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1949/05/16 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第35号
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1949/05/16 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 議院運営委員会 第35号

#1
第005回国会 議院運営委員会 第35号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
    午前十一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 大村 清一君
   理事 石田 博英君 理事 今村 忠助君
   理事 山本 猛夫君 理事 林  百郎君
   理事 坪川 信三君
      岡西 明貞君    田渕 光一君
      塚原 俊郎君    福永 健司君
      淺沼稻次郎君    松井 政吉君
      園田  直君    神山 茂夫君
      寺本  齋君    平川 篤雄君
      山手 滿男君
 委員外の出席者
        議     長 幣原喜重郎君
        副  議  長 岩本 信行君
        議     員 石野 久男君
        議     員 浦口 鉄男君
        事 務 總 長 大池  眞君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 裁判官彈劾法の一部改正に関する件
 決議案の取扱いに関する件
 懲罰動議の取扱いに関する件
 國会議員の退職金に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大村委員長 これより会議を開きます。
 まず第一に裁判官弾劾法の一部改正の件を議題にいたします。本件につきましては前回の運営委員会において開会中の日当につき各派とも御反対があつたようでありましたし、そのほか罰則中に罰金と過料との規定がございまして、この点について問題があるようでございました。この点はただいま法制局で一應研究してもらつている次第でありまするが、各派の御意見がありますればこの際お伺いいたしたいと存じます。別に御意見がありませんなら、法制局の参考意見をなるべく早くまとめていただきまして、その上で審議、御決定を願うことにいたしまして留保いたしまするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大村委員長 それではさように決します。
    ―――――――――――――
#4
○大村委員長 次に決議案の取扱いを議題といたします。
#5
○大池事務總長 決議案は警備力調整に関する決議案と、貯蓄運動推進に関する決議案、この二件が承認を得まして刷りものになつております。それ以外にもう一つ、これはまだ刷りものまで行つておりませんので配付いたしておりませんが、全國統一的土地調査促進に関する決議案というのが出て参りまして、これも承認を得ております。提案者は坂本実君外十八名ということになつております。民自党、祉会党、共産党、その他みな入つておられるわけです。それではこの案文だけを差上げまして、もし御賛成なら共同提案になさるように願います。今はつきりいたしておりますのは、先ほど述べました三案だけであります。それを本日会議に上げるか、上げないかということの御相談を願います。それから警備力の調整に関する決議案というのは、現在では苫米地さん外四名の提出となつております。
#6
○園田委員 これは共産党と労働者農民党を除く各党の共同提案になつております。
#7
○大村委員長 それでは警備力調整に関する決議案を本日の本会議に上程することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○林(百)委員 私の方は討論いたしたいということを一應申出ておきます。
#9
○岩本副議長 決議案が毎日幾つか出ますが、決議案の趣旨弁明に時間を制限しないので、非常に長いのがあつて迷惑だと思いますが、これもまた簡潔にやつていただくように時間を十分以内とかということに願いたいと思います。
#10
○石田(博)委員 そう願いましよう。
#11
○大村委員長 いずれこれは小委員会のときにまた御決定を願いたいと思いますが、決議案の趣旨、弁明は会期切迫の折柄でありますから、なるべく十分くらいの間に済ますということにいたしまして御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○大村委員長 さように決します。
    ―――――――――――――
#13
○大池事務總長 今お手元に行つております貯蓄運動推進に関する決議案、これは丹羽彪吉さんほか島村一郎、堀川恭平、土井直作さんこの四人の提案になつておりますが、もし御賛成でありますれば、各派をお入れを願いたいと思つております。
#14
○林(百)委員 共産党はこの共同提案者にはならぬけれども、何も反対するほどのことはないと思います。
#15
○大村委員長 貯蓄運動推進に関する決議案、これも本日の本会議に上程して御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○大村委員長 そのように決します。
#17
○大池事務總長 今の警備力調整と貯蓄運動の両決議案の今出ております以外の各派賛成者がきまりましたならば、本会議に上程するまでにお申込みを願いませんと、だれ君ほか何名提出というのにさしさわりますからら早くお申出をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#18
○大村委員長 次に懲罰動議の取扱いに関する件を議題に供します。
#19
○田渕委員 これはぜひともきよう上程せられまして、陣がさという定義は削られたいと思います。そうでないと少くともわが党は納まりません。ことに懲罰動議は三日以内ということになつておりますからぜひきようお取上げを願います。
#20
○園田委員 暫時保留を願いたいと思います。ただいま折衝中でございますから、運営委員会に届けてから三日以内でありますが、これを議することは明日まで御延期を願います。
#21
○大池事務總長 御存じの通り懲罰動議は事犯のあつたときから三日以内に議員の方から出してございませんと、懲罰動議を出す機会を失うわけでありまして、從つて懲罰動議が出ておりますれば、規則その他によりましてきわめて最近の機会にこれを本会の議題にするというのが建前であります。しかしながら、事一身上に関する懲罰の問題でありますので、これをいつ取上げてどうするかということは運営委員会で、一應從來から先例でおきめを願つている次第でありまして、議長としてはこういうものが出たからすぐ本会議に上程するという手続きをとつてはおりません。從つて一昨日の椎熊議員の言動に対しまして当日懲罰動議が出ましたが、その機会において本議場で問題といたさずに、本運営委員会でその取扱い方を決定していただいてから取扱うということでお諮りを申し上げた次第であります。
#22
○林(百)委員 私の方の立場はいずれ神山委員からお話があると思いますが、党の空氣としてはやはり同僚の椎熊君のために園田君もおいでになるからお話をいたしたいと思いますが、どうも少し愼んでもらわねばならぬような言葉を椎熊君が言い過ぎるんじやないかと思います。それは私の場合の経験から言つても、一昨日の本議場における言動から言つても、やはりある程度言葉は恨んでもらわねばならぬというのでありますが、わが党としても非常にその意向が強い。それは厳重にあなたからお話を願いたいと思います。
#23
○神山委員 椎熊君の言動が行き過ぎだということは、公知の事実だと思います。この前の林君の懲罰動議に関連するあの席上の言動の中には、彼の動き方まで含めて、まことに不見識きわまるものがあつて、あれではかえつて國会の権威を傷つけるものではないかということを考えたわけでありますが、ことに話の内容の中に、議員全体を侮辱するということも間々ありますが、現在國会に三十五名の議席をもつて、あなた方と一緒に同僚議員として國政の審議にあたつている共産党に対しては、言うべからざる誹謗的言辞を弄している。石田君のごときはときどき脱線されるのでありますが、椎熊君は繰返し繰返し自分で意識的に宣傳している。その一つ一つについて今議論することは避けますが、そういう椎熊君でありますから今林君が言いましたように、私たちとしては嚴重に本人に対して警告を発することは必要だと思います。しかし一方私たちが最近心配しているのは今度の会期が始まりまして少しの言葉の上から懲罰動議が盛んに出て来る。たとえば久保田君がフアツシヨ的だなんと言つたことが問題になつたり、われわれの同僚の一人がかつての軍閥に似ていると言つただけで、すぐ懲罰々々といつて、二言目には懲罰懲罰と出て來る。こういうふうなことは議員の國会における自由な発言に対する一つの制限になつているとわれわれは受取らざるを得ない。全体としてすぐ懲罰動議をお出しになつて、議員の最も自由であるべき憲法の認めた、また刑法からも免除されているわれわれの言論の自由を制限するような傾きがないとはいえないと思う。從つて私たちは今度の問題については十分お互いに眞劍に考えて善処する方法を講じているわけです。ごとに私は一昨日の本会議の席上には考査委員会があつて出ておりませんでしたが、その前の日、本会議の席上で石田(一)君が労働組合法に反対の演説をしているときに石田君の職業に関連して「のんき節黙れ」とか「のんき節ひつこめ」とかいうふうな言動がたくさん出て来た。当時私は議長に注意してくれということを事務総長まで申し入れたが、彼の場合はそれが職業なので、議員が一定の政治團体を代表して発言している場合に、そういうことをいうことはまつたく不謹愼きわまる。こういうふうな空氣の中にあればこそ椎熊君はますますのさばつて得意の弁舌を弄してほしいままな発言をする。その一つの現れがあなた方まで含めて陣がさというような無礼なことを言つた。從つて発言そのものが、陣がさということが民自党の諸君を侮辱しているとすれば、これを十分警告を発して椎熊君の今までの言動等にも関連さして、國会が何らかの便宜な措置を取られることにはわれわれは賛成だが、それだからといつて今私が述べたような状態から考えて見ますと、ただちに懲罰委員会にかけるというまでに持つて行くことは今園田君からの発言もありますので、その点はあとで十分話合い、さらに本人の一身上の釈明も聞いた上に善処されるように私は希望したいと思います。
#24
○林(百)委員 私は一昨日の本会議場におりましたが、権能君が民自党の諸君をさしてその辺の陣がさどもは首脳部の意見をも知らないで、何をがやがや言うんだ。君たちは黙つておれという、あれは非常な屈辱だと思うんです。よその党のわれわれが聞いておつても同僚としてああいう言葉を吐くということは、実に憤慨にたえないのだ。問題はそれだからといつてこれで懲罰に付することがいいかどうかは別として、同僚の民自党の諸君を特に指さして君たち陣がさども云々といつた、そう言われたあの人たちの氣持を十分納得させるだけの処置を椎熊君としては取ることに努力をしなければいかぬと思う。
#25
○園田委員 この問題に対する私の意見を申し述べることは控えますが、ただこの問題はわれわれから見ると先ほどから言われている通りに発言中の言葉であるけれども、やじの鷹酬とみている。ただしかしいかなることといえども、使われた言葉は党としても個人としても、相当反省を要することは認めております。從つてこれについていろいろ折衝中でもありますし、本人がまだ出て來ておりませんので、少くとも運営委員会でこれを決するについては本人の一身上の弁明を聞いた上でやつていただきたいと思いますので、この取扱いの問題は明日までお延ばしを願いたいと思います。
#26
○山手委員 これをきよう取扱わないということにきまれば別でありますが、さつきから聞いておりますといろいろの議論が出ております。あの日にわれわれは歩いて帰りがら、傍聽席におつた連中がいろいろな批評をして歩いているのをうしろから知らぬ顔をして聞いたのでありますが、國会の中の議場のいろいろのやじの應酬の問題については、非常に痛烈な批判をしている。椎熊さんが陣がさ云々と言つたことについては、今ここでこういう議論をすると非常に侮辱をしたことにもなると思うのでありますが、そういうことをやじるようになつたその雰囲氣をあの議場では非常につくつていると思う。ぼくはそういう点に対して、こういう懲罰を取上げるのであれば、その前にもつとやらなければならぬ問題があるように思うので、この問題はよく愼重に考えて今言つたように懲罰動議が言論の制限的な傾きを非常に持ちつつあるのでありますから、もつとよく愼重にみなが考えなければならぬ。事が懲罰に値するかどうか、まただれが懲罰にされるかどうか私はむしろ大衆が批判していると思う。傍聽席にはずいぶん数多くの人が見ているのでありますから、これはひとつ愼重に考えてもらいたいと思う。
#27
○石田(博)委員 今山手君が雰囲氣の問題、あるいはこれまでの問題その他について議論されたけれども、そういうことを直して行かなければならぬという建前については、ぼくも異論がない。しかしその議論をそのまま押し進めて行きますとどろぼうをしたのはどろぼうが惡いのではなく、こういうものを生んだ社会情勢が惡いということになる。しかしそういうことはそういうこととして本質的に直して行くことは一向反対ではないが、出て來た現象は出て來た現象としてやはり取上げななればならぬ。それから園田君の議論だと、椎熊君がここに出ておられないから、その弁明を聞かれないから今日は取上げられない。そういう御議論だと当事者が出て來なければいつまでも引き延ばざれるということになる。そういう取扱いでなくて椎熊君の方で自発的に被害者というような侮辱を受けた諸君、われわれもみずから陣がさだと思うから非常な侮辱を受けたと思つているが、そういう侮辱を受けた者に対して自然的に何らかの処置を取られる努力をされているというので、いま一日待つてくれというお話ならば、われわれとしてはそれもいけないと言うほどがんこでないつもりである。しかし本人が來ないから、あるいは今言つた問題の対象を拡大した考え方で、そのために焦点をぼやかしてしまうという考え方には反対です。
#28
○神山委員 私は先ほど述べたように一應この問題を今日すぐ審議するのではなくて、民主党の野党派からも申入れがありますように、そういう努力をするということを前提にして、一應あしたにでもするということにされてはどうですか。
#29
○林(百)委員 ぼくは石田君の言われたのは非常にいいと思う。やはり本人がそういう積極的な努力をするという態度を持つて來ないと、結論のつけ方がむずかしい。ぼくの場合もそうですが、やはり議院運営委員ですから國会の諸規則、慣習には忠実に縫う必要がある。どうせあと一週間だからごまかせばどうにかなるであろうということでなくして、議院運営委員だからこそ特に懲罰の扱い方などは即決にしなければならぬものですから、そこをよく椎熊委員に言つてもらつて積極的にいろいろの努力をしてもらうということを希望いたしまして、あすならあすに延ばすことに賛成いたします。
#30
○田渕委員 先ほど石田委員からあすというお話がありますが、二年、三年の議員からいえばあすでもよろしゆうございましようが、われわれ一年議院をさしてそこらの陣がさという言葉は実に侮辱でありますから、これは規定によつてはつきりときよう取上げていただきたい。そうでないとわれわれの方は治まりません。
#31
○淺沼委員 ちよつとお伺いします。議員の発言についてあとで懲罰問題が起きればなんですが、すぐそのときに本人から取消しの申出があつたんですか、ないんですか。それから議長の取扱いはどうなすつたんですか。
#32
○大池事務總長 本人から別に申出はないから、速記録を調べた上で適当な処置を講ずるということになつております。
#33
○淺沼委員 それで問題の扱い方は、いつも議長の取扱いの中に調べてみてあとで適当な処置をするというけれども、それは議長がやるのではなくして、本人の承諾を求めて本人が取消すということになつている。それを議場に諮らずにやつているのが、議長のはからいだと思う。そこでもし話合いができるならば、どういうふうな処置を取られるか知らぬけれども、私の考えとしてはこういう言葉を使つたことは、幾分行き過ぎだというような意味のことを議長を通じて取消しの要求があつたということなら、この手段が講ぜられて案外問題がさばけて行くような氣がするんですが、ただ闇から闇に――椎熊議員がきようお見えになつておらないようだけれども、今園田さんが言われるように椎熊君はいろいろ考えた末に、陣がさという言葉は言い過ぎた。從つて議長を通じて本会議で取消す。言つたことは速記に出ておりますから、それをはつきりと取消すという形式を取れば非常にいいが、そういうことをやつてもやはり懲罰にかかりますか。そういう話にはできぬですか。
#34
○林(百)委員 椎熊君の言動はだれが考えても同僚議員に対する侮辱だと思う。それに対する宥恕の努力をみずからやつて見て、それによつて運営委員会として態度を決したらどうか。それについて本人の努力もあるからとにかくあすまで延したらどうかという空氣はわれわれから出たが、民自党の諸君からはあすまで猶予がができないということになつた。われわれは今淺沼君が言われるように、とにかく本人に努力させてはどうかということをいつているのであります。
#35
○神山委員 私は田渕君の今の発言に関連して一言したいんですが、田渕君のおつしやる氣持はよくわかる。しかし一方からいえばぼくも一年生議員だからいうが、大体國会の議員の中に一年生だとか二年生だとか七年生八年生と格を上げたり下げたりすることが問題だ。そういう意味が民自党の党内でもよく出ている。そうでしよう。そういうふうなことはわれわれが打ち砕いて行かなければならない、訂正をしなければならない問題なんですから、こういう一年生議院でしかもわれわれと同僚の立場におられる田渕君のような方々が、みずから一年生議員と卑下して陣がさといわれたら、それは自分のことだ、それを石田博英君までが二年生のくせに自分から陣がさだとこういうふうなことを議員自身が考えていることが問題だと思う。ですから私はここでお互いに努力して一年生といわれる諸君にもこういうふうな点で(「それは詭弁だ」と呼ぶ者あり)詭弁じやない。君らの代議士会にも出ているじやないか、だからこういう点からお互いがよく考え直して十分話合つて、田渕君も今いろいろ折衝しているから懇談的にお願いしているんだが……。
#36
○田渕委員 石田君としては陣がさじやないから自分のことではないとすましておられるが、椎熊君の場合は明らかに指さしている。
#37
○林(百)委員 だから神山君の言うように、われわれの持つている卑屈感を打破する一つの方法としてこの問題を議会に取上げ、お互いにそういう観念を潜在的に持つているから意見が出る。それをぶちこわす意味でこの問題を愼劍に取上げるというのが田渕君の御意見だと思う。
#38
○神山委員 そういう意味でわれわれとしても全部協力してこの問題を正しくやりたいと思うから、ひとつあなたからも一應即決というのでなくて、あしたということに御同意願いたい。その上で椎熊君の処置については、あした運営委員会であらためて討議して何とか解決するようにしていただきたい。
#39
○田渕委員 会期も迫つておりますし、われわれは先輩を尊敬もし、先輩の指導を受けているわけですが、椎熊さんの場合にはもう会期も迫つているから、言いたい放題のことを言つても懲罰にもならぬというのでは会期が切迫するにつれて、どんなことが出ないとも限らないから、この際わが党としては、またわれわれ陣がさと言われた前列におる者としては、ことにそこらにおる者と言われたこの一年議員だけを前にすえて、差別をつけるということはどうかと思うので、この機会にこれを取上げていただかないと、何のために新議員がよけい出たかということにもなつて来ると思う。私はこれ以上は申し上げたくない。
#40
○大村委員長 ただいまの懲罰動議の件はいろいろ御意見も述べられましたが、本日はこの決定をいたしませんで、明日の運営委員会まで延期いたします。その間に各派の態度等を御考究の上で、明日決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○大村委員長 それではそのように決しました。
    ―――――――――――――
#42
○大村委員長 次に福利小委員長より國会議員の退職金に関する法律案の件について報告を申出られております。これを許します。
#43
○倉石福利小委員長 ちよつと報告いたします。福利小委員会に付託されておりました國会議員退職金に関する法律案について、一應努力審議した結果を御報告申し上げます。國会議員の退職金ということは國会法第三十六條に基き、議員は別に定めるところにより退職金を受けることができることになつておりますので、これを立法化する必要があるということから起きたことでありまして、この議案は法制局において立案されたものでありますが、米國議会の議員の退職金制度と、わが國の官吏の恩給制度等を参考にして書いたものであります。私どもはこれを逐條審議をいたしまして、多少ふに落ちない向きもあつたのでありますが、たとえば第十二條の「國会議員が在職年四年以上八年未満で退職したときは、これに一時金を給する。在職年八年以上であつても満五十五歳に達しないで退職したときは、その者についてもまた同様とする。」つまり一時金の希望者には一時金を至急する。そうして第十三條で「前條の一時金の金額は、退職当時の議員の歳費月額の二分の一に相当する金額に在職年の年数を乗じた金額とする。」とありますが、この点などもわれわれ一應疑義を持つたのであります。立案者の説明によりますと、結局支給する資格を在職期間八年というように短かくしておる結果、月額二分の一にしたものであるということを了解いたしまして、大体審議の結果、これが至当であろうということになりました。ただ問題とするところは結局どの範囲に当てはめるということでありまして、つまり新憲法実施後のものだけに当てはめるか、これを旧帝國議会の議員の人にも当てはめるかということが、大きな問題になるのであります。この点は福利小委員会として決定する権限外のことであろうかと思うのでありまして、一應この法律案は先ほど申し上げました通り國会法に規定されておるものの付随したものとして、適当なものであろうという結論に達しましたので、一應本日御報告申し上げまして、今いろいろどの範囲にまでこれを当てはめるかという問題につきましては、運営委員会などにおいて他の法律案などと同じように各党の意向によつて御決定をいただくよりほかに道はないと思うのであります。これにつきましては共産党あるいは社会党から反対ないし保留等の態度をとられておるのでありまして、どうしてもこれは他の法律案と同様にやはり運営委員会において議決するという方法をとつていただくよりほかに道はないものと考えるのであります。本日ここで福利小委員会は以上お手元に差上げました國会議員の退職金に関する法律案というものは至当なりという立場で御報告申し上げまして、今の適用範囲をどうするかということは運営委員会において御決定をいただきたいと思うのであります。簡單でありますが以上この法律案を檢討いたしました経過を、福利小委員会から御報告申し上げる次第であります。
#44
○林(百)委員 この問題の扱い方ですが、実は非常に問題があると思います。今定員法による官吏の諸君の退職金ですら、非常に政治的に問題になつております。これをやりますと議員の歳費のうちから、わずか基金は積みますけれども、それだけでは不十分で、やはり適当な予算措置をしなければならない必要があるとわれわれはこの法案を審議した結果、そういう結論が出ております。長い間勤めた人が退職金が幾らもらえるかわからないというような大きな問題が社会的に起つているときに、議員だけが予算的措置をして自分の退職金だけ考えるということは、われわれも愼重にしなければならない。愼むべき点は愼まなければならないと思いますし、共産党は初めからこの法案について反対をしておきましたが、なお十分檢討してみたいと思いますから、どうかこれはもうしばらく檢討させていただきたい、継続審議という形で、もう少し審議させてもらいたいと思います。
#45
○石田(博)委員 林君のおつしやる意味は、私どもは愼重に審議するということは一向異議はない。きようここできめようと言うのではない。しかしあなた方が反対だということを先におつしやつていて、あとで審議せよというのは、どうもおかしい。
#46
○林(百)委員 今のところは反対だが、なお昨日來、いろいろやつてみますと、われわれの方からも基金を歳費からさいて出す。それだけで足りるかどうか、実際給與して行くことになれば、國庫の方から相当予算的援助を仰がねばならないという問題もある。今の段階としてわが党としては反対して來たが、なお檢討する必要がある。だから少くとも結論はもう少し先へ延ばしてもらいたい。継続審議するということは言い過ぎだが、もう少し檢討の時間を與えてもらいたいというのであります。
#47
○石田(博)委員 私どもはこの退職金に関する法律案を出して、この國会中にぜひとも成立せしめたいと思います。第一の理由は、これは特定の人を考えると非常におかしいことになりますけれども、尾崎行雄さんが非常に高齢に達しておられる。そうしてこの数十年にわたる議会政治の功労、それからその治績を考えてみますと、私はやはり長年にわたつて議会政治のみに專念せられた政治家の老後といいますか、あるいは議院としてあるいは國家としてこれを顕彰することは忘れてはならないと思う。たしかに官公吏の諸君は今大勢行政整理の対象となつておりますが、年限によつて退職金というものは明らかになつている。ところが議員の場合はそれこそ何十年にわたつて憲政に貢献せられたことに対して、規定が全然ないというこの建前の方が私はよほどおかしいと思う。その額が多い少い、適当であるか、不適当であるか、それからその財源をどうするか、これは次の問題としても、憲政に長い間の功労を盡された人に対する、老後の生活安定を確保するということは、やはり一面においては國会議員が安心して國政に携わり得るという背後條件をつくることになると考えるので、この両面からぜひとも早くやつてもらいたいと私は思つているのであります。そこであなた方が反対なら反対でいいが、反対だが、あとで審議しろという建前はどうもおかしい。今の御意見では今のところ反対だが、財源その他が明らかになれば賛成するかもしれないという意味に解釈していいですか。
#48
○林(百)委員 実はわれわれの歳費から幾らかさいて基金にする。いろいろ計算するとお互いが自分の歳費をさいて、その積立金で功労者に対する老後の生活を保障するならいいが、われわれの積立金以外に國家の財政の援助を仰がなければならないということになると、あなたが言われたように國会議員が長い間國会に專心して來た。その老後がみじめなことになるのは救済しなければならないということはよくわかるが、それはわれわれの國民の生活一般が余裕のあるときならそれはいい、しかしみなが苦しんでいる際だから、特にわれわれ國会議員は在職中相当惠まれた給與をもらつている。その上に退職金を國家の財政の援助を仰いで一時金なり、あるいは年金なりをもらうことについては、われわれは國民に対する責任上からこれに賛成しがたいわけであります。だからわれわれの歳費からさいて出す、その積立金と國家からの援助がどれだけいるか、もう少し檢討して見る必要がある。それでこの審議を愼重にする意味において、もう少し審議の機会を與えてもらいたいと思います。
#49
○松井(政)委員 私はこの問題をさらに十分検討したいと思うことは、國会議員が公務員に準ずるというような形になれば、やはり公務員と同じような率における退職金制度はあつていいものと思う。それでその資格年限は公務員が十七年のものが、これは八年となつていてその半分である、それから年金の率も公務員の半額になつているので、大体公務員と同じような率になつている。そういう事柄からいえばいいように考えられますが、問題は今林君が言われたように、予算的費用のことです。これは附則における適用の保障が一番大事だと思う。石田さんの言われました尾崎さんの場合におきましても、たとえば適用のときが明確にきまれば、今きまらないであとできまつても、たとえば、旧憲法時代の年数にさかのぼるか、あるいは新憲法ができてからか、あるいはそれから後の國会からか、いろいろ適用のときが問題になろうと思う。それで本國会会期中にきまらなくても、ここのところは明確に旧憲法時代にも適用されるということになれば、あとからきまつてもさかのぼつて適用されることにもなるわけです。ところがここで予算の問題を考えれば新しい憲法後ということになりますか、あるいはその後の新しい國会からというようなことになりますと、これは掛金だけで支拂いは間に合う。國会議員一人が一年に六千九百十二円かければ、参議院、衆議院を寄せると一年に四百九十四万八百千円くらいになる。それが四年間に一時賜金をもらう場合が、任期がまだあと二年くらいあるから、そうなつて來ると、二千万円はいるわけです。そこでその適用の時期がきまることによつて、ただちに國家からの予算を必要とするか、それとも積立金だけでしばらく間に合うかということが議論になる。そういう事柄についてなお十分私は審議してみたい、檢討してみたい。そういうことで私どもはこれはもうしばらく研究させてもらいたいのであります。
#50
○石田(博)委員 それはぼくもこの法案を見て、たとえば八年という年限の切り方はぼくらから考えると短か過ぎる。およそ國家から功労ありとして年金をもろうのに、八年やそこらでこれをとるという考え方は間違つている。その生涯をその事業なり、その仕事なりにささげた人は残りの生涯を全然無収入で終るのは氣の毒だということからこれをもらうのであつて、八年やそこらでこれを取るのはぼくらも議論がある。といつて一面旧憲法下のものを入れないというと、旧憲法時代から在職されて、今日まで残つた人は一應政治的志操を誤らなかつた人と考えてもいい。そういう人にこれをやらないというのはおかしいと思う。そういう点でもつと檢討を要すると考えます。それから年齢的にも五十五歳とかいうが、五十五歳くらいはまだまだ働ける年だから、私はもつとこれを引上げてもいいと思う。しかしそういう点はさらに檢討する、必要があるから、きよう決定しようとは言わない。次回に延してもいい。各党においてももう少し檢討して持ち寄るべきだと思います。
#51
○林(百)委員 われわれは反対して來たが、なお検討の余地がありますから、もう少し時間をかしていただきたい。
#52
○淺沼委員 この法律は福利小委員会でつくつた法律でしよう。從つて何も反対とか賛成とか自分のつくつた法律に賛否が出て来るのはおかしい。案をつくる間に反対とか賛成とかいうことが出て來るのがほんとうだと思う。
#53
○石田(博)委員 福利小委員会では多数決で決定する権限はないのです。ただ原案をつくるだけです。
#54
○大村委員長 きようこの運営委員会で御審議を願いたいというのであります。
#55
○林(百)委員 意見がまとまらないから、なお運営委員会でやつてもらいたいというのであります。
#56
○大村委員長 退職金に関する法律案は、本日は懸案にいたしまして、次回の委員会で改めて御協議を申し上げます。
 運営委員会はこれにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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