くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第004回国会 大蔵・人事・労働連合委員会 第5号
昭和二十三年十二月二十一日(火曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○政府職員の新給與実施に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午後三時四十二分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より大藏、人事、労働連合委員会を開会いたします。政府より修正案を提出されておりますので、これに対しまする政府の御説明を願いたいと存じます。
#3
○大山安君 政府修正案というのは本日私の方に配付になりましたが、これが審議の対象となる資料なのでありますかどうか。いろいろ内容を聞きますに、修正案はこれ以外のものが別に問題になつておるというようなお話もありますが……。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) 資料ではなく、政府から修正案が提出されておりますので、その予備審査を行うわけであります。
#5
○政府委員(平岡市三君) 只今議題となりました政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案の理由並びに改正の要旨を御説明いたします。
 政府は最近における物價の高騰その他の経済情勢の変動による政府職員の生活の困難を緩和するため、先に昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案を今國会に提出いたしたのでありますが、諸般の情勢に鑑み、この度同法案は修正することとし、先般人事院より政府に勧告せられました政府職員の給與改訂案を原則的に取入れた給與の改正案を立案して、ここにこの修正案によつて改めて御審議を仰ぐことといたした次第であります。
 即ちこの法律案は人事院の勧告に基き、政府職員に対して明年一月から平均六千三百七球の給與を支授せんとするものであります。その給與の体系といたしましては、先ず本俸は各級を平均して從來のいわゆる三千七百九十一円ベースによる本俸に対し平均六割一分程度の増加に当つておりますが、俸給表の改正に当りましては、從來の各級別俸給額を一律に増加することなく、現在の実情に即して各級別ごとの引上率に適当な調整を加えることといたしました。
 次に扶養手当は配偶者及び十八歳末満の者のうち一人については月額六百円、その他の扶養親族につきましては一人につき月額四百円といたしました。又勤務地手当につきましては、地域区分及び勤務地手当の割合は從前の例によつて支給することといたし、特殊勤務手当につきましても当分の間從前の例によることといたしました。尚從來特定の職員に対しましては、一般の給與とは別に各種の現物給與が支給されておりましたが、これらの現物給與はこれを給與の一部としてこれに相当する金額を俸給から差引くことになつております。尤も予算又は法令に基いて支給される場合には、俸給から差引かないことといたしました。その他超過勤務手当、夜勤手当、休日における勤務手当等につきましては、概ね現行の制度を踏襲いたしております。
 尚今回の給與の改訂に関連いたしまして、從來の官廳における勤務時間を改め、從來比較的勤務時間の短かかつた一般行政官廳の職員につきましても、今後はほぼ民間同樣少くとも、一週間の実働時間が四十時間以上となるようにいたしました。
 以上が今回の政府職員の給與の改善に関する主要な内容でありますが、この給與の改訂は目下御審議を願つている本年度追加予算案に計上せられております財源等の関係もあり、明年一月一日よりこれを実施することといたしたのでありますが、年末における政府職員の生活の逼迫を考慮いたしますれば、何かの何法によつて年度内に或る程度の金額を支給することが必要でありますので、差当りの救済規定としまして、現在のいわゆる三千七百九十二円ベースによる給與の六割六分三厘に当たる金額を年内に前拂いし、明年一月及び二月の各月においてその半額ずつを差引くことにいたしました。
 以上に申述べました外に、この法律案に規定しております重要な点を一、二申述べますと、先ず國家公務員法の実施に関連しましてこの法律は檢察官等を除き國家公務員法に規定する一般職の職員全部について適用するものとし、又この法律の施行に当たる機関として從來の新給與実施本部の外人事院の給與に関する権限を明確にしております。
 尚この法律により給與の実施を嚴正的確にいたしますため特に罰則を設け、この法律、人事院規則等に基かないで給與を支拂い、或いは支拂を拒むことを防止することにいたしました。以上本法案の内容について御説明申上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上速かに御賛成下さいますよう希望いたします。
#6
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑ありませんか。
#7
○小川友三君 この修正案につきまして、政府にお伺いをいたしますと同時に、この新給與に対して政府並びに政府の方々が非常なる盡力をされたことに対しまして、私共は厚く感謝をするのであります。この給與の面に対しまして最近における物價の高騰その他経済情勢を政府は考えておりますが、物價が高騰したという中には政府の政策が努力不足のために、こういうことになつたのであると思いますけれども、これにつきましてどういう工合に物が上つておるんだという理由を御説明賜わりたいのであります。又この給與案のことでありますが、この前大藏大臣にお伺いをしまして、おじいさん、おばあさんに対しては、奥さんには六百円を支給するのであるからして、敬老の意味においておじいさん、おばあさんに突破資金を支給したらどうかという質問に対して、大藏大臣は善処したいような意味の御答弁がありましたが、これについては依然として赤坊と同じように四百円という支給で、この二百円を増すということは多少敬老の意味もありますがこれに対しましてお伺いをいたします。
 それから超過勤務手当でございますが、現在の超過勤務手当の状況を実際に調査いたしますると、超過時間が、例えば三時間につきましても、この三時間に対しての手当は、超過勤務手当は現実に來ておりません。僅かに三十分か一時間ぐらいに切り詰められておるということが國家公務員の職員の受けるところの超過勤務手当の実態であるということを、政府は調査なすつておるかどうか、或いは知つていてもそういう場合に削つておるかどうかということにつきまして、政府の責任ある御答弁をお伺いする次第であります。又一週間四十時間以上となるようにいたしたいという非常にやりたいという御説でありますが、それは四十時間以上何十時間までを言われるか、ということの御説明を賜わりたいのであります。又政府職員の生活の逼迫を考慮すると書いておりますが、國家公務員は政府職員となつておるのか、或いは國民の奉仕者であるのか、この点をはつきりと御答弁を賜わりたいのであります。
 又檢察官を除くとありますが、裁判官並びに檢察官を除くという意味ではないかと思うが、これに対しましてお伺いをいたします。
 又この給與に対しまして政府にお伺いを申上げます。六千三百円ベースでありますが、政府がその政策のよろしきを得て努力を賜わつたならば、納税の点、営業所得税の点につきまして、相当の幅とゆとりが現在あるのであります。そうしてこれを今月から実施して行くということも断じて不可能でないのであります。取引高税に対するところの偉大なる増收、営業所得税に対するところの更正決定、專賣益金に対する増收等を計上したならば、今月からこの六千三百円ベースを実施しましても、政府は赤字で困るということは寸毫もないのであります。この專賣益金の増收に対する政府の眞劍なるところの努力、國家公務員の諸君の親となつて、親が子を愛するがごとく偉大なる情熱を発揮して親心を発揮して努力されたならば今月から実施しても不可能ではないと考えております。
 それから財政收入の点につきましても、財政收入がないように極端に申されておりまするけれども、敗けたりと雖も大國家であります。專賣益金の増收において大いに努力研究し、又、営業所得の増收において、非常なるところの馬力を掛けて頂きましたならば、今月から実施するということは断じて不可能でないと信じます。その点におきましては、煙草の販賣にいたしましても百億の販賣が可能であります。税收におきましては、二、三百万円の税收は断じて可能であります。そうした大きな財源があるのでありますからして、どうか政府におかれましては本当に困つておる終戰以來三年有半に亘りまして筍生活に追い込まれておるところの全國公務員諸君のために一段の御努力を賜わりたいのでありますが、それに対します政府の御所見を拜聽いたします。
#8
○委員長(櫻内辰郎君) 只今小川君からの御質疑でありますが、政府側から御審議の便宜上、本案の逐條的の御説明をしたい、こういうことでありますからこの際逐條的に御説明を願いたいと存じます。
#9
○木村禧八郎君 その前に議事進行について……、実は衆議院の方では政府原案が提出することが否決されて野党案が委員会で一應採決に入るという方向に行つているわけですね、その場合に、我々がここで、政府案を審議する、そうして最後には速かに御協賛あらんことをとありますが、衆議院でそういうふうになつていればこちらで一應政府案を研究するという参考のためにするならば、私は無論異議がございませんが、この政府修正案を若しこちらで審議して衆議院から又野党案が出て來た場合に、それとの釣合いをどういたしますか、その点委員長はどういうふうにお考えですか。
#10
○委員長(櫻内辰郎君) 木村君にお答えいたしますが、衆議院で野党案が決定すれば当然こちらへ配付されますからそれを御審議願うのでありますが、こちらの方としてはこれが予備審査に掛けられておりますので、先ずこれを御研究を願つてそうして更にこの逐條的の御説明を願つた上で、私の考えから言いますと衆議院における野党側の修正の状況等についても事情の許す限り御説明を願いたいと、こう考えております。衆議院から参りましたら直ちに本審査になるわけでありますからさよう御承知を願います。
#11
○木村禧八郎君 只今のように野党側のあれもあつて参考になるように一つ御報告願います。
#12
○政府委員(今井一男君) 相当長い條文でありまして前に御審議願つたものと余程変つております。と同時にいわゆる野党と言われるものとの間に実質的には文字、字句の違い等に属する点も多々あるのでございますが、そういつたことの細目に亘りますと非常にお話も長くなりますので、極く主な点だけを掻い摘んで申上げまして御質問に應じまして十分お答えしたいと思います。
 この法律の第一條に掲げてありますことは、今まで普通にございます成文に近いものでありまして、特別な意味はございません。ただ提案理由の説明にございましたように、これは一般職、國家公務員法の一般職に対する原則でございます。ただ國家公務員法に基く本格的な給與の動きではありません臨時的のものでございまして明年一杯で効力を失うという建前になつております。法律を以ちまして別な規定を定めておりますものは、一般職でありましても外の規定によつて、檢察官等はその具体的の例でございます。
 それから第二條は、人事院の権限が掲げてございますが、人事院はこういつたいわゆる國家公務員法に基きますところの給與準則の國会の御承認を頂くまではこういつた給與に対して権限はないという理窟になります。それでは不都合を生じますので特に授権の意味におきまして、こうういつた規定が設けられております。内容は概ね技術的説明でありまして、國家公務員法に掲げてあります人事院の任務はそのまま引継いでここに書かれたこういつたような御解釈を願いまして大過ないと存じます。
 それから第三條は、実施機関として新給與実施本部というのがございます。それは第二國会において御可決願いました、つまり二千九百二十円の法律でありますが、その法律によつて設けられて新給與実施本部が、人事院の勧告案に基きまして、明会計年度、昭和二十四年の会計年度まで延長されました。これの内容は、これも前の通りであります。一、二の変つたことが入つておりますが、大した意味のない規定であります。
 それから第六條、これが今回の改訂では問題になつた一つの規定だと思います。これは、特に第六條の本文に原則を決めまして、そうして第三項に、如何なる給與も、法律又は人事院規則に基かないで拂つては相成らない、こういつたプリンシプルを明白に謳つております。即ち從來とかく新憲法以前におきまして、各省官吏におきまして、雜多な給與が行われまして、逐次整理されて参つたのでありますが、ここで法文を以ちまして、はつきり明瞭にされました。
 第七條以下は、給與の規定であります。第七條の俸給を決める考え方、それは現在の法律のままであります。即ち二千九百二十円の法律四十六号そのままです。それから第八條の第一項は、そのままであります。ここで問題になりますのが、第三項の規定かと思います。即ち現物給與、この現物給與は、給與の一部として、別に法律の定めるところによつてこの職員の俸給から差引く、併しながら、予算又は法令に基いて支給される場合は差引かない、現在の現物給與は、給與であるか給與でないかということも、実は不明確になります。勿論予算又は根拠法規のないものではないのでありますが、この予算の建て方等におきましても、種々問題がございます。この規定が設けられることによりまして、一切が國会の御承認を得て支給され、又給與としてこれが表面に現われまして、その人に対する給與額として考慮の中に入れられる。こういつたことがこの但書の意味でございます。現実には、結局予算又は法令に基かない現物手当はないことに相成つておりますから、現実の問題としては差引かれる問題は起きないと思います。併しながらそれがすべて具体的に一つ一つ取上げられまして、給與として考慮の中に入れられる。こういつたことに從來の現物手当よりも公正化される。こういつたことにこの規定の意味は取つて頂きたいと思います。第四項では、いわゆる特殊な勤務で、居住制限のようなことを受けるような職員に対しましては、只で宿舍を支給する。こういつたことを掲げまして、これは從つて差引くという観念が、この場合はないということを意味したものであります。
 第九條には、俸給表の根拠を掲げてございますが、これは現在ございます俸給表を、政令等に掲げてございましたものを全部法律に成文化して、別表にそれぞれ書いてございます。
 第十條は、別表を使いまして、現在何号俸を貰つておる人は何号俸、同じ号俸で新らしい六千三百円ベースに切替わるという切替えの方法を謳つたものでございます。從いまして、現在の号俸が分れば、今度幾ら貰えるということが直ぐ判明できるように、別表第六にその切替法を示しております。ここで問題になりますことは、級の変更が第二項によりまして許されませんので、從つて定められた級のいわゆる枠外に出るという場合が起りますが、その場合でもやはり俸給額は上つて行くということを第三項で謳つております。但しその枠外のものは、昇給しないというのが第四項でございます。これは職階制の立場から当然のことかと考えます。第十條に、いわゆる野党案には後第五項と第六項が付いておりますが、これは極く事務的なものでありまして、大して深い関係はございません。
 第十一條は、いわゆる十四級以上の官職につきましての規定で、これも第十二條も事務的な問題でございます。
 第十三條は、これも職員の昇給その他の関係が、將來は人事院規則に移るのでありますが、人事院規則ができますまでは、從來通り実施本部が政令でやつて行くということを規定しただけのものでございます。
 第十四條も、俸給の支給規定でありまして、これも現行のままを書き直したということでございます。
 第十五條に、今回の人事院の勧告に基く新らしい構想が出ております。即ちでき得る限り本俸を中心にしまして、雜多の給與を排うて行くという考え方から、あらゆる職員及びその職務に属するすべての職員に共通な勤務條件の際は、これは本俸ら織り込む、これは当然のことでありますが、更にそれより一段進んだもの、即ち同一の職に属するもので、一部の職員だけが特殊な勤労條件等を受ける場合には、その間だけ本俸を殖やす。具体的に申しますと、例えばお医者さんなどで、一般の病院に勤務する場合と、或いは精神病院とか傳染病院に勤務する場合には、幾らか月給を上げる、そういつたことを規定したものでございます。それからその割合は、第二項に二十五と最高限を押さえております。第三項には、これは人事院の機能として当然のことでありますが、教育職員でありますとか、或いは外交官でありますとか、檢察官でありますとか、こういうような特殊な職業に対しては、やはり俸給表を別に作るか作らないかといつたことを研究をするという規定が入つております。
 第十六條の扶養手当は、これも金額の外は現行の考え方のままでありますが、ただ新らしく観念として変りましたのは、先の政府案と從來の慣行では、配偶者という言葉を使いませんで、妻だけを対象にしたのでありますが、今回は配偶者、即ち女子職員が扶養しておる場合、この場合同じように取扱うということが一つの改正であります。
 第十七條は、勤務地手当の規定でありますが、これはまあ一切は現行通りであります。地区の区分は人事院において勧告案ができますまで、地区の区分の変更も行わないということに相成つております。
 第十八條、特殊勤務手当、即ち本俸に繰入れることができないそういつた勤務條件の差異等を規定したものでございますが、これは現行の政令を使つて、やつて行く技術的な規定でございます。
 第十九條は、問題の規定であります。勤務時間を現在は事務職員につきましては、一年平均しますと、一週間が三六・五時間、こういつたことに相成るのでありますが、これに今回のベースの上る機会に民間並みの最低であります一週四十時間まで繰上げる、こういつた原則を確立しようというのです。
 第二十條は、給與の減額方法ですが、これは特に承認のあつた場合の外は、勤務しなければ引くという建前でありまして、特に承認があつたとか、何とかいう解釈は現在の通り續けて行く方針でありますので、これも現在の現行に何らの差異を設けるものではございません。
 第二十一條は超過勤務手当、これも現行の建前そのままを法律化したものだけであります。
 第二十二條は休日給は、これはやや言葉が余りよろしくないと思いますが、第三項にございますようにこれは日曜日等を意味するのではありませんで、國民の祝日の勤務、或いは祝日の場合の勤務しなくても給與が貰えるといつたことを規定したものであります。
 第二十三條は、俗に申す深夜手当でございます。これはすべてこの二十一條、二十二條、二十三條は労働基準法をそのまま適用し、その内容を織り込む、こういつた考え方でできております。
 第二十四條は、これは一時間当りの金額を殖やしたり、減らしたりする場合の基礎でありますが、これは技術的な規定でございます。
 第二十五條は、現在通り、二十六條も現在通りでありまして、二十七條も趣旨は違いますが、建前は異議の申立の処理方法で、別に変つたこともございません。
 第二十八條に新らしく非常勤職員につきまして、どれだけの給與をやれるかということが、これは從來根拠法規がなかつたのでありますが、この際明確にする、すべての給與は明るみに出すという建前からここに新らしく規定が入つたのであります。勤務一日千円を超えないということは、現在の一應の最高を三万円と押さえまして、その日額一千円というのを最高にしまして、それぞれの内容に應じその人に應じて國家公務員であるいわゆるいろいろの委員、顧問、参與という方々に支給して行こうという考え方でございます。
 第二十九條は、これも人事院が勧告して國会の御檢討を願うという規定でありまして、当然の規定であります。
 第三十條に罰則がございます。この罰則は今までこういつた規定がなかつたのでありますが、國家公務員法の施行によりまして、ここで新らしく加えられました。
 附則の方にむしろ問題がございます。
 第三十一條で、この政府案は一月一日から適用することに相成つております。一月一日に適用いたしますと、年末に職員の生活が苦しくなりますので、一月分と二月分を繰上げて支給する、こういつた建前を第二項に掲げました。ただこの繰上げの場合に、六千三百七円の何割というふうにいたしますと、計算が極めて面倒でありまして、支拂が遅れますので、現在貰つております三千七百九十一円の六・六三割、この六・六割というのは、これで丁度六千三百七円になるという意味で決められた数字でありますが、それを支給するということになりますれば、各人別の金額が分つておりますので、そういつた方法で年末に支拂いまして、その前拂いを受けたものは翌年の一月と二月に返す。從いましてこれを平たく申しますと、政府の案は、十二月が六千三百七名、一月が五千四十九円、二月も五千四十九円、こういつた方法相成ります。これに対しまして問題になりました、いわゆる野党案におきましては、十二月は六千三百七円で同じでありますが、一月と二月は六千三百七円から一七・五%を差引いたものを拂うという建前になつておりますので、政府案の五千四十九円が五千二百四円に相成ります。即ち十二月は同じく六千三百七円、三月も同じく六千三百七円、一月と二月が一方は五千四十九円で、一方は五千二百四円に相成るわけであります。ただ政府案におきましては、本來明年の一月、二月の所得に属するものを繰上げて拂います関係上、いわゆる源泉課税を受けますが、その所得は本年の所得に属しませんので、その給與に属するいわゆる年末調整が本年の年末において行われません。即ち明年の十二月までその年末調整が延ばされることに相成ります。その額がこの突つ込みで平均で申しますと、六千三百七円という頭で参りますと、二百八十円という数字が出て参りますので、年末の手取としては政府の方が若干多い。併し四ケ月を通ずれば、いわゆる野党案の方が多いというようなことが衆議院におきまして一つの議論の中心点になつたところであります。
 それからその次に三十二條、これが又問題の規定でございます。最も問題の規定かも知れません。これは現在政府職員の中には実に雜多ないろいろな職種がございます。炭坑夫もあれば、百姓もあり、漁師もあるというような、いろいろの種類を含んでおりますので、すべてが勤務時間を八時間とか十時間とかいうふうに一律に決めかねておるのです。労働基準法におきましても、警察官は六十時間、又船員につきましては、國際條約等におきましても一週六十五時間というものが謳められておるのでありますが、その他いわゆる間歇労務のようなもの、こういつたものに対しては一晝夜勤務で一晝夜休むというのが廣く行われております。これらの職員はその長い勤務時間を基礎にいたしまして本俸が決められております。從いましてその場合に直ぐさまこれを四十八時間という枠の中に嵌めるということは、相当に困難な問題もございまするし、且つ又これが切替えには相当技術的な調査調整を要します関係から、取敢えずの措置といたしまして、少くともその俸給がこの長い勤務時間を基礎にして計算せられておりますものにつきましては、勤務時間もそのままにし、俸給もそのままにして置く、こういつた建前を採つておるのであります。いま一つの理由といたしまして、若しこれを切下げますと、今回は事務職員が時間の延長に相成りまするのに、これを率直に申しまして、その割合をとにかく特別な考慮をすることなく、一律に新らしい号俸に切替えるという建前を採つておるのでありますが、一方にそういつた職員があり、又一方に長い勤務から短かい勤務を基礎にして切替えるという方法を採りますと、例えば間歇労務等に十二時間の勤務をしております者が、八時間の枠の中に嵌められますと、四時間分だけ、十二時間が基礎になつて決められました給與が、そのまま八時間の勤務に対する給與に相成りまして、四時間分がオーバー・タイムになるという関係から、職員間に大きな不権衡問題を起す。從いましてこれは余程愼重にやる必要があるといつた関係等も織り込みまして、この規定が入つたのでありますが、この規定が野党案と称されるものの中には載つておりません。ここが非常に大きな問題になつておることは御存じだろうと思います。
 それから三十三條は、これは從來の通りで特に申上げることもございません。三十四條、三十五條もほんの事務的な規定でございます。
 別表はこれは申上げることもございませんが、人事院の勧告に從いまして、いわゆる等比級数線を取つておるということが、今回の俸給表の特徴かと考えます。公比二・八七%という率で彈きまして、その関係から止むを得ず端数をつけることにいたしました。その関係から端数整理の支給規定を前の方に設けております。まあ大要はこの程度かと存じます。
 野党の修正案というものの中で字句は随分いろいろな関係から、意味は変らなくても表現の変つておるところが沢山ございますが、重大な点で本質的に変つておりますことは、先程申上げました三十一條の一月から施行するか十二月から施行するか、実際の手取額は十二月が同じく六千三百七円でありまして、その支給方法も、この野党修正案の方も同じく現在のベースの六割六分三厘、こういうことに相成つておりますので、その点も同じであります。ただ先程申しましたように、一月と二月の額が違つております。ただ政府案は、それが十二月でなく一月から施行のために、年末調整の関係が起つておる点が、これが大きな相違点であります。それからその次の相違点は只今申上げました四十八時間を超えて勤務しておる職員、これが実は相当の数になりますが、この職員は、今回は取急ぐ関係もあつて、政府の方では現在の俸給の割合でそのままで計算表を別にしないで上のベースに切替えるということで、その関係から勤務時間もそのままに延ばしておる、こういつた関係でありますが、野党案の方はこれを直ちに四十八時間に切替えるというような意味合におきましてこの條文がない。この二つ以外には修正案の差異について特に申上げることは、技術的の点におきましては皆無かと思います。
#13
○大山安君 政府委員にお伺いいたしますが、給與の支給法につきまして、八條の三項ですが、「但し、予算又は法令に基いて支給される場合は、この限りでない。」そうしてその前のところに「現物手当が支給される場合においては、これを給與の一部とし、別に法律の定めるところにより、その職員の俸給から控除する。」こういうことになつておりますが、これは國家公務員法によりますというと、「いかなる金銭又は有價物も支給せられることはできない。」こういうことになつております。併し「法律の定める」ということになつておりますから、法令に基いて支給される場合はこの限りでないということは、國家公務員法とは矛盾しないようでありますが、予算があれば如何ような支給をしてもよろしい、こういうように私は解釈いたしますが、これをよくお伺いいたしたいのであります。予算があれば支給されてもよろしい、こういうふうに解釈いたしますが……。
#14
○政府委員(今井一男君) 御指摘の点了承いたしました。第六條の第三項で法律に基かないで拂つては相成らん、こういつたことは根拠を法律又は人事院規則というものに求めないで拂つてはいけないという意味でありまして、その法律を以ちまして石鹸をどういつた機開士に月に幾つやるかというようなことまでも規定しろという意味には解釈しておりません。又解釈しなくてもよかろうと思います。この法律によりまして、この第三項によりまして、こういつたものがある場合には、これは直ちに支給そのものを差引く、予算に載るということは、予算というもので認められたものにつきましては差引かないということ自身が、今回のこの法律によりまして御決定を願つたならば、必ずしも法令というものを一々書きませんでも、予算で同じく國会の御協賛を願うのでありますから、法律論から申しましても不当なことはない、かように解釈しております。
   〔委員長退席、大藏委員会理事黒田英雄君委員長席に著く〕
#15
○大山安君 そういたしますと、國家公務員法の六十三條に「いかなる金銭又は有價物も支給せられることはできない。」という法律があるのでありまするが、この予算は法律ということに解釈していますか。
#16
○政府委員(今井一男君) この但書は正確に申しますと、この予算で支給することがよろしいということを授権したものではございません。その差引関係でありますね、これはその俸給から控除するというのが第三項の前段に書いてありますので、その差引をやらない。嚴格に申しますと、その意味で書いておりますので、御指摘の点とは場合が違うように思うのであります。
#17
○大山安君 差引かないとする場合には、つまり與えるということになるのではありませんか。差引かないということは……給與で差引かないとするならば、それは余分に與えるということになるのではありませんか。予算があれば勝手にやつて、つまり官公の各部門の中で予算があれば、例えば大藏省の管轄下の官吏は予算が余つたからこれを勝手にやつてよろしい、これは控除しない、そういうことになるのですか。私はそういうふうに解釈しております。
#18
○政府委員(今井一男君) 予算があつたから勝手にやつてよろしいという意味をここでは申上げておるのではありませんで、むしろ消極的にないものをやつちやいかんということに、この規定は重点があるのではなかろうかと思うのでありますが、この但書で差引云々のことを規定しておりますが、御指摘のように支給するものにつきましては、六條の第三項が中心をなすのでありまして、只今御指摘の國家公務員法の規定を承けまして、法律とか又は人事院規則……ただこの「基く」という意味はそう廣く解釈しますと、直接法律或いは人事院規則ということでございませんでも、それから権利を委任されまして、そうして一定の規定、こういつたものが規定されまして、そうして支拂そのものの有効性は確立されて行く。この点は御指摘の通りであります。
#19
○木村禧八郎君 三十一條の第二項ですが、先程説明がありましたが、政府案による場合と、いわゆる野党案による場合と、この財源にどのくらいの差がございますか。
#20
○政府委員(今井一男君) 表面で、税込で三百八円ですが、四ケ月間に差異を生じますが、これが大約九億になるのでありますが、併しながら同時に、これはいわゆる年末調整が行われます関係から、税金は又それだけ入つて來る、こういつたことになります。先程申しました二百三十億、これが年度内の收入になりますので、その辺の見合う関係は起つて参ります。
#21
○木村禧八郎君 只今のお話だといわゆる野党案の方が政府案よりも総計で九億ですか、支出が多くなる、そういうわけでございますね。但しこの税を取るから、そうしますと手取りになると野党案の方が少くなることになりませんか。税引なんかしたらどうですか。
#22
○政府委員(今井一男君) これも極めて正確な計算は実はむずかしいのでありますが、非常に手間取るのでありますが、いわゆる平均的に、例えば六千三百七円のときは、そういつた六千三百七円を取つておる人の税率をそのまま考えますと、これは不正確なのでありますが、これを取りますというと、手取はいわゆる野党案の方が二十三、四円多いのであります。
#23
○木村禧八郎君 その場合、今の野党案の場合、これは年末調整をやらないのですか。
#24
○政府委員(今井一男君) 年末調整はいずれもやるのであります。ただ政府案の方は一月と二月に属する所得を繰上げて十二月に拂いますので、源泉徴收は受けますが、その金自身に属する年末の追給額、これだけが明年十二月に法律上の構成として送られる。ところが、野党案の方は、それが十二月の給與でございますので、從つてその分に対する年末調整も十二月中に取られる。そういうことから年末の手取額に差異を生ずる。それだけの意味でございます。
#25
○大山安君 それから報給表の第一表でございますが、一級から十五級、それから一級の二号より六号、こういうことになつておりますが、最初提案の資料として出されましたのは千七百二十円で、今回の資料は二千四百円、これはこの枠内で配分して下の方を非常によくして呉れまして、これは感謝します。これにつきまして、以前提案されました千七百二十円という一級の一号が、昨日に提案されましたことは、昇給されることになつて、二千四百円となつております。この二千四百円というものは、これは別に予算を出されたものでありますか。又六千何百円の計数内でつまり配分して、下の方をよくして二千四百円とされたものですか。その点をお伺いします。
#26
○政府委員(今井一男君) それは後段の方でございまして、六千三百七円ベースの、要するに今回の給與予算の枠であります二百三十二億というものを、三ケ月で使うという建前を採りますと、こういう数字が出て参る。こういつた計算になります。
#27
○大山安君 そうしますと、以前に千七百二十円というベースを立てて審議さしたんですが、これはただでたらめにここへ出して予備審査をさせた、こういうことになるのですか。
#28
○政府委員(今井一男君) でたらめでないつもりでありますが……。二百三十二億の予算を五ケ月で使う、而もこれを急ぎます関係から一律に上げる、こういつた方法を採りますと、千七百二十円という数字に相成るわけであります。政府の当初案は成るべく早く拂うという以外におきまして、一律支給という方法を考えたことと、とにかく三ケ月で金を使うか五ケ月で金を使うか、こういつたことから、非常に大きな差が出て参るのであります。
#29
○水橋藤作君 先程大山委員の御質問にありました八條の第三項でありますが、これは全官公に取りましては非常に大きな問題なんでありまして、もう少し具体的に例を以てお示し願いたいのですが、仮に住宅及び服装とか、或いは靴、或いは國鉄のごときは交通費も要らん。これを全部給料から差引くということになると、相当大きな全官公に取つては傷手なんですが、現在行われておるやつをどういうふうに取扱われるか。その点をお示し願いたい。まあ全逓を例にいたしまするならば、服装とか或いは靴、自轉車等を、それを全部給料から差引くということになると、相当大きなものが、從業員には大きな傷手だ、かように考えまするので、この法律を出されると同時に、これらの今まで支給されておるものにどういう方法をなさるお考えでおられるか、その点をちよつと……。
#30
○政府委員(今井一男君) まあ率直に申しますと、当面といたしまして、現在給與されておるもので差引かれるものはこれは全然ないとお考えになつてよろしいと思います。ただ別に法律が定めるところという規定がございまして、將來人事院におきまして研究の上具体的な案を拵えまして、勿論それを仮に差引く場合におきましても、一体どういう工合に差引くのか、その金額を幾らに見積るのか、又誰が認定するのか、こういつた非常にむずかしい問題があるのでございますが、一應ここではこれもすべて給與と考える、今までの各省が思い思いにやるような仕組みを止めまして、すべてを一つ明るみに出す。無論そういつた見当ができまして、國会の御審議を願いますまでは、全然差引くという問題は起らないと考えますが、建前としてはそれも考慮の中に入れた方で俸給額というものを勘案すべきである。その原則がここに掲げられておる。こう御了解願えれば一番立法の趣旨に合うのじやないか、こう考えます。
#31
○油井賢太郎君 私は政府委員にお伺いしたいのですが、昭和二十三年十一月以降の政府委員の俸給等に関する法律案というものを出されたままになつて、今回この修正案が出されたのでありますが、両方比較すれば、全然内容も何も関連性のない、変つてしまつたものが出ておるのですが、なぜ前の案がそのままにされて、新らしくこれを出されたかということが第一点と、第二点におきましては、人事院の勧告に從つてこの修正案を出したというお話ですが、國家公務員法の規定によつて人事院が百分の五以上俸給を変更しなくてはならないときは、又政府に勧告するという規定があります。それが今後も百分の五以上の変更があつたようなとき、人事院から勧告がありましたら、更に又修正案なり、或いは新らしく賃金ベースの改訂ということを行なつて行くということの原則をこれで決めるかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#32
○政府委員(平岡市三君) 五千三百三十円を六千三百七円に変更した理由といたしましてお答えいたしますが、前回の五千三百三十円案は本年十一月から実施する予定でありましたが、各般の情勢から十一月からの実施は困難になつたので、今回の案におきましては來年一月からこれを実施することになつたのでありますが、今後本年度内における政府職員の総收入の点をも考慮し、又勤務時間の延長などを勘案いたしました結果、六千三百七円を適当と考えたのであります。尚六千三百七円を採用いたしたのは、人事院の勧告を十分尊重した結果、かような結果になつたのであります。尚百分の五以上の変更をした場合には又人事院の勧告ということでありますが、これは前に提出いたしたものはまだ法律となつておらないのでありますからして、ここに修正として提出したような次第であります。
#33
○木村禧八郎君 今のに関連しまして、人事院の勧告を十分に取入れたと言いますけれども、人事院勧告の一番重要な点は何かと言えば金額です。あれをその通りやつたら、あれを予算化したらどのくらいになるかという資料を我々が貰つたら、約六百億になるのです。これが一番重大な点です。金額総額です。この総額が全然崩れておるのです。給与体系その他についても、人事院案には非常に惡い点があつて、政府案には多少よくして点もあるのですが、人事院の勧告を十分取入れたという政務次官のお話は、全然、全然というよりも半分以上も取入れてない。而もこれは十一月一日から実施するということになつておるのです。十一月一日に実施して、約六百億の予算で六千三百七円を実施する。これが人事院案の骨子です。十一月一日に実施するということが非常に重要ですし、六百億という予算が重要です。ただ人事院案については、給與体系、されから扶養家族とか勤務地手当、そういう点は、これは政府案より非常に惡い点がありますけれども、その点は全く無視されておる。これで人事院の勧告を十分取入れたということは、全く逆だと思います。この点について一つ御意見を伺いたいと思います。
#34
○政府委員(今井一男君) 確かに人事院の勧告案は、十一月から実施ということを勧告しておることは、御指摘の通りであります。それによりますと、先程六百億とおつしやいましたが、六百億にはなりませんが、それにいたしましても四百億くらいに相成るかと思います。御承知の通り今回の予算編成に当りましては、いろいろの角度から檢討いたしましても、給與予算として二百六十五億という程度以上には、現状として出すことが殆んど不可能である。こういつたことに相成りましたので、そこで政府としては、その枠の中において、これを十一月ということを重点に置きまして、先程申上げましたような五千三百三十円案を提出したのでございますが、それを更に角度を変えまして、施行期日を遅らしても、成るべく人事院の結論の数字を取入れることが適当であると、かように考えるようなことに相成りましたので、それで予算の枠の中におきまして、極力人事院の案を取入れるとすると、一月一日から施行するという、こういつた結果に相成るのであります。その意味におきまして一つ御了承願いたいと思います。
#35
○木村禧八郎君 その点、今の予算の額については、人事院から我々が資料を求めて計算した細かいものによりますと、それは六百億を超えておるのです。それから、さつき今井局長は、今度の給與の予算額が二百三十二億と言われた。予算には二百六十二億ということになつておりますが、その点の食い違いをちよつとお伺いしたいのです。
 それから今の四千三百七円は、全然形式だけですな。形をただ借りただけなんで、十分に人事院の勧告を取入れたということを先程政務次官が言われたのですが、これは速記に残つております。その点は、私は十分に取入れていないと思う。一番重要な点の予算の点、金額の点について、人事院の説明によると、要するに六千三百七円を十一月から施行しなければボヴァティ・ラインを割る。五千三百三十円ではボヴァティ・ラインを割る。そういう説明です。その割るということは、要するに金額なんです。六百億というものを與えなければならないという問題になつて來る。この金額が、それが二百六十二億になつてしまう。支も今井給與局長の話では、三十億も減つて、二百三十二億になつておる。この点どうしても腑に落ちないのです。この点を一つはつきりして頂きたいと思います。
#36
○政府委員(今井一男君) 二百六十五億の数字の点を申上げますと、当初の概算で、いわゆる予算の決まつたラインの給與予算の二百六十二億ということは御承知の通りでありますが、その中には進駐軍要員の三十億というものが入つておるわけであります。これは終戰処理費の中へ入れるかこちらへ入れるかということは問題でありますが、今回は給與予算の中に入れて、こういつたことに相成りまして、それだけ自然減つているわけであります。從つて三十億の分はいわゆる普通の給與の頭でどこまで金が拂えるか拂えないかという場合には、勘定の中に入れられない財源になりますので、そこでそれを差引きまして、而も精査の結果二百三十二億何千万円という数字に相成りましたが、私共は要するに何円ベースを出せるかという場合には、二百三十二億円という数字を使わせて頂いているわけであります。
#37
○木村禧八郎君 そうするとその三十億は終戰処理費の中にどうして入れないのですが。それは主計局関係でないかも知れませんが、その点おかしいと思うのです。
#38
○政府委員(今井一男君) 私も詳細は存じませんが、今回はどうも関係方面の指示のようであります。
#39
○油井賢太郎君 数字的にちよつとお伺いしたいのですが、いわゆる超過勤務手当等の予算としてはどのくらいお取りになつておりますか。それを聞かせて頂きたいと思います。
#40
○政府委員(今井一男君) 非常に正確なことはちよつと申上げかねるのですが、これは主計局の政府委員らいずれ後程お答え申上げますが、現業官廳におきましては、これは從事から実績がございまして、きちんとした率が入つております。一般の事務職員につきましては、実き本年からが初めてでございますので、全体を引括めまして平均して本俸及び勤務地手当の五%というのが認めてございます。ただそれが中央と地方によつて若干差がつけられていると記憶いたしております。今回のベースの引上げによりまして、超過勤務手当の額をされにスライドさして殖やすという考え方は持つておりません。
