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1949/08/26 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第25号
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1949/08/26 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 建設委員会 第25号

#1
第005回国会 建設委員会 第25号
昭和二十四年八月二十六日(金曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君
   理事 田中 角榮君 理事 松井 豊吉君
   理事 前田榮之助君 理事 村瀬 宣親君
   理事 池田 峯雄君 理事 天野  久君
   理事 高倉 定助君
      越智  茂君    瀬戸山三男君
      三池  信君    宮原幸三郎君
      上林與市郎君    増田 連也君
      久野 忠治君
 出席國務大臣
        労 務 大 臣 鈴木 正文君
        建 設 大 臣 益谷 秀次君
        國 務 大 臣 青木 孝義君
 委員外の出席者
        労働政務次官  新谷寅三郎君
        労働事務官   海老塚政治君
        建設事務官   八嶋 三郎君
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 災害復旧対策に関する件
 都市計画に関する件
 公共事業と失業対策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺利委員長 これより前日に引続き会議を開きます。
 本日残されておる問題は失業対策と公共事業に関する件、それから都市計画事業促進に関する件が残つております。本日お見えになつておるのは、労働省の政務時間、それから都市局長が見えております。都合によつて失業対策と公共事業に関する件を先に議題といたします。一通り労働者の方から概況のお話を願いたいと思います。
#3
○新谷説明員 公共事業と失策との関係につきましてごく概略御説明申し上げまして、数字的な問題につきましては、主管課長が見えておりますので、あとで具体的に詳しく御説明申し上げることにいたします。
 昨年度の公共事業におきましては、お手元に資料も配付してあるようでありますが、杓五十万人の雇傭量があつたのであります。本年度は御承知のように、大体予算としまして五百億の公共事業が実施されるようになつておるのでありまして、これによりまして多少雇傭量は減るだろうと思います。大体四十三万ぐらいと予定しておるのであります。それは第一・四半期におきまして多少の公共事業が実施され、第二、四半期におきましても今いろいろ計画を進めておりまして、前々その五百億の公共事業が漸次実施される計画になつておるのであります。そこで最近の失業の状況につきまして、御参考までに補足して若干申し上げたいと思うのであります。ごく最近の調査を見ますると、やはり企業整備及び行政整理、あるいは引揚者の引揚げ等の原因によりまして、失業者の数は、労働省の職業安定所の窓口を通じて見ましても、相当にふえて來ておることは事実でございます。その数字は、たとえば失業保險の支給者の数についても表われておるのでありまして、七月の統計によりますと、六月には約二億六千万円ぐらいの金額を拂つておりましたのが、七月には四億二千万円にふえておるのであります。実人員も六月が約十一万人ぐらいおりましたのが、七月には十五、六万人にふえておるのであります。また求職者の数も増加しております。大体五十九万から六十万程度になつておるのでありますが、これに対しまして求人の数は相当減つておるのであります。六月には十二、三万という数字になつておるのであります。十二、三万というのは就職者の数であります。かようにしまして月を追つて求職者の数がふえ、求人の数が減りまして、從つて就職率も悪くなつておるというのは事実でございます。これに対しまして、今申し上げましたように、一面では失業保險によつてカバーする面が相当ふえておりますので、公共事業の施行によりまして、だんだん人間を吸収して行くという計画が進んでおります。そのほかに御承知の緊急失業対策事業、これによりまして大体二万人弱の人間を就労させておるのであります。これを東京都の例について見ますると、失業者の数がふえて参るに從いまして、緊急失業対策事業の方で救済する人員を逐次増しておるのでありまして、現在におきまして大体一日平均五千人程度の就労をこの方面で見ておるのであります。しかしこれによりましても、なお今日大体千人から千五百人程度のいわゆるあぶれが出ておるのであります。これに対しましても、ただいま関係方面と折衝をいたしておりまして、このあぶれをなくするために、緊急失業対策事業の方を漸次拡充して行きたいという考えをもちまして、今折衝をしておるという状況でございます。ごく概略でございましたが以上申し上げまして、なお数字的な説明につきましては、主管課長の方から補足しまして御説明申し上げます。
#4
○海老塚説明員 ただいま政務次官からお話がありました点を、さらに敷衍いたしまして御説明申し上げたいと思います。御承知の通り、昨年度一般会計四百九十五億の公共事業費によりまして、約五十万の就労者を見ておるのであります。この公共事業につきましては、國土再建の基盤の事業を起すこととあわせて、失業者の吸収を目的といたしております建前からいたしまして、昨年度來失業者吸収率というものを公共事業の特定事業種目に設定いたしております。たとえば百人の非熟練労働者のうち、その三億は失業者を使わたければならないというふうになつているのでございまして、そういうような事業種目に対しましては、公共職業安定所が適当な失業者を紹介いたしまして、就労あつせんをするということになつているのでございます。昨年度大体五十万人の就労者のうち、公共職業安定所の照会によりまして就労いたしました失業者の数字は、約十二、三万人というふうになつております。今年度はこの前の國会におきまして、失業の情勢に対処いたしますために、新たに緊急失業対策法というものを設けまして、公共事業につきましては、ただいま申し上げました失業者吸収率を、法律をもちまして公共事業の事業種目について設定することになつたわけでございまするが、本年度の公共事業の予定就労人員は、経済安定本部の推算によりますと、約四十三万人ということになつております。一日平均実就労人員でございますが、失業者につきましては、ただいま申し上げました公共職業の安定所の紹介によりまして、でき得る限り多数の者を公共事業に就労させるようにいたしたいと考えている次第でございます。なお、この緊急失業対策法によりまして、新たに失業対策事業というものが実施されることになつているのでございます。これの経費は労働省の予算として八億八百万円が組まれているわけでございまするが、これによりまして一日平均約二万人の人員を就労させることが可能になつているわけであります。この失業対策事業は、公共事業が國土の復旧とあわせて失業者の吸収を目的といたしますのとは異なりまして、失業者の多数存在する場所に簡易な土木事業を起しまして、失業者を吸収することを主眼として実施することになつているのでありまして、第一・四半期、第二・四半期におきまして、すでに支出済みの金額は、先ほど申し上げました八億円あまりの金のうち、三億五千万円となつているわけでございまして、残りの四億五千万円につきまして第三・四半期以降の失業対策事業の失業者の吸収をはかるということになつております。公共事業と失業対策事業におきまする失業者の就労状況は大体以上の通りであります。
#5
○池田(峯)委員 ことしの一月から今月までに失業者がどういうふうに増加しつつあるか、そういうデーターをお願いします。
#6
○海老塚説明員 ただいま失業者の数のお尋ねがあつたのでございますが、失業者の数を毎月調べている資料統計といたしましては、内閣統計局の労働力調査以外はないのでございます。その数を申し上げますと、ことしの一月は三十一万人、二月は四十六万人、三月は三十八万人、四月は四十三万人、五月は四十四万人、六月は三十六万人という数字が出ております。この数字におきまする失業者と申しますのは、調査をいたしますのがその月の第一日曜日以後の七日間で、その一週間のうちに一日一時も就労しないで、しかも一週間のう二十五時間以上働きたい、もう一回申し上げますと、調査期間一週間のうち、一日一時間も働かなかつた者、いかも一週間のうち二十五時間以上の就労を希望するということを表明いたした者の数を、抽出調査で全國的に集計いたした数字でございます。これ以外は、失業者の数字を毎月表わしているものはございません。しかし公共職業安定所ににおきまする求職者の数、それから失業保險金の給付を受けておりまする者の数、企業整備の状況その他の数字はございまするから、もし説明を要するのでしたならば説明いたしたいと思います。
 それでは失業保險金の給付状況を申し上げます。先ほど政務次官からお話がありましたのですが、それを月別に申し上げますと毎月現に失業保險の給付を受けている者の数、これを申し上げます。これによりますと、本年の一月は三万五千百五十一人、二月は四万三千八百三十人、三月は三万二千五百六十人。四月は五万九千七百三十人、五月は八万五千九百九十五人、六月は十一万千八百二十人、七月は十五万六千五百人だつたと思います。これが失業保險を該当の月において現に受けた者の数字でございます。
 それから企業整備の状況を申し上げます。これは労働省が全國五百二十五箇所の公共職業安定所から得た情報でございまするので、全部の企業整備で該当を含んでいるということを申し上げるのは困難であるのでございまして、この数のあるいは五割増しとかなんとか、ある程度増額した数字が実際に行われている数だと思いますが、それによりますと、一月、二月はまだ十分調査ができておりません。二月からこれは始まつておりますので、二月は調査が不十分だつたと思いますが、二月は事業所は二百十八、整理人員七千四百八十人、三月は三百五十九事業所で、整理人員は一万千六百三十五人、四月は三百七十七事業所で、整理人員一万四千九百五十五人、五月は事業別六百八十箇所で、整理人員二万七千二百七十六人、六月は事業所六百八十六箇所で、整理人員は三万二千六百四十一人、七月はまだ正確な数字がございませんが、六月よりも少し多い数字、官公吏行政整理を除きましても、多い数字のようでございます。
 それから求職者の数字を申し上げます。これは先ほど政務次官の申し上げました数字と違つて、新規に安定所に申し込んだ者の数字でございます。これは一月が複数で申し上げますと約四十二万五千人、二月が四十五万人、三月が五十万人弱でございます。四月が四十二万六千人、五月は四十一万五千人、六月は四十一万人、大体こういうような状況でございます。
#7
○松井(豊)委員 失業対策費の使用について、先刻の御説明中に、大体失業者の多数集中される場所に重点的に使用されるという御意見でございましたが、大体四億強の金を使用するというお話でございます。東京都を中心にどの縣にどんなようは配分方をいたしましたか。それからこの失業者は、公共職業安定所の報告による数を中心とされてあるものかどうか、その二点を伺いたいと思います。
#8
○海老塚説明員 失業対策事業の実施方法のお話をいたしたいと思います。これは失業者が多数存在する地域を選びまして、そうしてそこにおりまする失業者のうち、失業対策事業に就労を希望いたしまする者をできる限り多数吸収いたしたいと思つておりまするが、これは予算の関係もありまして、希望通りの数字にはならないわけでございます。今までのやり方から申しますと、お話の通り公共職業安定所より、その安定所管内の失業状況を、われわれの方から項目を示しまして、報告させることにいたしております。それによりましてどの程度の失業対策事業を起すかどうか、また実際起す必要があるかどうかを、私の方で一應きめまして、そのきめた結果を経済安定本部に通知いたすわけであります。経済安定本部では、それならばその地域にどの規模のどういう種目の事業を起すかということを経済安定本部の交通建設局で選びまして、そうして労働省に示して來るわけでございます。労働省ではその事業種目を、異議があります場合は、経済安定本部と相談いたしましてきめた上で、地方にどの事業種目について、どれだけの失業対策事業を起すということを指令することになつております。今までは各四半期ごとにやつているわけでございまして、第一・四半期と第二・四半期の配分が一應経つております。この実施個所は大体特別な場合を除きまして、市のある地域が大多数を占めております。そして実施の個所数は第二・四半期におきまして約百内外の実施地域が選ばれておりますので、詳しく一々申し上げるわけにも行かないのでございますが、全國のほとんどすべての府縣に及んでいるような状況でございます。
#9
○松井(豊)委員 私はこの四億数千円の、第一・第二・四半期に事業を起し、配分した金額を、何縣にどの程度を配分したということを、具体的にお伺いしたいと思つておるのであります。それは安定所の報告によつて、それを中心とし基準として事業を起されるという御意向でございますが、それらの問題については、安定所はどの程度までこの失業対策事業を起すべく調査研究をしておるかということを、われわれは大いに研究する必要があると思います。この点についてお答え願いたい。
#10
○海老塚説明員 各縣別のものはここにございますけれども、今申し上げましてもとてもたいへんなのでございますが、後ほどお見せいたしましようか。
#11
○松井(豊)委員 それでは何か参考資料があつたらもらいましよう。
#12
○海老塚説明員 それではあとで第一・四半期と第二・四半期におきます各都市別の人員でございますが、それをお配りいたします。
 それからこれをきめますための資料につきましては、実は私の方の局に労働資料課といいまして、統計を專門に受持つております課がございます。それから廣く労働省から申しますと、統計調査部がございまして、この專門の部及び課におきまして、あらゆる角度から雇用の状況がどうであるか、失業の状況がどうであるかということにつきまして、現在の能力でできるだけの調査いたしているわけでございまして、その調査のうちから必要な事項を、本省の方に定期報告させるようになつているのでございます。
#13
○久野委員 失業対策の事業について、ただいまの御説明の中に簡易の土木事業を起すというお話がありましたが、その種目は主としてどんな種目を予定されておりますか、御説明願いたい。
#14
○海老塚説明員 失業対策の事業種目につきましては、緊急失業対策法によりまして、どういう事業であるべきかということにつきまして、法律で実はきめられている点があります。たとえて申しますと、事業費のうち労力費の占める割合が労働大臣の定める率であること、これは後ほど申し上げますが、同じ金を使うのであるならば、できるだけ多数の失業者を吸収したいというような点がございますので、なるべく高い比率を労力費が占めるような事業であること、それから事業の完成の面から申しますと、あるいは一般の場合と異なるのですが、失業者の状況に應じた事業であること、これは失業者が男の失業者も出て來ますし、女の失業者も出て來ますが、失業者の状況がいろいろでございますから、それに應じたような事集であること、あるいは失業者の数の増減によつて、事業を中止したり、縮小したり、停止したりすることが割合と容易であるような事業であることというように、いろいろ法律をもつて事業を限定されているわけでございます。それによりまして経済安定本部と労働大臣と相談いたしました結果、大体こういう事業種目が適当であろうというのがきまつておりますので、それを読み上げてみたいと思います。十ばかりあるのですが、荒廃市街地整理事業、これは労力費の占める割合が八〇%以上であること、それから街路整備事業、これも八〇%、公共空地整備事設、このうちには公園だとか、運動場だとか、緑地の新設だとか、そういうようなものが入つておりますが、これも八〇%、水利整備事業、これも八〇%、これは排水溝の新設、補修、改良、水面埋立などがございます。それから河川整備事業、これは六〇%、河川の補修改良、道路整備事業、これはその通りでございます。六五%以上。砂防事業、これは河川砂防、山林砂防皆入りますが、六五%以上、港湾整備事業、これは港湾の護岸、埋立、浚渫、こういうのが入りますが、これが六〇%、農業土木事業、農業関係の川排水路、ため池、道路、堰堤の新設補修、七〇%以上、環境衛生整備事業、これは下水口、上水池の清掃、堆積塵芥の処理、これは八〇%以上、大体この十の事業種目が一應選ばれておりますれども、しかし大きく申し上げますると、この事業種目に限りませず、もつと適当な事業があればさらにつけ加えるべきであると考えております。
#15
○前田(榮)委員 この失業救済事業についてお尋ねするわけですが、大体失業救済については、主として失業者の多い地方、地域、こういうところに当然重点が置かれると思うので、それはその地域の人口の数と失業者の数との率によつて大体決定さるべきではないかと思うのでありまするが、それはその通りになつておるかどうか。
 それからそういう点につきまして、たとえば私は廣島縣の呉ですが、実は全國でも有数な失業者の率を持つておる都市とわれわれは考えておるわけです。先般失業対策事業を簡單に引続いて行おうといたしましたときに、その失業対策事業を行う地方廳を起債に仰がなければならなかつたのでありますが、公共事業費以外の起債を許可することは、起債のわくがないから許さないというのが、地方座せ委員会の強い意見であつて、たいへん処置に困つたわけであります。大体失業救済は將來全額國庫負担でやる御意見があるかどうか。地方に失業者がたくさんあつても、政府がまたそれをやらそうといたしましても、その三分の一とか、あるいは四分の一とかいうものを地方費負担の際においては、今日の地方財政逼迫の折柄、それさえ困難な事情のために行われぬということが、当然起るべきものだと思うので、その点はどういうお考えを持つておるか。
 それから失業者がただいま課長からの御報告によりますと、大体において漸増の情勢をたどつておるようであります。この情勢をもつていたしますると、わが國の社会不安、あるいは経済的危機という重大なものが起つて來る心配が、われわれにはあるのでありますが、それに対する方針はどうであるか、またそれに伴うところの失業救済等を行う予算的措置は、現在確立されておるかどうか、こういう点をまず第一にお聞かせ願いたいと思います。
#16
○新谷説明員 私からお答え申します。第一の失業対策事業をどういうふうな基準でやるかという問題だろうと思います。先ほど主管課長から申し上げましたように、從來は失業保險の受給者の数でありますとか、あるいは安定所の窓口に参りました求職者の数でありますとか、いろいろの労働統計を総合いたしまして、経済安定本部とも協議の上で、どこにどういう程度の事業を起したらいいかというようなことをきめておる次第でございます。実はこれはまだ成案を得てございませんが、ただいま関係方面と折衝をいたしておりまして、今後失業救済事業が相当拡充されることは事業でありますから、何かやはりここに一つの基準を設けた方がいいのじやないかというので、ただいま具体的に、こういうふうな事情になつた場合には失業救済事業を起さなければならない、また起してしかるべきだという基準を今折衝しておるところでございます。これも近いうちにきまつて來ると思うのでありますが、そういたしますとただいまやつておりますような一般の労働統計を総合、判断してやるのに、一つの形式的な基準ができて來るだろうと思うのであります。これにつきましては、またもう少し具体的にまとまつて参りますならば、他の機会に御報告申し上げたいと存じます。
