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1949/09/13 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第29号
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1949/09/13 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 運輸委員会 第29号

#1
第005回国会 運輸委員会 第29号
昭和二十四年九月十三日(火曜日)
    午前十一時二十二分開議
 出席委員
   委員長 稻田 直道君
  理事 岡村利右衞門君 理事 關谷 勝利君
   理事 前田  郁君 理事 松本 一郎君
   理事 田中 堯平君 理事 飯田 義茂君
      岡田 五郎君    片岡伊三郎君
      黒澤富次郎君    高橋 定一君
      米窪 滿亮君    柄澤登志子君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 大屋 晋三君
 委員外の出席者
        運輸事務官   岡田 修一君
        運 輸 技 官 後藤 憲一君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 派遣委員の調査報告に関する件
    ―――――――――――――
#2
○稻田委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず派遣委員の調査報告を聽取することにいたし、しかる後、これに関連する諸問題につきまして、意見の発表なり、政府当局に対する質疑に入ることにいたしたいと思います。それでは調査報告を求めます。開架中部班の岡村利右衞門君。
#3
○岡村委員 私どもは六月二十日に名古屋に集まりまして、東海、北陸及び関東の視察をいたしました。一行は大澤委員、土倉委員、黒澤委員、川島委員、佐伯委員でありました。詳細は文書をもつて報告することにいたしまして、概要を御報告申し上げます。
 港湾施設の整備と海陸運賃の調整について申し上げます。名古屋、富山、伏木、新潟各港湾の事業概況、施設の復旧状況等の実地調査の結果、次の事項について鋭意努力すべきものと認めます。港湾施設の整備復旧については、わが國の港湾は、戰前には相当の施設を有していたが、戰時中に主要港の陸上施設は甚大な戰災を受け、または荒廃の極に達したため、終戰後ある程度の復旧措置を講じたのであるが、現在のごときわずかなる海上輸送量に対してさえ、港湾施設の不足が輸送の隘路となつている実情である。
 一方近き將來講和條約が締結されたあかつきは、外國貿易は活発となり、從つて港湾取扱貨物量並びに観光旅客は漸次増加し、海上輸送の拠点である港湾の重要性はますます倍加せられることを予想されるのであるが、以上のごとき状態では海上輸送の不円滑を來し、ひいては日本経済復興阻害の一因となるのは火を見るがごとく明らかである。
 よつてこれが対策として、予算資材等の許す限り、戰爭中の荒廃に対する復旧補修、防災施設の増強、荷役の機械化等の措置を講ずる必要がある。
 次に海陸運貨物運賃の調整ですが、わが國海運事業の復興を阻止するとも考えられるのに、海陸運賃の不均衡がある。さきに國有鉄道の独立採算制確立のため、鉄道旅客運賃の引上げを行つたが、鉄道貨物運賃は低物價政策のためすえ置かれることになつた。この結果等のため、陸上貨物運賃が海上貨物運賃よりも安いという、從來の常識とは逆な現象が現われ、荷主は安値な陸上貨物輸送機関を選択することとなり、海上貨物の轉嫁により、陸上貨物輸送、特に國鉄貨物輸送の混乱を來たしたのみでなく、日本経済の基礎産業たる海運業の破滅を來さんとする結果とさえなつている。將來外航配船が許可される場合を考えれば、かかる海運の再建を阻害するがごとき海陸貨物運賃のアンバランスは、すみやかに調整すべきものと認める。
 次に国鉄の電化についてでおります。
 すでに完成せる東海道線(東京――濱松)、上越線(高崎――長岡)の鉄道電化状況、山辺発電所の工事状況、及び高山線、両毛線の鉄道電化をいかに実施すべきかについて実地調査の結果、重要資源の合理的使用等の見地より、予算、資材の許す限りすみやかに電化すべきものと認める。
 顧みるに、わが國は地形的に水力電源は豊富に得られるのであるから、國鉄を電化して、その厖大な量に上る動力用石炭の節約をはかる必要があり、これによつて生ずる石炭は他の重要産業に振り向けることができ、また石炭輸送用の貨車を他の財貨の輸送に轉用することできる、ことにすでに電源が開発されている地帶の鉄道で、勾配、曲線の多い線区の電化は、経済的見地からもその効果は非常に大きい。すなわち新電源開発の必要はなく、海軍設備、変電設備に要する経費や送電損失も、長距離送電に比べて僅少で済み、動力用石炭の節減、輸送力の増大を來すことは多言を要しないことであるから、國鉄経済復興のためにも、はたまた重要資源の合理的使用等のためにも、すみやかに国鉄の電化を取上げる必要がある。
 次に、國鉄の人員整理について申します。名古屋、新潟、東京各鉄道局管内の労働組合から、主として國鉄の人員整理についての陳情が数回あつたが、その趣旨を誓約すれば、「政府は七月一ぱいに定員法に上つて整理を断行せんとしているが、施設その他の荒廃はまさに危險な状態に至つている現状より見て、これは國鉄を破壞し、輸送を阻害するものである。整理をすることによつて、國鉄の輸送が大混乱に陥ることは明らかであるから、人員整理には断固として反対するというのである。人員整理に対する組合員の態度が、上述のごとく強硬である点等より見ても、非合法運動や暴力行為等が勃発しないとは言い得ない。
 國鉄の公共性にかんがみ、これら行為により迷惑を受けるのは國民であり、日本経済の復興が妨害されることもまた大である。人員整理は平穏裡に進めることを希望するのであるから、國鉄組合員のこの動靜に対する施策は、今からきめておく必要がある。
