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1948/12/18 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 厚生委員会 第3号
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1948/12/18 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 厚生委員会 第3号

#1
第004回国会 厚生委員会 第3号
昭和二十三年十二月十八日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國立病院、療養所職員の待遇改善に
 関する請願(第五十二号)
○屋外自由労働者の社会保障に関する
 陳情(第三十号)
  ―――――――――――――
   午前十一時二十一分開会
#2
○委員長(塚本重藏君) これより会議を開きます。本日の日程に上せております請願第五十二号國立病院、療養所職員の待遇改善に関する請願、河崎ナツ君紹介でありますが、おられませんので專門員から請願の要旨の説明を願います。
#3
○專門員(草間弘司君) 御説明を申上げます。請願者は東京都中野区の、全日本國立医療労働組合内の堀江信二郎、請願の要旨は、終戰後旧陸海軍の病院又は旧軍事保護院所管の傷痍軍人療養所というものが、それぞれ國立療養所というものに、厚生省所管の下に再出発をいたしたのであります。それからすでに二年になつたのでありまするが、その間、療養所の整備拡充等も漸次行われては参りましたけれども、この職員に対しまする待遇というものが非常に惡くありまして、只今のインフレーションの波を乘切ることが到底できないような状態であります。從いまして職員は漸次辞めてしまうというような状態で、只今では約三割乃至四割の欠員を生じておるような次第でありまして、病院長以下職員の努力があるにも拘わりませず、却つてその離職者は日一日と増加して行くような状態でありまして、この状態が續きまするならば、病院とか或いは療養所の機能というものは、全く止まつてしまうというような状態で、これは極めて重大な問題であると思うのであります。そこで自分たちは昭和二十三年の十二月に厚生大臣に対しまして、衞生技術官の待遇改善、それから特殊勤務手当の支給、尚超過勤務手当の実働による支給、こういうようなものを要求いたしまして續けて参つたのであります。特殊勤務手当と申しまするのは、これは結核とか、癩、精神病、その他急性傳染病のような非常に危險の多い、或いは又不快を伴うような疾病に対する手当、この超過勤務手当の実働というものも、只今では非常に人員が不足しておりまする関係上、各々皆延長いたしまして勤務しなければならないような状況でありまして、それにも拘わりませず、只今では一ケ月一人当十時間に限定されておるというような状態にありまするので、これが改善を是非共して頂きたいということを、お願いをいたしておるような次第であります。どうぞこういう実情を十分に御了承下さいまして、実現できまするようにお取り計らいをお願いいたしたいという趣旨でございます。
#4
○委員長(塚本重藏君) 一應この請願に対しまする政府の意見をお伺いいたしたいと思います。
#5
○政府委員(久下勝次君) 只今の請願につきまして私から御説明を申上げます。國立病院、療養所に勤務しておりまする職員の待遇につきましては、私共といたしましても、かねてからその改善に努力をいたしつつありました次第であります。先般二千九百二十円ベース及び三千七百九十円ベースの実施に際しまして、新らしい職階制が行われることになつてのであります。その際給與実施本部とも協議連絡をいたしまして、その結果、現在の状況におきましては、私共の考えといたしましては、大体において從來に比し改善がなされております。少くとも一般の公立病院と比較とし、國立病院の職員が、それ以下であるという事実はなくなつておるものであると考えておるのであります。特に請願の内容にあります衞生技術官即ち医師、歯科医師、藥剤師その他の衞生技術官に関しましては、一般公立病院の勤務者との権衞を考えまして、十分に考慮を拂いましたつもりであります。尚これにつきましては、今後とも私共はこれを以て足れりとはせず、十分に待遇の改善の途を講じまして、そうして國立病院に優秀なる衞生技術官が集め得られまするように、努力を續けるつもりでございます。それから次に、超過勤務手当支給の問題でございまするが、これにつきましては、厚生省におきましては、本年春、超過勤務手当に関する特別な委員会を設けまして、各方面の権威の方々の御意見を伺い、その答申を得ておるのでありまして、その線に副いまして、これを給與実施本部とも何回となく折衝を重ねましたのであります。