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#1
第004回国会 大蔵・人事・労働連合委員会 第1号
昭和二十三年十二月六日(月曜日)
  ―――――――――――――
 委員氏名
  大藏委員
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事      波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員      天田 勝正君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事      木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員      赤松 常子君
           北村 一男君
           小林 英三君
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  労働委員
   委員長     山田 節男君
   理事      一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員      原  虎一君
           村尾 重雄君
           田口政五郎君
           森田 豊壽君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
           波田野林一君
           水橋 藤作君
           平野 成子君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年十一月以降の政府職員
 の俸給等に関する法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
   午後一時四十二分開会
   〔大藏委員長櫻内辰郎君委員長
席に着く〕
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より大藏委員会、人事委員会、労働委員会の連合委員会を開催いたします。御審議を願いまする議案は、昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案であります。尚申上げて置きます。御質疑のありまするお方は、事務局員若しくは委員長までお申出を願いまするようにお願いいたします。最初に政府より提案理由の御説明を願います。
#3
○國務大臣(泉山三六君) 只今議題となりました昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 最近の経済事情、殊に生計費の高騰によりまする政府職員の困難な生活事情に鑑みまして、速かにこれら職員の給與の改善を図り、その生活を安定せしめることは当面最も急を要するところでございます。これがため、政府といたしましては、先般來財政、物價等諸般の事情を勘案しながら、適正なる給與水準を決定すべく鋭意努力を續けて参りましたのでありますが、この間御承知の通り、臨時人事委員会からは政府に対しまして、本件に関しましての勧告があつたのであります。政府といたしましては、この勧告に示されました政府職員の給與改訂案について、爾來愼重に檢討考慮を重ねて参つたのでございます。然るところ目下の財政事情、物價本系に及ぼす影響等の点から総合的に勘案いたしますれば、遺憾ながら、これをそのまま実施することは極めて困難であるという結論に到達いたしたのであります。併しながら、政府職員の生活事情は年末を控えまして、一層困難の度を加えるものと考えられますので、これら職員の給與改善はもはや一日も遷延を許さない情勢に立ち至つておるのでございます。從いまして、政府は一般國民の消費水準、民間における一般勤労者の賃金の現状等を彼此勘案いたしました上、財政の許す限りの給與改善を図ることにいたしまして、ここに本法律案を提出いたした次第でございます。
 次にこの法律案の内容につきまして、簡單に御説明申上げます。
