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1947/10/15 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 文教委員会 第11号
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1947/10/15 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 文教委員会 第11号

#1
第001回国会 文教委員会 第11号
  付託事件
○教員養成の諸学校に宗教講座を設置
 することに関する請願(第一号)
○新制中学校の経費を全額國庫負担に
 することに関する陳情(第十一号)
○日本國起上会設立に関する陳情(第
 十六号)
○岐阜農林專門学校を農林大学に昇格
 することに関する陳情(第二十号)
○新制中学校の経費を全額國庫負担に
 することに関する陳情(第二十五
 号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担にすることに関する陳情(第四十
 一号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する請願(第十二号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第四十
 二号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第四十三号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担に関する陳情(第五十五号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第五十六号)
○公立学校人件費を全額國庫負担にす
 ることに関する陳情(第六十五号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第七十
 八号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第八十
 二号)
○学用品に関する陳情(第八十七号)
○六・三教育制度完全実施に関する陳
 情(第九十号)
○新制中学校舎建築費國庫補助に関す
 る陳情(第九十二号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第九十
 四号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第九十五号)
○私立中学校に対し國庫補助金下附に
 関する陳情(第百号)
○金澤市に官立北陸総合大学を設置す
 ることに関する請願(第三十三号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百六号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百八号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百十
 二号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百十
 七号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百二十号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百二
 十五号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百二十六号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百二十九号)
○教科書並びに学校施設に関する陳情
 (第百三十四号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百四
 十一号)
○金澤市に総合大学設置に関する陳情
 (第百四十六号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百五
 十八号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百六
 十号)
○新制高等学校実施促進に関する陳情
 (第百六十一号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第百九
 十一号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第二百
 十五号)
○戰災学校復旧資材の配給に関する陳
 情(第二百十九号)
○盲教育義務制の実施に関する陳情
 (第二百二十一号)
○六・三教育制度の完全実施に関する
 陳情(第二百二十三号)
○ローマ字教育に関する請願(第百六
 号)
○科学勲章制定に関する請願(第百十
 七号)
○ローマ字教育に関する請願(百四十
 一号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第二百
 二十四号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第二百
 四十七号)
○山陰大学設置に関する陳情(第二百
 六十号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第二百
 六十九号)
○熊本藥学專門学校の復興に関する請
 願(第百九十七号)
○六・三教育制度の完全実施に関する
 陳情(第三百十一号)
○京都工業專門学校を工藝大学に昇格
 することに関する陳情(第三百二十
 二号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第三百
 三十九号)
○佐賀縣に学藝大学を設置することに
 関する陳情(第三百五十三号)
○濱松工業大学設置に関する請願(第
 二百六十号)
○六・三教育制度の経費を全額國庫負
 担とすることに関する請願(第二百
 六十四号)
○六・三教育制度の経費を全額國庫負
 担とすることに関する請願(第二百
 六十七号)
○六・三教育制度の経費を全額國庫負
 担とすることに関する請願(第二百
 七十四号)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 担とすることに関する陳情(第三百
 五十七号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する陳情(第三百五十八号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する陳情(三百八十九号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する陳情(第三百九十八号)
○松江市に山陰大学に関する請願(第
 三百二十号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する請願(第三百三十八号)
○実業教育大学実現に関する請願(第
 三百三十九号)
○勤労青年教育の定時制高等学校設置
 に関する陳情(第四百二十一号)
○福岡縣に第二学藝大学設置に関する
 陳情(第四百三十三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
   午後一時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○体育界実情調査の議員派遣要求に関
 する件
○軍用施設の轉用方針に関する件
○濱松工業大学設置に関する請願(第
 二百六十号)
○六・三教育制度の経費を全額國庫負
 担とすることに関する請願(第二百
 六十四号)(第二百六十七号)(第
 二百七十四号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは第十一回の文教委員会を開催いたします。初めに前回に決議がございました金澤に全日本のスポーツ大会が開かれまするに当りまして、本委員会から調査においでになる委員三名以内を銓衝することにつきまして、人選につきまして御一任を受けておつたのでありますが、それにつきまして、いろいろ諸般の事情を考慮いたしまして、鈴木憲一君、安達良助君、松野喜内君の御三方に、大変御迷惑でありますけれども御足労を願うということにいたしました。さよう御了承を願います。尚これにつきましては、議員派遣の問題は、この頃大分やかましくなりまして、衆議院などで非常に嚴重に、むしろ消極的な方針で以てやつておるようなふうに聞きまして、先程もちよつと常任委員長の会議でもそういう話が出ました。これは運営委員会に掛ける習慣になつておるのでありまして、運営委員会の方ともその必要につきまして十分了解を得たいと存じております。さよう御承知置きを併せてお願いいたして置きます次第であります。
 今日の議題でございますが、先ず御異存ありませんければ、大藏大臣が非常に多忙のところを出席されましたので、順序を変更いたしまして、最後の運用施設の轉用方針についてという案件から始めたいと存じますが、いかがでございましようか。
#3
○委員長(田中耕太郎君) それではさように取計らいます。この点につきましては小野委員から御発言の要求がございましたので、小野君お願いいたします。
#4
○小野光洋君 この問題は、主として私立学校が終戰後應急処置として、旧軍施設を校舎に轉用しているという問題が中心であります。