只今までのところ決定いたしましたのは、特殊勤務手当制度の確立というところまでは参りませんけれども、癩療養所に勤務いたします職員、それから結核、精神に関する施設に勤務しております職員に対しましては、特殊勤務加俸を支給するというようなことが認められました。正式に本月十三日附を以ちまして、各施設に支給に関する通牒を発しますると共に、一月に遡つて本年中に支給をいたすように措置をいたしました次第であります。この加俸の制度と申しまするのは、例を挙げて申しますれば、癩療養所に勤務しております看護婦(含保姆、助手)は、一律に六号以内、病理細菌技術者は五号以内、患者係事務職員、レントゲン技術者(助手)等は四号以内、一般事務職員等は二号以内というような工合に、亂療養所の職員は全面的な加俸が認められることになつてのであります。結核療養所につきましては、看護婦(含助手)は三号以内、レントゲン技術者等は二号以内、それから精神療養所におきましては、看護婦(含助手)は三号以内、その他レントゲン技術者(含助手)等にきつましては、一号以内というふうに加俸を認められることになりました。差当りこれは実施いたすことに処理いたした次第であります。尚只今結核、精神療養所と申上げましたが、この一般病院の結核病棟、精神病棟に勤務いたしす者につきましては、同樣の処置を取ることにいたしたのであります。このことは、いわゆる特殊勤務手当制度というところまではまだ参つておらないのでありますが、取敢えずかような措置が認められましたので、これを実施に移したのでありますが、尚今後とも私共といたしましては、特殊勤務手当制度の確立に、向つて努力をいたしたいと思つておる次第でございます。
 それから超過勤務手当の実働による支給ということであります。これも國立病院、療養所は実は本年度予算は、昨年十一月現在の実員を以て、予算を抑えられた関係上、いわゆる官制定員に比較すると、病院の職員の人員は、予算的にも非常に少なくなつておるような次第であります。このような関係もありまして、同時に又病院、療養所の特殊性からいたしまして、いわゆる超過勤務は相当長時間に上つておるのであります。一方請願の内容にもございましたように、政府の方針としては予算の関係上、超過勤務を一律に一ケ月十時間に制限をするというような措赤に出でざるを得ませんでしたので、政府は病院の運営にも非常な支障を來たしておるような実情でございます。併しながら病人を扱つておる関係上、十時間では到底措置ができませんので、それ以上の超過勤務をいたしておる実情であります。厚生省におきましては、その辺の事情を財務当局とも折衝をいたしまして、最近大体実働に基きます超過勤務手当の支給をし得る見込が立ちまして、取敢えず既定経費で繰替拂をするということにいたしまして、年然に本年四月から八月までの実働による超過勤務手当、及び九月乃至十一月につきましては、まだ超過勤務の実績が纏まつておりませんので、月割六時間程度の概算拂をいたすように措置をいたした次第であります。この概算拂をした分については、病院の実績を見て清算をいたす予定になつておる次第であります。大体請願の内容にありました問題につきまして、私の承知しておるものは以上の通りであるます。
#6
○中平常太郎君 癩とか肺とかの病院、療養所についてはどうも実際において欠員がいるのでありますが、待遇をよくして欠員を補充するということももとよりでありますが、成行きに委せて置きましたならば、現在の待遇のままでは欠員がどうも補充されないと思うのであります。欠員を政府においてはどうして補充されますか、待遇問題と睨み合せて人員を穫得して、そこに廻すような積極的な御運動はなさらないのか、それで実際欠員になつておつて、機能が十分働けないことになつておりますから、ただ待遇だけよくしただけでは、人が得られないというような状態であると思うのでありますが、待遇もずつとよくしてやらないと、とにかく常識的に考える程度の待週では行き手がないということになると思いますが、政府においては補充する途を能動的にやつておられるかどうか、つまり人間を物色して、そこに入れるような努力を何かなさつておられるかどうか、これをお尋ねします。
#7
○政府委員(久下勝次君) 御質問の点は、私共全然同感でありまして、單に待遇のみを改善することによつて、優秀な人間を集めることはできないと思つておるのであります。併しながら同時の又待遇を改善するということは、一つの根本的に措置であつて、その方面の努力をしておることを申上げたのであります。その他の面につきましては、先ず第一に例えば医師につきましては病院、療養所に働いております間に、十分学問上の研究ができるというようなことが、よい医者に集まつて頂く一つの目標になるようであります。さような点についても、予算的に研究費の増額等の措置を講じまして、実員を或る程度はやつておるのでありますが、尚一層充実を図るような措置を講じつつあるのであります。同時に又結核療養所などにおいてはお話の通り、多くのものが僻遠の地にあり関係上、住宅問題についての考慮も必要であると思つております。