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1949/04/16 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第7号
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1949/04/16 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第7号

#1
第005回国会 決算委員会 第7号
昭和二十四年四月十六日(土曜日)
    午前十時二十八分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 永田  節君
   理事 松田 鐵藏君 理事 清藤 唯七君
   理事 井之口政雄君 理事 島田 末信君
      中馬 辰猪君    藤枝 泉介君
      南  好雄君    畠山 重勇君
      金子與重郎君    小林  進君
 出席政府委員
        建設事務官
        (会計課長)  植田 俊雄君
 委員外の出席者
        会計檢査院事務
        総長      東谷傳次郎君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年
 度特別会計歳入歳出決算特殊財産資金歳入歳出
 決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 前会延期をいたしておりました元内務省の所管について審議をいたしたいと思います。右所管に関る会計檢査院の批難事実について、建設当局からその説明を聽取することにいたしたいと存じます。
#3
○植田政府委員 特殊物件の仕事は、昭和二十年九月二十四日の連合軍のメモランダムによりまして、内務省によつて行つて参つたのでございますが、その後二十二年の十二月末をもちまして内務省が解体になりましたので、引続き建設省で仕事を続けておるのでございます。特殊物件は終戦直後から返還になりまして、大部分の仕事は内務省時代に終りまして、建設省といたしましては、その残務をただいま急いでおるような状況でございます。特殊物件をどういうふうに処理したかについては、お手元に、簡單ものでまことに恐れ入りますが、資料を提出しておりますので、これを詳しく御出説明いたしますと大分時間もかかりますので、あとでごらん願いました結果、御不審な点がありましたならば後刻御説明申し上げたいと存じます。要点は、特殊物件はすべて元の陸海軍が持つておりました、材料その他一切の資料でございます。これはすべて内務省を通じて日本政府に返還に相なつたのでございます。土地、建物、機械、船舶、一切のものが内務省に返還になつた。但し内務省で直接配分の責を負いましたものは――土地、建物、機械、船舶等の不動産類は國内法上、國有財産の手続を受けますので、大蔵省で所管しております。それ以外のものについて、内務省が責任の衝に当つたわけでございます。その処理といたしましては、直接内務本省で処置いたすものはございませんで、各府縣の協力を得まして、各府縣知事が内務省の委任を受けて処理するということにいたしたのでございます。しかしながらすべて各府縣に一任したというわけでもございませんで、重要品目につきましては全部中央で処理の方針をきめまして、鐵鋼類でございますと当時の統制團体であります鐵鋼販賣統制株式会社に拂い下げる。それを商工省の方が、全國的な配分計画に基いて鐵鋼販から需要者に配分させる。こういう方式をとりましたので、各府縣知事が自分だけの判断で処理したというものはきわめて少量のもの、あるいはそう重要性のない品目、こういつたものだけでございます。申し落しましたが、会計檢査院の決算報告にもございますし、それから説明書の方にもございますが、特殊物件には二通りあるのでございます。便宜先ほどお配りいたしました資料の終りから二枚目の表の左の方に書きましたのが特殊物件で、正式返還になつたものでございますが、右の方に書きましたのは放出物件でございます。放出物件と申しますのは、元の日本の陸海軍から終戰直後連合軍の命令が出ました九月二日までの間に、直接民間なり、都道府縣を通じてなり、あるいは官廰なりに放出せられたものでございます。それにつきましては、内務省としまして、この放出の段階においては関係いたさなかつたのでございますが、その後連合軍の御指示もありまして、これを回收できるものは回收し、あるいは回收しないものは、代金の追徴をはかるというようなことをいたしておりますので、この調整事務も内務省の責任ということになつておるわけでございます。特殊物件には、正式返還になつたものと、軍が直接放出したものとの二通りあることを御了解願いたいと思います。
 二十一年度の決算におきまして批難を受けました問題は、三十一ページからの「特殊物件(放出物件を含む)を無償譲渡したもの」これ以下に大分項目がございます。それから四十二ページ以後に、「特殊物件の処分による收入金の徴收措置緩慢なもの」この二つがあるのでございます。便宜四十二ページの方の問題から御説明申し上げたいと存じます。
 第一番目には、ここにございます「特殊物件の処分による收入金の徴収措置緩慢なもの」であります。皆さんも御存知のことかと存じますが、特殊物件は非常に散在いたしておりまして、終戰当時各地に疎開いたしておりまして、そこには種種雑多なものが集積されておつた。これをまとめまして都会の倉庫に入れて、品目、数量を整理するというようなことも当時の事情でできなかつた関係もありますので、数量的な賣拂いの正確な確認ということが若干遅れるような氣味もありました。すなわち当初においては、連合軍から返還されて倉庫を開けなければならぬということで、早く出さなければならぬという関係がありましたので、数量の確認に若干遅れたということが徴收の遅延した一つの理由でございますが、その後におきましては昭和二十一年の金融措置、またその後の八月に行われた第二封鎖の問題、あるいは各種の統制團体が閉鎖機関に指定せられた、こういつた事情のもとに大分遅れまして、これは会計檢査院の御批難の通りでございます。その後閉鎖機関になりました統制團体の方も整理が大分進捗いたしまして、内務省関係におきまして、收入いたさなければならぬ金額は約六十一億でございますが、そのうち徴收決定済額は五十一億ございました。この徴収決定済額を差引きますと、あと約十億というものが收入未済となつておりますが、これも全然行方不明になつたものというのではございませんで、ただ價格の調定等がまだついていないということでございます。これは二十四年度内には十分終結できるものと考えております。これが第一番目の問題でございます。
 その次は一ページおきまして、「特殊物件の賣拂價格の決定に当り措置当を得ないもの」四十四ページにございますが、これは特株物件の中に鐵鋼販に渡しました鐵鋼類と、日本金属株式会社に渡しました非鐵金属類と、皮革統制組合に渡しました皮革類、日本織物統制株式会社に渡しました繊維類につきましてその價格を終戰時の價格に一應精算いたしましまして、それとこれらの統制團体が賣り拂いました賣り上げとの間から一定の額を、これらの統制團体を通じて價格安定資金に使うことを認めた、こういう点でございます。これは御承知の通り、二十二年の三月にいわゆる三、三マル公というのが設定に相なつたのでございますが、その当時價格差益金処理規則というものが出まして、價格が上つた利益は、統制團体等が價格の騰貴によつて得ました利益の半分は國に納めさせる。半分は統制團体が價格安定資金に使わせる。こういう方針が決定されたのであります。この方針に準拠いたしましてこういう措置を特殊物件にとつたのでございます。この金額は、ここに書いてありますように約八億円でございますが、この金額が鐵鋼類、非鐵類、皮革類の公定價格引上げを抑制する。すなわち二十二年の七月当時に鉄鋼、非鉄類の公定價格が上りましたが、それまでのつなぎの價格安定資金として非常に役だつたものでございます。そういつた趣旨からいたしまして、当時政府といたしましても他に價格安定資金に充てる方途がなかつたものでございますから、関係各省が協議いたしましてこういう措置を講じたのでございます。
 その次に大きな問題といたしまして五十ページに「廃兵器類の賣拂に当り措置当を得ないもの」こういうのがございますが、これは兵器処理委員会の関係でございまして、終戰直後軍が持つておりました廃兵器類をどう処置するかという問題が、連合軍の方からの指示もございまして、とうてい政府の手で解決つく問題ではないから民間会社をしてやらした方がいいではないかというようなことでございましたし、また政府といたしましても、当時一般の特殊物件の返還を受けて、これの処理だけで手一ぱいでございましたので、これを民間の日鉄、日本鋼管、古河電気工業、扶桑金属、神戸製鋼、この五つの会社の組織しました兵器処理委員会というものに引渡したのでございます。当時といたしましては、廃兵器類がどれだけの数量があるかということもわからなかつたのでございまして、賣拂い契約をいたしましたが、その際に代金はきめてなかつたのでございます。また代金の点につきましても、大砲、飛行機等を解体いたしましてそのスクラツプ類を賣拂つて、はたして黒字が出るか赤字が出るかという見通しがつかなかつたのでございます。先の精算の結果、黒字が出たならば政府に納めさせる。赤字が出たならばどうするかということも問題になつたのでございますが、赤字の点については一應伏せ置きまして、そのときには適当な措置を講ずるというふうなことでありまして、二十一年の五月に内務省と兵器処理委員会との間の賣拂い契約を締結いたしたのでございます。契約は五月でありますが、政府の方針はその前年二十年の十一月に、当時内閣に設けられました特殊物件処理委員会の議を経ましてこれらの五社にやらせるということをきめておりますので、事実は二十年の暮、二十一年の一月ごろから事業を開始いたしております。從いまして兵器処理委員会は、あるいは誤解があるかと存じますが、兵器類だけ扱つておるのでございまして、その他の物品について、原材料等を扱つているわけではございません。兵器処理委員会は、最盛期におきまして相当多くのものを扱つたのでございますが、だんだんと業務も縮小して二十二年の九月ごろから漸次解散する方向に持つて参つたのでございまして、産業復興公團に兵器処理委員会から直接引継がせるという方向で話を進めておつたのでございますが、二十三年の二月になりまして連合軍の方から作業の全面的なストツプを命ぜられまして、ストツプされた後、最高檢察廰の監督のもとにその物資を産業復興公團に引渡せということになつたのでございまして、昨年の五月ごろからこの引継ぎを始めたのでございます。約四十四万トンを兵器処理委員会から産業復興公團に引継ぎをいたしております。これは、現物は産業復興公團に対して引継いでおりますけれども、法律上の性格と申しますれば、四十四万トンを一旦政府に返しまして、政府から産業復興公團に引渡すという手続にいたしておるのでございます。この数量につきましては、それ以前に兵器処理委員会が申しておりました数量と、産業復興公團が大体推定いたしました数量との間にはほとんど食い違いがなかつたという程度でございました。この四十四万トンは、兵器処理委員会としましても相当費用をかけまして回收したものでございますので、これを無償で政府が取上げることになりますと、兵器処理委員会といたしましては損失をこうむることになりますので、当時二億六千万円の予算を計上いたしまして、この損失額に対して、政府から補償をいたしたのでございます。この三月末をもちまして兵器処理委員会の決算もつきましたので、それに対しましてはいろいろ査定の結果、一億五千万円程度を支拂うことに決定いたしまして、その金の一部は兵器処理委員会に支拂つております。但しこの支拂いました金につきましても、最高検察廰が責任を持つて監督に当ることになつておりまして、最高檢察廰の承認を得なければ使うことはできないことになつておるのであります。
 その次に三十一ページの放出物件の無償譲渡の問題でございます。それと、四十八ページの放出物件の処分による收入金を職員に対する手当に使用したとかいうようなものがございますが、これを一々御説明いたしましては時間もかかりますから、要点を申し上げますと、ここに列記されましたような問題は主として放出物件に関する問題でございます。放出物件は、先ほども申しましたように、軍から直接民間なり都道府縣に放出になつたものでございまして、当時の軍の方針としましては、有償でやつた場合もございますし、あるいは無償でやつた場合もございます。無償で受けました放出物件を縣としましては一般の救済用に充てるために、戰災者等に無償で配付したものが多いのでございますが、一部農業増産用にまわしてたのがあるのでございます。こういつた用途に充てましたものについては、これは縣から國へ金を納めるべきではないか。こういうような点が一つの批難の事項でございます。これにつきましても、私ども府縣の実情をよく聞きまして、当然國庫に納めるべきものでありますればこれは納めさせるように措置いたしたいと考えておりまして、会計檢査院の御指摘もありましたので、縣といたしましてもできるだけ納めることについては努力いたしておるのでございます。二十一年の決算報告の出ましたあとにおきましても、相当解決いたしておるものがあるのであります。
 次の問題は、放出物件の金が、府縣として当時唯一とは申せませんが、非常に使いやすい金でありました関係で、戰災者の援護團体でありますとか、あるいは農業團体等のいろいろな事業資金に渡したものが相当あるのでございまして、これにつきましてはいろいろ檢討いたしまして、納めるべきものは納めさせるというふうに指導いたしております。ただ都道府縣といたしましてもただいまの財政難でございますので、納めるべきものだということがわかつておりながらも、なかなか財政の関係で遅延しておる向きもございます。それからもう一つは、この放出物件の收入によりまして――放出物件の收入と申しますのは、都道府縣がこれを無償でもらいましたのを民間に有償で拂い下げる。その價格があるのでございますが、その價格の一部を係員がわけて若干ずつ分配した、こういつたことはまことに不当でありまして、これは私どもが会計檢査院の御指摘をまつまでもなく、もしもこれを先に知りますれば当然返還させるべきものでございます。会計檢査院の御指摘を受けますと府縣としましてもすぐに回收いたしまして、國庫に納入いたしております。
 もう一つ問題になりますことは、特殊物件の賣拂い代金と、民間会社が元軍に対しまして持つておりましたところの債權との差引きを要求しまして、長崎縣におきまして、一つの間違いを起しまして、元の軍に対して債檢を持つておりました会社に対しまして、特殊物件を無償で拂い渡しておるという問題があつたのであります。これは私どもとしましても十分注意いたしまして、軍需補償打切の措置が出ますと同時に、あるいはそれが出るよりももつと前から旧軍に対する債權と特殊物件の排下げは、全然別個なものであるから差引きをしないようにと言つて注意をいたしておりました。これは事実の問題としましては、いろいろ民間の方々の意見も聞いてみますと、ごもつともなこともあつたのでありますが、國の会計を乱すことはできませんので、一應戰時補償が打切られた以上は、今度は自分の納めたものであろうとも、当然時の公定價格によつて拂下げを受けるべきものである。こういうふうに指示いたしております。長崎懸だけこの措置を誤つたのでございます。これはただちに訂正いたさせまして、その代金は國庫に納まつておる次第でございます。大要ただいま申し上げました程度でございますが、御質問がありますれば詳しく御説明申し上げます。
#4
○井之口委員 今のを個別的にひとつお尋ねしたいと思います。特殊物件が六十一億というふうな御説でありましたが、次第にこれは調査によつてふえて行つていることが事実だと思います。これからでももつと調査を徹底的にやればもつとふえて行く見込みはないのでありますか。
#5
○植田政府委員 特殊物件の金額は、正式に返還になりましたものと放出物件を回收いたして賣つたもの、あるいは放出物件の代金を追徴いたしたものでございます。ただいまのお話のようにもつとふえやしないかという問題でございますが、正式返還になりますものも若干あろうかと思いますが、これは今のところどの程度返還になるかわかりませんが、私どもの推測いたす限りにおきましてもそう大きくなりはしないと思います。井之口委員のお話がありましたのは、むしろその点ではなくして、終戰当時放出せられましたものが、あるいは民間に隠れていやしないかという問題でありますが、この点につきましては経済調査廳がただいま摘発に当つておられます。経済調査廳が摘発せられまして、それが旧軍保有の物であつたということがわかりましたものにつきましては、内務省系統にそれを移しまして、連合軍から返還手続を受けております。そういうものにつきましては代金が國庫に入つて來る。こういう仕組みにいたしておるわけであります。逐次発見されるように聞いておりますが、その点は経済調査廰が活動し始めた以後においては、経済調査廰がこの仕事に当つておりますので、どの程度に実施せられておるかということは、詳細にはまだ聞いておりません。
#6
○井之口委員 大体今日まで続いておるのでありますか。今現にやつておるのでありますか。
#7
○植田政府委員 これは現在でも続けてやつております。
#8
○井之口委員 わかつておる範囲だけでそういう方面の報告をひとつ何か文書の形でお願いいたします。
#9
○植田政府委員 経済調査廳の方と連絡いたしまして、どの程度まで経済調査廳が摘発いたしましたか、資料が間に合えばできるだけ早くつくりましてあるいは経済調査廳の方が説明しなければならぬようなことがありましたら、経済調査廰の方にもお願いしたいと思います。
 実を申しますと、私は直接この方面に関係いたしておりませんが、終戦後大分長くたちましたものでございますから、どれが旧軍から放出せられたものか、あるいは一般の隠退藏であるかが見わけの困難なものも相当あろうかと思うのであります。はたしてうまい資料ができますかどうか、一應経済調査廰に聞いてみなければわからぬような状況でございますので、御了承願いたいと思います。
#10
○井之口委員 四十四ページの「特殊物件の賣拂價格の決定に当り措置当を得ないもの」でございますがこれに対して賣り拂つたものの半分を價格平衝資金で保有するというようなことを仰せられましたが、しかしマル公で政府から受けて、そうしてマル公で出す。場合によつては賣る場合のマル公はかえつて高くなつておる。そこで差額が大きくなつておつて、それを價格平衡資金として半分を受取つておるところの鉄網販賣株式会社、日本金属株式会社、その他のものが保有するというのは、どうも常識では首肯しがたいのであります。これはどういう関係でそうなるのでございますか。それからこれが取扱つたいろいろな運賃費とか何とかいう費用は別個に政府が支拂うことになつておるのですか、特別こういう團体自身が自主的にまかなうことになつておるのでありますか。
#11
○植田政府委員 ただいまお話のありました、まず第二点の方から申し上げます。特殊物件は公定價格で賣り拂うということを原則にいたしておるのでありますが、これが返還を受けましたところの所在場所は、一般のメーカーや問屋なりが持つておるような置場にあるわけでございませんで、通常の賣買の條件では賣り拂えないものであります。また一應銘柄等を整備しませんと一般の需要者に渡せない、こういう格のものでございますから、中間で取扱つております鉄鋼販とかその他の統制團体といたしましては、相当な費用がかかるわけであります。從いましてこれらの統制團体につきましては、当時のマル公の二割の手数料を認めております。鉄綱で申しますと当時の、これは三・三マル公でございますが、三・三マル公の二割と申しますと、鉄鋼の平均の價格をトン三千円と見まして、トン六百円でございます。このトン六百円程度の手数料を認めております。これは單に手数料というばかりでなく、その集積場かも一定の倉庫まで引取り、それを保管し、また販賣するまでの費用でございます。この手数料を引いたものが鉄網販に対する拂下げ價格ということになるわけでございます。
 第一の点でございますが、鉄綱その他の現在量の公定價格は逐次かわつておりますが、内務省として関係いたしましたのは二十一年の三月のマル公までの関係でございます。その後逐次上つておりますものにつきましては、物價廰の方がこれらの統制團体に対しまして、三・三マル公から二十三年の七月マル公、そういつた差額につきましては價格差益処理規則のきめております通り徴收いたしております。從いまして現在鉄綱販が閉鎖機関になつておりますが、この閉鎖機関である鉄鋼販に対しましても、物價廳は價格差益を徴收することにいたしております。ここで問題になつておりますのは、その後の値上りでございませんで、三・三マル公までの以前におきまして、これらの統制團体に対しましての第一回の内務省との仕切り價格を、終戰マル公にいたしまして、そうして三・三マル公との間、あるいは早く賣りましたものにつきましては、三・三マル公よりも安いマル公もございますが、その賣上げと、それから終戦マル公との差益のうちの一部を價格安定資金に使うことを認めた、こういう次第でございます。
#12
○井之口委員 それは個々の統制会社からさらに民間へ拂下げる場合に、民間の方で負担するというわけに行かないのでございますか。
#13
○植田政府委員 当時これらの統制團体から民間に拂下げますのは、すべて公定價格でやつておりますので、民間で負担するというわけには参らなかつたのであります。
#14
○井之口委員 三十一ページの、福岡縣外四縣の福岡縣、北海道、長野縣、島根縣、熊本縣、こういうところで無償で受けたものを、さらに下に配給しておりますが、そういう場合に、下には有償でやつておりますか。
#15
○植田政府委員 お答え申し上げます。福岡縣の場合は、これは放出物件でございますが、放出物件は薪炭増産用として、縣が一種の特配のような形で、無償で配給しております。それから二の北海道の方も、無償で民間に配給したというふうに了解いたしております。その次の長野縣と島根縣のものでございますが、これは公共團体である縣が、國有財産の無償譲渡を受けたというかつこうになつております。すなわち國の仕事をやつておる島根縣、長野縣知事が公共團体である島根縣、長野縣に対して金をとらなかつた、こういう形のものでございますが、こういうものは矯正いたすように措置いたしております。放出物件を民間にまわしておるものは、この場合においては無償でいたしております。
#16
○井之口委員 有償で國家が拂い下げておるものが、たとえばこの島根縣の自動車だとかいうようなものは、あまりに價格が安過ぎるのです。非常に價格が安過ぎて、まるでただみたいなものになつているのですが、事実拂い下げたときの自動車は、そんなにこわれていたとか何とか、役にたたないような、これだけの價値しかなかつたものか。聞くところによれば、りつぱな自動車が七、八千円というふうに、ただみたいな價格で持つて帰られたというふうなことがあの時分に行われたと聞いておる。そういうものはやはり相当の價格に引上げて、今日から追徴するということはどうでありましようか。
#17
○植田政府委員 自動車の價格につきましては私ども今までの各方面からいろいろ質問を聞くのでありまして、政府としましては当時これらの特殊物件を全部マル公で賣つたわけでございます。
 今お話になりましたような八千円というのは、マル公でございます。しかしこれらの個々の自動車の調定價格におきましてはマル公よりも大分下まわつているものが多いのでございますが、自動車につきましてはこわれているものが非常に多かつたのであります。もちろん当時いろいろやみ價格もありましたし、やみ價格と比較いたしますれば政府の拂い下げました公定價格を標準にしたもの、あるいは品いたみ等で公定價格よりなお安くしたものは安かつたということは申せるのでございますが、しかし政府としましては公定價格以上に物を賣ることができないわけでありますから、なおこれらのものが今値上りしているではないか、こういう問題があるのでございますが、政府といたしましても当時の價格で賣つたものでございまして、賣り手が政府だからその後値上りしたから代金徴収するわけにも参らないじやないか、これは民間の当時の統制團体が切符制で物を賣り出したものと同じことが言えるじやないか、この追徴は別箇の措置がとられるならばとにかく、そうでない限りは賣る立場の私たちとしては追徴ができないという措置しかとれなかつた。
#18
○井之口委員 拂い下げたときのマル公はこれだけだとおつしやいますが、そのマル公の引上げもなかつたのでありますか。
#19
○植田政府委員 自動車のマル公の價格はかわつておるかと思いますが、実はマル公について細かいことを存じませんので、どの程度引上げになつたかお答えするわけに行きません。これは引渡した当時のマル公を基準にしております。その後マル公が上つた後に引上げたものについてはそのときのマル公でいたしております。從いましてもし自動車が返還を受けることがありますと今のマル公を基準にして拂い下げをいたします。自動車は割合に早い時期に返されている関係で値段が安いのであります。それからこの自動車の配分につきましてはこれは府縣知事限りで随時にやつたものでございません。運輸省の方から各府縣に対しましてどういう用途に使うかというような一々指示をいたしまして、それによつて府縣が配分をいたしております。
#20
○井之口委員 四十四ページの特殊物件の賣拂價格の決定に当つて措置当を得ないもので会計檢査院の指摘通りにいたしますると、そのときにとつた部分よりももう幾らくらい増徴になりますか。
#21
○植田政府委員 これは細かい計算をいたさなければできないわけでございますか、この價格安定資金を出しました関係のものは第一次といたしまして、終戰マル公を國に納めさせまして各省が相談いたしました一定の金額を價格安定資金に使うことを認めまして、またそうしまして残つた金は第二次納付金として納めさしているわけであります。第二次納付金の方も相当多額になつておりますので、大体の見当から言いますと、價格安定資金に使いました金は、これらの統制團体の賣り上げました金の二分の一以下でございます。これらの統制團体に対しましては、手数料を先ほど申しました鉄鋼については二割、非鉄金属については一割五分というふうな一定の率以上には認めておりませんので、それ以外の差額は全部國庫に納めろということになります。從いましてこれを会計檢査院の御指摘通りに全部國に納めるということにいたしますれば、價格安定資金に向けましたその金額だけがふえることになるわけでございます。それ以外の統制團体の利益となるようなおそれのあるものは全部國庫が収納するということにいたしております。
#22
○井之口委員 それだけは確実に徴収の見込みがありますか。
#23
○植田政府委員 これは内務省がやつたことでもありません。実は物價廳が指示いたしまして使つたものでございます。逐次これを民間の生産者に交付いたしまして、價格安定に寄與したものでございます。すでにこれは支出済みでもございまして、回收することはできないと考えております。
#24
○井之口委員 しかし法にかなつていないとすれば、それは徴収しないわけに行かないでしよう。費用として渡すものは渡すとして、一應そういうものは徴収しなければいけないのではないですか。
#25
○植田政府委員 これは國がとつたものを民間会社に渡したということでございますれば、あるいは非法という問題になつて来るかと思うのでございますが、國が取立てたものでなくて、民間團体から直接生産者に渡したものでございますから、会計檢査院の御趣旨もこの措置が効果があつたことはあるいはお認め願えるのではないかと思うのでございますが、ただ法規違反とまでは申せないのではないかと思つております。
#26
○井之口委員 それではその先に進みまして、四十六ページの「放出物件の処分による收入金を府費に受け入れたもの」ここに青森縣の振興会に交付いたしたとありますが、青森縣の振興会というのは何ですか。
#27
○植田政府委員 終戦当時どこの府縣におきましても、財政は非常に困難でございまして、他方終戰直後のいろいろな対策を講じなければなりませんし、また民間の産業を再興しますためにも、何らか縣として措置しなければならぬものがあるわけでございまして、青森縣では放出物件は軍から、多分これは無償で受けたと思いますが、無償で受けたものを有償で賣り渡したときに、その代金かあるわけであります。これは当時としては、政府は政府に納めろという指示もしておらなかつた関係で、これを振興会を通じて各種の対策に使つたのでございます。振興会の性格について、ただいま詳しいことは存じませんが、緊急食糧対策費あるいは積雪対策費というようなものに使つておるということは指摘されておるのでございますが、こういつた縣の仕事を補助する團体であつた、かように考えております。
#28
○井之口委員 この青森縣の振興会なるものが何であるかはつきりわからないと、これは單なる私設の團体であつて、そういうふうなものにかなり放出物資の收入金を政府がこれをやつた、そうして適宜に緊急食糧の対策をやれとか、積雪の対策をやれというようなことにしておつたとすれば、これはどんなふうに使われたか、なかなか疑わしい点があるのであります。そこでこれは当然國庫に納めなければならないものであつて、そのうちこれだけのたくさんの金に対してたつた九万二千円くらいしか縣のものになつていないというので、これは当然縣が責任を負うて國庫に納めるのですか、それともあとは青森縣振興会が國家に補償するものですか、これはどうなるのですか。
#29
○植田政府委員 青森縣の振興会の性格につきましてどういう組織であつたか、あるいは法人になつておりますか、あるいは寄附行為であるか、定款というようなものがあつたか、こういうことは詳しく存じないのでございますが、各府縣ともこういつた性格の團体があることは御承知の通りでございまして、おそらく縣廰と民間の方々とのおつくりになつた縣の行政を援助するための團体のであるかと思うのでございます。縣が直接緊急食糧対策費あるいは積雪対策費等に支出すべきものを経理の便宜上あるいはこれらの振興会を通じて代金をこの方にまわしたということになるのではないかというふうに考えております。しかしこの措置が適当でないということになりますれば、これは縣の方に責任があるわけでございます。ただ当時の事情といたしまして、青森縣につきましても言えると思いますが、その他の府縣につきましても費用がありませんで、放出物件の賣上代金というものが一番大事な財源であつたわけでございます。当時緊急にこういつた仕事をしなければならぬ際に、この金をその方面にまわしたのでございまして、当時としましては、縣は軍から無償でもらつたものだと考えておりますから、縣としては、決して國の金を流用したという考え方もなしに、当然これはもらつたものとして、有効に利用したにすぎないというふうな考え方でおつたと思うのでございます。その後放出物件の問題を連合軍の注意もありまして、國に返させるという方針をきめて初めてこれは國に返さなければならぬというふうなことになつたわけでございまして、これも何らの法律的な措置も講じておりませんで、通牒によりまして返還を勧奨しておる、こういうふうなことでございまして、青森縣が返さないということになりましても、これは法規に基いて強制徴收するというふうな途のあるものでもございません。また青森縣といたしましても、非常に財源の苦しい際でございまして、青森縣も現在となつては、この金はあるいは使わずに残しておいた方が國の歳入の方に役立つことができてよかつたんだということは認めておりますけれども、ただいまこれだけのまとめた大金を一般財源から生み出して國に納めることはできないというので、私どもたびたび参つておりますが、青森縣も納めることができれば納めたい氣持はございますけれども、ただいまの財源の点でどうも納めかねるところでございます。
#30
○清藤委員 ……
#31
○本間委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#32
○本間委員長 速記を始めてください。
#33
○植田政府委員 ただいま私ども以上に青森縣の事情を御存じの方がお話願いまして、非常にありがたいと思つております。実はお話の通りでありまして、終戦直後はこの金をどうしろということは國から何にも命じていない。ただ軍からもらつた。これを賣ることができて金が入つた。これは一つ縣が最も有効な方面に使いたいということでお使いになつたのでございます。だんだんと放出物件の金問題をどう片づけるかということが逐次きまつて來まして、これは國に納めなければならぬということになつたわけであります。これにつきましては、私どもも会計檢査院の方にもたびたびお願いいたしまして、実情に沿うようにしていただきたいということをたびたび申し入れておるわけであります。ただ國の歳入という立場から申しまして、会計檢査院のおつしやることはごもつともでございまして、その点は私どもも会計檢査院のおつしやることには反対し、またはこれをこばむこともできないのでございます。私どもはこの放出物件の関係のものにつきましては、できるだけ実情に沿うような解決方法を関係各官廰等とも打合して解決して参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#34
○井之口委員 こいつはまつたく困つた問題で、こういうふうな放出物件の金が入つて來ないというようなことは、國民の非常な疑惑の種になる。こういうところももつと、使い道の点を十分に明らかにして委員会に提出されるようにされたならば、十分な了解が得られるのではないかと思うのであります。
 なおその次、「放出物件の処分による收入金として使用したもの」、岡山縣の例でありますが、会計檢査院も指摘しておりまする通り、放出物件の小賣價格は高過ぎるとの批難があつたというので、こういうことを言うておりますが、会計檢査院の方では「このように返還を要するほどに特に高價であつたものとは認められない」と言うております。これはその時分の事情がはたして、これが高く拂い下げて、そして返還を要しなければならなかつたくらい高いものであつたか、あるいはもらうものはだれでも安いものがいいというような考え方から、これは高過ぎるというのでこういうような拂い戻し金を寄附金として取るようなことになつたのか、その辺の実情はどうですか。
#35
○植田政府委員 ただいまの御質問には二つの点がございますが、第一点の四十七ページの末尾のところに書いてございます問題は、実は解釈の問題で、多少檢査院と意見を異にするのでありまして、実は岡山縣から同胞援護会支部に寄附したのではなくて、放出物件を当時の岡山の衣料品統制会社が配給を受けまして、それを戦災者等に配給いたしたのでございます。それに対しまして縣も中に立ちまして、三十万円の金を同胞援護会の岡山支部に寄附さしたのでございまして、これは金が出たのが縣であるか統制会社であるか別にいたしまして、ともかくも縣では關與しているから知らなかつたわけではございません。先ほど青森縣に対する井之口さんの御注意は十分注意して参りたいと思いますが、たとえば支出しましたのが縣であるというように断定になつておりますが、この点は形式的には事実と違つているということを御了承願いたい。
 それから二番目の問題でございますが、放出物件は主として戦災者等に交付したのでございまして、戦災者等に渡します場合に、その当時幾らの金でわけていいか中央からたれも指示いたしませんし、各府縣とも見当がつかなかつたわけであります。縣が思い思いの價格で戦災者に配つておつたわけであります。岡山縣で配りました價格が隣縣等と比較して高かつたものでございますから、どうしても安くするのが妥当じやないかというふうな議論がございまして、これも先ほどの繊維会社の方から返納したような次第でございます。これは戦災者等に配給された特殊なものでありまして、從つて價額も非常に安かつたということを御了承願いたいのでございまして、これが一般の市價とか、あるいは公定價格ということになりますと、返還を要するほど特に高價であつたとは認められないということになろうかと思いますが、一般の戦災者に対するものでありまして、たとえば廣島縣では一着二十円で配給しておるものが、岡山縣では三十円、五十円で配給しておるということになると、岡山縣ではなかなか承知しがたいから、その分だけ返してくれ。こういうことになつて衣料品の配給会社が返したものと承知いたしております。
#36
○井之口委員 山形縣の例は、軍人援護会とか、職員手当とか、警察で使つておりますが、こういうものは返さすのでありますか。
#37
○植田政府委員 山形縣の先ほど申しました手当に交付した点は、何人が考えましても不当でございますので、ただちに返させております。警察の方に参りましたものも返つております。それから軍人援護のために使いました金も、縣の方の責任でまかなうからということで、すでに國庫に納めております。
#38
○井之口委員 この次の長崎縣のものですが、これは約六十五万円くらいの價格になります。少しこれは單價が安過ぎるような氣がしますが、どうですか。
#39
○植田政府委員 長崎縣は、放出物件の價格を軍需補償打切りの関係の債権と差引したというのが指摘になつた点でございまして、これはただちに訂正いたされました。この債務の問題でございますが、軍服の價格につきましては当時何らの公定價格がなかつたのでございます。終戦当時の帳簿價格によりましても、大体一着が七円か八円程度の安いものだつたわけでございますが実際これを終戦直後、縣が配分いたします場合においては、東京都の例を申しますと三十円程度の價格でございます。この價格はただいまの金から申しますと非常に安いように思われるのでありますが、当時の公定價格を参照いたしますれば、そう安いものとも考えられない。大体二、三十円というところで各縣單独できめておつたわけであります。
#40
○井之口委員 この廃兵器類の賣渡しに対する問題でございますが、兵器処理委員会の内容に関しては、会計檢査院は十分な檢査をする権限をお持ちだと思いますが……。
#41
○植田政府委員 会計檢査院からお話になるべきことを、私が引取りましてまことに申しわけございませんが、私の承知しておる範囲におきましては、兵器処理委員会に対しては、会計檢査院は檢査される権限はないのでございます。しかし私どももこの問題は非常にむずかしい問題でございますので、ぜひ会計檢査院の方で内務省の檢査の延長としてやつていただきたい、というふうにお願いいたしまして、実は私どもの方から引き出して檢査院の方々にお忙しいところを各地にまわつていただき、書類を見ていただいたのでございます。実は内務省といたしましては経済官廳ではございませんので、こういつた経済的な会社の帳簿類を見るのには不なれでございますが、会計檢査院の専門家の方にごらんを願いまして、兵器処理委員会についての間違いをなくするということに役立つたことを私どもとしては感謝しておるのでございますが、正式に申し上げますれば、権限はないとのことでございます。
#42
○東谷説明員 ただいまの廃兵器の点でございますが、これは檢査報告の五十ページに掲げてあるのでありまして、御承知のごとく、兵器処理委員会は民法上の一團体にすぎないのでありまして、出資金が百万円、当時の事情上やむを得ない点はあるのでありますが、数量も金額も決定しないで一括して賣拂うということに相なりましたので、日本全國にある兵器の所有権は形式的に兵器処理委員会に移つたということに相なるのでございます。そうしますと会計檢査院としては、他人のものでありますから民法で檢査をするということが正式にはできないという立場に相なりましたので、五十一ページのところに檢査院の権限事がないので、その詳細を知ることを得ないとありまするが、この廃兵器については兵器の拂い下げ契約というのがありまして、民間團体であります兵器処理委員会と拂い下げの契約をしておるのでありますが、これだけ大きなものを、しかも類例のない、数量も價格も決定しないで大ざつぱに拂い下げをしたのでありますから、監督管廳である内務省においては、十分な監督をせられなければならぬのはもちろんであります。ただそれと同時に契約を見ますと、契約でもちやんと監督すると書いてあります。それでこの五十一ページのところにも揚げておきましたが、「内務省について調査するところによれば、同委員会の経理内容について適正を欠くと認められるものがあるにかかわらず、内務省は賣拂契約上認められている経理の檢閲も十分行わないで」というように会計檢査院は見ておるのであります。監督が十分でなかつた。本來ならば、この廃兵器の処理がどうなつておるかということは、内務省に行けば会計險査院に対する一目瞭然の説明ができなければならないのでありますが、今申上げましたようなその当時のいろいろの事情で、檢査院に対する説明ができないということになりましたので「ただいま御紹介になりましたように、それならば内務省の方と一緒にやつてみようというので、ピツクアツプして幾らか、兵器処理の状況を見たのであります。見た結果、あまり適当でない点もあつたということでございます。それがいろいろ世上の問題になりまして、昨年の五月三十一日をもちまして兵器処理委員会と政府との賣買契約を解除いたしまして、それまでに処理しましたのが約百四十一万トンと称せられておりますが、そのうち処理しましたものを差引きまして、四十四万トンを政府の方に無償でとりまして、これを産業復興公團を通してただいま処理させておるような実情でございます。この際は、関係方面の御指示もありまして、会計檢査院が最初から廃兵器の処理についてタッチしようというようなことに相なりまして、ただいまでは最初からの状態について会計檢査院がさかのぼりまして檢査をしておるようなわけでございます。この四十四万トンを取上げました関係もありまして、一應の計算では兵器処理委員会の方では赤が出るということで、先ほどもお話があつたかと思いますが、二億六千万円というものが國会の協賛を経て、兵器処理委員会に拂つてやるということに相なつて、二十三年度の予算が出て來たのでありますが、その支拂いの金額は、会計檢査院の檢査の結果によつて金額が確定するということに相なつておりますので、ただいまはせつかく檢査をまだ続行中でございます。その二億六千万円のうち、一應兵器処理委員会から請求をいたしました金は一億七千万円余りでありますが、さらにそれを政府で査定をされまして、大体一億五千万円くらいならよかろうというので支拂うという腹を大体おきめになつて、そのうち九千万円がこの間の三月三十一日に小切手が切られて渡つておるのであります。この金は先ほどもお話になりましたように、最高檢の承認がなければ出て行かない。ただ一億五千万円でありますが、それでよいかどうかということを会計檢査院が中に入り込んで檢査をいたしておるのでありまして、ただいまの見当では一億五千万円はよほど切りまして、相当少い金額でよろしいということになる見当を今持つておるのであります。これは檢査の確定をまたないと正確な数字は申し上げられないのでありますが、そういうわけであります。
 なおついでに申し上げたいと思いますが、いろいろ御質問がありまして、政府委員から御説明がありましたその中に、檢査院のここにあげてある基礎が間違つているような御説明が諸所に出るのであります。私どもは全然そういうことは考えておらぬのでありまして、岡山の問題でもそうでございます。よそと比べて高いかというと、隣りの縣である廣島と比べてちよつと高いのがあるという程度でありまして、全國どこと比べても大体において同じか、むしろ安いというくらいになります。それから青森縣の問題でも、私は当時軍の関係の檢査をしておつたのでありまして、先ほど御紹介のような点もよく存じておるのでありまして、総じてこの特殊物件並びに放出物件に関しては、よほどその当時の事情は会計檢査院としては酌んでおるのであります。その結果こういう程度のものが拾い上げてあるということだけを御了承願いたいと思います。
#43
○井之口委員 なおこの兵器処理委員会の問題に対しまして、会計檢査院の方で知り得た範囲でよろしゆうございますから、経理内容についても御報告を願いたい。何か文書の形で、経理内容を明らかにしてもらいたいのであります。それから今までずつとやつて來ました青森やら、いろいろなことを仰せられましたが、そのほかには、会計檢査院として意見はございませんか。
#44
○東谷説明員 兵器処理委員会の関係でございますが、ただいま申し上げましたように目下檢査を続行中でございまして、あまり遠くない時期に結論が出るかと思うのであります。すぐさま事務総局の方で考えておることを、ただちに書類にしてお出しするということにはちよつと行かぬのでありまして、檢査官会議にもかけたりしてでありますから、ある程度時日を要すると思うのでありますが、その点をお含み置き願いたいのであります。この檢査報告について意見があるかということでございますが、実は会計檢査院の批難の要点だけはここに掲げてあるのでありまして、これでただいまのところ間違つておるようには考えておりません。
#45
○井之口委員 会計檢査院にちよつとお聞きしたい。この兵器処理委員会というのは政府が出資している團体でありますか。
#46
○東谷説明員 兵器処理委員会は、五社がたしか二十万円ずつ出し合いましてできておる委員会でありまして、政府は出しておりません。政府がもし出資しておれば、会計檢査院法によつて檢査ができるのであります。
#47
○井之口委員 復金からの融資がある場合は、会計檢査院はこれに対して審査する権限がありますか。あるいは價格調整資金等を出している場合には、あるのでありますか。
#48
○東谷説明員 復金から確かに兵器処理委員会は相当な融資を受けております。復金は御承知のごとく政府が出資いたしておりまするので、復金を会計檢査院は檢査いたしておるのでありまするが、復金がさらに融資しておる先を檢査するという権限は、今のところないのでありまして、遺憾ながらその面でも檢査ができないということに相なつておるのであります。價格調整資金の場合は、檢査ができないということになつております。
#49
○井之口委員 政府委員にお聞きしますが、そういう場合に政府の方では十分に檢査ができるのでありますか、どうでありますか。
#50
○植田政府委員 政府と兵器処理委員会との関係につきましては、先ほど東谷事務総長からお話がありましたように、監督するという規定がございますから、監督は幾らでもできるわけでございます。ただ兵器処理委員会に対しましての監督は、実は内務省と商工省と二つでやつておりまして、問題の重点は、その資材の数量的な問題が一番大きいわけでございます。連合軍から引渡しを受けましたものを兵器処理委員会に渡しますまでの責任は内務省がやつております。兵器処理委員会が受取りまして、それを輸送したり、解体したり、配分する責任は商工省でやつております。この面におきましての監督につきましては、完全とは申し上げられませんが、十分いたしておつたつもりでございます。これが完全とは行つていなかつたと申し上げますのは、このために商工省も内務省も、一人も専門の職員を置かなかつたのであります。そういう点から申しましても、完全とは行つていなかつたのではなかろうかと思うのであります。その後いろいろ各方面から檢討せられた結果におきましても、こういつた面での間違いはあまりなかつたように私どもも了解いたしておるのでございます。一々兵器処理委員会がどこから金を借りるか、どこに支拂いするか、またどういう價格で引合わせるかというふうな点にまでは、なかなか役所としても立入ることができませんで、これは兵器処理委員会の五社を信頼してまかせるほか手がなかつたような状態であります。
#51
○井之口委員 兵器処理委員会でなくして、今度は單に日本製鉄とか、こういう一企業が復金から融資を受けている場合は、十分な内容の檢査ができますか。
#52
○本間委員長 ちよつと井之口さんに申し上げますが、ここに條文がありますから、御参考までに私読んでみましよう。「國が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を與えているものの会計」これ以外は、会計檢査院の範囲外なのであります。國が奨励金、補助金、助成金、あるいは損失補償金、貸付といつたような財政援助をしておるものに制限が加えられておるわけであります。ですから、民間の株式会社その他の経理は、権限外にあるということに実際はなつておるわけでありまして、常識に従えばこれは株主総会が決算は確認するわけであります。何か犯罪上の容疑でもあつた場合に、檢察廳の方でやれば別ですけれども、それ以外はちよつとないのではないかと思われる。なお東谷さんからでもその点さらに敷衍して御説明していただきたい。
#53
○東谷説明員 ただいま委員長から御説明をお願いした通りでありまして、ただ、もう一言つけ加えさしていただきたいのでありますが、ただいまの財政援助は國から出しておりましても――廣い意味では権限はあるということになるのでありますが、これは必ず檢査をしなくてはならぬというのではありませんので、その事態によりまして、特に会計檢査院がこれは檢査をしなければならないと判断をいたしまして、その檢査を受くべき会社あるいは團体なりに通知をしたときに初めて檢査をすることに相なつております。
#54
○井之口委員 もう一つだけお聞きします。復金から融資した場合に、復金の構成か何かで、融資先の会社の経理面を檢査するということはないのですか。
#55
○東谷説明員 それはよく記憶しておらぬのでありますが、会計檢査院としては、正式には先ほど申しましたように、復金を直接に検査し、復金が融資したものに対しまして、行つて檢査をすることはしないのでありますが、内務省に参りまして、そこで兵器処理の状況についてつまびらかに説明を聞く。もしできなければその他の方法で説明を聞くということを先ほど申しましたのと同じように、復金の関係におきましても、融資の大きなもの、あるいは融資のこれは不審であるとか、不可解に感じたものにつきましては、復金自体で檢査を詳細にいたし、そうして、それが必要であるならば、復金を通じて復金から融資を受けた先の人に来ていただいて、そこで説明を聽取することにいたしておるのでありまして、できないのではあるけれども、ある程度の檢査はできておるということになるわけです。
#56
○本間委員長 元内務省所管でほかに御質疑ありませんか――御質疑がなければこの程度で内務省関係は終りたいと思います。
 次会は十八日午後一時から開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。
    午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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