 併しこれはただ單に私立学校だけではなく、全國の公立学校も同様な状態になつておるのが、むしろ私立学校よりも数においては三倍ぐらいあるのであります。今更教育がどれだけ、文化國家建設の上において重要なものであるかというようなことを申上げる必要もないことでありますが、具体的な問題といたしまして、現在全國の私学において戰災を受けた学校が、大学十五校、專門学校五十七校、中等学校三百十五校、合計三百八十七校が罹災をいたしております。この罹災学校の中で特に校舎が破壊又は燒失してしまつて、全然滅失の状態になつたものが四十二万坪に及んでいるのであります。尚その外に小破或いは原型の一部分は残しているけれどもというものを加えますと、その坪数は実に厖大なものになるのであります。そこで私立学校のみならず全國の学校は、終戰と同時にその用途を失いました軍施設を校舎に轉用するということが行われたのであります。これは蓋し当然の処置でありまして、その問題の進展に対しましては文部当局の苦心、大藏当局の理解、地方財務局等の理解も相当あつたやに我々は考えられるのでありますが、併し終戰後二ケ年になりまして、これをどう処理するかということが相当各地において問題になつているのであります。特にこの問題の焦点になつておりまするものは私立学校でありまして、現在大学においては八万一千九百坪、專門学校においては五十一万七千余坪中等学校においては約五十万坪という土地と、それから建物におきましては大学が一万四千坪、專門学校が三万二千坪、中等学校が三十一万三千余坪、合計三十六万六千余坪というようなものが、私立学校で現在軍施設を轉用いたしている状態であります。尚公立学校におきましてこれを轉用しているものは約この三倍と見てよろしいと思うのであります。これらの現在軍施設を轉用しているものにつきまして、大藏当局は地方の財務局にこれが管理を命令しているのではないかと思われるのでありますが、地方財務局におきましては大藏省本省の指令だというようなことを言いまして、使用しているところの各学校に対して相当の價格を以て拂下げ交渉に應ずるというような申入れをしております。最も甚だしいのは、それを建てましてから四十数年も経つている日露戰爭の時に建てた木造家屋を五千四百円くらいの闇相場で買え、若し私立学校がこれを買わないというならば、これを競賣に付してしもうという態度に出ておるところもあるようであります。尚又それだけでなく、旧軍施設轉用につきましてもその方針というものが殆んど定つておらなかつたものか、一つの棟の一部分は戰災引揚者或は罹災者の住宅になつておる。一部分は学校になつておる、それから又、それに隣接した他の棟は工場になつておるというようなことで、実に教育機関の運用の上から見ますと、全くこれ無方針を暴露しておるので、應急の処置としては止むを得ないとはいえ、終戰後二ケ年になつてもこんな状態が引続いて行われておるということは放置できないところの國民教育上の重大問題だと思われるのであります。尚又これらの問題につきまして、現在使つておるところのものの処理方針というだけではなく、尚又轉用その他利用方法が立つておらないために、すでに立ち腐れになつてしまつた、或いは管理者が十分眼を届かせないために、或いはガラスを外すとか、建具を持つて行くとか、甚しいのは柱まで持つて行つてしもうということになつておるところの建物も相当ある。或いはつい最近まで利用しておつたために原形は留めておるがというような状態なのもあるし、全國におきまして未使用になつておる或いは放棄されておると見られる部分のものが相当数あるのであります。現在資材難によつて学校教育の施設として十分行われてないために、二部教授或いは三部教授というような状態になつておるところ、或いは又寺子屋のように寺や神社を使つておるというところがあるにも拘わらず、一方においてはさような厖大な資源がそのまま放置されておるということは、これ又國家経済の上におきましても、又教育推進の上から考えましても、放置できないところの問題だと思うのであります。これらのことにつきまして、大藏当局は一々全國の各地に散在しておるところの、これらの旧軍施設或いは又旧軍の管下にありましたところの各工場の施設で、國有財産となつておるものの処理について、大局的にどういうふうにするかというような方針を明示せられまして、その方針を各末端のこれが管理者に十分徹底せしめるような方法を取り、現在も苦心を重ねておりますところの学校の運営について十分なるところの資材を與えられるように御処置願いたいと思うのであります。勿論大藏大臣はこの問題につきましては相当重大な関心を持つておられる点について、我々も不断から敬意を拂つておるのでありますが、やはりこれらが御自分がお考えになつており、或いは中央で考えておるだけでは一向具体化しないのでありまして、これを直ちに具体化して頂くような方針と、それに伴うところの方法を樹立して頂きたいということを願いたいのであります。尚この問題につきまして、我々といたしまして、どういうふうに処理いたしたらよろしいかという考えもありますけれども、一應この問題についての大臣の御所見を伺いまして、その上尚我々の希望を申述べたいと思うのであります。
#5
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。この教育が戰爭中及び戰前にもどうも遅れ勝ちである、殊にその費用とか設備において、軍事施設が先になつて、遅れ勝ちであるということは、私も聊か私学に関係しておりますので痛感したところであります。終戰後におきましても、殊に校舍その他が燒失いたしまして、そのあと埋めに新しい校舍を建てるということはこれ又各自要望しておるところでありますけれども、実際におきましては資材その他の隘路がなかなか大変ございましてできないのであります。そこでこれを他の既存の建物を利用し轉用して、この校舍を充実するというような方策は立たないかということは、私も野におりますときに常に考えておつたのであります。その方法は二つあるのでありまして、一つは、この固有の財産中、殊に軍事施設、その他の施設が國有になつております、それを拂下げて、そうして校舍にする場合であります。他の一つは、工場、その他の建物が企業再建整備の結果、空いて参りまして、そうしてそういうものを校舍その他に轉用する場合が最も手取早いものだろうと思うのであります。從來私は金融の方にも関係しまして、工場その他を校舍に轉用した、又それに助力した例は多々あるのであります。今回図らずも大藏省に参りますと、尚又校舍の問題が起つておりまして、國有財産のうち、兵舍その他の建物、不用になつた建物を校舍に轉用するという問題が起つて参つたのであります。私は最も手近な方法であると思つておるのであります。そこで國会におきましても、尚地方長官会議におきましても、しばしばそれを述べて慫慂したのであります。ところが、その後いろいろ地方の事情、或いは係官と希望者との話がうまく付かないというようなことでいろいろ問題を生じ、それが私の方まで直接参つて來た例も多々あるのであります。
 例えば横須賀の海軍の建物を上智大学に提供する問題、こういうような問題が沢山あるのであります。そこで実はお尋ねをここで受けるまでもなく、これが実状を調査したのであります。そうしますというと、こういうような例もあるのであります。地方におきましては無償或いは非常に安い値段で引取らしてくれ、こういうような氣持が非常にあつて、不調になつておる例も沢山あるのであります。無償とか或いは甚だしい安い値段でお賣り下げするということは、これは今日の國家財政並びに関係先からの指令その他にも反することでございまして、これはできないのでありますけれども、ただ適当なる値段で讓り渡すにつきましてもこれが支拂について、或いは延べ拂い等の考慮の余地はないか、更に支拂われるまで一時使用をせしめるというようなことも考えられはしないかということで、係の事務当局にも研究さしたのでありまして、それは大体その具体的な話が起つて來れば考え得る余地があるのであります。そこで本日は局長を帶同するはずでございましたが、実はさつきの上智大学の問題で総務課長が横須賀に参つております。そこで具体的な細かい問題は総務課長にお尋ねを願いたいと思いますが、根本としては、私は学校の校舎或いは病院その他の公共に使うものは、優先して兵舎の使用及び処分をいたしたい、かように考える者であります。これが第一の私の考え方の点であります。
 第二の点としましては、これが支拂いであります。價格も甚だしく安くするとか、無償というようなことは、これは規定その他でも禁止されておるのでありまして、これはできないのでありますけれども、ただ適当なる値段でお讓りするということはできる問題であります。ところで、只今いろいろ基準というような、賣却値段の基準というようなものを作つておるのであります。併しその基準の作り方につきましても、非常に急いで作つたり或いは机の上で作りまして、各地の情勢に適應しないものがあると思うのであります。そういうような点は早急に改めるように申しておるのであります。例えば同じ建物にしましても、信州の山奥の建物と東京の眞中にある建物とは、仮りにコストは同じであつても、價格としては同一にいえない場合が多々あるのであります。それから半ば倒壊しておるような建物につきましては、その修繕費等も相当掛かるということを見て適当なる値段も考えたい、さようにも考えておりますので、値段の点は只今再檢討をいたしております。それでこの校舍のごとき公共の用に供するのに適当なる値段でお讓り渡しするということは、これは十分大藏省でもいたしますということをお約束していいと思うのであります。
 それからこういうような問題もあるのであります。この讓り渡す場合に一時使用をしておる。そこで校舍と工場とかその他が雑居しておるというような問題は今もお示しでございますが、あるのであります。この間宇都宮へ参りまして、あそこの兵舎の後がやはり学校、工場、学校、こういうような順で並んでおつたのであります、学校、工場、学校、それから大藏省の專賣局こういうようなふうに並んでおつたのでありますが、これは取急ぎ入れたものでありまして、一時使用であつて、永久的な使用とか処分を許しておるのじやないのであります。そこでこれは風教上どうも面白くないというようなことも私痛感したのであります。そこでこういうような場合には一時使用が永久的使用にならん中に、成るべく速かに適当に処理して、学校は学校で集めるというような方針を取りたい、こう考えておる次第であります。
 それから例えば値段などの問題で、学校へ貸しておつたけれども、もつと高く賣れるから工場に賣るから出て行け、こういうような例があつたということの話を聞いたこともありますが、そうまでの話もあるまいと思いますけれども、併しまあ國庫が窮乏しておる、そのために少しでも高く賣ろうという意味で、或いは出先がそういうことをしたかも知れません。併しそれは間違いでありまして、高いからといつて何もどこへでも賣るという趣旨ではない。これはむしろ公共の用に供するものを優先するという方針を持つておりますから、さようなことはいたさんつもりであります。それから買わないのなら出て行け、それでないと競賣にするぞというような話も聞いたのでありますが、これも何かの間違いだろうと思うのであります。商人が品物を賣るような氣持で大藏省は勿論おらんのでありますから間違いだろうと思います。又そういうようなことは仮にも起さすようなことをいたさんつもりであります。尚こういうような兵舎を國有に移して、國有財産局で管理しておるものは、その係などは多くは一時的の措置でありますが、從來の陸海軍の人を以て充てておるのでありまして、それで自然経済その他の方面との懸隔があり、又教育などの方面にも懸隔がありまして、その懸隔から或いはいろいろ……中央ではよく考えておるけれども、出先はどうもうまく行かんというようなことがありはしないかとも考えたのでありますが、こういうような應急的の人員の措置も近く廃止されることにも大体なつております。且つ又我々としましても人員を整備する、そうして配置轉換等によつて適当なる者をそういう出先に廻したいと考えております。
