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1948/12/08 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 予算委員会 第3号
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1948/12/08 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 予算委員会 第3号

#1
第004回国会 予算委員会 第3号
昭和二十三年十二月八日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年一般会計予算補正(第
 二号)(内閣送付)
○昭和二十三年度特別会計予算補正
 (特第二号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時二十七分開会
#2
○委員長(黒川武雄君) これより委員会を開会いたします。只今厚生大臣がお見えになつておりますから、厚生大臣に対する質疑を始めたいと思います。
#3
○山下義信君 私は総理の出席を要求いたしたのでございますが、お差支で御出席がございません。林厚生大臣には副総理という立場に対しまして、政府の御所見を伺いたいことがございます。それは本予算委員会の審議をいたして参りまする上に重大な関係がございますので、この際政府の御所見を承つて置きたいと存ずるのでございます。簡單に申上げますが、申すまでもなく時局は衆議院の解散如何という一点にかかつておるのでございまして、この解散は、承わりますところによりますと、否、総理の本院におきまする施政方針の中にもお述べになつてありまするように、四党協定によりまして衆議院において予算が成立いたしましたる後、而もそれは十二日までに予算を成立せしめ、然る後に不信任案を上程いたしまして、この不信任案の上程の期日は朝野両党がお話合いということに承つておりまするが、ともかくも予算を十二日までに成立せしめたる後ということに相成つておるやに存じております。然るにこの予算を成立せしめるにつきましては、申すまでもなく衆議院のみの議決におきましては、予算は成立をいたさないのでございまして、参議院の議決を経ましたる後に初めて衆議院の予算優先権に基きまするか、或いは両院の協議が成立いたしまするか、憲法の定めるところによつてここに初めて予算が成立することは、申すまでもないことでございます。然れば本院の審議が憲法の上で許されてありまする期日内に審議未了いたしません限りにおきましては、当院の審議、議決がない限りにおきましては、一方的に予算の成立は不可能であるかのごとく、本員は承知いたしております。然るに今日の実情を見まするというと、予算の審議状況から見ましても、本院の審議は尚その緒についたばかりでございまして、到底向う二、三日を以ちましてその審議が終るような見込のないような現状であります。かたがた当院の審議、議決が終了しない限りは、予算の成立は見ることがむずかしいもののように考えております。然れば四党協定のみによりまして解散の日取りが決められまするということは、本院の存在を無視せられてあるところの四党協定ではないかと存ずるのでございます。この点につきまして、本院の審議に関する限り、政府は如何なる考えをお持ちになつておられまするか、又予算審議の促進の上に何らかお考えがありまするか、この際政府の所見を承わりたいと存ずるのであります。
#4
○國務大臣(林讓治君) 只今山下議員の御説の通りに、参議院も通過をいたしませんでしたらば、予算の通過をいたさないということはもとよりのことであります。政府におきましては、かねて四党の協定に基きまして衆議院の方も、成るべく早く通過して頂きますように、努力をいたしておるわけでありまするから、從つて協定の十二日までに対しましては、皆さんの御審議を得るのに十分とは申されませんかも知れませんが、成るべく多くの時間ができますように目下努力をいたしておるわけであります。從いまして四党の協定は私共から考えますと、党との協定でありまして、衆議院であるとか或いは参議院であるとかいうような見地よりいたしましたものではないのではなかろうかと、私共はそう考えておりますので、できるだけ早くこちらの方に予算が廻るようにいたしまして、皆さんの御審議を得るように取計らいたいと考えておる次第であります。
#5
○山下義信君 只今副総理は、四党協定は政党間の協定であつて何も國会と政府との間の協定ではない、かようにおつしやつたのでありまするが、成る程四党協定は政党間の申合せでありましようが、併しながらすでに総理が施政方針として参議院にこれをお述べになつた以上は、政府と國会との間の関係の問題でないとは、私は言えないと思うのであります。從いましてその方針で政府が進むと、かようにおつしやいまする以上はそのことを明白にいたしますることが、すべての議案の審議の上に絶対必要なる関係が生じて参るのでありまして、私共はたとえあなた方が政党の立場であろうと或いは政府の立場において四党協定を実行なさろうといたしましても、参議院の審議権を無視せられます以上は到底四党協定の実行はあのままでは不可能であると考えますが、政府はどうお考えになりますか。重ねてその点の御答弁を願いたいと思います。
#6
○國務大臣(林讓治君) 勿論参議院を決して無視いたすような考えは持つておりません。それで只今申上げましたのは、國会そのものの通過を考えておるのでありましては、参議院におきましては、十二分に御審議を得られる時間があるとは申せませんが、十二日までに上げ得られるような工合に目下努力をいたしまして、衆議院の方を早く通過したしまして、こちらの方に廻すように努力をいたしたいと考えております。尚勿論参議院との関係につきましては、只今申上げました通りでありまして、決して無視したり、或いは審議の時間を與えないとかいうような考えは毛頭持つておりません。さよう御了承願います。
#7
○山下義信君 十二日までに是非予算の審議を何とか片付けたいと政府が御希望になりますということになると、政府対國会との御交渉、特に参議院との御交渉があつて然るべきものであると考えるのでありますが、その点はどうお考えになりますか。何らか政府として参議院議長を通じて、予算審議の上に申入れをなさるお考えがありますかどうか。尚念のために伺つて置きますが、この追加予算の審議が何らかの事情によりまして、相当日数を要する事態になりました場合、即ち追加予算の成立が遅延いたしましたる場合に、緊急支出を要しまするこの公務員の給與を年内に是非支給してやりたいと存じます。これらの給與は予算が成立いたすのを待つ外ないと思いますが、年内に何らかの方法で、政府部内において、これが支給の便法をお取りになる途がありますかどうか、念のために伺つて置きたいと存じます。
#8
○國務大臣(林讓治君) 只今のところでは議長を通じまして参議院の方にお願いを申すというような計画は立つておりません。從いまして私の方では、只今申上げましたような工合に、成るべく審議の時間を多くするように努力いたしておるわけであります。それで若し審議が終らなかつたときは、何か処置でも取るのかというお話のようでありますが、只今のところではそういう考えはいたしておりません。ひたすら衆議院の方を早く通過を願いまして、そして参議院の方に廻したいと考えておるわけであります。
#9
○山下義信君 私は予算の決定を待たないで、何か他に給與の支拂ができる途を取るかと尋ねたとのではないのです。これは私の尋ね方が徹底していなかつたからかとも思うが、予算が若し万々一不成立に終つたら、別に何か政府の方で給與を支給する方法があるか、ないかということを聞いておるのでありますが、その点はどうですか。
#10
○國務大臣(林讓治君) 参議院の方におきまして緊急集会と申しますか、それによつてやり得られるということの方法があるということを伺つておりますが、只今のところではそれを利用と申しますか、それによつて行うなどということは只今のところにおきましては考えておらないわけであります。緊急集会であります。
#11
○山下義信君 私はそういう意味を伺つているのではないのでありまして、この予算の決定を待たなくても何らか繰上げ支給とか、その他政府部内の資金の融通の範囲内において、年内に職員に臨時とか、何らかの名目で給與を支給する途が大藏省……財政関係の技術的方法によつて取り得る途があるかないかということを御伺いしておるのであります。
#12
○政府委員(佐藤榮作君) 私から申上げます。給料の繰上げ支給というような点につきましては、これまで再三関係の筋と交渉いたしましたが、只今までのところその途が開かれておらないのであります。予算が通らないならば、結局政府といたしまして公務員に対する支拂いの権限が付與されないことになりますので、通らない曉におきましては、実は給與支給の方法がないということに考えざるを得ないのであります。勿論今まで支給しております給與そのものは在來の法規によりまして権限を持つておるのでありますが、今回皆様方の御審議を頂いておりますものは新給與であります。新給與は通らない限りにおきましては、政府として支給することができない、ということをこの機会にはつきり申上げて置きます。尚年末におきまして問題になつております税の年末調整という問題があるのでありまするが、これあたりも事務的にいろいろ研究いたしておりまするが、法規その他の建前上、なかなか容易なことではないようであります。公務員の現在の生活の窮迫につきましては、私共心から同情いたしておるのでありまして、何らかの措置を講じたい、かようには念願しておりますが、何を申しますにいたしましても、今までの定められております給與なりでは実はこの年越はなかなか困難と、かように考えまして追加予算の御審議をお願いしているような次第であります。どうかこの間の事情は皆様方の御了承を得たいと思います。
#13
○山下義信君 大分明瞭に相成りました。結局私共は只今政府のお考えになつておりまする態度即ちこの予算の審議を促進する上については何ら参議院に申入れるような考えを持つていない。四党協定のままで行くのだ、こういうお考えのように承知をいたしました。然らば参議院の予算審議権は御承知の通りでございまするので、衆議院の方で予算の審議が済みまして、参議院の方に送付せられました曉におきましては、当予算委員会、即ち当院の審議権の範囲内におきまして、これが審議をいたしまするのでありまして、その時日が何日要しまするかということにつきましては、我々十分独自の審議権を持ちまして、これを進めて行く、かような考えを持ておることを申上げまして、私の質疑を打切ります。
#14
○委員長(黒川武雄君) 山下委員に申上げます。厚生大臣に対する御質疑は続行されては如何でありますか。
#15
○山下義信君 いや、後にいたします。
#16
○委員長(黒川武雄君) それでは岡田委員。
#17
○岡田宗司君 林副総理にお伺いしたいと思います。第三國会における中心の問題は國家公務員法とその給與の問題であつたのでございます。その給與の問題につきましていろいろベースの問題が論議されたのでありまするが、人事委員会におきましては人事委員会独自の立場から六千三百七円のベースを発表されまして、これが至当であるという見解に基いてこれを公表されたのであります。然るに政府におきましては、この予算の提出の際におきましてのベースは五千三百三十円というふうになつているのであります。本國会に提出されましたこの予算を審議して参ります場合に、政府より配付せられました資料を見ましても、人事委員会の六千三百七円というものもそれぞれ相当な根拠を持つたものと私共は見ているのでございます。かように政府から出されましたところの賃金ベースが二つあるわけであります。その間に何ら調整がとれておらない。國会といたしましてこの問題を審議する上におきまして甚だ困惑をしているのであります。而も政府といたしましてもこの二つのものが出ております以上、それぞれの根拠を持つている筈であります。この二つのベースが対立したまま國会に出て参りましたということは私共甚だ懸念に堪えない点が多いのでありますが、何故にその二つのベースが対立したまま出たのか、内閣といたしましてそれの調整がつかなかつたその点につきましての内閣としてとられましたところのいろいろ御苦心もあつたろうと思うのでありますが、その経緯について先ずお伺いいたしたいと思います。
#18
○國務大臣(林讓治君) 給與のベースの問題でありますが、人事院の方の案といたしまして、御承知の通り六千三百七円というものが適当であろうと種種なる理由に甚きまして人事院の案が出参つたわけであります。給與の問題につきましては、尚大藏省におけるところの給與局というものも存在をいたしておりまして、大藏省には大藏省の案といたしましてできておつたわけであります。そこでいずれを採るかということの問題につきましては、お話の通り種々苦心をいたしたわけでありまするけれども、政府案といたしましては、今日の場合民間の賃金水準であるとか、或いは國民の消費水準並びに國民負担などの見地から考えまして、今日におきましては從來の大藏省の給與局において考えましたところの案、從つて只今申上げましたような種々なる点を考慮いたしました結果、今日出しておりまするところの政府案というものを提出をいたしたようなわけであります。もとより人事院からの案というものにつきましても相当の理由がありまして、我々も檢討いたしたのでありまするけれども、又昨今の官公職員などの生活の問題につきましても誠に御同情に堪えない点が多くあるとは考えますけれども、又財政上の一面を考慮いたしまして、遺憾ながら今は政府案のように五千三百三十円のところでなければならないようになつたという結果になつたのであります。それで今度は政府案といたしまして今日出しました案によつて御審議を願つているような次第であります。
#19
○政府委員(佐藤榮作君) 只今の副総理のお話に少し私からも補足してお答えをいたしたいと思います。御承知のように人事院が政府に対しまして給與についての勧告をする権能を持つているわけであります。同時にその案は公開をいたしまして皆様方の御批判を頂くということに相成つているのであります。政府は先に人事院から給與についての勧告案を貰いまして、その勧告案を愼重審議いたした次第であります。その際に只今林副総理からお話申上げましたような観点に立ちまして、政府がこの案を実は審議いたしたわけであります。重ねて申上げますが、一般民間の給與水準との関係から、或いは物價その他の経済政策、或いは國の財政状態等から勘案いたしまして、適正なる給與を定めることに相成つたのであります。政府が最終的に決定いたしましたものは、只今國会に上程いたしておりますところの五千三百円の案に相成つた次第であります。人事院の六千三百円の政府に対する勧告案は、同時に又國会に対しましても、要求があればこれを國会に提出するということに相成つております。只今のところ國会の方からの要求もありましたし、又政府自身も人事院の案を國会に提案いたしまして、提案と申しますか、送付いたしまして、そうして皆様方の御批判を受けることが実は望ましいのではないか、かように考えました次第で、政府案というものに対する参考資料といたしまして、政府からも國会に送付いたしたような次第であります。形の上におきまして二つの案が如何にも対立しておるかのような観を呈しておりまするが、政府案が骨子でありますし、政府から考えましたときの人事院の案は、國会に対する参考資料である。又人事院が國会に提案いたしておりますものは、人事院の本來の権限に基きまして皆樣方の御批判を頂く、かような関係になつておるのであります。この機会に重ねて附加して御説明申上げます。
#20
○岡田宗司君 人事委員会におきまして、六千三百七円が発表されました経緯は、いろいろ私共他から伺つてはおるのでありまするけれども、何故に政府との間に密接な連関なくしてあれが発表されたか、その経緯についてお伺いしたいこと。
 それからもう一つは人事院の六千三百七円案が政府に対する人事院の勧告である、こういう場合におきまして政府は五千三百三十円で決定されたわけでありますが、その人事院の勧告を政府は拒否された、こう解釈してよろしいものかどうか、その点についてお伺いいたします。
#21
○政府委員(佐藤榮作君) 人事院の案が政府に勧告されましたときに、これが発表になりました事柄は、当時の新聞に大略の模樣は報道いたしたように私存じておるのであります。御承知のように人事院の性格から考えまして、実はなかなか事前に政府と連繋のとれる機関ではないのであります。人事院はどこまでもその独自の立場におきまして、給與ベースにつきましてもいろいろな研究を進め、そうしてその成案を得ました上でこれを政府に勧告し、然る後にこれを発表する、かようなことに相成つておるのであります。ただ政府はこの人事院の案につきましても、これは勧告案でありますので、又十分その人事院の権威というものにつきましても尊重はいたす次第であります。又公務員の現在の生活の状況につきましても、私共も理解は持つておるつもりであるのであります。併しながらただ單に公務員だけを引抜きまして給與を決めるわけには実は参らないのであります。國家的な観点に立ちましてこの給與を決定せざるを得ないというところで、政府の五千三百円案というものができ上つたわけであります。從いまして政府が五千三百円案を採用いたします以上、人事院の案は一應の勧告に止まり、政府といたしましてはこれを採用することができなかつたという結果に相成つておるのであります。ただこの機会に申上げ得ることは、人事院がこの十一月から給與を改訂すべし、かような観点で給與新ベースを採用いたしておるわけであります。我々といたしましてもこの時期的な観点は勿論首肯し得るものだ、かように考えまして、十一月から新給與を実施する、ただ金額におきまして、又これを支給いたすにつきましてのいろいろの基礎條件等につきましては、不幸にいたしまして人事院と所見を異にいたしておるという次第なのであります。
#22
○岡田宗司君 只今の佐藤官房長官のお話を伺いますと、言葉はともかくといたしまして、人事院の勧告案を政府は拒否せられたものと解釈せざるを得ないのであります。かようなことになつて参りますことは、これは恐らく人事院対政府との関係における一つの先例が作られたものと考えざるを得ないのでございますが、若しかようなことが、今度の給與問題等につきまして非常に問題が重要でございますが、そういうような場合におきまして、或いは人事院総裁の責任問題にまで発展するとも考えられるのであります。これは人事院総裁の意見も聞いて見なければ分らんと思うのでありますが、そういう点についての政府の見解を承わりたいと思います。
#23
○政府委員(佐藤榮作君) 人事院の答申案が政府で採用されなかつた、かような場合に人事院総裁の責任問題というものが起るというお話が只今出たようでありますが、政府自体で考えますれば、人事院は立派にその職能を今日まで果しておる、かように実は考えておる次第であります。いずれは國会等で御批判を頂くことは別でありますけれども、只今直ちに人事院総裁の責任問題が起る、かようには私共は考えておらないのであります。
#24