 それから失業対策事業につきまして、國庫補助をもつとふやすべきではないかというお話でございますが、これはまつたくわれわれも同感なのでございまして、いろいろな方面から、地方財政が非常に窮迫しているのは事実でございますので、失業対策事業のために地方で相当多額の負担をしなければならないということになると、國家的に見まして、またその当該地方といたしましても、失業対策事業を起したいと考えましても、財政面からいろいろな制約を受けて、失業対策事業を起し得ないというような状況が随所に見えそうな傾向にありますので、実はこれはまだ公に御報告する程度に至つておりませんけれども、第三・四半期以降につきまして、失業対策事業費の拡充は今折衝をいたしております。労働省といたしましては相当の予算を組んで、今大藏省とも折衝いたしておるのであります。われわれの予定通りに参りますと、あるいは補正予算として相当の金額が出て來るであろうと思うのであります。この機会に、実はただいま仰せのような地方財政の負担を軽減する意味におきましても、また失業対策事業を推進する意味からいたしましても、國庫の補助率を高めようということを考えておりますので、この点もわれわれとしましても、できるだけ努力をいたしまして、あまり地方に大きな負担をかけないで、國の責任において、失業対策事業を必要に應じて起し得るようにしたいと考えておる次第でございます。これもまだ決定的段階に至つておりませんので、ここで具体的にどの程度の國庫負担をふやすかということにつきましては申し上げかねるのであります。以上申し上げましたような事情でございますので、御了承願いたいと存じます。
 第三の問題につきましては、今失業対策事業としまして、予算の要求をしておるということで大体盡きておると思いますが、なお他にこれは多少專門的になりますけれども、公共職業安定所の機能をもつと十分に発揮させますために、実は各地をおまわりになりましても、そういうことを痛感されると思うのでありますが、人間が少いことと、経費が足りないために、安定所の職員が職場の開拓に十分な力を盡せないというような点がございます。これにつきましても実はただいま予算折衝をいたしております。できれば補正予算に何とかして盛りたいという考えで、大藏省とも話合いをしておる次第であります。その他一般的に産業が起つて、失業者がだんだん少くなるというような問題につきましては、他の機会に経済安定本部からでもお聞きになつたらけつこうだと思います。労働省所管の事項としましては、今申しました緊急失業対策事業の経費を大幅に増額したい。また職業安定所の経費を増額いたしまして、十分な職場の開拓を積極的にやらす、こういう予算措置を今とりつつあるのであります。
#17
○前田(榮)委員 もう一つお尋ねいたしておきたいのですが、われわれ建設委員会の者といたしましては、できるだけ公共事業を、この際五百億のわくでありながら、それを有効に、最大効率をあげたいというのがわれわれの希望であります。これを失業救済事業として行う際には、きわめて効率が低下することは必然の結果になるのであります。從つて公共事業を失業救済としてやる現在のやり方としましては、これはいろいろな方面に支障があると言わなければならぬのであります。從つて失業救済は公共事業とは別箇なものをやらなければならぬというようにも考えられますが、ただ予算の関係で、失業救済事業費というものと、公共事業費というものを、二つの方面から出た予算を、二つをうまく突き合わせて、建設省と労働省がよく連絡をとつて、現在の五百億の範囲内で効率を低下しないような方法で、失業救済事業費がこれをカバーして行くというような方法がとらるべきものではないかと考えるのでありますが、こういう点での建設省と労働省とのいろいろな折衝等が行われているか、そういうようにしようと考えられるのか、また別個な法方をもつてこれらの失業者を救い、あるいはまた公共事業についても効率を低下させないというような方法が考えられているかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#18
○海老塚説明員 先ほど申し上げましたように、從來は失業対策事業につきましては、労働関係の官廳の方で事業種目を選んだということになつておりましたのが、今度新しく法律をつくりましてからは、事業種目は経済安定本部がまず選ぶ。どこの場所にどの程度の規模の失業対策事業を起すかということにつきましては労働省がまず初めに定めまして、経済安定本部に示すわけでございますが、どういう事業種目を選ぶかということについては、経済安定本部が公共事業として各方面から出ている事業の中から、公共事業にするものと失業対策にするものと区別して、労働省と相談してきめるということになるわけでございます。でありますから、どの地域にどういう公共事業が行われているかということについては、経済安定本部において十分知つているわけでございますので、実は先日も秋田縣のある港で、非常に失業者が出て來るのだけれども、失業対策事業を起してくれという要望がありましたので、私の方から経済安定本部の方に申し述べましたところが、実はその地域は非常に大きな公共事業が実施されることになつているから、失業対策事業は必要はないだろうというように、経済安定本部の方からの意見もあつたわけでございます。御覧の通り、失業対策というのは結局どの程度吸収されるかという事業の全体から考えまして、その解消をはからねばならないのでありまして、こういう意味から申し上げますと、ただいま申し述べました例の通りに、経済安定本部と労働省との密接な連絡によりまして、そういう点が解消されるのではないだろうかと思つております。
 なお人的にも労働省の者が経済安定本部に勤務――労働省の方から経済安定本部の方に人を出しておりますし、具体的に事業種目をきめたり、あるいは実施地点などについて、労働省と経済安定本部の建設局でございますが、それと常時連絡をとつているわけでございますので、今後もその点は一層進めて行きたいと思つております。
 なお公共事業の吸収率の問題が、公共事業の効率と非常に関連して來るわけでございますが、この点については失業吸収率をどの程度高めるかの問題と、それから出て來ます失業者の質の問題と両方があるわけでございます。それでこの吸収率は、労働大臣が経済安定本部と相談してきめるということに実は法律でもなつているわけでございまして、労働省の方は、失業者の数と質との面から、できるだけ支障のない程度において失業者をたくさん使つて吸収してもらうように、経済安定本部の方に実は申入れをするわけでございますし、経済安定本部の方では、別の見地から適当な吸収率の決定ということを申し出るわけでございますが、これもそういうふうに両者の間の十分な了解のもとにいたすことになつている次第であります。
#19
○前田(榮)委員 大体御説明の点は了解いたしたわけでございますが、いなかにおける失業者の問題は、公共事業であろうが、失業救済事業であろうが、何か事業さえ行われればそこに失業者が吸収されることは必然です。大体問題はそういうことで解決つくと思うのでありますが、都会における失業者の中には、ずいぶん悲惨な状態の者がたくさんあるのであつて、あるいは数人の子供を抱えた寡婦もおりますし、また文筆労働その他で重労働のできないような失業者もどんどん出ておるのであります。これらを見捨てておくわけには國家としてはできないのであつて、できるだけやはりその人その人の能力に應じた労働をさせて、それらの窮状を救うとともに、いくらかの事業を行わせて、産業のために貢献せしめるというような方法をとるのが、失業救済事業の本質でなければならないと思うのであります。從つて都会における失業対策というものは、やはり失業者を救うことを重点におかなければいけない。今の都会における公共事業というものは、あるいは河川の関係、道路の関係、下水道の関係というようなもので、相当の重労働の伴うものです。從つて今都会における現象として現われている失業者の救済が、非常に効率の低下する状態にあるのは当然であつて、今御説明になつた安本の御意見のごときでは、この労働省の所轄する失業救済事業としては非常に不本意になるのではないかと思います。この点はやはり労働省といたしましても、失業救済事業というものを本質的によく考えて、都会における公共事業等について、そうあまりあてにならないものをもしあてにしようとするならば非常に効率が低下する。それに前に申し上げた五百億の問題で効率を高めた事業を行うという建設省の方針とは相反馳した結果になるのだから、それをどういうように併用して行くかということをひとつこの際考えなければならないのではないか、私はその点を思うのでありますが、これに対して何か計画をお持ちであるかどうかということをお聞きしたいと思います。
#20
○益谷説明員 ただいまの御意見ごもつともだと考えます。実は率直に申しますと、公共事業の方でも、失業対策事業の方におきましても、予算が足らないのであります。しかし少額の予算でもつて、建設方面にもまた失業救済の方面にも、両方ともにできるだけの効率をあげるというのがわれわれの仕事であろうと思うのであります。お説のように、そういうふうな点も考えられますし、また実際に公共事業が施行されますと、事実上は全部でなくともやはり若干の失業者は救済し得るのでありますから、それらの関係をもう少し具体的に調整をして行く必要があるのではないかということを、実は労働省といたしましては、失業救済の観点から考えておるのであります。これは公の委員会とか非常にかた苦しい機関にするつもりはないのでありますが、そういう公共事業に関係をしておられる各省の方々と労働省とが、何か連絡調整のような会合を持ちまして、失業対策事業と一般公共事業とを、どういう時期にどういう規模の、またどういう事業を起すかというようなことにつきまして、連絡協調しながらやつて行くようにしたいという考えを、実は労働省としては持つておるのであります。これもできるだけ近いうちに、われわれとしましては実現させたいと思つておるのでございます。
#21
○高倉委員 受刑者の土木事業について、現在どのくらいの数が使われておるかということをお伺いしたいと思います。実は北海道のある土木現業廳で、直営の土地改良をやつておる。ところがこれに失業者も入れたらというので、その方針をとつておつたところが、受刑者の土木事業に使役するものがある程度人員が配給になつて來た。そこで所長は、この受刑者を断わるわけにも行かぬし、そのうちに内地から七十名から参つた。そこでこれを使わないわけにも行かないし、相当の費用がかかるのに――監督なんかにかかるのですが、これをほうつておくわけにも行かないしと、いつて失業対策としての失業者を使うことが、これではばまれることになりますので、非常に困つておつたようなことを聞いておるのでありますが、こういうようなことも相当大きく失業者の就労に響いて來ると思うが、この点についてお伺いいたします。
#22
○海老塚説明員 受刑者の屋外作業の從事につきましては、実は法務廳の関係当局と職業安定局の方と、たびたび打合せをいたしておるのでございますが、根本方針といたしましては、受刑者はできるだけ屋外作業に使わないようにしてもらいたい。ことに公共事業に就労しておりまする受刑者は、できるだけ早い機会にその就労をやめるようにしてもらいたい。また賃金その他につきましては、一般の場合と同様な賃金を支給するようにするというような、きわめて大ざつぱでございますが、そういうようなとりきめになつておるわけであります。但し現実の問題にいたしまして、数ははつきりいたしせんが、現在の刑務所の状況ですと、七、八千人程度の受刑者を屋外の刑務所以外の場所で作業させなければならない現状でございます。そういうような現状でありますために、やむを得ず受刑者を屋外に就労させますときにおきましては、所管の安定所長が安定所におきまして、当該事業に対する一般の就労希望者がない場合ですとか、あるいはその場所が非常に人里離れた遠隔地であつて、労働者の募集が非常に困難な場合でありますとか、そういうように一般の就職希望者の妨げにならないと認められたときに限つて、就労を認めるということになつているのでございます。北海道の場合につきましては、私主管課長でございませんので、はつきりしたお答えではきないのでございますが、第一・四半期の五月ころ、法務廳から約五千名程度本年度中受刑者を就労させたいというような希望がありまして、北海道長官、労働省、それから法務廳と三者協議いたした上で、ただいま申し上げましたような、やむを得ない、そして一般の失業者の妨げにならないような地域及び作業に限りまして就労を認めるというようにいたしたはずでございまするが、具体的の事例につきましては、後ほどお伺いいたしまして十分調査いたしたいと思つております。
#23
○池田(峯)委員 私は、先ほどちよつと前田委員からも質問があつたと思うのですが、公共事業費というものと失業対策事業費というものを、どういうふうに労働行政の方ではお考えになつておるか、それをお伺いしたいのです。大体政府の方針として、失業対策というものは、政府としてはむしろ失業者をどんどんこしらえて、そうして労働賃金を下げて、これを安くこき使うというところに重点をおいて失業対策事業をやつておる。こういうところにあるのでないかと思うが、これは逆じやないか。私はほんとうに日本政府のやり方としては、失業対策は失業者をなるべく出さないというところに重点をおかれなければならないのでないかと思う。これが失業対策の最大のものでなければならぬと思う。最近土建業者の二三と会つてみたのでありますけれども、公共事業をやつております地方の土木建築請負業者は非常に苦しんでおる。ですからこういう土建業者に雇われていた人足、これまで土建産業に從事していた労働者が失業者になつて、そうして商工省あたりで働いていた役人がこれに代る、こういう矛盾した話は私はないじやないかと思う。そうじやなくして、やはり適材適所に、失業者をつくらないで、本職の土建産業をどんどん伸ばして行く、こういう方向がとられなければならないのでないか、ですから現在の政府の考え方、労働行政にしてもこれを改悪する。要するに失業者をどんどん出す。あなた方の所管で、労働組合法でもどんどん改悪しまして、――これは議会で改悪したので、あなた方が改悪したのでない、議会の絶対多数が改悪したのでありますけれども、労働組合法を改悪して失業者をどんどん出す、そうすれば労働賃金が安くなるだろう、これを二足三文でこき使つてやろうというところに問題があるのでないか。何となれば失業対策事業費というものの増額を要求しているといいますけれども、このあふれて來る失業者を全部吸収する、そして憲法に保障されている健康な文化的な生活を営ませるだけの労働賃金を補うというだけだつたら、首を切つても政府の方では全体としてはプラスマイナス同じになるわけです。これをそうしないで、政府の役人を首切つて、これをもつと安い賃金でどこかで使うというようなところに政府のねらいがあると私は思う。こういうやり方は結局労働賃金を引下げて、大資本家に利益をほしいままにさせる、つまり独占資本家の政府という結論に到達すると思うのです。そういう点で、公共事業費というものと失業対策事業費というものは、全然別個なものだと思うのですが、それに対する労働行政の方のお考えを承りたいと思うのです。
#24
○新谷説明員 仰せのように、失業対策事業費と公共事業費とは全然別個のものであると考えておるのであります。公共事業におきまして、先ほど來御質問に対してお答え申し上げましたように、やはり事実上ある程度の失業者は使われるのであります。その意味におきまして、公共事業費というものは失業救済といいますか、失業対策事業の一環として、間接的ではあるかもしれませんが、相当に効果があるということを申し上げておるのでありまして、失業対策事業関係の経費は、國会でおきめになりました緊急失業対策法によりまして目的をうたつてありますように、これは失業者をたくさんこしらえる意味ではなく、多数の失業者が発生したその事態に対処いたしまして、これにできるだけ多数の失業者を吸収して、公共的な仕事を起してこのつなぎをやつて行く、こういうような目的が法律にも掲げられておるのであります。この範囲をもちろん出ないのであります。公共事業費と失策対策事業費とは、肝炎的には根本的に違うものとわれわれも考えておるのでございます。もちろんお話のように、一般の経済が安定いたしまして、各事業とも相当に復興といいますか、振興せられまして、失業者が全然なくなるということは、もちろんわれわれも希望しておるのであります。失業対策事業は、ただこういう変轉期におきまする時間的のずれから出て來る一時的な失業者、それをできるだけ救済して行くというところに重点があるのであります。かように存じております。
#25
○池田(峯)委員 失業者を政府の方でどんどん出すような政策をとつておいて、失業救済の方で何とか名目だけでも救済するというようなやり方では、ほんとうの失業救済にはならない。特に私どもの建設委員会に関係ある建設事業の方面を見ても、たとえば通路などをやつておる日本鋪道などでは、仕事はある、とればとれる。しかし資金がこれに伴わない。どうしても三割ぐらいの前渡金をもらつて行かなければ、とてもやつて行けないというようなことを言つておりますし、それからスレート工業などにおいては、六・三制の建築などが暗礁に乗上げましたために、非常にストツクがありまして困つておる。ですからどうしても労働者を首切らなければならない。こういうことが出ておる。それからある鉄筋コンクリートの建築なんかにつきましても、坪当り二万八千円くらいで落すという業者がある。これでは鉄筋コンクリートが、おそらくちよつとした地震があればガラガラとくずれてしまう。きわめてあぶない建築物だと思う。こういうように業者が困つている原因は何かというと、政府の金詰り政策である。金を詰らしておりますから、どうしても業者は失業者を出さなければならぬ。ここに問題があると思う。労働行政の方でも、この失業者を出さないというところに重点を置かなければ、建設業者の健全な育成というようなことを言つたつて、とうていできない。政府の方から先ほど資料を出しましたが、企業整備などもどんどんやつている。やはり今までの政府の政策の結果、こういうふうに向上、事業場がつぶれて失業者が出て行くのだ。これを根本的に直すことをわれわれは考えなければならぬのではないかと思う。そうでないとすれば、意識的に失業者を出して、これを二束三文で使うところに重点を置いているのではないかと思う。失業者を出さない方に重点を置いているのか、それとも失業者を出して労働賃金を下げて、これを安くこき使つて大資本家をもうけさせるというところに重点を置いているのか、どちらかだと思う。そういう点についてもう一ぺん伺いたいと思います。
#26
○新谷説明員 私からお答えするのは多少筋遣いかとも存じますので、他の機会に経済安定本部長官からお聞きいただくとよいかと思います。しかしわれわれの方の狭い範囲からお答えいたしまして、労働省としても失業者の多いことを望んでいるわけではない。ただ一般的に経済を建て直すために、いろいろの経済政策がとられ、その結果として出て來る失業者に対しましては、できるだけこれを救済し、経済の安定を持つて、これらの失業者がそれぞれの職場に雇用される時期の、一日も早からんことを期待しておるのであります。そういう意味で労働行政としましては、失業者をいたずらに出すことを希望しておるのではないのであります。
#27
○池田(峯)委員 失業救済の事業で、一日どのくらいになるか、それについて伺いたい。
#28
○海老塚説明員 これは全國まちまちでありますが、東京で二百四十五円であります。
#29
○村瀬委員 失業対策事業と公共事業とは非常に密接な関係がありますので、資料の比較的責任のあるものを一應御提供願いたいのであります。先ほど内閣統計局からのいろいろな統計の御説明がありましたが、六月で打切つてあります。実際失業者のふえつつあるのは七月以後と思います。そこで失業保險の給付状況の統計は七月に出たのでありますが、これによりますと三月が五万二千、七月が十五万六千でありまして、ちようど三倍になつている。そういたしますと、内閣統計局の方は三月が三十八万でありますから、百万以上ということにもなろうかと思いますが、一体労働者の方は、今月並びに十月ごろにどれだけの失業者が出るというお見込みでありますか。今第三・四半期の失業対策事業費の相当の増額を補正予算として御要求になつているそうでありますけれども、この失業者の見通しの数がはつきりしないことには、こういう補正予算も強行に主張できないと思う。その数について、今月末ごろから十月ごろを境としての、かなり自信のある資料を御提出願いたいと思います。
#30
○海老塚説明員 たびたび各方面から失業者の数字を実は要求されております。先ほど申し上げましたように、過去の失業者の数字といたしましては、内閣統計局の数字以外に組織立つた数字はないわけであります。それならば將來この失業者の数がどういうふうに動いて行くであろうかということになりますと、要素といたしましては、出て來ます離職者の数字と、吸収すべき産業の余力ということを見通しまして、失業者の数字をはじかなければならないわけであります。これがどんなに困難であるかということは、ちよつと考えただけでもおわかりになるかと思いますが、われわれが予算を要求いたしますときには、いろいろ数字をつくりまして、その当時におきまする失業者の推計を出すわけでありますが、その場合にもいろいろの條件をつけなければいけませんので、ただいまここでその各月別の推計を出していただきたいというお話でございますが、ただいま持つてもおりませんし、なかなか困難な問題ではないかと考えております。
#31
○新谷説明員 ちよつと補足して申し上げます。
 失業者の数の問題であります。これは十分御承知かと思いますが、一体失業者というものはどういうものかという定義からしてきめてかからないと、失業者の数が出ないのであります。先ほど主管課長から申し上げましたように、ただいま出しております内閣統計局の労働力調査のように、ああいう條件による失業者というものは、御説明申し上げたように四十数万、あるいは最近では三十六万と多少減つておるというような数字になつておるのでございます。これは結局ただいまのところ、ああいう條件の観念で失業者の数を出しておるところから來ておるのであります。もちろん私どもも五月、六月、七月と、失業者は相当の勢いでふえておるということは考えておりますけれども、減つておるとは考えておりません。しかしそのいわゆる失業というものは、先ほど課長から申し上げましたような條件、そういう定義の失業者ではないのであります。あるいは観念的にはどれが正しいかわかりませんけれども、多少その月のうちの数日間、あるいは十数日間は何かの職についておるかもしれませんが、しかし生活をするのに非常に困つておる。通俗的に言うとそれも失業者かもしれません。そういうものもわれわれの方としてはやはり失業救済事業でまかなえる部分はこの部分でまかない、あるいはもつと廣く見れば、社会保障制度でまかなうべきものはまかなつて行かなければならぬというふうに考えております。これについては單に労働者だけではなく、厚生省との関係も生じて参りますので、今の厚生省の社会保障のいろいろの施設とのかみ合せ、それとの連絡ということにつきましても、実は両省で相談を進めておるような状況なのであります。お尋ねの数字に関しましては、そういう意味で内閣統計局の労働力調査によるああいう定義による失業者ということになりますと、おそらく大きなふえ方はしないだろうと考えるのであります。しかしわれわれが考えなければならない失業対策事業の対象としての救済人員というようなことになりますと、これはまた大分違つた数字になつて來るものと考えておるのであります。その点は課長の説明が少し足らなかつたようでありますけれども、失業保險を受けます人間の数でありますとか、あるいは職業安定所の窓口に参ります求職者の数でありますとか、あるいはそれ以外にも、なお安定所に求職をしないいわゆる部分的の失業者も相当あろうかと思うのであります。そういう條件を考え合せまして、大体この程度ということをきめて行く以外にはないかと思つておるのであります。この点は各國の例を見ましても、失業者の数というものはいろいろ違つておりまして、從つて統計のとり方も非常にかわつておるのであります。この点御了承を願いたいと思います。
#32
○淺利委員長 本委員会としては、主として公共事業の関係において失業問題を檢討するはずであります。だんたん失業自体の問題に入りますと、なかなか範囲も廣くなつて容易でないと思いますから、時間も迫りましたので、公共事業関係の方は大体わかつたようでありますから、この程度で質問を打切りたいと思います。
#33
○三池委員 ちよつと――失業対策費で公共事業を取り上げられて、失業者の吸収率を失業が出てから大体三〇%見込んでおられるようでありますが、災害復旧工事にも失業者救済のために失業者を使う方針であるかどうか。
#34
○淺利委員長 その問題は先ほど安本の方の所管に属するという説明があつたのであります。ですから午後から質問していただいたらと思います。
 それでは労働省関係の失業対策と公共事業との関係の質問は、この程度で打切りたいと思います。なお午後は労働大臣も――今まで次官の御説明もありましたが、なお大臣の御出席を要求されて質問される方がありますかどうか……
#35
○村瀬委員 あります。
#36
○淺利委員長 それでは労働大臣、安本長官、大藏大臣の出席を要求いたします。御質問なさる方は、あらかじめ前もつて御通告をいただきたいと思います。
 それでは午前の会議はこれをもつて打切りまして、午後は一時半から開会いたします。
    午後零時二十九分散会
     ――――◇―――――
    午後一時四十二分開議
#37
○淺利委員長 午前に引続き会議を開きます。
 日程にあります都市計画に関する件を議題といたします。現在戰災都市を初めといたしまして、各地の都市計画が停滞しておるありさまであります。また都市計画の構想等につきましても、現に東京におきましては、さきに三十間堀埋立ての問題があり、最近また上野不忍池埋立ての問題も生じておるようであります。ここにおいて都市計画促進のために再檢討の必要性を認め、また都市計画の構想等についても、確固たる方針を立てる必要があると思われるのであります。これらの点に関連いたしまして、まず当局より一應の御説明を願います。
#38
○八嶋説明員 昨日天野先生から地方御視察の中で、富山、福井、大阪等を例に出されまして、戰災復興の実情がはなはだ思わしくない、ことに補助率も本年度は前年度よりも低下し、さらには事業予算等も非常に僅少であるために、地方といたしましてお困りの実情等につきましても、詳細御意見を承り、また最後にこれにつきましての貴重なる御示唆等もいただきまして、私どもまことに感謝にたえない次第であります。
 御承知の通りに戰災復興につきましては、計画の面と事業の実施面とがありまして、事業の実施面につきましては、当初戰災の区域全國一億八千万坪につきまして、これが戰災復興の方途を戰災復興院時代に立てたのであります。これに基きまして、当時の昭和二十年の閣議決定をもつて戰災復興の基本方針をきめ、この線に沿つて着々と事業の進行をはかつて参つたのでありますが、不幸にいたしまして戰災復興に関します予算は思わしくなかつたがために、実は昨年安定本部と協定をいたしまして、区画整理の面積を大体一億坪ということに限定をいたしまして、これを五箇年間で完成する一應の方途を作成して参つたのでありますが、御承知の通り、本年度の予算の査定にあたりましては、経済九原則、ドツジ・ラインの線に沿いまして、戰災復興の経費がさらに大きな斧鉞を加えられましたことは、私ども事務当局といたしましても、まことに遺憾に存じておる次第であります。戰災復興の仕事が遅々として振わず、ために地方に対しましてもいろいろと御迷惑をかけております点につきまして、まことに恐縮に存じておりますので、今回戰災都市の都市計画の再檢討に関します案件の閣議決定をいただきまして、これに基きまして実施要領を策定し、建設省内に戰災復興の競技会を設置いたし、関係各方面の御意見も拝聽いたしまして、その決定を各府縣都市に流して、実は再檢討をいたしつつあるのでございます。実は去る本月の六日から本月いつぱいにかかりまして、各都市ごとにこの示しました方針と各都市における実情等を十分にお聞きいたしまして、再檢討案の最後の作成を急いでおるような実情になつておる次第であります。
 つきましては再檢討の方針につきまして簡單にお話を申し上げてみたいと思うのであります。昨日お手元に配付いたましたのが、閣議決定案と実施要領案でございますので、詳細につきましては、時間の関係もございますので省きたいと思いますが、大体の骨子だけを簡單に触れてみたいと思います。都市計画の面といたしましては、御承知の通りに計画として決定いたしますものと、事業として決定いたしますものとあるのでございます。計画として決定いたしまするものは、いろいろとこの面で地方民に御迷惑をかけております問題は、建築の制限がこの計画面として働いて参りますので、その計画が再檢討ということになりますと、もう少しはつきりしたものをこの檢討の上において現わして行かなければならない。こういうことになりますので、計画面といたしまして、私どもとして從來いろいろと皆様方からの御意見もあり、また各地方からのいろいろの陳情等もございまして、考えました面は、街路の幅員の問題と、公園緑地の地域の問題でございます。街路幅員の問題につきましては、当初の方針といたしましては、大都市につきましては幹線街路五十メートル、中小都市におきましては幹線街路三十六メートル、そのほか補助幹線等につきましての詳細なる規定がございますが、小都市等につきましては幅員が度過ぎるがために、いろいろと御迷惑をかけておるような事態もございますので、今回の再檢討の問題といたしましては、街路幅員の問題につきまして、はなはだしく廣いためにその実現性が非常に困難である、緊要性もそれほど考えられないような場所等につきましては、これを再檢討をして参りたいと思います。また公園、緑地等の問題につきましても、大都市等におきまして相当大幅にとつておりまするがために、建築の制限が強硬に働きますので、この点もひとつ再檢討をして見ようじやなかろうかということにいたしまして、計画面といたしましてはこの二つの問題をとり上げたのでございます。
 それから事業実施面、これは主として予算の面からいろいろの削減をこうむりますので、從來の計画が決して悪いということを申し上げるのではありませんが、これも予算の面から節減し得るところは節減をして、第一番には区画整理の区域の面積を、ある程度縮小し得るところは縮小して参りたいと思つております。それから設計なり工法といつた面につきまして、できるだけ現状に即應いたしまして、あまり基盤張りのようなきつちりした理想的な形にまで持つて行かなくても、できるだけ現状を尊重いたしまして、金のかからないような方法なり、くふうをはかつて参ろうと考えております。たとえば家屋移轉の問題にいたしましても、できるだけ現状に即應したような形で持つて行こうじやないかというような点を、実は考えて参つたのでございます。それからまたいろいろと鉄道用地とか、運河用地とかいつたようなことのために、それがいつ実現することやらわからないというような地点もあります。その土地を区画整理によつて編み出すということになるといつ一体それが実現することやらわからぬというような事情になりますと、非常に御迷惑をかけますので、一應計画は存置いたしましても、区画整理の用地としては、これを確保しないというような方途も考えて行きたいと思いまして、実は事業実施面からはそういうようなことを考えて参つたのでございます。
 区画整理の実施区域の問題等につきましては、本年度も相当進捗を見まして、あとは自力で行き得るというようなところは、今年は戰災復興の指定からも省いて参つたのでありますが、來年度等におきましても漸次そういうような方針をとつて参りたいと思つております。一面におきまして、家などが非常に建て込んで、事業実施が困難であるというような地域等も、できるだけ省いて行くということも考えて参つたらどうかというような方針で、実はやつておるのでございます。今まで大体換地の発表を終り、工事の実施もいたしておつたというようなところは、再檢討だからと言つて、根本的にこれを改変いたしますることは、かえつていらざる予算を要しまするので、そういうところは、あくまでも原則といたしましては既定の方針通りにのつとつて行くことにいたしまして、いたずらなる混乱を惹起させないようにいたして参りたいと思うのでございます。こういうような方針に基いて再檢討を加えましたものにつきましては、戰災復興だということで、いつまでも市民に御迷惑をかけるというようなことであつては困りますので、何とかこれを五箇年以内に完了し得るような財政的な措置を、今後お願いしようという意味におきまして、この点も特に閣議決定の中に諮つていただいたのでございます。こういうような問題について、廣く御意見を拝聽いたしますために、建設省内に戰災復興対策協議会というものをつくりまして、これの幹事会におきまして、各都市から出て参りますところの案につきまして、目下再檢討を急ぎつつあるような実情でございます。まだその結論が出て参りませんが、來月の上旬くらいには一定の結論を得たいと思います。本日その結論をお話申し上げることができないのははなはだ残念に存じますが、一應以上申し上げましたような方針にのつとりまして再檢討をいたしておるということを、御了承願いたいと思うのでございます。
#39
○淺利委員長 引続き御質問があると思いまするが、委員の要求によりまして労働大臣が見えております。大臣は午前は閣議があり、またこれから関係方面に御用があるそうでありまして、非常に時間が制限されております。大臣に対する質問の通告は四人ありますが、なるべく公共事業に関連した、建設委員会に直接関係ある点に重点を置いて、純労働対策とかいうような問題に対する質問は、時間があつたらしていただくことにいたしまして、簡單に要領よく御質問願いたいと存じます。
 それでは質問の通告の順序によりまして村瀬委員。
#40
○村瀬委員 建設委員会の本旨を体して、なるべく限られた範囲で質問をするようにというただいまの委員長のお話でありましたが、やがて開かれるでありましよう臨時國会に対する補正予算に対しまして、公共事業に関する限りの一つの意見をとりまとめて、これが実現方を強力に推進して行きたいというのが、本委員会を開いた趣旨であると委員長から報告があつたのでありますが、公共事業費は幾らが適正かと考える上におきましても、失業対策事業費をどのくらい見ておるかということとは、切り離せない問題でありますので、多少多岐にわたりましても、できる限り詳細にお答弁を願いたいと思うのであります。
 失業対策事業費が八億八百万円計上されておりますることはわかり切つておるのでありますが、今日の情勢に立ち至りまして、この失業対策費を大幅にふやさねば、社会不安はとうてい治まらないということは万人の常識であります。そこで労働者におかれましても、適当な措置をお考え願いたいと思うのでありますが、現在御計画中のものをまずお示し願いたいと思うのであります。それから午前中質問をいたしましたが、一向はつきりした数字を御発表にならなかつたのでありますが、たとえば現在の八月末、あるいは十月末ごろに、どのくらいの失業者が日本にできるか、これは公共事業費をわれわれが眞劍に吟味する上にもぜひ必要でありまするが、むろん將來のことでありまするから、数字で割り出すようなことには行かないかもしれませんが、何かの基準なくして労働行政は行われ得ないのでありまするから、その辺の基準をまずお示し願いたいと思うのであります。
#41
○鈴木國務大臣 委員長からの御注意で、建設事業としての公共事業の面においてなるべく話をし、また質問するようにというお話でありましたが、私をお呼び出しになつたのは、主として失業対策の問題につきまして、ただいま御質問にありましたように、やや横にそれるかもしれませんけれども、やはり失業の問題についての考え方を一應申し上げませんと全体が捕捉できません。少しその方面を申し上げます。
 第一番に公共事業の失業対策としての考え方という点でございましたが、これは少しぶしつけな言い方かもしれませんけれども、多ければ多いほどいいのだ、これはわかり切つておりますし、また実際十億でも二十億でも多いことを切望しておるという立場はわかりませんけれども、しかし現実の問題といたしましては、今の予算、それから見返り資金等の制度とにらみ合せまして、実現可能な範囲において私どもの失業対策の一環としての公共事業を考えなければならないと思うのであります。それであとの方の御質問と交錯しますけれども、大体どれくらいの失業者が出て來るのだという御質問につきましては、午前中事務当局から断片的に幾つかの現象をあげて、統計はいろんな関係方面との関係もあり、また事実上將來出て來るものを確固たる形で捕捉するということは、日本の今の統計技術その他では不完全であるけれども、たとえば失業保險を受取りに來ておる人たちの趨勢はこうでありますとか、安定所に現われた趨勢はこうでありますとか、断片的な形でもつてほぼ全体の推移が推測できるような形で、おそらく御説明したろうと思うのであります。これらの点につきましてはさらに御質疑がありましたならば、事務当局からお答え申し上げさせますが、総体としての失業者というものの考え方、捕捉の仕方はどういうふうに考えておるかという点が、おそらく私に対する御質問の中心と思います。この点につきましては、一應御了解を得ておきたい点は、いろんな関係方面との関係もあつて、一つはその数字の檢討に時間を要し、そのまま一應捕捉したものをそのままやろうという段階に至つていないことが一つ。また実際上の問題として、なかなか推定であるからして容易に捕捉できないということが一つ。そういう関係がありますが、それらを考慮いたしまして端的に申し上げますれば、この春の第五國会におきまして、私は衆参両院に対しまして、今から將來出る失業者の数はどれくらいかという質問に対して、かなり部門別のケースもあげましたけれども、結論として離職者と職業を必要とする失業者というものの数は、必ずしもぴつたりと一緒になるものではなくて、一應離職した者の中にも、病氣とかあるいは老齢とか、御婦人の方ならば結婚ということの方にコースをとるために、さしあたつて就職を必要としない人たちもあるからして、その間に差はあるけれども、大体百万ないしは百六十万くらいの人たちを対象とするところの失業対策というものを、今年度の下半期までに考えなければならないような推移をたどるのではないかという説明をしたはずであります。そしてその数字の出て來るところの部門別につきましても一應申し上げたのでありまして、それらはすでに新聞あるいは國会の速記等にも残つておるはずであります。もちろん当時も推定でありまするし、今日も推定であります。しかしながらさつきも申しましたように、安定所に現れて來ておるところの数字、それから失業保險を受取りに來ておるところの数字、その他われわれの現在の機能において把握し得るところの各方面からの数字を総合いたしますると、当時私たちが立てましたところの推測のこの数字、條件に、あまり大きく変更を加えなくていいような、つまり失業者は一部の人たちが言うような、破綻的な勢いをもつて押しておらないと同時に、またごく一部の人が言うような、手放しで安心していていいような推移でもないと、こういう過程をたどりまして、今日においても、労働省当局としては百万ないし百六十万という数字は変更しなくてもいいのじやないかという確信を持つておるわけでございます。そういたしますると、さつきの第一の公共事業法の中に、すでに御質問の前提として、もう少し横道にそれるかもしれませんが、御説明申し上げますと、これをどういうふうに措置するかというのが基本でありますが、これは関係方面の考え方も、現在の内閣の考え方も、労働大臣としての私の考え方も、結論において同じでありますが、今度のようなこういつた相当量の失業を措置して行くところの失策対策は、あくまでも國民経済の組みかえと、新しい雇用面の拡大、その方面に最終的に雇用を吸収し、安定して行くという考え方を根本に置かなければならない。しかしそれは実際の問題としては、とうてい半年一年をもつてそういう安定の状態にまでは達し得ないであろう。將來のことだから明確な推定はできませんけれども、私どもの考え方では、今年度と明年度と明後年度の方と、つまり失業の最もひどくなつて來てから二年くらいの期間を置いて、計画的に漸次年度末における失業者の残つておる比率を少くして行つて、そうして一定の度合い、たとえば全体の有職人口、日本では三千四、五百万でありますけれども、それの二パーセント前後の失業者は、これは完全雇用の状態においても、ほんとうの数字が列國にあるのでありまして、そういつた状態にまで持つて行くことができましたときに、初めて一應失業問題は解決したというと大げさでありますけれども、一應措置し得た、そういうふうに考えられると思うのでありまして、そういう考えのもとに、それでは百万ないし百六十万の措置を本年度においてどういうふうにするか、今申し上げましたような全体的な考えを、二年ないし二年半先まで延長して、その一環として、最も重要な時期として今年度の方途はどうするかという問題であります。それに対しまして私どもの計算したのは、國会においても御説明申し上げましたけれども、一方で失業者が出て來る。しかしいかなる場合にも新しい雇用はあるのでありますが、失業者の出るだけそれだけ新しい雇用があるはずはありません。それでは失業問題は出て來ないですけれども、相当ある。一体どれくらいあるか、これも推定でありますけれども、当時私どもは、一般國民経済の方面において四十万くらいの新しい雇用は出るであろう。それから見返り資金が時間的に遅れることなく集中的に投入されるならば、二十万ないし三十万――おそらく三十万の被雇用がこの方面から期待できるであろう。そうすると約七十万の雇用というものは一般國民経済のうちに、あるいはまた見返り資金の投入によつて、本年度のものにおいても――百数十万の失業者はあるけれども、一方においてそういう雇用は期待されるという見通しを申し上げたのであります。その後の推移におきましても、私どもはこの数字が著しく違つているとは思つておりません。たとえば安定所において、なかなか就職率は少いのでありますけれども、十万人くらいづつ、年に百万人、百二十万人くらいは就職している。しかしこの人たちの就職は安定ではないのでありまして、その中にほんとうにおちつく人たちは一体どのくらいかというと、現在安定所で調べたところでは三割、三十パーセント前後は安定の形をもつて行かれるじやないか、おちついて來るのじやないかと思つております。それから、たとえば安定所を通じません國鉄の整理におきまして、実例をとりますと、約九万人の整理された人たちの中で、五万人とちよつとくらいだと思いますが、われわれの調査によつて就職を必要として求めておる人たち、そのうちの二万四千人は安定所を通じてではありませんが、鉄道当局の努力によつてすでに就職しております。そういうふうにして考えて参りますと、本年は二十一万出て來たところの行政整理のあの人たちのうちでもつて、五、六万は老齢により、あるいは病氣により、あるいは帰人の方で結婚の方に向いて行つて就業を求めて來ない、そうすると十五、六万人かりに來たとして、國鉄の例は最も就職率の高い面でありますから、同じようには考えられませんけれども、おそらく本年度におきましては五万から六万、七万くらいの推定でありますけれども、行政整理によつて現われたところの失業者で、職を得たがつておつて得られなかつたという人たちは、それくらいの数字になつて行くのではないかと思います。こういう情勢を勘案いたしまするというと、百万ないし百六十万人の失業者のうちで、さつき申しました約七十万人の人たちが、新しい雇用の中に本年度において就職して行くという考え方は、著しく間違つておらないと、今までの推移をもつて思つておるわけであります。そういたしますると、三、四十万ないし百万の人たちに対する失業対策というものが、この新雇用を別として考えられなければならないということになるのでありまして、それがいうところの失業対策の対象だと思つておるのであります。この場合に、失業対策事業というものを展開して、三、四十万人でも、あるいは場合によつては百万人でも、直接政府の失業対策に吸収して行くということができますならば、失業対策の面よりだけ行きましては満点でありますけれども、実情では、そういうことは財政関係でできないと思います。またいずれの國でも、こういう場合におきましては、まずまつ先に動かしますのは失業保險の制度であります。幸いに、日本には現在の予算に計上されておるだけでもつて、特別会計の予備費まで使いまするというと、六十万人、百三十億円の失業保險を拂い得るところの準備ができておるのでございます。最大限に動かせば、百十万人まで、つまり昨年の剰余金まで動かして、政府がその二分の一まで受持つという予算的措置さえすれば、百十万人まで應じ得る準備ができておるのでありますけれども、こういうような形でもつて、失業保險を無限に拂つて行くということは、失業対策としては下の下であるとともに、言うまでもなく、その人たちは、六箇月たてばまたもとの失業状態にもどつて來るのでありますから、失業保險はその段階の急に應ずるだけのものであり、政府の緊急失業対策が急には間に合わぬというときに援用する方法であつて、予算においては三、四十万人、場合によつては五十万人くらいまでは應じ得るという準備は整えております。実際においても、去年の暮の十二月に失業保險をとりに來た人は、その金額は二千九百万円であるのに対して、その七月には四億円を越えておる。八月には七億円くらいにはなるのではないか、九月に十億円に達するのではないかという推移をとつております。これだけ見ておりますというと、恐るべき数字でふえておるようでありまするけれども、そう無限にふえて行くのではないのでありまして、今年の十月、十一月あたりを最高といたしまして、半年くらい横ばい状態が続いて行く、それから落ちて行くという推移をたどつて來るのではないかと思つております。
 話は大分ごちやごちやして参りましたが、そういうふうに述べて行くと、最後に残つて來るところの人たちは、三、四十人の人たちであつて、その人たちに切実な手を準備しておかなければならないという、ぎりぎり決着の数字が出て來るわけであります。この人たちに対して、できることであるならば、公共事業を展開いたしまして、そうして失業対策に應じて行きたいのが私どもの考え方でありまするし、そう行けば非常にいいのでありまするけれども、予算の関係で、三、四十万人のの人たちを吸収し得る皇居企業を今度開し得る予算的関係に立つておるかどうかという問題は、建設大臣もおいでになりまするし、皆様自身もよく建設方面のことを御存じだと思いまするけれども、にわかにそれを望み得ないという状態でございます。私どもはこの面において、できるだけ公共企業を起して、そうして急に應じて参りたいと思つております。その一つの考え方といたしまして、建設大臣からのお話があつたかもしれませんけれども、一般予算、補正予算だけではなくて、見返り資金の利用も何とか――見返り資金は、あれは投資であると言つておりまするけれども、そういつた技術的な面を克服して、出し得るものがあつたならば、その方面から出してもらえば非常に助かる。一應百億と新聞でも傳えられておりますが、それを交渉もし、今も折衝を続けております。必ずしも樂観を許すような推移をたどるとまでは言い得ませんけれども、事実あの中に、リザーヴとして百億くらいの金は残されておるのであります。そうしてそれに対しまして、私自身の折衝したところによりますると、そううまくすらすらとあれが公共事業に出て來るとは思いませんけれども、必要なときには出し得る形においては残つておるのだという言明はしておるのでありますから、絶望であるというような関係ではないと思います。
 もう一つは、補正予算の関係及び二十五年度の予算にできる限り公共事業費をとつていただきたいと思うのでありまして、この点はむしろ私の方から皆様の方にお願いいたしたい点であります。そうしてそれでなおできなかつたものに対しまして、これは建設委員会とは関係がありませんけれども、緊急失業対策を展開する。ただいま御指摘の通り現在それに計上されておる金は八億八百万円でありまして、足りないことは事実でございます。私どもも足りないことを痛感いたしまして、補正に盛るのでありましようが、そういう考えのもとに、段階的にもいろいろな点を考慮しておる。そういうわけでありまして、いろいろごちやごちやと申しましたけれども、大体そういうふうな形でもつて、失業問題の措置というものを考えておるのでありまして、そのうちで公共事業費の占めるところの性格というものは、ただいま申し上げた通りでありまして、できるだけ多くしていただきたいという考えを持つておるのであります。
#42
○村瀬委員 われわれは極力公共事業費をふやすために努力をするのでありまするが、その場合にも、失業対策事業というものは公共事業とは、その法律においても、また事業そのものの業種におきましても、異なる部面が多くありまするが、また共通の部面もあるのでありまして、その辺で相当の災害復旧等ができまするならば、かりにわれわれの方で二百億要求したいと思うが、百八十億でもよいということにもなるのであります。そこで現在八億八百万円では足らぬということははつきり御答弁になつたのでありまするが、どの程度までの失業対策費が今必要とされているとお考えになつておるか。もう少しはつきり言いますならば、來るべき臨時國会にどのくらい御要求になる御予定があるか。これはいろいろな御関係があるのでありましようか、もしおさしつかえないといたしますれば、お示しを願いたい。もしまた金額の方で悪いということでありますれば、こういう方面からお答弁を願つてもけつこうであります。八億八百万円を組むときにはこのくらいのものを予定しておつた、ところが今は三十万ないし四十万を対象としておる、こういうふうなお答えでもけつこうと思います。
 それから、もう一つお尋ねいたしたいのは、見返り資金から二、三十万人を雇用し得るほどの事業を期待しておる、またこれは予算編成当時と今なお何らの変更を認めないというお話でありましたが、われわれの考えまするところでは。この見返り資金が最初千七百五十億円と言つておりましたのが、千四百十億円というふうになつて來ておるようでありまするが、またこの間さらに、日本人には耐乏生活を要求して、援助費は減るかもしれぬということも、新聞に出ておつたようでありまするが、この見返り資金がかりに千四百十億円といたしまして、安本長官が七月に御答弁になつたところによりますと、第一・四半期では百億円として、第二・四半期で百三十億円くらい半年かかつて二百三十億円くらいが資金化されるであろうということでありました。そういたしますと、千四百億円と言つておりまして、大半は年度末、あるいは來年度において資金化されるということになると思うのでありますか、とにかく見返り資金が、当時政府がまたわれわれが期得しておつたほど時期的にうまく放出されるか、われわれは非常に心配になつて來ておるというのが事実であります。いわゆる放出はされるであろうが、時期的ずれが、最初からわれわれは相当ずれると思つておつたのでありますが、さらに思つておつた以上にずれるのではないか、そうすれば、今労働大臣のお話になりました二、三十万人は見返り資金から雇用されるであろうという、最初の御計画の見当を今なお堅持されておるかどうか、予算編成当時はそう思つておつたが、どうも今日の情勢ではこれが十五万人とか二十万人に減つて來たとはお考えにならぬかどうか、その点伺いたいのであります。
#43
○鈴木國務大臣 補正予算その他について、失業対策をどれくらい現実に盛るのかという点につきましては、私としては考えももちろんございますし、一應まとまつてもおりますけれども、微妙な関係もありますので、御質問の中にも、もしその数字を直接的に言えないならば別の形ででもと言われたのでありますが、その数字を八億では少いということはわかつておりますが、直接的な数字を申し上げるのは、今日の段階ではお許し願いたいと思います。ただこれはもう過去の事実でわかつておることでありますが、二十四年度の予算を盛るときに、ドウジ氏の予算の線でもつてこれは消されましたけれども、百億円とちよつとを失業対策として計上したという事実は皆さんも御承知の通りであります。その問題はドツジ氏の予算の立て方によつて八億円に切られておりますけれども、將來失業が深刻になつて來た場合においては、緊急失業対策法というこの前の國会においてご賛同を得ましたあの法律を援用して、必要な資金を加えてやつて行くのだという御説明であつたことも御承知の通りであります。今日においてもさつき申しましたように失業の状態は大体われわれが投じ推測しておつたあの数字から著しい変化はない形でもつて推移しておると申し上げたものでありまして、從つて緊急的な失業対策に要する年間の数字も、大体そういうものではかなろうかという考え方に変化はないと思います。補正予算に盛られるといたしますならば、年間でなくて残された数箇月間にそれが按分的に引直された形で盛られるということになればよいわけでございます。大体それによつて考えておるところの数字というものは檢討をしていただきたいと存じます。もちろん緊急的な失業対策の主要がウエートがこうかかつて來たのでは、実際の今のこれだけの失業の状態においては、百億あつても二百億あつても足りないでしよう。それはそれでよいという意味は、一般的な財政、國民経済の立て直し、特に見返り資金の力が一方において強力に働いて來からよいのだという考え方に立つておる点でありまして、第二の御質問の点、見返り資金の浸透が遅れておる傾向があるのではないか、從つて三十万と見込んだところの数字は、訂正の余地が少くとも今年度においてあるのではないかという御質疑でありましたけれども、この点につきましては、私はしばしば関係大臣にも失業対策の面から発言して、急いでその浸透をはかつていただきたいということを申し出でてもおりますし、現在までややその技術的な面で檢討の余地があつたと思いますけれども、本年の暮から本会計年度末にかけてあれを残しておくというはずのものではありませんから、急速に相当量の資金が撒布されて行くと私どもは考えております。またぜひそうしなければならないのでありまして、私どもといたしましては、その三十万人という数字は多少時期的ずれによつて変更するような場合があるかもしれませんが、でき得る限りその線に近づけなければならないと思つておりますし、また努力を重ねておるわけであります。
#44
○村瀬委員 これもまた公共事業費審議の必要上お尋ねいたすのでありますが、失業対策事業を起す基準というものを一應お示しいただきたいと思います。それからもう一つは、國庫補助率を、失業対策事業をやられる場合に、どの程度高められる御方針であるかというような点もお尋ねいたします。それからこれまた公共事業費審議上必要でありますので、もう一度お尋ねするのでありますが、一般の新しい雇用を約四十万人予算編成当時にも見たし、今も見ておるというようなお話であつたのであります。予算編成当時から今日までの日本の國力といいますか、生産状態、資金関係等をくらべてみますときに、われわれは非常な不安と一つの歎きを感ずるものでありますが、労働大臣は石炭の滞貨の山を築いておる今日、なお日本の生産界は予定通りのカーヴをもつて進んでおるとお考えになるでありましようか。また今日のような資金詰まりの状態で、はたして三、四月ごろにお考えになつた四十万人の新雇用というものに、非常な減少の一つの状態を予期されるというお考えはないのでありましようか。四月ごろに考えた同様の状態で日本の経済界並びにアメリカの経済界等は動いておる、かようにお考えでありましようか、この点お伺いいたしします。
#45
○鈴木國務大臣 第一番の御質問は事務当局から説明してもらうようにいたします。それから公共的な失業対策関係の事業の國庫負担の率を考えてないかという御質問でありましたが、考えておりますけれども今日ではそれをどの程度に國庫の負担を引上げるということを申し上げる段階になつておりませんので、考えておりますということだけをお答え申し上げておきます。それから日本の経済の推移の問題はこれは責任をのがれるわけではありませんが、むしろあすにでも出席される安本長官から詳細に聞いていただきたいと思います。私どもの当時四十万と推定した数は、相当デイス・インフレの過程においてそうであると推定したのでありまして、一應それはそのデイス・インフレの過程の下降線がお前がそのときに考えておつたよりはもつとはげしい傾向があるのではないかという考え方もあるかもしれませんけれども、相当のデイス・インフレの過程においてなおかつ四十万をはかり得るという考え方また、現在そういう実情から見ても、各断面をとつて行きますると、その程度の新雇用というものは、計算してみるとこれはあると見られるのでありまして、ここに著しい変化の必要は今のところ認めておらないのでございます。
#46
○淺利委員長 なお通告した方が三名もあります。大臣は先刻も申し上げたように、時間の制約がありますから、大臣に対して、大臣でなければ答弁のできないような問題に限つてごく簡單にお願いしたいと思います。
#47
○池田(峯)委員 先ほど村瀬委員の質問に対する労働大臣の答弁の中に、新しい雇用面を拡大するということがありましたけれども、これは労働大臣としては、どういう面で新しい雇用が拡大して來るのか、これをひとつお伺いしたいと思います。
#48
○淺利委員長 池田君、先刻申し上げたようになるべく公共事業関係についてひとつ……
#49
○池田(峯)委員 公共事業費をどういうふうにに組むかということで失業者ということが非常に重大でしよう。その失業者が新しい雇用面で別の方へ行くのだつたら、公共事業費はまた減額していいことになる。ですからこれは非常に重要だ。一体新しい雇用面というのは、どういう線で開けて來る見通しを労働大臣は持つておるかということです。現在農村においても、農業恐慌がひしひしと迫つておる。農村における潜在失業者というもの――日本の企業は、繊維産業なんか主として農村の過剰人口を低賃金でやつて來たのでありますが、こういつたような農村の潜在的な失業者は、これからどんどん出て來る見通しがあるのでありますし、さらにまた貿易問題などを見ても、日本の滞貨が非常に甚大に上つておる。企業が不振である、製糸業にしても何にしてもほとんど不振である。こういう企業がばたばたとつぶれなければならぬ状態にある。でありますから、先ほど労働大臣は百万ないしは百六十万の失業者であり、そういうことに対していまだに確信を失わない。この前の機会に言つた通りだというようなお話でありますけれども、これははなはだ現実の経済状態というものに対して、認識不足であるというようにわれわれは考えられる、先ほど事務当局の方からも、新しく安定所に求職する者が毎月四十万ないし五十万もあるという説明であつた。これだけ見ても、これは相当の失業者が出ているということが考えられるのでありまして、こうした失業者を、労働大臣がただいま申しました新しい雇用面の拡大によつて、百万余を吸収するというその見通し、これをひとつもつとくわしくお願いしたい。それからもう一つ、先ほど國鉄の九万人の整理において、二万数千人が就職していると言いますけれども、これは一体どういう職種に就職しているのか。これは聞きますと、鉄道弘済会などで、何かまつたくつまらないところに一時的に就職させまして、あめ売りかキヤンデー売りかやらせまして、それで当面ごまかしているということを、われわれははつきり知つている。これは鉄道という生産的な仕事に携わつている者を、あめ売り、キヤンデー売りのような非生産的な面に向けさせているというところが、非常に問題だと思う。これで失業問題は解決したというようなことは、はなはだ甘い考えだと思わざるを得ない。以上二点につきまして、どういう面に雇用面を拡大して失業者を吸収して行くかということを、具体的に詳しくお話願いたいと思うのであります。
#50
○鈴木國務大臣 私のお答えする分だけ先にお答えしておきます。私のしばしば言つておりますのは、どんな不況に向つておるときにおきましても、三千数百万の職業人口を持つておる國民経済の中では、一方において新しく行われる雇用というものもあるのだというのでありまして、こういう時代でありますから、そのことごとくが普通の意味における完全無欠な生産的雇用であるかどうかという吟味は残されておると思うのでありますけれども、こういう段階におきましては、失業保險も出し、それから緊急失業対策も展開するという段階におきましては、一應そういうところにも生活の基礎が獲得し得られるならば、そういう雇用も加えて、そうしてそこに生活の基礎を持つておいていただきたい。さらに本格的に國民経済の建直しが進んで行きますならば、その雇用がさらに完全な雇用の方に移つて行くこともあり得るであろう。しかし現在本年末のような最もはげしい時代におきましては、失業保險も援用しなければいけない、最悪の場合には、生活保護法も援用しなければいけない、それから一般的な雇用面の上昇、公共事業費というように、あらゆる方途を講ずるのでありますから、その雇用の内容に至りましては、ある程度現段階的な性格を持つておるということは、ときやむを得ない。これもあつて、そうして仕事が成立つて生活が維持されて行くのであれば、生活保護法によるよりはましである、完全無欠な雇用というものは、最終的に日本の建直しができてからのことであるけれども、私の言いました意味の雇用は、そういうようないろいろな種類の雇用を合せて、四十万人くらいはできると思う、こういうことを申したのでありまして、以上を申し上げますと、第二の御質問に対するお答えもおのずから一應申し上げたことになると思います。なお第一の御質問の初めの方の点につきましては、事務当局からお答えいたします。
#51
○海老塚説明員 各業種別の雇用の増加あるいは現象につきましては、商工省及び経済安定本部で、本年度を見越した詳しい数字がございます。非常にこれに詳しい百項目以上の商品別に書いてございますからここで述べることができませんから、後ほどお届けいたします。それから鉄道の就職でございますが、弘済会に就職いたしております者はたしか三千人だと思いますがこれの詳しい内訳もございますからお届けいたします。
#52
○池田(峯)委員 私は先ほど労働大臣が新しい雇用面の拡大がある、これで吸収するというように、非常に――二箇年ぐらい後だそうですが、その間にとにかく外画的に新しい雇用面を拡大してそれに吸収する、そこに日本経済の建直しという大きな政策が当然あるわけです。その大きな経済の中で、二箇年の間に計画的にそういう失業者をなくして、ほんとうに二%くらいの失業者しかなくする、こういう御意見であります。でありますが、こういう新しい経済政策、日本経済建直しの大きな見通し、こういうものを簡單にでも話してもらいたかつた。私ども現在の情勢を直観して考えることは、現在の政府は、何でもかんでもむりやりに失業者をつくるのだ、労働大臣なんかも、そういう点ではきわめて積極的に、労働組合法を改悪して、そうして労働者に團体交渉権も與えないで、どんどん首切るというところに、ここに失業者をどんどん拡大する、こういう政策に今や――もつと適切な言葉で言うと、狂奔しているというふうに考えられる。でありますから、こういうふうに失業者がどんどん出て來るという政策をやつておいて、これに対する失業対策というものは、これはきわめて矛盾に富んだものだと思う。一方において失業者をどんどん出しておいて、そして失業対策をやる、これはまつたくごまかしであると言わなければならないのであります。そうでないというならば、私の言うのがうそだというなら、二箇年間に日本の経済をこうこういうふうに建て直すのだという抱負、労働大臣は労働大臣の立場から、日本経済建直しの一環として、労働者の生活をこういうふうによくするのだという抱負を述べてもらう、そうすればその中において、われわれはこの公共事業費の問題、日本の河川の建設事業の問題、住宅の問題、こういうものを本委員会においてさらに檢討して行きたい、こういう建前で根本的な問題、これをひとつお伺いしたいと思うのであります。
#53
○鈴木國務大臣 あなたの方の立場からの御質問の趣旨は、一應よくわかりましたけれども、日本経済の建直しについての説明は、すでに私をまつまでもなく現政府成立以來半年以上にわたつて、あらゆる面について申し上げて來たところでございます。その線についてに、今日もひたすらその線を確信を持つて進んでおるのであります。
#54
○淺利委員長 次は三池君。
#55
○三池委員 失業対策として公共事業が取上げられて、この事業の施行に、失業者が三〇%安定所を通じて吸収されることをもくろんでおられるということでありますが、災害復旧工事に関しましては、その罹災者が失業者と言えるかどうかわかりませんけれども、特に災害復旧工事に関しましては、その罹災者を優先的に、また効率的に就労させるというような方針をとつていただけるかどうか、また將來そういう指令でも出して、方針をとられるつもりであるかどうかということをお尋ねしたい。
#56
○海老塚説明員 災害がありました場合におきまして、労働省の失業対策事業との関係はどうなるかという御質問でございますが、午前中申し上げましたように、失業対策事業といたしましては、失業者の吸収を失業対策事業においてやつて行きたいというふうに考えております。そういう根本的な建前から、当該被災地域におきまして、どういう失業対策事業を起すかということとの問題になると思うのでございますが、当然私どもといたしましても、午前中申し上げましたように、失業対策事業の中には河川の問題、道路の修復等の事業種目もあるのでございます。経済安定本部におきましては、災害復旧費として公共事業費を出すのとにらみ会せまして、どういう事業種目を失業対策事業の事業種目として、労働省の方に御連絡くださるかということになると思いますが、当然その地方に失業者がそのたびに出て來た。たとえば福井縣若狭地方で災害があつて、林道が非常な被害を受けたために、薪炭業者等が職を失つて、安定所に職を求めて來た。あるいは災害のためにそういう失業者が出て來たというような場合には、われわれの方といたしましても、当該地方に失業対策事業を起すようにいたしたいと思つております。ただ一般の災害復旧の場合の、災害復旧費等との関係もございまするから、そういう点につきましては安定本部、建設省と連絡をとりまして、きめるようになるというふうに考えております。
#57
○三池委員 今の御答弁で私が御質問申し上げた要点がちよつとはずれたように思います。私が申します罹災者というのは、たとえば堤防が決壊する。そのために非常な氾濫を起しまして、農作物などが収穫皆無になつたというような地方が、その堤防決壊の場所とは相当遠隔の地にできているのであります。そうしますと、その収穫皆無になりました農民というものは、一年間の生計がほとんど見込みがなくなるようなものでありますが、こういう罹災者が失業者と考えられるかどうか、そしてそういう罹災者に、優先的に災害復旧の工事に就労せしめるようなごあつせんをとつていただけるかどうかというような問題です。
#58
○鈴木國務大臣 ごくあたりまえの意味で考えますと、その人たちはわれわれが今議論しておるような意味の失業者というものとは立場が違つておると存じます。しかし公共事業は御承知のように、必ずしも都会中心にのみ行われないのでありまして、いろんな方面で行われる。そういう方面に対しましてもわれわれの言うような意味の失業者をある程度使つてもらいたいという考えはあるのでございまして、緊急失業対策法の中にも、そういうものを結びつけることにあの法律の中に決定しておるのでございまして、そういうことをやつて行きたいと思いますけれども、御質問の趣旨にあつたような収穫皆無のような農民の方たちを、特殊の地域における復旧事業に働いていただくということは可能であり、必ずしもそれが普通の意味における失業者でないにいたしましても、十分考えられる方式だと思います。なおこまかい点につきましては、実際に事業をやられる官廳の方面とも連絡をとりましてやつて行きたいと思います。私どもは別にそれを普通の意味における失業者という考えじやないが、そういう考え方に反対ではございません。
#59
○田中(角)委員 労働大臣にひとつ伺いたいのですが、失業対策事業と公共事業と同じわくでやるという場合、失業対策費は労働大臣の所管になつておるようなことを、この間安本で言つておられましたのですが、建設省の係官としては、実際労働者がその費用をもらつてしまわなければわからないのだ、それだからどちらの方に振り向けていいのかもさつぱりわからない、こういうふうな答弁がありましたので、私はそのときに、これは労働問題の対策を樹立するのはもちろん労働大臣であるけれども、これを直接吸収する事業は当然建設大臣が所管すべきである、だからもちろん向うの方に出される前に、密接なる連絡を建設省で持つて、共管事項であるというくらいの氣持でもつて立案をした方がいいんじやないかということを申しておいたのですが、その当時建設省の御連中は、全然わからないというような状態でありました。だからもしお聞きになるのでしたら労働大臣に聞いてくれというようなお話でしたが、この間の連絡がどういうふうになつておりますか。私は労働大臣が四半期々々に失業人員を出した場合、これに対する事業のこまかい立案は、建設大臣の方でやられた方がいいんじやないかと考えておるのですが、これに対する労働大臣のお考えはどうであるかということをひとつ伺いたい。
#60
○鈴木國務大臣 田中議員のお考えの通りなのであります。どうもときどき間違われるのでありますが、失業対策という言葉が二色に使われまして、労働大臣が直接やるという失業対策は、例の緊急失業対策法に基く――現在の予算で行けば少いじやないかと今おしかりを受けました、八億、今ふやそうとしておるこの失業対策だけは労働大臣がやるのでありますが、これは本質的というよりは、ある部分に出て來て、社会的にこれではいけないという場合に、建設的の面よりは、社会的不安を除くということを、拙速でも場合によつてはどんどんとやつて行くという意味の失業対策でありまして、さつきから繰返し申します本格的な失業対策、一つは國民経済の雇用の上昇にあり、もう一つ有力なのは、公共事業を力強く展開してもらうことにあるということには間違いないのでありまして、この公共事業を通しての失業対策というものは、われわれは失業状態を報告し、そうしてこういうふうにやつてもらいたいという希望は述べますけれども、計画をするのは安本なり建設省であつて、実際に事業をやられるのは主として建設省、あるいは農林省の場合もあるでしようけれども、労働省が事業を遂行するということは、その方面にはないのでございます。考え方は田中議員と全然同じでございます。
#61
○池田(峯)委員 充ほど労働大臣は日本経済の建直し、國民経済雇用力の上昇は、すでにこの内閣成立の当初において述べた通りである、こう言われたのでありますけれども、現実に農業恐慌がどんどん進展しておりますし、貿易も不振である。どうしてもこの政策を轉換しなければだめじやないですか。現在企業は不振である。建築業でも土木建築業でも不振です。ですから土建業も労働者を首切つたりせざるを得ない。この原因がどこにあるかというと、購買力の低下です。家を建てたいと思つても金はない。企業不振の原因は購買力の低下である。購買力の低下はどこに原因があるかと言えば、労働賃金の低下である、労働賃金の低下こそは購買力低下となり、これがこの企業不振の原因並びに失業者を出す原因になつておる。ですからどうしてもこの労働者の生活を安定する、労働者の賃金を上げるということが、日本の景氣をよくする根本的な方策でなければならない。ところが今の政府の政策で行くと、農業恐慌は起き、貿易は不振、失業者は出る、首切りは出る。これではますます國内購買力は低下して、企業は不振になる。こういう政策を轉換しなければ、どうして國民経済、雇用力を上昇することができるか。私はこの根本的な問題を労働大臣に明確に御答弁願いたいと思うのであります。
#62
○鈴木國務大臣 つまり角度はかわるかもしれませんが、完全な雇用、それから労働者も経営者も惠まれたその状態を招來するために、われわれ今手術をしておるのでありまして、この段階は目的ではないのでございます。どうぞその次にわれわれがねらつておるところの段階が來る日を待つていただきたい。
#63
○淺利委員長 それでは労働大臣に対する質問はこれで打切りまして、次に建設大臣が見えておりますが、建設大臣に対する質問の通告があります。天野委員。
#64
○天野(久)委員 補正予算に対し御質問いたしたいと思います。実は昨日も各派遣委員が各所を視察いたしましてその報告は一々各所において急を要する工事がある。そしてその事業をしつかりやらなければならない。こういうような報告でありました。そこで補正予算という話をちらほら聞いておりまするが、この補正予算に対して、建設省といたしましてはどんな程度に、どんなふうに折衝されておりまするか。その点をひとつ承りたいと思います。
#65
○益谷國務大臣 今回編成いたしまする補正予算については、現在の段階におきましては、まだ数字はきまつておりません。私の方といたしましては、主として災害復旧費について、種々檢討いたして要求しておりまするが、はたしてどれだけの金額に閣議が決定するか、現在のところは未定であります。できるだけ多くの予算をもらつて、一日もすみやかに災害の復旧をいたしたいというので、微力でありまするが、熱心に今努力いたしておるところであります。金額についてはいまだ発表を申し上げまする時期には遺憾ながら参つておりません。
#66
○天野(久)委員 大臣の御答弁まだはつきりしておらぬとこうようお話でありまするが、今われわれが各地をまわりまして、災害復旧の急を要することは言語に絶しております。そこでもしこの災害復旧が完全にできなかつたなら、わずかの雨でも被害はまことに莫大なものになろうと存じます。國土が狭隘になりまして、寸土を惜まなければならないわが國の状態におきまして、私は本予算のときにも、價格差補給金などはいま少し削つて、公共事業にまわすべきだということを申した記憶がありまするが、本年あたり、今何か價格差補給金等については、それぞれ檢討が加えられておると聞いておりますが、こういう削除されたもの、あるいは昨年あたり所得税として増徴されたものというようなものが幾多ありますが、こういう面について、建設省といたしましては、どうかひとつもう少し強力なる力をもつて、この補正予算の場合に、現在の災害を復旧できるように、強力なる要求を続けていただきたいと思います。いまだ金額がはつきりしない、あるいは確定しないというのはごもつともでありまするけれども、どうぞひとつそれに対して、ほんとにわれわれ國民の声を、政府部内に閣議等において強力に御主張を願つて、われわれ國民の災害を復旧していただいて、國民をして安心して産業に從事せしめるように強力なる御主張を願いたいと思います。
#67
○益谷國務大臣 連載省といたしましては、新聞等で御承知だろうと思いますが、補正予算をつくりますにはまず明年度の予算の大綱をきめなければならぬ。そうして大体の大綱につきまして補正予算をつくるという順序になつております。しかも明年度の予算はすでに各省とも大藏省と折衝いたしております。明年度は大体補給金は現在の半分にし、明後年からは全部なくするという建前で進んでおりますから、本年度の予算から見ますと、相当金額が助成金から削減せられることになります。こういう金をでき得る限り、あるいは一般公共事業、特に災害復旧の費用等にまわしたいという建前から、私の所管の予算を要求いたしております。また今回の補正予算につきましても、大体御承知でありましようが、まだ明確には金額はきまつておりません。ただいま安本長官も見えましたからお聞きを願いたいと思いますが、相当金額の補給金を削減いたしまして、なお本年の剰余金がありますから、その他政府の財産を売るとかいうようにくめんをいたしまして、相当金額のものを財源として捻出して、これをもつてあるいは減税、あるいは災害復旧、また急ぐべき公共事業の方にまわしたいというふうに、私の省といたしましても、これに対処するために相当金頭の要求をいたしております。金額の内容については、先ほど申し上げたように、しばらく時間をかしていただきたいと思うのであります。
#68
○淺利委員長 なお経済安定本部長官も見えておりますが、関連する問題があればあわせて願いたいと思います。次に前田委員。
#69
○前田(榮)委員 建設大臣に主としてお尋ねする次第ですが、こと計画に関することは安本にも関係がある点もあるので、御都合次第で安本長官の御答弁でもさしつかえはございませんから、適当に御答弁を願いたいと思うのであります。
 今回の九州を襲いましたデラ台風以後数回にわたつたるところの台風の襲來による災害はきわめて甚大であり、淡刻なものがあることは御承知の通りであります。この問題が、昭和二十年災害以後いろいろ起りました災害が完全な復旧善後措置が行われておらぬために、この災害がより以上な災害になつて來ている点、いろいろ御承知の通りだと思うのであります。なおまた河川改修等が、非常に原始河川のままの状態にあるために、この災害をより以上深刻にせしめておる。また山林の濫伐等のため、非常な土砂の流出等によつて川底をだんだん上げて來ておりますために、雨量以上に災害が非常に深刻になつて來ておるわけであります。それで建設大臣に、過般の國会におきましても、日本にはここ数年來の災害は必ずあるのだ。これは決定的だといつてもさしつかえないもののようにわれわれは考えておるが、健全財政の立場から予備金等の予算等もほとんど組み入れてない状態において、あるいはこの点で健全財政のほころびが來るのではないかという心配がある。そういう際に建設大臣が所管長官としてこんな公共事業費の五百億円というようなことで責任を持たれるかどうかという点を、私は建設大臣にお尋ねいたしましたところ、建設大臣は現段階においては、こういう程度にしなければならぬ実情になつておるから、これを最大有効な方法で処置したいと思うという、きわめておざなりの御答弁があつたのであります。はたせるかな、われわれの心配が今日実現いたしておるのであります。なお二百二十日を控えておる今の日本の状態では、これとてもまだ安心のできない状態であるのでありますが、建設大臣は今日のような状態で、はたして責任を完全に果したとお思いになるかどうか、この点をまず第一にお尋ねする次第でであります。
#70
○益谷國務大臣 先般二十四年度予算を御審議願つた際に簡單に申し上げた通りであります。國家財政の現状からいたして、この程度でしばらくがまんをしなければならぬ。でき得る限り、わずかな金でありまするが、與えられたる予算を有効に使つて参りたいということを申して來たのであります。しかるに本年は早く台風が参りまして、九州地方は特にそうでありまするが、四國また京都、三重というようなところに、非常に莫大な災害が惹起いたしておることは、まことに遺憾にたえないのであります。しかも今年の予算では、御承知の通り從來のごとき予備金というものがないのであります。ゆえに政府におきましては、とりあえずデラ台風の際におきましては、預金部から十億三千万円を融資いたしまして、さらに本年の第三・四半期、第四・四半期の災害復旧費を除く一般公共事業費から十二億を振りかえて、差繰りをいたして、とりあえず被害のあつた各縣に交付することにいたしたのであります。次にまたヘスター台風が参りましたので、これに対しても、御承知の通り最初は六億の融資をいたしまして、さらに一億の追加をいたしたのであります。今回また参りましたジユデイス台風に対しましては、実は昨日の閣議において、総計六億の支出をいたすことに決定をいたしました。その内訳は、地方債のわくがまだ二億ありますから、これと、さらに第四・四半期の一般公共事業費から四億、これで今回のジユデイス台風の、一時でありますが、最も緊急を要する点に復旧の工事を進めて参りたいという決定をいたしているのであります。しかしながら、これだけの金額では今回の災害に対処するのには不十分でありますので、先ほど天野委員の御質問にお答え申し上げた通り、政府は極力財源を捻出いたして災害復旧の方面に充てたい。すなわち補正予算の際に十分に考えたいというので、ただいま金額は発表いたすのをお許し願いたいのえありますが、一生懸命努力いたしているのであります。そして災害を復旧いたし、地方の民心を安定せしめようという考えで進んでおります。
#71
○前田(榮)委員 補正予算を、できるだけ他の費目を節減して多く計上したいという、非常な御努力になつていることをわれわれは何も否定するのではないのでありますが、大体これに來るべき臨時議会において提出されるという御確信であるかどうか。しかもまたこの金額は今申しにくいとおつしやつたので、強いて問おうとはいたしませんが、金額の大小を問わず、必ず臨時議会に補正予算を提出するというはつきりした御確信があるかどうか。この点をまず第一にお伺いしたいと思います。
#72
○益谷國務大臣 ただいまお答え申し上げました通り、財源を極力捻出するために政府は努力いたしているのであります。そうして、そのうち最も取急いでやらなければならぬ復旧工事に対して、相当金額を補正予算として出そうというので努力いたしております。ただいまも申し上げました通り、緊急、應急措置ではもとより不十分であります。地方の民心を安定せしめる上において、食糧の生産の上から見まして、その他あらゆる方面から見まして、これでは不十分でありますから、ぜひとも補正予算として災害復旧費を計上いたしたいという努力をいたしております。他の閣僚においても一人も依存のないところでありますから、金額においてはただいま申し上げました通りここで申し上げることはできないのでありますが、おそらくは前田委員の御期待に副うようにできると私は信じております。
 なお、御承知の通り、災害復旧費その他一般公共事業費は年間四期にわけて助成金を地方に交付するのでありますが、建設省といたしましては、第三・四半期、第四・四半期、この二期になお災害復旧費は約二十億ありますが、これに対しましても安本長官や大藏大臣等に折衝いたし、お願い申し上げて、でき得る限り早く、二十億を全部地方に助成金として交付するように努力をいたしておりますから、これもいまだ確定はいたしておりませんが、おそらく大部分は一時に地方に交付することができると思つております。こういうようにいたしまして、苦しい世帯の中からできる限り努力をいたして、災害復旧を一日も早く遂行いたそうというので努力をいたしております。
#73
○前田(榮)委員 災害復旧費の過年度分で、まだ政府の補助金が未拂いになつておる点が、六、七十億あるように昨日事務当局から聞いたのでありますが、こういうものが政府から大体各地方の縣あるいは町村にこれこれの補助金を出するということを指示されたために、地方におけるところの町村、縣におきましては、それをあてにして、地方で立てかえ金の形で工事をすでにどんどんやつておりまして、それがいつ政府からもらえるかわからぬというようなことから、昨日も富山縣知事がわざわざ当委員会へ参られて、深刻なお話があつたのでありますが、こういうようなことが行われますと、今後復旧事業や、いろいろ政府の指示されることに信用がおけなくなるというようなことから、公共事業等の推進に非常な支障が起るのではないかと心配いたしておるのでありますが、これらの未拂金は、いつどういうような御処分をなさるお考えであるか。これをお聞せせ願いたい。
#74
○益谷國務大臣 從來のしきたりといたしまして、御承知の通り災害が起りますと、私の方から所管の事項については査定をいたすのであります。査定をいたしますと、大体三分の二を國家が助成金として交付するという建前になつております。査定をすると、地方の人たちは、もう査定金額の三分の二は政府が助成金としてくれる。こういうことを信じられて、また直接被害をこうむられた人たちは、一日もすみやかに復旧しようという燃えるような希望がありますので、ややともすると予算の伴わないところの仕事を進められるのであります。これはむりからぬことでありますから、政府といたしましてはこの方面に向ける予算があり次第、でき次第、一日もすみやかに助成金を交付いたしたいという考えを持つております。予算がなければ交付はできないのでありますから、災害復旧の方面にすみやかに予算をもろうように努力をいたしております。予算がなければ遺憾ながら助成金は出されません。この点において皆様方におかれても、十分大藏省や安本長官を激励をいたしてもらいたいと思います。
#75
○前田(榮)委員 政府が査定になつたものを、地方廳において、査定すなわち補助金額の決定を誤解して、工事を遂行したというようなことの間違いから、そういう点が起つたので、その責任は必ずしも政府の責任でないがごとくに、今建設大臣はおつしやつたのでありますが、これら地方における縣、町村におきましては、そういう工事が延ばされる程度のものならば、しいてそんなことはしないのでありまして、延ばされない緊急なもの、すなわち堤防の決壊、橋梁その他海岸堤防等で、ほつておいたならばその被害が数倍になつて、たちまち町村民の生命、財産に及ぼし、またその危險が身辺に迫つておることを身をもつて感じておる関係上、やむにやまれずこういう結果になつております。從つてそういう安閑な態度でおられることは、國民生活をあずかるところの政府としては、きわめて無責任であると私は思うのであります。もしそういうことであるならば、予算査定において、これらの点についてもつと明確に、この点はこのぐらいの額はただちに支給できるけれども、これは多分当てになるかならぬかわからんぞというくらいの、親切味があつてよろしいと思うのであります。それがために私も先般当委員会の決議によりまして、九州地方をまわりましたが、ことに深刻な状態は佐賀縣にあつたのであります。佐賀縣の町村のもつておるところの協同組合、その他町村のきわめて貧弱な金融機関が持つておるものを、ことごとくひつぱり出して、そうしてこれらの事業をやつたために、その金融機関がもう手も足もまわらぬ、動けないというような状態から、この町村の一般産業、その他の関係に非常な影響を及ぼして、町村民の生活を脅かしておるのであります。こういうことは政府がもつと親切味をもつてやるべきものであるのであつて、ただ單に予算がとれなければ、おれの方の責任でないから知らぬぞというような態度でおるべきものじやないと思うのです。昨日富山縣知事に、もしそういうような場合において、縣の立てかえ金等が入らない場合にはどうするのか、こういうことを聞いて見ますると、縣知事は、そういう場合においては、やり繰り算段はもうこれ以上できないから、いわゆる緊急処置としてやるべきものをやめてしまわなければならぬきわめて危險な状態になるであろう。こういうことであつたのでありますが、これらのことについては、もつと明確な態度をもつて國民に接すべきものだと思うのであります。この点を一層明確に、本委員会に御答弁願いたいと思うのであります。
 それからもう一つお尋ね申し上げたいのは、この災害復旧費等について補正予算を組むために、見返り資金等のうち、あるいはまた價格差補給金等の減額等を、いろいろ内閣において御算段になつておるようでありますが、もしそういうものが不十分であつて、この災害は私の見るところでは、なお二百十日、二百二十日には多少とも全國のどこかに災害があることを、われわれは予想しなければならぬと思うのでありますが、そういうことのためにこの價格差補給金等ではもうすでに算段がつかなくなつたために、この災害復旧に必要なるものは、ほかの形で補正予算を組まなければならぬということになりますと、政府の根本方針であるところの、いわゆる九原則の方針、つまり健全財政へほころびが來るのではないかと心配しておるのであります。この点、健全財政にほころびが來ても、災害復旧については万遺憾なきを期するという御覚悟があるかどうか、これは主として安本長官からお答えを願えますならば、きわめて適当だと思いますが、健全財政に影響のある点になりますると、いかなる災害があつてもそれはどうもしかたがない、こういうようなお考えであるのかどうか、ひとつその点をお聞かせ願いたいと思うのであります。
#76
○益谷國務大臣 私はしやべることは下手でありますから、お聞き違いがあつたかと思いますが、地方の人は、査定をすれば助成金が來ると誤解しておるかのように私は前田委員から聞いたのでありますが、そうじやないのです。從來のしきたりといたしまして、災害の起つた場合には、政府から出まして査定をするのです。査定をいたしますると、年限は何年限りということはありませんが、徐々に助成金として三分の二の補助金が交付せられるということを信じてやつておられるのであります。また信じてやつておられることが当然であります。ただ私も申しました通り、災害地の人たちは、直接の目のあたり土手がくずれたり、堤防が破壊せられたりいたしまするから、政府から金が來るまで待つていようということができないので、取急いで工事を進められる。そうして政府の方からは工事を進めただけの助成金が來ないというので、今日地方の災害各縣において非常に苦しんでおられる事情もよく承知いたしております、そこで私といたしましては、その実情を十分認識をいたし、承知をいたしておりまするから、國家財政の許す範囲において、一日もすみやかに町域位を交付いたしますように努力をいたし、今回の補正予算についても、十分に予算をこの方面に振向けてもらうように努力をいたしておるということを申し上げたのであります。
 なお安本長官の答えられることでありましようが、補給金を削減いたしても足りない場合はどうするという御心配でありまするが、災害復旧費をまかなうだけの努力を十分にいたして、財源を捻出いたそうと思つております。そしてそれに努力をいたしております。從つて九原則の修正というようなことは現在政府においては考えておりません。
#77
○青木國務大臣 ただいまの私のお答えすべき部分について簡單にお答え申し上げます。
 ただいま益谷建設大臣がお答えになりましたように、政府といたしましては、予算にないものをただちに支拂うということはできませんし、またドツジ・ラインを無視してやるということは、ただいまのところ考えておりませんが、しかし御質問の内容から申しまして、われわれはこの災害復旧ということについては、内閣全力をあげて、ただいまいろいろと協議をいたしておる次第でありまするし、またデラ台風にいたしましても、ヘスター台風にいたしましても、その災害のきわめて大きいことを承知いたしておりますので、それについても急速に対策をとつた次第でありまするが、これらの点はすでに事務当局から示された数字によつても、皆さん御承知のところでありますから申し上げませんが、ただいま御質問の中にございました過年度災害費、こういうものについても、われわれは決して等閑に付しているわけではございません。すでに皆さん御承知の通り、戰爭以來國土の荒廃しておりますることは、われわれのよく知つているところであります。從つてこれに対して何らかの対策を講じなければならぬことは、われわれの前々から考えたところでありまするが、私どもといたしましては、経済安本本部が中心というか、率先をいたしまして、建設大臣にもお願いをして、わが國の治山、治水等に直接関連を持ちますところの災害対策を、根本的に考える必要があるのではないかと思つております。そこでこの問題の根本的解決をするためには、この際災害対策審議会まるものを設けて、今後の日本の災害に対する根本的の対策をぜひ立てたいと考えておる次第でございまして、この点についても、ただいま内閣方面と折衝をいたしておる次第でございます。なおわれわれは協力して應急措置をとりましたけれども、さらに恒久的な対策として、政府としては資金の許す範囲内におきまして、漸次災害対策方面にその資金を持つて行くということを考えております。なおここで申し上げておきたいと思いますることは、経済安定本部といたしましては、われわれの從來の方針にのつとりまして、漸弐統制を撤廃するという方向から、各種の産業に対して、なかんずく当面しておる石炭であるとか、鉄鋼であるとか、あるいはまた肥料であるとか、銅であるとかいうものは、皆さん御承知のように、この二十四年度の予算において、二千二十二億という厖大な價格調整費を見積つておりますけれども、統制を撤廃するに伴つて、漸次削減を実行いたしまして、この資金を減税の方にまわすとか、あるいはまた災害対策の方面にも、この中からできるだけ多くをぜひまわしてもらいたいというようなことを、われわれもともども協議をいたし、大藏大臣にもそのことを要請いたしておるような次第でございまして、ただいまの御質問なり、御希望に対しましては、財政の許す限り、われわれの努力をそこに発現して参りたいと存じております。問題はドツジ・ラインである九原則を破つても、なおかつこれに向けるかということですが、これについてはむしろここではお答えの限りではないかもしれませんが、それまでできるかと言われれば、今のところではできないというふうにしかお答えするができぬと思います。
#78
○前田(榮)委員 最後に安本長官にお尋ねしますが、本年は、いわゆる健全財政の立場から、当初予算において從來予備金等が相当額計上されておつたのを、今度は予備金は、災害復旧等にまわされるような額は計上されておらないのであります。これは今長官が御説明になつたようなことで、われわれとてしは多少納得いかぬところがありましても、今政府の方針として、價格差補給金等によつてそれを補うということでありますから、一應これは聞いておくとしても、ただ日本は、今年もそうでありましたが、將來当分の間河川その他の関係は、非常に残念なことでございますけれども、毎年災害が必ずあるといつていい状態の國土の荒廃状況だとわれわれは考えているのでございます。從つて統計的にこの問題を立ててみますと、必ず今年もあり、來年も相当額のものがなければならぬという見通しがはつきりつくと思うのであります。これは各地をまわつてみても、河川等がきわめて原始河川のままでおいてあつたり、あるいは山林濫伐の関係上、河川の海域の傾向が非常にかわつて來たり、もちろんいろいろな関係があるということは御承知の通りであります。從つて当初予算においてこの災害を予想して、予備金等のいわゆる災害復旧費というものに充てられる額というものを、相当額計上すべきものだと私は思うのであります。今年の予算の計上のしかたは特殊な状態であつたと思うのでありまして、明年度の予算編成については、当然今年の状態で、予備金なしに價格差補給金その他何かのところへ情勢をおいたような形の予算の編成は不可能だと思うのであります。この災害復旧に関する予想し得るある程度の額を、今後当初予算において組むべきだと思いますし、來年度は必ず組んでもらいたいと思いますが、こういう点についての安本長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#79
○青木國務大臣 ただいまの御希望はまことにもつともだと思います。私どもも二十五年度の予算においては、年年起るこの災害に対して、大体の予測のつかないということはあり得ないのでありますから、それに対する一應の予算を組むことにもちろん努力をして、ぜひともその目的を達成いたしたいと思います。
#80
○淺利委員長 次に村瀬君。
#81
○村瀬委員 われわれは建設委員としてお尋ねをすることを十分自覚しておるのでありまするが、ちようど今他の委員会があまり開かれておらぬ関係もありますし、また公共事業はその影響するところきわめて廣いのでありまして、できる限り詳細なる御答弁をお願いしておく次第であります。
 公共事業と見返り資金についてお尋ねをいたしたいのでありますが、それ前にちようど建設大臣と安本長官とが御一緒でありますから、一應お尋ね申したいと思いますことは、先ほど來各委員がるる申し上げておる通り、今年は台風の襲來が例年より非常に早くて、デラ台風に始まりまして、ジユデイス台風までもう四回の襲來を受けておるのであります。この災害復旧の問題だけを取げてみても、補正予算は一日も早くこれを実施して、民心を安定させねばならない段階に來ておると思うのであります。いわんや失業対策、資金詰まり対策、減税問題等、緊急を要する問題は非常に多く重つておるのであります。これを國民の前に安心せしめる一つの手段としても、至急に臨時國会を召集する必要があると思うのであります。しかもこの予算の財源というものは、ただ前年度の剰余金四百億の半額だけを使つても、災害対策には十分間に合うと思うのであります。財源がないとは今度は言えぬと思うのであります。ただ他の減税の案がきまらぬとか何とかいうことのために、被害を受けた人が戰々きようきようとして日々を送つておるということは、非常にお氣の毒千万であると思うのであります。建設大臣は、臨時國会の召集を一生懸命促進なかつておるのでありますか、どうでありますか。安本長官におかれても、その時期は大体いつごろとお見通しをつけて進まれておるか、これを第一にお伺いしたいのであります。
 第二点は、安本長官にお伺いをいたすのでありますが、公共事業費を審議して参りますに、当然関連を持つて参りますものは見返り資金であります。これは最初千七百五十億円と言われておりましたものが、千四百十円見当に減つて來たということは、七月十一日の本委員会、私の質問に対して安本長官がおつしやつた通りであります。最近新聞によりますと、さらに援助資金が減るかもしれなくて、日本人は一層の耐乏生活を要求せられるであろうというようなことも述べられております。その後の変更、経過について、まずお尋ねをいたしたいのであります。
 それからかりに千四百十億円が変らないといたしまして、当時の安本長官の御答弁には、二百七十億円がいわゆる鉄道と通信関係の公債、六百二十五億円がその他の國債償還に充てられて、残り五百十五億円に対する内訳を、速記を止めて詳細に御説明をいただいたのでありますが、その中、特に百億円は学校建築その他の名称のもとに、失業対策を兼ねて使いたいということも伺つたのでありますが、これらの経過はどういうふうに進んでおるのでありましようか、これをお尋ねいたしたいのであります。
 なおあのときに、見返り資金千四百十億円といつても、第一・四半期では約百億円ぐらいしか資金化されないであろう、第二・四半期で百三十億円見当である、半年かかつて二百三十億円ぐらいしかできないであろう、というお話でありました。あれから二箇月たつておりますが、その後の見通しを一應承りたいと思うのであります。
#82
○青木國務大臣 私からお答えをいたします。ただいま臨時國会については諸般の準備をいたしておりますが、私どもの見通しといたしましては、今のところ何日というようなことは申し上げられませんけれども、準備ができ次第これを開くというふうなことで進んでおる次第でございます。
 それから私への直接の御質問である見返り資金の問題でありますが、これは速記を止めて私が御説明を申し上げました。ただいまのお言葉通りでありますが、その中で学校建設資金について百億円とおつしやつたのは、少し間違いであろうかと存じます。この点はひとつ御了承を願いたいと思います。しかしその後、私が申し上げましたような予定で現在進行をいたしております。そのために鉄道、通信会計の方面には、予定通りにただいままわりつつあるのであります。さらにわれわれが閣議でいろいろと考究をいたしました結果、公共事業に関する補正的な性格を持つたものをも相当出してあることを、皆様に申し上げたいと存じます。この点について昨日ESSと私が定例会見をいたした際に、一体われわれが要求している公共事業的性格のものについては、まだはつきりと出て來ないがどうかということを質問をいたしました。そういたしましたところが、それは吉田内閣の要求の通りに、ワシントンへはその全部の要求を送つてあるけれども、しかしまだ返事は來ていない。但し自分たちはどう考えるかと言われれば、どうもそういうのは多少悲観的だ、必ずしもすべて賛成できるとは言えないというような返事がありましたので、きようの新聞にそういうことがちよつと出ておるのであります。しかしながらワシントンからまだ返事が來なかつたということでありますので、われわれはなおこれに対して強い希望を持ち続けている次第であります。さようなわけで、見返り資金は順次出るべきものが出て参つておるのでありますが、なおその手続と民間からの借入れ等におけるところの手続とが、必ずしも迅速に出て参つておらないものがございますので、その点はまだ進行していないものもございます。けれども前に私がここで申し上げたような状況においては進行中でございますから、御安心を願いたいと思います。
#83
○村瀬委員 臨時國会は用意ができ次第召集されるということはごもつともな話でありまするが、その用意とおつしやいまするものは、いわゆる減税問題、あるいは税制問題が解決せねば開かないというような意味でありまするが、いわゆる災害復旧は非常に人心にも影響するのでありまして、他と切離して、これだけでも臨時國会を開いて、適当な措置を遅らせないようにする義務があると思うのでありますが、これに対する所見を伺いたいのであります。
 それから見返り資金の問題はただいま承つたのでありますが、例の総額におきまして、第一・四半期百億円見当、第二・四半期百三十億円見当しかできないというのは、一体どういう状態なんでありましようか。
 それから学校建築はむろん百億ではないのでありまして、十五億程度、そのほかいろいろとたくさん項目があつたと思うのでありまするが、あの内訳並びに内容等は、そのままで今なお折衝を続けられておるのでありまするが、あるいは多少変更をして、見込み薄のものはほかの方にまわすというつもりであるか、つまり七月十七日とまつたく変更なしに、なお折衝を続けておられるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
 それからもう一つ、これは先ほど労働大臣にお尋ねいたしましたときに、それは安本長官に尋ねてもらつた方がよいというようなお話もありましたので、公共事業とも関係をして参りまするがために、お尋ねいたしまするが、公共事葉はもちろん緊急失業対策事業と非常な関連があるのでありまして、切つても切離せない問題なのであります。ただいま安本長官の御意見を伺い訂すると、補給金等は統制撤廃になつて大幅に減額をして行つて、予算を捻出するというお話でありましたが、われわれは二十四年度予算編成の当時から、五百五十億円ぐらいの補給金を削る余地があるのじやないかと、私たちに主張をして参つておつたのであります。ただこの場合、今日に至つて安本長官は、これを三百億から三百五十億を削ろうというような考えをお延べになつたのでありまするが、当時とは日本の経済界の進行度合いかなりかわつて参つておるのでありまするが、これを今日補給金を削りまして、價格が上つて参つて生産に影響し、労働資金に影響し、日本経済に一つの方向轉換を要求することにはならないという自信がおありなのかということを、お尋ねしたいのであります。と申しますのは、この失業対策事業を起しまする上におきまして、労働大臣の御意見によりますると、自然雇用、いわゆる新雇用を四十万人に見ておる。また見返り資金による雇用を二、三十万人、合計七十万人はたとい失業が出ても新たに雇用されるであろうから、その残りのものについて緊急失業対策を考えたいというようなお話であつたのであります。そこで安本長官に伺いたいと思いますのは、今日石炭の貯炭の山ができるということが、あるいは日本の経済力の低下を意味しているのではないだろうか。五箇年計画で日本の生産は次第に上昇して参つておつたのでありますが、そのカーブが急激に下つて参つたのではないであろうか。そういたしますならば、この四十万人の自然雇用というものに対しましても、大いなる吟味を加えなければならぬと思うのでありますが、日本の経済安定を担当せられております安本長官といたいましては、今日のこの石炭の貯炭の山、いわゆる金詰りによつて、生産業界の一つの沈滞というものは、最初から二十四年度編成当時に考えておつた通りであつて、さらに驚くに足りないというふうにお考えになつておるでございましようか、どうでありましようか。ことに米國経済界の変動も伝えられておるのでありますが、こられと関連いたしまして、日本の経済界の行手に対し、安本長官は、どういうお考えを持つておるでありましようか、これが失業対策なり、あるいは公共事業費に響いて参ると思うのでありますが、この点を尋ねいたしてみたいと思うのであります。
#84
○青木國務大臣 臨時國会はなるべく早くというお言葉でございますが、われわれはほとんど毎日といつてもいいほど、閣議等も数回開きまして、いろいろとその準備に努力に傾倒いたしておる次第でありますから、どうぞその点は御了承を願いたいと思います。
 それから見返り資金の問題でありますが、これは今まで出ておりますものが、前に御説明申し上げましたところと少しもかわつておらぬという御質問でありますから、お答えをいたしますが、これは総額におきましてかわつておりませんが、しかしながら先ほど申し上げましたように、民間への貸出しというようなものにつきましては、民間からその手続等がまだ出そろつて來ていない。いろいろこちらからもなるべく早く出すようにということを言つてありますので、それらのものがどんどんこれから出て参れば、それだけ見返り資金は世間に出て行くわけであります。さよう御了承を願いたいと存じます。
 それからなお最後の経済安定本部、並びに物價廳等がいろいろと檢討いたしまして、補給金をどんなふうにはずして行くかという問題であります。ただいまお言葉によりますれば、五百億余の補給金を本年度におきましてとることができるのだというような御発言があつたように承りましたが、われわれが今日までやつております、あるいは今後もやつて参ります價格調整費につきましては、もちろんわれわれとしましても一定の方針を持つておるのであります。大体二十四年度、二十五年度、二十六年度というように、三箇年くらいで、あるいは價格整調費というものはなくしたいというような考えで進んでおりますので、本年度もできる限りこれを多く出したいという方向においては間違いございません。しかしがらこのことによつて物價が上る、さらに賃金を上げなければならぬ、生計費への影響というようなことを考えますれば、この價格調整費なるものの本質から考えまして、ただこれをとるというだけでもつて、はたして國民の負担が軽減されるかということになれば、この点は深く研究をいたさなければならぬ点でありますので、ただいたずらに價格調整費を削減するということではございません。やはり他の物價への影響、他の價格調整費をはずされることによつての影響等を考えまして、その影響の少いもの、ないしは吸収し得るもの、そういうものを中心として、ただいまわれわれがやつている作業といたしましては、先ほどおつしやいましたように、三百数十億円というのがうまく出せるのではないかという目標であります。そこでなおできるだけ出したいということでありますけれども、これは御承知の通りに、今年度にやるか、それとも來年度にやるか、今年度ならば何月にやるか、あるいは來年度ならばいつごろやるかということによつて、その吸収の度合い、あるいはその他に及ぼす影響、その他のことを事えますと、そう軽々にこれを考えるべきではないということは、私の申し上げるまでもないところであります。そういうことから日本國民経済における影響力というものを十分勘案いたしまして、價格差補給金を削減いたして参りたいと存じております。
 なお第三の点の、ただいまわれわれが作業いたしております重要な点でありますが、一体國民経済に対して今日の状態はどうなつているか、もちろん價格調整費を削減するとか、また輸出貿易の点を考えるとか、ないしは國内の生産増強の線はどういうふうになつているかということを考えてみますれば、御承知の通りその統計の示すところによりますと、大体五月、六月の半ばまでは大分輸出の点も悪かつたけれども、さらに七月から八月にかけてまた逆に上昇のカーヴをとりかけている。そして今年の四月、五月のころにおきましては、大体皆様に申し上げましたように七一・四%程度に一般的に生産が増加して來た。しかしその後多少下りましたけれども、今月のところまた少し回復しかけているというような状況にあると存じております。この状況からたとえば西欧における、特に英國のポンドの切り下げ云々、ないしはアメリカにおいて物價が一割一分程度若干下つたという影響、ないしは輸出品に対するキヤンセルとかクレーム、そういうことに基く日本の貿易関係における今後の対策、あるいは盲貿易におけるわが國の利害、こういつた問題についても、われわれは十分檢討しながら、これに対する措置を講じたいと考えております。ことに滞貨につきましては、いろいろと新聞等に数字が現われておりますけれども、われわれはこれらの一應示されております滞貨等についても、内需にまわし得るものはこれを内需にまわす努力をしなければならぬし、またさらにこれが何らかの方法で、方向をかえて輸出できるという方面があれば、その方面にも持つて行きたいと、実は努力いたしている次第でございます。
 なおそのほかにわれわれは國内の関係、國際的な関係等も勘案いたしまして、現在のたとえば石炭の滞貨あるいはその他の資源、原材料等についても、國内のものについては國内のものに、國際的なものについては國際的なものについて、それぞれ國内、國際的な関係における有効需要等をそれぞれ檢討いたしまして、さらに有効需要を増す方法としてはどうかというような実質的な作業も、今日経済安定本部としてはいたしている次第でございますので、今後の日本経済の將來については必ずしも悲観的ではございません。
#85
○村瀬委員 もう一点お尋ねしたいのでありますが、見返り資金は結局幾らになる御予定でありますか。前回におきましては、一應千四百十億円見当であるが、アメリカの國会が一箇月延期になつたから、あるいはさらにかわるかもしれないというような御答弁があつたと思うのでありますが、現在のとこら経済安定本部のお見通しとして、結局見返り資金なるものは幾らに落ちつくという見通しですか。
#86
○青木國務大臣 前回に申し上げましたように、三億九千万ドルということで大体われわれは了承いたしておるのであります。これを三百六十円で計算いたしまして千四百十五億、この程度のことで前に申し上げたのとかわりがないのでございます。
#87
○淺利委員長 次に池田君は建設大臣と安本長官に御質問があるそうですが、あまり時間がありませんので、両方合ぜてなるべく簡潔にお願いいたします。
#88
○池田(峯)委員 両大臣にお尋ねするのですが、ざつくばらんに今度のデラ台風のフエイ台風、その他の台風が來まして九州四國方面は莫大な被害を受けたのですが、その災害復旧費、それから應急対策費、それから昨年度の災害復旧費用について莫大な負債がある。これを拂つてもらわないと、次の緊急工事が依然としてできない。こういう費用、また近く台風が來て起るであろう災害に対する災害復旧費、應急対策費、こういうものは莫大な額に上るであろうと思うのであります。九州地方だけでも七十何億やらなければならぬのですから、莫大なものが要る。これをどうしても緊急に支出してもらわなければ國土がまつたく荒廃してしまう。昨日たれかが言いましたように、國破れてさらにまた山河もなくなつてしまう。これはどうしても出してもらわなければならない。りくつなしに出してもらわなければならない。これを今の政府が出すことができるのかできないのか。來年のことを言うと鬼が笑うと言いますから、來年のことは來年のこととしてまた研究するとして、さしあたつてどれだけ出せる能力があるか、ひとつざつくばらんにお答え願いたいと思います。
 次に建設大臣にちよつとお尋ねするのですが、この間茨城縣の利根川沿いをちよつと視察して参りましたが、利根川沿いの復旧工事に対して、地元には二つの意見が対立しておるのであります。一つは土地をつぶすからやらないでもらいたいと言い、一方ではどうしてもやらなければならないというのであります。また一方では民自党の代議士小町瀬忠兵衛君らは期成同盟をつくつており、一方においてはまた別の相当有力な人が反対運動をやつている。この間建設大臣はこの方向の視察に行かれたそうでありますが、そのときに期成同盟の方にはやるのだと言われておいて、今度は反対の方には、何でも取手とか小野田方面の三百人くらいの農民が陳情に行つたそうですが、その陳情團に対しては、建設大臣は、どうせ予算がないのだから、あんなに騒いでいてもどうせできつこないのだということを言われた。そういたしますと、一体政府の意見というものはどうして利根川沿いの復興工事をやつて行くのか、一方に反対があればはあ、こちらの期成同盟が來れば、はあとお辞儀をして両刀に納得させ、両かに相づちを打つような、そういう無定見な態度でははなはだ困ると私は考えますので、そういうことを地元で聞きましたから、事の眞相をお話願いたいと思うのであります。これは今後の建設行政について非常に示唆に富む問題であると思います。
 それからもう一つは、金がないないと言つておりますけれども、建設省においても、建設大臣が二百万円で乗用車を買つたということが新聞に出ておる。金がないないが言つておいて、植田法務総裁がキヤデラツクの高級車を買い込んだからたまらない。おれも高級車のキヤデラツクに乗らなければと探し始めた。自動車を返納したとはいえ、大臣用のビイツクがある。二十万円かければりつぱに修理できるのに、二百万で買つた。これには赤坂の料亭でブローカーが飲んで、不正があるということが八月八日の官労新聞に出ておる。もう一つは、役所のトラツクを使い、ガソリンを持ち出す。全建労で背後関係を糾明中と八月一日の官労新聞に出ておる。これは建設省官房会計課某事務官が中心となり、省内のガゾリンドラムカン百八十リツトル入を、昨年八月ころより本年四月までに、四、五回にわたり役所のトラツクを使用して白晝堂々と持ち出し売却していたことが明らかになつた、云々、こういう問題、きのうも前関東地方建設局長の不正問題について質問申し上げましたけれども、こういうふうにちよつと私たちが氣をつければ、幾らでも不正が出るようならば、これはたいへんなことになるのではないか。ひとつこういうことが事実であるかどうか。もちろん新聞に対して責任を持たないというようなことを言われるかもしれませんけれども、しかし新聞に対して大臣が責任を負うてやめろとか、何とかいうことは私は申しませんが、新聞に出ておることが事実ならば、これは責任を負うてもらはなければならない。新聞に書いてあることがほんとうか虚偽か、これは非常に大きな問題でございますから、こういう問題につきまして、事の眞相を本委員会に発表していただきたい。この点につきまして質問する次第であります。
#89
○青木國務大臣 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。ただいま台風と災害に対するいろいろな努力は、内閣がやりますることはもちろんのことでありまして、その対策について万遺算なきことを制したいと存ずますけれども、何しろ先ほども申し上げましたように、その資金が限られておりますために、なかなかわれわれの思うようには参りません。これにつきましても、日本経済が今後立ち行くような範囲において、こういうことでありますれば、またわれわれとしてはそれならば長期の借金をしても何とか出させるだろうという、こういう考え方も当然起るのでありますが、それは結局現在予定されたものがなかなか出ない。それは一つの借金になつておるのでありまして、決して借金などはないとわれわれは考えておるのではありません。何とかして將來はそういうもののないように、國民の生活力の中からかせいで行かなけれげならぬことである。またその國民経済の力によつてこれをになう、それが結局生産の増強である。國民の生活経験と環境の中から生み出すということの努力によつて、そういうことをわれわれはやるということに抽象的にはなると思います。ゆえにわれわれとしては、できるだけそういう点には努力の上の努力を拂いまして、國土の回復をはかつて参りたいと存ずる次第であります。
#90
○池田(峯)委員 私の質問したのは、そういうあなたの理想計画というものではなくして、現実に雨季が迫つておるのだから、どうしても九月の末あるいは十月一ぱいには、莫大の金を支出してもらはなければ、ほんとうに國土がなくなつてしまう。ですからそれが出せるか出せないか。出す計画である、せつかく努力中であるということでなく、現実に出せるか出せないか。出せないならば出せないでいい。それなら國民は覚悟を新たにして別の方法を講ずる。出せるか出せないか、一月、二月の見通しができないで安本長官が勤まるか、少くとも十月いつぱいに災害復旧費を出せる見通しがあるかどうか、それだけです。
#91
○青木國務大臣 安定本部長官といたしましては、これまで應急措置として出しております。予算はこれも一ぺんにすぐ使うわけでありません。これを應急に措置しておるのでありまして、この後のものについては、予算の補正等について考慮するということを申し上げておるのでありまするから、きわめて現実的であると申してさしつかえないと思います。
#92
○益谷國務大臣 私に対する池田君の質問にお答えしてよいのか悪いのか躊躇いたしております。いかにもおもしろそうに笑い笑いの質問であります。私は眞劍な御質問があれば眞劍に御答弁をいたしたいと思います。
#93
○池田(峯)委員 眞劍です。
#94
○益谷國務大臣 小貝川は先般直接視察いたしました。池田君のお話によりますと、一方にはやる、一方には出す金がないからやらないと言つたという、さように私は融通のきく男でありません。一方でよいことを言つて、一方でまたその人の喜ぶようなことを申し上げることは、私はできない。ただ私が懇談会に参る際に、学校の校庭に三百名ほどの農民諸君がおられました。私にあいさつしろというのであいさついたしました。それ一回きり。それは小貝川では問題があります。あの川は比較的小さい川でありまするが、非常に暴れます。これに対する治水計画というものはどうしても立てなければなりません。そこで建設省といたしましては案は持つております。しかし地元においてそれぞれ反対する者、賛成する者がありまするので、池山君は御承知ないかも存じませんが、茨城縣において適当な協議会というものを開いて案を練つております。從つて建設省は案は持つておりまするが、確定いたしておりません。ゆえに三百名余りの人に会つた際にその通り申し上げております。こちらに行つてやります。こちらに行つてやらない、さような不見識な男では断じてありません。
 二百万円のキヤデラツクの問題でありまするが、おもしろおかしく質問をちようだいいたしておりますが、私は殖田君がキヤデラツクに乗つたから、わが輩も乗らなければならぬ、そういう考えは毛頭持つておりません。ただ大臣の乗用車がGHQから返還を命ぜられて、代りの車を求めなければならぬというので、事務当局の方で買いまして、修理をいたしたそうであります。金額も何も私は知りません。それいから赤坂のブローカーがどうだということ等は、もう少し十分にたしかめてください。さようなことは私は毛頭承知いたしておりません。またブローカーの手を経たものかどうかは知りませんが、私の輩下においてはさような不心得の者はないと信じております。
 なおもう一つガソリンの問題でありまするが、ガソリンの問題はこれも私承知をいたしておりません。眞相をお聞きになりたければ会計課長が來ておりますから、会計課長から申し上げます。私は自動中の件については一切タツチしておりません。役所で買つて、乗れと言つておるから乗つておる、どこから買つたのか一切承知しておりません。
#95
○淺利委員長 それでは建設大臣に宮原君ありますか。
#96
○宮原委員 大臣は現在の建設省の所管の事務のほかに他の省の事務で統合すべきものがあるというお考えがおありでありましようか、その点を伺います。
#97
○益谷國務大臣 私は建設省とかあるいは農林省とか、運輸省とか、そういう現在の省を標準として考えていないのです。かねがね申し上げます通り、建設行政の一元化という建前から、どうしても建設の方面の仕事は現在の建設省でありまするが、あるいは國土省とでも申しまするか、もしくは公共事業者とでも申しまするか、それにまとめなければならぬという考えで案を持つている。そして御承知の通り行政制度審議会を設置されましたので、私どもの考えは、案をこの審議会に出しまして、今研究をいたしてもらつておるのであります。
#98
○宮原委員 新聞の報道ですから、これは根拠をもつて申し上げているのだというと言い過ぎになつて、いかがかと思いますが、行政制度審議会で運輸省の港湾行政の建設業務の方面だけを、建設省の所管に移すというような改革原案が審議会へ出ておると報道されておりますが、それについて、大臣は御存じでありましようか、内容はどういうようなものでありましようか。
#99
○益谷國務大臣 実は昨日突然閣議で、行政制度審議会の港湾に対する答申案と申しまするか、それと行政管理廳の案とが見せられたのであります。それでこれは関係省のものが寄つて相談しようというので、本日の私の方の岩澤次官も参りまして、協議をいたしておるはずであります。私は港湾に対する画期的の案であるということは承知いたしておりますが、詳細なことは承知いたしておりません。かりに土木事業と申しまするか、建設事業と申しまするか、運輸省の港湾に対するものが他省に移管せられるといたしましても、これは設置法を改正いたさなければならぬので、十分にその間審議を盡して皆さん方の十分に納得の行くものにつくりあげたいという考えをもつております。
#100
○宮原委員 御答弁でよくわかりましたが、この総合的建設省と申しまするか、公共事業者と申しますか、そういう意味合いでもつて他の省の現在所管に属しておりまする各種の事務、すなわち農林省の漁港に関する事務や、また砂防関係に関する事務、そのほか商工省の電源開発に関する事務、その他從來この委員会で論議されたいろいろな事務が、現在の建設省という名称のいかんは問題ではありませんけれども、建設省に総合せられまして、國土の開発を行うことが、日本再建上最も緊要であるという考えで、本員は今日まで來ているのであります。從いまして、建設省自身でやられないお氣持はよくわかるのでありますけれども、行政制度審議会あたりとも連絡をおとりいただきまして、われわれの意のあるところを実現に向つてお運びいただまますよう希望いたすのであります。
 それから他のことで一点伺いたいことがあります。廣島、長崎の平和記念特別都市ができまして、昨日の建設委員の御報告の中にも、両市が單なる復興にとどまらず、もつと強度なる平和文化記念としてあらしめればならぬという御報告があつたのでありますが、これに対しまして、建設省とせられて何かこの両市に対する特別の事務を処理する部局等の新設についてのお考えがありますか。この点を一点伺いたいのであります。
 なおつけ加えで二点伺います。現行道路法の改正につきましては、かつてこの委員会においても事務当局の御意見を伺つたのでありますが、目下改正についての草案を起草中であるという御意見でありましたが、これは次の臨時國会に間に合わない。從つて通常國会に御提案になるところの御決意があるかどうか、この点も伺いたいのであります。
 最後に一点伺いたいのは、今回の建設委員の視察を終りまして、われわれの痛感しておるのは、すべて緊急を要する事業に対する財源の不足ということであつて、これに本日及び昨日の委員会でも、結局この点に結論づけられるような結果になつておりますが、ここに財源獲得の一方法として、近ごろはやつている建設宝くじというような意味合いの計画をお立てになつたらいかがでありますか。廣島縣におきましては、建設宝くじをごく少額でありますが、三千万円発行いたしましたらすぐ売り切れております。これは全國的に最も了解の行く問題でありますから、財源獲得の一方法として、そういう面についてのお考えがあるかどうか。これらの点についてお尋ねいたします。
#101
○益谷國務大臣 第一点はちよつと聞き漏らしましたが、部局を設ける意思があるかないかということでありましたか、もう一度御質問願いたいと思います。
 第二の道路法は、先般事務当局から申し上げました通り草案をつくりつつあります。でき得るならば通常國会に提出して御審議を願いたいと思つております。
 また宝ぐじの問題でありますが、これは主として地方行政廳の所管でありますので、戰災都市復興の建前から、宝くじを発行するという研究はいたしておりまして、自治廳と協議をいたしております。
#102
○宮原委員 廣島、長崎両平和記念都市の事務を処理するために、建設省内に一部局を新設される御意志はありませんか。
#103
○益谷國務大臣 現在の都市局で所管いたしておりますので、特に部局をつくるという考えは目下のところございません。
#104
○淺利委員長 次に久野君。
#105
○久野委員 ただいま各委員よりるる質問と、これに対する大臣の御答弁がありましたので、私そのことに関連して簡單に伺いたいと思います。
 総合的な建設省一元化の問題が取上げられておるようでありますが、これはさきに第五國会の本委員会においても相当論議された問題でありまして、この一元化に対しては地方民もこぞつて賛意を表し、また希望もしておるわけであります。しかしながらその実現へは未しの感があります。農林省と建設省との砂防の問題についての意見の相違、あるいは河口に関する河川局と港湾局の意見の食い違い、こうした一元化の問題は早急に実現の要があると思います。しかしながらなお時日を要する問題であるというふうな大臣の御答弁がただいまもありましたから、私といたしましては、これら建設省一元化の第一歩といたしまして、この際思い切つて建設省の中に総合的な災害対策本部を設置していただきまして、この中に運輸省、あるいは安本あるいは農林省、建設省の各係官を網羅いたしまして、企画性のある総合対策を樹立する必要があるのではないかと思うのであります。総合的な建設省をつくる一段階といたしまして、総合災害対策本部設置の意見を申し上げるのでありますが、これに対して大臣はいかなる御所見をもつておいでになるかどうかという点をお尋ねいたします。
 第二点にお尋ねいたしたいことは、過般の災害地の全國視察において、地方の建設局の職員の方から、この点について数々の陳情を承りました。それは建設省の行政整理の結果、地方建設局職員の人員が削減をされるために、建設行政に重大な支障を來す、しかも東北、岩手縣などにおきましては、北上川流域にそのほとんどの建設工事が集中されております関係上、この地方における建設局の職員に非常な不足を來して、工事にも支障を來すという陳情があつたのであります。この点について特に申し上げたいのであります。御存じの通り私に愛知縣の出身でありますが、東海地方の建設局において、大臣もすでに後存じかと思いますけれども、数箇月以前同建設局内部の二百四十名の職員の中に、実に過激な考え方を持つた人がお出でになる。これは池田君がおられますのであてつけに申し上げるわけではありません。共産党員であるかいなかは申し上げませんが、しかしながら過激なる行動をなさる方がありまして、建設局の門前に椅子、テーブルを並べてバリケードを築き、私たちが陳情に行きますと、一々その挙動について監視をいたし、しかも面会時間を五分間、あるいは十分間に限定いたしまして、時間が來ますれば、ラウド・スピーカーによりまして、久町代議士面会時間が切れましたと放送しておるような事実が最近に起つておるのであります。このために地方民諸君は、かくのごとき地方建設局員であるならば、この際建設局を廃止してほしいという意見が多数あります。先般の知事会議の席上におきましても、当該縣の縣知事はこの点を強調いたしまして、さらに中國、近畿等の知事諸君も、これに同調せられたやに私は聞き及んでおるのでありますが、このように一方においては地方建設局廃止の論があり、一方においては岩手縣のごとく、東北地方においては、地方建設局員の増員を要望しておる。このようにお互いに意見がまちまちであるのを、私も見たり聞いたりして参つたのでありますが、この点につきましては、建設大臣に対し人員配置の合理化をお願いいたしたいのであります。そうした人員配置が可能であるかどうか。またそうしたお氣持があるかいなか、お尋ねをいたしたいと思うのであります。
 なお私視察中宮古の上流の閑伊川の沿線において、これらの多数の事実を目撃をいたしたのでありますけれども、この工事現場に所属しておられます監督員の言によりますれば、数十里にわたる災害地の工事を監督するのに、腰弁当で歩いて三日間かかるというお話であります。これは宮古の出張所長さんのお話でありましたが、このような災害地の復旧に対して、ただいまここにおいでになる東北の建設局長さんのお話によりますれば、約五億にわたつての工事が始つておるようでありますが、このような工事現場に來まして、つぶさに工事現場を拝見いたしましたところが、各所に不正の箇所を発見をいたしましたので、現場の方々に数々の注意を申し上げました。一例を申し上げますれば、あぶり石の積石の中に八巻石をたくさん見受けたということであります。控えのないあぶり石を使う。このように不正工事を私数数拝見いたしましたので、現場の監督員の方に注意を申し上げて來た次第でありますが、その際宮古の出張所長さんの御意見によりますれば、これだけの厖大な工事現場を所長以下六名で受持つておる、このようなわずかな人員で十分な監督ができ得るかどうか、久野先生お考え願いたい。十分の監督をするためには何とぞ増員方を要望いたしたいという御意見もありました。どうかそうした点等を御勘案願いまして、すみやかに地方建設局の廃止方を望んでおる地方と、これの増員方を望んである地方とのバランスがとれるような方法を講じていただきたいと、希望を申し上げる次第であります。
 第三点にお願いいたしたいことは、災害復旧費の配分の不均衡の是正であります。最近新規の災害が続々と発生をいたしまして、これに対して予算的措置が講ぜられておるようでありますが、この配分の取扱い方において、ややともしますと、不均衡の面がたくさん見受けられるのであります。私先般河川局長にこれはお願いをいたしまして、御努力の結果、お話によりますれば約二十億増額の由承りました。私非常に感謝の念を禁じ得ないのでありますれども、なお過年度災害が放置されております現状といたしまして、一日も早く災害地に対する予算の不均衡を是正すると同時に、過年度災害に対する予算措置を早急に講じていただきたいということを、お願いいたしたい次第であります。以上三点についての私の質問についてお答え願いたいと思います。
#106
○益谷國務大臣 建設行政の一元化については、これまでしばしば申し上げました通り、私の方で立案いたしまして、今審議会で審議をいたしていただいておるのであります。また参衆両院の建設委員会においても、建設省が発足いたします際から強いご要望でありますから、これも十分に休して、今行政を一元化すべく努力をいたしております。その前提といたして、総合災害対策本部というようなものをつくつたらどうかというお話でありますが、御承知の通り現在の行政機構におきましては、災害はひとり建設省のみではございません。厚生省にも運輸省にも関係いたしますし、特に農林省は重大なる関係がありますから、現在のところでは、先ほど安本長官も申し上げました通り、累年激増する災害に対しましては、内閣に災害対策審議会というようなものをつくつて、そこで総合的に対策を講ずるような措置をとりたいと思つて、今相談をいたしておるのであります。
 第二は行政整理の問題であります。東北方面などは、ただいま久野委員の仰せになつたように、実にスムーズに整理を遂行することができたのであります。しかしながら各地方の建設局におきましては、おのおのの事業量を見まして、整理ができました直後配置轉換をいたし、また手不足の方面は、他の局もしくは本省等から足りない部分を補うことにいたしたいと存じております。中部建設局のお話でありますが、私の方へも相当の情報が入つております。公務員としての不適格の人に対してはすでに整理を遂行いたしました。これも最初は非常に混乱いたしたのでありますが、後には比較的平穏裡に大体辞令が交付済みになつております。要するに整理はいたしましたが、各所管の局において事業量を勘考いたしまして、足りない方面へは人員を配置いたす考えでおります。なお建設省として実際の仕事を直接いたしている方面では、人夫を使うということもできるのでありますから、できるだけ仕事に支障のないようにいたしたいと存じております。
 災害復旧費の不均衡というお話でありますが、これは私の建設省のみで按配するのではございません。預金部の資金のごときは、地方行政廳あるいは安本、農林省、建設省が相談をいたしてきめるのでありまして、各省がよつて各省の裁量によつて、努めて公平に分配をいたしておるはずであります。先般のヘスター台風でありますか、あの際は、まだ十分に被害の総額がわからなかつたのに取急いで融資をいたしました関係上、さようなところもあるのであります。從つて後に災害が新たに追加せられるというような事情から、結果においては不均衡というような場合も生じたことだろうと思うのであります。それで重ねて二億の融資をして、その不均衡を是正いたしておるのであります。努めてこれは公平に、不均衡のないようにいたさなければならぬと思つております。
 過年度災害につきましては、先ほどもお話申し上げました通り、第三・四半期、第四・四半期に、建設省といたしましてはなお二十億の予算を持つておるのであります。これをとりあえず助成金といたして地方に交付する。そうすると地方も二月とか三月のつなぎができるのであります。そういうようにして地方財政の困窮の今日、できる限り早く助成金を交付したいと努力いたしております。恐らく二十億のほとんど大部分は九月中に交付できることと私は信じております。なお過年度災害について補正予算が問題となりますが、本年の災害はもとよりでありますが、過年度災害も本年の災害と均衡を保つて行きまするので、これに対しての補正予算に相当金額要求いたすつもりでありまして、まだ事実その案をつくりつつあるのであります。
#107
○淺利委員長 瀬戸山委員。
#108
○瀬戸山委員 大分本日の議題から離れた問題で時間が消えておりますが、私は簡單に大臣の御決意のほどを伺つてみたいと思います。
 本年は異例の年で、すでに数回災害にあいましたので、建設大臣はさそ御苦心をされたであろうと拝察いたすのであります。先ほどは安本長官から、ただいまは建設大臣から、いろいろ伺いましたので、御決意を持つておられることはわかつたのでありますが、さらに本委員会に対して、強力なる御決意のほどを明確にしていただきたい。それは災害復旧と先ほどのお話に出ておりました恒久対策の問題であります。本年のジユデイス台風までに合計三百億に上る災害がすでに発生いたしております。これに対して特別な措置をとつていただきましたことは、地方民といたしましても感謝いたしておるのでありますけれども、本年のようにたびたび災害をこうむつてみますと、これは國政の上で相当反省考慮を要するものがあると、これはどなたでもお考えになると思いますが、重要な問題であろうと思います。過般のデラ台風からジユデイス台風までの災害は、主として南九州が中心であつたのでありますが、これに対して二十二億の緊急なる費用を支出されまして、八月一ぱいにやらなければ次の台風が來て、せつかくの対策も烏有に帰する状況にありますので、地方民といたしましては、晝夜をわかたず夜間作業をいたしておつたのであります。ところがヘスターとか今回のジユデイス台風、こういうものが次々と來まして、せつかく一億、二億の金を油ぎ込んでやつておりましたものが、その大半烏有に帰してしまつたのであります。もちろん降りかかる火の子でありまするならばこれを拂わなければならぬ。復旧は緊急必要ではありますけれども、ここに日本の土木行政に対する根本的な考え方の反省をしていただきたい。私は專門家ではありませんけれども、專門家の方もさぞさように考えておられると思うのであります。現在のように、きわめて國家財政の窮乏時代でありますと、考えるように実行はできないと言えばそれまででありますけれども、國政のあり方をもう少し根本的に改めていただきたい。そうしなければ年々同じことを繰返しまして、窮乏せる財政をますます窮乏せしめるという、何と申しますか、政治のあり方においてまずいあり方がありはしないかということを考えておりますので、先ほど災害対策に対する審議会をつくつて、恒久対策を立てたいという構想を持つておるというお話で、私も非常に意を強うするのでありますが、災害は私から申し上げるまでもなく、あるいは雪解け、地震、あるいは高潮その他がありますけれども、大体わが國における災害は風水害であります。台風でありまして、ほとんど予知できる既定の事実のような災害でありますのに、これに対しては、私から申し上げるまでもないことでありまするけれども、災害が起つてから大さわぎをするということでなく、災害の起る前に、國家の財政の相当な部分をさいて、未然にこれを防ぐということにしていただきたいと思うのであります。過般のデラ台風に対する災害復旧にいたしましても、鹿児島縣、宮崎縣に対して約四億の國幣を費して復旧に從つております。かりにこの四億の土木復旧経費を、未然に河川の改修その他に使つておつたといたしましたなば、おそらくは三分の一ないし二分の一の災害に終つたであろうと、私は確信いたしておるのであります。本日ここにも見えておられますけれども、木曽川沿岸の方々が、何も災害が起つたのではありませんけれども、災害が起つてからでは間に合わないということで、先ほどから陳情に見えておられる。これが私はほんとうの道であろうと思います。災害が起つてから盛んに運動をされます。土木災害のみならず、すべての災害がきわめて厖大になつてからさわぐということは、本当の政治のあり方ではない、かように確信いたします。もちろん大臣もお考えになつておられると思いますが、どうかさような方向に今後の土木行政を切りかえていただきたい。さような御決意がありますならば、強力にここに御明示していただきたいということを、私は申し上げるわけであります。
#109
○益谷國務大臣 瀬戸山委員の仰せになつたことはごもつともであります。今日のような災害に次ぐ災害ということで國費を使うということになりますると、いわゆる災害亡國になるというので心配をいたしておるのであります。明年度の予算編成について、内閣において基本方針を決定いたしたのでありますが、その際國土資源の開発ということが取上げられまして、特に治山治水ということに重点を置くということに決定いたしました。從つてこの線に沿つて、明年度からは未然に災害を防止するという建前をとつて進めたいという考えを持つております。從つていわゆる河川の改良ということに相当主力を盡してやつて行きたいという考えを持つております。しかも閣議においての方針を入れられて決定をいたしておりまするから、明年度からはおそらくは相当金額の河川改造費が支出いたされることと信じておる次第であります。
#110
○久野委員 ただいま大臣にお願いいたしました総合対策本部の件でありますが、これは何としてでも早急に実現方をお願いいたしたい。これは各省との関連性ばかりでなく、建設省の内部においてさえも、十分有機的な統一を欠く場合が私は多々あると思います。先般視察いたしました北上川の例を申し上げますならば、下流部においては一関下流の狭塞部の開墾方に反対をいたしておりますが、一関付近におきましては、遊水池としての役目をわれわれが負うようなことであるならば、災害は年々続くから、何としても一関下流の狭塞地帯を開墾してくれということを強く要望しております。かように大河川においては上流部、中流部、下流部はたえず意見が相反し、また利害も相反するのでありまして、この有機的なつながりをつけ、眞に恒久的な災害対策を講ずるという意味からいたしましても、やはり災害対策本部のごとき一つの機関を設けまして、この有機的なつながりを続けるということが、私は大切ではないかと考えるのであります。この災害対策本部の設置方について、早急に御盡力をお願いいたしたいと思います。
#111
○淺利委員長 なお本日の日程といたしまして、都市計画に対する質疑がまだ残つております。それからもう一つは、昨日來通告になつております上林君からの赤川河水統制事業の質問が残つております。それに本日は群馬、岩手、愛知、佐賀、福岡等の方々から陳情したいという申し出があります。そこでお諮りいたしますが、まだ質問も残つておりますが、これは明日に譲ることとして、この際、遠路わざわざ陳情に見えているこれらの方々の陳情を承ることにいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○淺利委員長 御異議ないと思います。なおたくさんの方々が見えておりますから、なるべく簡單に、要領よくお話を願い、なお詳しいことは書面をもつてお出しを願いたいと思います。それでは大分陳情が多いようで、時間も定刻にわずかしか残つておりません。今日は委員会としてはこれをもつて散会をいたしまして、懇談の機会において陳情を聞くようにいたしたいと思います。これをもつて散会いたします。
    午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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