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1949/05/11 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第16号
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1949/05/11 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第16号

#1
第005回国会 運輸委員会 第16号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
    午後四時三十三分開議
 出席委員
   委員長 稻田 直道君
   理事 大澤嘉平治君
   理事 岡村利右衞門君
   理事 關谷 勝利君 理事 前田  郁君
   理事 佐々木更三君 理事 佐伯 宗義君
   理事 田中 堯平君
      松井 豊吉君    片岡伊三郎君
      鈴木 明良君    高橋 定一君
      松本 一郎君    滿尾 君亮君
      柄澤登志子君    岡田 勢一君
 出席政府委員
        運輸政務次官  坂田 道太君
        運輸政務次官  加藤常太郎君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 芥川  治君
        運輸事務官
        (大臣官房考査
        室長)     足羽 則之君
        運輸事務官
        (海運總局海運
        局長)     岡田 修一君
        運輸事務官
        (海上保安廳長
        官)      大久保武雄君
 委員外の出席者
        運輸事務官   荒木茂久二君
        衆議院法制局長 入江 俊郎君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
五月十日
 委員岡西明貞君辞任につき、その補欠として平
 澤長吉君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員平澤長吉君辞任につき、その補欠として浅
 香忠雄君が議長の指名で委員に選任された。
五月十一日
 委員尾崎末吉君辞任につき、その補欠として松
 井豊吉君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十日
 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を
 船舶所有者に交付する法律案(内閣提出第一九
 一号)
同日
 伊那田島駅拡充の請願(今村忠助君紹介)(第
 一四六七号)
 紀南線拂下反対の請願外一件(前田正男君紹
 介)(第一四六八号)
 掛川、御前崎間國営自動車運輸開始の請願(水
 野彦治郎君紹介)(第一四六九号)
 今須村に停車場設置の請願(大野伴睦君紹介)
 (第一四九四号)
 阪和線拂下に関する請願(小西寅松君外一名紹
 介)(第一四九五号)
 御前崎測候所を海洋気象台に昇格の請願(五島
 秀次君紹介)(第一四九六号)
 浜名線拂下反対の請願(八木一郎君外一名紹
 介)(第一四九七号)
 國営自動車拂下反対の請願(谷口善太郎君外一
 名紹介)(第一五〇四号)
 清水駅に急行列車の停車回数増加の請願(西村
 直巳君紹介)(第一五〇五号)
 新宿以西に都営自動車延長の請願(栗山長次郎
 君外一名紹介)(第一五一三号)
 豊後竹田自動車区拂下反対の請願(金光義邦君
 紹介)(第一五二八号)
 伊東線電車化に関する請願(田中堯平君外二名
 紹介)(第一五四〇号)
 米澤、喜多方間國営自動車運輸開始並びに野岩
 羽線全通促進の請願(大利田義栄君外二名紹
 介)(第一五四一号)
 南武線並びに鶴見線拂下反対の請願(春日正一
 君外三名紹介)(第一五五一号)
 阪和線拂下反対の請願(田中堯平君外二名紹
 介)(第一五五二号)
 買収鉄道引継職員の退職金制度改正に関する請
 願(林百郎君紹介)(第一五五六号)
 鶴見線拂下反対の請願(門司亮君紹介)(第一
 五七六号)
の審査を本委員会に付託された。
五月九日
 大島線拂下反対の陳情書(山口縣大島郡油田村
 長石崎通弘外九十七名)(第三一九号)
 阪和線拂下反対の陳情書(堺市議会議長辻尾義
 正)(第三二七号)
 國営自動車拂下反対の陳情書外一件(北海道足
 寄郡足寄村会議長久彌田繁次郎外十二名)(第
 三二九号)
 阪和線拂下反対の陳情書(堺市民大会議長辻尾
 義正)(第三三五号)
