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1949/05/06 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第11号
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1949/05/06 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第11号

#1
第005回国会 決算委員会 第11号
昭和二十四年五月六日(金曜日)
    午後一時五十九分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 塩田賀四郎君
   理事 永田  節君 理事 戸叶 里子君
   理事 清藤 唯七君 理事 井之口政雄君
   理事 島田 末信君 
      柏原 義則君    藤枝 泉介君
      船越  弘君    金子與重郎君
      小林  進君
 出席政府委員
        大藏事務官
        (主計局長)  河野 一之君
 委員外の出席者
        会計檢査院長  佐藤  基君
        会計檢査院事務
        総長      東谷傳次郎君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
四月二十八日
 委員山口六郎次君辞任につき、その補欠として
 渡邊良夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十日
 委員渡邊良夫君辞任につき、その補欠として山
 口六郎次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國政調査承認要求に関する件
 昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二
 十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十二年度予備費使用総調書
 昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書
 昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の一)
 昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の一)
 (承諾を求める件)
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 日程を変更いたしまして昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算右を議題として審議を進めます。まず大藏当局より説明を聽取することにいたします。河野政府委員。
#3
○河野(一)政府委員 昭和二十二年度歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算を会計検査院の検査報告とともに國会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。総決算に計上いたしました歳入の決算額は二千五十八億四千百六万余円でありまして、これに対して歳出の決算額は二千五十八億千百六万余円でありますから、歳入歳出差引八十六億二千六百十八万余円の剰余を生ずる計算であります。しかしこの剰余金額中には、昭和二十三年度に繰越しました歳出の財源に充てなければならない額が十七億千二百八十一万余円ありますので、これを差引くと、結局昭和二十二年度一般会計の純剰余金は六十九億千三百三十七万余円となるのであります。しかしてこの剰余金額中には昭和二十一年度剰余金の使用残額八億三千二百七万余円が含まれておりますので、これを差引きました六十億八千百三十万余円が本年度新たに生じた剰余金は財政法第四十一條の規定によりまして、一應翌年度の歳入に繰入れるものでありますが、この二分の一相当額は同法第六條の規定によりまして公債または借入金の償還財源に充てることとなっております。
 次に昭和二十二年度の歳出予算額は二千百四十二億五千六百万余円でありますが、予算の決定後において昭和二十一年度から、昭和二十二年度に十九億六千九十七万余円の予算の繰越しを承認しましたので、右の歳出予算額と予算決定後の増加額を合計いたしますと、予算現額は二千百六十二億千六百九十七万余円となる計算であります。以上昭和二十二年度の歳入決算額と同年度の歳入予算額と比べると、二億千百二十四万余円を増加し、歳出決算額と同年度の歳出予算額と比べると、百三億七千五百九十万余円を減少しておる次第であります。なお歳出予算現額のうち、支出済となった金額は、前記の通り二千五十八億四千百六万余円でありまして、昭和二十三年度に繰越しました金額は、十七億千二百八十一万余円でありますから、これらの金額を差引き、昭和二十二年度歳出予算の不用となった金額は八十六億六千三百九万余円となる計算であります。
 次に昭和二十二年度一般会計における予備費の予算額は二十億円でありますが、これの使用を決定いたしました金額は、十九億七千七百九十三万余円でありまして、結局差引予備費の使用残額は二千二百六万余円となる計算であります。右の予備費の使用につきましては、國会の事後承諾を求めるため、第二回國会に提出いたしましたが、審議未了となりましたので、本國会において承認を求むるため再提出いたしてあります。
 次に昭和二十二年度一般会計の國の債務について概説いたします。財政法第十五條第一項に基く國庫債務負担行為の昭和二十二年度の限度額は、八億九千三十二万余円のところ、実際に負担いたしました債務額は八億四千六百三十二万余円でありまして、これに財政法附則第四條に基いて國庫債務負担行為となりました六億二千四百四十九万余円を加えますと、債務負担総額は十四億七千八十一万余円でありまして、そのうち本年度支出その他の事由によつて、債務の消滅いたしましたものは四千九十八万余円でありまして、差引翌年度以降へ繰越しました債務負担額は十四億二千八百八十三万余円であります。
 次に財政法第十五條第二項に基く國庫債務負担行為の昭和二十二年度の限度額は十億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は九億三千万円でありまして、これに財政法附則第四條に基いて國庫債務負担行為となりました二千八百六十四万余円を加えますと、債務総額は九億五千八百六十四万余円でありまして、そのうち本年度支出によつて債務の消滅いたしましたものは六億六千百六十四万余円でありますので、差引翌年度以降へ繰越しました債務負担額は二億九千七百万余円であります。
 次に公債でありますが、昭和二十二年度発行額は戦時補償特別措置法第六十三條に基くもの等が八億九千八百七十五万余円でありまして、ここに既往年度からの繰越額千八百七十四億三千三百六十万余円を加えますと、債務総額は千八百八十三億三千二百三十六万余円であつて、そのうち本年度償還、その他の事由によつて、債務の消滅しましたものは十六億二千三百七十万余円でありまして、差引翌年度以降へ繰越しました公債の債務負担額は千八百六十七億八百六十五万余円であります。
 次に借入金でありますが、昭和二十二年度の借入額はなかったが、既往年度からの繰越額五百三十九奥千七百八十九万余円がありまして、そのうち本年度償還、その他の事由によつて、債務の消滅したものが百十九万余円でありまして、差引翌年度以降へ繰越し借入金債務負担額は五百三十九億千六百七十万余円であります。
 次は昭和二十二年度法律第四十二号第九條第三項の規定による元臨時軍事費特別会計の借入金の繰越債務額七十億円ありますが、本年度償還したものはありません。
 次は大藏省証券または一時借入金でありますが、その昭和二十二年度の発行限度額は四百億円でありましたが、実際発行した最高額は三百九十億円でありまして、発行総額は七百二十三億円でありましたが、本年度全額償還済であります。以上は昭和二十二年度一般会計決算に関して、きわめて概略を申し上げたのであります。
 次に昭和二十二年度特別会計の決算について、一言申し上げます。
 昭和二十二年度における特別会計の数は二十六であります。これら各特別会計の決算審によつて御了承願いたいと存じます。しかしてこれら各特別会計の歳入決算額の合計は四千百九十一億千三百八十九万余円、歳出決算額の合計は三千七百二十五億六十六万余円であります。しかしながらこれら各特別会計及び一般会計各相互間におきましては、相当多額の重複がありますので、これらを控除調整した決算の純計額、歳入四千百九十八億八千四百八十六万余円、歳出四千六十億三千九百六十一万余円となる計算であります。
 以上昭和二十二年度一般会計及び特別会計の決算に関しましてきわめて概略を申し上げましたのでありますが、さらに御質問によつて御説明申し上げたいと存じます。何とぞ十分御審議のほどお願いいたします。
#4
○本間委員長 ただいま一應概括的な説明を聽取したわけでありますが、それについて御質疑があれば……。
#5
○井之口委員 今概略の説明を承つたわけでありますが、およそこれの審議を何回くらいで、どんなふうにもつと詳細に入つてやつて行かれる委員長の腹案でありますか、ひとつお聞かせ願います。
#6
○本間委員長 これは皆さんと御相談をして決定すべきことでありますが、ただいま御質問がありましたから、私の考えを申し上げます。二十一年度は御承知のようにいろいろの事情で非常に遅れておつたものでありますから、御審議をできるだけ急いでいただいたわけでありますが、二十二年度は十分審議する期間がありますから、皆さんの御満足の行く程度にゆつくり審議をして参りたいと考えております。從つて今何回くらいでこれを打ち上げるか、何回にしようというような考えは全然ありませんから、十分にひとつ各省別に皆さんの納得の行く程度まで掘り下げて二十二年度の決算は見て参りたいと思つておりますから、その点は御了承をいただきたいと考えております。
 それでは一應会計検査院の概括的な説明を聞くことにいたしたいと思います。佐藤検査院長。
#7
○佐藤説明員 昭和二十二年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。お手許に配付してある昭和二十二年度決算検査報告には、憲法第九十條及び会計検査院法第二十九條の定めるところに從つて、國の收入支出の決算の確認、検査上不当と認めた事項等のほか、出納職員に対する弁償責任の検定、政府出資團体等に関する検査事項等を記述いたしてあります。
 昭和二十二年度の一般会計決算額は歳入二千百四十四億六千七百余万円、歳出二千五十八億四千百余万円、各特別会計の決算額合計は歳入四千百九十一億千三百余万円、歳出三千七百二十五億余万円でありまして、一般、特別両会計の決算額を総計いたしますと、歳入六千三百三十五億八千百余万円、歳出五千七百八十三億四千百余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して、歳入、歳出の純計額を概算いたしますと、歳入四千百十四億円、歳出四千三十四億円となり、前年度に比べまして歳入において二千四百八億円、歳出において二千三百八十六億円の増加となつております。
 以上申し上げました一般、特別両会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないもの、すなわち検査未確認といたしました金額は、一般会計におきましては、歳入において五億五百余万円、歳出においては百五十一億四千九百余万円、また特別会計におきましては、歳入において四億一千八百余万円、歳出において十七億二千百余万円でありまして、未確認額は一般、特別両会計の歳入、歳出を通計して百七十七億九千三百余万円に上ります。未確認といたしました金額のうち主なるものは、終戦処理費におきまして、概算拂いしたもので精算を終つていないものなど百三十五億余万円と、國有鉄道事業特別会計の支出のうちで、検査院の質問に対する回答がまだ來ていないものと、仮勘定の精算が終つていないものなど十五億円とであります。
 次に元臨時軍事費特別会計の整理状況を見ますと、歳出は本年度をもつてその整理を終つたこととなつておりますが、これに見合うべき歳入の面につきましては二百億七千七百余万円の不足となる計算でありまして、その後始末がまだついておりません。
 次に、会計検査院は歳入徴收官及び支出官の歳入歳出証明額と日本銀行における現金出し入れの金額とか符合するかどうかをも検査いたしておりますが、その検査の結果によりますと、一般会計歳入において七千八百余万円、專売局特別会計歳入において九億九千五百余万円だけ符合しないものがあり、いずれも日本銀行の方が少くなつております。この日本銀行との符合ということは他の機会においても御質問があつたと思いますが、これは歳入歳出の出納の閉鎖期までに拂い込みがまだ済んでいないとか、あるいは二十二年度の歳入を二十三年度の歳入に間違えて入れるとか、あるいは一般会計の歳入を財産税等收入金特別会計の歳入に誤つて入れるとか、そういう関係で起つておるのであります。
 次に会計検査の結果、会計経理上違法または不当と認めた事項、すなわち批難事項として昭和二十二年度検査報告に掲げました事項の件数は歳入に関するもの百七十九件、歳出に関するもの百六十五件、その他國有物件の管理に関するものなど四十二件、合計三百八十六件でありまして、前年度の百七十五件に比較して約二倍以上に増加しておりますことは、まことに遺憾にたえないところであります。なお批難事項のうち金額が少額であるとか、または事態が軽微であるなどの事由でこの検査報告に揚記しなかつたものは多数に上るのでありますが、これらについては別途にそれぞれ当該取扱い廳に対し嚴重なる注意書を発しておきました。前に申し上げました三百八十六件の批難事項につきましては、この検査報告第五章に詳しく記述してありますから、それによつて御了承を願いたいのでありますが、一應、全体を通覧してその概要を申し上げたいと存じます。
 第一は歳入の収納未済についてであります。一般会計の二十二年度の収納未済額は五百三十三億余万円で、徴収決定済額に対する未納割合は二〇%に当つておりますが、二十一年度は八%、二十年度は四%であつたのに比べますと、著しい増加を示しており、その収納未済額五百三十三億余万円の八割余は租税でありまして、國の財政の現状にかんがみ、改善の要切なるものがあります。又特別会計の収納未済額は二百三十四億余万円で、一般会計分と合算いたしますと、七百六十七億余万円に達する状況で、さらにまた納入の告知さえ済んでいないものを考慮いたしますと、本来二十二年度に収納すべき歳入で収納未済となつた額は相当巨額に上るものと考えられます。
 第二は予備費についてでありますが、一般会計の予備費予算額二十億円に対し予備費の使用を決定した額は十九億余万円でありまして、そのうち内閣、文部省及び運輸省においては所要額以上に予備費使用の決定を受けたり、または決定額の大半を大藏大臣の承認を受けないで他に流用したものなどがあります。
 第三は予算の支拂計画及び予算繰越についてであります。支出官に対する各省各廳の長からの予算の支拂計画の示達がとかく遅れがちでありまして、年度末に差迫つて、工事費とか物品購入費とかの支拂計画を示達したため、支出官は年度内に支出を完了しなければならないものと思い、工事が完成せずまた物品の納入のないのに、事実を作為して年度内に完成または納入されたものとして経費を支出するなど、いわゆる経費の年度区分をみだる事例が多いのであります。よろしく支拂計画示達の手続を促進し、もつて適当な時期に適当な支拂計画を示達しなければなりません。このように年度区分をみだる事例の頻発するのは実は支拂計画が遅れたためだけではなく、同時に予算繰越の手続が煩雑であるということによる場合も少くないものと認められますから、よろしくこの手続を簡素にいたしまして、眞に繰越の必要のあるものに対しては、比較的容易に予算の繰越をなさしめ、もつて無理のない会計経理を行い、予算を有効適切に使用し、国費濫費の弊を防止するの要緊切なるものがあります。
 第四は公共事業費についてであります。公共事業費は経済安定本部の認証を経て、各省各聽に予算が配付されるのでありますが、当初認証手続が複雑に過ぎたために予算の配付が著しく遅れておりました。そこで、これを促進するため單に事業別の仮申請書に対して一括認証することに改められましたが、仮認証後の主務聽の処理が遅いなどのこともあつて、末端の実施部局に支拂計画が示達されるのは、依然として遅いようでありまして、六・三制の中学校校舎建設の補助金等も校舎の年度内完成を條件としながら年度末に差迫つて支拂計画の示達を行うような事例が多い実情であります。
 第五は終戦処理費についてであります。終戦処理費の二十二年度支出額は六百四十一億余万円でありますが、工事の請負、物件の購入等にあたつて予算が足りないのにかかわらず、これを無視して契約したために、その代金を二十二年度中に支拂うことができなかつたものが、約百五十億円もあるような次第であります。これらは予算を超過して債務を負担しておるのでありますが、このようなことが連年ありますことは、その間たとい事情の了とすべきものがあるとしても、その措置はなはだしく当を得ないものと認められます。そのほか、工事費等の概算拂で精算が遅れているものの多いこと、工事の施行、物件の調達にあたりまして計画が適当でなかつたと認められるもの、概算拂額が多過ぎたもの、不急の物品を多量に購入し、その保管に万全を欠くものがあるなど、経理上の改善を要する事項が多々ございます。
 第六は補助費についてであります。補助費の二十二年度支出額は一般会計及び各特別会計を通じ約七百十六億円に上つておりますが、補助指令が年度末に差迫つて行われたため、補助事業の実態に即應しなかつたり、補助金額が名目的で僅少に過ぎたため、補助の実効を収めがたいと認められ、むしろ集中的、重点的に使用すべきものであつたり、二十二年十二月内務省廃止の際には実情を調査することなく、漫然、災害復旧工事費の補助金を関係府縣にばらまいたり、補助金を、交付した後における補助事業の運営が当初の目的にかなわないのに、何らの措置がとられなかつたものがあります。これらはいずれも補助金の交付等について措置当を得ないものであります。
 第七は職員の厚生施設についてでありますが、時節柄の傾向として予算の目的外に経費を使用し、または予算を流用して職員の官舎等を新築したり、職員の厚生施設を行つた事例がありましたが、これらのもののうちには事情の了とすべきものもありますので、今後は必ず予算に計上して、これを実施すべきものと認めます。
 第八は特殊物件についてであります。特殊物件は、昭和二十二年度までにその大部分の処分を終つておりまして、その売拂済額は六十六億余万円と推算されます。二十二年度末ではその約牛額、三十一億余万円がいまだに徴収されていない状況でありまして、本院におきましてもその収入の促進方につきまして注意を促している次第であります。また特殊物件の売拂代金を国庫に納付しないで、府縣などでかつてに手元に保管していたり、他に融通したり、その措置当を得ないものが相当件数に上つております。また廃兵器につきましては、昭和二十一年五月、当時の内務省が兵器処理委員会に一括売り拂いましたが、その代金としては二十二年九月までにわずか二千三百万円の納付を見ただけで、二十三年五月に至り、この売拂契約は解除され、当時委員会の保有しておりました四十四万トンは現在においては、産業復興公團にその処理を行わせることになつております。一方兵器処理委員会当時の処理費用は予算額二億六千万円の範囲内で支拂うことになつていますが、まだ支拂額は決定しておりません。
 第九は艦艇解撤についてであります。旧海軍艦艇の解撤作業は、二十三年度に着手しましたものにつきましてはその収支について予算的措置をとられましたが、二十二年度以前に着手しましたものにつきましてはすでにおおむねその作業を完了しておりますのに、これに対しまして何らの予算的措置をとつていなかつたのでありますが、政府は最近になりまして、ようやく終戦処理費の既定予算から差し繰りその作業費を支出することに決定いたしました。
 第十は寄付についてであります。裁判所、法務廳及び労働省で、地方部局の廳舎の新営について寄付を受けたものが相当ありますが、元来このような國の機関の廳舎の新営は正規の予算の範囲内で設備すべきもので、その制限を越えて寄付により設備するのは妥当な措置ではありません。寄付金によることは寄付者の自発的行為によるという形を整えましても、その実半強制に類するものが多く、國民に対して法規に基かない負担を課するような結果ともなりますので、よほど注意しなくてはなりません。
 次に前年度の検査報告において批難いたしました事項については、検査院においてその後も引続き注意しております。せつかく國会なり検査院なりから注意いたしましても、是正し得るにかかわらず、それを放つておくということは、会計検査の目的も達しませんので、特にその点は注意いたしておるのでありますが、それでもまだ是正せられておらないものがこの検査報告の第七章に掲記してありますように十七件ございます。これはまことに遺憾にたえない次第でございます。なお前年度の検査報告事項の処理状況は、従来の検査報告には掲げていなかつたのでありますが、先ほども述べましたような関係で、本年度からこれを掲げることにしたのであります。
 また國の財産に関する事項につきまして一言いたします。物品の経理につきましては、従來現金よりも軽視する傾きがありまして、物品の管理上措置当を得ないものが多々あるのでありますが、そのうちでも特に終戦処理費関係の分についてその例が多いのであります。また土地、建物等につきましても、その管理が十分でなかつたため土地、建物が無断で使用されたり、または立木が無断で伐採されたりしているのにこれらをそのままにしているものがありますのは、その措置失当であるといわざるを得ません。なお、検査報告の説明を終るにあたりまして、会計検査院の検査状況並びに検査方針について一言つけ加えたいと思います。
 本院の会計検査は、書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査のために各省各廳から送附を受けました収入、支出等の計算書は、二十三年一月から十二月までの一年間に十三万五千冊、その証拠書類は三千七百六十二万枚の厖大な数量に上るのであります。また実地検査も常時に執行することになつておりますので、年間を通じ全國各地に出張いたしている状況でございます。この実地検査は書面、検査の基盤に立つて執行するのでありますが、同時に書面検査も実地検査の結果によつてその徹底を期さなければなりませんので、相互にその検査の結果を活用して、会計検査の完璧を期しているのような次第であります。本院の職員は、現在事務官以上七百五十八名であります。
 昭和二十二年度の決算検査の結果につきましては前に述べた通りでありますが、現在執行しております検査につきましては、さきに経済安定九原則の発表の次第もあり、國の財政の現状にかんがみまして、特に収入の増加、支出の節約、経費及び物件の効果的使用等の点を重視し、経理上の不当事項の起らないようにいたしたいと念願いたしており、すなわち収入の面においては租税その他の課徴金の適正を期するとともに、國の收入として徴収すべきものでその決定の漏れているものとか決定の遅れているものとか、または決定はしていても実際の収納が遅れているものの収納を促進しております。
 支出の面においては、國の工事等についての過大施設を抑制し、請負代金または物件購入代償の適正を期し、不用品はもちろん不急品の調達を避けるようにし、また経費を予算目的外に使用しないようにするとか、予算に計上されていないのに、工事、物件の契約をする等予算の制をみだるような運用をしないようにさせるほか、年度末経理における濫費の弊を根絶させるよう常時十分な検査を執行する決心であります。
 また國の財産についてはその管理処分に留意し、これらが効果的に使用されているか、使用料は適正に徴収しているか、またその処分代金は適当であるかなどにつき検査の徹底を期する所存であります。各特別会計等の企業体につきましては、独立採算制の見地から事業運営の能率化、収支の均衡等の点について検討を加え、特に專賣公社、日本國有鉄道等については機構切替の際の会計経理に紊乱なからしめ、なお復興金融金庫及び予金部資金等の資金の融通回収等についても日本経済復興の趣旨に合致するようその運用について検査をいたしております。
  以上をもつて説明を終ります。
#8
○本間委員長 二十二年度の決算に対します質疑はこの次からにいたしまして、国政調査に関してお諮りをいたしたいと思います。予備費の方が遠からず片づき二十一年度の決算が片づきますと、二十二年度の決算だけということになりますから、二十二年度の決算を力を入れて御勉強願うことといたしまして、その間に二十四年度の予算の執行状況も決算の参考といたすためにいろいろ見て参りたいと考えております。そこで国政調査の承諾を得ておりませんと、あるいはあとになりまして疑義が生じたりしてもいけませんので、そういう意味合いから決算制度並びに決算審議に関する国政調査を議長の手元に請求をいたしまして進めて参りたい、かように考えておりますから、右に関します國政調査の承諾要求を議長の方に提出することを御賛成をいただいておきたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○本間委員長 御異議がなければさよう決定いたしますから、どうか御了承をお願いしておきます。ここでちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#10
○井之口委員 この間の二十一年度の決算の本会議における報告ですが、それはいつごろになりますか、これと一緒になさいますか、二十二年度まで済んでからになさいますか。
#11
○本間委員長 一應二十一年度の方は本会期中に報告したいと思います。そのプリントが実はまだできておりませんから、私の報告書の大体のプリントを皆様のお手元に差上げて、一應御覧願つた上で報告をしたいと思いますから、その点はどうか御了承を願いたいと思います。
#12
○井之口委員 そのときに承諾案件も一緒にやりますか。
#13
○本間委員長 二十二年度、二十三年度の予備費、それから特殊財産関係と、今まで御決議願つていたものをまとめて一ぺんに報告したいと思います。
#14
○井之口委員 そこできょうの議事を進める前に一言質問をしておきたい。今までの調査で出しましたもので、有価証券の持株会社整理委員会に調査の要求を出したのでございます。それで向うからの報告が参つておりますが、この報告はこちらの要求したものに沿うていないのでありまして、持株が処理せられて、だれの手に渡つたというその相手方が一つもこれに出ていない。ただ一般的なこういう方針で処理されたという原則だけが刻明にくわしく報告され、かつごく漠然とこの方針にただ沿うているというふうな結論しか得られないような数字だけしか上つておりません。われわれが知りたいのは処理した後の決算の状態についてでございまするから、これをもう一ぺん持株委員会の方に、この調査の目的に沿うような調査を出してもらうように、ひとつお願いしたいと思います。
 もう一つは、二十一年度も、いずれ本会議にもかけなければならぬというのに、まだ収入未済の分で、いろいろな所得税その他財産税等々で、大口の未納者の調査が届いていないのであります。これは予算委員会等におきましても、現在各税務署の徴税の状態がどうなつているかというふうに、一生懸命になつて皆さん勉強して調べているような状態でありまして、とりわけ決算委員会においては、こういうものは重要な調査事項であろうと思つておりますが、その報告もまだいただいておらぬ。これをひとつせきたてて、なるべく早く提出してもらうように、御希望願いましたらけつこうと思います。
#15
○本間委員長 できるだけ善処いたしたいと思いますから、資料の要求をどうか一應文書にして御提出をお願いいたしたいと思います。
 それでは昭和二十二年度予備費使用総調書、昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書、昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書(その一)、昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(その一)承諾を求める件、右四件を一括して議題といたします。右の案件につきましては、大体質疑應答も終了いたしておりますから、この際質疑を打切りまして、討論採決に入りたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○本間委員長 御異議なしと認めまして、質疑を終局いたしまして、討論に入りたいと思います。討論は通告順によりまして発言を許したいと思います。川端君。
#17
○川端委員 ただいま議題となりました昭和二十二年度予備費使用総調書中、左記三件を除くほか、すべて承諾を與うべきものと議決せられんことの動議を提出いたします。すなわち
 一、内閣所管 総理廳官房における総理廳火災復旧に必要な経費八百五十万円のうち、中央公職適否審査委員会用調査票、カード類の再調達費五百五十七万二千円、並びに経済安定本部における機構拡充及び地方経済安定局設置に必要な経費一億四千二百十万二千円は、その使用の実績に徴するも積算過大である。
 二、文部省所管 廣島工業專門学校における機械器具類の移轄に必要な経費三十万円は、終戦処理費の支弁とすべきもので、予備費の使用を認めたことは誤りである。
 三、運輸省所管 水路部において、水路図誌回収に必要な経費百三十三万二千円な実際必要としたものわずかに十五万余円で積算過大である。
以上であります。
#18
○本間委員長 井之口君。
#19
○井之口委員 私は承諾を與えることに反対を表明するものでございます。この二十二年度及び二十三年度の予備費の使用の内容を見てみますと、これがまつたく予備費使用という目的に合致しないものが多々あるのであります。今申されました不正の点は承諾を與うべきでないことはもとよりでありまするが、予備費の使用目的に合致していない、たとえば追加予算を組んで、新しく議会の承認を得なければならない性質のものが予備費においてどしどしと出されているような状態であります。警察機構その他、人民の生活の非常に苦しい今日の世の中に、不必要と認められる方面にどんどんと支出されておりまして、実際、必要とする災害その他緊急を要するような方面には、これが非常に少く支出されている。まつたく申訳的にしかそういう方面には支出されていないという点であります。二十二年度で例をとつてみますと、國家地方警察本部に必要な経費として二百九十万円も出されておりますし國家地方警察管区本部に必要な経費として九百五十八万円も支出されております。それから経済監視官設置に必要な経費として一億一千二百六十万円も支出されておる状態でございます。かく一々問題を拾つてみますと、人民のためにほんとうに必要とするような方向へこれが使われていないのみならず、予備費としての目的に沿うようにも使われていない。この点が今度の二十二年度、二十三年度の予備費使用を承諾することができないという根本になるのであります。特別会計の分を見てみますと、たとえば國鉄のごとき、非常に多くの労働者の方々がインフレによつて非常に悩み、火急に生活を何とかしなければならないという場合にも、それはそういう方面には使われていないのでありまして、この点なども考えてみますと、予備費の使途というものは大衆のためには使われないで、いろいろな弾圧機関その他の不当な方向へ使われているということを結論として見るのであります。この意味におきまして、もうこれは済んだことであるから、これで承認するよりしかたがないというような態度をとつておりましたならば、將來のこうした予備費の使い方もまた同じようなふうになつて来る。厳重にこの点われわれ委員会において考慮いたしまして、本会議にこの問題を承認できないということを反映して、一般の皆様方の御判断にまつ方が適当ではなかろうか。こう思う次第でございます。
#20
○本間委員長 討論はこれで終りましたので、採決いたしたいと思いますが、川端君提出の動議のごとく議決することに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○本間委員長 起立多数。よつて右四件は可決確定いたしました。
 なお議長あてに提出の報告書は、ただいま決定通り、委員長において作成いたしますが、その報告書の作成に関しましては、御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#22
○本間委員長 御異議なしと認めまして、さよう取扱うことにいたします。二十一年度の仮決議をしておりました分でありますが、これは報告書の案をまだプリントにいたしておりませんから、それができ次第御相談することにいたしますから、さよう御了承を願いたいと存じます。
 次会は二十二年度の決算に入つて、前回も申し上げました通り相当念を入れて審議を進めたいと思いますから、ぜひ御勉強願いたいと思います。委員の方の御希望もありますので、次会は農林省から入つて参りたいと思いますからひとつ御了承を願います。
 次会は十一日水曜日午後一時から開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。
    午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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