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1949/08/25 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第24号
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1949/08/25 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第24号

#1
第005回国会 建設委員会 第24号
昭和二十四年八月二十五日(木曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君
   理事 松井 豊吉君 理事 前田榮之助君
   理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君
   理事 天野  久君 理事 高倉 定助君
      越智  茂君    三池  信君
      宮原幸三郎君    上林與市郎君
      増田 連也君    久野 忠治君
 委員会外の出席者
        建設政務次官  鈴木 仙八君
        建設事務官   伊東 五郎君
        建 設 技 官 目黒 清雄君
        建 設 技 官 菊池  明君
        建 設 技 官 小澤久太郎君
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
八月十日
 委員鈴木仙八君辞任につき、その補欠として内
 海安吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 理事鈴木仙八君の補欠として内海安吉君が理事
 に当選した。
同日
 住宅復旧対策小委員鈴木仙八君委員辞任につき、
 その補欠として内海安吉君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 住宅復興対策小委員長鈴木仙八君の補欠として
 内海安吉君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員及び小委員長の補欠選任
 派遣委員の調査報告に関する件
 災害復旧対策に関する件
 住宅復興に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺利委員長 それではこれより会議を開きます。
 去る八月十二日に理事会を開きまして、閉会中の委員会開会のことを協議いたしまして、今日開会することになつたのであります。
 なおこの際閉会中の委員会開会について御報告申します。八月四日の運営委員会において決定せられたことを通知を受けております。すなわち、
  閉会中の委員会開会について
  閉会会中は議員が常時在京していない建前であるため、地方にいる議員または旅行中の議員と各派が委員会出席につき連絡をとる必要もあるので、閉会中各常任委員会及び特別委員会を開く場合には次の各項によられたい。なお夏期の間は公務員の勤務時間について、保健のため、認められた特例に從い、本院職員も土曜日は半休となつたのて、たとい午後時間外の勤務があつても、時間外手当の支給もできない点及び一般的に閉会中の時間外勤務手当支給について制約を受けておる点を考慮に入れて、開会基準を作つてみたことを御了承願いたい。
 一、あらかじめ理事会を開いて開会日を決定するか、または各派の理事もしくは各派の了解を得て開会日を決定し、これを公報で予告すること。
 二、前項の決定は開会日の少くとも五日前にこれをすること。但し、特に緊急の必要があつて、あらかじめ各派の理事または各派の了解を得た場合はこの限りではない。
 三、開会時刻はこれを嚴守し、午後五時には散会させられたきこと。
 四、正午から午後一時までの間、晝食時間として少くとも四十分の休憩時間を與えられたきこと。
 五、土曜日に開会する場合は午前中で打切ること。
 六、委員にして出席不能の場合は、臨時的に委員を変更して出席させることを容認すること。
 以上であります。
 次に去る八月十日に委員鈴木仙八君が辞任されまして、同委員の補欠には内海安吉君が本委員に同日選任せられております。なお鈴木委員は理事でありましたので、從つて理事一名欠員となつております。よつてこれより理事の補欠選任を行います。理事の補欠選任については、前例によりまして、この際委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○淺利委員長 御異議なしと認めます。それでは内海安吉君を理事に指名いたします。
 次に住宅復興対策小委員及び小委員長の補欠選任についてお諮りいたします。鈴木仙八君は住宅復興対策小委員であり、かつ同小委員長をいたしておりますので、その補欠選任をこの際行いたいと存じますが、これも便宜上委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○淺利委員長 御異議なしと認めます。それでは小委員の補欠に内海安吉君を、また小委員長に内海安吉君を指名いたします。
 これより先々月各地を調査視察に参りました派遣委員の調査報告を聽取いたしまして、なおそれを檢討したいと存じます。まず東北班より報告を求めます。久野委員。
#5
○久野委員 東北地方の諸河川の改修、災害復旧状況並びに道路整備状況等の実地調査の目的をもちまして、去る六月五日より十日間にわたつて、今村、久野、池田の三委員及び地元参加委員として淺利委員長、高田、上林、笹森各委員が宮城、岩手、青森、山形、秋田の諸縣を調査いたして参つたのであります。その結果を簡單に御報告通し上げたいと思います。私たち一行は新聞紙上あるいは映画等を通じ、また各種の言論機関を通じまして、東北地方の二十二、二十三年両年度にわたる災害の実情が実にさんたんたるものであるというお話を聞いて参つたのでありますが、その実地をつぶさに拜見いたしまして、その惨害の惨たるのにはまつたく声がなかつたのであります。特に岩手縣の北上川の上下流の沿岸、なお宮城縣あるいは山形縣あるいは秋田縣における災害の実情については、今日もまだそのままに放置をされておりまして、その一部しか着工に至つていないという状態をつぶさに拜見をさしていただき、私たち委員といたしましては早急これが復旧のために努力をいたさなければならないということを痛感いたした次第でございます。
 その調査の重点といたしましては、第一に地方建設局の直轄河川の改修計画並びに同施行の状況、第二に中小河川災害復旧計画並びに進捗状況、第三に治水計画に基く堰堤の計画と施行の状況、第四に重要道路の現況と補修、改修の計画、第五に仙台、青森、能代各都市等の復興状況、第六、行政機構の複雑化の公共事業に及ぼしている実情、第七、総合開発計画の概要と実情等でありまして、おもな調査箇所を申し上げますと、仙台市の戰災都市の復興状況、宮城縣の吉田、江合、鳴瀬諸川の改修及び災害の復興状況、北上川上下流の改修、災害復旧維持の状況、特に災害の最も大きかつた一ノ関市及び磐井川の災害の復旧状況、石淵のロツクフイール・ダムの建設状況、猿ケ石川田瀬ダムの工事中止の現状、なお宮古市災害復旧状況、閉伊川及び閉伊懸道災害復旧状況、八戸市築港状況、國道四号線整備状況、馬淵川改修工事状況、岩木川、十三湖土地造成、米代川、雄物川各直轄工事状況、八郎潟干拓計画、最上川上下流改修及び災害復旧状況、荒澤ダム計画、國道五号線仙台、山形線の改修整備状況等であります。
 各地の視察にあたりまして地元民より種々熱心な陳情がありましたが、これらに関しましては今後本委員会の審査におきましては、これらの民意を強く反映いたすよう努力いたさねばなりません。ここにその全部を開陳することは困難でありますので、特に重要な二、三の点を申し上げたいと思うのでございます。すなわち第一に災害復旧工事未拂代金の即時支拂方の陳情であります。過年度災害による災害箇所の修復は、地元民といたしましては生活上まことに重大な関係がありまするので、卒先その修復のため労力、資金等をも提供いたされまして、災害箇所の復旧に協力されたのでありますが、その労賃の大部分を町村が農業協同組合等よりの借入金等によつて一時立替拂いがなされております。その立替金は今もつて充足されずにおります。なお農業協同組合等は、その本來の使命達成に関する農業資金等に枯渇いたしまして、東北のごとく主として單作地帶においては、他地方に比べ農業経営が貧弱であるため、政府の支拂促進を各地において強く要望しておられたのであります。またこれに関連して各縣においては、地方起債のわくの拡張を強く要望いたしておられました。さらに農民は耕地の災害復旧に関しましても、再び國庫補助金の交付をお願いするように切々たる陳情がありました。特に私見せていただきました猿ケ石川の沿岸のごときは、数十町歩にわたる美田が各所において瓦礫の山を築いておりまして、農民が鍬を持つて茫然たる姿で、復旧の緒についていない実情を各所に散見いたしたのであります。農民のお話を伺いますれば、一反歩復旧に要する資金が、マル公資金をもつて換算をいたしても約六万円もかかるということを言つておりました。すでに二箇年にわたつての災害のまま今日まで放電されておるのであります。この際何としてもこれが國庫補助金の道を早く立てて、農地復旧対策を講じなければならないと考えて來た次第であります。
 第二、東北地方の道路はその改修、補修等きわめて立ち遅れておりますので、本地方の有しております資源の開発をも勘案いたしまして、改修、補修等に積極かつ徹底的な工事を実施していただきたいとの陳情がありました。
 第三に、北上川上流本支川、閉伊川上流に対しましては、早急に砂防工事をなすこと、特に早池峯山麓すなわち閉伊川、猿ケ石川上流の砂防は國直営で砂防工事を徹底してほしい旨の要望があつたのであります。その他青森縣岩木川沿岸では、洪水防禦のためのダム計画及び改修工事、干魃防止のための農業水利、十三湖の土地造成及び同沿岸の電力不足緩和のための発電等の計画及び実施を一元化して実施してほしい旨の陳情等がありました。
 次に今回の調査に基きまして所見を申し上げたいと思うのでありますが、第一に予算配付の適正化についてであります。御承知のごとく東北地方は冬期は寒冷かつ多量の降雪を見るために、十月中旬より翌年四月上旬までは工事は極度に能率が低下するか、もしくはほとんど不可能な情況であり、かつ五月下旬より六月上旬及び十月は農繁期でありまして、これらの期間を除く四箇月ないし五箇月が眞に工事の能率をあげ得る期間なのであります。しかるに公共事業費は正式に國会の承認を得ましてから、実際各現場に工事費が配付になりますまでには数箇月を要し、かつ他の地方と同様おおむね四半期に等分されて配付せられるために、その間借入その他の処置により予定工事の完成に努力しているありさまでありますので、今後東北の特殊氣象條件を考慮して配付を行うべきであります。もつとも今年度におきましては特に考慮していただきまして、過年度災害復旧工事費充足のために、第一、二・四半期に多額の金が配付されたのでありますけれども、なおこれらの点について、東北地方の特殊氣象條件をも考慮せられまして、前述の点に関し來年度より特に考慮を加え、限られた予算をもつて最大の公立をあげ得るよういたすべきであると思うのであります。
 第二に災害復旧工事費の支拂いを行うべきであります。前述のごとく各地におきましては切々たる陳情がありました。これらは東北地方に限つた問題でなく、全國的な問題でありまして、民政安定という点から申しましても、これは何としても急速に支拂いを進めていただきたいと思うのであります。
 第三に東北地方総合開発計画の確率についてであります。御承知の如く、東北地方は北海道に次ぐ資源地帶であり、未開発地でありまして、地方民の生活程度は他地方に比較して問題にならぬ程低いのであります。これらの解決策は本地方の資源の徹底的開発に依らねばなりません。各縣はその方向に、それぞれ独自の見解と施策のもとに電源開発をしております。これらの開発の研究は、一部着手せんとしておりまするが、本地方全体から見るならば個々ばらばらの計画でありまして、何らそのおのおのの町に関連性を有しておらないのであります。かついたずらに電源開発と呼び、林産資源の活用あるいは農地造成を誇大に言つておりまするが、本地方の送電線網を見ましても、きわめて貧弱でありまして特に幹線の送電容量は、関西以西の二十万ボルトに対しまして関東地方は十二万ボルト、しかるに東北地方においてはわずかに六万ボルトであります。また交通網の発達率は他地方に比し遜色なきにしても、その氣象條件と改修補修の不徹底、はたまた治水の不完備である等の点から観察いたしますならば、その主張あるいは計画は、空想あるいは机上のものと言うべく、その実現はきわめて困難であると申さなければなりません。大局的にまずこれら他地方に立ち遅れております種々の点を補いまして、さらに個々の計画を有機的に関連性を持しまして、効果をあげるように処理して行かなければ、決して東北の経済向上は望み得ないと信ずるのであります。そこで東北地方全体の総合開発計画の樹立こそ重要なことであり、全体計画に基かない地域計画は何ら意味がないと思うのでございます。よつて根本的には早急なる全体計画の樹立であり、一方具体的には、前述のように北海道に次ぐ未開発地帶であり、氣象的特殊地帶であり、さらに経済的に貧困なる地方でありますので、國庫補助率の引上げ――北海道は御存じの通り、全額國費でまかなつておりますが、東北地方においても、國庫補助率の引上げを行いまして、道路網の確率、整備、河川の根本的改修を実施し、根本的全体計画及び個々の計画の実施を容易かつ確実ならしめ、もつて経済向上をはからねばならぬと存ずるのであります。予算の配分にあたり目に見える目前の経済効果のみに重点を置く配分は、未開発地帶の経済をますます遅れさす結果となりますので、根本的にこの点をも深く考え直す必要があると思います。
 第四に、石淵堰堤工事の促進及び猿ケ石堰堤工事の再開についてであります。御承知のように北上川の洪水調節上、最も近々に効果をあげ得ると考えておりますのはダムの築造であります。そのためには現在工事に着工しております石淵堰堤は、さらにわが國で最初の石塊堰堤でありまして、セメントの節約量はコンクリート堰堤の場合の四分の三にも及ぶものであります。この堰堤構築の成功は、他の堰堤計画に多大の範例を示すことになるのでありますから、ぜひこの工事の早急なる完成を期すべきでありまして、政府は年間工事費の増額、氣象條件に適合した事業費の配分等、あらゆる積極策を講ずべきであります。猿ケ石川田瀬の堰堤は北上川五大ダムの一地点でありまして、戰時中その堤体の約一割を完成し、かつ各種資器材をそのままとして、終戰後建設省が維持監理して今日に至つておるのであります。その実情を私たちつぶさに見せていただいたのでありますが、その規模の大なる実に驚くべきものがあります。これらの機械が雨ざらしのまま今日放任されておるということは、國家的見地から言いましても、まつたく残念のきわみであります。そうした意味合いから、何としてもこの放置されておりまするダムの着工を、一日も早くしなければならないということを期して参つた次第でございます。本計画は、治水利水の両面より考慮いたしまして、当然再開さるべきものと考えますが、現況は、ただ治水面のみが主張せられ、利水面における價値が廣く認識せられていなかつたことと、建設省所管であつたために、今回の電源開発の一環より取残されたことは、まことに残念であります。
 第五に、堰堤構築によりまする水没地対策の確立であります。日本の復興は治山治水事業によつて半ば達成し得ると申しましても過言ではないと存じます。これがために当然各地に堰堤が構築されるようになつて來るのでありますが、狹隘なる風土におきましては、山間郡まで住居を構え、生業を営んでおりまして、堰堤構築によりまして惹起する水没地帶には、必ず住民の立退き問題が出て來るのであります。將來水没する地に住む住民は、祖先以來の土地に切なる愛着を感じ、移住によつて生活の安定がなし得るやいなやの不安とが、堰堤構築に対する反対となりまして、堰堤構築を遅延せしむることが触発して來るとともに、移住民はその後悲惨な生活をしなければならぬようなことあるを憂うるものであります。現に北上川五大堰堤地点の雫石、湯田堰堤、さらに赤川上流荒沢堰堤においては、堰堤構築反対あるいは代替地要求等が現に現われておるのであります。私たちが参りましたときにも、地元民各位が多数参集をせられまして、この代替地の要求について強烈なる要望があつたのであります。これらに対しましては土地收用法がありますが、その運営の合理化ないし同法の根本的民主的改正等については、再檢討をなす必要があると思うのであります。
 第六に、砂防工事の促進と植林の推進であります。本問題は東北地方のみの問題だけでなく、全國的な問題でありますが、一昨年及び昨年の災害の被害が、山地の荒廃によつて倍加されたものであることは衆知の事実でありますが、今年度の砂防費を見ましても僅少であることは、砂防の必要なることを熟知しながら、その対策が不徹底であることが判然とするので、この際抜本的対策を講ずべきであると思うのであります。東北地方におきましては、宮城縣、岩手縣の栗駒山麓岩手縣の早池峯山麓及び山形縣の最上川上、中流における砂防は重点的に実施すべきものであります。特に早池峰山北面すなわち閉伊川上流は、過般の閉伊川の大災害が主として上流からの土砂流によつて起つたものであります以上、砂防工事を早急に実施すべきであり、特に國直轄の工事として実施し、その効果を確実ならしむべきものと信ずるものであります。岩手縣におきましては、今般砂防廳が新設せられましたことは、きわめて時宜を得たものであると考えますが、縣は栗駒山系磐井川上流その他に重点を置くべきものと考えます。植林及び止造林につきましては、農林省に所管されているものでありますが、砂防の徹底、植林の促進とは唇歯輔車の関係にある以上、政府はこの植林、造林の徹底的方策を早急に樹立すべきであります。なお植林強化のため宮城縣におきましては青葉十字運動、岩手縣におきましては造林宝くじ等を行いまして、治山のための民衆運動及び資金獲得に不断の努力をしておられます。
 第七に、鉱毒水処理の問題でありますが、東北地方で鉱毒の被告を最も多く受けておりますのは、岩手縣の松尾鉱山による北上川上流、秋田縣尾去沢、小坂鉱山による米代川上流等で、農業用水として利用できず、魚類も棲息せず、さらに洪水時には沿岸耕地は鉱毒が浸入いたしまして、耕作不能となる状況であります。よつてこの附近の堤防の強化が必要であるとともに、根本的にはこの鉱毒処理を徹底的に実施する必要があるのであります。
