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1949/04/08 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第5号
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1949/04/08 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第5号

#1
第005回国会 決算委員会 第5号
昭和二十四年四月八日(金曜日)
    午後一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 塩田賀四郎君
   理事 永田  節君 理事 戸叶 里子君
   理事 井之口政雄君 理事 島田 末信君
      大上  司君    中馬 辰猪君
      船越  弘君    南  好雄君
      前田榮之助君    小林  進君
 出席政府委員
        商工政務次官  有田 二郎君
        農林事務官
        (会計課長)  伊東 正義君
        商工事務官
        (会計課長)  渡邊 一俊君
 委員外の出席者
        農林事務官   青柳 確郎君
        農林事務官   野田哲五郎君
        商工事務官   矢部 泰明君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
四月七日
 委員奧村又十郎君辞任につき、その補欠として
 東井三代次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年
 度特別会計歳入歳出決算
 特殊財産資金歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 前回に引続いて昭和二十一年度決算中、農林及び商工両省の所管を議題といたします。
 まず農林省から会計檢査院の批難事項に関する説明を聽取することにいたします。
#3
○伊東(正)政府委員 農林省関係の昭和二十一年度の所管経費の決算の説明でありまするが、一般的な事項は省略させていただきまして、今委員長からお話がありました批難事項につきまし事て、簡單に説明いたしたいと思います。お手元に会計檢査院の昭和二十一年度歳入歳出決算檢査報告というのが参つているかと思うのでありますが、檢査院の批難事項はその百十二ページより農林省関係は始つております。まず簡單に最初の点から申し上げて参ります。
 第一に歳出の不当と認めた事項といたしまして、補助金の交付に当り措置当を得ないもの、という事項なのであります。これは昭和二十一年度におきまして、各都道府縣の農業会その他に対しまして、土地改良事業に要する揚水機一式の購入費といたしまして、農林省より補助金を交付したのでありますが、年度末に至つても揚水機の納入が非常に少かつたというので御批難を受けたわけであります。この点に関しましては、当省といたしましても最善の注意は拂つたつもりでありますが、御承知のように、機器の製作等につきましては相当の準備期間も要するというようなことがありまして、メーカーに対して発注後、相当の期間が過ぎまして初めて大量の製作ができるというような状態になるのでありますが、ちようど二十一年度におきましては、会計檢査院から御報告がありました通り、昭和二十二年の三月までに入つたものは実は百八十七組であつたのであります。これは各縣等が農地開発営團に委託をいたしまして、頼みましたのは千二百六十九組であつたのでありますが、入つたのがわずかに百八十七組にすぎなかつたというので、非常な御批難を受けております。これにつきましてはわれわれの方といたしましても、終戰直後のいろいろな困難な状態はあつたのでありますが、非常に遅れたということははなはだ遺憾でありまして、今後こういうことにつきましては、かかることのないように関係者それぞれにも注意を與えたというような処置をとつております。これにつきましては、昭和二十二年度には全部揚水機も入りまして、大体こつちがねらいました目的に大した支障は來さなかつたのでありますが、二十一年度中には全部入らなかつたということは事実でありまして、われわれといたしましても会計檢査院の御批難はもつともで、はなはだ遺憾に存じている次第であります。
 その次は百十三ページでありますが、これは既往年度分で――昭和二十年度分であります。これも補助事の交付が多額に失したものという御批難を受けております。これは簡單に申し上げますと、昭和二十年度の予算で労力調整施設費補助金でありますが、この関係からいたしまして、財團法人の農事振興会に対しまして同年六月に二千七百三十万円、それから二十一年の四月千九百万円、合計いたしまして四千六百三十万円補助金を交付したのでありますが、そのうちのあとの分の千九百万円につきましてはその交付が多額に失した。それで多額の残高を残しましたのは、これは適当でないという会計檢査院の御批難であります。この農事振興会につきましては、昭和二十年度の当初におきまして補助の指令額一億三百十一万五千八百八十円という金が出たのであります。この指令額のうち同年の六月に二千七百万円、それから二十一年の四月に千九百万円、わけて交付したわけなのであります。しかしこれも、戰後の情勢にかんがみまして、これは食糧増産像関係の仕事なのでありますが、われわれといたしましてもこの申請額は厳重に査定いたしまして、この事業は昭和二十年度で打切りになつておりまして、大部分は残務整理のために要する金でありますので、それを限度といたしまして千九百万円交付したのであります。同会も戰後の惡條件のために、いろいろな努力をいたしましたが、金融緊急措置令の改正がありまして、その一部が第二封鎖預金となつて残つたというような実情であり、さらに同会の財産が接收されることと相なりまして、大分ここに封鎖預金のままに金が残つたのでありまして、その点は会計檢査院の御批難の通りであります。これもわれわれとしてははなはだ遺憾に思つておりますが、これは閉鎖機関の方へ参つております関係で、この金につきましては、返納の命令等は出しておらぬのでございます。
