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1949/04/16 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第20号
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1949/04/16 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第20号

#1
第005回国会 議院運営委員会 第20号
昭和二十四年四月十六日(土曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 大村 清一君
   理事 石田 博英君 理事 今村 忠助君
   理事 佐々木秀世君 理事 山本 猛夫君
   理事 椎熊 三郎君 理事 志賀 義雄君
   理事 坪川 信三君
      大石 武一君    岡西 明貞君
      倉石 忠雄君    田中  元君
      田渕 光一君    塚原 俊郎君
      西村 直己君    福永 一臣君
      福永 健司君    土井 直作君
      松井 政吉君    園田  直君
      林  百郎君    寺本  齋君
      平川 篤雄君
 委員外の出席者
        議     長 幣原喜重郎君
        副  議  長 岩本 信行君
        議     員 神山 茂夫君
        議     員 浦口 鉄男君
        議     員 中村 寅太君
        議     員 岡田 春夫君
        議     員 玉井 祐吉君
        議     員 早川  崇君
        事 務 総 長 大池  眞君
        法 制 局 長 入江 俊郎君
四月十五日
 委員井上良二君辞任につき、その補欠として土
 井直作君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十五日
 両院法規委員会專門員等設置に関する勧告を本
 委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國政調査承認要求に関する件
 懲罰動議の取扱いに関する件
 訴追委員会の委員及び予備員に関する件
 決議案の取扱いに関する件
 本日の本会議に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大村委員長 これより会議を開きます。
 常任委員会の國政調査承認要求の件について、議長から諮問があります。これを議題といたします。事務総長の御説明を願います。
#3
○大池事務總長 逓信委員会から國政調査承認の要求が参つております。それは逓信從業員の福利厚生に関する事項、この福利厚生事項を調査するために、小委員会を設置して、関係方面より説明を聽取、参考資料の要求をいたしたい、こういう申出でございます。
#4
○大村委員長 ただいまの逓信委員会の國政調査承認要求は、議長においてこれを承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○大村委員長 御異議がなければさように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○大村委員長 次に先会から延期になつておりました懲罰動議の取扱いに関する件を議題といたします。懇談をするために速記は中止願います。
    〔速記中止〕
#7
○大村委員長 それでは速記を始めてください。ただいまの懲罰動議の取扱いは、これを次会まで延期することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○大村委員長 それではそのように決します。
    ―――――――――――――
#9
○大池事務總長 先日尾関義一さんを彈劾裁判所裁判員に院議で御選任に相なりました結果、たまたま尾関さんが訴追委員を從來やつておられましたので、訴追委員と彈劾裁判員の方とは兼任を許さない規定ができている関係から、院議によつて彈劾裁判員の方になりました関係上、当然に訴追委員の方は消滅しなければ相なりません。從つて訴追委員に一名欠員ができましたので、その補欠として同党の佐藤親弘君をお願いしたいという御申出があります。從つて訴追委員の補欠選挙を行つていただきたい。またその佐藤親弘さんは訴追委員の予備員になつておりまして、第一順位になつておりますために、その予備員の補欠ということで、安部俊吾さんをお願いしたいということに相なつております。從つて訴追委員の欠員に対する補充に佐藤親弘さん、佐藤親弘君が予備員でありますからその補欠に安部俊吾さん、こういうことに相なつておりますから、御了承を願いたいと思います。本会議でこれをきめなければならぬのでございます。そこで予備員がそれによつて十名できるわけでありますが、その十名の予備員の職務を行う順位を決定しなければならないのであります。一人減りました関係から、その予備員の順位が大分狂うわけでございます。從つてその予備員の順位をむしろ全部順序通りに、この前の政党の発言順位、その他による順位に直さなければならぬので、予備員の順位をあらためて御決定を願いたい、こう考えております。今の第一順位の佐藤さんが抜けましたために次は眞鍋さんが第一順位になり、その次に今村さんが第二位、第三が篠田さん。第四が田中さん、第五が青柳さん、第六が今度は社会党の方にまわさなければなりません。元は民主党になつておりました。それで全部順序通りに直して、予備員の順序で議長のところでおきめを願いたい、こういう手続きをお願いいたします。
#10
○大村委員長 ただいまの事務総長の御提議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#11
○坪川委員 わが党出身の委員長から、各党にお願いをしていただきたいという件でありますが、それは昨今の各常任委員会の審議状況において、審議中に傍聽人が多数入つて來ている。それはけつこうですが、その傍聽人と委員の間においてメモが盛んにかわされて発言される。このことについて議会の審議の権威の上においても、また委員会の運営においても、幾多の支障を來すから、この点ひとつ各党において御協力を願いたいということです。委員会の規則においても、そういうことは許されないことと思います。
#12
○石田(博)委員 今の件は当該の委員長が、嚴正な態度をもつて取扱つていただけばいいので、委員会整理の上においてこれは当然にすべきだと思う。もう一つそれに関連したことですが、もとより議員が連絡するのにはさしつかえない。これは論外ですが、議員外の傍聽人が多数入つて來ておる傾向は、私どももしばしば各委員会を見まわつて、現実に見ている状況ですが、それは議員の発言権その他が妙な拘束を受けることにもなるので、各委員長でその点は嚴正な立場をとつてもらうように、申し出ることにしたいと思います。
#13
○大村委員長 ただいまの件は委員長会議のときに、皆様の御意向をお傳えするようにします。
    ―――――――――――――
#14
○大池事務總長 六・三制の実施に関する決議案が出ております。オーケーが來ておりますが、これを上げるか上げないかをおきめ願いたいと思います。
#15
○石田(博)委員 この決議案については、私の方はまだ党議がまとまつていない点がありまして、次回に延期せられたいと思います。
#16
○坪川委員 私の方は決議案を出しましたから、上程をしていただきたいと思います。
#17
○石田(博)委員 決議案をお出しになつたということで、それをいつの議題にするということは、今日のところ私の方では取扱うための党議が決定していないから、次回におまわしを願いたいと思います。
#18
○平川委員 私の方は、予算が決定をしかけておるのです。それ前に出さなければ何の意味もないのですから、今日上程していただきたいと思います。
#19
○石田(博)委員 それは予算には修正もできますし、補正もできるし、いろいろ方法があるわけで、私どもはあなた方の見解と同様には思いません。私の方は取扱いについて、現在党議をまとめつつあるときで、今急にこれを上程しようということには、同意いたしかねます。
#20
○土井委員 國協党の方から出した問題は、民自党の方に共同提議について御賛成を願いたいということである。從つて民自党の方の態度がまだきまらぬ。だから待つてくれというなら正しい方法だ。但し國協党の方で、民自党の賛否は論外だ。この際出してもらいたいというのなら、これは別の角度で議論を進めてしかるべきだ。その点の意思はどうですか。やはり一緒でやつてもらつていいのですか。
#21
○平川委員 一緒にやつてもらいたいのです。
#22
○佐々木(秀)委員 きのうの夕方も役員会を開いて、この取扱い方をどうするかということを相談して、まとまりかけた意見もあつたから、もう少しお延ばし願うと正式な御返事ができるのです。せつかくあなたの方から共同提案と言つて來ておるから、できるだけ早く御返事をしたいと思つております。
#23
○平川委員 それではこういう前提のもとだつたら、われわれ了承したい。民自党の方から共同提案に加つていただくということは、われわれの最も希望するところです。それで今申しましたように予算案がきまつてしまえばそれきりの問題ですから、予算案が上程せられる以前において上程せられることを前提としてなら、われわれは異存はありません。
#24
○岡田春夫君 今國協党の方から話があつたように、できるだけ民自党の方に御協力を願つて、なおかつ予算に関係をするから、できるだけ予算の上程前にというお話です。六・三制の問題は予算に関係しておるからこそ決議案を出すので、何とか民自党の方でその御趣旨で、予算以前に問題の解決をお願いしたい。どうしてもできない場合は、予算の問題についてぜひとも重要な問題だから、民自党の協力を得ないものとして提出をしなければならぬということであろうと思いますから、そういう点ははつきりしておきたいと思います。
#25
○林(百)委員 石田君の延ばしてくれということはよくわかるけれども、ただ予算と関係があるから、その決議案が上程されることが、意味のわからないような時期まで待つということならば、むしろ民自党が反対されるのは覚悟で、この決議案についての処置をせざるを得ないということになると思う。その点、この空氣を石田君たちもよく了承してくれて、そういう條件をよくのみ込んだ上で、党の意見をまとめるからということで延ばすのなら、ちつともさしつかえないと思う。
#26
○石田(博)委員 予算案は大体各位も御了承であろうと思うが、本日予算委員会を上つて、本会議にかけることになつている。時間的にそういうふうに切迫しておる。しかしながら私どもの考え方から見れば、予算案の審議の過程にあるならば、予算修正の方法をもつて目的貫徹に努力せられるのが当然であつて、わざわざ別個の決議案を出されるのは、意味をなさない。予算ができ上つてしまつた後に、さらにその予算案の状況のままではなお不安であるから、それを補正するなり何らかの方法をとつて、あるいは追加予算を提出するなり何なり努力をして、本会期中にその結果を報告しろという趣旨の決議案だと、私は了承している。それを必ずしもあなた方の御見解のように、予算案の出た以前に私どもはそれを出さなければならぬものとは考えない。予算案提出後であればこそなおさら必要で、予算案の決定前ならば予算案を修正されたらいい。
#27
○岡田春夫君 それは石田君のお話のように、予算案を修正する方法はあると思う。それと同待に院議をもつて強力に政府に修正を要請するという決議をすることは、何らおかしくない。それは方法の問題であつて、どちらの途をとるかということは提案者の自由で、そういうところでいけないということは言えない。
#28
○大村委員長 速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#29
○大村委員長 速記を始めてください。
#30
○平川委員 共同提案をお願いするについて、野党各派並びに第十民主党の皆さんにも、民主自由党にも一緒に入つてもらうということを申し上げて、われわれはこの共同提案に賛成してもらつたのです。從つて今私がこういうことを申しましても、後ほど各党にお諮りして御了解を得なければなりませんが、この次の本会議になりますまでに何分の御返事がございませんでしたら、われわれは独自の態度をもつて進みたいという気持を持つております。そのことはあらためて各党にもお諮りしまして、民自党にも正式に御了解を得たいと考えます。
#31
○石田(博)委員 それはお言葉の通りお聞きいたしておきます。
#32
○土井委員 この問題の取扱い方は、こういう解釈をして行かなければならぬと思う。要するに國協党の方で、民自党の賛成を得て共同提案にしたいという意思がなお存続している限りにおいては、民自党の態度が決定するまで待つべきが常識である。しかしながらこの場合、そういうことはどうも不可能らしい。從つてそういうことを全部ご破算にして、この決議案を今日上程するかどうかということをここで論議してもらいたいというのなら、これはおのずから別個の角度で論議してしかるべきだと思う。從つてそういうようなことが國協党の方ではつきりとしなければ、これを進めて行くことも相当不可能ではないかと思います。その点はどうですか。
#33
○平川委員 われわれとしては今申し上げるように、民自党に共同提案に加わつていただきたいということを切望しておるのです。從來もその態度で進んで來たわけです。きようは簡單に御賛成願えるものと思つてここへ來たのですが、意外にも予算案を上程せられるまでに上げてもらいたいということについては、相当強力な反対意見が出まして、何か希望を失いかけたわけです。
#34
○石田(博)委員 おかしなことを言われる。私どもは予算案を上程する前とかあととかで、どうだこうだということの議論は一度もしておりません。あなた方の前段の共同提案という形に御返事する段階に行つていないということで、あなたの方は予算の前にしなければならぬという條件をつけられたから、その條件は私どもは必ずしもそうは考えていないというので、私どもは予算案の前でなければならぬとか後でなければならぬとかいう議論をしておりません。
#35
○岡田春夫君 私も共同提案の一人ですが、今國協党の方からお話があつたように、私たちが提案しようというのは、予算に関連があるから、ぜひとも予算の本会議上程の以前に取上げてもらいたいということを言つておるのであつて、それまでに民自党の力で方針がおきまりにならないとすれば、非常に残念ではあるが、やむを得ないから、新たな行動をとらざるを得ないわけです。ですからきようの本会議に、さつき石田君の言われたように予算が上程になるというお話ですから、それ以前に民自党の態度をおきめ願つて、それまでにだめならだめとして、新しい方法を講ずるように、大体時間をきめて、一時なら一時にもう一度運営委員会を開いて、そこで御回答を願つて、新たに協議したいと思う。
#36
○石田(博)委員 この中には第十控室民主党の方も提案者に入つておる。それはたしか民自党が賛成するだろうという話であつたから、御賛成になつたのであろうと思う。もう一つは予算案の決定以前に、この決議案を出さなければならないという條件をあらかじめ承つた上で、この署名をしておられるわけではないと思う。それは民自党が賛成するからと言うて、各派に共同提案を求めたとあなたはおつしやつた。そこでそういうあなたの言葉通りとするならば、その條件が違つて來たら、各派においてもすでに條件が違つて來たのだから、この提案をそのまま入れるか入れないか、各派でもう一ぺん協議せられる必要があると思う。
#37
○平川委員 あなたがおつしやつたと言われましたが、その点はつきり申し上げます。これは第十民主党へはそのことは申しておらぬのです。一括して話したのです。
#38
○坪川委員 わが党の問題に関連しての問題ですが、私も今初めて知つたわけです。帰りまして党の方と相談しましたが、党の役員会においてもこの問題は何ら決定していないそうですから、私の方の党に関する限りは、党に帰つて一應相談したいと思います。
#39
○平川委員 とにかく早稲田柳右エ門君と長野長廣君が、自分自身で御署名になつておりますから、私どもとしてはこれだけの大幹部が御署名を願つたとしたら、はつきり第十民主党は賛成を願つたものと考えるのです。
#40
○石田(博)委員 その場合に今あなた自身の口からおつしやつた通り、各派に署名を求めて歩かれるときに、民自党も賛成をするからということで署名を求められたとあなたがおつしやつた。
#41
○大村委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#42
○大村委員長 速記を始めてください。
#43
○神山茂夫君 今までの経過を両方聞いていまして、國協党の方にもある程度まで言い分がありますが、民自党の方の事情も私たちとして考えなければならぬ点があると思う。從つてほかの党派も、こういうふうに問題が新しくなつて來れば、一應態度をきめなければならぬと思いますから、ここで一應休憩にしていただいて、一時あるいはもう少しあとででもあらためてやることにしてはどうですか。
#44
○中村寅太君 この問題はちよつと十分か十五分休憩していただいて、提案者の各党で話合つて、さらにその上で協議をまとめたいと思います。
#45
○大村委員長 暫時休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十四分開議
#46
○大村委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
#47
○平川委員 ただいま共同提案者である第十民主党だけを除きまして、ほかの野党各派が相談いたしました結果、諸般の情勢によりまして、これはただいまのところ民主自由党事の御協力を得ることは希望がないという結論に達しました。あらためてこの決議案を本日本会議に上程せられんことを希望いたします。
#48
○坪川委員 民主党として態度をはつきりいたしたいと思います。一應早稻田君並びに長野君、島田君などが提案賛成の署名をいたしておりますが、この決議の案文を読んで見ましても、必要なる予算措置を講ずべきであるということで、さつき石田君が言われた通り予算委員会において別箇の態度をとるべきであつて、ここに決議案として上程する必要はないと思いますから、わが党の四名はこの決議文に対しての署名を取消しいたします。
#49
○石田(博)委員 ただいまあらためてこの決議案を本日このまま上程しようというお話でありましたが、私どもはこの決議案について党議を現在決定中であります。從つてまだ党議の最終決定を得る段階に立ち至つていないのであります。さらに本決議案の提出せられる過程について、提案者の代表である平川君の御発言の中にも明らかに言われておる通り、民主自由党をも含めた共同提案を行うという前提のもとに、この決議案を意図されておつた。今日にわかにそれを変更せられ、きよう急に出さなければならぬという事情についても、私どもは了承しかねる点もありますので、この決議案を本日の本会議に上程いたすことについては反対をいたします。
#50
○椎熊委員 石田君の本日の本会議に上程することに反対の理由が、私どもには了解できない。あなた方の決議案に対する党議がきまつていないなら、上程して論議されるまでにきまるのでしよう。そのときに本会議で態度を明らかにしてもらえばいい。上程を拒否することはできない。
#51
○石田(博)委員 いつの日程に上げるか上げないかということは、議院運営委員会できめることはできる。私どもは本日の本会議にこれを上程することに対する諸般の情勢は、懇談会の席上でもるる申し上げた通りであつて、あらためて申し上げる必要はない。本日の本会議に上程することには反対をいたします。