 谷田川、川東両駅間に停車場新設の陳情書(福
 島縣議会長大竹作摩)(第三四三号)
 國営自動車拂下反対の陳情書(北海道磯谷郡南
 尻別村長高松千代松)(第三五〇号)
 八幡浜港湾修築工事継続施行の陳情書(八幡浜
 市長菊池清治外四名)(第三五八号)
同月十日
 近城線拂下反対の陳情書(滋賀縣甲賀郵信樂町
 長北村半次外十九名)(第三八五号)
 國営自動車拂下反対の陳情書(北海道厚岸郡濱
 中村長坂田重藏)(第三八六号)
 同(京都府船井郡三の宮字妙樂寺松共弘)(第
 三八七号)
 國営自動車拂下の陳情書(東京都千代田区丸の
 内三丁目四番地日本交通協会内日本乗合自動車
 協会)(第三八八号)
 富山市に富山管理部設置の陳情書(富山市議会
 議長京田清藏)(第三八九号)
 高山線電化に関する陳情書(富山市議会議長京
 田清藏)(第三九〇号)
 國営自動車拂下反対の陳情書(北海道島牧郡東
 島牧村議会議長藤田寅之助外十四名)(第四〇
 四号)
 同(北海道廣尾郡大樹村長高橋新市)(第四〇
 九号)
 長野縣下國有鉄道局を一局に統合の陳情書(長
 野縣北佐久郡岩村田町長阿部長太郎外一名)(
 第四一〇号)
 阪和線拂下反対の陳情書(和歌山縣田辺市長小
 森嘉一外十名)(第四一七号)
 熊野線拂下反対の陳情書外一件(和歌山縣西牟
 婁郡鮎川村長樫原扇一郎外三名)(第四二三
 号)
 片町線電化の陳情書(片町線電化期成同盟委員
 富井進一)(第四二四号)
 大子町豊浦町間國営自動車延長の陳情書(茨城
 縣大子町豊浦町間省営バス延長期成同盟会長宮
 田重文)(第四三三号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を
 船舶所有者に交付する法律案(内閣提出第一九
 一号)
 港則法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 九号)(参議院送付)
 造船法案(内閣提出第一二六号)
 運輸省の機構改革に関する件
    ―――――――――――――
#2
○稻田委員長 これより会議を開きます。
 昨十日付託されました船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案を議題といたし、審査を進めます。
 まず政府の提案理由の説明を求めます。
#3
○坂田政府委員 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案につきまして、御説明を申し上げます。
 昨年九月二日総司令部の指令によりまして、從來から行われておりましたところの、船舶の國家使用制度が、本年一月二十六日に公布されました船舶運航管理令によりまして、本年四月一日から定期用船制度に切りかえられましたので、在外邦人の帰還輸送及び米國貸與船による占領軍関係物資の輸送業務に從事する船員を除く、すべての船員が、船舶運営会を退職して、ただちに船舶所有者に雇用され、または雇用されるに至るのでありますから、これらの船員の船舶運営会に在職した期間に対應する退職手当を、退職のときに支給いたすべきでありますが、この制度の切りかえによりまして、船員はただちに失業することにはなりませず、船舶所有者の退職手当に通算されるべき性質のものであります。從いまして、船舶運営会は、この際当該船員に退職手当を支給いたしませず、そのかわりにこの退職手当に充てるべき金額を、当該船員の帰属する各船舶所有者に、それぞれ交付しておきまして、これらの船舶が、他日船舶所有者との間の雇用関係が消滅したときに、般船所有者が、この船員の船舶運営会の在職期間に対應する退職金を、当該船員に交付することに、法律をもつて規定するように、関係方面から指示を受けたのであります。
 なお、本年度の政府関係機関の予算総則におきましても、船舶運営会の収支予算の別冊甲号に、この趣旨を受けまして、「法律において別に定める準則に從つて支出しなければならない。」と規定されているのであります。
 すなわち本法律案におきましては、
 一、定期用船制への切りかえにより、船舶所有者に雇用される船舶運営会船員に対し、船舶運営会は、直接退職手当を支給せず、予算に計上された四億五千万円の範囲内において、船舶所有者に対し、この法律に定める基準により算出した退職手当の額を合算した額に相当する金額を交付すること。
 二、船舶所有者と船員との間の雇用契約が解除され、または終了したとき、船舶所有者は、船員に、少くともこの法律に定める基準により算出した金額を交付しなければならないこと。
 三、船舶所有者は、船舶運営会から受けた交付金を、右の目的以外の目的に使用してはならないこと。