 尚各地方の財務局長の会議その他には十分指令をいたしまして、そうして手違いのないように、学校とか、病院その他の公共の用に供する場合には優先的に而も理解を持つて処理するように指図をいたすことに相成つておりますのであります。そこで一つ國民の、殊にそういうもうを御利用になる方につきましてもお願いしたいことは、ただ國家のものだから貰つたも同然だ、そういうこともないと思いますけれども、時には無償で貰えるというような氣持のお話も随分あつて、話が調わんということもあるのであります。そういうようなことはなかなかむずかしいのであります。至つて適当ならざる値段でお讓りするというようなことを考えておりません。又校舎として使用になるについては、その目的などを十分考えた適当な値段でお讓りしたいというようにも考えておりますから、その趣意をよく國民も汲み取つて、そうして成るべく校舎の新築よりも、こういうような兵舎その他の國有財産である建物の轉用によつて、少しでも早く教育の用に供して頂きたいと考える次第でございます。
 極く抽象的でございましたが、大藏省の方針として考えておるところを申上げた次第であります。
#6
○矢野酉雄君 今小野君の御質疑に対する御返事は、私非常に民主日本を建設するという國策上の重大問題であつて、而も大藏大臣がその所信を率直に御披瀝になつたのは、民主日本を建設するという立場並びに日本の教育の將來において、一つの非常な明るさをここに示して頂いたと信ずるのであります。是非大藏大臣の大藏当局としての文教に対する根本的方針が隅々に、末端に到るまでその精神が具現して行きますように、一層の御配慮を願うと共に、私はこの機会に特に大藏大臣に一歩突き込んでお願いして置きます。本日は文部当局もお見えになつておりますから、十分今の大藏大臣の根本的御方針を呑み込んで頂いて、そうして文教行政についての一々の問題について、あの根本的精神から適当な処置をして頂きたいと思う。又本日は恐らく我が文教の関係者は大藏大臣のこの言明に対して、眼を開き耳を張つて聽いて呉れておると思うのであります。
 私が一歩を突き込んでお願いして置きたいという根本的問題は何であるかというと、今までの我が國の文教に対する予算は、御承知のごとく全予算の僅かに四分八厘である。口にはいろいろ文教の重要性、その刷新の必要を説きながら、現実においては、実に惨怛たる有様であつた。かかる実情においてそこに文化國家或いは平和國家というも、結局は制度機構というものは第二義的のものであつて、問題は人である。その人を結局民主的な日本建設の人たらしめるためには文教の刷新以外には途がない。そういう点に着眼いたしまして、幸いにも現在の大藏大臣は教育のいわゆる理論家であると共に教育の実際家であられる。現に現在におきましても最高学府において教鞭を取つて頂いておる、その人を得ておるのであります。國家の重大なる財務当局の責任者であると共に文教の実際家であるという人を得ておる今日において、私は日本の文教に対する予算が、今までのような実に惨めな予算を與えられておるというようなこと、むしろ野蛮的な予算の組み方というものを根本的に一掃して、少くとも全予算の三分の一、進んではもつと増加して行くというような構想の下に、その下から出発した最善の方針、大藏省所管の國家営造物を優先的に学校のために運用するというような方針が生まれて行くということを、私は大臣の経歴を知り人と爲りを存じ上げておりますので、その根本的基盤に立つての御意見であると私は信じて更に喜びを深くする者であります。どうぞそのご方針の下に、未だ曾つて日本の財務当局の鍬を入れなかつた未開拓のところのものに一つの鍬を入れて頂くという意味においてますますご奮闘あらんことをこの機会に特に切望する次第であります。
#7
○委員長(田中耕太郎君) 大藏大臣は二時から司令部に行かれる約束があるそうですから……。
#8
○小野光洋君 ちよつと簡單ですから……。賣る買うというからには價格ということが問題になるのは当然ですが、價格を政府で適当に決めてこれを押し付けるということは、これは非民主的というか少し横暴ではないかということになるわけですが、ここで價格を適当に決めるためには、協定委員会とか何かと民間と官と両方の委員会でも作つて、そうして適当な評價をして頂けるようにして行きたい。財務当局が勝手な價格を決めて、これが適当な價格だ、これが適当だとおつしやられて下の方へ押し通されては、これを抗弁する余地がない、そういう具体的のことについてお考えを願いたいと思います。
 それから價格だけを問題にすれば、高い方へ賣るということに一應なるのでありますが、先程大臣の言われた通り、優先的に扱うという根本方針は、ここに相当の價格の開きがあつても或る程度呑み込んで行くということが、具体的に定められなかつたならば、優先的と口で言いましても、同じ値段で買うならばこちらの方が先だというようなそういう優先ではいけない。その点を一つ考えて頂きたいと思います。
 それからもう一つは、私立学校の場合におきましては、賣買契約をいたしましてもどうして拂うかということです。高い安いということは現在私学としては問題にならないのです。どうして拂うか、高かろうが安かろうが拂うことが大変なんです。そこでいかにして拂うかということを考えて頂かないというと、この賣買契約、拂下げ契約というものは成立しないわけであります。私学総連合会ではこの問題を解決するために、曾つては教育金庫法案を立案し、又或る筋のサゼスシヨンによりましてこれを復興金融金庫改善案ということにいたしたのでありますが、いずれもこれは難航で、なかなか資金を捻出する具体的方法になつておりません。併しながら何らかの方法を以て、必ず私学の窮状を打開するこの資金捻出方策を、大臣の御了解によりまして成立させたいと念願しておるわけであります。そこでそういうものが成立するということを予想して、少くも私立学校に拂下げるべき軍施設は、そういう機関が成立したならば、一括してこれに拂下げる。極めて妥当な値段で一括して拂下げさせて、それをして極めて合理的に処理させるというような方法を是非お考え願いたい。こういう方法は大臣の念頭の中に解決案として恐らく組み込まれておることと思います。是非それを具体化して頂くようにお願いをいたしたい。
 これらのことは私学の現状としては、どうしてもそうしなければ、これはいかに拂下げ契約をいたしましたところが実行不可能になるわけです。この点について大臣の明確なる答弁というとなんでございますが、こういうふうにしたいという希望でも結構でございますから、お伺いいたしたいと思います。
#9
○松野喜内君 関聯して序でにお答えを願いたいと思いますから、質問をお許しを願いたい。
#10
○委員長(田中耕太郎君) 簡單にお願いいたします。
#11
○松野喜内君 簡單に申上げます。文教の方に格別の理解と好意のある大藏大臣の御答弁に矢野委員、小野委員と諸共に満足する者でありますが、今小野委員からお尋ねの、こうした軍用施設轉用に関して関聯して伺いたい一点は、國の持つている軍用施設或いは工場のことはいま伺つて分りましたが、第三國関係の建物、例えばドイツ人が経営した工場があつたり、オフィスがあつたり、或いは学校があつたり、そういうものを轉用して貰うにはどんなお考えであられるかを伺いたい。併せてお願いをいたします。
#12
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えをいたしますが、この六・三制の場合でもそうして又私立学校、又官立の場合でも、國有財産たる家屋を優先的に校舎に轉用するということについては、実はこういうような方法でやりたいと考えておるのであります。いづれ閣議に諮つてしたいと思うのであります。それは國有財産に属する家屋その他を校舎等の公共の用に供する件とか、こういうような一つのものを決めたいと思うのでありまして、その中には、今の値段の決め方の問題とか、或いは優先とするということもはつきりして置きますし、それから支拂いの方法等についても十分はつきりしたものを決めて、そうして閣議で決めて、それを早急に実行に移したい、こう考えておる次第でございます。それでこの支拂いの方法でございますが、それはあり余つて金があれば是非現金でお拂い願いたいのであります。ない場合も多かろう、殊に地方の自治團体の財政の窮乏しておる現在においては多かろうと思うのであります。それから又この私立学校においては尚更多かろうと思うのであります。そういうような場合にはいろいろ方法もあろうと思いますけれども、今日までもいろいろ方法を考えていらしやると思うのであります。私といたしましては、殊に私の所管の大藏省の関係におきましては、預金部資金というものを、地方の自治團体が地方債の引受けというような形で、この資金の中の一部分を貸下げて貰いまして、そうしてそれを支拂いに充当する。こういうような方法も一つの方法であります。自治團体が買入れをなさる場合は、それは直接できますし、又私立学校その他がなさる場合におきましては、その所属の地方自治團体が預金部資金を貸下げて貰つて、それを更に轉借を受けておやりなるというようなことも一つの方法であります。いろいろ方法があろうと思います。又支拂いも学校等の場合においては特例を設けて、そうして一種の延拂いをするということにいたしますれば尚樂になるのじやないか、かようにも考える次第であります。
 それから第三國人が持つている家屋を轉用するの問題であります。これはこの占領下の今日においては、直ちにここでできますということを申上げるわけに参らんのであります。第三國の関係は占領下の特殊事情によつて、その筋とも連絡をとつて一つ研究して、若しできますならばそういう方途も講じたい、かように考える次第でございます。
#13
○委員長(田中耕太郎君) 本件につきまして尚御発言がありますれば続けて……。
#14
○鈴木憲一君 大臣にお尋ねすればいいのですが、お帰りなりましたから……。まだ軍施設で以て行先が決まつておらんというようなものもあるように思つておりますし、尚現在使用しておるものも漸次空くという可能性もあるものもあるわけであります。或いは一時疎開者が入つておるが、もう出るという見込みのあるというふうな軍施設もあります。そういつたような行先のきまらんもの、及び漸次使用可能になる見込みのある軍施設等については、今後優先的に学校方面に拂下げるとか、轉用せしめるとかというような考え方を大藏省で決定して頂くというと、非常にこの校舎の窮屈な場合に、各地方の自治團体及び私立学校等の関係者が明るさを感ずるのではないかと思うのです。そういうことができ得るかどうかということについてお考えをお伺いいたします。
#15
○委員長(田中耕太郎君) 政府委員でありませんが、國有財産局の今泉総務課長からお答えしたいということであります。発言を許すことに御異議ありませんか。
#16
○委員長(田中耕太郎君) どうぞ。
#17
