くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第004回国会 厚生委員会 第1号
昭和二十三年十二月十一日(土曜日)
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           紅露 みつ君
           竹中 七郎君
           井上なつゑ君
           岡元 義人君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
           藤田 芳雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会保障制度審議会設置法案(内閣
 送付)
  ―――――――――――――
   午後零時十四分開会
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。予備審査付託となりました社会保障制度審議会設置法案を議題にいたします。先ず提案理由の説明を願います。團厚生政務次官。
#3
○政府委員(團伊能君) 只今議題となりました社会保障制度審議会設置法案につきまして提案の理由を御説明申上げます。
 社会保障制度につきましては、政府といたしましても予ねてから研究調査を進めておるところでありますが、本年七月連合軍よりの勧告の次第もありまして、早急にこれが具体化を図らなければならないと考えております。併しながら本制度は、政府行政の各部門にも種々の関係があるばかりでなく、國民各層にも深い利害関係がありますので、本制度の企画、立案等につきましては、各方面の利害関係者の意見も十分に聞き、愼重に審議する必要があると存ずる次第であります。從來厚生大臣の諮問機関といたしまして社会保險制度調査会が設けられておりましたが、以上のような社会保障制度の重要性に鑑みまして、この調査会を廃止いたしまして、新たに内閣総理大臣の所轄の下に社会保障制度審議会を設けることにいたしたいと存ずる次第であります。何とぞよろしく御審議下さるようお願申上げます。
#4
○委員長(塚本重藏君) 尚法案の内容につきまして保險局長から御説明を願います。宮崎保險局長。
#5
○政府委員(宮崎太一君) この條文につきまして、それでは條文ごとに簡單に御説明申上げたいと思います。
 第一條は、この審議会が内閣総理大臣の所轄に属するということでございます。これは先般お配り申上げましたこの勧告書でございますが、これに内閣と同列の審議会を國会からこれを指定されて設けた方がいいという趣旨のようなことがございまして、内閣にこの審議会を置くべき勧告があると存じましたので、内閣総理大臣の所轄に属する、こういうことになつたわけでございます。その使命は社会保障制度につきまして調査、審議、勧告ということでございます。新らしい文句として勧告という文字が入つておりますが、これはこの制度の重要性に顧みまして、調査、審議だけではなしに、勧告をするということが入つたわけでございます。
 それから第二條は、そのことを今少しく詳しく書いてございまして、この審議会が社会保險による経済的保障の最も効果的方法について、それから社会保險と、その関係事項に関する立法及び運営の大綱につき研究をする、研究の結果を内閣総理大臣を通じて國会に提出するということでございます。それから内閣総理大臣及び各省大臣に対しまして書面を以て助言する任務権限を持つておる、こういう形のものである、それからこの審議会は重要な審議会であるからして、「内閣総理大臣及び関係各大臣は、社会保障に関する企画、立法、又は運営の大綱に関しては、あらかじめ、審議会の意見を求めなければならない。」即ち各省にこの社会保障に関することは分れております。或いは労働省或いは大藏省或いはその他の各省に分れておりますが、そういう社会保障に関する仕事の企画、立法、運営の大綱について予め審議会の意見を求めなければ、各省大臣はそういうことはできないということでございますので、この審議会が社会保障全体についての非常に重要な審議会であるということでございます。
 それから第三條でございますが、委員の構成は四十人である、併し特別の事項を調査審議するために臨時委員を置く、その臨時委員は十二人以内であるということでございまして、この種委員会としては相当人数を制限された審議会になつておるわけでございます。
