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1948/12/21 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号
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1948/12/21 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号

#1
第004回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第7号
昭和二十三年十二月二十一日(火曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本橋旧千代田小学校在住の海外引
 揚者移轉に関する請願(第四十二
 号)
○日本橋旧千代田小學校在住の海外引
 揚者移轉に関する陳情(第十二号)
○未復員者給與法の一部を改正する法
 律案に関する件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十五分開会
#2
○理事(岡元義人君) これより在外同胞引揚問題に関する特別委員会を開会いたします。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#3
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。
#4
○千田正君 今北條委員はこの日本橋旧千代田小学校在住の海外引揚者移轉に関する請願は、むしろ東京都の問題であつて、國会でこれを採択して云々するよりは、政府行政機構に対して警告を発する方がいいのじやないかという御意見でありますが、私としましては從來この問題のみに拘わらず、例えば農林においても水産においても、一つの村或いは町或いは縣に起きたような問題でさえも、この國会において陳情され、請願をいたして、それを採択して、おのおのその監督行政官廳に向つて、その採択の意志を表示しておつたのであります。我々引揚に関するところのこの特別委員会は、こういう請願を採択して差支ないと私は思うのであります。むしろ私は今この請願を採択して、行政官廳であるところの厚生省或いは建設省に向つて、速かに住宅建設をすべきことの警告を発することは差支ないと思いますので、請願を採択せられんことを私は要望いたします。
#5
○北條秀一君 私が先程申しましたのは、趣旨においては今の千田君のお話と同じでありますが、私は千田君の言われたように、行政府を督励する、或いは行政府をよく指導するという点については、請願を採択するという形を要するが、そうでなしに、実際上の行動において、行政府及び地方公共團体を督励するという方法をとるか、その二つの方法でありまして、私は後者の方法をとる方がより合理的であるということを申述べたのであります。國民の與えられた請願権を尊重して行かなければならんのでありますが、さればといつて、これらの請願のすべてを、一つ一つどんな梢末な問題でありましても國会が採択されて行くということになりますと、立法府と、それから行政府とのおのずからそこに或る区別がありますので、その区別に從いまして、先程申しましたような私は方針を申述べたのであります。実際におきましては、引揚者が家に困つておるという点については申すまでもありませんので、この問題については、我々本特別委員会が殊に政府行政面にありますところの引揚同胞対策審議会と協力いたしまして、東京都廳に強力なるところの我々が申入をする方が遥かに有効適切ではないかというのが私の見解であります。
#6
○伊東隆治君 私も北條さんの意見に賛成をするのでありますが、請願が地方的であるとか些細なものであるといい意味は、もとより論的ではないわけであります。これはどういうふうに有効に実現して行こうかというところにあると思うのであります。そうだとしますならば、今御子柴さんの御説明で、すでに三千戸の中、その三分の一には、学校居住者、引揚者ももとより含めたものを一緒に入れるというような御計画もあることと思います。又外に一割五分を收容する家もあるわけでありますので、これはやはり都の方に注意をするという方が有効ではないかと私は思うのであります。
#7
○千田正君 これは都の方の方にお伺いするのですが、あなた方のその御計画によるというと、現在請願に出されておるところの旧千代田小学校並びにその他におけるところの学校に居住をしておる人達の大部分を收容することができるわけでありますか。
#8
○説明員(御子柴博見君) 私の御説明申上げましたのは、都の一般都営住宅の方の計画でございまして、二たいろあるわけでございます。一般都営住宅の方は、建設局でやつております。引揚の應急住宅の方は、これは御承知のように收容所その他におりまして、行く先のない無縁故者の方を私の方でやつております。今申上げました三千戸の中一千戸を割当てるというのは、一般都営住宅の関係であります。從いまして、都の引揚者住宅としてこの方を廻すというのと少し違つておるのでございまして、私の申上げましたように、三千戸の中一千戸は今年内に……、來年更にその次の年にそれぞれ一千戸ずつ割当てるということに、この計画の方は軌道に乘つておるわけでありまして、この点は間違いないと思うのであります。ただ問題は先つき申上げましたように、千代田の分を直ぐにこの一千戸の中に含ませることは、現在のところでは話合がついていないのでありまして、今後の問題となつております。
#9
○千田正君 今の都の方の御説明によるというと、甚だ不十分であります、というのは、恐らく都としてもなかなか大変なことであつて、從來建設省その他に対して、しばしばこの住宅割当の枠というようなものの獲得については、相当な努力を續けておられたことは我々も承知しておるし、現在もその努力は續けておられ、將來に向つてもそれを續けられる過程にあるということは、我々も認識できるのでありますが、現在日本におけるところの、終戰後における住宅建設という面においては、遅々として進まない状況にある、そういう意味からいつて、私は都に対しては申入れ、且つ行政面であるところの建設省その他に対して、こうした引揚者或いは戰災者その他の住宅に悩んでおる人たちに、一日も早く居住の安定を與えさせるという意味においては、私は建設省を鞭撻し、或いは大藏省に向つて、そうした予算の支出その他に対して住宅建設の方向に向つてアドヴァイスしてやるというのは、むしろ國会でとるべき方針であろうと思います。そういう意味で、これはなかなか解決ができない、私は昨年住宅小委員として相当研究したのでありまするが、これは各縣、或いは東京都、大阪市のような大都市でさえも、幾多の難関があつて、幾度となく政府に向つて懇請しておるにも拘わらず、遅々として進まないような今日の状況でありますので、むしろこうした切実な問題を取上げて、行政官廳を督励することこそ、我々特別委員会の與えられた任務であるという、意味から申しまして、この案を採択せられんことを特に要望いたします。
#10
○穗積眞六郎君 先程北條さんの御趣旨も、余り立法府たる國会が、行政の面の実際にまで無闇に立入るということは許されない、というような見地からのお話と思いますが、併し一方において、これは趣旨は結構だといわれておるのであります。一体請願、陳情各件は、おのおの具体的に小さなことを言つて來るのが、先ず原則だと思います。ただそれが國会の方から見て、趣旨に合つておれば、やはりこれは採択して、そうして政府の考慮を要求するということが必要じやないかと思うのでございます。それによつて、その件についても解決の途が求められ、又はそれと同趣旨のもの全般の解決が付くのであります。私はこの請願、陳情は採択すべきものと思つております。
#11
○紅露みつ君 各委員からの御発言によりまして、私もやはりこれは採択すべきもののように考えますが、一つ御子柴さんの伺いたいと思いますのは、たまたまこれが請願、陳情として國会に出たものでございますから、ここでお話合いができるのでありますけれども、若しそうでなかつたならば、やはり直接都の管理しておられるのでなくても、それは何とかお考えになつて、解決をお諮りにならなければならん問題なのですが、あなたといたしまして、いつまでにこれが立退くのか、これははつきりいたしておりませんが、どういうふうにこれを解決して行つたらいいかと、これまでお考えになりましたか、今お考えになつておられますか、それも一應伺いたいと思います。
#12
○説明員(御子柴博見君) 先程ちよつと申上げましたように、私といたしましては、建築局と話合いをいたしまして、建築、それから教育局、区役所、民生局のこの四者の完全な話合いによりまして、只今申上げましたように、一千戸の中に含めて貰いまして、これが吸收をして貰いますことが、これが一つ。それからもう一つの方法としては、先程申上げました應急住宅の面を強化いたしまして、それは國の方の相当額の御援助も仰がなければならなかつたのであります。これを強化することによりまして、一般の今住宅に困つている引揚者と同樣に同率において扱つて上げる、若し寮におります人は後にするというようなことはしないで、これに十分この際お世話するということを考えておるわけであります。そのために國の方の十分の御理解と、御援助を賜らなければならんこととは思うのでありますが、そういう二つの方法によつて解決したいと思います。
