらの事例から推測しますと、多くの工事について、また当局の大きな基礎調査と申しますか、そういうものが根本的に欠けるものがあるのではないか。特に橋梁等の場合においては、たとい仮橋的なものとしましても、われわれしろうとが見ましても、これではとうていもちつこないと思われるようなものをやつておるように見受けられた場合もあるのであります。さらにまた、もう少し施行者におきまして、努力を拂つたならば、当然すでに完成もしておつたろうと思われる箇所もあるのでありまして、これにつきましては、私は工事の請負関係というようなことにつきましても、ずいぶんこの際考える必要があると思うのであります。たとえばある大会社がかりに請負をいたしますならば、それをさらにいわゆる下請に出しまして、どうも請けておる親元の方では、そう責任も感じておらないのではないかというような面も受取れたのであります。この点につきまして、また監督官庁の監督というものも、はたして十分であつたかどうか、疑わざるを得ないような面も見受けられたのであります。特に橋梁などの場合におきましては、普通御承知の通り、国道にかかつておる橋というものは、大体がつちりしたものができております。しかし県道なり町村道というものにかかつておる橋というものは、大体におきまして、脆弱なものがかかつておる。従いましてそういう架橋ということにつきましても、おそらく設計は地方庁でやるのでありましようが、これにつきまして、中央のほんとうのその面の技術者が協力いたしておるかどうか、協力があるといたしましても十分かどうか、これがはなはだ疑わしいのではないかと思うのであります。たいがいの橋を見ましても、架橋費の節約ということにばかりあまりに気を配つておりまして、また設計者は橋の專門家あるいは道路の專門家でありまして、川の状況あるいはさらに気象の状況ということについての検討がきわめて少いのではないか、それを考慮することがはなはだ薄いのではないか。そのためにせつかく巨費を投じた橋が流れてしまう、あるいは架橋途中にして再び流失するというようなことが非常に多いのではないか。こういう点について今後復旧についても、監督官庁の連繋ということ、特に河川関係と橋梁関係との連繋ということ、あるいは中央と地方との連繋ということ、あるいはまた工事施行上の監督という点について、この際関係当局が一層注意を拂うように当委員会としても当然要望をいたすべきではないかと考えますので、当委員会の結論の中に、そういう点をも一点この際加えていただくことが適当ではないかと思うのであります。
 以上簡單に私の気づいた点を申し述べておきたいと思います。
#15
○小平(忠)委員 私先ほど発言いたしました件は、委員長において即刻取上げられその旨を委員長から早速閣議に伝達するということで、非常に幸いと思います。そこでその際強く御指摘願いたい点を二、三申し上げて御了承いただきたいと思います。
 その点は、仄聞いたしますと、大体本年度の補正予算が九十億ということを聞いております。しかし今次の災害は、全国の風水害あるいは旱害等を合せて一千億に近い被害であります。これに対する九十億の政府の予算では、私はまつたく燒け石に水と申しましようか、十分なる対策を練ることができない。もちろん国家財政の見地から見て、そう厖大な予算を確保することも不可能でありましようが、しかし私は最低限少くとも百五十億ぐらいの予算を計上してもらわなければ、本年度大な被害を受けた災害地の被害者に対する民生の安定を期することは不可能ではないか、こう思うのであります。従つて最低限百五十億ぐらいの予算をぜひこの際政府当局においては確保すべきである。もしそれがどうしても不可能な場合においては、融資等の方策も考えて少くとも本年度の国民生活、民主の安定に支障のないよう、万全の策を講ずべきであるという点を、特に私は御指摘申し上げたのであります。
 さらにもう一点申し上げたいことは、現在政府が予算を編成されておりますその内容を漏れ承りますると、非常に農林関係の予算が少いのであります。現実は、今度の風水害あるいは旱害等を見ますときに、先ほど田中委員からも発言がありましたが、農林省関係の被害が非常に厖大なものであります。むしろ建設関係よりも、被害については、この農林耕地関係の方が多いと私は思うのであります。しかしこれに関しては、政府当局の意向として、とかく農林関係の復旧なりあるいは対策が軽視されるきらいがあるのであります。この際少くとも日本の現状から見て、食糧を増産して、国民生活の安定を期することが刻下緊急の要務であるというこの見地から見て、少くとも現在政府当局で考えております農林関係の災害復旧、災害の対策、これに対する予算を思い切つて編成されるように、特に私はこの機会に申し述べておきたいのであります。
#16
○大内委員長 十分御意見のあるところを政府に向つて鞭撻することに努力します。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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