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1949/05/16 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第13号
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1949/05/16 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 決算委員会 第13号

#1
第005回国会 決算委員会 第13号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 川端 佳夫君 理事 永田  節君
   理事 戸叶 里子君 理事 清藤 唯七君
   理事 井之口政雄君 理事 島田 末信君
   理事 金子與重郎君
      中馬 辰猪君    藤枝 泉介君
      前田榮之助君    畠山 重勇君
      小林  進君
 出席政府委員
        農林事務官   伊東 正義君
        林野局長官   三浦 辰男君
 委員外の出席者
        会計檢査院事務
        総長      東谷傳次郎君
        会計檢査院事務
        官       小林 義男君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
五月十六日
 大上司君及び金子與重郎君が理事に追加当選し
 た。
    ―――――――――――――
同月十四日
 國有財産法第四十五條の規定による國有財産総
 類別表
 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二
 十二年度特別会計歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより会議を開きます。
 日程に入ります前にお諮りいたしたいことがあります。去る十三日の議院運営委員会におきまして、図書館運営及び四十五人以上の委員会を除いて、各委員会の理事の員数をそれぞれ二人増加いたしまして、その割当は民自党と新政治協議会に各一名ずつ充てることに決定いたしたのであります。つきましては、本委員会の理事も二名増加いたされたのでありますが、その人選は、先例によりまして委員長から指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○本間委員長 御異議なしと認めまして、委員長より指名いたします。
    大上 司君  金子與重郎君
 以上二名に理事をお願いいたします。
 前回に引続いて昭和二十二年度決算の審議をいたしたいと思います。農林省の所管の中で、一般会計の歳入及び歳出について、会計検査院の方で指摘いたしておりました批難事項の説明を一應聽取することにいたしたいと思います。
#4
○伊東政府委員 お手もとに会計檢査院の昭和二十二年度の決算報告と、昭和二十二年度歳入歳出決算検査報告に関し國会に対する説明書というのが配布してありますが、今私が御説明いたしますのは、昭和二十二年度決算檢査報告の百三十三ページに農林省の一般会計歳入というところがございますが、これに対して農林省から出した回答が別の説明書の八十九ページにございます。それを御説明いたします。
 先般批難事項以外の計数的な御説明を大略いたしたのでありますが、本日は農林省関係の二十二年度の決算におきまして、会計檢査院から御批難を受けました事項につきまして、御説明を申し上げます。今委員長からお話のありました通り、一般会計だけについて概略御説明いたしますが、この会計檢査院の批難事項につきましては、当省といたしましてはまことに恐縮に存じておる次第であります。以下各項につきまして順を追うて御説明いたします。
 第一番目が補助金返納額の回収を遅遠したものという批難事項でございます。これは開拓関係でありまして、岡山縣で農地開発営團の中國四國事務所に対しまして、昭和二十年度に、集團帰農者就農事業費補助といたしまして五十二万五千円、緊急開拓事業費補助といたしまして八十六万四千二百二十六円、合計百三十八万九千二百二十六円、また二十一年度に緊急開拓地入植者事業費補助といたしまして二百二万五千円、合計三百四十一万四千円を交付いたしましたうちで、その補助金の残額二百六万一千円の回収が遅延しているという御批難でございます。これは農地開発営團が昭和二十二年の十月に閉鎖機関に指定されるまでに、営農住宅とか共同作業場を建築するために支出した残額でありまして、諸資材の入手の困難と物價の騰貴等によつて、工事の遂行が困難となりましたために、この残額を生じたのでありますが、縣からは二十三年三月に四十五万円、また同年八月に百六十一万一千円、合計二百六万一千円を営團に対して徴収に決定いたしたのであります。しかし営團は御承知のように閉鎖機関に指定されております関係上、清算中でありますので、当省としては閉鎖機関の整理委員会に対して補助金の残額の返還について今厳重に督促いたしておるような次第になつております。これは御非難の通りはなはだ遺憾でありまして、当事者に対しては嚴重に注意を與えているという処置をいたしております。これが第一点であります。
 次は百三十四ページにございます歳出の面で、機械開墾用農機具類の購入に当り措置当を得ないものという御批難でございまする。これは終戦の直後に、食糧の自給対策を整えることと失業対策等の見地から、内地、北海道合わせて百五十五万町歩の緊急開拓計画が樹立されたのでございますが、その遂行上人力、畜力等のみではとうてい実行が不可能であるということから、機械力に依存することになつたのであります。当初は元軍用のトラクターあるいは戰車等を改造して暫定的に使用せざるを得ない状態であつたのでありますが、部分品の補給あるいは修理等に非常に困難を加えたのでありまして、從つて機械の稼働率も低かつたのであります。その後漸次戦災等によつて破壊された農業機械の製作工場等も復興して来たので、新規製品の購入、運轉技術の向上等に努めて参つたのでありますが、二十二年の八月に機械開墾につきまして、関係方面より中止的な措置がとられることになりまして、当初所期しておりました効果を上げ得なかつたのでありましてこれは御批難の通りでまことに遺憾に存じております。これについても関係者にそれぞれ注意を與えるというような措置をいたしております。これと同様な趣旨のが、三一五にあります。北海道のやはり機械開墾用の農機具類の問題であります。これも大体同様の趣旨でございまして、北海道におきましては、特に現地の実情に沿わない過大なものがあるというような御批難があつたことが、内地と若干違う点でありますがこれにつきましても今内地の点について御説明いたしましたと同じような理由で、機械開墾を実施をしておつたのでありますが、やはり関係方面からの措置がありまして、中止をせざるを得なくなつたということで、会計檢査院の御批難の通りのような結果に相なつたのでありまして、これはその点まことに本省としては遺憾に存じております。
 次はページ数にいたしまして百三十七ページの干拓工事の施行に当り措置当を得ないもの、というのが第四番目で、これも開拓関係の公共事業の干拓でございますが、これは愛媛縣に対して、委託事業といたしまして実施せられた事業でございます。これは西條の干拓事業であります。これは潮止工事に当りまして工事施行の措置当を得ない、こういう御批難であります。それで干拓事業におきまして潮止工事と申しますのは、開拓堤塘の一種の架設工事でありまして、技術者といたしましては、その設計並に施行に当つて、愼重な注意を拂つたのでありますが、この決壊いたしましたことはもちろん御批難の通りで、まことに遺憾に存じております。これはその後調査いたしたのでありますが、当時は一般にはわからなかつたのでありますが、昭和二十三年の十一月の南海の大震災を契機といたしまして、中国、四国の廣範囲にわたつて地盤の変動が認められ、それで二十三年の十二月に組織されました四國地方地盤変動臨時調査委員会というのが組織されまして、ここで調査したのでありますが、西條附近には相当の地盤沈下があるという報告が專門委員から報告されております。これはおそらく潮止工事施行の当時にも地盤の変動に伴う堤塘の局部的の負荷の増大と、一時的の異常の高潮の影響ではないかというふうにわれわれは考えておりますが、この決壊したという事実に対しましてははなはだ遺憾に存じております。これは第二回の潮止工事によりまして締切工事を完了いたしまして、本年度は作付開始の予定になつております。これも当時の責任者に対しましてはそれぞれ注意をするという措置をいたしております。
 その次は番号にしまして三二七の、補助金の使用承認当を得ないもの、というものでございます。これは御承知の農業技術指導農場の新設費の補助金といたしまして、群馬縣ほか十一府縣に対しまして交付しました五千百三十四万三千三百九十四円のうちで、千三百三十九万二千五十一円の使用についての承認が当を得ないという御批難であります。農業技術浸透施設は昭和三十年度から四箇年の継続事業といたしまして実施いたして参つたのでありますが、二十二年の十二月に至りまして農業技術の研究指導態勢について、関係方面から助言がありまして、その後農業技術指導農場の廃止と、新らしい普及制度の諸計画につきまして研究をしていたのでありますが、指導農場の廃止後は現在の食糧増産、それからわが國の農業の零細経営の実態というような事情にかんがみまして、この指導農場の施設を優良種苗でありますとか、家畜の生産等の共同利用施設といたしまして活用いたすことになりましたので、すでに交付いたしました補助金については、既設の農場におきます共同利用施設として使用するための拡充費ということの使用承認を與えたのでありますが、これは会計檢査院から批難がありました通り措置当を得ないということでありまして、関係者に対しましてわれわれは十分注意を與えております。つけ加えますが、この施設は今申します通り現在では各縣におきまして苗圃でありますとか、あるいは共同施設等に大体利用したしております。
 それから次は三一八の、補助金の交付に当り措置当を得ないもの、というものでございます。これは宮城縣の塩釜入港漁船協力の漁業用無線に対する新らしい電話局の設置に対して交付しました補助金についての御批難であります。塩釜は御承知の金華山沖の漁場を中心とするところの各種の漁業の根拠地でありまして、水産食糧の増産、漁船の海難防止の必要上適切なる施設と当方としては認めたのでありまして、予算も計上して無線電話局の設置につきまして、経済安定本部の認証を要します関係上、この計画を拠出いたしまして認証の協議をいたしたのでありますが、最初工事の認証はさしつかえないという見解でありましたので、補助金を交付したのでありますが、その後同地に海上保安部用無線電信の施設の計画が提出審議されるに及びまして、両者の間の距離が非常に接近しておるという理由からいたしまして、地元の漁業者からは非常な要望があつたのでありますが、結局認証を得ることができないということになりまして、交付した補助金二十二万五千円は返還を命じまして、二十四年の二月二十五日には全部納入済みになつておるのでありますが、今後かかることのないように十分注意いたしたいと考えております。これも関係者に対しましては、それぞれ注意を與えるというような措置をとつております。
 それから一般会計の最後でございますが、三一九の、予算のない工事を施行したもの、という御批難であります。これは静岡縣の静岡種畜牧場の羊舎の模様がえ工事の施行にあたりまして、予算のない工事を施行したという御批難であります。この種畜牧場は從來は種緬羊の育成用として設置されておつたのでありますが、種蓄牧場官制施行に伴いまして、新たに各種の種蓄を飼養するということになりましたので、急に厩舎の拡張に迫られまして、羊舎の模様がえ工事をいたしたのでありますが、発足の当初におきまして予算の令達も手続も非常に遅延したというようなことで、会計檢査院の御批難の通りなことになりまして、まことに遺憾に思つております。これは訪負人に対しましては、二十三年度に予算の令達を受けまして完済いたしましたが今後はかかることのないように注意いたしたいと思います。なお当時の責任者に対しましては、嚴重なる注意を與えるとともに訓告を與えたような次第になつております。
 これが農林省に対する会計檢査院の非難事項の一般会計関係だけの御説明でござしいます。
#5
○前田(榮)委員 ただいまの御説明に対しましてお尋ね申し上げたいのですが、これは主として会計檢査院の方からお答えを願いたいと思うわけです。三一三問題で、閉鎖機関の整理委員会の関係でこの問題が起つておるようですが、この閉鎖機関が、これは予算ばかりでなしに、閉鎖機関の整理の方が進捗しないために問題が起る場合がだんだんあるように私は思つておるのですが、そういう実質的な関係を持つておるのではないか。また閉鎖機関がそういうことのためにいろいろ整理が遅れるということでありますならば、どういう理由で遅れるかという内容がおわかりになつたら、ひとつ、これは会計檢査院の方がよくおわかりになるのではないかと思いますが、その点お尋ねいたしたいと思います。
#6
○小林説明員 ただいまの御質問でございますが、本件の問題は、そういう返納の通知を閉鎖機関になる前までにやつておけばよいのに、非常に遅れたというのが本件の趣旨なのであります。なおこれに関係いたしまして、閉鎖機関の方のお尋ねでございますが、実はこの閉鎖機関の方は直接農林省所管に関係もありませんので、実は所管違いでありますので、よくわからないのであります。
#7
○前田(榮)委員 わからなければよろしいのです。それではその分はほかの方で調査することにいたしますが、三一六の不適当な工事を行つて、施行した工事がまた崩壊したということです。それを会計檢査院の方では、適当な処置でないという断定を下されておるようですが、会計檢査院の力でそういう断定を下されるのについては、いかなる見解をもつてそういう御報告をなさつておるのか。すなわち会計檢査院が技術的にお考えになつてではないのではないかと思うわけですが、ことにこの問題は地盤沈下等の、いわゆる予想されない、不可抗力的な問題も多少加味しておるように見受けられるのですが、会計檢査院の方で不当な処置のような御報告をなさる御見解をお持ちになつた根拠、実情等をひとつお知らせ願いたいと思います。
#8
○小林説明員 本件につきましては、先ほど政府委員の方から御説明もございましたが、そのときに南海震災で地盤低下があつた、それが関係しておるのではないかというような御説明もあつたのでありますが、実は事件は決壊後に起きておるのでありまして、南海震災と称したもの以後に起きておるのであります。潮止めの箇所でありますが、これはやわらかいどろを盛り上げて堤防をつくりまして、それが固まらないうちに潮止めをしたという状況になつております。それから当時の風速が相当強かつたようにも申されておるのでありますが、その点は、この当時の風は、この日の実測ではないのでありますが、大体例年の例によると二月末ころの西風は非常に強いので、八メートル程度の風はそうひどい風とも思われないということと、それから締め切りまして、そういうどろを積みましてから、日を置かないでじきに締め切つてしまつた。そのためにどろが固まらないで、高潮のために決壊をしたというようなわけでありまして、これは技術的にどうも当を得ておらない。なおこの点に関しましては、われわれの方の派出官等が現場を見ておるのでありますが、現場の状況から見ましても、どうもこの工事が適当でなかつたということと、なお私の方に技術專門員がおりまして、これは学識経驗者と申しますか、工事の方には詳しい方ですが、その方の意見も徴してある次第であります。大体さような状況であります。
#9
○前田(榮)委員 最後にもう一つ、三一九の予算のないのに施行したという静岡縣種畜牧場の問題ですが、この予算三十万円は結局何の費目を利用されたのですか。その点農林省の会計課長から伺いたい。
#10
○伊東政府委員 お答えいたします。立ちましたついでに先ほどの閉鎖機関の問題で、これは理由の説明になりませんが、実情を申し上げますと、農林省の團体で閉鎖機関に指定されましたのは三百二十二でございます。今まで清算結了いたしましたのは六つになつております。現状は清算結了したものが非常に少いということになつております。これはおそらく人手の問題等があるのではないかと想像されますが、はつきりしたことは御説明いたしかねます。
 それから三一九の予算のない工事を施行したものでありますが、これは実は二十二年度は全然予算なしに種畜牧場をかつてに建てたということになりますが、二十三年度で官廳営繕費をもらいまして、それを支拂つたというような、実はそういう形になつております。
#11
○前田(榮)委員 そういたしますと予算の目当てがないのに工事を請け負わしたということになつておるわけですか。
#12
○伊東政府委員 これは年度の途中でありますので、正式にいたしますれば追加予算あるいは予備費とか、そういう関係でやるべきのが筋合でありますが、そういうこともついに実現しませんで、やる方の種畜牧場といたしましては、何とかあとで追加予算でも要求してやる、こういうことであつたろうと思いますが、実情はおつしやいました通りの実情になつております。
#13
○井之口委員 政府の方にお聞きいたしますが、開墾用機械の予算が、農林省で約三千三百万円も大きな金が支出されております。それでいてほとんどこれがくその役にも立つていない、こういう実にもつたいない使い方がされておるのですが、一体專門家が、はたしてこういう機械耕作が可能なのか、この機械が役に立つのか、そういうことも十分調査された上のことでありましようか。ただ三菱重工業のようなところに、いろいろ終戰のときの兵器が余つているために、そういうものを何とか高く賣りつけようというので、こういうふうな莫大な支出をし、役にも立たないトラクターを持ち込んで、実際國民に大きな負担をかけているというふうになつて來るのではないでしようか。こういう場合の測定する状態――政府は專門の技術家を派遣しておられるには違いないだろうが、そのときの状態、並びにそれに対して実際責任を負わなければならないし、また注文する場合の状態等について、政府の方でもう少しつつこんで説明していただきとうございます。それでなければ、いくらなんでもこうした役に立たないような機械が厖大にできてしまつて、さらにこの三一五の、北海道で使うところの農機具の場合でありますと、トラクターの全部がほとんど二十三年七月まで、会計檢査院の実地檢証当時まで未使用のまま倉庫にあつたという、驚くべき事実がここに出ているわけであります。一体こんなことが常識で考えてもできるのでございましようか。政府の方でその注文するときの状態、測定するときの状態等々について、もつと具体的に説明していただきとうございます。
#14
○伊東政府委員 お答えいたします。今の御質問の点でございますが、このトラクターは、先ほど軍用トラクターなり戰車等を改造してつくつたということを申しましたが、大体数字を御説明いたしますと、今農林省で持つているトラクターは六百七十七台ばかり持つております。これは國産が六百三十台で、輸入が四十七台というような数字であります。三十二年度以降は、ここにあります通り関係方面の中止的な措置がとられました関係上、そのまま新規のものは買わぬということになつておりますが、これにつきましてただいま、当初こういうものは使える見通しがあつたのかどうかというような御質問でございますが、関係方面の中止的措置の最も大きな理由は、非常に燃料を食うというようなことを強く言われたのでありまして、これが結局経済効果の問題になるのでありますが、農林省といたしましては、こういうものは開墾には全然使えないということではなくて、これは油とそれから畜力等との経済的な比較の問題がございますが、当時といたしましては、これは相当有効に使える、そこで百五十五万町歩の緊急開拓計画を早急に樹立いたしまして実行して行くには、とても人力、蓄力等だけでは間に合わぬ、どうしても機械力を使わなければならぬという考え方と、それからこのトラクター等は相当利用できるという考えのもとに、これは発足いたしたのであります。それで仕事をやつて行きます上に、関係方面から、今申し上げました油の点等で非常に非能率的だというようなことが指摘されまして、最後の段階に行きますまでには、農林省といたしましても関係方面に相当折衝はいたしたのでありますが、先ほど申し上げましたように、二十二年八月にこの中止的な措置がとられておるのであります。やはり農林省としては使えるということも研究いたした上で、この措置をやつたのでありますが、その後トラクターは、これはあるいは災害の復旧用でありますとか何かにも若干使用しております。しかし國の予算を、会計檢査院の御批難の通り、せつかくとつたものでも、こういう中止的措置をとられて、十分に予算の効果が上つておらぬという御批難に対しましては、われわれまことにその通り遺憾の次第だと考えております。
#15
○井之口委員 この開墾計画を立てられた專門技術家は、何とおつしやる方でありますか。またそれにトラクターを使用するというふうな設計を立てられた方は、どういう方でありますか。なお、そういう方々に対してのちにいかなる処置をとられたか、この点をお伺いしたいのです。
#16
○伊東政府委員 お答えいたします。この百五十五万町歩という緊急計画が立ちましたのは、昭和二十年十一月でございます。これは閣議決定もございましてこの計画は立つたわけであります。でありますから、技術者がだれかという問題じやなくて、開拓計画の百五十五万町歩を立てますときには、これは政府自体といたしましてそういう計画を立てたというふうに御了承願えればけつこうじやないかと思います。それから、本件の責任者はだれだ、こういう御質問かと思うのでありますが、当時われわれ――この前の委員会でも申し上げたと思うのでありますが、会計檢査院に関係者はこういうものだという表をやはり差し出してありますが、それには、監督者といたしまして今の開拓局長、それから決定者が当時の第一部長であります。それから実行者として施設課長、こういうふうにして関係者の名前を出してあります。
#17
○井之口委員 その人たちに対する処置はどんなふうにとられましたか。
#18
○伊東政府委員 農林省といたしましては、この点については注意をするというので、いわゆる國家公務員法の懲戒とか、そういうことはいたしておりませんで、注意を與えるというふうな措置をいたしております。
#19
○井之口委員 こういう大きな決定権は、今でもやはりそういう方々が持つてなされるのですか。
#20
○伊東政府委員 お答えいたします。こういう大きな仕事なり何なりの決定は、そういうところでやるかというお話でございますが、これにつきましては、第一予算を組むときからの問題になるわけであります。これは役所の中の立ち入つたようなお話になりますが、こういうことについて局長なりあるいは課長なりの責任でやるということじやなくて、やはり農林省といたしましては、全部で相談の上で、大きな事項はきめて行くというふうな処置になつておるのであります。しかしやはり責任者ということで、この決算関係で申して、われわれの方は局長じやないかということで出しておるのでありますが、内部の実情はそんなふうになつております。
#21
○井之口委員 なるほど、これは予算の面において組まれてやつた仕事に違いありませんけれども、いくら何でもこんなふうにして役にも立たぬような、効果の現われぬようなやり方を実際せいということは、議会においても決定してないと思う。これを実行する場合、もしその計画が実施できないというような見通しが專門的につくようだつたならば、それは中止したつてかまいはしない。それをしいて使いもしないこういう農機具を倉庫の中に全部入れておかなければならぬというような結果に立ち至るような計画の実施のやり方というものは、実にずさんであるというほか言う言葉はないのであります。なおこの場合に燃料の関係から考えても、こういうものの運轉が可能であるかどうか、常識でもすぐわかることでありますし、あの当時古い軍の廃兵器が、いろいろこういうところにまわされたのでありますからして、そういうものが戰時中粗製濫造されたもので、これを使えば故障だらけになるということは、技術家であればだれでも考え得ることである。しかるにそういうことも考えられないで、こういう厖大な三千三百万円とか、五千万円という金がむだに消費されておるということは、はなはだ心外の至りでありますが、なおこれを注文するについて、三菱重工業へ廃兵器をどれくらいで拂い下げて來て、それに幾らくらいで加工して、幾らぐらいで買つておるか、そういう点が今わかつておりましたら、およその線でもよいが、なお詳しい調査がありましたら、文書にしていただけばけつこうであります。
#22
○伊東政府委員 お答えいたします。最後の資料の御要求でありますが、今御質問のありました点の資料を持ち合せておりませんので、これは詳しく文書にして次の委員会までにお出しいたしたいと思います。
#23
○本間委員長 井之口委員にちよつと申し上げたいのですが、開墾関係の問題が多いようでありますので、開拓局長以下、計画を実施せられた当事者においでを願つて、一ぺん御研究いたすことにいたしたいと思います。
#24
○井之口委員 次にこの干拓事業の場合は今日はこれはもうできて、ずつと目的を達しておるのでございましようか、どうでございましようか。
#25
○伊東政府委員 この工事は完成いたしまして、もうできております。
#26
○井之口委員 会計檢査院はそのでき上つた後も檢査なさつていらつしやいますか。
#27
○小林説明員 お答えいたします。まだでき上つた後においての現場の視察檢査はいたしておりません。しかしそれができたという報告は受けております。
#28
○井之口委員 こういう決壊するようなところは非常に工事の危険率の多い所なんでありまして、これはやはりできてからもつとしつかり檢査しておきませんと、今度受ける被害は非常に甚大なものがある。せつかく開墾した一切のものが流れてしまう、人畜も流れてしまうという非常に大きなものでありますから、そういう点をやはり会計檢査院においてもあとあとまで見て行くような檢査の仕方をすることが、人民にとつての親切なやり方でなかろうかと思いますが、これはどうでしようか。
#29
○小林説明員 会計檢査院の檢査は御承知の通り、大体計画を立てて参つておりますが、愛媛縣も近くその計画の中に入つておりますので、こういう現場の後の檢査はよく檢査いたすことにいたしたいと思います。
#30
○井之口委員 三一七の補助金の使用承認を得ないもの、ここで指導農場にこれだけのものが出されておるのですか。これは戰時中の修養道場、追放になつた加藤完治等が主宰してやつたああいうもののこれは後進でございますか。
#31
○伊東政府委員 この指導農場は、あれとは違います。実はこれは先ほど御説明のときにもちよつと触れたのでありますが、これは関係方面との関係がありまして、農林省としましては二十年からこの指導農場をつくりまして、たしか全國で千六百くらいと思つておりますが、一定の農場をつくつて、そこで模範的に耕作をやつて、それを農民の方々に見てもらつて、目の方から教育して行つたらどうだろうかというようなことで、これは前の農場とは全然別個のものであります。これは事業施設なのでありますが、二十二年から司令部といろいろ交渉の経緯がありまして、現有はこの形が、農林省といたしましては農業改良局ができておりますので、そこで農林省が最初計画しました技術指導農場を中心にして、農業の技術普及をはかつて行く方針が変更になりまして、現在ではこれが全國に技術員として大体七千二百名ばかり置いております。これは府縣の職員として今度はその技術員を中心にいたしまして、技術の普及をやつて行くというように態勢がかわつております。その金は二十四年度の予算で大体五億一千万円ばかりの予算を計上して、指導農場は別の形になつて技術の普及を継続して行くことに現在なつております。
#32
○井之口委員 これは農事試験場とはどういう関係になつておりますか。
#33
○伊東政府委員 これは縣の農事試験場とは関係なし、別の農場だということになつております。
#34
○井之口委員 ここの長崎の方は農業技術浸透会館の建設に充当しておるようで、これは明らかに農業の技術の方面にもそうたいして役に立たぬと思いますが、あとはみな施設農場の充実や人件費に充当しております。それでこれだけやつて現在存在しておるものが役に立つておるものか立つていないものか、そういう簡單な調査資料、耕作面積、収穫というような簡單な調べをお知らせいただければ、どういうようにやつたか判断できるので、そういう資料を出していただきたい。これで終ります。
#35
○金子委員 ただいま井之口委員の御質問に関連がありますから、これをお調べというかお考え願いたいと思いますが、指導農場の問題は先ほど政府委員の説明したように、その筋の奨励があつたというようなことで、われわれはこんなことはだめだということは最初からわかつておつた。しかしその筋の勧めもあり、こういうことをやつたというわけでありますが、もう一年足らずでやめてしまつて、今度は改良局がただいまの説明にあつたように五億一千万円の予算をもつて國の全部にわたつてそうした農業改良をやる。これもあちらの筋のお考えであつたろうと思いますが、そういうふうにいたしまして國家の予算を、実際的にその指導に長く当つておつた者がだめだと言うものを、その筋の勧めだからといつて予算を組む。今度の改良局の技術員七千二百名についても、この予算が末端に行つてどう使われて來るかということに対して十分御注意願いたいと思います。たとえば昨年度におきましてこの末端の事情を見ますと、農村にはかつての技術員もおる、農業会に抱えておる技術員もおる。そのほかに三箇村、四箇村をブロック單位にして一名り指導技術員を國家が置く。しかもその予算は一人当り一箇月千四、五百円しかなつておらない、それに伴つておらない実例が末端にある。そうするとその一人の人間に対して國家の予算が千五百円、二千円以下で三箇村、四箇村にわたる技術指導ができるはずがない。そこで自主的に農村の人たちがまた強制寄附によつてこの人たちを食わしておる、こういうふうな実例があるわけであります。そういうわけで強制的に農民は上から言うことだから命を出さなければならぬというような実情になつておるわけでありまして、この問題につきましてこの五億一千万円をとつたときにこの七千二百名の技術員、ことに上級機関はかまいませんが、末端の技術者がどれだけの給與を受けておるかということに対して、確実なお調べをして、今度はこういうものを進めていただきたい。こういうことをお願いいたします。
#36
○伊東政府委員 お答えいたします。今の点でございますが、大体この技術指導農場をつくりますときは、これは向うの慫慂というものよりも、むしろこちらからやつたわけであります。関係方面との問題は二十二年度に起きたのでありまして、最初は農林省独自の見解で、こういう制度でやつて行こうということで進んだわけでありますが、三度目に今の問題が起きたわけであります。それで御注意をいただいたのでありますが、二十四年度の問題といたしましては、今お話がありましたが、農林省の考えは大体一町村に一人の技術員を置いておくという計画でおります。今お話がありましたが、三、四箇町村に一人の普及員がおる。末端の市町村には前の農業会の技術員が一人ずつおるというお話でありましたが、農林省の計画といたしましては、この普及員は縣の職員でありますが、將來は一箇町村に一人ずつ置きたい。お話がありましたような、前の農業会の技術員ももちろん入つておる。個々の指導農場の技術員も入つております。それから試鹸制度に今度なつたのでありますが、試験制度になりまして、なるべくセレクトしてやつて行くという方針でありますが、將來のあるべき姿としては、一箇町村に一人ずつ少くとも置きたいということで進んでおります。それから給料のベースの問題でありますが、これは昨年度は全額補助であつたのでありますが、農業改良助長法の関係からいたしまして、二十四年度から三分の二の補助になつております。それで俸給のベースは六千三百円ベースということで、官吏と一緒のベースで予算はとつております。
#37
○金子委員 ただいま私が申し上げたのは、去年の実情を申し上げたわけであります。この予算に対しては、從つてあとの補助をしました残りをどういうふうな形で農民が出すかということと、それからこれは予算に直接には関係がないけれども、縣の職員として市町村に派遣されるのであるけれども、末端において非常にまずい問題ができて來ることを一應御承知おき願いたい。というのはかつての技術員ならば、その技術員の働き方いかんによつては市町村が自主的にこれの任免の権を自由に持つておつたのですが、これが縣の職員になつておるがゆえに、相当怠慢なもので市町村が全部きらつておつてもこれはどうにもならない。なるほど試験制度になつておるけれども、試験にパスするということと、人間の指導の親切さということとは別でありまして、試驗にいかにパスしたものでも、農業技術指導に不親切なものもおり、字を書かしてみてへたなものでも、非常に農業指導に達識を持つておる人もある。かつての農業技術員の時代には、自由にそれを大体採択しておつたが、それが今度縣の職員だということになると、非常に問題を起しておるということを一應つけ加えておきたいと思います。
#38
○本間委員長 林野局長官が見えておりますから、薪炭特別会計と國有林野の特別会計の説明を一應聞くことにして審議を進めたいと思います。薪炭需給調節の関係と、林野局の関係を一應会計課長から説明させまして、それから御質疑願うことにいたします。
#39
○伊東政府委員 御説明いたします。今の林野関係でございますが、これは先ほどの会計檢査院の檢査報告の、ベージ数にいたしますと、百四十四ページに「薪炭費拂代金の徴收を遅延したもの」というのがございます。それからあとは國有林野関係が百四十五ページ以下、こういうことになつております。それから説明書の方でございますが、これは九十五ページ、九十七ページ以下、こういうことになつております。
 最初に三二五の薪炭需給調節特別会計の批難事項でありますが、これは東京都の木炭事務所におきまして、薪炭の賣拂い代金の徴収が非常に遅延しておるという批難であります。これは昭和二十一年度及び昭和二十二年度におきまして、東京都の燃料事情が非常に逼迫しておりましたときでありまして、北海道、岩手等の産地からの輸送も食糧等と競合いたしまして、鉄道輸送も非常に不円滑であつたという事情で、受入れ関係が非常に事務に追われて徴收手続が遅延したのでありますが、これは会計檢査院の御批難の通りでまことに遺憾に思つております。この徴收未納の一億三千五百十三万九千百八円七十八銭という金でありますが、これは二十三年十一月末までに全額を東京都の燃料統制配給組合から納入済みになつております。今後そういうことのないように十分注意いたしたいと思うのであります。これは当局の責任者にはやはり嚴重な注意、訓告を與えるというような処置をいたしております。
 次は百四十五ページにございます國有林野事業特別会計の、工事の施行に当り措置当を得ないもの、三二八番にございます。これは東京の営林局で、森林鉄道の敷設にあたりまして、工事の施行が当を得ないという御批難であります。これは静岡縣の榛原郡上川根村奥泉地区の栗代森林鉄道の敷設に関する問題でありますが、本件は旧帝室林野局で三間年の継続事業として計画さられしたものを、そのまま林政統一の結果、昭和二十二年度において農林省が引継いだのでありますが、土工工事の一部と軌條の購入をしたのでありますが、この工事の施行にあたりまして、あらかじめ日本発送電株式会社から当社の專用線の軌道の量につきまして承認を得ておらなかつたということで、はなはだ遺憾でありますが、会計檢査院の御指摘の通りになつております。これは会社とはまだ折衝はいたしておるのでありますが、二十三年は予算の関係上、ここに予算の配付がなかつたため事業ができなかつたということになつておりますので、二十二年度は御批難の通り、二十三年度は予算がとれませんでこの事業も進捗していないのであります。これははなはだ遺憾でありまして、これも関係者には十分注意訓告を與えておるような次第になつております。
 次は三二九番の問題であります。予算の使用当を得ないもの、これはやはり東京営林局におきまして、同局の從業員の宿舎建築についての御批難であります。これはやはり旧帝室林野局から引継ぎました二十町歩の国有林を苗圃として経営する施設のために、労務者用の宿舎を建築し、戰災によつて住居に悩んでおる職員を暫定的に收容するということにいたしておつたのでありますが、その後農耕地として地元農民に苗圃の一部を解放するということにしたので、会計檢査院の御批難にも、たしか面積は非常に少いというようなことがあつたと思うのでありますが、最初二十町歩で苗圃を経営して行くというようなことでやつたのでありますが、これも会計檢査院の御批難の通り、当を得ないというように考えますので、われわれはなはだ遺憾に思つております。
 それから三三〇番、これも同じような問題でありまして、大阪営林局におきまして、やはり職員の住宅の建築についての御批難であります。これは桃山の國有林地内に千三百七十九町歩にわたります斫伐作業に從業いたします労務者用の宿舎として建築したのでありますが、これも経営面積からしましても、作業上の必要の施設でありまして、戰災によつて住宅に困つておる職員を暫定的にそこに收容したというようなことでありますが、これも会計檢査院の御批難の通り、予算的措置を十分講じてやるべきであつたと思うのでありまして、これははなはだ遺憾に思つております。以上も関係官にはそれぞれ注意を與えるというような措置をいたしております。
 最後が三二二の、予算を超過して工事を施行したものでございます。これは北見の営林局におきまして、同局の職員の住宅、それから仮廳舎の建築についての御批難であります。この北見の営林局は昭和二十二年の五月に新たに設置されたものでありますが、北見市は戰災者の引揚げでありますとか、その他によつて建造物が極度に不足しておるというような関係からいたしまして、この営林局も発足当初であり、かつ事業の遂行上急速に職員も充実しなければならぬというような必要に迫られまして、住宅及び仮廳舎の建築に当つたと思うのであります。これは御批難の通りはなはだ遺憾な点がございますので、当省といたしましても責任者に嚴重に注意を與えるというような指揮はいたしました。
 大体以上が薪炭需給調節特別会計と、國有林野事業特別会計の批難事項に対します概括の御説明であります。
#40
○金子委員 三二五の、昭和二十二年度までに東京の燃料統制配給組合に賣却した薪炭代の問題でありますが、これをあとで受取つたというような説明でありますが、この場合延滞金利を幾らとつたか。それから代金の支拂いをせずにこういうふうな賣拂いを先にしてしまう。これは木炭の逼迫なときですから、支拂いせずに賣拂いをするというような行為をとつたときには、この取扱規則に、この権利を取消すとか何とかいう方法があると私は承知しております。そういうような処置はどういうふうにとられたか。
#41
○三浦政府委員 お答え申し上げます。金利は幾らか。この延滞の金利はただいま一日五銭にしております。それから木炭が消費都市へ参ります場合に、現物は卸商なり、そつちの方に渡つて、金は納めないのはおかしいじやないか、こういうお尋ねでございますが、その点昨年の六月から前渡金制度という、いわゆる輸送計画等で東京へたとえば岩手からその月何車入る、青森から幾ら入る、福島から幾ら入るといつたような輸送計画に從いまして、その月入るべき数量の額が大体予想されますので、それを月二回にわけて、つまり十五日分ずつ、その予想に基いて向うから予納をとつて、品物は流して行く。元來でありますれば、着きました薪炭を、特別会計で買上げてある以上、一旦それを一定のところへ持つて行つて、そこで銘柄、数品等を調べて渡せば最も適切なんでございますが、そういうことをいたしますと、横持料等が非常にかかります。そういうような関係から、その登録されております卸商のものに、あらかじめ入りますものの予想の金を納めさせて、どんどん駅から流して行く。こういう方法をとつておるのでございます。從いましてその後におきましては、そういつた、こちらは品物を渡しておるけれども、その代金は入らぬという現象があまりないという建前になるわけでありますが、昨年のごとく輸送計画以上にどしどし入つて來るという本質的な問題と、もう一つは、発地の、たとえば岩手というような発送報告と、その駅で渡しましたときに銘柄、数量等を調べます、その調べた数量ないしは銘柄と一致しない。その一致しないのは、日通の責任であるか、あるいは発地のいわゆる発送報告の書き方の違いであるか、こういうようなものを調べます関係からいたしまして、依然としてまだ全然なしというわけには参らぬような事情でございます。
#42
○金子委員 そうすると、今私が質問をしたその当時においてもこれは前納傘があつたのでありますかということが一つ。それから、これは現在の問題に入りますが、そうしますと、現在の木炭の特別会計の金が非常に逼迫しているのは、ここにも一つの原因があるのではないかと私もにらんでおるのでありますが、ただいま御説明のような形を見ますと、これはむしろ業者が予納している金の方が、木炭の入荷しているよりも多くなる。なぜならば、計画によつて金を納めているとするならば、その面において木炭資金はむしろプラスになるとしても、マイナスにはなつておらぬ。こういうふうに解釈できるのであります。実際において現在はそうなつておるのでありますか。その点をお答え願いたい。
#43
○三浦政府委員 この予納を受けるというのは、二十三年の六月からその方向でこれから行くということをきめたわけでございます。でありますから、その当時としてはなかつた。それから今の予納が完全に行われておるならば、むしろ政府の方がよけい持つておるべきじやないか、こういう点もございます。実は昨年の六月から非常に金融も困るのだが、私ども特別会計を守つて行くといいますか、運営して行く面から言うと、非常に遅れがちである。そういう関係からその制度を昨年六月から始めたわけですけれども、今の数量が予定よりも入つて來たということと、昨年の十月に卸小賣を消費者の選択によるというふうに制度をかえました。あのとき一箇月選挙にかかりますので、それに備えまして、薪炭ともに特に六大都市を目がけてあらかじめ入れて賣らないでとつておいて、冬の混乱に備えるということで備蓄をいたしました。ところが後の生産計画、ことに輸送状況等が非常に例年と違つてよく、また消費者方面におきましてはいわゆる温暖の冬であつたために、また一般の消費家庭の人の経済事情もあつて、思うようになかなかそれがはけない。一方嚴冬に備えてやつておつた備蓄というものについても、いろいろと消耗のおそれもあるので、また非常に予想以上に入つて來る炭薪等をはくことと同時に、あらかじめ備えておつた備蓄をはく。この二つの点が重なりまして、そこで御承知の通りに、一月末からはあるいは薪については無切符とかいうような制度をとりまして、ともに両方の整理を進めて來たような状況です。そしてそれに伴つての收入と申しますか、賣掛金の問題は、一面において腐る、盗まれるというような面があるので、励行を少し緩和してしまつた。また登録された卸商といたしましては、早くはく小賣店の方にまわすというようなことをやりましたために、初め六月当初に考えた前納の形というものがきわめて不完全な実施の状況になつた、こういう遺憾な状況でございます。
#44
○金子委員 木炭の消費の関係と生産の出まわりのよさとの関係で、非常に荷がふえた。從つて原則として月半期ごとの予納金をしてから後に荷さばきをさせるという原則が非常に乱れたというようなお話でありますが、そこでなおお伺いしたいことは、賣り掛けと言いましても、一体これは政府のものでありまして、拂い下げて卸しになるわけであります。そうすると、政府は産地から運送中、どこを押えて現物と対照して賣却行為を行うのですか。たとえば日通が責任を持つて運ぶときに、産地から送り出したときにするのか、あるいは消費地へ着いて日通と立ち会うなり何なりして荷渡しをするか。この荷は政府のものであるか。あるいは業者のものに帰属したものかという押えは、どこのところをポイントにしておるのか。そこに非常に問題があると思うのでありまして、その点をひとつお話し願いたいと思います。
#45
○三浦政府委員 御指摘のごとく、その点のポイントポイントに非常に問題があり、現在薪は、昨年の價格改訂の機会に駅港頭で買いつける。從來の山元の買いつけということをやめまして、駅港頭をやりました。炭は生産事情等を考えて、依然として山元で、政府の指定した場所で買うという形になつております。そこで規則が示しておりますように、生産者から選ばれたその指定集荷業者というものが保管の責任を負つて、それから駅港頭に輸送をされて、その輸送されたのを日通であらためて貨車に載せる。その貨車に載つたものが、一定の輸送計画に基いて、東京なら東京のどこの駅に着く。着いたときに、こちらの檢收員がおつて、ワム、何日の何号の貨車には、木炭でこういう銘柄のものがこれこれの数量入つていたということを確めて、その品物を小質店が選んだ卸商の人に渡す。それでは発送の報告ないしは政府の檢收買上げをしたときのトレースが着かないではないか。この問題でございますが、ただいま御指摘の点が確かにございまして、先般も実は会計檢査院の方で長野の二通についてお調べを願いました。その結果、二通はかなりよろしいということで、ほとんど買つた通りでございます。一通はかなり問題を含んでおりました。そこでただいま政府の方としては炭を買う場所を駅港頭にしたい。そこでならば現物のキヤツチができる。この特別会計の最も弱いところというのは、人員が比較的少い。そして単なる経理事務をやつておる。ところが生産が非常に足らないで需給が非常に悪いから、生産者の便宜のために買う場所を山へ山へと入つて行く。そのために場所が非常に廣く、それに備える人がなく、ほとんど調簿整理ばかりをやつておるものですから、そういうところから、現物から非常に離れたことがうつかりするとなきにしもあらず。そう点がすべてのことのスピーディでない、また非常に遅い、また問題の種の多い原因でございましたので、ただいま申し上げますように炭の方を駅頭で買いたい。こういうふうにいたしますれば、銘柄、数量というものを非常に狭い線でつかむことができる。こういうふうに考えておるのでございます。また價格の改訂についても時期でもないようでありますし、ただいまのところは、銘柄、数量の確認は駅港頭でする。それに基いて支拂い証書を切る。そうして從來の産地の山元から駅港頭まで來る機関に対するところの代金の支抑いの問題につきましては、中央農林金庫、または都市金庫等の話合いでその間の政府支拂いの遅延に対する利子の問題は考えたい。こういうことで関係方面と折衝しております。これができますれば、あとは日通の責任というものがはつきりします。それから受け入れる着地におけるところの品薄、銘柄の差の線が狭くなる。空間的にも、時間的にも短くなるという関係から、整理が進んで行く。こういうふうに考えております。
#46
○金子委員 そういたしますと、今の御説明によりますれば、現在の特別会計の中でよしんば備蓄をいたしましたところで、現に政府はこの二月三日以降まず薪の買い上げを制限しておる。三月十七日まで、その後において木淡の買い上げを、中止ではないが、実際上中止の形になつておる。これは政府自身において法違反をしておる。しかも生産者が、どこにも賣つてはならない、資金の関係で買上げられないということになると、生産者はどうにもならない。生産したものを賣らなければ、当然生きて行くことはできない。結局政府自体が薪炭生造者の首を締めているということを、実際この春は現実にやつたわけであります。こういうことは、もし統制をしておる限りは、政府は予算面におきましても手続上におきましても、生産者にそういうことがあつたらとんでもないことだと私は考えておるのであります。そこで問題は今のポイントが、消費地に入つてから姿を檢收員が檢査して、それによつて支拂い資金を出すという話であります。しかしその前に結局半分くらいの予納金をやつておるということになれば、その面においては絶対に政府資金を食つていないということになるわけであります。それともう一つ、今の説明の中にもありましたが、産地においてまだ立木になつて、カラスのとまつておるような木を、すでに檢收員が檢收しているという事実があります。まだ息のついている、水を吸い上げているものが木炭になつたり、薪になつたりして、政府から金をとつておるというようなことがあります。こういうべらぼうなことで、一体何ぼこれから木炭に関する特別会計資金をふやしても、同じことである。きせると同じことで、元ではまだ息をはいている木を木炭として買上げてもらつたり、あるいは消費地の方では、小賣業者があるいはかまどの下に燃やしてしまつたかもしれない。両方がつまつてしまつて、きせるのように、まん中はいつもからつぽになつておる。こういうふうなことがおもなる原因として、今度は全國の木炭生産者に迷惑をかけたのだと考えております。この点につきまして、今の御説明を疑ぐるわけではありませんが、最後に、きわめて最近の木炭の特別会計に関する備蓄しているものが幾ら、あるいは産地に買上げておるもの、それからもう一つ、産地におつて、産地全体を通して生産されて、しかも政府が買上げないために困つておる数量、これを御調査願つて発表していただきたい。それによつてただいまの説明がその通りになつておるかどうかということが、はつきりわかると思います。政府が備蓄しておるもの、それから業者の予納金が今幾ら納つておるか、現物をどれくらい持つておるか。たとえば東京の例でもよろしゆうございます。それから現在産地を通して――これが取扱いというものは統制機関がありますから、すぐわかります。現在生産されておるけれども、政府が金がないために買上げないで生産者に迷惑をかけている数量が一体どれだけあるか。その点を至急御調査願いたいと思います。
#47
○三浦政府委員 こまかい数字については、お求めの通りにいたします。大体の考え方は、政府がやはり特別会計の資金繰りの関係から、買上げを非常に制限してしまつた二月三日以降燒いておると考えられるのが、炭の方については約十八万トンあると考えております。それから薪につきましては、御指摘のように政府が出なければ原則として買えない。あとは知事が農林大臣の許可を得て、いわゆる知事統制にした地域でなければ賣れない。こういうことになつています関係から、あの二月三日の、いわゆる足らなかつた薪炭があり余つた冬という非常な変化に向つたときの措置として、非常に買上げ制限をする機会に薪炭のいわゆる統制方式というものをどうするか。これと結んだ解決を実はするべくいろいろとやつておつたのであります。ところで薪の問題については、ある程度いわゆる全縣指定ということで、縣内は生産者からでもどこからでも消費者は買つていい。こういうような形に大体生産縣及び需給とんとんの縣はできるようになつております。でありますから、薪については大した量はないと思います。これは後ほど調査して、数字で申し上げます。そこで今研究しております問題は、生産関係はそれで一應いい。今度消費地関係は、また近く六月から卸、小賣の登録をしなければならない、こういう状況でございます。これはあの昨年の九月に出ました規則で、十一月に選挙はいたしたのでありますが、あれは一年内の有効でありますので、また十一月にやるようでは、これは非常に消費の最盛期を迎えての困難でいけません。これを六月にどうせ繰上げてやるその際に、どうも卸商、小賣店はサービスが惡いというので、今度は從來の数のおよそ倍、少くとも倍の取扱い店にふやすような方法でやるべく今準備中であり、同時に政府に対して借金をしよつておる、つまり炭なり、木なりの代金をまだ未拂いの卸商などは、これをどうするか。これを新しい登録の資格として認めるかどうか。これを今鋭意研究しております。
#48
○金子委員 これは予算の直接の問題ではありませんけれども、間接に非常に影響がありますので、ただいま資料請求の問題が出ておりまして、指定の投票の問題がありましたが、一体その木淡会計が非常に惡くて全國の生産者に迷惑をかけているということは、統制のうちで一番惡い。これは役所の怠慢とか何とかいう問題でなしに、一体政府が一つのスペースもなくてそれでこれだけのヴオリユームのものを統制しようというところに根本的な大きな誤謬がある。たとえば戰時中に政府が食糧統制をした。そのときに政府はどうやつたか。何をその統制の対象にするかということになつたときに、結局全國的に相当スペースを持つている農業会あるいはそれに準ずるよりしかたがなかつた。あるいは結局物を統制するならば、その受拂いというものが一番大事である。現金の出納は何にもならぬので、物と金とを対照することが根本である。その際に、薪炭の統制が、一つの倉庫を政府自体も持たない。それで檢收をしてもあちらの谷に積んである、こちらの谷に積んである。それを受け入れても、丸通はこれだけの厖大な荷を積んで置くわけには行かないから、あつち、こつちへやることになる。從つて今度の木炭の会計をこうしておる限り、スペースをどうするか。そうしてたとえば卸商を指定するときでも、はたしてお前は荷が揃つたとき、これだけの施設があるかどうか。單に業者の実績が大きいとか何かということよりも、貯藏なりあるいは現物を、いつも帳簿と受拂いを最も簡易にし得るかどうか。その線に大きく力を入れていただきたい。こういうふうな御希望を申し上げまして、私の質問を終ります。
#49
○中馬委員 ただいまの金子さんの御意見に若干関連いたす問題でありますが、さきに政府は暫定措置といたしまして、木炭の代行手数料を、一月に遡及して一俵十五キロのものを十円に改訂せられて今日に及んで來たのであります。ところが突如として去る四月二十二日に手数料を六円に引下げるという通牒に接しまして、農業協同組合等におきまして非常な動揺を來しております。しかも一月の十円の手数料決定の際におきましても、物價改訂のときまでの暫定的措置であるということを言明せられておつたにもかかわらず、今日再び六円に引下げられたということは、今後集荷を円滑に進める上において非常な障害になるのじやないかという心配をわれわれは持つております。これにつきましての三浦長官の御所見並びに対策を伺いたいと思います。
#50
○三浦政府委員 指定集荷者の手数料を一月にプラスした四円を今回突如としてとつたその経緯でございますが、元來集荷手数料のみではございませんで、いわゆる代行経費というものをきめます場合には、いろいろの資料に基いてきめておるわけであります。ところが集荷手数料については一應きめて來たのでありますが、なお不十分であるという声があつたわけです。実は十二月の末から一月にかけました大都市におきますところの集荷された薪炭の早急な配給の問題が出ましたときに、一方では汽車はいつも予定よりもいい勢いで入つて来る。まきなどは、東京でもほとんど予定に対して七割以上の増加でありまして、炭も五割程度、それから一方先ほど御説明申し上げたのですが、十一月の登録制の混乱に備えて、政府みずから備蓄しておいた。この二重の荷物というものを早くはかなければ、消費者はほしいと言つているにかかわらず、いたずらに方々に山高くあるということはよくないということで、このすみやかな配給を都を通じ、あるいは大阪府を通じ、いろいろとやれるだけの促進ははかつたのでございますが、何分にもいわゆる配給のマージンが少いとか、人を雇うにしてもそういつたさばけるまでの間二箇月程度雇うということは、今日の事情からできるものではないといういろいろな問題がありまして、思うように参りませんでした。そこでいろいろと話し合つた結果、それでは品がいたんだり、なくなつたりするし、一方消費者の非常な不満を受けるよりは、ここに促進をはかるために、ある程度促進費のようなものを出した方が早く金の回収ができ、品物もいたまない、消費者も不満がない。その金を早く生産者の方に送つて、生産者の代金を解決した方がよかろうということに研究の結果なりまして、炭について三円、まきについて一円というものを加えたのであります。そうしてそのあと関係の農業会その他の生産者方面の團体、あるいは供出方面の非常に熱烈な要求もありまして、生産者の方に対してはさつぱり何もせぬじやないか。非常に炭、まきの代金の遅れておるのをがまんしておる。この團体に対して、あるいは取扱いの手間に対して何もしないのは片手落ちだ。元来あの手数料あるいは取扱料は、決してりくつに合つたものでない。非常にたえられない額であるのだから、この際つけ加えるべきだということで、御承知の通り炭は四円、まきは八十銭を、半月ばかり後でありましたが、加えたのであります。そして爾來やつて参りました。この年度末の決算はまだ請求する時期ではございませんが、新しい借入れをいたします際にどうしても薪炭特別会計の現状がわからなければ、新しい貸出しには應じられない。これはもちろん買う方の側からいえば当然のことで、大藏省、日銀ないしGHQのそれらの関係方面からその点ひどく究明を受けた。先ほど來お話の特別会計として数えたほどの正確さを持つたいわゆる手持材というものを、きわめて短かい期間に間違いなく集めるということは、非常に困難である。それでなければなかなか貸さない。借りなければ、生産者の方の依然とした狭き買上げ数量というものは続けて行かなければならぬ。そうなれば、生産者自身の意欲というものが落ちてしまう。こういうことからいろいろと数字を計算した結果、遺憾ながら從來この特別会計に対して、今までの累積でありますが、約十二億程度の赤字らしい、こういう数字が出たのであります。ところがそういう特別会計の赤字に対して九原則が出た後に加えておるような事実があるじやないか、それはただちに切らるべきであるという結論に達しました結果、ことに生産者の方はいろいろと困難点があることがわかつておるのでありますけれども、これは機械的に切らざるを得なかつた。卸商の方も切らなければならぬし、生産者價格も切らなければならぬということになつたのが経緯でございまして、現在のところ特別会計の健全な運用をするためには、あるいは輸送関係、ことに船によつておるのを陸運の方に覆す。また手数料自身を下げる。こういうように今全体を白紙にもどして研究中であります。これは早くきめなければ、ことに團体関係等は明年度予算を組む関係から至急必要である。私どもとしても、ごもつともな要求でありまして、きようもその問題をやつておるのでございます。
#51
○中馬委員 さらにお願いしておきたいことは、ただいまの御説明によりますと、十一月ごろになつて急に促進のために値上げをやつたというお話でございます。こういうことは昭和二十四年度におきましても再び起つて來る問題ではないか。現在におきましては夏枯れどきでございますから、さほどの問題もございませんでしようけれども、これを今から正当なる價洛をきめまして、生産者團体あるいは代行機関等にあらかじめ、なるベく早急に御決定をお願いして通牒してもらわなければ、また再び今年度末におきまして、場当り的な値上げをして一時を糊塗するということに相なるのじやないかということをわれわれは非常に心配いたしております。願わくば早急に決定をお願い申し上げたいと思います。
#52
○本間委員長 前会小林君の質疑に対しまして、会計檢査院の答弁を留保しておつたのでありますが、本人がきよう見えておりませんから次会にいたすことにいたします。
 次会は十八日午後一時から開会することにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。
    午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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