 それから第四條は、審議会に、会長、副会長及び常務委員を一名置く、そしてそれは委員の互選で定める、会長は官廳から当らないで、委員の互選によつてやる。会長は内閣総理大臣を以て充てるというのでなしに、委員の互選によつて選ぶ、こういうことになつておるのでございます。珍しい例といたしましては、会長、副会長の外に常務委員という委員を設けておる点がちよつと異る点であろうと思う次第でございます。それから次の二項は、会長の任務でございますが、これは御説明の必要はないと思います。「常務委員は、議事及び提案された意見を記録するものとする。」こういうとでございますので、一種の事務長のような性格を帶びておるものだと思うのでございます。
 それから第五條は、然らば委員はどういう方面から選ぶかということでございますが、選ぶのは内閣総理大臣がやるのでございますが、國会議員、関係各廳の官吏、学識経驗ある者、それから使用者、被傭者、医師、歯科医師藥剤師その他社会保險事業に関係ある者、この四つのグループを同数に選ぶのでありまして、四十名でありますので、各グループ十名当とこういうことでございますが、而も同数ということでありますので、國会議員から十名、関係各廳の官吏十名、これはその各廳が相当多うございますので、今挙げましても厚生、労働、運輸、大藏、それから恩給局いろいろの関係がございますので、そういう意味の官吏でございます。それから学識経驗ある者十名でございますが、これはこの通りでございまして、この事業に学識経驗を持つておられる方十名、それから次が具体的に限定されておりまして、使用者、被傭者、これは私共の言葉でいえば事業関係者という意味になると思うのでありますが、使用する者と傭われておる者、それから医師、歯科医師、藥剤師、これも限定されておりますので、お医者、歯医者及び藥剤師の両方からというので一人当でございます。後の残りの方がその他社会保險事業に関係ある者、こういうことでございまして、例えば國民健康保險組合の代表者とか、或いは健康保險組合の連合会の代表者であるとか、いろいろな社会保險に関係ある人が外にあると思うのでありますが、そういう人を選ぶ。
 それから臨時委員はこの第一項の國会議員から選ぶことはできませんので、第二項、即ち関係各廳の官吏、学議経驗ある者、それからその他社会保險に関係ある者、そういうところからやはりこれも同数で総理大臣が選ぶ、こういうことになるわけであります。「委員の任期は二年とし、一年毎にその半数を命じ、又は委嘱する。」こういうことでございます。それから次は補欠、それから臨時等は省略いたします。
 それから第七條は、この審議会はそういうように非常に各省に亘る重要な事項でございますので、資料、情報等の提出を各廳に命ずるわけでございます。
 それから第八條は、審議会の会議は、これは必要に應じて開くものとあるけれども、少なくとも三月に一回は開かなくちやならん。併しどうしても開けない正当の理由があれば別でありますけれども、三ケ月に一回は必ず開かなければならない、こういうことであります。
 それから審議会は、毎会計年度の末から六十日以内、即ち二月以内に前会計年度内におけるその活動、調査及び勧告の摘要についての報告書を國会に提出する、而も内閣総理大臣を通じて國会に提出するということでございます。即ちこの審議会のその年における活動状況を國民の代表である國会にお示しをするということであると思うのであります。
 それから第十條は、幹事三十人以内を作つて、幹事は役所の者と学識経驗ある者とから選ぶ、こういうことでございます。幹事は、この社会保障と申しますのは参議院の方々も御存知でございますが、非常に各省に亘つておるのでありますが、その各省の関係を調整しなければ統一された案ができない関係にもなつておりますので、役人を幹事といたしまして、役人同志のところへ学識経驗のある人たちが入つて來る、権威ある委員会の委員の方々に余りお手数を掛けないようにしたいという意味におきまして、十分案を練り、又研究をいたしまして、委員会に出すという意味で、幹事を三十名以内置くということになつておるわけでございます。そして幹事は委員に対して技術的助言及び事務上の援助をしなければならんという幹事の任務を書いたわけでございます。
 それから審議会の書記二十人以内を置く。書記は、これはこの仕事の本当の事務的なことに從事するのでございますので、役人を以て当てるということでございます。そしてこの法律は公布の日から施行する。
 それから社会保險制度調査会は、これはこの審議会ができますというと非常に大掛りのものができまして、そこに包含される関係もございますのでこれは解消するというわけでございます。
 それから「この法律公布後最初に委員となる者のうち、内閣総理大臣が任命又は委嘱の際の指定する半数の者の任期は、この法律公布の日から一年とし、残りの半数の者の任期は、この法律公布の日から二年とする。」これは半分だけ一年ということになつておりますので、そのことを明瞭にしたわけでございます。
#6
○委員長(塚本重藏君) 以上を以て提案理由並びに法案の内容の説明を終りました。この機会に質疑がありましたら……。
#7
○井上なつゑ君 お伺いいたします。第五條でございます。第五條の四、只今御説明下さいました「使用者、被傭者、医師、歯科医師、藥剤師その他」と書いてございますのですが、この「その他」は社会保險と申しましようか、健康保險の関係者が主だというお話でございますが、実は先般頂きました社会保障制度の勧告書の中にも、多分、病院のことだとか、保健所のことだとか出ておりましたが、厚生省の医療局の方でも医療制度の審議会をお持ちでございますが、医療制度審議会の中には医師、歯科医師、藥剤師それからその方たちと一緒に助産婦、看護婦、保健婦も入つておるのでございますが、ここにはそういう人たちは拔けておりますが、その必要をお認めにならないのでございましようか、お伺いいたしたいのでございます。
#8
○政府委員(宮崎太一君) 只今の井上委員の御質問に対しましてお答え申上げますが、この医療関係の方々につきましては、私は学識経驗のある者というところにもお入りを願わなければならん方があるのではないかという氣がいたしますが、又医師、歯科医師、藥剤師、これは当然医師会、歯科医師会、藥剤師会等の関係から選ばれる人でないかと思うのでありますが、「その他」の問題でございますが、助産婦、看護婦、保健婦という者につきましては、私共まだ深くそこまで考えておりませんが、実は十名の中で、使用者、被傭者、医師、歯科医師、藥剤師これは一人当にいたしましてもそこに五名あるのでございまして、使用者、被傭者を一名にするか、二名にするかという点等もございまして、そういう人数の関係で具体的にどうなるかということを申上げられないと思いますが、よく研究をいたしたいと存じます。
#9
○井上なつゑ君 只今宮崎政府委員の御説明で、お医者さん、藥剤師の方は会からお出になるというお話でございますが、私共助産婦、看護婦、保健婦は社團法人になつております日本助産婦、看護婦、保健婦協会というものを持つておりますから、どうぞそういう点も御考慮下さいますようお願いいたしたいと思います。
#10
○中平常太郎君 お伺いいたしますが、第二條は政府委員の御説明で大体分つたのでありますが、内閣において総理大臣……内閣と対蹠的な立場にあつて相当権限の幅の廣いものを持つておるようなことですが、かの人事院のごときものか、あれ程の権限はないのか、それを一つお伺いいたします。
#11
○政府委員(宮崎太一君) 只今の問題でございますが、この勧告書を読みますと大分人事院的色彩のものがあるように私共存じます。併しこの法案につきましてはそういう色彩はございません。内閣総理大臣の所轄に属するものでありまして、國会に対しましても内閣総理大臣を通じて出すという形のものでございまして、すべて政府の方に意見を出す、勧告をする、併し政府は又政府の立場において独自の行動をとるということになると思いますが、ただここに入つておられます方々、國会議員であり、関係各廳の官吏の首脳部に当る者であり、又日本におけるこの方面の権威者でございますので、そういう方々が愼重に審議される案であるといたしまするならば、この尊重は十分しなければならんと思うのでありますが、今中平委員の御質問のような意味においては、これは相反するものではないと存じます。
#12
○中平常太郎君 人事院は現在相当強力な関係にあるに拘わらず、その勧告は殆んど踏みにじられてしまつて、その主張が容れられないというような状態であつて、さればとて容れられなければ容れられないなりに、こうするという一つの裏附けがないのでありますが、人事院でさえそういうようなふうに、一つの制約を無論受けておるのでありますが、この審議会はそれ以下のものであるとするならば、やはり一つの諮問機関のごときものになつて行くであろうと思うのでありますが、少くとも諮問機関ならば、國会議員は入れない、國会議員を入れるということであれば、諮問機関のごとき柔らかなものではいけない、國会議員を入れるものならば、強力なものにならなければいけないのでありますが、その点、國会議員を入れる立場からしますれば、相当強い発言力と拘束力を内閣に対して持つべきであると思いますが、今のお話のようでは、國会議員が入る余地がないように思うのでありますが、その点はどうでしようか。
#13
○政府委員(宮崎太一君) 私が申上げましたのは、人事院のごとき色彩ではない、こういうことを申上げたのでありますが、從來の諮問委員会のようなものではないことは、この條文の形がすべて違つておりまして、又権限等につきましても、強き表現が用いられておるわけであります。殊に第二條には、「審議会は、自ら、」という文字が入つておりまして、諮問を受けてやるものではございません。能動的に自らこの問題を調査する、又政府に提出するという権能を持つておるわけでございまして、從來の單なる諮問、諮詢的なものではないということを申上げたいと存じます。