#13
○淺岡信夫君 御子柴課長にちよつとお尋ねいたしたいと思います。三千万円の住宅予算が加えられておりますが、そうした面についてどういう面に、或いはどういうふうな住宅を建設されるかという点がお分りになりますならば一つ簡單でもよろしうございますから一つお聽かせ願いたいと思います。
#14
○説明員(御子柴博見君) 三千万円と申しますのは、都の民生局で計画いたしておる分でございますか。
#15
○淺岡信夫君 そうでございます。
#16
○説明員(御子柴博見君) これはすべて新設を避けておりまして、既存施設の轉用、例えば工員の宿舍とか、倉庫とか、或いは軍用建物、こういつたものを借りまして、これに必要な設備、間仕切り、その他補修を加えまして……、これが一つと、それからすでにありますアパートで賣物に出ておるというようなものがございます、そういつた施設を借上げ若しくは買收いたしまして、應急住宅にするという計画でありまして、これにつきましては、すでに買收候補建物の目安も全部ついておりまして、今まで実現いたしましたものは、これに対する八割の國庫補助を見込んでおつたわけでありますが、これは國の方からまだ決まつて参りませんで、今日まで遅れておつたようなわけでありますが、最近その中二千万円だけ頂戴できるという内示を頂きましたので、すでにその着工の準備に掛かつておるような次第であります。早いものは一ケ月、或いは二ケ月程度で大体完遂する予定であります。
#17
○淺岡信夫君 そうしますと、大体今御子柴課長の御説明のように、早いものは一ケ月、或いは遅くても二ケ月というようになりますと、大体來年の三月までに全部完了する、大体それに入ります人たちは、人員においてどの程程の者が收容されますか、そうした点も分りますならば大要伺いたいと思います。
#18
○説明員(御子柴博見君) 正確なところはちよつとはつきりいたしませんのですが、計画といたしましては大体それによりまして、部屋数四百乃至五百という計画になつておりまして、これは大体今年の春頃の計画でございますので、單價その他の関係によりまして、或いはそれよりもやや下廻るのではないかと懸念されますが、大体四五百世帶は入れる、そこでこれを容れる場合には第一次的には、品川、上野、東京の最寄の引揚者の一時收容所に、これに概ね三百世帶と申してよろしいかと思いますが、これを先ず眞つ先に容れまして、その次には、只今のような立退きを命ぜられておるようなところ、或いは一般街に散らばつておりますけれども、どうしても出なければならないという方を第二次的に收容いたしたい考えであります。
#19
○理事(岡元義人君) 皆さんにお諮りいたしますが、御子柴課長に対する質問を一應このあたりに止めて頂きまして、援護廳から説明員が参つておりますので、援護廳の意見を徴しまして、後程懇談会で、先週の土曜日に罹災いたしました赤坂の方々が陳情にも見えておられますし、その際是非又御子柴課長とも懇談する必要があると思いますので、その際に具体的の問題をその席上でして頂くということにいたして差支ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○理事(岡元義人君) では援護廳難波事務官から、今の陳情、請願について援護廳としての御意見をお聽かせ願います。
#21
○説明員(難波一正君) 私引揚援護廳の指導課の住宅の方の係の難波でございます。東京都日本橋の千代田小学校の問題につきましてはかねがね烏山精神病院の事件以來いろいろ心配をしておりましたところ、幸い、これら一般引揚者の住宅收容施設といたしまして、約三千五百万円程度の公共事業費が出ることになつたわけでございます。この三千五百万円の経費につきまして、現在東京都並びに大府縣の特に緊急性のある引揚者住宅にこれを活用するということにつきましては、諸種考慮をいたしておるのでございますが、東京都廳におきましては、九月の十七日公文を以ちまして施設費といたしまして、約五千八百万円程度の補修費を引揚援護廳の方へ要求して來ておられるのでございますが、これに対しまして、私の方は約二千万円程度の公共事業費を交付いたすように現在、取計つております。これに約三千人程度の者を收容することができると思つております。
