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1949/03/31 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第3号
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1949/03/31 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第3号

#1
第005回国会 建設委員会 第3号
昭和二十四年三月二十六日
                天野  久君
が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年三月三十一日(木曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君
   理事 天野  久君 理事 前田榮之助君
   理事 江崎 一治君
      今村 忠助君    大西  弘君
      瀬戸山三男君    高田 弥市君
      田中 角榮君    飛嶋  繁君
      三池  信君    宮原幸三郎君
      久野 忠治君    増田 連也君
      池田 峯雄君    笹森 順造君
      高倉 定助君
 出席政府委員
        建設政務次官  内海 安吉君
        建設事務官
        (総務局長)  中田 政美君
        同
        (都市局長)  財津 吉文君
        建設技官
        (河川局長)  目黒 清雄君
 委員外の出席者
        建設事務官
        河川局次長   伊藤 大三君
        建設技官
        建築局指導課長 内藤 亮一君
        建設技官
        建築局住宅建設
        課長      鎌田 隆男君
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 太田川及び野原谷川改修費国庫補助の請願(足
 立篤郎君紹介)(第一号)
 猪名川改修工事施行の請願(原健三郎君紹介)
 (第四号)
 大津田川砂防工事施行の請願(野原正勝君外二
 名紹介)(第八号)
 豊平川治水工事完成促進の請願(宇野秀次郎君
 外十一名紹介)(第一〇号)
 山國川水系に國直轄砂防工事施行の請願(福田
 喜東君紹介)(第一七号)
 黄井川砂防工事施行の請願(大橋武事夫君外一
 名事紹介)(第二〇号)
 藤木川砂防工事施行の請願(大橋武夫君外一名
 紹介)(第二一号)
 稗原川砂防工事施行の請願(大橋武夫君事紹
 介)(第二二号)
 半場川砂防工事施行の請願(大橋武夫君紹介)
 (第二三号)
 祖父谷川砂防工事施行の請願(大橋武夫君紹
 介)(第二四号)
 廣島縣内の道路改修促進の請願(宮原幸三郎君
 外一名紹介)(第二六号)
 呉市の復興土地区画整理事業費国庫補助増額の
 請願(宮原幸三郎君紹介)(第二八号)
 大崎、鹿児島間道路改修促進の請願(上林山榮
 吉書紹介)(第三〇号)
 山口縣の災害復旧土木事業費國庫補助増額の請
 願(青柳一郎君紹介)(第三二号)
 木屋川河水統制事業施行促進の請願(青柳一郎
 君紹介)(第三三号)
 松尾川砂防工事施行の請願(大村清一君紹介)
 (第三四号)
 由宇川改修工事促進の請願(青柳一郎君紹介)
 (第三六号)
 倉尾村に砂防工事施行の請願(阿左美廣治君紹
 介)(第三八号)
 村山野川及び白水川上流改修工事施行の請願(
 牧野寛索君紹介)(第四三号)
 岡山縣下の河川に砂防工事施行の請願外三十二
 件(大村清一君紹介)(第四八号)
 中津、飯田間道路改修の請願(平野三郎君紹
 介)(第四九号)
 金山峠トンネル開設の請願(河口陽一君紹介)
 (第五九号)
 都営青山第二共同住宅改善に関する請願(船田
 享二君紹介)(第六四号)
 黒部川改修工事促進の請願(鍛冶良作君紹介)
 (第六六号)
 富田川の治水工事施行の請願(早川崇君紹介)
 (第六九号)
 東澤村地内馬見ヶ崎川砂防工事施行の請願(松
 浦東介君紹介)(第七一号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十八日
 災害土木費国庫補助増額の陳情書(茨城縣知事
 友末洋治外九名)(第二号)
 雪害地方における公共事業費増額の陳情書(新
 潟孫議会議長児玉龍太郎外七名)(第三号)
 河川の砂防並びに防災溜池工事実施の陳情書(
 新潟縣議会議長兒玉龍太郎外七名)(第五号)
 水外復旧対策事業促進の陳情書(新潟縣議会議
 長兒玉龍太郎外七名)(第一二号)
 塩害地帯復旧費国庫補助の陳情書(和歌山縣議
 会議長内田安吉外七名)(第一七号)
 高津川砂防工事施行の陳情書(島根縣議会議長
 恒松安夫)(第二七号)
 今切川河口改良工事実施の陳情書(徳島縣板野
 郡松茂村長栗田善吉外二名)(第二八号)
 道路の建設整備に関する陳情書(九州地方道路
 運送委員会委員長君島八郎)(第三〇号)
 産業住宅復興資金融資の陳情書(横濱市西区緑
 町三丁目四番地三菱重工業株式会社横濱造船所
 長李家孝外八名)(第三五号)
 戰災都市復興事業費増額の陳情書(高松市土地
 区両整理委員会長岡保一外五名)(第五一号)
 阿武隈川堤防延長の陳情書(福島縣伊達郡大枝
 村長鈴木國助外二名)(第五四号)
 新井田川改修に関する陳情書(酒田市長本間重
 三)(第五五号)
 中魚沼地区水害復旧工事施行の陳情書(新潟孫
 知事岡田正平外三十二名)(第六〇号)
 住宅困窮者対策に関する陳情書(長野縣北安曇
 郡大町民生委員内山しげを)(第六一号)
 引揚者に対する住宅完備の陳情書(山口縣議会
 議長清水為吉)(第六二号)
 十日町橋改築の陳情書(新潟縣知事岡田正平)
 (第六九号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 河川、住宅及び都市計画等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺利委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き建設行政なかんずく予算面に関しまして、かねて要求せる資料に基いて、当局よりなお詳しく説明を願いたいと存じます。建設行政一般に関しましては、前回の懇談会におきまして当局の説明も一應終了いたしておりますので、本日は問題を主として河川関係及び住宅並びに都市計画等について当局の説明を聞き、これに対して質疑を行いたいと思います。一應河川に関してその現状並びに政府の治水の計画等について承知いたしたいと思います。河川局長より説明を求めます。
#3
○目黒政府委員 それでは河川の現状と過去の改修状況を御説明申し上げます。わが國の河川改修は、明治二十九年に直轄工事に着手しまして、昭和二十二年度末において竣工したものが二十二河川、増補中のものが四河川、維持工事の施行中のものが七河川であります。このために大体六十七万町歩の田畑が水害を免れております。中小河川工事、これは府縣の補助河川でありまするが、これが大分遅れまして昭和七年度より始め、昭和二十二年度末に竣工したものが百五十六河川、昭和二十三年度に工事中のものが百七十六河川でございます。これによつて約八万町歩の耕地が災害を免れております。但し以上の工事によつて河川全体から見ますると、その竣工程度はわずかに四割五分程度であります。
 ひるがえつて河川の現状を見まするに、戰時中及び終戰後の山林の濫伐、無謀なる開墾等のために山地が荒廃し、耕地が土砂を伴つて一挙に流れ、河道は年々流下する土砂に影響されることが多く、加えて戰時中の河川工事は不急工事として取扱われ、予算は極度に削減され、資材の配当もほとんど皆無で、工事の遂行はむろん、維持修繕にも不十分であつたのであります。そのために河川工作物が廃頽し弱体になつたので、お手もとに差上げましたが大体二百ミリ程度の雨があつた場合には、これにより発する被害総額というものが五百億程度の巨額に達するのであります。この二百ミリと申しますのは全國平均二百ミリ降つた場合を想定いたしましてこういうことになるわけでございます。また水害が食糧に及ぼす影響も甚大でありまして、最近の統計によりますると全國耕地面積五百九十万町歩のうち約百八十万町歩は水害の危険に瀕しておるのであります。その浸水面積は最少の年には四万八千町歩であります。これは十四年の例ですが、最大の年には四十八万九千町歩、これは昭和二十年であります。その流失、埋没する面積も少い年で三千町歩、多い年では九万町歩となつております。こういうように増加の傾向をたどつているのであります。最近三箇年を平均いたしますると浸水面積は最近非常に多くなりまして四十三万町歩、流失、埋没の耕地面積が四万三千町歩となつております。これを米の生産の面から考え合せましても、年々約六百四十万石くらいが減収となるという結果になつております。お手もとに差上げました「既往河川氾濫に依る被害調書」というのが大体昭和二十一年度以降、二十三年度までの氾濫面積を表に現わして置きました。こういうような非常に食糧面から考えましてもゆゆしき問題が起りつつあるのであります。今後一應安心のできる程度の改修を行うためには、直轄河川においてはさらに新規着工のものを十一河川加え、九十四河川を完成するために約千七百億の金を要します。そこに十箇年計画の表があると思いますが、その中に直轄河川十箇年間で千七百億を要する。中小河川においては新規着工の部分五百河川を加えまして七百河川を完成せしむるためには約九百億――この表に載つておる数字は多少違いますが、約九百億を要します。さらに北海道の河川は別にわくがありますが、北海道の河川にも約三百億の金を要します。合計二千九百億というような厖大な数字になるのであります。しかしながらこれを今後十箇年くらいで完成したいという目標のもとに当初予算を要求したのがすなわち三百七十億見当であります。その内訳表に二十四年度公共事業費予算、要求総括表というのがあります。これをごらんいただくとわかりますが、約三百十二億五千万円の当初予算の要求をしましたが、大体こういう線で、こういう目標のもとにこの要求をいたしたのであります。それで十箇年計画の表の予算の次に、これによつてこれらのことをやつたために、いかなる災害が減少するかという表を載せております。すなわち二十四年から十年の間にこれだけを行いますると、現在浸水可能の百四万町歩が一万三千町歩に減るので、大体において百四万町歩が浸水を免れることが可能であるということでおります。十間年計画の一番最後の表でありますが、それならばこの治水工事十箇年計画によつて、どういう利益があるかということを利益計算をしてみますると、これだけの國費を投じましても、受ける利益は差引プラスになる、これは一種の投資と考えてもさしつかえないのじやないかという表を載せておきましたから、ごらん願いたいと思います。そこで当初予算要求がここに載せてあります通りでありますが、これは河川一般の当初要求であります。