 この法律は認証官等他の法律に特別の定ある者を除く一般政府職員に対しまして、本年十一月以降の月收を平均的四割五分程度引上げることを目途といたしたものでございます。この法律による給與は、俸給、扶養手当、勤務地手当及び特殊勤務手当の四種でございます。俸給は從前に比しまして概ね三割二分程度増額いたすことといたします。扶養手当は從來は扶養親族一人につきまして二百五十円でございましたが、妻とその他の扶養親族とに差別を設け、妻につきましては六百円に、妻以外の扶養親族につきましては一人につき四百円にそれぞれ増額することといたしました。勤務地手当及び特殊勤務手当は政府職員の新給與に関する法律(法律第四十六号)、その法律の規定をそのまま費用いたすことといたしまして、尚政府職員の新給與実施に関しまする法律は、本年末まででその効力を失なうことと相成つておりまするので、これに代る新らしい給與法の立案が遅れておりまするので、更に一ケ年間これを延長して、明年十二月三十一日まで効力を持たすることといたしたのでございます。
 以上この法律案につきまして、立案の趣旨並びに法律案の概要を御説明申上げました次第でございまするが、政府職員の生計の実情をお酌み取り下されました上、速かに御賛成下さいますよう希望いたす次第でございます。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) これより質疑に入ります。
#5
○小川友三君 今日は幸いにも大藏大臣がお見えになつておりまするので、本案につきましてお伺い申上げます。
   〔大山安君「ちよつと議事進行について」と述ぶ〕
#6
○小川友三君 発言中でありますから発言を續けます。
#7
○委員長(櫻内辰郎君) 終つてから後でお願いいたします。
#8
○小川友三君 本案につきましては愼重を期せられまして、非常なる努力をせらめておるという点につきましては敬意を表しますが、この努力の程度は非常に欠けるところがあると思いますので、これから大藏大臣にお伺いいたします。
 現在までの官公吏の皆樣が赤字續きで、單笥を賣り、着物を賣り、鏡台を賣り、そうした大きな苦しみを経まして國家の公務員としまして働いて來たのであります。正に政府の示された通り、この説明書にもある通り、一日も猶予すべからざるところの窮地に全日本の國家公務員の方々は顛落しておるのでありまして、これは政府御当局におきましても手に取るようにその事実は分つておることと思います。又官公吏の中には、生活ができ得ないために法網に引掛りまして、今刑務所に繋がれておる人も何人かあるのであります。正しい氣持を持つ人が、自分の着物を賣り、或いは親たちから、或いは兄弟から、或いは親友から借金をいたしまして、利息を拂い、或いはそれ以上の苦しみをしまして、現在生活を續けまして國家の公務員として活動をせられておる現状を政府ははつきりと握つておられるかどうかということを先ず第一番にお伺い申上げます。
 それからこの給與ベースでありまするが、人事院が発表せられた六千三百七円のベースに対しまして、政府は財政事情によつて出せないという結論に到達しておるのでありまするが、その財政事情において政府が財政收入を挙げる途があるのに、それを掘下げていない、もう一尺掘れば水が出るものを掘らずにおるという例がありますが、政府は財政事情をもつと掘下げたならば、六千三百七円は愚か、七千円の支出をすることができるのであります。その点につきまして、財政の方面における二、三の例を大藏大臣に申上げまして御返事を賜わりたいと同事に、それを徹底的に御実行願いたいのであります。現在政府は、租税負担によつてその支出をするということを大藏大臣は言われたのであります。租税負担の外に專賣益金もあります。又政府の財政上節約する分が沢山あります。その一例は、先日も本会議で申上げましたが、百円札を刷るのに一年間に三十五億万円という費用を使つております。これは百分の一で賄うことができます。一万円札を刷れば百分の一、千円札を刷ればというわけで節約できる。節約面で二十五億万円、百円札の印刷費だけで二十五億万円の儉約は完全にできます。これを國家公務員に割当ててやる、給與の中に入れてやるという親心がなければならんと思うのであります。又專賣益金にしましても、五百億万円程度の專賣益金を挙げるということは断じて不可能ではありません。今日も午前中の大藏委員会におきまして、煙草の値上をするという案が政府から出ておりまするが、大藏大臣はこの間の本会議におきまして、施政演説の中で、物價改訂はしない、実質賃金を國家公務員に支拂うのだということを明瞭に御説明を願つたのでありまするが、今日煙草を三割も四割も上げるというのでは、誠に「いすか」の嘴の食い違いであり、政府が本当に信念を以て國民の幸福を断じて図るのだという責任に欠ける点があるのであります。この点から推しまして、五百億乃至六百億程度の増收を図るということは、專賣益金の点でも容易であり、又取引高税の課税が現在実施せられておりまして、この財政收入は政府の予想においても二百五十億あるのであります。この二百五十億は、恐らくこれ以上突破せられるであろうということは予想できます。そうした余分な財政收入が完全にあるのでありまするから、この際官吏に対して、人事院は六千三百七円だけれども、政府では、とにかく現在の赤字續きで非常に欠損しておるのだから七千円程度拂つてやるという原案が出る筈だと思いますので、大藏大臣の御所見をお伺いいたします。
