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1947/08/21 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第5号
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1947/08/21 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第5号

#1
第001回国会 決算委員会 第5号
  付託事件
○建設省の設置に關する陳情(第三十
 六號)
○建築行政の地方移管に關する陳情
 (第四十號)
○建設省の設置に關する陳情(第七十
 二號)
○勞働省設置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和二十年度歳入歳出總決算(内閣
 提出)
○昭和二十年度特別會計歳入歳出決算
 (内閣提出)
○昭和二十年歳入歳出決算檢査報告
 (内閣提出)
○建設省の設置に關する陳情(第八十
 三號)
○建設省の設置に關する陳情(第八十
 六號)
○建設省の設置に關する陳情(第九十
 三號)
○建設省の設置に關する陳情(第百三
 號)
○内務省廢止に當り同省と運輸省との
 共管事項を整理することに關する請
 請(第三十四號)
○建設省の設置に關する陳情(第百十
 一號)
○建設省の設置に關する陳情(第百十
 八號)
○内務省及び内務省の機構に關する勅
 令等を廢止する法律案(内閣送附)
○地方自治委員會、公安廳及建設院設
 置法案(内閣送附)
○内務省官制廢止に伴う法令の整理に
 關する法律案(内閣送附)
○建設省の設置に關する陳情(第百四
 十七號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十一日(木曜日)
   午前十時二十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○勞働省設置法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) それでは決算委員會を開きます。前會は勞働省設置法案に對する質疑が終りまして討論に入りましたところ、小野君から修正の動議が出まして、それが贊成があつたために、動議が成立いたしております。小野君の提出されました動議に對して、御意見がある方はお述べを願いたいと存じます。
#3
○鈴木憲一君 私はこの修正案に對しまして贊成をいたすものであります。その理由といたしましては、第一に我が國の民主化の徹底のために、本問題は第一に採り上げられなければならない問題であつて、決してこの問題は參議院の一理論派云々の問題ではないというふうに考えております。特に新憲法の精神によりまして、眞に政治が國民の手に歸しました今日、而も第一囘國會において、かかる問題はこれを明白にすることを斷行しなければならないと強く考えておるものであります。即ち舊憲法下における緊急勅令の觀念及び近時政令が非常に多く出るというような非民主的な聲を聞くような情勢下におきまして、私は本問題を契機として、今日劃然と國會と政府との權限の限界というようなものについて一線を劃して置く必要を痛感するものであります。尚、更に本問題は各省官制の先例になる重要性を持ちますものでありまするから、この際國會が先ず態度を明白にして置く必要があるという立場よりいたしまして、私は本修正案に簡單ではありまするが贊成をいたすものであります。
#4
○太田敏兄君 この勞働省設置法の第三條の第二項の修正の問題につきましては、かねて論議は盡されておりまするが、この點につきまして、社會黨の方の委員を代表いたしまして私共の意見を申上げたいと存じまするが、この原案によりますると、部局の増設を政令によつて定めるということになつておりますので、これではこういう重要な問題をすべて政令によつて行政府が勝手に定めることができるということにいたしましては、國會中心の精神にも反しまするし、修正案の趣旨に贊成したいと思うのであります。これにつきましては政府内から、勞働省の設置を急ぐ關係で、成るべく修正しないで呉れないかといつたような御注文も來まして、その點は私共は至極尤もに存じておりますので、私共は勞働者の生活安定のために一日も早く勞働省が發足いたしまして、勞働基準法なり或いは共濟制度の實施が順調に進むことを熱願しておるのでありまするが、併しながらこれがためにこういう重要なる點を逸することは、又立法府として忍びざるところでありますので、この際修正案に贊成を表明することになつたのであります。つきましては私共の希望としましては、衆議院の方におきましてもこの修正案を快く容れて、勞働省の發足が豫定よりも遲れないようにして頂きたいということをくれぐれも希望いたしまして、この修正案に贊成するものであります。