#14
○中平常太郎君 連續して……。從來國会議員の側といたしましては、こういう政府の審議会その他に対して議員の入つて行くことを否定しておる例が沢山あるのであります。これは否定されないという考えでありましようか、その点をお伺いいたします。それからまだあと二、三質問がありますが、引續いてお聽きします。
#15
○政府委員(團伊能君) 只今中平議員の御質問にありました、この議員が審議会に入ることにつきましては、從來議員が入らなかつた場合は、多くその方面において入ることを何しなかつたと思いますが、この委員会はむしろ入つて貰いたいという意味で、ここにこういうふうに書いてあるわけであります。
#16
○中平常太郎君 續いてお尋ねいたしますが、第五條の第四の使用者、被傭者のところでありますが、「その他社会保險事業に」とありますから、これは社会保險事業の者は入るでありましようが、社会保障というのは、社会事業の立場から申しまして、社会事業の眞髄を握つて行くべきものだろうと思うのでありまして、ここに藥剤師などが入つておるに拘わらず、社会事業家ということが入つていないのでありますが、社会事業家という者に対して一つの椅子を與える考えがないのかどうか。ただ「その他社会保險事業」とあるが、社会事業家というのはないが、これは社会事業の眞髄を掴むべきものであつて、今日の民生安定に対する、社会の欠陷を是正するために努力しつつある社会事業家が、ここに入らんものか、入るものか、どういう意思を持つか、そこをお答え願います。
#17
○政府委員(宮崎太一君) この「その他社会保險事業に関係ある者」というところには私は入らないと思いますが、学識経驗ある者というところに、社会事業の方を入れなければならんと思います。
#18
○小杉イ子君 井上委員の今お尋ねしたことと同じことでございますが、私申添えたいと思います。
 第五條の第四号でありますが、この中に医師も歯科医師も、藥剤師もその通りございますが、この社会保險は、「B」篇でなく、「イ」篇の健、社会保健という意味から、私はどうしてもこれには産婆、看護婦という者が、この椅子は多くなるかも知れませんが、記入して頂きたい、こう思つております。最もこれが必要で、これが根本でないかと私は思つております。併しながらここにこう書いてあることは、やはりこれは一つの差別待遇でありまして、昔からあの金持の奥樣は元は看護婦でなかつたか、あの人は元産婆でなかつたかという蔑視的の観念があつたところから、この者は眼中にないのじやないかという氣を起すのであります。それで是非私はここに差支ないならばこれを記入して頂きたいと思います。産婆、看護婦、保健婦、最も大事なことでないかと思います。
#19
○紅露みつ君 この第八條でございますが、審議会の会議は必要に應じて開く、但し正当な理由があつて開けない場合は、三ケ月に一回が最小限度の期間としてあるようでございますが、これはこんな大きな問題を審議しますのに、何だか大変悠長なような感じがいたしますが、どういうふうに常にされますか、そうして三ケ月に一回というのは、どういうところから割出されたのでございましようか、伺いたい。
#20
○政府委員(宮崎太一君) 先程の小杉委員のお話でございますが、この点は、私共決して助産婦、或いは看護婦、保健婦を蔑視したということはございません。これは関係の濃度においては医師、歯科医師、藥剤師が強い関係で挙つたのでございます。その他という所に、関係のある者は全部含まれる筈でございますけれども、これは御承知のように條文というものは、そう長く書くわけにも参りませんし、それから人数が十名という限定もございますので、どうしても挙げなければならない医師、歯科医師、藥剤師を挙げておるだけでございまして、この点御了承を願いたいと思うのであります。それからもう一つ今のお話でございますが、これは少くとも三月に一回ということでございますので、必要に應じて毎月でも、又月何回でも開くべきものと思うのであります。ただこれほど重要な問題になりますと、場合によりますと、或る事を委員会でお決めになります、その次までに調査をして開きますためには、幹事会を何回も開いて案を練りますが、それが委員会へ提出するまでの案にでき上らない場合もあると思います。そういう意味において委員会が休んでおる場合も、幹事会は頻繁に開くわけでありまして、そうして成案を作りまして、成るべく委員の方々が小さな細かな問題で長い時間を費すことのないようにしないと、これほどの権威者を網羅した委員会では都合が惡いと思いまして、少くとも三月に一回ということにしたわけであります。決して年に四回という意味でないことをお答え申上げます。