○岡田宗司君 次にお伺いしたいことは、人事院のいわゆる勧告案なるものが國会の方にも資料といて提出され、又國会の人事委員会におきましても、いろいろ人事院の方の御説明があるわけであります。衆議院におきまして、或いは参議院におきまして、若し人事院の案が妥当なりと認めまして、この六千三百七円の給與ベースに基いて政府から出ておりますところの給與法案を修正いたしたいといたしますならば、その場合におきまして、政府は如何なる態度をとられるか、お伺いしたいのであります。
#25
○政府委員(佐藤榮作君) 先程もこの点に直接ではありませんが、これに関連したような意味合いにおきまして、副総理からお話を申上げたと思いますが、只今提案いたしております予算はこの審議期間中に成立を見たい、又その線に副いましてあらゆる努力をいたして参つております。同時にこの予算案に盛られております新給與の裏付をいたしますところの新給與法案も、これ亦関連のある議案でありますので、同時通過を政府といたしましては考えておるような次第であります。只今の皆樣方の審議権に基いての御処理についての問題といたしましては、只今私共何らこれに対する考え方を持つていない、この点をお答えいたしたいと思います。
#26
○岡田宗司君 少くとも國会に対しまして人事院から資料が提出せられ、又人事院の案なるものが官房長官の言葉によれば送付されまして、そうしてそれの説明が行われます以上、國会としてこれに対しまして批判を加え、若しこの案がよいということになりますれば、この予算案そのものも組替えをせなければならんようなことになつて來る、或いは又政府がそれができないといたしますならば、政府はその地位を去らなければならぬことになつて來ると私共は考えております。こういうことが予想せられます場合に、官房長官よりそういうことは何ら考えておらんということを承わりますことは、誠に私共としては不思議に堪えないのであります。その点につきまして、もう一度私は官房長官にお伺いしたいのは、それならば何故にこの人事院案というものが國会に出る事前におきまして、人事院との話合いをつけて、そうしてかようの問題が國会に持込まれて、この予算の審議においていろいろ紛糾を起すようなことをしないような手筈を採らなかつたか、その点についてのお尋ねをしたいのであります。
#27
○政府委員(佐藤榮作君) 御意見誠に御尢もなように存ずるのでありますが、この点は政府と人事院との性格から参る結果でございまして、只今のところ人事院といたしましては、一つの権限を持つ、而もそれが独立した形におきまして活動して参つておるのであります。ただその活動の方法といたしましては、先程申しましたように、政府に対して一案を作つて、これを勧告するということに相成つておるのであります。その点に終始するわけのものでありますので、政府と事前に実は連絡が十分に取れるというような筋合いのものではないのであります。この点はすでに皆樣方御了承のことと思うのであります。先程の私の答弁が如何にも理窟ばかりの話を申したようで、お尋ねに対しての十分なお答えでないように思うのでありますが、政府といたしましてはいずれにいたしましても、この審議期間中に是非ともこの予算を上げたい、又この給與法案も是非とも皆樣方の御協賛を得たい、かように念願をいたしております。同時に又この人事院の案と、政府の案とをお比べ願つて御批判を頂きますならば、必ずや政府案の御支持が頂けるだろう、かような実は考え方を持つておるのであります。勿論國会の審議の結果によりまして、いろいろの事態も想像いたさなければならないことだと思うのでありますが、只今そのいろいろ想像いたします事柄について、私がこの機会に答弁をいたしますことは実はその機会ではないのではないか、かように考えて先程のようなお答えをいたした次第なのであります。
#28
○岡田宗司君 林副総理にお伺いしたいのでありますが、先程山下委員の質問に対する答弁におきまして、参議院においても十二日中に是非上げて貰いたい、こういうことでございましたが、参議院におけるやはり審議期間というものもございますので、一体何日までに衆議院を上げて來るように御努力をなさつておられるのか、その点についてお伺いいたします。
#29
○國務大臣(林讓治君) お答えいたします。衆議院の方におきましても、成るべく十日には済まして頂きまして、こちらの方にお廻し頂くようにという、こういう努力をいたしております。
#30
○岡田宗司君 今日の衆議院の予算審議状況を見ておりますと、可なり遅々としておるようでございまして、今林副総理の言われる十日に上るかどうかということが、甚だ危ぶまれておるのであります。而も昨日以來衆議院におきましては、各会派において解散を延期するというような意味合いも含めまして、予算の審議期間の延長のことにつきまして更に議が進められておるように聞いておるのでありますが、政府はこの予算の審議につきまして、更に何らかの考慮をせられて、或いは十三日、十五日というふうな工合に、もう少し予算の審議についてゆとりをつけるというようなお考えがあるのかどうか、その点についてお伺いしたい。
#31
○國務大臣(林讓治君) 只今のところでは、延期をいたして御審議を願うというような計画は立てておりません。できるだけ十日に成るべく上げて頂くようにお願いをいたしまして、そうして十二日に終るような工合に行くように努力をいたしておるわけであります。
#32
○岡田宗司君 衆議院の場合において、今日の衆議院の勢力関係から言いますと、或いは予算が否決されるような場合も想像されるのであります。その場合におきまして、政府は当然野党との正面衝突により解散ということになるであろうと思うのでありますが、その際におきまして政府は参議院に緊急集会を求めらるる意思があるかどうか、その点についてお伺いしたいのであります。
#33
○國務大臣(林讓治君) 只今のところでは、そういう計画的に緊急集会などを催すような考えを持つておりません。ひたすらこちらの方に早く予算を廻すようにいたしまして、十二日に終るようにいたしたいとのみ考えて今日進んでおります。
#34
○岡田宗司君 只今の林副総理のお話を伺いますと、予算は衆議院において成立するものと、こういう観点に立つておられるのでありまするけれども、今日の衆議院における勢力分野から申しまして、これは果してその通りに成立するかどうか、私共は非常に危ぶんでおるので、先程申上げましたような質問を提出したのであります。政府は衆議院におきまして、予算がそのまま、修正或いは否決されることなしに、そのまま通過する、そういう観点に立つておられるのかどうか、その点お伺いしたいのであります。
#35
○國務大臣(林讓治君) 只今のところでは、そういう心組でおります。
#36
○岡田宗司君 私のはこれで打切ります。
#37
○委員長(黒川武雄君) 次は厚生大臣に対して山下委員並びに井上委員からの御質問でありますが、先ず山下委員にお願いいたします。
#38
○山下義信君 極く簡單に二、三この機会に伺います。尚序でに副総理にお願いして置きますが、まだこの予算委員会には一度も首相の出席を見ないのでございまして、御無理でございましようが、是非成るべく早い機会にお出まし下さるようにお傳えを願つて置きたいと思います。
 質疑の第一点は、段々と嚴寒が迫つて参ります。すでにあちらこちらに凍死者が出ておりますようなみじめな状態でございます。厚生省といたしましては、あの悲惨な浮浪者のいろいろ救済のことや、又引揚者の無縁故者なぞが非常に困つておりまする状態でありまするので、この嚴寒が迫るに当面いたしまして、何らかこれらの緊急救済の施策をなさるお考えがありますかどうか、承わりたいと思うのでございます。これが第一点であります。
 第二点は、先般いろいろ御心配を願いました……これは厚生省直接のお仕事ではございませんが、あの共同募金の成績も可なりになつておるように存ずるのでございまするが、大体どの程度に成績が挙つておりましようか、七〇数%というようにも言われておりますが、簡單にその状況の報告を願いたい。尚関連いたしまして、実は非常にすべての社会事業関係者の悩みといたしておりますることは、すべて寄附金によりまして、これらの事業が進行されるのでございますが、その寄附金に課税されるという問題が解決されておりませんために、非常に困つておりますることは、厚生大臣御承知の通りでございますが、社会事業関係に対しまする寄附金の免税の問題をこの内閣におきまして御解決下さるお考えがあるかないかという点を伺いたいと思うのであります。
 第三点は、先般本会議の席におきまして、厚生大臣にいろいろ御迷惑を掛けたのでありますが、京都のヂフテリヤ事件の後始末でございます。これは厚生委員会の方で伺おうか、予算委員会の方で伺おうかと相談いたしましたが、こちらの機会で伺うことにいたしたのでありますが、死亡者の弔慰金、重傷者、軽傷者の見舞金、それらをどういうふうに御処理なさつたであろうかという点でありますが、これは政府の方におきましては、國家賠償法において云々と或る政府の事務当局等が言つておるようでありますが、國家賠償法の適用は、又これは別の途でもあるように考えられるのであります。この際政府としてそういう國家賠償法によらなくとも、何らかの温かい心持をお示し願えるのじやないかと思うのでありますが、京都府並びに京都市の当局からのいろいろな報告や陳情を見ますというと、これらの後始末をいたしますのに少くとも大略三千万円を要するようになつておるのでございますが、この弔慰金或いは見舞金等につきまする政府の御処置はどういうふうになさいますか、この点を伺いたいと思うのであります。
 最後に生活保護費の問題、今回の追加予算に十八億を追加になつておるのでありますが、本年度の予算を通計いたしますと、百億に垂んといたします生活保護法の運用ということに相成るのでありますが、これは先般も外の機会で申上げましたが、その一割は地方費の負担に相成つております関係上、地方の方の負担が非常に重くなつて参りまして、これは是非とも全額國庫負担ということにしなくちやならん。それでないというと、法の運用の方に非常に障害が來るということは、万人が認めておる点でございますが、政府におきましては生活保護費の全額國庫負担ということについて何らかのお考えがありますかどうか。この点を伺いたいと思うのであります。
 先ず以上の四点につきまして具体的に御答弁を願いたいと思うのであります。
#39
○國務大臣(林讓治君) ちよとお答えの順序が少し違いますが、京都の問題から先にお答えをいたしたいと思います。京都府から或いは市からも多数お出でになりまして、これに対するヂフテリヤの予防注射に基いたところの死者或いは重病者を出しました事柄について、いろいろ御要求があつたわけであります。そこでその点につきましては、いろいろ大藏省とも折衝いたしまして厚生大臣としての御見舞金を若干出しますということと、それから尚京都府の関係者とも折衝いたしました結果、傳染病予防法に基くところの支出の方法などを考えまして、或程度まで御満足を頂き得られるような段階にまで大藏省との話合が済みまして、京都府の方々のお帰りを願つたわけであります。丁度幸い只今その衝に当りました厚生次官が参つておりますから、厚生次官から詳細にお答えをさせるようにいたしたいと考えます。
 それから生活保護費の全額國庫負担の問題でありますが、御説の通り只今におきましては、八割というものを國家で負担をいたしまして、都道府縣及び市町村が各一割ずつ負担いたしておりますが、尚これらの問題につきまして全額國庫負担をするということも結構であろうとは思いますけれども、或いは財政上の点もありましようが、尚地方の負担の問題につきましては地方財政の困窮をいたしておる事情に鑑みまして、地方配付税法に基きまして配付税としてこれが若干出ておるような点から鑑みますると、この一割くらいの程度は地元において負担するということも、この法の性質に鑑みて至当ではあるまいか、こう考えまして政府といたしましては從來の通り八割で進んで行きたいと考えておるわけであります。
 それから共同募金の問題につきましては、私まだ深く存じておりませんから、政府委員から御説明を申上げることにいたします。これから浮浪兒の問題、この二つの点については政府委員からお答えいたします。
#40
○山下義信君 厚生大臣に伺いまする今の御答弁、生活保護費の全額國庫負担の問題、最初一割と申上げましたのは二割の誤まりでありますが、只今の御説明でありますと、大体全額國庫負担の方向でお進みになりますか、或いは現状のままで行くという大臣のお考えでございますか、私は全額國庫負担の方向に進むべきではないかと思う。今直ぐできなくても、それは言うまでもなく、社会保障法に段々に近付いて行くという方向から申して参りまして、全額國庫負担の方向に行くべきではないかと考えるのでありますが、その点を明らかにして置きたいと思うのであります。
 尚厚生省の方のいろいろ当面の対策の中で予算に現われていない、具体的には予算に現われていなくても、この追加予算の四十五億の予備費の中に、厚生省で相当の御計画がありますかどうか、その点を伺つて置きたいと思います。
#41
○國務大臣(林讓治君) 只今のところでは、生活保護費の全額國庫負担の問題につきましては、私共は只今のところでは、やはり現状で進んで行きたいと考えております。それからお尋ねの厚生省からの今度の追加予算につきましては、そのうちまだ金額は明らかに分つておりませんけれども、相当のものが追加予算の中に入つております。
#42
○山下義信君 予備費の中に……。
#43
○國務大臣(林讓治君) 予備費の中に入つております。
#44
○山下義信君 分りました。
#45
○説明員(葛西嘉資君) 今の浮浪兒の越冬対策についてのお尋ねがあつたそうでございますが、私御質問の内容を承つておりませんので、或いは見当違いのことをお答え申上げることがありましたらお許しを頂きたいと思いますか、冬季を控えまして浮浪兒を(「浮浪者です」と呼ぶ者あり)入れる施設等については十分なことはできておらんのでございますが、これらは段々と予算の方でやつて行くより外ないわけでございますが、今あります中におきましても、浮浪兒の收容の関係、やり方の問題、それから施設の問題等でも、終戰後三年くらいを経過いたしておりますので、檢討いたしますると、まだやはり改善をすべき点等も多いのでありますので、取敢えずのところは、根本的には收容施設等に俟たなければならんのでありますけれども、いろいろな財政その他の関係で今ここでどれ位の予算でどうしますという具体的なことは申上げかねますけれども、今申しましたようなふうに、過去の成績等を見まして改善をいたして行きましたならば、もつとこの冬においても相当数の收容について効果を挙げることができるのじやないか、こういうふうに考えておりまして、現に今日と明日全國の兒童課長会議を招集いたしておりますのでございますが、細かいことになりまするが、そういうところでもそういう問題を檢討いたしまして、でき得る限りの施設の最も有効に利用してこの冬を越して参りたい、只今のところではそういうふうに考えております。尚不足な点がございまして具体的にお尋ねがありますれば補足して御説明を申上げさせて頂きたいと思います。
#46
○説明員(木村忠二郎君) 社会事業に関しまする免税控除の、これも私質問を直接聞いておりませんので、見当違いなお答えになるかも知れませんが、社会事業の免税控除につきまして、これは入場税の関係でありますが、地方税になつております。從いまして現在の法制の下におきましては、地方におきまして地方の知事限りで以て措置ができるように法令上は相成つておるのでありまするが、中央の財政当局の方針といたしまして、現在の地方財政の状況から見まして、現状からは免税をいたすことは適当でないという方針をとつておるようでございます。我々といたしましてはこれらによりまして社会事業の現在の窮紙を打破するために是非免税の恩典に浴したいというふうに考えていろいろと折衝いたしておりますけれども、現在の財政状況といたしましてこれは止むを得ないということに相成つております。
 それから共同募金につきましても、共同募金に應じました寄附等が課税の対象になつておる、こういう点につきましても、これも免税になりまするようにいたしたい、つまり課税の対象から除外するようにいたしたい、かように考えておるのでありまするけれども、やはりこれ又現在の國家財政の状況からして、趣旨からいたしますれば免税になるということが適当であると一應考えられまするが、國家財政の現状からいたしましてこれも又止むを得ないとこうふうに相成つておるような次第でございます。
 尚浮浪者の問題、浮浪兒でなしに浮浪者の方の対策といたしましては、本年度におきましては相当数の浮浪者の收容施設を何係の縣に設置いたさせまするようにいたしまして、その施設に対しまする補助を計上し、而もこれをすでに決定いたしておるような次第であります。從いましてそれぞれの地方におきましてはできるだけ早期にこの金によりまして浮浪者の收容施設を作りまして遺憾のないように措置いたしたい。尚緊急の必要の際におきまするテント等によりまする收容といつたようなことも準備いたしておるような次等であります。関係地上と十分連絡をとりまして遺憾のないように措置いたしたい、かように考えております。
#47
○説明員(葛西嘉資君) 先程大臣から、先般のヂフテリヤの注射事件のことにつきましてお尋ねでありまして、次官の方から更に折衝の経過等を申上げるようにというお言葉がございましたので、その辺の点を若干大臣の申上げましたことと重複するかも知れませんが、途中から入つて参りましたのでお許しを頂きまして、若干申上げさして頂きたいと思いますが、今回のことにつきましては非常に参議院におきましても御心配を頂きまして、誠に申訳ないことをいたしましたのでありまして、何とも私共実に身の置き所もないようなふうな心持一ぱいでございます。それで今回のことは、主として京都或いは島根縣というようなところで先ず取敢えず御心配を願つたわけでありますが、これらについて國として一体どうするかということにつきましては、私共全般にいろいろ、今後こういうことが再び起らないようにどうするか、或いは又それぞれ責任ある者についてはどうするかというようなことと一緒に、実は重要な項目として考えておりまして、先般來大臣から申上げましたように、大藏当局にもいろいろお願いをしておつたのでございますが、ああいうふうな、人が亡くなつてというような非常なお氣の毒な事件等についてのいろいろな前例等も國といたしましてあるのであります。そういうふうないろいろ彼此権衡論等もございまして、なかなか私共の思つておりまするようなふうに行かなかつたのでございまするが、今回の事件は非常な特異な例でもありまするので、これは財務当局にも或る程度御了解を願いまして、今回につきましては相当程度奮発をして頂いたようなことでございます。そういたしまして、大体大臣から申上げましたが、厚生省といたしましても一つお見舞と申しますか、そういうふうなものを出そうじやないかというようなことで、今回百数十万円の金を取敢えずお見舞というふうなふうにして、亡くなつた方、或いは病院等におられる重症の方、或いは又病院に通つて治療しておられる軽症とでも申しましようか、そういうふうな方々に対しましては、取敢えずお見舞の措置をとろうじやないかというふうなことで、百六十数万円というふうなことで、一應お見舞をいたすことにいたしました。尚これはお見舞でございまするので、その外に実際病氣になつた方、或いは又不幸にしてお葬式等のことをやらなければならなかつたというふうな方々に対しましては、これは又別途予防接種法によりますると、御承知のように大体國が一持つというと府縣が一、市町村が一というふうに一、一、一の割合を以て負担することになつておりまするが、今回のこのような特異な例でもありますし、再びそういうようなことがあつてはならんことでもありまするし、それらの事情を考えまして、相当高率なる補助金を出して頂く、具体的にはいろいろ医療の関係、或いは入院いたしましたとか、或いは自動車で運びましたとかいうような費用等を見積りまして、相当高率な補助をするというようなことで、根本の方針は財務の御当局ともその点は決まりまして、具体的に目下数字を打合せ中でございます。そういうふうにいたしますれば、只今申上げました國としてやりまするお見舞金の外に、府或いは市、縣等でお持ちを頂いておりましたものに対しましては、相当高率な補助を以て、財源の補填をして参るというふうなことに大体相談が一致したわけでございます。