#5
○北村一男君 私は小野委員から提案されました修正案に贊成するものでございます。その贊成の理由は、只今兩委員からお述べになられましたことで盡きるのでございまするが、而もこの修正の提案が官界に長くおられました小川委員から出されまして、尚兼岩委員のように官界の經驗者が熱心に御支持なさる。こういうところに、やはり政令と法律との限界に對して一線を引く必要はどうしてもあることを痛感いたすのでございます。こういう意味合からも私はこの修正案に贊成するものでございます。ただ最後に一言申上げて置きたいのは、この修正案をめぐりまして、政府側におかれましては、いろいろ御苦心、御苦慮なされましたことは我々の多とするところでございまして、特に今後國政の上に重要な役割をなすべき勞働省の發足に當りまして、こういう修正を加えなければならんということにつきましては、我々といたしましても、又米窪國務相竝びに政府委員の方々も不本意のところはおありと存じまするが、これも段々の事の成り行きで止むを得ないことと存じます。つきましては本案が衆議院と共同の審査によりまして、一日も早く成立いたしまして、米窪國務相が長く抱懷なさつておりました勞働行政に向つて堅實なる歩みをお運び下さらんことをお祈りいたしまして、私は贊成いたすものであります。
#6
○西山龜七君 自由黨は本問題の贊否に對しまして、過般總會を開きまして、黨の態度を諮りましたところ、第三條の第二項を修正することが、新憲法の精神にも副い、且つ國民の輿論であるということに議が決したのであります。故に私はこの第三條第二項の修正に贊成するものであります。
#7
○竹中七郎君 私は民主黨を代表いたしまして修正案に贊成するものであります。民主黨におきましてもこの修正案に對しましては、各議員におきまして愼重考慮いたしたのでございますが、只今前委員の方から申されました通り、この修正案は、國会と行政府との間の一線を劃する上におきまして、新憲法の精神に則りまして修正するを妥當と感じまするので、贊成いたすものであります。
#8
○兼岩傳一君 主として勞働團體、農民團體及び文化團體を代表いたして構成されております我が無所屬懇談會は、今日この民主的な修正意見に全面的に贊成いたします。理由は、新憲法の下で新らしい國會で審議しておりまして、官僚政府の古い濁裁的な名殘りを一つでも取除いて行くということに贊成いたすわけであります。第二に、職能代表的な傾向を多分に帶びております參議院議員のこういつた修正こそが、その參議院の意義を高からしめるのであると考えるものであります。第三に、この問題に續きまして、地方自治委員會、公安廳或いは建設院の問題を御審議を願わなければなりませんが、そういつたものの模範として、かりそめにも汚點のない模範的な勞働省を出發させるという理由に外なりません。尚老婆心にもう一言申上げて置きますが、このために、重要な建設省、勞働省が多少遲れるとか、或いはまあ色々の常識、人情論もございますが、そういつた問題につきましては、爾今國會法第四十四條にございます合同審査會の豫備審査ということを今後開くことにいたしまして、豫め兩院で連絡の審査會を開いて、それで以て參議院の持つております職能代表的な知識を活用して、以てこういう矛盾をできるだけ少なくするというようなふうにしたらどうかと考えております。以上であります。
#9
○委員長(下條康麿君) 外に御意見はございませんか……。
 別に御意見はないようでありますから、修正案に對する討論は終結したものと認めます。
 それでは勞働省設置法案の採決に入ります。先づ小野委員の修正案を議題といたします。小野委員の修正案に御贊成のお方は御起立を願います。
   〔總員起立〕
#10
○委員長(下條康麿君) 全會一致であります。
 次いで修正の部分を除いた原案について御贊成の方の御起立を願います。
   〔總員起立〕
#11
○委員長(下條康麿君) 全會一致であります。よつて本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際私から一言所感を述べたいと存じます。段々委員會におきまして愼重審議を煩わしました結果、漸く勞働省設置法案が本委員會において決定になりましたことは、誠に段々の御苦心に對して感謝に堪えない次第であります。
