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1949/04/05 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第4号
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1949/04/05 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第4号

#1
第005回国会 決算委員会 第4号
昭和二十四年四月二日
 島田末信君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年四月五日(火曜日)
    午前十時二十七分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 塩田賀四郎君
   理事 松田 鐵藏君 理事 戸叶 里子君
   理事 井之口政雄君 理事 島田 末信君
      内海 安吉君    中馬 辰猪君
      藤枝 泉介君    南  好雄君
      奧村又十郎君    前田榮之助君
      金子與重郎君    黒田 寿男君
      小林  進君
 出席政府委員
        文部事務官
        (会計課長)  小川 潤一君
        厚生事務官
        (会計課長)  高田 正巳君
 委員外の出席者
        法務廳事務官  富田 正典君
        法務廳事務官  新谷 正夫君
        文部事務官   海野 正次君
        厚生事務官   渡邊 文也君
        厚生事務官   初見盈五郎君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
四月五日
 清藤唯七君が理事に追加当選した。
    ―――――――――――――
四月二日
 昭和二十二年度予備費使用総調書
 昭和二十二年度特別会計予備使用総調書
 昭和二十三年度一般会計予備費使用総調査書(
 その一)
 昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の一)
 (承諾を求めるの件)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年
 度特別会計歳入歳出決算
 特殊財産資金歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたしたいことがあります。昨四日議院運営委員会におきまして、理事一名を新たに加えることを承認せられたのでございます。この理事一名を私の方から指名いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○本間委員長 御異議なしと認めまして、私から御指名をいたします。清藤唯七君を理事にお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○本間委員長 本日は前会に引続きまして、昭和二十一年度決算について、司法、文部、厚生の三省から説明を聽取いたしたいと存じます。
 まず司法省の方から会計檢査院の批難事項に対する説明及び処置について、一應聽取することにいたします。
#5
○富田説明員 昭和二十一年度の司法省の決算につきまして、会計検査院の検査報告にあげられた批難事項について申し上げます。
 昭和二十一年度決算に対する会計検査院の批難事項に、施行経費の年度区分をみだつたもの、歳出臨時部第一款一般費第三項災害対策費にて五件、歳出臨時部第一款、一般費第五項神戸拘置所其他新営及修繕費にて一件、物品の修理よろしきを得ないもの一件、合計七件であります。
 まず経費の年度区分をみだり違法と認められたものについて申し上げます。(「登録税からやつたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)それでは登録税から申し上げます。
 会計檢査院の批難の要旨は土地及び建物についての課税標準は、おおむねその賃貸價格の十倍ないし十五倍程度、船舶はトン当り鋼船は五百円、木船は三百円程度であるべきのに、本件についてはその決定額が著しく低額に過ぎるということであります。同区裁判所は昭和二十年三月十日の戰災により、廳舎及び登記簿その他参考書類全部を焼失しましたので、同年七月十日より同二十一年六月三十日までに回復登記及び新登記を受理しましたため、事件にとりまぎれとうとう戰災前の價格で評価しましたようなわけで、はなはだ遺憾にたえぬ次第であります。なお当時の責任者に対しましては嚴重に戒告の注意を與えておきました。
 次に岐阜刑務所における物品税の徴收漏れについてでありますが、会計檢査院の非難の要旨は刑務所製品の賣拂いにあたり物品税を加算しなかつたということであります。本件は御指摘の通りの事実関係でありましてはなはだ遺憾でありますが、当時の係員が未経驗者であつたためかような始末を演じたような次第でございます。徴收漏れの分につきましては徴收完了の報告が來て居ります。また当時の監督者責任者に対しましてはそれぞれ嚴重に注意の処分を行いました。
 次に経費の年度区分をみだり違法と認められたものについて申し上げます。
 その第一は和歌山地方裁判所の復旧工事及び官舎新築工事に関するものであります。会計検査院の批難の要旨は第一建設株式会社に請負わせました復旧工事及び官舎新築工事は昭和二十三年七月会計実施検査の際、工事はまだ竣功に至らなかつたにかかわらず、請負代金の金額が請負人に交付済みであるという点であります。本件は昭和二十一年八月十四日契約いたし、年度末現在では工事も九五%程度進捗し、近く竣功する見込が十分ありましたし、又請負人からも責任をもつて竣功するとの申出がありましたので、予算の繰越しも認められない関係もあり、経費の支出手続も済ませて工事の竣功を急がせたのでありますが、その後資材及び労務が行き詰り、その竣功が遅延いたしたのでありました。本工事は昭和二十二年十二月初旬ごろ全部完成しております。
 次に本件工事用木材についての非難の要旨は、和歌山地方木材株式会社に昭和二十一年三月十五日請負わせた木材代金を年度内に木材を完納しないにもかかわらず、完納したものとして代金を交付し、その請負代金百万一千円のうち七十万円を提出させ官において保管したという点であります。この七十万円は木材納入の保証金の意味で提出させておき、納入量によつて交付する考えでおりましたところ、大部分の納入はありましたが、結局若干量については完納の見込がつきませんので、会計検査院の指示によりまして、合意で契約を解除し、その残量に相当する金額はすべて歳入編入の手続をとりました。
 第二は廣島控訴院施行の官舎新築工事等に関するものであります。批難の要旨は株式会社藤田組に昭和二十一年十一月一日請負わせた同控訴院雇傭人官舎新築工事及び日本電話設備株式会社に昭和二十二年三月三日請負わせた同控訴院電話交換設備工事は、いづれも年度内に完成しないにもかかわらず、完成したものとして本年度の予算から全額支出したという点であります。雇傭人官舎新築工事は昭和二十一年度に施行予定の廳舎前面に建築します関係上、廳舎工事の妨害となりますため、木組その他の準備を整え特に着工を見合わしておりましたところ、さらに天候不良その他の條件に阻まれて工事が遅延いたした次第であります。なお本工事は昭和二十二年八月二十日完成いたしております。電話交換設備工事は、当時資材難のため遅延を重ねましたが、この後係員を督励いたし昭和二十二年八月二十八日全部完成いたしました。