 大体以上が概要でありますが、そのほか請願といたしまして十八件ありました。これらは文書によつて御報告申し上げたいと思います。以上私どもの報告を終ります。
#4
○稻田委員長 關谷君。
#5
○關谷委員 前田委員、天野委員、私の三人で、四國、九州地方の視察調査をいたしました結果を御報告申し上げます。六月十五日四國、九州地方の鉄道敷設、電化、港湾関係及び船舶の運航状況を視察いたしました。
 まず第一に、高松、小豆島間の連絡状況を視察いたしたのでありますが、この航路は最近四鉄側で航路開設問題をめぐつていろいろ陳情があり、地元民はその実現を熱望いたしておりまするのに反し、現在の業者より中止方の請願があつたのであります。早急両者の調停をはかりまして、実現すべきものと思考いたしまするので、政府は適当なる措置を急速にとらるべきであると提言いたします。また松山におきましても、堀江、宮島間の同じような航路開設の陳情があつたのでありますが、これまた同樣政府の善処を要望するものであります。
 次に、松山港を視察いたしましたが、内港はおおむね完成いたしたのでありますが、外港の浚渫、防波堤築造、本船岩壁修築の切実なる要望がありました。地理的関係よりいたしまして当然の要望と思考せられるのでありまして、政府当局はこれが実現方に努力をせらるべきであると思います。これに引続いて機帆船問題の陳情があつたのでありまするが、この問題につきましてはすでに論議をせられておりますので省略いたしまするが、政府は適切なる処置を講ずべきであると考えます。
 次に別府港も視察いたしましたが、同港は観光港としての諸設備を完備することを非常に要望しております。これまた善処すべきであると考えられます。
 門司の港は、大体外港完成いたしまして、上屋倉庫及びこれに伴う臨港鉄道の完備を要望しておるのでおります。これまた地元の要望にこたえるべく、政府当局の善処をお願いするものであります。
 次に、第一國会以來請願されている長崎本線の一部である諫早を基点とする喜々津、古賀村、矢上村、日見村、茂木町を経由する長崎間の鉄道新設は、目下運輸省下関地方工事部において計画されておりまするが、この新線は將來南方貿易の基地として、また観光ルートとして、また附近町村の産業経済開発のため、最大なる意義をもたらすものであります。長崎市の外港茂木町は、茂木びわの生産地であり、年々相当量移出しております。また熊本縣天草郡より長崎市への諸物貨移出の通過港であります。さらに茂木港を通じ、長崎、佐世保港はもちろん、遠く京阪地方との移出入ははなはだ大なるものがあり、また一面、霧岳、阿蘇、雲仙、天草、長崎と結ぶ國際観光ルートとして、大いに期待される所であるから、関係町村は各種現業の開発上、この計画が一日早く実現されるよう熱望しているのであります。諫早より長崎間の四十キロにわたる現場を視察いたし、随行の門鉄施設部の係官からも詳細に説明を聽取いたしましたが、この工事については相当なる経費と資材を必要とするが、完成の後は貨物、旅客ともに需要者多く、数年にしてその経費は挽回でき得る見込みであり、すでにこの計画は本省命にて設計済みで、いつでも着工でき得る態勢にありますから、関係当局の許可あらば、資材、予算等を考慮して、地元民の要望にこたえ、すみやかに実現する必要があると思料するのでありまして、その重要性にかんがみまして、二十五年度より継続事業として着手してほしいという、強い要望があつたのであります。万これが不可能であれば、二十五年度に調査費だけでもぜひ計上してもらいたいということになつておりまするので、これまた善処方を政府に要望するものであります。
 長崎港は荷役設備は完備いたしており、相当大量の船舶の收容力を持つておりながら、ほとんど門司に配船しておるが、長崎港にも適当に配船してもらいたいというような、熱烈な陳情がありましたので、これまた善処を要望するものであります。熊本工機部の存続につきましても、切実なる請願がありました。
 なお八代港及び川内港の工事状況を視察いたしましたが、相当順調に進捗しておるものと認めました。
 岩川、國分間の鉄道敷設に関する縣民の切実なる要望がありましたので、これまた政府の予算の許す限り、早急実現するようにとりはからわれたいことを希望いたします。
 肥薩線の電化が絶対必要であるという陳情が殺到いたしたのでありまして、これまた時期を見て実現をするようにとりはからわれたいと存じます。
 油津の港湾諸施設は完備をいたしておりましたが、このたびの台風によりまして、油津の施設及び船舶が甚大なる損害を受けておりますので、これに対する救済策の陳情がありました。これは台風に対する特別対策委員会で善処中であるとは存じまするが、これまた政府当局としても善処をしてもらいたいと思います。
 きわめて簡單でありまするけれども、大体右をもつて報告を終ります。詳細は書類をもつて御報告申し上げたいと思います。
#6
○稻田委員長 以上をもちまして、派遣委員の調査報告の聞き取りを終りましたが、これに関連いたしまして御意見もしくは御質疑があれば、発言を許します。
    ―――――――――――――
#7
○米窪委員 議事進行についてお諮りをお願いしたいと思うのですが、昨日私から草案をお諮りした港湾行政の統一に関する決議案の御採択を願いたいと思います。
#8
○稻田委員長 昨日米窪君より港湾行政に対する本委員会の意思表示をしたいという申出がありましたので、これを議題といたしまして、米窪君よりその案文の朗読をしていただきます。
#9
○米窪委員 朗読いたします。
    決 議
 運輸委員会は政府に対し、目下論議されつつあり傳えらるる港湾行政の綜合的統一機関として、ポートオーソリチーに対するこの監督権は、挙げて運輸省に属せらるるやう決定されんことを要望する。なお之に関連して港湾に関する建設、改良、維持の監督は、当然運輸省に所管せしむべきものと認めらるるのみならず、交通行政の一環として道路の管理権も運輸省に帰属せしめられん事を併せて要望する。
 右決議する。
 以上であります。
#10