#21
○竹中七郎君 社会保障制度の審議会を作られることは甚だ結構でありますが、この社会保障制度というものは実に重大なものでありますが、こういう審議会を政府がいろいろお作りになりますが、何と申しますか、いつ開けて、どうなつたということは分らない、ただ諮問機関のような形になり易いものと思いますが、この度は、そういうふうではなくて、強い意味においておやりになると思う、この審議会におきまして社会保障制度を完備するためには、相当の國費が要るのでございますが、こういう点に対しまして、政府におきましては大体これが完成するのは何年くらい掛かるのですか。勧告書を私ちよつと見ましたのでありますが、その勧告書のように相当年限が掛かるか、日本の財政力とどういうふうになるかということをここで研究をしておりますが、大体の見通しというものも相当持つていらつしやると思います。若しこれを五年なり、十年なり續いて審議会をやるのか、どの程度やるかという腹案があるかどうか、そして審議会をお開きになるにつきまして、この経費は相当の金を持つてやられるのでありますが、どれくらいの経費を以てこの審議会をお作りになりますかどうか、その点も附加えてお伺い申上げます。
#22
○政府委員(宮崎太一君) 只今の御質問でございますが、この審議会を開いて社会保障制度をどれくらいの期間においてやるかという問題でございますが、この社会保障制度をどのスケールにおいてやるかということから始まらなければならんと思うのでありますが、イギリスの案のようなああいう総合的なる完成された形にいたしますには、私は今の日本としてはとても十年くらいではできないと思うのであります。これは私の観測でございます。そこで日本の昨年の調査会の答申によりますと、当時にいたしましても、それが予想されておりまして、第一段階から第六段階に分けましてやつておるわけであります。それで第一段階を始めるだけでも五百五十億でございましたかの経費が掛かる。若し全部をやるとするならば三千二百億の経費を要するとこういう……、当時の賃金ベースを千八百円で見まして計算したときにそういうような計算が出たのであります。それで第一段階を先ずやつたらどうかこういう答申であつたわけであります。ところがアメリカのこの勧告書を読みますると、大体アメリカの考え方は日本の調査会の第一段階を目論んでおられるように見受けられるのであります、そこで若し第一段階、あの日本側の第一段階をアメリカの勧告に從つてやるとしますならば、私はそんなに日数は掛からないと思いますと申しますのは現在ございます健康保險、國民健康保險、或いは年金保險、労災保險、失業保險というような各種の保險と、恩給制度とそれから各省に亘つております國家公務員共済組合、それから船員保險、そういうものを統合強化するということがこの勧告の主なるものでございます。その外に國民健康保險につきましては、今日の半額負担の制度を改めて金額をこの保險の形体で支拂つて行くということであります。これにつきましては今の半額ですら保險料で悩んでおる國民健康保險が全額でやれるかどうかという問題は可なり重要な問題でございますが、そういういろいろな檢討を要するにいたしましても、そういう十年の日数は掛からないと思う、ここ一、二年でその案ができ上るものと存じております。そういう意味合におきまして、審議会はそれを仕上げると、それでこの審議会は任務を終れりかというとそうではないのであります。この勧告によりまするというと、でき上つた法案の運用につきましてこの審議を継續しなければならないのであります。その際におきまして、私はこの條文では足りないんじやないかと、若し社会保障制度というものができ上りましたならば、今度はこの法案を改正願いまして、その運用についての委員会に適合するようなことにしなければならんのじやないかと、こういう氣がいたします。今のところは立案までの審議会の形で置いて、そうしてでき上つてからの運用につきましてはやや條文の改正等を要するのじやないか……、これは私の私見でございますが、そういう氣がするのでございまして、そんな意味で御了承を願いたいと思うのでございます。
 それからこの審議会のための予算でございますが、実は本年度の通常予算におきまして、國会の御審議を頂きましたのは三百万円計上されております。その三百万円の中で審議会の費用といたしまして六十七万三千円の経費が内訳によつてあるわけでございます。大体それを以て本年度内はやつて行けるのじやないか、こういうように存じておりますので、このために別に新たに予算は要求いたしておりません。
#23
