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1947/11/12 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第42号
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1947/11/12 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第42号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第42号
昭和二十二年十一月十二日(水曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 坪川 信三君
      安平 鹿一君    笹口  晃君
      森 三樹二君    工藤 鐵男君
      小島 徹三君    後藤 悦治君
      小澤佐重喜君    廣川 弘禪君
     山口喜久一郎君    田中 久雄君
      中野 四郎君
 委員外の出席者
         副議長    田中 萬逸君
        事務總長    大池  眞君
    ―――――――――――――
十一月十日
 船員不在投票制度改正に關する陳情書(近畿船員地方勞働委員會長大谷龍造)(第四九八號)
 選擧法に關する陳情書(千葉縣野田町高木虎尾)(第五四九號)
 政黨法に關する陳情書(千葉縣野田町高木虎尾)(第五五〇號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 運輸及び交通委員會の委員派遣承認要求の件
 隱退藏物資等の特別の委員會の委員派遣承認要求の件
 議院における證人の宣誓及び證言に關する法律案起草の件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それでは開會いたします。
 第一に、運輸及び交通委員會の委員派遣の承認に關する件を議題に供します。議長諮問ですが、總長から御説明を願います。
#3
○大池事務總長 これはこの前に一應留保して御研究を願うことになつておつたのでありまして、運輸及び交通委員長より、四國、九州間の國營連絡航路の開設の請願審査につき調査の必要があるということで、井谷さん以下三名が一週間、愛媛縣、大分縣等に行きたい、こういう申出であります。
#4
○淺沼委員長 御意見ありませんか。
#5
○田中(久)委員 これは緊急突發的な事項その他以外は、この議會中は許さないということじやなかつたのですか。
#6
○淺沼委員長 問題は、議案審議に必要だから派遣してもらいたいという申出なのです。
#7
○大池事務總長 委員派遣を認める場合は、委員會の審査調査が、派遣調査以外の方法では不可能と考えられる場合に、委員を派遣する天災地變等の突發的事項について調査研究を要するものとか、立法上現地調査を絶對に必要とするもの、この二つがあるわけです。今申し込まれているのは少くとも前者ではありませんから、後者として、立法上現地調査を必要とするもの、こういう建前の方から來ているものと思います。
#8
○小澤(佐)委員 大體その必要性は認めるけれども、なおその現在の委員會の申出だけでは、ただちにこの前の申合せ事項に該當するものとは思われない。議長において再調査の上、前に決定したわく内にはいるものと認めた場合には議長においてこれを許すということではどうでしよう。
#9
○淺沼委員長 それでは小澤君の御提議になりました通りの取扱いでどうでしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○淺沼委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○淺沼委員長 次に隱退藏物資等に關する特別委員派遣の件を議題に供します。議長諮問であります。總長の説明を願います。
#12
○大池事務總長 これは委員長の加藤さんから、九州地方における隱退藏物資摘發状況を現地調査をしたい。明禮君ほか二名都合三名が九州地方に十日間だけ行きたい、こういう申出であります。
#13
○小澤(佐)委員 この問題は委員長から詳細な内容を承つてから審議することにして、きようは留保したらどうでしようか。
#14
○淺沼委員長 それではもう少し内容を承ることにして、審議は次會にすることにして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○淺沼委員長 さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#16
○淺沼委員長 次に最高裁判所事務總長の國會出席方に關する件、これはこの間委員長あてに最高裁判所事務總長から參りました書簡を朗讀したわけでありますが、内容についてごく簡單に事務總長から御説明を願います。
#17
○大池事務總長 これは今の國會法によりますと、獨立官廳が衆議院の方へ必要に應じてまいりまして發言をし得る場合といたしましては、會計檢査院があるだけでありまして、これは決算等の審議の必要にも基きまして、國會法に委員會が必要と認めたときには會計檢査官の出席を要求してその説明を聽くことができるということになつております。また會計檢査院法の中においても檢査院の方から出席して發言をする必要がある場合においては、議會の内部手續に從いまして、みずから進んで出てきて、その説明ができるというような改正案が通つたのであります。從いまして最高裁判所等の問題については、今のところ國會法なりその他の法規では出席する機會がないわけでありますが、最高裁判所がスタートいたしまして、今後裁判所關係の組織その他直接裁判所に關連する立法が將來相冨豫想されるということと、それに裁判所の豫算というものが、今度はよほど獨立性を認められて、國會の豫算竝びに裁判所の豫算及び檢査院の豫算というものが今まで通り大藏省で任意に査定できないような建前になつている關係で、最高裁判所側が豫算委員會等において、場合によればその内容を説明したいというようなことが豫想されるのであります。しかるにその途がありませんので、最高裁判所といたしましては、議院に出席説明し得る途を、國會法等を改正する場合に適當に措置をとつてもらいたい、こういう希望事項であります。
#18
○淺沼委員長 それではこの問題は、國會法についていずれ改正を要する事項も出てまいると思うのでありまして、その場合に考えるということにして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○淺沼委員長 さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#20
○淺沼委員長 次に通信及び事務補助員手當等に關する件について、事務總長からその後の經過について御報告を願うことにいたします。
 この際皆さんにお諮りしたいのですが、私、黨のことでちよつと參らなければならぬのでありまして、きよう理事の方がおればお願いしたいのでありますが、ちようど今どの理事もおりませんから、私どもの方の森三樹二君にお願いしておきたいと思います。
   〔委員長退席、森(三)委員長代理著席〕
#21
○大池事務總長 ただいま委員長から通信手當等の法案に關する經過の報告を事務總長からというお話でありまして、私から簡單に御報告申し上げます。この點は實は衆議院の方から、御承知のように議員の通信手當は、一箇月千圓の範圍のクーポンを渡して、これをもつて賄うという點と、事務補助員、いわゆる議員祕書でございますが、その俸給が今千百五十圓だつたと思つておりますが、これでは實際の生活上支障がありますので、これを二千五百圓にしたいということで法案を出しておつたわけであります。それから議員の滯在手當、これが兩院の合同の運營委員會で額を決定する範圍のものを出し得る途を、法的措置をもつて立法したいという案が參議院の方から出ておつたわけでありまして、これについては大體從來御報告になつておる程度の交渉の結果、ほぼ關係方面でも了解を與え得るような情勢になつておつたように伺つておつたのでありますが、一昨々日でありましたか、午後二時に運營委員長と事務總長に來てもらいたいという關係方面のお話がありまして伺つたわけであります。そのときの案件の一番主要な問題は、あとで議題になりまする證人の僞證罪等に關する法律案と、それに對する先日差上げました參考案との關係で御説明があつたわけでありますが、一應の説明があつた後に、ただいま申し上げました三手當に關する法案について、向うの意見を申されたわけでありまして、これについては向うは結論を言われただけで、具體的にそれがいいとか惡いかとかいうことを言うたわけではありません。この問題については十分慎重に研究した結果、一つのレコメンドをしたい。こういうことでありました。一つの勸告をしたいという意味だと思いますが、その結論だけを向うは言つたわけであります。それは現在の段階においては現在のまま、昇給等一切せしめないで、要するに現在のままでいつてもらいたいという結論でありました。その理由といたしましては、公務委員會というものができておるようでありましてそこで公務員一般に對する給與その他手當に關する問題を全面的に再檢討中で、現在では一方においては千八百圓案を支持したいという一つの線がある。これと今の議員の手當その他を引上げる案とは矛盾があるようにも考えられる。從つてまだその結果がわからぬうちに議員の方だけでこれを上げていくということは、議員の全般的な信用を非常に害することになるであろうと考えられる。從つて今度の場合だけは一應このままにしておいたらどうであらうか。そこでそれに關して一つの考え方を言えば、兩院の決算委員會の合同審査會で、全面的に國會及び一般公務員の給與その他の手當等に關して一つの公正なる案を立てるように計畫してみたらどうか。もしそういうことをやるとすれば決算委員會がいいか、運營委員會がいいか、考え方はあらうが、決算委員會の方がいいのじやないかと考えられる。そこで、もしそういう會同審査會で一應の案が得られれば、それは一時的な案であつても、あるいは一つの大きな筋であつてもかまわぬので、四月一日までに報告をしてもらいたいと思つておる。その間に必要があれば公務委員會の方と密接な運絡をとつて研究をしてみたらどうか。こういう話があつたわけであります。そこで淺沼委員長といたしましても、種々これに對して今までの經過を説明して、議員その他も非常に期待しておつたのに、急に全面的にそのままそつとしておけということでは困る場合が起るというようなことを申したのでありますが、先程申し上げたような結論だけを申された次第であります。そこで一應その點は運營委員會にも報告をした上で、あらためて交渉すべき點があれば御交渉申し上げるということで引揚げてきたわけであります。
#22
○森委員長代理 ただいま事務總長から、通信手當竝びに祕書の俸給竝びに議員の滯在費の點について詳細なる報告がありましたが、これに對して御意見はありませんか。
#23
○笹口委員 通信費、滯在手當これはやらないとしても、事務補助員の問題は相當深刻なんです。これはよそはどうか知りませんが、私の方あたりは相當痛切に希望を出して來ているのであります。もしこれがいかぬということになると、事務補助員はほとんどみなやめはしないかと思う。また今の状態で食つていけないことははつきりしている。そうかといつてその人に毎月いくらずつ補助するということも現在は辛い状態にある。それで事務補助員の問題は全體について考えていただかないと、了承するのはどうかと思う。
#24
○中野(四)委員 事務補助員だけ別に考慮してもらつたらどうか。
#25
○大池事務總長 この問題は衆議院だけの運營委員會できめたことでないので、兩院の運營委員會の合同審査會で全員一致できまつたことであるから、ただいまの御報告は單に結論だけであつて、内容的にここがいかぬ、あそこがいかぬというならば、説明の餘地もあるのですが、この結論については、參議院に對しても、いずれ御報告がありませう。そこで兩院の合同審査會できまつたことであるから、兩院でまた密接にその報告について考慮した上、いずれ話をすべきものはする。あるいは態度を決定すべきものはするようになろうと思いますから、その點は衆議院側としては一應承つておく以外に方法はないということで歸つたわけです。そのときに附け加えて申されたことは、これらの手當を一時このままストップさせておく結果、その間においてせつぱ詰まつた餘儀なき場合はと、こういうような言葉で言われましたが、せつぱ詰つた餘儀ない場合には、一囘限りのボーナスを支給するようなことを考えてはどうか、そういうことであれば十分考究してなるべく盡力をしたいということを言われました。この點は重要でありますから、附け加えておきます。
#26
○中野(四)委員 その場合に、ボーナスについて額面は制限をされておらないのですね。
#27
○大池事務總長 何とも言われませんでした。
#28
○中野(四)委員 やむを得ない場合には月二千五百圓ぐらいになるようにしてボーナスを出してやればよいじやないか。
#29
○森委員長代理 私から申すのもおかしいですが、この問題はわが黨の代議士會等でしばしば質問されたり、各派交渉委員として、われわれがこの問題について刻々の報告をしているわけです。大體見透しとしては、國會の最終日ぐらいまでには皆さんの手もとに渡るというような含みある言葉まで言つているわけですから、もしこれがおじやんになつたとすれば、失望して、われわれが行つて報告するのは何を報告するかということになる。今事務總長がボーナスというようなことも言われたが、どうしてもできなければそういう形式にでもして支給してやらないことには、年末を控えて、今事務總長がお話になつたようにせつぱ詰つた場合と言えるから……
#30
○小島委員 合同審査會を開いてこの問題について對策を講ずることにしておこう。
#31
○大池事務總長 さらにその際一應議院運營委員會へ諮つてもらいたいということで、別の話がありました。それは豫算委員會の運營に關して、最近の豫算委員會の報告等を見ると、閣僚に對して各派から質問がされるけれども、他の常任委員會でされた質問を繰返しておるように見える。一例を言えば六、三制問題にしてもそうである。これでは常任委員會として、たくさんの委員會を設けた趣旨に反するのではないか。そこでむしろ今のようなやり方を改めて最初から分科會に移して、分科會においては、必ずしも所管の大臣の出席を求めなくとも、政府委員なり當設官吏の説明でこまかく數字的に議論をして、場合によれば所管の常任委員長を呼んで、その委員會において質疑應答になつた事項を聽取してもいいじやないか。そして各分科會の報告があつた後に總會に移つて二日間くらい全閣僚を呼んで全般的な一般質問をやるのが適當ではないかと思うが、その點はいかんという委員會の運營に對する批判をしておられた。それについて淺沼委員長も一應議會の運營ということが議院運營委員會の所管事項ではあるけれども、一旦委員會に付託された事件について運營委員會がいろいろ指圖することは越權であろうという觀點から今日まで委員會として取上げた事例はないが、今のごとき問題があるならば、豫算委員長、理事等と十分懇談していただく方が穩當ではなかろうかということを述べておられた。それに對して先方では、各常任委員會をこしらえたことについての議會全般の運營というものは、運營委員會が監視をし、十分これに對する關心をもつていなければならぬことであるから、初めてのごとでいろいろあるであろうが、十分諸般の點を考慮して、運營委員會で各常任委員長等の意見も徴して、將來目途をつくつて、それに基いて運行するようにはかつてはどうかという意見があり、委員長としては、それについては一應委員會の諸君にも御報告して善處したい。それから政黨法が今會期中に通過するという情勢であるなら、それに關連して選擧法にも及ぶであらうが、萬一通過しないという状況であるならば、想像を加えて前提を言うのはいけないが、もしそういう状況なら、選擧法の第十條、政務官の問題だが、これだけはぜひ削除してもらいたいという強い要望があつた。
#32
○小島委員 大臣はどうなるのか。
#33
○大池事務總長 大臣はどうなるか考えなければならぬと思うが、十條を削除してこれに代るべき案を立てろというわけで、それは五月三日までに政務官を廢止することに主旨があるようです。これは内閣と協力する必要があれば十分協力してやつてほしい。先方は今週中にでも第十條を削つてこれに代るべきものを出したらどうかという意見でしたが、淺沼委員長としては、今週中に代案をこしらえるのは困難であるから、五月三日までに間に合うように政務官廢止問題は善處するということで別れました。その點委員長がおられませんから御報告だけいたしておきます。
#34
○森委員長代理 豫算委員會の進行ぶりについて先方の要望を伺つたが、これについては參考になる點が非常にあると思う。その取扱いについて……。
#35
○小島委員 承つておくより仕方がない。しかし實際そういう感じがする。
#36
○森委員長代理 文化委員會、文教委員會で質問したことを、豫算委員會でむし返し返しやつておる。これについて先ほど御説明があつたように、理事に集まつてもらつて懇談してもらうということはいかがでしようか。
#37
○小島委員 それは淺沼君が歸つてから相談しよう。
#38
○森委員長代理 政黨法の問題について御説明があつたが、政務官を五月三日までに云々というのは、政務官は一年間という期限附でおいたので、新憲法實施から一年を考えてそう言つたのではないか。
#39
○小澤(佐)委員 政務官を削るなら、國務大臣はどうなるか。
#40
○小島委員 國務大臣はなれるということにしたらいい。
#41
○大池事務總長 政務官がなくなれば、政黨と政府との連絡がなくなる。かりに連絡のものが必要だとすればその連絡のものは議員が當るようにするのか、政府の中に連絡員を設けるような案をつくるのか。それも考えなければならぬと思う。この問題が起つた當時、政務官を大臣がこれがいいというので任意に任命するのがおもしろくないということも言つており、むしろ政務官というものが議院との連絡に必要なものであれば、議院みずから推薦してこれに當らせるならばまだわかるということも言つておつた。また有力な議員がそんな使い走りをしないで、むしろ政府のうちに連絡員を設けさせ、それが連絡するようにしたらいいじやないかとも言つておつた。そんなことが頭の中にあつて、代案があつたらつくれと言つておるのではないかとも考えられます。
#42
○小島委員 これも淺沼君が來てから相談しよう。
#43
○大池事務總長 それから國會法の一部を改正する法律案という形で、參考案をお手もとに差上げたはずでありますが、これは過般證人の僞證罪法案審議の際、數案起草されましたので、これらにつき先方も十分檢討した結果、最善と思われる一つの參考案ができたから、それを十分研究した上で參考にしてもらいたい、こういう意味で提示されたものであります。衆議院から出してありまするのは、獨立法として出す形になつておるわけでありますが、向うは國會法の一部改正で來ておるわけであります。これは形としてはどこまでも國會法の一部改正が正しい、そこで國會法の中に證人に關する章を一章設けて、その中で宣誓の問題を片づけることが一番穩當であると思うから、獨立法にすることの方がまずいいじやないかという議論がありました。この點淺沼委員長と再々討議した結果、實は國會法の一部改正の法案の形でやる方がいいか、獨立法にするがいいかということを十分考慮の結果、獨立法の方をとつて、國會法の一部改正の方をとらなかつたのは、國會法の一部改正ということになれば、他に國會法に手をつけたいような問題が相當あるし、なお參議院の方へ行つた場合に、ここで申し上げてよいか惡いか知りませんが、例の訴追委員會の構成問題等が起つてきて、せつかくのこの案件がはなはだしく遲延されるというようなことがあつてはいかぬからというような、いろいろの情勢を話したわけであります。その結果それならば獨立にするか、一部改正にするかは議院にお任せするけれども、國會法の一部改正のの法案の方が正しいという原則だけは認めて、將來國會法を全面的に改正するという場合には、今の獨立法にしたものを廢して、國會法の中に盛り込むようにしたらということでありました。そこで試案はこちらでなるべく忠實に飜譯した結果意味が通らないというか、きわめて不明暸な點があるわけでありますので、この用語をそのままとつてもらいたいという意味ではなく、なるべくこういう筋のものが、むしろ國會の權威を守るという一點と、個人の利益をどこまでも保護したいという點と、兩方を勘案した結果、穩當な線であろうと思うから、その點を考えてもらいたいということでありました。大體これについて私どもの疑問とする點、それから向うと話合いしたことだけを申し上げまして、今日すぐ決定するということはとうてい困難だろうと思いますから、その中でこの條項はとうていとれないとか、この條項はこの意味をとつた方がよいじやないかという點があれば、そういう點をお聽かせ願えれば、非常に都合がよいと思います。一番最初の百六條の二というものは「各議院の議長又は委員長は、審査中の事件又は事項について證人に宣誓をさせることが出來る。」事件及び事項とありますが、要するに審査中の事件で國會法の建前から言えばいいわけであります。「(合同審査會の會長を含む)」とありますのは、各議院の議長委員長のほか兩院が合同審査委員會を開いたときに、そこへ呼び出した場合でもそのときの會長ができるようにするために入れてあるわけであります。
 それから二項は、何のことか、初めはわからなかつた。「各議院の議員は、その院の會議又は委員會に於て審議中の事件につき、證人に宣誓させる事が出來る。」この一項と二項との關連がわからなかつたのでありますが、向うと話をしてみたら、よくわかりました。各議院に議長や委員長がいない場合には、議長や委員長に代つて議員が主宰しているというようなときでもできる。こういう意味に解釋しておりましたので、結局第二項は削除して、要らぬという結論になつたのであります。
 それから第百六條の三は、別に内容的には問題はありません。「證人が、虚僞の證言をしたときは、三月以上十年以下の懲役に處する。」ということと、二項もこちらにすでに書いてあることと同じであります。
 第百六條の四は、問題は證人に喚んだ場合に、書類の提出までこの中へ含めてある。衆議院の從來の案では書類提出は認めてありませんでしたが、書類提出の要求權まで認めて、範圍が廣まつているというだけであります。
 第百六條の五は非常に長つたらしい法文で、實ははつきりわからぬのでありますが、結局こちらは民訴を準用し、向うは刑訴の方をとつている。この第百八十六條、第百八十七條、第百八十八條という三條は、こちらでは從來御説明申し上げました民訴の四箇條に當るもので、別に内容は變つておりません。第百八十九條も、これは民訴の中にもありまして、問題はありません。但書以下が非常に長くありまして、この點はやはり民訴の中にも公務員等が祕密事項の證言をする場合には云々とあり、それは正當の事由の中にわれわれの方の案でもはいつているのでありますが、參考案の方が具體的に規定されて明瞭にしてあります。一應委員會でその理由を承認することができない場合には國家の利益に重大な惡影響を與える旨の内閣の聲明を要求ができる。この要求後十日以内に聲明を出さないときには、證人は證言をしなければならないというような、いろいろ具體的な事實がはいつているのであります。
 それから第百六條の六でございますが、それは過般議院または委員會がその多數決をもつて違反したものかどうかということを認定して告發なら告發をするということになつた案を、私の方で考えて出したこともありましたがそれはおかしい、僞證罪というものは、だれでもやれるものであるのに議院または委員會の多數決で、多數だけの認定によつてやるということはいかぬというので、あの條文は除かれたわけでありますが、向うの方からまたこれを入れてまいつたのであります。これについては淺沼委員長も長い間かかつて、こちらの方で討議を繰返した事實を述べて、向うと議論をしたわけでありますが、結論的に言えば、向うとしては、いやしくも證言というものは議會内の證言で、議會内の事柄である。議會内の事柄をそのハウスとして問題を起す場合には、そのメンバー個人個人が起訴するということはいかぬ。やはりハウスの事柄はハウスが取上げるということである限りは、ハウスのマジヨリテイ、もしくはコミツテイのマジヨリテイで決定すべきものであるということを一歩も讓らず向うは主張しておりました。そこでそれならばハウスの方で取上げなかつた事實、少數の方が主張したけれども、少數が通らずに委員會でもこれを認められなかつた事實はそのままになつてしまうのか、どうも方法がないのかということでいろいろと話をしたときに、個人的にある事實を知つておつて、その個人がある事柄も取上げてこれを檢察廳に告訴をするという場合は、それは個人的な行動であつて、そのハウスの行動でないのだから、そんなことはハウスの規定に書く必要はない。ハウスに對して證言をしたことが僞證であるということで取上げる限りは、ハウスとしての決議が必要であるということであつたのであります。そこで三行目の「地方檢察廳の長に移して起訴させなければならない」ということですが、この起訴ということはおかしいじやないかということをそこで議論したわけでありまして、告訴するかしないかということは、檢察廳が決定することで、こちらから起訴させなければならぬというふうにきめつけてしまうことは、今の法の建前から見てどうしても變だと思う。そうすると起訴するかしないかという事柄が二段に決定される形になつて、たとえばハウスがまず起訴するかしないか、これで起訴意見を決定してしまうと、檢察廳が起訴の權能があることを豫定してこちらでやることは行き過ぎで、おかしいじやないかということでいろいろ議論しました。その點については、起訴という言葉は、向うの意味しておる事柄がここにいう法律語の起訴でなくて、告發というような意味であるかもしれませんので、事柄をこういう線に考えてもらいさえすれば、言葉自體はこの言葉でなければいかぬということを主張せぬから十分考えてくれということでありましたので、この起訴の問題は私の方は告發という意味でマジヨリテイの議院の決議によつて告發するという意味に解釋して歸つてまいりました。最後の條文はあまり意味のないことだと思いましたが向うは非常に大切なことだということを言つておつたので附け加えておきます。從つて各條文のうちとるべき事柄といたしましてお考え願いたいのは、書類の提出というものまで含めるという點と、こちらでは、理由なくして出頭を拒んだり證言を拒んだ場合には三千圓以下となつておるのを、この中に百六條の方を見ると、審問の答辯を拒むときは一月以上一年以下の禁錮という重いもの、または三千圓というのが一萬圓に上つておりまして、一萬圓以下の過料になつており、しかもこれを併科することができることになつております。この點は一般の他の場合には一千圓以下というのをこちらが三千圓にしたことさえもいろいろ議論があつたけれども、彈劾裁判所の方で三千圓までいつたから、同じ國會の方としてはそこまで上げたのだというのに、禁錮にもつていくことになると、國會の證人の僞證罪は非常に重くなつて、一般の僞證はそれ以下のものになる。そういう國家法律として不均衡な點はどういうものであろうかというような質問をしてきたのでありますが、向うは、最高の機關であるからそれくらいのことはよくないかという點と、この程度にしなければ目的を達せられないという二點だけでありました。そういう不釣合の點を採用していいかどうかという點を御考慮願いたいという點だけであります。
#44
○森委員長代理 ただいま事務總長から證人等の問題について、國會法の一部を改正する法律案として立案するかどうかという問題等について、詳細な説明があつたが、これについて御意見を伺います。
#45
○森委員長代理 今日は一應研究させていただくということでいかがでしようか。
#46
○森委員長代理 それでは、ただいまの笹口君の御意見のように、本日はこの程度にしておいて、研究をしておいていただきたい。
   午後二時二十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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