 第三は福井地方裁判所復旧工事等に関するものであります。批難の要旨は昭和二十二年一月十日山田某に請負わせた同裁判所及び官舎復旧施設附帯工事並びに昭和二十一年九月二日日本電話設備株式会社に請負わせた廳内電話交換設備工事が、年度内に完成しておらないにもかかわらず、完成したものとして請負代金全額を支出したこと、又株式会社熊谷組に請負わせた廳舎及び官舎戰災復旧工事は、予算が認められていないにもかかわらず工事を契約したという点であります。まず山田某に請負わせた廳舎及び官舎復旧工事は、当時の困難なる経済事情のため資材が円滑にまわらず、また労務者が思うように働かず、結局期日に間に合わなかつたのでありますが、近く完成の見込が立つたのと、一方予算の繰越しが認められなかつたため、やむを得ず工事完成前に支拂手続をとつた次第でありますが、その後係官を督励した結果、昭和二十二年九月全部完成いたしました。次に日本電話設備会社に請負わせた電話交換設備工事は、資材の値上りのため入手困難に陥り、年度内に竣功しなかつたのでありますが、年度末において工事完成に必要な資材の入手見込がつきました由にて二十一年度決算に整理した次第であります。工事完成は昭和二十三年八月二十一日であります。
 次に熊谷組に請負わせた廳舎及び官舎の戰災復旧工事は寒冷期に入ると工事の施行困難となるので、至急着手したいと要求して來たのでありましたが、本省においては予算の見込が困難のため一時その認可を見合わせたのであります。その後本省として予算の見通しがついたので昭和二十年十二月三十日電報にて工事認可の内示をとりはからつたのであります。福井地方裁判所においては右の内示に基いて昭和二十一年二月十八日株式会社熊谷組と請負契約を締結するに至つたのでありますが、いよいよ予算の内示を受けてみると、七十万円の少額に査定されていたのであります。ところがこれに対し司法省としては、当時大藏省が昭和二十年度緊急対策費は翌年度繰越しを認めない方針を堅持していたことと、一方現地における工事が、そのころにはわずか二五、六%程度しか進行しない状況であつたので、やむなく右大藏省の査定を認めたのであります。そうして司法省としては、昭和二十年度分は同年末までに現実に工事進捗し支拂いをなし得べき限度の費用を配賦し、残余は昭和二十一年度分として後日配賦する予定のもとに昭和二十年度分として七十万円を令達したのであります。從つて昭和二十年度予算としては右七十万円であり、同年度契約としては、右七十万円に相応する範囲の契約に改定し、残余の工事につき昭和二十一年度分の契約として昭和二十一年度予算確定後締結すべきものでありますが、その間における予算の年度区分についての関係が、本省と現地との間に連絡不十分なため、左ようの始末となつたことは、まことに遺憾に存ずるのであります。
 第四は、廣島刑務所関係素材の購入並びに運搬契約に関するものであります。批難の要旨は、廣島刑務所が山陽研究作業組合廣島支部と昭和二十一年十二日一日杉素材購入契約をなし、その素材の運搬に対し日本通運株式会社と運送契約をしましたが、これらはいずれも年度内納入運搬の事実がなかつたにもかかわらず、代金の金額を支拂つたという点であります。当時やみ建築のため木材はことのほか拂底し、價格も高騰しておりましたので、單に購入契約のみで代金前渡しをしないときは契約解除となるおそれもありましたから、ひとまず支拂いの手続をとつた次第であります。その後極力努力しました結果、昭和二十二年十二月八日全部納入運搬は完了いたしました。
 第五は、名古屋控訴院の官舎新営工事に関するものであります。批難の要旨は、同控訴院が昭和三十一年十一月、大日本土木株式会社に請負わせた院長官舎新営工事は年度内には一部着手したのみであつたにもかかわらず、年度内に完成したものとして二十一年度予算から支出したという点であります。右院長官舎新営工事は、昭和二十一年十月六日本土木株式会社と契約したところ、別に昭和二十二年度において應接室新築等の工事を十五万円で施行することが確定的でありましたが、工事の実施上應接室の工事着手を翌年度にまわすことは不可能であります関係上、同一工事として並行実施した次第であります。右工事代金第一期契約分四十万円は、昭和二十一年度末において工事完成せられざるにかかわらず全額支拂済みでありますが、これは年度末において近く工事の竣工を予定されていたのと、予算繰越しが手続上種々の困難を予想されたためでありました。なお本工事は第一期、第二期契約を合せ、昭和二十二年七月十三日完了いたしております。
 第六は、神戸拘置所舎房その他新築工事に関するものであります。批難の要旨は、昭和二十一年十一月十一日、株式会社本多組に請負わせた前記工事は、年度末現在のでき高は七割程度にもかかわらず、年度内に完成したものとして全額支拂いしたという点であります。本工事は必ず年度内に完成するよう周到なる計画を樹立いたし、大体予定通り進捗したのでありますが、その後数次にわたる物價の高騰に基因し、労務者又び資料の獲得に多大の支障を生じ、当初予定の年度内竣功が不可能となりましたが、本工事費の翌年度繰越も認められぬために、やむなく年度内に完成したものとみなして処理したものであります。なお右工事は昭和二十二年十月三十日無事完成いたしました。
 次に物品の経理よろしきを得なかつた点についての会計検査院の批難事項に関し御説明申上げます。会計検査院の批難の要旨は、要するに物品の整理不良で乱雑をきわめ、また物品出納簿の記帳整理もはなはだしく不備で、現品との対照もできない状況で、亡失物品についても検察廳の取調べまたは裁判所の判決によつて、ようやくその事実が判明確定したような事例があり、物品の経理はなはだよろしきを得ないというのであります。
 その一は静岡刑務所の盗難事件でありますが、これは同刑務所職員が囚人と共謀の上、同刑務所保管の布類十五反その他の物品を持ち出して賣却した事件であります。事件発覚後犯人が所持していた物品は返還させ、その他の物品は現金にて全部弁償をさせました。
 その二は京都刑務所の木製荷造箱の紛失の件であります。右木製荷造箱七千五百個につきましては、検察当局において捜査の結果、部内職員が賣却横領したことが判明し、目下起訴公判中であります。
 その三は大阪拘置所の物品亡失の事件であります。これは同拘置所の職員などか、自己の職務を利用して木綿生地類を俵に詰め、不用品のごとく偽装して囚人をして持ち出さしめ、囚人にはその謝礼として賣却した金額の一部を渡した件であります。右の犯行をあえてした職員等に対しては、公判請求の手続をとり、昭和二十二年十二月中有罪判決がありました次第であります。
 なお本件盗難物品につきましては、時價に見積つて弁償させました。