 さらに第八に、各省に分属し、かつ、互いに関連性を有しております公共事業の円滑なる実施を期すべきであります。建設省に属する公共事業が、他省の所管に属する公共事業と密接な関係を有することは衆知の事実でありますが、今回の視察に際しましても、品井沼、十三湖、八郎潟の干拓及び同計画、石巻、宮古、八戸、能代、酒田等河口の諸港の修築、石淵、猿ケ石その他洪水調節堰堤と発電関係、また青森縣の岩木川、最上川、赤川等の治水、農業用水との関係等、すなわち農薬、港湾、発電、治山等種々な方面において関係があります。このきわめて密接な関係を有する公共事業が、ややもいたしますると官廳のセクシヨナリズムにより、それぞれ異なつた見解あるいは計画実施等により、眞に投下した事業費だけの効果をあげ得ないでおる実情をもまま見受けて來たような次第であります。今回の視察において実際に見、また地方民の陳情を受けたのでありますが、この狹められた國土の中に、いまだかかる非能率的な現象があることは、大いに反省をすべきところでありまして、かかる悪弊は一刻も早く除去する方法を講じなければならぬと考えておつたような次第であります。我々は先きの國会に於て各党こぞつて強く主張致しました。公共事業の統一も、残念ながら時間的制約により今後の問題となつたのであり、行政制度審議会の活動にゆだねられたのでありますが、一刻も早くその実現を期さればならぬ事を痛感してまいりました。地方廳にでは土木部に大概河港課が設けられておりますが、ここへは建設省、農林省、運輸省等より指令が出ている実情で、これが統一されますならばその実施も容易かつ能率的になることは申すまでもありません。出典事業が國土再建の最たるものであり、また失業救済の重要なる役割をなす事を想起致しますならば、幾多の困難を克服して、公共事業の統一をはからねばならないと信ずるものであります。
 公共事業の統一は行政機構の簡素化であり、人員の重複等による冗費を節減する事ができ、かつ行政整理の主旨もまた明確化されると思います。
 第九に災害復旧工事促進と行政整理の問題でありますが、本地方が災害復旧工事量きわめて多く、ことに他地方の事業量との比率において、技術者はむしろ不足しているやの感があります。地方の建設局の各委員は、特にこの点を強調せられた陳情があつたのでありますが、地元民としても、行政整理が復旧工事遅延の原因となりはせぬかとの危惧を持つておりまして、この点に関する陳情等もあります。政府当局においては、その実施にあたり、本地方。特殊性を考え、最大の注意を拂い、たびたび言明している行政整理の実施により復旧工事は遅延させないという言を思案に実行すべきであると思います。以上、今回東北地方視察により得ました概要を報告いたします。
 なお特に所見中、猿ケ石川、田瀬堰堤の工事再開、東北地方事業費配分の適正化及び公共事業の統一に関しては、委員各位の格別なる御檢討と、実施への推進に協力されんことをあわせてお願いいたします。なお私たちが視察をしておりました閉伊川の中、上流のごとき被害を、実にさんたんたるものがありまして、私たちトロツコに便乗いたしまして、現地をつぶさに見せていただいたのでありますが、地元民各位は運ぶに道路なく、鉄道の決壊によつて山林の資源をも運び出すこともできずに、今日食うに食なく、また金もない。まつたく方途に困つておられる現状であります。こうした災害地のさんたんたる実情に対しましては、一刻も早く予算的処置を講ずると同時に、なおかつ進んでその工事の施行等につきましても眞に有効適切な方法を講じて、急速な復旧をはからなければならぬと考えて來だ次第であります。
 以上をもちまして視察の御報告にかえる次第であります。
#6
○淺利委員長 御報告に対して当局の御説明を伺いたいのでありますが、各班ごとにいたしますと時間の関係もありまするから、あとで御報告を受けてから一括して意見を聽取したらいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○淺利委員長 ではそういことにいたしまして、次に北陸、近畿班の報告を求めます。天野委員。
#8
○天野(久)委員 今回衆議院規則第五十五條により、衆議院議長の承認を得まして、北陸震災の復旧状況及び近畿、北陸地方の災害諸河川、道路の調査のため、松井豊吉委員、田中角榮委員、不肖天野の三名が現地調査に派遣せられました。これに内藤隆委員が参加いたし、專門員室より西畑專門員、早川調査員、建設省から久保田技官が同行いたしました。一行は六月六日より十日間にわたり、つぶさに現地すなわち富山、石川、福井、滋賀、大阪の五府縣を調査いたして参りましたので、ここにその結果を簡單に御報告申し上げたいと思います。
 今回の現地調査にあたり、特に重点を置きました点は、第一に北陸地方の急流河川の災害対策、第二に北陸震災満一箇年後の震災復旧状況、第三に琵琶湖の河水統制問題、第四に大阪市における地盤沈下対策並びに住宅問題等であります。
 次に日程を簡單に申し上げます。派遣委員一行は六月六日に東京をたちまして、七日は富山市の復興状況並びに常願寺川、黒部川海岸線一帶を視察し、八日は井田川、庄川を視察いたしました。九日は小矢部川を見て石川縣に入り、手取川を視察、十日は大聖寺町及び塩屋村の震災復興状況を視察いたしました。十一日は九頭龍川、荒川、足羽川等を視察し、また福井市の復興状況を視察いたしました。十二日は瀬田川、宇治川の発電関係の施設を視察、十三日淀川を見て、大阪の水道、築港方面の地揚げ状況を視察いたしました。十四日に同じく大阪市の都市計画、住宅関係の状況を見て、十五日に無事帰京いたしました。
 視察の状況を申し上げますと、まず富山市の戰災復興状況について一言申し上げます。当市の被害面積は四百五十万坪に及びましたが、当初の復興計画においては、このうち三百八十八万坪の区画整理を行う予定になつておりました。しかしこの方面に対する國庫補助の予算がきわめて僅少であり、戰災地である地元市民の負担力にも限界があります関係上、逐次面積を縮小し、現在は百七十万坪の区画整理を行うことになつております。この部分に対する換地は七月上旬までに完了する予定であり、これ以上計画を縮小することは、現在としては事実上困難であります。しかるに全計画に擁する費用は時價四億円に上ると認められるのに対して、これまで三箇年間に投ぜられた経費は僅々三千万円にすぎず、また本年度より補助率も引下げられるため、事業の完遂はまつたく困難な状況に陷つております。富山市長からは、戰災地のみの犠牲においてはとうてい早急の回復はおぼつかないから、非戰災地からも特別の税をとつて、戰災都市が一日も早く立上れるように癒されたいという要望がありました。
 次に北陸諸河川の状況について申し上げます。この地方の河川はいずれも急流河川であり、かつ戰時以來、上流水源地帶が著しく荒廃しておりますため、土砂の流出著しく、河床が次第に上昇し、たとえば常願寺川下流におきましては、河床が水田面より高きこと八メートルに及んでいるような状況であります。このため築堤工事も困難で、工費もかさみますが、一度これが破堤しますと、砂礫は田面を覆つて、その復旧はまつたく困難であり、緩流河川の洪水が一年にして復旧するに比べて、当地方の災害はこれが復旧に数年を要し、前者に数倍する被害を惹起するものであります。
 次に各河川について具体的に考慮すべき点を二、三申し上げます。富山縣の常願寺川は、前記北陸河川の特徴を代表的に備えた河川でありまして、上流の砂防ダム工事、下流の浚渫、築堤の強化等を総合的に促進する必要があります。特に合同用水砂だまり箇所の左岸が破堤する場合は、富山市が、危險に瀕するため、導流堤設置の要望があります。
 黒部川の改修工事は、全体計画の三〇%程度進捗して居りますが、左岸側に比し、右岸工事が遅延しています。また黒部橋地先の鉄道橋附近は、上流よりの石礫の流下により、河床が上昇して、桁下余裕高四メートルあつたのが、現在二・六メートルほどになり、洪水時においては危險なる状態にあります。庄川は昨年七月の台風により、右岸一五〇メートル間が破堤し、莫大な損害をこうむつたのであります。東礪波郡東磐若八十歩地先右岸は、水衝部で護岸、根固め延長五百メートル流失したまま堤防が危險な状態にあり、早急復旧の要望がありました。射水郡淺井村地先に昭和九年の出水の際破堤した箇所で、所在應急的なかさ上げ工事を施工中でありますが、無秒四・五〇〇立米の計画高、水量に対しては、將來さらに堤防敷の幅を拡張する必要があり、このために堤防沿いの水路のつけかえも必要となつて來る状況であります。中田橋より大門に至る間は土砂堆積により、河床が上昇しております。現在までの堆積は四百万立米と見られますが、三百五十万立米を築堤に利用し、残り五十万立米は自然流下の見込みで工事を進めて居ります。現在タワーエキスカー一台が稼働しているのみで、機械力増強が強く要望されるのも当然のこと、思われます。高岡市二塚地先は、昭和二十年より二十三年に至る間に十七箇所の被害があつた所で、改修工事とともに、合同用水新設工事の要望がありました。
 以上のほか富山縣における中小河川としては、上市川下流の土砂堆積に対する改修工事の要望、神通川の支川、井田川に関し、上流の砂防、床どめ、その他、築堤の補強、掘鑿等の要望、小矢部川右岸築堤工事の促進、用排水施設工事の要望等があり、いずれも地元民にとつては重大関心事となつており、至急予算措置を講ぜられることが必要であると認められました。
 ついでに富山縣下、下新川郡一帶の浪害について延べます、この辺一帶の海岸は、長年の災害により、次第に浸蝕の状況にありましたが、本年二月十五、十六日にさらに相当の被害があり、旧波止め護岸コンクリート擁壁は破壊され、合掌枠にて一部復旧しましたが、十分でないので、恒久施設実施の要望がありました。零細農家が浪害により、田地を奪われ、山地寄りに移轉をしいられる現状に対しては、適当な援助の手を差伸べるべきであります。なお水橋町朝日地先に空積みの浪除け堤防を施工してありますが、左右の旧提防と同じ高さまで施工されたき旨、地元の要望がありました。
 次に石川縣の手取川でありますが、本川は扇状に開けた一万四千町歩の米作地帶を貫流し、從つて、その災害の農作物に及ぼす被害は甚大であります。本川は、その源を白山に発しますが、その水源の荒廃により、土砂流出と漂砂により河床は上昇し、河口は閉塞 せる状態にあるため、上流の砂防と相まつて、河口の導流堤の築造が要望せられております。本件に関しては、特に地元青年團よりも労力をもつて協力したき旨の熱烈な陳情がありました。本川の中流にある辰の口橋は、本年五月六日の融雪出水により、左岸側三分の一を流出したままになつておりました。この橋は、毎年出水毎に数径間流出して交通杜絶し、多大の不便を來して居るので、永久橋を架設したき旨の強い要望がありました。大聖寺町及び塩屋村は一昨年の震災により家屋倒壊及び傾斜のはなはだしかつた所でありますが、一年後の現在、家屋の復旧は相当進んでおります、塩屋村においては都市計画事業として、一部道路の拡幅も行われて居りますが、大聖寺町においては倒壊が少かつたため、この計画の遂行がかえつて困難の模様に見受けられました。何れも本年度より國庫補助率が低下せられたことに対し、事業の進捗著しく障害となる旨の陳情がありました。
 福井縣の九頭龍川は、昨年の震災以來、大きくクローズ・アツプされたのでありますが、現在復旧工事の約三〇%竣工し、計画洪水位上五〇センチまでの築堤は一應完成いたしました。今後は護岸拡幅、水制等に力を注ぐとともに、河状の変化により計画洪水量が毎秒五千立米まで増加する場合をも考慮して、堤防の増補工事を行いたいということであります。竹田川、荒川、吉野瀬川等は、いずれも関係の中小河川でありますが、低濕地帶を貫流しており、わずかの出水でも附近一帶に溢流するので、改修の必要があるものと認められます。
 この際、福井縣の震災復興工事全般について、一言申し上げます。昨年六月の震災並びに、これに伴う洪水のため惹起された被害にきわめて深刻でありまして、復旧に要する経費は、土木関係のみにて三十億円に上る状態であります。このうち建設省直轄工事の分九億七千万円を差引いても、縣工事の残額が二十億円以上に達します。これを三箇年に行う計画をもつて、初年度である昭和二十三年度には六億円としたが、緊急工事のため予算外に二億五千万円を追加して、請負に付し、その総額は八億円以上に上つたのであります。しかるに、これに対し昨年國庫から支出された補助金はわずかに二億六千余万円であつたため、これによる事業量は四億円余りにすぎず、差引き四億円余の赤字を本二十四年度に繰越している状況であります。しかるに本年度は公共事業費の圧縮に伴ひ、福井縣において緊急着工を認められた額は五億七千万円にすぎず、昨年の赤字を差引けば、本年着工の分はきわめてわずかになつてゐるわけであります。縣当局としては、最小限、緊急なる本年度の支出を二億三千万円とし、前年度赤字との合計六億五千万円に対し、四億三千余万円の國庫補助を要望しております。福井縣の道路は他縣に比して著しく改良が遅れています。これは他の災害が大きかつたため、自然道路の復旧があとまわしにされたためとも考えられますが、國道十二号線もいまだ自動車を貫通するに不安な状態であり、また名敦國道の災害復旧及び改良工事、並びに舞鶴國道、國道三十五号線の吉坂トンネル工事に関しては、特に敦賀市長ほか関係者が福井縣廳まで來てるる状況を説明し、特に予算の増額並びに積雪の関係上、第三、四半期までに予算の全額配付されたき旨の要望がありました。都市計画に関しては、街路の拡幅、区画整理、民間の建築等はいずれも相当の進捗を見せておりますが、一貫した都市計画事業が遂行されないため、街路は埋設物の都度これを掘り起し、手もどり工事を繰返している部分も見受けられました。住居の復旧は八〇%に達しましたが、今なお一万三千戸不足の由で、これに対して公営住宅の割当増加を要望しております。
 滋賀縣におきましてはもつぱら琵琶湖より流出する河川の発電問題に関して視察調査をいたしました。現在進行中の計画は、湖面をプラス〇・三〇メートルよりマイナス一・〇〇メートルまで調節して登記の渇水時に備えんとするものであるが、瀬田川の浚渫並びに湖岸施設の補償等に費用を要します。工事は現在五二%の進捗率を示しておりますが、今後なお一億七千万円を擁する見込みであります。さらにもう一段硬度の総合開発計画としては、安本の主張する新宇治案と日発の主張する外畑第二志津川案とがあります。前者は総工費五十五億円をもつて二十四万キロワツトの発電を行わんとするものであるが、校舎は二十八億円の工費をもつて十二万キロワツトの発電を行わんとするものであります。現在は七・二万キロワツトであります。
 右両案は十分その利害得失を比較計量すべきものと考えられますが、地元の大石村を初め縣議会議長からは後者、すなわち日発案を支持されたき旨の要望がありました。これは、安本案をとる場合には、大石村の約半数の家屋と耕地は水浸しとなるという点にあるのでありますが、現下の國情から言えば、日発案の方が実情に適するものではないかと考えられます。但し水問題は今後なお十分に調査の上、その適否を檢討すべきであると考えます。
 大阪府におきましては、まず淀川の問題であります。御承知のごとく、本川の改修工事は遠く明治七年に開始せられておるのでありますが、その特徴とするところは、第一に琵琶湖を水源とし、かつ三川を合流する関係から、洪水時には高水位が長時間継続し、從つて堤防の各所より漏水を起しやすい点であります。昭和一三年桂川出水の際は、淀川の表小段以上の高水位が五十四時間も継続し、左右両岸に漏水百箇所を生じ、危險に瀕したのであります。翌十四年度より補修工事が始められましたが、戰時中停滞して現在に及んでいる状況であります。改訂計画は流量を毎秒六千九百五十立方メートルとして引堤並に堤防強化をはかり、また河口の地盤沈下に対し堤防のかさ上げ工事を行わんとするものであるが、今後なお五十億円を必要といたします。本川の災害は直接大阪市を脅威する点で特に重大であると考えます。また本川の第二の特徴は低水利用の便が多い点で、これに対する施設の整備もまた効果ある事業上考えられます。
 次に大阪市西部一帶の地盤沈下対策に関する問題について申し上げます。これは約八百五十万坪の地積に及び、近年はなはだしい所では二メートル近くも沈下している所もあります。これは地下水の汲み出しによる水圧の減少がおもなる原因ではないかと言われており現に戰災後工事用水の使用が停止するとともに、沈下もほとんどとまつたということであります。これが対策として、港区一帶の三百五十万坪をOP三・五メートルまで地揚げせんとするものであるが、それに必要な土砂を浚渫することによつて同時に築港を行わんとする計画であります。これに現在二〇%程度進捗しており、もつぱら地方の港湾都市計画等の費用に頼つておりますが、元來地盤沈下は一種の恒久的災害とも見られるにつき、國においても予算上の措置を講ぜられたいとの要望がありました。なお此花区一帶はすでに建築物の復興も始まり、前面地揚げは不可能な状況にありますので、周囲に防潮堤をめぐらす計画を立てております。以上の総工費は時價で十五億円程度と見積られておりますが、昭和二十四年度の事業費は三億円で、今後に相当の工事量を残しております。都市計画による区画整理はやりやすい所から手をつける方針で、相当効果をあげている模様でありますが、富山市や石川縣の大聖寺町でも要望があつたことく、換地が決定しても予算の関係から建物移轉が遅々として進まず、この問題は至急に再檢討をして、重点的に促進する段階にあるものと認めます。
    〔委員長退席、内海委員長代理着席〕
住宅復興は來年度よりコンクリートアパートの建設も行われ、府市協力して公営住宅の建設に努力していますが、これも予算の関係から十分ではなく、今なお十五万戸近く不足している状況であります。なお産業労務者住宅には、特に見返り資金の融通により、本年度とりあえず三千戸を総工費九億円をもつて建設いたしたいという具体的計画による要望も開陳せられました。最後に大阪府の水道計画並びに城東運河の状況について一言つけ加えます。大阪市の水道は、もちろん淀川の水によつているわけでありますが、市の西部、南部にある守口市、布施市、堺市、岸和田市等にも相当の人口を有するにかかわらず、給水が十分でない状況にありますので、これらに対して府営の水道工事四億八千万円の工事を三箇年で行う計画を進められております。現在緒についたばかりでありますが、その完成は地元民から強く要望されております。また城の東、東成区は低濕でありまして、排水と、工業地帶への水利を兼ねて、戰前、城東運河が計画せられたのでありますが、現在三分の一程度で、工事中止のまま放置せられておりり、たびたび出水の禍いを受けております。戰爭も終つた現在、これを完成して禍いを除きたいと地元民の強い要望がございました。工費は総額五億円とのことでありますが、三千万円程度をもつてとりあえず一應の掘鑿を行うことも適当ではないかと考えられます。
 以上により調査報告を終りますが、次に派遣委員としての所見を申し上げ、行政当局よりの説明を求めたいと存じます。所見といたしまして、第一は北陸の急流河川に対する改修の問題であります。このような河川に対しては、上流の砂防及びダム工事が重要であることはいうまでもありません。またこれと並行して、下流においては乱流を防止して、低水路を一定させねばなりません。しかるに從來の改修方法を見まするに、堤防の修理、かさ上工事を行うため、とかく堤防に近い部分の土砂を用いて、かえつて乱流を助長するような傾向がありました。これを防止するには、河心の土砂を採取して、自然に低水路をつくつて行く必要があり、そのためには必然的にタワー・エクスカーその他の土木機械を十分に活用せねばなりません。この点から見て現状ははなはだ心もとない状態であると言わざるを得ません。建設省当局は河川工事の機械化に対して、積極的に大幅の予算的措置を講する必要があります。
 第二は北陸震災対策の問題であります。震災後満一箇年の状況を視察いたしましたが、昨年度において、應急工事に着手し、市街地のバラツク建築と九頭龍川の堤防修理工事がほぼ要領を得た程度で、その他はようやく本年度より本格的復興にとりかかつたところであります。すなわち一歩市街地を離れれば、数多の中小河川と道路と耕地は一様に沈下して、雨期には一面に湖水のごとき状態であり、國道に対してさえ、自動車を通ずるに困難な箇所が少くありません。震災対策として、昨年度は特別な予算的措置が講ぜられたようでありますが、本年度は一般府縣とかわらざる予算であるために、昨年度の赤字を埋めた場合、新規事業にはほとんど着手し得ないと現地では申しております。かかる大災害がありました地方には、少くとも二箇年間は特別な予算的措置が講じられなければ、一應の復旧工事も完成しないと存じます。
