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1948/12/11 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 農林委員会 第2号
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1948/12/11 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 農林委員会 第2号

#1
第004回国会 農林委員会 第2号
昭和二十三年十二月十一日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○供出配給に無関係の雜穀を食糧管理
 法より除外する請願(第二十二号)
○米の再生産保障に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時五十二分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それではこれから委員会を開会いたします。本日は米の再生産保障に関する必要物資の需給状況及び資金の供給状況等を御審議願うわけでありますが、その前に、赤澤さん及び加賀さんから特に留保されておられまする質問がございますので、この点から始めたいと思います。尚農林大臣は今衆議院の予算委員会に出ておりますので、その方が済み次第こちらにお見えになるそうでありますから、赤沢さんから御質疑をお始めを願いたいと思います。
#3
○赤澤與仁君 協同組合部長がお見えになつておられますので、一應農業協同組合法のあの第十條の改正法律案が、再び提案される御意思があるかどうかを、一應お伺いいたしたいと存じます。
#4
○説明員(打越顯太郎君) 只今農業協同組合法の改正法案を、再び國会に提出する考えがあるかどうかというお尋ねでございまするが、次の國会に農業協同組合法改正法案を提案する意思は持つておりません。
#5
○赤澤與仁君 そういたしますと、この農業協同組合連合会の事業の分散につきましては、法律がそうなつておりましても、今後も引續き、現在のような分散についての行政措置をお取りになるお考えでございましようかどうかを、お伺いいたしたいと思います。次に、今日過度の集中排除法とかの適用の緩和等に準じまして、現在の客観的な情勢の諸変化に伴いまして、この農業協同組合連合会事業の分散について、近い將來に緩和されるというようなお見込がないかどうか、又その筋との交渉の経過なんかをお聽かせ願いたいと思います。
#6
○説明員(打越顯太郎君) 只今の御質問に対しまして、農業協同組合法の改正をいたさない場合におきまして、同樣の趣旨の行政措置を取るつもりであるがどうかというのが、御質問の第一点でございまするが、その点につきましては遠い將來のことは別といたしまして、当分の間といたしましては、この改正案の趣旨によつて指導して参るのが適切ではないか、かように考えておりますので、当分の間は改正案によりまするところの趣旨によつて指導を加えて参りたい、かように考えておるのであります。併しながら只今お話ございましたように、集中排除の精神も段々緩和して参つておりまするので、私共といたしましては、なるべくそう遠からざる將來におきまして、関係当局との了解を得ました方におきまして、当分取れまするところの分取した連合会の組織を、再び統合する、総合した形において経営するということの方針も、將來においては考えて参りたい、かように考えております次第であります。
#7
○赤澤與仁君 お話によりまして大体了承はいたしましたわけでございますが、農業協同組件法それ自体が自主的な性格を持つておると承知いたしますわけでございまして、法によつて認められた事柄が、或いは設立ということにつきまして認可を申請いたしました場合に、今お話のように行政指導をなさるという点につきましては一歩を讓るといたしましても、行政措置といたしましてあの法の建前から、不認可にするというような措置が法の上からは出て來ないのではないか、かように考えるわけでございますが、この点重ねてお伺いいたしたいと思います。
#8
○説明員(打越顯太郎君) 只今の御質疑に対しましては、私共も同樣に考えております。で、行政措置と申しましても、これはさような改正案の、分れた連合法の設立を認めるという趣旨によつて指導を加えて参るというのでございまして、これは勿論法的な強制力もないわけでございます。從いまして、現在の法律によつて合法的に総合的な連合会の設立について申請が出て参りまするとか、或いは合併の申請が出て参りました場合におきましては、政府といたしましても当然認可するのが建前であろうと思うのであります。ただ然らば今日直ちにさような統合なり、或いは一般に総合して参りますようなことがよろしいかどうかということになりますと、先程申上げました通り、まだ集中排除の精神が緩和されたとは言いながら、尚当分の間はやはり現在の趣旨によつて指導して参るのが適切でないか。ただ將來、なるべく近い將來において、関係当局の了解を完全に得ました上において、今御質疑のような点について十分考えて参りたい、かように考えております。
#9
○赤澤與仁君 大体了承いたしましたわけでございますが、一つ希望を申述べて置きたいと存じます。今日各府縣におきまするその筋の方面におきましては、現在のように分散いたしました單一の連合体の運営状況につきまして、再参の御調査になつておるようでございますが、恐らく農林省といたされましてその筋と折衝されます場合におきまして、その調査の集計というものが相当問題となつて來るのではなかろうかと思うわけでございますが、只今まで御質問申上げましたような事柄についての明確な認識が、各府縣の連合会の当事者にない場合におきましては、その筋の調査があつた場合の答弁、その他資料の提出等について誤まつた、又は迎合したような事柄が起つて來るのではないかということを心配いたしておるわけでございます。それで地方のその筋の方面におきましては再三調査をいたしておりまして、具体的に申しますと、徳島縣におきましては一つの連合会におきまして、五回も招集せられまして、その方面の資料の提出方を命ぜられてやつておるようなことになつておるわけでございまして、その点遺憾のないよう一つ御処置をお願い申上げて置きたいと思うのであります。これを以ちまして私の質問を終ります。
#10
○藤野繁雄君 只今の説明で大体了承したのでありますが、今お話の通り本省の方でやられるというようなお考えであつたならば、農業会の資産を農業協同組合に引継ぐ場合において、そのつもりで引継ぐことが適当であろうと考えるのでありますが、引継ぎの場合に、分散したところの各連合会に引継ぐというようなことであれば、又それを合併する際に非常な支障を來すというようなことがないとも限らんのでありますから、この際できるだけ速かに方針を決定せられて、農業会の資産を連合会に引継ぐ場合に支障がないように、何とか手を打たなければできないと、こう考えておるのでありますが、これに対するところの案があつたならば、お示しをお願いしたいと思うのであります。
#11
○説明員(打越顯太郎君) 只今のお尋に対しまして、なるべく分裂した連合会に農業会の資産を讓渡するということになりますると、將來再び合併いたしましたような場合におきましては、そこに非常な損失が出て來るのじやなかろうか、さような無用の措置をなるべく止めることにいたしまして、今日直ちに統合したものに農業会の資産が移せるようなことが考えられないか、かような御質問の筋のように承わつておるのであります。その点につきましては、先程の御質問に対してお答え申上げましたごとく、農林省といたしましては当分の間は、やはり現在のそれぞれに分れました連合会の設立を認めまして、それによつて事実を運営して参りのが適当ではなかろうか、かように考えておりますので、県農業会等の資産を讓渡いたしまする場合におきましても、その場合におきましても現在それぞれ分れてできておりますところの連合会に、その資産の讓渡を優先的に認めて参りたい。そのためには政令等を改正する必要がございますれば、さようなことも考えて処置して参りたい、かように考えておりますわけであります。併しながらさようにいたしましても、將來それぞれ分れました連合会に、それぞれ事業を運営して参りまして、それが農民の自由な意思によつて再び統合することが必要であるということになりました場合においては、勿論法律改正もいたしておりませんのでありまするから、当然できるのではないか。ただそれを今日余り急ぎますと、まだ関係当局との了解も、その点については完全についておらない現状なのでございますので、或いは不測の事態を生じてもいけないと思いますので、先程申述べましたごとく、当分の間はそれぞれ分れました連合会に資産の讓渡を認めるような措置を取つて参りたい、かように考えております
#12
○池田宇右衞門君 ちよつとお尋ねいたしますが、議会においてしばしば農林大臣より、農村の安定策として農業協同組合の自主的協力を以て、生産の増強、或いは経営の合理化を図つて農家の安定策とする、こういう方針を述べられておりました。併しながら現在下部組織の農業協同組合の実情を、実際に我々が携わり、実際に組合長として見まするときに、余りにも村により、市により、町によつて分散されて、自主的という関係上今までの團体的予金に対しましても、それ相当なる預金を持つておりましたが、自主的というような関係から、これが拂戻されておるような実情で、実際は曾ての農業会よりも遥かに弱い、薄弱なものと相成つた実情でございます。かような結果におきまして、農家は重き、何倍という所得、或いは地方の諸種の課税の重税に際しまして、同時に二、三月頃の肥料その他農機具等の講入、或いは生活費の向上等から見まして、預金を引出す関係が多くあるのでありまして、今日の段階を以ていたしますならば、市町村農業組合は、その何割かが経営困難に陷るというような経過を辿りつつあるのでございます。加うるに余りにも縣段階、郡段階におきまするところの協同組合の分散的續出によりまして、その下部の組合の投資割当資金は、殆んどこれに投資しなければならないというような実情に追込まれ、下部といたしましては運轉資金は極めて少いのでございます。かようなことを考えて見まするときに、果して自主的協力を以て生産の増強、経営の合理化という、誠に題目は結構でございますけれども、実情は申上げる通り協同組合の本当の組合精神が発達しないのか、或いはこれに対するところの指導方面におきますところの、それぞれの施設が備わらないのが、ややともすると、協同組合は今申した通り、経営難に陷りつつあるのでございます。これに対して政府は、協同組合部といたしましては、如何なる方法を以て組合の眞の農村指導の、又農村を安定させるの活動を促すだけの方針、又助成指導がおありになるかどうかということを、先ず以てお尋ねし、重ねて質問を申上げたいのでございます。
#13
○説明員(打越顯太郎君) 只今の御質問でございまするが、農業協同組合の設立なり、その他の事業の運営につきまして、余りに農民の自主性というものを強調いたします関係上、却て非常に脆弱な農業協同組合が沢山できて参りまして、その基礎を危うからしめ、又將來に対して非常に経営の困難な状態に陷る虞れが多分にあるという御意見でありますが、その点につきましては、私共同樣に心配いたしておるのであります。勿論農業協同組合の設立等につきましては、飽くまでも農民の自由な意思を尊重いたさなければなりませんので、農業協同組合法によつて認めております趣旨によつて、農民が農業協同組合を作る計画がございました場合においては、それに干渉いたしまして、設立を阻止することもできないような建前になつておりますので、勢いその数も沢山できておりまするし、その中には非常に將來に向つて経営の困難なものができる心配も一面にはあるのであります。その点につきましては、私共はやはり何と申しましても農業協同組合の健全な発達を図ります上におきましては、農民に農業協同組合に対しまする認識を十分に持つて貰いまして、その正しい認識、自覚の下において農業協同組合に加入し、農業協同組合を運営して参ることが大切ではなかろうか。かように考えておりますので、農業協同組合の將來に向つての健全な発達を図ります上におきましては、先ず以て私共といたしましては、農民の農業協同組合に対しまする認識を十分に持つて貰いますために、啓蒙と申しますか、或いは教育と申しますか、そういうような点についてできる限り力を注いで参りたいと考えております。その点につきましては無論國会の御承認を頂きまして、相当予算も計上して参りたい、かように考えておりまするし、二十三年度におきましても、相当の啓蒙宣傳の予算も御協賛を頂いて成立を見ておるのでありまするが、來年度におきましても一層力を加えて参りたい、かように考えております。又農業協同組合の事業をやります上におきまして、農民に対しまする教育の外に、役職員の教育と申しますか、農業協同組合を経営いたしまするところの役員の各位或いは職員の各位に対しまして、十分農業協同組合の経営について合理的な運営ができすまるような施設を講ずることが必要だと思うのでありまして、その点につきましても將來において、できる限り財政の許す範囲内において考えて参りたいと考えております次第であります。今日お説の通り、農村における金詰りの関係から出発いたしましたところの農業協同組合の運営が非常に困難な事情にありますことは、よく御承知の通りでありまするし、或る意味から申しまして、農業協同組合は非常に不幸な久代に出発して來ているとも考えられますけれども、かような客観的な情勢にあればある程、農業協同組合に対しまするところの責任というものは重いわけでございますので、私共といたしましては、差当り施設の充実につきましても、十分の措置を講ずる必要があると思つておりますので、そういう点についても、農業協同組合の基礎確立に対しまするところの施策を、なるべく急速に講じて参りたいと考えております次第であります。
#14
○池田宇右衞門君 重ねてお聽きしたいことは、いわゆる農家の安定は今日の段階を以ていたしますならば、やはり生産の増強ということに帰着すると思いますが、現在の協同組合の組織におきましては、生産方面に対しましては本当にそれを充実するような方針がありません。市町村を單位といたしまして指導陣の強化から申しまして、國費を以て一名ぐらいというのは、事実において大きな町村では一名でありますが、小さな町村では二名というふうに見受けるのでございます。若し農業協同組合をして本当の自治的に、又農村の欲する生産の増強と経営の合理化を徹底的に実現するというようなことに方針をお取り下さるならば、もつと生産陣において強化して、そうして曾てその村の技術員が、その村のあらゆるすべてを研究いたしまして、適地適作、地質にふさわしいところのそれぞれの作付をなして、生産の増強を図つたという時代があつたのでありますが、戰爭によりまして、殆んど事変を通じまして、この指導員がただ供出指導の事務のみを取りまして、生産方面の実際の指導を怠つたのが、今日農村に対するところの非常な欠陷と相成つておることは当局のお知りの通りでありまして、もつと協同組合をして眞に農民の欲する生産指導方面の強化を、國といたしましてお考えになつておるかどうか、又これが計画されておるかどうかということについて重ねて御質問を申上げる次第であります。
#15
○説明員(打越顯太郎君) 只今農業協同組合の仕事といたしまして、農業生産の拡充強化を図るということが、將來の農業の再建においても非常に重要な点であるのだか、現在の農業協同組合の施設に対しまして、更に一層その点について積極的な対策を持つておるかという御質疑のように承わりましたのでありますが、農業協同組合の生産事業を強化して参りますことは、これはお説の通り私共は非常に大切なことだと考えておるのであります。さような観点からいたしまして、從來の農業團体の場合に見られましたごとく、流通面の事業に專念をいたしておつたというようなことではなくて、更に農業生産の方面に積極的に力を注いでやつて参る。かような趣旨が、やはり今度の農業協同組合法の制定の大きな一つの理由にもなつておろうかと思うのでありまして、その点から申しまして將來に向いまして、できる限り農業協同組合の生産方面の事業に対しまする強化ということについては最善の努力をいたして参りたい。かように考えておるのであります。勿論お話のございましたごとく、技術陣営の整備強化ということも非常に大切な点でございまして、その点は農業改良法の関係から、町村に技術員を設置いたしまして、それを以て農業協同組合の生産面の指導に当らせるという國の方針にもなつておるのでありまするが、これも亦將來の予算の許す限り、でき得る限り陣営を整備して参る必要がありますし、又國の助成にのみ頼らずして、農業協同組合自体の手によつて適切な技術員を適切に設置して参ることができますれば、これも私共は非常に大切なことではなかろうか、かようにも考えておりますので、國家の施設と農業協同組合自体の力と併せまして、指導陣営の点もできるだけ整備して参りたい。かように考えておる次第であります。
#16
○羽生三七君 先程御質問になつた方方のことで、大体意見は盡きておるわけでありますが、それに関連して、私一つお尋ねしたいことは、大体この経済力集中排除、或いは農業会に從來関連したボス勢力の一掃というような意味では、順次その目的が達成されて來たわけでありますけれども、それが先程來他の議員の方から御指摘になつたように、生産力の面はどういう形で発展が約束されておるかということになりますると、全く未知数であります。そこでこの農業協同組合に関係を持つた当局と、農業改良局との関連がどういうふうになつておるかお尋ねしたいわけであります。と申上げるのは、勿論この農業協同組合の精神から申しまして、農民自身の自発的な創意によつて新らしく生産面にその途を切り開いて行くのが当然であつて、從來のように細かいことに当局が指図をしたり、干渉をしたりする意思が含まれているとは全然考えておりません。併し新らしいこの生産面に新生面を切り開いて行く場合に、正しい意味の、又干渉しない意味での自発的な創造力をむしろ開発する。引き出す意味でのそういう指導は、私は一向差支ないと思つているのであります。そういう意味において、私は農業改良局と非常に大きな関連性があると思うのでありますが、現在この農業協同組合関係の当局と農業改良局との間には、どういう関連性があるのか、全然ないのが、或いは多少そういうことについて、日本農業の將來の展望について何らか関連性を持たせようというお考を持つておるのか、その点についてちよつとお尋ねしたいと思います。
#17
○説明員(打越顯太郎君) 只今農業協同組合の生産面の仕事を強化して参りまする上におきまして、農業協同組合の方の所管の局と、農業改良局との間において十分な提携があるのかどうかというお尋ねのようでございます。その点については申上げるまでもなく、十分に提携いたしておるのでございまして、農業協同組合との面を通じまして、農業生産の増進を図るという基本方針は明らかであるのでありまするが、その農業協同組合の事業を進展させまする上におきましては、國の施設といたしまして、御承知の通り農業改良局において種々なる施設を講ずることに相成つておるのでありまするが、その点について農業協同組合の実際担当する部門とはできる限り密接な連絡を取つて参りたいと考えておりまするのであります。農業成同組合の中に新らしい技術を導入いたしまして、農業経営を近代化し、合理化して参るということが今後の農業再建の上において非常に必要な点だと思うのでありますが、その点について農業改良局関係の新らしい指導を、農業協同組合にできる限り取り入れて参りたいということで、目下着々と話合を進めておりますような次第であります。
#18
○藤野繁雄君 只今説明を承わりまして、農業協同組合の啓蒙運動、経営者の育成については相当の経費を見積つておつて、これに着々力を盡しておるということを承わりまして喜びに堪えないのでありますが、一方においては、実際の経営状態がどういうふうな結果になつておるかということを監査する必要があると信ずるのであります。現在においては特別法を以て自治監査をやつておられるのでありますが、將來においても特別法によつて自治監査を續行せられる考えであるか。指導連合会というようなものができたのだから、自治監査というものは廃止して、指導連合会というようなものにやらせるお考えであるかどうか。又一旦面白くない結果を來したならば、その協同組合は徹底的に調査をして、將來再びそういうふうな面白くないことが起らないようにせなくちやならないのでありますが、そういうふうな場合における檢査に関する費用をどういうふうな按配にしようと考えておられるのであるか。この点お伺いしたいと思うのであります。
#19
○説明員(打越顯太郎君) 只今農業協同組合の監査についてどういうふうな対策を持つておるかというお尋ねであつたと存ずるのでありますが、現在は國並びの縣におきまして、農業協同組合の監査につきましても、できる限り実施いたしておりますような次第であります。尤も只今までの間は農業協同組合は大体設立の時代でございまして、経営運営は今後の問題にかかつておりますので、主として啓蒙宣傳の点に重点を置きまして、監査の点は主として農業会の財産の適正なる処分ができまするように監査を進めておりますような次第であります。農業会の方も大体そう遠からざるうちに清算が結了いたすことに相成るのでありますが、その後におきましては、農業協同組合の適正なる発達を図りますためには、やはり監査ということも非常に重要な点だということは申上げるまでもないのでありますが、國並びに縣でやりまする監査は、從來の農業会の場合にやりましたような監査の方針を取ることはできないのでございまして、実際上不正がありまするとか、或いはその他に特に檢査の要求がございましたような場合とか、そういうような場合に官廳が檢査に発動するというようなことに相成るのでありまして、建前はどこまでも農業協同組合の自主的なる運営ということに重点を置いておりますような次第であります。一面この新らしくできました指導連合会等におきまして、農業協同組合の指導連合会等におきましても、農業協同組合の檢査を自主的にやつて参りますことは、これは非常に適切な方法であろうと考えておりますので、さような点についてできり限り助長もして参りたいと考えておりますような次第であります。ただ現在の農業團体自治監査法によつて成立を見ておりまするところの監査連合会のごとき監査が、今後の指導面においてそのままにできるかどうかということになりますれば、その点については今後尚檢討の余地があろうかと思うのでありまするが、一面官廳の檢査と併せまして、この自治的な檢査、監査ということについても十分考えて参る必要があろうと、かように考えておる次第でございます。
#20
○加賀操君 大臣がおいでになりましたので、農業手形についてお伺いいたしたいと思います。
 第一は、十一月八日と思いますが、この委員会におきまして総務局長が、農業手形は今後も尚やつて行きたい考えであるという答弁をされておるのでありまするが、丁度出來秋で供出代金が入つておりますから、今後の金融は組合でやれるので、農業手形の制度は要らないというような意見が金融機関の或る方面で出ておるということを仄聞いたしておるのでございます。大臣も御承知の通り單作及び冷害地帶におきましては、來年の三月頃から肥料、農機具、その他春の営農の準備に金が大変要りますので、これらの地方の農民はこの農業手形の制度の存續に非常に関心を持つておりますので、この際政府は農業手形の制度を今後も引續いて実施する意思がありますかどうか、一つお答えを願いたいと考えております。第二は、この制度を本年よりました実績から見ましていろいろ欠点がございます。その一つは供出の米麦を担保といたしておりますので、これは絶対に安全な融資に拘わらず、その手續が余りに複雜であつたと、こういうことであります。二番目には、融資の決定が非常に遅れまして一番金の要るときに間に合わなかつたと、こういうことであります。三には、融資の対象が米麦というように狹いので金融が非常に偏頗になつております。四番目には、零細の農家が利用することができないというような、これらの欠点がありまするが、政府におかれてはこの手續を簡略にして適期に敏速に融資されて、更に対象となりまする農産物を、政府が買上げるすべての種類の全部に拡張して、農民全体が万遍なく利用せられるように改める必要があると存じておりまするが、一つ御所見をお伺いしたいと思います。三番目は、このような改善につきまして政府は只今どういうような準備を進められておりまするか、その状況をお伺いしたいと思います。
#21
○國務大臣(周東英雄君) お答えしますが、農業手形の制度を今後も續ける意思かというお尋ねであります。これは私はたまたま今日出來秋に米の供出が相当に出て、金が今あるからということだけで、これが要らなくなるものとも考えません。恐らく千四、五百万石すでに買上げておりますから、地方の農民の懐には或る程度金が入り、又農業会等に預金として入つておりますけれども、これは又秋肥、春肥、その他いろいろの税金等のために出て行くものでありますから、將來やはり農業金融の中の一つの制度として考えて行くことは必要ではないか。同時に第二点のお尋ねでありますが、今のように限られたるものに限られたる金額と、手續が非常に煩雜だというふうな点については、やるならば、もう少し範囲を拡げて行ける余地はないかということを考えておる次第であります。而もこれについては今全体的に農漁村金融をどうするか。それは短期、中期並びに長期資金等を交えてどうするかという研究立案を進めさしておりますから、その一環として今研究中であります。
#22
○池田宇右衞門君 農林大臣がお見えになりましたから一つお尋ねいたしますが、農業協同組合の組織に相成りましたことは誠に結構でございまして、我々は農村の旧弊を打破するということについては賛意を表するものであります。併しながら府縣をしてそれぞれ分散的に協同組合を組織するという方針は、一面において新たなる出発で、それぞれの職業別に連合会を組織するという誠に一貫した農業生産指導に対しては、その趣旨はその通りでございますが、併し下の町村がこれを受入れ態勢として受入れるときにおきましてすら、官民が同じ方針を以て指導しなかつた。町村は二つも三つも同じ命令に接してどれを取つていいかというように迷つた実例があるのであります。然るに現在は六つも七つも八つもできた結果、官と民とをそれぞれ生産指導に対しても、或いはその他の方策に対しましても、頭が七つも八つもありまして、それから「じようご」のように下へそれぞれの方策や指令に接する。さような場合におきまして、市町村はどれを大体として咀嚼していいのか苦しむような状態であります。尚私長野縣の実例を言いますならば、養蚕方面に対しても二つ、畜産方面に対しても二つ、園藝方面に対しても二つというような、誠に自主的協力の下にそれぞれ組織されるということは、民主時代にふさわしいのでありますけれども、その結果は相剋摩擦を起すような実情と、それから投員が余りにも多くできまして、それに対するところの無駄な経費と、投員と同時に組合がそれぞれできましたから職員と、農村方面から申しますならばインフレによりまして、税と共に支出方面が増加されておりますところの今日、農村の実情に対しては、かような無駄が續出し、それから指導方面、指令方面において煩雜を極めるというような複雜多岐な状態に追込まれたのであります。これに対しまして農村を本当に愛し、大臣の言う通り自主的協力を以ちまして、生産の増加と経営の合理化と、農家安定というこの三つを実現するためにおきましては、今一段と協同組合に対しまして、府縣以下の段階において相当これを統一するというか、合同するというか、いわゆる新たる出発の方策を講じなかつたならば、受けるところの市町村はたまらないという実情でありますから、これに対して大臣の御所見をお伺いしたい次第であります。
#23
○國務大臣(周東英雄君) 只今池田さんの御意見は全く私も同感であります。各農村で以てできておる農業協同組合が、連合会の形態に結付くときには、おのおの事業別に幾つにも分れて行かなければならん。そこに実際上の命令系統と言いますか、或いは事務上の取引系統と申しますか、ここにも非常に煩雜なことが起り、又職員とか、役員等に非常に沢山な人がばらばらに置かれておる。その結果はさなきだに弱い農業関係の経済力をより以上に弱めて行く。このことから起る弊害と損失は漠大なものがあると考えます。これにつきましては、どうか元のようにできるだけ統一した形に戻すことがよかろうと私も考えまするが、今日の段階、企業集中排除とかその他から言つて、どうも今のところどうにもならないということを御了承願いたいと思います。
#24
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#25
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
#26
○赤澤與仁君 米の超過供出代金に対しまする課税の事柄につきまして、最終の段階に達して、政府といたしましては、何らか御決定になつたような新聞記事を今朝拜見いたしましたわけでありますが、そのことをお聽かせ願いたいということが一つと。もう一つは今度の補正予算に、北海道の炭鉱の労務者の税引きに相当する補助額を政府が助成されるような形になつておるように承知いたしますわけでございます。そういたしますと、そのことはとにかくといたしまして、現在の供出の事態からいたしますると、又主要食糧という観点からいたしましての、米の代金の補助金として、奬励金に対しまする課税というような事柄につきましても、同じような考え方が成立つのではないかと、かように考えますわけでありますが、これに対しまする農林大臣の御所見を合せてお聽かせ願いたいと思います。
#27
○國務大臣(周東英雄君) 今の超過供出に対する受取代金の処置でありますが、これはまあ報奬という御褒美に対して税をかけることはなるたけ止めたいというので、ざつくばらんな話ですが、私たちは努力いたしたのですが、どうしてもいけませんでした。收入あるところに税金をかけるということを堅持されまして、どうしてもいけませんでしたが、結局するところ、越過供出をするだけの農家は、それだけ増産に対して施肥或いは労力などについて余分の経費を掛けておることであるから、それらの経費については、これを所得金額から引いて、残りにかけるという方法に決められたのであります。而してこれに対しましては、恐らく一律にどのくらいということが言い得ないのでありますから、各地方の実情により、各個人によつて單独に本当の事実を、必要経費の増というものを差引くということになりまして、それらの事柄については、個人農家が申告の際にしつかりと申告をするようにということで決定をいたしております。
#28
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて。
   午後二時四十四分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時四分速記開始
#29
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
          池田宇右衞門君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           山崎  恒君
  國務大臣
   農 林 大 臣 周東 英雄君
  説明員
   農林事務官
   (農政局農業協
   同組合部長)  打越顯太郎君
ソース: 国立国会図書館
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