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1949/04/02 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 外務委員会 第4号
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1949/04/02 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 外務委員会 第4号

#1
第005回国会 外務委員会 第4号
昭和二十四年四月二日(土曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 岡崎 勝男君
   理事 安部 俊吾君 理事 栗山長次郎君
   理事 若松 虎雄君 理事 並木 芳雄君
   理事 松岡 駒吉君
      佐々木盛雄君    塩田賀四郎君
      竹尾  弌君    守島 伍郎君
      園田  直君    山本 利壽君
      戸叶 里子君    木村 俊夫君
 出席政府委員
        外務政府次官  近藤 鶴代君
        外務事務官
        (條約局長)  西村 熊雄君
        逓信政務次官  武藤 嘉一君
        逓信事務官
        (郵務局長)  小笠原光壽君
        逓信事務官
        (貯金局長)  村上  好君
 委員外の出席者
        專  門  員 佐藤 敏人君
        專  門  員 村瀬 忠夫君
四月一日
 委員福田篤泰君及び北澤直吉君辞任につき、補
 欠として橋本龍伍君及び高間松吉君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月三十日
 郵便振替に関する約定に加入することについて
 承認を求める件(條約第一号)
 郵便為替に関する約定に加入することについて
 承認を求めるの件(條約第二号)
 代金引換郵便物に関する約定に加入することに
 ついて承認を求めるの件(條約第三号)
 價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入す
 ることについて承認を求めるの件(條約第四
 号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 郵便振替に関する約定に加入することについて
 承認を求めるの件(條約第一号)
 郵便為替に関する約定に加入することについて
 承認を求めるの件(條約第二号)
 代金引換郵便物に関する約定に加入することに
 ついて承認を求めるの件(條約第三号)
 價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入す
 ることについて承認を求めるの件(條約第四
 号)
    ―――――――――――――
#2
○岡崎委員長 これより会議を開きます。
 日程に入ります前に、若松委員より戰犯者処刑に関する嘆願につきまして、特に当局に質問を行いたいとのことでありますから、これを許可いたします。
#3
○若松委員 ちよつとこの際外務省の政府委員にお尋ねいたします。数日前私の手元へ、この嘆願書の案が出て参つたのでありますが、これは昨年五月二十三日、フイリピンのセブ市における中村事件というものに関連いたしまして、元陸軍少尉陣内起也外十三名がこれに関連しておるゆえんで、絞首刑の宣告を受けたそうであります。この嘆願書の案は、陣内に関するものでありまするが、陣内という人は、生來温厚公平な性格の持主であつて、そういうことをしたような事実は信ぜられない。たまたま彼の属しておつた討伐隊の隊長である東中尉というのが戰死したので、その責任をその部下である陣内が負わされたということであります。その他、この十三名のうち六名は入院しておつて現場にいなかつた、あるいは所属部隊が違つておつたというようなことでありますが、そういう事実にもかかわらず、全員絞首刑の判決を受けたということになつているそうでありますが、事実といたしますれば、正義人道上ゆゆしき事件と思われるのであります。ことに米軍がフイリピンを撤退しましてから、フイリピンにおける戰犯者の処刑が非常に嚴格になつて、大部分絞首刑の刑を受ける傾向があるそうであります。ことにこの日本人虐殺事件その他に目をおおわれまして、どうも以上述べましたような事件がややもすれば葬り去られんとしているような傾向があるのでありますが、これは私どもとしては非常に遺憾に感ずるわけであります。たまたまこの嘆願書の案は、外務省にも提出いたされているように承知いたしております。こういう点につきまして、外務省としてはどういう御処置をおとりになつておりますか、でき得れば迅速に御処置願つて、この無幸の民を、こういうあわれな状態に追い込まれないように御処置を願いたいと思うのであります。まず外務省の御意見を伺いたいと思います。
#4
○近藤(鶴)政府委員 ただいま若松委員から御質問になりましたような事柄につきましては、二、三私の手元にも嘆願書が参つております。内容はきわめて容易ならぬことでございますので、私どもといたしましても、即刻調査に手をつけるようにいたしております。眞相がわかりましたあかつきに、適当の処置をいたしたいと存じております。きわめて早い期間に御納得の行くように御返事を申し上げたいと思います。
#5
○若松委員 近藤政府委員のお話で、御趣旨のあるところを了解いたしましたが、実は昨年私が仄聞したところでは、場所はわかりませんが、ただ佐藤という兵隊さんが、イニシヤルだけが似ているということで死刑されている。あとでほんとうの犯人がわかつたというような、まことに氣の毒な状態があります。事は非常に急を要しますから、できるだけ時期を逸しないように御処置を願いたいと思うのであります。なお聞くところによれば、今回赤十字條約の改訂に関して、日本から二人の顧問がおいでになるそうでありますから、そういう点もいろいろ御考慮に入れられて、日本の虐殺事件とかがあまりに誇張せられたために、こういう犠牲者のあるということも、世界各國に大いに注意を喚起してもらいたいと思うのであります。私の質問はこれをもつて打切ります。
#6
○岡崎委員長 今の点は、しからば政府側とよく協力いたしまして、至急眞相を確かめ、その他適切なる処置がとれるものならとるように、委員長の方でとりはからうことにいたします。
    ―――――――――――――
#7
○岡崎委員長 続いて本日は、去る三月三十日に本委員会に付討になりました四つの約定、すなわち郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。まず政府より提出趣旨の説明を求めます。近藤政府委員。
    ―――――――――――――
#8
○近藤(鶴)政府委員 簡單に御説明申し上げます。
 今回御審議を煩わすことになりました價格表記の書状及び箱物に関する約定、代金引換郵便物に関する約定、郵便為替に関する約定、郵便振替に関する約定の四つの約定は、一昨年七月五日パリの万國会議で成立したものであります。
 この会議では、國際郵便業務に関する基本的條約といたしまして、万國郵便條約と、郵便の特殊業務に関するものとしまして、ただいま申しました四つの約定を含む七つの約定がつくられたのであります。これらは、從來のブエノス・アイレス万國郵便條約及び関係諸約定にかわつて、昨年七月一日以降すでに関係各國間に実施されておるのであります。
 わが國は、明治の初年から國際郵便関係の條約に参加いたしておるのでありまして、ただ終戰後の特異な事態に基き、関係條約及び約定のわが國に対する適用が停止されておつたのであります。この間に、ただいま申し上げました通り、從來のブエノス・アイレス條約及び約定にかわつて新しくパリ條約及び約定が國際間に適用されることになつたのであります。わが國も御承知の通り、昨年六月連合國総司令部からパリ條約及び関係約定の加入を適当と認める旨の指示を受けまして、とりあえず当時実施可能の状態にありました郵便條約と小包郵便物に関する約定とへ加入することを決定し、國会の承認を得た上、條約所定の手続に從つて加入いたしたのであります。
 残余の約定、特に今回の四つの約定につきましては、当時為替レートがない事情もありまして、加入を差控えたのでありますが、近く為替レートの設定が予想される事態になり、その場合は、早速郵便業務におきまして、相当廣範囲にわたる海外との現金、有價証券、貴重物品、為替の送受、また振替、代金引換制度の利用等が要望されるようになる見込みであります。政府といたしましては、新事態に應じて、ただちに加入できるよう措置しておきたいと存ずるのであります。よつて四つの約定に対する加入について、今回國会の承認を求めることと相なつた次第であります。
 なお約定の改正点等内容に関しましては、関係政府委員の説明を御聽取願います。
    ―――――――――――――
#9
○岡崎委員長 ただいま政務次官により説明を聽取いたしましたが、本件は逓信委員会にも重要な関係があり、同委員会より本委員会に対して、連合審査会を開かれたい旨の要望がありました。これはしごく妥当と存じますので、一旦休憩し、これよりただちに連合審査会に移りたいと思いますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○岡崎委員長 それでは本委員会は暫時休憩いたします。
    午前十時五十九分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後零時四十一分開議
#11
○岡崎委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
#12
○竹尾委員 ちよつとお尋ね申し上げます。今問題になりましたこの約定の七と八ですが、この約定についての政府当局の御答弁は、從來からこれに加入しておらない、しかも利用性が非常に少い、將來もその意思がない、こういうような御回答でございましたが、これはどうもわれわれにははなはだしくふしぎに思われる。今向うの文献を読んで、大いに知識を廣めようとするような氣持が高まつているやさきにおきまして、この七と八こそ一番大事な約定だと思うのです。これに対する御見解をただすとともに、ぜひきわめて近き將來に七と八を実現していただきたい。お尋ねと意見を両方申し上げます。
#13
○小笠原政府委員 ただいまのお話、まことにごもつともでございますが、政府といたしましても、十分この問題を檢討いたしまして、善処するようにいたしたいと思います。
#14
○戸叶委員 私質問申し上げたいと思つたことは、今竹尾委員からお聞きになりましたので省きますが、今までこれに加入せずに、どういうふうな形で定期刊行物などを向うからとつていたかという、在來の扱つていた方法をお伺いいたしたい思います。
#15
○小笠原政府委員 新聞紙とか雑誌とかいうようなものは、もちろん一般の万國郵便條約の規定によりまして、外國から取寄せることはもちろんできるわけです。その代金を、たとえばあらかじめ年ぎめの約束をするにいたしましても、その料金は、郵便関係で申しますれば、郵便為替で送ることも可能でございまするし、そのほか普通の有價証券で、郵便を利用して先方の書籍店に送ることもできるわけでございます。実際上は別段支障はないわけであります。
#16
○戸叶委員 私も、ぜひ早い機会において約定に加入するような方法をとつていただきたいということを、希望條項として申し添えておきます。
#17
○岡崎委員長 それでは都合によりまして、本日はこれにて散会いたします。次会は四月六日午前十時より開会することにいたします。
    午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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