 なお静岡刑務所の経理よろしからざる点に関連し、会計検査院は同刑務所の長網式抄紙機械設備工事の契約に関する不当の点に言及しておりますが、その批難の要旨は、要するに昭和二十一年度においては、予算の範囲内においては機械の一部修理の契約をなしながら、翌年度予算を当にして全部の修理に着手したのは、会計法正当を得ないということであります。当時非常に用紙が拂底していたため、一刻も早く製紙の機械を修理したいと思いまして修理に着手したのでありますが、機械の構造上一部を修理して、他を分離することは困難な状態でありましたので、やむを得ずかような処置をとり、昭和二十二年度において残り全部の修理契約を締結した次第でございます。修理完成は昭和二十三年三月三十一日であります。
 以上申し上げました諸件につきましては、当局といたしましてはまことに遺憾にたえないところであります。当時終戰後の混乱に伴う事務能率の低下、経済界の沈滞及びその後の物價の急騰による資材の入手難、その他輸送力及び労力の不足等、すべて悪條件の累積に禍いされ、関係官及び業者の懸命の努力にもかかわらず、ついに万やむを得ずとりました方策とは申しながら、会計年度を乱つたという点、並びに物品の経理よろしくないため物品を亡失しました点は、眞に申し訳ない次第であります。当時の関係者に対しては、再びかかる失態を繰返さないよう嚴重なる注意を與えるとともに、部下関係者にもそれぞれ戒告を與えるよう通牒いたしたような次第でございます。將來もかような点につきましては、十分注意いたしたいと考えておる次第でございます。
 これをもつて昭和二十一年度決算に関する会計検査院の批難事項についての説明を終ることといたします。


#6
○本間委員長 旧司法省所管で何か御質疑がありますか。
#7
○井之口委員 これはなかなかこまかなものですから、少し時間をいれて一つ一つの項目についてお尋ねしてみたいと思う次第であります。
 最初の三十五ページの登録税の賦課徴收に当り措置当を得ないものでありますが、これは評價額が非常に少くなつております。御説の通りであります。それを今から追徴する意思はないのでありますか。
 それからもう一つ、五十六ページの刑務所製品の賣拂いに当り物品税を加算しないもの……。
#8
○本間委員長 井之口さん、一遍に皆しないで、どうですか、質問の件がたくさんありますから、こちらで答弁するのにわからなくなるとめんどうですから。
#9
○井之口委員 では一つずつやりましよう。最初の登録税の場合と財産税の場合では非常に差異があるのであります。それを今から追徴する意思はないかどうかという点であります。
#10
○新谷説明員 昭和二十一年度の登録税の認定が非常に低くて不当であつたという点でございますが、御承知のように登記は登記の申請をいたします際に登録税の認定をいたしまして、それによりまして登記所が受理いたしますと、登記は一應完了いたします。從いまして、仮りに登録税の認定の額が、客観的に不当であつたという事実がございましても、一應それによつて登録税の額は確定するわけでございまして、後日追徴するという法律上の手段はただいまのところございません。從いましてこれを追徴することは不可能ではないかと考えております。なお御参考までに申し上げますが、この二十一年度の登録税の認定が非常に安かつたという点につきましては、当局といたしまして非常に遺憾に存じておる次第でございまして、その後いろいろ物價の高騰に伴いまして、登録税の額と一般の時價との懸隔がはなはだしくなりましたので、この指摘されております昭和二十三年の三月の民事局長の地方裁判所長に対する通達のほかに、二十三年にも重ねてこの通達をいたしまして、さらに現在登記事務を取扱つております司法事務局の局長あるいは総務課長また登記課長の会同を中央において催しますごとに、この点につきましては強く私どもの方で強調いたしまして、登録税の額の適正化ということを主張して参つておるわけであります。昨二十三年度の実績を申し上げてみますと、六月までに大体五億足らずの登録税の徴收になつておりますが、さらにその後私どもの方でこの登録税の適正化ということを強く主張して参りましたために、十二月現在、從いまして昭和二十三年度の登録税の額は約十八億に達するような現状になつております。六月までの額の三倍以上ということになつております。だんだんと登記者の登録税の額の認定も適正化を目ざしてその額も一般の時價との均衡をとつて参つておるように考えておるのでございます。昭和二十一年度の認定額につきましては、いろいろと遺憾の点があつたかとも存ずるのでありますが、現在かような事情になつておりますので、参考に申し上げておきます。
#11
○井之口委員 これは非常に大きな問題でありまして、たとえば株式会社三井本社に対する登録税のごときも、昭和二十一年の四月一日になつておるのが財産税の標準に從つたものよりも約六分の一ぐらいに安いのであります。なお二十一年だけでなくて、二十二年度においてもやはりこういうことが続けられておるのであります。この点が非常に不当であるというのが会計檢査院からの趣旨なのでありますから、それを何とかやはり訂正しない限りはこの責任は非常に重大だと思う。責任者としてはこういう間違つたことをしたことに対していかなる責任を負わしたか。それからまたこれは一東京近在のものだけしかここに載つておりませんが、日本全國でこういうことが非常に起つておるのではないか、その額たるや非常に厖大なるものではなかろうかとこう思うのであります。その日本全國でこういうことが行われておるとすれば、その実情を特別の調査をもつて発表してもらいたい。それから二十二年度はまだこうなつておりまして、これから二十三年度も調べることになりますが、二十三年度においてはこういうことが起らぬように完全な方法をとつてあるかどうか、現在はどうなつておるか、こういう点であります。現在の点については適正にこれをとるというふうにお考えでありますが、もつとそれを具体的に伺つて、確答していただきたいと思います。
#12
○新谷説明員 二十一年度の登録税の問題につきましては先ほど申し上げましたように現行法上追徴の道がございません。この問題が発生いたしました当時、監督官を通じまして今後の登録税の認定については十分に注意するようにという戒告をいたしておるのでございます。なお二十二年度の実情はまだ十分な調査ができておりません。しかしこの問題が発生いたしまして後、私どもといたしまして非常にこの問題につきまして関心をもつて調査いたしまして、登録税の認定の基準をいかなるところに置いておるかということを全國の各司法事務局において調査いたしました。その結果によりますと、昭和二十三年度の十二月の大体の状況を申し上げますと、宅地につきましては賃貸價格の五十倍ないし四百倍、建物につきましては同じく賃貸價格の二百倍ないし五百倍というところが全國の大体の取扱いの基準のようになつております。もちろん全國一律に宅地なり建物につきまして均一な基準を定めるということがかえつて実情にもそぐわないことになりますので、一應各司法事務局の管内におきまして登録税を認定いたしまする基準を定めまして、それをもとといたしまして各個の事案につきまして適正な價格を認定するようにというふうな指導をいたしております。なお各司法事務局によりまして、この認定基準にかなりの差異もございますので、この点は全國の表をつくりまして、各司法事務局長にその表を示し、それぞれ連絡をとつて相互の登記所の間にも不均衡の生じないようにという措置を講じております。なお税務署におきまする相続税の場合の課税價額との関係でございますが、これとも均衡を保つ必要がございますので、来年度におきましてはさらに登記所と税務署との連絡を密にして、この課税價額の認定について均衡を失しないように、極力注意するようにいたしたいと考えまして、來年度の予算にも若干の連絡費を計上いたしまして、御審議を願うことになつておる次第であります。これによりまして、さらに今後はこの登録税の認定の適正化が期せられて行くのではないか、かように考えております。
#13
○井之口委員 どういう責任をこれにとらせるようにしたかという点についてお答え願います。
#14
○新谷説明員 責任者に対しましては当時戒告の注意を與えてあるのでございます
#15
○井之口委員 今日非常に人民は重税に悩んでおるのであります。こういうことを聞くと、今日人民は納税の意欲も非常に薄らぐようになるのであります。この意味におきまして、今日法律によつて追徴するの規定がないとのことでありましたが、しかしいろいろな産業営團の解散の場合には、法律のあるなしにかかわらず、これに賠償するということも、いろいろ政府から案を出されておるような状態であります。今からでもこうした税をのがれておる不当なものに追徴するような法案をつくる意思は政府にないのでありますか。
#16
○新谷説明員 ただいまのところ、この点につきましては特に追徴の道を講ずるようなことは考えていない次第であります。
#17
○井之口委員 全國的な方面の調査並びに全國の税率を一定するということに対して、もつと具体的な政府の案がありましたならば、それを一つここに発表していただきたい。なおそれはすぐはお願いできませんでしようから、いろいろな調査が必要と思いますので、この次でもさしつかえありませんから、何らか文書の形で出していただけば、非常に参考になると思います。今の問題はそれだけにいたします。次に五十六ページの刑務所製品の賣拂いに当り物品税を加算しなかつたもの。これは完了したのでありますか、追徴したのでありますか。
#18
○富田説明員 昭和二十三年三月末日に、徴收完了の報告が参つております。
#19
○井之口委員 九十八ページから九十九ページの福井地方裁判所の件で熊谷組に請負わした事件でありますが、これは三百万円の廳舎及び官舎災害復旧工事を請負わせることにしてやつたということが言われております。しかるに実際は六十九万円で請負わしておるわけであります。六十九万円でやれるような仕事を、三百万円の予算を予定しておつたのでありますか、どうでありますか。
#20
○富田説明員 当時大藏省の内示で、大体三百万円との見当でございましたため、実査定の結果は七十万円であつたので、やむなく残りを二十二年度の工事といたした次第でございます。
#21
○井之口委員 六十九万円でも済むような工事なんでありますか。もしそつちがほんとうだとすれば、それに三百万円の要求を出しておるでしようか。
#22
○宮田説明員 残りは二十二年度において実施したのであります。
#23
○井之口委員 そういうのがあちこちにみな大分あるのでありますが、半分だけ工事をやつて、あと半分を次の予算、出もしないものを当てにしておるとかなんとかということがあつて、会計検査院からもそのために十分な注意を受けておる、こういうことがなくなるためには、政府としてはどういう方針で将来実施したらよいとお考えになりますか。
#24
○富田説明員 なるべく年度内に措置するように計画を十分立てますとともに、万やむを得ざるものにつきましては、現在は繰越が認められております。ので、残つた分は繰越して補つて行くというぐあいになると思います。
#25
○井之口委員 今の御答弁は返事にならぬと思うのです。つまり予算もまだ組まれる見込もないのに、すでにとれるものだというふうな予定をもつて工事が起されるというふうなことがたびたびある。これを防ぐ方法としてどういう方法をとつたらよかろうか、將來の会計制度を改革する上においてそういうじだらくなことが行われないようにもしそういうことがやたらに行われるとすれば、議会における予算の審議権をも妨害して来るものでありますから、会計が繚乱して行くもとであります。これを防ぐためにどういう方法を政府の方においてはとられたらいいのでありますか。
#26
○富田説明員 今回の財政法、会計法等の改正によりまして、支出負担行為の計画というもを示達いたしまして、その計画の範囲を越えたものにつきましては責任をとる、処罰も考慮されておるような次第でございまして、その面において十分取締つて行けるものと信じまた取締つて行こうと思つております。
#27
○井之口委員 今度の会計法の改正ではますますこういうことが合理化されて、その監督が行届かなくなり、ますますじだらくな支出が行われるようになると思われるのでありますが、その点はどうでありましようか。
#28
○富田説明員 一々契約をいたします場合に支出負担行為認証官というものが厳重にこれを認証いたしまして、その上支出負担行為が行われて参りますから、そういう面で十分監督規制が行われて行けるものと信じております。
#29
○井之口委員 一應そういうまだきまつてもいない予算を目当として事業を起して、そうして金が足らなくなる、そのために強制寄附をいろいろやつて、たくさんの寄付を集めている実例があるのであります。現に会計檢査院からもそういうふうなことはいかぬという指摘になつている個所はあちこちにあります。もしもそういうことになりましたならば、強制寄附があちこちにされて、それによつて警察費がまかなわれ、あるいはまた裁判の費用がまかなわれる、刑務所の費用がまかなわれるというようなことになつて来ますならば、ここにおります官廳の人たちと多くの寄付をされる人たちの間に、非常に密接な親密な関係が生じて来て、いろいろな收賄事件が起るとか、あるいはその間に不正な行政処分が起るというようなことが起つて来るのであります。そういう点はやはり今日の制度として予算は予算で前もつてきちんと組み、そうしてそれを他の方に流用したり、あるいはまた組まれないような予算を当てにして事業を半分起して行つて、あと半分はむりやりに姑息な手段をとるというふうなことを防ぐ方法を政府において講ぜられるのが、会計法の改正だと思うのでありますが、むしろ今計画されつつあるところの会計は、そういうのをかえつて助長するような傾向になりはしないかと思いますが、この点いかがでしようか。
#30
○富田説明員 まだ実際この改正法が動いてみないと、お説のようなことが起るかどうかわからないのでありますが、われわれ現在の改正法を拜見いたしました解釈から申しますと、むしろ支出負担行為計画というものが示達されまして、それによつて非常に厳重に規制されて行くというぐあいに考えておりますし、本省といたしましても十分現場にもこの範囲内の、支出負担行為計画示達表の範囲内においてまかなうように嚴重通知をいたしますと同時に、お説のごとき強制寄附を仰ぐおそれのあるような寄附の上申につきましては、厳重にこれをチエツクして行き、規制して行くというぐあいに考えております。
#31
○井之口委員 強制寄附によつてこういうものをつくらないということを政府は責任をもつて言明なさいますか。
#32
○富田説明員 法務廳所管といたしましては、強制寄附によつて、そういうことをまかなわせないように厳重注意いたします。
#33
○井之口委員 最後にもう一つ官有物の取扱いについてでございますが、静岡でも、京都でも、大阪の拘置所でも、こういうじだらくな物品の取扱いが会計檢査院によつて指摘されております。ところが会計檢査院もなかなか手不足のことでありまするし、全國に十分に手が行き渡つて調査されたものではなかろうと思うのでありますが、京都、大阪、静岡というような重要な箇所に、こういうようなことがあるとすれば、そのほかの方面においてはますますこういうものがじだらくに取扱われておりはせぬかと思う。その点につきまして政府の方では、單にできてしまつてから下級官吏の責任を追究するというようなことでなくもつと根本的な政策をとられるような意思はないでありましようか。とりわけ私は長いこと刑務所にもおりまして、刑務所の中のこともいろいろ知つておるのでありますが、刑務所の予算が非常に少い。今日は紙でも囚人が月のうちに十枚ぐらいしか使つていない。あとは手で拭くという状態であります。そして看守の方は月給が安いために、いろいろ物品の持ち出しをやる。そして囚人に渡るものでも、よその方に削つて行つてしまうというような乱雑なことが行われている。囚人はほとんど今日社会に対して言葉を発することもできないような悲惨な状態にあるのであります。こういう人たちのものから削ずられて物品が粗雑に取扱われるというふうなことにでもなりますれば、まるで首つりの足をひつぱるようなものである。根本的な物品取扱いをきちんとして、不正が行われないようにする責任が十分政府にあると思うのでありますが、この点いかがでしようか。

#34
○富田説明員 まことにお説の通りでございまして、法務廳といたしましても十分その点には平生から注意いたしておる次第でございます。予算面におきましても極力この刑務所の收容者に眞の教育刑を行えるような予算を要求いたしますのでございますが、現下の國家予算の現状におきましては、なかなか十分なものがとれない次第でございます。しかしながらただいまお説のごとき、月に紙の十枚というようなものでなく、本年度予算では大体一日平均二、三枚程度の紙はとれるように大いに努力いたしまして、刑務所の收容費につきましては、さほど苦しくはない、どうやら教育刑を遂行して行くに足るだけの予算を要求致しております。
 それから決算面におきましても、物品出納官吏その他会計官吏の教養という面につきましても十分考慮いたしまして、特に法務廰関係は各支出官の数が多く、また裁判所等の分離の関係等によりまして、会計職員の素質が若干劣つておりますために、そういう面の教養をいたしまして、十分かかる非行のなきよう、また会計事務の完全に遂行できるよう考慮いたしまして、今年度の予算におきましても、特に会計職員の報酬の点等も認めていただきまして、この面からも十分人格、品性、教養の向上に努めて行きたいと思つております。
#35
○本間委員長 ほかに旧司法省所管で御質疑がなければ、司法省の方は一應これで打ち切りたいと思います。いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○本間委員長 引続きまして文部省の方から会計検査院の批難項に対する説明を聽取することにいたします。
#37
○小川(潤)政府委員 昭和二十一年度決算に対する、会計検査院の批難事項は経費の年度区分をみだつたもの一件、物品を交換によつて取得したもの一件、計二件、昭和二十二年度におきまして会計検査院の注意により是正した事項といたしまして、薬品の賣拂代金をただちに使用して予算外に経理したもの一件、誤つて予備費使用を要求したもの一件、計二件であります。以下順次右について御説明申し上げます。まず、昭和二十一年度学校特別会計歳出面におきまして、経費の年度区分をみだつたものは長崎医科大学附属医院本館及び薬局戰災應急復旧第一期工事ほか四工事の件でありますが、右工事はいずれも契約期日までに竣功させるべく鋭意努力したのでありますが、当時請負人側における資金難と労務及び資材の入手難のため予定通り進捗せずして、竣功期日が年度を経過いたしましたことはまことに遺憾とするところでありまして、將來十分注意するとともに二責任者に対しましてはそれぞれ注意の処分を行いましたから御了承願います。
 次に物品を交換により取得したものは、大阪帝國大学微生物病研究所甲子園病院が、二十一年四月同大学附属医院山口病院において、復興開院した薬品の件でありますが、当時新円の切替、封鎖支拂等経済界の激変期でありまして、一般に商品の流通が阻害され業者は賣惜しみをして、所要薬品の入手が実に困難の実情でありましたので、同院に配当された予算では所要の薬品を購入する余裕がなく、日ごとに増加する患者を目前に控えまして、まつたく施すすべもない事態に立至つたのであります。よつて担当者は、当時余裕のある薬品を他の所要薬品と交換するよりほか打開の道はないものと考えまして、やむを得ず公定價格により物品の交換をいたした次第であります。しかしながら会計法規上認められていない物品の交換をいたしましたことは、まことに遺憾とするところでありまして、將來十分注意いたします。次に昭和十九年度施行にかかる、同大学産業科学研究所研究室火災復旧工事の件でありますが、右工事は当時契約期日までに竣功させるべく鋭意努力したのでありますが、労務者の不足及び請負人側における資金難等のため、予定通り進捗せずして竣功期日が年度を経過いたしましたことは、まことに遺憾とするところでありまして、將來十分注意いたします。なお右二件の責任者に対しましては、それぞれ注意の処分を行いましたから御了承願います。以上述べましたところが二十一年度分でございます。
#38
○本間委員長 皆さんに御了解を得ておきますが、二十三年度の決算報告は上つて来ておりますからその際御了承いただきたいと思います。文部省の所管で何か御質疑があればそれを許したいと思いますが……。
#39
○島田委員 今の御説明の中で物品を、交換により取得したものということでありますが、これは事情も大体うなずけるし、こういうことも事情によつてはあり得ると思います。ただ問題となるのは、公定價格で交換すればそれでよいかという問題であります。これは交換物件がこちらの公定價格と向うの公定價格ととんとんで何も問題ないのでありますが、当時のやみ價格からいつて、相手方に非常に利得をさせはせぬかというところに問題が伏在しておると思うのであります。この点はどういうものでありましようか。
#40
○小川(潤)政府委員 調査したそうでございますが、両方マル公、マル公だそうであります。
#41
○島田委員 それはわかつたのですが、やみ價格はどうなるのでしようか。
#42
○小川(潤)政府委員 御質問の点ごもつともと思いますので、ただマル公が合つているだけでは申訳ないと思います。その点は、もう一回調査いたしたいと思つております。
#43
○島田委員 私は過去のできごととして先般も申し上げたのでありますが、終戰直後間もなく、当時の事情としていろいろ会計檢査員から指摘されるような件であつても、当時の実情から推して、われわれが実際に政治を行う上で、予算を相当生きた使い方をする上から大体うなずける件が多い、かように思つておるのでありますが、ただその事件の内容に至つては、二通りあると思います。すなわちやむにやまれずそういう処置をとつた件と、その実情に便乗してあるいは私利私腹をはかつたとか、あるいは相手方に非常に利得をさせその間にいまわしい問題が伏在しておるとかということの両方あると思うのであります。当時の実情から推して、予算をそのまま会計檢査院の指摘されないような立場に使つたのでは、当然仕事ができないということで、責任を感じながらも実情上やむを得ずやつたということに対しては、むしろ私は訓告を與えるとか、あるいは処分するというようなことはお気の毒な話である。ところが一面それに便乘していまわしい問題が伏在しておるということでありますならば、そういうことは相当強い処置をとつておかぬと、われわれは黴菌をいまだにかかえておるようなあぶなさを感じるのであります。それで事件の大体外部に現われたそのものは、たれも納得できる事柄でありますが、その局に当つた者がどういう心情でやつておつたか、事情に便乗していまわしい、問題がその間に伏在しておつたかということは、われわれ非常に探索しなければならぬ事柄であります。それが各省ともあると思うのであります。そこでもしその当時の情に便乘していまわしい問題が伏在している、その本人に対しては相当強く処置をとつておかなければ、今後正しい予算の行使というものはすべてできないという立場であるならば、これはただ單に自分の省の責任を軽くするとか、あるいはなるべく穏便に失策がないように済まして行きたいという人情だけでなくて、ひとつ強く処分をしておかなければ困るのではないか。この交換問題につきましても、私はその間疑わしいのは、公定價格で交換すればいいじやないかというだけでは済まぬと思う。その当時のやみ價格から申しますならば、非常に相手方に有利なこと、またその利得を與えるということもあり得るのでありまして、こういう点につきましてはもう一歩深く突き進んで、その実情を明らかにした上で、とつた処置に対してあと腐れなく、またわれわれが今後とも不安がないような御処置を願いたいと思います。この問題だけではないが、こういう問題について、そういつた点、十分今後御注意を願いたいと思います。

#44
○井之口委員 大阪の微生物病研究所の産業科学研究所研究室及び火災復旧工を興亜建築工務所に、これは十九年に請負わせたわけでありますが、それが二十二年の十月に完成したという報告であります。これはその間大分日にちがかかつているし、物價は非常に高くなつているし、この工事を請負つた会社は、これは大分損になつていると思いますが、そういう損をかけて、はたして完全に注文しただけの工事ができ上つているかどうか。これは政府の報告は完成して残額を交付したとなつておりますが、会計検査院の方においては、これがはたしてりつぱに役に立つような建物ができているかどうかをお調べになつたのでございましようか。
#45
○海野説明員 ただいまのお尋ねに対しましては、会計検査院におきましてはその後調査されまして、やはり報告書の通りできていることを確認いたしております。
#46
○井之口委員 いろいろなこういう工事が中途半端になつて次年度に持ち越される。これは会計検査院でもいろいろ注意を與えておる。そうして政府の方ではそれを完成したという報告も出て来るわけでありますが、そうした場合、会計検査院は、はたしてそれが政府の言う通りに完成したかどうか、自分で注意を與えたものが完全に履行されているかどうか、もう一ぺん調査なさるのでありますか、なさらぬのでありますか、この点を伺います。
#47
○本間委員長 井之口さんにちよつと申し上げますが、きようは会計検査院からは来ておられないのでこの次に会計検査院の方から参りますから、そのときまでその質問は留保していただきたいと思います。
#48
○井之口委員 承知いたしました。
#49
○本間委員長 ほかになければ文部省関係はこの程度で一應打切りたいと思いますが御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○本間委員長 それではさようにいたします
    ―――――――――――――
#51
○本間委員長 引続きまして、厚生省から、会計検査院の批難事項に対する説明を聽取することにいたします。
#52
○高田政府委員 厚生省関係の検査報告にあげられました批難事項につきまして御説明申し上げます。
 第一は、宮城縣が昭和二十一年度内に引揚者等越冬用ふとん綿を收納しないにもかかわらず、これに対し小切手を振出したものを、経費の年度所属を乱るものとして批難されたものでございますが、当時の状況を申し上げますと、昭和二十年度において実施いたしました引揚者等の越冬用寝具配給業は、海外よりの引揚者を対象としまして、迅速に商工当局と打合せの上、第三四半期分として割当てられましたふとん七十万組を各府縣に割当て日本寝具統制組合とも連絡をとりまして早急なる現物化を各府縣に指示いたしましたが、何分にも相当厖大なる数のふとんでありましたので、短期間に製品現物化することは困難でありましたため、最後の手段といたしまして、各府縣保有の製綿が相当数あるとの関係当局の見通しもありましたので、各府縣自体で縫製の上支給することにしまして、綿の購入代金としまして昭和二十年度内に所要の予算を配賦したのでございます。宮城縣におきましても予定通り現物化し得る見通しで諸般の手配をしたのでありますが、担当者の不なれ等のため御指摘のようなことが生じましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。その後、昭和二十二年内にこれらの物品は宮城縣においても納入いたしまして、それぞれ配給を完了いたしておる次第でございます。
 (委員長退席、川端委員長代理着席〕
 第二は厚生省が官舎用土地建物の購入費として、傳染病予防費から支出しているが、これらは予算の目的外に経費を使用したものとしまして批難されたのでございますが、当時の状況を申上げますと、傳染病予防並びに防疫関係事務は、細大を問わず関係方面の詳細な指示に基いて一段と拡充強化されるに至りましたが、これらの諸施策は、事務の性質上、急速処理を要するものでありますことは御承知の通りでありまして、これが責任担当官であります防疫官等が定の地域におりまして、常に関係方面と緊密な連絡をとり、事態の推移に即應した防疫措置を臨機指揮督励することが最も緊要であります。これにつきましては、昭和二十年四月下旬、浦賀への引揚船にコレラが発生いたしまして以来特にその必要を痛感されましたので、万全の防疫措置を講ずる必要上、官舎を買入れ、一定の地域に住居せしめますことといたしまして、本科目より支出いたしたのでございます。当時購入しました官舎は、現存國有財産として取扱つておりまして、防疫担当官等の住居に当て、防疫措置に万全を期しておるような次第でございます。
 第三は、京都府に対しまして生活保護法による補助金の交付多額に失したものとして批難されたものでありますが、御指摘の通りで、まことに遺憾に存じておる次第でございます。当時の状況を申上げますと、生活保護法施行日直後のことでもありますし、また民生委員の改選などもありまして、本法の趣旨及び手続等が十分に関係者の間に徹底しなかつた上に、京都市が御承知の非戰災都市でありました関係上、戰災者、引揚者等の轉住移動が他に比べて相当頻繁でありましたために、要保護者の人員の調査等に種々困難が伴いまして、その正確な数字の把握に非常に困難を感じましたことと、かつ昭和二十二年度当初から府市を通じまして、各種選挙の施行に伴いましてこれが準備に忙殺されて、概算交付の過不足調整をはからねばならない年度末において、その必要を痛感しながらもついその機を逸し、できなかつたような次第でございます。なお本件超過額一千三十七万九千三百二十一円は、会計検査院の御注意によりまして、昭和二十二年十二月國の歳入に納付いたしました。
 第四は、引揚者等越冬用寝具費拂代金の徴收に当り措置緩慢に失するものとして批難されたものでありますが、当時の状況を申し上げますと、配給系統機関における現物の在庫量、偏在等が予期に反しましたことと、輸送状況におきましては、石炭事情並びに雪害等が災いいたしまして、配給に非常な遅延を来しました関係上、地方機関が引揚者等よりその毛布代金を領收いたし、中央機関を経て國庫に納入するまでには相当の日数を要するような状況でありまして、なお取扱者たる日本織物株式会社が昭和二十二年十月一日閉鎖機関令の適用を受け、閉鎖機関整理委員会の手にゆだねられましたために、御指摘のように收入未済として残りましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。なお回收入未済額は昭和二十二年度末までに全部納入いたさせました。
 第五は、秋田縣の職員の犯罪によりまして國に損害を與えた事柄でありますが、これも御指摘の通りでありまして十分なる監督を怠つたために右の事態を生じましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。以上申し上げましたごとき次第でありますが、かかる事態を生じましたことに、つきまして当局はこれらの監督者、決定者執行者等にそれぞれ司法上あるいは行政上の処分をいたしまして、今後は監督を一段と嚴にし、このような遺憾なことがないようにと期している次第でございます。なお犯人木谷一雄は、昭和二十二年六月四日詐欺罪として懲役二年に処せられ、現在服役中で、本人はまつたくの無資力でございまして、短期に徴收することが不可能でございますので、昭和二十三年四月三十日にすえ置き貸し七万一千七百四十円として措置いたしてございます。
 以上でございます。

#53
○川端委員長代理 御質問はございませんか。
#54
○井之口委員 実は会計檢査院の報告の順序を追うてやられるか、あるいは何かしないと、あつちへ飛びこつちへ飛びして、どれを言つておられるのかわからない。大藏省に行つてみたり、それから厚生省に来てみたり、それからまたほかのところへ飛んで行つてみたり、そういたしますので、われわれとしては準備をして來ることもできないし、こまかな説明をあなたのところから今ちよつと聞いただけでは、どれに当つているのやら、そこの中の不正がどれなのやら、ちよつともわからない。三つ違つている。この順序でもない。それからここにお渡しになつているプリントの順序でもなければ、ここに書いてあるものの順序でもない。またそつちから出されるのは、そつちの特別の順序で出される。そういうふうなことでありますから、審議するのに非常に困難を感ずるのであります。この点を何とか訂正していただきたいと思います。できるなら、会計檢査院の方からきちんとりつぱな文書になつて出ている。その内容はほとんどかわらないのでありまするから、これの順序にしていただいたならば、審議をするのに非常に順序を追うていて、全部の方々がおわかりになると思います。
#55
○川端委員長代理 今日はせつかく目録をつくつて出してくれておりますのです。
#56
○井之口委員 もし目録をつくつてくださいますならば、それを前もつて渡してもらつてわれわれが前もつて考えなければ、これを一分や二分間に十分にこの入り込んだ仕事の中味を檢討することはできやしません。大体普通の法案の審議だつたら前もつて渡されておりまするし、いろいろしますけれども、こういう厖大なものは、そのとき審議にかかるものをはつきり前もつて言つてもらわないと準備ができません。
    〔川端委員長代理退席、委員長着席〕
#57
○本間委員長 第一復員局の渡遷説明員。
#58
○渡邊説明員 ただいまから昭和二十一年度の復員局関係の決算について会計檢査院から批難をせられました事項について御説明を申し上げます。
 会計檢査院の昭和二十一年度歳入歳出決算検査報告の三十九ページ、復員局関係で会計檢査院の検査報告により批難をせられました事項は四件でございます。お配りしましたメモに書いてございますように、收入未済多額に上るものとして批難せられましたのが一件。それから報告書の七十四ページ、七十五ページにわたつて書いてあります三重の地方世話部及び福岡の地方世話部における経理関係者の官金詐取事件、七十六ページの給與の支拂に当つて分類所得税を控除しなかつたものという大分地方世話部の件、この四つでございます。
 その第一の檢査報告の三十九ページにございます件でございますが、これは終戰に伴いまして、民間会社等との契約を解除いたしました際に、返納を要します前金拂いとか、概算拂いの精算による要返納金及び軍需品の拂下代金及び過誤拂金等の回收すべきものの合計が、第一復員局関係におきまして三億一千七百八万八千円でありまして、未だ收入に至つていないということが批難せられたのでございます。本件は檢査院の指摘の通りでありまして、復員局といたしましても、経験以来全力を傾注いたしましてこれが回收に盡力して参つたのでありますが、関係官の復員による手不足に加えまして、経済界の混乱、金融緊急措置、補償打切り等の一連の経理措置のために、これらの債権の取立てに非常に困難を感じて参つております。しかしながら復員局としましては、いたずらにこれを遷延することはできませんので、昭和二十二年の秋以來、從來の穏和な督促の方法を改めまして、法的手段に訴えましてもこれが回收をはかり、ただちに回收できないものにつきましても、これが債権確保の措置をとるように進めて参つた次第であります。その後調査の結果、回收の必要がなくなつたもの、新たに発見した債権及び回收済みになつた額等がございまして、現在すなわち二十四年の三月末月現在、未回收額を申し上げますと、この四十ページの報告に載つておりますのとは若干違いまして、未回收総額は二億二千五百三十六万四千七百三十六円七十六銭ということになつております。そのうち一億九千六百三十一万一千六百六十三円五十八銭というものは國の債権として確定をいたしましたのでございます。差額の二千九百五万三千七十三円十八銭、これは未だ債権の資料の不備のため、國の債権として確定し得ないものでありますとか、債務者から異議の申立て中のものでありますとか、あるいは債務者の住所不明のために取立てができない。すなわち歳入徴收官の調定額にのぼすことができないというものでございます。このうち前に申し上げました法的な措置云々と申しますのは、民事訴訟法による即決和解の方法、あるいは法務廳の総裁を代理者といたしまして、訴訟をするというような準備を整えておるものでありまして、ただいま訴訟を準備いたしておりますのは九件、二百二十五万七千七百五十九円七十六銭ということになつております。
 第二の批難事項であります七十四ページの三重世話部の件、福岡の世話部の件でありますが、経理関係者の官金詐取事件は、犯人はすでに起訴せられまして、三重の方は既決、福岡は未決ということになつております。從來金銭の取扱いにつきましては、教育指導並びに監督を嚴にして参つたのでありますが、職員の中からこのような犯罪者を出しましたことは、まことに遺憾のきわみでございまして、將來深く注意を喚起しておる次第でございます。三重の世話課につきましては出納官吏の若林典三は昭和二十二年二月十二日知事から懲戒免官の措置を受けました。昭和二十一年十二月復員廰総裁が弁償を命じまして、本人が無資力のために昭和二十三年四月十九日すえ置貸しに編入いたしまして、三重縣知事に移管をいたした次第であります。福岡の世話課の現在の状況は、三万七千五百四十五円三十八銭回收をいたしまして、残額の二万七千四百三十円は毎月若干ずつ回收の見通しがついております。なお福岡縣知事が私訴を提起しておりますが、公訴未決のために決定いたしておりません。第三の七十六ページの大分世話部の件でございますが、これは給與の支拂に当つて分類所得税を控除しなかつたという件でございます。昭和二十二年十一月二十九日全額國庫に納付済みでございます。
 以上四件につきまして概要を御説明申し上げましたが、なお御不審の点につきましてはお尋ねによつてお答え申し上げたいと存じます。終り。
#59
○本間委員長 第二復員局関係について、初見説明員から説明を聽取いたします。
#60
○初見説明員 第二復員局関係の決算につきまして、会計檢査院の批難事項は四件ございます。その一は檢査報告書の三十九ページにございまして、收入未済が多額に上るという件でございます。今第一復員局関係の説明がありました通り、これは檢査院の檢査報告の通りでございまして、未回收の債権の回收につきましては、第一復員局とも今後の方針その他について歩調を一致して、鋭意回收に努力を続けております。
 第二は檢査報告書の六十八ページにございまして、第二復員局で昭和二十、一年度末において翌年度分の家族渡しの給與として前拂いした金額が四千六百六十四万五千二百九十九円、これは会計年度をみだつたものである。こういう批難でございます。本件は会計檢査院の検査報告の通りでございます。説明書によつて説明をしておりますように、家族のための給與についてとつた措置でありますけれども、法令抵触の事実はまことに遺憾でございまして、將來は十分注意をいたすことにしております。
 その三は報告書の七十五ページにございます阪神掃海部で職員の犯罪によつて國に損害を與えた額が、十四万四千三百八十二円となつておる件でございます。これも会計檢査院の検査報告の通りでありまして、はなはだ遺憾とする次第でございます。將來一層注意いたしましてこの種の事故の根絶に努力いたします。なお犯人の森川に対しましては損害回復の附帯私訴を提起しまして、昭和二十二年十月十四日和歌山地方裁判所田邊支部において被害金額十四万四千三百八十二円八十銭を國に支拂わなければならないということに確定判決を得ております。なお昨二十年の四月犯人森川の兄から三万円を弁償して参りましたので、これは收入済みでございます。
 その四は報告の九十五ページにございます。元海軍省所管の軍事費特別会計において物品の購入にあたつて檢收の手続を怠り納入の事実を確かめないで代金を支拂つたという件でございます。本件も会計檢査院の檢査報告の通りでございます。未回收債権の回收につきましては、本人が死亡しましたので実情は相当困難な状況にございますけれども、相続人の資力その他を調査しまして取立てに努力しております。以上でございます。

#61
○本間委員長 厚生省及び復員局関係に何か御質疑があれば申出をお願いしたいと思います。
#62
○井之口委員 第一復員局関係で二十四年度の現在で一億九千万円からの未收入があるという話でございましたが、これはとれる見込がありますか。
#63
○渡邊説明員 とれる見込がございます。
#64
○井之口委員 第二の表によると無資力者とか、住所不明者とかという人たちがおるようですが、こういう人たちでもとれるのでございましようか。
#65
○渡邊説明員 無資力者につきましては、すえ置き貸しないしは定期貸しという処置を講じてとつて行きたいというふうに考えております。
 住所不明者につきましては、納入告知書を発行するすべがございませんので、歳入徴收官の調定決定額としてはあげられない状況でございます。結局住所不明については住所を探索してから、債権について歳入徴收官が徴收法定額を決定するというふうにできるわけでございまして、無資力者につきましては、すえ置きし、定期貸しになりますと調定済額になつて来るわけでございます。
#66
○井之口委員 関係書類焼失等のために確定困難というのはどういうのでありますか。
#67
○渡邊説明員 関係書類焼失等のため確定困難と申しますのは、終戰後の混乱状態のときにおきまして、書類を亡失いたしましたり、あるいは焼却してしまつたというようなことのために、こちらでは傍証によりまして債権がある。前拂いしたものはこれだけである、物品を納入したのはこれだけであるというような資料はほかから探索することはできないこともないわけでありますが、それは債権があるというふうに一方的に確定をしまして、債務者に対してこれをやりますと、債務者はそんなものを負つたことはないというふうに、物的証拠がはつきりしないということを言うのであります。
#68
○井之口委員 無資力と住所不明と関係書類燒失等のための確定困難その他、これだけを合せても第一復員局と第二復員局で大分な額に達するようでありますが、それが一億九千万円まだ残つているが、そろばんが合いますか。
#69
○渡邊説明員 これは先ほど御説明申し上げましたように二十一年の表によつたものでありますので、現況を申し上げますと、未回收額がこの第一の表第一の計のところで第一復員局関係の一億八千六百九十万七千円、一億三千十八万一千円等の合計の二億八千二百四十一万九千円、これが二億二千五百三十六万四千七百三十六円七十六銭ということに変化をしているわけでありまして、このうち債権の確定したものが一億九千六百三十一万一千六百六十三円五十八銭あるわけであります。未確定のものがその差の三千九百五万三千七十三円十八銭というのがここに書いてあります。関係書類等亡失のための確定困難とか、あるいは異議の申立て中であるとか、住所不明ということになつておるのでありまして、この第三の区分の数字は若干変化して來ております。
#70
○井之口委員 未確定はいくらですか。
#71
○渡邊説明員 二千九百五万三千七十三円十八銭でございます。
#72
○井之口委員 この未確定は二十四年度に調査されたものでありますか。これから決定されるのでございますか。
#73
○渡邊説明員 これは昨二十三年度までに確定をして來た数字でございまして、二十四年度におきましては二千九百五万三千七十三円十八銭というのを逐次調べて行きまして確定額に上げて行きたいというふうに考えておるのであります。
#74
○井之口委員 復員廳関係は二十二年度にも出て來ますか。
#75
○本間委員長 二十二年度にも出て來ます。ほかに御質問はありませんか――それでは一應この程度で厚生省及び復員廳関係を終りたいと思いますがいかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○本間委員長 それではさようにいたします。
 次会は八日の午後一時から開会することにいたします。本日はこの程度で散会いたします。
    午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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