#41
○大山安君 この各級の、つまり昇級した場合の賃金表についてお伺いしますが、六級、七級を対象にしてお伺いします。六級の十号の給與額が一級上がつて一号の場合に賃金が低下している、下がつている。これが七級の一号二号三号四号までが六級の十号より低い給與を貰わなければならない。昇進して今までより低い給與を貰わなくてはならんというその算定はどういうことを基準として出されましたか、これは極めて不合理になつていると思います。十一級から十五級まではそういう計算になつておらず、順調に一号二号三号四号という又各級によつて相当の昇給になつているというようにできていますが、殆んど一級から十級までは昇進してそれに伴うところの給與が與えられないという根拠はどういうところから算出して出されましたか、その点お伺いします。
#42
○政府委員(今井一男君) これは職階制の表を作りますとこういうことに相成る建前でございまして、前からこうなつておりまして、別に今回が新らしいことではございません。要するに重複しておりますのが長いところ、即ち十五級ありますうちの五級から九級までのところが特に重複が多うございますが、要するに職階制になりますというと、その仕事の價値の上がつた職種に変らない限りは上の級へ上がるわけには参りません。併しながらそれでも満足に成績よくその責任を果している者が同じような月給で留まることは非常に氣の毒でもあり、又人事管理においても適当でありませんので、特別に俸級の上げる制度を認めているのであります。仮に五級の一番上に参りまして四千五百九十六円、その人が資格が認められまして六級に上がつたという場合に、現在の俸給は下がることはございませんで、四千五百九十六円よりももう一つ高い四千七百二十七円となつて上のクラスへ行くわけであります。從いまして昇級、上のクラスへ行つたために月給が下がるというわけでございませんで、一号から始まるということではなく、一号から始まるというのは初任の場合、初めてそのクラスに採用される場合、初めて任ぜられる場合で、この場合は一号から始まりますが、上のクラスへ行く場合には現在貰つておる号俸より下がることは絶対にございません。
#43
○大山安君 この表で実際は昇給してその賃金が下がつておる、こういうことになつておるではありませんか。とにかく六級なら六級の六号、七号以下十号までの給與より以下の給與に一級上がつて七級になつてもなつておるでしよう。何か外に理由をつけるところがないと思いますが、これを実際に当嵌める根拠がどこにあつたか。進級すれば、勿論進級には技術も見ますし、いろいろ研究の結果とかそれによつて進級が伴うべきということは人事院規則にもあるが、すべてが矛盾しておるような考えが持たれますが、もうちよつとはつきりお願いしたい。
#44
○政府委員(今井一男君) 職階制を採るという建前の中には、從來の日本にございましたもう仕事の價値は全然変らなくとも漫然そのポストに噛り付いてさえおれば無限に月給が上がつて行くというそういう勤續給的な観念を打破しようというのが非常に大きな狙いでございます。從いまして本來ならば仕事の價値が上がらない以上は昇級させない、極端に申すとそういうことが職階制の骨子をなしております。即ちその人の労働價値を正当に評價しまして、そうしてその價値に應ずる俸給を與えるという制度であります。ところがそうは申しましても、その人が次のクラスへ上がるだけの資格を得るに至るまで若干の年数勤務しております間に、仕事そのものの價値は上がらなくても、技能の向上もございますし、且つ又人事管理等の面からいたしまして、いわゆる号は上がつて行くという制度が設けられておるのであります。從つて例えば六級なら六級の價値のある仕事に就きまして、その仕事を満足に遂行いたしますと、その人は五千七百六十円までは行ける、原則としてそれ以上上がれないのであります。その上の價値のある仕事に就かない限り上がれないのであります。併し人によりましてその中間の四千八百円、五千円というクラスから上の方へ上がる場合もございますが、更に或いはうんと低いところから上のクラスに上がる場合がございます。上のクラスに上がる場合はどんなに前の月給が低くても七級の一号の五千百四十五円は確保されるわけであります。併しながらこの六級を長く勤めまして、それで上がつた場合に、即ち一番最高額まで行きまして、五千七百六十円なら五千七百六十円よりも、同じ額でありますが、七級の五号にいきなり格付けされます。級と号とはこれを区分して考えるというのがこの仕組みでございまして、この仕組みは実はこの前の第二國会で可決頂きました方針でも、且つ又國家公務員法でも定められておる方針でありまして、無論惡いこともしないのに漫然と月給を下げるということはございませんが、併し職階制を採りますというと、その人の仕事の價値が減つた場合には級が下がると、こういつた場合も起り得るわけであります。從いまして順々に下からずつと六級の一番上まで行きまして、又七級の一号から始めると、全然そういう仕組みじやありません。ですから普通に参りますれば、月給が減るということは絶対に起らないのであります。
#45
○中西功君 さつき木村さんが質問しまして点なんですが、今度の六千三百七円に直したというのは非常にうまい手品だと思うのです。それで私たち計数的な関係がよく分らないのでありまして、お聽きしたいのは、三千七百九十一円ベースで十二月以降の予算が一体どれだけ要るか。そうして三千七百九十一円をそのままのふくらましで五千三百三十円でどれだけ要るか。それからそのままのふくらましで六千三百七円の予算総額はどれだけ要るか。大体でいいのですが、三千七百九十一円のふくらましでどれだけ要るか、それをちよつとお教え願いたい。
#46
○政府委員(今井一男君) 極く大雜把に申しますれば、三千八百円から五千三百円になりましたから千五百円になります。一ケ月に一人千五百円が三百万人で四十五億、五ケ月分で二百二十五億……。
#47
○中西功君 一ケ月分で結構です。
#48
○政府委員(今井一男君) 四十五億。それから片方の方は、六千三百円を大雜把に申しますと、二千五百円。この二千五百円が一ケ月に三百万人で七十五億。七十五億と四十五億と、こうお考え頂ければ極くラフな計算としてはお役に立ちはしないかと思います。ふくらましにいたしましても、非常にむずかしい切替えをいたしましても、ベースそのものの金額が同じでありますれば財源としては結局同じものであります。
#49
○中西功君 それで今度いろいろの手数を掛けられて、先に木村さんが言いましたように、少くとも人事院案をそのままやるとするならば、即ち六千三百七円ベースで考えるならば、相当の予算が要るところをいろいろの手で削つて行つたわけですね。そうして二百三十二億というところに当嵌めたわけなんですが、その場合に一体何と何をこういうふうに、では実施期日をずらすことによつて、何をどれだけ削つたとか、或いはその他の点でどれだけ削つたとか、そういう点は分りませんか。ただ実施期日だけの問題ですか。
#50
○政府委員(今井一男君) その点は極く細かい主計局流の計算は別でございますが、極く大雜把に申しますれば、要するに千五百円の財源を五ケ月提供するとこれは七千五百円でございます。それを二千五百円で使うと丁度三月になる。一月から施行いたしますから、その辺の関係は若干ございますが、大雜把な考え方はそれだけでございます。
#51
○中西功君 それから超過勤務手当の問題なんですが、これは二百三十二億のこの総額の中に入つておるかのように聞こえますが、この前私予算委員会で質問したときには、これは別だ。予備費から、四十五億の中に入つておるのだという答弁だつたのですが、それでいいのですか。
#52
○政府委員(今井一男君) 二百三十二億の中から超過勤務手当は絶対に使ませんという意味合を以て入つていないと申上げたのではないと思います。あのときの政府委員の答当は……。併し今度の二百三十二億の計算の中には入れておりません。超過勤務手当は要するに原則として本予算に計上したものを以て極力賄つて、更に予備費の方で足りなければやる。ただ御承知の通り事業会計等におきましては、例えば具体的な例を申しますというと、年賀郵便を逓信省でやると、そういつた場合に年末の臨時雇員を採る、その手当を止めて職員を残す。それで以てやりますと、結局的におきましては二百三十二億の上からはオーバー・タイムという観念も起こつて來ますが、考え方自身としましてはそういう計算では作つておりません。それでその不足分は予備費の方から賄い得ると、こういつたことでございます。
#53
○中西功君 そういたしますと、超過勤務手当は六千三百七円の中にぶち込むことによつて計算を辻褄を合わしたというようなことはないのですか。
#54
○政府委員(今井一男君) 全然ございません。
#55
○中西功君 それから寒冷地手当、これは越年資金の問題なんですが、これは今まで我々が政府側、労働大臣とか提案者に聞いておる範囲では、たとえ予算になくても出すと、こういうふうな話だつたと思うのですが、その後これは予算になくて捻り出すようになつておるのかどうか、これはどうなんですか……これは止しましよう。
 それでは今度労働時間が長くなつたんですが、この労働時間の延長は今度初めて起つたと思うのです。それで六千三百七円にしましても、今度の労働時間の延長を我々が考えますと、一時間当りの労賃というものは相当切下げられて來ると思うのですが、予算としては平均幾らくらいになるのですか。
#56
○政府委員(今井一男君) この点は今朝程衆議院の方から御質問があつたのでありますが、只今官廳執務時間、いわゆるホワイト・カラーに属します者の比率が丁度一、それに対して現業が二、三分の一と三分の二という関係になつております。三分の二の方は全然これは影響がございません。三分の一の方が只今三六・五時間から四十時間、約一割引上げられております。その引上がつたものがウエートとしましては更に三分の一下げまして、正確に申しますというと、三・六五%だけ要するに時間が延びたと、こういうことに相成ります。それで從つてその六千三百七円を割りますと、要するに現行の時間に対する実質賃金が出で來るわけであります。そうしますと、これは六千八十七円になります。時間の延びたために浮いた予算はその差額でありますから、二百二十円です。
#57
○羽仁五郎君 先きの木村委員の質問に対する政府委員の御答弁は次のように了解して差支ないですか。それは人事院の勧告を形式だけにおいて尊重して、実質においては尊重しなかつたというふうに了解してよろしいでしようか。
#58
○政府委員(今井一男君) 実質、形式ということになると非常にむずかしいお話でございますが、要するに政府といたしましては、予算につきまして更にその後檢討を重ねて見ましたが、どうも現況においてはこの枠以上に出られない。この範囲内においても、從つてその実施期日を遅らしても六千三百七円の結論を尊重することが適当だと、こういう考え方に変つて來ておるというのでございまして、まあ一つよろしく御了承願います。
#59
○羽仁五郎君 その点は必要によつては首相の答弁を伺いたいのですが、國会は公務員法の改訂案を通過し、それに対して連合軍最高司令官は非常に期待をかけられておることは、新聞紙上でも我々が読んだ通りでございますが、それが單に形式においてだけ尊重されておつて、実質的に何ら尊重されていないということになると、國会は改訂公務員法を通過したことにおいて、國民に対して又公務員に対して甚だ申訳ないことになるのじやないかと思うのです。で、すでに繰返しいわれておりますように團結権を制限し、團体交渉権、爭議権を奪つて置いて、そうしてその生活を保障しないというようなことを現政府はおやりになろうとしておるように考えられますが、そういうことであると公務員法の改訂されたその趣旨も蹂躙されますし、從つて到底公務員諸君が満足することができないといわなければならないと思うので、且つ又今後においてもこの人事院の勧告というものを今回のような取扱をされるつもりであるかどうか、そういう点について政府側から責任のある答弁を伺いたいと思います。
#60
○委員長代理(黒田英雄君) それでは三十分間休憩をいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長代理(黒田英雄君) これにて休憩いたします。
   午後五時十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時十九分開会
#62
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より大藏人事労働連合委員会を開会いたします。休憩前に政府より提出されました修正案について説明を伺い、又質疑を續けたのでありますが、只今衆議院より、衆議院において更に修正せられましたる法案が回付をされましたので、これに対しまして政府より御説明を伺うことにいたします。
#63
○政府委員(今井一男君) それでは極めて簡單に申上げますが、要するに今のお手許にございます「政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案」に対する修正案、これの中で一番しまいのところでございますが、即ち先程御説明申上げた政府案に三十二條の「職務の性質により勤務時間が第十九條の勤務時間の最高限をこえることを必要とし、且つ」云々というこの條文が加わつたということだけであります。一度この條文を読みます。「職務の性質により勤務時間が第十九條の勤務時間の最高限をこえることを必要とし、且つ、その勤務時間が俸給算定の基礎となつている職務については、その勤務時間は、なお從前の例による。」この規定が一條挿入されただけであります。どうも失礼いたしました。(「君は何をいつているんだね」、「何のことをいつているんだかさつぱり分らないじやないか」、「君は眠つていないね。頭をはつきりさせてやれ」と呼ぶ者あり)
#64
○政府委員(今井一男君) これは本会議におきまして修正になつたものであります。誠に申訳ございません。
#65
○小串清一君 委員長、速記を止めて、慌てないでゆつくり冷静に説明を聽きましたらどうですか、速記を止めて……。
#66
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて、御質疑はございませんか。
#68
○村尾重雄君 三十二條の説明は先程あつたのかも知りませんが、一應三十二條の挿入された点について御説明を願えませんか。
#69
○政府委員(今井一男君) 政府案の方で、三十二條というもので特に挿入いたしましたのは、現在労働基準法におきましても、警察官は六十時間でありますとか、或いは船員は五十六時間でありますとかいう例外規定が認められております。その外官公労務につきましては、労働基準法につきましては、やはり例外を認められております。そういつた職種が官吏のうちには沢山ございます。その職種につきましては、その長い勤務時間を基礎にいたしまして比較的割高の給與を定めてございます。それでこれは將來の研究問題としては、いろいろの観点があるかと思いますが、現在直ちに四十八時間に揃えることについては疑問の点がございますし、且つ又切替えようといたしますというと非常に手数もかかるのであります。その研究問題も一應延ばしまして取敢ずは、現在の高い基準で新らしい本俸に切替える、その代り勤務時間も前の通りにして置く、動議はそこから來ております。
#70
○中西功君 財源問題がからんでいるのじやありませんか。
#71
○政府委員(今井一男君) 財源問題も無論関係は生じて参ります。と申しますのは本來ならば、十二時間というような時間で月給が決められている人が、八時間が正規の勤務時間になりますと、本俸の一部を或程度下げましてその上で新しいベースへ切替えるべきでありますが、現在八号貰つている人は新しいベースでも八号を貰う、こういつた関係に相成りますので、從つて四時間分の勤務分はオーバー・タイムで拂われるという関係が起つて参ります点から、そこに財源の問題は起つて参ります。尚又その関係から從來は十二時間を基礎にして給與が決められているものが、そういつた形に相成りますと、非常な不権衡を生ずるという問題も起つて参ります。いろいろ勘案いたしまして今回の処置としては現在のものをそのままその状態において取敢ず上のベースに切替えておく、こういつた政府の考え方でありまして、これが修正案に織込まれた次第であります。
#72
○委員長(櫻内辰郎君) それから労働大臣と上野人事官がお見えになつておりますから、労働大臣に対する御質疑がありましたらこの際お願いしたいと思います。
#73
○山田節男君 この一般職にある者の寒冷地手当或いは煖房手当、石炭手当、これは出るというふうに聞いておりますが、進駐軍の労務省はどういうふうになるのでありますか、これをお伺いいたします。
#74
○委員長(櫻内辰郎君) 速記をちよつと止めて。
   〔速記中止〕
#75
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#76
○木村禧八郎君 上野人事官にお尋ね申上げたいと思います。先ず最初にこのいわゆる野党修正案ですが、又政府案も野党修正案に近いのでありますが、大体政府の説明によりますと、これは人事院の政府に対する勧告を十分に織込んで作つたというふうに説明され、そうして又政府案と大体同じような野党案が出て來たのであります。上野人事官はこれを以て人事院の勧告を十分尊重しておるものであるというふうにお考えかどうか、この点について御答弁を煩わしたいのですが……。
#77
○政府委員(上野陽一君) お答えいたします。御承知の通り細かな点につきましては多少人事院の原案よりも変つた点もございますけれども、根本原則におきましては少しも変つておりませんので、大体において人事院の意見を御採用願つたものと思います。
#78
○木村禧八郎君 私は人事院の勧告案の骨子、一番大事な点はどこにあるかといえば、前に参議院の予算総会におきまして上野人事官のお答えになつたところによれば、五千三百三十円ではもうポヴァティー・ラインを割る、從つて六千三百七円でなければ公務員の能率を上げ、そうして公務員としての職務を遂行するに支障を生ずる、そういう御意見であつた。その裏付となるものは十一月一日から六千三百七円を支給して、その予算総額は我々が人事院に要求したところによれば、六百億をやや超えることになつております。人事院案の一番大切なところは、單なるベースよりも予算額、支給額が約六百億である、支給期日が十一月一日である、これが私は一第六切なところである、六千三百七円というのは一つの形式に過ぎない、そう思うのであります。そこで先程羽仁委員も質問されたのですが、上野人事官は政府修正案は單に形式だけ人事院の勧告に從つた、実質は人事院の勧告を無視している、そういうふうにはお考えにならないのでありましようか、その点についての御意見がお伺いしたいのであります。
#79
○政府委員(上野陽一君) お答えいたします。人事院の勧告案の骨子はたびたび申上げました通り、理論生計費並びに実態調査に基いた生計費の算出を土台として、家族一名の殖えるたびに幾ばくを要するかということを実証的に計算いたしまして、それに地域手当を加えて算出したものでありまして、今までのベーすと違い、私共の立案いたしましたベースはそういう科学的基礎の上に立つたベースでありますので、御質問の点はその科学的に決められたベースが何月から行われるかということの違いはありまするけれども、そのベースそのものが実行されるようになつたということには、少しも変りがないのでございまして、初め予定いたしました十一月からの支給ということが一月一日から支給ということに変りましたのは、財源の関係からそうなりましたのでありまして、人事院の給與案の根本は少しも変つていないかと私は考えます。
#80
○木村禧八郎君 くどいようですが、財源の問題を非常に軽くお考えでありますが、問題はその支給総額にあるわけなんです。幾らを支給するかということが、この待遇改善に必要なわけです。單に形式的にその六千三百円を支給するとしても前の人事院案の方から比べれば、これは十一月からの支給に直せば六千三百円になつておらないわけです。根本的にその精神が沒却されておるわけです。その点私は單に計算の仕方、体系というものだけに人事院は重点を置かれたとすれば、私は人事院の体系はむしろ崩されて、政府案並びに野党案の方が給與体系としては、いわゆるこの公比の点なんかにつきましてカーブがゆるやかになつておる、人事案より、私はむしろよくなつておると思う。一番の問題は金額にあると思うのです、予算総額にあると思う。これを無視して單に形式的にその賃金ベースを挙げて見ても、何ら実体を伴わないのです。人事院というところは、單にそういう形式だけを考えるところがある。それで最後にお伺いしたいのですが、これで人事院が満足せられて、もう正規に、今後に物價変動がないかぎり再び政府に勧告をいたさないかどうか、十分ですか等の点をお伺いしたいと思います。
#81
○政府委員(上野陽一君) 人事院といたしましては、立案いたしました六千三百七円のベースが通過いたしましたのでありますからして、その点においては人事院として満足いたしております。
#82
○木村禧八郎君 増田労働大臣にお伺いしたいのですが、労働大臣がこのベースで果して公務員がその体面を保ち、そうして能率を挙げ、更に優秀な人材がどしどし公務員として志望するようになり得ると思うかどうか、その点お伺いいたしたいのであります。
#83
○國務大臣(増田甲子七君) 理想的に申しますと木村さん御承知の通り、昭和五年を百といたしますと、実質賃金は四〇%ぐらいになつております。そういう見地から見ますと單に公務員の賃金のみならず、一般産業労働賃金はすでに低いということに相成るのでございまするが、併し日本の今置かれたこの客観情勢下における状況といたしましては、これは止むを得ない、又生産力の見地から見ましても、この辺がまずまず最大限度であるというふうに我々は考えております。でございまするから、一般國民の水準から睨み合せて見ましても、公務員の給與はできるだけ政府としては奮発したということに相成つておりまするから、私は公務員諸君が積極的に喜んで働くというところまでは行かんかも知れませんが、まずまずこれで我慢をして働き得る標準ではないかと思います。從いまして將來公務員の希望者も勿論どしどし出て來ることを私は歓迎いたしまするし、又希望者も相当あるという見込であります。
#84
○木村禧八郎君 労働大臣は日本の現状即ち財源関係から見てこれは止むを得ない、又政府はこの現状において極力財源を探してこの給與の引上げに努力されたと言われますが、そうして勤労者、公務員に或る程度我慢してくれと言われますが、過日発表されました日本経済再建に関する九原則を御覧になりましても、この耐乏の犠牲を一般國民が公平に負担することによつて、紛争が起らずに円滑に日本経済再建ができるであろうという意味のことを述べられた。ところがこの給與の財源を探すのに、政府はどれだけ公平に國民に負担をかけるという建前から努力されたか。例えば追加予算の中にはこの前の國会を通過した軍事公債利拂い二十二億というものが入つております。これは公平にという観点から行きましたら、この行衆議院において通過しそうして参議院において握り潰しになつたのでありますが、当然これは削つてそうして給與の方に振向けるならば、私は政府は給與ベースの引上げに努力しておると思うのです。これは一例だと思うのです。その外にまだ公平の原則からいえばもつと節約すべき点があり、もつと政府としては努力をする点があると思うが、何らそういうところを努力をしない。そうして耐乏を私は要求するとしてもそれは本当に政府が誠意を持つてやつているとは思えないのです。このような形でそうして勤労者に耐乏生活を要れするとしても、私はそれが非常にむつかしいことではないかと思うのですが、今後労働大臣はこのような給與の姿、或いは又財源の求め方によつて公務員に十分能率を発揮さして行ける、そういう確信がございますかどうか、この一点だけお伺いしたいと思います。
#85
○國務大臣(増田甲子七君) 木村さん御承知の通り、今度の六千三百七円ベースは、私共財政が許すならばできるだけ人事院の勧告案を尊重したいということは、参議院においても、衆議院においても機会あるごとに政府は初めから実は声明しておる次第でございままして、ところが財政の現況に鑑みまして、止むを得ず五千三百三十円になりましたが、再び二百六十三億の中で賄つてよろしいということから素志であるところの人事院の勧告案を実現し得る運びになつた次第であります。そこで財源の関係は、もとより二百六十三億を出すのに非常に苦心を拂いまして財源を念出した次第でありまして、若し外の財源を求めるということになりますと、これは一般物價水準に惡影響を及ぼすような、而も大衆負担になるような、而も物價の改訂その他のことをしなくてはならんし、又御指摘の軍事公債の問題も、これはすでに参議院におかれても審議未了になつたのもゆえんがある次第でありまして、あの軍事公債は銀行なり或いは郵便局なりで買つておる、結局郵便局なり或いは銀行なりは大衆の貯蓄によつてこれを買つておるのでございますから、利子支拂の停止によりまして打撃を蒙るのは結局一般の大衆貯蓄者である。そういうふうな意味合におきまして、我々は初めから反対いたしておりましたが、あれを財源とするわけには行きませんが、その他の財源については、一生懸命財務当局は苦心に苦心を重ねて、方々漁りこれを捻出することに努めた次第でございます。むしろこれから後でも公務員、大衆が安んじて仕事に專念して頂くためには大衆負担というようなことを見合せまして、できるだけの奮発をいたしたいという心持ちは持つておる次第であります。
#86
○中西功君 最初一つ人事院にお尋ね致しますが、これは木村さんのさつきの質問とも関連しております。人事委員会においても、勿論政府においてもそうでありますが、十一月の物價を基準にして、人事院の表現を借りれば、極めて科学的に算定されたということになつておるわけでありますが、それならば若し十一月の物價を基準にして、人事院の表現を借りれば、極めて科学的に算定されたということになつておりますが、それならば若し十一月からこれが実施されるならば、勿論問題は一應論理的になるわけでありますが、これが十二月一日から実施されたとするならば、若し人事院のさつきの答弁で非常に科学的ということを言われるならば、当然十一月と十二月との間の差額については、これは科学的に保障せなければならんと思うのです。ところがこのたびそれができなかつたわけであります。六千三百円案が通つたら満足だというふうに言われますが、併し実際若し言われるようにそれが非常に科学的なものならば、必然に補給金も出さなければいけないと思うのですが、それはどういう理由で出さなくていいのか、それを聞きたいと思います。
#87
○政府委員(上野陽一君) それは出さなくてもいいという意味ではありません。前月の物價指数の出ますのには、相当時間がかかりますので、まだ今日の状態におきましては、十一月と十二月の間において、どれだけの変化が起つたということを知る段階にはなつておりません。
#88
○中西功君 それは答弁ではない、もう一遍一つ、答弁になつておらんと思います。十一月に決めたのですね。だから当然十一月から拂うのが本当だと思うのです。私は何も、さつき非常に科学的だということを言われましたから私は言つているわけでして、若し本当に科学的だつたら、十一月からやるのが本当だけれども、止むを得ないのでというのなら分るのであります。
#89
○政府委員(上野陽一君) 分りました。お答えいたします。人事院といたしましてもその通り考えておりまして、是非十一月から施行して頂きたいという案を出したのでありますが、これは人事院の所管以外の関係から今度変つて参りまして、お手許に差上げたような案になつた次第でございまして、その理由は一つ大藏大臣から御返事を頂いたらどうかと思います。
#90
○中西功君 私は今度のこの新らしい修正案においても、或いは人事院の元の案においても、この案の最も重大な鍵となるものは、結局労働時間を延長した。これがあらゆる面に大きな影響を與えておると思うのです。で、このことから実質的に六千三百円ではなくて、延長されただけ、それだけ切下げられておるということも出て來ますし、同時にこれが大きな首切りを同時に予定しておるということも出て來ますが、その前に三割の即時整理というふうな問題も出たやに聞いておりますが、人事院としては今後この整理の問題を実際具体的にどういうふうにやられるのか、或いはやられないのか、それをお聽きしたいと思います。
#91
○政府委員(上野陽一君) 最初に労働時間の問題についてお答えいたしますが、只今公務員のこの事務関係の者の勤務時間は、民間の労働時間に比べまして非常に短いのであります。今まで公務員の給與ベースを決めますときにも、いつも民間の給與を調べてそれに公務員の労働時間を六・六と勘定して、そのレデューシング・ファクターを掛けて、そうして公務員の給與の額が出ておるのであります。言換えますと、民間に比べて公務員の勤労時間は短いから給料も少くていいわけだ、という基礎から割出されておるのであります。併しそれは甚だ不都合なことでありまして、今までの公務員の勤務時間というものは、決してそれを一割、二割延長したからといつて労働強化になるような程度の勤務時間ではないのであります。公務員のために相当の給與を上げるのだという建前からいつても、勤務時間を民間の勤務時間に近ずけるということは、公務員の給與を上げる前提條件として絶対に必要なことである、こう考えて立案した次第であります。
 それからもう一つお答えいたしますが、行政整理の問題は人事院の所管ではございませんので、それについてどういう考えがあるかという御質問に対しては、お答えいたす限りでないと存じます。
#92
○中西功君 先の答弁では、労働時間を延長したのはむしろ官公吏の実質的な給與を上げてやるつもりで延長した、こういうふうな説明なんであります。ところがこれは私、実際はそうでないと思います。何故ならば今までの実際の官公吏の状態は、御承知のように本俸だけで、或いは実際の本給だけでは食つていないのです。超過勤務手当とかいろいろのものを合せましてやつと凌いでおる。勿論これだつて足りなかつた。ところが今度のこのシステムでは労働時間が延長された結果として、その超過勤務手当が非常に減るのです。で六千三百円というように一應形式的に上りましたが、他方において、今までの收入の相当部分を占めておつた超過勤務手当が、八時間になりました結果として非常に減る。深夜業の手当だつて同じく減るわけです。だから上げてやるために延ばしたのだと言われますが、それならば今月全官公が要求しておる七千三百円べースに上げて初めてそのことが言えると思うのです。併しこの六千三百円に上げたのだつたら、これは却つて実質の收入が減る、減るということはいえないとしても、何ら得にはならない。で、具体的に聞きますと、そういうことの結果として、即ち正規の勤務時間が延ばされた結果として、その超過勤務手当或いは深夜業手当、そうしたものが一体どの程度減ることになつておるか。或いは実際に今日各官廳において特に問題になるのは、現業というよりも実際の行政部面にある職員において問題になると思いますが、そういう人達がそういう面から平均どのくらいの超過勤務手当、深夜業手当を得ておるか、その具体的な数字を知りたいと思います。
#93
○政府委員(上野陽一君) 具体的な数字は大藏当局からも御答弁があると思いますが、当局者から聞きますところによりますというと、超過勤務手当は、中央において約一割、地方において約五分ということであります。それから又超過勤務手当は公務員全部が貰つておるのでなくして、或る一部の人が貰つておるのである、即ち夜遅くまで働かなければ片付かない位置におる人に偏つて支拂われておるのでありまして、超過勤務を貰わない人は、年中貰わないような位置におるのであります。人事院といたしましては、給與の総額が少いながらもこれを公平に分配したいという念願を持つておりまするので、一部の人だけが超過勤務をして沢山貰うというようなでこぼこを幾分でも少くするために、勤務時間を世間並の程度まで延ばし、そうして公平を期したい、こういう考えで立案いたした次第であります。
#94
○油井賢太郎君 労働大臣にお伺いいたしたいのですが、今回政府も六千三百七円べースに一緒になつたということは大変結構でありますが、民間給與と比較いたしまして、今まで官公方面が低いというようなこともありましたが、これによつて大分是正された。併しながら現在のマル公の物價というものは、六月あたりに決定した際に、人件費を織込んでいるのを見ますと、相当安い点になつておるのであります。官公廳が値上げいたしますれば、必然的に民間の賃金ベースも相当是正されなくてはならない。而も中小企業方面においてこの問題が大きく浮び上つて参ると思うのであります。その際に、若し人件費を上げますれば、中小企業が成り立たないということも相当出て参ると思います。こういう際に労働爭議等が発生することも考えられるのでありますが、これに対しまして政府といたしましては如何なる方策をお持ちになつているか。或いは勤労階級のみの生活安定に重きをなすか、或いは企業の重合性に鑑みて物價改訂等を早急に行うようなお考があるのか、そういう点について労働大臣の御意見を伺いたいのであります。
#95
○國務大臣(増田甲子七君) 油井さんの御質問にお答え申上げます。この問題は率直に申上げてなかなかむずかしい問題でございまして、労働大臣といたしましては苦慮いたしておる次第であります。併しながら一面から考えますと、六千三百七円になりましても、來年三月までは五千三百三十円のときと收入は少しも変つていないのであります。結局十一月から五千三百三十円を支拂つて三月三十一日まで五ケ月分を掛けた額と、それから十二月或いは一月から上りまして、そうして途中で又非常に額が減つております。この法規に現われております通り……。結局総額におきまして三百六十三億でございまして、來年の三月までは実質的の賃金は上つていない。これは非常に公務員諸君にお氣の毒な実は修正案になつておりますが、財政の関係からいたしまして、かくならざるを得なかつたわけでございますが、そういうような意味合から一般産業労働賃金にはそう大して、何といいますか、直ちに影響があるというふうには我々は考えておりません。さらばといつて、一般産業労働賃金を低いところに止めて置きたいという考は決して持つておりませんので、一般の消費者價格指数によつて我々は科学的に、生活給のごときはスライド制による、それから基本給以上のものは能率給で、能率を上げれば高賃金を與えるという方針でやつて行きたい、こう思つております。
 それからまあ元來三千七百九十一円のあのベース決定のときに、公務員諸君は低かつたということも言い得るのでございまして、一般産業労働賃金に鞘寄せして來ておるのである、こういう見方も私は成り立ち得ると思つております。そこで一般産業経営者諸君がそう御心配にならなくてもよろしいのでないか、もとより我々といたしましては甲乙の扱い方はいたしたくございません。調和のある賃金体系を得て行きたい、こう思つております。公務員労働者と一般産業労働者とは調和のある賃金を受くべきものである、こういうふうに考えておりますが、今のところさして影響はそうないというのが我我の見解でございます。
#96
○油井賢太郎君 只今のお答えでは、物價改訂ということには全然お触れになつておりませんが、この点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#97
○國務大臣(増田甲子七君) 答弁を落しまして恐縮でございますが、今のところいわゆる経済三原則もございまするし、今回提示されました九原則もございまして、一般物價の改訂ということは軽々にはなし難い、又してはならない、こういうふうに考えておる次第であります。將來のことについてまで私は今は申上げかねるのでございますが、今のところという條件で御了承願いたいと思います。
#98
○中西功君 僕のあれが残つておりますが……。
#99
○油井賢太郎君 只今お話の自立復興への九原則によりますところの賃金安定策の確立という点でありますが、この公務員法の賃金ベースが、今回六千三百七円となつて、それから物價改訂は行わなくてよろしい、民間の給與は現在のままでよろしいというふうに聞きとれたのでありますが、民間給與というものは現在のまま釘付にするとかなんとかの、いわゆる賃金安定策の確立ということを如何なる方法を以て、御実施になるのですか、その点について具体的に御説明を願いたい。
#100
○國務大臣(増田甲子七君) 私共といたしましては、一般の産業の労働賃金につきましても、亦公務員の労働賃金につきましても、先程お答え申上げました通り、調和なされた各産業別、企業別に余りでこぼこのないような賃金体系が得られたときに、賃金安定をいたしたいとこう考えておりますけれども、併しながら今産業別の労働賃金を見まして、現在の物價と睨み合せまして、而も油井さん御承知の通り、労働爭議は着々解決いたしておりますが、その解決したときに、設定せられた賃金ベース等は軽々に動かし難い、こう思つております。併し全賃金についての安定というようなことは、賃金体系が一般に得られたときは、スタビリゼーシヨンなり、ストップなり、安定なり、固定なりを考えなくてはならんときではないかとこう考えておる次第であります。
#101
○中西功君 さつき行政整理について考へましたら、人事院の管轉でない、こういうお話でありました。これは私の認識不足なのか、或いはどういうお考えで人事院がそういう問題には関係しないのか、ということも聞きたいのですが、それはどうでもいいのですが、それよりも労働大臣に、私が出しました行政整理のやつを聞きたいのです。(「方向を変えたか」と呼ぶ者あり)それはそう簡單なことではなくて、私は非常に具体的に聞きたい。三割とか、或いは六十万とかいろいろ言われておるわけでありまして、政府としていつこれをやるつもりでおるか、その場合には退職金などが問題になるでしようが、そういうことをどんなふうに考えておるかそれを伺いたいと思います。
#102
○國務大臣(増田甲子七君) お答え申上げます。今吉田内閣として行政整理をどの程度でするかということはまだ決定した政策は持つておりません、併しながら先般岩本國務大臣が両院において、行政管理廳長管事務取扱という資格において発表されたのが、一つの政策試案であるというふうに考えております。それから吉田内閣の與党である民主自由党といたしましては、約三割くらいの行政整理は断行しなくてはならないという一つの政策を持つておる次第であります。
#103
○小川友三君 労働大臣並びに政務次管にお伺いしますが、只今労働大臣は重大なる発言をせられたのであります。政府は物價改訂はしないという油井先生の御質問に対しまして、物價改訂はしないのだと極めて簡單にお答えになられたのでありますが、煙草の値上を政府はやつた、これは一割乃至四割近いところの値上でありまして國家公務員の諸君が配給を受け、殆んど半強制的に配給を受けております、すると給料が六千三百七円になつたけれども、中西先生がおつしやるように実際上つていないという形態で、配給する煙草は「きんし」の十円を十五円にして、そうして三種類の値上が衆議院を通過さしたそうですが、そういう工合に勤労大衆の本当の賃金を六千三百七円で、勤労大衆に配給する、この政府の独占資本のようなこの営業煙草は三割四割も上げてしまうというこの実際に対して、労働大臣は物價改訂をしないと今明確におつしやつた。ところが物價改訂をどんどん政府がやつております。これに対しまして物價改訂をしないということを裏切つたか忘れたか知りませんが、これはどうしたことでしよう。この喰違いを一つお伺いしたい。
#104
○國務大臣(増田甲子七君) 小川さんにお答え申上げます。私が先程申上げましたのは、一般の物價改訂を行わないというのでございます。又いわゆる経済三原則には、御承知の通り一般物價水準に影響を及ぼす物價改訂を行わないというのがいわゆる物價改訂でございまして、要するに生産費なんかに直ぐ響くような物價改訂は、直ちに一般物價水準に影響を來しますから、今の消費者関係の煙草のことは先ず一般物價にそう惡影響はない。勿論嚴密にいえば影響はございまするが、そう影響はないという意味において値上をいたした次第でございます。
#105
○小川友三君 煙草の値上げ一般の各物價に影響するということは殆んど基本原則みたいになつております。煙草が三割ぐらい上つたのだから、米の闇賣一升は二百五、六十円にしたいというふうに農民に直ぐ響くのでありまして、煙草の値上はそうやつてはならないのであります。煙草の値上が一般に影響してしまうのであります。これは勤労大衆に配給する煙草であります。その煙草で驚くなかれ三十億の増收を政府は計画したしております。三十億円勤労大衆の零細な懷から捲上げようというのが政府の原案なんであります。三十億円捲上げていて、これは一般物價にあらずとは政府の御研究が足りないのか、三十億か、三億か、三百万円か、その点を一つ御答弁を承わりまして、質問を保留します。
#106
○國務大臣(増田甲子七君) お説の通りでありまして三十億円になつておりまするが、又一面自由價格で賣つておる煙草はこれが高過ぎまして賣行が惡いのでありまして、その減少を見込んでおりまするから差引きゼロということになつております。
#107
○小川友三君 これは一番大事なところでありまして、今まで勤労大衆は終戰後三年有半に亘りまして、「たけのこ」生活をして非常に苦しんでおられるのでありまして、自由販賣の煙草は三十億の減少をするから、勤労大衆に対して大きな課税を加える、そうして勤労大衆の犠牲において自由煙草の穴を埋めるということは、不届千万であるように感じますが、この点につきまして政府は是非煙草の値上を取消して貰つて、そうして自由販賣のものを闇屋さんが吸う方で三十億の負担をして貰いたいのですが、政府の御答弁を伺いたい。
#108
○政府委員(平岡市三君) お答えいたします。大体のことにつきましては労働大臣がお答えになりましたが、自由煙草は非常に高價でありますにも拘わらず、配給煙草は、まあ現在といたしましては御承知の通り非常に安いのであります。これに対して値上をするカバーといたしまして、一月から一人当り十本の増配をしよう、そこでカバーして頂いて結局煙草の專賣の今の見込の三十億をこれによつてカバーするというわけでありまして、煙草全体から申しますれば増收にはならないような現状であります。
#109
○小川友三君 関連して……経済学博士の……(「大藏博士だ」と呼ぶ者あり)大藏政務次官が御答弁がありましたが、問題は非常に大きい。高價な自由煙草という理由は政府が暴利を貧つておる煙草、高價というと政府は如何にも非常に儲けておるように感じますが、政府が世界的の味のするとか宣傳をしておりますので、高價な煙草が賣れないから、そうして勤労大衆のみが吸つていると解釈しても差支えないもので、三十億を埋めるというのは、これは賃金ベースは変えたけれども、その中から又煙草の値上でタックルしてしまうということになるのでありますが、どうか煙草は徹底的に値上げ反対します。そうして煙草を値上しないで、そしてこのいわゆる自由煙草で、政府が三十億の穴を埋めるにはいくらでも方法はあります。今煙草の倍賣店はたつた十一万軒しかない、これを百万軒に殖やせば、百億ぐらい自由煙草で利潤が上るのでありまして、この点について政務次官の御答弁を願いたい。
#110
○政府委員(平岡市三君) この前の大藏委員会で、小川委員よりたびたびその言がありまして、政府といたしましても、御趣旨を体しまして、極力販賣店も増加しているような現状であります。さよう御承知置きを願いたい。
#111
○油井賢太郎君 人事委員にちよつとお伺いしたいのですが、この前人事院から御提出になつた六千三百七円の内訳というものは、頗る科学的であると御発表になりましたが、併しその内容におきまして、家族手当が、いわゆる扶養親族手当というものは、一人当り千二百五十円と算定されている。今回の修正案におきましては、配偶者及び子の一人が六百円、その他は一人増すごとに四百円ということになつておりますが、こういうふうに変化がありましても、人事院といたしましては、勿論科学的算定によつた、その檢討によつたものと思いますが、今回の修正案との違いにおいて御異存はないものでありましようか、その点についてお伺いいたします。
#112
○政府委員(上野陽一君) 科学的と申しまするのは、合理的な方法によつて計算された六千三百七円というベースに科学性があるのでございまして、その枠の中において如何にこれを分配するか、本俸に幾ら、家族手当に幾ら、地域給に幾らと割振りますることは、これは給與のスケジュールに属することでありまして、これは多少都合で変りましても、案の科学性には少しも関係はないと考えます。
#113
○山田節男君 今の上野人事委員の言葉は非常に私は遺憾に思うのですが、これは第三國会としては、例の十月九日の人事院の勧告案、あのときにあなたはここで一千二百五十円の家族手当というものは……、從來の二百二十五円これは非常に、突飛に安かつた。であるからこれは非常に科学的、合理的に計算されたものであり、一千二百五十円は決して高いものではないと、非常にその合法性、合理性をあなたはこの席で主張しておられた。ところが今その半分以下になつたものを……、そういう議論というのは非常にいかんです。これは上野氏自身の非常な食言だと思う。これは余りに我々を侮辱したものではないか。この点はどういうような関係でおつしやるのが、改めてお伺いしたい。
#114
○政府委員(上野陽一君) 私共も人事院の立場としましては、やはり一千二百五十円を信ずるのでございますが、これが修正いたされまして、今のような案になつたのでございます。これでも尚科学的と言えるかというお尋ねに対しましては、ベースが保障されている限り、その内訳が家族手当の一部を割いて本俸に加えたのであるからして、全体としてはやはり科学性を持つていると言つて差支ない、こういう考えで申上げたのであります。
#115
○委員長(櫻内辰郎君) この際ちよつと申上げたいと思います。できるだけ多くの方で、できるだけ短時間に御質疑を願いたいと存じます。それから特に大藏委員会の方はあとから又質疑ができますから、人事委員会の方、それから労働委員会の方で、御質疑がありましたなら御質問願いたいと思います。
#116
○羽仁五郎君 さつき休憩前に、政府の修正案について質問したのですが、同じ趣旨のことを、政府から責任のあるお答えを頂きたいと思うのでありますが、問題は非常に重大であつて、改訂公務員法というものを國会が通した以上は、國会及び政府は、これを厳守しなければならないと思うのです。現在一方においては、公務員の團結権を制限し、團体交渉権、爭議権というものを奪つておいて、そうして必ずこの改訂公務員法によつて、公務員が公務員たるにふさわしく民主々義的にして、能率のある活動をすることができるにふさわしい給與を保障するというのが、改訂公務員法の根本精神です。それに対して連合軍最高司令官も、この点を特に強調されたのですが、併しさつき増田労働大臣は、この新らしい給與は、民間給與に何らの影響を與えないという関係で、五千三百円ベースと実質的には同じものであるというふうに明言されたようですが、特に人事院は、当時臨時人事委員会の委員長が民主々義に二つの途がある。一つは労働組合なり爭議権なりによつて、民主々義を守る途と、今一つは改訂公務員法のような方法によつて、守る途があるといわれたのですが、今山田委員なり、皆さんからの御質疑に対して上野委員が、この今出ておる現実の賃金ベースというものに科学性があるといわれておるのは、我々納得することができないのであります。こういう一方においては爭議権を奪い、他方においては、公務員の現実の生活を保障しないというのが、民主自由党内閣の政策である。即ち國会を通過した法律を、單に形式上においてだけ認めるので、実質的にはこれを踏みにじる。最高司令官の國家公務員乃至國民に対する要求というものを、実質的には実現しない。そうしていわゆる爭議権を奪つた以上、人事院の科学的な勧告というものを、最大限に尊重するということを、実質的に全然踏みにじつてしまう。こういうことが民主自由党の政府の方針であるのかどうか、それをもう一遍増田君に伺いたいと思うのであります。
#117
○國務大臣(増田甲子七君) お答え申上げます。私共は、公務員のみならず一般労働者諸君の、労働條件の維持若しくは改善については、極めて熱意を持つておる次第でございまして、財政経済の許す限り、労働者諸君の経済的、社会的地位の安定向上に努力いたしておる次第でございまして、決して民主自由党の性格が、勤労者のことを構わないというわけではありません。あべこべに財政経済の許す限り、勤労者の労働條件の維持或いは改善、或いはその地位の安定向上には、努力いたしておる次第でございます。今回のこの給與につきましても、先程來私共申上げております通り、財政の許す限り公務員の地位の安定向上に努力いたした、その具体化されたものがこの給與法案になつておるのでございます。
#118
○羽仁五郎君 それでは上野政府委員に伺いますが、國家公務員法の改訂問題のときに、私はやはりこの席だつたと思いますが、人事院に向つてはつきりその点を質問しておいたと思うのですが、爭議権を失つた公務員が、果してその生活を守ることができるかどうかというときに、人事院がそれを守つてやるということを言われましたが、只今のこの案によつて守れるというふうにお考えになつておりますか、どうですか。
#119
○政府委員(上野陽一君) 守るという意味にもいろいろございまして、誰もが納得のできる、十分だという守り方もあるし、この状態においては先ずこの程度の守り方で我慢しなければならんという程度もあるし、いろいろ程度の違いがあると思いますが、目下の情勢においては、人事院は或る程度まで労働者を保護することができたと思つて満足いたしております。
#120
○羽仁五郎君 もう一度上野委員に伺いますが、上野委員はいわゆる六千三百七円というものは公務員の生活として最低限だと、いわゆるボヴァティ・ラインということを言われていたわけですが、そのボヴァティ・ラインというものの上にあるのですか、下にあるのですか。
#121
○政府委員(上野陽一君) この前ボヴァティ・ラインと申しましたのは五千三百円のベースのことを申しましたので、今の六千三百七円のことではございません。
#122
○羽仁五郎君 今さつき増田労働大臣は、実質においては五千三百円と同じだと言つておられるのですし、今さつきから今井給與局長の御説明などを伺つても、実質において殆んど違いがないと言うのです。科学的という以上は、そこに少しぐらいの違いがあるというのでなくて、原則的な違いがなければならんと思うのですが、実質的に同じだという以上、正に人事院がボヴァティ・ラインを切つておる。これでは到底公務員が公務員たるにふさわしい生活をすることができないと言われていたものと、実質的においては同じものなんです。人事院が主張されていは六千三百七円というものは、さつきも木村委員が言われたように、その予算総額は六百億円に近いものが保障されなければ、その六千三百七円というものの実質は保障されない。それが僅かに二百数十億円に過ぎない。それがボヴァティ・ラインの上にあるか下にあるかということを伺つておるのであります。
#123
○政府委員(上野陽一君) 実質においては同じだと労働大臣から申上げましたのは、私の解釈を申上げますが、來年の一月から三月まで六千三百七円のベースで拂うのと、五千三百円のベースで今年の十一月から來年の三月まで拂うのと、総額においては同じだと、こういう意味でございまして、二つのベースを比べて、実質において同じだと、こういう意味ではないと存じます。
#124
○羽仁五郎君 公務員が受取る額には大して差がないということをお認めになるのですか、ならないのですか。
#125
○政府委員(上野陽一君) この五ケ月間に受取るべき額においては変りがない、併し一月ずつ離して見ると非常な違いがある。殊に五千三百円でも六千三百円でも、來年の三月までは結局同じことです。なぜかというと、予算の枠で抑えられておりますから、併しながら來年の四月からは、この上つた数字が土台となつて予算も組まれるだろうと思いますからして、たとい実質においては同額であつても、五千三百円と六千三百円とは、公務員にとつて非常な違いがあるのであります。
#126
○羽仁五郎君 上野政府委員が堅白異同の弁を弄されることを、非常に残念に思いますが、実際上において我々が問題にしなければならないのは、爭議権も奪われた公務員が公務員たるにふさわしい生活をするか否かということにあるので、さつきおつしやつたようにボヴァティ・ラインを切るか切らないか、また見方によるという程度のことで、果して公務員が公務員たるにふさわしい民主的な能率的な活動をすることができるかどうか、その点を伺いたい。
#127
○政府委員(上野陽一君) 無論只今の六千三百七円で、これは当然公務員が文化人として満足すべき生活ができる給與とは絶対に思つておりません。併しながら只今の状態においては、先ずこのくらいのところで我慢するということが最も只今の事情に合つたやり方であると思つて考えたのでございまして、將來できる得限り早い機会において、もつと生活の水準を高めなければならんことは、人事院において確信して期待しているところでございます。
#128
○羽仁五郎君 これは委員会において問題にして頂きたいと思うことなんですが、人事院というものの勧告とは、果してその程度の効果しかないものであるならば、何故にこの窮迫する財政の中から、多大の予算を割いて我々は人事院というものを持つて行かなければならないかということに、疑いが生じて來たように考えるのであります。大体において大藏省でやる程度のことしか人事院の勧告というものの効果を発生しないのならば、何のために人事院の勧告を我々は必要としているのか、いわゆる大蔵省で考えるところの財政の許す限りということは、しばしば繰返すことですが、一定の政策の下における財政の許す限りなんであつて、政策が変れば財政は全く別の形をとるかも知れないのです。その一定の政策の下における財政の許す限りというものに対して、人事院が客観的な科学的な計算によりその生活を保障するのでなければ、團結権を制限し、爭議権を奪つた公務員の生活は保障できない。ここには比較的の違いじやなくて、原則的な違いがあると思う。その点を人事院はお守りになるのかならないのか、單に大藏省との談合の結果に満足されて行かれるつもりなのかどうか、その点をもう一遍上野委員に伺いたい。
#129
○政府委員(上野陽一君) 六千三百七円ベースをやつと來年の一月から通すくらいなことならば、人事院というような大きな役所を拵えて金を使う必要がないじやないか、こういうお尋ねのようでありますが、人事院が若し單なる給與局であるならば御説の通りでありまして、やめてもいいのであります。併しながら給與の問題は人事院所管の仕事の中の一部に過ぎないのでありまして、その外沢山の仕事を持つております。(「余計なものだ」と呼ぶ者あり)
#130
○羽仁五郎君 これはとんでもないことを伺うと思うのですが、公務員の給與の問題は公務員の第一の問題だと思うのです。生活が安定しないで公務員が期待されるような能率を上げ得る筈がないと思うので、人事院は給與の問題を余り重要な問題だと考えていないというふうに、今の上野委員の答弁は解釈せらるべきものなんでしようか、どうですか。
#131
○政府委員(上野陽一君) 私は給與の問題は人事院の取扱う沢山の問題の中の一つであると申上げたのでありまして、決してそれが第一でない、一番重要度の低いものであるという意味で申上げたのではないのであります。
#132
○羽仁五郎君 それでは今度は増田労働大臣に伺いますが、今後の人事院の勧告というものは、民主自由党内閣においては今回とられた程度の考慮しか拂われないものでありましようか、どうですか。
#133
○國務大臣(増田甲子七君) 政府といたしましては人事委員会の勧告はでき得る限り尊重して参りたいと思つております。
#134
○原虎一君 先程の上野人事官の御答弁の中にありましたのですが、第一は今度の新給與ベースというものは、政府案も人事院案も全く数字的には予算総額が抑えられているから違わないということであります。そこで違うのは、來年度予算編成に高いベースのものを今決めて行くために、公務員のために有利である、その点だけであるかどうか。今一つは若し財政が許すならば、この新給與ベースというものを一月から三月の間においては拂い得る措置ができるのじやないか、それができないのであるかどうか、その点をお伺いしたいのであります。
 それから第二点は、六千三百七円ベースを決定するために行政整理というものを行わなければならんかのごとき印象を與えているのであります。行政整理というものはこの新給與ベースに関係なく行われんとするものであるかどうか、この点は労働大臣からも御答弁を願いたいと思います。
 それからもう一つ上野人事官にお伺いする点は、民間賃金というものは科学的調査をされており、今日決定を見んとする新給與ベースに九月ごろなつているのであります。でありますから民間の給與というものはすでに九月ごろこの水準になつている。でありますからこの公務員の賃金を引上げることによつて、民間に事実上引上げをしなければならんということは物價改訂が行われん限りない筈であります。この点についての考えをお伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(上野陽一君) お答えします。行政整理の問題につきましては、先程他の委員からお尋ねがありましたときに申上げました通り、これは行政管理廳の所管でありまして、私から申上げる限りではないと存じます。私共の調査は、物價については七月の実態を調査し、又民間の給與の八月の実態を調査したのでありまして、從つてこの給與の改訂もできれば、この前物價改訂の行われました六月に遡つて支拂いたいというのが私共の念願でありましたが、せめて十一月から支拂いたいと思つてその案も出した次第でありまするが、私共の所管以外のところの都合によつて今度のような状態に、來年一月からということになつたのでございます。
#136
○原虎一君 答弁が的外れであります。私のお聞きしておる点は、数字の上では総額が抑えられておるから、政府案も人事院案も数字的に差はない、これは大まかに見ればそうでありますが、從つて人事院案というものが採択され得るようになれば、政府案と人事院案の差の益というものは、來年度の予算を組む上に高いベースが採用されるから、それが得であるという点のみか、要するに人事委員会案は來年度の予算を組んだ場合においては、公務員にとつて非常に得である、それだけの数字上の利益であるかどうか。今一つは六千三百七円ベースに決めて置いて、そうして財政が許せば、一月から三月までの間は、これは六千三百七円ベースで拂い得るだけの措置ができるのかどうか、この点をお伺いしておるわけです。
 それから行政整理の問題は、大藏次官なり、労働大臣から御答弁を願えばいいのであります。
#137
○政府委員(上野陽一君) 総額が同じだからして結局同じじやないかということは、この來年の三月までの給與について言えることでございまして、それだからといつて五千三百円でも六千三百円でも同じでないかということは、これを來年度の四月以降の公務員の給與について申しますと、そのいずれかを取るかということが非常な違いになつて來るのでありまして、(「そのときはもう上つているのだよ、來年の四月は。鬼が笑うよ」と呼ぶ者あり)來年の三月までを限つて申上げますれば、総額においてどつちの案を取りましても結局同じだ、こういう意味であります。
#138
○原虎一君 行政整理の答弁はどうしたのだ。(「人事官よく質問を聽いていなければ駄目だよ」と呼ぶ者あり)
#139
○國務大臣(増田甲子七君) それでは私に関係のあるものを申上げます。行政整理は賃金ベースとの関係において整理するのか、或いはこの給與と関係なしに整理するのかというお尋ねの点を私お答え申上げます。行政整理につきましては、もとより合理的の水準に照して整理をするのでございまして、給與とは関連はないのでございます。だからと申上げましても、給與自身は能う限りこれを勘案する必要があることはもとよりでございます。
#140
○政府委員(上野陽一君) 原委員にお答え申上げます。財政の余裕ができれば一月又は二月頃に又給與を上げるのかというお尋ねと解釈……(「違う」「よく質問を聞けよ」「ぼやつとしておるな」と呼ぶ者あり)原委員これでよろしうございますか。(「そうじやないのだよ」と呼ぶ者あり)
#141
○原虎一君 総額が二百六十二億円でありますか、その範囲で一月から三月までの給與を決められるのでありますが、それは三ケ月間六千三百円が全部渡るわけじやない、全部渡るように財政が許せばできるのかどうかということをお聞きしておるのであります。
#142
○政府委員(平岡市三君) その関係は、大藏財務当局といたしましては、財源がないために、さような取扱いをいたしておるわけでありまして、そこに枠が設けられておるわけなんであります。結局財源のためであります。
#143
○小川友三君 先程から人事官は、科学的々々々という言葉を使つておりますが、どこが、科学的であるか。物價は今年の七月の標準に調査したのだと言う。それから民間賃金は八月の調査をしたのだと言う。物價は依然として毎月毎月上つております。そうした大きな科学を破壞した誤差がありますのに、これを科学的に調査したと言う、人事院が賃金ベースを決めるのに、一体どうした資料で調査したか、極めて不完全な調査で、而も全國のどこを調べたかというと、本当の申訳的なところを数千ケ所調べた程度です。八千万に近い同胞の生活の実態を全部科学的に調査していない。人事院はそうした状態で六千三百円ベースだなんという、そうしたことで生活は官公吏ができておりません。そうした不完全な調査においてこれを科学的であるということは断じて認めることはできません。非科学的な調査だということを申上げざるを得ないのであります。時間的に七月から大きなずれで全國の國家公務員さんは本当に苦しんでおるのです。それを十二月の実態はどうか。人事院においては十二月にはどうした物價状態になつておりまして、どう國家公務員が生活をしておるかということは事実調査をなさいましたかどうか。それについて初めお伺いいたします。現在この月の生活状態を御発表願います。これが科学的なんです。
#144
○政府委員(上野陽一君) 私共が了解しておりまする科学的という意味は、実際全部を調査するということではなくして、その一部を調査して、それを以て代表地とするに足るや否や、統計学上の理論に基いて調査する、こういうことだと存じます。
#145
○大山安君 人事院にちよつとお尋ねしたい。先程政府委員にお尋ねしたのですが、人事院は公務員法の内容によつて活動されるという意味につきまして、この給與法案の八條の三項でありまするが、國家公務員法によりまするというと六十三條に「職員の給與は、法律により定められる給與準則に基いてなされ、これに基かずには、いかなる金銭又は有價物も支給せられることはできない。」と、こういうことになつております。然るに今回給與実施に関する法案につきましての内容によりまするというと、八條の三項に末尾の方でございまするが、「但し、予算又は法令に基いて支給される場合は、この限りでない。」と、そうしますると國家公務員法によりますると、いかなる物資、金銭その他なんらの物も與えてはならないと、こういうことになつておりまするが、これについては「予算又は法令に基いて」と、こういうことになつておりまするが、法令は六十三條、又は六條ですか、これにもあてはまるかも知れませんが、この予算という場合には、人事院として処置する場合にこの六十三條に該当するか否やということをお尋ねしたい。八條の三項です。末尾の方に「但し、」となつております予算これが重大な條項の内容でありまして、よく檢討した結果御説明をして頂きます。予算又は法令に基いて支給される場合はこの限りにあらず、よろしいということになつておりますが、簡單でなく、こういう場合に人事院としてはどういう……この六十三條に反するものであるか、六十三條の範囲内に解釈するものであるかということをよく檢討して……。
#146
○政府委員(上野陽一君) 事務総長に御答弁願います。
#147
○政府委員(佐藤朝生君) ちよつと私御質問の趣旨がよく分りませんが、私了解いたしました範囲内でお答えいたしますが、國家公務員法の第六十三條には「職員の給與は、法律により定められる給與準則に基いてなされ、これに基かずには、いかなる金銭又は有償物も支給せられることはできない。」とあります。今回の現物給與のところでは、「住宅、宿所、食事、制服その他これに類する現物手当が支給される場合においては、これを給與の一部とし、別に法律の定めるところにより、その職員の俸給から控除する。但し、予算又は法令に基いて支給される場合は、この限りでない。」こうございます。國家公務員法の方は給與準則という法律に基かずには金銭又は有償物、いろいろな現物給與も支給せられることができないという原則を規定しておるのでありまして、こちらの給與法におきまして、この但書の意味は現在の予算にあります、いろいろなここにあります現物手当、或いは法令の規定に基きまして現物手当が支給せられる場合は、この給與法に定めますように職員の俸給から控除しない、こういうことになります。
#148
○大山安君 然らば六十三條の「いかなる金銭又は有償物も支給せられることはできない。ということでなく、予算がある場合にはどんな物を出してもよろしい、こういうような解釈になるわけですか、そこを明らかにして頂きたい。
#149
○政府委員(佐藤朝生君) 御答弁いたします。國家公務員法の原則によりますと、法律により定められる給與準則に基いて如何なる給與も支給せられなくてはならないのでありますが、この給與準則ができますまでの過渡的の措置といたしまして、法律又は予算の規定してある現物給與は当分の間いいという意味であります。
#150
○小川友三君 委員長議事進行について……。本案につきましてはまだ論議は盡されておりませんが、大藏委員会に移しまして、皆さんにお諮り申上げますが、本連合委員会を閉じまして御高見を拜聽いたしたいと思います。
#151
○羽仁五郎君 その前に一言増田労働大臣、上野人事官にお聞きして置きたいのですが、財政の余裕がないからというふうに言われるのは、民主自由党政府の財政方針は、日本の國家公務員に二百六十二億しか拂う金がないという財政方針をお立てになつておるというふうに了解すべとだと思うのですが、それでよろしいかどうか。
 それから上野さんに伺いたいのは科学的調査というのは財政上の許す関係だとか、或いは諸般の事情だとかいうものによつて動くものかどうか。科学的な結果というものは、引力というようなものは諸般の情勢で引力を発揮しないことがあるかどうか、そのことを伺いたい。
#152
○國務大臣(増田甲子七君) 羽仁さんの御質問にお答え申上げます。二百六十二億というのは、民主自由党の政策によつてこれ以上増し得ないのかどうか、こういう御質問でございまするが、別に民主自由党の政策はそれ以上増さんことを決めてあるわけではございません。主義政策によつて歳入の金額は動くものであるというようなお話は、羽仁さんのお話でございまするが、私共は今のこの段階におきまして、主義政策が直ちに一國の所得に影響はない。今我々が二百六十二億と決め、又歳入総額六百二十五億と決めましたゆえんのものは、二兆三千億という國民の総所得は、社会主義政策をやつたところですぐ殖えたり減つたりするものではなくして、又生産力の関係から申しましても、それから担税力の関係から申しましても、今のところぎりぎりの歳入に照しまして、二百六十二億という奮発の限度といたしたまででございまするから、どうかその点を御了解願いたいと私は思つております。
#153
○政府委員(上野陽一君) 羽仁委員の御質問にお答えしますが、私共が考えまするのは生活水準をどの辺に置くべきかということであります。いうまでもなく貧乏線を下廻つておるところから、総收入の二〇%以下の食費で済むような富裕な生活までもあり得るわけでありますが、その中のどの辺の生活水準を現在の公務員に許すべきかということは、これを一般日本経済状態かに考えて立案いたしますが、併しその予算を如何なる財源に求めるべきかということは、全然人事院においては考えないで立案いたしました。
#154
○羽仁五郎君 もう一つ。では人事院に伺いますが、人事院は現在出ておるこの結果が、公務員から爭議権を奪つたことに対して、十分償つておるというふうにお考えになるかどうか、それを伺いたい。
#155
○政府委員(上野陽一君) 現在の状態においては、罷業という武器によつて鬪い取るよりも以上の收穫があつたのではないかと私は考えております。
#156
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御発言もございますが、人事委員会の方、労働委員会の方の御質疑がございませんければ、連合委員会はこの程度で打切りたいと、こう考えますが、労働委員会の方、人事委員会の方の御質疑がありましたらこの際にお願いいたしたいと存じます。外に御発言がないようでありますから。連合委員会はこれにて開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#157
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議なしと認めて連合委員会は散会いたします。
   午後八時九分散会
 出席者は左の通り。
  大藏委員
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事
           小串 清一君
   委員
           赤松 常子君
           北村 一男君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  労働委員
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           田口政五郎君
           門屋 盛一君
           波田野林一君
           水橋 藤作君
  國務大臣
   労 働 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   人  事  官 上野 陽一君
   人事院事務総長 佐藤 朝生君
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト