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1949/04/13 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第6号
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1949/04/13 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第6号

#1
第005回国会 決算委員会 第6号
昭和二十四年四月十三日(水曜日)
    午後一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 永田  節君
   理事 松田 鐵藏君 理事 清藤 唯七君
   理事 井之口政雄君 理事 島田 末信君
      江崎 真澄君    藤枝 泉介君
      南  好雄君    畠山 重勇君
      金子與重郎君    小林  進君
 出席政府委員
        大藏事務官
        (会計課長)  大槻 義公君
 委員外の出席者
        会計檢査院事務
        総長      東谷傳次郎君
        総理廳事務官  千葉 春二君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
四月八日
 委員黒田寿男君辞任につき、その補欠として岡
 田春夫君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年
 度特別会計歳入歳出決算特殊財産資金歳入歳出
 決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 前会に引続きこれより会議を開きます。
 本日は元内務省所管について審査をいたす予定でありましたが、やむを得ない都合がありましたので、これを次会に延期いたしたいと思いますから御了承をお願いいたします。從つて本日は大藏省の特別会計関係について審査を進めて参りたいと思います。本日は会計檢査院からも御出席がありますから、その点どうか御了承を願いたいと思います。
 それではまず造幣局関係の会計檢査院からの批難事項に対する説明及び処置を聽取することにいたします。
#3
○大槻政府委員 造幣局関係で、まず最初に物件の賣拂價格低廉に失したものという問題があります。それは昭和二十一年十一月に造幣局がすずの地金を供出したのでありますが、その際の債務がその当時のマル公で賣却しないで、それよりもずつと安い價格で処分した。從つてその結果この特別会計としては七百七十万円余の城收を來した計算となつて、その措置が妥当ではなかつた、こういう檢査院の御批難であります。この問題は隠退藏物資の買上價格の問題事といたしまして、別に檢査院としても取上げておいでになる問題に関連することでございまして、当時造幣局としては、商工省鉱山局からの慫慂もありまして、輸出に向けるためのすず地金の買上げの話がございまして、その地民間にある隠退藏物資とともに造幣局所有の地金を処分したわけであります。その際の扱いといたしまして、一般の民間の隠退藏物資の買上價格と同じ債務において造幣局としては処分いたした次第でございまして、この点特別会計であるから独自の立場においてその價格を妥当な点に求むべきであつた、すなわちマル公で処分してよかつたという考え方が、檢査院の考え方かとも存じますが、この点は当時の状況としては、一定のそうした定められた基準に從つて安く賣つた次第であまして、この点は別に隠退藏物資の処分の價格の問題において、政府からの見解が述べられておるところで御了承いただきたいと存ずるのであります。なお造幣局としては、檢査院の御指摘もありましたので、賣拂先である日本金属株式会社に対し、そのマル公計算との差額の追徴の話もいたしたのでありますが、すでに同会社は閉鎖機関になつておりまして、その清算も完了いたして、現在は産業復興公團にも引継がれておるという関係もありまして、事実上その差額の追徴という点については、現在不可能な状況になつております。この点は本件はそうしたいきさつにおいて、なおこの特別会計としては独自の立場からその價格をきめ得る立場にもあつたかとも存じまして、この点は遺憾である。このように感じております。
 次に同じ造幣局特別会計の問題でございますが、経費の年度区分を乱つたものということで、御批難のあります件であります。すなわち造幣局の東京支局で、終戰の後、二十一年十二月に職員の官舎九棟の新営工事を請負わせて、そうして二十一年度内にその工事の請負代金百四十万八千円を、全額支出して支拂つておるのであるが、檢査院が檢査なさつた当時の状況において、つまり二十二年九月当時においても、なおその工事は未完成であつた。それを二十一年度末に完成したものとして、諸負代金の全額を支拂つておるのは、経費の年度区分を乱つたもので、措置が当を得ない。こういう点と、さらにその造幣局の作業費の中には、官舎並びに寄宿舎の工事費は積算されていないのだから、この支出は予算の目的外に経費を使用したものであつて適当でない。なおこの工事の施行に当つて、請負人島民某に造幣局が持つていた木材四百九十五石を一時繰りかえ使用させているが、二十三年一月に至るもまだその回収を了していない。この三点についての御批難であります。第一、第二の御批難につきましては、まことにその通りでありまして、予算の実行を誤つたという点につきましては、まことに遺憾に存じます。ただ一言当時の状況を付け加えさせていただくならば、その二十一年当時におきまして、造幣局の東京の工場は戰災を受けまして、職員の多数の寄宿舎を焼かれ、防空壕において起居をしていたというような状況にありまして、造幣局としては、何とか早く寄宿舎をつくることが人道上あるいは作業の能率の向上というような見地から、必要に迫られていたという状況もあつたことを御了承いただきたいと思います。現在問題の寄宿舎には百人あまりの職員が居住している次第でございますが、いわば当時の戰争による非常な混乱と申しますか、多くの職工職員をかかえて事実上非常に困つていたというような状況につきましては、重ねて情状の御酌量をいただきたい。このように思つております。なお木材を繰りかえ使用させたけれども、そのものを回收していないという点につきましては、その後その請負人がほかの内務省関係の河川の護岸工事をやつていたのでありますが、これが暴風雨のために決潰して、損害を受けたというようなこともありまして破産したために、現在は全部の回收を了していないのでありますが、ただ百四十三石は回收しております。その後その請負の組は会社にかわつて、引続いて同じような仕事をしているわけですが、その会社に鳥居某の債務を引受けさせまして、逐次残つている分の回収には現在努めている次第でございます。
 次に印刷局の特別会計でございますが、取扱いの不注意によつて物品購入代金の二重拂いをしたという問題でございます。これは印刷局の西大寺工場で二十一年の七月に疊表五百七十枚を購入して、その代金四万五千円を支拂つているが、同じ年の八月に印刷局の本局でも、右の購入代金を同じ会社に支拂つている、この二番拂いの点についての御注意でありますが、これは御指摘の通り二重拂いで、誤まつてこのような手違いを生じた次第でありますので、この点は遺憾であつたと存じます。二重拂いの点につきましては、もちろん余分に拂つた分はさつそくこれを回收しております。
 次は專賣局特別会計の問題でございますが、第一は予算の目的外に経費を使つたものといたしまして、專賣局が職員の宿舎用として土地建物の購入賣を支出しているが、これは廳舎、工場、倉庫等の新設と違つて、そのもの自体は事業の拡張に何ら関係がなく、單に事業上の付属施設の充実にすぎないから、この專賣局作業費から支弁したということに対して、檢査院の御見解は、これは作業会計法の第四條によつて、固定資本の維持並びに補修経費を積算したものが作業費であつて、このような宿舎をつくるようなものは、たとえ事業上の付属施設であつても維持補修ではない、從つて一般会計で支弁すべきものであるという御批難であります。この点につきましては答弁書で説明申し上げておりますように、これは設備能力の増大を來すものでなく、單なる付属設備に場すぎない、しかもどれも規模が小さいものである、そうしたものは維持補修の範囲に属するものと認めまして、作業費で支弁した次第でございます。なお現在の作業会計法によりますと、この種土地、建物の購入費の支弁は一般会計の支弁によらないで、作業費のうちから支弁することができるというふうになつておりますので、現在では問題はないわけでありますが、この当時におきましては以上のような考えから処理いたしまして、この点檢査院と所見を異にした次第でありますが、この点もいわば解釈の違いと申しましようか、多少当時としては無理したやの感じもないではないと私存じます。ただ現在は法規が改正されまして、專賣局がその当時やつたことも現在では合法的に理解されるという状況にもなつておりますので、この点は御了承をいただきたい。このように考えております。
 次に補助金の交付にあたり條件に適合しないものに交付し、または設備費の査定当を得ないものといたしまして、自給製塩の補助についての御批難であります。この点はすでに御承知の通り戰争の末期におきまして、塩の自給自足をはかるという見地から創設された自給製塩制度に対しましては、極力政府としまして民間の協力を要請し、設備の施工者に対してはすべて補助金を交付する。こういう公約のもとにその急速なる実現を促進した次第でありますが、終戰後連合総司令部の好意によりまして、外國塩が輸入されるようになりましたために、塩の需給状況が非常に違つて参りまして、ために二十一年の九月には補助金の交付について一定の條件を新しく設けまして、その適格者に対してのみ補助金を交付するということにやり方を改めた次第であります。交付状況の変更による方針の変更ではありますが、事実戰争末期におきまして自給製塩を担当して、一生懸命にその設備の拡充に努力した関係の業者といたしましては、その方針の変更によりまして、いわば非常に面くらつたようなかつこうになつているのであります。これも状況のかわつたためにやむを得ず補助金の交付が少くなつたということで、納得していただいておる次第でございます。ただ実際にその條件に適合するかいなかの判定にあたりましては、檢査院の御批難はここにも書いてありますように、いわば卑俗な言葉で申しますと甘すぎるではないか。一例を申しますと完成していないのに完成したとして補助金を交付したというような御見解から御批難があるのでありますが、この点も政府の当局者としましては、現実の姿が條件にはたして適合するやいなやの認定におきまして、もちろん正確に現場について判断して処理した次第でございますが、檢査院の御指摘もありましてその後補助金の引上げという措置もとりまして、現在その一部につきましてはすでに会計檢査院の御指摘に従いまして引上げの措置をとつておる次第でございます。詳しい数字につきましては御要求によりまして申上げたいと思います。
#4
○井之口委員 八十三ページの物件の賣拂い價格低廉に失したもの、造幣局のこの関係、これについて質問いたしますが、先ほどの政府委員側からのお答えでは、会計檢査院は、トン当り三万円が適当であろうといつておるのを、やはり一万二千円の方が正しかつたとおつしやるのですが、そういうふうに聞えましたが。
#5
○大槻政府委員 この点につきましては、この一万二千円という價額は当時の隠退藏物資買上処理に関しまして定められました價格差益処理方針というものによつて買收價格がすずについてはトン当り一万二千円と定められていたものに從つたわけであります。私申し上げましたのは、これは一般の隠退藏物資を買い上げるにあたり政府がきめた價格でありますが、造幣局特別会計としてはそうした一般民間の物資を買い上げるという例によらないで、特別会計独自の立場においてマル公で、つまりトン当り三万円で処分したらよかつたではないか、こういう檢査院の御見解かと思うのでありますが、この点当時隠退藏物資の買上げ措置が商工、大蔵あるいは内務省、物價廳、各省の協力によりまして行われておりました一連の措置として、その定められた價格によつて処分したということで、造幣局の当事者としてはごく自然な考え方からそうした値段に從つた、このように考えておるのであります。ただ先ほども触れましたように、これは造幣局のすずの問題に限らず、鉄鋼、皮革、その他当時の隠退藏物資の買上價格がやはりマル公によらないで、安い値段で買い上げられた点について別なところに御批難がございますので、その関係について物價廳の方からその方の問題として御答弁いただくのがよいかと、このように考えております。
#6
○井之口委員 政府の報告の中には追徴するということになつていませんか。
#7
○大槻政府委員 この点はこの特別会計といたしましては当時の事情はさておいて、檢査院の御指摘を受けて追徴できれば追徴した方がいい。このように考えましてこの日本金属株式会社に交渉をいたしたわけでありますが、同会社はすでに閉鎖機関に指定され結了しておりまして、その尻は産業復興公国に引継がれております。産業復興公團といたしましては、同じ問題をそのまま引継いで隠退藏物資等の処分にあたつておるわけでありますが、その差益金は物價廳に納付する、このようなことになつておりまして、現状としてはその追徴の問題も事実上不可能な状態になつておる次第でございます。
#8
○井之口委員 少くも追徴する以上は、三万円のこの價格が、とれるかとれぬかは別問題として、正しいと思われるから追徴されるわけでありまして、ちよつとその辺矛盾があると思うのであります。この問題はほかにもこれからずつと影響して來ると思う。この一万二千円のトン当り價格は、終戰直後のマル公の價格じやないのですか。物價廳の方からその辺の関係も説明していただきたいと思います。
#9
○大槻政府委員 終戰時のマル公はトン当り四千三百円でございまして、その中間において一万二千円ときめられておるのでありますが、この点計算の根拠がちよつとつまびらかでありません。
#10
○本間委員長 ちよつと、会計檢査院の方で檢査をしておるわけですから、その状況を説明していただきます。
#11
○東谷説明員 ただいまの造兵局の問題でありますが、御指摘のように、簡単に申し上げますと、会計檢査院の報告の通りであるというのでありまして、会計檢査院の所見と政府は同じにしておられることになつておるのでおります。ただいま御説明ございましたが、一トン一万二千八百六十七円というのは、こういうふうになつております。こまかい計算でありますが、購入当時のマル公はトン当り四千三百円で、賣拂い時のマル公は一トン三万円になつております。三万円から四千三百円を引きますと二万五千七百円になるのであります。これを三等分いたしますと八千五百六十六円になりますが、これが三つあるわけです。四千三百円と八千五百六十六円とを加えますと、ここに上つております一万二千八百六十七円という計算になるのであります。これは先ほど政府委員から説明になつたのがそこに出て来るわけであります。これは隠退藏物資の例にならわれまして、隠退藏物資は民間で持つておりますので、発見された場合に價格の差益というものが出ます。その差益をいかに処分するかということがここに起るのでありまして、その場合に三分の一は所有者に、あとの三分の一は價格差盆として国庫に納め、あとの三分の一は平衡資金としてそこに貯めて置くという一つの方式が、隠退藏物資の場合にとられておるのでおります。その方式によりまして、これは造兵局の所有でありますから、まず三分の一の八千五百六十六円を自分でとり、そして初めのマル公の四千三百円に加えまして、一まず一万二千円として徴收をしたのであります。そういたしますと、あとの八千五百円と八千五百円との一万七千円は、相手の方の日本金属に残つておるわけであります。その残つておる一万七千円のうちの半分の八千五百円は、價格差益金として國庫に別に納付さすことになりまして、あとの三分の一の八千五百円が平衡資金のような形で、日本金属に持たして置くというふうな形式がとられたのであります。そもそもこの價格差益とかいうようなものは國には適用されておらぬのでありますから、特別会計が賣りますときは、單純に三万円のものは三万円で賣つたらよいではないか、そうするとそのものが全部造兵局の歳入に上つて來るのであります。そこにいろいろな点が起るから、起らないように普通の行き方でお賣りになつたらよいというのが批難の骨子でありまして、それについて、本件は会計檢査院の報告の通りではなはだ遺憾である、それで終つているのであります。そのいきさつは今説明されたものと私は了解しているのであります。
#12
○井之口委員 こういう場合に、價格平衡資金というものが残されるのでありますが、その根処はどういうところにあるのですか。ほかの石炭でもそういうものがあります。これは別に掘つたものでもなし、生産したものでもないのに、そうした價格平衡資金というものが残されて、このものにつめて行くというふうに使われているのではないですか。
#13
○大槻政府委員 この点につきましては、後ほど物價廳の方から答弁いたします。
#14
○南委員 ただいまの話、政府の方で遺憾であると言つて陳謝されたのですから、その問題について深く追及しないのですが、大体隠退藏というのは、自分が持つべからざるものを持つておつて処分を受けるのであつて、造兵局がすず地金を持つている場合には、隠退藏にならぬと思うのです。それを処分する場合に、價格平衡資金とか何とかの三分の一というのはあとでくつつけた説明のように思うのですが、なぜ日本金属に賣らなければならなかつたか。ほんとうの事情を聞かしていただきたいと思う。どうもわれわれには納得が行かないのです。
#15
○大槻政府委員 その点は、終戰後すずを輸出する必要があつて、商工当局として隠退藏物資の所集をなさつた次第でありますが、幸いに造兵局においてもすずを持つておるということから、それを輸出用に、いわば供出してほしい、こういう交渉があつてすずを賣るという問題が起つたわけであります。從つてただいまお話がありましたように、造兵局としては、何も隠退藏物資ではないのだから、独自の立場において当時のマル公で賣れば問題がなかつたのであります。ただ事柄が、そうした経緯におきまして、商工省の方から輸出用ということで話が起つたために、ほかの隠退藏物資について、買上價格がよい悪いはとにかくとして、一万二千円できめられていた。これの價格に、いわばごく軽い気持でと申しますか、一連の買上措置の中にその價格で、言つて見れば巻き込まれると申しましようか、そういうような事情であつたかと思う。その当時としては、造兵局当局もその点に疑問を持ちまして、関係当局、安本、商工省にも意見を聞いて、その意見に從つてその價格で賣つたという事情はございます。しかし特別会計でございますから、民間の隠退藏物資とはもちろん、ものそれ事態において、異なるものがあるし、会計の立場から言つても、マル公で引取つてもらいたいということは、言い得たはずでもございましよう。そういう意味におきまして、遺憾であつたというように考えております。
#16
○南委員 そうしますと、造幣局から日本金属株式会社に出した値段は、民間のいわゆる購入値段と同じに出しておられることになるのですか。
#17
○大槻政府委員 そうです。
#18
○南委員 そうするとあのときはアメリカへ輸出するために民間のすずの地金を集めたことがありますから、それに移管したものですね。
#19
○大槻政府委員 そうです。
#20
○南委員 それでよくわかりました。
#21
○井之口委員 安定資金の場合でありますが、隠退藏物資の場合にも適用をされておるのであるますが、そのものの生産が引合わないというために、それに特別に出されるものであつて、何もこういう金属株式会社とかその他のいろいろな公園がこれを積立てておいて、別個にこれを使うというふうなことは違法じやないですか。
#22
○大槻政府委員 その関係につきましては、後刻物價廳の方から詳細に御答弁申し上げたいと思います。
#23
○井之口委員 それでは先へ進みまして、この金属株式会社は今度整理会社になつたのですが、整理会社からはこれを追求してもくれない、と先ほどおつしやいましたが、これは特別に法律がなければくれないのですか。またそういうことならば、特別に法律をつくつて、とるべきものは正しくとるというふうなことは、政府において考えられませんですか。たとえば産業設備営團に対しては、すつかり打切りになつておるものでさえも、なお十一億から支拂うということが、今度いろいろな法案で出て來る。しかるにこういうとり前は仕方がないとして、打切られたならば、政府はとる方はとらぬが、拂う方は佛う。拂う法律がないにもかかわらず、その法律をつくつて拂つて行かなければならぬということになつたならば、國民の納める税金は非常にいたいたしく使われるということになる。これは日本金属株式会社に対する問題だけではなくして、整理会社になつてどうしてもとれないのだというような問題がたくさんありますから、この際これをまとめて聞いてみたいと思います。
#24
○大槻政府委員 本件の場合につきましては、この会社が閉鎖機関に指定されまして、清算が行われたわけでありますが、昨年の十月二十五日が債権の申告期間の最後の日でありまして、すでにその期限が経過後になつていたという事情もあつて、手続上この差額を追徴するという点が、遺憾ながら道がなくなつたという状況になつております。ただ先ほども檢査院から御説明がありましたように、その差益金というものは、うやむやになるものではなくて、差益金が出ましたものは、結局それが國庫に納付されるという関係にもなつておりまして、造幣局特別会計といたしましては、なるほどその差額は減收を來したという結果になつておりますが、國庫全体の立場から申しますと、結局は國庫に收まつて來るという筋道になつている点を御了承願いたいと考えます。
#25
○井之口委員 それならこの問題はいいといたしまして、次の問題に移ります。八十四頁の経費の年度区分をみだつたへものでありますが、これは会計檢査院にお聞きいたします。二百七十二万円もの工事を請負はせておいて、二十一年度において百四十万円の工事しかでき上らなかつたのに、次の年度において予算がないにもかかわらず、二百四十万円の工事を請負はせているという場合でありますが、このあとの方は財源はどこから出て來るのですか。
#26
○東谷説明員 ただいまの御質問でありまするが、三百七十二万円の工事をやらせるつもりでおりましたところ、年度内にできそうには思われない。そこでその半分だけに契約を切りかえたようにしまして、二十一年度は百四十万八千円の契約をいたしました。しかしそれなら二十一年度に契約しました百四十万八千円の工事が、年度末の二十二年の三月までにできたかというと、これができなかつた。これが問題なのであります。それを尋ねて行きますと、終りから五行目あたりに書いてございますように、二十二年の九月に会計檢査院が行つて見ても、まだ百四十万八千円の工事はできておらなかつたということなのでございます。そうしてあとの百四十万円はあたかも別の契約のようにして、二十二年度の予算から出して工事をしておるということに相なつておるのであります。これらの一連の工事、すなはち二百七十万円でありますが、二十一年度、二十二年度を通じて見ますると、これらは予算には計上されていない、こういうのが(二)に掲げてあるのであります。
 そこで一應申し上げておきたいのでありますが、事は簡單なようでありますが、年度区分を乱つたというふうな批難がこの檢査報告に十数件載つておりまする。これはそのうちの一つでありまして、これはいわば公文書偽造なのでありまして、はなはだおもしろくない事態なのであります。それで会計檢査院ではこういう事態がどうして起るのであろうかというので、簡単な意見を四ページの終りから一行、二行に掲げてありますが、年度区分を乱るということ自体は会計法規に違反をしておるのでありますが、こういう事態の起るのは、繰越しがなかなかむずかしい、繰越し承認を大藏省に出しましてもなかなかむずかしい、かつおそく承認をされるというのでは実際の目的を話しませんので、当該官廳ではうそを言つて、できました、あるいは物品は納まりました、こういうのが非常にたくさん年々歳々繰返されるのでありまして、会計檢査院は初めてこの四ページに掲げてあるような意見を発表したのでありますが、これは繰越しの承認について政府が考えていただかなくてはならぬ、場合によれば会計法規を幾らか改正していただいてこの点を考慮していただかなくてはならぬのじやないかというふうに考えておるわけであります。たとえて申しますと、予算決算の会計令を見ますと、繰越しは四月三十日までに出せばいいということになつておるのでありますが、これがそもそもどうかという感じも抱いておるのであります。繰越しでありますから、三月の末までに承認申請書を出しまして、そうして大藏省で承認するのは四月の初めごろに承認するというのでなければ、ほんとうの事態にはそぐわぬのであります。それが六月になり七月ごろになつて繰越しの申請を出す、承認もまたそのときにやるというのでは、仕事はできぬ。普通の予算は四月一日からの予算でありますから、五月から使おうが、六月から使おうが、それは契約した後にやればいいのでありますが、繰越しの事態というものは三月三十一日即四月一日になるのでありまして、事業は続いておるのであります。そこをついて意見を述べておるわけであります。
 次にこの予算の目的外でありますが、これは予算には積算がないのでありますけれども、先ほども仰せになりましたように、なかなか官舎とか、宿舎というものは事情があるのでありまして、こういつたものはやはり給與の変形でもありますし、國会に予算を出して、國会の協賛の後に正々堂々とおやりになるべきである。事情は十分あるということを会計檢査院も認めておりますので、これも五ページの初めから六行目に、宿舎とかいろいろの点をまとめまして、事情の了とすべきものがあるから、これらのものは予算に計上して実施しなくてはならないという意見も述べているわけであります。ついでに(二)のところの予算論でありますが、八十六枚の專賣局のところに、同じ予算論でありますのに、専賣局では法律違反じやない。それから造幣局―どちらも同じ作業会計でありますが、造幣局のところに行くと、会計檢査院の言う通りだ、こう申されるのでありまして、造幣局と專賣局とは違う役所ではありますけれども、政府の御見解は会計檢査院としては納得行かぬところなのであります。
#27
○井之口委員 非常に正しい意見だと思います。それで会計檢査院の方にもう一つお聞きしたいことは、こういう変動のはげしい場合に、せつかく契約を結んでこしらえさせても、途中でできない。あとそれがいつの間にかできたというふうに報告されるのでありますが、それをもう一ぺん会計檢査院において檢査しないと、いいかげんにバラックでもポンポンと針を打ちつけてしまつて、それででき上つたということになりがちなことが多いと思う。会計檢査院はそういう場合に十分これを審査することをやつておいでになるでしようか、どうでしようか。その済んだあとでございますが、政府はこれを訂正したと言つて来るが、訂正したことがはたして訂正になつておるかどうかということを十分に御檢査なさいますでしようか。
#28
○東谷説明員 その点は会計檢査院は政府のおつしやることを非常に信用するのであります。けれども、実地檢査というものを年々歳々繰返してやつておりますので、実地檢査の際には、この檢査報告に掲げました事項につきましては、事実その後、たとえば九月に行つてできていなかつたものが、十二月にできたとおつしやれば、十二月にできたかどうかということは、あくる年に追究しておるのでありまして、その関係を二十三年度の檢査報告などでは取上げまして、二十一年度で批難いたしました事項が、その後どうなつておるかということをやはり檢査報告に掲げておるのでございますが、そういうふうに注意いたしまして檢査をいたしておるつもりでございます。
#29
○井之口委員 会計檢査院の人員はどんなものでございましようか。今の人員をもつてしては監督の事業は十分にはやれないものでございましようか、どうでしようか。
#30
○東谷説明員 これはただいまで申しますと、雇用員を入れまして千二百人ということになつておりまして、局が四局、そのほかに官房を持つことになつておるのであります。一應御了解を得るために申し上げたいと思うのでありますが、旧憲法時代はその約三分の一の三百人余りでやつておつたのでありますが、二十二年の五月、憲法実施とともに、院法の大改正が実施されまして、同時に千二百人に拡張いたしまして今やつておるのであります。それで、人数は十分かという御質問でありますと、その人数で書面檢査はやれるのでありますが、各官廳あるいは補助團体もたくさんあるのでありますが、それらを十分に実地檢査できるか。たとえば会計檢査院法には、常時会計実地檢査をしろというふうに掲げてありますが、その常時というのを、少くとも年一回は実地檢査をしなければならぬということでありますと、今の人間では年一回ずづまんべんなく実地檢査するというほどの人員ではないように感じております。そこでその点をカバーするために、重要なところはなるべく年に一回もしくは二回やる。小さい役所であるし、今までの経驗上大体ここには間違いがなかろうというようなところは一年置きというふうにあんばいをいたしまして、今せつかく檢査を執行いたしておるようなわけであります。
#31
○井之口委員 それで大体わかりました。
 そこで今の時期をはずした問題、年度区分を乱つた問題は、そういう方面ででも解決できるでございましようか、この二百七十二万円というものは、これは予算にないのにこういう方面に使つた。たとえこれが職員宿舎で緊急必要とするものであるにしろ、もしそういうものであればあるほど、予算の上に明瞭に出てなければならぬ性質のものである。しかるにほかの方面からこつちにまわしたとすれば、ほかの方面が当然これよりももつと緊急であつて、前もつて予算の上に組まれておつたものがおろそかになつておる傾向に当然なつて來なければならぬと思います。そういうような点はいかがお考えでありますか。
#32
○大槻政府委員 この点は先ほど檢査院の方からお話がありましたように、宿舎、特に職員の宿舎の必要性については、檢査院もお認めになつておられまして、ただそれを実現する方法としては、ただいま委員のお話のように、予算において明らかにして、その実行として宿舎の完成をまつべきものである。こういう御意見に対しましては、その通りであると存じます。從つてこの造幣局の会計におきまして、先ほど、その当時の状況について、宿舎が切実に必要であつたという点を附加して申し述べました点はありますが、予算会計の立場からしますと、この件につきましてはまことに遺憾であつた。このように考えております。
#33
○井之口委員 それから次に飛ばしまして、補助金の交付に当り條件に適合しないものに交付し、また設備費の査定当を得ないもの、八十七ページのこの問題でありますが、これは自給製塩事業に対して補助金を與えた。ざつと総計したところおよそ千七百万円から與えられておりますが、これはこの檢査の報告から覗きましても、浪費されておる。戰時最中のあの軍閥がやつたところの統制経済、それをそのまま復生産したような感を受けるのであります。このつぎ込んだ補助金は湯水のように砂の下に漏つてしまう、水さえたまらぬような塩田がつくられておるというようなことで、これを読んでまつたく驚き入つた次第であります。一体ここに現われておるのが千七百万円ぐらいでありますが、そのほか全体でどのぐらいこういう事業に政府は補助金を出されたものであるか。檢査院の調査はその一部分であつたろうという感がいたしますが、その点政府委員と檢査院の御意見をお伺いいたします。
#34
○大槻政府委員 この自給製塩関係の補助金は約十五億円でございます。
#35
○東谷説明員 政府がお出しになりましたのは、この九十三ページのところにちよつと総論的に書いてありますが二十年度以降政府が出しましたものだけで、十二億五千万円ということになつておるのであります。先ほど大体の説明がありまして、いくらか甘かつたろうということでありますが、会計檢査院もこういうふうな事情のもとに実行される。そして補助率がだんだんかわつて少くなつて來ましたので、その事情は十分に頭に置いて、いくらか甘いだろうということぐらいは見のがしまして、いかにも甘すぎるというのだけは、ここに取上げられておるのでありまして、この自給川製塩につきましては、会計檢査院も非常に愼重な態度で臨みまして、自給製塩をやつている会社は、特別に檢査官会議を開いて檢査を直接にするというので、直接の指定をしまして、直接に檢査いたしておるようなわけでございまして、この二十一年度に掲げました批難事項は一件となつておりますが、この中を会社別に見ますと、これが大体五件、五つの会社になつておるのでありますが、二十二年度で取上げまして、このほかに、ただいま國会に出ておるのでありますが、自給製塩の分で批難をいたしましたのが、二十二年度は百八ページ以降にあるのでありますが、七件七会社の分が取上げられておるようなわけでありまして、会計檢査院は一部分でなしに、政府の自給製塩の補助としてお出しになりましたものの全部を檢査いたしまして、二十一年度五つの会社、二十二年度において批難しますのは七つの会社で、いくらか残つてはおりますが、大体これで終りを告げるのであります。そういう状況でございます。
#36
○大槻政府委員 ただいま自給製塩関係の補助金が十五億余りと申し上げましたのは、誤りでありまして、檢査院ただいまお話の通り十二億五千万円で、その三億余りが専業製塩関係の補助金でありましたから、訂正いたしておきます。
#37
○井之口委員 そうすると、今は打切られておるわけですね。それからこれだけの金をかけて育成した日本の製塩業というものは、塩の輸入によつてめちやめちやにたたきこわされてしまつておる。国民のこういう厖大な富が実に無駄に使われたために、外國塩に対して抵抗もできないような薄弱な経営でもあつたし、それからその間におそらく不適当なものでありながら、会計檢査院の指摘の通り、甘かつたどころじやない、これはからい事件ですが、これだけのものがめちやめちやになされて今日國民に塩も供給することができない。外資導入をさかんに唱え、または外國貿易をさかんにしようというふうなときに、これだけでも塩が自給できるような態勢が整つておつたならば、日本のために非常によかつたろうと思うわけであります。それにしましても、こうなつてしまつたも、やはり何とかこれはしりぬくいをしなければならぬと思います。飛島塩業などには九百万円からの補助が與えられて、ほとんど詐欺的なものになつておる。なぜこういうふうな詐欺的なものを知りながら、政府はこれに金を出したのか。またそういう責任は今日だれが負うべきであるか。この点政府委員にお聞きします。
#38
○大槻政府委員 御質問の点につきましては、事柄が戰争中の施策、それから終戰後の状況の変化、こういうような、いわば時代の違いと申しますか、状況の著しい変化にまたがつての問題でありますので、この点の自給製塩の補助金の処理につきましては、当事者としまして非常に苦心があつたわけでありまして、その点がまたいろいろこの檢査院の問題となつていることかとも思うのであります。御質問のそうしたことに関連して塩の産業をどういうふうに考うべきや。またこのようなことの責任をだれが負うべきか、こういう点につきましてはちよつとこの席で私から答弁申し上げかねる次第でございます。
#39
○井之口委員 なおこういうところからやはり政界の腐敗が起つて、政治献金が出たりなんかするような疑いを國民に非常に持たせがちなものであります。それでありますからこの点はもつと明らかにして、大体そう調査に困難でもありませんから、会計檢査院の方でできておりますか、政府の方でできておりますか、できておつたら責任のある、融資、その使い方について全般的な御報告を一應いたしていただきたい。
#40
○大槻政府委員 檢査院の御指摘の批難に対しましては、この答弁書に一應の説明がいたしてあるわけでありますが、その後さらによく事態をあらためて見直しました結果、すでに交付した補助金であつて、やはり檢査院の御指摘の通りであるというふうに認めたものがありまして、その分についてはさらに渡したものを取返すという手続を進めております。御質問の数字等については別に御報告いたします。
#41
○島田委員 私は本問題を通じて、実は官吏がすベて從來やつておることに対しての頂門の一針と申しますか、一つの希望を申し上げたい。官吏は住々にして、從來何か事をはかる場合に、既設の設備を使えば十分能率を上げることができるにかかわらず、新規の計画をやらなければ何かおさまらない。往々にして諸種の産業においてそういうきらいが多いのであります。たとえば農業におきましても既設の農業施設、あるいは水田、そういうものを十分に活用できるように農業水利、あるいは土地改良を十分に行えば増産ができるというにかかわらず、ただちに目を轉じて開墾に持つて行く。塩田におきましても終戰当時の実情から申しまして既設の塩田を十分活用し、あるいは機械化するという方針で進むならば十分増産計画も立てられるであろうし、また能率の上においても万全が期せられる。われわれは特に製塩地の本場でありますから、そういう実情がよくわかるのであります。それにもかかわらず、ここに自給製塩の計画を樹立し、その結果まことに遺憾な結果を見ておるのであります。私はただ單にこれをただしてどうすべきかということでなくして、根本問題として今後、いわゆる官吏なるものが十分諸種の産業を発展させ、あるいは能率を増進する上におきましては、既設の設備をいかに活用するかということに、まず基本的なお考えを持たれて、それでどうしても事が足りぬという場合に、新規の計画に持つて行くというような方針をとられぬ以上は、從來の考え方、從來の行き方では、こういうまずい結果になることが往々にして見られがちであります。また免れないと私は考えるのであります。おそらくこれは專賣局当局におかれましても、自給製塩がそういつた観点から計画せられ、しかもその過程においていろいろな手違いも起きるし、また予算の使途についても疑われるような点が生れた。同時に能率の増進、塩の増産という上からも大して見るべき結果がなかつたという失敗を招いたと思うのであります。ただ單に予算の使途を誤つたとか、そういつた観点からだけでなくして、これからさきそういつた諸種の産業を発展さす上においての、根本の考え方において大いに改革していただきたいということを、この際一言希望として申し上げておきたいのであります。
#42
○本間委員長 次に物價廳関係の檢査報告が内務省関係の檢査報告の区分の中に間違つて入つたのでありますが、檢査報告の五十六ページ、物價廳関係の説明を聽取することにいたします、千葉説明員。
#43
○千葉説明員 それではこの五十六ページの徴收不足額、東京都ゴム製履物配給統制組合に百八十万百八十六円、愛知縣革ゴム履物数配給卸統制組合外十一組合に対しまして十四万円、その次に九万一千七百六十三円、その次に七千百五十九円、こういうようにございます。これは具体的に申し上げますと、現在私どもの方に從事しております價格差益の從事員は現在三十七名でございます。その対象となりますものが三十六万円ほどございまして、一々実地調査することができませんので、各組合を通じまして報告書をとりまとめて、そのうちでこれはおかしいと思うものだけについて檢査を実施しておるのであります。ここに出ておりますものは、私どもが檢査に参りませんで、檢査員が檢査に行つたというものについてこういうように追徴になつたものなのであります。もちろん私どもが万遍なく檢査いたしましたならば、必ずやこういうものが出て来るのであります。現在におきましては人員も相当にふえましたので、逐次檢査をし、本年度におきましては、五億から六億という金額を、現在追徴しておるのであります。そういうような事情でありまして、檢査員が追徴して来たものであります。内容については今ここに書類を持参しておりませんので、はなはだ簡單ですが、ここに概略御説明いたします。
#44
○井之口委員 この価格差盆の算定は物價廳の方において実地調査をせんでも、数次的にいろいろな方面からの配給だとか何かをもつてぴたつとわかる方法はないものですか。
#45
○千葉説明員 價格差益の方はこの生産業者につきましても、新旧統制額の差額の三分の二そのままで計算する場合には一番簡單なのでありますけれども、今のような物價高にありますと、そのままで計算することはとうてい不可能であります。また價格の形成は、重要資材についての補正体形におきましては六月二十三日に値上りする。それから第二次第三次製品につきまして、六箇月なり七箇月後に値上りをするという場合には、その第二次、第三次製品の値上りした当時、その資材が新價格のものが、使われておるというものには、どうしても指示價格を設定しなければならぬ場合があるわけであります。そういう場合にはいろいろな計算方法をして行かなければならない。また数量につきましても、商工省なり農林省に正確な数字が報告されておるものについてはよろしいのでありますが、そういう報告のないものについては、一應業者から報告されたものによつて計算をし、余裕を見てあと檢査に行くというような方法をとるより仕方がないのであります。從つてこういう誤りも出て來る。なるベくそういうことにならないように、いろいろな資料を集めまして、やつておるのでありますけれども、何しろ十分なる人員を擁しておりませんので、今日のところできる範囲内で極力誤りのないように努力しておるのであります。
#46
○井之口委員  こういう履物配給統制組合とか、革ゴム履物類統制組合というような、小さな産業の價格差益というものは、算定が非常にしにくいのでございましようが、大きい物、鉄鋼、石炭、そういうふうなものは見逃さないで、きちんとやる方法はないものでしようか。そういう方面に非常にたくさん脱漏があるように聞いておるが、どんなものでしようか。
#47
○千葉説明員 たとえば鉄鋼なり、石炭で申しますと、九州の鉄鉱石関係で言いますと、大体第一倉庫、第二倉庫というように倉庫はあるのであります。それから帳簿もいろいろりありますけれども、たなおろしというようなことはまつたくやつておりません。從つて、不良品というようなものも、もちろん落したりしてないのであります。これは九州の福岡の関係で一度見たことがあるのでありますが、そういうような関係で、なかなか数量を正確につかむことができません。それとまた実地調査をいたしましても、三人なら三人の人間が参りまして、一箇月かからなければ正確のことをつかめない。ただそこにある帳簿を合せるよりしかたがない。そこの帳薄が正確にできておればよろしいのですが、各地に支店なり、工場を特つておると、それらのものも全部まとめなければ、正確なものを把握することができないので、なかなか容易でないと思います。
#48
○井之口委員 價格差益は二十一年度、二十二年度全体でおよそいくらぐらいであるか。またいくらぐらい徴收脱漏しておるものがあるように御推定なさいますか。
#49
○千葉説明員 二十一年度は会計檢査院に指摘されたものは、大体これだけであります。それから二十二年度は、会計檢査院の方で指摘されたものが約六百八十万円ございます。私の方が檢査に参りまして追徴いたしましたのが、現在までのところ二十二年度におきましては、約二億五千万円ほど追徴いたしております。二十三年度におきましては、人員が相当にふえましたので、約五億円追徴いたしております。
#50
○井之口委員 この價格差益は非常にたくさんのものが逃れておる、税率そのものも非常に少いし、それからこれの徴收されているものも非常に脱漏が多いように聞いておりますが、これをもつと十分に補足するような何かいい案、政府の方においてこうしたならばよかろうというふうな適当な案はないのでございましようか。
#51
○千葉説明員 現在私の方でやつておりますのは、全國に御承知の通り八つの事務局がございますが、この八箇所の事務局に擁しております差益の從事員は課長、事務官、雇い入れまして百十二名でございます。それから各都道府縣を使つておりますが、この都道府縣に使われている人員というものは、いずれもほかの仕事をやつておるかたわら差益の事務をやつておるというような状態であります。私どもが常に予算の要求をいたしますときには、少くとも現在の人員の五倍ないし六倍にしてくれたならば、さらにさらに差益の徴收をするこが可能であるということを話しておるのであります。差益の方も現在以上に徴收し得るとするならば、人員を多くするより今のところは仕方がないということになつておるのであります。
#52
○井之口委員 これは税務署との関係はどうなつておるのですか。税務署が査定するのですか。あるいは見込みでやるのでしようか。
#53
○千葉説明員 これは税務署と物價廳とは全然別個にいたしております。差益の計算と税の計算とは全然別でありまして、差益は物價改訂当時の在庫品に対して、規定通り参りますと、値上り差額の三分の二、それから價格改訂のずれなどがありましたときには、指示價格をつける。その指示價格と新統制價格の差額の金額を徴收する。販賣業者につきましては、新旧統制額の差額の五分の四、こういうような率をもつて徴收しております。
#54
○井之口委員 ついででありますから、一つ聞いておきたい。さつきの價格安定資金という問題でありますが、この價格安定資金はたとえば石炭なら石炭を外國へ輸出するについて、價格安定資金がいらなくなつた場合、それから今申しました隠退藏物資の方から價格安定資金の方に支拂うとか何とか、そんなふうにいろいろな変則の場合があるようです。この原則的な場合並びに変則的な場合、いろいろの経験があろうと思いますが、その点一つ説明を願いたいと思います。
#55
○本間委員長 ちよつと所管外でわからないそうですからこの次に留保願いたいと思います。
 なお廣島の財務局関係のものが一つ残つておりますから、大槻政府委員からひとつお願いいたします。
#56
○大槻政府委員 それは檢査院の檢査報告の九十四ページ。國有財産を無償で使用させているもの、この問題でございます。事柄は廣島財務局でもと呉海軍工廠施設の一部の土地建物を播磨造船所に昭和二十一年四月無償で一時使用させているが、これは有償とすべきものである。こういう檢査院の見解でございます。事柄を敷衍して御説明いたしますと、この播磨造船所に使用させているその内容は、実は昭和二十一年四月三十日づけ司会部の指令によりまして、旧日本海軍の軍艦艦艇の破壊の指示を受けたわけであります。すなわち日本の軍事力の残存するものを破壊するという作業の命令でありまして、これに基きまして政府としては、大きなものとしましては戰艦から、小さなものは海軍の使用していた潜航艇とか、その他そうした軍艦艦艇の解撤をしなければならなくなつたわけであります。そのためにここに問題として指摘されました呉の海軍工廠の施設の一部を播磨造船所に使わせて、その解御作業を実施させた次第でございます。問題は無償であるのを有償ですべきであるということではありますが、根本的には次のような事情になつているのであります。すなわちこの指令がありまして、政府の責任を果すためには、非常に事柄が新しいことで、今までに経験のないことであります。たとえば戰艦伊勢を解体してしまうという作業は、もちろん経験がないために、どのようにこれを処理して行くかという点は非常に当事者として苦心があつたわけであります。しかしとにかく指令に基きまして、その責を果すために、この作業を造船所の数にしまして四十七箇所の造船所において実施させているわけでありますが、当時の事情といたしまして、そういう解撤費、作業費を予算で協賛をいただいて、その作業費をもつて解撤し、その解撤の結果出て來たくず鉄なり、資材を別途費拂いの処分をして、國の歳入にとるというのが本筋なわけでありましたが、何分にも当時の状況としては、そうした措置をとる間がなくて、ただ昨日の関係上、解撤の作業にとりかからざるを得なかつたという関係から、この問題の播磨造船所につきましても。そうした予算的措置を伴わずして、この作業を命じたという事情になつております。なおその作業の予算的措置をとらずして行つたということの一面の考え方としては、何しろ解撤ということが大きな仕事であるために、それから生ずる物件を処分する收入と作業費それ自体とを考えてみますと、むしろ作業費の方が多くかかる。こういう見通しもありましたものですから、できるだけ國の財政支出を避けたいという氣持もかたがた手傳いまして、予算的措置を講じないで実行に着手された次第であります。何しろその会社としては結局作業の終つたあとで経理をすれば、むしろ國から支拂いを受ける部分があるという見通しもあり、政府としてもそういう見通しでありましたので、できるだけ國の負担を少くするという氣持も手傳つて、この造船所に呉工廠の施設の一部を使わせる場合でも、一時使用という形式のもとに、無償の取扱いをしたことであります。しかし現在においてひるがえつて考えてみますと、幾多の特殊物件の処理等において例があるごとく、この種の作業を予算的措置をとらないで、そうした方式でやるということは適当でない、この点は檢査院の御意見の通りでありまして、政府においてもその後予算的措置を別途講じまして、現在においては檢査院の御指摘のように進んでおります。なおこの使用料をとらないという点につきましても、使用料を徴收するということに改めまして、進んでおる次第でございますから、御了承願いたいと思います。
#57
○井之口委員 これは会計檢査院の解体、解撤についての意見やら、今の場合を見て非常にむちやなことをやられているということを感じたのでございますが、この解撤の場合でもまつたく契約も何もせず、お前の方で解体してくれというふうに自由にまかしてやられている。これは当時の政府当局はまつたく專断的にこういうことを、したとしか認められないのでありますが、今ちよつとお聞きすれば解体、解撤の工事費用はむしろ、解撤した資材の販賣をもつて償えないというふうな御意見があつたようであります。会計檢査院の方におきまして、はたしてそんなものだろうかどうか、これをひとつ調査の結果どういう御意見をお持ちであるか、これは日本の大きな造船所という大財閥でやつておる仕事でありますから、十分なる企業の上に成立している事業でなければならぬと推定されるのですが、これに対して調査でも何でも十分やりやすいものだと思います。会計檢査院はどうお考えになりますか。
#58
○東谷説明員 ただいまの艦艇解撤についての御質問は九十四ページのところで、國有財産の一時使用の問題でありますが、ここに掲げておりますように、改正前の國有財産法の第十六條によりましても、こういう場合には無償で貸してはならぬここになつておるのでありまして、当然有償とされなくてはならなかつたのでありますが、その点を批難しておるわけであります。今では政府も同じような御意見のように思います。ただこれには艦艇解撤ということがからむのでありまして、艦艇解撤のことを説明しろというような御意向のようでございますが、簡單に申し上げたいとて存じます。解撤すべき艦艇が総計五百三十八隻、このうち約半分以上が批難の対象になつておるのでありまして、あとの半分以下、正確な数字は申し上げてもよろしうございますが、それは國会に予算をとりまして、艦艇の解撤に要する経費として支拂い、それから発生した資材は政府のものでありますから、政府はそれを賣り拂いまして、歳入に一面取立てるという公明な正規な方法にかわつておるのでありまして、ここに申し上げておりますのは、五百三十八隻のうちの三百何隻、それが拂下げでもなければ、中途半端なことになつておるのであります。ここに掲げているものは会計檢査院としていくらか正確を欠いておつたのでありますが、よく調べて見ますと、艦艇解撤の作業をやるために、艦艇を賣拂つたということにはなつていないのでありまして、これは七ページのところに賣拂価格の決定をあとからするとなつているというふうに書いておいたのでありますが、よく念査し、政府の説明を聞いて見ますと、二十一年度における状態は、軍艦艦艇を解撤することだけをやらしているのでありまして、賣り拂つてもいないのであります。從いまして二十一年度においては官のものが播磨なりその他の造船業者の手元にあるということに形式上なるのでありまして、所有権は官にあるのであります。形から言うとここに掲げているよりはもつと惡いものになると思うのであります。官のものが処分されていることになるのであります。会計檢査院は今も御説明がありましたように見通しがなかなかつかないものでありますから、兵器の処理と同じように会計檢査院は艦艇解撤の場合においてもやはり財政支出をしないようにしたいというお心持はよくわかるのでありますけれども、こういつた兵器といい、艦艇というものは、元々血税でもつてできたものでありますから、終戰後における処理としては最も公明を期さなければならない。その意味において艦艇解撤あるいは兵器の解体は堂堂と予算をおとりになつて、國会の承認のもとに艦艇の解撤をする、あるいは兵器を解体して行く、そして発生したところの資材はやはり賣るべき方面に賣り拂いまして、歳入に出して行く、その收支のバランスがどうなるかということはその時の処理でありまして、これを公明にしなくてはならないということであります。この艦艇、解撤につきましては二十一年度においては会計檢査院が面接に檢査をする権限がないものと見ておつたのであります。よく取調べてみますと、ただいま申しましたように賣り拂つたのではないのでありまして、兵器は日本全國にある兵器を賣り拂う契約を、漠然としているものでありますが、漠然としても所有権は兵器処理委員会に渡つていることになりますから、会計檢査院としてそこに踏み込んで檢査はできない建前になるのでありまして、本件の場合においては、國有のものでありますから、会計檢査院が檢査ができる建前になるのでありまして、先般会計檢査院の檢査官会議を特に開きまして、三十五社でありますか、特に指定をいたしまして直接に会計檢査院が檢査をする、せつかく今特別檢査班を結成いたしまして檢査を続行中でございます。
#59
○井之口委員 今の説明を聞きまして、会計檢査院の報告よりは一層惡い條件であるということがわかりました。まつたくこれは播磨造船その他の造船会社でこの資材を今日保有していないとすれば、官の所有財産を窃盗したということになつてしまう。これは自然法律上の重大問題になる性質のものだろうと思うのであります。それで会計檢査院におきましてはこれが問題になつたのは一体いつごろからで、どれくらい調査、並びにそれを告発するような手続きが進んでいるのでございましようか。
#60
○東谷説明員 それは檢査をただいまいたしておるのでありますが、告発というようなところにはまだ行つておらぬのでありまして、もし告発しなければならないものとすれば、会計檢査院の方でも通告せなければならないこともあるわけでありますから、そういうことにもなるかと思いますが、本件はそこまでは進んでおらないのでありまして、ただいませつかく檢査を続行しておるようなわけでございます。
#61
○井之口委員 この檢査の状態をひとつ委員会に資料として提出していただきたい。委員長からよろしく願います。
#62
○本間委員長 ほかにございませんか。
 次会は土曜日午前十時から開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。
    午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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