一部の結核療養所には、官舍のごときものもあるのであるますけれども、多くのものにはまだ官舍の設備もございませんので、今日の実情から申しますと、住宅がないということが、よい医者、よい技術者、よい人を集めますのに、医者のみならず、その他の職員を集める上に非常な障害になつておるのであります。この点につきましては來年度の公共事業費に若干でもこれを盛つて頂くように、官舍の設置等を考えたいと思つておるのであります。その外病院の福利施設等の面についても、もとより考える必要があろうと思います。主な点はそういう点でありますが、その他考え得ますあらゆる方面につきまして措置をいたしたいと、こういう計画をしつつあるのであります。
 尚看護婦のことは今御指摘の、結核療養所については大きな問題であります。從來とも療養所の看護婦につきましては、病院それ自身において看護婦を養成いたしまして、そうして前は義務制などにいたしました。引續き何年か勤務して貰えるようにしたのでありますが、新らしい憲法の精神に則りまして、古い制度は止めたのでありますが、併しそういう施設で教育いたしますと、そこに何人かは留まつて働いて貰えますので、今後とも結核療養所において看護塩の教育を、できるだけ續けて行きたいという、そういう面への念願を持つておるのであります。ただこれについても問題があるのでありまして、結核療養所にようなところで、看護婦の養成をすることは適当でないというような看護婦制度の建前からの意見も相当ございまして、將來の問題としては私共も非常に心配をいたしております点であります。差当りは現行の制度をここ一二年、少なくとも二三年は續けて、療養所において看護婦の養成をして、そうして留まつて働いて頂くような方法を講じたいという措置を現に図りつつあるのでございますし、ここ二、三年續けて参りたいというように考えております。
#8
○中平常太郎君 私のお尋ねした重点に一部触れておられますが、一部触れておられないのでありますが、触れておられる分はよろしいのでございますが、触れておらない点はどうかというと、人物を実際において補充するために、その人物をそこに入れるような補充の途を採つたら宜かろう。例えば医師会に相談をしてどこそこに何名足らん、どこにどういう必要がある、医者が要る、或いはどこそこに看護婦が足らんから、全國の協会なり、或いは組合の方に話し込んで、何人廻すような運動に助力を乞う、どの程度のものが足らないから、どこそこに廻すような、あなた方でその人物はないかとか、或いはそういう生きた人間の補充のために、種々な機関を利用して、人員の補充の方面に努力をなさつておるかということをお尋ねしておるのであります。その点を一つ……。
#9
○政府委員(久下勝次君) お尋ねの点につきましては、必ずしも徹底した方法を採つておるとは申せませんけれども、大学その他の医師機関に連絡をいたしまして、医師につきましてはそういう方面に連絡をいたしまして、そこから若い優秀な人を廻して頂くように、それぞれの施設におきましてもよりの医師機関と連係をしてお願いをしてやつておる実情でございます。只今のところは中央におきまして、全体の職員を選ぶというような措置が各方面に関係もありまして採られておりませんのですが、尚この点につきましては、厚生省といたしましてもお話のように、各方面に呼掛ける必要があるとは思つております。大体におきましては医師機関に呼掛けて、そこから優秀な人を廻して貰らうということが、医師につきましては根本的問題だと思つております。
 又看護婦につきましては、これは各方面に募集廣告等をやつてやる程度でございます。どうも具体的に呼掛ける対象もございませんので、そうした一般的な措置によりまして、充員の措置を採りつつあるのであります。ております。
#10
○中平常太郎君 連續質問ですが、看護婦などは絶対に癩療養所、結核療養所等は嫌つて補充ができにくいのでありますが、ここに井上委員もおられますが、看護婦に團体で厚生省とタイアップして何名どこそこの啓院が足らないから補充ができないかとか、或いはそういうふうに組合に厚生省と連絡して、補充をするための努力を拂つたというようなことはないのですか、できないのですか。その点を井上委員にお伺いいたします。
#11
○井上なつゑ君 協会としましても、看護婦の就職斡旋はいたしております。就職斡旋はいたしておりますけれども、大々的に就職斡旋をしますということは、いろいろな方面に影響がございますので、個人々々に就職斡旋は今までやつております。大々的にこれから若しできるならば、厚生省とタイアップしてやれば非常にやりがたいと思います。但しこのところは若し私達が就職斡旋をさして頂くようないろいろの方面の運動をいたしますについては、一つお願いがあるのでございますが、看護婦のお願いといたしましては、結核療養所なり、癩療養所に勤務いたしましても、若し病氣になりましたときは、公務員の手当でございますか、この頃結核でございますと二年休めるのでございますが、二年になりましたらそれつきりでございますので、看護婦療養所というようなものは、看護婦の間にはございませんので、病氣になりましたときにはその病氣の保護をお國でして頂くようになりましたならば、私は看護婦の斡旋をいたしますでございますから、その点はよろしく皆さまで御協議頂きとうございます。併しこの機関がございません。看護婦が病氣になりましても、二年間か三年間したら親元へ帰つて行けと言うが、親元はこんなものは受けていられないということでございますから、何とかして安心して勤務できる療養所なり、保養所なりを作つて頂きたいということをお願いして置きます。
#12
○中平常太郎君 井上委員の御説明ですが、それは共済組合等がありまして、今のところ現業なり、非現業なり、それぞれの組合がありまして、相当不時の場合における援助の途があるわけでございますが、ともかく私がここに心配するのは、実際不足しておるに拘わらず、何年もそのままになつておることは事実でありますから、何かの手を以て不足しておる病院に対しましては特に厚生省が人員の斡旋を、どんどん労働省とも御相談になつたりして、とにかく実際の実人員を殖すようなことを一つ徹底的にやはりお世話なさるということも、私は実は必要があると思うのです。ただに待遇の改善だけでは人は集まるまいと思うのですから、やはりそういうふうに足りないところは足るように特別な方法を講じて頂かなければ、いつまで経つても欠員は欠員のままではいけないと思いますね。
#13
○小杉イ子君 私はこういう場合があると思いますのです。派遣看護婦会というものがございまして、よく結核療養所の派遣をいたします。そうすると看護婦を非常に病院で要望される場合がございます。それが選拔されて、引拔かれることがございます。そういう方法もございますのですから、それなども、まあ看護婦会は大目に見て、病院に要望されるがままにやるということはいいことであると、こう思つております。
#14
○姫井伊介君 職員に欠員があることは事実でありましようが、その補充につきまして、先程の政府のお話によりますと、官制定員による予算が取れない、実務人員によつて予算が計上されておる。そういうことになりますといつまで経つても補充のときがなくなつて來る。官制定員というのには相当の余裕は見て置くのか。それとも実際必要な人員だけが官制定員となつておるのか。若しそうだとするならばそれに対するだけの予算を取つて、それに対するだけの補充を積極的にやつて行かなければならない。來年度の予算も迫つておるのでありますが、その辺に対して政府ではどういう方針をお採りになるのか、承わりたいと思います。
#15
○政府委員(久下勝次君) 先程井上委員からもお話がございましたその点につきましては、実情は各医師機関に呼掛けましても、結核療養所には官舍がないとか、或いは待遇が惡いとかいうことで、若しその辺を改善すれば相当來る見込があるという実情でございます。從つてその方面にも、そういう今申上げた待遇改善とか、その他の條件がよくなれば相当の人が來られるという見込はあるつもりでございます。
 それから姫井さんのお話でございましたが、事実先程申上げた通りに、今年度の予算といたしましては、昨年十一月現在の実員でやつてくれ、これは行政整理の関係がございますので、さような処置が採られたのでありますが、併しながらそのときの約束といたしましても、患者が殖えれば、当然それに必要な医者は予算上、追加予算等で増加するからという約束でやつているのであります。從つて仕事の運営上には差支えがない建前になつておるのであります。併しそういうことは、追加予算と申しましても、そう急に間に合うことでもありませんので、予算上決つた收容定員に対して必要な予算を組んでおいて頂くということが是非必要なことでありますから、來年度予算におきましては、從來の官制定員を復活するばかりでなしに、もう少し合理的に個々の診療部門につきましても、その定員を定め、そしてそれを認めて頂くように今要求書を出しておるところでございます。
#16
○小杉イ子君 ちよつと政府にお伺いしますが、結核療養所あたりでは主に看護婦を御使用になつておるのでございましようか、保健婦を御使用なさつておるのでございましようか。先頃から聞きますと、看護婦の手当は大変惡いように聞いておりましたけれども、厚生省関係等で聞くと、そう惡いような待遇でもないように聞いていますが、どのくらいの程度でしようか、普通の職業といつた点からそれをお尋ねします。
#17