 それからこれは大きな重大な手落がございますので、お伺い申上げます。進駐軍の仕事をやつていらつしやるところの全日本の十余万の人々の待遇であります。その外に約四十七万五千人の進駐軍の仕事をやつておる各組から行つておる人々と合算いたしまして、約五十万人の立場からして大藏大臣にお伺い申上げます。現在まで進駐軍の労務者が進駐軍の仕事をやりまして、大藏大臣が現地を御視察賜われば分りまするが、進駐軍の方々の便宜を図りまして一生懸命働いておる、汚い服を着まして、そうして又汚い靴を穿いて、そうして栄養の少い食糧を攝りまして、連合軍の方々に御不自由がないように骨身を削つて現在労務に服しておられるというこの現状は、我々が一度進駐軍の労務者の現地を視察しましたときに、涙なくしては見ておれない現状であります。ボロ服を着て、栄養の少い青い顔をして、そうして進駐軍に対するサービスのために努力しておる、一般國家公務員に人々より以上なるところのエネルギーを消耗し、カロリーを消耗しておる現状でありまして、この人々はこのベースの中から或る程度除外をせられております。これは非常に不服でありまして、この十万或いは五十万の人々が活躍をしておる面は、一番沢山の時間一番多く進駐軍とお附合いをしておるところの労務の奉仕者であります。外の官公吏の方々よりも一番多く進駐軍に接して、毎日毎日接して、日本人はよく働く、日本人は氣質が立派だ、そうして正しい、こういう美点を、終戰後三年有半に亘りまして幾多発見をせられ、そのお蔭で、日本の國が放出せられる幾多の物資は、この数十万の進駐軍の労務者の方々の努力があつたればこそ、放出物資も非常に多いのであろうとかように感じまするが、進駐軍の労務者が連合軍に盡した行爲、その行爲が日本の國に対する放出物資をより以上多くしたであろうという想像が政府にできるかできないか、この問題であります。進駐軍の労務者が骨身を削つて奉仕に非常に努力して放出物資を多からしめておる大功労者であるということについて、政府はどういう御所見を持つておられまするか、功労はないと言うか、功労は非常にあると認めるか、この点に対しまして明確なる大藏大臣の御答弁を承わりたいのであります。
 又進駐軍の労務者の諸君が今度改訂せられる程度で以てやつて行かれるか、やつて行かれないのであります。どうしても最低限度人事院の発表いたしました六千三百七円程度の支給をして貰わなければ、直接外國人に接しておるところの我々の血を分けた同胞、八千万近い同胞の中で、一番進駐軍に接しまして、嚴格な時間的な労働をやつておる尊い方々でありますから、殊にこの官公吏の新給與に関する問題は、進駐軍の方々に対しては五割増の俸給を私はお願いしたいのでありまするが、大藏大臣はどういう御所見を持つておられるか、お伺いする次第であります。又進駐軍の労務者に対しまして、直接外國人に接しておることから、服装にしても碌な配給はない、一般國民と同じ配給でありまするが、進駐軍の労務者の現地をどうか大藏大臣は御視察を賜わりまして、この服装をよく変えてやらなくちやならない。いろいろ向うの方々のために、服装なんかも普通の服では間に合わない面があるのでありますから、特別に必要な服装に対しては政府は特別優先配給をするかしないか、この点であります。是非して貰いたいのでありまするが、大藏大臣の御所見を、責任のある御親切な親心のある御答弁を賜わりたいのであります。
 又食糧問題についてでありまするが、食糧問題につきましても、進駐軍の労務者はカロリーを余計消耗する。外國人に直接接するために、神経を使い、規則正しく動くので、現在の食糧配給量に対して一合くらいの主食増配をお願いしたいのでありまするが、これは断じて不可能ではありません、可能と信じますので、大藏大臣の御意見を拜聽いたします。
 住宅問題につきましても、非常に時間が正確な所に勤めておるいわゆる進駐軍の労務者でありまするから、成るべくその仕事をする所に近い所に合宿或いは合同住宅等を新築する予算を政府は計上すべきだと思いますが、政府の御所見をお伺い申上げます。
 又進駐軍の労務者が、現在までのところ赤字補填のために親戚、兄弟、親友から借金をしておる額は相当でありまするが、これに対して四ケ月乃至五ケ月程度の給與を以て埋めてやるというお氣持があるかどうか、是非して貰いたいのでありまするが、大藏大臣の御所見を拜聽いたします。
 以上の点につきまして御答弁を承わり、質問を保留いたします。
#9
○國務大臣(泉山三六君) 小川さんにお答え申上げます。
 官公吏諸君の新給與を決定いたす前に、先ずその現状についての認識果して如何かとかようのことでございましたが、政府におきましても、今日官公吏諸君の生活の困窮につきましては深き認識を持つものでございまして、これが改善には熟き熱情を披瀝いたす次第であります。もとより本改正新給與の改訂案につきまして、政府は以上の認識の上に以上の意図によりまして、これを編成しておるものであることを御承解願いたいと思うのであります。そこで今日は六千三百円がよろしいか五千三百円がよろしいか、かようの御議論になろうかと思うのでありまするが、只今承わるところでは六千三百七円が適当ではないかとも伺われたのでありまするが、政府におきましては、只今小川さん御指摘の通り、單に財源上その財源捻出の限界、それを以てこれを抑制したとかようのものだけではないのでありまして、たびたび申上げました通り、今日の物價水準、並びに賃金水準とかいうようの点に思いをいたしまして、苟くも今回の新給與の改訂が改善であつて改惡であつてはならない、若しその適正なる考えを逸脱いたしまして、これを徒らに名目賃金を引上げる結果に相成りましては、それこそ物價の騰貴になり、民間賃金に反映して物價の騰貴になると、かようの結果を招來いたしますことは今更申上げるまでもないのであります。從いまして政府当局といたしましては、経済安定の立場から殊にその他の賃金との関係並びに物價に対する影響を深く考えたのでありまして、その点も小川さんにおかれましては十分御了承願いたいと思うのであります。而して他方、財源の面についての御所見が披瀝いたされたのでありまするが、この財源の点におきましても今回本國会に提案いたしました追加予算案について御高覧の通り甚だ窮屈なのでございまして、あらゆる財源を狩り集めまして初めてこれがバランス、均衡を取ることができたと、かようの状態であることは、私から取立てて申上げるまでもないのであります。只今御指摘の通り、いま一歩もう一尺掘下げれば水が出るのではないか、さようなお言葉がありましたが、若しさようなれば結構ではありまするが、その一尺掘つたために水ではなくて血が出る、國民の血が出て來ると、(笑声)かようのことでは誠に困るのでありまして、政府は思いをここに深くいたした次第であります。そこで問題は、然るところ何が故に煙草の値上をやつたのか、かようのことでありまするが、これは全く一つの何と申しますか、止むを得ざるに出ましたところでございまして、ただ政府の所見といたしましては、今日配給煙草を四円程度引上げることが決して物價の騰貴には惡影響を及ぼさない、かようの見解の上に立つものであると御了承願いたいと思うのであります。
 最後に進駐軍関係の労務者につきましてのいろいろ懇切なる御意見の御開陳によりまして、私も感銘をいたした次第であります。申すまでもなく我々はその占領政策に対してはその完遂に対しましても、もとより満腹の協力を惜しむものではないのであります。從いまして追加予算面において御高覧の通り、多額の計上をいたしておるのであります。その中には進駐軍労務者に関しましての多額の賃金の引上に要すべき歳出を見込んでおるのでございまして、この点につきましては官公吏諸君のベースの引上と全く均衡を取つておりますことを御了承願いたいと思うのでございます。以上簡單ながら私からお答え申上げます。
#10
○小川友三君 関連しましてそれでは、労働大臣と大藏大臣と少しずつお伺いしたいのであります。
 労働大臣は進駐軍の労務者の方々が紛骨碎身本当に心血を注いで敗戰以來努められておるという実情に対しまして、又進駐軍の労務者が非常に苦労していらつしやる半面において労働大臣としてどういう工合にしてやろうかという……大いに待遇を改善してやろう、そうして第一線と同じ進駐軍の方々と共に生活をしておつて、うんと差のあるところの生活環境にある人々がかわいそうではないか、かわいそうとお思いになりますか、いや何でもないと思いましたらその点につきまして……労働大臣がかわいそうと思つたならばそれではこういう点も……つまり住宅問題にしても、或いは被服の問題にしても、或いは食糧問題にしても、新給與の問題にしても、自分は勤労大衆の総元締めなんだから自分の生んだ子が不自由しているのだから、こうしてやりたいという案がおありでございましたら先ず労働大臣に御答弁をお願い申上げます。
#11
○國務大臣(増田甲子七君) 小川さんの御質問にお答え申上げます。進駐軍関係の労務に從事しておる公務員が非常に勤勉であるために内外において非常に信用を博しておるということを小川さんから承わりまして、私も二、三直接間接拜見もし拜聽もいたしておりまするが、深く感激いたしておる次第でございます。日本人の眞價を発揮するという点について、我々のプライドも満足いたしますし、又國際的信用も高めるということは近き將來において名誉ある國際社会の一員の我が國が列席する機会を促進したというようにもなるのでございまして、この機会において進駐軍関係の労務に從事しておる公務員諸君に我々政府の者といたしましては、深甚の敬意と謝意とを表したいと存ずる次第でございます。そこでこれら特殊公務員の給與その他について特別の考慮を拂つておるかどうかという点でございまするが、我々といたしましては、もとより特殊の勤務でありますれば、その特殊の勤務に應じまする特別の給與はいたしておる次第でございます。例えば鉄道なり或いは逓信というような二六時勤務に近いような仕事をしておる者、或いは警察官等につきましても、一般の午前九時から始まつて、午後四時、朝午前八時から始まつて、午後四時、こういう非現業員の諸君と相当違う点につきましては、特別の考慮を拂つております。そういうような意味合いにおきまして、やはりそれと同樣な労務に從事しておる者でありますれば、やはり特別の配慮が給與においても現われておる次第でございまして、その他の労務に從事しておる者は、例えば一般非現業公務員というものはやはり均衡の法則と言いまするか、公平の法則というような関係から一般公務員と同樣に待遇するということが、やはり政府としてなすべき処置であるとこう思う次第でございまして、併しながら進駐軍関係の労務に從事しておるために特別にこれこれのものが欠けておつて困る、これこれのものが必要であるというようなことにつきましては、尚我々といたしましても、勉強いたし、又財務当局といたしましてはもとより勉強すると私は存じておる次第であります。この上とも小川さんの御教導を願いたいとこう存ずる次第であります。
#12
○小川友三君 先程大藏大臣にお伺いしました放出物資を相当に二年有半に亘つて入れるその蔭に、進駐軍労務者数十万人の人々の必死の努力のために信用が高まつた、そうして放出物資が相当多く出されたという面に効果が進駐軍労務者があると思つたか、全然ないと思うのかという大事な点において御答弁がございませんでしたが、これをお伺いいたします。
#13
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。只今御指摘の点につきましては、これは実は申上げるまでもないかと思うのであります。我々は今日連合軍の占領下にあることは申すまでもないのであります。併しながらこの半面におきまして、もとよりその占領政策に同調して、以てこれに満腹の協力を差上げることは当然であります。而してその要諦は、小川さんの御指摘の通り、その占領者の信頼の上に立つ、かようなことでなければならないと思うのでございます。恐らく只今御指摘の点もさようなことかと思うのであります。我が日本國民は今日におきまして、幸いに日本國民の本來の面目を発揮いたしまして、連合軍側の信頼を世界に比類なきものと、私は考えている次第でございます。これが我が國に対しましての放出物資の上に相当の影響あることも、けだし当然ではなかろうかと考えるのであります。以上御了承願いたいと思うのであります。
#14
○大山安君 関連していますから……。議事進行に対する発言。議事進行上について最初に動議を提出いたしたいと思つております。本日は連合会であつて、発言を求める方も相当あると思いますから、時間の点について一人十五分ぐらいの程度にして、又時間の余裕がありましたらば二回、三回というふうにすることの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(櫻内辰郎君) 大山君の動議の御賛成がありますから、動議は成立いたしました。動議をお諮りいたします。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。十五分間と決定いたします。この際給與局長がお見えになりましたので、本法律案に対する逐條の御説明を願いたいと思います。
#17
○原虎一君 議事進行で……。質問を十五分に打切られることになつたのでありますが、大藏大臣はさつきも直ぐ帰つてしまつた。そうして今度は逐條説明ということは、大藏大臣の質問は今後どうなりますか。
#18
○委員長(櫻内辰郎君) 大藏大臣はちよつと予算委員会だけ行つて、そうしてその次に來られるそうですから、どうぞ……。
#19
○政府委員(今井一男君) それでは極く簡單に、今回の法律案の逐條的な、事務的な御説明を申上げます。
 この法律案は、先に第二國会におきまして可決になりました法律第四十六号、俗に二千九百二十円の法律と申しますあの法律を、そのまま延長し、それに必要な改正を加えた、こういう形になつております。尚あの法律は、あの当時御説明申上げましたように、本年三月におきましての政府と全官公の爭議の結果妥結いたしました團体交渉、当時の團体交渉の結果を法文化したものであります。
 第一條は、單にこの法律が十一月分以降の俸給等について適用があるということを謳つただけであります。
 第二條は、今申上げましたように、ここに特に書きました以外のことは、すべて法律第四十六号、その法律を適用する。即ち現行の建前がそのまま延長される。こういつたことを規定しております。
 第三條に、各級の俸給の幅、これを別表に掲げております。別表第一と申しますのが普通の一般職員に適用されるものでありまして、これが現在貰つておりますいわゆる三千七百九十一円ベースの三割二分祖、その數字を丸めたもの、即ち円位を切上げた、こういつた数字で盡くでき上つております。第二項は外の特別な職員、即ち税務職員でありますとか、経済調査官、警察職員、刑務職員、鉄道職員、尢もこれは鉄道の現業だけでございますが……。船員、こういつたものには、現在あります特別な俸給表、即ち現在一般職員よりも、職務の内容或いは勤務時間の長さ等に比例いたしまして、或る程度の優遇がされておりますが、その優遇を、その割合をそのまま引上げる。これも同じように三割二分だけ本俸を引上げております。そのことを説明しております。第三項はいわゆる枠外と申しますものでありまして、この十一月におきまして本來受けるべき級の最高俸のその上の俸給を貰つておる者の取扱を規定しております。本格的な職階給から申しますと、すべて何級何級と、級がその仕事の内容によりまして決まりました以上は、その最高の号俸以上のものを受けることはできない建前でございますが、御承知の通り本年四月の全官公爭議におきましての組合側との妥結によりまして、当分この最高俸を超えて俸給が貰えるような協定になつておりますが、その趣旨を尊重いたしまして、やはり均しく三割二分の増俸をこのグループの者に対しても與えられるということを謳つたのでございます。ただこれには端数が附いておりますので、從いまして但書を置きまして、技術的に整理するということを謳つております。それから第四項はいわゆる年齢保証給と俗に申しますものでありまして、これは昨年四月にいわゆる二・一ストの後の全官公廳と政府との協定の結果、いわゆる年齢給の構想を取入れまして、如何なる職務に從事しておりましても、年齢に比例した或る程度の俸給額は保証される、こういう約束ができたのでありますが、その額を本年四月の協定の際に或る程度引上げまして、その引上げた額を又今回のベースの高さまで引上げる、こういつたことを書いたものでございます。すべて、要するに從來の建前をそのまま延ばしたということでございます。
 第四條は、現在あります扶養手当が一律に二百五十円でありますのを、今回は妻六百円、その他の者四百円に増額するということを規定しておるのであります。
 附則の規定は概ね技術的なものでございますが、ただ第七條に「法第四十六号の一部を次のように改正する。」とございまして、第一條第二項の本年一杯を來年一杯に延ばすと申しますのは、新給與実施本部をもう一年延ばすという人事院の勧告案の趣旨を取入れたことがこの規定の中心をなしております。第八條は、現在あります規定を廃止したものだけでございまして、別に申上げることもございません。要しまするに、單に金額をいじつたということだけでありまして、建前をすべて現行のものがそのまま延長されておる。尚この法律に書いてございませんが、一言申添えますと、地域給の関係でございますが、地域給は現在の法律四十六号では、その比率につきましては、別に規定がございません。地域給審議会に諮つてやるという規定だけでございまして、何割が最高になるという規定がございません。その意味から、この條文には現われておらないのでありますが、この法律四十六号の規定に基きましてでき上りました地域給審議会におきまして、委員の中で協議が成立いたしまして、最高四割といたしまして、現在の三割を四割にいたしまして、その間の五分刻みにすると、こういつた協定ができ上りましたので、今回の法律案には別に規定がございませんが、予算案におきましては、その間のそういつた事情を織込みまして、地域給の予算の増額を見積つてございます。
#20
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑はございませんか。
#21
○大山安君 只今政府のこの法案に対しての御趣旨ですが、この法律の給與額を決定するについては、これは臨時人事委員会の勧告に基いて賃金を定められたものであるか、或いは政府が別に研究されて定められたものであるか、この点をお聽きしたい。
#22
○政府委員(今井一男君) 或いは労働大臣お見えになりましたら責任のある御答弁があるかも知れませんが、政府委員として存じておりまするだけのことを申上げます。今回の人事院の勧告案につきまして、人事院から先月の十六日に正式な内容の御説明がございました。その結果それに基きまして政府部内におきましてもいろいろと檢討が重ねられたのでありますが、一方に物價、一方に予算との睨み合せから最終的に結論を得ましたものが今回のこの案に相成つておる次第でありますが、この考え方の極く急所のようなところを申上げますと、確かに本年になりまして民間の賃金が非常に上つておることは事実でございますが、同時に國民の消費水準の方は少しも上つておらない。これは先程お配り申上げました給與関係計算指標一覧表というのにも明らかに出ておる通りでございます。これをこういつた立場に立ちまして、官公吏も等しく労働者であります以上、民間の実質賃金を上つて行くということを無視するわけには無論参りませんが、そればかりによるわけにも行くまい、即ち民間の賃金は増産でありますとか、利益でありますとかいうものに正比例いたしまして上つたり下つたりする性質のものでございますが、公務員の給與はそれと異なつた面もございますので、そこでその間を抑えまして、民間の工業賃金は九月におきまして本年一月に対比しますと三十%乃至四〇%上つておるのでありますが、今回の政府案はそれを一月に対比しまして三〇%の実質賃金の引上というところで抑えましてでき上つたものでございます。
#23
○大山安君 只今の政府委員のお話ではちよつとポイントが違つておる。私の質問したのは、この賃金ベースの法案を作る場合に、人事院の研究されたのを基礎として作られたのか、別に政府で研究されたもので算出したのか、そのことをお尋ねしたわけです。人事院が相当研究されておるということは今日までも認められるのでありまして、人事院の方が研究が深くされておるというような考えを持たれるから、政府はどの程度研究されたかということを審議上資料としたいと思うので、その点をお尋ねするわけです。
#24
○政府委員(今井一男君) 失礼いたしました。御指摘の通り、人事院は本年のマ書簡が出まして以來、八月以降、この問題につきましては非常に御勉強をなすつたやに伺つております。芦田内閣以來、政府は、人事院の案が出ましてから後に、その案につきまして果してその通りできるかどうかということを檢討するという建前で参つた関係もございまして、人事委員会の案が發表されてその御説明を伺うまで、殆んどこの問題に関する具体的な檢討はいたしておりませんでした。御説明と伺いましてからも、極力人事委員会の案を尊重して、それをそのまま採用するために内閣におかれても随分苦慮されたようでありますが、結局最後のところこういつた形に落着いた次第であります。
#25
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑ございませんか。
#26
○原虎一君 人事院の案と大藏省案との相違点を表に作つて頂くことはできますか。それを先ず第一にお伺いをしてお願いするわけです。それから人事院の六千三百七円案で行きますのと大藏省給與局案で行きますのとの差額をお示し願いたい。これは数字でありますから、やはり数字の資料に基いて、その数字が出て來る根拠を知らなければ、抽象的に意見の相違で議論したところで始まらんから、一應の資料を至急にお示し願いたい。
#27
○政府委員(今井一男君) ちよつと原委員にお伺いしますが、実は具体例につきまして、どういつた趣旨で、年齢がどのくらい、家族がどのくらいというものにつきまして両方の案の対比表というものは、現行でもすでにでき上つておるのでありますが、むしろそういつたものよりも、或いは考え方とか、抽象的に家族給はどう、地域給はどうという式の対照表の方が御質問に合うと思いますが……。
#28
○原虎一君 個人が差額は総額で分るのでありますから、やはり人事院が六千三百七円を出すところの一應の根拠というものと、大藏省給與局の五千円余りのものの算出の根拠の問題です。
 それからその資料を頂くと同時に、委員長の考えは人事院の説明をお聞きになる御意思かどうか伺いたい。我々はやはり人事院の説明を一應は聞くべきじやないかと思います。
#29
○委員長(櫻内辰郎君) 人事院の説明を伺うことが適当と考えますから、そのように手配いたします。外に御質問はございませんか。
#30
○大山安君 これは政府の方の意見を聞きましたが、どうも納得行かないんですが、大体は人事院の勧告に基いてただ金額のみを予算上つぼめられて現わしたみのでないかというような考えを持たれるのですが、その点をでたらめの御答弁でなく、実意のあるところの、実際に研究してこの結果になつたという、算出して現われたという自信があれば、それを明瞭にして頂きたい。私共は人事院のつまり勧告に基いて……、ただ調査研究の結果、勧告に基いた賃金ベースのみをここに現わしたものと……、政府は別にこれに対する專門的の研究はしていないというような氣持を持つておられるのか。知らないは知らないでよろしいからその点をはつきり一つ……。
#31
○政府委員(今井一男君) この人事委員会の案が中心になつて進行する予定でもございましたので、率直に申しまして、我々が内閣から法律案を作れと言われましたのは二十七日の午後でございます。但し我々のところには、それまで組合側その他からもいろいろの意見の開陳等がございまして、頭の中に纏まつたものはあつたのでありますが、具体的に檢討を始めましたのは二十七日からでございます。この算出の先程申上げました三割二分につきましても、私共としても再出の根拠は持つております。それを一應申上げましようか。
#32
○大山安君 それはプリントにして各議員に配つて頂きたい。それは前以て審議にかかる場合に便宜提出して出さることが望ましたかつたのですが。
#33
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はありませんか。
#34
○波多野鼎君 大藏大臣か労働大臣が出席した場合に質問したいと思います。それまで留保して置きます。
#35
○大山安君 この審議進行のために、政府がこの法案に対する研究されたところの資料の提出を順々でなく、あるだけの材料を全部出して頂きたい。こういうことをお願いいたします。
#36
○委員長(櫻内辰郎君) 労働大臣、大藏大臣共に衆参両院の予算委員会に行つておられますので、そちらの方からやがて帰つて見えると思いますが、それまでそれでは休憩をいたします。
   午後二時三十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時二十九分開会
#37
○委員長(櫻内辰郎君) 休憩前に引續き大蔵・人事・労働連合委員会を再開いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
 出席者は左の通り。
  大藏委員
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  労働委員
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           門屋 盛一君
           竹下 豐次君
           田村 文吉君
           水橋 藤作君
           平野 成子君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 泉山 三六君
   労 働 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
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