 第三は、大阪の地盤沈下対策に関する問題であります。本地区は経済的にも工業的にもわが國屈指の大中心地でありますから、地揚げ工事にしても防潮堤工事にしても、農地の干拓等の場合に比して、その経済的の効果は数十倍に上るものであります。政府は一部の採算のとれない干拓事業等を打切つても、採算上最も有利なるかつ高價な土地の造成されるかくのごとき重要地区の地盤沈下対策に対して、特別な援助をさらに積極的に講ずべきであります。
 第四に、戰災復興に関する問題であります。区画整理事業の進捗は、富山市においても大阪市においてもまことに遅々たるものであります。震災復旧の街路事業その他につきましても、本年度より補助率が減少しましたため、各都市とも、ほとんど前面的に行き悩んでいます。政府はこの際、区画整理の面積を減少しても、最小限度の地域に限り急速に重点的施行を行う必要があります。
 第五は大阪市における住宅対策の問題であります。特に産業労務者住宅に対しては、見返り資金融通等をぜひ考慮すべきであります。
 第六に富山縣下新川郡一帶海岸の浪害に対しては、一貫した恒久対策樹立の上、逐次工事に着手すべきであります。
 第七に琵琶湖の河水による発電計画に対し、政府は早く結論を出すべきであります。
 以上、今回の調査の状況に関し、派遣委員を代表して、御報告申上げた次第であります。
#9
○内海委員長代理 次に四國、中國班の委員であられる高倉委員の報告を求めます。
#10
○高倉委員 四國、中國地方の地盤変動及び廣島平和記念都市計画の調査のため、増田連也君並びに、不肖高倉は、去る六月三日より十日間にわたつて、現地を調査して参りました。詳細なる報告は、閉会中審査報告書に譲りまして、ここにはその概略を御報告申します。なおわれわれの他、村瀬委員が香川、愛媛縣、越智、大西両委員は愛媛縣において、さらに宇田、宮原、前田各委員が廣島縣においてそれぞれ参加いたしました。
 最初に四國の地盤変動について申し上げます。去る昭和二十一年十二月二十一日の南海大地震に基因しまして、四國一帶は地盤の変動を惹起し、高知縣の室戸岬及び足摺岬は隆起し、その他の海岸線はすべて沈下の現象を示しており、その被害は予想外に激甚であります。このうち、特に被害甚大なる箇所として、徳島縣において、小松島港、今津大手海岸、答島、橘町、川内村、鳴門市、香川縣において、引田海岸、坂出市、多度津町、さらに愛媛縣においては垣生村、新居浜港、西條市、王生川町、今治市、北條町、堀江町、宇和島港等を調査いたしたのでありますが、一般に、潮位の上昇による海岸線一帶の浸蝕によりまして、道路、海岸、河川堤防、護岸の基部等は洗掘を受けて破損しております。また堤防、潮止堰、防波堤、物揚場等は、從來の高さにては効用をなさず、すべてかさ揚げ、あるいは水門の新設等を必要とするに至つております。また潮位の上昇と、堤防護岸等の被害によりり、農耕地に潮水が滲透あるいは浸入し、さらに高潮によつて、排水ひ門の開扉時間のはなはだしい短縮のため、排水系統は全面的に破損され、農耕地は塩水のため不作付地となつたもの相当の面積に達し、また塩田も相当の被害をこうむつております。さらに、都市におきましては、高潮の際、潮水の浸入するところとなり、交通上、衛生上、憂慮すべき状態にあります。その対策といたしましては、應急的にかさ揚げ及び水門の設置、粘土羽金入堤防の築造等を実施いたしておりますが、これに要する道路、河川、海岸堤防の復旧費に約三十三億円に達し、本年三月までの復旧状況は、その約一〇%を完成しているのみであります。
 次にこれが対策について、所感の一端を申しますと第一に、地盤変動対策には懸念的な工事を進める一方、根本的な対策を講ずる必要があります。また対策そのものにもなほ多くの科学的研究を必要とする点が残つているのであります。目下四國地方総合開発委員会に対して、各縣より調査を委託しておりますが、これにて地盤変動が休熄したか、今後さらにかくのごとく、変動があるかはまだ研究調査中で結論を見ないようですが、政府においては、政治の科学化の上からも、積極的に地盤変動に関する調査をいたすべきであると考えます。
 第二に、査定の際の、ABOの施行順位の決定につきましては、ある程度、各廳の実情に即した運用にまかせた方が、効果を上げ得るのではないかと考えられますし、また工費三十万円以下の工事であつても、その箇所が多く、かつ重要なるものもありますので、三十万円以下にあつても、緊急復興工事の対象と考えられるのであります。
 第三に、地盤沈下対策は、未だ緒についたという程度にすぎず、本年度においても、高潮もしくは、台風により、再び海水が浸入し、甚大なる被害を與えるであろうことは十分に予想されるのであります。しかもその災害は、塩水によるのでありますから、一般災害より、その悩みは深刻であります。すなわち地方財政の窮乏にもかかわらず、地元におきましては、自衛上、やむを得ず、工事費の一部を立かえ施工いたしております。從いまして、國としましても、優先的に國庫補助費の支出を考慮すべきであると存じます。
 次に廣島平和記念都市建設法に関連して、廣島市の都市計画を調査したのでありますがその所感について、簡單に申し上げます。
 第一に、平和記念都市建設法が、單に戰災復興の促進にのみ、使用されますならば、それはまつたく本法の精神に反するものであります。
 第二に、都市計画は元來平和的なものであり、現在の都市計画は、そのまま、平和都市計画たる得るとする向きもありましたが、当初、平和都市としての構想はなく、さらにまた本法設定によつて得られる百八十万坪の旧軍用地を、その対象として考えていなかつたのでありますから、この際、都市計画の再檢討がなさるべきであります。
 第三に、平和都市の構想の一つとして、緑の都市を考えたい。また百八十万坪の土地の中に、平和を象徴する文化中心を作つてはどうかと考えるのであります。
 第四に、平和記念施設の配置計画をすみやかに樹立すべきであると考えます。
 第五に、現在の用途地域には、例外のものの方が多く、まとまりの無い都市になるおそれがありますので、十分なる建築指導をいたすべきであります。
 第六に、市内を貫流しております太田川の改修工事の促進であります。すみやかに放水路の開盤をなし、洪水を治めなければ、平和都市は、常に危險におびやかされる都市になります。
 第七に、平和都市としての都市計画はいかにあるべきか、ということはきわめて大きい問題であり、さらに國際信義の上からも、この際廣島平和都市建設審議会のごときものを設置し、これが建設に努力いたすべきであると考えます。
 以上が四國の地盤変動及び廣島都市計画のきわめて簡單なる報告でありますが、その他、建設事業として調査いたして参りましたものにつき、きわめて簡單に御報告いたします。
 はじめ、徳島縣及び香川縣について申しますと、第一に、鳴門、高松間縣道は、幅員狹小にして、小半径の屈曲箇所多く、自動車のすれ違いすら困難であり、観光の面よりも、また運輸の面よりもこれが改修が必要であります。
 第二に、徳島縣南総合開発計画案は、資源開発と、奥地住民の生産性の向上のため、ぜひとも、助成すべきであると考えられます。
 第三に、國道二十三号線改良工事を調査したのでありますが、総じて國道は、都市部分において狹小となり、その機能を著しく殺がれておりますので、でき得る限り、市街地に近い、しかも離れたルートを設定すべきであります。
 次に愛媛縣内について申しますと、第一に、西條、高知を結ぶ予土連絡道路は、山間部十六キロ間、未改修のため、自動車の運行不能でありますが、これを改修することにより、土佐國境の莫大な資源の搬出が可能になりますので、早急なる改修が望まれております。
 第二に、今治市戰災復興事業は、現在三〇%程度の進捗率でありますが、今年度より、補助率が二分の一に減つたため、市有林等を拂下げて、震災復興につとめております。戰災復興は、重点的に、すみやかなる完成を期さねばなりませんが、全國的に遅延しておりますので、再檢討の必要があります。
 第三に、重信川は、昭和十八、二十、及二十一年と三回にわたつて氾濫し、現在計画流量の三分の一程度で氾濫する箇所も、幾多残されております。その氾濫面積は一万町歩に及ぶのでありますから早急に、上流の砂防工事と改修工事の促進をいたすべきであります。
 第四に、四國西南地域総合開発は、総合開発特定地域として、木材の蓄積六千万石、発電水力四十万キロ、耕地四千町歩の開発を含んでおります。現在、公共事業は総合的に実施されてないうらみがありますが、この点かかる総合開発は、今後大いに推進すべきであると考えます。かかる観点から、現在総合開発の調査比が河川調査費、農業調査等よりばらばらに支出されておりますことは奇妙なことであり、この際、総合開発の予算の項目を設けてはいかがかと考えます。
 次に廣島縣について申します。第一に、呉市の砂防工事及戰災復興について申しますと、呉市は、花崗岩質の特異な地勢であり、復旧を要望する渓流は六十二に上つております。現在二百ミリ程度の雨量でも、大災害が予想される状況であり、早急なる砂防工事及び植林を行う必要があります。また本市の戰災復興区画整理事業は、停頓状態にありますが、整理地区は都心部であり、國庫補助の増額を望んでおります。
 第二に、府懸道三原、呉線は、現在自動車道路として不完全でありますので、観光をかねて、産業の面よりも、早急に改修する必要があり、なおその経済的効果より見て、國道に編入することを望んでおります。
 第三に、國道三十二号線魚見山トンネルは、約二十六メートルにわたる落盤のため、現在は交通不能となつており、交通はすベて山間部を迂回している状態でありますから、早急なる修繕が必要であります。
 第四としまして、音戸瀬戸開鑿計画は、この開鑿により、阪神方面と、呉、廣島間が四十八キロの短縮となりますので、その経済的効果より、早急なる実施が望ましいのであります。
 第五に、中小河川賀茂川は、その改良工事が三五%程度であり、危險な状態にありますので、改良工事及砂防工事の促進が必要であります。
 第六に、直轄河川、芦田川上流は、災害復旧工事が完全でなく、さらに改修工事の一部着工部分も、現在中止状態でありまして、一朝豪雨があれば、今日までの工事がむだとなるおそれがあります。特に府中町及福相村地内は最も危險な状態にさらされておるのであります。
 最後に、命令以外でありましたが、岡山縣民の熱烈なる要望がありましたので、帰途岡山縣も調査して参りました。岡山縣下の旭川、吉井川の改修工事は遅々して進捗せず、年々その被害面積が増大しておりますので、改良工事の促進が必要であります。以上が四國中國班の調査の大要でありますが、四國の地盤沈下、廣島の都市計画、及びその他の建設事業は、いずれも重要なる問題でありますと同時に、熱烈眞劍なる地方民の要望にこたえ、政府当局はもちろん本委員会におきましても、最大の努力をいたすべきであることを強調いたしまして、きわめて簡單でありますが、調査報告にかえる次第であります。
#11
○内海委員長代理 次に九州班前田委員の報告を願います。
#12
○前田(榮)委員 関門國道隧道並びに九州地法災害諸河川の復旧状況等に関する調査の目的をもちまして、六月十三日より十日にわたり、江崎真澄委員、村瀬宣親委員並びに不肖前田は、福岡、佐賀、長崎、鹿兒島、宮崎、大分の六縣を調査いたして参りました。また地元委員として、福岡、佐賀、長崎、鹿兒島、宮崎の五縣にわたり瀬戸山三男委員、佐賀縣において三池信委員が参加いたしました。詳細なる報告は議長報告に譲り、以下簡單に御報告申し上げます。
 まず関門國道隧道工事について申し上げます。本隧道工事は昭和十四年に着工いたしまして、其の間、戰爭に際会する等の悪條件にもかかわらず、すでに全工程の三分の一の進捗をみているのでありますが、終戰後の資金資材の削減により、維持補修の状態を余儀なくされ、未完成途上にある本工事の莫大なる維持費は、直接の関係地たる山口、福岡両縣にて其の三分の一を負担いたしておるのであります。しかして昨年度におきましては、維持費七千七百万円中二千万円を用いまして、切廣げを行い、さらに本年度におきまして維持費一億三千万円中約八千万円をもつて、地質良好の部分のみを選び切廣げを施工する予定でありまして、維持とはいえ相当の前進工事を行いつつあるのであります、目下海底部隧道の完成を第一目標といたしてこれが完成に努力中であり、これに対しましては、約十三億五千万円の工費を必要とされるのであります。現地におきましても、一定の完成目標を明確にして、工事の促進をはかるよう、強く要望いたしておるのであります。
 次にこれが対策につき所見の一端を申し上げます。第一に、本工事のごとく多量の湧水ある海底隧道を、維持補修の状態のままに継続するということは、技術上も困難であり、経済上から見てもすこぶる不利であることは言を要しないところでありまして、まず海底部分のみでも、五箇年あるいは、六箇年計画の程度をもつてこれを完成せしめ、とりあえず九州と本土とを連絡せしむべきと考えます。第二に、本工事の國家的公共事業性にかんがみ、見返り資金の一部を本工事に轉用するも一案ではないかと考えます。第三には、地元負担金を福岡、山口の両縣のみに依存することは、本工事の性格にかんがみ、かなり檢討する余地があると考えられるのであります。
 次に各縣の災害復旧状況並びに河川の状況について申し上げます。まず福岡縣について申し上げますと、昭和二十三年におけるパール及びアイオン台風の影響により、当縣下の實滿川、那珂川水系及び御笠川水系のみにおいても、田畑の浸水面積二千町歩に及んでおりまして、建設省査定の昨年度災害総額のみにても、九億六千万円余に達しておりますが、現在までの本縣に対する補助指令額は約一億円でありまして、全工費の一一%にすぎない状態であります。從いまして、出水前期の應急措置といたしまして、すでに補助不足額約二億四千万円を縣にて立てかえまして、六百九十三箇所を完成せしめておりましたが、いまだ約四百箇所の危險箇所が残つておる状態であります。
 次に佐賀縣について申し上げますと、本縣におきましても、昨年度災害復旧工事に約三億二千万円の立てかえ工事を施工いたしておるのでありますが、本縣は特に縣財政貧困をきわめ、町村工事に対する縣財政の援助僅少のため、町村は他府縣に比類のない財政難に遭遇いたしておるのであります。すなわちアイオン台風に伴う豪雨により、松浦川は相知町を中心に約四百町歩にわたり浸水いたしたのでありまして、土木関係の災害復旧査定額のみにても総額三千万円に述べる災害をこうむつたのでありますが、現在までの補助金はわずかに百四十一万円にすぎず、同町にて約一千万円の立てかえ工事を行つておる状態であります。これがため、本地域農業協同組合に貸出金回收不能となり、ほとんど金融能力を喪失いたしておるのであります。また有田川、伊万里川等におきましても、ほとんど全流域の橋梁は流失、堤防は欠壊し、自力をもつてこれが復旧に狂奔いたしましたるため、三千万円に達する地元立てかえ金の経済に窮し、これまた國庫補助の交付を鶴首いたしておる状態であります。
 次に長崎縣におきましては、ことにアイオン台風により、佐世保地区及び川棚町一帶は甚大なる災害を受けたのでありますが、本縣におきましても、縣單災害を加え、約二億円の経費を立てかえておる状態であります。本縣最大の災害地である川棚町一帶は、川棚川の氾濫により、浸水家屋十七百戸、田畑流失埋没五十町歩等、土木関係災害二億円に及ぶ災害をこうむつたのであります。このうち町村工事として、建設省の査定を受けた分は、約三千二百万円でありますが、現在までの出來高七百七十方円に対し、昨年度の國庫補助は僅々八十四万円にすぎない状態であります。また、成宇津川の改修工事も本地域が大藏省の所管となつておりますため、大藏省に折衝中でありますが、要領を得ず、地方民の憤激をかつておる状況であります。
 次に鹿兒島縣及び宮崎縣の河川につき、一括して申し上げます。まず両縣における河川に共通の特異性といたします点に、第一には、両縣の位置が台風の通路に当つており、たとえ本土に上陸せざる台風に際しても、常にこれらの影響を受けざるを得ない必然的な状態におかれておることであります。第二には、両縣における大部分の河川上流一帶が、水に軟弱なる火山灰地質よりなつており、上砂崩落によつて生ずる土砂の流出は想像にあまりあるのであります。第三には、両縣における河川がほとんど原始河川の状態に放置せられておりまして、わずかに年々災害土木國庫補助によりまして、局部的に復旧工事を施工するにすぎない状態であります。鹿兒島縣における災害河川、天降川、手籠川水系におきましても、アイオン台風により、建設省査定額のみにても、計六千万円に及ぶ災害をこうむつたのでありますが、本年三月までに二千二百万円の出來高を示しておるにもかかわらず、國庫補助不足のため、すでに一千万円は、縣費立てかえにて施工いたしておるのであります。また大淀川につきましては、流路延長、幹川百二十六キロ、支川七百三十四キロ中、現在までの改修延長に幹支川ともおのおのわずかに十四キロ程度にすぎず、ほとんど未改修の原始河川でありまして、年々水害により、数百町歩の耕地が浸水をこうむつている状態であります。
 次に大分川について申し上げます。本川は流路延長幹川五十五キロ、支川五十キロ中、改修延長、幹川十二キロ、支川九キロでありまして、洪水の被害は甚大なるものがありますが、ことに本川下流部左岸、すなわち大分市側面にあたる約一キロの間は、いまだに堤防天場は市街地とほぼ同高のまま放置され、さらに下流部の土砂堆積による水位の上昇の認められる現況におきまして、相当の危險が予想される状態であります。
 次に大野川におきましては、近時出水量増大の徴よりみまして、從來の計画洪水量五千立方メートル毎秒を七千五百立法メートル毎秒に変更し、松岡村地先に溢流堤を設けることにより千五百立方メートル毎秒を旧乙津川に分流せしめると同時に、右岸左岸ともにおのおの四千八百メートルにわたり、堤防補強工事を実施せんといたしており、昭和二十九年度までに工費約十八億円をもつて完成の計画でありますが、本年度の予算四千三百万円程度でに、いつ完成するかはなはだ心細い状態であります。
 次にこれらに対する所見を申し上げます。第一には各縣とも縣工事、市町村工事の立てかえ金額は担当の額に上り、本年度第一・四半期の予算配分をもつてしても、なおかつ立てかえ工事費を返済し得ざる状態であります。よつて、建設省におきましても、今後、重点的施行計画を確立し、この施工計画に從い、査定を認めた地点に対しては的確なる予算配分をいたす必要があると思います。
 第二には、南九州一帶の河川に対しましては、これら原始河川に対する改修計画を早急に樹立するとともに、各河川上流部の火山灰土質に対する、適切なる砂防工事を実施いたすべきと思います。また、大分川につきましては、本川は本年度より縣営工事に移管される点について、地元では相当の異論がありますが、要は改修工事の促進を強く要望したしておるのであり、下流部大分市側面約一キロの間の堤防に対する、約二メートルのかさ上げ工事は早急に実施する必要があると思います。さらに大野川におきましても、乙津川下流部一帶の改修工事を早急に実施する必要があると思うのであります。
 以上関門國道隧道及び災害復旧等に関するきわめて簡單なる報告でありますが、その他、建築事業として調査いたして参りましたものにつき簡單に御廣告申し上げます。
 まず北九州における鉱害につき申し上げます、北九州一帶の炭坑は人家密集の地域で採炭いたしている関係上、筑豊炭田における直方及び飯塚市並びに篠栗市、筑後炭田における大牟田、荒尾市等、土地陷没による被害は甚大でありまして、昨年九月現在における復旧費総額百二十九億円に達しております。從いまして、政府におきましても、昨年九月の閣議におきまして、プール貸金等これが対策の根本方針を立てたのでありますが、鉱害土木事業について建設省の査定を了した額は十四億五千万円であるにもかかわらず、復旧工事として認められたものは、昭和二十三年度、二十四年度ともおのおの一億五千万円程度でありまして、年々この程度の事業量をもつてしては、すでに査定済のところの復旧工事を完成するだけでも優に今後十数年を要することとなるのであります。よつて、少くとも閣議決定の対策方針たる施行期間三箇年は、たとえ三年に延びても、とりあえず査定済箇所のみにても復旧を完成せしめるべく、年間三億円程度の予算措置は考慮する必要があると思います。また熊本縣荒尾市一帶は大牟田炭田の一環でありますが、地盤の不同沈下の影響を受け高潮時における堤防欠壊及び溢水により、昨年度は、田畑宅地約百五十町歩にわたり潮害を受けたのであります。しかして、建設省査定額約三千三百万円中、昨年度約八百万円の復旧工事を完了いたし、さらに本年度八百万円の復旧工事を予定いたしておりますが、海岸堤防の未完成のため、市民は戰々きようきようといたしております。また來年度は配炭公園の廃止に伴い、プール資金の支出も困難と思われますのでこれにかわるべき財源を商工省も含め、檢討すべきと思います。
 次に有明海岸堤防に、福岡、佐賀、長崎各縣下にわたり、堤防総延長七十キロ、受益耕地面積一万町歩に及ぶものでありますが、有明沿岸一帶は、沖積層より軟弱地盤でありまして、全堤防にわたり一メートルないし二メートルに及ぶ沈下が認められるのであります。しかも本堤防の多くは築造経過年数六十ないし七十年に及ぶものでありまして、提防の弱体化は著しく、海岸堤防の性質上、前線にわたつて徹底的に補強工事を施すことが理想的ではありますが、とりあえず弱体箇所のかさ上げ及び腹付工事を早急に実施いたす必要があります。
 次に北九州及び佐世保市における上水道計画につき申し上げます。先ず門司、八幡、戸畑、若松、小倉五市について申し上げますと、これら五市における現在の一日最大級水量は約十四万トンでありますが、現在のままの状態では、昭和二十七年度末におきまして、一日不足水量は約六万トン余に達する見込みでありまして、これが水源の開発には、約六億円の工費を要するのでありますが、当地区はわが國有数の工業地帶でもあり、ことにこれら五市の合併問題も起りつつある今日、これが前提といたしましても、まず上水道施設の完備が先決問題と考えられるのであります。
 次に佐世保市におきましては、現在一日不足水量は約二万トン余に達しており、北松浦郡柚木村川谷に約六億円の工費をもつて貯水池を築造することにより、これが取水能力一万四千トンをもつて、本市の水源問題をほぼ解消せしめんといたしておるのであります。のみならず、本貯水池の築造により、相浦川の六・七万キロに及ぶ降雨量を調整いたしまして、清水上より見ても有効と思われるのでありますが、要は軍港より轉換せる佐世保市の今後の発展いかんにあると考えます。
 次に筑後川神崎郡下における排水ポンプすえつけ工事について申し上げます。筑後川流域神崎郡一帶におきましては、幹支川とも河口港面とほぼ同高でありまして、支川より幹川への流水の疎通悪く、洪水時には幹川の流水が開平江、江見江、中津江の三支川に逆流いたし、年々神崎郡一帶四千町歩にわたつて浸水いたしておるのであります。よつてこれら支川に築堤工事を施工するかわりに、幹川との合流点三箇所において計七千五百馬力の排水ポンプを設置し、悪水を幹川へ流下せしめるべくポンプすえつけ工事を実施しつつあるのでありますが、本年度工費のしては、二千万円が認められた程度でありまして、総工費三億円を要する本工事の完成も、現在のままの状況ではほど遠いものがあると思われるのであります。
 次に宮崎縣日南地方総合開発計画について申し上げます。本計画地区八百四十万キロ中、約八割が山林におおわれ、氣候的には亜熱帶性を有しまして、山林資源に惠まれ、一方位置的には南方漁場に近接いたしており、水産資源に惠まれているのであります。特に本地域は、鹿兒島縣大隅、熊毛地区総合開発と一貫せる計画のもとに実施することが、経済効果の上から見ましても有利と考えられるのでありまして、政府におきましても、さらに詳細なる調査をなすと同時に、強力に実施に移す必要があると考えられるのであります。
 以上をもちまして、派遣委員としての所見を終るのでありますが、さらにデラ台風並びに、その後の台風による九州地方の災害につき申し上げます。今回の視察中、二十一日拂曉、宮崎市において本台風に遭遇いたしたのでありますが、すでに定められた視察日数も余すところなく、宮崎、大分、大分福岡間において、車中より災害の状況を視察するのやむなき状態となつたのであります。よつて、その後建設省等における調査の結果をも加えまして、ここにデラ台風並びにその後の台風による九州地方の災害状況についても簡單に申し上げます。
 今回のデラ台風に伴う降雨は、雨量としましては、平均百ミリないし二百ミリ程度のものであつたのでありますが、第一に本台風來襲、数日前よりの九州地方、ことに南九州一帶にわたり三百ミリから五百ミリに及ぶ豪雨がおりまして、各河川の保水力は、すでに飽和点に達しておつたこと、第二に、本台風が例年になく早く、すでに梅雨期において來襲したこと、第三には、本台風通過直後再び南九州一帶に三百ミリから四百ミリに達する豪雨のあつたこと等の悪條件が重なりまして、九州地方の被害は予想外に甚大であつたのであります。また、被害の特色としましては、第一に、被害中心地域が、火山灰地、または風化礫岩、砂岩のため崩壊しやすい地質でありまして、土砂崩壊による被害の甚大であつたこと、第二には、台風警報が遅れたため、漁船、船舶及び人畜の被害が甚大であつたこと、等であります。八月十日現在の調査によりますと、デラ及びフエイ台風による土木災害復旧費としましては、鹿兒島縣、二十二億三千万円、宮崎縣二十億九千万円、福岡縣二十億三千万円を筆頭に、九州全般にわたりましては約八十億円と査定されるのでありますが、さらに現在までに判明いたしましたジユデイス台風による土木関係被害額は五十五億三千万円に達しておるのであります。しかして、政府におきましては、全國災害府縣中、災害の甚大であつた数縣に対し、とりあえず預金部資金十億円を割当配付し、さらに一般公共事業費中より十二億円を流用するに決したのではありますが、本年度の予算をもつてしても、なおかつ昨年度の災害復旧費に充当せられ、未だ多数の未完成箇所も残している現状にありまして、この程度の予算をもつてしましては、とうてい出水期を目前に控えた災害対策といたしましては、十分とは申せないのであります。よつてこの際政府におきましては、應急的には、今年度災害復旧費未支出額の取上げ流用、あるいは特別配付税の優先配分及び災害関係起債の元利補給制の復活等の措置によりまして、出水期までには、とりあえず、一應の復旧工事を完成する一方、恒久的対策としまして、一、治山治水の根本的対策を確立して、公共事業費は当分の間側、災害防止に重点を置くこと。二、災害に対する財政的負担の各年度における均衡をはかるとともに、融資に対する償還能力を持たせるため、各縣に災害基金特別会計制度を創設し、國庫よりも補助金を繰入れること、等の措置を考慮するとともに、根本的には、新財源の捻出等による正式な予算的裏づけをなす必要があると考えられるのであります。
 以上、今回の調査に関し、派遣委員を代表して、御報告申し上げた次第であります。
#13
○内海委員長代理 以上をもちまして各班よりそれぞれ報告が終わりました。これより当局の意見を伺いたいと存ずるのでありますが、時間の関係もありますのでまず建設政務次官の意見を伺い、休憩の後さらに具体的の質問に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○内海委員長代理 御異議がないと認めます。それではさようとりはからいます。鈴木政務次官。
#15
○鈴木説明員 本日大臣が出席をし特に御答弁を申し上げるはずでありましたが、閣議がございまして出席のできなかつたことをまことに残念に思います。私から簡單にお答えを申し上げたいと思います。
 まず東北地方の調査の御報告に対しまして、久野委員にお答えいたします。今回当委員会におかれまして、東北地方における建設行政一般にわたり詳細御調査くださいましたことは、当局といたしましても感謝にたえないところであります。御意見中未拂代金の至急支拂い、地方起債のわくの拡大に対しましては十分努力いたしたいと存ずる次第でありますが、東北地方に対して氣象條件を考慮いたしました公共事業費の配付をするようにとのことでありますが、これにつきましては当局も其の方針のもとに進めておりますが、來年度におきましては、一層御意見に沿うよう考慮いたしたいと存じます。また東北地方の開発と発展のため國庫補助率を引上げよとの御意見につきましては、地方財政法その他にも関係がありますので、各関係方面とも協議いたさなければならぬ問題であります。今後大いに研究いたし御意見に沿う努力いたしたいと考えます。
 それから石淵堰堤工事の促進及び田瀬堰堤の工事再開につきましては、当局としても大いに努力いたしておりますので、当委員会におかれても、最大の御支援を特にお願いいたしたい次第であります。また堰堤構築による水没地対策の問題、水底の故郷の問題はまつたく大きな問題と思うのでありますが、國情よりして大いにこうした問題が起ると存じまして、当局としても工事の推進と円満なる妥結方策につきまして、目下鋭意研究をいたしております。
 砂防と植林につきましては、御指摘の通り唇歯輔車の関係にありますので、その徹底と効果の増大のため関係方面とも一層連絡いたしたいと存じております。
 公共事業の統一につきましては、第五國会におきまして論議の中心となつた問題であります。先般九州四國方面へ災害の視察に私ども参りまして、特にその感じを深くした問題でありますが、目下行政制度審議会において檢討中であり、私といたしましても、統一はぜひ実施いたすべきものと考えております。なお当委員会各位のこの上ともの御協力を特にこの席で御願いをいたす次第であります。
 さらに行政整理が災害復旧に影響せぬようにとの御意見につきましてはまつたく御同感でありまして、当局といたしましても、とくと留意いたしておりますので、必ず御期待に沿い得ることと存じます。
 以上の御意見につきまして政府の考えの大要を申し上げましたが、なお詳細の点につきましては、各局長より説明をいたさせる考えであります。なお最後に今後これらの推進のためには各委員のこの上ともの御協力を特にお願いする次第でであります。
 それから北陸地方の調査は天野先生から御報告を受けましたが、福井の震災対策に関しましては、昨年度より特別の考慮をいたし、九頭龍川の堤防もようやく不安のない程度に復旧した次第でありますが、細部に関しましては、まだ不十分のことを承知いたしておりますが、何分にも公共事業費全体が圧縮せられておりますこととして、その後も新たな災害が御承知のように相次いで起つている状況でありますので、地方の要望を十分満足せしめ得ないことはまことに遺憾であります。各急流河川、築堤、海岸、堤防、橋梁、道路、都市計画、住宅不足、利水計画、ことに大阪の淀川の問題、地盤沈下の対策等に対しましては、御趣旨の点はよく了解している次第であります。
 今後も予算の許します範囲内において復旧の万全を期したいと考える次第であります。
 それから四國中國の高倉先生から御報告を承りましたが、四國中國地方の地盤変動につきましては、建設省といたしまして、鋭意これが対策に努力いたしておりますが、御報告にもありましたように、その特殊な事情にかんがみまして、さらにまた政治の科学化の上からも、今後とも化学的に工事を促進して参りたいと考えております。
 なお御指摘になりました廣島平和紀念都市建設法制定の趣旨いかんという問題に対しましては、この法律は單に戰災復興のための道具として使はれてはならないこと申すまでもありません。より高い平和の理想を象徴する都市の建設ということがこの法律によつて與えられた使命であります。その建設計画において、いかにこの意味を現はして行くかは、今後の調査研究にまたなければなりませんが、御意見の緑の都市その中心になる平和記念施設、文化的中心地域の設定というものも一つのよい着想と考えます。この意味で從來の燒失区域の区画整理を中心とした復興区画整理事業は、この平和都市建設の先駆となり基盤をなす事業とは思いますが、それは平和都市建設という新しい角度から改められるべきは改めたいと考えておる次第であります。詳細につきましてはなお関係局長より御報告をいたさせます。
 次に九州地方の問題でありますが、前田先生から御報告を受けましてお答えを申し上げたいと思います。関門國道トンネル工事につきましては、これは先般私ども山口大臣とともに九州方面へ参りました際に、特に重要なものとして、日程のほかでありましたけれども現場を拜見させてもらいました。その感じから申しましても、ぜひあのトンネルの貫通をしなければ、國家の不利益であるということを十分に考えているような次第であります。御報告中にも述べられましたごとく、現在のように維持補修のままの状態を継続いたしますことは、單に技術的に困難であるのみならず、これが完成後における経済効果の上から見ましても、当然早急なる完成が望まれるのでありまして、本省におきましても、まず海底部トンネルの完成を第一目標といたしまして、これが完成に努力いたしたいと思います。
 次に九州地方災害復旧工事に関しましては、いまだ多数の昨年度災害復旧工事の未完成箇所を残しておりますにもかかわらず、本年六月下旬九州方面に襲來したデラ台風に始まり、フエイ、ヘスター、イルマ、ジユデイス等、例年になき早期に台風連続襲來し、今日まで公共施設のこうむつた損害は二百八十数億円に上り、九月の本格的台風期を目前に控え、まことに容易ならざる状態であります。ことに被害最も甚大であるのは九州、四國、近畿の諸地方であり、特に鹿兒島、宮崎、福岡等の総復旧費はそれぞれ三十数億円に上る巨額であります。
 今次台風の特異性は例年になく早期であり、しかも風速きわめて早く、台風通過時には比較的雨量少く、かえつて台風通過前後の低氣圧による降雨が多量であります。しかも時間雨量多く、ために平地部の被害に比して小河川沿いの山地部の被害が甚大であつたことが目立つているような次第であります。前述のごとく本年の台風は例年に珍しく早期襲來であり、ことにデラ、フエイ台風のごときは植付期であつたために、復旧の運速が直接食糧の生産に重大影響のあるのにかんがみ、次の本格的台風の襲來期に備え緊急措置の必要を痛感し、政府はただちに十億三千万円を鹿兒島縣ほか九縣に特別融資して緊急復旧を強行せしめ、引続きこれら諸縣に対し公共事業費のわく内操作による十二億円の國庫補助金を支出して緊急措置したのであります。また八月十六日襲來しましたジユデイス台風の被害についても、佐賀縣ほか被害甚大縣に対し特別融資を考究中であります。以上は次期台風期までの緊急措置にとどまるので、今後の対策としては、さらに予算の追加補正の道を講じ、次年水害に備える方針であります。
 その他鉱害の問題、有明海岸堤防及び北九州各都市の上水道の問題、または総合開発問題は、本省におきましても御報告の趣旨のように、重点かつ総合的旅行計画を樹立いたしまして、復旧あるいはこれに努力いたす所存であります。なお細部にわたりましては関係各局長より答弁をいたさせます。
#16
○内海委員長代理 それでは午後二時まで休憩いたします。
    午後一時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
#17
○淺利委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際視察報告に関連して政府当局に御質問があると思いますが、便宜上当局より一般的の御説明を聽取して、その後にあわせて質問されるようにいたしたいと思います。なお日程は災害問題が第一でありますが、住宅局長がほかの会議の関係で帰りを急ぐそうでありますから、第六としております住宅問題に関する件について、住宅局長より説明を求めます。なお今回は前の委員会後における情勢なり、あるいは近き臨時國会、二十五年度の予算問題その他に関する構想も織り込めてひとつ御意見を述べていただきたいと思います。
#18
○伊東説明員 御視察の関係などにつきまして御質問にお答えいたします。住宅関係につきましては、前國会に五月二十日に住宅建築促進に関する決議がされまして、これに大体住宅建築の問題が織り込まれておりましたので、その結果を政府といたしましてどういうふうに進めたかをまず御説明申し上げたいと思います。
 この決議は、大体住宅の建築に関しては資金その他の障害がある、また一般に建築に関しては現行の制度があまりに嚴重であつて、それらのことが住宅建築の復興を阻害しつつあると認められるから、これらの障害を除去し、制限を緩和することが國民の切実なる要望であるというようなことで、具体的な事項といたしましては、住宅資金に対して特別の措置を講ずること、特に貸家に対しては建築の妨げとなる租税を減免することというのが一つ、それから住宅に関する十五坪の建築制限を緩和し、一定規模以下の小住宅等については許可制を撤廃することというのが一つ、それから戰災都市で区画整理の骨子が決定した都市については、特に建築制限を緩和することというのが一つ。それから消防法による建築物の防火に関する制限と市街地建築物法の制限とは重複するから、これを統一する等適当な措置を講ずること。最後に公営による耐震耐火の文化的集團住宅を建設すること。これだけの五つの項目が決議の内容となつております。
 第一の建築資金の問題でございますが、これにつきましては、政府の出資によつて長期低利の貸金を一般の住宅の建築希望者に対して融資をする。こういう案が一つと、もう一つは、重要な産業労働者の住宅について、対日援助見返り資金の中からその資金を出す、こういう二つの方策を立てまして、いろいろと進めたのでありますが、第一の一般の住宅に対する融資の問題は、一應閣議の決定までには至りませんでしたが、了承を得ましていろいろ予算的の折衝があつた結果、これは今年度の予算には載らぬことになつたわけであります。見返り資金の問題につきましては、住宅の関係は約二十億を予定いたしまして、これをおもなる公共團体に融資をして、そして公共團体がこれを建設し、建つた住宅を重要産業の会社、あるいは直接労務者に貸しつける、あるいはこれを分譲する、こういう案でいろいろと現在折衝いたしておりますが、いまだに関係方面の御意向がはつきりいたしておりませんので、なお今後ともこの実現に努力いたしたいと存じておるわけでございます。
 それから貸家の租税減免について触れておりますが、租税の減免につきましては、ただいまお手元に差上げましたシヤウプ税制改革使節團に対しての参考資料をごらんいただけばわかりますが、不動産取得税は非常に高率であります。これがために零細な資金を工面いたしまして、ささやかな家を起てようという場合に、かなり住宅建設の障害になつているという事実がございますので、特に不動産取得税の減免についてシヤウプ使節團に対して意見書を提出いたしました。同時に大藏省方面ともいろいろ折衝いたしておりますが、これは何とか今後の税制の改革に織り込んでもらえるのじやないかと、われわれとしては観測いたしておるわけであります。
 それから建築制限でありますが、これは御承知のように、七日一日に、臨時建築制限規則を改正いたしまして、三十坪以下の住宅につきましては、許可制を廃しまして届出制に改めたほか、建築資材の事情に應じて、相当の緩和をいたして、一應実際の情勢を見ているわけであります。また今後とも資材の需給、情勢とにらみ合せて考えたいと思つている次第でございます。この区画整理の換地の決定した所についての建築制限につきましては、戰災都市の都市計画の再檢討を都市局でやつておりますが、これとにらみ合せまして、建築の制限についても緩和するように務めたいと思つている次第でございます。
 次に消防法の第七條に、家をつくる場合にはみな消防関係の委員の目を通さなければならぬということが規定されているわけであります。そのために建築をする場合に、まず消防法の関係で消防廳の許可をもらう、それからまた建設省関係の役所の方へ持つて行つて許可をもらうという二重の手続が必要でありまして、相当民間でも困つている問題であります。ただ法律が議員提出によつて一應できておりますので、この執行をやらぬわけには参りませんので、ただ現行法ででき得る限り手続を簡便化いたすようにとりはからつております。つまりごくささいな住宅などにつきましては、なるべく一括承認というような形にして、一々消防の方へ持つて行かなくてもよいようにするとか、また場所柄によつては持つて行くようにする。それから建築の構造設備については、建築の法規に規定があるのだから、消防の官吏はそれにタツチしないようにという通牒を目下消防廳の方からも出しておりますし、私の方からもそういう指示をしておるのでありますが、何分消防関係は自治的にやつておるものでございますので、中央の指令が十分行届いておらん場合もありまして、いろいろと問題がわれわれの方にも現在持ち込まれておるわけであります。根本は法律そのものの問題でありますので、運用といたしましては、われわれのできるだけのことをやつているつもりであります。
 それから公営による住宅は、なるべく耐震耐火のものにするということにつきましては、資材の許す限り、今年度の予算におきましても、耐震、耐火的のものにするように計画をし、実際に今実施いたしてあります。
 なおお手元に二つの資料をお配りしてあります。一つは不動産取得税の課税状況でありまして、これは地方税でありますから地方によつて非常な違いがありますが、現在こんな状況になつております。もう一つ昭和二十四年度國庫補助賃貸住宅進捗状況調というのがあります。これは本年度予算の決定をいただました庶民住宅の建設でありますが、全國で二万五千戸でありまして、この表にありますように、ほとんど大部分のものはすでに計画を完了し、八月末に着工の予定であります。これは実は地方が直接事業をするものにつきましては、起債のわくが非常に締められましたために、金の出し場がないので、非常に苦心しておられますけれども、どんなことをしてもわずかな國庫予算に伴うだけの事業はやりとげなければならぬということで、ほとんど予算の返上ということはいたしませんで、計画したものだけは曲りなりにもやるような情勢になつております。
 なおただいま委員長から今後の施策についてわれわれの考えておることをというお話でございましたが、住宅難というのは大体借家難でございます。戰前都会では七、八割のものが借家で住居はできた、大家さんが建てたものに入りさえすればよかつた、こういう状況であつたのが、終戰後ほとんど民間の貸家というものはなくなつてしまつた。また建てることができないような資金の状況になつておりまするために、貸家に対する國庫補助は本年度で申しますと二万五千戸だけが一般の貸家補給金になつております。まつたくけた違いに少いのでありますが、何とかして自分の金だけで家を建てる力のない人に資金を融通するなり、家を貸してやるということに重点を置かざるを得ないわけであります。しかも資金は民間資金を動員するということも一應考えられるわけであります。またただいまで申しますと、預金部資金とか勧銀の資金、あるいは勧銀債でも発行してやるというよういろいろなことが考えられるわけでありますが、どの面もいろいろやつてみた結果、住宅資金というような生産資金でない消費的な資金については、なかなかむずかしいのであります。結局政府資金による以外には住宅問題の解決は困難だと思います。從つて來年度、あるいは今年度の追加予算になりますか、とにかくこれからの対策としては、やはり資金問題に重点を置く。しかもこれは政府の資金ということにならざるを得ないのであります。公共事業による公営の賃貸住宅は本年度は二万五千戸でありますが、來年度も引続き予算の許される限り量をふやしたいということが一つ、それから建てるものにつきましては、この決議にもありますように、耐震耐火と申しますか、むやみに建てて、片端から燒ける、腐つて行くというようなものを避けて、できるだけ耐震耐火のものに改めて行きたい。來年度は今年よりセメント、鉄鋼などの資材状況は若干改善されるだろうと思いますので、できるだけそういうものを多くしたいということを考えております。
 それから産業労務者に対しては、やはりこれは見返り資金がまだ決定になりませんが、その数字で行くのがいいのじやないかというように考えますので、見返り資金の方をすぐ関係方面の了解を得るように努めたいと思つております。それが二つと、もう一つが例の住宅金融でございます。前に住宅金融公社というものを、案をつくりまして、いろいろと関係方面に折衝したわけでございますが、この公社という形がいいか、あるいは住宅金融金庫というのがいいか、あるいは政府の特別会計でも設けまして貸しつけるのがいいか。その具体的の方法につきましては、なお十分われわれとしましても、研究の上いずれかの方法でぜひ住宅金融の問題につきましても、來年度の予算には少くとも具体化いたしたいと考えているわけであります。その他問題もございますけれども、資金の問題が中心になりますので、大体その程度で一應の御説明を終りたいと思います。
#19
○淺利委員長 住宅問題につきましては、別に小委員会において詳しく檢討することになつておりまするが、しかしこの際何か御質疑があれば、局長がほかの会議の関係上出られるそうですから、簡單に質問のある方は質問をお願いいたします。
#20
○池田(峯)委員 見返り資金勘定から二十億折衝中というわけでありますが、ほかに政府の方では案がないのですか。これだけが唯一の案で、これにかわるべき案なり財源を考えておりませんが。なぜそういうことを聞くかというと、見返り勘定というものからそういうものが出ることが、非常にむずかしいのじやないかというふうに考えられる幾多の資料があるわけでおります。でありますからして、当面緊急な住宅問題を解決するために、見返り勘定だけに頼るというのではなくて、われわれとしては見返り勘定なんというものは架空の数字だと思つているのですが、そういうものじやなく、もつと別途な対策を考えているか考えておらないか。これだけお聞きしたいと思います。
#21
○伊東説明員 見返り資金の問題につきましては、政府から、つまり具体的に言いますと、安本でここにまとめたのを出したわけであります。住宅については、直接われわれの方からも関係方面に説明をしているわけなのです。関係方面の御意見といたしましては、見返り資金は今の御説のように産業の復興ということ、インフレの防止というものに役立つものでなければいかぬ。こういうことなので、それじや住宅はどうかと申しますと、住宅も、重要産業の労務者の住宅ということは一種の産業設備でありますから、これはポシイビリテーはある。こういうふうに言つておられます。但し今の考え方が失業救済的な形、事業的な形で出しております。一括して公共團体に建設さして、そしてできたものを産業会社やその会社の労務者に貸す。あるいは分譲する。こういう形でやつております。そういう形は見返り資金の使い方としてはふさわしくないという有力意見があるわけであります。それについても、われわれとしましては、どうせ建つて利用される人間は今のお話の通りになるわけでありますから、こういう形でもいいじやないかと思いまして、もう少し関係方面の了解を得るように努めておりますが、今のような意見にするとすれば、産業の設備資金のうちとして住宅資金も出すということにすれば、ポシビリテーはないことはないじやないかというように考えられるわけであります。それから見返り資金についてどうか、ほかに考えはないかというお尋ねでありますが、これは考えられるのは預金部の資金とそれから勧銀でございます。ほかの一般金融機関はちよつと問題にならないと思いますが、この勧銀で勧銀債でも出して、それを使つて住宅を入手するということは考えられますが、どうもこれもなかなかいろいろなむずかしい問題がありまして、勧銀債の発行は困難だろうと思います。また預金部についてもほとんど一般の金融機関と同じような事情がありまして、住宅資金がなかなか困難であります。結局予算で政府資金でもつて出すという以外には、適当な方法が考えられないわけであります。そうして今年度予算としては一應計上しないことになつたわけでありますから、やれば明年度の予算で考えるよりしかないじやないかというふうに考えているわけであります。
#22
○淺利委員長 ちよつと伺いますが、住宅資金は臨時國会には追加予算としては出すお見込みはないのでありますか。
#23
○伊東説明員 最近の災害でございますが、住宅にすいぶんやられております。それから特に最近の災害は大都市ということでなくて、地方の町村が多いのですが、町村も調べてみますとかなり同居者がいる、あとで自分の家をやられて、自分の家を建てても同居者を收容するような家はとても建てられない。町村にもやはりバラツクでもいいのでありますが收用する所を何か建てなければならない、公共の力でやらなければならぬという問題が相当ある。最近の災害については補正予算で行きたいと思つて、事務的には準備とているわけであります。
#24
○田中(角)委員 三点だけ伺いたいのであります。第一点は臨時建築制限規則でありますが、これに資材が、現在統制の状態としては撤廃するというわけには行かないのですけれども、関係方面との関係は、もう少し材料緩和の見通しがつけば、原則的に二十二年度省令二号を撤廃するという問題に対して、お見通しはどうですか、改正案を出すという意見も委員会に出たのですが、これに対する御見解はどうですか。
#25
○伊東説明員 むろん最近急激に資材の需給状態がかわつて來ましたので、われわれとしても研究しておりますが、それから関係方面の意見もお聞きしているわけでありますが、大体これは私の考えですが、セメントなどはかなり需給のバランスがとれて参りまして、建築用セメントという点については、そう統制を必要としないわけであります。鉄鋼は原材料が輸入のものでありますから、これはおそらくなかなか統制はとれにくい。木材の問題でありますが、これもいろいろな過伐の問題もありまして、どういうようになりますか、これはわれわれの直接関係するところでございませんが、急にすぐにはずすということになるかどうか疑問だろうと思います。現在の建築統制は資材の統制が目的であります。資材を最良に消費するということで、しかも統制が技術的にやりいいという点で、建築統制は資材統制の形をかえたものでありますが、建築統制については関係方面もかなり立ち入つたあれをやつておつたのですが、最近の資材需給の状況から見て、大体関係方面では、直接には関與しないように改めて行きたいというような御意見のようであります。そうしますと、統制撤廃ということでなくても、相当緩和し、また実査員運用において相当緩和できる、こういうように考えております。また全体を撤廃してしまいますと、やはり金のあるところに結局行くということで、住宅などに苦しんでいる人が一方にある際でありますから、全部一ぺんに撤廃するということは適当でないように、私どもとしては考えております。
#26
○田中(角)委員 御提出になりました資料によりますと、八月中に大体着工になるようになつておりますが、各府縣の二十四年度の公営住宅の建設状況を見ますと、すでに四月から八月になつておりますが、大体八月の末ごろから資材購入をやり、実際は十月以降にこれがなるのではないが、これを二十三年度、二十三年度の状況を見ておりますと、大体そういうことになるのではないかと思いますが、年度内の工事がいつも非常に遅れる。予算が決定したものであつたならば、一日も早くつくるのがもちろんいいのでありますが、できないという原因には、地方が負担しなければならぬ金の捻出が非常にむずかしい、こういうのでできないというのですが、その反面、はつきり言うとちよつと語弊のある言葉になるかもわかりませんが、役所の慣例として、予算が通つてから会議を開いて、それから計画をする。大体計画に三、四箇月を要する。実際実行予算をつくつて工事入札に出すというときまで半歳を要しておる。常に三月末が年度ですが、四月、五月から九月、十月になつてしまう。大体工事の入札が十一月から十二月になる。そうして最も工事のやりにくい一月、二月の竣工というふうになつておるようです。例年の官廳の工事はほとんどそういうような傾向があるのですが、私もこの二、三箇月間委員として大阪府営の工事を見て参りましたが、二十三年度の工事が今やつとでき上つたということである。何か本性から指令を出して、そういう官営事業の隘路というようなものに対しては、できるだけ早くやつたらどうか。これは企画住宅であつて、予算さえ通つて、財源ができれば、ほとんどすぐにできるというのが事実であるが、それが非常に遅れておる。現在東京都あたりでも、この表で見ますと、八月末に半分完成し、八月の始めに全部着工するようになつておりますが、事実を調査いたしますと、ほとんど全部が八月末から着工するというのであつて、ほんとうにできるのは來年の今ごろになつてしまう。年度がつねにまたがつておる、こういうふうに考えられるのですが、もとのように三月三十一日で必ず年度内における工事の支拂いは小切手を切つてしまわなければならぬという場合には、工事が非常に早くできましたが、終戰後からこういう支出がだらだらになつたために、二十四年度、二十五年度にまたがり、二十六年度になつてもいいかげんに工事をやつておるということに対して、どういう処置をおとりになるかということと、また資金の改修という間で、すでに使用者も熱望しておるのですが、前の住宅営團でつくつたものを都府縣で買い上げておる。これを今住んでおる人たちに、でき上り價格で売却したらどうか、そうしてその資金をまた新しく轉回するようにしたら、二分の一以上は回收できるのではないかということを、私たちは考えておりますが、こういうものに対して、どういうような御方針を持つておるかということを、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
#27
○伊東説明員 工事が遅れますのは、昨年度も今年度もその通りで、大分遅れました。この原因は、住宅については用地の問題と、それから予算すなわち資金、こういう二つの問題でございます。用地の問題につきましては、昨年度は用地で大分遅れましたが、ことしは少し手まわしよくやりましたので、用地の関係で遅れたところはないようです。ただ資金問題のために、これは三月末に決定しておるべき國の予算が、これが遅れております。地方も大分遅れますし、また起債の問題などもずつと遅れまして、これで昨年度も本年度も非常に遅れたわけでございます。それから公共事業になつております関係で、四半期ごとに認証を得ておる。われわれとしましては、冬の工事は非常に不経済でありますから、できるだけ一、二四半期に大部分の資金をもらいたい、こういうことで要請しておりますが、これは住宅に限らず、ほかの事業も大体そういうことが多いのでありますから、住宅だけたくさん出すわけには行かない。大体四分の一程度のものでなければもらえない、こういうことで、地方でもつなぎ資金でもできまして、銀行からでも借りて、立てかえてどんどんやつてしまうということができれば、早く行くわけであります。またそういうことはお勧めしておりますけれども、公共團体の力によつて必ずしもそうばかりも行かないところもありまして、主として金の問題から非常に遅れがちになつております。設計をしたり、事務的に遅れるということは、多少あるかもしれませんが、あれば改善したいと思いますが、これが根本的な理由にはなつていないように私どもは考えておるのであります。
 それから資金を回轉して、前のやつを売り拂つて、それをまた新しい資金にする、こういうことでございますがこれは売り拂うということになりますと、公共事業として公営のものであるがゆえに國庫補助なり公金が使えるわけでありますが、これを建てたあとからどんどん売つてしまうということになりますと、大分公共事業という性格が薄くなりまして、そういうものにはたして國庫補助金が出せるかどうか、もしそういう建前にしますと、また國庫補助というものも考え直さなければならぬという問題になるわけです。これは建ててすぐに売り拂うということはちよつと困難であつて、かなり古くなつていて、ある程度、二年も三年も貸家として目的は達したという場合に、これを今入つておる人を優先しまして、買える人には売つてやろう、こういうことはよいことではないかと思います。現に昭和二十年に建てましたものは、買手に希望があればみな売つております。しかし二十年ごろの建築は非常に安いものですから、その資金はわずかなものです。帰つて來たもので家が何軒もできないというような状況で、これを回轉してどんどん家をふやして行くという目的は達していないのですが、ただ入つている入が家賃より少し多いものを出して自分の家になる、こういう方法をとつております。また二十一年度のものも一部そういうふうにやろうかと思つて今計画しておるわけであります。
#28
○淺利委員長 先刻申しましたように、住宅問題は別に小委員会で檢討することになりますから、住宅に関する質問はこの程度にとどめたいと思います。なお局長はほかの会議があるそうでありますから、実は今回の委員会は、予算編成前においてあらかじめ当局の説明を聞き、それによつて大臣にも質問して、当委員会の意見を決定したい。それでよほど早くからこのことは関係各省に通告をいたしております。從つて官廳の事務のご多忙のことはお察しいたしますけれども、なるべく当委員会の開会中においては、万障繰合せておいで願えるように、当局の方に要望いたしておきます。
 それでは次に災害対策の問題について会議を進めます。さきに当委員会においてデラ台風の災害対策について会議を開いたのでありますが、その後フエイ、ヘスター等の災害があり、また今回のジユデイス台風等数回の台風に見舞われております。九州におきましては各地方とも甚大なる被害をこうむつておるのでありまして、関係地方の陳情も本委員会に相当参つております。当委員会といたしましては、これら災害の復旧対策に関しましてこれまた重大なる関心を有していることはもちろんでありますが、これからその復旧対策を檢討いたして参りたいと思うのであります。なお午前中視察班の報告にもありました通り、過年度災害も未だ復旧不十分でありますから、ややもすれば新たなる災害がありますると、古い災害が閑却されるおそれもあるのであります。これらの問題もあわせて檢討して、來るべき臨時議会において、また二十五年度の予算において、災害復旧に関する予算措置を講ずることの問題につきまして、政府当局の構想を伺い、これによつて当委員会の意見を決定したいと思います。これより政府当局から大体現在までの災害の状況並びに今後の構想等について説明を願いたいと思います。
#29
○目黒説明員 午前中政務次官から災害の概略を申し上げたと思うのでありまするが、さらにこれを表にして差上げておるのをごらんいただきたいと思います。その表はわけまして、二十四年度災害復旧費調、デラ台風以前が三十二億、デラ台風による被害が百三十七億、フエイ台風が十一億、ヘスター台風が四十二億九千万、今度のジユデイスが五十七億、――ジユデイスはまだ中間報告でありまするから、さらにこれより増加すると思いますが、これを集計いたしますると二百八十三億という数字に相成つたのであります。この台風に対しましていかなる手を打つたかと申し上げますると、デラに対しては、第一次融資として十億三千万円、それが各縣、ことに宮崎、鹿兒島を最高にいたしましてその関係府縣に割当てたのですが、それはその表の通りであります。二枚目の所にのつけてありまするが、次にヘスター台風に対して六億の融資をしたのであります。これは京都、三重がその被害の最も甚大なところでありますが、これに対して六億を割振りましたのがその表であります。これらが今の十六億三千万円になりまするが、ヘスター六億に対しまして、ヘスター、デラ台風以前あるいはヘスターとデラの間に起りました災害という小さな災害がありまするが、これらに対しても何か手を打たなくてはならぬということで、さらに二億の追加をいたしておるのでございます。これは目下審議中でありまして、この割振りは、これら関係府縣外の多少災害の起きた縣に割振る、こういうことに相なつております。そこでこれらの予算措置はすべて短期融資の措置でありまするが、これの見返りとしまして國庫補助の公共事業費から繰上げ認証したのが十二億であります。そのうちわれわれの所にありまするのは、府縣に災害費として配当しましたのは七億八千万円、それの各府懸別にその表に載つておる通りであります。普通ならば公共事業費のわくの予備金がありまして、これを充当するのがほんとうでありまするが、本年は不幸にしてこの予備金がなかつたということで、國庫補助をただちに出すことが不可能でありましたので、以上の措置を講じたのでありまするが、これは要するに、これらの災害は早期に六月七月に起つた災害でありまして、九月までにそのまま放置することができない、應急的な措置を講じなければ、さらに九月の台風による災害を予想できるということで手を打つたのであります。しかも各府縣とも財政的に非常に困窮しておりまするので、何か融資の道を講じなければ、とうてい施行が困難であるという状態にありましたので、緊急措置としてかかる手段を講じたのであります。さらにジユデイス台風に対しては五十七億以上の災害がありまするので、これに対して何らかの手を打たなければならぬということがよりより協議され、ある程度の融資が決定されるのではないかとわれわれは考えておりまするが、何といたしましてもこれはすベて緊急措置であります。府縣の短期融資に対して、さらに國庫補助の裏づけがなければ、この短期融資の措置も講じないというのが現状でありまするので、來るべき臨時議会に対して、補正予算をして追加をしていただきたいというのがわれわれの念願であります。目下事務的にはある程度の予算要求はいたしておりまするが、まだほんとうの方針が決定されたとは聞いておりませんので、われわれとしては、これを決定するためには今後相当な時間を要するという見通しを持つておるのであります。簡單でありまするが以上で今までの経過を終ります。
#30
○淺利委員長 ただいまの局長の説明もありますし、先に各班の視察の結果に基いての報告に対して、政府当局の意見もありまして、これらに関して一括して御質問があれば御質問願いたいと思います。前田委員。
#31
○前田(榮)委員 私の質問は災害復旧費の問題ですが、特にこの資金の関係、むしろこれは大藏省関係が適当だと思うわけですが、河川局長に聞いておきたいのは、九州地方の問題の中の、補助金の金の未拂いの点が非常にある、そうしてそれがために縣並びに町村において、立てかえ金のために非常に町村にある資金、協同組合等町村金融機関にあるものを、全部かつさらわれて使われておるというようなことから、ほとんど他の方面は手も足も動かされぬという状態になつておるわけです。今富山縣の知事からも、非常に深刻な御陳情があつたわけですが、こういうことのために、今度の災害に対しましても、災害で金をもらつて何とか應急処置をしなければならぬというても、前のことが手も足も出なくなつているために、多少こういうことに影響がおるのではないかと思う。富山縣知事も申された通りに、いよいよ金が出なければ、緊急必要なものを中止してまでやらなければならぬようなことにまでなるおそれがあるという、しごく深刻なごもつともな御意見があつたのでありますが、関係当局は、こういうことの処置はどうされる御方針かお聞かせ願いたいと思います。
#32
○目黒説明員 過年度災害は、本年度予算を全部支出したとしても、大体四百十億の昨年の災害に対して、三〇%前後の支出のみであります。ところが本年度のデラ台風を考えまして緊急措置を講じたのでありますが、この緊急措置総額が今の二十二億となつておりますので、これらを比較いたしますと、今年の災害の措置の状態は、昨年の災害の措置の状態よりも非常に優遇されたというふうに、われわれは計数上では考えておるのであります。しかしながら現実に災害の起つております府縣に対しましては、少いながらも昨年度よりも緊急な適当なる措置をとつたのでありまして、昨年災害に対しては、非常にお氣の毒だというふうにわれわれは考えております。從つて、もし補正予算がここに提出されて、取上げていただくとするならば、その費用は昨年の災害と本年の災害、あるいは一昨年災害を引くるめた、公正なる予算割当でなければならぬというふうにわれわれは考えておるのであります。從つて本年度補正予算の場合は、本年度の災害のみの補正予算に限るという形においては、相当問題が起るのではないか。われわれ事務当局としては、もちろん昨年度災害の分をも要求いたしますが、これが政治的な観点から本年度発生災害予算のみという形になりますれば、これは相当問題が複雑化するのではないかというふうに考えておる次第であります。事務的要求といたしましては、もちろん昨年、一昨年の災害を優先的に片ずけなければならぬというふうに考えておるのであります。
#33
○前田(榮)委員 それで臨時議会へ補正予算がどういう形で出て來るかということが、大切な問題になつて來ると思うのですが、これはもちろん閣議で決定されることであり、そこに大きい政治力が必要なことは申すまでもないのでありますが、今閣議へ出る前に、関係当局として、その方面へどういう手を打つておられるか、どのくらい要求する考えか、また要求しようとして何らかの打合せ、相談でもされつつあるのか、どういう状態か、ここでざつくばらんにわれわれ委員に聞かせてもらいたい。
#34
○淺利委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#35
○淺利委員長 速記を初めて。
#36
○前田(榮)委員 結局は今度の災害に対する融資、また公共事業費の繰上げ使用ということで、一應緊急処置をデラ台風等においては行われたわけでありますが、しかしながらその結果として、公共事業費の五百億の使用について、当初予算の当時の状況から考えた公共事業計画には、一つのそこに欠落が出たと申しますか、公共事業費が災害のために縮小されたと言つてさしつかえない状態でございます。從つて問題はそれを補うためにも、またこの緊急処置された金額の不足、並びに昨年、一昨年等の災害費の不足等から考えまして、当然補正予算を組まなければならぬ必然的な結果になつておるのでありまして、われわれ委員といたしましても、強くこの補正予算を組むように、現実に即した要求をすべきものではないかと思うのであります。從つてここで委員長にお願い申し上げておきたいのは、この委員会の強氣意見をもつて、補正予算を組むように内閣へ要求するよう、ひとつ委員会の意見をまとめてもらいたいという御希望を申し上げます。
#37
○淺利委員長 ただいまの前田委員の御意見はもつともでありまして、前回にも、当委員会において決議をもつて政府に要望いたしたいのであります。今回も本日各当局より事情を聽取し、明日大臣の説明を聞いて、しかして後に委員会の態度を決定するにおいては、また再びお諮りいたしたいと思います。ほかに御質問ございませんか。
#38
○三池委員 ただいま局長のお話の中にもジユデイス台風の問題が出て参つたようでありますが、この台風時にたまたま私はジユデイス台風の被害が最も深刻であつたという佐賀にいまして、親しくその被害状況を見て参りましたので、その報告をして、それに対する対策につき当局の意向を伺いたいと思います。
 このジユデイス台風は実に特異な台風でありまして、台風そのものは十六日の午前中には大体終息の状況になりました。ところがそれに引続いた不連続線が非常な豪雨を伴いまして、十六日の明け方から降り出しました雨がまる二晝夜、十八日の午前中まで降り続いたのであります。その降雨量は、佐賀縣下の平均の年間総雨量が大体千五、六百ミリでありますが、今度の平地で測定しました降雨量が約五百余というのでありますから、一年間の降雨量の三分の一を約二日間に振り盡したのであります。從つて河川の氾濫、堤防の決壊というようなものは随所に起りまして、被害が実に甚大であつたのであります。しかもその被害地が、現在まで判明しておりますところでは、佐賀縣の中央部の三郡であります。神町、佐賀、小城郡でありまして、台風の通路に当つたと思われる藤津郡の災害は、連絡、交通、通信が杜絶いたしましたために、私が佐賀を出発します二十日までには状況が不明でありました。從つて水害概況としてパンフレツトを差上げてあると思いますが、それは藤津郡の災害はほとんど含まつていないのではないかと思うのであります。こういう実に百年來と言われるような台風が参りまして、神崎郡におきましては仁比山村、西郷村が城原川の両翼の決壊のために田地田畑すべてが冠水いたしました。先ほど前田委員から報告がありましたように、筑後川の沿岸におきましては、筑後川改修に伴いまして、すでに豪雨があれば浸水するというのが普通の状態でありました。それに上流から河川の水が一度にやつて來たものですから、平坦部という平坦部はほとんど冠水をしております。佐賀郡におきましては多布施川、それから佐賀縣における最も大きな川である嘉瀬川が両側にまた堤防決壊をしまして、小城郡におきましても、その嘉瀬川の決壊が小城郡下の祇園川、牛津川を決壊しまして、それが下流に向つてとうとうとして流れて、御承知のように有明沿岸においては、海面の水面よりはわずかに低いのでありますから、しかもときが悪くて、干満の差が最も少い時期にぶつつかつたために、上流から來ます濁水は佐賀平野一面をおおい、特に有明沿岸の藏刈村においては、家を没するような状態であります。私たちが出発します二十日までには、なお六尺以上を浸水しておつたのであります。こういうような状況でありまして、死亡者が約六十七人、行方不明十二名、住宅及び非住宅の建物は、流失あるいは倒壊、その他損害を受けましたものが六百四十、冠水面積が三万五千町歩大体佐賀縣は耕作面積が五万余町歩でありますふら、それの約七割が冠水されたのであります。三日間冠水していたものは約その半分、一週間冠水したものは数千町に及ぶ状態であります。一週間冠水いたしますと、ちようど今出穂がめぐむところでありますから、もうその耕作物は回復不能でありまして、農作物の收獲皆無になる村が数箇付にわたる実情であります。実に農民の窮乏察するにあまりあるものがあるのであります。道路決壊約六百三十、橋梁流失失約九十五、こういうような災害でありまして、災害当時におきましては、その住民は給食給水の道をたたれて、約二日間にわたつて絶食の状態であつたのであります。進駐軍の好意によりまして、進駐軍が飛行機から救命ボートを投げおろす、あるいは給水自動車を走らせるなどの手厚い應援を受けて、やつと露命をつないでいるような状態でありました。二日ののちの給食給水の道は、発動機船を動員してやつておるような状態であつたのであります。縣下全体からいいますと、山間部の方はいわゆる山津浪によりまして、家屋の崩壊があり、家屋の流失、埋没、從つて人命の死傷があり、平坦部は冠水による被害というような状況でありまして、その被害は約五十四億と言つているのであります。しかしながら佐賀縣は前田委員の報告にもありましたように、経済的に非常に貧弱な縣でありますが、今度の風水害が縣民に與えました打撃は、実に深刻なものがあるのであります。前年度のアイオン台風の場合に査定金額が約八億ありました。そのうちの約一億を補助されているのでありますが、工事量は工事を済みましたものが約四億、その差の三億は農業協同組合の預金なり、あるいは業者の立てかえによつたものであります。それが今度また新たにこういう大きな災害を受けて、縣民は立上る勇氣を失うのではないかというくらいに心配されているのであります。收穫有無のいわゆる農民は、何らほかに業もないのであります。保有米すらも持ち得ない。今後の生活に対して非常な危懼不安を持つているような状態であるのであります。大体の報告はそれくらいにとどめまして、こういうふうに災害が年々重なつて参りまして、これに対して、それの復旧費が先ほど局長のお話では、昨年度は約三分の一を全國的には配分したというような話でありますか、残り三分の二がまだ復旧されないうちに新しい災害が起る。それからまた、一年ではこの費用も佐賀縣にもらえないという状態が年々続きますと、その累積の結果はどういうふうになつて行くかということが、非常に心配されるのであります。終戰後の災害の急激な増加ということは、國破れて山河ありではなくて、國破れて山河なしという状態を來すのではないかと思うのでありますが、これに対しては予算がないとか、何とか貰うのではなくて、もう少し抜本的な、根本的な対策を立てなければ、この憂うべき状態は決して除かれないのではないかと思うのであります。それにつきまして建設当局自体としましては、それは予算の配分その他で変更はできないと言うでありましようが、建設当局自体においても、この建設行政の面において、災害の復旧に重点を置くかどうかということは、一つの取上げられ得る問題ではないかと思うのであります。改良か、新設か、あるいは災害復旧かの問題に対して、当局の御意見を伺いたいと思います。
#39
○目黒説明員 災害復旧費と根本対策との比重の問題でありますが、実際は災害復旧費というのは一時的な膏薬張りでありまして、これはやむを得ずやつておる仕事であります。病氣になつた者を直すという、それだけの仕事でありますが、それに対する予防措置というのが、われわれの根本義でありまして、できるだけ災害復旧費というものを減額いたしまして、それよりもこれらの予防に対する根本的な治山治氷策を講じなければ、結局はそのために多額の災害費を要し、ひいては國の財政に破綻を來すというふうに、われわれ考えておるのでありまして、やはりどこまでも根本の治山治水策がわれわれの目的であると考えておるのでありますが、不幸にして予算面の割合いを見ますと、約三分の一が根本策でありまして、三分の二が災害の應急復旧費という形になつておるのであります。これはいずれ遠からず逆の形になつて來ることをわれわれは望んでおるのであります。全然災害が発生しないということは予言できませんが、この災害復旧費を漸次減額いたしまして、その費用をもつて根本策を立てる、その費用を根本策の法に持つて行くというのが、われわれの理想と考えておるのであります。
#40
○淺利委員長 なおこの災害の問題は、河川局だけが趣旨のように予算面では見えますが、災害によつて道路、橋梁その他いろいろの復旧の仕事があると思いますが、道路局長が見えておりますから、その方面の復旧について御説明があれば承りたいと思います。
#41
○菊池説明員 從來内務省時代から災害復旧費として計上いたします費用は、道路も、河川も、港湾も河川関係の費用として扱われて参りました関係と、今日では建設省に参りましても、道路関係の災害復旧費も、河川の中に一本になつて予算に計上されております。災害のそのときの状況によりまして、またその縣の地形とか、台風の行き方によりましては、縣によつては道路の災害の方が金額において多いこともまああります。大体ならしまして、ただいま河川局長からお話があつたような金額のうちの四分の一、多いときは三分の一くらいまで道路の災害復旧工事は含んでおります。それで扱い方としましては、そういうふうにきまりましたものを、やはり道路につきましては、われわれの方で道路関係を指導いたしまして、工事の万全を期しております。設計的なことにつきましては、ただいまのところ河川局におまかせしてあります。ただ大臣が直轄してやつております工事につきましては、これはわれわれの方でやつております。これはごくわずかな、数千万円程度のものでありまして、対局的には影響ないかと思います。その方は着々やつております。そういうわけで、道路の災害の今後の方針等につきましては、ただいま河川局長から申し上げたような方針によつてやることにいたしております。
#42
○村瀬委員 災害復旧の問題は、いろいろやり繰りをいたしてみましても、結局予算をふやさなければ、どこかへむりが行くのでありまして、デラ台風に始まる本年すでに三、四の台風被害に対しまして、あるいは短期融資の方法とか、すでに決定済みの公共事業費の繰上げ使用というようなことでは、とうてい最後の解決点に達し得ないのは、わかりきつておるのであります。そこで現内閣ではます臨時國会を開きましても、第一に公約の税金を下げるというようなことに重点を置かれるのは当然でありましようから、この際予算をふやせという本委員会の今のこの問題は、これは容易なことでは実現が困難であるということが予想せられるのであります。そこで先ほど目黒河川局長のお話にありましたが、理想としては二十二年度災害の残り金額と、二十三年度災害の約三割と、それから本年度の三割をもらえれば、理想であるということでありましたが、その金額はおおよそ幾らになるのでありましようか。これをまず伺いたいのであります。むろんこれは道路等も含めまして、一應二十二年度から残りのものをずつと集計したら、何ぼあればよいか。どうせその通りはもらえぬでありましようが、まずその基本の金額を承りたいのであります。それから当局として、それは理想であるが、二百億とか三百億ということになるかもしれませんが、現状におきましては、四國の事情を勘案して、最小限これだけは絶対必要である。それでなければ將來に対して責任が持ちかねるという、そのぎりぎりの点の予算額も聞かせていただきたい。それによつてわれわれは先ほど前田委員の御提議になりました、來るべき臨時國会への本委員会としての強硬な意見を出して、最後の案の参考にいたしたいと思うのであります。
 第二点でお尋ねいたしたいのは、さきに東北班の御報告にもありましたが、各地方へ出て参りまして、われわれは九州班へ出て行つて聞いたのでありまするが、起債の範囲を拡張してもらわねば、少い五百億円の公共事業費さえ、場合によつては返上せねばならないかもしれないということをわれわれも聞かされておつたのであります。先ほどの東北班の御報告でも、この点が強行に延べられておりました。一体御当局に現在のような地方團体に対する起債の方針を進められて、現在きまつておる五百億だけでもやれないようになるのではないかという御心配をお持ちになつたことはないかどうか。絶対そういうことはないとお考えであるか。あるいは地方各縣へ参りまして、そういう声の強いのを聞きますると、現在のような方法では、この非常に少い五百億の公共事業費さえ、起債ができないために返上しなければならないというような事態にたち至りつつあるのではないか。これはやはり地方自治廳の財政部長がもしお見えになつておりましたら、その方と建設省と両方から伺いたいと思うのであります。
 それからお尋ねが非常に散漫になつて参るのでおりますが、明日は各大臣がおいでくださるそうでありますから、その際系統立てて要旨をお尋ねするとして、本日は少し散漫になることをお許しをいただきます。先ほど四國班の報告の中にありましたが、これは目黒局長でなしに、菊池局長にお尋ねすることだと思いますが、予土連絡道路の問題が、四國班からの報告に強力に述べられておつたのであります。これは昨年の十一月二十七日のメモランダムで、大体現在の維持補修に重点を置くという御方針がきまつていることは、われわれもよく承知をしているのでありますが、さればといつて、日本の開発のためには、生産道路その他ある程度の新道路の計画もまた必要なんではないかと思いますが、その御方針がありますれば、これも補正予算等にもいろいろ影響があると思われますので、お伺いいたしたいと思います。
 それからもう一つ、また四國班の御報告にありましたから、これは目黒局長にお尋ねいたしますが、問題は非常に小さいようでありますけれども、南海大震災による地盤沈下という問題に、たびたび申し上げます通り、一般の災害は、災害のときは非常に人命財産に危險を及ぼしますし、またそのあとでも早く復旧するにこしたことはないのでありますが、一朝家が流れ、田が流れても、その災害が終れば翌日からは家が流れたり、田が流れたりする心配はなくなるのであります。一應台風一過という形であります。ところが、南海自身による地盤沈下はそうではなくて、実は毎月大潮とともに災害が押しかけているのであります。あの地盤沈下があつてから、今日もなお災害が続いているのであります。今ごろ大潮でありますので、地方民は俵を積んで、もうあと五寸だ、三寸だと、ほとんど夜も寝ないで心配をしているのでありますが、この現在なおさし迫りつつある南海大震災による地盤沈下対策といたしましては、当局は現状のままでもうよいとお考えになつておりますか。これは他の災害と違つて、今食いとめねばならないという緊要性を、お認めになつているかどうかを伺いたいのであります。それにはどうするかという点もつけ加えてお答え願えれば仕合せであります。
 なお四國班の報告にありましたA・B・Cの順位というようなものは、実際上にお取消しくださつたことと思うのでありますが、なおこういうことにこだわつて工事が進められつつあるのかどうかということ、それから三十万円以下については、査定のわくに入れなかつた、これは入れるべきであるという四國中國班の御意見でありましたが、三十万円以下でも、非常に地方の市町村等で窮迫をしておりまして、それがために他へ影響する箇所も多いと思うのでありますが、これらに対する本省の御方針を重ねて承りたいと思います。
#43
○目黒説明員 本年度、今後事務的にわれわれは補正予算のある場合にほしいと申し上げたのは、先ほど申し上げました通りに、二十に年度全額と二十三年度の残りの三割程度、さらに本年度発生した、あるいは発生します災害は三割程度、こういうものは計数的に整理いたしますと、大体百七十億前後に相なるのであります。おそらくこれは一應の予算要求としては事務的にはこれが提出できますが、これがどういう形になつて参るかは見通しがつかないのであります。しかしながらわれわれはどの程度ならば責任をもつて引受けるかと申されますと、結局この程度でなければ引受けられないと申すより手はないのであります。しかしながら財政の都合で、これがある程度の圧縮を受けることは、われわれは覚悟しなければならぬと考えております。ただ百七十億の数のうちには、本年度よりも過年度の災害の費用の方が相当多いというとが事事でありますので、この過年度災害の取扱いいかんによつては、この数字はいろいろ変化を來して來ると思うのであります。いわゆる過年度の災害の取扱いの考え方いかんということにこの予算の内容がなつておるのであります。すなわちこの内容を申しますと、百七十三億の計数を出しておるうちの、五十数億だけが本年度の災害でありまして、他は大部分過年度の災害というのがその内容でありますので、百二十億ばかりの過年度災害を追加要求を出したいという氣持は持つておりますが、これをいかに取扱うか、政治的にこれの重点をどこへ持つで行つていただくかということは、ひとえに委員会、あるいはその他のお考え方だとわれわれは考えておるのであります。これがあるいは過年度災害というものにそれほど考えられないということになりますと、この予算は非常に縮小される結果となるとわれわれは心配しておるのであります。しかしながら実情を考えてみますと、各府縣地元の労力の立てかえ、あるいは請負人が工事の進捗を予算なしに施工しておる、こういうような金を考え合せてみますると、相当仕事は進捗しておりますので、仕事上は支障がありませんが、こういう支拂い未済の金がすでに六、七十億あるということは事実であります。でありますから、われわれは形においては各府縣に六、七十億の現在借金をしておるといつてもしかたがないのであります。でありますから、この借金を早く埋めなければならぬというのが、われわれの責務であると同時に、皆さんが地方に行つてお聞きになつた声も、確にそのところにあるのではないかとわれわれは考えております。
 次は起債の問題でありまするが、これはわれわれの方の立場から申しますると、起債のわくが二百三十三億に限定された結果、公共事業費が施行不能になつているということは感ぜられまするが、さて現実に各府縣が予算が少いからといつて返上して來た縣があるかどうかと言いますと、まだ一縣も予算返上の縣はないのであります。そこでわれわれ非常に判断に苦しんでおりまするのは、起債のわくが少いから仕事ができないのだという現実を、どこかの縣で現わしてもらうことがなければ、起債のわくの増額に対する要求の強い資料にはならないのではないかという懸念を持つているのであります。どこかにこういう事実が生じて参りますると、これをきつかけに、こういう事実であるからこの程度では起債のわくが少いのだということは言い切れると思いますが、この点まだわれわれの方にその事実が現われて参りませんことは、どうもいい材料にならぬので非常に困つている。事実われわれはこの二百三十三億の起債のわくでは少いことは感じておりまするが、地方の財源がないということは確かであります。しかし將來われわれがもし補正予算を要求し、これが認められる場合、いわゆる災害復旧の補正予算が認められる場合には、これに対する起債のわくも当然増加するものという考え方のもとに要求をしているのであります。はつきりした出所はわかりませんが、五十億くらいの追加予算、從つて四十五億の起債のわくの増加というようなことも耳にしたことがありまするが、そういうわけで、補正予算のときには、そのうらはらになる起債のわくが当然増加されるものというつもりでおります。
 次に四國地盤沈下に対しましても、やはり他の災害と同様に、これは緊急捨て置きがたいものとして取扱つて参つているのであります。現在までの形は、御承知の通りに二十五億七千万円ばかり補助増額でありまするが、今まで出したのは八億二千五百万円、これではまだまだ残額が多いので、もし機会があれば、これも十分補正予算のわく内に入れて考えるべきだというふうに考えております。緊急捨て置きがたいものがさらに五億程度あるのであります。この五億だけでも、早急に何らかの予算措置を講じて施行しなければいかぬ、他の災害同様の取扱いをしなければいかぬと考えております。
 災害査定の場合のA・B・Cの順あるいは三十万円以下の問題でありまするが、この問題は結局、今まで災害は府縣知事に大体一任をしておりまして、府縣知事がその施工の行き方を自分でやつていただく本省としてはその施工に関しては容喙をしないというのが原則でありまするが、昨年、本年度は予算が被害総額の三割というような削減を受けました関係上、これの配分に相当困難を感じたのであります。從つてできるだけ緊急捨ておきがたい仕事の方から、府縣で仕事をしてもらいたいというつもりで、一應A・B・Cの順序をつくつたのであります。もちろんこのA・B・Cの順をつくりましても、府縣ではこの順位以外に地方の実情に應じてある程度仕事をしなければならぬということでありまして、先ほどお話しました通りに六十億も、このA・B・Cの順とはあるいは無関係のところもあると思うのでありますが、ある程度仕事をやつておる。從つてこれらは一應こちらからサゼストしたという程度でありまして、またこれによつて本年度の災害復旧への予算配当の資料ともしたという程度でありまして、これを府縣知事に強要するものではないのでありまするが、何といたしましても、要は災害復旧費が災害費総額に対して非常に僅少であるという事実からして、余儀ない一應の措置であつたということであります。もしこれが十分でありますならば、もちろんこんな手だてに必要ないのであります。
 次に災害復旧費の三十万円という最低線を押えた理由は、一應、應急復旧費として今のデラ台風に対しまして緊急に融資その他の方法を講じたのでありまするが、この場合になるべく重要な緊急な所をやつてもらいたいのが念願でありまして、それに対する配当額に対する基準として一應これをとつたのであります。もちろんこれに將來の災害総額に対する査定基準ではないのでありまして、一時的、應急的な手段としてこれをとつたのであります。いずれこれは十分檢討の上、災害基準をつくらなければならぬ。いずれ本査定を九月なり十月なりにまとめることになつておりまするから、そのときに基準をつくりまして、さらに査定をやることになつておりますので、全体のわくはまだ査定をしておりません。でありますから、この三十万円というのはいわゆる應急として配当されました一億とか二億とかいう非常に少い金の範囲の査定であります。
#44
○菊池説明員 予土連絡道路のことでありますが、昨年の維持補修に関するメモランダムが來ました後もいろいろの生産関係のために、緊急を要する道路につきましては、もちろん改良工事もやらないわけではないので、至るところでそういうものを取上げてやつておるのでありまするが、御承知のような次第で、相当新しい工事の方が圧縮されておるという関係で、十分にわれわれも満足の行くような改良はできてないと存じております。この予土連絡道路につきましても、今年度ははなはだわずかでおりまするが、八百メートルばかりを二百八十万円ばかりでもつて現在工事を執行中と思います。これに今年度補正予算ということはただいまのところ考えておりません。二十五年度に対しましては、まだどの箇所幾らというところまで案はできておりませんが、非常に大きなわくの中には、高知縣及び愛媛縣内にただいまのところはそれぞれ二キロくらいを執行しようというような心積りで、予算の計数の整理をいたしております。続けてやはり工事はやるものと思つております。関係筋でもそういうものはもちろん認めると思います。ただまだ残りが十数キロありますので、ただいまのような程度ではこれは容易なことではありません。しかしながらあの補修に関するメモランダムの趣旨から見ましても、だんだんと維持補修が進んで参りますれば、改修、改良工事の方にパーセンテージを上げて行きまして、新しくやるような工事を増して行くという方針でありますから、だんだんと今後はああいうものが増加して行くものと存じております。
#45
○村瀬委員 詳細懇切な御答弁をいただいて、非常に満足に思うものでありますが、河川局の國全体としての御方針を、もう一つ聞いておきたいと思うのであります。ただいまABCというものは單なるサゼストにすぎぬのであつて、強要したものではないというお話であつて、その通りとも思いますが、これは愛媛縣だけではなしに、國全体としての御方針を伺うのでありますが、これからのそういう査定の場合に、実際は府縣へまかされるかもしれませんが、大体査定に來られてここときめられた場合は、それがサゼストではなしに、強要でもないかもしらぬが、実際はそれがその予算のもとになるわけでありますから、それがそのまま行われることになると思うのでありますが、それは金額をきめるので、場所をきめるのでないという御方針と解釈していいのでありましようか。やはりわざわざ見に來てくださるのでありますから、甲の場所よりも乙の方とおきめになつた以上は、いわゆるABCとなつた以上は、Aを尊重して行かなければならぬというものではないかと思うのでありますが、その御見解を、全体としての原理として承つておきたい。それから三十万円以下の工事というのは、一億とか二億とかの小さい場合の標準であつたという御答弁でありましたが、本査定の場合には、こういう三十万円というような原理は一應撤廃されたと解釈していいのでありましようか。
#46
○目黒説明員 実はその問題は、安本を中心として昨年一年かかりまして災害対策に対する方策をきめようと思つてかかつたのでありますが、とうとういまだにそれが決定を見ないという非常にむずかしい問題であります。と申しますのは、現在の形において災害を取扱つて参りますと、先ほど申し上げました通りに災害のために他の根本的な河川改修ができない。他の公共事業費に相当圧迫を加える結果に相なるのであります。この災害復旧費というものは、非常にそのときには同情はいたしますが、國家全体として考えますと、ある意味においてはむだ金であるというふうに極言されるのでありまして、何とかしてこれを少くしたいと思うのが今までのわれわれの考え方でありました。そしてその余分な金がありまするならば、やはり災害を未然に防止するような方策に持つて行きたいというのが考え方で、いかにして災害を少くするかということを寄り寄り協議しておりましたが、なかなかこの協議が定まらない。そこでわれわれとして、建設省だけで、私の河川局だけでこの問題をある程度考えてみよう、こういう立場に立至つたのでありまするが、これをやりましても、各省がこの方針に一律にならぬ場合は、正直者はばかを見るという結果に終るというのがわれわれの非常に苦しい立場であります。そこで予算ぶんどり作戰から言いましても、そういう災害というものに、できるだけ大きな予算要求をし、大きなわくをとるのが予算ぶんどりから言えば非常にりこうだとも考えられまするが、それはわれわれの先の方針から申し上げますると、非常に良心的でないというジレンマに陷つておるのであります。從つて今のようなABCの順位をつけるとか、あるいは最低線を引くとかいうような問題も、そのジレンマの一つの苦しみの現われであるとお考え願いたいのであります。災害は必ず復旧しなければならぬが、そこにもし地方に相当な財源を與える方法がありますれば、先ほどお話がありました通りに、地方に災害基金制度なるものがあるいはできるといたしますれば、ある程度縣單独の災害費予算というものを起してもらつて、國庫補助の対象はある程度線をわけるべきではないかというようなことも考えられるのであります。
 それからもう一つ、先ほどのABCの順もそうであります。國として考えた場合には、こういう行き方をするのであるが、これに対して國庫補助をして行くのであるが、それ以外の地方的な事情で緊急度やむを得ず施工するものは、他の財源をもつてこの施工をやつてもらいたい。それには地方財政の問題になつて來る、こういうふうなことが考えられるのであります。現在におきましては、それらのすべてが未解決であります。でありまするから、われわれのみで、これをどう処置するかということは、結局今の形では行き過ぎではないかというふうにも考えられるのであります。しかしながら、ただ行き過ぎだと申しまして、われわれはこれを等閑にしておいていいかどうか。災害の基準なるものを――人の悪口を言うても悪いのですが、農林省の行き方のような行き方でわれわれがやつていいかどうかというようなことになりますると、そこにおのずから過去にわれわれが内務省時代やつて参りました、嚴正公平なる査定というようなこととのにらみ合せから申しまして、なかなかその辺りところの決断もつかない。そこでわれわれはこの本年度の査定をいかにするかということを今実は協議中なのです。今後方針をきめまして、地方に査定に参ると考えておるのでありますが、要は建設省のみ、あるいは河川局のみでこれをつくるのは、災害というものは、各省に関係してある関係上、なかなか困難でありまするが、しかしながら各省がやらないという理由のもとに建設省が各省の今の形をまねて行くというような形にも持つて行きたくないというようなところで、実は目下悩みつつあるというのが実際でありまして、いずれこの災害査定の基準に何とかある程度の方針をきめまして、今後査定をいたしたい。今後どうなるかということはまだ未決定とお考え願いたいと思うのであります。大体の考えといたしましては、できるだけ國の金を有効に使いたい。使つて効果的な仕事をして、災害をできるだけ少くして行き得る箇所に持つて行きたいというのがわれわれの願いであります。そういう目的のために、この査定基準をつくりたいというので、最低線を三十万に押えろとか二十万に押えろというよりも、この災害箇所に対して、この箇所が経済的な見地からいつて効果的であるか、あるいはこれは災害復旧費として取上げないで放置しておいてもいいかどうかというようなところまで、これは結論が到達するだろうと考える。であります。たとえば山間僻地でありまして、その影響するところはただ一、二の個人の家屋とであるという場合に、これを國の補助として取上げることが妥当であるかどうかというような問題が多くおるのであります。あるいはたんぽにいたしましても、一、二町歩の土地を防護せんがために数十万の金を投ずる、あるいは数千万の金を投ずるというようなことになりまする場合に、どうするか。それならばその土地を災害復旧せずに、その土地が荒廃するにまかしておくか、あるいは復旧すべきかどうかというような問題の、そういうところの最低線がなかなかきまらないので、こういう点でわれわれ今練つておりまするが、これはまだ定まつておりませんから、もし御意見がありましたら、われわれの方にひとつそういう意見を申し聞かしてもらつて、われわれの今後の査定方針の指針にしたいと考えております。
#47
○池田(峯)委員 私は、災害復旧に関係はあるのですが、少し別の方面のことをお伺いしたい。それというのは、この政府の予算が非常に少い。その予算の少いのをどうしても有効適切に使つてもらわなければならない。これは理の当然なんですが、場合によつてはそうでない事実があるのであります。それはこの間群馬縣の方に私が行きましたときに、ちよつと聞いたことなんでありますが、群馬縣の利根川の築堤工事にからんで、関東地方建設局と國土建設工業株式会社というものとの非常に醜い関係を聞かされたのであります。これは群馬縣においては公然の秘密になつておる。そういう問題がまだ解決されておらぬ。これはどうしてもその眞相を、これは建設省の方々は御存じだと思うのですから、その御存じの事実をはつきりされまして、悪徳な官僚あるいは悪徳な業者に対しては、徹底的に制裁を加えるということがなければならぬと思う。それでなければ地元の人も、今災害がいつ來るかということを非常に不安に思つておる。それに対して政府が仕事をやつてくれても、その政府の仕事を信用できないと思うのです。その事件を簡單に申し上げますと、國土建設工業株式会社という会社が利根川の治水工事を請負つたのであります。最初はこの工事は、これは群馬縣佐波郡名和村柴地内の利根州治水工事でありますが、荒砥建設工業が請負つて、國土建設の取締役である前田という人が保証人になつた。ところが荒砥工業は工事を少しやりかけてやめてしまつて、そのあとを國土建設が仕事を引受けた。そして群馬縣の吾妻建設という会社に下請さした。ところがその後工事がほとんど進まない。そこでとうとうこれが捨てられてしまつた。現在は関東建設局の直営工事で、建設省の直営工事に切りかえられて工事が進められておるわけであります。この國土建設が建設省から相当莫大な金をもらつて、しかも下請の吾妻建設には人夫費も拂わない。それで吾妻建設の方は顔役を使つて、東京の前田という國土建設の代表取締役ですか、そこまで押しかけて支拂いを要求して、けんかになつて、短刀で突つつかれてしまつたというようなこともあるそうであります。建設省から莫大な金が出ているにもかかわらず、これが工事面には全然反映しておらぬ、途中で使われてしまつておる。何でも荒砥という人が、何党か知りませんが、東京四区から立候補して落選したそうでありますが、この選挙費用にその工事費が相当流用されたそうであります。こういう事件があるのであります。これは公然の秘密なんだそうでありまして、この流用された金が全然仕事面に現われておらぬで、途中で使われて、しかもこの金が赤字になつておる、赤字が補填されておらぬ、こういう話である。しかも國土建設の社長さんの加藤伴平という方は、前関東地方の建設局長であつたそうであります。でありますから、当然この國土建設というものと、それから建設省の官僚との密接な、非常に醜い関係がここに想像されるのであります。こういう点がはたして眞実であるかどうか。眞実だとするならば、これは断固たる制裁を加えなければいけないと思いますので、私提案する次第なのであります。どうぞひとつこの眞相につきまして御報告願いたいと思います。
#48
○目黒説明員 私不幸にしてまだその詳細は承つておりませんが、御承知の通りに、大体仕事の関係は地方建設局長が全部責任を負つてやつております。請負契約から何からすべてそちらの方面でやつておりますので、私の方はただ予算の配付をやつておりますのみで、まだ詳細の報告を聞いておりません。もしそういうことがありましたならば、さらに調査いたして御報告をいたします。
#49
○池田(峯)委員 ひとつ明日でもその詳細について御報告を願いたいと思います。
#50
○淺利委員長 では災害関係はこの程度にとどめたいと思いますが、ほかに御質問ありますか。――それでは災害関係は一應この程度にとどめます。
 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
    〔委員長退席、内海委員長代理着席〕
#51
○内海委員長代理 速記を始めてください。
 それでは関門トンネルの視察について当局の意見を求めたいと思います。
#52
○菊池説明員 関門の國道トンネルを御視察願いました御報告の中の問題三点について、簡單に御説明申し上げます。
 第一は、早くトンネル海底部だけでも五年か六年でやれるような計画を立てて完成せしむる必要がありはしないかというお説でございますが、これにつきましては昨年の当建設委員会におかれまして、ほぼ同様な御意見がございまして、四つの案を準備いたしまして御檢討を願いました結果、海底部だけを当初の計画のように完成いたしまして、両側の道路のところにエレベーターで昇降する設備をして交通が開始できるようにする。それを五年ないし八年でもつて継続工事したらどうだという結論になつたのでございます。それが昨年の六月でございましたが、たまたま十一月に、先ほどお話の出まし用道路の維持修繕に関する最高司令官のメモランダムというものが出まして、そういう新しい工事をやることが非常に困難に相なりまして、そういうものはしばらく待てという趣旨でもございましたので、現在やつておりますように維持的な、現状を維持するという程度のことをやつておるわけでございます。これは先ほどの御報告の中にございましたように、技術的な観点からいたしますと、必ずしも得策ではございません。ただ現在、資金、資材の面で相当困つておる事態でございますので、まず現在日本が持つておる道路なり、関係の施設を整備するという方針からいたしますると、またやむを得ない筋もございますので、細々ながら先ほど申しましたエレベーターの案の線に沿いまして、できるだけそれに近いような維持、これははなはだ申しにくい説明でございますが、ただあのままで行くよりも、ぽろぽろと落ちる所は、ついでにその際拡げるというような維持の方法をとりまして、同じ工費であるならば最後のでき上りに近いようなものに仕上げるというような方法でもつて、維持工事を進めておるような次第でございます。これは現在ではそういうようなものでありまするが、何とかしてこれを早く施しまして、一日も早くあそこの連絡交通に資するようにしたいと極力努力をしまして、械会あるごとに関係方面とは折衝を続けております。
 次に見送り資金の一部をこれにという御意見でございますが、これもわれわれの方でも一應考えまして、過般安定本部から出しました見返り資金の運たによる計画の中に、関門隧道の建設計画を織り込んで、あの中に入つております。その工費十三億ということで、先ほど申しましたエレベーターによつてやる案を持ち出してございますが、これは見返り資金の取得の問題に関係いたしまして、必ずしもそうたやすくこれが見返り資金によつて工事を施行し得るものと、ただいまのところ期待できないような状況であります。
 それから第三の地元負担金の問題でありますが、これにまことにごもつともな御説でございまして、ああいう非常に莫大な工事費を要します、かつ両縣にまたがる――両縣と申しますよりに、わが國の大きなブロツクをつなぐような工事でありますので、單にそのトンネルが所在いたします府縣に、現行法による所定の三分の一というような工事費を負担せしめるということは相当問題である。特に、昭和十三、四年ごろの、この工事を始めましたころのものでありますと、これが十年、全体で千七百万円くらいでできるということでございましたので、まア十年でできるということで進んで参つたのでありますが、なかなか今日ではそういうわけに参りません。当初の計画通りやれば、二十億から三十億を要するというようなことでございまして、エレベーターによりましても十五億ということでありますので、相当困難な問題であります。そこで、これに対しましてはいろいろ檢討を要します問題でございます。道路法自体の問題になりますので、道路法改正の際にも、また考えなければならぬ問題となると思います。いろいろ考えられますが、國道及びそれの附属物につきましては、全部國が直轄でもつて管理するというような方針にいたしたらどうかというような説もございます。こういたしますれば、こういう重大なものはすべて國が持つことになると思います。それからその次に考えられますものは、現在やつているような制度、つまり直轄であります場合に、國が三分の二、地方が三分の一というような方針でやつて行きまして、特に主務大臣の指定する重大な問題につきましては、全額國庫負担でやるという制度を追加して設けるということも考えられます。戰前いわゆる特殊國道というものにつきましては、そういう方法をとつておりましたので、そういう制度をつけ加えることによつても緩和できはしないかと存じます。いろいろ方法もあるのでありますが、それらを檢討いたしまして何とかいたしませんと、現在のように維持維持と申しまして、何年もかかつて相当な金が両府縣に負担せられ困つておられることは十分承知いたしておりますので、ただいませつかくやつております道路法改正に関連いたしまして、何か方途を講じたいと存じております、大体関門トンネルといたしましては、この三点であると思います。
 それから四國の関係でありますが、鳴門、高松間の縣道は、観光上からも必要であることはみなが認めているところでありますが、何分にも海岸の長区間にわれる工事でありまして、工費もかかりますので、本年度におきましては、これは取上げておりません。未改良のままになつておりますが、將來観光の問題ももちろん取上げて考えなければなりませんので、次年度予算の許す範囲におきまして、考えなければならぬと存じております。
 それから都市内を國道あるいは幹線が通つております場合に、町の中を通すか、あるいはその町のはずれを通すかという問題であります。これは技術的な問題で、われわれとしてはいつも重要視している問題でございます。ただいまお取上げになりました区間では、坂出の所では町の中で十五メートル、丸亀では九メートルというふうな幅員で行つておりますが、これはいくら廣くいたしましても、町の大きさにもよりますが、大都市でもあればなおさらのこと、これが二十にメートルとか二十五メートルとかいう道路にいたしましても、クロツシング等の関係で、早く走ります交通に対しましては非常な障害になります。そこで幾らか狭くてもその町のはずれを通過するという方法が、技術的に道路改良の一つの方針になつております。その町の規模により、また地形その他の関係を勘案いたしまして、その場所々々できめております。今後もこれはその都市なり地方の――地方も非常にいろいろありまして、一概にここで私が申し上げるわけには行かないかもしれませんが、主要幹線につきましては、お説のように都市の周辺を横切つて行く、そうして中心にはそれから相当の幅の枝道を入れるというような方針の方が、円滑な交通をはかることができると存じます。
 それから中國の三原炭線の問題でありますが、これは年々継続いたしまして、改良工事をやつております。本年度におきましても約六百万円を投じますが、來年度から約三割半くらいで全部を仕上げたいという希望を持つて、今予算の計算を整理いたしております。
 それから三十二号のトンネルの落ちておるものの復旧でありますが、これは本年度工事といたしましては、五百万円を投じまして、この災害復旧工事を現在も実行しておると思いますが、それで落ちた部分だけは一應復旧できます。あとまだ巻いてない部分がありまして、やや危險を感ぜられる部分もありますので、それに対しましては、來年度以降防災的な工事の予算の中に入れたいというふうに存じております。
#53
○前田(榮)委員 たいへん時間もないようでありますから簡單に申します。関門トンネルの問題でございますが、われわれが地元へ行つて、両縣の知事から地元負担金について御意見を聞いたわけでございますが、工事が順調に進捗しておるならば、これも道路法による負担金であるからやむを得ないけれども、ただ維持の仕事は道路になるかならぬかわからぬ仕事である。交通ができるようになるということで、地元に受益者負担としてやるのであつて、こういう先き先きのわからぬことにもう金を出すことはできません、こう言つておる。これはもつともな意地だと思います。それだからこの際われわれは地元にも快く出させるように――これはあのまま維持するといつても、今さらまさか土をもつて埋めるわけに行かないのであつて、どうしてもやらなければならぬ仕事で、ただ予算の関係上五年にするか、八年にするか、十年にするかというようなことに、あるいにおるかもわからぬにいたしましても、政府に必ずやるんだという態勢をこの際立ててもらいたい。もしそれが立たない場合には、地元からそういう金を取つてはいかぬとわれわれも思う。この点を政府は明確にしてもらわなければならぬと思うのであります。それだけ伺いたいと思います。
#54
○菊池説明員 まことにごもつともな御意見でありますが、政府としましては、これを遂行するということは、的確に申し上げることができると思います。ただ先ほど申しました説明で御了解願いたいのでありますが、いつ、幾らを投ずるということを今きめるわけに行きませんので、明確を欠きますことが、まことに苦しいところなんで、ひとつその点御了解を願いたいと思います。縣の方にもそういう意味は徹底いたしておきますから、どうぞ……。
#55
○松井(豊)委員 関門トンネルの先刻の御説明のうち、予算、計画等の大体の御報告がございましたが、ただエレベーター式にすると、將來の計画において交通上それは支障がないということを專門的に御研究なされたかどうか。われわれは予算委員会等におきまして、エレベーター式の方がよいという見解も伺つたのであります。そこで予算の関係もございましようが、その内容について、エレベーター式は施工上、予算上、各般にわたつて私は確信をもつてよい方法だということを申したい、こう思うのであります。
#56
○菊池説明員 われわれのほんとうの最後の目標としては、エレベーター式よりもやはり前後につけたのが交通量も多くなりますし、一番よろしいのでありますが、エレベーターにいたしましても一時間約八十台の自動車を積めますので、当分の間の交通には支障なくできやしないか。なおその両案の間に、現在の考えでは、約十億以上の差がございまして、この際早く工事を進めたいという要求といたしましては、將來ほんとうの工事をいたしましても、全然むだにはならない工事でございますので、エレベーター式による海底トンネルだけの進行を急いだ方が得策であろう、こういうふうに考えております。
#57
○高倉委員 先ほど國道の問題についてお話がありましたが、私は四國及び廣島、岡山の方を見て來て、どうも縣道より悪いような國道がたくさんある。むしろ縣道を國道にして、國道を縣道にした方がよいと思われるところがある。非常に狹くて自動車のすれ違いができない。それは昔の道路を市街地の中を通しているものですから、その市街地の家屋が、あまりにも道が狹いので非常に迷惑をしておる。もうガラスなんか、はねで一ぱいになつてよごれておるというような状態である。そしてこのスピードの時代に、そこでしばらく待つておつて、そして通つてから行かなければならないというような状態であることを、何しろ私は知らなかつた。ところがそれをまのあたりに見まして非常に遺憾に思つておるのですが、どこでしたか、これを改修いたしまして、別な裏の方に道路をこしらえた所があつたようです。こういうような所は土地の買收の問題もあり、いろいろの問題もありましようけれども、相当交通の頻繁なところの國道は、なるべくその路線をかえて、そうして改修をしてもらうということが、陳情の要望であり、縣民非常な熱意をもつてこれを要望しておりますから、このように急速なる設計をされて、そうして実行するようにひとつしていただきたい、かように考えておるわけであります。
#58
○内海委員長代理 この際四國、中國視察班の派遣委員の報告に関する総合開発の問題につきまして、当局より発言を求められております。これを許します。小澤管理局企画課長。
#59
○小澤説明員 私、企画課長の小澤でございます。先ほど視察報告の中で、総合開発の御意見がいろいろありましたが、それに対してお答えいたします。徳島の縣南の開発でございます。これは資源の賦存の程度あるいは奥地の低生産性の現状から見て、これを早急に開発するという方針でありましたけれども、私ども今回縣の方から参りました調書を見ますと、この地区は北の方から勝浦郡、那賀郡、海部郡というふうになつておりまして、南に行くに從いまして生産性が低いということになつております。これは分析してみますと、結局道路が悪いとか、港湾とか、そういう設備がないということになるのでございますけれども、この地域をいろいろ見ますと、まずあそこの那賀川というところに相当の水力資源があること、それから石灰山は無盡藏というておりますが、それがあること、石炭があること、それから阪神地区に近いということから、私はあそこが開発される條伴は十分整つておると思うのでございます。先ほど申し上げました道路の関係あるいは港湾の関係で、そういうものを整備いたしますれば、一應その地区がよくなるということに、これは申すまでもございませんけれども、やはり電力を中心としまして、あそこの石灰山を使つてカーバイト工業を興すとか、あるいは石炭とかそこの石灰とか、そういうものを利用してセメント工業を興すということもできると、私は確信を持つておるのでございます。ただ企業形態をどういうふうにするかということ、それからたとえば電力を起すといたしましても、よそへ持つて行きますれば困るので、やはりその地区に落して行くのでなくてはその地区が発展しない。そういうことを私の方といたしましては今研究中でございます。そういう研究結果を待つて推進したいと思つておる次第でございます。
 それから四國西南地区の総合開発の問題でございますけれども、これは一般に公共事業が総合的に実施されていないという御指摘でございました。これはまことにその通りであります。港湾にしても、林道にしても道路にしても、あるいは干拓にしても、そういうものがみな各省別々にやつている関係上、それが一貫されていないといううらみが多分にあつたのであります。これに対しまして総合計画をやつております地区は、一應そういう計画が齟齬のないというふうにはなつているのでありますが、まだ不十分でありまして、どの線を先にやるとか、あるいはたくさんあるものをどれから着手して行くかというような、つまりプライオリテイーの問題、それから産業効果の問題というところまでは、実はまだ行つておりません。その点につきましては今後は十分研究する必要がある、そういうふうに思つている次第であります。四國西南地区におきましては、森林の問題、漁港の問題、あるいは水力の問題等がありまして、私どもといたしましては強力に推進したい、こういうふうに思つているのであります。
 それから調査費が河川調査費の中から出ているというお話でありましたけれども、これは特定地区の調査費というものがわずかながらあるのであります。ただそれが河川局の中にそういう費目が入つておりますが、きわめて少い。たとえば高知縣について言いますと十五万円、愛媛縣について言いますと十万円しか出ていないという状態でございます。実際縣においては、少くとも五十万円から百万円使つているというような状況でありまして、これは私の方としては、調査費を十分とりまして、府縣の方に十分の調査をしていただきたい、そして科学的に調査した上で推進して行くように考えている次第であります。
 それから日南総合開発計画の問題でございます。これは鹿兒島の大隅地区と同じ性格のところであります。昨年度におきましては鹿兒島縣、宮崎縣、別途に計画をいたしたわけでありまして、その地区内においては、先ほど申し上げましたような各事業の調査というものは、ある程度できていると思うのでございますけれども、その縣と縣との間の調整というものは、私はまだ不十分だと思つているのであります。これは一應去年私の方で調査いたしましたけれども、今年度は両縣で協議してやつてくれというふうにお願いしてある次第でありまして、これは両方とも一貫したものとしてやる必要がある、そういうふうに思うのであります。
 それからこれは根本問題になるのでございますけれども、縣におきましては総合計画委員会をつくつていただいて、そこで総合計画をつくつていただくということ、それからまたブロツクに対してはブロツク総合計画委員会をつくつて、そこでブロツクの調整をしていただくというようなことをお願いしてございますが、これは法制的に完備いたしませんので総合計画ができないというような観点から、地方計画というようなものを私の方で一應提案いたしておりまして、なるべく早い機会に國会の方へ提出して、御審議願いたいと思つておりますから、よろしくお願いいたします。簡單でございますが、御意見に対して私どものお答えをいたした次第でございます。
#60
○内海委員長代理 明二十六日の委員会に関係各國務大臣にぜひ出席を求めるべく、ただいま委員長は増田官房長官を通じて折衝中であります。
 本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時より開会いたします。
    午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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