#48
○山下義信君 京都のヂフテリヤ事件につきましての死者への弔慰金は一人当り幾らお差上げになられましたか、その金額を説明員は説明して下さい。ここは予算総会です。明確に金額の御説明を願いたいと思います。私の質疑はこれで打切りますが、只今の寄附金を課税の対象から除くということを、年來の懸案で問題なんですが、大藏省は難色を示しているということでありますが、大藏省の政府委員おりましたらば……おりませんか、主税局長見えておりますか……見えておらん、主計局次長でお答えできますか、この問題を……お答えできません……ではこれは留保して置きます。今の死者の弔慰金はお一人に幾ら差上げられましたか、それを御答弁を願います。
#49
○説明員(葛西嘉資君) 大事な点を申落しまして恐れ入りましたが、大体百六十数万円と申しましたのは亡くなりました方には大体一万円、それから重症の方には三千円、軽症の方には一千円ということを取敢えず出すと、こういうことになつております。
#50
○山下義信君 それらの弔慰金、お見舞金等の厚薄はここで論じません。他の機会にこれでよろしかつたかどうかということは再檢討させて頂きますが、一應私の厚生省に対しまする質疑は終ります。
#51
○委員長(黒川武雄君) 次に下條委員に逓信大臣に対する御質問をお願いいたします。
#52
○下條恭兵君 私は逓信大臣並びに大藏大臣の御出席を要求しておつたのでありますが、何かの御都合で今日は大臣も政務次官も見えておりませんので、取敢えず逓信大臣だけにお尋ねいたしまして、大藏大臣に対しては後刻改めてお尋ねざして頂くようにしたいと思います。
 私は七月二十一日附のマツカーサーの書簡に基きまして、第三回國会において特に各省の設置法案と切離して制定せられました郵政省の設置法の第四條、第十條、第二十二條の実施につきまして、逓信大臣と大藏大臣にお尋ね申したいのでありますが、郵政省の権限を規定します同設置法第四條の第十九号におきましては、郵政省は「法令の定めるところに從い、簡易生命保險及び郵便年金の積立金及び余裕金を運用すること。」が明確に決められておるのであります。第十條の簡易保險局の所管事務のうち、第十八号におきましても同樣の権限を規定しておるのでございます。第二十四号及び第二十二條においては簡易生命生險郵便年金事業審議会に関する規定の中にも、同じくこの年金の運用に関する権能が定めてあるのであります。申上げるまでもなく簡易保險並びに郵便年金積立金は事業の本質に基きまして、創立以來加入者大衆の福祉並びに社会の公共の利益のために事業の経営責任官廳であります逓信省で運用して参つたのであります。國営であるとは申しながら、完全に金保險企業体として、且つ又社会政策の一つとして、保險積立金の自主的の運用が簡易保險事業に取りまして、絶対不可欠な経営原則であることは何人も疑う余地はないことだと思うのであります。この事実は三十年來の歴史ばかりでなく、昭和十八年戰爭財政の最も緊迫しました当時におきましても、全國家資金の最高度の一元的運用が行われた際でありましても、この積立金の運用につきましては最小限度ながら、事業の経営官廳であるところの逓信省に残されたような次第なのであります。この積立金の運用が現在関係筋の指令によりまして、全部大藏省の預金部に委せられておりますところの事実、並びにその結果簡易保險並びに郵便年金の再建復興に相当大きな影響を與えつつあるばかりでなく、必然的に地方財政上好ましからん結果を來たしつつあることは衆目の認めるところであります。そのために第二國会、第三國会、衆参両院とも公共團体その他から提出せられました無数の請願陳情を審議いたしました結果、委員会、本会議を問わず而も超党派的に絶対支持を得まして採決され、院議を以て有力な意見を附して内閣に送付しておることは両大臣とも当時の経過をよく御存じのことと思うのでありますが、今日までその処理の状況又は処理方針について改めて私は当局の御意見を伺いたいと思うのであります。
 第一番に逓信大臣は郵政省設置法案を國会に提出しますに当りまして、簡易保險並びに郵便年金積立金の運用につきまして政府部内は勿論のことでありますが、関係筋に対しても十分必要な連絡又は協議をなすつておられるかどうか。若し又十分なこの方面の取り運びができておらないならば、急速にこの処理に当らるる御方針であるかどうかという点を伺いたいのでありますし、大藏大臣につきましては、大藏大臣並びに安本長官としてのこの問題の解決に対して誠意を以て御盡力なさる御意思があるかどうかということ。
 第三番目には、逓信、大藏大臣は郵政省の設置法施行の時期をいつに決めておられるのか。且つ遅くもその時期までにこの積立金の運用を郵政省の方に再開を実現せしめることを言明いたされる用意があるかどうかという、以上の三点についてお尋ねしたいのであります。
#53
○國務大臣(降旗徳弥君) お答えいたします。只今下條委員よりいろいろと御説明があつたのでありまするが、この簡易保險並びに郵便年金の積立金の運用のことにつきましては、御説につきまして私共全幅の賛意を表しておる次第であります。もともとこの積立金本來の立場から申しましても、逓信省がこれを運営するということは妥当なことと思つておるのでありまして、すでに御説のごとく第二國会、第三國会におきましても、地方公共團体並びに地方議会等からこの逓信省におけるところの運用再開の申請書が出て参りまして、これが採択されておることも事実であります。更にこれらの地方公共團体並びに地方議会等は單に國会にこれを請願するのみに止まらずして、司令部或いは地方の軍政部等に対しましても多数の請願、或いは陳情書等を出しておるのでありまして、如何に地方の人々がこの問題に対して熱意を示しておるかということを理解することができると思うのであります。そういう意味におきまして、逓信省といたしましては、この問題に直ちに突入したいと、かように思つておるのでありまするけれども、御指摘になりましたように昭和二十一年一月二十九日附の司令部の指令というものがあるのでありまして、この点につきしまて逓信省といたしましては、関係筋並びに関係大臣としばしば交渉しておます。率直に申しますると、最初はなかなかむずかしかつたのでありまするが、最近に至りまして非常に問題解決のために明るい曙光が見えて來たのでありまして、この点は私共非常に喜んでおるのであります。更に御指摘になりましたように郵政省設置法案の第四條における点を御指摘になつておるのでありまするが、もとより逓信省といたしましては四月一日に郵政省を発足せしむるという準備と努力をしておるのでありまして、この條文はやはりこの通りに考えております。ただ申上げるまでもなく、一月二十九日附の司令部の指令というものがあります以上はこれを無視することができんのでありまして、これらの問題に対してできるだけ善処し、そうして御期待に副うようにこの簡保年金積立金の逓信省における運用再開を実現したいと思つております。
 更にこの際申上げて置きたいことは、現在然らばどういう状態になつておるかという点であります。積立金の総額は合計で百七億六千七百万円でありまして、逓信省の直接運用額は四十億七千九百万円、大藏省預金部の預金が六十六億八千八百万円、かようになつております。更に若し逓信省における直接運用が再開された場合に新規運用の資金は一体どの位になるかと申しますると、昭和二十三年度におきましては十一億六千五百万円、昭和二十四年度におきましては三十九億一千九百万円、かくのごとく莫大な数になるのであります。御存じの通りに今日地方財政が非常に逼迫しております。これを如何に打開するかという点から申しますると、この積立金を地方公共事業のために運用するということが重大なるところの方策になるのでありまして、この点におきましては、私共はできるだけ努力して行きたいと思います。申上げるまでもなく、この簡保年金の問題は、地方の零細なる契約者から僅かばかりずつの金を集めて持つて來るものでありますが故に、その性質から申しましても、私共が今御質問になり、御指摘になりました線に副つて努力することは当然でありまして、逓信大臣といたしましては四月一日には是非実現したいかような決心でおります。お答えいたします。
#54
○下條恭兵君 只今逓信大臣から非常に明確に御答弁を頂いたのでありますが、私は只今逓信大臣は二十一年の関係当局の指令云々と言つておりますけれども、その頃と現在とは國内情勢も相当な変化をしておりますので、而もこの郵政省設置法の運用再開に関する規定が、私は先刻指摘しましたように明確に規定されて、而もこれが恐らく関係筋におきましても、この点を了解しておられたのだというふうに私は考えるのでありますが、從いまして二十一年の当時の関係当局の意向と現在とは相当変つておるだろうと思うのであります。從いまして逓信大臣から是非とも先程のお言葉のように四月一日を目途として運用再開するように御盡力を願いたいと思うのであります。私は大藏政務次官が見えておられるようでありますから、大藏当局のこれに対する御意見を伺いたいと思います。
#55
○政府委員(塚田十一郎君) お答え申上げます。本問題につきましては当初逓信省にその所管があり、その後に預金部に統一運用になりました経緯、そうして統一されました事情に鑑みまして、いろいろ統一した方がいいということを過去の事情から考えまして設置法案の中にはつきりと規定があるというようなことも合せて考慮いたしまして今愼重な研究をいたしておるのであります。ただこの郵政省設置法案のできましたときの経緯からいたしまして、いろいろ事務局の当時の経過を睨み合せますとのあの法案のあの條項については、大藏省としては十分な了解がついておらなかつたというようにも承知しておるのでありまするが、併し私共といたしましては、そういうようなことは毛頭ありませんので、今までの経緯、今日の状態におきまして、これをどういう工合にして運用するのが最も適当であるかということは大きな見地に立ちまして考慮いたしまして、できるだけ今最終結論を得たいとそういうように努力いたしております。
#56
○下條恭兵君 只今のお言葉によつて私直ちに御盡力をお願いしたいと考えるのでありますが、私は事務当局がどうとかいうことは変だと思うのであります。少くも大藏大臣もこの設置法が閣議に掛かりましたときは御承認せられたものと思うのでありますから、是非一つ四月一日を目途として御盡力を願いたいと思うのであります。
 次に私はいま一つお尋ねしたいと思いますのは、簡易保險の最高保險金の最高制限額が現在では二万五千円になつておるのでありますが、今日の物価の事情では、例えば葬式代のようなものにしましても最低一万円ぐらいかかるというような現状でありますし、労働基準法の葬祭料を見ましても平均賃金の六十日分ということになつておりますから、その額は今日では二万円以上のものが支給されるような実情だと思うのであります。そういう際に簡易保險の保險金の制限が最高額は二万五千円であるというのは誠に実状に即さんことであつて、この点は、この最高限を少くとも五万円或いは十万円ぐらいに引上げて行かない簡易保險の事業の運営にも支障があることと思いますので、この点を逓信大臣並びに大藏大臣の意見を伺いたいと思うのであります。
#57
○國務大臣(降旗徳弥君) お答えいたします。只今御指摘になりましたように簡易保險の最高制限額を現在二万五千円を増加する意向があるかどうか、申上げるまでもなくこの問題は簡易保險事業を経営して行く上から申しましても重大な問題なんです。從つて單に現在の物價指数なり、生計費の基準なり、或いは労務の指数が非常に高騰しておるからこの二万五千円を上げるというばかりでなくて、私共といたしましてはこの簡易保險事業の経営の立場から申しましても、これは眞劍に考えなければならんことであるとかように存じておりまして、今日まで各方面としばしば折衝をしております。そうして現在の見通しから申しますると、これは増加し得ることが可能であると私は考えておるのでありまして、相成るべくは五万円以上引上げたいと、こういう方針の下に私共は努力しております。從つてこの問題を解決することも決してそう長い將來でなくて、近い中にこの問題を処理したいと、かように考えておりますから御了承願いたいと思います。
#58
○政府委員(塚田十一郎君) 本問題につきましても大藏省の立場を御説明申上げたいと存じます。大藏省といたしましては同じく民間の保險事業を監督いたしております立場上、いろいろ民間との間に余り激しい競争があつて弊害の出るようなことのないようにいろいろかれこれ研究をして問題の解決に早く到達いたしたいと苦慮いたしておるのであります。御承知でもありましようが、現在の状態ではまだ民間の保險事業も平均いたしまして五万円、十万円、これは最近の情勢から判断いたしますと殖えて行くような傾向になつておりますから、そういうような將來の傾向と比較して考えまして、二万五千円の制限額というものはこれを引上げられるのじやないかというように考えておりますが、果してそれが五万円という御希望の線まで行くことができるかどうかということはまだ最終的な結論を見ておりません。併し成るべく御希望の趣旨をよく体しまして、御希望に副えるように努力いたしたいとかように思います。
#59
○下條恭兵君 先程塚田政務次官はこの郵政省設置法がちやんと第三國会において通過しているにも拘わらず、事務当局が承認したことかしないとかいうようなことを言つておられましたんですが、私はこれは非常に妙な話だと思うのでありますが、その点についてこの運用再開の問題について、もう少しはつきりお尋ねして置きたいと思います。
#60
○政府委員(塚田十一郎君) 先程ちよつと事柄の経過について御報告申上げました、お話申上げましたのでありまして、但しそういうことには絶対に私共はこだわつておるということではなしに、考え方は、勿論御指摘のように閣議を通つて法案ができておりまする以上は、内閣としては十分責任を持つて考えなければならん問題ですから、最終のその点を重視いたしまして、大きな見地に立つて今日の情勢上適当な判断をいたしたい。こういうように最後に申上げました点が考え方の結論でございます。さよう御了承を願います。
#61
○下條恭兵君 逓信大臣は四月一日を目途として運用再開の方針だというふうに明言されておりまするし、大藏政務次官の方にはどうもそこのところがはつきり……言葉を濁しておられるようですが、この点甚が物足りなく考えるわけであります。大藏省といたしましては、この設置法の施行日が四月一日といたしまするならば、そのときまでに運用再開をはつきり方針を決定されておるのかどうか、重ねてお尋ねしたいと思います。
#62
○政府委員(塚田十一郎君) 四月一日までまだ多少時間のゆとりもございますから、勿論そのときまでは必ず内閣といたしましての結論が出ると、そういうように努力いたしたいと思います。
#63
○下條恭兵君 内閣としての結論がそのときまでに出るというふうにおつしやつておられますが、これはどうも少くも第三國会に提案されたのは吉田内閣でありまして、吉田内閣が郵政省の設置法にこの私が先程指摘いたしましたようなことを明瞭に何してお出しになつたんでありますから、この方針は決定しておるものと、内閣の方針は決定しておるものと了解をしておるのでありますが、この点についての大藏政務次官のお答えを重ねて一つお願いしたいと思うのであります。
#64
○政府委員(塚田十一郎君) お答え申上げます。内閣としての方針は決定しておるかどうか、私は実はまだ承知いたしておらないのであります。幸い國務大臣として降旗逓信大臣がお見えになつておりますから、内閣の方針は國務大臣からお答え願います。
#65
○下條恭兵君 内閣の方針が決まつたかどうか、政務次官は御存じないということでありますけれども、すでに吉田内閣によつてこの郵政省設置法案が提案されたものであつて、從つてそれが而も國会を通過をしているものでありますから、方針が決まつたも決まらないもないと私は考えでおります。そして私は関係当局が云々という言葉がありましたが、これは私の承知する限りにおいては簡易保險の運用については國内問題として大藏省と逓信省との間の話合いさえ円満に行けばそれでいいのだというふうに私共は承つておつたのであります。どうか一つ逓信大臣は四月一日を目途として運用を再開をすると言つておつたのでありますから、大藏省も勿論承認しておつたことと思いますが、その点をはつきり承わりたい、こういうことであります。
#66
○國務大臣(降旗徳弥君) お答えいたします。只今の通りに郵政省設置法案には明確に法文の上にこれを示してあります。從つて政府としてはそれに責任を負うことは当然なことでありまして、敢えて逓信大臣と大藏大臣とが云云する必要はない、かように存じております。
 ただこの際申上げたいことは、先程も申上げましたように、昭和二十一年一月二十九日附の司令部の指令が來ております。これによりますると、新規の運用は契約者に対する小口の貸附のほかは全面的に停止せられまして、資金は盡くし大藏省の預金部に預け入れろということになつておるのであります。從つてこの指令に対する処置がつかない以上は、今の問題を大藏省といたしましても、逓信省といたしましてもこれを処断することはできないのであります。ただ私から申しますると、先程しばしば御指摘になりましたように、この問題は地方公共團体及び地方議会から熱烈なるところの要望のある案新でありまして、今日の政治が天下の輿論に聞く政治である、こういう立場から申しますると、私共責任当局といたしましては、断じて四月一日までにはこの運営再開を成就せしめる、こういう決心でおることはこれ又止むを得ないところであります。從つてこの一月二十九日附の指令を挾みまして大藏省とは適当に協議いたしまして、この問題を成るべく早く解決するという努力を私は拂つて行くことをお誓いする次第でありまして、この問題について私は先程も申上げましたように、暗い見通しでなくて明るい見通しを持つておる、この点だけは御了承を願つて置きたい思います。
#67
○下條恭兵君 いろいろ伺いまして、その関係当局の意向云々の点については私は少し別な考えもありますけれども、とにかく只今逓信大臣から非常に明快にお答えを頂きましたので、私共は逓信大臣の政治力に信頼いたしまして、四月一日から運用が再開されると期待いたしまして私の質問を打切ります。