○柄澤委員 昨日でございますか、米窪委員から御発言がございましたポート・オーソリティーの問題につきましては、昨日の大屋運輸相の御答弁によりますと、神奈川、横浜、川崎等の日本でも有数な港が、独立の企業体のオルガニゼーションになるというようなことに、着々と進行しておるということでありますが、当運輸委員会の決議といたしまして、運輸省の監督下に置くというようなことはどうか。私ども共産党といたしましては、樞要な日本の港が公共企業体というような、公共企業性を持つたものになりまして、そして國の直接の監督という、権限が非常に弱体化するがごとき公共企業体に移るということに対しましては、賛成できないという反対の意思を表明申し上げておきたいと思います。もう少し補足申し上げますと、これがどこの省の監督下にございましても、とにかく日本の重要な港が、独立の企業体のオルガニゼーションになるというような問題の本質に、私どもは反対の意見を表明するのでございますから、これを運輸省の監督下に置きかえたり、建設省の監督下に置きかえたり、そういうような問題とは別な、もつと本質的な問題だということを特に申し添えて、反対の意思を表明したいと思う次第でございます。
#11
○米窪委員 先ほど私の朗読した決議案の後半の方ですが、同僚の議員から御注意がありましたので、ちよつと訂正したいと思います。それは「なお之に関連して、港湾に関する建設、改良、維持の監督」と原案にありますのを、「港湾に関する建設、改良、維持及びこれに関する監督」こういうぐあいに読み直しをいたします。
#12
○關谷委員 米窪委員の動議に賛成をいたします。
#13
○稻田委員長 他に御意見はありませんか。
#14
○柄澤委員 これは昨日大屋運輸大臣からも御答弁があつたのでございますが、非常に重要な問題だと思うのでございまして、日本がポツダム宣言で保障されております以上は、日本の自立性のあることは当然國際的にも認められておるのでございますが、樞要な港を公共企業体にするかどうかというようなことが進められておる。そういう前提のもとに、昨日運輸大臣の御答弁がありましたことを大体承認いたしました上で、運輸省の監督下に置きたいということをこの委員会が決議する。それはまだ動議もきまつているものではないということになりましても、今日の決議案の内容は、行政に関するというような抽象的な言葉ではございますが、私どもが主張いたしたいのは、昨日の運輸大臣の御答弁を内容とするような、独立の企業体のオルガニゼーションになるというような前提のもとに、こういう重要な問題を軽々にここで運輸委員会の決議とすることは、私ども軽率だというふうに感ずるのでございまして、その点から、私どもはこれに対してぜひ各委員の、もつと愼重な御態度を要請じたいと思うのであります。
#15
○米窪委員 柄澤君からそういう御言葉があれば、案の提出者として一言これに対して反駁します。これはわれわれがいかにも軽々に、研究をせずに、こういうものを出したというような口吻でありまするが、そうではない。私は三十年間港湾行政に間接的ながら関係して來ている。受益者の立場に立ち、あるいは関係者の立場に立つて、非常に苦汁をなめて來ている、すなわち今までの港湾行政においては、檢疫事務は厚生省がやつている。関税その他、荷物に関する点については、上屋の監督であるとか、あるいは荷物の檢査、であるとか、あるいは課税の点であるとかは、大藏省でやつている。船員問題であるとか、労働問題というようなことは、運輸省でやつておる。こういうぐあいに、小さい一つの港の中の行政が、中央の各省によつて分割されて、港の行政に関係する者、あるいは港のいろいろの事務に関係ある者は、その各省のセクショナリズムで苦痛をなめて來ている。從つてこれを統一して、そこにポート・オーソリティというものがあつて、そこのハーバー・マスターならハーバー・マスターという者が、一切の権限を掌握してやるということについては、私は決して民主主義にそむかないと思う。むしろそれが地方の民主的な行政のためにも必要である。ただ問題は、そういつたポート・オーソリティーを、昨日大臣が言われたように総理廳でやるか、大藏省でやるか、建設省あるいは運輸省でやるかというところが、今まで論議の焦点であつた。われわれはこのハーバー・マスター、あるいはボート・オーソリティーを監督する権限は、これを一箇所にまとめないと、今までと同じようなことになるのであるから、それはやはり一番関係の深いところの運輸省でやるべきである。これが決議案の趣旨であります。柄澤君は少し誤解があるようでありますので、一應この点を提案者として釈明しておきます。
#16
○柄澤委員 私が反対をいたしましたのは、そうしたどこそこの省の管轄であるというような、瑣末な問題ではないのでございまして、ちようど明治以來國有鉄道としてやつて参りましたものが、吉田内閣によりまして日本國有鉄道という公共企業体になつた。こういうような大変革が鉄道によつて行われたのでございます。そのような大変革が、日本の樞要な港に対しても行われようとしておる。つまり独立の企業体のオルガニゼーショシにするということが、昨日の御答弁の中にあつたわけでございまして、こういう重要な問題を、米窪さんは長い間御経驗がございますから、いろいろ御檢討もなさつておいでになりましよう。しかしそういう非常に重要な事態に当面しておるということをも、まだ委員会として十分に審議せずに、ただ單に運輸省の管理下に置いてもらいたいということを決議するといたしますれば、それは運輸大臣の昨日の御答弁の、独立の企業体のオルガニゼーションにするということを承認した形において、運輸省の監督下に置いてもよろしいということを、この委員会が決議したというふうになるおそれがあるのでざいまして、十分愼重に政府の意図なり何なりを私どもが討議、審議いたしまして、その結果において決議案に対して反対なり、討論なりを十分鬪わせる機会があると思うのでございます。その観点から私ども共産党といたしましては、少くとも昨日の運輸大臣の御答弁の前提に基いて、運輸省の管理下に置くということをこの委員会が決議するというならば、そういうことには絶対に賛成することができないということを申し上げる次第でございます。
#17
○稻田委員長 他に御意見はありませんか。――なければただいま米窪君より朗読せられました政府に対する要望の決議を、本委員会として認めることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○稻田委員長 多数をもつて可決いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○關谷委員 機帆船の問題に関しましては、昨日岡田海運局長に質問いたしまして、その答弁を得ておりますので、大体了承いたしておるのでありますが、本日は大臣がお見えでありますので、大臣に直接お尋ねもし、お願いもしたいと思います。
 今まで機帆船の燃料確保に関しまして、いろいろ政府当局が努力をいたしておりますことは、よく承知をいたしておるのでありますが、この機帆船の燃料油の問題は、單に一輸送部面だけの問題でなくして、一國の産業に影響するところきわめて大きいのであります。こういうふうな関連産業をことごとく合せますと、約二百万に上る人間の生死にも影響するというふうな状態でありますので、この重大性を認識いたされまして、運輸大臣はこの機帆船の割当確保に関しまして、その筋に対し要望懇請と申しますか、これに対しましては單なる事務官僚にこれをまかせ切りということでなく、大臣みずから陣頭に立つてその筋を訪問し、お百度を踏んでも確保できるように努力をしてもらいたい。これは全國の機帆船業者、生産者、利用者、関連廃業の從業者ことごとくの要望でありますので、ぜひともそういうふうにお願いしたい一思いますが、これに対して運輸大臣の決意のほどを承りたいと思います。
 次にこれも昨日岡田局長にお尋ねをいたしましたが、岡田局長はそういうことはおそらくうわさであろうというふうな御答弁があつたのでありますが、吉田総理からマッカーサー元帥に、この燃料問題につきまして書簡を送つて懇請をされる。これが最高であり、かつ最後の手段であるということで、非常に関係者がこれを期待いたしておるのであります。ところが聞くところによると、首相の祕書官連中が、これを貫禄に関するというふうなことで、阻止をいたしておるということを聞いておるのであります。こういう実情につきましては、大臣はよく御承知であろうと思いますので、私たちもこれはうわさであろうと考えておりまするし、なおまたうわさであつてほしいというふうに考えておるのでありますが、こういう事実があるのかないのか。もしそういうふうな事実があつた場合には、運輸大臣はどのようにせられるのであるか。その点をお尋ねしたいと思います。なお燃料油交付の困難性ということもよく承知をいたしておりまするが、その場合には運輸当局といたしましては、無為無策で荏苒日を送るべきではないのでありまして、第二、第三の手段を講ずべきである。こういうふうに私は考えております。ついては代用燃料の研究、並びに代用装置というふうなことにつきまして、大臣はどの程度研究を進められておるのか。どのような見解をもつておられるのか。なお將來どのように努力をせられるつもりであるのか、その点を承りたいと思います。
 次に、以前に海陸運賃調整に関する決議案の中へ織り込みまして、運賃のアンバランスを調整するまでは、鉄道用炭の競爭入札制は廃止すべきものである。一方、運営会あたりのように補助をもらつております、いわゆる政策運賃と、採算運賃とで競爭させられるということは、採算運賃の方が非常に苦しい。全部汽船にとられてしまうような結果に陷るというために、競爭入札制は中止して、以前の通り機帆船にやらすようにということが、決議文の中に織り込まれて、これが決議として採択をせられておるのでありますが、その後依然としてそういうふうな競爭入札が行われておるという状態でありますので、これに対しては、運輸大臣はどのような方法をとられたのか將來それがどういうふうになるのか、これをお尋ねいたしたいと思います。
#20
○大屋國務大臣 ただいま關谷君の御質問の第一点でございまするが、なかんずく中央機帆船に対する燃料油の配給量の減少につきましては、非常に重大な問題でありますので、言うまでもなく事務当局をして関係筋に十分な連絡、懇請をいたさせておりまするが、私自身といたしましてもあちらに出かけて参りまして、本問題解決を懇請しておる次第でございまするが、不幸にしてまだ解決の端緒を見出しておらないのであります。自今引続いて十分な努力をいたす所存でございます。
 次に第二点の、吉田総理大臣が本問題を取上げて、あちらにみずから出馬してくださるという意思があるのに、周囲の者がこれを阻止し、さようなことをしない方がいいだろうと言つたというようなことが、あるかどうかというような御質問でございましたが、さようなことは私は断じてないと考えております。実は本問題について私が閣議におきまして、機帆船界の非常に困難をいたしておる実情を、総理初め閣僚に報告をいたし、この問題について吉田内閣全体としての援助を懇請しましたときに、私は特に総理に対しまして、運輸大臣が一生懸命この問題の解決をやつておりまするが、万運輸大臣の手において本問題の解決がむずかしいような場合には、親しく総理に御出馬を願いたいということを申し上げてありますので総理はいつでも、私が総理大臣の出馬を懇請いたしますならば、引受けてやつていただくという了解は、もう二箇月も前にできておりますので、私といたしましては、運輸大臣の手において早急に解決いたしたいということで参つておりまするが、もしもこれが力が及ばぬという場合には、総理の御出馬を願うつもりでおります。
 第三点の、油のままでもらうことが非常に難澁でございます場合におきましては、当然何らかのこれに対する対策が必要でございます。從いまして、これが代用燃料の研究とか、。あるいは被曳船みずから帆走をいたしますとかいう面におきまして、いろいろな問題がございますので、それらにつきましては、実は今まではなるべく、どうかして燃料の補給を願つて、燃料の問題をその補給によつて解決しようと考えておりましたので、十分なる代用燃料の対策、あるいはその他の施設を、いまだ措置をいたしておりませんでしたが、もしもこれが非常にむずかしいという場合には、ひとつ眞劍にその問題を取上げて研究いたしたいと考えております。
 最後の問題でございますが、競爭入札の考え方は、関係筋からさようにいたすようにという指示がございましてずつとその競爭入札をやつているわけでありまして、それを今ただちに撤廃するというわけには参らぬのでございまするが、石炭の公團が近々のうちに廃止に相なりまするし、また機帆船の使命というものは、石炭の各鉱山の地元から、非常に使いやすい機帆船を使つて各地に運搬をするという、この機帆船の特長もございますので、これから先は、私は必ずや機帆船を利用するというチャンスが、また復活して参るものと考えております。かたがたこの燃料問題の解決をいたし、かつ機帆船工業を何とか復活いたしたい、かように考えておる次第であります。
#21
○關谷委員 今の大臣の御答弁で、代用燃料、代燃装置等については、燃料油の交付の見込みがない場合に研究する、こういうふうなお話でありましたが、すでに燃料が打切られて以來三箇月をたつておるのでありまするが、非常に長くなつておりますので、もしこれでいよいよいかぬということになりますれば、そういうふうな代用燃料、代燃機関というものが、ただちに実施されるというふうに進められていなければならぬ。これは関係者一同が要望いたしておりますので、そういうふうな研究は早急に進めるべきでありまして、研究自体はもうでき上つておるというのが当然であるというふうに考えでおります。從つて早急にこれを研究して、実施に移し得る直前の段階にまで進めておいてもらいたい、このように思いますが、これに対して大臣はどのようなお考えでありますか。
#22
○大屋國務大臣 御趣旨はまことにごもつともでございますので、さようにとりはからうことにいたします。
#23
○關谷委員 この機帆船の対策、燃料その他の対策ということに関しまし三政府に対する要望並びにその筋に対しまする要望の申合せをいたしたいと思います。その動議を提出いたします。
 まず政府に対しまする案文を朗読いたしてみます。
  機帆船対策樹立に関する件
  最近機帆船に対する燃料油の割当が極めて僅少であるため、その円滑な運航は著しく阻害され、物資輸送の不振、生産の低下、民生安定の障害等を來している。
 ついては政府は速かにこれが事態に即應し、特に燃料油確保について適切妥当なる措置を講ずる等全面的に機帆船対策を樹立すべきである。
  右申し合せる。
 次にその筋に対する案文は、
  機帆船はわが國における港湾設備、積荷、需要等の関係から自然的に発達したものであつて、戰爭目的遂行の手段として発達したものではない。これが運営の良否はわが國経済全般に影響する所極めて大である。最近機帆船に対する燃料油の大編制減のため、その運航は著しく阻害され、産業復興の一大障害となつている。ついてはこの事態を諒解せられ、昭和二十三年度における機帆船燃料油交付平均量程度毎月交付せられたく、運輸委員会の申し合せにより右懇請する。
 以上を申し合せたいと思いまして、動議を提出いたします。
#24
○田中(堯)委員 今の動議について意見があります。政府に対する注文の決議案でありますが、これには企業者側の要請は盛られておるようですがも労働者の側の要請が一つも載つておらぬと思うのであります。もちろん企業者側の要請の決議案の内容に、われわれは不服はありません。賛成でありますが、それにつけ加えて、もうすでに十二万という機帆船労働者が、過去数箇月にわたつて失業状態にあるわけで、今早急に機帆船が動かないとすると、非常に困つた問題になる。そこで機帆船労働者の失業に対して、万全の措置を講ぜられたいという一項目を、附加していただきたいという意見です。
#25
○關谷委員 ただいま田中君から特に発言がありました点を、これへ挿入いたしましたので、その点を含めて案文をもう一度朗読いたします。
   機帆船対策樹立に関する件
  最近機帆船に対する燃料油の割当が極めて僅少であるため、その円滑な運行は著しく阻害され、物資輸送の不振、生産の低下、民生安定の障害、特に機帆船乘組員並に関係産業労働者の生活につき極度の不安を來している。
 ついては政府は速かにこれが事態に即應し、特に燃料油確保について適切妥当なる措置を講ずる等全面的に機帆船対策を樹立すべきである。
  右申し合せる。このように変更いたします。
 その筋へ対しまする懇請に対しまして、一部変更をいたします。案文全部を朗読いたします。
  機帆船はわが國における港湾設備、積荷、需要等の関係から自然的に発達したものであつて、戰爭目的途行の手段として発達したものではない。これが運営の良否はわが國経済全般に影響する所きわめて大である。最近機帆船に対する燃料油の大幅削減のため、その運航は著しく阻害され、産業復興の一大障害となつている。ついてはこの事態を諒解せられ、機帆船活用に関する必要なる燃料油を交付せられたく、運輸委員会の申合せにより右懇請する。と改めます。
#26
○稻田委員長 ただいま關谷君より動議がありました政府並びにその筋に対する要望の申合せは、これを一括して決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○稻田委員長 御異議なしと認めます。よつて決定いたされました。
 それでは田中君。
#28
○田中(堯)委員 運輸大臣にちよつと質問したいのですが、今度の台風で渡良瀬川が非常に氾濫をし、大間々から足尾までの線が荒廃をして、修繕をされておるのですが、聞くところによると、この鉄道は足尾銅山がそもそもあまりもう意味がない。というのは、外國の銅を輸入するという関係もあつて、日本の足尾銅山はやめてもいいというような意向から、この足尾線も事によつたらもうやめるのじやないか、廃線になるのじやないかといううわさが巷間飛んでおるのですが、運輸大臣の御意向を承りたい。
#29
○大屋國務大臣 ただいま田中君の御質問のようなことは全然考えておりません。今回のキテイ台風で一部分の線路が決壞いたしまして、目下修理を急いでおりますが、地元の関係者から、早くこの修理をやつてもらいたいという陳情を頻々として聞いておりますのて、当局といたしましては、これがすみやかに修理を完了するように、嚴重に申渡しをいたしておるような次第であります。
#30
○田中(堯)委員 もう一つお尋ねいたしますが、これは下山事件とか、あるいは三鷹事件、福島事件、列車轉覆のような事件が頻々と起るたびに、運輸省の官吏、あるいは國有鉄道の職員のうちから、何か背後に團体でもあつて、そういう者の陰謀によつて云々というような印象を受けるような意見が発表され、新聞紙上を相当にぎわしているというような過去の事実があるのですが、その事実があるかないか。背後團体と言われると、共産党を暗にさしている。また世間一般もそういうように見ているのですが、私の方の確信としては、そういうふうな計画もなければ、陰謀もない。共産党のかかわり知つたことではないのですが、しかしこれは裁判の結果などを見ないと、一般には黒白はつけられないと思います。ところが裁判の黒白をまつ前に、いかにも背後團体、すなわち共産党がやつたのではないかというような印象をばらまかれると、非常に共産党は迷惑をするし、また世間の人も動揺することになると思いますが、この点に関する御意見を伺います。
#31
○大屋國務大臣 しばしば発生しまするいろいろな事件に対しましては、運輸省の官吏、またはコーポレーションの職員が、その背後関係云々などということを、言うべき筋合いのものではございませんので、私といたしましてはさような批評をいたしたということは、ほとんど存知いたしておらぬのであります。國民がどういうふうに考えるか、あるいは田中君が共産党をいかにも云々というふうにお考えになることも、すべてこれは司直の手にまつてわかる問題であろうと考えております。
#32
○田中(堯)委員 もし運輸大臣において、過去にさようなことを自分は聞いたことも見たこともないということならば、たいへんけつこうですが、私の方にはいろいろそういう調査をして事実をつかんでいるわけであります。ひとつ將來にわたつてぜひこういうふうなことがないように、御注意を願いたいということを要望いたします。
#33
○岡田(五)委員 最近國鉄公社におきまして、経営の能率化、経営の合理化というような見地から、いろいろと機構が改正されているようであります。大体あの機構につきましては、私は賛意を表するのでありますが、聞くところによりますと鉄道局を十七にふやし、地方管理部を廃止するがごときうわさも出ているかのように思うのでありますが、この辺のところを運輸大臣はお考えがございましたら、お答えおき願いたいと思います。
#34
○大屋國務大臣 ただいまの岡田君の御質問ですが、関係筋におきまして局、管理部、現場という関係を、局から現場に直属いたすようにしたならば、さらに能率的ではないかという意見を持つておられる方がございますので、とりあえず北海道の方は、三箇所くらい局をふやしてはどうかという意見がございます。なおまた本土の方におきましても、さような観点から在來の局をふやして、管理部を減らすという考えがございまするが、まだその考え方に基いてかれこれ考慮がめぐらされておる程度でござまして、どこの地点に局をふやすというような、具体的なところまでは進捗しておらぬ、さように御了承願います。
#35
○柄澤委員 ただいま岡田委員からの御質問に対しまして、運輸大臣から御答弁があつたようでございますが、北海道におきましては、今までの札幌鉄道局が三つになるということが、具体的にもう局長の氏名までも新聞紙上には発表されているようでございまして、相当に進展されておるのではなかろうかと思うのであります。この方針にいたしますると、定員法によりまして――大体私どもの現場を調査いたしてみますると、轉降職によりまして保線、連結、それから庫内というような最先端の現場関係、当時運輸大臣が特になるべく首を切らないようにするという御意見すら、お漏らしになつておりましたところのこの部分が切られました。ところてんのように押し出されて、首切られているわけでございますが、そういう反面におきまして、私どもの概算ではまだはつきりいたしておりませんが、部長が大体十四名くらいふえ、課長が十八名くらいふえるようなことに計算されたのでございます。そういうような改革は、機構の簡素化というようなことを中心にしてお進めになりましたところの、政府の政策と相反しておるのではなかろうか。また運輸大臣の考えておいでになりましたところの定員法の実施や、新しい運輸省の設置に対する御意思とは、相反するものではないかと考えられるのでございますが、その点につきましての大臣の御見解を承りたいと思います。
#36
○大屋國務大臣 機構の改革は、改革自体によつてさらに能率が増進されるという見地でいたしましたので、もしこれにノーという御意見があるなばら、それは柄澤委員の御自由でございまして、私どもはこれによつてあくまで能率が増進いたされると考えておる次第であります。
#37
○柄澤委員 國鉄は機構改革、簡素化ということをもとにいたしまして、九万数千を整理されたのでございます。その当時この大出血をいたします際には、運輸委員会でも相当に論議が闘わされまして、そうして政府のこれに対するご決意も私どもとしてはいろいろ伺つたはずでございまして、ただ單に今一言で、それで能率が改善されるならばいいと思うというような御意見では、当初大臣が明らかにされましたように、現場を主にして機構簡素化をするというようなことと、食い違つている点を御質問申し上げたのでございますから、そういうような抽象的なことでおきめになりませんで、もつと良心的な、あの首切られて整理されて行きましたところの從業員諸君に対しましても、この改革が決してそう軽々にして行われたのでないということが、証明されなければならないと思いますが、ただいまの御答弁ではたいへん遺憾でございますから、もつと具体的に、今度の北海道の改革はどういうふうになつておるかというような点までも御答弁願いたいと思います。特に申し上げたいことは、昨日の調査の御報告のときには、運輸大臣は退場なさいまして、おいでにならなかつたのでございますが、北海道の場合には、與党の民自党の運輸委員のみではなく、野党もでございますが、全部の委員が一致いたしまして、北海道の場合には独立採算制が成立たぬという結論を出したのでございます。冬を控えまして、札幌鉄道局長初め國有鉄道の責任者達は、全部口をそろえまして、現在の定員では冬になつたらやれぬということも出たのでございますが、そういうことにつきまして運輸大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。冬になつて定員が足らなかつたたらば、ふやすおつもりであるかどうか。また独立採算制は現に破綻を來しているというこの状態に対して、運輸大臣はどういうふうなお考えをお持ちになつておられるかという点を、つけ加えて承りたいと思います。
#38
○大屋國務大臣 機構の改革の点でありまするが、すでにこの間実施いたしました機構の改革は、これは長い間の官庁の組織という点を、大英断で民間の企業体スタイルに切りかえをいたしましたので、同じ人間の数をもつて、この組織体で必ず能率があがると考えてやつた次第であります。
 なお北海道の鉄道局を三つふやしたあかつきには、どういう具体的組織でやつて行くかというお尋ねでございますが、これは目下まだ決定しておりませんので、関係当局の示唆によつて三つふやしたらどうか、それに対してはどういう機構をあてはめていつたらどうかということを、目下立案研究中なので、まだ御答弁申し上げる時期に達しておりません。
 さらに最後の御質問の、この冬を控えて北海道の鉄道経営が、独立採算的には非常に懸念されるということでございますが、もちろん日本の現在の運賃制度におきましては、日本全体の鉄道が、ひとり北海道ばかりではなしに、独立採算を十分に達成できる域には達ししおりませんので、やがて今臨時國会にはこれが対策を提出して、諸君の御協賛を得たいと思つております。特に北海道につきましてはこの冬場、人間が足りなくてとてもやり切れないから、人間をふやす意思があるかどうかというお尋ねでございますが、ただいまの私の心境としては、十分であると考えておりますので、ふやす意思はございませんが、もしも非常な欠陷でもあるということであれば、それはまたそのときに十分檢討いたすというふうに今思つております。
#39
○柄澤委員 当初から運輸大臣は、國営事業を民営に移すことが、最も能率あるやり方であるという御見解に立つておられたのでございますが、民営に移すというこの能率的なやり方は、ことに國有鉄道はほかの事業と違いまして、貨物、人間の輸送の企業でございます。御承知のようにこれが一旦誤られますと、人命にも関係する。そういうふうに日本の産業の興亡にも関する重要なことであることは、いまさら申し上げるまでもないことでございますが、この能率をあげるということは、当時もたびたび主張されておりましたように、現場に十分意を注いで、人員の配置をするというふうに伺つておつたのでございます。ところがいろいろ私ども視察した結果によりますと、全然現場になれないところの者が降職になつて、配置されるというだけではございません。むしろテーブルの前に坐つて事務をとるような者の数、あるいは監督をしておる者の方がふえまして、現場の方が減らされておるというような形が現われておるのであります。札幌の改革は現在進行中であるから、決定していないのでわからぬというお答えでございますが、こういうようなことは新しく方針がおかわりになつたのではないと思うのであつて、北海道の改革の際にも、能率的であるという内容になつておるのでございますが、從來の御方針がおかわりないとすれば、当然現場の方が主になりまして、新しい部長がふえたり、課長がふえたりするような、機構の簡素化とは逆の現象が生れるようなことは、当然ないはずだと思うのでございます。その点の運輸大臣の御見解を承りたいと思います。
#40
○大屋國務大臣 柄澤君が北海道の実情を御視察なさつて、御視察になつた点でありますが、もしもさような、いわゆる机で事務をとる者の方が多くて、現場で実際に執務する者は轉換者による不熟練者が充当され、全体の能率が阻害されるというようなことがございましたならば、私の立場といたしまして十分これを調査いたしまして、改めるにやぶさかでないことを申し上げておきます。
#41
○柄澤委員 それから現場の調査をいたしますと、基準法の違反等が相当ございまして、北海道の調査報告の結論といたしまして、札幌鉄道局長はこういうことを言われたのでございます。行政整理が無事に完了したただいまは、非常に清新な空氣をもつて、みなが能率を上げておるということでございました。これはたとえば石炭産業においてもそうでございますが、あの大増産の目標が掲げられまして、大採炭などをいたしました一箇月くらいは、相当労働強化が行われまして、能率が上るのでございますが、その結果災害がふえ、事故がふえまして、次の一箇月、二箇月になりますと、採炭が減少するというのが実例でございます。各駅等をまわりましたときに、駅長あるいは区長というような人の報告は、どういう報告であるかと申しますと、行政整理後非常に能率が上つて、從業員が新たな決意を持つてやつております。そして晝間駅で勤務して、その勤務のひけた後に、自分の元の現場である工機部へ帰つて仕事をしておる。こういうような從業員が非常にふえまして、喜んでいただきたいというような御報告があるのでございます。こういうことが重なりまして、現実に北海道などではこの労働強化によつて、踏切番が踏切の業務に支障を來しまして、自動車と機関車の衝突が起きていたり、いろいろ事故が現れておるのでございます。こういうような基準法違反に対しまして、運輸大臣は先ほど今の定員で十分であるというふうにお答えになつておられたのでございますが、それを改めるのにはやぶさかでないかどうかということを、御答弁いただきたいと思います。これは私どもの行政整理の調査の資料によりますと、日本國有鉄道では多少切り過ぎておるというような数字が現われておるのでございまして、こういう点の御答弁を承りたいと思います。また現場によりましては、首は切つたけれども人が足りないので、復職させておる。あるいは工事場へ臨時人夫を雇わなければ仕事がやれぬというような、いろいろそういう具体的事実――御必要であれば資料を幾らでも提出申し上げます。これは運輸委員会の問題でなければ、あるいはまた法務委員会にもかけたいというふうに考えておるのでございますが、そういうことがありました場合に、今度の行政整理に対しまして、これを運輸大臣は取消されてよろしいとお考えになつておるかどうか、承りたいと思います。
#42
○大屋國務大臣 私が柄澤さんの御意見、御視察の結果に敬意を表しましたのは、この間の行政整理の結果をまた取消すという意思では毫末もないのでありまして、運用の面におきまして間違つた面があれば、これはさらつと訂正をいたすと申し上げた次第でございます。なおまた御観察の御意見の中に、基準法違反が行われておるというお話でございましたが、基準法違反があつては相ならぬのでありまして、さようなことがもしもあるということであれば、嚴に戒めて、これをないようにいたさねばならぬと思つております。なおまた本質的に、先般の行政整理後の定員において、私は業務運営上決して人員が不足しておらぬという信念を、引続いて現在も持つておる次第であります。
#43
○柄澤委員 もう一つ、きのう実は運輸大臣がお帰りになりましたあとで、足羽局長から独立採算制の問題につきまして御質問申し上げましたことに、御答弁があつたのでございますが、運賃の値上げ後國有鉄道は赤字が出まして、現在九十一億の赤字があるというお話でございました。これの解決策として、政府は運賃の値上げをしようと思つて、檢討中であるというお話でございました。この赤字の原因はということを御質問申し上げましたところが、これは九原則を実施したために不景氣になつて、その結果赤字になつたという御答弁でございました。だとすれば、これは政府の方針の結果でございまして、非常に重要な問題だと思うのでございます。單なる不景氣の結果であるとすれば、運賃の値上げをすることによつては、なおさらこれが解決できないことになると思うのでございますが、運輸大臣の御見解はどうかということにつきまして、まず承りたい。それからそれの解決策として、單に運賃の値上げだけを運輸大臣がお考えになつているかどうかということ。最後に私たちといたしましては、これは北海道視察の結果、北海道の海運局長も意見として申されておつたのでございますが、現在の陸上、海上、この両方の輸送を通じまして、赤字になるという問題は、ただ單に海陸運賃の不均等というような問題でなく、もつと本質的に掘り下げなければならぬ問題である。石炭の独占價格の問題なども当然触れて來るわけでありますが、そういう鉄道の購入する物資、あるいは鉄道のやらせる事業等について、もつと本質的な改革が要求されておりましたし、また当時そういうことをやられるという御答弁もあつたのでございます。そういう点につきまして、鉄道用品の集中購入ということで、地方の鉄道では非常に困つておられる。地方の中小産業も困つておられる。予算をはつきり月別に割つて、資材を全部中央からよこすというようなことで、実際工事の運営上困るというような御意見もあつたのでございますが、そういう問題は別といたしまして、鉄道用品の集中購入が現在どう行われておるか。できましたならば、きようはこのくらいで質問を切り上げていただきたくないのでございまして、非常に重要な問題でございますから、もつと資料も出していただきたいし、できれば加賀山総裁あたりにも出ていただきまして、いろいろ御答弁願いたいのでありますが、この点につきまして大臣としての御答弁を承りたいと思います。
#44
○大屋國務大臣 きのうの足羽監督局長の答弁を御利用なすつて、ただいま御所見の御開陳がありましたが、私は聞いておりませんでしたから、どういうことを言つたか存じませんが、要するに國鉄の赤字を出す傾向は、これはいなむことができないのでありまして、これが解決の策といたしましては、いろいろな物品の購入方式の関係、あるいは熱管理、つまり石炭をたく技術士の改善、あるいは運賃の値上げ、いろいろなことを総合いたしまして、赤字の克服をいたさねばならぬと考えております。なおまたいわゆる集中購買方式の詳細に対して答弁しろということでありまするが、それは次のチヤンスに專門の役人に答弁をいたさせることにいたします。
#45
○黒澤委員 私ども調査委員として東海、北陸、信越、関東をまわりましたときに、省は赤字を埋めるために、日通に請負をさせておりました請負業務を取り上げ、約十三億を埋めることになつて、それにかわるに小口混載制度というものをやつておるわけですが、それに対して各地の二、三の労働組合員から、請負業務を省に移して小口混載制度をやるということは、非常に矛盾があるのではないかという質問が出ておつたのでございます。これについて私どもは答弁をしないで参つておるのですが、御当局の御所信をお伺いいたします。
#46
○大屋國務大臣 それは少し詳細に御答弁を要する必要があるかと思いますから、次の機会に專門の係に答弁いたさせたいと思います。
#47
○稻田委員長 先ほどの決定になりました政府当局並びに関係方面への要望事項の申入れ方については、委員長に御一任願いたいと思います。
 なお派遣委員の方より御発表になりました調査報告等につきましては、時間の関係で十分に意を盡さないものがあると思われます。各調査班におかれましては、詳細な報告書を作成せられておると思いまするので、これに基きまして委員長において今後とりまとめたいと思つておりますから、委員長のところまで御提出を願いたいと思います。以上につきまして御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○稻田委員長 御異議なしと認めまして、さよういたさせていただきます。
 この夏におきましては、暑さのみぎり、御多用の中にもかかわりませず、各班におかれましては十分なる御調査をいただきましていろいろ詳細なる報告をいたされましたことを、まことにかたじけなく、厚く御礼を申し上げておきます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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