 それから次は百十五ページの最後のところでありますが、これも開拓関係でありまして、補助金の交付の時期の適切を欠いたものというのがございます。この批難事項の内容は緊急開拓事業入植関係等の仕事のことでございますが、緊急財政処分並びに第二予備金の経費から農地開発営團、それから日本開拓協会及び都道府縣に対しまして補助金を交付したのでありますが、その交付の時期が非常に適切を欠いているという御批難であります。本件につきましても、ちようどこれは終戰前後の人心の動搖の関係、あるいは通信の混乱とか遅延とかいろいろな関係等で、会計檢査院がここに檢査報告をされました通りの結果を生じたのであります。これにつきましても、入植関係の仕事ではございますが、われわれも会計檢査院の御報告はそのまま適切なものと思いまして、関係事に嚴重に注意いたしますとか、そういう処置はいたしております。それでこの関係につきましてはその返納を命じ、その処置につきましては、今関係局の方から金額がどうなつているかということを御明いたしたいと思います。
 次は百十六ページでありますが、集團帰農者就農施設の関係のことでございます。これは昭和二十年度の末におきまして、集團帰農就農施設の補助金といたしまして、開発営團に四百三十四万一千二百円、それから開拓協会に十万円を交付したのでありますが、これも会計檢査院といたしましては、この補助金は事業施行の実状に沿わない事項であるという御批難であります。もつともこの補助金は疎開者收容の應急施設としまして戰爭中に要求された経費でありまして、終戰後の九月中旬に至りましてこの用途の変更を見ました。それは閣議決定で用途を変更したのでありますが、本件につきましては、その後沖縄縣の引揚民の集團帰農でありますとか、あるいは岩手縣の六原の青年道場の開拓農業施設であるとか、そういう方面の別途の施設に使用したのであります。これは最初の目的からいたしますと、事業施行の実状に沿わない交付であるという御批難でありますが、これも戰爭中急に予定を変更した関係でありまして、会計檢査院の御批難の通りのような実情になつたわけなのであります。これも檢査院の御批難はごもつとものものというふうに考えまして、これにつきましてもそれぞれ残りました金の返納等は命じておる次第であります。
 次は百十七ページにございますが、歳出が違法と認めた事項という項が一項あります。これは予算の目的外に経費を使用したものとなつております。これは奈良縣の食糧檢査所の事件でございますが、これが農林省に移りましたのは昭和二十二年の五月であります。農林省に移る前の縣にありました時代のことでございますが、ここで昭和二十二年の三月に諸手当といたしまして政府職員給與特別措置費の中から所長以下職員三十四名に対しまして二十万六千六百二円の金を支給したという御批難であります。大体奈良縣等におきましては委員会の手当でありますとか、あるいは増産手当とか、若干の手当を從來支給いたしておつたのでありますが、ちようど奈良縣廳の一部であります檢査所におきまして会計檢査院の御批難のような手当を支給いたしましたことは、われわれといたしまして事情やむを得なかつたことであるというふうに思うのでありますが、この際支出の不十分でありました旅費とか、亡失した俸給とか、こういうものまでも出しておるのでありまして支出科目をあやまつた。それからその額が縣廳の他の部課に比べまして多きにすぎたことは十分認められますので、今後十分注意をいたして監督をいたして行きたいというように考えるものであります。
 それからもう一件ございますが、これは檢査院の檢査報告の百六十六ページにございます。これは出資團体に関係いたします事項でありまして、日本蚕糸統制株式会社の決算に関する批難事項でございます。大体を申し上げますと、日本蚕糸統制株式会社が昭和二十一年三月に解散いたしまして、二十二年の十月二十二日に一廳清算事務は終わつたのでありますが、その清算にあたつて処理が至当でないという御批難であります。これは監督の関係の御批難であります。この内容でありますが、第一番目はその会社の目的以外で絹製品をつくつておるということの批難事項があるのでありますが、絹製品に関しましては、同社が蚕糸類に関する統制機関でありますとともに、蚕糸の増産確保に関しましては農林省と協力いたしまして、あるいはこれにかわつて各般の助成施設を実施して参つたのでありまして、たまたま繭増産の一助とすべく同社が在庫中でありました規格外の生糸をもちまして、養蚕者の褒賞用の絹織物を製造いたしまして配給いたしたのであります。これは生糸配統制規則に基きます例外許可を得まして着手したような次第でありますが、種々の情勢の変化によりまして、製品は二十一年でなくて二十二年八月に至つて完納を見たような次第であります。しかしながら本件は繭増産の一助に資したいというので発足したのでありますが、その際還元用といたしましては八千五百点を処分いたしまして、残余につきましても同じくこれは全部還元用に配給いたした次第であります。また留日華僑総会とかその他に対しまして約三千点賣却いたしました。またそのほかに社員に対しまして解散記念品及び交際用といたしまして四千四百四十七点を無償で処分を行つたのでありますが、この点につきましては同社が解散に至るまで社員の献身的な努力のあつたことと、大多数の者が失職をいたすというような事情もありまして、まことに同情すべきものがあつたのでありますが、これは適当な処置でなかつたということで関係者に対しましては嚴重な注意を與えておるような次第であります。
 次に生糸檢査所の復旧に対しまして復旧費を寄付したということで御批難を受けておるのですが、この生糸檢査所の復旧費の件につきましては、戰後設備を急速に整備しなければならぬという司令部との関係等もありまして、会社の清算も剰余金を生ずる見通しがつきましたので、このような措置をとりまして、一部蚕糸統制株式会社より寄付を仰いで生糸檢査所の復旧に資したのであります。これは会社の清算目的からいたしますと多少むりな点もありましたので、関係者に対しましては注意をいたしておるような次第であります。
 それから最後の製糸業整備資金、それから帝國蚕糸組合に融資弁償金の肩がわりをしたという件についてでありますが、これは昭和七年の蚕糸恐慌の結果生じたものでありまして、生糸の恐慌に際しましての糸價安定の対策は第一次は大正四年、第二次が大正九年でありますが、それぞれ帝國蚕糸株式会社をつくりまして、これは所期の目的を達成しました上にそれぞれ剰余金を生じまして、政府に寄附をするとか、生糸檢査所の設備の拡充をはかるとかしたのでありますが、第三次には未償還金を生じました。從來は輸出されました生糸から一定額――一俵七円でありますが、これを積立てまして償還を行つて來たのですが、第三次は今度の戰爭によりまして輸出が杜絶したために未償還のまま残つておつたのであります。それで帝國蚕糸組合の融資弁償金の肩がわりをしたというわけであります。