#68
○委員長(黒川武雄君) それでは午前の委員会はこれで一旦休憩いたしまして、午後は一時半から再開いたしたいと思います。
   午前十一時五十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十三分開会
#69
○委員長(黒川武雄君) これより委員会を開会いたします。農林大臣に対する質疑は先ず岩木委員からお願いいたします。
#70
○岩木哲夫君 農林大臣にお尋ねいたしたいことは、現在の米價は、過般改訂いたしましたが、当時の物價と現在の物價に対しまして、政府は改訂をする意思があるのかなかのかということをお尋ねいたします。現在の米價を決定したときの一般物價と、現在の米價とは甚だしく相違いたしております。政府はこれに対して米價の改訂は行われるのか……。
#71
○國務大臣(周東英雄君) 生産者價格ですね。米價というのは。
#72
○岩木哲夫君 生産者價格。
#73
○國務大臣(周東英雄君) 只今のところ直ぐにこれを改訂するつもりはございません。ただ將來いろいろな物價の関係上、変更を必要とした場合においては改訂をいたすかも知れません。そのときには、御質問にありませんですが、恐らく農家に対して追加拂いというような恰好がとられる、來年の七月頃と考えております。
#74
○岩木哲夫君 安本の説明によりますれば、農林水産業界に対しまする自然増收の比率は八%と言つておりますが、米作農家におきましての比率は、大体この辺と了承してよいと農林大臣はお考えになりますか。
#75
○國務大臣(周東英雄君) 全般的に農山漁家に対する自然増收の比率は八%と見ておりますが、詳しい数字は私まだ聞いておりませんけれども、大体平均してそういう程度かと思います。
#76
○岩木哲夫君 政府は今度給與改訂を行わんといたしておるのでありまするが、これにはね返る物價の上昇率というものと、農林水産業界におきまする物價八%の上昇率というものとの比率はどんなに考えておられますか。
#77
○國務大臣(周東英雄君) お話の物價の上昇率がどういうふうに農産物に及ぶかということのお尋ねと思うのですが、これは一般物價の改訂はまだ着手しておりません。昨日ですか、大藏大臣が申上げたのは、一般の收入の増加についての率を申上げたので、價格の改訂につきましては只今のところ考えておりませんから御了承願います。
#78
○岩木哲夫君 それでは、政府は農林水産業界に八%の自然取得が増加したという観点から自然増收の課税をされておるのでありますが、この農林水産業界に対しまする四億かの課税の内訳比率はどういう割合でありますか。
#79
○國務大臣(周東英雄君) 私手許に今内訳を持つておりません。ただ問題は、一應の最近における増收の率から見て所得に対する増加收入を見積つたということに対する説明でありまするが、数字は只今手許にございません。
#80
○岩木哲夫君 現在の給與改訂が若し行われますれば、農村におきまする、これは國家全体でありますが、農村におきまする物價も相当はね返ると思う。從つて農林水産物から來る所得の自然増を恐らくオーバーするのではないかということは、現に政府が指摘いたしております通り、物價が七二%上昇する割合を以て自然増收の基準といたしておる。農村でありますから、やはり都会の生産物、農山必需物資等農村にどうしても生産上必要な物件物資があります。これが農林水産業界の物体から上つて來る自然増は八%であるが、物價は七二%上つておる、更に將來給與改訂が行われますれば一層物價のはね返りの率が大きいと思います。從つて農村から來る自然増、取得と申しますか、自然取得というものは極めて乏しいというような考えが起るのでありますが、これに対して政府は農業所得を幾らに見ておるか、結果においてそれが徴税の可能性があると見られておるのかをお尋ねしたい。
#81
○國務大臣(周東英雄君) お話のごとく給與水準の改訂に伴いましてそれが各種の諸物資の生産コストに如何なる形で響くか、響く結果は他の物價の値上りを招來し、又それを変更するというようなことが起つて來て、それがために農産物の方の價格が、若しそれに相應する程度に上げられないで抑えられるならば、得る所得と出す関係において非常な不均衝が起り、租税の負担が困難ではないかという御説だと思いました。これらの点につきましては、まだ五千三百円ベースに改訂された後、如何なる形にこれが諸物價の生産コストに及ぼすかということの將來の問題であり、從つて直ちに御指摘のような点についての問題は、今直ぐに断定することはできないと思います。
#82
○岩木哲夫君 政府は五千三百三十円の給與水準を改訂せんとする財源は、自然増收を四百四億計上しておるのであります。このうち農業所得は幾らでありますか、お手許に書類がないから分らんということでありますが苟くも農林大臣が農業所得がそのうちの何割であるか御記憶がないとは、甚だ遺憾でありますが、致し方ないといたしましても、それはよつて生ずる將來の問題であるからということはあり得ないのでありまして、やはり農業所得が、そのうち例えば四百四億のうち二百億円と言うならば、二百億円が十分徴税できるという基準と確認がなければ、この五千三百三十円ベースの財源の捻出の方法がないし、且つ財源捻出の基準が立たないと思うのでありますが、それは如何なものでありましようか。
#83
○國務大臣(周東英雄君) 大体財務当局の計算の基準は八%の増に、生産自格によつて増をかように見ておるのであります。殊に生産高、收穫高が去年よりも増えておりますのでありますから、それを基礎にして考えた基準に対しましては、私は正しい見方であると考えております。
#84
○岩木哲夫君 正しい見方かどうか知りませんが、当然物價のはね返りの方が生産コストが高くついて、而もこれから大体農家というものは冬枯時期にあるのであります。十二、一、二、三と申しますれば冬枯時期になりまして、農業水産方面から得る取得というものは、今後は非常に乏しいもの、割合から見れば年間極めて乏しい年月に廻るのでありますが、そうした状態から考えてこの厖大な農業所得の徴税というものの成績は、農林大臣は自信がおありかどうかをお尋ねしたいのであります。
#85
○國務大臣(周東英雄君) 今日までの状況から見ますれば、所得額決定というものに対して適正に行われますれば、私は徴税が可能だと思います。殊に今お話がありましたが、この秋等における、例えば米の收穫高等に関しましても、まだ実收高というものははつきり決まつておりません。この十二月の二十日頃までに大体見通がつくことになつております。大体二回目の予想收穫高等にしましても、昨年よりも收穫量において殖えております。こういう点を一つの目安として從來予想されたよりも今までの價格におきまして收入の増を考えておるのでありまして、その範囲におきましては、政府の考えておりまする増徴税は可能であると考えております。
#86
○岩木哲夫君 私は農業所得が政府の企図せられるような割合で、かくも増大に把握できるということにつきましては疑問を持ち、且つこの徴税の実体につきましても極めて疑問を持つておるのでありまするが、大臣はこれを可能なりとの確信の模樣であります。これは見解の相違するところでありまして、今後はその実情に照さなければならないと思いますから、これ以上の議論は避けたいと思います。
 次にお尋ねいたしたいのは、政府は超過供出によりましての供出目標でありますが、目標は如何程でありますかということをお尋ねしたい。
#87
○國務大臣(周東英雄君) まあ最低三百万石と考えております。
#88
○岩木哲夫君 最低三百万石というのは、時期をいつかをお尋ねしたいことを一つと、それによりましての本食糧年度の需給はどのようになりますかをお伺いしたい。
#89
○國務大臣(周東英雄君) 大体今日まで実は一般供出の成績を非常によろしいのであります。非常に順調に來ております。最近の調査によりますというと、十一月二十日現在におきましてすでに千四百七十二万石であります。一般供出が進んでおります。すでに完納しておる縣ももう三、四縣あります。四八%の成績であります。昨年の同期に比較いたしまして去年は二八%ぐらいであります。今年はそういう状況であります。藷につきましても同樣にすでに七五%の一般供出を見ておりますので、その後における、今日は十二月八日でありますが、可なり殖えておると思います。從いまして一般供出についても恐らくは昨年に比較いたしまして相当早い機会に完了を見るのではなかろうか。かように考えております。そういたしますと、これに今希望でありまするけれども、將來藷その他雜穀類の供出の状況なり、或いは少國の輸入の希望いたしておる数、これは希望可能量等は只今アメリカ本國でいろいろと折衝されておることでありますから、これは我々は何とも予断を許しませんが、併し私共希望しておる最低の数字と合せて見ますと、最低三百万石ぐらいの超過供出量を得ますれば、大体需給の見通しはつく。かように考えております。
#90
○岩木哲夫君 超過供出の農家收買價格と配給價格とのその格差、補給金と申しますか、それは総額三百万石の場合には、如何程になりますか。
#91
○説明員(安孫子藤吉君) 三百万石といたしますと、一石元値を除いて報獎金約七千円ちよつと欠けるかと思います。六千円台になりますが、六千円といたしまして、三百万石ですと、百八十億見当になります。
#92
○岩木哲夫君 この百八十億の予算計上は、現在予算にどの程度盛り込んでありますか。
#93
○説明員(安孫子藤吉君) 消費者價格の中に本年度はその百五十万石について消費者價格の中に入れております。
#94
○岩木哲夫君 ちよつともう一度お尋ねいたしますが、消費者價格に盛り上げておるということですが、轉嫁いたしておるという意味でありますか。
#95
○説明員(安孫子藤吉君) そういう意味であります。これは財政負担でなくて消費者負担になるわけであります。
#96
○岩木哲夫君 そういたしますと、三百万石の超過供出に対する分と、中百五十万石の分を消費者負担に計上いたしておるということは、それだけ消費者の支出が増大するわけでありますが、いつからその米價は消費者にどういう工合で盛り上げるのでありますか。現行小賣價格にどういう工合にして盛り上げるか、時期と方法をお尋ねいたしたい。
#97
○説明員(安孫子藤吉君) 十一月に決定いたしまして、それ以後実施しております消費者價格の中へ入つております。
#98
○岩木哲夫君 これを若し全食糧供給量の例えば一石当りと申しますか、一石当りにつきましてはどれ程年間を通じての價格が相違いたしますか、変動を生じますかをお尋ねをいたしたい。
#99
○説明員(安孫子藤吉君) 大体概算から申しますと、百五十万石といたして一石六千円としますれば、九十億の増になるのであります。
#100
○岩木哲夫君 一石当り平均の割合をお尋ねしておるのであります。
#101
○説明員(安孫子藤吉君) 一石当り大体三百六十円見当になります。超過の分だけ……。
#102
○岩木哲夫君 政府は超過供出の分に対しまして、これを小賣價格に盛り上げて消費者負担にいたしておるようでありますが、これは國民所得の全般の安本の計画というものには盛つてありますか、如何でありますかをお伺いいたしたい。
#103
○國務大臣(周東英雄君) これは大体十一月一日に消費者價格が決定しまする以前から研究されておつた問題でありますから、当然その方に盛り込まれるべきかと思います。
#104
○岩木哲夫君 現在の國民所得の自然増收の内容には安本から聞きますれば、そういう内容は関知していないように承知いたしておるのですが、それは農林大臣がお間違いありませんか、もう一度お伺いをいたします。
#105
○國務大臣(周東英雄君) 間違いないと思います。
#106
○岩木哲夫君 それでは次にお尋ねいたしますが、現在外國より受けておりまする食糧総代金は如何程になりますか、日本の米一石当りに対して幾らに相当いたしますか。
#107
○説明員(安孫子藤吉君) お尋ねは終戰直後からの輸入総金額でありますかどうかはつきりいたしませんが、現在は生産者價格で以て貿易公團から日本の生産者價格において引取りをいたしております。
#108
○岩木哲夫君 それの支拂はどういう方法によつて支拂をいたしておりまするか。
#109
○説明員(安孫子藤吉君) 食管特別会計から貿易特別会計の方に振込んでおります。
#110
○岩木哲夫君 それは物資バーターによる方法でありますか、決済の方法は如何ようにいたしておるのでありますか。
#111
○説明員(安孫子藤吉君) ドルとの決済方法は別に貿易廳の方からお願いいたしますのが妥当かと思います。貿易特別会計と食糧特別会計との関係はこれで勿論決済いたしております。
#112
○岩木哲夫君 例えば一例を取りますが、アメリカに対しまする決済方法を承わりたい。
#113
○説明員(安孫子藤吉君) これはアメリカの御承知のように予算でやつておるわけですから、それが貿易特別会計との関係は貿易廳の方からいろいろ遺り繰りがあるのじやないかと思いますが、お聞き願つた方がよいと思います。
#114
○岩木哲夫君 これはアメリカ食糧年度の七月以降でありますか、八月以降と、それ以前との價格はどのような変化がありまするかをお尋ねしたい。
#115
○説明員(安孫子藤吉君) アメリカの穀物價格といたしましては豊作の後を受けまして段々下落の方向に向つております。具体的に小麦が幾ら幾らというようなことは、若し御必要がありますれば又資料を整えてお答えいたしたいと思います。
#116
○委員長(黒川武雄君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#117
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて。
#118
○岩木哲夫君 安本では四月から物價を改訂すると言われて発表しておるようでありまするが、米價改訂につきましては先程大臣は明年七月頃と言われておりましたが、安本の物價改訂というものと米價改訂と二本建でやられる方針でありますか。
#119
○國務大臣(周東英雄君) 從來の普通の行き方とすると大体七月頃に改訂されるかとこう申上げたのでありますが、安本の申しておるのは個々にまちまちに物價改訂というものを今日すべき段階ではない、すべて総合的に生産計画や輸入されますいろいろの物資等の見合い等によつて賃金ベースが整えられ、或いは各工場等における生産力の見通しのついた時に必要があれば新たに物價改訂を行うかも知れん、それについて研究をしておるという説明をしたと思います。そういうことになればおのずから一般的な問題として考えるのでありまするから、必要があれば当然米價等についても考慮を頂かなければならんとかように考え、又したいと私は考えております。
#120
○岩木哲夫君 最後にもう一つお尋ねしたいのは、今度の予算に一般並びに特別の食糧配給公團の経費増額予算があるようでありますが、これは人員増加でありまするか。給與改訂による以外の予算があるように思いますが、その点を承りたいと思います。
#121
○國務大臣(周東英雄君) それは大体事務費の増であります。食糧公團の事務経費が八千万円政府が出しておつたのでありますが、それは今度五千万円の増になるのであります。そのものの大半は設備費等の費用であります。自轉車とか、或いはリヤカーというようなものを公團の本部、支所等に通じまして設置するための費用であります。
#122
○岩木哲夫君 人員の増加はありませんか、もう一度お尋ねいたします。
#123
○國務大臣(周東英雄君) これは一部入つておるようであります。極くその方は少うございます。千五百人ぐらいの増はあります。
#124
○岩木哲夫君 その人間を増加しようという目標理由はどこにあるのでありますか。
#125
○説明員(安孫子藤吉君) これは御承知の通り公團に対するいろいろな批判が持込配給をしないというような非常に批判がございます。この点についてはいろいろ公團の方としても理由もあろうかと思いますが、何と申しましても原則的には持込をしたいとこういう考えをいたしておりますし、又今後都市に対する轉入抑制も解除されるような結果になりますものですから、この点に備えまするために人員を増加したいと主として大都市において考えております。
#126
○岩木哲夫君 食糧公團のでき上ることは当時の野党である民自党は徹底的に反対をされたのであります。反対された理由の数々を一應我々は承知いたしておるのは非常に官僚的になる、或いは持込配給はしない、経費が増大する、人間は殖やさねばなるまいといつたことを当時野党であつた民自党が指摘されたと承知いたしておるのであります。今日そういう結果が不幸にして出ておるのでありまして、今日行政整理をせねばならんと言つて衆議院におきましては、岩本國務大臣が大幅行政整理の方針を明らかにいたしておるのに対しまして、かような措置はやや矛盾と申しますか、逆行を來たす感が深いのですが、所感を伺いたいと思います。
#127
○國務大臣(周東英雄君) お話の点は誠に御尤もな点であります。私共も公團の個々につきましては、今後十分に檢討をいたしたいと思つております。殊に先程から岩木さんが御指摘になつている米價問題、岩木さんも曾て米の取引関係には從事された方で、その間の消息はお分りかと思いますが、米のごときもののの持込配給に関して、如何にああいう公團制が個人的な動きに比べて、欠陷が多いかということをよくお分りと思いますが、私共も米價の決定等について、消費者價格について、今日米穀管理特別会計に属する調整費というものは勿論のことで、食糧公團事務費、人件費等は、すべて今後公價にかかることになる。そういたしますと尚更以て、その配給機構というものに関する合理的な措置をとらない限りは、これは消費者價格は上る一方である。そういう点から見ましても、公團そのものの存在を認めるといたしましても、その機構の運営について十分措置を講じなければなりませんし、更に根本に遡つては、そういう面からいたしまして、今後においてはもう少し根本的に考えて見たいと私は思つておりますが、只今の処置といたしましては、経過的な処置でありまして、私共の非常に急激な変化に應じまして、食糧公團が、何がしかのものを認めなければ、動かんという現状にありますので應急措置として、止むを得ん処置と考えておるのであります。
#128
○岩木哲夫君 もう一つお尋ねいたしたいことは、自由取引、今頃自由取引を言うのはおかしいのでありますが、そういう場合の生産者價格、生産者の販賣價格と消費者の小賣支拂價格というものの、格差と申しますか、値段の開きというものと現在の状態とは恐らく倍以上に國家費用い言いますか、國民費用と言いますか、消費者の費用、これが轉嫁されて、又生産者の支出の上にも影響を來たすのでございまして、非常にこの間の中間の費用が余計できて來る。日を追うて盛んになつて來ておるような傾向にあるときに、私はこうした米價問題と関連し、而も大きな要素を含んだ中間の無駄な費用を省くということについて、是非かねて民自党の主張であります政策に邁進して貰いたいと思うのでありますが、今農林大臣はこの根本的な機構の改変について、重大なお考えがあるもののように承わりまするが、これは例えば現在農林省の食糧事務所というものと、團業務というものとは、殆んどもう同公じ仕事を二重的にやつているというようなことにありますことは、御承知の通りであります。ただ末端の配給制度が現在直営的に行われておるということにあるのでありますが、將來この末端配給制度につきましても、他の食品関係のごとく、或いは生必物資、或いは連合國軍の給與物資等においても、それぞれ登録制で実行をいたしておる部面は少くないから、持込配給は官僚的では行かれない。親切丁寧なる実行を行うについては、末端登録制的な、或いは現在農業会等に代理配給をさせておりますが、この代理配給的な工合で、その熱意と努力を培養して、少くとも、少しでも経費を少くし、消費者に利便を與えるというようなことに、制度を変えるお考えがありまするかどうかを承わりたい。