 四、船舶所有者は、船舶運営会から受けた交付金について、利子その他の金銭上の利益が生じたときは、その利益金を船員の福利厚生施設等に使用しなければならないこと等の必要な規定を設けんとするものであります。
 本法律案の要旨については、以上申し述べました通りであります。何とぞ愼重御審議の上、御可決あらんことを切望いたします。
#4
○稻田委員長 これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、発言を許します。
#5
○關谷委員 この法案は当然なすべきことを規定して、法文化しただけでありまけので、質疑の余地もないと考えられます。本案の裏づけとなりますところの予算的措置もできておりますので、この際討論を省略いたしまして、ただちに採決をせられんことを望みます。
#6
○稻田委員長 ただいま関谷君の動議がありましたが、ちよつとあとまわしにして、柄沢君に質疑を許します。
#7
○柄澤委員 船員の生活は非常に逼迫しておりまして、皆様方も御承知のように、昨年ストライキが行われたような状態でございます。そしてこれは船員の要求を決して満足させるものではないのでございまして、非常に現在も生活の窮迫のために苦しんでいるのでございます。失業のおそれがないというようなことでございますけれども、私どもに陳情されております船員からのいろいろな情報によりますと、今度の大きな変革によりまして、相当生活の不安におびえているということでございます。でありますから、今度きめられましたところの四億五千万円の手当につきましても、これは船員にとりましては、生きることの保障されていない生活に、直接響く、かわいた土に水を與えられるような気持で、待ち望んでいるのではなかろうかと思うのでございます。從いまして、審議する余地がないというようなお考えは、これは生活に苦労のないところの人の言うことでございまして、船員にとりましては、当然船員の退職資金は、今の生活に直接にこれは支えらるべきものだろうという期待を持つて待ち望んでいると思うのでございます。ですから、これは納得することのできる正当な理由なり、裏づけがございません限り、この資金がただちに船舶所有者に交付されて、しかも自分たちがいつ退職するかわからない、その退職するときでなければ、交付してもらえないというような條件で出されますことにつきましては、私どもといたしましても、納得ができかねるのでございますが、四億五千万円はどのくらいの船員に対して、どのくらいの割合で割当てられておりますものか、一應御答弁願いたいと思うのでございます。
#8
○岡田(修)政府委員 ただいま御質問のありました点でございますが、今回の規定の切りかえによりまして、船員は今までの職場はそのまま保存されておるのであります。ただ雇用主がかわつただけでございました、これによつて特に生活の不安が生じたとは考えられないのでございます。なおその際に、船員法に規定されておりまする一箇月分の雇いどめ手当が、船員に支給されておるのであります。ここに書いてありまするのは、その一箇月の雇いどめ手当以外の退職手当でございまして、退職手当の支給につきましては、二つの考え方があると思うのであります。ただいま申しましたように、雇い主がかわつた場合にただちに退職手当を支給する方法と、あとの雇い主に、前の雇い主の方に在職しておつた期間に対する退職手当分を支給する義務を引継いで、通算して考えるという、二つの方法がありまして、この案におきましてはあとの通算案を採用しておるのであります。船員が後の使用者との雇用契約が解除された場合に、この退職手当を支拂う。その率はこの案の別表に書いてありまするように、一年未満の者につきましては、運営会を退職した当時における給與の総額の半月分、一年以上二年未満の者は一月分、二年以上の者は二月分、こういうことになつております。しかして船舶運営会の船員は、一昨年の三月末日に、徴用船員としての資格を一應解除したのであります。その場合に退職手当に相当すのものを一應與えております。從つて現在おりまする者は、おおむね満二年の在職年限に達するのであります。從いまして、二年以上の者を二箇月で打切りましても、そこにさして不公平が起らない、かように考えます。なおつけ加えて申しまするが、この案につきましては、海員諸君の代表の方とは十分協議の上、この案をつくりまして、御提案を、申し上げておる次第でございます。
#9
○柄澤委員 第三條にこうしたいろいろな趣旨を入れまして、そうして「船舶所有者は、第一條第一項の規定により交付を受けた金額を前條の目的以外の目的で使用してはならない。」ということがございますし、さらにその受けました金額について「利子その他の金銭上の利益が生じたときは、当該利益金を船員の福利厚生施設その他運輸大臣の指定する用途に使用しなければならない。」ということになつておるようでございます。これによりますと、使うことができない、利子も全部、船員に與えなければならないことになると思うのでございます。それでございますならば、むしろ船員で組織しておりますところの海員組合というようなものに、これを與えておく方が、妥当ではなかろうかと思うのでございますけれども、何のために所有主に交付するのでございましようか。そこが矛盾しておるように思うのでございます。
