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1949/05/12 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第12号
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1949/05/12 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第12号

#1
第005回国会 決算委員会 第12号
昭和二十四年五月十二日(木曜日)
    午後一時三十分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 永田  節君
   理事 松田 鐵藏君 理事 戸叶 里子君
   理事 清藤 唯七君 理事 井之口政雄君
      中馬 辰猪君    藤枝 泉介君
      南  好雄君    前田榮之助君
      畠山 重勇君    小林  進君
 出席政府委員
        農林事務官
        (会計課長)  伊藤 正義君
 委員外の出席者
        会計檢査院事務
        官       山名酒喜男君
        会計檢査院事務
        官       小林 義男君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年
 度特別会計歳入歳出決算昭和二十二年度一般会
 計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入
 歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程にはいります前に、前回御決議をいただきました二十二年度一般会計予備費の件についてお諮りをいたしたいことがあります。それに前回承諾から除外いたしました内閣所管のものの金額に関してでありますが、「総理府の分は項の金額八百五万円のうち五百五十七万二千円として、目以下の金額を挙げ「経済安定本部」の分は項以下の金額の区分が調書の面ではつきりしなかつたため、所要経費の全額すなわち「安定本部、六千六百四万円、地方安定局七千六百六万二千円、合計一億四千百余円」といたしたのでありまして、これは、檢査報告によつて、当否の区分がつく限りは、なるべく目節まで入つて、こまかに区分する。区分のつきかねるものは大きなところで押さえるということにいたしたわけなのでありますが、予備費の使用総調書には項までしか出ておりませんので、できれば全部項の金額で押える方がよろしかろうということに考えられるのであります。またその後の調査によつて、各項毎の当否の区分もつくようになつたのであります。実質的には別に前回の議決と何ら異なるわけではないのでありますが、ただ表示いたします金額の取扱い方でありまして、具体的に申しますと、総理府の分は項の金額八百五十万円をそのままとし、「のうち五百五十七万二千円」を削り、経済安定本部の分は「本部」及び「地方局」を合せ一億四千余万円としてありましたのを、それぞれ項の金額とつて、前者は五千三百八十六万四千円、後者は六千百二十三万七千円ということにいたしたいと思いますが、御異議はございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○本間委員長 御異議なしと認めまして、さよう訂正をいたいたすことに御了承をいだいたことにいたします。
 次は日程に入りまして、昭和二十一年度の決算でございますが、これは去る四月十八日に、本委員会におきまして仮決議をいたしておつたのでありますが、その後参議院の方との打合せもいたしまして、できるだけ決定の一致については努力をいたして参つたのでございます。そのような関係で、きようまで決定が遅れておつたのでございますが、会期の終了も間近になつたのでございますから、この仮決議を本決議といたしたいと存ずるのでございます。大体この前の仮決議をいたしましたのを、お手元に印刷をいたしまして御報告申し上げておきましたが、これを本決議にいたすに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○本間委員長 御異議なしと認めまして、さよう本決議にいたすことにいたします。なお右昭和二十一年度の一般会計歳入歳出決算及び特別会計の決算に関しまする議長あての報告書は、委員長において適当に作成いたしますから、私に御一任くださるように御了承をお願いいたしたいと思います。
 それでは日程に入りまして、井之口君。
#5
○井之口委員 委員長、きようは会計檢査院の方がお見えになつておりますか。私は会計檢査院の全般的なことだけについて二、三御質問いたしたいと思います。
#6
○本間委員長 それでは井之口君から二十二年度の決算に関しまして、全般的な御質疑があるということでありますから、一應これを先に許可いたすことにいたしたいと思います。
    〔委員長退席、川端委員長代理著席〕
#7
○井之口委員 この間の会計檢査院からの報告も承りましたのですが、こつちの計算と日銀との帳尻がどうも合ないということがしばしば起つております。これは二十一年度の場合もそういうことが起つているし、不正がなくてもそういう帳尻の合わないことがしばしば起つている。これは何とか克服しなければならぬものではなかろうか。この克服の手段方法につきまして、会計檢査院でもつと突込んだプランを立てて、きちつと計算の合うようにできる方法はないものでありましようか。それについて何かいい案がありましたら聞かせていただきたいと思います。
#8
○小林説明員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。日本銀行と決算額との相違の出て來ます点は、御承知の通り年度を違えて歳入といたしますもの、それから特別会計と一般会計とを間違えて納入いたしますもの、決算額に包含されていないものをある特別会計へ吸い込むといつたもの、その他種類がございますが、その原因をだんだん探究いたしますと、年度を違えて吸い込むといつた場合は、払い込む人の方で年度を違える場合が多いいと思う。それから大概の場合、そのほかの例でも、払い込む官庁の方が間違つているという事例がしばしばございます。しかし他面これを受入れる方の銀行は各支店でありますので、その支店の本店に対する報告が誤つておるというようなものもあるのであります。そこで会計檢査院といたしましては、決算と銀行の帳簿との不符合というような場合が起りましたようなときには、そこの代理店なりについて、実地に檢査したような例もございます。決算を作成することになりますと、そういう点については銀行の帳簿と支出官の帳簿を対照いたすのでありますが、これは銀行側の手落ちの場合などにおきますと、一々支払い通知書を支出官が発行しまして、その発行した支払い通知書を発行で落とすと申しておるようですが、そういうものについてなかなかうまく合わないというような事例もあるのであります。そこで、これをどういうふうにして根本的に直すかというのは、実は大藏当局等も終始指示しており、私どもも個々別々には嚴重な監督をいたしておるのでありますが、これを今日までの状況におきましてどういうふうな手段を講じたら一番よく絶滅できるかということは、ちよつと今私の知つております限りではまだ十分具体的な手段がない。なお研究を要する点があると存ずるのであります。こういうものは実際の事案としてその間に不正等が介在する余地はまずないのでありまして、そういう銀行の整理簿と、歳入徴収官なら歳入徴收官の帳簿不符合であるその原因はこういうわけであるということで、そのことは翌年度になりますと必ず是正されておると考えられます。不当とか不正というものはこういう不符合だけの点については問題になつておらぬのであります。これはまつたく会計技術上の能率が悪い場合とか、不注意の場合に起る。それにひいて決算の上に非常に重大な支障を來すということになります。
#9
○井之口委員 この二十二年度の決算は二十三年十一月三十日までに会計檢査院の方にまわつて行かなければならぬ。それから十分檢討して行くのでありますからして、前年度分が三月三十一日のところできちんと締切られて、銀行の勘定とそれから内閣の方の勘定とぴたつと合わされぬはずはないと思いますが、それほどの余裕期間を置いた上で審査されるのですから、そんな食い違いは生じてなさそうに思われますけれども、これはあれほど嚴密な帳簿を持つて銀行がやつているのに、こういうふうなことが起つて來るとすれば、たとえ不正はないにしましても、たび重つてこういうことが次から次に起つて來ると、檢査するにもしようがない。そして結局そのことをあばくことも明瞭にすることもできないという結果に立ち至ると思いますが、そういう余裕がないのでありましようか。もしないとすればもつと期限を延ばすなり、何らかの方法をもつてきちんとして会計を報告されたらどんなものかと思います。
#10
○小林説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。仰せられました通り、三月三十一日をもつて支出簿なり、歳入簿なりに締切りますが、その後実際小切手を三月三十一日までに振り出しまして、つまり支出の決断をいたしまして最初に最初に小切手を渡すことができるのは四月三十日までであります。歳入の方におきましても三月三十一日までに歳入の決議をいたしまして、実際納入ができるのは原則として四月末まではやはり納入ができます。それを全部整理期間と申しておりますが、それが過ぎて後に主計簿を締切りまして決算が出ますのは今の十一月であります。そこで銀行の方といたしましては整理期間なるものが過ぎましたあと銀行の決算に立てますと、もう銀行といたしましてはその帳簿を動かさない。訂正をいたさないことになつております。そこで歳入会計を間違えたとか、年度を間違える。殊に四月のそういう整理期間におきましては二十二年度と、二十三年度の四月においては二十三年度と両方歳入があるわけでありますが、そういう場合に整理期間が過ぎますと、銀行といたしては一旦振り込んだものの訂正に応じてくれない。そういう関係で会計を間違えましても同様でありますが、政府の方でこれは間違つた、しまつたと思いましてもこれは是正してくれないのです。なおそういう点におきまして檢査報告に書いておりますように、各歳入徴收官なり、支出官は自分の歳入済額、支出済額を大藏省へ報告いたします。そして大藏省の主計簿には、七月三十一日という日に主計簿を締切りますから、この日までに自分の歳入報告書、支出報告書を正確に提出しなければならないわけであります。ところが実際にはこの主計簿締切り以後に大藏省に対してこの歳入報告が漏れておつた。支出報告が漏れておつたということで、追加の報告を出します。この場合におきまして大藏省にこれを承諾いたしておりますが、銀行との関係におきましては、銀行は訂正に應じないといつた関係で、余裕はたくさんございますが、それは是正することができないという状況に相なつておると思います。
#11
○井之口委員 そうするとこれは不正ではないにしても、いつまでたつても食い違いでずつと行くことになつて参ります。毎年々々こういうふうな状態になつて、いつこれがぴたつと合うか、その点が非常に心もとないと思うのであります。何かこれに適当なよい方法を講じて、ひとつ明細に、ある時期においてきちつとこれが合つておるということを立証するような方法を、これから考えるべきではなかろうか思いますが、どうでありましようか。
#12
○小林説明員 仰せでございますが、日本銀行におきましては、毎年々々そういう行き違いの分をきちんと整理させてございます。それで翌年度におきましてもわれわれの方の檢査といたしましては、前年度分の違いがどういう結果になつたかという点は確かめておりますが、それをこの決算面の上に正確に表示いたしておりませんが、その点はどういうふうに報告申し上げるかということは、なお役所の方で研究してもらいたいと存じております。そして仰せのようにどういうふうにいたすかを研究さしていただきたいと思います。
#13
○井之口委員 二十一年度の会計檢査院の報告よりも、二十二年度の報告は非常に進歩しておりまして、かなりいろんな方面がりつぱに出ておりますが、しかし二十三年の十一月三十日までに本院に送付せらるべきものが、二十四年の三月三十一日になつてようやく会計檢査院の方にまわつておる。從つて会計檢査院がこれを審議するのには十五日そこそこの期間しかない。日本全國の一年間のこうした大きな世帶を吟味するのに、たつた十五日じやこれはできる相談じやないと思われます。だから当然天くだり的にどこ一つ二つ遠めがねでつかまえてみて、それを調べてというふうな結果に陥りはしないかということをおそれておる。その結果はなるほどここに不当事実として摘発されておりますけれども、それがきわわめて九牛の一毛にしか当らないという結果になりはせぬかということを非常におそれるのでありますが、この審査期間の延長とかなんとか、われわれが会計檢査院を信頼し得るような方法が檢査院の方にはないものでしようか。
#14
○小林説明員 仰せのように決算の審議期間が非常に短いように見えるのでありますが、これは檢査院法によりますと、会計檢査院は常時檢査いたしております。そして当面といたしましては、毎月の歳入なり歳出を翌月までには会計檢査院に到達するように証明いたさせております。それでそのほかに実地も随時いたしておるわけでございますが、そこでこの決算だけの場合を申し上げますと、会計檢査員といたしましては、主計簿が締め切られますと、そのころから各支出官ごとの厚い歳出の計算書を取寄せまして、それによつてどこの支出が何の科目で幾らだという厖大な決算内訳書を作成いたします。そうしてそれは計算書から転記いたすのであります。それから日本銀行からは受拂い明細書というものを提出いたさせます。両者を合せまして、そのときに日銀と歳入徴收官及び支出官の計算が合うか合わないかを、あらかじめこちらはもう調査いたしております。それで大藏省の方からは各省決算を集められまして、大藏省から決算報告書として檢査院に提出せられて來ますのが、本年におきましては遅れて参つたわけでありますが、しかしそれまでに会計檢査院といたしましては、十分の準備をいたしておりますので、その決算が参りますと、全員をあげまして場合によつては、ものによりますと、徹夜までしてほとんど全員が、あげてそろばんを入れて参ります。しかしもうすでに準備が全部完了しておりますので、いわゆる総決算というときになりますと、その古川は非常に骨を折り、努力をいたしますが、まず御懸念のような点はないように、かねての準備のものをそこで総ざらえするといつたかつこうにいたしておる次第でございます。
#15
○井之口委員 そうするとふだんの調査が非常に重要な意義を持つのでありますが、それが十分にやられていないと、これにもう形式的なものにとどまつて、ただ帳じりだけ合つてさえいれば、それでもう会計檢査院は通過してしまうということになるわけでありますが、その点でふだんの調査と実地調査を將來も非常に重きを置いてなさらなければならぬだろうと思います。とりわけ後の方にもいろいろ問題が出て参りますが、実施團体に対する調査等は私たちが非常に深い関心を持つ点でありますから、この点を二十二年度、二十三年度の中では、骨を折つてやつてみたいものだと思つておりますが、会計檢査院の方でもそれだけの準備がすでに進んでおりますか、どうでございましようか。
#16
○小林説明員 御希望に沿いますように準備は、それぞれ十分いたしておるはずでございます。そういうふうに今後も進む予定でおります。
#17
○山名説明員 ただいまお話のありました檢査院の檢査でございますが、本年度に出しました二十二年度の不当事項のほとんど八十パーセントというものは、常時四月から三月まで実施に檢査にずつと出て参つておりまして、実地に檢査に出て参りますにつきましては、毎月各支出官が支出いたしました支出計算書というものが、翌月に会計檢査院に來る仕組みになつておりまして、四月に支出官が支出いたしましたもりのか五月になつて來るということで、年間に大体、二十三年度で申しますと、二千五百万枚の証拠書類が会計檢査院に参りまして、それを点檢しながら、同時に一方ではその書面に載つております事項が実地に合致しておるかどうかという実地檢査に参るという状況で、ただいまお話のありました決算が参りますと、ただいまお話がありましたように、形式的にはなりますが、実質的な内容は、すでに四月から常時書面及び実地の檢査の両立てによつて檢査を実行いたしておりまして、その点におきまして、檢査が粗漏になるという点はないように十分気をつけておる次第でございます。
#18
○井之口委員 政府からこれをまわすのが、一月三十日までという明瞭な規定になつております。それを送付しなかつた場合には、政府の責任になるのでございますが。またどういう形でこの責任をとられるのでありますか。
#19
○小林説明員 提出期限を守りませんでしたことは、これに政府の責任であります。この点につきましては、政府の方の会計檢査員といたしましては、早く提出するように、ということを、非常に嚴重に督促いたしておるのでありますが、大藏省は、各省の全部がそろいませんと、総決算の調整ができないのであります。各省の中にもだんだんそれぞれ責任が出て参るような次第でございますので、現在までのところ、これに対して譴責なりなんなり責任者の処分ということはまだいたしておらない次第であります。
#20
○井之口委員 次にひとつ問題をお聞きしたいのですが、收納未済額が歳入一般会計におきまして五百三十三億にも越しております。こういうふうな広大な收納未済額があるのでありますが、こういうものがきちんと收納される法はないでしようか。これはなんで、こんなに收納未済額になつておりますか。これは多分所得税その他の税金の未收入額になつておると思いますが、この間時分二十一年度の方にはたくさんなる未收入がある。これが所得税並びに戰時利得税、その他いろいろな税の未收入に対しまして調査事項を出してもらうように、いろいろこちらから出してあるのでありますが、それが今日までもまだ出て來ない。この二十一年度のものでさえも、出て來ない。そういう状況を会計檢査院はふだんからやつておると先ほど仰せられましたけれども、二十一年度のものでさえも、だれが一体こういう收入を納付するのをサボつておるか。そういうことでさえもすぐ返事ができないというふうな状態でありましたならば、会計檢査院がふだんから調査を十分しておるのだといわれても、ちよつと合点しかねるのでありますが、こういう未收納額に対しまして、会計檢査院はどう考えておられますか。
#21
○小林説明員 收入が非常に未済のものが多い。そしてそのものがどういう種類であるかということは、大体書いてございます。そこで会計監査院といたしましては檢査の重点の事項といたしまして徴收の状況というのを一つ揚げておりまして毎月どういうものが收入未済になつておるかということ、それから実地檢査に参りましては、まず收入します元があるのに、納入告書を発行するということでございますが、納付者に対してこれだけの債務を納付せよというその手続さえもとつていないものがたくさんありますので、そういうものを実地檢査の際には調べるとかいうふうにいたしまして十分に收入を促進するようにはかつておるわけであります。それでもなおかつたくさんの收納未済があるというのは遺憾に思つております。なおそれがどういうものであるかということはちよつと今資料を持つておりませんが、大体の御説明なら申し上げることができます。
#22
○小林(進)委員 今の未済額の中に徴收の決定していない金額云々ということがあるのですが、これは一体どういう性質のものですか。ちよつとお知らせ願いたい。
#23
○小林説明員 徴收の決定未済と申しますと、たとえば一番多い租税で申しますと、租税に納入告書を発行いたしますと、納税義務者に対しまして納税告書が参ります。それに対してなお金が納まらないものを收入未済と申しております。それを徴收する。税金は例が悪いのでありますが、ほかの例で申しますと、徴收ということにそういうことを言つております。そこでどういうものがあるか、実際にありそうな例で申しますと、たとえば軍から返還されておつた國有財産の使用料を、終戰後使用開始以來の分について徴收決定をいたさない、あるいは特殊物件なり、放出物件なりを拂下げまして、当局者はまだ徴收決定もいたさない。こういうものがたくさんあるわけであります。その分を考慮すればということになるのでありまして、実際わかつたものは会計檢査院としては少くとも徴收決定だけはいたさせますが、実際取扱い官庁において会計檢査院が見きれない部分において、徴收決定していない部分も必ずあるわけでありまして、それを申しておる次第であります。
#24
○井之口委員 こういう徴收未済額の中に、たとえば大きなやみ利得を持つていながら納付していない人たちもたくさんあると思う。小さい納税者で未納になつておるものはたいがい切捨てられておると思うのですが、大きなものが大部分残つておるに違いない。そういうものは二六時中やはり嚴重に調査して報告が出て來なければならぬと思つております。それでこの間から調査報告をお願いしておるのに未だに出て来ない、全國のもだからわからぬという状態である。ただこれだけ未納であるといつて数だけ合わされただけでは、会計檢査院の職務はつとまらぬと思う。この中に立ちは入つてもつと詳しくどういう人間が納入していない、どういう理由で納入していないというふうなことが出て参りましたならば、これは非常に明瞭になつて來ます。その他の問題については、一つ一つ個々の人間が十万円とか三十万円の不正をやつたとかいうことは、ここに出て來ております。しかるにこの未納の問題については会計檢査院は一つも十分に明らかにしていない。ただどこの税務署でどれくらいといつてもわからない。あるいはおわかりになつていらつしやるかわかりませんが、それ以上につつこんで行けば、こういう間が会計檢査院において明らかにされることができるのじやなかろうかと思いますが、どうですか。
#25
○小林説明員 たとえば租税におきましては、年度末におきまして納入未済者の納付者内訳というものを分布いたさせております。でありますから、一番多いのは何某の分であるとか、あるいは税務署別にどうであるという内訳は相当詳細にわかるのでありますが、付しろそれに会計檢査院といたしましては、そういうものに納入させるように大藏当局、財務当局が促進いたすようにはからつておるわけでありますが、財務当局の内訳を整理する方は、所管といたしましては財務当局の方でありまして、もちろんわれわれの方でもわかりますが、多少整理の仕方か違つておるような点もございます。
 それから特殊物件については、先般御承知の通りでありまして、これもどういう統制会社がなお納めておらないというような内訳は持つておりますが、余り古いものでは実はこういう收納未済などの内訳は訳に立ちません。ところが收入未済のものは最近どんどん入つて來ておりまして、どうしても会計檢査院としては、アップ・ツー・デートのものでもありませんので、そういう意味からも檢査院がこういう願書を作成しておくことは、年度未だけに多少意義がありますが、それにその限りでありまして、常時いろいろなこしを檢討するに少し十分でない点もあるように存じておるのであります。
#26
○井之口委員 そういたしますと、今日の現状に適應した調査を持つておいでになるように承るのでありますが、それが出て参らない、もう解決してしまつた古いことにについて長い間やつさもつさ同じとこで過ぎてしまつて、それよりもよい方に解決されているものが現在手持でおられるのに、こんなものを出しては二重手間になりはしませんか。新鮮なものをお出しになつて報告をなさいましたならばかえつて早く解決するようなことになるのじやなかろうかと思いますがどうでしようか。
 なお税の未納の分に対しましても、最新のものをお持ちになりますならば、そういうものも資料として会計檢査院の方から出していただきたいと思う次第でございます。
#27
○小林説明員 たいへん恐縮でございますが、アップ・ツー・デートのもの終始心がけてはおりますが、先ほど來申し上げますように、会計檢査院といたしましては、決算の確認とか、あるいは決算上の問題を主として扱つておりまして、しかも実際の檢査の運用上はアップ・ツー・デートに歳入を促進するということに補力はいたしておりますが、その確実な整理になりますと、実は納入する人は銀行へ納めますし、その報告はとりあえず、大藏省へ行く、大藏省は、その歳入はこうこういうわけで歳入になつたという歳入のこまかい、これだけの金を受け取つたことが間違いないかどうかというつまり証拠書類というようなものに、大藏省に集まつておらないのであります。会計檢査院の方は一々各税務署が――今の租税で申し上げますと、租税をこういうふうに決定したと思いますと、その決定決議書類をつけまして、いくらいくら納まつたということになりますので、どうしても会計檢査院への証明は遅れるわけでございます。そこでいくらいくらの金額が納まつた、よしということで帳簿をつけている大藏省に比べますと、どうしても仕事の性質上それを正確に把握する時期がおそくなります。のみならず元來、この租税の徴收が正当であつたかどうか、特殊物件の場合でございますれば、これだけの特殊物件をどういうふうに配当したかという配当先までも、場合によつては考えまして、その値段がマル公に合うとか合わないとかいう点をやりますので、それも証拠書類をつけて檢査院に証明さしております。そんな関係で証明も遅れるのでおりまして、今の御希望のような表ですと、これは少し機構的にも、別の面から考え直さないとできない面があるじやないか、これは帰つてよく相談してみませんと、はつきりしたこと申し上げられませんが、大体の状況はさように相なつておる次第であります。
#28
○井之口委員 それではこらからもひとつ要求したいと思いますから、なおお帰りになりまして十分御相談の上、いまだ未收になつているようなこういう古い税額を明らかにして、取れるものは取るような方法をつけなければいかぬと思いますが、これについての会計檢査院のもつと詳細たる御意見も、文書なり何なりにして御発表くださいましたならば、非常に参考になると思います。
#29
○小林説明員 ちよつと今の問題に関連しまして伺います。今の結論は出たようでありますが、私も書類で御返答いただくというのに非常にありがたいのですが、その中に、会計檢査院みずからが改善の要特に切なるものありということが言葉じりにあるのであります。確かに五百三十三億、税額にして四百三十一億というような金が未済になつていることには、何かそこに法律上の不備があるのか、あるいは係りの税務官吏に税の配付の不公平があるのか、何かやはり会計檢査院で相当の意見をお持ちになつていると思います。こういうことを忌憚なく提出の書類でお伺いいたしたいと思います。
#30
○井之口委員 次に歳出の点でございますが、不用額といたしまして二十二年度政府出資金が三十一億からありますし、價格調整費が十億からありますし、戰後処理費が六億もあつて、これらを総計してみますと、そのほかにもいろいろな支出金が二億、賠償施設処理費が二億、復員費が三億五千万というふうに、非常に大きな不用額が出ております。この大きな不用額をちよつと見てみますると、價格調整資金なり政府出資金なり終戰処理費等が非常に過大に見積られていたのじやないか、とりわけ終戰処理費なんか概算拂いでやられているということも会計檢査院は指摘されておりますし、そういうふうなじだらくなやり方をしたために、幾分こうしたものがたくさん余つておる。余ることはけつこうであります。しかしこの余つた点から推論してみれば、もつと余るべき性質のものである。こんなに大きな予算を組まなくてもよかつたということ推論されるのでありますが、この全般的な不用額が次に大きいということに対しましても会計檢査員が何かまとまつた御意見はお持ちでございませんでしようか。
#31
○小林説明員 お答え申し上げます。不用額でございますが、たとえば一番最後ごろに仰せになりました終戰処理費のごときは、実は非常に額が多過ぎるのじやないか、こういうことであつたのでありまするが、終戰処理費の分について申しますと、非常に大きい部分は大体には金が足りないのでありまして、終戰処理費は予算超過の契約も実際はやつておる、それであるのに不用額が出るのは非常におかしなことではないか、こういうことに相なるのでありまするが、從來は御承知の通り終戰処理費を使つておりまするところは、各総知事にまかしておつたのであります。各総知事におきまして重大な工事をいたしますし、また非常に多数の労務省を使用いたしておりまして、工事の方につきましては、その査定が非常に手間どる仕組になつております。実際支拂うべき支拂いを政府がいたさないで、支拂延期といつたような関係から延びて行くものもあるかと存じまするし、それからまた多数労務者を使用する予定であつたが、実際はそれほど労務者を使用しない府縣に金を決しておつた、そのためにそれが不用額になつたというようなものもございます。そのほかの價格調整費なり出資関係については、ただいまちよつとはつきり申し上げかねる点がございまするので、できるならばお許しを得て次会の際に讓らしていただきたいと思います。
#32
○井之口委員 この臨時軍事費の決算の整理でございます。これはすでに会計檢査院において確認されて、あともうしめくくりをつけるだけになつておるのですが、歳出が非常に大きい。全体としてこんな結果に立至るとすれば、これは非常に大きな國民の負担になつておるのじやないかと思いますので、なお調査をいただきまして、商工大臣の方からいただいた調査では、デイゼル自動車や日本楽器製造やシユアリー産業そのほか多くの会社等に総額三億からの收入未済のものがあるように承つておりますが、こんなのはじき取れるのじやございませんか。なお全体としてまだ今から臨時軍事費でいくらのものを一体支拂つて行かなければならなくなるのですが、その点ちよつとわかりにくいのですが、どうなりますか。
#33
○山名説明員 臨時軍事費の問題は非常に大きな問題でありまして、一應歳入出の計算の上には出ておりますが、これが歳出に見合うべき歳入についてのあとじめがないのでありまして、そのあとじめにつきましては法律が出ておりまして、その法律によつて公債を発行する等、財源を調達して穴埋めをするという整理の仕方を結末の上ではしなければならぬという会計檢査院の意見でありますが、この臨時軍事費のあと片づけのいきさつにつきましては、大藏省当局から御説明を申し上げた方がいい分もございますので、そちらの方からでも適当な機会に御説明いただければけつこうと思います。
#34
○井之口委員 まず会計檢査院の意見を承り、それから大藏省の意見も承つたならば、両方非常に参考になると思いますが、いかがでありますか。
#35
○小林説明員 臨時軍事費でございますが、臨時軍事費は軍事中から主として公債財源をもつてまかなつておりました。ただし公債発行などが間に合いませんと國庫余裕金を利用しておつたのでございます。國庫余裕金は、御承知の通り政府の一般会計よりも各事業特別会計などが金を持つておつた。結局は必要な金なのであるが、とりあえず要らないという金も持つておりましたので、それを臨時軍事費の方に始終流用いたしておつたのであります。そうして各会計が金が必要になつて参り、どうしてもいよいよその金のやり繰りがつかなくなりますと、そこで公債を発行してあとを埋める、また余裕金を使つて行くといつたような関係でありましたが、臨時軍事費といたしましては、それを途中で締切ることになりましたので、実際は各会計からの余裕金を使つたままで中途半端に移つている状況であります。そこで今これを臨時軍事費という会計から見ますると、借金をいたしました元のそれぞれの会計に対して、どうしても返金をいたさねばならないわけであります。そのために、会計檢査院といたしましてもまたそうしなければならないと考えておりますので、五ページあたりのところで、國債を発行する等の方法によつて整理をしなければならないという結末をつけたわけであります。
 なお今度古い臨時軍事費の会計の関係で收入になります分から申しますと、当時軍は非常に莫大な前金拂いをいたしておりました。そうしてそれが終戰と同時に注文が打切りになりましたために、実際それに相應する品物が納入してなかつた、前金拂いだけが行つておつたというようなものにつきましては、その前金拂いを國の方へ納入させればならぬわけでございます。その分の收入が相当見込まれておる。最近その收入の状況も非常に悪いのでありますけれども、收入すべきものとしては、そういう前金拂いの收入すべきものがあるわけでおりますが、実際はこの会計の結末としては不足になつておりますので、この分はどうしても公債を発行するという方法によつて、各会計に後始末をつけてやらなければならないという主旨でございます。
#36
○井之口委員 そうすると、收入の方を全部回收をいたしまして、支出の方と相殺した場合に一体いくらぐらい残るのでありますか。公債発行によつて整理を今からなさろうといたしますが、公債発行は將來みな國民の負担になるのであります。とれる方はどうなるかわからなくなつて、もやもやになつておりますしこれを今から拂つて行くということになれば、たいへんな公債になりますが、これは打ち切られておるものではないでしようか。また今のお話では特別会計との間の関係でございましたが、一般民間大会社との関係はどんなふうになりますか。
#37
○小林説明員 ただいまのところ会社関係の收入すべきものについては商工省が担当しております。そうして臨時軍事費の吸入班という班の程度でございますが、その班が終始当時の前金拂いを調べまして、納入告知書を発行いたし、またそれの收入の督促をはかつているという状況でありますが、会計檢査院といたしましても、当時の軍からの資料もありますので、そういうものについて吸入を促進するように督励いたしておる次第であります。ただしかし数多くの会社の中には、現在はもうあとかたも見えない、前金拂いももらい放しでどこかにきえてしまつたという会社も相当あるのでありまして、これは担当官の人は骨折つてやつておるようには感じられるのでありまするが、檢査院といたしましては、もう少し收入を促進せよということで進んでおる状況なのであります。どんな状況であるかというもつと詳しいことは、必要でありましたら商工省の方に聞いていただけばなおよろしゆうございますし、私の方でも知りたい点でありますので、なお調べてみたいと存じます。
#38
○井之口委員 臨時軍事費の総決算の詳細な点を一ぺん会計檢査院の方から出していただきたいと思います。それでありませんと、二十一年度においてもこれはもやもやで通してしまつているし、二十二年度においてもこれまたもやもやでどうなつているかわからぬ、二十三、二十四年度になつて來るとますますもやもやになつて來ざるを得ない。できるならば一日も早くこういうものは解決してしまわないと、さつき仰せられました通り、どこへ消えてなくなつたかわからぬ会社があるのでありますから、そういうものが次第に多くなつて來て、それのものもとれなるという懸念も待ちます。なおデイゼル自動車は約二千万円からの國家に対する債務があるわけでありますが、この会社は整備計画認可申請中となつております。そうしますと、それが許可になりましたならば、こういう債務はどうなつて参りますか。その点伺つておきます。
#39
○小林説明員 実ははなはだ申し訳ないのでありますか、整備計画等の方面は大分專門的でむずかしい関係もあると思いますし、その方は実はあまり詳しくありませんので、次回の際にお答えをさせていただきたいと思います。
#40
○井之口委員 ではこの点は臨時軍事費の総決算などをいただきましてから、なおあらためて御返事をいただきたいと思います。
 それから國有財産でございますが、この二十二年度の分にあがつている國有財産は約七百億見当であります。そうして会計檢査院御指摘の通り終戰処理費支弁によつて取得した國有財産の大部分はまだ調査未了の状態にある。それから財産税その他戰時保証特別措置法によつて得られた土地、建物等もまだ調査ができていないというふうで、調査のできていない額が大分指摘せられております。國有財産がこういうふうにして調査もできていないというふうなことは、これほんとうに驚くべき現象であります。そのために國有財産の取り扱いが自然と粗末になつて、場合によつてはこの國有財産を無料で借りて荒廃せしめるというような人も出て來る。あるいは森林でも何でも伐採してしまつて、一物もなくなつておるというようなこともあるのでありますが、そういう点について、これを防ぐ何かいい手はないものでしようか。会計檢査院においては、ただそういう事実だけではなく、これを除去するような御意見もおありでなければならぬはずだと思いますが、どうですか。
#41
○小林説明員 ただいまの國有財産でございますが、まず、第一点の終戰処理費の分で、大部分が調査未了の状況であるという点でございます。この点は先ほどもこれに関係いたしましたが、各府縣が建設工事の第一線を担当しております。神奈川、宮城とか東京という大府縣においては、全然今まで進駐軍関係にどれだけ國有財産の費用を投じたかということさえもわからないくらい――総額はわかりますが、どの分にどれだけ使つたかということはなかなか始末がつきません。そこで会計檢査院といたしましては、その前提ともなるべき方法を昨年度中は指示をいたした次第でございまして、これは連合軍の命令によつて設立されたものではございますけれども、日本政府が管理を命ぜられておるのでありますから、十分に台帳なんかにも一應登記しておかなければいけないのじやないかということで、当時の大藏省國有財産局、現在の特別調達廰、それから各府県の代表者に集つてもらいまして、何とかこの財産を台帳の上できちんとしておかなければいかぬということで、やつと昨年ごろから始まつた次第でございます。そこで昨年中におきましては、名府縣ともまだ新しい建設の方に非常に力をそがれておりまして、なかなか思つたように運ばないとつたような事情も訴えられておつたのでありますが、我々の方としてはどうしてもこれはしておかなければいかぬというので、國有財産局の方にも嚴重に申しておりますので、これは次の年度にはどの程度にか、とにかく大分促進ができることを希望しておりますし、また当局者もだんだんにはやつておる次第でありますので、昨年の状況などについてに、國有財産局の方へなお打合せて、どんな模様かということをお答えしたいと思います。
    〔川端委員長代理席、委員長着席〕
 それから財産税なり戰補法の点も、これは担当の税務署の方からいろいろめんどうな問題もありましたが、着々と進んでおると存じておりますので、この点もなお機会がありましたら今後説明をさせていただきたいと思います。
#42
○井之口委員 國有財産の調査ということになりますとずいぶん大部な書類になりますが、何か簡約された集計のようなものか得られますか。
#43
○小林説明員 今の書類で御報告申し上げるということは、ことに終戰処理の分などについては、これはほとんどむずかしい、と申し上げてははなはだ申しわけないのですが、今その準備がやつと軌道に乗りかけたというようなところでございます。始終設計がかわりますし、次から次へと新らしい工事が追加されまして、担当の技術者なども非常に面くらうくらいであります。そうしているうちに建設部面というのは、御承知のように、府縣から特別調達廰というところへ受持がかわるわけでございます。それで各府縣のこれを担当しておつて詳しく知つていた人で、ほかのところにかわつたという人もある。從來から建設の方を心がけておつた人が、新しい特別調達廰の方にかわつたという関係もありまして、われわれが考えております國有台帳は、思つたよりもめんどうなと申しますか、記載すべき事項もなかなか多いのでございます。これには人件費も相当必要でありますし、そういうような状況でございまして、これをどんなふうにか金額なり建坪なりで申し上げるということは、全國から資料を集めなければならない。それがまた終始時期によつて軽減があつたりいたしますので、これは大藏省の方へ聞いてみないと、私の方としては、何とも申し上げかねるような、次第でありますので、なにとぞ御了承願いたいと思います。
#44
○井之口委員 最後にもう一つお伺いしたいことは、出資團体についてでございます。二十二年度は、出資團体百八十六について檢査したようにここに出ておりますが、これは非常に重大でありまして、この報告は一ページくらいのごく簡單なものになつております。これは中にもちよくちよく入つておりますが、とりわけ復金の融資関係も、ここには総論としては一行くらいしか触れておかませんが、これは非常に大きな問題であります。こういう点もひとつ調査がほしい。資料がほしいのは復金の融資の問題、それからさきに申し上げました臨時軍事費特別会計の総決算の問題と、もう一つ税の未納額の個別的な問題と、この三つについて会計檢査員の方の総括的な御意見を添えたその資料が提出願えますれば非常に参考になると思いますが、この点をお願いいたしまして私の質問を終ることにいたします。
#45
○小林(進)委員 私も二、三点簡單に御質問をいたしたいと思います。その一つはやはり終戰処理費、この中で百五十億ばかりの金が翌年度に支出されるようなことになつております。こういうようなことがあると、せつかく組んだ國の予算の本質をこれは乱つているので、こういうことに対する会計檢査院の考え方をひとつお聞きしたいと思います。
#46
○小林説明員 終戰処理費でございますが、終戰処理費は大体連合軍の方からの直接の命令よりまして支出する経費と、そうでなく、たとえば大藏省の管理局の人であるとか、特別調達廰の職員の経費であるとかいう、管理されておる日本といたしましては当然支出しなければならない経費と、二通りあるわけであります。これをわれわれは簡單にP・Dによる分―私どもはポロキユアメント・デイマンドと申しておりますが、その分とそうではない経費とにわけておるのでございます。日本政府、P・Dによらない分の経費につきましては、これは普通の予算をやりますと同じように、まつたく超過契約といつたような、ただいま御指摘のような問題はないのであります。問題は連合軍の命令のよる分についてでございます。これは連合軍の方におかれましても、最近においては非常にこのP・Dの支出というものを中央で統制なさつておいでになります。ちよつと速記をやめていただきたい。
#47
○本間委員長 速記をとめてくたさい。
    〔速記中止〕
#48
○本間委員長 速記を始めてください。
#49
○小林(進)委員 それから同じ終戰処理費の関係なのですが、えてしてどうもこういう復金だとか、終戰処理費だとか、あるいは予備費だとかいうような金が非常にずさんに使われるという傾向が多いので、われわれは特にこういう問題に注意を拂う必要があると思います。この終戰処理費でも、実は昭和二十四年度の國家予算を見ますと、その予算の中に解除物件処理費と称して約二億の予算が組んである。これは何かというと、結局終戰関係で品物を買あさつて、その品物が不必要になつて保管あるいは賣り拂うために二億万円の手数料がいるが、品物を賣ると約三十万円くらいの國家の收入となつて入るということが明らかにされておる。今この物のない困り抜いておる國民生活の中に、なぜ一体そういう窮かしておく品物を、しかもそれが不必要になつて賣り拂わなければならない品物を買いあさる必要があるのか。こういうことまでも、私どもは非常にずさんさを感ずるのであります。会計檢査院当局といたしましては、そういうような格納せられておる現物までも直接に当つて調査せられたかいなか。そういうことをひとつ承りたいと思うのであります。
#50
○小林説明員 終戰処理費の点につきましてはまことにお説の通りでありまして、会計檢査院といたしましては、連合軍のP・Dが確実に発行されているかどうか。よもやP・D以外に工事をされていないかという点つきましては、十二分の注意を拂つております。遺憾ながらどのくらいの契約をどういうふうにしたかという、百五十億の契約を全國から始終統計がとれるほどまでには行つておりませんが、契約したことについて、ことに工事の実施については、いやしくもP・Dに便乗して余分な工事をしておりはせぬかということについて十分にやつたつもりでおるのであります。なおまた今の非常によけいなものを買つているではないかという仰せの点でありまするが、この点につきましても、各論の方に若干ふれたのもございますが、日本の特別調達廰なりの調達計画も非常に悪いし、実施も悪い。この中には、たとえば家を修理する資材を向うでは三箇月なら三箇月に準備しろと言うのを、とんでもない瓦などをむやみにたくさん準備したり、あるいは材木なども非常に準備をして腐らしているといつたようなものも、この案の中にはだんだんにございます。今日におきましては、会計檢査員は終戰処理費の特別檢査班を編成いたしまして、横浜、東京地区の倉庫の現品を一々当たりまして、セメントであるとか、屋根をふくルーフイング、あるいはくぎからガラスに至るまで一々現品調査をするとともに、余分なものを賣り拂うという措置を講じております。実は昨年中におきましては、直接倉庫関係の結果の案がこれには出ておりませんが、余分なものには賣り拂つたらどうかということを、会計檢査院としては、口頭ではありましたが、向うへ注意もいたしまして、それが直接効果があつたかどうかは申し上げられませんが、とにかく当局者も賣拂いを実行するといつたかつこうに相なつておる次第でございます。
#51
○小林(進)委員 終戰処理費の問題は、そういうふうに政府当局で現品調査までしていただいておることはありがたいのですが、將來さらにこういう調査を嚴格に常時やつていただきたいと思うのであります。
 次に総括的な問題でありますが、批難事項の中で、二十二年度が三百八十六件もあつて、しかも昨年はその前年度の二倍も多いということなんです。二十度年問題のについて、私どもが批難事項をお聞きするたびに、どうも國が負けた変動期だから、ことにどさくさだから、こういうことが起きたのだというようなことを私どもは承つたのであります。もはや一年も過ぎていよいよ平常に帰した二十二年度だから、今度に批難事項も少いのだろうと思つていると、さらに二倍も多い。私どもはまことに不思議にたえないのであります。一体どうしてこういうように批難事項が年とともにふえておるのか。そこにそうした客観的な問題ではなくして、むしろ官吏の腐敗とか、官紀の弛緩だとか、根本的な問題が介在しておるのじやないかということが考えられるのであります。そういうことに対する檢査員当局の率直な御意見を承りたいと思います。
#52
○本間委員長 小林さんにちよつと御相談いたしますが、その問題は保留しておきまして、檢査員の佐藤長官からひとつ責任のある答弁をいただきたいと思いますが……
#53
○小林(進)委員 それでは保留いたします。なおそれに関連するものが二、三ございますが、私はこれで一應終ります。
#54
○本間委員長 それでは農林省が來ておりますから、農林省の決算の概要の説明をこれから聞きたいと思います。
#55
○伊藤(正)政府委員 私農林省の会計課長の伊藤でございます。昭和二十二年度農林省所管経費決算の大要につきまして御説明申し上げます。
 まず一般会計について御説明申し上げます。昭和二十二年農林省所管経費の歳出予算現額は歳出予算額におきまして、行政部費が千六百六十九万余円、産業経済費が三十七億五千百七十一万余円、行政共通費が七億六千二百四十四万余円、公共事業費が五十五億五千六百八十六万余円、物資及物價調整事務取扱費が八億七千六百四十二万余円、計百九億九千六百四万余円でございまして、歳出予算決定後の増加額は産業経済費一億二百六十五万余円、行政共通費が千九二十五万余円、計一億二千百九十万余円でありますので、その合計額は行政部費におきまして千六百六十九万余円、産業経済費におきまして三十八億五千四百三十六万余円、行政共通費におきまして七億八千百六十九万余円、地方財政費におきまして三千百八十八万余円、公共事業費におきまして五十五億五千六百八十六万余円、物資及物價調整事務取扱費におきまして八億七千六百四十二万余円計百十一億千七百九十四万余円と相なるのでございます。この増加を生じましたのは、前年度から繰越しましたる金額が五百二十一万余円、また予備費使用額が一億一千六百六十八万余円がありましたことによるのでございます。この予備費使用額におきまして支出いたしましたおもなるものを申し上げますれば、臨時農業実態調査に必要な経費、災害業國の復旧に必要な経費、昭和二十三年度産業、馬鈴薯実收高調査に必要な経費等でございます。
 次に支出済額翌年度繰越額及び不用額について御説明申し上げます。
 二十二年度の支出済額は行政部費におきまして千三百五十四万余円、産業経済費におきまして三十八億八百八十五万余円、行政共通費におきまして六億五千二百六十万余円、地方財政費におきまして三千十一万余円、公共事業費におきまして五十五億三千四百三十三万余円、物資及物價調整事務取扱費におきまして八億四千七百五十三万余円、計百八億八千六百九十八万余円でございまして、これを先ほど申し上げました予算現額に比較いたしますと、行政部費におきまして三百十四万余円、産業経済費におきまして四千五百五十一万余円、行政共通費におきまして一億二千九百九万余円、地方財政費におきまして百七十七万余円、公共事業費におきまして二千二百五十三万余円、物資及び物價調整事務取扱費におきまして二千八百八十九万余円、計二億三千九十五万余円を減少いたしているのでございます。
 この減少額のうち翌年度に繰越しました金額は、財政法第四十二條但書によりまして、行政共通費に九千四百七十三万余円、公共事業費におきまして百二十万余円、計九千五百九十四万余円でございまして、差引きまつたく不用となりました金額は、行政部費におきまして三百十四万余円、産業経済費におきまして四千五百五十一万余円、行政共通費におきまして三千四百三十五万余円、地方財政費におきまして百七十七万余円、公共事業費におきまして二千百三十三万余円、物資及び物價調整事務取扱費におきまして二千八百八十九万余円、合計いたしまして、一億三千五百一万余円でございます。予算が百十一億ばかりあつたのでありますが、一億三千五百一万というような不用額になつております。これが大体一般会計の御説明であります。
 次に特別会計の決算につきまして申し上げます。
 まず最初に食糧管理特別会計ついて申し上げます。
 この歳入の收納済額は、千百三十一億五千四百七十九万余円ございまして、歳出の支出済額は千九十三億二千三百八十二万余円でございます。ゆえに歳入、歳出差引が三十八億三千九十六万余円の剰余を生ずることと相なります。この剰余金は、食糧管理特別会計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入れまして、本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第二には薪炭需要調節特別会計について申し上げます。
 この歳入の收納済額は八十八億七千百七十四万余円でありまして、これに本年度におけるところの收納未済額一億二千三百三十五万余円、前年度より繰越しましたる支出未済額にして本年度におきまして支出済額となりましたる金額十三億四千六百一万余円、翌年度に繰越したる薪炭の價格二十九億五千九十九万余円、翌年度に繰越したる機械及び器具備品、建物及び工作物の価格二千八百五十万余円、本年度における借入金償還額三億円を加算いたしますと、收入の合計は百三十六億二千六十万余円と相なるのでございます。歳出の支出済額は八十六億四千九百九十四万余円でございまして、これに本年度における支出未済額二十四億千六百四十八万余円、前年度より繰返しました收納未済もので、本年度において收納済みとなりました金額一億三千九百七十七万余円、本年度においてなお收納未済となつた金額二千七百十二万余円、前年度から繰返しました薪炭の價格十一億八千七百八十七万余円、前年度より繰返した機械及び器具、備品、建物及び工作物の價格九百三十七万余円、本年度におきまして借入いたしました金額六億九千万余円、本年度における新炭証券の発行した額五億円を加算いたしますと、支出の合計は百三十六億二千五十七万余円と相なるのでございまして、收入支出の差引は二万余円の剰余を生ずるのでございますが、この剰余金につきましては前年度から繰越しました損失額一億四千百五十九万余円に補償しまして、そのまま年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第三には農業共済再保險特別会計について申上げます。
 先ず農業勘定に付て申し上げます。この歳入の收納済額は十二億三千七百六万余円でございまして、歳出の支出済額は十一億二百九十四万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと一億三千四十二万余円でございますけれども、未経過再保險料に相当する金額が三千八百七十三万余円ございますので差引結局九千五百三十八万余円の剰余を生ずるごとと相なるのでございますが、この剰余金は農業共済再保險特別会計法第七條によりまして、農業共済再保險業務勘定の決算上の剰余から本勘定の積立金へ組入れねばならない金額十二万余円との合計額九千五百五十万余円を同法第六條によりまして本勘定の積立金に組入れまして本年決算を結了したのでございます。
 次に家畜勘定について申上げます。この歳入の收納済額は千七十五万余円でございまして、歳出の支出済額は千二万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと七十三万余円でございますけれども、未経過再保険料に相当する金額が八百八十万余円でございますので、差引八百七万余円の不足を生ずるのでございますが、この不足金のうち二万余円に対しましては、農業共済再保險特別会計法第七條によりまして、農業共済再保険業務勘定の決算上の剰余より本勘定の積立金に組入るべき金額がありますので、これより補足いたしまして、残額八百五万余円に対しまして同法第六條によりまして補足いたすべき積立金がありませんので、そのまま本年度の決算を結了したのでございます。
 次に業務勘定について申し上げます。
 この歳入の收納済額は三百七十二万余円でございまして、歳出の支出済額は三百五十八万余円でございますから、差引十四万余円の剰余を生ずるのであります。この剰余金に対しましては農業家畜再保險特別会計法第七條によりまして十二万余円を農業勘定、二万余円を家畜勘定のそれぞれの積立金に組入れまして、本年度の決算を結了したのでございます。
 第四には、森林火災保險特別会計について申し上げます。この歳入の收納済額は三百十四万余円でございまして、歳出の支出済額は二百四十六万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと六十八万余円でございますけれども、翌年度の歳入に繰入れますところの未経過保險料に相当いたします金額百七十一万余円、支拂備金に相当いたします金額が三万余円、この合計百七十四万余円を控除いたしますと、結局百六万余円の不足を生じたことと相なりますが、この不足金のうち八十九万余円に対しましては、森林火災保險特別会計法第三條によりまして積立金より補足いたし、本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第五に漁船再保險特別会計について申し上げます。この歳入の收納済額は四千十四万余円でございまして、歳出の支出済額は三千四百八十四万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと五百二十九万余円でございますけれども、翌年度の歳入に繰入れするところの未経過再保險料に相当する金額が二千百七十四万余円がありますから、これを控除しますると千六百四十四万余円の不足を生ずることと相なります。この不足金に対しましては、補足いたします積立金がありませんので、このまま本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第六に自作農創設特別措置特別会計について申上げます。この歳入の收納済額は四億十三万余円でございまして、歳出の支出済額は二億八千五百七十八万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと一億千四百三十四万余円の剰余を生じたことと相なります。この剰余金に対しましては、自作農創設特別措置特別会計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入れまして本年度の決算を結了した次第でございます。
 第七に開拓者資金融通特別会計について申上げます。この歳入の收納済額は九億五千五百十四万余円でございまして、歳出の支出済額は八億二千三百五万余円でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと一億三千二百九万余円の剰余を生じたことと相なります。この剰余金に対しましては、開拓者資金融通特別会計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入れまして、本年度の決算を結了しております。
 最後に國有林野事業特別会計について申上げます。この歳入の收納済額は五十六億九千四百四十万余円でございまして、これに本年度における收納未済額二億六千九百三十九万余円、前年度より繰越しました支出未済額十九万余円、翌年度へ繰越しました固定資産の昇格百五十億四千四百九十七万余円、翌年度へ繰越しました製品の昇格四億九千六百九十万余円、翌年度へ繰越しました仕掛品の昇格八億五千三百四十五万余円、翌年度へ繰越しましたその他の物品の價格二億六百六十二万円、翌年度へ繰越しました延納金二万余円を加算いたしますと、收納の合計は二百二十五億六千五百九十七万余円と相なるのでございまして、歳出の支出済額は五十一億四千七百七十四万余円でございまして、これに本年度における支出未済額四億五千六十六万余円、前年度より繰越しました收納未済の歳入額二億二千百四十九万余円、前年度より繰越しました固定資産の昇格百四十四億二百七万余円、前年度より繰越しました製品の昇格三億六千三万余円、前年度より繰越しました仕掛品の昇格三億二千二百五十万余円、前年度より繰越しましたその他の物品の昇格一億二千六十万余円、前年度より繰越しました延納金五百五十八万余円、借入金が八億九千万余円、減價償却引当金が五億八千五百十七万余円を加算いたしますと、支出の合計は二百二十五億五百八十九万余円と相なるのでございまして収入支出の差引は六千八万余円の剰余を生ずるのでございますが、この剰余金につきまして、國有林野事業の利益といたしまして、國有林野事業特別会計法附則第五條の規定によりまして、損失補填のための積立金といたしまして本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 以上をもちまして、農林省所管の一般会計及び特別会計の決算についてその概要をご説明申し上げた次第でございます。
#56
○本間委員長 次回は十六日午前十時から開くことにいたしまして、本日はこれで散会をいたします。
    午後三時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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