#129
○國務大臣(周東英雄君) 御意見につきましては大体私共も同感であります。殊に最近誠に私はおかしく思つておりますのは、今もちよつと御指摘がありましたが、末端の配給機構について、農村又は農村の近郷にある小都会等におきまして、從來農業協同組合等に代理配給をさせておつて、十分に迅速に配給できたものに、わざわざ支所等を設けて、新たに公團の配給をする。その結果は農村で生産したものを、一旦都会地の公團に買上げて持つて行つて精白などをして。又汽車で持つて行つて、農村附近の小都会に持つて行つて、又別の支所で配給する。こういうところに無駄な運賃その他があるのではないか。これは実際の処置を見たわけであります。こういうわけから見ましても、末端機構につきまして、配給機構をどうするかということにつきましては、御意見等もありまして十分に私は考えて見たいと、これだけを今日申上げて置きます。
#130
○岩木哲夫君 私の質問は以上で終ります。
#131
○委員長(黒川武雄君) 次は尾形君、尾形君にちよつとお尋ねいたしますが、時間はどのくらい。
#132
○尾形六郎兵衞君 ちよつと十分ぐらい。
#133
○委員長(黒川武雄君) では尾形君。
#134
○尾形六郎兵衞君 水産問題についてちよつと農林大臣に海産のことについて伺いたいのですが、大臣も御承知の通り、今年は大体において非常に海の飢饉の年です。そのために太平洋岸におきましては、「いわし」漁が非常に不漁でありまして、潮の関係等もありまして、非常な業者が損失を招いておる。今日その再起も覚束ないような状態にありますが、こういう不時の災難に対しまする御当局としてのこれを救済する方法を講じて頂くことをあなたはお考えになつておりますか。
#135
○國務大臣(周東英雄君) 関東東北及び北海道近辺の「いわし」網、「あぐり」網漁業等が最近非常に不漁で、仕込資金を返せないような状態に立つておつて、更に立消えをするような状態であるということは、最近陳情を受けて承知いたしております。今日の場合、各方面に或いは漁業の制限を受ける等の関係から、或いは海流の関係かも知れませんが、漁獲が減つて來るということから起る漁業者の困難に対して如何なる処置をとるかということに対して苦慮いたしております。これは私共の考えといたしましては、單に現在これに從事いたしております漁業者の救済ということよりも、これらの者の沒落の結果、食糧の重要な一部面を担当しておる蛋白質の給源のとなる水産業の衰退から、そういうもの食糧源というものに不足を來たすことは、非常にこれは國家的の問題でありますので、そういう面からも見まして、且つ業者の負担も考えて、何らかこれに対して應急の処置をとるように、只今大体当局とも相談をいたしておる最中であります。まだ具体的にその点までお話申上げる結果までは出ておりません。
#136
○尾形六郎兵衞君 農業におきましては、農業手形の発行を見まして、肥料と資材の入手が樂になつて参りました。水産におきましては、実は水産手形というものを発行させて貰いたい。このためにいろいろ銀行方面に交渉しましたのですが、水産には何ら政府のつまり裏付するものがない。農業であれば農業災害補償制度というものが一反歩について三百円までという最低補償がある。これを見返りに、これを担保に農業手形というものを出す。この水産では何らそういう処置がないので如何ともし難いということになつたのでありますが、同じ重要産業であります水産業におりまして、何とか農業災害補償制度と同じような漁業の災害補償制度というものを一つ作つて貰うことはできないかどうか、お尋ねいたします。
#137
○國務大臣(周東英雄君) 誠に御尤もな御意見でありまするが、是非一つ私共の方でも今何か不漁災害補償法のごときものができればいいがと思つて研究は進めております。併しこれはなかなか農業の方においても実際上非常にむずかしい問題であります。今日できておりますものを、最近のごとく災害が頻々と起ります場合においては、なかなかその救済というものの目的を達し得ないこともある程今日弱いものであります。この点なんかについても、何か考え直す必要があると思つておりますが、殊に漁業は漁獲物についての補償をどうするかということになりますと、可なり又むずかしい問題になるのでありますが、併しこの漁具、設備等に対する災害補償というようなものについては、或る程度今研究、立案が進められておるのであります。漁獲物についての方と合せて一つ考えて見たいと、かように思つております。
#138
○尾形六郎兵衞君 私の希望としましては、成るべく早急に具体的にそういう措置をして貰いたいことを希望しております。
 尚もう一つお尋ねしたいのは、この漁船保險制度というものを先年政府が作られまして、大変漁業家のために役立つておるのであります。木造船の保險料は百円について十一円ですけれども、漁船保險ではその半分で間に合つておる。こういうために非常にこの保險に入る方が多いし、又モツトーとしましても、安い保險であつて早く支拂いをするということをモツトーとしまして、多数契約されたのでありますが、最近におきまして非常に災害を被むることが多いのであります。從つてなかなか政府からの支拂いが遅い、非常に困つておる。先般來各縣から請願書が出まして、その度に水産常任委員長が本会議でこれを報告しております。でこれに対しまして如何なる措置を講じて下さる御意思であるか、その点をお伺いいたします。
#139
○國務大臣(周東英雄君) どうもこの点は事情を聞いて見ますと、誠にお氣の毒に思つておりますが、漁船保險も実は農業保險の方も大体一般会計から特別会計への繰入れが遅れておりまして、財源の関係上大分支拂いが延び延びになつて参つておるようであります。いろいろ借入金等で賄なつておりますが、できる限り早く処置するように努力いたしたいと思います。
#140
○尾形六郎兵衞君 実は約六千万円を一般会計から繰入れて頂かなければ措置ができないということを聞いております。実は今日大藏大臣と御一緒ならば非常に都合がいいと思つたのですが、大藏大臣が見えませんのでありまするので、できるだけ農林大臣が一つ大藏大臣に談判されまして、速かに一般会計からの繰入れを相当程度早くして貰つて、そうして速かに漁船保險の支拂いをして貰いたいということを希望いたします。
 それからもう一点お尋ねしたいのは、これは何回も私共が今まで言い古したことでありまして、今更問題にするのもどうかと思いますが、民自党のかねての政策でありまする漁價の統制、配給の統制を何とかこの際年來の民自党の主張のごとく速かにこれを撤廃する必要があると思います。大体の数字は農林大臣も御承知の通りでありまするが、全國的に見ましても二十三年度のごときは約十億万貫に達しておる。從いまして昭和十七年程度、或いは十六年程度の当時までに漕ぎつけて來た。六大都市の一人当りの配給の数量を見ましても、本年は一日一人当り三十三匁、一番惡い昭和二十年は八匁しかなかつたのでありまするが、約三倍になつております。從つてこの数量は昭和十七年ぐらいの数量と同じであります。これくらいにお魚の供給が増加しましたのでありますから、これを撤廃しましても俄かにこれ以上魚價が上るというような現象は來たさない。從つて一般物價の値上げをさしたり、或いはインフレーシヨンを刺戟することもない。敗戰直後、あの時に撤廃したときには非常にお魚が上つてインフレーシヨンを助長したという弊害もあつたんですが、今度はその心配はないんです。何とか年來の御主張の通り、この際是非とも断行して頂きたいと思いますが、農林大臣の御決心を一つ……。
#141
○國務大臣(周東英雄君) 生鮮魚介類についての全面的統制撤廃ということについての御質問でありまするが、これは希望といたしましては私共もできるだけ早くそういう時期に到達いたしたいと、折角方法等も考えておりますが、御承知の通り可なり漁業用資材等について関係國の援助を仰いでおり、それについてバーターによつて國民生活を保障されておるような状況の下に、且つ又一面において統計上の数字はやや殖えておりまするが、実際問題として戰爭以前の統制のなかつた時代においては、今農林統計に現われておる以上の魚というものの漁獲があつたものでありまするので、そういうことを考えますときに、今日のように遠洋漁業方面、各地の漁場の制限等もありまする今日、余程数量等についても考慮を入れつつ、時期と方法を考えて実行するのでなければ、徒らに混乱を起すと……再びこれを外した後に又統制するということはこれは殆んどできないことであります。一旦今度止めれば、当然に後引続き効果よく弊害の起らんように進めて行くことが必要でありまするので、そういうことを考えて愼重に今施策を考えておるのであります。御了承を願います。
#142
○尾形六郎兵衞君 私の質問は終りました。
#143
○岡田宗司君 先程岩木委員からの御質問がありまして、超過供出の目標を三百万石と、こう置いておるように聽いたのであります。然るに食糧管理局長官からのお話でありますというと、その米價の中に算定されておる面から見ますというと、超過供出の量は百五十万石と、こう置いておるという食い違いがある。この点につきまして私共は最初政府の方においては超過供出は約百五十万石くらいと見ておられたと聞いておるのでありますが、政府の方ではそれをいつ三百万石と見込むようになつたのか、それからその百五十万石と三百万石との違いが日本の今後の食糧需給にどういう影響を及ぼすかという点についていろいろ問題もあると思いまするが、その点はつきりさして頂きたいと思います。
#144
○國務大臣(周東英雄君) 御尤もなお尋ねであります。大体二十四米穀年度の食糧の需給推算からいたしますると、只今私の申上げたように最低三百万石を希望しておるというのであります。ただ消費者價格等に見込む関係からいたしますると、現実に見た数量を以て不当な價格を織入れないように計画をいたして約半分を計算に入れたわけであります。幸いにして需給推算を出すときにどんどんと超過供出が出て参りまして、或いはそれ以上実際に出て参るかも知れません。それらの事柄は、次の米穀年度に消費者價格等に入れるか、或いは適当の措置をとつて、それまでは特別会計の負担にしておればよろしいと、かように考えております。
#145
○高橋啓君 農林大臣にお伺いいたします。この補正予算の中で、國家公務員法の修正によるための給與、それから災害復旧費というものは非常な重きをなしておるのでありますが、この数字によりますと、六十億、而もその六十億がいろいろな沢山の種目に分配されるのでありますが、このうち農地復旧に使うものが幾らかということはまだ見ておりませんが、一体この度重なる災害によつて農地が非常に浸されておりますが、復旧を要する金額、総額が幾らか。それをお伺いするのは、この補正予算で、その復旧を要する農地の何%くらい復旧し得るか、こういうことを伺うために、復旧を要する農地の復旧に要する金額が幾らか、これを伺いたいと思います。
#146
○國務大臣(周東英雄君) 個別的に細かいことは政府委員の方からお答えいたしますが、大体今農林省といたしまして、耕地、山林、水産等の復旧に要する應急の措置として要求いたしましたのは、大体七十四億くらいだつたと思つております。いろいろ財政上の都合がありまして、総額が六十億に減りまして、そのうち農林省関係に振り向けられたものが十八億一千万円くらいになつております。從つてその中で多分耕地関係は十五億くらいだつたと思います。從つて初めの中に入つております数字の全体から見ますと、約四分の一強になつておりますから、大体同じようにされますと、農地関係もそのくらいになつておると思いますが、尚詳しいことは政府委員の方から……。
#147
○高橋啓君 実はこれを回復するための予算というのは、恐らく関係官廳には資料が参つておると思うのですが、三百億と言い、四百億と言つておるのですが、御承知の通りこれは年度でこれを復旧して行くということになると、直ちに米の生産に関係して参るので、どうしても今度の補正予算にこれを計上しなければ來年の植付けまでには間に合わん、こういうことになるわけです。そこで地方の状況を見ますと、地方の財政は非常に貧弱になつておるばかりじやなく、度重なる災害のために個人の蓄積というものは殆んどない。昔は大地主というような蓄積を持つておつた者が自分の田畑の回復をやつておりましたが、近頃は零細化された農民でありまして、一度や二度は労力やいろいろな方面で資金を出したが、もう今日は全く何もないので、國からか、或いはその他の地方からか補助を受けなければ回復できない。その状況を見ておるときに、余りにこの災害復旧の費用が少いのじやないか。恐らくこの種目に対して各党不賛成を言う者はなかろう。満場一致で應援するのじやないかと思うのでありまして、もう少し取れなかつたかと、この思うのであります。尚この経費によつて全体の、回復を要するものの何%くらい回復できるか。そのために若し全部回復したならば取立て得る、或いは得べかりし收穫から幾らくらい減少するかということをお伺いしたいのであります。
#148
○説明員(奧原日出男君) 今年の災害によりまして、農林省関係におきまして、復旧工事に要しまする全部の経費は約二百九十三億、こういうふうに殖えております。その中で本年度に復旧いたしまするものが約三分の一といたしまして、百二億というものを考えておつたのでありますが、これに対しまする必要なる補助予算は今年度におきまして、先程大臣からお話にありましたように七十四億というものを必要とすると考えておつたのであります。然るに國家財政の事情によりまして、この七十四億の今年の災害の外に過年度の、前年度から持越しております災害を含めまして、合計いたしまして約八十四億見当になつたと記憶しておりますが、それに対して承認せられました補助予算額は先程お話がありました十八億のうち耕地関係が十五億、林野水産関係、林野が二億四千強、水産関係が、五千四百万というふうな計数に相成るような次第であるのであります。尚この経費の外に第三四半期におきまして、地方債の額を一時留保いたしまして、全体におきまして約四十億、農林省関係におきまして約十一億七千万円であつたと記憶しておりますが、これだけの金を以ちまして、一時融資して、預金部資金等より一時融資をいたしまして復旧工事をいたしたのであります。この分がまだ最後的に決定いたしておりませんが、恐らく今度の追加予算額の上に更に加わる、今度の追加予算を以て先に借りましたこの地方債の資金を返還しなくてもよいということになるのではないかと思いますので、事業分量としては両方が加わるのではないか。かように我々は考えている次第であります。併しいずれにいたしましても、多少期待いたしておりましたものに比べまして、昨年も、又今年も初年度における事業分量が非常に少いということはこれは甚だ残念に存ずる次第であります。
#149
○高橋啓君 只今の大体の数字でもはつきり分る通り、全く復旧に要する金が足りない。融資しても足りない。ところが地方銀行では枠だけを與えてもなかなか融資ができないという状況にありまして、恐らく今度の予算に貰うのを返還の対象に希望しているのではないか。そういう空氣が農林省の大きな頑張りがあれば、恐らくこれは加えることにならずにただ見せ金になりはしないかとこう思うのであります。これを大体返環しないで、そのまま前の既定予算に、或いは融資した復旧費にプラスになるように今の状況において見込があるかどうか、これを伺いたいと思います。若しないとすれば、今度の急いで作つた重要な補正予算というものの大半の意味がなくなると思うのであります。この点に対する農林大臣の御確信のところをお伺いしたいと思います。
#150
○國務大臣(周東英雄君) 誠に御尤もなお話であります。私共としては、今まで非常に努力いたしましたが、財政上の関係で、財政措置としての金が少かつた。併し増産上の立場から見ると、できるだけ早く復興させたいという立場から、お話のように預金部資金で処置をとりましたものにつきまして、これを暫くもう少し扱つて、そうして事業の遂行できるように今折角努力いたしておる最中であります。
#151
○高橋啓君 その農地と河川改修、或いは山林砂防、それから植林といつたようなものは一連の関係で関連しておりますが、これらの関連が皆一つの管理の下に置かれなければ、折角川の下の方で土手を作つたところで、或いは河川砂防をやつても山の上から流れて來てはどうすることもできない、どうしても植林から、山林砂防から、河川改修、いずれも一連の関係を一つの管理にしなければならぬと思うのですが、その予算の配置について管理が違うために折角金を掛けてもその効果を期待できないというところがあります。そこで予算を決められる場合に、この点を関係官廳とよく連絡をとつてやつて頂きたい。例えば川上から計算を起し、それから土手を作り、或いはダムを作るというように規模計算がはつきりするわけですが、それが管理が違つたりするためにうまく行かない、そのために予算の無駄が沢山あります。管理で非常な無駄がありますが、その予算を使う場合にその関連をよく生かして、そうして連絡をとつてやつて貰いたいのでありますが、この際農林省では山から川の下まで、あらゆる建設、その他の仕事を全部一つに管理するような方法に対してどういうような農林大臣は考えを持つているか伺いたい。
#152
○國務大臣(周東英雄君) 治山治水関係におきまして、山を治める方の側の官廳と、川を治める官廳との関係において、非常に連絡が惡いために無駄な予算を使つているのではないか、これらに対してむしろ川上、山腹工事について官廳を統一したらどうかという御意見のように伺いますが、誠に御尤もな御意見でありますが、治山治水の根本は、これは決してセクシヨナリズムに基いて申上げるのではありませんが、治山治水の根本は先ず山を治めることが先だと思います。山を治め、山腹砂防などが完成し、植栽、植林が徹底して行われておる場合において、多くの場合むしろ表面流量が少くて、雨などの場合において、表面流量が少くて蓄えられて、徐々に、純粹な水だけが流れる場合においては、むしろ河川は掘れて行く、深くなつて行く、これが治められん場合においては、土砂を流して、河川が浅くなつて、土手を幾ら築いても段々河床が上つて行くというのが科学的に見られたところであります。從いましてそういう面につきましては、やはり森林行政と合せて山腹の工事並びに民間における砂防、並びに植林などにつきましては統一ある森林行政をやる所管でやることがよかろうかと思いますが、その間におきまして山と川との間における治山治水の仕事につきましては、連絡協議会などがすでにあるわけでありますから、その間に虚心坦懐連絡をいたして、予算の使途について打合せて行けば私は効果を挙げるのではないかと思いまするが、尚御意見に基きまして、國家のために効果を挙げるような方法についてよく研究を進めて行きたい、かように考えます。