#10
○岡田(修)政府委員 ただいまの御質問でございまするが、この案の基本の考えといたしまして、船主は船員を引継いだときに、運営会が支拂うべき退職手当についての、義務を受継ぐ。從つてその義務の履行は、その航主と船員の雇用契約が切れるときに行うべきものである。そのときに船舶運営会が初めて保障の義務を生じるわけでございます。しかしながら実際の手続といたしまして、船員がやめる都度保障するということは、事実上不可能でございます。從いまして雇用切りかえの際にあらかじめ保障する。これは個々の船員に交付するものとは違うのであります。あらかじめ政府が船員に対して保障する。その保障によつて出じた利益を、船主のふところに入れるということは不当である。從つてあらかじめ保障によつて生じた利益を、船主のふところに入れることを制限いたしまして、船員の福利厚生施設その他船員のためのみに使うといふうに、制限をいたしたわけでございます。
#11
○柄澤委員 そういたしますと、この法案は船主の保障のための法案でございましようか。
#12
○岡田(修)政府委員 さようでございます。
#13
○柄澤委員 船舶運営会から船舶の所有者に引継がれますところの船員の、今まで船舶運営会に勤務しておりました年限と申すものは、船舶運営会から新しい船主に引継がれましても、それは加算されるわけでございますか。
#14
○岡田(修)政府委員 その運営会に勤続していつた年限を、船主が加算するかどうかは、船主の自由にまかせております。
#15
○柄澤委員 そういたしますと、退職金だけは引継いでおく。そうして船舶運営会で働いていたところの年限は船の所有主が、新しく今後の履用の年限の上に加えることも、加えないことも自由であるということになりますと、大体利潤を追求しております船主というものは、なるベく拂いたくないのが、あたりまえでございます。最近では機帆船の状態なども非常に切迫しておりますし、小さい船主の方などは、よくおわかりになつていらつしやると思うのでありますが、賃金の支拂いもどうか、第一營業そのものがどうかというような状態だと思うのでございます。そうなりますと、そういう船主が政府からこれだけの金の援助を受けまして、今まで汗水を流しまして、戰争中から非常な苦労をして働いておりました船員というものの権利が、まつたくこの法案では蹂躪されているということになると思うのでございます。そういう点から、どういうふうに御答弁いただけますでしようか。
#16
○岡田(修)政府委員 船主へ渡した場合に、運営会の退職金を通算するかどうかでございますが、現在の船会社の経理状況からいいまして、船員に対して退職手当の制度を存続しているところは、ごく少数でございます。そういうところへ、運営会からこれだけの退職手当は、最小限支拂わなければならぬということを規定し、船主に義務づけることは、船員に対する特別の保護であると、かように見られると思います。
#17
○田中(堯)委員 これは支拂わぬ場合の制裁規定がありませんね。ただ民事上の責任があるだけですね。
#18
○岡田(修)政府委員 これに対しましては制裁規定罰則はありません。しかし私どもの、船主はこれによつて法律上の義務を十分痛感いたしまするし、実際の措置といたしましては、この金の運用並びに支拂いにつきましては、海員組合と船主協会との間に、強力なる團体契約を結ばしめたい、かように考えます。
#19
○田中(堯)委員 それからその間の利子の計算は、法定利息によるのですか。
#20
○岡田(修)政府委員 この利子は、この金をいかなるところに預けるか、あるいは運用するかということによつて、生じて来るベき利益金が違うかと思います。
#21
○田中(堯)委員 それが一律でないとすると、ある船主はこれをうまく運用して、たいへん利幅を出して來るかもしれないし、ある船主はただ銀行に預けつぱなしにして、銀行利子しかとれないということもある。これは金にしるしがないわけですから、どれほどの金が上つたか、利子が上つたかということはわからないわけですが、その船舶所有者の言う通りに、その間の利子を算定することになるのですか。
#22
○岡田(修)政府委員 この金の預金その他の信託方法につきましては、船主の自由にまかせないで、政府側と海員團体と船主團体、この間の協議によりまして、ある特定の方法をきめたい、かように考えております。
#23
○田中(堯)委員 それをついでに法制化する必要はありませんか。そうしないと、場合によつては海員の労働組織が非常に弱いところでは、船主が横暴を働くことになると思うのですが、法制化するわけには行きませんか。
#24
○岡田(修)政府委員 これにつきましては、その法制化の方法もいろいろ考えたのでございまするが、いかなる方法を講じましても、究極的にこの元金を完全に保護するということは、非常に困難でございます。そういたしますると、不当に船主の経営内容に介入し、また非常に煩雑なる手続を要することになりまするので、関係者協議の上、関係團体で相談して、実際上に不都合のないようにいたしたい、かように思うのであります。――
#25
○稻田委員長 先般法制局長がその筋に参りまして、造船法案に関するその筋の参考意見を承つて参つたそうでありますので、この際法制局長から、その意見を参考までに申し述べたいとの申出がありますが、これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○稻田委員長 それでは法制局長の説明を求めます。
#27
○入江法制局長 当委員会で御審議中の造船法案につきまして、最近関係方面から私にこういう点を修正してみたらどうであろうかという参考意見の提示がございまして、これを委員会の方にもしかるべく傳えるようにということでございますので、申し上げたいと思います。もちろんこれは関係方面としては、当委員会において自由に御判断の上、採用する、しないをおきめ願つていいのだけれども、ただ参考として傳えたいから、十分自主的に審議をしてもらいたい、こういう趣旨でございますので、その趣旨でお聞きを願いたいと思います。
 大体その意見の根本は、國民の権利義務に関係あることを、行政官廳が專断で行うというふうな規定はできるだけ避けて、各種の要件を法律に書け。これは造船法のみならず、ほかの方面についても、そういう参考意見の提示があつたのですけれども、造船法につきましては各條ともに見ますと、運輸大臣の権限が非常に廣く書いてありまして、法律上その要件がきわめてはつきりしておらぬ。こういうことではどうも権利保護の上に適当でないではないか。それゆえに、できるならば法律の中で適当な條件等を書き加えて、この運用を公正なものにして行きたい、こういう主張であります。これはこの法律の二條、三條あるいは四條一項、五條七項、十二條ないし十五條、十七條というところの、いろいろな條文等についてその意見の提示があるのであります。私の個人的意見といいますか、法律的見解といたしましては、それができればもちろんけつこうなことである。しかし造船法の現在の段階において、そういう事項を詳しく書くことが、はたして可能かどうかは、十分実態に即して考える必要があるということ、それからかえつてここに書いてしまうことが、この法律の円満な運用が期せられないことになつても困るという点もあるので、これらの処分をする場合には、何か民主的な委員会とか、あるいは公聴会とかいうものを総るような道を、この法律の中に入れるのが一つの方法ではないかと、こう思うのであります。一應それだけを御報告申し上げまして、当委員会の審議の御対考に供したいと思います。
#28
○松本(一)委員 ちよつと法制局長にお伺いいたします。大体向うの方の意向は何條と何條ですか、もう一度伺いたい。
#29
○入江法制局長 二條、三條、それから四條、五條七項、それから十二條ないし十七條、その中で十六條は入つておりません。ですから十二條ないし十五條、十七條、こういう條文を指摘してお話がありましたが、その條文は重要なものの例であつて、必ずしもその條文にこだわることではないということは、お含み願いたいと思います。
#30
○滿尾委員 また話はちよつともどりまするが、これは法制の方の部長さんにお伺いします。運輸省設置法の民自党の修正案の中で、第四條の四十一号を御修正いただいたのは非常にけつこうでありますけれども、関係條文が二十八條の七号と五十一條の十号にございます。この方は「自家用自動車の使用の調整に関すること。」とありまして、四條の四十一号が「調整すること」と言い切ましたのと比べまして、その表現にある含みがあるのでありますが、ただいまの修正案の中で四十一号だけ直しまして、あと二十八條七号、五十一條十号に手を触れなくても、大体改正の精神は透徹するものでありまするかどうか、教えていただきたいと思います。
#31
○鮫島参事 ただいまの御質問でございますが、運輸省全体の権限のところの第四條の規定におきまして、道路運送法の目的に適合するように「自家用自動車の使用を調整すること」と、本省の権限のところへ規定いたしましたので、その本省の権限を各局が分掌するときは、当然コンクリートになりました権限の中のことをやるのでございますから、当然御質問のようなことになりますので、そこまで修正を加える必要はないかと思います。
    ―――――――――――――
#32
○稻田委員長 それでは先ほどの關谷君の動議について採決いたします。關谷君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
#33
○稻田委員長 それでは御異議があるようでありますから、關谷君の動議について採決いたします。關谷君の動議に御賛成の方の御起立を望みます。
    〔賛成者起立〕
#34
○稻田委員長 多数と認めます。關谷君の動議の通り決定いたしました。よつて討論を省略いたしまして、ただちに採決することに決しました。
 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案について採決いたします。本案を可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#35
○稻田委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#36
○稻田委員長 次に港則法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は発言を許します。
#37
○關谷委員 本案につきましては、質疑もないようでありますから、討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。
#38
○稻田委員長 ただいまの關谷君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○稻田委員長 御異議なしと認め、討論を省略し、ただちに採決いたすに決しました。
 これより港則法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#40
○稻田委員長 起立総員。よつて本案ほ原案通り可決いたしました。
 なおお諮りいたします。ただいまの両案に対する衆議院規則第八十六條による報告書の作成並びに提出方は委員長に御一任を願います。
    ―――――――――――――
#41
○稻田委員長 この際運輸省の機構改革につきまして、現在内閣委員会で審査中の運輸省の設置法案、及び海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案の二案は、運輸省の機構改革に関連いたします一連の法案でありまして、この運輸委員会といたしましても、重大なる関心を寄せているところであり、して、先般來内閣委員会との連合審査をいたし、あるいはまた本委員会で單独に愼重なる檢討を加えたのでありますが、本日は先般來の御意見をとりまとめて、本委員会の意見を決定いたしまして、その意見を内閣委員会に申し入れることにいたしたいと思います。
 それではただいま打合せ会において御発表になりました各党の御意見を、ここに正式に簡單に御発表願いまして、それを逐次檢討し、本委員会の意思を一本にまとめて行きたいと思います。まず民主自由党の意見の発表をお願いいたします。
#42
○前田(郁)委員 私から民主自由党の修正案を朗読いたします。
  運輸省設置法案に対する修正案
 運輸省設置法案の一部を次のように修正する。
 第四條第一項第三十四号「中指名し、又ば削る。
 四十一号道路運送法(昭和二十二年法律第百九十一号)の目的に適合するように自家用自動車の使用を調整すること。
 第六條第一項中「運輸審議会にはかり、その決定を尊重して」を「運輸審議会の意見を徴し、その意見を尊重して」に改める。
 第八條第三項を次のように改める。
 運輸審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。
 第十四條を次のように改める。(兼業の禁止)
 第十四條委員は、運輸審議会の承認及び運輸大臣の同意のある場合を除くほか、報酬のある他の職務に從事し、または商業を営みその他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。
 第二十條第四項中「運輸審議会の決定」を「運輸審議会の意見」に改める。
 第四十六條第二項中「所掌事務」を「港湾及び航路の建設、改良及び保存」に改める。第五十四條第一項「分掌させるため、」の下に「当分の間、」を加える。
 第五十五條第一項中「(昭和二十二年法律第百九十一号)」を削る。
  附則第一項但書中「第五十四條、附則第十五項及び附則第十六項」を「第五十四條及び附則第十七項から附則第十九項まで」に、「九月一日」を「八月一日」に、「附則第十七項を「附則第二十項」に改める。
  附則第二項及び附則第十六項を削り、附則第三項を附則第五項とし、以下附則第十五項まで二項ずつ繰り下げ、附則第十七項を附則第二十項とし、以下三項ずつ繰り下げ、附則第二項、附則第三項及び附則第四項として次の三項を加える。「運輸審議会の委員の任命のための事前措置」二、第九條第一項の規定による運輸審議会の委員の任命のために必要な行為は、前項の規定にかかわらず、昭和二十四年六月一日前においても行うことができる。
 (運輸審議会の最初の委員)
 三、この法律施行の際、國会の閉会中である場合においては、内閣総理大臣は、第九條第一項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで運輸審議会の最初の委員を任命することができる。
 四、内閣総理大臣は、前項の規定により運輸審議会の委員を任命したときは、任命の後最初に召集される國会において、当該委員の任命について両議院の事後の承認を求めなければならない。その承認を経ることができなかつたときは、内閣総理大臣は、第十一條の規定にかかわらず、その承認を得ることができなかつた委員を遅滞なく罷免しなければならない。
  附則第十七項の次に次の二項を加える。
 十八、やむを得ない必要があるときは、運輸大臣は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十六條第四項の規定にかかわらず、國会の承認を経ないで陸運局の分室を設置することができる。
 十九、運輸大臣は、前項の規定により陸運局の分室を設置したときは、設置の後最初に召集される國会において、当該陸運局の分室の設置について承認を求めなければならない。
 その承認を得ることができなかつたときは、運輸大臣は、その承認を得ることができなかつた当該陸運局の分室を遅滞なく廃止しなければならない。
 以上が民主自由党の本法案に対する修正案であります。皆さんの御同意をお願いいたします。
#43
○田中(堯)委員 共産党の修正意見を述べます。
 第一は、第二章第一節である運輸審議会に関する規定を全部削除すること。
 第二は、第二十一條に規定してある運輸省参與、これを削除する。
 第三番目には、五十二條その他に規定してあるところの陸運局の制度を簡素化して、局制度をやめて、局長などを置をないこと。
 第四番目には、海難審判所を独立せる外局とすること。
 以上であります。
#44
○稻田委員長 それでは採決に入ります。本修正案につきましての共産党の修正意見に賛政の方の御起立を願います。
    〔賛政者起立〕
#45
○稻田委員長 起立少数であります。本修正案は否決に相なりました。
 次は民主自由党の修正意見についての採決をいたします。本修正意見に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#46
○稻田委員長 起立多数であります。よつて本修正意見は多数をもつて可決になりました。
 なおお諮りいたします。この意見の内閣委員会への申し入れの方法については、委員長に御一任を願います。
    ―――――――――――――
#47
○關谷委員 この運輸省の設置法案に対しまして、建設委員会からは港湾局を建設省に移管すべきものなりとの決議をいたしまして、内閣委員会へ提出したと傷えられておるのでありますが、これはいろいろの意味からいたしまして、すでに各委員からその反対意見が述べられておりまして、運輸省に存続すべきものであるとの有力なる意見が出て、委員会におきましてはほとんど全会一致になつておるのでありますが、この運輸委員会におきましては、港湾局というものは絶対この運輸省に存続すべきものとの決議案文等については、委員長に御一任申したい、このように存じます。動議を提出いたします。
#48
○稻田委員長 ただいまの關谷君の動議に御異議ありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○稻田委員長 御異議なければさよういたします。
    ―――――――――――――
#50
○關谷委員 先ほど造船法案につきまして、法制局長から関係筋の意向を傳えられたのでありますが、問題の点につきましては修正すべきか、また修正するとすればいかなる点を修正するか、その修正原案の作成を理事会に一任せられたいとの動議を提出いたします。
#51
○稻田委員長 ただいまの關谷君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○稻田委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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