#52
○椎熊委員 私どもが特に本日の本会議に上げてもらわなければならぬという情勢は、私の出席しない前に話されていると思う。今日なるがゆえに上程しなければならぬ。今日の予算委員会の進行ぶりをみても、急遽討論する態度に出られるようなにおいがする。予算に関連する法律が出ないのに、きよう議了をされるということでは、とうてい趣旨が徹底しない。この決議案はきようなさなければ意味をなさぬ。
#53
○石田(博)委員 この決議案の文章を見ても明らかな通り、政府に対して必要なる予算的措置を講ずることを要求せられておる。すなわち現在進行中の予算に対する修正であるならば、予算委員会ですればいいのであつて、私どもは今日これを上程しなければならないという論拠には賛成しかねる。從つてこれ以上の議論を繰返すのは無意味であると思うので、本日の本会議に上程することの可否を採決してもらいたいと思います。
#54
○林(百)委員 少くも百何名の議員から、政治的ないろいろな考慮から、本日の本会議に上程してもらいたいということを、民自党が数をもつて押すということは、國会運営上よくないと思う。だからあなた方の立場は本会議で国民に明らかにしたらどうでしようか。
#55
○佐々木(秀)委員 それは私が最初に申し上げた通り、これを共同提案にしたいというのでわれわれは努力している。それが今時間的にまだそこまで行つていないという事情を申し上げている。それをあなた方の方でむりやりに、どうしても時間的にこれを出さなければならぬということになれば、これは時間的な問題で争うことになるのです。決してこれを拒否するのではありませんが、その段階に來つていないときにおいて上程しようということには、賛成できないと言つているのです。これはやむを得ない。
#56
○林(百)委員 われわれは決してむりなことを言うのでない。先ほど椎熊委員から話があるように、それなら本会議を開く前までに党議をきめてもらつて、そこであらためて連絡しましようと言つている。だから決してわれわれはむりを言つていると思わない。
#57
○石田(博)委員 本会議が開会せられるまでに、わが党の党議がまとまるかどうかということを、お約束はできません。從つて私どもは本日これをにわかに上程しなければならぬということについては、時間的な問題において反対する。これ以上議論を繰返したくないから、御採決願います。
#58
○神山茂夫君 討論無用だという石田君の御意見でありますが一應言つておきたい。というのは、民自党の事情もいろいろあるでしようけれども、先ほどから私たちが調停的な立場に立つて御考慮願いたいと言つたが、その意図にも反して、結果がここまで來てしまつた。林君、椎熊君が先ほどから言つております通り、結果がどうなるかは別として、一應これを本会議に上程して、その上で反対されたらどうです。
#59
○石田(博)委員 各種の事案の取扱いについても、各党派の意見がまとまらない場合においては、すべてまとまるまで延期をして來ました。これは議事の運営を円滑ならしめるために、みんな協力的に出て、各派の態度がきまるまでは待つておつた。この決議案に対してのみわが党の態度が未決定であるということをもつて、きよう強行せられるという意図には賛成いたしかねる。
#60
○林(百)委員 決議案の内容を読んで見ればわかるではないですか。しかもわれわれはぎりぎり一ぱい、本会議までに態度をきめてくれればいいと言つておる。
#61
○石田(博)委員 同じことを何回も繰返すことは、時間の空費でありますから、本会議に上程するかしないかを採決してもらいたい。
#62
○神山茂夫君 これをできるだけ解決したいというのが、われわれの主張だ。それをあくまで押し切りたければ、押しきりなさい。しかしそうではなくて、ぼくたちの言つておるのは、開会までにまだ三十七分ある。その時間を生理的に物理的に最大限に使つて、文字通り君たちが活動する必要があるのではないか。そのことをあくまで私たちは希望する。あなた方の党内がまとまらないその事情はよくわかりますが、結果においてこの決議案に反対しているのだと客観的に見られることは、まことにお氣の毒だと思う。それだけに僕たちは誠意を盡してめんめんといつておる。
#63
○石田(博)委員 先ほどの懲罰の問題といい、このたびの問題といい、共産党、社会党の諸君が、わが党の政治的な立場を有利にするために、いろいろ御考慮を賜わつていることについては深甚なる感謝をいたします。しかし私は本会議にこれを急遽上程することに反対することが、惡例ではないと思います。それよりもむしろ各党派の態度がきまらないのに、これを上程することを強行することの方が、惡例であると思います。これ以上の議論はむだだから、御採決を願います。
#64
○大村委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#65
○土井委員 先ほどからだんだん御意見を聞いておりますが、要するに本会議を一時からやるという慣例は、ぜひ嚴守してもらいたいという希望を持つておりますが、問題は相当重要な決議案でもあるし、ことに決議案としてオーケーをもらつているわけです。オーケーをもらつているものをすみやかに上程することは、この運営委員会の当然の責務でなければならないと思う。從つて民自党の方でもし態度がきまつておらないというならば、これはひとつ早急に態度を御決定願うように御努力願つて、きようの本会議にこの決議案を上程することをまず決定してもらうことが必要ではないか。なぜかといえば、われわれから考えるとこの六・三制の問題については、國民全般の非常な希望、要求の決議案だと思う。從つて予算が上程される前に、院議としてこういう問題について國民の代表として意思決定をしておくということは、ぜひ必要だ。こういう面から考えてみても、また民自党としても六・三制の予算を増加するということに対しては、反対でない。さきに災害復旧の問題についても、その他の緊急な事項等についても、民自党としてもそれぞれ共同提案の形において御賛成を願つている。六・三制もそれと同一の内容があると思う。この決議を今日上程したからといつて、政府にそれほど傷がつくわけでもなければ、民自党に傷がつくわけでもないから、これはぜひ上程するように運んでもらいたい。もとよりこの運営委員会でもつて、議事の上程については、それぞれの日程の関係から多少の日時の変更とか、上程の変更ということはあり得るが、決議案をあまりだらだらと延ばして行くということは、事実上困る。なぜかといえば明日は日曜である。明後日は本会議がない日である。從つて十九日になる。決議案が三日も延びて行くということは、あまり感心した例ではない。こういう点を含めてもらつて今日上程を願いたい。
#66
○佐々木(秀)委員 いろいろあなた方のご苦心もわかるし、われわれは何も六・三制の問題を趣旨において反対するのではない。せつかく共同提案というて申し込まれた。それが昨日の午後です。そうして夕方われわれは役員会をやつて、何とかまとめようと思つて大いに努力した。それが昨日はまとまらなかつた。初めて議題になつたのがきようだ。今までの決議案というものは各党話合いのうちに、大体賛成なり反対なりの態度がきまつて出している。大政党が、ことに決議案を出されて、党の態度がきまつてないという不体裁なことはできない。その立場をよくわかつていただけるなら、時間的に余裕を與えてもらうくらいのことは、当然あつてしかるべきだと思う。しかしあなた方の方が少数派の威力を持つて、どうしても今日上げるというのなら賛成できない。議論は先ほどから盡きておりますから、委員長においては即刻本日上程するかしないかということを採決されんことの動議を提出いたします。
#67
○大村委員長 ただいま採決の動議が出ておりますが、時間も大分経過しております。佐々木君から決議案は本日の会議に上程をしないという動議が出ております。これには御反対の向きもございますので、この際採決をいたしたいと思います。本日の会議に上程をしないという動議に御賛成の方は挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#68
○大村委員長 多数、よつてこれは本日の会議には上程しないことに決定いたします。
 暫時休憩いたします。
    午後零時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五分開議
#69
○大村委員長 これより議院運営委員会を再開いたします。
 予算が上つたそうでありますから、本会議上程の際の取扱いについて御協議を願います。一應事務総長から取扱い方について説明を願います。
#70
○大池事務總長 ただいま予算が委員会を上つて参りました。これは御承知事の通り二十四年度の一般会計予算と特別会計予算並びに政府関係機関の予算、この三本があるわけであります。從いまして本会議に緊急上程をいたしますれば、この三案を一括して予算委員長の報告があり、これに対して各派の態度はどうかと申しますと、民自党としては賛成討論者として小峯柳多さん一人の申込みがあります。社会党は三宅正一さんから発言通告がありまして、返上という要求であります。それ事から民主党の十からは小坂善太郎さんが賛成討論の申込みがあります。民主党の九の中曽根さんから反対討論、國協の井出一太郎さんから反対討論、労農の黒田さんから反対討論、こういうことになつております。從つて予算委員長の報告に対しまして賛否の討論をいたしまして――その反対討論の中には組みかえの返上論に基く反対討論もありましようし、あるいは全然反対の討論もあるかと思いますが、この賛否の討論に應じまして順序をきめて行くということでさしつかえありませんか。
#71
○林(百)委員 それは本日予算を本開議にかけることを既定の事実として考えられておると思うのであります。私の党としては從來から言つております通りに、予算に附属する諸法律案が全然提出されていないのもあるし、同時的に併合審理ならまだいいが、全然國会に提出されていない付属法規すらある。これはあとで神山君から詳しく言われるかもしれませんが、憲法八十四條を見ましても、「新たに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律に定める條件によることを必要とする」とある。全然法律が出ていないのに予算が組まれておるということについては、私の方としてはこの予算を本会議にかけて通過させることは憲法に違反しておるという見解で、本日はまだこの予算を本会議に上程すべきでないという意見を持つておるわけであります。だからこの問題を処理してからでないと、わが党としては予算を本会議に上程されたときの対策を申し上げることができない。この問題をまず先議として論じていただきたいと思います。
#72
○神山茂夫君 関連して内容を説明しておきます。まだ提出されていないもの、これはあなた方も御承知ですけれども、たくさんある、郵便料金に関連する郵便料の改正法律案、それから取引高税、織物消費税、酒税法の改正、揮発油税に関するもの、こういうものが全然提出されていない、これが第一の問題です。さらにその上にすでに提出されたものでも地方配付税の問題や運賃の問題、これはまだ審議中であり、この中のたとえば対日援助資金特別会計に関連する問題については、皆さん御承知の通りに修正などが実際上問題になつて來ていることを考える場合、この未提出のもの、現在併合審理中で現に修正が問題になつておるものがある場合に本予算を上程することは、今林君は違憲論の立場から述べられたが、私は終始止め役で、その立場から言うのですが、こういうことをされては私は憲法上の問題であると同時に、この責任は多数党であるあなた方が負わなければならぬということを考えて、その上で問題を処理していただきたいと思います。
#73
○石田(博)委員 いろいろ御意見がございましたが、私どもは予算案を本日の本会議に緊急上程をいたしたいと考えておるわけであります。從つて本日の本会議においてこれを緊急上程せられんことを望む緊急動議が提出されるわけであります。この動議に対する反対の立場をとられるわけですから、その動議に対して反対の立場に立つて、その際議論をしていただきたいと思います。私は違つた見解をとつておりまして、これを本日上程いたしたいと考えております。
#74
○椎熊委員 私は石田君の考えと違つた意見を持つております。ここで上程することにきまつたとすれば、本会議において動議に対する討論はやめて、共産党は共産党として予算に対する反対意見を述べるなら、その方がきれいに行くと思います。
#75
○大池事務總長 ちよつと申し上げますが、緊急動議は日程変更の動議でありますから、その際討論は許されません。お間違いのないように……。
#76
○林(百)委員 私どもはなぜそういうことを言うかというと、本予算においては税率をかえたり、新しく租税をかけている。この前の暫定予算の中には同時審議の法律がたくさんあつたが、今度は全然法律が提出されていないのに、郵便法は上げたことにし、酒税法は取ることにし、取引高税は証紙を現金にするとか、織物消費税を取ることにして予算を組んで出してしまつておるということは、憲法の精神を全然蹂躪しておると思う。だから運営委員会でも一應この問題を十分討議して、責任の所在を明らかにする必要があると思うのです。
#77
○佐々木(秀)委員 いろいろ御議論があると思いますが、政府としてはここで予算を通しても、運用の上であなた方の御心配になつておることは十分考えておると思いますから、われわれはここで議論をしないで、本日緊急上程することをひとつ御審議願いたいと思います。
#78
○神山茂夫君 今佐々木君から政府委員のような御親切なお言葉があつたが、しかし今林君から言われたような未提出の法案がある。現に私は逓信委員を兼ねておるが、郵便料金の値上げの問題等がある。盲人の点字郵税が普通と同じく五割上つておる。ところが一方通信教授に関するものは三割五分に押えておる。盲人の点字の郵税を普通より安くすることは民自党の諸君も賛成だと思うのです。これは予算の総高に影響するところ大きいと思う。そういう予算の裏づけになるようなものを論議しないできめて行くことは、私たちは絶対反対せざるを得ない。
#79
○土井委員 今いろいろ御議論がありましたが、実際上の問題としていろいろ未提出のものがあり、現に提出されておつても、まだ可決しておらない事項もそれぞれある。これは幸いにして民自党が絶対多数の上において可決せらるべきものだという仮定の上に立つて、本予算をそれぞれ上程せられ、可決しようとする意図があるようだが、実際問題としてはもし絶対多数でない場合は、たとえば予算に組まれておる面のもので、他の委員会なりその他において否決されれば非常に困難な事態を來すこともあり得る。從つて違憲論もあるけれども、実際上予算に附随するすべての法律案が議了されて行くか、あるいはそうでなければ同時審議が行われて可決されるような状態においてこの問題を上程することが正しいのではないかと思う。ことにきよう予算を速刻上程して行くよりも、やはり各党それぞれ予算に対する準備もあるだろうから、それに十分な準備期間を與えてしかるべきだと考えておるわけであります。從つて本日これを上程することは反対したいと思います。
#80
○佐々木(秀)委員 土井さんの御意見はどうもおかしい。あなた方は本日上程われるものなりときめて、ここに討論者の氏名まで出して來ておる。これが共産党の意見ならもつともだけれども、三宅さんという社会党代表の討論者を一人出しておいて、今上程するのはどうかと思うということは変ですよ。
#81
○土井委員 それは要するに、一應われわれの方としては予算が上程されるかもしれないということで出しておるだけの話であつて、十分に準備ができておるわけでない。なぜかと言えば、予算委員会においては勝間田君がきようやつたけれども、あれだつて実際上不意に討論に参加した状態であつて、三宅君の場合も一應そういう形で前々からきまつておるから便宜的に出しておるだけであつて、十分準備ができて出しておるのではない。
#82
○林(百)委員 附属法規が國会に提出されていないのに、それが國会を通過することを前提としてやることは憲法上承認できない、君たちの方が動議を出すなら、その点を明確にしてやらなければいけない。
#83
○石田(博)委員 私どもの見解から言いますると、予算というものは歳入と歳出の見積りなんだ。從つてそれに関連する法案がもしも予算成立後において修正せられたり、否決せられたりというような事態が生じた場合には、それに伴つて歳入歳出の面に不用額が出て來るだけであつて、見積り全体のわくとしてはさしつかえないものと考える。同時に理想的に言えば、関連法案が先に出て、あるいは同時に審議されて行くことは理想だけれども、それが絶対条件とは考えない。それが一つ。もう一つは從來の國会の審議の状況で、そういう前提條件が必ず必要であるという議論が行われたことがない。今まで常にこういう状況で行われて來ておつた。しかるにこの間の暫定予算のときに初めてこれが言われた。もう一つは土井君のように討論をするまでじつくり一週間も一箇月も日を置いて、議論のまとまつたところで討論をしていただくことが理想的だが、暫定予算が十五日で切れておる。だからできるだけすみやかにこれを成立させなければ行政力に影響を及ぼす。從つて予算委員会で通過したのだから、なるべく早く成立させるために、本日上程して最短期間に成立させて行政力に支障を及ぼしたくない。それがために各党の態度を決定していただき、予算に対する討論の準備をしていただきますために、昨日は一日予算委員会を休んでおるわけであります。予算に対する論議、あるいは研究は予算案が論議の対象になつてから日久しく、賢明なる諸君はすでに研究せられているのであつて、この上にあらためて日を区切つて沈思黙考する日を置かなければならぬ必要は認められない。以上の見解に立つてわが党はこの予算案を本日緊急上程せられたいと考える次第であります。
#84
○林(百)委員 石田君の論議は非常に便宜論が多い。かつてそういうことが論議せられたことはないというが、この前の暫定予算の場合も同時審議が問題になつた。この國会に予算が上程されておる間に附属法規が上程されればいい。しかしこれに対してもわれわれは強く反対した、ところが今度の場合は、憲法で新たに租税を課したり、税率を変更するときは法律によらなければならぬということが明記されておるにかかわらず、たとえば郵便料の改正、織物消費税、酒税、揮発油税等新しく税を課することになつておる。これでもつてあなた方が言う通り予算を成立させなければならぬということになると、予算が既成事実であつて、あとから既成事実に基いてやるということは國民の権利を侵害することになる。これは一党一派の問題でなく、新しい國会として愼重に考えて行かなければならぬ問題である。しかも政府が手落ちをしておるのに、國会がよかろうということはいけない。
#85
○土井委員 今法制局長が見えているようですから、ただいま林君が言つているような事項について法律上間違いがあるかどうか、ひとつ法制局長の見解をこの際聞かしていただきたい。
#86
○入江衆議院法制局長 私は純粋の立場から意見を申し述べたいと考えます。私の考えるところによりますと、予算はとにかく歳入歳出ともに一つの財政計画の見積りである。しかして歳入の予算がありましても、その通り実行するというような計画でありまして、その実体法規は法律その他のものできまつて來ると考えております。それから歳出につきましては、これはやはり見積りでありますが、その歳出の金額を越えては支出することができないという拘束があるだけでありまして、その歳出がいかなる場合に行われるかという実体も、法律その他の根拠によつてきまつて來ると思うのであります。そういう趣旨から申しますと、予算は一つの財政計画の見積りでありますから、その内容たる実体法規と相伴つて同時的に議決されるならばけつこうでありますけれども、一つの財政見積りとして考えるときは、予算だけが先に議決されるというようなことがありましても、これは憲法上可能なものでないかと存じます。但しこれは法律論ですが、さらに政治論をもし考えるとすれば、できるならば一緒の方がいいと思います。あるいはまた審議をする場合の便宜等から見て、せつかく予算を議決しても、実行できない予算ならいけないという政治論があるかもしれません。けれどもそれらの点は私は申し上げる力もなし、またその必要もないと思います。法律論だけの考えとしては、今私が申し上げた通りを良心に從つて考えております。
#87
○林(百)委員 そうすると憲法第八十四條に、新たに租税を課したり、税率を変更するには法律によらなければならぬということを書いてあるにかかわらず、これを無視して組まれた予算は明らかに憲法に違反した予算であると思う。そうでないとあなたの言われるように、見積りを國会に先に出してしまえば税率が先にきまつて、既成事実を基礎にして行われる。だから新しく税率をかえる場合には、國民の権利を保護して、その前提に基いて予算が組まれなければならぬ。國会が承知しない予算を國会において通すことはできない。ところが憲法第八十四條を読んでこの精神を考えられるならば、法律もできないうちに租税をかけたり、税率を変更して税金を取ることは、明らかに憲法違反の予算だと思う。政府もすみやかにそういう法律を出さなければ、大きな政府の失態だと思います。
#88
○神山茂夫君 ぼくは今の法制局長の弁明については法律上違つた意見を持つておる。これは將來にわたつて大きな問題として残ることは動かせない事実だが、これ以上ここで争いません。
 さらに観点をかえて政府の行政に支障がないようにということが主張されておる。これはまつたく同感だ。だからこそ運営委員会で初めから暫定予算を組む氣がないのかどうかということについて食い下つた。ところがこの問題について政府はいつも明確な態度をとらないで、あの問題について無理押しに押し切つた。本予算についても最低二週間欲しいと言つて林君のごときはずいぶんこまかに話したと思う。そのときにも増田官房長官が來て、できるだけ審議の期間を考えておる。最低十四日ぐらいということを言つたかどうかしらぬが、こちらの希望としては最低十四日ということは希望しておつた。それにもかかわらず予算が四日に出されて、きようで十二日目です。こういうことを考えると、初めに行政上の手落ちがないようにということをあれほど言つて、君たちも聞いていながら、今度の予算審議においては常識のある人には相当むりだと考えられる傾きがあつた。それを押し切つてここでまた緊急上程して、もう一押しするということは、かえつて政府の行政に大きな意味で支障を與える結果になると思う。そういう意味で十分考慮していただきたいと思います。
#89
○佐々木(秀)委員 それはあの当時國会議員の審議権は十分認めて、大体二週間くらいという腹で言つたのですが、予算委員の懸命なる御努力と勉強によつて二週間より早く上つたことはけつこうなことです。それともう一つ憲法違反だというが、これは見解の相違で、ただいま法制局長から言われたように、これは財政見積りであつて、これを運用するときにそれに対する諸般の必要なる法律は必ず政府が出すものなりと信じておる。だからこれは決して憲法違反とは考えていない。從つてこれを本日上程することについてただちに御審議を願つて、先ほど石田君が言う通り、これを一日も早く通してやらなければ行政上支障を來すというのですから、これをすみやかに審議すすべきだと考えます。
#90
○林(百)委員 今佐々木君は、予算は見積りだから、その見積りを実体化するには予算を早く通過させればいいと言われるが、予算の收入は租税で取る。しかもその租税を幾ら取るかということは、國会の法律に基いて初めて確定される。その確定されていない税金を取ることにして予算が組まれることは、明らかに憲法に違反したやり方ではないか。たとえば地方配付税にしても、政府は急いで出す。対日援助資金特別会計も急いで出すと言われるが國会が政府に注意したから出したので、なお出していないものはすみやかに出すのが義務だ。國会が政府に対して言うことは國会としての義務だ。それで初めて國会としての責任を果しておることになる。だから國会は政府に対して嚴重な警告を発しなければならぬ。
#91
○石田(博)委員 さつきの違憲論については一應両方の見解が表明されたので、これ以上繰返しても意見が対立しているのだからしようがない。二週間という審議期間が與えられておるのに、十二日に減つて日にちが足りないからきよう上程するのはむりだ。行政上に支障を及ぼしたのは政府だと言われるが、予算委員会が終らないのにむりに上程しようというのならあなた方の御議論もごもつともですが、予算審議が終了しておる。だからできるだけすみやかに通すためにきよう上程するのが何が惡い。ただ漫然と手をこまぬいて、きようやれないという議論がどこにありますか。
#92
○林(百)委員 憲法上の責任を國会みずから負うということはゆゆしき問題だ。それを本委員会が議論することはしばらく待とうというのだよ。
#93
○石田(博)委員 ぼくらは憲法上違反でないという見解なんだ、だからわれわれの見解としては、もう予算委員会の審議が終つたのだから、これ以上日を延ばすことは行政その他に大きな支障を來すので、本日上程したいというのだよ。
#94
○土井委員 これは問題がこういうところにあるのだ。要するに政府が、たとえば暫定予算を出す場合において、われわれ議院運営委員会の立場から言つても、また予算委員会で審議する面から言つても、十五日までの暫定予算は、事実上において本予算の審議期間をそれだけ縮めることになる。本予算の審議期間はできるだけよけいもらいたい。そのためには暫定予算も日割予算でなく、月割の予算を組んだらどうかという警告さえ実際與えておつた。ところがそのことは事実上において行われないで、十五日までの暫定予算を組まれた、そうすると提出さるべき本予算の審議はどうしても十五日までしかやれないという既成の事実がそこに出て來ておる。その既成の事実に從つて、予算委員会においては多数の力によつて、たとえば審議の期間、あるのはその他の点についてもそれぞれ議員の数に從つて割当てられる。それは当然のことであつても、より審議の期間を與えてもらいたいときに、それが事実上十分に與えられなかつた。そういうふうに多数の力によつて予算審議期間も十分與えないでおいて、予算委員会も終つたから、ただちに緊急上程をしようということはむりでないかというのだよ。
#95
○石田(博)委員 審議が終了していなければまだ延ばすというのもいいが、審議が終了しているのに……。
#96
○椎熊委員 私は今法制局長の專門的な見解を聞いて一應それを了承したいが、それと民主自由党の人たちがきよう緊急上程しようという意図とは非常な矛盾があると思う。予算は財政計画の見積りで、実際の運用で行くのには、それを裏づける法律がなければ動きが取れない。その法律が出て來ないのに、きよう一日爭つて通してみても、その法律が出て來ない以上死んだ予算も同じです。しかも七十幾つ閣議決定して、そのうち五つか六つしかオーケーを取つていない。そうすると一日や二日急いで本会議で可決してみても、あなた方のいうように一日も行政上に支障を來さないために通すという御議論と矛盾する。死んだ予算を通してどうなる。法律が出て來なければ生きて来ない。ぼくはきようやるのはいいが、君らのいうことに矛盾があると思うんだ。
#97
○佐々木(秀)委員 予算を裏づけするものがなければいけないという議論は成り立たぬよ。郵便料金、揮発油税その他幾つか裏づけしなければならぬものがあるかもしれないが、大多数はそれがなくても運用できるものもある。
#98
○椎熊委員 裏づけがなくして法律は実行できやしないよ。
#99
○平川委員 法制局長にお尋ねいたします。ただいま問題になつております歳入の範囲に歳出が拘束されるということになれば、法律が通らないで歳入の面が漠然としておる予算を現実には執行することができるかどうか、法律論からはつきり伺いたいと思います。
#100
○石田(博)委員 私たちは今の問題についてはすでに法制局長の意見を聞いておる。そうして予算と関連法案との問題については、われわれの法律上の解釈と、林君やその他の諸君の見解と明らかに対立をしておる。そこでこれ以上この問題について議論の余地がない。先ほどから法律の裏づけがない歳入を基礎にする予算は動きがとれないじやないかと言われるが、法律の基礎を持たない部分についてはそういうことは言えるかもしれないが、一年間の歳入であるし、その他の部分もあるのだから……。
#101
○土井委員 鉄道運賃や郵便料金の値上げは歳入と密接な関係があるじやないか。
#102
○石田(博)委員 それは一部分ではないか。政府職員の給料は十五日までしかないのだよ。
#103
○林(百)委員 予算委員会で審議しておる間に政府が出すべき法律を出せばいい。それが全然國会に上程されないうちに予算を國会で議決したということになるとおかしい。そこで私の方は新しく動議を出したいと思う。ぼくの方は附属法規が國会に上程決定されるまでは、本予算は本会議に上程すべからずという動議を出したいと思います。
#104
○石田(博)委員 それにつきましては、先ほどから予算と関連法規との関についての法理論を闘わして、また法制局長の意見も聽取いたした次第であります。私どもは林君の見解とまるきり違つた見解を持つておるのです。関連法規は理想論としては同時、あるいは事前において決定されることはけつこうだけれども、しかし法律論の解釈としては、現在予算を審議してさしつかえないものとわれわれは考えるのであつて、行政執行上すでに十五日で暫定予算が切れてしまつておるのだから、これをすみやかに成立させる必要があると思いますので、林君のただいま提出の動議には反対であつて、さらにこの動議についての討議は省略して、ただちにこの際採決せられんことを望みます。
#105
○椎熊委員 石田君は十五日で暫定予算が切れておるというが、切れた後に一日急いでこの予算を通しても動きがとれないじやないか。そこで平川君と同一の質問として、長官の法律的見解を伺いたい。
#106
○入江衆議院法制局長 ただいまの御質問に対しまして、私の見解を申し上げます。先ほど申し上げたことと同じことだと思いますけれども、歳入はやはり予算見積りであります。從つてこれを実行する場合に、税法であるとか、その他根拠法規、すなわち実体法規が通つていなければ、その部分については実行できません。それは明らかだと思います。しかしながら予算は実行できない部分がかりにあつたとしても、実行できる部分はもちろん実行できるのであります。それだけ申し上げればいいかと思います。
#107
○石田(博)委員 今法制局長の意見を聞かれて、それについてあなた方が反対であるか、賛成であるかということは法制局に言われる必要がない。この際林君提出の動議に対して、議事進行上すみやかに採決せられたいことを望みまする。
#108
○大村委員長 ただいま林君から関係法規の提出されるまで予算案を上程すべからずという動議が提出されましたが、これの採決をいたしたいと思います。林君提出の動議に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#109
○大村委員長 少数、動議は否決せられました。
#110
○石田(博)委員 新しい動議を提出いたします。今関係法規が提出せられるまで予算案を上程すべからずという動議が否決せられましたが、本日すみやかに予算案を本会議に上程せられんことの動議を提出いたします。
#111
○大村委員長 ただいま石田君から本日の本会議にすみやかに予算案を上程すべしという動議が提出せられました。これにも反対がございますから採決いたします。
 ただいまの石田君の動議に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#112
○大村委員長 多数、よつてその通り決します。
#113
○林(百)委員 それでこういう問題がある。実はこの問題を本会議にかけるについては、今言つたような重大な問題がありますから、一應緊急質問をして政府の責任ある言質をとつて、それから討論に入りたいと思います。
#114
○佐々木(秀)委員 林君のこの予算案に対する御意見は、この予算が本会議に上程されて反対討論をされるときになさればいいので、ことさらに政府か言質をとるという必要性は認めません。
#115
○林(百)委員 実はこれが違法であるかどうかという問題が一つと、かりに國会を通過することが適法であるとしても執行が不可能ではないかという意見さえある。そこでこうした責任を國会が負うことは將來の重大な問題になるので、一應政府の責任ある言質をとつておくことは必要だと思う。
#116
○石田(博)委員 この問題についてわれわれは違つた見解を持つております。君たちの手にひつかかつて時間を延ばされるのはいやだが、とにかく本案に対する質疑の形で質疑されることは認めましよう。質疑があつて討論、そういうことに賛成いたしましよう。すみやかに日程の協議に入られんことを望みます。
#117
○大村委員長 それでは本日の運営委員会はこれで散会いたします。
    午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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