#153
○高橋啓君 次の点は最近政府が、これは民自党の方針だと思いますが、できるだけ許す限り統制を解除するというような方針が強く叫ばれて、一般の人が、政府の方針がこの通り行わるるものという考え方から非常な大きな影響を與えておるようでありますが、これはできるだけ具体的のことをはつきりさせなければそこに國民の動きというものに大きな影響を持つて行きます。第一に伊過般の新聞に出ておりましたが、薪炭を統制から解除するというような発表がありましたし、それに伴い、木材も統制から解除になるだろうというようなことで、生産の上に非常な駆引が起きまして、最近はその統制撤廃のときに備えて生産を控えたり、或いは山を買持ちいたり、いろいろな状況が端的に現われておる実情を私共は見ておるのであります。そこでこういうことは、他に大きく統制撤廃の方針ということを発表するときには、具体的に細目を添えてやらなければそこに大きな弊害が起きるのじやないか、こう思うであります。
 二点は、やはり統制撤廃の問題ですが、米が供出を完了すれば自由販賣できるであろう、こういうことであります。私共も非常にこれは結構なことでありますが、ただ野放図に賣るのじやない、そこにいろいろな細目を添えて、そうして自由販賣を許すのだと、こう思うのです。一般國民はそのようなことまで臆測しておらない。これは残して置けば自由販賣できるのだというので、そこに超過供出の面にも現われて來るのじやないか、こう思うのです。そこで今新聞や何かで発表されております統制の対象となる青果物、これについて先程岡田委員から御意見がありましたが、こういうことが大体いつ頃から、どのような準備をしておるか伺いたいと思います。
#154
○國務大臣(周東英雄君) いろいろ御質問がありましたが、政府の方から、例えば木炭の統制を全面的に撤廃するとかというようなことは発表したことはございません。ただ御承知のように、薪炭、木炭につきましては段々と生産も殖えまするし、價格も或る意味においては公定價格を下廻るというようなことが出て参りましたので、先ず薪炭等につきましては、この從來の配給機構等に或る改革を加えまして、御とか或いは小賣というものによつて、登録制の下にこの扱い方を認める。更に生産町村……移出農村であつて、生産町村においてはむしろ生産者價格で以てその町村内は取扱わせる。指定を受ければ取扱を認めて、そうして消費者價格による相当幅の負担をせずともよろしいような恰好の方法を採るというようないろいろな漸進的な行き方を今しておるわけです。それが進んで恐らく外れるのだろうというようなことになつたのだと思いますけれども、これははつきりいたしておりまするから御了承を願いたいと思います。
 又只今御指摘の米の供出後の自由販賣の問題につきましては、再三私は本会議その他においても、又就任早々の新聞等においても意見を申述べたのでありまするが、このことは一つ政党としての政策は勿論ありますし、又究極においてこれは自由に持つて行くことが生産意欲を高める土からもよろしいのでありまするけれども、併し現段階において、とにかく前内閣当時に……國の内閣としては一つのものでありまするが、起過供出について相当の報奬金を設けて買上げるという政策が打たれて、その場合に混乱を起すような事柄を取ることは徒らに食糧政策の混乱を來たす事柄であり、生産者に対してのみならず、消費者の側においても迷惑を被むる場合がある、殊にこの起過供出の買上價格と自由販賣における場合というものについてはおのずからそこに互いに利害がありまするので、そういう面を考えるときに、余程切替えの時期については愼重考慮すべきものである。從つて今日におきましては政府は起過供出に対して農家の方の協力を求める方針を堅持するということを私申述べたのであります。從つて今後いつの時期にどういう方法で、ということについては只今申上げることは却つて又いろいろ誤解を生ずることでもあり、愼重に研究しておることだけを申方げて置きたいと思います。
#155
○高橋啓君 私の質問は終りました。
#156
○岡田宗司君 それでは農林大臣にお伺いいたしますが、先ず早場米の供出と、超過供出によりまして政府がどれくらいの金額を奬励金といたしまして農民に支拂うか、大体その予定金額についお伺いしたいのであります。
#157
○説明員(安孫子藤吉君) 超過供出については概ね石当り七千円が報奬金になります。七千円で百五十万石と想定をいたしますれば百五億ということになります。
#158
○岡田宗司君 早場米供出は。
#159
○説明員(安孫子藤吉君) 早場命は四十二億。
#160
○岡田宗司君 その両者を合せまして約百五十億の金が農家に入ることになるわけでありますが、これらはやはり所得税の課税の対象になつておるわけでありますが、その両者について課せられまする所得税の金額が大体どれくらいになるみのか、お伺いします。
#161
○説明員(安孫子藤吉君) 普通の田畑の所得標準率から申しますと、概算しまして三〇%が税金かと考えております。四十五億であります。これは十分所要経費なんかを見ないで一律の標準で行つた場合というようになつております。
#162
○岡田宗司君 第三國会中において、衆議院で早場米供出の奬励金、超過供出の額に対しまして免税すべしという決議が行われたのであります。政府としてはこれに対して如何なる処置をおとりになるつもりかお伺いいたしたいと思います。
#163
○國務大臣(周東英雄君) 大体ざつくばらんに申上げまして、私共供とにかく超過供出を出して頂くのでありますから、それに対して報奬的性質を持つ代金の支拂に対しては免税して貰いたいというのが、これははつきりした考え方であります。いろいろこれについて努力折衝いたしましたが、今日苟くも所得ある者に対して納税は國民の義務という立場から、減税、免税等はどうしても趣旨上よろしくないということで、その目的は到達できませんでした。ただこれに対して私共は、農家が恐らくは超過供出をなし得る農家はそれだけ生産に当りましては施肥なり或いは労力なり余計なものを掛けて努力して作つて、その結果超過供出ができるのであります。それらの少くとも余計かかつたものだけは評價しなければならない。普通の状態とは違つておるのだから……ということで最終的に大体まあ近く決まつて発表することになりまするのは、超過供出をなした農家につきましてはそれの生産に要した必要経費を差引いて、所得金額から落して、それだけ税額の負担を事実上少からしめるというような方法を採ることにいたしております。
#164
○岡田宗司君 その御努力は我々も非常に多とすることでありますが、すでに税の徴收の時期も追つておるのであります。で、只今必要経費を多く見込む。そうして税額を少からしめるということでございましたが、超過供出一石当りについて、必要経費はどのくらいの増というふうに農林省では見ておられるのですか。その点についてお伺いしたい。
#165
○説明員(安孫子藤吉君) 石当り、これは各地によつていろいろ違うと思いますが……ちよつと速記を……。
#166
○委員長(黒川武雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#167
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて。
#168
○岡田宗司君 米の消費者價格の中に農業調整委員会の費用等が大分織込まれておる、一方において法律上決まつておる保險金の方が入つておらん。こういうので極めて不合理であるのでありますが、純然たる行政費に属するものは、当然これは政府で一般財政より負担すべきものと思われるのでありますが、來年度の、次の米の消費者價格決定の際に、その点を改める意思があるかどうか、その点もお伺いしたいと思います。
#169
○國務大臣(周東英雄君) お答えしますが、大体私も御意見のように考えております。この度就任いたしまして早早消費者價格の決定がなされたのでありますが、どうも少し私自身として腑に落ちん点があるのでありますが、非常に急いでおりますから、一應認めておるのであります。今御指摘のように、むしろ法律上消費者の負担となるべき、例えば災害補償法に基く共済掛金の一部のごときは、むしろこれは消費者負担にして、そうして行政費等はできる限りこれを一般会計を以て負担せしめるよう実は努力したいと、かように考えております。その際に同時に公團等における経費等も余程合理的に考える必要があろう。かように考えておる次第でございます。
#170
○岡田宗司君 次に本年度の食糧計画におきまして甘藷が非常に大きな部分を占めておりまして、特に戰爭中からずつとこの方甘藷のみは非常の勢を以て増産されておるのでありますが、本年度は非常に持て余されておるような状態になつて來たのであります。最近甘藷の生産につきまして、最早これは非常に腐敗が多くて処理がむずかしいから、食糧政策の上から一部分を作付轉換をすべしというような声が起つておりまして、私共もその点につきましてすでに甘藷の生産については、或る程度そうした方がよろしいと考えておるのでありますが、特に日本におきましては油脂の生産が少い。これが國民の食糧の上に及ぼす影響もありますので、大豆その他油脂の原料になるものの生産に轉換したらばどうかというふうに考えておるのでありますが、政府においては甘藷の作付につきまして何らかそういう方法を採り、來年度あたりからそういう奬励をする意思があるかどうか。その点についてお伺いしたい。
#171
○國務大臣(周東英雄君) 誠に御尢もな御意見を拜聽いたしまして意を強うする者でありますが、私も実は食糧問題の解決について、戰爭中及び戰後において、いろいろな事情から惰性的に來て止むを得ませんですが、どうしても中心が、米麦、甘藷、馬鈴薯という澱粉食糧に中心が置かれ過ぎておつたことは事実であります。これを外國人の食生活並びに中華民國人の食生活から考えまして、日本程澱粉主食量が偏重されている國はないのであります。そこでお話のように、本当の解決は蛋白、脂肪給源となるべき食糧、水産、畜産並びに油脂食糧作物の植裁ということによつて、一面においては澱粉主食糧生産を増すのに、農家の負担を軽くして、食生活全般的に見て、質並びに量と並んでのこの食糧解決を図ることが、最もなすべき今後の重要点だと考えているのであります。そういう意味から申しますと、今年のごとき天候の関係もありましたし、又農家の方の非常な努力によりましてできたのでありまするけれども、中には、藷が、余り供出というものの関係に重きが置かれて、数量の生産増というものから考えて、多收穫の質の惡いものができて、價格も高く買われるというところに欠陷が起きているという実情もありますので、こういうことを考えますときに、お話のように、でき得べくんば、今の油脂作物へ轉換して、これを食糧輸入に廻して、質から來る食糧の量は多少減つても、質から來る満足感を得させるということが行くべき途だと思いますが、直ちに來年度から藷の作付を減じて油脂作物に轉換するかということについては愼重に考給いたして見たい、かように考えております。
#172
○岡田宗司君 次にお伺いしたいことは開拓に関する問題でございます。終戰後開拓につきましては百五十万町歩の開拓計画をお立てになりまして、それを年度割にして、五ケ年くらいでやり上げる方針でお進みになつた。ところが最近に至りまして、この開拓計画にいろいろの変更が加えられまして、その結果、開拓が非常に後退したような恰好になつておるのであります。むろんそれには尤もな理由も含まれてあると思いますが、これが開拓者に及ぼしたところの心理的影響は極めて大きい。そうして開拓者たちは相当失望をしておるような状態なのであります、その点につきましては、やはり今後開拓が必要である以上、こういう心理状態になりましたものを、もう一遍政府におきましては奮い立たせる必要があると思うのであります。
 先ず第一といたしましては、旧來開拓地に入りました諸君が、非常な苦心をされて開拓をしておるのでありまするが、中には國家の援助が少かつたり、或いは遅れたりいたしたために、折角の努力も無駄になりまして、開拓地を放棄しなければならんような事態も、到る所に生まれて、そうして又、その生活状態等も窮乏のどん底に陷つておりまして、これが救済を求める声も相当高いのであります。これらの点につきまして、今申上げましたように、開拓が退後をしているというような印象を更に與えますならば、その影響も甚だしいのでありますが、こういう今までに入りました……そうしていろいろな点から成績が挙つておらん、そのために窮乏に陷つている者に対する救済策、これにつきまして、政府として何か新らしい手をお打ちになるつもりであるかどうかという点、更にこの今後の開拓の計画の根本方針はいずれに置かれておるか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#173
○國務大臣(周東英雄君) 開拓に関しましては、後退をしているというようなお話でありますが、私は必ずしもそう思わないのであります。ただ、私共の考えておりまする政策といたしましては、余りに從來の百五十万町歩開墾という政策が掲げられて、それを五ケ年以内とか非常に急がれた結果、これは岡田さんも耳にされたことと思いますが、地方によりますると、ただその開拓候補地について、何らの科学的調査も行われず、一應網を掛けて買收の予定地と決める、こういうような行き方がされる。又ときに地方の農地委員会等が十町歩未満のところでは地方的に決めますから、そういう面について、それを強制的に事情も調べずに候補地にするという結果から起りまする弊害は、結局一面治山治水等によつて今日山を保全し、且つ植林をしなくちやならんときに、その候補地が果して治水上拓いてよいか、又既墾地との関係において、これは岡田さん十分御承知でありましようが、既墾地との関係において灌漑用水を取り得るかどうかということを考えて適地を選ばなければ、百年悔いを残す、こういうことになります。こういう意味で、開拓開墾、未墾地買上げについては、候補地について再檢討する必要があるということについて新らしい政策を樹てておる次第であります。從つて引揚者、なかんずく引揚者等の中にある農業者をして、日本の帰られて適当なる土地を與えて、ここにさなきだに少い耕地面積について増反をいたし、そうして食糧の増産を図るという適地があれば是非やらなければならんことと考えておる。この点については間違いございません。但し今お話のありましたように、從來の開拓計画というのは、私をして言わしめれば、余りに廣く、そうして浅く計画されておつたのじやないか。その結果から、それぞれの開拓地へ集團移民を入れて置きながら、経費が足らんために、折角拓きましても、そこに住み得ない状態に置いておるのじやないか。むしろ私共は量よりも質的に考えつつ適地を考えて、そこには相当に予算を集中して、今お話のあつたように、寒い地方に折角拓いたが、住宅も非常に惡い、又その農耕器具の供與も少い、開墾も手間取つておるという行き方に檢討を加えて、集中的にやつて行かなければ、なんぼばら撒いても、一挙に急いでやりましても、結局入つた入植者が困るばかりではないか、こういうように考えておる次第であります。
#174
○岡田宗司君 次にお伺いしたいのは農地改革についてでありますが、まあ今後農地改革を更に徹底化されて、更に私共の考えております第三次農地改革については、すでに農相から、それはやらんということでございますので、その点についての質問はいたしませんが、現行法によりますと、農地の買上げも本年中に終ることになるわけでありますが、今後もこれを続けておいでになる意向があるかどうか、その点お伺いしたいと思うのであります。
#175
○國務大臣(周東英雄君) 大体の目標は年末で終るような予定になつておりますけれども、尚買收した土地の代金の授受、賣渡した土地については代金の授受等経理面について、これは相当に後に残るものと考えます。又いろいろと耕地整理或いは区画整理地区に入つておる土地によりまして、まだ年内に買收賣渡し等の済まない部分も相当にあるようであります。この部面等については、勿論後に仕事が残つて行くと考えます。同時に今お話がありましたが、いわゆるよく言われまするもう一町歩未満の地主も、これの土地を取上げて行くべし、かくしなければ農村の民主化の達成はされないという第三次農地改革については、余程愼重に考えて行かなければならんことじやないか。これはイデオロギーとか、何とかの問題じやない。岡田さん御承知の通り、小作農に対して非常な影響を持ち、封建的だと言われておつたところの勢力というものは、非常に大きな地主であります。これらの問題については、大体その土地を買收してこれを小作農に渡すという段階は殆んど済んでおるようであります。從つてこの小さな地主がその影響力を持たないと思うのでありますが、將來私はいろいろ考えて見ましたのに結局折角できた小作農の自作自営農家になつた、併しその農家が働手を失つて、みずから耕作できないというのは從來の意味とは違つた意味において耕作地を他人に渡すということも起るのではないか、その場合に非耕作者だから取上げるということはないのであります。これは小さな地主を取上げるということを考えるよりもむしろ折角できた自作自営農家というものを中心にしてこの農家を農家経営上安定し得るように、且つ他の面においての農地政策が考えられて行くことが必要じやないか、その意味において第三次農地改革というものはこれは一つ取上げるべき問題だと思います。從つて今後は敗戰後における日本の状態からいたしまして、山林、原野或いは既耕地、牧野というようなすべての日本においての総合利用計画というものを立てなければならん、そういうものを立て、その設定に基いて一つの交換分合ということも農地制度の一つであろうと思います。こういう面においては改革はやつて行かなければならん。こういう面において又農地改革と申しますか、農業改革と申しますか、その他にも沢山この面において今後いろいろと施策して行かなければならんと私は考えております。
#176
○岡田宗司君 第三次農地改革については、今私農林大臣と御議論いたそうと思いませんが、政府は交換分合についてどういうふうにお考えになつておるか、又これを勿論進めなければならんと私共考えておりますが、これについての法律を特別に早くお出しになる御用意があるかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#177
○國務大臣(周東英雄君) 只今の土地の交換分合について立法的措置はできておるかというお尋ねでありますが、大体今研究の結果或る草案を得ておるのであります。近くこれが成案となれば國会にも出すことになると思います。いろいろ併し交換分合につきましても理論的に私は是非やらなければならん、これは実行に当つて制度の問題だとか、種々の点から余程実行上の措置を考慮に入れて考究いたしたいとかように考えております。
#178
○岡田宗司君 農地問題についてもう一つお伺いしたいのであります。それは農地調査法が続けられて参ります以上、農地委員会というものは当然存続すべきでありますが、この農地委員会の書記につきましては今までは給料の問題について、或いは資格の問題についていろいろ問題があつた。一体農地委員会の專任書記の資格はこれは國家公務員法の資格を與えるべきであるというのか、或いは又これは地方公務員の資格であるのかその点についてお伺いしたいと思います。
#179
○國務大臣(周東英雄君) ざつくばらんに言つてちよつとこれは妙な立場に置かれておると思いますが、ただ現在の法規の上から言つてあれは地方道府縣或いは町村の職員になつております。ただ経費等の関係上、國が補助をいたしておりますけれども、この意味から身分の関係でありますと、地方公務員である。その色彩が強いと思います。
#180
○岡田宗司君 その農地委員会の專任書記の手当の問題でございますが、今次のベースの改善によりまして、この農地委員の手当も一般公務員の同じ程度まで引上げられるのかどうか、その点についてお伺いいたしたいのであります。
#181
○國務大臣(周東英雄君) 大体專任書記につきましては俸給の水準の引上げに副うて同樣の措置をとりたいと思つて努力いたしたのでありますが、ただその間に要求当時の事情といたしまして從來非常に低かつたのであります。これは三千七百円のベースで要求しておる。そこで大体予算的措置におきましては、先にその範囲で決められたようでありますが、私共としてはこれが予備費の中に入つておるわけでありまするから、できるだけ実際問題として全体的の水準に合わせるように今大藏省と折衝中であります。
#182
○岡田宗司君 只今のお答えによりますと、とにかく專任書記は地方公務員である。こういうことになるのですが、地方公務員の給與も又予算上の措置といたしましてちやんと五千三百三十円ベースに引上げることになつておるのでありますが、これは是非ともその金額を支給せられるように更に御努力願いたいと、こう思つておるのであります。
 それから最後に一つ金融問題についてお伺いいたしたいと思いますが、長期金融の問題につきましてはすでに新らしい資金が出ることになつております。この点について額は無論今後更に殖やさなければならんと思つておりますが、短期資金につい農業手形が出て今日施行されておる、併しこれだけでは私は営農資金に非常に不十分であると思うのであります。段々農家の方も苦しくなつて参りまして営農資金が相当要るわけでありますが、こういうふうに資金が窮窟になつて参りますと、一應農家といたしましても再び借金をしなければならん。そのために今後又高利貸というようなものが農村に蔓延る虞れも出て來るし、又業実上の土地の兼併というようなこともいろいろな形で行われて來るかと考えられるのであります。政府といたしましても出制度を採つております以上、この営農ということにつきましても政府自体が相当考えなければならん、こう考えられるのであります。今日政府がいろいろ土建等の仕事をいたします場合に先に金を渡しておる。この食糧の場合につきましても政府は当然秋になれば金を支出して、そうして買上げるわけになるのでありますから、営農資金といたしまして、先ず先にその半額なり或いは四割なりというものを春のうちに支拂う、そういうような方法によつて営農資金を供給するということについてお考えがあるかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#183
○國務大臣(周東英雄君) 政府が予め営農資金を秋の買上代金を狙つて先渡しする考えはないかというお尋ねでありますが、只今のところそういうように考えておりませんが、よく研究をして見たいと思います。ただお話のように営農資金、金詰り、その点が農業経営に非常に影響がありまするので、只今のところ農業協同組合に対して、何らかの方法で中央金庫等を通じて、必要な経費を農業協同組合等に流すことを、これを先ず第一に考えるべきではないかと、こういうふうに考えておりますが、今のお話の点については今後研究して見たいと思います。
#184
○岡田宗司君 終りました。
#185
○中西功君 海員のこの度の爭議に関連し、同時に又船舶運営会への補助金の内容について、お聞きしたいのですが、船舶運営会の経費不足を補うために、二十五億円が出されておる、そのうち從業員の給與改善に充てる金額は五億円を超えてはならないという説明がついております。そうすると二十億円というものは、これは給與改善ではなくて、他の方に廻るわけであります。第一に聞きたいことは一般の印象ではこの度の追加予算は給與予算であるという意味で、非常に給與が各方面で上つた関係からこの予算が組まれておるというわけであるが、この船舶運営会の補助金の二十五億のうち、給與改善には僅か五億しか使われないと明記されておりますが、後の二十億が他の経費に使われるのですが、最初にこの二十億というものは何に使うのか、それをはつきりして貰いたい。
#186
○國務大臣(周東英雄君) これは大要を申上げますと、例えば今度の定期傭船に関する船の修善費、或いは船員の待設備、その他一切を含めまして、大体大藏省の方では六十一億余円というものを要求しておつたのであります。ところが結局になりまして、只今中西君のお話の通り、五億は六月以降の現行資金に対する三割増に充てる金額、その他二十億は只今六十一億何がしの要求のもののうちに算定された形になつておるのであります。從つてその費目の詳細につきましては、別途に政府委員から申上げますが、以上のような次第で、單純に給與だけを算定されたものではなくして、運営会関係としまして、要求したうちの五億は、給與、その他二十億は只今の給與を除いた六十一億の要求が、二十億の査定になつて出たのであります。尚六十一億の内容については、政府委員から御説明申上げます。
#187
○政府委員(岡田修一君) 二十五億の補助予算の内容につきまして御説明申上げます。收入の面におきまして、四億三千万円の減が出ております。それは外國航路の貨物が減少いたしましたがために、その運賃が非常に激減したわけであります。運営会といたしましては、この外國航路の運賃で相当收入を上げる。從つてそれで他の方面の赤字を捌く。こういう建前で当初予算が組くでありましたので、外國貨物が減少いたしました結果、只今申しました五億三千万円等の不足になつておる。支出の増加といたしましては、船舶使用料が約四億七千万円、これは最近新造船が非常に殖えて参りましたのと、沈没船の引揚げ或いは不稼働船の修理をいたしました結果、船舶の價格というものが、非常に多くなりました。それに対する使用料を、それに匹敵するような費用を拂います費用、費用が増加したのであります。それから船舶修繕費として約八億五千、これは当初の予算に組みました修繕費が非常に低目でありましたがために、それとその後における値上りのために、この額が出て來たわけであります。船員の給與としまして四億四千万円、これは現在問題になつております六月以降の三割増の分であります。それから船に使いますいろいろの部品です。これが二億六千万円の増になつております。これも同樣当初に見積つたよりも実際の價格が上つた。それから使用料が増加した。それからその他不稼働船として現在動けないで繋いでおる船を、関係方面に命令によりまして修繕するというものが一億三千万円ばかりあります。それから運営会の陸上職員の給與増といたしまして五千万円余りが組まれておるようなわけであります。支出といたしまして二十億六千万円、收入の減と合せて二十五億になるわけであります。
#188
○中西功君 今海員のストライキ或いはこの爭議が非常な深刻な状態を呈しておるということは、もうすでに誰も知つておるところであると思います。ところがこの問題は、この五億円の問題、更に九月以降の新賃金ベースの問題がありますし、更に又退職手当金の問題もあるわけでありますが、私今説明を聞いた範囲で感じましたことは、この二十五億の殆んど大部分が使用料乃至修繕費或いは收入減、或いは備品費の高騰ということに組まれておるのでありますが、即ちこういう意味では、主としてこの二十億円というものは、そういう経営の不始末或いは又別の意味から言えば使用料増徴のごときは、そういう元の船主に対して金をやる。その他そういうような面は非常に大きくここに出されております。海員の五億の問題よりももつと大きくあるわけなんです。政府自身がこういうふうな状態においてなぜ海員の三割の問題をあれ程長い間正直に率直に拂わなかつたかということに、私は非常に疑問を持つております。これはもう爭議の経過についてとやかく申しませんが、調停案ができたり、斡旋案ができたりして、非常に長い間、この十一月まで解決しないで行つておるのです。そこでもう一つはつきり聞いて置きたいことは、前の予算から比べて備品類なんか物價が上つた結果非常に殖えた。或いは又使用料が、修繕費が非常に多くなつた。こういう点でこれはこの前の予算を組むときに、こんなことがどうして予定されなかつたか、どうして考えられなかつたか、これが一つの問題です。で又一般的に物價は上つたというならば、一体具体的にどんなふうに上つているか。それを聞きたいのです。でよく言われまするように、賃金が上るからこういうふうに物價も上るんだというふうなお話でありますが、ここで見られる現象は全く逆だと思うんです。一般的なそういう物價値上げが非常に船舶運営会の補助を増額しておると思うんです。ですからそういう変化を何故本予算を組むとき予想されなかつたか、これが一つの問題です。
 もう一つは外航問題なんです。我々に渡された資料から見ましても、大体内航は十分採算が合つておる、まあそういうふうに私は見ました。ところが外國航路においては非常にアンバランスである。ところが一体今船舶運営会自体に外國航路というのがあるのかどうか、これ自身も私よく分らないのですが、まあそれは別としましても、この外國航路が四億三千万円の收入減というふうな状態は一体どういう状態……何のために來ておるのかという点を第二点としてお聽きしたいと思います。
#189
○政府委員(岡田修一君) 修繕費、船用品の増加の点でありますが、当初見ました修繕費の実績は前年度の実績を取つておりまして、非常に低かつたのと、それからそれがその後の実績が非常に多くなりまして、それは費用の点と、それから修繕料が殖えたという点です。それから船用品の方も同樣であります。金の点とその量が増えた、その実際の実績を基にして要求をしたわけでありますが、この修繕費を以てしましても、現在の船舶運営会に対して関係方面から要請されておりまする修繕が十分に行くかどうかということを疑問にしておるのであります。
 それから外航でありますが、運営会としましては、朝鮮方面、支那方面、或いはアンガウルの燐鉱石、こういうものを輸送をしておるのであります。で現在の運賃から言いますると、内航運賃は約採算運賃の半分であります。現在の運賃を倍にして漸く採算が取れるという状況が内航運賃であります。これに反しまして外航運賃は採算点よりも少し上廻つておるという状況であります。從つて外航貨物が殖えればそれだけ運営会の予算は余裕を示すということになるわけであります。ところが朝鮮方面或いは支那方面、そういう方面向けの貨物が非常に激減いたしまして、只今申しましたような激減を來たしたわけでございます。
#190
○中西功君 ちよつと待つて下さい……この外航貨物の問題ですが、激減したから收入が減つたんですか。むしろ逆に今のような外航貨物のような現状では、殖えれば殖える程マイナスは殖えるのじやないですか。
#191
○政府委員(岡田修一君) 外航貨物は殖えれば殖える程收入が殖えるわけです。
#192
○中西功君 それはマイナスが殖えるのと違いますか。
#193
○政府委員(岡田修一君) いいえ。收入は殖えるんです。
#194
○中西功君 採算関係はどうだつたんですか。
#195
○政府委員(岡田修一君) 採算関係は七月の物價改訂のときに約二倍にすれば採算運賃になるわけだつたんでありますが、それを内航運賃と同樣に三倍にしておるわけであります。從いまして一部というものが外航貨物については利益になるわけであります。
#196
○中西功君 内航貨物はどうなんですか。
#197
○政府委員(岡田修一君) 内航貨物は当時六倍にすべきものを三倍に抑えておるわけであります。
#198
○中西功君 そうするとさつき言われたように、朝鮮或いはその周辺における貨物が非常に激減した。そういうところからマイスが殖えておるというわけなんですね。
#199
○政府委員(岡田修一君) はあ。
#200
○中西功君 それからこの修繕費を以てしても関係方面から要望されておるところのものがやれるかどうか分らないというふうなお話でありましたが、この修繕費、備品費、そうしたものにおいてそういう関係の要請によるものが非常に多いというふうに見ていいわけですか。
#201
○政府委員(岡田修一君) さようでございます。現在私共の方に対しましては。この修繕を完全にやつて船の稼働率を上げるようにという強い要請があるわけです。現在船の稼働率は平均僅か七二%という状況であります。普通ならば九〇%以上が平時の状態でありますが、ところが現在の劣惡なる船舶によりましては、僅か平均七二%、これを少くとも八五%程度の稼働に持つて行くようにという要請があるわけであります。それに対しまして私共極力努力をいたしておるのであります。
#202
○中西功君 それは稼働率を増すのは非常に結構でありますが、貨物が段々減つて行くのに稼働率が増せば増す程これは過剩になつて來ますね。それはどういうわけですか、それはどうするんですか。
#203
○政府委員(岡田修一君) 外航貨物におきましては減少を示しておりまするが、内航貨物につきましては増加をいたしております。殊に船腹としては全体としては余裕がございまするが、中型以下のものに対しましては航路の状況、港の状況から見ましてむしろ不足しておる状況になつたわけであります。從つて私共としましては沈沒船を引揚げまして、或いは現在繋いでおる船を修繕いたしまして、稼働船舶を増しますと同時に、新造船の方にも力を注いでおるわけであります。
#204
○中西功君 今の経営内容からはつきり言われますことは、内航の方では私実際に今の必要から見ても、貨物を運ぶ需要、これは沢山あると思います。さつき言われたように、むしろ内航においては逼迫しておる、だから外航の分を極力内航に向ける、そういうことをすれば船舶運営会の大体の採算関係はよくなつて來る。それで結論的に言えば、この外航関係方面において、いわば非常に損失的なものができて、船舶運営会がこの度非常に莫大な補助費を組まなければならなかつたということが言えるんじやないかと思いますが、そう見てよろしいですか。
#205
○政府委員(岡田修一君) 只今申しましたように、收入減の方は外航貨物の減であります。ところで船腹の点でありまするが、それでは外航に行く船を内航に廻せばいいじやないかということはおつしやる通りであります。内航に廻すものといたしまして重量トン一万トン級の船が現在保有トン数のうち相当の量を示しております。重量トン一万トン級、これはA型と言つております。これは内航に使う場合には航路が限定されます。殆んど北海道方面のみと言つていいと思います。他の方面には少し船型が大き過ぎまして非常に不便であります。私共としては極力こういう外航の方に向けたいというので、関係方面に折衝いたし、漸次外航の面も目鼻がついて來るんではないかと、かように考えておるのであります。今のところまだ十分にそういうものを活用する程度に至つておりません。
#206
○中西功君 政府に少し言つて置きますが、中國の関係は今の状態から見ましても、或いは今後南洋におけるいろいろな新らしい状態から見ましても、恐らく純経済的な見地から考えれば、日本の今のやり方で行けば段々外航は事実上減るのです。ますます激減すると思うのです。私は船舶運営会のいろいろの運営についても、ここで根本の問題を考えないと、ますますこういう赤字は多くなると思う。ですから何も私は折角する必要もないのでありますけれども、そういうことは大いに考えて置いて貰わなければならない。運輸大臣はどういうふうにお考えになつているか、それを一度聞いて置きたいと思います。
#207
○國務大臣(小澤佐重喜君) 直ちに外航が殖えて行くというようなことは考えられませんけれども……。
#208
○中西功君 もつと減るんです。
#209
○國務大臣(小澤佐重喜君) 將來國際貿易が自由になつたような場合におきましては、やはりその時期におけるところの外航ということも考慮しながら準備して行かなければならないと思うのでありまして、そのときになつて、急に外航をどうこうするといいましても準備ができませんので、やはり將來講和会議或いは、自由貿易ができるような状態における一つの受入態勢を確立する上におきましては、今差当りは損害でありますが、將來の見通しから申しますと、必ずしも外航が段々これより減るというようなことは考えていないのであります。
#210
○中西功君 私は將來日本がどうなるか、そういう先のことを言つているわけではないのですが、私が問題にしたいのは、このような外航的な問題のために、現実には今の海員の諸君にそういう負担を轉嫁せられている。それでこの問題について私は聞きたい。それは若し政府の船舶運営方策が現に許されている範囲内でもうまく行くならば今度の海員ストというようなものは起らなくてもよかつたと思う。併し実際には先に十分証明せられたように非常に大きな負担を轉嫁されて、二十五億円の國庫補助を取つても、ここにはつきり書いてあるように五億円しかやれない。こういうことになつているんです。而もこの五億円は確か六月から九月末までの三割増のもので、而もこの三割増でも随分長い間かかつて漸く政府は認めたわけです。私は申したいのですが、こんなに長い間政府がこの問題について〇・Kを言わなかつたか、この点について最初に少しお聞きしたいと思います。
#211
○國務大臣(小澤佐重喜君) お話のように本問題は昨年の七月十三日に六月分から旧水準に対する約六割の要求をいたして参つたのでありますが、これがいろいろ交渉いたしましたが時の政府芦田内閣と決裂をいたしまして、そうして調停が九月六日に大体今お話のように現賃金の三割増ということで調停の案ができたのであります。ところが調停案に対しては政府は受諾する用意があつたのでありますが、組合側でこれに應じなかつたので、一時不成立のような形になつておりますが、その不成立後斡旋案が出て、十月二十三日に斡旋案ができて、時の芦田内閣がその内容について受諾しているのであるから、現内閣もこれを継承いたしまして、それを支拂うべく予算処置を講じ、大藏省とも交渉して大体只今申しましたように五億円だけはこの分の支拂金として閣議でも承認して決定しておつたのであります。ところが予算を編成いたしまして御審議を願つた後でなければ当然支拂うことができませんので、從つて政府といたしまして追加予算案を編成して國会に提案するということを急いで参つたのであります。御承知のように第三國会は八日から再開いたしまして、第三國会で急ぐ予算だけを暫定的に提案しようと思つたのでありますが、関係方面では一應全般的なものを出すことが適当だという考えから当初の方針を変更いたしまして、現在の予算になつたわけでありまして、殊にスト宣言が丁度先月二十四日に私のところに参つたのであります。その当時すでに政府の方針は決まつているので、これは予算化さえすれば支拂うことができるのであるから、何とか來月の十日、即ち今月の十日まで待つて呉れないかということを申入れたのでございましたが、組合側はこれに應じませんので、私共は窮余の策といたしまして十二月の船舶運営会の補助は五億の金があるのでありますが、その五億の金を引き当てにして、一應五億の金で只今の爭議に應じる。そうして追加予算を計上するが、只今の五億の金で穴埋めしようということで閣議を決定して関係方面の了承を得ることを努力したのであります。関係方面はそうした処置については了解を得るに至らなかつたのであります。從つて現在のような状態でストに入るの止むなきに至つたのであります。
 御承知のように、スト宣言に上つておる問題は、中西君の御指摘の通り、只今の三割増を現金で支拂えということ、もう一つは本年の二月、これは片山、芦田内閣当時でありましたが、退職金の給與金の問題について運輸大臣はこれを認可するという問題があつたのであります。これは退職金につきましてはいろいろな場合がありますが、一年勤めて二ケ月の退職金を出せ、こういう要求であつたのであります。併しこれは他の一般勤労者に比較いたしまして甚だしく高い金額になりまするので、この問題につきましても他の官廳その他公團等の振合いを考えまして、一年の者は一ケ月分だけを、これを認めるということが大体大藏省その他と交渉ができましたので、要するにこの予算が通過いたしまして、そうして現金で支拂いますれば一應ストの原因が消えることになるのであります。退職金の問題につきましては、組合の内意といたしましては、今後團体交渉に入る用意があるのでありますから、第二の問題については心配はなかつたのでありますが、今申上げました通り、要するに現金化されてないので、政府は方針を決めて、これに著々準備して参つて予算の審議をしたのであります。ただ予算の審議では駄目である、閣議で決めても駄目である、現金を貰わなければならないということがストに入つた原因であります。二十三日の斡旋案ができて、まだ支拂つておりませんから、非常に遅れたことになつておりますが、この遅れたことは、政府に予算がないのに調停案を受諾したので、予算処置を講ずるために一ケ月半くらいになるのでありますが、殊にその間に政局の変更等もありまして、又國会の開会等との時期もございまして今日のようになつたのでありまして、六月から支拂うのを今日まで延したのではない、支拂の時期に当るのは十二月二十五日でありますから、政府は急遽予算を編成して御審議を願つておるわけで、二十九日に提案したのでありますから、政府としては可なり現段階における政局の変動等を睨み合せて考えますれば、そう長くかかつたとは思つていないのであります。
#212
○中西功君 海員たちがストライキに入つた原因はもつと違うところにあると思うのであります。それは確か九月以降の新賃金問題については全然政府は予算的措置、或いはそれについての意思表示も何もしていない。ただ十月まだに三割増ということだけを予算、これに盛つているわけなんです。それ以後の問題については、全然この予算に載つていないと思うのです。御承知のように、官公廳その他の給與は、ともかくも年度末まで一應政府は出していると思うのです。ところが、今度の場合は、全然それが載つてない。更に又退職金の問題についても、これはすでに退職金は、会社側と組合側との間に協定がついている問題でする。協定済の問題であります。それが破約されているわけです、いわば政府の認可を得ていないというような状態にあると思います。私は、長くなりますので、最後に一つお尋ねいたしますが、今後の新賃金の問題について、全然予算的な措置も何もとつていないし、見通しを與えていないということは事実だと思いますので、今後これを一体政府はどう考えますか。或いは又近い將來に、非常に近い將來に、こうしたものを追加予算として出す氣なのかどうか、それを是非はつきり聞きたいと思います。
#213
○國務大臣(小澤佐重喜君) お話のように、新らしい第二次的の交渉、即ち九月以後の新らしい賃金の交渉については、まだ妥結になつておりません。妥結になつておりませんが、何らの要求通りには勿論應じられませんけれども、適当であるという案を以ちまして、現在交渉を継続いたしております。この交渉が決定をいたしますれば、直ちに予算の修正とか何とかの方法によりまして、この予算の面で予算化したい、こう考えておりますし、又その方針で政府は或る程度の方針は決まつております。併しながら組合との金額が決まりませんければ、予算の計上しようがないのであります。
#214
○中西功君 政府は九千四百八十円というように決めているわけでしよう。
#215
○國務大臣(小澤佐重喜君) 決まつておりません。
#216
○中西功君 いや、政府の案というのは出したのでしよう。
#217
○國務大臣(小澤佐重喜君) 政府の案は出しておりません。
#218
○中西功君 でも、全官公だつて、決してあの五千三百円は決まつておりません。決まつていないのに、政府は自分の見解で出した。やつぱりですね。それはいつもそうなんです。
#219
○國務大臣(小澤佐重喜君) それはあなたのお考えは、運営会と組合……この船舶運営会が、大体このくらいならば、話が纏まるのじやないかというような一つの考えの案でありまして、別にこれは正式に、組合側から出たものでもなければ、政府が呑んだものでもないのです。そうしたものを標準として、現在政府と組合、政府と言いましようか、組合とか、船舶運営会がそこに介在いたしますが、それとの折衝中であります。從つて今の金額が具体的に決定いたしますれば、予算的措置を講ずる。この予算に対しまして、現在御審議を願つている予算に対しまして、適当な方法で予算的措置を講ずる用意がある、こういうのです。
#220
○中西功君 それを早くやらなければ話にならんし、政府として、政府に或る一定に限界があれば、一般の賃金水準というのは分つていると思いますが、それがあれば、早く、もう時期が過ぎた問題ですから、それを末だに向うが妥結がつかんからどうだといつたら、これはもう問題にならんので、全官公との交渉でも、政府は、一應これは五千三百円という予算的措置をとつて出しているということで、それが全官公との関係でどうなるかこうなるかというのは、又改めて團体交渉でやればいいじやありませんか。
#221
○國務大臣(小澤佐重喜君) これは全官公は、現在は交渉と言つても、正式に労働爭議の形をとつておりません。併し片一方は正式なものでありますから、若し調停案等の処置があれば、政府は正式にこれを受諾するなり、認めるなりという段階になりますので、具体的の措置がないと、これを予算的の措置を講ずることが困難でありますし、更にこういうことを申上げてどうかと思いますが、余り予算を計上して置いて、相手方と交渉するということは、やはりこれは感心すべきことではないと思います。從つて例えば余り下に見積つても組合が承知いたしませんし、余計やればそれ以下には下げられないということになりますから、これはやはり時期的ズレがないとするならば、一旦正式に決まつたものを、予算に計上して的確な数字で皆さんの御審議を願う方がいいのじやないかと考えます。併し手続においては、今明日中に恐らくこの話が成立するのではないかという見通をつけております。從つてこれが済み次第、政府は正式に、本予算に対して、修正なり更正なりの適当な、合法的な手続を取つて、この予算が成立した場合において、前の分と、今度の分と合せて、年内中にもやはり支拂いするような考えを持つております。
#222
○中西功君 それは年内にやれますか。
#223
○木村禧八郎君 今の予算的措置は、追加予算を出すというつもりですか。それともこの予算の枠内で價格調整費百十億になるのか、その点よく分らないが、そういうようなものを廻すという意味か。それとも追加予算を出すという意味か。
#224
○國務大臣(小澤佐重喜君) 新らしい追加予算を出しません。この予算の枠内で、政府は適当に措置をとりたいと思います。
#225
○木村禧八郎君 そうすると、そういうものを予定されるのは、どういう費目で予定されておりますか。
#226
○國務大臣(小澤佐重喜君) それはまだ閣議で決定しておりませんから、今直ちに発表することはちよつと困りますが、やがて正式な処置をとつて出します。そのときに正確なものを御報告申上げます。
#227
○木村禧八郎君 そういう費目が分らないで、予定されてない、分らない予算というものがここに計上されているということは、これは非常にこの予算の編成の仕方は正しくないと思います。そういうようなものがはつきり出て來てから計上すべきで、全然予定されていないというならば、それはどつかにある。それは非常におかしいと思います。その点一つ、どういう費目があるのか。
#228
○國務大臣(小澤佐重喜君) それは、現在只今の分として予算されて、この金額には入つていないのであります。それは先程申上げました通り入つておりません。併しながらこれを急いで支拂わなくちやならん事情があるという場合においては、或る費目を打切つても、この費目に廻さなければならん場合があるので、そういう措置を適当に、合法的に措置をするということを言つたので、決まつたものを放り出すということではないので、その点御了承を願います。
#229
○中西功君 その款項目があるでしよう。いろいろやつている項目を……國会で承認を受けなければならんというものが私はあると思います。それは明瞭にして置いて貰わんと、どうもそれは飛んでもないことになる。流用のきく予算をそのまま呑んだということになりますと、これはちよつと……。
#230
○國務大臣(小澤佐重喜君) 予算の流用というようなお話がありましたけれども、予算の流用ということは、一旦審議になつてしまつた款項目を、甲に持つて行き、乙に持つて行くということは流用でありまして、今審議の途中で、政府の原案が、これをこう変更するということは、その変更したものに基いて御審議を願う。
#231
○中西功君 それならば分る。
#232
○油井賢太郎君 運輸大臣にお伺いしたいが、今度の補正予算は、鉄道運賃関係以外には、人件費の方は何にも出ていない。又資料によりますと、大体七月値上げ後の状況は、うまく收入予算というものと、收入見込というものの間に差がないということは、大変結構なことでありますが、支出の状況というものが、我々の方にデーターが廻つておりませんので、よく分りませんが、承わるところによりますと、支出の方においては、大分待遇を違えているとか、或いは物價の改訂、取引高税、その他いろいろ旅費規則の改正等によつて、相当殖えているというようになつております。その收支がどのくらいになつているか、この際御発表を願いたい。
#233
○國務大臣(小澤佐重喜君) 大体に、この運賃改訂後における收支のあらましを申上げますが、大体貨物收入におきましては、影響がないという見通しであります。年度末までには、非常にこの災害がありまして、一時線路の不通個所が、全國的に相当個所がありました関係上、あの時期におきましては、予定額より約五%の減であります。併しそれが段々回復いたしておりますので、むしろ今後の見通しとしては、年度末においては、プラス八%ぐらいは新たに予算面からは浮き上るのではないかと考えております。
 それから旅客收入の面でありますが、これは大体運輸省としましては定期外收入と定期收入というようなふうにいつでも分けて考えておるのであります。これは改正前におきまして非常に予算以上の收入があたつのであります。つまり定期外におきましてはプラス二十%であり、又定期におきましてはプラス八%というような予想しない收入が上つておつたのであります。改正後におきましては、大体定期外にはきましてはマイナス五%、それから定期におきましてはプラス五%というような関係で、これもプラス、マイナスしますというと、多少計画量よりは減る予定でありますけれども、或る程度までこの予定に近いものに行くのではないか。こういう見通しをつけておりまするが、ただ先月今月あたりは段々明るい現象でありまするけれども、今月から更に直りまして、そうして收入が増加する形勢にありまするので、恐らくは年度末におきましては予定收入より幾分も減少するものではないのではないか。むしろ貨物と旅客とを合せますというと、予定通りに行くのではないかという見通しであります。
 それから支出の面でありますが、面承知の通り人件費は一般会計の方で見ております。現在御審議願つておる給與予算は当然この運輸省の官吏にも当嵌つておるのでありまするから、それでよろしいのでありますが、物價の値上り等によりまして予定歳出よりも増額する現状になつておりまするし、臨時災害費等も出て参りましたので、現在蔵出に相当困却をいたしておりまするけれども、大体において今直ちに予算的措置を講じなくともやつて行けるというような見通しがありますので、殊に損益勘定には予備費がございますので、若しその場合には予備費を活用して收支のバランスを合わして行きたいと考えておる次第でありますが、尚数字に亘ることにつきましては、政府委員から後刻御説明申上げることにいたします。
#234
○油井賢太郎君 数支的のことは後からゆつくり承わることにしまして、やはり赤字が幾分でも歳出の方において増加しつつあるということは疑いもない事実であると思うのです。これにつきましては近い將來において運賃の値上げということを御考慮になつておられるのですか、或いは赤字が出ても何か他の方法によつて埋め合せをするのですか。その方針をはつきりと承わりたいと思います。
#235
○國務大臣(小澤佐重喜君) 御承知のように賃金があらゆる場面を通じまして七月以降上昇の一途を辿つております。從つて例えば炭鉱の賃金が上りますというと、当然炭價の値上りということも予想されます。炭價の値上りがあればそこに特別会計の歳出がますます増加するということが当然考えられるのでありますけれども、ただ現在の私の考えといたしましては、この際この場合において直ちに歳出の不足を鉄道運賃の値上げによつて賄うというような形は非常に他の物價に影響することが甚大であるということを憂慮しておるのであります。從つて將來一般物價の改訂或いは運賃の改等等が総合的に比較される場合におきましては、これはまあ或る程度の運賃の値上も止むを得ないと考えますけれども、現在のような段階で多少の歳出が不足だからといつても、直ちにこの運賃の値上をする、行うというようなことはその影響の経済界に及ぼすことが非常に甚大であるという考慮から、私は只今の段階におきましては運賃の値上は行わないという強い決行の下に進んでおります。
#236
○油井賢太郎君 では、簡單にお答え願つて結構なんですが、只今の運賃の制度は今の時機においては最も適当であるというふうにお考えになつておりますわけですね。では、七月に遡つてその当時の民主自由党の御主張なさつた二倍値上げということであつたならば非常に赤字が出て、國家財政の上においても非常にお困りになつたということを御了解願つたと見て差支ありませんか。
#237
○國務大臣(小澤佐重喜君) それはその二倍値上げした場合にはどうこうということは、歳入を二倍にしますれば、それに甚いて歳出も上つて來るのでありますから、これは予算の結果どうこうという問題ではなくして、むしろこれまで上げて來たために、今のように定期外の收入が不足しておるということは、一般客の負担率を上げ過ぎたから減收になつたのであります。でありますから、むしろ我々の主張通りになつた方が予定通りの收入があつたと思います。現在の段階における見方はどうかといいますと、運賃に関する負担率等を研究いたしますというと、一般物價に比較いたしまして貨物の運賃の値上の余地はあると考えますけれども、併し比率がどうもありましても、昔の比率と比べまして現在の負担率が少いといたしましても、今この貨物を上げることによつて他の物價を大いに刺戟するのではないか。そういう大きい面を考慮するときにおいては、仮にこの貨物の負担率が少いといたしましても、これを貨物運賃だけを値上げするというようなことは非常に危險である。こういう見地から理論的には上げ得る余地があると思いまするけれども、理論以外の影響を恐れまして先ず先程申しました通り、運賃はいずれも当分動かさないという建前で進みたいと思います。
#238
○油井賢太郎君 先程要求しました資料を頂くことにしまして私の質問は終ります。
#239
○委員長(黒川武雄君) 如何でございましようか……。これを以て今日は散会することといたします。
   午後四時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           田村 文吉君
           東浦 庄治君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岡田 宗司君
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           山下 義信君
           西川甚五郎君
           西川 昌夫君
          橋本萬右衞門君
           一松 政二君
           深水 六郎君
           岩木 哲夫君
          尾形六郎兵衞君
           高橋  啓君
           深川タマヱ君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           新谷寅三郎君
           高瀬荘太郎君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           堀越 儀郎君
           松村眞一郎君
           栗山 良夫君
           藤田 芳雄君
           小川 友三君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 林  讓治君
   農 林 大 臣 周東 英雄君
   運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
   逓 信 大 臣 降旗 徳弥君
  政府委員
   内閣官房長官  佐藤 榮作君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局長) 内田 常雄君
   大藏政務次官  塚田十一郎君
   大藏事務官
   (大藏大臣官房
   次長)     河野 通一君
   大藏事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   運輸事務官
   (海運局総務室
   長)      岡田 修一君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   室長)     壺井 玄剛君
   逓信事務官
   (簡易保險局
   長)      岡井彌三郎君
  説明員
   厚 生 次 官 葛西 嘉資君
   厚生事務官
   (社会局長)  木村忠二郎君
   農林事務官
   (総務局総務課
   長)      奧原日出男君
   農林省食糧管理
   局長      安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
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