○政府委員(久下勝次君) 結核療養所におきましては、看護婦を使つておりまして、保健婦は殆んど使つておりません。看護婦の給與につきましては、確かに從來は必らずしもよいとは申せません。この点については、病院、療養所における看護婦の重要性に鑑みまして、特別な努力をいたしたのでございますが、只今初任給が、高等小学校を出まして二年間の教育を受けました、いわゆる今日の乙種看護婦と俗に言つております、初任給が本俸だけですが、二千二百十円ということになつております。で勿論女学校を出て看護婦になつた人というものは、それに應じまして待遇をよくするように措置いたしておるのでありまして、この結果はもう低いものではないと思つております。先日も一部の例ではございますが、別の大都市から二人程一緒に参りまして、私共の方の看護婦の待遇を聞きまして、これは自分の方よりも非常によろしいということを申しておりました実例もございました。全般的に精密に比較して見たわけではございませんが、他の公立病院等と比較いたしまして、そう低いものではないと思つておるのであります。
#18
○小杉イ子君 尚すべての職務者は居残りとか、追加とかいうものの手当などがございますが、看護婦の場合はとてもそう規則正しく勤められんところがございます。急患の場合が出て参りまして、そういうときの手当はどういうふうに考えられてございますか。
#19
○政府委員(久下勝次君) 看護婦の生理休暇等の場合のお話ではないかと思うのでございますが、そういう場合には、休暇を與えることになつております。その場合の休暇とは、俸給を拂いまして、休ませるということでありまして、特別の事情があります者には、さような措置もいたすことになつております。それから先程井上さんでしたか、お話がございましたが、公務罹病の場合でございます。例えば結核療養所に働いています看護婦が患者の附添をしておりますために、不幸にして結核に罹つたというような場合におきましては、只今國立療養所におきましては、その治療費は治るまで無料で治療して上げるという措置を講じております。
#20
○小杉イ子君 私は時間外の勤務の手当を伺つたんでございますが、それなどで少し余計あるような計算を聞いたんでございますが……。
 それから法定傳染病の場合は、これは渉外看護婦をいうのでございますけれども、傳染病の看護婦と普通病院の看護婦と手当がどのくらい差があるのでございましようか。
#21
○政府委員(久下勝次君) 時間外の勤務につきましては、先程請願のときに申上げました通りに、実働によりまして超過勤務手当を差上げることにしております。それから傳染病等の特殊なものに勤務いたしました場合には、これは先程申上げましたのは、特殊勤務加俸ということを申上げましたが、別にその者は、特殊勤務手当制を作りまして、從來のよりも若干よくいたしまして支給することにいたしております。
#22
○井上なつゑ君 これはいろいろ問題になりますことでございますけれども、看護婦がつくのにはやはり必要なことは食の問題でございますけれども、この間もちよつと伺つたんでございますけれども、國立病院、療養所の深夜の時の加配米でございますが、七十グラム加配米を貰えるということでございますが、あの加配米の使い工合と申しましようか、加配米を頂いておりましても、それが本当に当直しておる時に頂きませんで、一ケ月後とか二ケ月後に頂くらしいのでございまして、そうしますと当直の所に行つて、夜中に当直いたしておりましても、自分でお金を持つて行つて、米でも買うとか、外のものでも買つてお夜食に食べるということになりまして、実際に俸給を沢山頂くようでございますが、俸給は沢山頂いても、看護婦は食いしんぼうで食べものばかり買つておるという話を聞くのでございますが、給局これは病院の施設が惡いといいましようか、病院のこうした運営がよろしくないと申しましようか、そういうことを聞くのでございます。深夜の夜勤をいたしておりまして、お腹が空いたんでは絶対に寢られるわけではございませんので、やはり自分でお小遣いを使つて、買つて食べて行かなくちやならないのでございますが、七十グラムの米をお取りになつて、看護婦に手渡しなさることは、どういうように國立病院、療養所でなさつておりますか、お伺いしたいのであります。
#23
○政府委員(久下勝次君) 大変具体的な話でございまして、実は加配米を本人にどういうふうに渡しておるかということにつきましては、あまり正確に私共調査をいたしておりませんので、お答えをいたし兼ねるのでございますが、深夜勤務につきましては加配米があり、その他の超過勤務手当等もございます。これらをもう少し合理的にやらなければならないということにつきましては、私共全然同感でございますので、御趣旨に副いまして、今後注意をいたして参りたいと存じます。
#24
○草葉隆圓君 現在の國立病院、療養所に從事しておられます医師、看護婦等の中で定員よりも欠員が多くて、定員が少いというような結果を來して、國立病院では欠員が二一%としてあります。國立療養所では欠員が六二%、こういう数字になつて、欠員の方が多いことに表には現れておりますが、ことに看護婦の欠員が相当多い。で、看護婦の欠員の多いのは、いろいろ先程來お話がありましたが、外に、各看護婦を雇員、傭員というものから外して、普通の政府職員としての取扱でできるような法的改正はできませんか。つまり恩給制度をこれに加えるというような方法はできませんか、そういうふうな制度の改正によつて、身分保障をし、いろいろと災害、障碍の保障等もつけ加えて來るということによつての待遇改善という途が一つ開かれて來ないかということですが、この点について如何ですか。
#25
○政府委員(久下勝次君) 病院、療養所の職員の欠員の率は、その職種によつて違いはございまするが、多いのは六〇何パーセントということに考えておらないのであります。私共の調査によりますると、最近欠員の多い結核療養所の看護婦にいたしましても、四〇%ぐらいの欠員と承知しておるのでありますが、いずれにいたしましても、そういう大幅な欠員のありますことは、確かに施設の運営上、すべての点に支障の多いことでございます。先程からもお話のように、その点につきましてはいろいろと努力いたしておるのでございます、尚これに関連しまして恩給制度でも作つたらというお話でございますが、現在一般恩給制度が看護婦全員には及んでおりません。今急に私からその問題につきまして見透しをお答え申すわけに参らないのであります。至急研究をさして頂きたいと思います。
#26
○草葉隆圓君 それからさつき今度の待遇改善でいろいろな処置をお取りになつた御説明を承わりましたが、あれを一つ表かなんかで、他日で結構ですがお配り願いたいと思います。
#27
○委員長(塚本重藏君) この辺にいたして置きます。
#28
○井上なつゑ君 これは國立病院、國立療養所の前からの問題でございますけれども、雜役をいたします雜役婦と申しましようか、それはどの程度まで現在入つておりましようか、実は雜役婦を入れましたら政府の方の予算に影響するというような……。家族がありますので、家族手当が非常に沢山に要る、若い看護婦でございますと、單身で、手当も安いから、看護婦を使つた方がいいということで、看護婦と雜役婦との区別をつけて頂くことが困難でありますが、これを一つ区別をつけて頂いて、看護ということを專門的にするようになりましたら、看護婦の病院、療養所に対する興味ももつと出てくるのだろうと思いますが、現在どの程度雜役婦をお入れ頂いておるか、その状況を伺いたいと思います。
#29
○政府委員(久下勝次君) 雜役婦の定員及び実員についての数字のお尋ねでございますが、大変申訳ございませんが、ちよつと手許に持ちませんですから、後程先程の資料と一緒にお届け申上げることにいたしたいと思います。方針といたしまして看護婦がいろいろの努力をしているにも拘わらず、十分充員されておりません、その欠員に対しましては雜役婦を以て補つて、そうして看護婦の看護能率を上げて行くようにというお話の趣旨に副つて処置いたしつつある次第であります。
#30
○小杉イ子君 看護婦に恩給を付けるということは、誠に看護婦の見識の上ることで結構でございまして、昔の話ですけれども、私一人だけは神戸でそういう待遇を受けていたことがございますけれども、どうも看護婦というものは移動の激しいものでございまして、どうしても結婚というようなことや何からさまざまの事情で、恩給までいないで結婚してしまうのが多いのでございます。その時機を待たないで、どの場合でもそうでございますが、特にこの看護婦はこれがございます。それから助けて頂くというわけじやありませんけれども、立派な資格を持つて長く婦長とかなんとかいうようなことになりまして決心のある方にでしたらばそちらでも目当てがございますけれども、時機の短いのが残念なことだと思います。折角の恩給を振り捨てて行く場合が多いと思います。そこも考えて頂きたいと思います。
#31
○委員長(塚本重藏君) 外に御発言ありませんか。
 御発言もないようでございますれば、質疑應答はこの程度で止めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(塚本重藏君) この請願の取扱いについてお諮りいたします。
#33
○中平常太郎君 この請願は確かに國立病院、並びに療養所などに対する要望が、やはり相当この眞髄に触れておることと思いますので、相当厚生省でも努力しておられまするけれどもが、実際において欠員が大分あり、機能を発揮していないという実情から申しまして、やはりできるだけ待遇或いは施設などの改善をして、十分欠員のなからしめるようにするという必要上、やはりこれは採択して、内閣に送付すべきものと私は思うのでありますが、一つそういうようにしていただきたいと思うのであります。
#34
○委員長(塚本重藏君) 今中平委員の御発言の如く院議に付して採択して内閣に送付するということに御異談ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。さように決定いたしました。
 次に陳情第三十号、屋外自由労働者の社会保障に関する陳情を議題に供します。專門員より説明を願います。
#36
○專門員(木村盛君) 本陳情は東京都伊藤清外六名からの陳情でありますが、これはいずれもそれぞれの労働組合の代表ということになつております。陳情の趣旨は、從來屋外自由労働者、いわゆる日傭労働者の人々に対しては、何ら社会的な保障制度が適用されておらない。ところが他の一般産業の労働者については言うまでもなく失業保險、厚生年金、健康保險等いろいろの制度によつて保障の途が講ぜられております。最近仄聞するのに政府においても、一般屋外労働者にも適用するような社会保障の途を漸次講ぜられているやに聞くのであります。ついてはさような立案企画等については、從來の例ではと角雇傭主資本家團体の立案をそのまま採り入れられる結果一般労務者にとつては非常に不利益に陷つていることは、特に、我々というのは屋外労働者でありますが、屋外労働者の要望するところの社会保障の將來への内容は一方的な大衆負担による方法ではなくて、でき得るだけ國庫負担並びに使用者全額負担のものとして、立案企画されるように望む。こういつたような趣旨が書かれてありまして、ここにその要請の内容が凡そ五点挙げてあります。これは健康保險ばかりではございません。失業保險その他に関する問題が大分ありますが、一應申上げます。
 第一は現行一般職種別の平均賃金これはPW法律第百七十一号によつて制定されている平均賃金、これは餓死賃金であるから、その実情を認識の上即時値上の方法を取つて貰いたい。第二の問題は六点ございます。一つは失業保險手当は識種別、年齢別、稼働日数の枠を拵えないで、不就労の日には最低生活を保障し得るところの賃金額の一〇〇%を支給して貰いたい。第二の問題は不就労即ちその日の失業状況の認定は職業安定所のみではなくて、民主的且つ自主的に組織さるるところの労働組合の認定によつてこれを定むるようにして貰いたい。第三点は失業保險手当を下廻るような賃金を支給するところの就労場への就労斡旋を個人が拒否することの自由権を認めて貰いたい。第四点は失業保險印紙の就労手帳へ貼付することを拒否するような使用者に対する嚴重なる処罰を規定して貰いたい。第五点が失業保險、健康保險両方の日傭及び屋外労働者に対する適用の立法は、成案前に公聴会等を開いて民主團体の意見を採り入れて貰いたい。第六点は保險委員会にも日傭労働者の組合関係の代表者を加えて貰いたい。
 その次が轉落者に生業資金を交付するように図られたい。戰争及び政治の失敗によるところの経済破綻が原因して、目下自由労働者に轉落しておるところの幾多の人々があるが、これらの人々に、それぞれの生活復興のための更生資金を與えて、正業に立返るような方法を講じて貰いたい。
 その次が、労務加配米については、日傭労働者、屋外労働者に対しては、少くとも鉱山労働者と同樣な取扱によつて労務加配米をやつて貰いたい。
 その次が、日傭労働者、屋外労働者に対する労務加配米の取扱は、職業安定所登録の労働者と限定しないで、從來通り、労働組合によつて取扱われておるところの管理を継續してこれを認めて、その基本量を一〇〇%支給されたい。
 最後に、土建及び一般自由労働者に対する事業税の賦課を撤廃して貰いたい。これは事業税の賦課をいろいろやつておるのであるが、土建及び自由労働者の身分に関する証明は、労働組合の証明書を以てこれを認めるような方法によつて、かような事業税の賦課の撤廃をして貰いたい。かような一連の陳情の内容を添えて來ております。以上でございます。
#37
○委員長(塚本重藏君) この陳情に対しまして、労働者労働基準局の労災保障課長池邊道隆君が、政府委員でありませんが出ておられます。発言を許すことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○説明員(池邊道隆君) 私は労働省労働基準局の労災保障課長の池邊でございますが、只今の陳情の内容をお聞きいたしますと、失業保險関係、或いは職安関係につきましての内容が主に盛られておりまして、むしろ私自身からそれに対して、お答え申上げることは適当でないと考えますので、ただ今日この委員会に私が参りましたのは、実は屋外労働者に対する保險制度というものが現在貧弱であつて、將來社会保障ができるような場合については、事業主の全額負担になるところの保障制度を確立して貰いたい、こういうような陳情の内容かと、こういうようなことを伺つて参つたのであります。從いまして、前段につきましての、現在屋外労働者がどういうような保險制度を受けておるかということについて、御参考までにお話を申上げたいと思います。
 あの陳情の内容にありましたごとく、屋外労働者につきましては、現在失業保險も健康保險も適用されておりませんで、ただ労働基準法の災害保障の裏打ちをするという面におきまする労働者災害保障法のみが現在適用されておるのであります。そうしまして、屋外労働者が業務上疾病した場合については、基準法では使用者がこれに対して災害保障をしなくちやいけない、その保障の代行を労働者災害保障法によつてやつておりまして、他の屋外労働者の使用者関係につきましては、他の保險制度が伸びていないというのが現状でございます。從いまして、奨來この社会保障法が立案される曉になりましては、この問題につきましてどう考えるかということは、これは厚生当局が今後考えるべき問題でありまして、その際我々関係者といたしましては、これについていろいろの面から相談をしなくちやならんと、かように今考えております。