 それからもう一点、蚕糸業整備資金でありますが、これは全國製糸業組合連合会、及び全國産業組合製糸組合連合会におきまして、昭和十一年と十六年の二回にわたつてかま数の整理を行つたのでありますが、その際にそれぞれ借入れたものでありまして、生産されました生糸から一俵について昭和十一年には一円三十銭、昭和十六年には六円三十銭という一定の額を積立てて償還に充てて参つたのであります。ところが昭和十八年の蚕糸團体の改変によりまして、両連合会は解散を命ぜられ、右の債務の引受者がなくなつたのであります。ところが日本蚕糸統制株式会社はちようど生糸及び繭の一手買取機関をいたしておりましたので、今後の蚕糸政策上の影響等も考慮いたしまして、昭和十九年に蚕糸業統制法に該当するものといたしまして大蔵省、関係銀行とも交渉の結果了解を得まして、右の二件の債務を日本蚕糸統制株式会社に肩がわりさせて、そして積立金の徴収もさせるということにしたのですが、――昭和二十年になりまして同社の解散が命ぜられまして、同社の清算をいたしましたところ、剰余金を生ずる見通しもつきましたので、右の債務の引受けの認可を農林省としてはいたしたのでありますが、会計檢査院といたしましては、会社本來の業務に照して必ずしも適当でないという御批難がありましたので、われわれといたしましては関係者に対しましてはこの点注意を與えておるような次第であります。
 大体以上の六件が農林省に対しますところの会計檢査院の御批難の点であり、また農林省よりの答弁書も別に詳細御提出してありますが、概略御説明申し上げれば以上のような次第であります。
#4
○本間委員長 農林省所管で御質疑があれば許可したいと思います。
#5
○井之口委員 一つ一つ御質問をいたしたいと思います。百十二ページの補助金の交付に当り措置当を得ないものについてでございますが、揚水機のようなものは、農耕にとつて適当な時期にこれが來ることが非常に必要なのであります。せつかく政府でこれだけの予算を組んでそれに補助をするような仕組になつておるのに、その目的を達しないでこういうことになつておるのですが、こういう補助金を與える場合には、農地開発営團だとか、あるいはその都府縣、または耕地協会などを通じて間接的にやらないで、何か適当な、もつと直接必要とする農民にすぐやれるような方法はないものだろうかか。政府の方でそういう点を考えて返事をしてもらいたいと思います。
#6
○伊東(正)政府委員 お答えいたします。今の点でございますが、二十一年度におきましては、開発営團には補助金を出すことになつていたのではなくて、これは縣もありますが、そのほか協会等にやりまして、その一段下に補助金を出していたのであります。大量のものをまとめるには一括して発注した方が都合がいいのではなかろうかということで、補助金の大体半分になりますが、これを開発営団に一括して頼んでもらうというような処置をいたしまして、その結果非常に遅れたのであります。御意見がありましたように、これはもつと直接行く方がいい。農林省としましても、そういう場合には、個人といいましても何でありますので、やはり協同組合とか、そういうものを中心に考えて行つたらいいのではないだろうか、私はそういうふうに考えます。
#7
○井之口委員 この場合都府縣耕地協会あるいは農地開発営團等において、何か不正な事実は政府において氣づかれなかつたのでありますか。
#8
○伊東(正)政府委員 本件につきまして、行政上の措置は、あつたのでありますが、刑事上の問題は私ども聞いておらぬのであります。
#9
○井之口委員 こういうものの中にいろいろな不正が起るのでありまして、これが農民の保護にならないで、せつかく出したものが使われないで途中どこかへ行つてしまつてわからぬということがまま起る。こういう場合に、これを防ぐいい方法はお氣づきありませんか。
#10
○伊東(正)政府委員 今の重ねて御質問の点でありますが、現在のやり方といたしましては、先ほど申し上げました農業協同組合でありますとか、あるいは水利組合でありますとか、耕地整理組合、そういうものを通して揚水機購入の補助をいたしております。そういうやり方で実はやつております。これは各人々々といいましても、事務の手続等相当面倒ではないか。農村の協同組合でありますとか、今申し上げました團体に補助金を出してやつて行くという方が適当でなかろうか、さように考えます。現在も開拓局の方ではそういうやり方でやつております。
#11
○井之口委員 その場合には、やはり農民組合にもこれを出すというふうなことが非常によくはなかろうかと思いますが、どうでしようか。
#12
○伊東(正)政府委員 われわれの方といたしましては、大体法律で法人格を認められた組合というので、そういう法律上法人格をはつきり認められているような組合を使つて行つた方がいいではなかろうかということでやつておるわけでありまして、御質問の農民組合のこともございましたが、これについては今までまだやつておりません。これは若干私の担当外になりますので、また担当政府委員と打合せの上御返事いたしたいと思います。
#13
○井之口委員 次に補助金の交付多額に失したもののところに移ります。拂わぬでもよいものに千九百万円からの厖大な金を出しているのは驚くべきことだと思います。こういうふうなことを見るにつけまして、農事実行組合の中がどうなつているか、非常に危惧を持つのです。農事振興会、日本開拓協会、農地開発営團、この三團体は当然政府の出資團体であるはずですから、これの中の状態をごく簡單にでも説明していただきたいと思います。
    〔委員長退席、塩田委員長代理着席〕
#14
○野田説明員 私この係を担当しておる開拓局の指導課長であります。御指摘の問題でありまして、第一に農事振興会と申しますのは、終戰直前に成立しました農事振興をはかります團体でありまして、これは政府出資でなく、政府の補助で行くということになつたわけであります。ところがその後大政翼賛会の傘下團体でありました農業報國連盟の財産を承継したという理由によりまして、二十二年に解散を命ぜられまして、この財産一切が連合軍の方に接收されたわけでございます。
 第二の農地開発営團の方は、御承知とも思いますが、昭和十六年に成立しまして、農地開発法に基いてつくられました特殊法人でありまして、これは政府も出資しております。これは政府の事業を代行するというような意味合におきまして、自己資金を使うのはもちろんでありますが、事業に関する政府の補助金、あるいは委託金というものを受けて仕事をしておる機関であつたのでありますが、これも昭和二十三年の五月をもつて閉鎖機関に指定せられまして、ただいま清算中でございます。
 それから開拓協会は、これは緊急開拓が始まりますときに、民間團体として大いに民間の世論を喚起する必要があるということでできました。これも補助團体でありまして、これは今日まで継続して参つておる次第であります。
 それから御質問の農地に対しまする千九百万円の金を出しましたことにつきまして、実は私どもの方としましては当時一億円の指令を年度初めに出しておつたのでありますが、その後終戰後の事情もありますし、また事業能力をも考えまして、
    〔塩田委員長代理退席、委員長着席〕
当初の予定を非常に圧縮いたしまして、年度末でありましたか、千九百万円出したわけであります。これにつきましては漠然と出したのではなかつたのでありまして、新宿御苑内に農民の團体としての農事振興会として事務所をつくる。それから全國三箇所に農民訓練の農場をつくる。それから各縣に支部をもつておりまして、その支部の経費に充てる。それからまた開拓の推進を側面的にやるという意味におきまして若干の経費を見込むということにいたしまして、千九百万円を出したわけであります。ところがこれらの仕事が、資材の関係、あるいは新宿御苑等につきましては場所の関係等もありまして、十分に進まないでいたのでありますが、その後金融緊急措置例によりましてこれは解散を命ぜられまして、解散團体として今日処理されておるわけであります。
#15
○井之口委員 二十年度に一億円の補助指令を與えたというのは、戰爭最中のことでもあるし、あの時分の情勢からそういうこともあつたろうと思われるのでありますが、これが二十一年度になつて、しかも四月に一千九百万円の金を出され、しかも今お聞きいたしますと、それが事務所とか何とかいうもうなもので、生産にその重要でもないものに使われているように思われるのであります。そういうことを許して、一千九百万円の金をそこに合法的に與えたという責任者は、一体これはだれになりますか。だれがこれの責任を負うものだとお考えになりますか。
#16
○野田説明員 責任者の問題は伊東会計課長の方から御説明いたしてもらうことにいたしまして、この経費は実は非生産的な意味において出したつもりではなかつたのでありまして、戰後の食糧問題を考えまして、この食糧増産を達成しますためには、從來やつておりました府縣と関係のあります食糧増産運動というものを、より強力に推進しなければいかぬ、こういうような意味合いにおきまして、農場を建設して農民の訓練をする、あるいは地方の支部を活動いたさせましてその促進をはかるというようなねらいであつたのでありますが、これらの問題が当時の混乱した情勢の中で十分達成できなかつたということにつきましては、今から考えてみまするとまことに遺憾でありまして、またそれらのことも当然考慮に入れまして経費を支出すべきであつたのでありますが、何とかなるというような見通しのもとにやつたことについて、もう少し正確な判断をつけなければならなかつたのではないかということを、われわれは遺憾にしておるわけであります。
#17
○伊東(正)政府委員 お答えいたします。今御質問の責任者はだれかという点でございます。われわれ会計檢査院の方へこういう批難事項の関係者として名前を出しておるのでありますが、本件につきましては、監督者といたしましては当時の開拓局長、それから決定者は第一部長で、実際行つたものは復員課長というようにいたしまして、会計檢査院の方へ関係者として報告いたしております。それで行政上の処置といたしましては、監督者と決定者に対しましては大臣より注意を與えまして、実行者に対しては訓告をするという行政上の処置はいたしております。
#18
○井之口委員 次に補助金交付の時期適切を欠いたもの、これも先のような問題でありまして、これは一億五千三百万円から出しておるようでございます。そこで結論として都道府縣廳扱いの一千万円は二十二年の十一月に返納せしめることにしたということになつておりますが、これは返納して参つたのでございましようか。
#19
○伊東(正)政府委員 お答えいたします。今のここに書いてあります一千四十八万一千二百一円という額でありますが、これに対して今まで納入いたしましたものは五百二十三万四千八百五円で、大体半分だけ入りまして、まだ残額が五百二十四万六千三百八十九円という残額になつております。大体半分は返納になつております。
#20
○井之口委員 それは入る見込があるのですか。
#21
○野田説明員 ただいま会計課長から御説明がありました通り、ただいま五百万円入つておりますが、残額については、金融緊急措置令による封鎖解除の金額について返納を命ずるということにしておりまして、大体それを督促しておるのでありますが、二、三件まだ連絡がとれないのがありますので、これは至急にやるように今努めておる次第であります。本年の整理期間までには十分調査の上、返納できるものは返納せしめるという措置をとるつもりであります。
#22
○井之口委員 そこで農地開発営團、日本開拓協会、農事振興会、この三つの決算の資料がほしいと思いますが、これを出していただきたいと思います。
#23
○伊東(正)政府委員 承知いたしました。
#24
○本間委員長 資料は急いで提出させることにいたします。
#25
○井之口委員 その次に移りまして、集團帰農者に対する補助金の問題でありますが、農民は今こういう補助を非常に必要とし、とりわけ引揚者その他の人たちが帰農を要求しておるのであります。しかも政府においては、このごろはこういう予算も組まれないというふうな状態でありまして、今までこれほど出されたものがまつたく惜しいのであります。ただしかしそれがほんとうに適当に使われておるかどうかがわからない。そこでこう出されたところのものが先々まで適法に使われているか、そこの先までもやはり調査して、一應報告願いたいものだと思うのであります。この点ができるでしようか、どうでしようか。
#26
○伊東(正)政府委員 お答えいたします。今御質問の点でありますが、さきの第一点の集團帰農者就農施設等、こういうものについて補助金が非常に減つておるというお話でありますが、こういう関係の金は、現在は大体公共事業費の方で出て参つております。それで昭和二十三年度は新規入植に対して、大体一万二千戸分くらいの補助金を出しております。二十四年度は御承知のように公共事業費が相当圧縮された関係で、われわれも希望したのでありますが、大体八千戸くらい新規入植があるだろうというふうに見ております。そういう金は現在公共事業費の方に予算的には組んでおります。
 第二点の、それではそういう補助金が末端に行つてこつちの所期した通り使われておるかどうかという御質問でございますが、この点につきましてはわれわれも実ははなはだ遺憾でありますが、今のところまだ十分徹底した調査はなかなかできない。これはほんとうは今御質問のありました通り、全部徹底した調査もいたしまして、補助金のいわゆる経済的効果といいますか、そういうものまではつきり見るべきなのでありますが、人手の不足等もありまして、なかなか実は徹底した調査はできておらぬのでありますが、御意見のありましたように、全部とは行きませんでも、なるべく大きな部分について補助金の使い方が適当であるかどうかということは調査して参りたい、そういうつもりで心掛けてはおるつもりでございます。
#27
○井之口委員 百六十六ページの日本蚕糸統制株式会社の清算の一件でございますが、これは実に莫大な金を十分目的を達せられないような方法で使われておると思うのであります。それのみでなく、これでつくつた銘仙類でも、華僑の方に賣渡してみたり、あるいはまた無償でもつて会社解散の記念として分散してとつて行つてみたり、実にこういうことが行われております。一体この蚕糸統制株式会社には政府は株券の形で出資しておるのでございますか。
#28
○青柳説明員 資本金といたしましては約八千万円でございますが、それに対して拂込半額出資の状態であつたのでございます。その場合に政府出資及び民間出資から見ますと、約半々で出資をしているようなわけであります。
#29
○井之口委員 こういうような使われ方は、政府に対して非常に大きな損害を與えていると思うのであります。適法にやられた場合と、会計檢査院の指摘しておりますような不適法なやり方との間に、政府としておよそ幾らくらいの損害を受けておりますか。概算でよろしいから……。
#30
○伊東(正)政府委員 お答えいたします。今の点、正当にそれを賣却した場合において、たとえば無償で配付したもの、あるいは留日華僑の方に出した價格の問題でありますが、これは詳細今ちよつと御返事いたしかねますので、大体のことは計算いたしまして後ほどお手元に差上げたいと思います。
#31
○井之口委員 その調書を一つあとで出していただきとうございます。なお賣つたものだけでなく、この肩がわりしたのも非常に不当だと思うのでありまして、こういう方面の損害額も計算してその点を明らかにして、國民が受けた損害を明瞭にしておきたいものだと思うのであります。なおこれは政府の方でも、これを肩がわりすることを認可したということでありますが、そういう責任を負うべき人はだれになつておりますか。
#32
○伊東(正)政府委員 今の点でございますが、先ほど開拓関係で御説明いたしましたように、われわれ関係者として出しておるのでありますが、当時第一点の絹製品関係等につきましては、これは農林省の次官、あるいは農林省の繊維局長というような人を監督者にいたしております。決定実行者といたしまして、蚕糸統制株式会社の社長とか、あるいは常務理事を檢査院の方には報告いたしております。それから肩がわりの件でございますが、これも監督者といたしましては農林次官、蚕糸局長、それから決定者、実行者は日本蚕糸統制株式会社の社長なり常務理事を報告いたしております。この肩がわりの点でございますが、これもいろいろ議論のあるところと思うのでございますが、当時糸價安定施設関係で先ほど御説明いたしましたように、第一回、第二回はまあ成功いたしまして、これは農民にも利益は当然行つたと考えられるのでありますが、当時は成功いたしまして、政府にも寄附をする等の処置をいたしたのでありますが、第三回目の場合には糸價安定融資補償法とか、いろいろな一連の法律を出してやつたのでありますが、成功いたしませんで若干の損害を残した。これはどこの負担になるかと言いますれば、メーカーなりまたは養蚕業者の方にもかかつて行くものだと考えられるとわれわれ思つております。
 それからもう一つは叺の整備の問題、これ叺を整備いたしまして金を出したのでありますが、見返りの分が残つたのでありまして、これは今委員から御質問もございましたように、非常に不当だという御意見でありますが、農林省といたしましては、この肩代りにつきましても一應了解を與えているというようなことになつておりまして、いろいろ疑問のあるところとは思われるのでありますが、われわれといたしましても会計檢査院の非難はもつともというので、これは関係者に注意を與えているというようなことの処置はいたしております。しかし今御質問のありましたように、それでは一体そこで幾らくらいの損をしたと思うかという点につきましては、これは後ほど計算いたしまして一緒に御報告いたしたいと存じます。
#33
○本間委員長 ほかに農林省関係で御質疑がなければ、農林省関係はこの程度で打切りまして、商工省所管に移りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○本間委員長 それでは次は商工省より説明を聽取することにいたします。渡邊政府委員。
#35
○渡邊(一)政府委員 収入未済の多額に上るものといたしまして、不当とされているものでございまして、会計檢査院の御批難の要旨は、商工省における昭知二十一年度末の臨時軍事費特別会計整理収入の收入未済額は三億三千四百七十一万九千三百三十六円に上つておるが、昭知二十二年十一月までに収納されたものは一千十二万四千三百十六円で、認定取消しになつた百六十四万七千三百二十五円を除いた収納未済の残額は三億二千二百九十四万七千六百九十四円で、これは終戰後の混乱のためすみやかに徴収手続を講じなかつたことによるものであるが、さらに一層収入の確保をはかる必要があるとされたものでございます。本件は会計檢査院の報告通りでございまして、私どもといたしましてはまことに遺憾とするところでございます。その事情は終戰後の経済事情その他の混乱がそのおもな理由でございますが、昭和二十一年の八月十一日に施行されました会社経理應急措置法によりまして、債務者の大部分が特別経理会社となりまして、同日前の債務は全部旧勘定となつたためでございます。右特別経理会社となりました関係以外の債務者に対しましては、徴收に関しまして鋭意努力をいたしておりまして、この説明書には昭和二十三年二月までの収納額がございますが、今年の昭和二十四年二月までの收納額は千百四十万一千五百五十四円八十五銭、調定の取消額は百四十一万円でございます。最近特別経理会社以外の債務者に対しまして、こちらが誠意をもつて徴収を督促いたしましても、不正なものに対しましては一件訴訟を提起いたしております。なお近く約三十件ほど強制執行の方法で、この債務の徴收をはかる予定でございます。
 引続きまして、一般会計の昭和二十一年度違法と認めた事項、経費の年度区分をみだつたものとして、百十九ページに批難事項がございます。御批難の内容は「東北地方商工局で、臨時物資需給調整法に基く物資調整官の初度設備として三陸木材工業株式会社から並机その他四一五点を購入するに当つて、契約書を作成しなかつたばかりでなく、昭和二十二年三月二十八日完納されたものとして、代金金額二九六、四二五円を同年四月支拂つているが、年度内に納入されたものは皆無であり、同年八月十日に至り漸く完納された状況であつて、経費の年度区分をみだつたのである。」という御批難でございます。実は昭和二十二年の三月に、二十一年度の予備費といたしまして、臨時物資調整法に基きまする指定生産資材の割当の仕事をいたしますために、昭和二十二年三月十五日附で商工省の官制が改正になりまして、いわゆる物資調整官が増員されたのでございます。東北地方事商工局、今日では仙台商工局と申しておりますが、その当時は東北地方商工局と申しておつたのでございますが、この商工局に二十二年の三月に三百九名の物資調整が配当されることになりまして三月に予算が参つたわけでございます。物資調整官が新しく増員になりましたためにその物資調整官の机を買うとか、いすを買うとか、そういつた予算的な措置が二十二年の三月に行われたわけでございます。本來ならば二十二年の予算でございますので、三月中に契約をいたしまして、二十二年度の予算から経費を支出する手続をすべきところであつたのでございますが、御批難にありますように契約書をつくらずにただ予算が参つて「代金だけを拂つたという内容でありまして、そういう事情があつたとは申しながら会計檢査院の御指摘になりました通りでございましてはなはだ遺憾な処置でございます。將來は十分注意いたしたいと存じております。なお当時の責任者に対しましては、それぞれ二十三年の三月六日附で訓告の処分を行つております。
 次は予算の目的外に経費を使用したものとして、会計檢査院の御批難は、九州地方商工局において肥料増産、化学工場賠償問題、工藝技術官会議、貿易事務及び石油需給関係など各種の調査または打合会に出席のため、昭和二十一年八月から二十二年二月までの間に出張した職員に対し二十二年一月までの精算旅費として二十一年十二月までに十七万六千二百円を支出しておるが、炭田開発調査を目的とする本費より支出したのは処置当を得ないという御指摘でございます。実は九州地方商工局、今日におきましては福岡商工局と名前がかわつておりますが、当時の商工局におきまして肥料の増産関係あるいは化学工場、あるいは賠償問題、その他緊急を要します諸問題のためにどうしても職員が出張しなければいかぬという事態が起つておつたわけでございますが、これに対する予算的措置が不足しておりました。そこでどうしても出張はしなければいかぬ。しかし支拂予算はないということで、出張者に立てかえ自弁させておつたわけでございましたが、当時年末を控えまして職員の生活が著しく逼迫して自弁ということも当時の状況におきましては非常にむりな状況でありまして、そういつたことから他の目的にきめられました経費を流用支出いたしまして、正当の経費と申しますか、支拂予算の配付があり次第科目更正をする予定であつたのでございますが、その後予算の配付が僅少でおりましたために右の手続をとり得なかつたのであります。これははなはだ遺憾とするところでありまして、こういうことのないように今後は十分注意いたしたいと始じます。なお当時の責任者に対しましてはそれぞれの訓告の処分を行つております。
 次は分類所得税を納付しなかつたものとして会計檢査院におきまして御批難のございました内容は、貿易廳において昭和二十一年度中同廳職員全員に対し支給した俸給及び諸給與に対する分類所得税を國の歳入に納付しなかつたものが、一般会計分三十三万八千七百三十四円、特別会計分十万一千五十円、計四十三万九千七百八十四円ある。同廳におきましては俸給及び諸給與の支拂にあたつて分類所得税を控除して、三百五十二万一千百円を支出たが、支出と同時に分類所得税相当額の小切手を振出して日本銀行へ振替拂込をしなければならないのにこれをしなかつたもので、うち一般会計分七万四千九百二十五円は二十一年九月小切手を振出したがそのまま保存され、二十二年七月に至つてようやく日本銀行へ拂込んだもので、残余の三十六万四千八百五十九円については二十三年一月に至るまで拂込まれていない。こういう御批難でございます。
 実は職員の俸給から分類所得税をとりまして、それを税務署の方に納入いたします。方法は、俸給、それに伴う家族手当とかそういう諸給與は一人づつ正確に計算をいたしまして、また分類所得税も一人々々法律の定めるところによりまして正確に計算をいたすわけでございますが、小切手を切ります場合は、そういう細かい計算をしたものの分類所得税は貿易廳なら貿易廳において幾らになるという計算をいたしまして、小切手は別々に切るわけでございます。小切手を振出して日本銀行へ振替拂込みをしなかつたと申しますのは、実は俸給に関する小切手を切ります場合に、同時に分類所得税の小切手は切つたわけでございますが、ちようど小切手を振出しました本人が相当会計の方の仕事に不なれでありましたのと、担当者の人数が非常に少くて過労いたし、急に病氣で倒れてしまいまして、その小切手を――この小切手は麹町税務署に入る金でございまして、この小切手はほかの者が所得いたしましても全然効力のないものでございますが、これを金庫の中に入れたまま病氣になつてしまつたというようなことで、実は会計檢査院の御指摘がありまして、このことがわかつたのであります。このうち二十二年七月に日本銀行へ拂込んだもので、残余のものは二十三年一月、この一月に至るまで拂込まれていないようでございますが、この分は二十三年の二月二十八日に、全額拂込みを了したわけでございます。これは二十一年度の予算の中から出すべきものでございましたが、結局二十一年度の支拂予算の方がそれだけ不用になりまして、二十二年度の予算から工面をして支出したことになつておるわけでございます。これははなはだ遺憾の次第でございまして、將來十分注意いたしたいと存じます。当時の責任者に対しましては、それぞれ訓告の処分を行つてございます。
 次は不当と認めた事項、概算拂の精算遅延し過拂金の返納に至らないものでございますが、御批難の要旨は、石炭廳で昭和二十一年度におきまして、日本石炭株式会社に対し内地石炭買取補償金として二十二億三千百八十二万七千九百二十三円を概算交付しておるもののうち、輸出炭分に相当する補償金相当額七千五百三十二万八千五十六円は返納されるべきであるのに、二十一年度末までに三千五十八万六千九百二十円を返納させたのみで、四千四百七十四万千百三十六円はまだ返納になつていない。貿易廳は同会社に対して補償金を含めた輸出炭代を支拂つておるのであるから、輸出炭分の補償金も本年度出納整理期限二十二年四月末までには返納させるべきであるのに、その措置を講じなかつたのは妥当でない。なお二十一年八月から十二月までの間に概算交付した内地石炭買取補償金のうち、過拂金額三千二百九十五万九千三百二十一円もまだ返納になつていない状況であるというのであります。石炭價格調整補給金の過拂に対しまする返還は、日本石炭株式会社の決算報告を待つて内容を審査いたしまして、確認の上返還命令を発することになつておつたのでございますが、当時日本石炭は石炭及びコークスの全國一手買取販賣をしておりましたほかに、炭鉱の融資もいたしておりまして、非常に複雑多岐な経理事務でございました。一面人手が不足である。そういうことのために、一般に事務が澁滯しておつたということと、昭和二十一年の十月以降、日炭の従業員が待遇改善を要求いたしまして、サボ状態と申しますか、とにかく事務が特に澁滯する状態が相当続きまして、帳簿の整理などはほとんど顧みられなかつたという実情でございまして、しばしば督促いたしましたにもかかわらず、政府へ提出すべき書類も未整理のままに放任されまして、その精算書が提出されましたのは二十三年一月であつたわけでございます。それから石炭廳におきましては、内容を審査しまして、要返還額七千五百三十万三十三円三十七銭という金額を決定いたしまして、その返納を二十三年三月十五日に命令したわけでございます。ところがこの日炭は昭和二十二年六月二日に閉鎖機関となりましたので、閉鎖機関整理委員会において清算中であつたりでございます。説明書にはその後のことが書いてございませんが、二十三年十二月七日同整理委員会から全額事納入いたしております。
 なおこの説明書には申し上げてなかつたのでございますが、この点だけを見ますると、日炭が政府に対する債権を履行しなかつたという形になつておるのでございますが、日炭の立場から申しますと、この当時特定産業向けの石炭を、價格政策の関係から値引きをして販賣いたしておりまして、政府から日炭に対しまして特に値引きをして賣りました分につきましては、特定産業向けの石炭の値引補償金なるものを出しておつたわけであります。その当時この日炭が、つまり今の特定産業向け石炭値引補償金として政府に対する債権は二億六千五百二十九万円でございまして、このうち價格操作のために日炭にプール平衡資金というものがございましたが、この中から約五千万円を振替えたのでございます。なおかつこの当時におきまして、日炭は政府に対しまして二億一千百三十六万円という債権があつたわけであります。債権は債権、債務は債務ということでございますから、政府に対する債権が他面あつたといたしましても、債務は債務として履行すべきであり、また商工省といたしましても、最善を盡すべきであつたとは存じますが、結果において会計檢査院の御報告の通りでございまして、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。將來かかる事態の起きませんように、十分注意いたしたいと存じております。なお右の責任者に対しましては、それぞれ嚴重な訓告を行つております。
#36
○本間委員長 商工省所管で御質疑があれば……。
#37
○井之口委員 四十ページの収納未済の残額三億二千二百万円になつているが、これは全部収納したのでございますか。
#38
○渡邊(一)政府委員 今年の収入未済額は二月末におきまして、三億一千百七十九万一千百三十三円十五銭ということになつております。
#39
○井之口委員 それは政府で徴収し得る見込みがございますかどうか、その点少しはつきりと詳しく言つてもらいたい。
#40
○渡邊(一)政府委員 先ほど申し上げましたが、会社経理應急措置法によりまして、特別経理会社となりましたものにつきましては、債務は旧勘定となつておりますので、これはさしあたり徴収の方法がないわけでございます。それ以外の債務者に対しましては、最近いろいろな方法を考えまして、徴収に努力しておりまして、先ほども申し上げましたように、去年の二月から今年の二月までの間に千百数十万円の收納額を上げておる次第でございます。最近訴訟を提起いたしまして、その債権の取立てに努力しておりますものもあり、今後は約三十件誠意のない者に対しまして、訴訟を提起する準備中でございますので、相当の收納を上げ得ることと存じます。
#41
○井之口委員 去年の二月から一年間で約一千万円だけしか債権が取立てられていないのに、まだあと三億からあるのが、次第に年月もたつて非常に困難さを増して行くではないか、これに対して政府はもつと積極的に何か具体的な計画をもつておりますか。ただ訴訟をするにいたしましても、そういう訴訟をしてとれる額が幾らぐらいになり、何が幾らぐらいになるというような明細な取立て方針ができていないのでございますか。
#42
○渡邊(一)政府委員 これは債務者につきましても、いろいろな事情あるものが多いのでございますが、大体におきまして、債務者が現在におきまする負担能力と申しますか、もちろん産業界の状況にもよりますが、概して債務者は現在の状況のもとにおきまして、あまりいわゆる景氣のいい状態ではないわけでございまして、一面そういう産業界の復興という問題もからんで來るかと存じます。いろいろな手を盡しまして、最近はただ書面を出すというだけでは――工場を尋ねて行くと、工場が今まで向島にあつたのが、今度ほかの方へ移つておるというようなことがございます。書面の往復だけでもなかなかつかめない場合もございますし、またいろいろな実情を聞きまして、早く納めさせるように誠意を示させるという面からも特にそういつた可能性のあるところは係員を派遣いたしまして、実情を説きまして、最善を盡してやつているつもりであります。
#43
○井之口委員 これは元軍需省で支拂つた前拂金を返さないものもあるし、政府から出たところのいろいろな物件に対して代金を拂わないものもある。そうしてそれが三億からたまつておる。ほとんどこれは泥棒みたいにしてとつたような金なのであります。國民全体としては非常な損害である。今現金をわずか二千円や三千円取立てるにも差押えをやつてぎゆうぎゆう言わせておる今日、こういう厖大な金が、いたし方がないとか、とるのに費用がかかるとか、そういうことを言つてとらないといたしますと、二千円や三千円の税金に執達吏を差し向けても費用はかかるのでありまして、そういう方面に金を使わないで、こういうものをどんどん取立てるように政府の方では方針を進めて行かなければならぬのではないかと思います。特別経理会社のものは、これは封鎖が解かれておつてとれるのではないでしようか。また住所不明なんて麗々と出ておりますが、不明なはずはないと思う。調べが不十分なのではなかろうかと思います。その他にいたしましても件数でも四百件からある。これはみな相当の事業をし、政府の信用も受けて今までやつて來た人たちで、いくら変動期といえども、こういう人たちが住所が不明になつたり、あるいは負担の資力が今日なくなつたというふうなものでなかろうと思う、その辺も十分に調査して取立てるべきでなかろうかと思うのでありますが、もう少し詳しく今申しました点を御返事願いたい。
#44
○矢部説明員 特別経理会社となつておりますのは、企業再建整備法によりまして認可になるまでは回収できないことになつております。認可になればとれる可能性はあります。それから住所不明のものに対しましては、地方商工局とか、あるいは市町村等に照会をいたしまして、最善を盡してやつております。それで督促に出ましたときに、その附近に行きましたときには、附近の人にあらゆる方法をもつて尋ねる等の方法をとつておるのでありますが、それでも遺憾ながらいまだに所在不明のところは多少あるのであります。その他というのは特別経理会社にあらざるものをさしておるのであります。これに対しましては現在何らの法的制限がありませんので、極力督促をしております。これは債権発生以來、今年の一月まで十一回くらいの督促をしております。債権の大きいところに対しましては、さしあたり先ほど課長から申し上げましたように、私どもが行きまして、極力回収に努力しておるわけであります。
#45
○井之口委員 今の説明で大体よくわかりましたが、住所不明の者でもその他の者でも、大分政府の方ではおわかりになつておるようであります。そこでその大品のものの一應調査をされたところを御発表願いたいと思います。今すぐでなくてもよろしうございます。
#46
○渡邊(一)政府委員 ただいまの点は後ほど資料を差上げたいと存じます。
#47
○井之口委員 それから経理の年度区分をみだつたものや、予算の目的以外に経費を使用したもの、これは微々たるものでございまして、こういうふうなことは氣をつければ政府の方でもなくなつて來るだろうと思つて安心しておりますが、この分類所得税を納付しなかつたもの、これにつきましては会計検査院から指摘されるまでもなく、大藏省かどこかにおいてわからないのでございましようか。もしこれがわからないような仕組になつておるとすれば、こういう事件がまだほかにもありはしないか。ごく簡單なもので頭から天引きして給料を拂うというような方法もできるであろうと思いますが、どんなものですか。
#48
○渡邊(一)政府委員 御質問の通りに、これは俸給を支拂いますときに計算をいたしまして、各職員の手取分、それはまとめて小切手で切るわけであります。所得税分も一人々々こまかく計算をいたしましたものを組織別に総計をいたしまして、やはりこれも分類所得税として小切手を切りまして、小切手を切ると同時にその控えがまた別途日本銀行の方にこれだけ小切手を切つた、内容はこれこれであるというものが参るわけでございまして、日本銀行の帳じりとこちらの小切手との関係で、一應帳じりが合わなくなるわけでございますから、予算との関係でわかるわけなのでございますが、実はこの関係者もまさかこういう税金が支出されていなかつた、小切手が金庫の中に入つておつて麹町の税務署の方へ振替えになつておらなかつたということまで――当然俸給と同時に普通小切手を切つております関係上、そこを全然疑問に思わなかつた。たまたま私どもが氣づくような時期に会計検査院が検査にお越しになりまして、こちらもその関係で書類を整備しておりましたら氣づいたということなのでございまして、事柄は本人が病氣でありましたとは申しながら、はなはだ申しわけなき事案なのであります。事情はそういうわけであります。
#49
○井之口委員 石炭株式会社に対するものですが、こういうふうなものは前もつてわかつておるのだから、輸出向けの炭分は補償金を出さないというふうに行かないですか。
#50
○渡邊(一)政府委員 これは日炭が生産業者から買取りますときに、その買取りました分に対して補償いたしておりますので、たまたま買取りました分が輸出になりました場合には、その分は返して、輸出関係のやつは全額貿易廳から支出するというような手続になつております関係上、こういう事態になつたわけでございます。
#51
○井之口委員 補償金なるものも実に莫大なもので、われわれはこれに反対しているわけですが、驚くべきものがあるのです。なおその会社が輸出炭の炭代の交付を受けるまでは、同会社は輸出炭分の補償金を返還するだけの基金さえ持つていない、そんなに貧弱なものですか、この会社は。
#52
○渡邊(一)政府委員 先ほどちよつと申し上げましたように、日炭の経理と申しますか、資金のやり繰りは相当苦しい状況にございまして、この当時におきまして、政府から特定産業向けの石炭の値引き補償金として、二億六千五百二十九万円日炭のもらい分があつた。しかしもらえなかつたので、帝国銀行その他から高い金利で金を借りまして、資金繰りをしておつたような関係もございまして、債権は債権、債務は債務ではございますが、当時日炭としてはこの関係からのみを申し上げますと、むしろ政府に対する言い分が差引きあつた、というような実情にあつたように存じます。
#53
○本間委員長 井之口君、もうよろしゆうございますか。
 商工省所管で御質問がなければ、本日はこの程度にいたしたいと思いますがよろしゆうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○本間委員長 次会は十三日水曜日の午後一時に開くことにいたします。
 本日はこれで散会いたします。
    午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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