#22
○理事(岡元義人君) 只今の援護廳の御説明は、先程の御子柴課長の御説明と多少食い違つておるようなところがあるようでありますが、一應各委員の方から、この点について御質問がありますならば、御質問によりまして、できるだけ早くこの陳情、請願を採択する、しないかという点を決めて頂きたいと思います。
#23
○千田正君 難波事務官にお伺いしますが、只今東京都からの申請に対して、援護廳としては約三千人の分として二千万円ですか、二千万円を仮定して現在交付すべく考えているということでございますが、その三千人、二千万円ということは、只今の各小学校その他に入つているところの引揚者、戰災者が立退いて收容するというような目的にも充当するような意味で、そういうふうに見積つておられますか、その点を一つ。
#24
○説明員(難波一正君) 特にこの二千万円の問題につきましては、烏山精神病院とか、又は千代田小学校、こういう特に緊急性のあるものについてのみこれを予算的に交付します。こういうことに考えております。
#25
○淺岡信夫君 今の内容をもう少し具体的にお話し願えませんでしようか、五千八百万円の中二千万円とありますが。
#26
○説明員(難波一正君) 人員にいたしまして大体三千人程度でございまして、これが改造、補修の坪数といたしましては、約五千三百九十七坪、所要額にいたしまして、大体四千四百六十三万円程度というものが必要になるわけでございます。これの中大体八割を見込みまして三千五百万円という一應の経費を取つたわけでございます。
#27
○理事(岡元義人君) 皆さんどうでしようか、この採択、時間が廻つておりますので、一應その点をお決め願いたいと思いますが、只今までは千田委員と北條委員との取扱方に対する意見が食違つているようでありますが、北條委員に対して伊東委員から同じ意見が述べられました。その他の方々は採択すべきであるというように承つたのでありますが、どのように取扱つたらよろしいか、時間も経過いたしますのでお決めを願いたいと思います。
#28
○北條秀一君 これらの問題は今援護廳の難波事務官の説明、及び東京都廳の御小柴保護課長の御説明、これらの説明を聞いておりましてはつきりと問題の本質が分りますように、行政廳においてこうした緊迫した引揚者の住宅問題について、今日までその措置が極めて緩漫である、勿論國家財政、或いは地方自治体の財政が逼迫していることは十分分つておりますが、それにしてもこれらの引揚者、或いは中に一部戰災者を含んでおりますが、最近の住宅問題についての熱意が欠けていはしないか、勿論担当事務官の保護課長なり、各事務官の諸君においては非常な熱心さを以ておられるのでありますが、上級のところにおかれまして認識を非常に欠いているから、下からの要求がなかなか通らないというところに問題の本質があるわけであります。從つてその最高の、上の方の行政をやる面について我々國会としては、特に特別委員会はこの際強力なるところの働き掛けをしなければならん、從來とも働き掛けをして來たのでありますけれども、特に最近の住宅状態の一層緊急した事情に鑑みまして、この際我々特別委員会は特に考を一層新たにしまして、政府並びに各地方自治体に対して強い鞭撻と、そうして指導をなして行かなければならんと考えております。從つて私はこの請願を採択するかしないかという問題につきましては、先程申しました通りの意見でありまするが、これらの請願はこの外に全國から恐らく無数に出て來る問題であると私は考えますので、從つてこの請願の出ました際に特別委員会が引揚者の住宅問題を処理するために、先に決議されました二十万戸の家を建てるという大問題があるわけでありますので、この請願を、この大問題を進めて行くところの一つの重要なる資料とすることに止めまして、この際特別委員会は先程申しましたように、政府及び地方行政官廳に対して強力に鞭撻をして行くという処置の方が、より合理的であるという先程の私の考えに同じでありますが、そういうふうに処理したらどうかというように思います。
#29
○理事(岡元義人君) 皆さんにお諮りいたしますが、いろいろ御意見もありますので一應会期も迫つておりますので、この際紹介議員の星野委員も丁度出張中でありますので、この問題は尚持越すことにいたしまして保留するという工合に取計つて差支ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○理事(岡元義人君) ではさよう取扱いたすことにいたします。
#31
○千田正君 まあそういうふうに取扱つても結構ですが、これと續いて同じような問題が最近火災に遭われたところの問題が出で來るわけでありますが、これと一括してこうした緊急事項はむしろ採択して、そうして括つて、そうして第一國会なら第一國会に何件とこうした採択しなければならない件数はこれだけあつた、尚且つこれだけ実行を要求しておるに拘わらず政府当局はやらないじやないか、更に我々特別委員会としては厚生対策に対するところの決議なら決議を作るというのはむしろ厚生委員会のやるべきことであつて、できるだけ早急を要する、ものは採択して通して頂きたいと我々は考えるのであります。
#32
○北條秀一君 千田委員の発言御尤もであります。そこで私は先程本請願を保留するという委員長の発言でありましたが、保留するというように決定しないで、この請願を我々は十分檢討した結果、本特別委員会としては次のような決議をする、即ちこの請願にありますような東京都の引揚者の住宅問題については、この際政府及び東京都廳の処置は極めて緩慢であるので、我々特別委員会としてはこの処置を実情に即して、現在の困窮者を全面的に救済し得るように処置を緊急にとれという決議をこの特別委員会としてはして、そうしてその決議に基いて我々は政府及び東京都廳に働き掛けるということに私はいたしたいと考えます。そのことにつきまして委員長の配慮によりまして問題になつております赤坂の引揚寮の問題にも関係して來ると私は考えますので、そういう処置をしたらどうかという提案をいたしたいと考えます。
#33
○淺岡信夫君 今の北條委員の提案に対して私は全面的に賛成をするのです。けれども、ただこれを東京都廳にということはやはり特別委員会としても、或いは國会としても政府を通してやらなければならん問題であります。先ず過日衆議院、参議院におきまして、前國会ではありますけれども、この住宅問題の二十万戸ということに対してはこの國会の決議を経ておる、これに対して政府が如何なる施策を行つたかということを先ず特別委員会としては強力に政府に迫る、その一環としてこれは東京都の問題でなく、各地に起つておる、これから起つて來る問題であると思いますから、それの一つのサンプルと言つてはおかしいですが、この問題を特に採上げて、そうしてこの処置をどうしたかということを建設相なり或いは政府当局からはつきりとした回答を委員会に得たいと思うのです。そうしたお計らいを一つお願いしたいと私は思います。
#34
○理事(岡元義人君) ではこの問題は北條委員の御説に対しまして、淺岡委員が賛成されましたし、ただ穗積、紅露、千田委員は採択すべきである。こういうことになつておるのですが。
#35
○北條秀一君 保留しますと会期がなくなりますので、これは審議未了になりますから、今の情勢から想像しまして……、從つて保留しないでも結果は保留することになるかも分りませんが、この請願が出たことと、もう一つは、最近に起きたところの赤坂の引揚寮の火事の事件もありますし、その他我々は今回東北三縣を廻つて來、又現に委員長以下各位がそれぞれ各地を廻つておられますが、どこでも引揚者の住宅問題が大問題であります。從つて住宅問題については、どんな細末な問題であつても、疎かにできないのでありますけれども、さればといつて國会が全國津々浦々に到るところの、端々の住宅問題について、一つ一つこれに請願或いは陳情という問題を本委員会において審議するということは、資料としては必要でありますけれども、國の立法府としての役割といたしましては、もう少し高度の点から大局に立つて問題を解決するというように向つて行かなければならないと思います。從つて私は飽くまでも請願を採択するというものは、千田委員の御意見のように、國会がこういう請願を採択し、それによつて二十万戸の家を建てるという大方針を、実行するという点も確かによいのでありますけれども、先程申しましたように、私は処置いたしたい。そこで結論は二十万戸の國会の決議をどう実施するか、どう実施する計画を立てておるかということを、政府に対して、この際、嚴重に我々は申入れをすると同時に、その実際を究明して行く、それにその中の問題として、この請願を扱つて行くというふうに、この際、扱いたいという私の見解です。
#36
○穗積眞六郎君 北條君の御説は、理念としては非常に結構でありますが、それならばこの請願、陳情等をどうするか、この結論は一つも伺つておりません。請願、陳情というものは、そういう小さなものであつても、それを國民がいつて來たのに対して、これは採択すべきや否かということを、國会が決めることになつておるのだと存じます。そうしますれば請願として成立つものであるならば、採決して政府に送るのが私は本当だと思います。それと今北條君の言われた、これは御尤もな御説でありますが、それとは併立しても一向差支ないことで、別段北條君の言われるようにするからといつて請願を採択しないという理由にはなりませんし、それならその理由の尤もなる請願、陳情はどうするかという問題が残るのでありますが、この点北條君はどうお考えになりますか。
#37
○北條秀一君 先つき申しましたものに一歩進めまして、具体的に申しますと、請願、陳情の採択につきましては、結局國会の権威という問題になつて來ると私は考えます。從つて國会が立法府として、或いは國の最高機関としての機能を果すのが國会の任務であります。從いまして我々は一般國民から出て來たところの請願、陳情を採択する以上は、そういうものが、悉く実際に行政面に現われて行かなければならない、而も現われ方は請願、陳情に現われ出たものだけをやるのではなく、実際にはそういうものが常に公平而も公正に行わなければならない。請願に出たものは、我々は喧ましくいいますけれども、他の請願もしない、陳情もしない、実際に國の端々におりまして、國会と非常に遠隔な地にあつて、なかなか発言できないという諸君に対しては我々の手は届かない、國の政治の目が届かないということでは困る、從つて政治は公平であり、且つ公正でなければならんと考える、從つて私は國会が採択したところの請願又は陳情は、悉く本会議の決議になるのでありますが、この決議の権威を考えますが故に、その性格について、その点から私はこの請願を、この委員会が、各種の問題を処理して行く一つの大きな具体的な資料とするに止めていいのじやないかということを、私は申上げたのであります。ですから結論としては、採択しないということになります。
#38
○千田正君 どうもこの問題は、そう紛糾しなくてもいいようなことですが、北條委員の理念は、我々も大いに賛成であるけれども、我々の決議として二十万戸即時建設すべしということは、大いに鞭撻していいのですが、現実の問題として千代田小学校にしても、赤坂の今度の火災における緊急問題にしても、どうにもならない情況に押し迫られておる、又都廳としても一生懸命努力しており、援護院としても努力しておる、併しながらなかなか容易に予算上の措置、その他が簡單には片附かない、こういう意味で実際に困つておる人から國会に対して陳情、請願して來る、又これを採択することによつて行政面にタッチしておる事務官の人たちが、よくこれが速かに実行できるとすれば、我々はこれを採択して一日も早く二十万戸建設の中に、一環として採上ぐべきであると、私は思うのであります。
#39
○紅露みつ君 北條委員のお話でございますが、理論的に本当に結構だと思いますけれども、その中で特に言われることは公平にということでございます。もう一つは小さいことである。こういうことでございますけれども、それは成程こういう陳情、請願として出て來ないものでも、もつと緊急なものがあるかも知れませんが、それは少くとも私共の知らないことでございます。で、ここに請願、陳情として正式に國会に提出されて、私共がその審議に当りました以上は、それが尤もだと思いましたならば、今千田委員の言われましたように、大きな國策の中へ、それを採入れて考うべきだと思います。それから小さい問題というお話でございますが、先程穗積委員からお話がございましたように、陳情、請願というものは、えて小さいものであると存じます。そうしてその小さいことについて、私共國会議員が國会を余所に、それを斡旋して歩くというようなことであつてはならないと思いますけれども、ここに少くとも出て來たものは、これを審議して政府に送付すべき性質のものは廻して、それによつて行政面に反映さして行く、こういうことでなくちやならないと思いますので、私もやはりこれは採択すべきではなかろうかと思います。
#40
○理事(岡元義人君) 北條委員にちよつとお諮りいたします。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#41
○理事(岡元義人君) それでは速記を始めて下さい。
#42
○淺岡信夫君 この請願並びに陳情の問題に対しましては、先程から各議員の熾烈なる又熱心なる御意見がありましたが、この問題に対しては、一刻も措置を早くとつて頂きたいということに対して、政府を督励する。こうした意味におきまして採択して頂きたいと私は思います。
#43
○理事(岡元義人君) 只今淺岡委員から採択の御意味がございましたが、淺岡委員の申出のように採択することに決しまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○北條秀一君 只今淺岡委員の御意見がありましたが、今まで私は自分の理念に基いて、これを採択しないということで、頑張つて大分強硬に主張しておりましたので、最後の採択に当つて私の見解を述べておきたいと思います。要するところこれらの問題は、如何に引揚者の住宅問題が困窮しておるか、緊迫しておるかという一事に盡きるのであります。從いましてその緊迫した住宅問題の一つの小さい問題ではありますけれども、非常に重要な問題であることは間違いないのであります。從つて本請願の採択に私は賛成をいたします。
#45
○理事(岡元義人君) それでは請願第四十二号、陳情第十二号は、皆さん全員の御賛成を得まして、採択に決しました。この請願の取扱につきましては、委員長に御一任願えますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○理事(岡元義人君) それでは次の案件に移りますが、只今大藏省から銀行局の特殊金融課長磯田政府委員がお見えになつておりますが、その前に、一應皆さまにお諮りいたしたいことがあります。それは、本日当委員会でいろいろお骨折を願いました未復員者給與法の改正法案が上程できる予定であります。この上程に対しましては、委員会を省略して本会議に出したいという件でありますが、この点御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○理事(岡元義人君) 尚もう一つお諮りいたしますが、先程來特別未帰還者給與法の際も、時間の関係上賛成演説をしなかつたのでありますが、今回は極めて短い時間ではございますが、誰か一人改正法案について賛成の演説をして頂きたいと考えるのでございますが、この点如何でしようか、お諮りいたします。
#48
○北條秀一君 賛成演説を必要としない程緊急且つ重要な問題だと思うのですがね、ですから委員長の報告通りでやつたらどうかというふうに思います。
#49
○理事(岡元義人君) これは委員長報告にならないのです。委員会を省略いたしますから。
#50
○北條秀一君 提案者が説明するのですか。
#51
○理事(岡元義人君) 提案者説明だけなのです。
#52
○北條秀一君 重ねて申しますが、私が今申しましたのは賛成演説をする程、それ程まどろつこしい問題でなしに、緊急且つ最も重要な問題なんです。ですからそういう意味において賛成演説を必要としないという考えですから、從つて提案者がそれを説明して、それで本会議を通してよいと私は考えます。
#53
○理事(岡元義人君) ちよつと懇談したいと思うのですが、如何でしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○理事(岡元義人君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#55
○理事(岡元義人君) 速記を始めて。では皆さんの御了解を得まして、民主党の紅露委員に賛成の演説をして頂くことに御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
#56
○理事(岡元義人君) 御異議ないと認めます。
 次に地方自治法の一部改正を余儀なくされておりますが、まだ今まで関係方面との了解が参つておりませんので、多分今日は來る予定でありますから、これも併せて本日上程の運びになるということを皆さんに御報告いたして置きます。本日はこれで散会いたします。
   午前十一時四十六分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           木内キヤウ君
           岡元 義人君
   委員
           淺岡 信夫君
           伊東 隆治君
           小畑 哲夫君
           紅露 みつ君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  説明員
   厚生事務官
   (引揚援護廳指
   導課勤務)   難波 一正君
   東京都民政局保
   護課長     御子柴博見君
ソース: 国立国会図書館
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