 私のお答え申上げますのはその点でありまして、只今お聞かせ願いました陳情の内容に副わない点がありまするが、惡しからず御了承願いたいと思います。
#39
○委員長(塚本重藏君) 保險局長から何かございますか。
#40
○政府委員(宮崎太一君) 只今の陳情の内容は、大体失業保險に関すまことが多いのでありますが、今失業保險委員会におきまして、日傭労務者の失業保險等について研究をいたしておるようでございます。私どもの健康保險におきましては、まだその運びに至つておりませんが、社会保障制度の審議会におきまして、これらの点につきまして包括して研究がなされるものと存ずるのでございまして、その際におきまして、社会保障制度に盛るべき内容の一つとして十分に研究いたして見たいと存ずるのでございます。
#41
○委員長(塚本重藏君) 外に御質問の方ございますか。
#42
○中平常太郎君 私議事の進行についてでありまするが、健康保險の方の率、報酬月額の改正、追加とか、或いは又社会保障の問題なんかは、今日重要な問題があるのですね、それはどうなさるおつもりですか。今の陳情を論議しておつては何もできんと思いますが、それはどうなさるのでありますか。
#43
○委員長(塚本重藏君) それは皆さんと後にお諮りしたいと思つております。この陳情について、先に御質問ありませんか。
 中平常太郎君 近く社会保障問題で、全体的に資料になる程度のものでありまして、今これを採択して内閣に送付することもあるまいかと思うのですが、我々これから採択しましても、内閣に送付するに及ばないと思うのですが、その点どうでしよう。
#44
○委員長(塚本重藏君) 皆さんの御意見如何ですか。
#45
○中平常太郎君 つまり社会保障制度の審議に入ることになつておりますから……。
#46
○委員長(塚本重藏君) 問題としては、社会保障制度ができるまで、現在すぐに何か考えて処置しなければならんようなことも含まれておるように思われるのですが、加配米の問題であるとか、不就労日に対する手当の支給だとかいうような問題。
#47
○草葉隆圓君 屋外自由労働の問題は、殆ど從來、或いは團結権の問題もないし、大変遅れて、逆境にある。そのためにこういうものが初めて陳情に出て來た。そういう意味から申すと、國会はこれを相当重要視すべきものである。ですから、私はできるだけこれは採用して政府に送付すべきものとして、社会保障といつてもまだ数年かかるから、その間に適宜なすべきものは手を打つということが妥当ではないかと思うのですが、これは各委員の御意見を一つ御取纏め頂きたいと思います。
#48
○姫井伊介君 これは相当の項目に亘つて、緻密に研究しなければならない事項が非常に多いのでありまして、中には実行不可能なようなこともないでもないと思うのです。從つて、これは直ちに政府に送付いたしましても、政府でも殆ど手を着けられないのではないかと思う。先のお話がありまして、將來の問題もありましようし、又差当り何とかしなければならないようなこともありましようが、今申しましたように、そう短時間では研究ができないと思いますから、一應保留して頂いて、次の機会に、よし陳情はなくしても、その問題につきましてお互が研究すると、こういうふうにしたらでうかと思います。
#49
○委員長(塚本重藏君) 外に御意見ありませんか。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて……。この陳情は姫井委員の御説め如く採択しないで留保することに御異議ござませんか。
   〔「異議なし」と呼び者あり〕
#51
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めてさように決定いたします。それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時二十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   厚生事務官
   (保險局長)  宮崎 太一君
   厚生事務官
   (医務局次長) 久下 勝次君
   常任委員会專門
   員       木村  盛君
           草間 弘司君
  説明員
   労働事務官
   (労働基準局労
   災保障課長)  池邊 道隆君
ソース: 国立国会図書館
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