○説明員(今泉兼寛君) 私、國有財産局総務課長の今泉でございます。先程大臣からも詳細御答弁申上げました通り特に戰災学校の復旧問題、今後起りますところの六・三制の実施の問題に関聯いたしまして、全國で校舍になるべき建物が非常に拂底しておるという実情に、又この実情に対処いたしまして、旧軍用財産であつた建物をできるだけこれに充当するという方針、これは私共といたしまして、文教の重要性ということは十分只今大臣もお話になりました通り認めておりまして、將來今使つておる建物が空いたといつたような場合に、できるなら成るべくはそういつた、特に緊要度の高いものにこれを轉用して行くという点は、事務当局といたしましても何ら異存はございません。ただこの際にちよつと一言お断り申上げて置かなければならんことは、現在使つている建物が果して学校の校舍として最適であるかどうか、元は工場の施設や何かしておつて、これを校舍に建直しするのには非常に莫大な費用が掛かる。そうじやなくて、これを何か生産方面に、特に生産方面でも現在の重要産業になつておるといつたような業種に轉用すれば、そのままの施設がそのままでそつくり十分活用できる。こういう場合でありました際は、学校の重要性も勿論認めますが、その施設の如何によつては、それを最も全幅的に活用するという見地から申せば、必ずしも学校にだけ非常に手数と費用を掛けて轉用するということじやなくて、やはりそれと併せて、産業の復興ということも非常に重要な点でございますから、そういつた際はどつちかといえば今の産業施設にぴつたり合つた産業方面に轉用するのが適当じやないかというふうに考えられますので、必ずしもどの施設でもすべて学校に全部充てるということはちよつと約束し兼ねると思いまするが、そうじやなくて、その施設がそのまま、或いは大した手数も掛けずに学校の方面に轉用できるといつたような問題がありましたらば、その際はできるだけ教育の重要性ということも考えまして、その方に轉活用するような方針をとつて参りたい、こう考えておる次第でございます。
#18
○矢野酉雄君 僕は今の総務課長の御説明は今までのいわゆる大藏当局のお考えをそのまま代表していらつしやるのじやないかと思うのです。それで殆んど今まで教育の予算というのは切られて來たのです。折角大藏大臣がああいう一つの根本的原則を示して頂く以上は、総務課長は大藏省内における本当の大藏行政の実務に当られて、最も責任のある地位の方でありますから、勿論産業も必要です。厚生施設も必要です。何でも必要です。併しながら最も目の先に効果がそのまま現れないためにという、この一つの常識的の考えからして、文教の費用というものは、明治以來ずつと一番末座に置かれるような、実に貧弱なる実績をずつと示して來ておるのです。私はこの機会に、最前申上げたように、大藏当局自体が、実は文部省の諸君が考えておられるその考えを、大藏省の主務当局の方々のお考えにまで一つ咀嚼して頂いて、その上に立つて國家の全体を見通して、そうして文教費を決定されるというようなふうに、一つ構想自体を三百六十度に轉換して頂くという、その問題を私は衷心から特にお願いしておる次第であります。現にこういう事実がございます。場所は福岡です。御承知のごとく六・三・三・四の新学制の下に、いわゆる中学校が大体新体制高等学校になるでしようし、或いは師範学校が、私は学藝大学という名前が根本的に嫌いでありますが、教育大学か師範大学にするべきであるという持論を持つ者でありますが、それらの一つの大学への途がここに開かれるとき、今現に厚生省所管のいわゆる病院が二つある。而も片一方の病院は患者が少ないために、福岡市長三好君のところに何とか患者を余計に世話をして呉れないかというような実情である。ところが一旦これを福岡第一師範学校の、師範大学の校舍として、さて交渉し掛かろうとするというと、俄かにその一つの病院の施設を形式的に整えて、そうしてこの移管は罷りならんというような態勢を示す。こういうことは國家の全体から考え、又百年の大計から考え、緊急なる処置をなすべしという両方面から考えてみて、余りにも行政各官廳のいわゆる割拠主義というものの暴露であつて、すべからく最前大藏大臣の言われた一つのプリンシプルというものは國是として考えるべきものである。二つ同じ地方にあるならば、すべからくその管轄が厚生省にあろうとも、その他の官廳のものであろうとも、いわゆる文教の建物として欣然としてこれを移管する。そういう場合に大藏当局は最前の大藏大臣の原則的一つの方針の下に、これを適当に処置して行くというようなふうに、大藏省自体が文教の精神を一貫した大藏省の精神として頂いて、そうしてそこに縦横に財務当局としての專門的の技術というものを生かして頂くようにしたならば、現内閣自体が構想しておるところの文化國家、民主日本の建設ということもここに可能であると思いますから、そういう点も是非一つ御勘考の上で、最前鈴木委員が申上げましたその意見をも十分に御勘考下さいまして、大藏当局の内部の方々自体がそういう氣持で積極的に力を協せて行くというような、一つ新しい態度をお取り下さいますように切に希望して止まないのであります。
#19
○鈴木憲一君 先程の話に続くのでありますが、大藏当局もこの学校方面、教育方面に非常に誠意を持つておいでになるように感ぜられるのでありますが、実際この軍施設などの賣渡しとか拂下げとかというような場合におきまして、学校、地方自治團体或いは私設学校等がこれを欲しいというような場合にも、何しろ團体が交渉に当りますので非常に暇がかかるわけなのであります。ところが他の方面の或る会社とか、或いは企業家等は別に相談することもなく、一二の人の意見を以て直ぐに値段を決めて交渉に当るというような関係から、ややともしますと、大藏省の出先の方が非常に誠意を持つておらないというと、話に應ずる場合に、値段の高いどんどんと話が進む方にばかり乘るというような傾向が今まで非常に多かつたわけであります。学校で欲しいと思つておりましても相談がなかなか纏まりません。そういう相談をしておる中に、すでに外の人の手に渡つてしまつたというような例が随分沢山あつて残念に思うのでありますが、仮りにそういうような心持がその土地の者にあるというようなふうに感ぜられたならば、ゆつくりと構えて、この話に應ずるような構えを是非出先の財務当局は持つて頂きたい。話ができるように扱つて頂きたいということを非常に私は強く希望するのであります。どうも從來沢山に拂下げ物が外の人の手に渡つてしまつて、学校に渡ることが少いというところには、そういう学校がいよいよ話を纏めて折衝するまでに非常に暇がある。財務当局はそういうことを別に誠意を以て聽こうとしないというような傾向が大分あつたのであります。特にこういう点を出先の者に本省より詳細に何か通告なんかをして頂ければと思うのでありますが、大藏当局が学校轉用等に対して非常に誠意を持つておられるという点を感ずると同時に、尚それが実現方について出先に特別な手配をして頂きたいということを強く希望したいと思います。
#20
○説明員(今泉兼寛君) 只今お示しになりました具体的な拂下げの交渉になつた場合に、民間の会社等は相当経理関係に慣れた人があつて、てきぱきと話が進めて行かれる。学校の当事者はそういつた会計とか経理方面には余り堪能な方がおられないために話が長引く。その結果話の早い方の民間会社に建物とかその他の財産の拂下げが優先せられるというような結果になつて具合が惡い。その点について辛抱強く、学校の方の何もよく聽いて呉れという御趣旨の点は誠に御尤もであろうと存じます。本件につきましては実は各財務局ごとに現在國有財産処理委員会というものが設けてございます。これは委員長は財務局長がやつておりまして、関係各省の出先、府縣であるとか商工局であるとか、鉄道局、運輸局、海運局、こういつたような出先関係がそれぞれに委員になつておりまして、相当重要な、特に地方で相当懸案になつておるような國有財産を処理する場合は、この委員会に諮つた上で、そうしてこの拂下げ等を決定する。こういうことになつておりますので、地方ではそういつた文教の方面を代表する意味において、府縣知事がその資格に当つておるわけでございますが、実はこの委員会を作る際にも、関係筋の方面では單に役所側の委員だけにせず、もつと廣く民間関係の代表者も入れて構成したいという腹案を持つて実は交渉もしたのでございまするが、それは関係筋の方に容れらませんで、そういつたものはやはり当局者が責任を持つてやるのが筋だという意向のために、現在の國有財産処理委員会というものの構成が官側だけになつておる状況でございます。併しながらそういつた文教の要求等は十分各委員、就中府縣当局に十分代弁いたして頂くことにいたしまして、今のようなどういつた所へこれを轉用する、どれを優先さすというような問題は、十分この処理委員会に諮つた上で、公正に決定したいというふうに考えております。それから今の御趣旨の、学校当局の申出も十分聽く余裕を與えよという御趣旨は、至極御尤もであると存じますので、この趣旨は適当な方法を以て、第一線の方にまでよく滲透するように取計らいたいと考えておる次第であります。
#21
○小野光洋君 大藏大臣のお話又総務課長の御意見、非常に御尤もなことと思います。中央のそれらのことが末端に徹底をするようなことを直ちに取つて頂かないと、地方ではそれが、相当縺れておる。現に或る学校に使われておる校舍の一部分を、学校に断りもなく他の者にこれの轉用を許してしまつたというのも二、三あるように聞いております。末端はなかなか中央の指令の通り動いておらない。そうしてそれらの動きは大概地方の顔とか、或いは今そちらからお話がありましたように、経理上すばしつこい措置を取ることのできる者の方にそれが流れて行くという事情は相当あるようであります。そういう点では学校の方はいわゆる延納を認めて貰わなければ支拂われない状況であるからついどうも魅力がない。現在学校として使つておる部分は、原則としてその学校に使わせる、或いは拂下げる。こういうふうにして頂かないと、それが改めて取上げられる、拂下げの対象になるというようなことでは、非常にそこに不合理が出て來るのではないかと思います。そうしてまだ未轉用の建物、その他につきましては極めて適正な委員会によつてこれが処理されるように願いたいのですが、知事がその教育部面の代表者というだけでは到底円滑を欠くのではないかと思います。知事が教育を果して代表して下さるかどうか。それでは総理大臣が代表すればいいじやないかというのと同じような議論になりますので、教育畑の代表者は官でなければいけない。言い換えるならば、教育部長或いは課長というものがあるから、そういう直接教育を担当しておる者をしてこれに代表させるというような方法を取つて頂かないというと、特に教育の利益のために代弁して呉れないのではないか。そういう点ではそういう委員会の改組を要望したいと思うのであります。
 それから尚又先程のお話によりますと、旧工場施設で國有財産になつたものを学校に轉用する場合に、そのまま工場に使つた方が非常に有利である、それは経済的な利用價値の上からいえば確かにお説の通りでありますが、併しながら現在教育の新制度、いわゆる六・三・三制度実施に当たりましても一番悩んでおるものは建築物資であります。結局物資がないから予算も不合理であるというようなことで抑えられておるので、物があれば三十一億二千万円で抑えられなくてもこの通りあるといえば、それは要求の通りにできもするのじやないかと思います。ですから現在、物で幾分でも遊休なものがあるならば、全部教育の方に廻して頂くということを、これはそういう経済的な利益があるかないかということは別問題にして、少くも旧軍施設又は遊休の施設というようなものは、そちらの方へ全面的に廻すというような原則を立てて頂きたい。それと同時に末端に徹底させるようにして頂きたい。これが先程大藏大臣もおつしやつた趣意と思います。どうかその趣意の通りに実行するように関係当局においてもやつて頂くように具体案を立てて頂きたいと思います。
#22
○説明員(今泉兼寛君) 今具体的な例といたしまして、学校に現在轉用しておるのを、学校当局に無断で外に轉用してしまつた例があるやに聞く、こういうお話ですが、それは何かのお間違いじやなかろうか知らんと思います。今入つておる者に全然断りなしに外に轉用するということは、ちよつと私共としては想像ができません。これは今入つておる資材については、既得権と申しますと少し語弊があると思いますが、今入つておるということは十分尊重した上で、たとえこれが再檢討の結果適当じやないと判定した場合もよく納得して貰つて、それで外に轉用するという場合は考えられますけれども、全然断りなしにやつたということは、ちよつと私として予想できませんことでございますが、尚そういうようなことが実例としてございまたら、お示し頂ければ、この点については十分善処したいと考えております。
 それから例の処理委員会に府縣知事だけを代表に出しておつたのでは教育の方面が十分反映されないのじやないか、こういう趣旨で、その際は関係部長なり課長あたりを委員にするという構成に考えたらどうかという御質問であつたと思いますが、この点は実際の委員としてはそれは府縣知事なり或いは内政部長等が各府縣で当つておるのが実情でございますが、具体的な内容の案件等につきましては、府縣知事が直接出る場合もございまするが、大体これは学校に轉用ということになりますれば、その席上は、それからその前の案件を進めておるときにおきましても、教育部長なり教育課長が実際問題として会議の席上に出て、十分その点は説明なりよく要望を反映させることができるような仕組になつておりますので、その点は府縣知事がなつておるから教育の方は代弁できないという御懸念はなかろうかと考えております。
 それから最後に、旧軍用財産を全部例外なしに教育の方に振向けろ、こういう御趣旨であれば、これは先程教育の方面に優先的にそういうものを振向けたいという大臣のお言葉を私共そのまま受取るのでございますが、緊要な工場に向くようなやつでも何でも一つの例外なしに全部学校に轉用するということになれば、少し御無理な御要求じやなかろうか、それは教育の重要性ということは成るべく認めまして、現在教育施設が非常に拂底しておる、今後の六・三制を考えますと、これまた幾らあつても足りまいという現状は十分私共認識いたしまして、できるだけ要望に副うように努めたいと思いますが、一つ残らず旧軍用施設を学校教育の方に使つて、外には使うなという御趣旨であるならば、これは私は不可能を強いるものではないかと考えられます。優先的に成るべく教育の方面に振り向けろというような御趣旨であれば、至極私も御尤ものことであると思いますので、その点は出先の方面には今後ともこの趣旨の徹底を図りたい、こう考えております。
#23
○鈴木憲一君 私も出先関係を主体にした委員会というものについて非常に不満を持つておるのであります。厚生省とか農林省とかそういうような出先の者と知事或いは部長というような者たちが集つて、そうしてこれを決定して行くということは、非常に非民主的であつて、而もその実情を見まするというと、厄介もの扱いにして、成るべく早く決定してしまえ、どこへやるのか早く決めてしまえというような氣持のみが沢山動いておつて、そうしてどこにやつたら國家的に見て最も有用であるかというようなことを檢討するのでなしに、何か仕事を早く片付けてしまえというような考え方で処理しておることが、非常にこの委員会には多いのであります。私この委員会を知つておりますが、そういうような傾向が非常に強いのでありまして、何かこういう委員会の組織替えというようなことが今後に必要じやないかと思うのであります。
 尚いま一つは、今も小野委員から話があつて御答弁があつたわけなんでありますが、知事の代理に教育部長や課長が当るから、教育方面の方には相当重要にこれが考えられて行くだろうというような、そういうような官僚的な事務的な考え方というものが、実際の地方におきましては学校の校舍に轉用するのが少くなつて來る大きな原因であると私は思つておるのであります。それから尚一つこういう実例があります。或る高等学校が非常に軍施設の厖大なところを借り受けておるということを言つておりますが、大体そこを貰うつもりで経営をしておるのでありますが、そこには七十棟ほどの建物があるわけなんでありまして、而もいかに大さな高等学校でありましても、その高等学校はそう大きなものではない、從つてこれを使用できない附近の六・三制を実施せんとする各町村では、何かとしてこれを分けて貰いたいというふうに躍起になつて運動するのでありまするが、一向にその効果が現れないというような実情もあるのであります。そういうような場合には、一小学校の校長が請願に代表として参りましても、大きな財閥等を背景にした一つの大さな学校というようなものと比べて到底力にはなりませんけれども、そういうところにおいて大藏省の財務当局あたりは愼重に考慮されて、一つの例でありますけれども、七十棟も一つの学校が有しておるものを、適当に附近の町村に分割してやつて、六・三制の実施を助けて頂きたいという氣持が強くある。これは一つの例でありまするが、そういつたふうに分割拂下げ等につきましても、この委員会は決して地方自治体等に対して適切ではないと思いまするので、それらにつきましても十分今後も、残りものも少ないと思うのでありまするから、更に愼重に当局としては分配方について、十分の考慮をして頂きたいと思うのであります。
#24
○左藤義詮君 只今工場と学校との競合、学校同士の競合、それらの問題につきまして、現在の段階において事実上の最後の決定をする急所のところは、どういうふうに動いておるか、それを伺いたい。
#25
○説明員(今泉兼寛君) 実はこの問題につきましては、省内でも大分それぞれの方面に議論がある点でございまして、例えば今度シベリア地区からの引揚げが多量に出て來るというような非常に緊急な問題、これは北海道地区、東北地区、一部舞鶴地区にございますが、そういう緊急事態になりますると既往の轉用者も或る程度犠牲にして、当分の間これを収容しなかつたならば収容する所がないというので、関係方面から要求があります。これに対して先程申上げました教育の重要性なり、或いは重要物資の生産の重要性ということは認めつつも、やはり建物には限度がある。そうして要求は非常に早急を要し、而も可なりのスペースが要る場合には、いかに教育が重要であり生産が重要であるといたしましても、この引揚げて來た人を入れる場所もないという場合には、どうしてもこれを優先の順位として最優先に考えなければならんという要求もございます。それから戰災者の問題は、大分戰災から時日も経過いたしましたので、成るべくはこういつた方は段々恒久的な定職と調子を合せまして、それぞれの方面に引取つて頂くということで努めてやつておりまするが、何せ新らしい家は殆んど建たん、戰災を受けてからは二年余りになるが、行く場所がない。学校と戰災者と比較した場合に、成るほど教育は数の少ない戰災者より、学校の生徒の毎日の授業の方が本当に重要だとはよく分かつておりましても、この二年も経過した戰災者を立退かして教育に向けることは、実際問題として非常に私共として苦慮するのでございまして、今の民生安定、産業復興、或いは教育文化の振興、どれも皆それぞれの重要性の度合は劣らん点があると思うんですが、就中文教の重要なことは十分承知いたしておりますが、具体的にこの建物をどこに優先的に轉用させるかと申しますると、既得の者の行掛りや理論からも彈いてこうなるけれども、そこは動かせないというような問題もございまして、非常にその点は不徹底だとお考えになるかも知れませんが、どうしてもやはり非常に実際問題としては当面の急ということにならざるを得ないので、文教の重要性認めるが、これを優先さして、戰災者、引揚者を二義的に考えて明け渡すかということになりますと、私共の管理する立場として同意せよということにはなりませんので、その点は具体的案件に應じて、それぞれの立場から最も合理的な調整をいたして、優先位を決定して頂くことにならざるを得ないので、誠に教育優先ということで、外を蹴つてそれだけに当てはめて行くことは、現実の問題として非常に困難な事情にあることを申上げざるを得ないのであります。
#26
○委員長(田中耕太郎君) いかがでございます。大分この問題につきまして御意見が出ましたが、また大分案件が残つておりますが、簡單に……。
#27
○左藤義詮君 現実の問題として非常に困難なことはよく分かりますが、併しそういうことが永久の問題たる教育が後回しになり易い。いろいろ重要な資材や電力の配給の順位がありますように、大藏省において一定の基準だけはつきり見て置く必要があると思います。その点もその場その場の扱いということになると、二年も三年も立退かない。それが優先になつてしまうことは政治の貧困から來ることでありますが、それを救うためにもはつきりした順位を、大藏省で一定の基準を示されたいということを希望として申上げます。尚そういう順位によつて現実に決定するのは、どういう順位でありますか。委員会の答申によつて誰がどう決めるか、どこがそれを実際上の実権を握つておられるか、その急所をお示し願いたい。今後教育の問題で運動いたしますのに急所を……。
#28
○説明員(今泉兼寛君) 賣拂いで申しますれば、賣拂予定價格百万円未満のものにつきましては、財務局長の権限に大藏大臣が一任してございます。從つて賣拂予定價格百万円未満の財産の処分は地方にございます。國有財産処理委員会に掛けて、最後の決定は財務局長がいたすことになつております。百万円を超えますものにつきましてはGHQの方面の了解を得る必要もございまして、実際の下調査とか轉用先とかいうものは、財務局で原案は作りますが、最後の決定権は大藏大臣がいたします。大藏省におきましては國有財産調整委員会という官制による委員会がございまして、これは大体関係各省の次官が委員になつておりまして、会長は大藏大臣でありますが、ここで決定をいたしまして、その結果に基いて司令部の最後的承認を経て決定するという立場になつております。
#29
○委員長(田中耕太郎君) それではこの問題につきましては尚いろいろ御意見のおありになる方もあると存じますが、又他の機会に讓ります。大藏当局においては、國有財産を学校に轉用する問題につきまして、優先的に教育施設に振向けるということは今日言明せられたわけであります。又その方針がとかく出先に徹底しない。これを徹底させることに努力することも言明せられたわけであります。その言明を実現されるように本委員会といたしましても特に要望をいたして置きまして、本件は今日はこれだけにいたしたいと思います。次に請願の処理……。
#30
○左藤義詮君 ちよつとその前に……衆議院の方では相当問題になつておるようでありますが、本年度折角六・三制が出発いたしましても、教科書が実に供給が不円滑である。もうすでに二十三年度も近いのでありますが……。
#31
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと左藤さんに申上げますが、請願で以て大分以前からお待ちになつておりますし、他に案件もございますからこの次にお願いしたいと思います。
#32
○左藤義詮君 いやちよつと教科書のことですが、その問題につきまして当委員会として是非採上げて頂きたいと思いますが、今日は教科書局長も見えておりませんので、この次に今年度の教科書の支給状態、明年度の準備、原稿その他の印刷或いは紙の配給等、その他の事情すべてのことにつきまして、教科書局長が御出席下されて、相当の資材を準備して頂くように、その点をこの機会にお願いして置きます。
#33
○委員長(田中耕太郎君) それでは当局の方で心得て置いて頂いて、この次に……。
#34
○岩間正男君 それと附帶しまして教科書の檢定認可の問題ですね、これもこの前聞きたいと思いまして出席方をお願いしておるのですが……。
#35
○委員長(田中耕太郎君) この次に、今左藤さんの御提案もありましたから、おいで願うことにいたします。
#36
○岩間正男君 そういうふうにお願いいたします。
#37
○委員長(田中耕太郎君) 次に請願でございますが、請願第百九十七号の熊本藥学專門学校の復興に関する請願は、内村紹介議員が待つておられましたけれども、急用で以て退席せられましたので、次回に廻すことにいたしたいと思います。
 次にその次の請願であります二百六十号、濱松工業大学設置に関する請願川上嘉市君が紹介議員として御説明になります。
#38
○川上嘉市君 民主的國家の建設のために教育と工業生産というようなことが非常に重要であるということは今更申上げるまでもありません。この新しい教育の体制がこの國家の非常に財政逼迫の際に拘わらず新らたに出発したのは、皆この意味から出ておると考える次第であります。これについては今更申上げるまでもありません。私共の濱松工業專門学校が何故大学に昇格をお願いしたかというその特別の理由だけを一つ申上げて、皆さんの御参考に供したいと思います。
 第一に説明でありますが、この濱松工業專門学校は創立以來すでに二十五年になりまして、卒業生が今日まで四千八百人程出ております。それらが皆それぞれ重要な地位において働いておるのであります。それから地理的に申しますというと、東京、横濱にも工業專門学校がありますが、東京、横濱と名古屋の中間、この東海道の大事な所に濱松工業專門学校が一つ專門学校としてあるだけであります。これは專門学校を設立する当時から、つまり地理的にいつて静岡縣、特に濱松地方が工業の非常に盛んな所である、この地方にこういう学校を置くということの必要を認めたからのことであります。我我考えましてやはり最も地利を得たるところであると考えるのであります。それからもう一つはこの地方民が今日物價の非常に昂騰しました際に、なかなか大都会で遊学するということは容易でありません。できるならば地方のそれぞれ要地に分散するということも、やはり学校の配置の上からいつて是非必要なことではないかと考える次第であります。そういう二つの点からして、地理的に申しましてやはり濱松專門学校は、当然大学にして頂ければ非常に結構だと考えるのであります。
 それから設備でありますが、これは設備が戰災で燒けましたために、今問題になりました元の陸軍の飛行学校のあとを継承いたしまして、敷地が七万坪、それから建物が五千坪でありまして、設備としては非常にいいと思つております。尚中にありまする機械だとかいうものも相当にありますけれども、あの地方民が非常に熱心でありまして、今日までにやがて千万円に近いような寄附を申込んでおります。私共の会社も実は八十万円ほどの機械を何台ですか、二十台余りというものを寄附いたしまして、そういつたような設備がもうすでに相当に整つておりまして、寄附も地方民が負担するようなふうな覚悟をしておるような次第であります。それから図書類なんかも余り燒けませんで、今日約三万部くらいの図書を持つておるのでありまして、この設備の点から申しましても、大学にするのに十分適当しておると考えておる次第であります。
 それから尚教授陣でありますが、この濱松高專は皆様方も御存じと思いますが、日本でテレビジョンの初めて研究がありました高柳氏が出た所でありまして、その研究室にはその他の教授にも相当なその方の権威者が集つておりまして、この場合これを大学にいたしましても、非常に人物経驗から申しまして申し分ないと考えております。
 以上のようないろいろの理由からして、この際是非とも濱松工業專門学校を大学に昇格できまするようにお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
#39
○委員長(田中耕太郎君) 本件につきましては、八月二十二日に岐阜高等農林專門学校大学昇格という件がございまして、その審議の際に今後同様な性質の問題が起つたときには、その例に倣つて処理するということに決まつておりますので、さよう取計いまして御異議ございませんか。
#40
○委員長(田中耕太郎君) それではさよう処理いたします。
 尚他の請願がございますけれども、紹介議員の方がお帰りになつたり、或いはお見えにならなかつたりしておられませんので、若し御異議ありませんければ、次回に延期したいと思います。
 尚六・三教育制度の経費を全額國庫負担とすることに関する請願、これは岩間委員がやはり紹介者になつておいでになるのですが、これも前例に從いまして処理いたしたいと思います。御異議ないことと思いますが……。
#41
○委員長(田中耕太郎君) それでは全額國庫負担の前例を念のために申上げますが、会議に付すべきものとし、又意見書を内閣に送付するということにつきまして、すでに本会議の決定もありましたので、さような例に從つて処理いたすことにいたしたいと思います。
 それから尚文部省におきまして、今日新聞発表をいたしました相当重要な案件がありますので、これはお手許に謄写版にして配付してありますが、公立新制中学校整備建築費補助方針について日高学校教育局長が見えて、皆さまに聞いて頂きたいということであります。その点につきましてお諮りいたしますが、よろしうございますか。
#42
○委員長(田中耕太郎君) それでは……。
#43
○高良とみ君 ちよつとその前に……私遅く参りまして大変恐縮でございますが、只今の請願の六・三制の実施に関する全額國庫負担の件でございますが、この前ああいう経過を取つたのでございますが、六・三制に関する教育の現状、教育費予算の現状は私共が仄聞しておる通りでありまして、漸くにして追加予算が通ろうか通るまいかという実情から考えまして、又私共の共に議しております衆議院文教委員の方方などの樣子を聞きましても、やはり予算を伴わない、又は資材を伴わないものを、私共いかに請願であるとはいえ、これを通して行きましても、それが実際に行われないことでありますならば、議会の権威にかけていま少し愼重に取扱いをすることが非常に重要ではないかという考えを以前から持つておるものでありますが、尚一應私の少数意見として記録にお止め願いたいと思います。
 更に私以前から本当の民主主義というものを考えて置きまする上には、全額國庫負担ということは一つの原則としてこれを打ち立てて、参議院の文教委員会がこれを認めて行くということは多大な異議を持つておるのでありまして……。
#44
○委員長(田中耕太郎君) 高良さんに申上げますが、その根本問題は今日もう大分時間も経ちましたし、又大分委員の方もお帰りになつた方もありますので、又他の機会にお願いいたします。
#45
○高良とみ君 同調したということでなく、一應記録に止めて置いて頂きたいと思います。
#46
○委員長(田中耕太郎君) ただこれは本会議で全会一致で決まつたわけであります。
#47
○高良とみ君 私は毎度申上げたのですが、少数意見として御記録願えれば結構であります。
#48
○委員長(田中耕太郎君) 尚丁度序ででございますから御報告申上げて置きたいのですが、衆議院と合同審査会のことでいろいろ向うと交渉いたしまして、あちらの委員長が旅行しておられるような関係もあり、又外の委員も差支えがあられる方が大分あり、殊に今日本会議で以て決まりましたように、文化の委員で以て奈良の正倉院の國宝保存の状況の視察に行かれる方が大分ありますので、さような関係上、來週の月曜の午後合同委員会を開くというような手筈になりまして、大変その点遲れましたが、只今申上げたような事情でございますから、どうぞ御了承をお願いしたい思います。
 それから六・三制の予算の問題でございますが、最近これもせつぱ詰まつておる問題でありますが、今日は私は文部当局、文部大臣ともその問題について話をし、又文部大臣からお話を伺う機会があると思いますので、又合同委員会におきまして一層その点が明瞭になるものと存じておりますので、附加えて御報告申上げて置きたい。
#49
○岩間正男君 只今両院文教委員会の合同審査会は大体日取が二十日ということになりますが、そうすると今議院運営委員会で問題になつておる会期延長と絡みまして、二十日から休会になるというような、噂だろうと思いますが、そういうような段取になる可能性が相当濃厚ですが、その点はいかがでしようか。
#50
○委員長(田中耕太郎君) その点は今日正午過ぎに委員長懇談会がございまして、まだそういうことはそれまでは聞いておりませんのですが、何か議院運営委員会でそういう話が進行いたしましたか……ちよつと速記を止めて。
#51
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて。
#52
○政府委員(日高第四郎君) 予て非常に御配慮頂いておりました新制中学校のための追加予算の問題でありますが、私共は両院の文教委員会において又一般の國民の声に聽きましても、三十一億二千万円の追加予算は決して多いとは思つておりません。若しも國会に出ましたときに、前例を破つて増額修正というようなことがあるかも知れませんけれども、消減せられる憂いはないというような確信を持つておりますので、來年度の準備のために、御承知のように八月中に大体各縣に割当まして、勿論予算を内示いたしまして、準備を進めて貰うように取計つて参つたのであります。先頃非常に御心配を頂きましたように、一時その予算がどういうふうになるか分からないようなことを仄聞いたして、非常に心配いたしておりましたのでありますが、昨今の話によりますと、これは公式に聞いたわけでございませんので明言申上げることもできない次第でありますが、大体追加予算が成立し得るような希望のあるような状態に進んで來ておるように聞いておりますので、先ずそのことを申上げましてお禮を申上げたいと思います。
 それからこのことにつきましては、各府縣に一應文部省が責任を以て割当をいたしました後で、公共事業上必要な認証の手続とか、或いは資材の割当とか、起債の許可の申請とか、そういうような手続をいたす必要がありますので、各府縣で更に各学校に細かく割当てましたものを文部省が取継ぎまして手続を進める準備をいたして参つたのでありますが、その内容につきまして関係方面から指示を受けまして、大体各学校に余り細かい割当をして、それが実効を齎らさないような使用の仕方はしないように、できるだけ独立の校舍を將來持てるような方向に促進するような方針で以て割当をするというようなこと、それから同時に年度計画を立てるような心持を以て割当を実行して行くように、こういうような注意がありました。誠に尤もだと思つております。今朝ほど委員長を通じて皆樣にお目にかけましたような標準を立てまして、前に報告を得ておりました各府縣の各学校への細かい割当についての修正を求める段取になつております。これは会議を開いて一度に折衝をいたしましては個々の具体的な問題の徹底を欠く虞れがありますので、電報を打ちまして各府縣の教育行政の責任者に文部省に來て貰いまして、目下具体案について折衝を始めておる次第であります。
 大体の配分の基準につきましては、印刷物でお目に掛けたような次第でありますが、細かい点につきましては担当の森田課長が参つておりますので、御質問がございましたならば森田課長から概略の御説明を申上げて、細かいことについての御答弁を申上げたいと思います。
#53
○委員長(田中耕太郎君) 只今の日高局長の説明せられたことに対しまして何か御質問なり御意見なりおありならば御発言願います。尚森田中等教育課長も政府委員でございませんが、発言をお許しすることを前以て御了解を得て置きたいと思います。
#54
○河野正夫君 ちよつと伺いたいのです。私この間地方を歩いて見たときに、或る地方では三学級教室を新築する予定で府縣廳によろしいかどうかという内示を受けに行つたところ、一教室しか許さない。一教室だけ建てたのでは次に直ぐ要るようになつて、経費が嵩んでしもうし、どうにもならんと言うのに、どうしても許しが出なかつた。尤もこれは正式なものでない。丁度文部省が正式でない指令を出したと同じように、正式でなく、予定してやつておるわけでありますが、どうしたらいいでしようという質問を受けたのであります。今日配布を頂きました新制中学校整備建築費補助方針というものを見ますと、辺鄙な所では一教室又はそれ以上というので、これは除外例的であつて、むしろ二乃至三教室というのが本体のように見えるのでありますが、そういう意味でございましようか。その点しつかりとご説明願いたい。
#55
○説明員(森田孝君) 只今河野委員からの御質問の通りでございまして、新らしい校地に独立の校舎を造る場合には、三教室以上を建てる場合に補助金を出す。それから辺鄙な所というのは、完成年度におきましても大体三学級くらい或いはそれ以下、北海道その他地域の廣い所、島嶼部におきましては、完成年度になりましても三学年で十五人、三十人程度の所もあります。そういうような場所におきましては勿論一教室しか必要がないわけでありますから、そこは一教室ということになつております。それから二教室以上というのは大体建増しの場合でありまして、既設の建物を利用するとか、或いは本年度に入りまして新制中学校のためにすでに校舎を建設したとか又建設中であるというようなものにつきましては、その建物の建増しをするとか、或いは又建設したものについての一部分を公共事業として補助を出す、こういう建前になつておるのであります。
#56
○岩間正男君 さつき日高局長が何かお礼を申述べられたことに関聯して、もう少し具体的に内容についてお話頂けないでしようか。若し必要であるならば速記を止めてでも、例えば追加予算の見通しの問題について、どうでしようか、この序では工合が惡いですか。
#57
○政府委員(日高第四郎君) 実はその点大臣にもいろいろ聞いたのでありますが、細かいことは言いにくいけれども、希望の持てるようになりつつある、そういうことであります。ちよつと私から申上げられないのは甚だ残念であります。
#58
○鈴木憲一君 この印刷物がよく分からないので、森田課長にお尋ねしたいと思うのですけれども、補助の対象となる建築の場合ですが、古い建築物、拂下げ建築物等を新校地へ持つて來て改築するというような場合には、補助の対象になるのでありますか。
#59
○説明員(森田孝君) それはお配りいたしました補助方針の「二の2」それから「三の2」の両方にあります。
#60
○鈴木憲一君 一遍読んで下さい。
#61
○説明員(森田孝君) それでは朗読いたします。
   公立新制中学校整備建築費補助方針
 一、公立新制中学校の整備に関する方針
  1、新制中学校は独立の新制高等学校に予定されるものと同一校地に設置する場合の外は独立の校地校舎を有するを原則とする。しかし当分の間小学校の校地に設置するは妨げない。
  2、独立の新制高等学校に予定されるものと同一校地内に新制中学校を設置せんとする場合は新制高等学校の設立計画と睨み合わせ新制中学校に使用するものたることを明確にしなければならない。
  3、新制中学校を小学校と同一校地に設置する場合には新制中学校に使用するものたることを明確にしなければならない。
  4、市町村等の組合立の独立中学校を奨励する、よつてこのような学校の設立については優先的に建築費の補助する。
  5、完全年度に七学級又はそれ以上の編成となる独立中学校に対しては優先的に建築費の補助をする。併し辺鄙な村や部落の場合には六学級以下の編成となる中学校でも同様に補助の対象とする。
 二、補助の対象とする建物は左の基準以上のものとする。
  1、新校地に新制中学校々舍を建築する場合には本年度三教室又はそれ以上の校舍を建築すること。但し辺鄙な村又は部落に設けられる学校には本年度一教室又はそれ以上の校舍を建築すること。
  2、既に中学校として校舍を有する場合(既存の校舍校地を用いて中学校を設ける場合を含む)には本年度二教室又はそれ以上を建築すること。但し辺鄙な村又は部落に設けられる学校の場合には本年度一教室又はそれ以上を建築すること。
  3、既に施行済又は現に施行中の場合は第一号に拘らず、二教室又はそれ以上の建築であること。但し辺鄙な村又は部落の場合には一教室又はそれ以上であること。
  4、教室の廣さは所定の規格に從うものであること。
  「備考」
   以上教室という中には事務室、職員室及衛生室を含むものとする。但しその室の新築によつて事実上教室がその分だけ増加する場合に限る。
 三、補助の対象とする建築工事は左の種類のもののみとする。
  1、新営
  2、既存の建物を買収、移築又は改築改造すること。
 四、都道府縣廳は市区町村の建築計画を各学校別に本要項の一乃至三の各につき檢討した上その建築の必要程度と実施可能程度によつてA(二十二年度施工)、B(二十三年度施工)、C(二十四年度以降施工)の三種に判定するものとする。
 これは念のために御説明を附加えて置きます。「二の4の「教室の廣さは所定の規格」というのは昨日某方面との間でやつと話が付きまして、五メートルと十メートルの細長い教室になりますが、六十平方メール、教室の廊下が二メートル幅ということで決定いたしたのであります。これを日本の坪数に直しますと一八・一八坪であります。
#62
○鈴木憲一君 この型はなんですか、太陽の光線に対する関係が可なりあるのですか、成るたけ南面にして太陽の光線を多く採入れるというような……
#63
○説明員(森田孝君) そういうような点が入つているのであります、それから資材の関係でそれの方が節約になるということであります。
#64
○委員長(田中耕太郎君) 何か御発言はありませんか。
#65
○鈴木憲一君 補助額及び補助の対象になる数でございますね、例えばあちらの村でも作りたい、こちらの村でも作りたいという大体予定ができているところへ、來た補助金が少なくなるという場合には、非常に減額されて來ると思うが、補助額の最低とか何とかいうことは大体決めて地方と交渉されるわけですか。
#66
○説明員(森田孝君) これは公共事業でありますので、坪数が最初の基準になるわけでありまして、その費用の問題は縣の平均だけをこちらの補助の関係で抑えまして、各市町村に対する縣からの割当についてはこちらで何らの規格は作らないわけであります。縣の平均がこちらの指定した平均になればいいということになります。
#67
○鈴木憲一君 そうすると、実際市町村で貰うところの補助金の額というものは、全國的に区々になるわけでございますね。
#68
○説明員(森田孝君) 只今の御質問私少し誤解して聞いておるかも知れませんが、市町村の補助金を例えば二坪分の補助金を貰つて一教室建てる、そういうことは許されないのでありまして、公共事業として一教室以上、或いは二教室以上、三教室以上とならなければならないわけであります。從いまして貰える町村と貰えない町村が同時に出て來るわけであります。そこに四の基準であります建築の必要程度と実施可能程度によつて年度計画を立てろということになるわけであります。
#69
○堀越儀郎君 只今の御方針を伺いますと非常に結構でありますが、その中に特に強調してお願いしたいことは、市町村の組合立を奨励され、そういうものには特に優先的に補助せられるようでありますが、現在の中学校の様子を見てみますると、各町村に分立して建てようといういわゆるセクショナリズムと申しますか、或いは地方ごとに部落ごとに、村ごとに建てたいというような傾向に進んでおるように思うのであります。これは小学校としては年齢の関係などから止むを得ないと思いまするけれども、中学校という点において多少遠くなりましても、組合立なり基礎の確実なもので、できるだけ施設の完備した充実した学校で教育を受ける方が將來の子供に対して非常に有効であろうと思いますので、この御趣旨では奨励されるように伺いまするが、それを末端にもつと強調して頂いて、各部落、各町村が個々にやるというようなことを成るべく避けて、一丸としてやるような方針をもつと押し進めて頂きたいと、特に教育の現状から見てこれは希望いたしたいのであります。
#70
○鈴木憲一君 今お話になつた点、私も非常に痛切に感じておりまするのですが、文部省としてはそれについて何か特別なお考えをお持ちではないのでございますか。
#71
○説明員(森田孝君) 今の組合についてでありますか。
#72
○鈴木憲一君 組合立を多くしないと、地方財政の関係から、各村々で中学校を建てるというようなことになつて、今のところではそういう傾向が非常に強いのであります。ところが実際我が國の経済状態など考えて見まするというと、到底そういうような中学校であつては十分な中学校というようなものが望み得ない、併しながら現在では各町村がこぞつて、何とかして一つの村で一つの中学校を建てたいという希望があるようでありまするが、すでに最近では一村では到底十分なものができないというようなことも、つい先達つてまで強くあつた意見が弱まつて來ておるような実状であります。國としてもそういう面を強く認識をされて、適当な合併、組合立というようなものを建てて行くように指導せなければ、恰好の付いた中学校というようなものは望めないのじやないかと考えるのであります。その点いかがなものでありましようか。
#73
○政府委員(日高第四郎君) この一の4のところに「市町村等の組合立の独立中学校を奬励する、よつてこのような学校の設立については優先的に建築費の補助をする」とありまして、実は御趣旨に合致するようなことをいたしたいと思つて骨を折つておるのであります。今年の初めに新制中学校の実施につきましてこのハンドブックを作りましたときには、原則としては市町村が学校を建てるのである、併し必要な場合には組合立でよい、そういう程度の案内を出したのでありますが、その後地方の実状をいろいろ報告を聞きますと、むしろ組合立を奬励する必要があるというふうに考えまして、八月二十日に新学制の実施要綱につきまして発表いたしましたときにも、三十一億二千万円という追加予算は來年度の実施のための必要の最少限度を確保したに過ぎないのであるから、これについては現実的な配慮を十分して貰うように、既設の建物やなんかを十分應用、利用するというようなことを奬めると同時に、組合立の学校を特に考慮して貰うように通牒を出してあるのであります。今回もその精神を汲みまして、この配分の際にも組合立を特に奬励するようにいたしました。今後具体的に折衝を進めます際にも、それらの御趣旨は十分傳えたいと思います。成るべくそういうふうにして、貧弱な学校をあちらこちらに建てるよりは、少しでも充実したものを併せて作りたい、そういう方針に全く同感でありまして、そういうふうに極力取計らいたいと思います。
#74
○松野喜内君 三十一億という数字をお出しになる時分に、こうした基準となるべき点をお考えの上、それから算出されたものとも思います。逆にいえば、三十一億のものをどんなふうに分けて貰えるかと受けるほうでも思うし、こういつた補助の方針を伺い、大体方針は分かつたが、それじや具体的にいつて、我々の方にどれだけ補助して貰えるかということを思うだろうと思います。一教室の單位でどうとかという何か具体的にこれは示して貰えませんか。
#75
○政府委員(日高第四郎君) 予算を立てます際の方針といたしましては、大体來年度の自然増加します生徒を基準にいたしまして、その必要な教室数を調査いたしまして、それに基いて予算を建てたのでありすが、それの配分につきましては、例えば北海道のような特殊の事情のある、引揚者がたくさん入つて來るというような、又寒くなると非常に困るとか或いは通学距離が大きければ学校として冬には非常に困るとかいうような特殊の事情等も考慮いたしまして、一應全体として各府縣に割当てまして、割当てました後では、こういう方針を徹底して貰つて、その各府縣の実情に應じて配当して貰うように各府縣に依頼する建前で、文部省が抽象的に考えるのでは現実に即しませんので、その辺は各府縣の当局者の裁量に委せる方針でやつて参ります。
#76
○岩間正男君 今の予算の分配の問題について、最近地方を廻りましたので、あれを見ますと、この案の中では今お話のように相当抽象的に分割されたところがあると思いますが、これについて御参考までに地方の実情というようなものを申上げるのも参考の一端になると思いますが、実情の一端をお話して置くことも無駄じやないと思います。宮城縣の例でありますが、これは一つの柴田郡という郡がございまして、これは七つの市町村ができている。ところが今度の予算の割当によると、郡全体としては五十学級ぐらいの相当多くの教室が必要なのであります。それに対して今度の予算においては全体として七学級しかできいというようなわけで、これの配分が、例えば大体一学校に一教室平均しか建てることができない。こういうことでは非常に建築の仕方がまずいというので、これは各学校の父兄会、それから父兄教師の会、そういうようなものが民主的な一つの協議会を持ちまして、その問題を十分に討議して、それで実情に即して最も優先的に建てなくちやならんのは何処であるということを皆の協議によつて決めて、そういう所に優先的に七学級なら七学級の校舍を造つて行く。そういうふうに民主主義的に構成されて相当合理化されている。私共はその方針を聞いて、非常に民主的で実情に即したいい方針だなあと思つて聞いて帰つたのでありますが、こういう方針がありますと、機械的でなく、それから又縣内なら縣内がよく連絡が取れて、これは教育の融和の上からも非常によい結果を持つだろうと思うのであります。そういう点から考えまして、文部省の今度の指導方針が、こういうようなことを原則的に決定することは、これは、必要であろうと思いますが、それを実際的に運営する面において、この辺の実情をよく調査されて、本当の生きたところの施設ができ上るように、今の例なんかも他にもつともつといい例もあると思いますが、そういつた幾つかの例を親切に民衆に示す。そういうような指導方針、柔かい温か味のある指導方針を確立して、現在の満たされない予算でありますけれども、これをできるだけ実際役に立て血の通つたものにする方策を採られることをお願いいたします。これは御参考に申上げて置きたいと思います。
#77
○松野喜内君 この國家的な重大問題をお互いに論議するのは、他の委員もお話になつたが、私はこの次の衆参両方の合同文教委員会において、こういう点はもつと一つよく伺つて置かなければならんと思うのであります。首相なり安本或いは大藏当局の各大臣等御同席願う機会があれば、そのときに一つこういうことを國家國民の大なる陳情、世論に鑑みましてお尋ねしなければならんと思います。今この方針を伺つて、文部当局のことはよく分かりましたが、今お話の通り、又は岩間委員の言われておる通り、或いは文部大臣の御努力によりまして、予算を要望し得たと、すでにそういうことを聞いた各市町村では工事に取掛かつておるのであります。どれ程か我々がはつきり分らんうちに建設に掛かつたので、段々後始末に困るようなことができても困るということを我々委員としては痛感しておる次第なんです。從つてこれは抽象論ではいかん。今岩間委員の言う通り具体的事実、実際の状況とマツチして行かなくちやこの六・三制の完備は図られない。こういう点から実は心配しておつたのでございます。併し委員長にお願いしたいのは、そういうことを議するのは、次の合同委員会において徹底的にお互いに審議し合うことが必要だと思いますから、時間が参りましたが、本日はこの程度でおやめになつて頂いて、次の機会に一つお願いしたいと思います。
#78
○鈴木憲一君 ちよつと……文部省で前に大学設置の基準案を作られるというようなことをたびたび聞いておるのですが、請願の方で大部こちらにも大学設置が出て参つて、それぞれ委員会に付託されるというような状況なのでありますが、設置基準案というようなものができて、すでに方々に配布されておるやに伺うのであります。そういうものを是非一つ早くこういう文教委員等に御配布願えればと思うのでありますが、いかがでございましようか。
#79
○政府委員(日高第四郎君) いわゆる設置基準案と申しますのは、実は大学設立基準設立協議会というもので、昨年の十一月から討議して参りまして、今年の七月に一應それを纏め、文部省に対する答申案の形で以て決定したのであります。これはいろいろの角度から問題になつておりまして、余り基準が細かく分け過ぎておる、もう少し改訂したらいいんじやないかということになりました。今それの檢討中でありまして、今まで出ましたのは、大学設置委員会等の基準案を文化委員会等において審議の必要上非公式に分けたものが多分洩れたかと思います。まだ正式に決定するまでに至つておりません。今檢討中でありますので、一度できたのでありますが、全体としての釣合が取れてないというようなこと、それから分け方が余り細かくなり過ぎている、新らしく出て來る学校に適用するのには不適当である、そういう論議もありました。関係方面でも、そういうことについてやはり同じような関心を持つておりまして、もう少し仕上げさして見ようという、そういう状態でありまして、まだでき上つたということを申上げかねるような次第で、いずれ発表の前に差支えない程度のものができましたらば、御批判を仰ぎたいと思つております。
#80
○羽仁五郎君 これはきつと文教委員の皆さんの所にも参つておると思いますが、私の所に、宮城縣柴田郡村田町の新制中学校の男女の生徒、鈴木琴子君その他数名から、手紙と葉書が來ておりますが、こういう葉書や手紙を読んでみますと、その中に、新制中学に今通つている子供たちが実に喜びに溢れている、ところがその新制中学の設備が非常に不完全で、第一に机がない、それから教科書がない、それから体操場が小学校と共通であるために、狭い体操場に非常に多くの子供がおつて遊ぶことができない、それから運動用具、ボールなども全然ないので遊べないこういう手紙をよこしておるのでありますが、この新制中学に入つた男女少年たちの非常に張り切つた喜びというものに対して、今日の日本の状態で十分のことを以て報いることができないということは、誠に残念なことでありまするけれども、併しどうかできるだけこの点について、我々委員会、又現在の文部当局が十分の御努力をして頂くことをお願いして頂きたいと思う次第であります。
#81
○委員長(田中耕太郎君) 外に御発言がございませんければ、今日はこの程度で閉じたいと思います。
   午後三時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           小泉 秀吉君
           藤井 新一君
           森下 政一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           安達 良助君
           木内キヤウ君
           高良 とみ君
           安部  定君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           河野 正夫君
           鈴木 憲一君
           中川 以良君
           堀越 儀郎君
           矢野 酉雄君
           羽仁 五郎君
  委員外議員
           川上 嘉市君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   文部事務官
   (学校教育局
   長)      日高第四郎君
  説明員
   大藏事務官
   (國有財産局総
   務課長)    今泉 兼寛君
   文部事務官
   (中等教育課
   長)      森田  孝君
ソース: 国立国会図書館
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