 顧みますと、この社會問題に關しまして、從來幾分か社會全體が敬遠するような態度があつたことは否めない事實でありまして、大變古いことを申上げて恐縮でありますけれども、私が若い頃に内閣書記官でありました時に、丁度明治の末年に、衆議院で、社會政策に關する質問が出たことがありましるが、當時西選寺内閣總理大臣は社會政策ということをお知りなかつた。私は偶偶その方を研究しておつた爲に、それに關する答辯書を書いたことを今に記憶いたしておりまするが、そういうような關係によりまして、社會問題が逐年その重要性を増加しておるに拘わらず、社會問題に關する部局がなかなか建設できない。できましても内閣部局にちよつと付けて置くようなことでありまして、社會局というのができたのは隨分後のことで、而も内務省の僅か片隅にできたような次第であります。その後の情勢は、そういうような状態を續けておりましたが、やはり必要は迫つて參りまして、數年前に厚生省ができたのでありますが、その厚生省の時にも社會省という名前を付けられなかつた。樞密院におきまして厚生という字を付けられました。名付け親は南弘さんでありますが、そういうような餘りはつきりしない名前が付けられたようなわけであつたのでありますが、今囘勞働省と立派に銘打つて、社會問題中最も重要なるこの勞働問題に關する專管の部局ができたということは、誠に政府の苦心もさることながら、これは確かに時代の推移を物語るものであると考えまして、今後の勞働行政の、米窪大臣その他各員に對して大いに御努力を願いたいというふうに申上げたいと思います。
 さて今成立いたしました修正案について、いろいろ今討論の際に御意見がありました。一々御尤もであります。要するにこの修正案の箇條は極めて簡單な箇條でありまして、一見甚だ重要でないかの如く見えますが、その中に含むところの意義は極めて重大なものを包含しておるのでありまして、即ち新憲法の精神に基く國會至上主義というものがここで確立されたのでありまして、この點はとにかく第一囘國會におきまする劃期的の處置であつたというように、この委員會が自負してよいであろうと思うのであります。この間吉川委員がここでお述べになりました通り、若し政府の提案に何か不十分の所があり、それが衆議院をそのまま通つて來た場合に、誰がこれを是正するか。樞密院なき後において、これを是正するものは我が參議院あるのみであります。我々は憲法の番人として、この重要な職責を非常に重く考えておるのでありまして、さような意味の職責を今日盡し得たことを我々は滿足しなければならんように思います。從いまして、若しこの勞働省が設置されたことにつきまして、それが遲れた責任が參議院にあるかの如きことを申す者があるならば、それは非常な誤まりでありまして、その案ができました上に、相當な不十分の點があつたことに對する政府の責任竝びにそれを審議された衆議院に責があるのであります。我々はその責は少しも負う所がないというように考えておるのであります。恐らく衆議院におきましても、この修正案の内容を見られたならば納得せられまして、最も賢明な處置を採られるであろうということを確信して疑わぬのであります。この段この際意見を申します。(拍手)
 尚本會議における委員長の口頭報告の内容は豫め多數意見者の承認を得なければならぬことになつておりまするが、實はまだできておりませんので、これは本法案の内容竝びに本委員會における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告するものとして、委員長にお委せを願いたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(下條康麿君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に報告する報告書につきまして、多數意見者の署名が要ることになつております。本案の修正議決を可とせられる方は順次御署名を願います。
   〔多數意見者署名〕
#13
○委員長(下條康麿君) それでは御署名漏れがなければこれで散會いたします。
   午前十時五十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           岩崎正三郎君
           田中 利勝君
           吉川末次郎君
           今泉 政喜君
           北村 一男君
           中川 幸平君
           竹中 七郎君
           平野善治郎君
           深川タマヱ君
           小川 友三君
           小野  哲君
           鈴木 憲一君
           千田  正君
           西田 天香君
           駒井 藤平君
           兼岩 傳一君
  國務大臣
   國 務 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   厚生事務官勞政
   局長      吉武 惠市君
ソース: 国立国会図書館
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