 さらに災害につきまして申し上げますと、差上げました表のうち、「昭和二十四年度以降分災害関係工事総額並工程状況」というのがありますが、事業費にいたしまして現在二十三年度末における災害の残りが六百五十六億あります。それに対して國が國費を投ずべきものが四百五十億ということになつております。四百五十億と言いますと、大体二十三年度の災害の大部分が二十四年度に繰越されてある。さらに六十億の追加予算をいただきましたが、それは災害総額にしては一割に満たない金でありまして、大部分がここに残されてあるという形であります。そのうち道府縣災害をごらんいただきますとわかりますが、道府縣の補助、災害の三百五十億ありまするうちに、一月末現在において府縣がどの程度の事業をやつておるかという調べをいたしましたところが、すでに四十二億何がしが俊工済みであります。これから考え合せてみますと、一月からさらに三月末現在におきましては着工を中止いたさないといたしますれば、相当程度支拂義務を生じておるものが府縣に多いと思うのであります。府縣はただいまのところはいろいろの金のくめん――予備金から借り入れるとか、あるいは地方銀行から金を借入れるというような、いろいろなくめんをいたしまして、四十二億以上の仕事をやつておるのであります。
 そこで今のような状態でありまして、当初予算と比較を願いたいと思いますが、当初予算の表を見ていただきまして、直轄河川改修工事の百二十五億を要求いたしましたのに、大体の見込みは三十億が内示の見込みであります。大きなところを申し上げますと、中小河川の補助でありますが、中小河川は五十億の要求に対しまして九億六千万円であります。さらに北海道の河川改修費は五十億の要求に対しまして五億三千万円であります。それから河川調査費、直轄の河川の維持費に対しましては、予算要求十億に対してこ億であります。これは総務局のものでありますが、その他特殊地域の総合開会の費用、それから土木機械の費用、こういうものを入れまして、河川一般で三十四億二千四百万円が内示案であります。当初要求の三百二十五億の理想的な案に対して、三十四億二千四百万円という一割くらいの程度の内示になつたのであります。
 次に今の災害でありますが、災害に対しまして当初要求は五十五億六千二百万円、直轄河川復旧災害費に対しまして十六億一千万円、この当初予算と比較していただきますとわかります。――それでは説明員から代つて御説明申し上げます。
#4
○伊藤説明員 それではちよつと数字を私から御説明申し上げて参ります。お手元に行つている秘というのを当初要求とがいろいろとこんがらがりますと、私どもの要求いたしました費目と安本でその費目を整理いたしましで大体こんな見当というような折衝中の数字の費目とがいろいろ錯綜いたしますから、それをひとつ私から御説明申し上げまして、参考にいたしていただきたいと思います。
 今折衝中の数字の直轄河川改修費三十億五千万円、こうなつておりますのは、当初要求いたしました直轄河川改修費百二十五億という数字に対する安本との大体折衝中の数字がそれであります。それから次の河川調査費三千百万円というのは、当初要求いたしました十億円に対するものであります。それから北海道河川改修費五億三千万円というのは、当初要求の五十億というものに対する数字であります。それから中小河川改良費補助九億六千万円というのは、当初要求の中小河川改修費補助五十億というものに対する数字でございます。それから河川調査費補助一千万円というのは、要求の河川調査費補助五千万円に対する数字であります。それから北海道地方費河川改修費補助四千三百万円というのは、北海道地方費河川改修費補助千億に対する数字であります。それから直轄河川維持費二億というのは、要求の直轄河川維持豊本億に対する数字であります。それからその次の災害防除施設費補助四億二千三百万円というのは、これは今の河川費というところの二ページ目を開いていただいて、災害防除施設費補助七十四億六千万円という数字に対するものであります。それから河水統制事業費補助七千七百四十万円というのは、開発施設費という中の河水統制事業費補助八億という数字に対するものであります。それから北海道河川調査費六百万円というのは、もう一ぺん先にさかのぼつていただきまして、河川改修の中の北海道河川調査費一億というものに対する数字であります。それから土木機械器具整備、これは実は総務局の方において予算に計上して折衝せられておる数字でありまして、現在の折衝過程の六億三百二十四万四千円、この数序は総務局で機械費全体につきまして、河川関係の機械費としてはこのくらいの数字だという数字を上げたわけであります。これは私の方では要求書に出ておりません。それから特定地域綜合開発費八百五十万円、これも実は総務局の方の予算に計上されているのを便宜こちらへ入れてある数字であります。
 次に災害関係の経費でございますが、直轄河川災害復旧費十二億六千万円という数字は、災害復旧費という中にあります五十五億六千二百三十七万七千円という数字に対するものであります。この数字は先ほどお配りいたしました二十四年度以降分災害関係工事総額というこの直轄河川災害復旧費の二十四年度以降の残りでありまして、四十九億一千八百九十四万四千六百六十二円となつておるのは、非常に多いようにお考えになりますが、私らの要求のこの五十五億六千二百三十七万七千円という数字は、実は二十四年慶において新たにもし直轄河川に災害が起りました場合に、從來のようなやり方で行きますと予備費というものがございませんから、いつも折衝に手間どりまして、他の公共事業を食うとかいろいろな問題を起しますので、できれば当初においてこれだけの予備費をとつていただきたいというので二十億という金を含めておるわけであります。そうすると三十五億六千二百三十七万七千円になりますが、これは追加予算におきまして要求いたしましてなお落ちて来た数字がございまして、三十五億六千二百三十七万六千五百円という数字に落ちた数字をよせますと、四十九億一千八百九十四万四千六百六十二円という数字になります。それで予算要求におきましてこの二十四年度以降分という災害関係工事総額という数字と合したのは、そういう理由でございます。その要求に対しまして、安本との折働の過程にある数字は十二億六千万円という数字を認められておるわけであります。その次の直轄河川緊急対策費一億九千万円というのは、私の方の当初要求におきましては、また第一ページにもどしまして直轄河川緊急対策費七十五億円というものに対する数字であります。それから北海道災害復旧費四億五千五百万円という数字は、北海道の災害復旧の要求十一億七千八百四十九万円に対する数字であります。その次が道府縣災害復旧費補助八十三億一千七百万円、これが一般に水害復旧補助と言つておる費目でありますが、これに対するものは要求といたしましては私の方の三百三十三億三千一百万七千円というものに対する数字であります。この要求の内容について一應説明を申し上げなければならぬのは、この三百三十三億三千一百万七千円というものは約百億円という程度の二十四年度に新たに発生する災害に対するものを見込んだものが入れてありまして、既往のものに対しましては約二百三十億円程度のものを要求いたしたわけです。これに対する安本の折衝の数字が八十三億一千七百万円という数字でございます。それから災害土木事業助成費一億三千五百万という折衝の数字は、こちらの要求は災害土木事業助成費七十六億七千二百八十万円というものであります。それから鉱害復旧費一億というのがこちらの要求の鉱害復旧費補助五億六千六百四十六万七千円という数字であります。それから地盤変動対策費補助三億七千五百万円、これは要求におきましては十五億九千五百八十四万七千円という数字であります。それから直轄砂防災害復旧費二千万円という数字は、こちらの直轄砂防災害復旧費三千九百万円というものに対するものであります。それから砂防関係へ参りましては、直轄砂防工事費一億五千万円というものは、この砂防の予算の直轄砂防費二十四億円に対するものであります。それから直轄砂防調査費三百万円、これは直轄砂防調査費五千万円に対するものであります。それから府縣砂防費補助五億三千九百八十二万九千円、これは砂防の要求費目はいろいろになつておりますけれども、これを一まとめにいたしましての査定でございます。これはこちらに出ております都府縣砂防費補助都府縣砂防地七対帯費補助、都府縣砂防災害防除費補助、そこまでの費用を掲げたものであります。それから砂防調査費補助三百万円というものは、都府縣砂防調査費補助二千四百万円に対するものであります。その他の費用につきましては全部一應要求は削除されておる。こういう事情であります。
 簡單でありましたが、この数字の対照はちよつとめんどうになつておりまするから、御参考までに御説明申し上げました。
#5
○淺利委員長 何かただいまの当局の説明に対して御質疑はありませんか。
#6
○大西(弘)委員 ちよつとお尋ねします。要求額と実際割当とが相当の開きがありますが、要求の基本は細密基本による計算でやつたのか、それとも大ざつぱにつかんでやつたのか、その点御説明願いたいと思います。
#7
○目黒政府委員 この要求のうちでは一般と災害とありますが、これが行き方がかわつております。この前江崎さんから御質問がありました点でありまするが、大体災害は実際現地に行きまして設計書をつくつたものを査定してこの金額を入れるのであります。その場合にはそのときの公定價格による資材の値段と、そのときに規定された基準の労務賃金によつてこれを査定いたします。ただいま二十三年度災害としてありますのは、大体基準が昨年の七月一日の物價改訂によつた基準で設計いたしております。ところがこの中で賃金は十二月三十一日にまた改訂になりましたので、予算要求には当然これを改訂しなければならぬのでありますが、御承知の通りに工事費の中に占めておりますものは、賃金とさらにそれに対する労働者のノルマといいますか、基準労働量によつてきまつているものでありまして、これらの観点からこれをさらに追加要求をするという建前で、ただいまは七月一日現在の單價によつてきまつております。これが災害でありますが、一般の河川改修におきましては、そういうふうにこまかく設計をつくりまして予算要求をする時間的の余裕がありません。経つてその当時の時値における工事費を大体推定いたしましで、予算をきめるわけであります。以上お答え申し上げます。
#8
○大西(弘)委員 それからもう一点お尋ねいたしたいと思います。この道府縣の災害復旧費補助問題であります。これは二十三年度の要求額が実際において八十三億一千七百万円になつているようでありますが、はなはだしいところによりますと、十八年度くらいな災害が未だ完成しないでいるような所がありますが、そういうものはこの物價高による工事の縮小から実際に完成ができていないものだと推定いたしますが、道府縣に補助した國としては、その工事の完成パーセントをどういうふうな見込みで認めるのか。または実際物價高で百メートルの護岸工事をやらなければならぬものが五十メートルで終つている分の残り五十メートルは、こういうところで補助をして継続してやらす意向があるのか、その点お聞かせ願いたいと思います。
#9
○目黒政府委員 ただいまこの予算に災害の暫定といつて載つかつておりますのは、二十二年度災害と二十三年度の災害であります。その以前の災害は一應本年度において打切るわけであります。打切りますとどういう結果になつて現われるかというと、災害がそのまま残つている箇所が出て來るということでありますが、その残つております箇所は大体において非常に少額の箇所が多いのでありまして、それに対しましては、さらにそれが將來の出水のために増破をするということになりますれば、そのときに災害として取上げるという形をとつているのであります。一應整理をいたしております。
#10
○久野委員 ただいまの道府縣の災害土木費補助についてお伺いいたしたいのですが、先ほどのお話によりますれば、予算要求額の三百三十三億何がし、その中に二十四年度分百億かが見込まれておるというお話でございましたが、こちらの見込み額の方で、八十三億一千七百万円のうちでどれくらいの割当でお見込みになつておりますか。
#11
○伊藤説明員 ちよつと、私の言葉が熟さなくて誤解をしておいでになるかとも思いますから、御説明申し上げまするが、今度の八十三億一千万というのは、今のような二十四年度に新たに起るものに対しての問題を、全然向うは考慮いたしておりません。それでただ私の方といたしまして、從來災害が起りますと交渉いたします。ところが予備費はない。さりとて追加もなかなかできぬ。公共事業費を食つて何とか間に合わす。そうすると一般の公共事業費の方がまた変なものになる。それで一般の公共事業費の方が年度中どうなるのか計画が立たないという心配がございますので、今年は少くとも二十四年度には、新たに災害が起つた場合にどの程度を見込んでおけば、今までの既定の経費に食い込まずに済むかというので、これはなかなか算定も困難でありまするが、予想で少いながら百億というのを見積つたわけです。それで今の安本との折衝に出ておりますところの八十三億というのは、ここに先ほどお配りいたしました二十四年度以降分の三百五十億というものに対するものと御承知願つておきます。
#12
○瀬戸山委員 今の問題に関連しておりますが、都道府縣の災害復旧費補助、現在大体見込額八十三億一千万円、そうすると先ほどお配り願いました資料のうち、昭和二十四年度以降分の現在の工程の超過進捗工事の四十二億円を引くということに実際問題としてなりますか。
#13
○目黒政府委員 もうちよつとその数字を申し上げます。今の道府縣災害土木費補助、この表の工程状況にありますが、これが先ほど申し上げました三百五十億程度であります。ところがそのうち一月末現在で仕事が超過して進捗しておりまするものが、各府縣で四十二億程度あるわけであります。そうしますと、八十三億一千七百万円予算をいただきましても、それに支拂つてしまえば四十二億だけはこのうちからただちに出さなくちやならぬという責任を負わされるものであります。さらにこれをもう一歩進めて考えて行きますと、一月末現在においては、確かに四十二億程度の超過額がありましたが、現在におきましてはさらにこれが増加しておると推定されるのであります。さらに出水を控えまして、各府縣は出水までにこの程度はやらなくちやならぬという目標のもとに進んでおりまするから、支拂義務を相当生じておることとわれわれは推定できるのであります。從つて八十三億一千七百万円をいただきましても、新規着工はなかなか少いではないかというふうに想定されます。
#14
○瀬戸山委員 そうすると八十三億一千いくらという金は、ほとんど現実の問題としては、ないような状態になつておると思いますが、災害は年々増加する一方で、現在この額をもつて復旧されました以外に、相当の災害地が残つておると思うのでありますが、それについて現在の実状でははつきりいたしませんけれども、公共事業費の増額を貿易資金黒字から出す可能性があるという新聞記者もあるのでありますが、そういう一應の見通しがあるかどうかということをお尋ねいたします。
#15
○内海政府委員 ちよつと速記をとめていただきたいのですが……。
#16
○淺利委員長 では速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#17
○淺利委員長 速記を始めてください。
#18
○池田(峯)委員 それに関連してですが、地方起債は認める方針でございますか。認めるとすれば、どのくらいのわくを見込んでおりますか。
#19
○内海政府委員 大体二百三十三億程度の地方起債は認められることになつておりますが、この問題に関する詳細のことは、むしろ安本方面の政府委員から聞いていただく方が詳細をきわめると存じます。
#20
○増田(連)委員 直接この予算に関係ないのですが、この際参考のためにお聞きしておきたいと思います。去年の夏建設省の一技官が、利根川が氾濫するような、危險にさらされたときには、東京を守るために、群馬縣地内において利根川の堤防を切るということを言われて、これがラジオや新聞で報道されて、群馬縣民は非常に憤激したのでありますが、アメリカではミシシッピー河あたりで、適当な個処において危險なときには、コンクリートで何か設備してあつて、そこから水を出すということは聞いておりますけれども、日本のように土地が狭隘なところで、東京はいかにも群馬縣側よりはさらに大切なところでしようけれども、群馬縣にも人がおるのですから、堤防をわざわざ切るというような冒險は、はなはだ当を得ないと思います。世俗に火のないところから煙りが出ないということがありますから、あるいは当局でそうしたことの研究でもやつておられるかどうか。その眞相及び当局の所見を伺いたいと思います。
 次に栃木縣で赤麻の遊水池に関する何か委員会ができたというようなことを仄聞いたしましたが、この赤麻の遊水池は單に栃木縣だけの関係でなしに、群馬縣も茨城縣も重大なる関係をもつておる個処で、こうした委員会はよく建設当局において指導されて、一方的にその縣だけの利益を考えないで、他の縣に公平に指導していただきたいと思いますが、三、四年前建設省でこの赤麻の遊水池に内堤というか、囲繞堤というか、堤防の中にまた一つ堤防を築いて、あの当時の金で二、三千万円かけたということを聞いておりますが、この工事の半ばでカザリン台風のために、一夜にしてこの工事が流された。この國帑をそうしたむだに使つておる事実がありますが、それは軍に無用なる工事だけでなしに、有害であつた。あの内堤があつたために、渡良瀬川の堤防が、海老瀬において決壊したということを言われております。私はそれをうのみにするものではありませんけれども、あれだけの無用な、一朝にしてなくなるような堤防にかけたあの金を、利根川なり渡良瀬川の洪水防止などに使つておつたならば、一昨年の災害は何割かがまぬがれておつたであろうと思うのでありますが、引続いて建設省では赤麻の遊水池にああした囲繞堤、あるいは内堤というか、そういうものをおつくりになる意思があるかどうかをお聞きしたいと思いま
#21
○目黒政府委員 利根川の栗橋の上流におきまして、洪水の場合に群馬縣側を人工的に決壊して、その水を遊水させ、東京をそのために救うというようなことが、ある新聞に報道されたのであります。それで地元民は非常に激昂して、私のところに参つたのであります。たまたまその技官の名前はMという頭文字を使つておりますので、――私のところの局ではMは私以外にはないのであります。從つて私自身がそれを言つたごとくに激昂して参つたのであります。しかし私は全然それを発表した覚えもありませんし、そんなことを考えたこともない。そういうことを申し上げまして、地元民はやつと納得して帰つたのであります。しかしだれかが軽率にそういうことを発表したのではないか思つて、いろいろ調査いたしましたが、事実無根であるということが証明されました。それで地元民が治まつたのでありまして、現在でもそういう点は考えておりません。日本のような、こういう狭い國土におきましては、なかなかそういうアメリカ式の行き方も、いいことはいいのでありまするが、不可能であるのであります。できるだけほかに氾濫させないで、河道でこれを持つて行く、洪水を下流に排除するというのが日本の河川改修の行き方であると考えておりますので、そういうふうにただいま考えております。
 次に赤麻沼の問題につきまして、栃木縣側が何か委員会をつくつておるということでありますが、これはやはり栃木縣自身の問題であると考えております。利根川は御承知の通りに、関東を貫通しております非常に利害関係の錯綜しております河川でありまして、一府縣のみで利根川改修計画を立てることはほとんど不可能である。それでわれわれとしましては、一昨年利根川が決壊いたしましたときに、利根川ほか九河川のために治水調査会というものをつくつております。この治水調査会で、一應の利根川改修計画の案がまとまりましたが、赤麻沼に関しては、まだ研究が届いておりません。從つてこの点は、はつきりした委員会の答申はないのであります。そういうわけでありますから、今後この委員会としては、これをもう少し技術的に考究して行くという態度をとつておるのでありまして、栃木縣が考えた案をそのままわれわれがうのみにするわけには参らぬと考えておるのであります。
#22
○久野委員 災害復旧費補助の件についてお尋ねをいたしたいのであります。私は愛知縣の出身でありますが、市町村負担の場合は、市町村が農業協同組合などから借入金をいたしまして、仕越工事ですでに多数の工事が完了しております。ところが縣費負担の場合は、縣に金がないために、そのまま放置されておる。しかも災害は、逐年次から次へと決壊をいたしまして、その箇所が厖大になつておるというような場所をたくさん見受けたのであります。先日賀屋防災課長を私、御案内いたしまして、愛知縣を視察していただいたのでありますが、地方地元民のこれらに対する要望の声は非常なものがあります。市町村においては、先ほども申し上げましたように、地元で負担金を負担しておりますために、その工事の完遂の度合いが早い。しかるに縣費の場合は、負担する能力がないために、まだ土俵などでせきとめたままになつているという箇所がたくさん見受けられたのであります。こうした場合に仕越工事で、工事が完了した部面にだけに八十三億一千七百万円がほとんど出されてしまう。そのために、あとのまだ着工していない部分はまた翌年度にまわされるのではないかというような危險性があると思いますので、こうした工事の補助に対しては、一貫した計画性、企画性というものがおありになるのかどうか、そうした点をお尋ねいたしたいと思います。
#23
○目黒政府委員 災害補助の関係は、大体におきまして、行き方といたしましては、最初災害の起りました当初に、設計上の査定をいたしまして、金額を定めて、予算を要求して、予算が確定いたしますれば、この予算を府縣に配当して、府縣知事の意思によつて、箇所選択をしておつたのであります。これはどこまでも府縣知事がその優先の順位を定める責任があるという意味におきまして、その行き方をとつたのであります。ところが、こういうふうに予算が非常に少くなつて参りますと、必ずしも府縣知事にこれを全部まかせることがいいかどうか疑問になつて参つたのであります。といいますのは、今のお話の通りに、府縣知事自身が重点施工をしているかどうかということに疑問を持つて來たのであります。本年度は非常に予算が少いのでありまして、これを、過去の府縣の報告によつて過去の実績をとらえてやつて参りますと、この報告たるや公正を得ているかどうかというところにも疑問がありますので、われわれの方から現地に参りまして、新たに査定をやるという手段をとつて、これによつて府縣の災害の実態を握りまして、本年度の予算配当の資料にしたい、こう考えておるのであります。
#24
○池田(峯)委員 ただいまの質問に関連してでありますが、この間、三月十六日、大臣がここに來られたときに、やはり今年は予算が非常に少いから重点的にやつて行きたい。こういう意向を表明されたのでありますけれども、この重点的ということは、大きな河川をやつて、中小河川、特に地方費などでやつている中小河川をあとまわしにし、あるいはまたそういうものはなるべく地元民の負担で、地元民の寄附金とか、あるいは労力奉仕とか、こういうことでもつてやつて行つて、そうしてごく一部分のところをやつて行こうというような御意見のように、私、伺つたのでありますが、重点的にやるということを、技術者の建前から具体的に御説明願いたいと思うのです。この間埼玉縣の方から陳情が参りまして、そうして利根川の災害復旧の残りの工事だけでも約九十箇所ある。工事費で約六億円にもなつている。こういうところを重点的にやるということは、技術的にどういうことなのですか。九十箇所のうち三十箇所を重点的にやつたとしても、あとの六十箇所が残つておりましては、これは風向き次第、水の流れ次第で、その六十箇所から大氾濫が起つて來るということは当然想像されるのでありまして、そういう点技術者の立場からひとつお答えを願いたいと思います。それからもう一つは、水防法を制定して、これが今後の災害防除の一つの対策として、力点が置かれているようにうかがえたのでありますけれども、あの水防法というものの大体の輪廓でもお示し願えたらけつこうだと思います。それから今までの水防のやり方を見ておりますと、私もしばしばそういう現場を見学したことがございますけれども、大体あれはB二九を火たたきでたたき落すあのやり方と同じなのではないか。そういうことに力点を置かれておられたのでは、はなはだ心細い次第であると考えざるを得ないのでありますから、そういう点もひとつお答え願いたいと思うのであります。
#25
○目黒政府委員 ただいま重点施工というものの技術的な解釈というお話でありますが、この重点施工というのは、言い方は非常に簡単でありますが、この行き方は、今おつしやる通り非常にむずかしいのであります。われわれはこう考えております。やはり河川の改修はどこまでも経済的な見地を基礎に考えて河川改修をやらなければならぬ。從つて経済効果の最大なるところから河川改修を行つて行く、これが重点と考えております。そうなりますと、必ずしも大河川が重点であるということにはならないのであります。從つて小河川でありましても、その箇所によりましては、重点的に考える箇所が起つて來るということになつて参ります。それから非常に小額のものを中止をして、地元の勤労奉仕でやつてしまうというようなことを考えておるかというようなお話でありますが、この点は今お話申しました経済効果から考えて行きますと、どうしても経済効果の少いところはあとまわしに仕事があがるという結果になるのであります。経つて災害におきましても、まずその点から、本年度の予算が少なければ少いだけ、そういう箇所が來年度にまわつて行くという結果になるかと思うのであります。金が少くて効果が非常に多いものは取上げられますが、金に比較しまして経済効果の非常に少いものはあとまわしになるという結果になると思います。
#26
○伊東(五)政府委員 水防のことにつきましては、目下各関係の省そのほかと交渉いたしておる次第でありまして、内容につきましては、まだ確ときまつたと申し上げるまでには参りませんけれども、大体の骨子につきましては、一應水防の責任者というものを市町村に置きまして、市町村といたしましては、特に水害の危險の多い所につきまして、これを指定いたしたものを指定水防管理團体というような名をつけるわけでありますが、そういうものに責任を負わせまして、そうしてその手足となるものに水防團を設ける。しかし現在消防團がこの方面については相当活躍いたしており、特に消防組織法におきましても、水火災を消防團がやるということになつており、活動方式につきましても、消防法におきまして水災の活動方式は消火の活動に準ずるというような規定が置いてありますので、消防團が現在においては、その実体として活動しているのであります。從つて消防團というもので十分水防の目的を達する。なお消防團でその目的の達せられない――在來水害予防組合あたりができておりまして、これが手足として水防團を持つているのは、この水害予防組合を責任者にし、その水防團をもつて活用する、こういうことにいたすわけであります。それから活動の方式が、現在消防法におきましては、わずかに準用するという一條あるのみで、何ら具体的な活動形式が書いてありませんから、その具体的な活動形式を盛つて参りたいと存ずる次第であります。
 なお水防のやり方の技術的問題でございますが、水防法におきましては、水防通信の連絡だとか、いろいろなそういうこまかい点は規定してございますが、今のような土俵を積むとか、むしろをやるとかいう点に対する御質問だと思います。そういう問題につきましては、それらの点には触れておらぬのでありまして、これは今後のいろいろな技術的な向上とともに、あわせていろいろないい点を取上げて、実際面に活用して参りたいと考えている次第でございます。
#27
○池田(峯)委員 重点的に経済効果の大なる所から工事を進めて行くということでありますけれども、もう雨季が間近に迫つているのであります。七月になれば、毎年大きな雨がありますし、五月になれば、また何とか台風といつたようなものが出て来ることは当然予想されるのでありますが、そのときまでに万全な構えができるかどうか。これは技術者の、特に現場に当つている者から正直のところを申していただきたいと思います。大臣のこの間の御説明だと、万全の措置をとるとか、あるいはせつかく努力するとかいうようなお言葉でございまして、その通りのお話を國民はまに受けておりますと、今度は雨が降つて非常な水害にあうということが、今までもしばしばあつたのでありますから、今度はそうじやなくて、今年のこの河川の予算で、雨季までに万全の構えができるかどうか、できないとすれば一大事でありますから、これは全國をあげてその対策をとらなければならないから、できないのを、できそうなような言質を與えるのでなくて、できないならば、どうしてもできないというようなことを、当局からひとつお話願いたいと思います。
#28
○目黒政府委員 これは技術上の方面から申しますと、この出水期までにどうしてもやらなければならぬ仕事は、かけ引きのないところ百二十億を要するのであります。それへただいま予算の通り八十数億という形になつて参つたのであります。それならば、このまま放置しておけば、この予算ではとうてい不可能ではないかということになりますので、われわれとしてはここで先ほどの重点施工を徹底して考えて行かなければならぬということに追い込まれたのであります。すなわち災害復旧の將來の経済効果はもちろんのこと、その箇所がもし完成ができません場合には、それによつて起る本年度の被害を最少限度に食いとめられるように持つて行かなければならぬとわれわれは考えている、極端に言いますと浸水面積が非常に少いと思われる所は、この際やむを得ないから犠牲を拂つて他の大きな浸水箇所の工事を進行せしむるというふうに持つて行かなくてはならぬと思います。
 それからもう一つは出水の雨量でありますが、雨量がかりに大洪水の場合に三百ミリといたしますれば、金が足りない場合には、その安全度を二百ミリに落してその仕事を完成するというふうな行き方をとらなければならないじやないか。であげますから、不幸にして三百ミリが降つた場合にはしかたがないが、雨が二百ミリであつた場合には安全であるというような中洪水程度のものに対して目標を置いて、災害の復旧をやつて行かなくてはならないとただいま考えております。
#29
○淺利委員長 次に住宅問題について当局の説明を願います。
#30
○鎌田説明員 御説明いたします。ただいまお手元にお配りいたしました資料に基きまして概略御説明申し上げます。
 戰災、間引疎開その他によりまして滅失いたしました住宅戸数は約四百数十万戸と考えられておつたのでございますが、終戰後約三箇年間に建設せられました住宅が約百四、五十万戸ございます。従いまして今日の住宅不足数は約三百万戸、それに三箇年の間に災害を受けましたものが数十万戸ございますので、約三百数十万戸の住宅不足数があると推定せられておつたのでございます。ところが昨年の八月全國一齊に行われました住宅調査の結果、お手元にお配りいたしました資料に載せてございますが、全國の世帶数が千五百九十七万六千世帶でございまして、住宅の戸数が千三百九十五万に相なつております。從つてその差額が二百二万戸住宅が少いという結果が現われております。しかしこの二百二万戸といいますのは、單なる全図の世帶数と現存します戸数との差額でございまして、そのほかに遠距離通勤とか、あるいは密住とかいうような潜在の不足数がございますので、やはり住宅の不足数としては約三百万戸程度あるのではないかと考えられる次第でございます。この住宅の不足数を何らかの方法で解決して参らなければいけないのでございます。
 これに基きまして約五箇年間に何とか住宅を復興いたしたいというので、一番最初立てました案は、國庫補助によりまして約八方、住宅金融公社によりまして十万戸、その他産業関係の給與住宅十万戸、合計二十八万戸一箇年に建設をいたしたいと考えたのでございますが、だんだんその後の國家予算の財政の関係上最小限のところを出してみたいという考えに基きまして、お手元に配付いたしましたようなぎりぎりの不足数はどのくらいあるかということを、別の観点から研究して見たのでございます。その結果二十三年八月の住宅調査によりまして、現在ほんとうに家のない世帶数、つまり職場に居住をしているとか、あるいは壕舎の中に入つている、それから仮小屋に入つているという世帶数をその中から拾つてみますと、十三万八千七百五十世帶ございます。
 次に一人一疊半以下の密住、つまり六疊に四人以上住んでいる家族数を調べてみますと、四十一万五千九百世帶ございます。この第一項と第二項は二十三年八月の住宅の調査によりましたので、確実な数字と考えられます。
 もう一つの事項といたしまして、非常に遠距離から通勤している世帶がどのくらいあるかを調べたのでございますが、これは確たる資料はございません。しかし職場、産業方面、あるいは公務員その他の職場の方から考えまして、それと東京における通勤者の割合から推定いたしてみますと、二時間以上の通勤者が二十三万ございます。それからそのほかに現在住宅に居住はいたしておりますが、家主より立退き要求を受けまして、どうしてもやむを得ざる立退きをしなければいけないという世帶、あるいは海外引揚げで一時寮には入つておりますけれども、だんだん一般市民に溶け込まして行かなければならぬという世帶、そういう世帶の推定が約二十万戸ございます。從いまして以上合計いたしますと九十八万四千六百五十世帶、概略百万世帶が三百万の住宅不足の中でもざらに現在困窮している世帶数だと考えられるのでございます。この百万の中にも、あるいは相当の資力がありまして、自分の家をつくる人も考えられますので、それを二〇%と見まして、八〇%つまり八十万世帶は救済を要するのではないか、かように考えたのでございます。この八十万戸を五箇年間に建設いたしまして解決して参りたいというのが第一表の五箇年計画でございます。内訳は國庫補助によりまして二十一万戸、金融公社によりまして二十八万戸、重要産業労務者の給與住宅といたしまして三十一万戸、合計八十万戸でございます。その第一年度は國庫補助によりまして五万戸、公社によりまして五万戸、重要産業労務者住宅におきまして四万戸、計十四万戸、二十五年十五万戸、二十六年十六万戸、二十七年十八万戸、二十八年十七万戸、この五箇年計画で八十万戸は最小限建設しなければならない。こういうふうに相なるのであります。
 この二十四年度の國庫補助の五万戸を建設いたしますに要します費用は、建設資金は約百億を要するのであります。これは二分の一國庫補助といたしまして五十億の予算は最小限必要というように考えます。金融公社によりまして五万戸を建設いたしますために、これも同じく建設資金といたしましては百億円、融資の額としては五十億円が必要である。次に重要産業労務者、これは資金計画としましては復金その他、あるいは市中銀行から各産業会社が借入れをしました中から、住宅資金としてさいてもらいまして、約四十億を要するのであります。この國庫補助住宅と金融公社は何かダブつているように考えられるか、と思いますので、この点についてさらに御説明申し上げたいと思います。それは先ほども申し上げましたように過去三箇年に百五十万戸建設されましたが、その質的な内容を見てみますと、大部分が自分の家でございます。三箇年間にできました貸家と言いますのはわずかに國庫補助によりまして、地方公共團体が建設いたしました公営住宅が二十二万戸だけでございます。これを除きましではほとんど民営の貸家は建設せられていない状況でございます。従いまして今日の住宅問題は、一番困難なところはどこかと言いますと、貸家の対策であると極言し得るのではないかと思います。貸家を建てると言いましても、長期金融資金もない、利子も非常に高いという今日におきましては、何らか財政支出をしなければ貸家は建つて行かないのじやないか、つまり財政支出をしまして、それによつて貸家を建てて行くほかに道はないのじやないか、こういうふうに考えられるのであります。一方賃金ベースと各庶民の住宅費にまわし得る度合を考えてみますと、戰前におきましては生計費のうちの二〇%を住宅費に出しておつたのでございます。今日は家賃統制令その他の影響もございますが、約四%という統計になつております。しかしこれは古い家がもとの家賃でくぎづけになつておるというような影響もございますので、今日のこの六千三百円ベースの中から約一割程度を生計費にまわず、こういうふうに考えますと平均六百三十円という家賃は出してもいいのじやないか。かように考えますと約一万円以下の収入の庶民は千円以下の家賃の家でなければ支出する能力がない、かように考えられますので今日建設いたします貸家の家賃は、どうしても千円以下にしたいと考えるのでございます。一方今日住宅を建設して貸すということを考えますと、一坪大体幾ら安く見積つても二万円はかかると思うのでございます。従いまして十坪の貸家を建てたといたしますと二十万円の建設費を要する。これに金利その他を考えますと、普通のそのまま放置した民営の貸家は、二千円ないし三千円の家賃をとらなければ経営は成立たないと考えます。從つてこのギャップをどういうふうに埋めて行くかという問題になるのでございますが、今日まで政府が建てた公営住宅は、その線に沿いまして半額國家補助をいたしまして、家賃を賃金ベースに合うように定めて参つたのでございます。従いましてこの一万円未満の一般勤労庶民に対しましては、國庫補助の公営住宅で行けば支拂いの能力がある。かように考えます。
 それから金融公社の案で行きますと、建設費約二十万円のうち三分の一は自己資金によりまして出しているが、三分の二を融資いたしまして、それを十箇年なら十箇年で償却をする、こういうふうに考えますと、月々千五百円程度の支出になります。從いましてこれを支出し得る階層は二万円以下の所得者である、こういうふうに考えます。この國庫補助住宅と金融公社との対象がただいま申し上げましたように違うのでございますが、両々相まつて住宅対策を進めて参りたいというのが今回の案でございます。先般安本から内示を受けましたのは國庫補助の住宅建設のために約二十五億という数字なのでございますが、この二十五億では建設戸数は二万二千四百戸でございます。従いましてただいま申し上げました最少限五万戸を建設する金の半分以下ということに相なるわけでございます。大体建設省といたしまして立案しました住宅の対策、今日の予算の成立の現況、それによつて起ります影響は、ただいま申し上げました通りであります。
#31
○淺利委員長 御質問はございませんか。
#32
○久野委員 先ほど公共事業に対する地方起債が二百三十三億予定されておるようにお話がありましたが、これは住宅をも含めたものでありますか。
#33
○内海政府委員 全部含んでおります。
#34
○久野委員 それで地方では、住宅に対する地方公共團体等の起債はでき得る限り敏速果敢にひとつ取扱つていただきたいということ。今まで住宅は、起債をまたずして借入金などでやつておりまするが、一年ぐらい経つてもまだその起債が認可にならないために、非常に困惑しておる所がたくさんあると思う。どうかそうした点などを敏速にひとつおとりはからい願いたいと思います。またその起債に対しては、敏速と同時に、住宅に対する起債は全額を優先的に認めていただきたいということをお願いいたしたいのであります。
#35
○田中(角)委員 ちよつと御質問申し上げたいのですが、住宅の必要性は私が申し上げるまでもなく、今御説明の通りでありまするが、この住宅建設の施策といたしましては、自己資金をもつてまかなえるものに対しては、できるだけ自己資金をもつて建設意欲を増すような処置をとつてもらいたいということと、もう一つは、申すまでもなく政府融資による、特別の処置によるところの、國家が保障する庶民住宅の建設があるのでありますが、終戰後できました約百五十万戸の建設の状況を顧みますときに、住宅営團その他が非常な努力をなされたことは十分承知するのでありますが、私は今このような段階に立ち至りましたときには、政府が國費をもつて、または別な方途をもつて庶民住宅を建設するという手を打つことはもちろんでありまするが、このたびの予算に対しましては、非常にこの住宅建設という面が圧縮されておる。そうすると現在政府が打たなければならぬ手は、すなわち自己資金をもつてまかなえる建設をいかにして能率を上げるかというのにあると思つておるのであります。その意味において、自己資金をもつてまかなうところの建設が阻害されておるということがもしあつたとしたならば、これは政府において当然早急に処置をしなければならぬものであるということを、私自身考えておるのであります。その意味において、この現在の自己資金をもつてまかなう住宅の建設に何が阻害になつておるかというと、臨時建築制限令、それから消防法その他であります。先日の新聞などでも建設省の案として散見されるのでありますが、臨時建築制限令を撤廃できないというのであつたならば、少くとも臨時建築制限令を一時の間停止をしてもいいではないかということを考えでおるのですが、当局としてはこの臨時建築制限令に対して、すなわち坪数の撤廃というような問題に対して、どの程度具体的に進めておられるのであるかということをひとつお聞きを申し上げたいのであります。
 もう一つは消防法との関係でありますが、これは私が申し上げるまでもなく、消防法はもちろん木造建築の日本の現状においては重大でありまするが、官廳の建物はほとんど消防法を無視してやつております。そうして現在各官廳はひんぴんとして大火を起しておるのでありまするが、この建設省と消防廳との会議によらなければならない消防法を無視して、官廳においてはどんどんやつておる。これは私営膳部長に申し上げようと思つておつたのでありますが、こういうことをやつておりながら、十五坪、十坪の住宅に対して、資材不足のわくの中からその資材を探して建てるものに消防法を適用しておる。この消防法に私は難くせをつけるのでありませんが、現在乏しい資材の中から幾らかでも住宅を建てようというのであつたならば、私は最も大規模な、そうして重要度のあるものに対しては消防法を嚴密に行わるべきであつて、現在のような住宅の末端法規に対してはもつと大きな巾のある取締りをしなければならないのでないか。しかも現在十五坪、十二坪というものの半分だけ、あるいは三分の二だけ外部耐火構造にしても、これはまさに書類の上ではりつばに消防法が適用されても、事実問題としては何ら消防の役に立たない、しかもこれは現在のように境地が非常に多いところでは、市街地区建築法によつて制限しておる空地制限のわくを拡げなければならぬ。小規模の住宅に対しては消防法を適用しないでよいと私は考えておるのでありますが、壁を塗つたり何かするその詳細なわく内からいつて、十五坪、十坪の住宅建設に対してさえも許可をおろさないというような矛盾が、実際末端行政には多々あるのであります。これが及ぼしておるところの自己資金をもつてまかなう建設意欲の阻害ということは、非常に大きなものでありまするし、私の先刻申し上げました臨時建築綱限令、どうせ一生に一ぺん建てなければならぬものを、十五坪に特に制限しなければならぬというところに非常に大きな建設の阻害があると思うのでありまするが、こういう臨時建築制限令に対する消防法との関係、あるいは市街地建築法の適用、そういう事項に対して現在省ではどのような折衝をしておられるかということをまず伺いたいと思います。
 次にはできれば現在庶民住宅にかかつておるところの非常に高額な税金その他に対して、省としてこれも住宅慰設という立場から、大藏省その他関係方面との折衝が、すでにできておるかおらないかということについて御答弁を煩したいと思います。
#36
○鎌田説明員 ただいまの臨時建築制限令規則の撤廃の問題でありますが、この点につきましてはただいまの御意見の通りでございまして、これをせめて緩和するべくいろいろ案を立てて、ただいまその筋と折衝中でございます。ただ関係方面にあたりました空氣では――ちよつと速記の方を……。
#37
○淺利委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#38
○淺利委員長 速記を始めてください。内藤説明員。
#39
○内藤説明員 建築局長にかわりまして建築局指導課長からお答えいたします。
 御質問の中の消防法のことでありますが、お話のございましたように消防法によりまして、たとえば東京であれば東京都長官が建築を許可いたします場合に、東京消防長の承認が要ることが消防法第七條によつて規定されておるわけであります。実情は地方によつて違いまして、たとえば神奈川縣あたりでは、三日間ぐらいで消防当局が処理しておるようであります。東京も大体一週間以内に処理されております。しかしながらお話のございますように、たとえ三日間でも一週間でも書類の処理で延びるということは、一面において建築意欲を阻害する面もあると思うのであります。あの消防法が制定されました場合に、建設省といたしましては市街地建築物法によつて防火のこともやつておるわけでありますから、あの七條の削除されることを希望したわけであります。参議院においては修正意見が出て、関係当局との連絡もとりまして、市街地建築物法適用区域内においては、あの第七條の承認は要らないという案になつたわけでありますが、あれはたしか衆議院提出でありまして、参議院の修正は衆議院に認められず、現在の消防法が公布になつたのであります。市街地建築物法も公布後すでに三十年になる現在、防火の点についてまだ不十分な点もあることは、われわれも切実に考えておるわけであります。できるだけ早い機会に市街地建築物法一本に防火の規定を織り込みまして、建築の際に消防関係からいろいろ意見が出るということのないように早く進めたい。かように思つております。現在におきましては遺憾ながら毎月二、三千戸の火災による燒失があるのであります。多いときには、たとえば能代の大火のようなものがありますと、一月でも何千戸というせつかくできた家屋、あるいは燒け残つた家屋が滅失するのであります。消防の方で好意ある指導は、現在においては建築をする人は非常に金のくめんをしてつくるのでありますから、できるものは全部防火的になるということは、一面見方からすれば好ましいことであります。さようにも思うのでありますが、お話のありましたように、手続煩瑣のために建築意欲を阻害する面もたしかにあると思います。その面につきましてはただいま申し上げましたように、市街地建築物法そもう少し完全なものにいたしまして、できるだけ二重監督の弊を避けたい。かように建設省として今考えておるわけであります。
 第三の市街地建築物法のことであります。御質問の内容が私によくのみ込めなかつたのでありますが、空地を十分にとれば十坪や十五坪の家は、セメントを塗らなくてもいいのじやないかという御質問でございます。この市街地建築物法との関係がはつきりいたしませんが、市街地建築物法に基きまして臨時防火建築規則を昨年十一月建設省令をもつて公布したのであります。これは用途によりまして、また同じ東京でも地域によりまして、密集地帶の再々の火災の頻発に鑑みまして、終戰後の建物は火災の防止ということをほとんど考えないで建てるものが多かつたのでありますが、現在の資材の許す限り最小限度の工法をもつて防火の措置をとりたい、かような趣旨のもとにあの規則を公布したのであります。お話もございましたように、空地さえあれば塗らなくてもよいというような規定になつておりますので、密集地帯で隣との間に商店などで空地もとれないというようなところは塗つていただく、これらは指定生産資材、あるいは石灰その他指定生産資材でない代用資材を各地方廳に斡旋いたしまして、資材の点については遺憾のないようにしておるわけであります。以上お答えいたします。
#40
○田中(角)委員 それはそれでよろしうございます。局長にもう一つお伺いしたいのでありますが、二十四年度の住宅建築の政府がきめられたわく、すなわち十四万戸に対しては、資材のわくについてはお見込みがあると思うのでありますが、自己責金をもつてまかなうところのものを二十万戸に押えられておるようでありますが、もつとこれは多いのではありませんか。私の考えでは、約半数くらいは自己資金をもつてまかなえる、それはどういうわけかというと、今非常に金詰りを來しておりますが、終戰後に建つておるものを見ますと百五十万月分うち、実際の坪数で割つて見て、これは三分の二というよりも、五分の三・五ないし五分の四くらいまでは自己資金をもつてまかなつておるということになります。二十四年度に対して、私は住宅というものは三年間も待つておつたのでどんな無理算段をしても住宅を建てたいという氣持が非常に強くなつて來ておるのではないか、しかも現在私たちは專門家としてずつと調査しておりますと、今まで燒野になつておつたが住宅街がぽつぽつと復興しようという氣運が非常に強くなつて来ておるようであります。その場合二十万戸に対して、これを五年で割ると非常に小さな数字になるのでありますが、自己資金をもつてまかなうものに対しての資材の見通しは、大体昭和二十四年度はどのくらいお見込みでありますか。これをひとつ聞きたい。同時に二十三年度の下半期において、民間の資材が余つたというようなことでありますが、これは大体庶民住宅に対しては木材は問題はないとして、ガラス、セメント、消防法によるところのワイヤー・ラス、その他限られた資材だと思いますが、これに対して安本との御折衝の経過、これに対する目標がついておるならば御答え願いたいと思います。
#41
○鎌田説明員 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたのは政府が資金を準備する、あるいは斡旋する計画だけを申し上げましたので、その他自己資金によりまして建設せられます数につきましては、先ほど私は触れておらなかつたのであります。建設省といたしましては、昨年建設しました住宅総坪数は六百五十万坪であります。十坪とすると約六十五万戸でありますが、もう少し大きな家もありますから、大体戸数にしまして五十万戸になりますが、この六百五十万坪の建設総面積は二十四年度におきましても絶対に落したくない、かように考えております。その中に先ほど申しました戸数が入つて來るわけでございます。從いましてその六百五十万坪を戸数にしまして五十万戸、これから計画住宅を抜きました戸数が、自己資金による一般許可による住宅ということになるのであります。
#42
○田中(角)委員 そうすると、あなたが先ほど御説明になられたところの百万戸のうち、いわゆる自己資金をもつてまかなえる数が二〇%として二十万戸と押えられたものとして、昭和二十四年度の建設計画と食い違うではありませんか。
#43
○鎌田説明員 ちよつと漏れましたので、はなはだ恐縮でございますが、ほんとうに住宅に困つておる中にもいろいろございまして、約三百万戸不足しておるのでございますから、困つておる方は三百万世帶もあると思うのでございます。そのうちの最も困窮しておるものが百万戸。
#44
○田中(角)委員 わかりました。私も非常に御無礼な質問をしました。政府は十四万戸を二十四年度に建てるということに対する資材の裏づけを安本とつけておられるだろうと思いますが、私は二十四年度に、自己資金をもつてまかなえるところの面に対して、どのくらいの資材の裏づけをお持ちになつておるかということを伺いたい。
#45
○鎌田説明員 資材計画といたしましては、先ほど申し上げました六百五十万坪を單位としまして、この坪数は二十四年度におきましても絶対に下らせたくないという考えのもとに、六百五十万坪に対する建設資材を安本その他に要求いたしました。その絶対数は木材におきまして二千四百万石、セメントにおきまして十八万トンでございます。それに対する資材の年間割当量は、今のところ内示がありましたものは、木材が千五百万石、セメントが十二万八千トンでございます。しかしこの木材、セメントがこれではとてもその目的を達することができないということで、いろいろ安本とも折衝し、またその筋の資材当局の方にも折衝いたしました結果、第一・四半期に重点的に出そう。年間の割当につきましては、今ただちにどうすることもできない。木材についても日本の森林資源からいつて、七千万石の來年の需給調整のわくをかえることはできない。かようなことで、七千万石のわくの中では住宅資材は千五百万石しかどうしてもやれない。しかしこの時期的なあれを少し考えようということで、木材については五百万石、第一・四半期にもられました。つまり三分の一でございます。これをこのままでずつとやつて行つていただきますと、年間二千万石になるわけであります。先ほど申しました二千四百万石にはちよつと及びませんけれども、ややそれに近い数字になります。第一・四半期だけは五百万石ということにきまりました。
 それからセメントにつきましては、第一・四半期の割当は、年間十二万八千トンのうち二万七千トンで、これは輸出や何かの関係で、輸出は第一・四半期、第二・四半期に重点を置くということで、第一・四半期四分の一もらえなかつたわけであります。しかしこれも安本その他に折衝いたしまして、一万二千トンの特別のわくをこれに加えてもらいましたので、第一・四半期は約四万トンを確保し得るのであります。從いまして、この調子で行とく仮定しますと、十六万トンになりますから、大体所要の額に達する、かように考えられます。使い方にもよりますけれども、第一・四半期におきましては、資材は大体去年の六百万坪を確保し得るような関係になつております。
#46
○大西(弘)委員 ただいま田中君の質問の中に、私が尋ねんとすることがあつたのですが、その答えがはつきりせぬので、ちよつと尋ねてみたいと思いまする
 先般の新聞に三十坪以内の建築は無制限にするというような情報が出ておつたので、私どもは当を得たことであると考えておつたのですが、今の六百万坪を限度とした木材を確保するつもりでおるという建前から判断してみますると、もしここに書き上げてある五箇年計画の統計がそのままできるとして、十二坪で五十万戸になるのだが、そのうち十四万戸を引くと三十六万戸の建設という比例になつてくる。そこで今新聞に傳えられているように、三十坪にした場合には戸数が減るが、その辺建設省としてはあの新聞のように考えているのか、それとも戸数重点主義のあと三十六万戸の建設というようにお考えになつているのか、その点はつきりお聞かせ願いたいと思います。
#47
○鎌田説明員 ちよつと速記を止めていただきたい。
#48
○淺利委員長 速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#49
○淺利委員長 速記を始めて……。
#50
○飛嶋委員 融資による住宅五万戸という数字が上つておりますが、これは先般の住宅金融公社の十億の融資のことでありますか。また住宅に対する融資並びに金融等について、御当局の御意見を伺いたいと思います。
#51
○鎌田説明員 この第一表の二行目にあります融資による住宅と言いますのは、住宅金融公社ができましたときの融資でございます。そのほかの方法と言いますと、今のところちよつと目当はないのでございますが、今後の問題で、あるいはほかの方法があるかと思います。またあきらめておるわけではございませんけれども、今後の問題としていろいろ研究することが出て來るかと思います。
#52
○飛嶋委員 住宅金融公社の問題につきまして、先般ちよつと新聞に、これはちよつと困難な様子に出ておりましたが、現状はいかがでございますか。
#53
○鎌田説明員 これはまたはつきりしないのでございますが、見通しだけを申しますと、非常に困難な状況にあるようでございます。復金その他の四百億のわくが認められればそのうち五十億くらいは見てもらえそうだつたのでございますが、復金の問題とともにちよつと今困難な状況でございます。
#54
○飛嶋委員 そういたしますと、住宅金融公社が困難であるということになりますと、この計画の五万戸というのが減ることになると思いますが、万一それが困難な場合には、これにかわるべき何か御腹案は御計画中でございますか、その点を伺いたいと思います。
#55
○鎌田説明員 今のところさつき申しましたように、ないのでございます。
#56
○前田(榮)委員 ちよつとお尋ね申しておきたいことは、この住宅計画につきまして、大体机上のプランは不満足ながら一應お立てになつておるのでありますが、從來政府が立てられた計画が、実施の面において、もちろん資材その他の関係があるのでありますが、計画通りに実施されておらない場合が多々あるのであります。帝國議会時代に、第九十議会であつたと思いますが、特別都市計画法の審議の際におきましても、政府は二十五万戸の計画を立てられておつたけれども、実際立てられたものはその通りできていないのであります。そういう点で過去の二十三年度、二十二年度においては経過はどうなつておるか。政府が計画立てられた通りに実績があがつておるかどうか。この点を第一点としてお尋ね申しておきたいのであります。
 第二点といたしましては、戰災都市が都市計画を実施いたしておりますが、その都市計画の実施が非常に遅れておる都市がいくらもあるのであります。もちろん予算の関係はあるのでありますが、この都市計画の実施が遅れるごとによつて、住宅計画に支障があるのではないかと思いますが、この点はどういう状態であるかということ。
 第三点は、この二十四年度の計画による十四万戸の計画は、戰災都市の中には非常に復興の早い都市と復興の遅れた都市がありますが、復興が非常に遅れたのには、もちろんいろいろな理由があるのではありますけれども、この実施が、全國のこうした都市の需要供給の関係から、たとえば國庫補助住宅にいたしましても、融資による住宅にいたしましても、その配分は、非常に遅れた都市を、早く一般の都市並の水準に引上げて行くというようなお心持で、非常に遅れた所に力を注いで配分するというような、一つの手心をお考えになつておるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
 第四点といたしましては、過般大火災をこうむつた能代市の問題であります。能代市は借地借家法が適用されておらない都市であつたのでありますが、火災が起るとただちに、地主はその土地に対して從來建てておつた者に対して再び貸す意思を放棄して、火災の起つたその日からもうすでに立札を立てて、住宅建築を阻害したという報道を私は受けたのであります。これは本委員会の建設省の直轄の問題ではないようでありますが、司法省の借地借家法適用の問題で多分司法委員会では問題になつたとは思います。まだその結果を聞きませんが、こういう場合において、建設省といたしましては、從來火災の起らぬ以前においては借地借家法を適用する必要の程度はないにいたしましても、能代市のような大火災につきましては、ただちにこの借地借家法を適用して、一般庶民の住宅復興に対するところの安心感を與えなければならぬと思うのでありますが、能代市は借地借家法によるものが適用になつたかどうか、御存じであるかどうか、またこれによつて建設省としての住宅復興に対する支障が起ると思うのでありますが、こういう問題についてはどうなつておるか。
 第五点といたしましては、特別都市計画を立てられた当時は、東京都におきましても数区にわけて、都市の中心部においても商店街区あるいは住宅区、緑地部とかいうように都市計画を立てて、遠方から通勤する必要の程度を緩和して、交通関係やその他の関係をも緩和するような計画は立てられておつたのでありますが、未だにこの中央部におきましては住宅らしいものが建つていないのであります。これはすなわち都市計画が理想的に計画は立てられたけれども、実施がきわめて緩漫であり、実施に全然力が入つていない証拠ではないかと思うのでありますが、こういう点については、今日の交通地獄を緩和し、また一般都民に対するところの実質生活の向上をはかるというような点からも、社会政策的な意味においても、非常に必要な問題ではないかと思うのでありますが、こういうことは今日の計画の上においてどうなつておるのか、まずこの五点について御答弁を願いたいと思います。
#57
○内藤説明員 第一点と第三点につきましてお答え申し上げます。
 第一点は政府の計画通り今まで建つているかどうかというお尋ねでございますが、これは先ほども申し上げましたように、三箇年間に百五十万戸できておりまして、政府が立てました全体計画は達成いたしております。それから政府が補助をして公共團体がやつておる國庫補助の住宅がございます。これは二十二年度の事業は約四万戸でございましたが、りつぱに達成いたしております。二十三年度の計画も約四万戸でございますが、二十三年度の予算の成立が少し遅れました関係で、着工が大体八月ごろになつたのでございます。しかしその後非常に馬力をかけまして、二月末現在の報告では、完全にできて入居しましたものが五〇%ございます。これはもちろん全部着工いたしておりまして、三月末までには木造建築は全部完成するという状況になつております。ただ鉄筋コンクリート造がその中にございますが、それは七月に予算の成立がありまして、それから土地を探したり何かいたしまして、ほんとうに着工したのは九月でございますが、九月からの着工の関係上、鉄筋コンクリートにおきましては多少遅れております。しかしこれも六月ごろまでには全部完成する予定でございます。
 第三点の配分の問題でございます。これは昨年までは戰災地に重点を置いておつたのでございますが、昨年八月の住宅調査によりまして、各地方の不足数が明らかになつて参りましたので、今度はこの不足数に根拠を置いてやつて参りたいと考えておりますので、先ほどの御意見の通りになるものと思います。
#58
○財津政府委員 私から第五点についてお答えを申し上げたいと思います。初め戰災都市の復興計画を立てました場合には、ただいま前田さんからお話になりましたように、いろいろな理想も多少は盛り込んでおつた。そうしてそういう点も考えて、各地方々々の対策は立てられたようでございます。しかしその後の情勢は、私などにとりましてははなはだ残念な状態に立至つておるのでありまして、現在の情勢といたしましては、とにもかくにも予定いたしました土地を予算の範囲内において区画整理を行うというだけが精一ぱいのところでございます。交通緩和の面から見て、あるいは都市生活の面から見まして、工場に勤めている人たちを工場の近くに住わせるということは非常にけつこうなことで、理想的なことだと思いますけれども、そこまでは都市計画としては、今までのところまだタッチしていない実情でございます。
 それからこれは私の方の関係ではございませんが、能代に罹災都市借地借家臨時措置法という法律を適用になつているかどうかというお話でございましたが、おそらくこれはまだ適用になつていないのではないかと思います。これは所管はおそらく法務廳と建設省の建築局の両方にあると思いますが、この問題につきましては、所管の局長がおられませんので、かわつてちよつとお答えするわけでありますが、法務廳の方と連絡をとりまして善処いたしたいと存じます。
#59
○淺利委員長 前田さんの御質問に対して係りの方が見えていないので、次回にお願いいたしたいと思います。なお大体時間も延びておりますから、この辺で質疑を打切りたいと思いますが、今天野委員から発言を求められておりますから、これを許します。簡單に願います。
#60
○天野(久)委員 簡單に申し上げます。私ちよつと遅れて参りまして御説明を聞き漏らしておりますから、あるいは重複するところがあるかと思いますが、お許しを願います。
 実はこの前の委員会におきまして江崎真澄委員が発言されました通り、本年の公共事業費、しかも建設省に関する予算があまりにも僅少である。しかも要求と決定の予算を拝見すると、あまりにも差額がひどすぎるのであります。しかしわが國の現状は、建設省に関する事業、すなわち災害の復旧、あるいは庶民住宅、あるいは道路の修理その他、この事業が國民に及ぼす影響の莫大なることは申し上げるまでもありません。わが國は戰爭のために山森を非常に過伐、濫伐いたしまして、災害は各所に起つておけます。これをもし防止しなかつたら一体、わが國はどうなるか。また戰爭のために家を失いましたる人たち、あるいは引揚げた人たちの住宅が建たなかつたらどうなるか。あるいはこわれた道路を直さなかつたらどうなるか。こういうことを考えますときに、先日この予算に対して江崎委員が、われわれ委員会が関係各省に向つて予算の増額要求運動をいたさなければならぬということを言われましたが、私もこれはぜひ実行いたして、國民の今日の窮状を救わなければならぬと考えるのでありますが、この点につきまして、どうか委員長におかれてお諮りを願い御善処を願いたいと存じます。
#61
○松井(豊)委員 ただいま天野委員から、本建設省が最も取扱うべき各般にわたつての御意見が出たのでありますが、その問題はことに重大であります。愼重を期するがゆえに、委員長あるいは理事の方に御一任が願えるならば、愼重に研究調査をいたしまして、適当の案を立てまして、來るべき委員会あるいは懇談会において御報告を願い、そこで適当の方法を講じていただきたい、こう思うのでありますが、委員長、理事におまかせ願えるならば幸いだと存じます。
#62
○江崎(一)委員 本日の政府委員の説明によりましてはつきりわかつたことは、住宅の建設、それから治山治水関係に対しましては、まつたく何もできないというような悲しむべき状態に追い込まれておるということであります。わが國における最も重要な食糧問題に関しましても、治山治水の予算を思い切つて増加させることが、絶対に必要であると思うのであります。今やこの治水に関しまして、水害を受けた地方におきましては、百万名の署名運動が強力に行われようとしております。そのために本委員会はすみやかに災害対策委員会と合同会議を開きまして、地方の水害対策委員会などと緊密な連絡をとりまして、極力関係方面に折衝を行う。その折衝を行うときにも、正確な科学的な資料を十分準備しなければならぬと思うのであります。そうしてその具体的な方法については、先ほど御提案の通りこの委員会において十分研究したい、こう考える次第であります。
#63
○淺利委員長 ただいま天野委員の発議に対し、松井委員から具体的に、この問題を委員長及び理事の方にまかして十分檢討して、また委員に諮つて行動する、こういう御提案であります。これに対して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○淺利委員長 御異議なしと認めます。それではそういうことに決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。次会は追つて公報をもつて御報告申し上げます。
    午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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