○小杉イ子君 只今の御説明に対してもう一つ申上げたいのでございますが、國民保險事業の多くは母子、乳兒、幼兒などでございます上から、必らず、産婆、保健婦等が最も働らくべきであると思います。先程医師、歯科医師、薬剤師を入れたならばそこに含まれるじやないかと申されますけれども、私は医師という一項がございますれば、而も薬剤師も自然と必然的にそれは考えられると思います。それで殊更に産婆、助産婦などを記入して頂くべきじやないか、こう思います。
#24
○姫井伊介君 この社会保障制度につきましての定義とでも申しますか、それは今の場合はお互いの概念だけに止めて置くということではつきりさせられないのか、或いはこれこれのものは社会制度のうちに当然取込むべきものだという一つの理想的な考えがあるのでございますね、そうするならばここに社会保障制度についての定義というものが載せられなきやならんのじやないか、それが載せられなかつた理由がどうかということと、それから第二條の社会保險ということが中心になつておるようでありますが、社会保險だけで社会保障制度の全部が盡されるか、これもその解釈の範囲にもよりますけれども、我々常識的な考えから言いますならば、社会保險にプラスして、社会保護というものが加えられるのじやないか、例えば生活保護とか、或いは兒童福祉とか、又社会事業とかいつたようなことは、必らずしも社会保險じやないけれども、我々の考えとしてはそれは社会保護の部面としてやはり社会保障制度のうちに取入れらるべきものだと考えるのでございますが、この辺の関係はどうか。
 更に第二條の第一行でありますが、「経済的保障の最も効果的な方法につき」これで下を抜きまして、「に関する立法及び運営の大綱につき」ということと、そこに又もう一つ、「又は」が以下につきまして、「社会保險とその関係に関する立法及び運営の大綱」こういうふうに二つのことになると考えてよろしいか、そこでこの立法ということはどの程度までこの審議会においておやりになるか、この「立法及び運営の大綱につき」とこういうふうに「及び」以下の関係から言いまして、立法の大綱について研究し云々ということになるのか、はつきり立法化されたものを社会保障制度というものについての何か立法措置を採るならば、それまでこの審議会においてやるのかということと、それから更に第二項におきまする「内閣総理大臣及び関係各大臣は、社会保障に関する企画、立法」とこうありますが、そうすると、この社会保障制度に関する立法というものは、幾段にも、幾種類にも分れるものかどうか、一本で進んで、そのうちに部門別によつてそれが整理されて行くのか、或いは関係各大臣はそれぞれ又社会保障に関する企画、立法をするというふうになつて行くのか、この辺の分離統合の関係がはつきりいたしません。その点を先ずお尋ねいたします。
#25
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。
#27
○政府委員(宮崎太一君) 只今の社会保障制度ということにつきましては、いろいろ内外において解釈の異る点もございますが、大体におきまして、社会保險を中心にいたしましたものに社会事業の方面を加えたものと、こういうように私共は解釈をいたしております。
 それから第二條の立法ということでございますが、これは國会に提出するに至りますまでの法律案を審議する或いは國会が御提出になるように審議会で案を作つて國会の方へ勧告をする、こういう意味の立法という文字であると思うのであります。
 それから第二條の第二項の方は、これは現在関係各省が非常に多い社会保障の制度でございますので、若し審議会で一本になりますとするならば、社会保障一本になるまでに各省で一つ違つた方向において立案しないように、企画しないように、大綱を見て行く。若し又審議会で各省ばらばらの案で認められるならば、それ以後においては関係各省は歩調を一にして、社会保障制度でやつて行く、こういう意味の條文と思うのございます、
   〔「散会を願います」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(塚本重藏君) 時間の関係がありますので、質問を次回に延ばしまして、本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           紅露 みつ君
           竹中 七郎君
           井上なつゑ君
           岡元 義人君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   厚生政務次官  團  伊能君
   厚生事務官
   (保險局長)  宮崎 太一君
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト