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#1
第004回国会 予算委員会 第5号
昭和二十三年十二月九日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年度一般会計予算補正
 (第二号)(内閣送付)
○昭和二十三年度特別会計予算補正
 (特第二号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後四時十七分開会
#2
○委員長(黒川武雄君) これから委員会を開会いたします。今日は厚生大臣がお見えになつておりますが、井上委員の御質問に対して御答弁をなさいまして、副総理としては又他日改めて御出席の予定でございます。
#3
○井上なつゑ君 この度の追加予算の財源の雜收入の中の病院並びに療養所の收入増加のことでございますが、そのことでちよつとお尋ねしたいのでありますが、この病院並びに療養所の收入の増加は、ベッド数を増加なさつて、これがかような收入の増加なんでございましようか。外に物價改訂にならなくても病院の薬價の値上げ等によつて増收になるのでございましようか。この増收は確実でございましようか。これを一つ伺いたいのでございます。
 その次に、御承知のように只今の國立病院、それから療養所の状況でございますが、増收をお図りになるにいたしましても、現在の職員と申しますものは、他の官廳なんかと違つて、他の官廳では行政整理とか何とかいうお声が出ておるようでありますが、病院、療養所の職員は至つて少うございます。殊に看護婦の数におきましては、その定員の半数にも満たないというような現状でございますが、果してそれで以てこの増收が図れるものでございましようか、どうでございましようか。その点をお伺いしたいのでございます。それからもう一つ、若しこういうような病院、療養所で増收が図れるものでございましたら、どうしてその看護婦が落着かないかということを御研究して頂いて、看護婦の保護対策というようなことを一つ考えて頂くことができないかということを厚生大臣にお伺いしたいのであります。
 それからその次に問題になつておりますことは、これは病院の患者の間におきましても、まだ不安な状態でございます。落着かなければならない病院がとても療養に不安なようでございますが、患者が不安だということは、結局煎じ詰めれば患者の食の問題にあると思うのでありますが、この食の問題につきまして、過般から食費の値上げというようなことも非常にやかましく叫ばけておるのでありますが、食費の値上、それからもう一歩この食費の値上と同時に食事を完全調理しますための職員の栄養士などをきちんとお入れになつて、患者のそうした療養の対策をなさることがおできになりますかどうですか、その三点をお伺いしたいのであります。
#4
○國務大臣(林讓治君) 井上委員にお答えいたします。國立病院療養所の歳入の問題でありますが、本年度当初の歳入の見込は大体は無料を原則といたしておりましたので、昨年度の実績を基調としたものであつたがために甚だ少額でありました。併し本年は有料を原則といたしましたがために歳入増を來しまして、今後の見込みは約十二億くらいの増になろうと考えておるわけであります。それでそのために患者に対して、非常に貧困者などに対しては不当な問題になりはしないかというような観点から考えまして、政府におきましては減免制度、それから社会保險制度というようなものを活用いたしまして、その貧困者に対しましては不当な料金にならないように努めて行きたいと思つておるわけであります。
 それから看護婦の問題でありますが、誠に井上委員のおつしやいました通りに数が少ないわけでありまして、誠に申訳けがございませんが、現在やはり癩の療養所であるとか、結核の療養所などは、やはり本質から考えまして、非常に看護婦などを採用するということに困難を感じておりますばかりでなく、何さま療養所などの存在いたします所が田舎なものでありますから、誠に多くの看護婦を集めるのに不自由をいたしておりますことは井上委員のおつしやいます通りであります。それで政府といたしましては、何かこれに対して特別の待遇でもいたしまして、そうして充実を図りたいと考えまして、先ず第一には給與の改善をする。從つてその性質から申しまして、癩のようなものは六号俸、それから結核につきましては三号俸、それから精神病患者につきましては二号俸と、一齊にこれを増俸することにいたしました外、看護婦各位が勤務の上におきまして、或いは宿舎などにおいて愉快に過し得られるような方法を講じなければなるまいと考えまして、或いは生花とか或いは茶道、場合によりましては音楽のようなものでも計画し、その方に趣味を持たせるとか、それから又洋裁のようなものでもやらせるというような特別の方法なども考えて行つて見たいと考えておるわけであります。尚募集をいたしますのにつきましては、ラジオその他の宣傳によつて看護婦の多く採用し得られるように、政府といたしましては努力をいたして見たいと考えておるわけであります。
 それから只今お話のありましたところの患者の賄材料費でありますが、これは主食の値上りその他の増配に伴ないまして、これが賄費の増額をすべき事柄は当然でありますから、差当りは不足分は即定の予算の中の十二月以降の分をこれを利用いたしまして、そうして尚不足額が生じましたときにおいては、追加予算によつてこれを事務的に計上するように目下これが檢討中なのでありますから、そういうようなことによりまして、患者諸君が氣を落ち着けて療養して頂くような工合に今後したいと考えておるわけであります。
#5
○井上なつゑ君 只今厚生大臣から大変有難い御計画を承わりまして、私は嬉しく存じておりますのでありますが、看護婦の保護対策の中に入りますか、入りませんか存じませんが、その看護婦になる人の興味を起すためにも、なつている人の仕事を長く続けさすためにも、やはり再教育の機関というものをお國で計画して頂きますれば非常に励みになるのではないかと存じますのでありますが、この日本の看護婦は、只今寄り寄り協議はいたしておりますが、國でやつております再教育の機関はございません。保健婦には公衆衞生院のようなものがありますけれども、ああ言つた再教育の機関に、ときどき自分たちが二年でも三年でも休んで、休んでじやございません仕事をして見て、又足りないところを補われるというような教育機関の設置を厚生大臣はどうお考えになつておりますか。ちよつと承わりたいのでございます。
#6
○國務大臣(林讓治君) 只今看護婦の再教育の問題については、即設の建物を使つて計画を立てておるそうでございますから、さよう御了承を願います。
#7
○山下義信君 井上委員から病院收入のことで質疑が出ましたので、関連いたしまして大藏省の主計局次長が見えておりますから、これは厚生大臣では御答弁できないと思いますので、病院收入の計算の基礎、つまり病院には收容の予定人員と実際今病院に入つている人員と、あると思いますが、この病院收入の基礎の数字が主計局次長から説明ができれば、今ここで聽きたいと思います。それから資料を頂いてもようございます。どちらでもようございます。
#8
○政府委員(坂田泰二君) 只今病院收入のことについてお尋ねがございましたが、御質問のございましたような病院の入院患者数とか、診療を受けた者の数とか、そういうような基礎数字は只今持合せておりませんので、尚調査いたしまして、資料として差上げたいと存じます。ただ大体の收入の状況を申上げますと、今回増收として計上いたしました病院收入は十五億二千九百万円ございますわけでありますが、そのうち厚生省系統の國立病院、療養所、これに属します部分が十二億一千百七十万、それから大学に附属しておりまする附属病院の收入が三億一千七百万、その他宮内府の病院がごく僅かございます。大体そういうような内訳でありまして、年度初めから今日までの実績を見まして、それによりまして大体今後の收入の見込みを推定いたしまして、これだけの増收を図りたい。こういうことに相成つております。
#9
○山下義信君 病院收入が厚生省だけでないことも存じておりまするし、又予算書にもありまするから、文部省等各部門に亘つておるのですが、今の数字の、算出なさいました数字的資料をガリ版刷りで頂きたいと思います。
#10
○委員長(黒川武雄君) 先日の油井委員の質問に対して答弁をお願いいたします。
#11
○政府委員(三木正君) 本年度の上期の月別の経費の実績と、下半期の見込みをお尋ねになつておるように承知いたしましたので、お答えいたします。二十三年度の國有鉄道の損益勘定の上半期の決算額は三百七十三億円でございます。その月別を申しますと、四月は十七億円、五月は三十五億、六月五十二億、七月五十六億、八月七十九億、九月百三十四億、大体こういう数字になつております。
#12
○油井賢太郎君 それは支出ですね。
#13
○政府委員(三木正君) さようでございます。損益勘定の支出でございます。その支出の内容でありますが、給與で申しますと、四、五月は二千九百円ベースでございます。六月以降は三千七百円ベースになつたわけでございます。それから物件費の方は六月の下旬から新マル公が順次改訂されて、それによつて上つて來たわけでございます。更に給與について申しますと、六月からはこうなつておりますが、実際の支拂いは、給與の支給は実施本部のやり方なり、そういうことで相当遅延して、遅れて支拂われておる現状でございます。
#14
○木村禧八郎君 どのくらい遅れたか。
#15
○政府委員(三木正君) その点はつきりと今申上げ兼ねるのでありますが、遡つて支給いたしますから、その決つたときに遡つて月々一部々々を支拂つて行く。こういうことになつております。本当に職階級に当嵌めて支給したものはずつと遅れて、そして、それが決りましたのは極く最近、十月頃でございますので、それまでは三割増という概算で支拂つておりますので、非常にずれがございます。そういうことで非常に物價と給與の違いがあるばかりでなく、支拂いが遅れたという関係で、月々の支出が非常にびつこになつておりまして、これによつていろいろのことを見て頂くことができないのは、非常に申訳ございませんが、そういうことになつております。それから昨年の例を見て見ますと、昨年は上期は百三億円でございまして、下期は三百四億円で非常にびつこに、三対一というようなびつこになつております。勿論これは物價改訂が昨年も行われましたのでございますから、そういう当然の違いもございますが、会計制度の改正をやりましたために、決算事務が遅れたということもあつて、こういうことになつたのであります。それで今年の上半期の三百七十三億というのも、実際の所要額をそのまま現わしておらんのではないかと思います。実際の所要額は、これよりもう少し上廻つた額で、ただ決算が遅れたということで、こういうふうになつておるのじやないか。昨年の上期と下期との違いを、いろいろな物價が上つたりすることを考慮して見ると、上期は大体三十六億ばかり決算不足になつたのじやないか、実際よりは三十六億ばかり少く決算したのじやないか、こういうふうに考えられます。その割合は百三億に対しまして三十六億、約三五%に当るわけでございますが、これは昨年の会計法の改正に伴つて事務が非常に遅れたということがあつたと思いますが、本年はそんなに三五%も遅れておるとは思われません。併しながら一五%程遅れたと考えますと、上期の所要額は本当は四百三十億円であつたのじやないかと思います。それがいろいろな手違いで一五%ばかり遅れたが、実際の決算は三百七十三億になつておる。こういうふうに大体考えております。下期の樣子はどうかと申しますと、下期は勿論三千七百円ベースで、物價は約八割上つておるようでありますが、こういうことから考えて見ると、人件費においては上期の二割増し、物件費においては上期の四割増しくらいであります、更に冬は氣候が寒くなりますので、石炭などが相当沢山要ります。そういうものを見込みまして上期より約四割くらい殖えると考えますと、四百三十億に四割加えた六百億というようなものが下期に要るのじやないか、こういうような考もあります。それを加えますと千三十二億円になりますので、予算の千十七億円に比べて十五億円くらい足りなくなる、こういうことになるのであります。是非これは節約を十分しなければ、なかなかむずかしいことになると思います。更に今回の追加予算で出ておりますが、人件費が一人当り一ヶ月千五百円上るとしますと、六十二万人余りの所要額は四十七億余りになると思いますが、予算においては十一億余り一般会計から繰入れを殖して頂くことになつておる。その外財源がないわけでありますから、三十五億余りの節約をしなければならん、こういうことになります。最近実際の三千七百円ベースの給與の実数が段々纏まり、各現場から集まりつつあります。それを見ますと非常に苦しいように考えられます。私共といたしましては冗費は勿論、十分の節約をして参りたいと思つておりますが、非常に苦しい予算であると、こういうふうに考えます。
 それから二十三年度の経費がどういうふうになるか、又その経費を運賃で埋めるとすると、どういうふうになるかというお尋ねであつたと承知いたしておりますが、平年度のことを申上げればよろしいのですか、今年度のことですか。
#16
○油井賢太郎君 私の方の質問とちよつと見当が違つておられるようです。上半期のは貰つてあるのです。下半期の方の経費の、いわゆる予算と、それから決算の月別表と、もう一つは旅客と貨物の予定收入と実際收入、その比較並びに貨物に対する費用、旅客に対する費用の予算並びに実際の支拂、その明細書を作つて頂きたい、こう申上げました。結局数字のことは後からゆつくり貰うとしても、月々相当の赤字が出るということは間違いない。それは今の話でも分りました。而もその中で旅客運賃関係よりも、貨物の方の運賃関係において非常に赤字が出ておるというようなことを承わつておるのですが、月々どのくらい貨物の方で赤字があるか、旅客の方ではどのくらいプラスが出るか、ちよつと御発表願いたい。
#17
○政府委員(三木正君) 今年度の予算について見ますと、現在の予算におきましては二百九十二億の赤字が出ております。御承知の通りこれを一般会計から繰入れて頂くことになつております。收入は七百二十五億でございまして、経費は千十七億、差引二百九十二億欠損であります。收入の七百二十五億の内訳は、旅客が四百二十八億、貨物が二百八十六億、この中にはそれぞれ進駐軍の旅客、貨物運賃を含んでおりますが、それだけでございます。それから先日申上げました收入の過去の実績と、それから下期の見透しを入れますと、旅客が四百二十八億に対して、四百二十一億余り、約四億ぐらいの減收でございます。これは主として進駐軍関係の輸送を減つてことと、運賃の見積り方が高かつたために八億ばかりの收入欠陷を生ずるのではないか、こういうふうに考えております。それから貨物につきましては二百七十五億ぐらい、約十一億ぐらいの減になるのじやないか、そのうち四億七千万円は進駐軍運送でございます。合計しまして十八億ばかりのうち、十三億近い進駐軍運賃の不足を來たしております。こういうふうになつております。そうしますと、二百九十二億に対して、更にこれだけ財減が不足するという恪好になると思います。
#18
○油井賢太郎君 そうしますと、さつきお話しの支出の部において五十一億の欠損が予定されておる。これも勿論赤字の累積になるのですね。
#19
○政府委員(三木正君) 外のものを減らさなければ、そういうことになると思います。
#20
○油井賢太郎君 これは大臣に昨日承わつたのですが、別にこの赤字については、今のところ運賃値上げも何も考えがないということになつておりますが、結局言つて、相当の赤字が出て行くのを、どういう方法で埋めるというような計画を立てられておりますか、支出を單に節約して埋めて行くというような方針なんですか。今國内の輸送状況というものは非常に不足をしておつて、汽車は又満員状況を盛返しておるというふうな状態になつておりますが、経費の節約ということになれば、勢い混雜しておる列車を又そのまま運轉するとか、或いは列車回数を減らすというようになる懸念もありますが、どんなような方針によつてこの赤字を埋めて行かれるのですか。
#21
○政府委員(三木正君) 方針を申上げるのは、事務当局としてどうかと思いますが、ただ私共が考えておりますことは、現在の貨物運賃は非常に実費に対して低位にございます。ラフなコスト計算でございますが、我々の原價計算をやつて見ますと、支出に対して收入は五割に満たない程度じやないかと思うのでありますが、そういうふうに非常に低位の貨物運賃を收受しておることと、もう一つは、旅客におきまして、普通旅客は相当高い運賃を貰つておるのでありますが、定期旅客につきましては、これ又非常にコストに対しまして低い運賃を收受しておるわけであります。勿論運賃は諸般の事情によつて決められなければならんと思いますが、余りにもこの低い運賃は輸送の混乱を來す虞れが多分にございます。例えば旅客につきましても、運賃改正以來定期旅客が殖えまして、定期外の普通旅客というものは減る傾向にございます。これは勿論社会の実情によつてそうなる点もございましようが、余りにも不当に定期運賃が安いということは、どうしてもそこに本当の意味の定期旅客でない定期旅客が殖えるということになつておる傾きがあるのではないかというような考えもあります。関係方面でも、現在のような定期券でなしに、毎日一往復をパンチするような定期券の発行をしたらどうかというような、有力な示唆もあるわけでございます。更に貨物について申しますと、貨物運賃が非常に低位でありますために、船舶輸送或いは貨物自動車の輸送というようなものと、果してバランスが取れた輸送ができるかどうかという、輸送計画は勿論でございますが、運費的にもそういう点が妥当であるかどうかということに対して、私共は疑念を持つております。更に貨物運賃が余り低位でありますことは、工場或いは鉱山というようなものの場所選定につきましても、非常な混乱を來すのじやないか、運賃が安いために不必要に遠い所から品物が運ばれる。そうして足りない輸送力を更に食うというような結果を招來する虞れが多分にあるので、貨物運賃はコスト並びに他の輸送機関のコストというようなものと十分比較して、勿論物價というようなものからも考えなければならんでしようが、十分考慮しなければならん。かように考えております。
#22
○油井賢太郎君 それで当局として、貨物は非常に赤字が出るから、なるべく需要に應じないというようなことはございませんですか。そういつたような方針を取つたことはありませんか。
#23
○政府委員(三木正君) そういう方針を取つたことは全然ございません。一億三千万トン輸送ということで、増送を非常に慫慂はいたしておりますけれども、避けるというようなことは、これまでには全然ございません。
#24
○委員長(黒川武雄君) 商工大臣に対する質問を行います。
#25
○中西功君 最初、ちよつと石炭のことで質問したいのですが、それは御存じのように、今炭鉱方面で、新勘定の上に生じた赤字をどうするかということが問題になつておると思います。而もそれが問題になつておるのが非常に奇怪な状態にある。即ち炭鉱資本家は二百二十三億五千百万円という赤字を、どうしても國庫で補償して呉れなければならんというように大いに宣傳しておる。これに対して政府側の方でも、いろいろ意見がある、石炭廳が作つた案では、聞きますところによると、まあこれは百五十六億くらいに見積つておる。安定本部の方では九十三億くらいでいいんじやないか、こういうふうな話がある。この三者においては、非常な大きな距たりがあるわけなんです。一つの赤字を計算するということにおいて、こんないろいろの、又べらぼうな差があるということ自体が、極めて奇怪だと思うのであります。石炭國管案と言いますか、石炭の管理法案が通過してから、一應政府としては、この石炭に対しては責任を持つておる筈でありますが、どうしてこんなようないろいろの、おのおの倍くらいずつ違うような数字が出て來るのか。一体政府として、炭鉱のこういう経理に対して正確な監督をしておるのかどうか。先ずそれを聽きたいと思うのです。
#26
○國務大臣(大屋晋三君) 只今中西君のお尋の点は、実は私にちよつと分らんのであります。直ぐ係りの者を呼びましてお答えいたさせることにいたします。
#27
○木村禧八郎君 序でに今度の價格調整費に関連しまして、安定帶物資、石炭、鉄鉱、非鉄金属、肥料その他引つ括めて、これが三月から極く最近までどのくらいに生産が殖えたか、その業種別に生産の殖えた数量、それと又業種別に、例えば石炭なら一トン生産が殖えればコストがどのくらい下るか、それから又鉄鉱でも他の條件がひとしければ、一トン生産が殖えれば鉄鉱ではどのくらいコストが下るのか、これをこの安定帶物資についてその調査を、商工省の資料をお願いしたいのです。
#28
○國務大臣(大屋晋三君) 了承いたしました。
#29
○中西功君 今大屋商工大臣は、石炭國管問題について今後どういうふうに処置して行かれようと考えておられるか、一つお聽きしたいと思います。
#30
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の御質問は、実は前内閣当時の方針は、中西君御承知の通り、公定價格と実際の面におきまして、賃金の値上げをやる場合に、企業がその支拂いができないという場合におきましては、赤字融資なり或いは政府の補助金というような方式で賄つて参つたことは御承知の通りであるのでありまするが、実はこの吉田内閣になりましても、非常に賃金の値上げと実際の経理面の調節との間にギャップがございますので、やはり在來の補助金政策でやつて行こうかという考えを当初持つておりましたのですが、いわゆるその後に至りまして、経済三原則というものが非常に強力にその筋から実行を促されております関係上、石炭の賃上問題の解決に非常な支障を來しました。爾來関係筋、政府並びに労資の二つの團体におきまして、專ら関係筋の慫慂によりまして企業の努力という線に対しまして、企業により能率の増進から生み出す余剩価値を以て賃金の支拂いをいたすということを專ら中心にいたしまして、労資の間で実はその間にしばしば、ここ約四十日になんなんとする交渉の間にいろいろに紆余曲折がありましたのですが、去る六日の日に又改めて團体交渉に入りまして、目下いわゆる企業の努力と能率の増進という線に基点をおきまして、労資の間で協議をしているような次第でありまして、まだ実は結論が出ておらないのであります。一方政府の方では随時労資の両團体と意見を交換いたしまして、その團体交渉が速かな妥結点を見出すように、いろいろ努力しておる次第であります。
#31
○中西功君 少し計数的なことを大体のところがよろしいのですが、今お話になりましたように、若し経済三原則をそのまま適用して行けば、今行われておる労働組合側の要求に対しては殆んど應えられないという状態になると思うのであります。併し労働強化と言いますか、そういう面をたとえ図つたとしても、これにも限度があるだろうと思うのであります。勿論我々はそうした労働強化には反対でありまするが、併しそれを或る程度やつたとしても、これで今日の炭鉱の問題がすべて解決するわけでは絶対ないと思うのであります。そこで今後炭鉱に対して融資する復金の大体の数字や、それから又價格補給金というような形で補給する大体の程度、更に労働強化と言いますか、一人当りの炭鉱の能率の増進、或いは又中小企業の炭鉱においては潰れるかも知れませんが、そういうものの今後の見透し、これをどういうふうな見積りで今やつておられるか、少し計数的な問題を聽きたいと思います。
#32
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の御質問に対しまして、実は経営者の方はトン当り三百九十円の赤字が出ると現在称しておりますのですが、これは必ずしも政府においてこれを認めておらないのであります。只今の御質問の計数的の問題は、只今私甚だ恐縮ですが、その資料を持つて來ておりませんので、早速專門の政府委員を呼びまして、参りましたら詳細に御答弁いたさせます。どうぞさように御了承願います。
#33
○中西功君 この問題について簡單にちよつと聽きますと、補給金並びに赤字融資はしないという三原則、これを石炭産業に対してまともに適用したのでは殆んど問題にならんだろうと思うのですが、これを正直にそのまま全部やつて行かれるつもりかどうか、簡單なことですが……。
#34
○國務大臣(大屋晋三君) 問題の鍵がそこにあるのでございまして、只今はいわゆる三原則が絶対に実行されねばならんという前提の下に、これを組合側も企業者側も、両者で百方能率増進でいくら賃金が増せるかという点を、眞劍に数字を上げて、実際採掘のできる数字を上げて今やつておるのでありまして、現在の一人当りの出炭量は六・五トンになつておるのでありまするが、これを來年の三月まで平均七・一トン、半端が少しありますが、七・一トンにはやり得るという前提を、組合と企業者両方でこれは認識いたしておるのであります。そういたしますと、相当の幅の、この数字も私が間違うといけませんから、後で專門の政府委員に申述べさせますが、七・一トンまで來年の三月には行けるという業者の一致した意見でございますので、そこまで行きますと、現在賃金ベースの相当のパーセンテージの値上ができるということに意見が出ておりますので、更に七・一トンではどうも組合の希望するところまで賃上がまだ少し遠いのでありますが、更にそれを七・一トン以上に行けるかどうか。ただ架空のペーパーの上で出しましても、実際できなければ何にもならんので、そこいらの線をめぐつて果してそれで能率の増進が止りで、そのためには幾らの賃上ができると言われても、組合の方ではそれだけの賃上では不足だ、まだ遥かに不満足である。然らばそのギヤツプをどうするかというような経路を取つて行くことと思うのですが、そのコースを取つて大きく両組合で團体協約をいたしております。又その見透しにつきましては、後刻專門委員から申上げます。
#35
○中西功君 ただ私は数字は後からゆつくり見さして貰いますが、ただ六・五トンを七・一トン、こういう数字はどうであろうとも、私はこれだけでたとえ能率が七・一トンが八トンになつても恐らくはできないと思う。即ち組合側が要求している或る程度の生活安定のための賃金というものは、こういう方法で絶対得られない、こう思うのです。だから今やられておることの根本が少し狂つておりはせんかということを感じておるのです。なぜならば、これは大きな経済的な観点から見ても分るのであります。即ち商工省の統計を取つて見ましても、本年においては明かに各方面において生産の増加がなされておるし、石炭だつて以前はとにかく三千万トンという目標で一生懸命やつて行つたが、この頃は三千六百万トンというものを目標にしているだけに、それだけ上つておるわけです。実際の各方面において増産はなされておるのですが、今日のような日本の増産されたものの使い方によつては、決して労働者や勤労大衆の生活を改善するようにならない。これが私は根本だと思うのです。これはもつとはつきり言いますと、今の状態ではうんと労働強化によつても何によつても生産をする、そうしていわゆる復興だ復興だと言つておれば、言つておる程皆の生活は苦しくなつて來る。これはいろいろの原因があると思う。私はこういう原因を一つも考えずに、ただ労働強化で幾らやつたところで、これを七・一トンにしたところで、それは一應石炭産業だけでは何らかの数字はできます。併しそれはきつとインフレの発展や何かによつてもう根底から壞されてしまう、これは極めて明瞭だと思うのです。だからこういうことをやつたところで、私は絶対にいわゆる労務者の本当の実質的な意味の今の待遇改善はできないと思う。又組合側との最後的な了解も絶対に得られないと思う。そこで私が増産すればする程苦しいというのはおかしいように聞えるかも知らんが、これは事実だと思うのです。それは貿易政策とも関連しておりまするし、更に又現に今日の石炭の配分の状況を見られても私は分ると思う。決して日本國民の本当の生活を改善するために石炭を配分されていなくて、増産されたものは増産されたものだけ余計他の方向に非常に、非生産的な方向へ或いは又外國に輸出する、というふうな面にますます向けられて行つておる。その点は我々は新聞に見る個々の報道から見ても分るのですが、こういう点の経済政策の根本が一つの問題になると思うのです。これは特に商工政策にもなるわけなのですが、このように輸出を中心にし、更に又石炭なんかの配分においてもそういう非生産的の方向に今後ますます配分を強化されて行くというこの方向を取られるのか、そうじやなくて、もつと日本の國民が使うものを作るような産業に対してうんと優遇されるような方向を取られるのか、私は問題はここに根本があると思うのです。そういう問題に対しての商工大臣の御意見を聽きたいと思うのです。
#36
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の御質問は、日本の産業再建のあり方についての基本問題でございますので、実は私もそれに対しまして考えを持つておりますのですが、只今目先、吉田内閣組閣匆々どころではない、組閣以前から惹起しておりまするこの電産と石炭或いは金属、纖維というような問題の賃上問題に対しまして、而もそこへ非常に本質論的にはよろしいのですが、三原則というものが現われて來たので、実はこれに対しましては基本政策はともかくとして、何かの頓服藥的のものを用いて解決せねばならんと思つておつたのですが、その頓服藥が経済三原則で封じられて、実は甚だ焦慮いたしておりますのですが、解決に時間がかかつて誠に申訳ないと思つておるのですが、さて將來の、とにかく余り遠くない時間のうちに、いずれの賃上問題も解決を、まあ一時的彌縫策の結果になるかも知れませんが、片付けようと苦心しております。さてその次に、中西君の仰せられるように、石炭を掘つても、その石炭の使用の方法が眞に日本経済の再建の方面に向けられないで、不必要の方面に配分されておるというような御指摘もございましたが、或いはそういう方面があるかも知れません。そこでいわゆるこの産業の再建という点、この経済三原則の狙いも、関係筋の人々と話をして見まするというと、日本は敗戰後三年、ともかくも今日食糧も以前よりも相当豊かになつたし、工業生産品も戰前の五〇%そこそこまでには上昇して参つたし、ここでいろいろな補助金政策とか、或いは労働状態の不安だとか、或いは傾斜生産方式のアンバランスであるとかいうようなもの、すべてのものを一つ建直す時期に到來したのであるという意見が強く関係筋からも発せられる実情にも鑑みまして、又この日本の経済の再建の指揮棒の振り方、持つて行き方、いわゆる産業政策の行き方と、アメリカからガリオア・ファンド或いはイロア・ファンドで援助をされる食糧品、或いは肥料、或いは復興資材の対日援助のつまり政策が、一にかかつて日本の産業の再建のあり方と見合いになつたおるというようなことも強く言われまする関係もございますので、私といたしましては第三國会及び第四國会が早々の間で、何も基本的の政策をお目にかけることができませんし、御協賛される又時間もなかつたのですが、この來るべき解散後の新スタートにおきましては、一つ実質的の日本産業の建直し、而も生産増強にマッチしましたいろいろな政策を出しまして日本の再建をいたしたいと、さように考えておる次第でございます。
#37
○油井賢太郎君 商工大臣にお伺いいたしたいのですが、民自党が十九緊急政策を立てられた場合に、何ら國民の衣食住の方面の衣の部に対しての方針が定まつておらないように拜見されたのは甚だ残念でありましたが、幸い繊維界のエキスパート大屋大臣を迎えて意を強くしておるものであります。これに関しまして繊維製品は相当輸出貿易の中心ともなつておりますし、又國内においても間接税、織物消費税等によりまして、國の財政を賄う原動力ともなつておるのでありますが、今後その繊維製品に対する大臣の政策、方針を先ず承わりたいと思います。それにつきまして取敢えず項目を分けまして、綿花の輸入でありますが、昨今綿花の輸入状況はどの程度にまでなつておるか、又今後の見透しはどうであるか、更に國内向けの綿の使用高というものについては、どの程度まで國民として使用を許可される状況にあるかということを先ず第一番にお尋ねいたしたいと思います。
#38
○國務大臣(大屋晋三君) 繊維全般に対しまして、民自党の政策の中に顔が出ていなかつたのでありまするが、これは実際問題といたしましては、從來の政府がその筋と協議いたしまして、油井君も御承知の通り繊維の三ヶ月乃至五ヶ年計画というものができておりまして、その通りに行きまするというと、非常に満足すべき計画ができております。それが実現できるような基礎的な石炭なり、電力その他のものを確保して行けば十分できる計画ができております。さてこの綿花の輸入がどれ程の数字になつておるかというお尋ねで、將來の見透しに対するお尋ねでありまするが、まあ私も今日は繊維局長を連れて來ておりませんので、數字を申上げる資料を持つておらんので甚だ残念でありまするが、大体におきまして現在は御承知の通り、輸入いたしました綿花の殆んど七割が、更に外國に加工をして輸出をいたし、三割を内地でいろいろ農村或いは労働者の報奬用に流しておる関係でございまして、この七〇%は加工再輸出方式を取つておるのでありまするが、今度は全部その方式を改めて、輸入綿花をいわゆる政府貿易によりまして、綿花を政府の手において輸入いたしまして、それを全部、この原綿を紡績業者に拂下をいたして、加工方式をさように切換えようという只今考を以ちまして、折角その筋と目下交渉を続けておるような次第でございます。数字の点は又後で申上げます。
#39
○油井賢太郎君 只今の場合に拂下げるのには非常に資金が要ると思いますが、その資金面については、何か対策はおありですか。
#40
○國務大臣(大屋晋三君) その資金の面につきましては、日本銀行の総裁その他関係の係員とも話をいたしまして、約八十億円の資金が余計に入用であるという大体の概算が出ておるのであります。この点につきまして目下日本銀行並びに関係筋と協議をいたして、八十億の紙幣が増発いたされましても、これは決してインフレの助長には相成らんという前提の下に、只今交渉いたしておる最中であります。
#41
○油井賢太郎君 只今の日本の状況においては、綿織物というものは非常に安い地位に置かれておるのでありますが、而もその綿織物が國民に対しまして実際の供給というものが非常な不足である。そこで相当の闇流しのものが出ておるという状況になつております。而も値段は十倍にもなんなんとするというような状況になつておりますが、綿花物をもつと高くてもいいから、もつと豊富に供給して貰いたいというのは國民の声であります。そこで輸入される綿花の國内拂下のときには、價格を多少上げても、その差を國家の財政面に使用し、而も國民には豊富に綿織物を供給することによつて、闇で買うというようなことのために、平均して高いものが手に入るという、そういう点を矯正するというようなことは、大臣としてお取りになれないのでございます。
#42
○國務大臣(大屋晋三君) 現在の方式は只今申上げました七〇%加工再輸出方式で、残りの三〇%がいわゆる農村向、或いは労働者の報奬物資として流れておるような関係で、この三〇%の分は量的にも非常に少いのでありますし、又安い値はこれを高く上げるということは、やはり労働者、農村の再生産に対して影響を與えるという意味におきまして、この方の値上をするという考えは持つていないのであります。闇に、つまり内地放出の綿花の量が非常に少い関係で、たまたま出まする闇の綿布の値段が法外に高いという実情にありますのですが、この闇は実は油井君よく御承知の通り出目などが、まあ闇はあるべきものでないのですが、まあ多量のものを使います関係上出目や何かが、或いは横流れをするというような場合もありますので、この点は十合取締る方針になつております。ところが今度これを全部紡績業者に原綿を拂出しをいたすという場合には、これは單に在來のような加工賃金だけの單純な稼働方式でなくして、原綿の一括購入を紡績業者がいたしまして、それを加工いたして、そうしてそれを輸出をするということになりますというと、在來よりも非常にこの機業の採算的に見まして樂みができる、ベロシティ、幅が廣くなつて参りますので、能率を上げるという意味におきまして自然に又コストなんかも下つて参ると、こういうふうに指導して行く、又そうあるべきものと考えておる次第であります。
#43
○油井賢太郎君 次に人絹とスフの関係でありますが、御承知のように人絹は相当堅牢なものであつて、國民生活の上にも役立つておるものと思います。然るに同じような製造工程をしながら、スフになりますと非常に品質が弱い。而も値段も幾分高いというような状況になつておりますが、これを全部人絹に切換えて國民の衣料生活の上に資するというような御計画は立てられませんか。
#44
○國務大臣(大屋晋三君) その点は、この化学繊維の中で人造絹系というものは全部輸出をいたす方式で、いわゆる輸入物資、食糧輸入の見返り産業といたしまして、全生産の全部を輸出に向けておる関係上、而して又先程申上げました綿花の僅か三〇%しか内地に放出されていない、而もこれが日常の家庭のいわゆる消費物資という面でなくして、農村とか、労働者の特配に向けられておるので、日常の家庭に対しては殆んど配給の綿花というものは言うに足らん数という関係で、どうしても内地のいわゆる繊維の補給源というものをスフに求めざるを得ない、然るにこのスフが御承知の通り、人造絹糸に比較しまして非常に品質その他が惡くて、而も割高であるというような関係で、國民が十分満足ができないのでありますが、どうも現在の方式といたしましては、國民の内需の目的のためにはスフで賄うという以外にどうも手がないのでありまするが、將來はこの点に対しましても、油井君の御提案の通り、スフの綿を人絹の方に廻して、そうしてその他のいろいろな雜繊維というようなものも、巧みに未利用資源を利用しまして、内地の消費量に向けるようにしたいと考えている次第であります。
#45
○油井賢太郎君 繊維品についてもう一つお伺いしたいのですが、織物消費税が相当の額に上つております。今回の予算にも上げられておるのであります。これを見ますと、絹織物並びに人絹織物は消費税が非常に率が高くて、綿スフが非常に安いということになつておりますが、今國民に取りましては、衣料切符で以て自分が欲するというような量は配給されておりません。綿を欲しくてもないから、仕方なしに絹織物しかないから買つているというようなことであつて、もう昔のような贅沢品とは異なつております。こういうものに対しましたも現今の税制は、絹織物が贅沢品というような見地から高い織物消費税を課けている、そのために却つて織物消費税をごまかすような闇の銘仙等が國内に氾濫しておる。却つてマル公よりも安く出ているというような状況になつております。こんな関係から、綿スフ織物も或る程度消費税を値上し、絹、人絹織物というようなものは値下げをして、同じ率にして、もつと闇を防ぎ、一方においては國家財政のバランスを幾分でも向上させるというような方針を取られたならば、大変都合がいいのじやないかと思いますが、これに対する大臣のお考えはどうでしようか。
#46
○國務大臣(大屋晋三君) お説の通りでありまして、綿は消費税一割でございまして、絹、人絹は御承知のように四割の税金になつておりますが、商工省の、私の考えといたしましては、御承知の通り絹、人絹の方の税金は一割ぐらい下げて貰つて三割ぐらいにしたら適切ではないかと考えておるのであります。又油井議員は、この綿の方の一割はむしろこれは上げた方がいいじやないかというようなお考えのようでありますが、これは只今も申上げました通り、報奬物資というような関係がございますので、この税金を上げますというと、やはり農村労務者の手に入る値段がそれだけ嵩む関係になりますので、この方は据置きまして、絹、人絹の方は少くとも一割ぐらい下げて三割ぐらいが適当ではないかと考えておりますが、これは大藏省、いわゆる税制の方の関係もありますので、商工省といたしましては、一つそちらの方へ相談といたしまして、そういうようなふうに持つて行きたいと考えている次第であります。
#47
○油井賢太郎君 繊維の件は大体この辺にいたしまして、次に電力問題でありまするが、家庭の電力が非常に昨今困つております。毎日のように、御承知のように停電になつております。而もその停電の間に石油ランプを使うとか、或いは蝋燭を使うとかいたしまして、一日大体各家庭において五円内外の余計な費用が掛かつておるのであります。これは全國的に見ましたら非常に大きな金額に上つている。若し二千万戸とみなせば、一日一億ずつ無駄な費用が掛かつておるのじやないかと計算されるのであります。こういつたようなことをもう少し合理化して、各家庭の電力というものを豊富に廻すようなお考えはありませんですか。
#48
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の点は誠に同感でありまして、甚だ遺憾の点があるのであります。御承知の通り、今頃の五時頃から八時頃までは、各工場、交通機関、その他のものが一時に電力を使用いたしますので、或る一定の場所に対する電力の需要と供給がアンバランスいたしまするので、サイクルが下る。從つてそれで停電が行われるという状態になつておりますので、この点は一つ電力局といたしましても十分に注意をいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと考えておる次第であります。
#49
○油井賢太郎君 雨が相当降つてサイクルが余り下らない場合でも停電をしておるという状況になつておりますが、何も一ケ月ならば一ケ月ぶつ通しで停電をするというような、定期的に停電をするというようなことでなしに、随時臨機應変の措置を取られることを我々國民は要望しておりますが、この点に対して大臣のお考えは如何ですか。
#50
○國務大臣(大屋晋三君) 電力局長にその点説明させます。
#51
○政府委員(玉置敬三君) 只今の電力の増配、その他につきましては、これは先程大臣からお話がありましたように、いろいろ工夫を凝らし、特にピーク時におきましては、石炭を焚いて、そのピークを、上昇したのを除くという緊急措置も講じておるのであります。御存じのように、現在の割当制というのは、いわゆる電力量キロワツトアワーで割当をいたしておるのでありますが、いわゆるピークのときは、その電力キロワツトが上昇いたしまして來るのでありまして、これがために工場におきましては、なるべく四時或いは五時、せいぜい五時くらいまでに作業を停止して貰いたいということで、私共は勧奬いたしておるのであります。又家庭の方におきましても、これは同じ電熱を使用するにいたしましても、五時から八時くらいまでは使用を禁止して貰うという方法で電力の需給バランスというものを極力、供給力を確保するために、需要面の非常な援助協力を願つておるのであります。ただ、今お話のように、雨その他が降りましたときには、いろいろな供給力が殖えるという場合には、我々としてもでき得る限り供給力の増強を考える、或いは將來のことを考えましていろいろやり繰りをいたしておるのでありますが、このキロワツトの問題につきましては、いろいろ設備の問題もございまして、ただ供給力が殖えたから直ちに停電の解消になるということもできない面があるのでありまして、これらの施設の改善と相俟つて行くと同時に先程申上げましたようないろいろな供給力、消費者の心からの協力というような点と相俟つて行けば、現在の停電というものも解消し得るものと考えまして、政府といたしましても、それらの措置を強硬に推進しておる次第であります。
#52
○岩木哲夫君 極く簡單に……。
#53
○委員長(黒川武雄君) 簡單に……。
#54
○岩木哲夫君 え、一、二お尋ねしたいのですが、船舶運営会の補助に関しましてちよつとお尋ねいたしたいのですが、元來私たちは船舶運営会の業務内容につきましては、多少檢討をする、檢討をすべき責任を持つておるのですが、政府は今回予算案によりましては、二十五億の歳出を計上されておるのであります。この船舶運営会のこれらに対する内容を見ますれば、船舶使用料でありますとか、修繕費でありますとか、運航費でありますとかいうものが七〇%を占めておる。元來今回の予算の性格から見ますれば、給與改善を主体としておるのでありまして……。
#55
○委員長(黒川武雄君) 岩木委員の御発言中ですが、それは運輸大臣に対する御質問じやありませんか。
#56
○岩木哲夫君 これは商工省の所管と違いますか……。それではちよつと取消します。それじや價格調整費の追加予算の内容につきまして、これは先般各委員からも説明されたのでありまするが、五十九億の予備費を、而も調整費の半額以上を確保するということにつきましては、極めて我々は疑問を持つておるし、反対の意見を持つておるのでありますが、この内容を詳らかにして頂きたいということをお尋ねしたい。
#57
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の問題は一つ大藏大臣に答弁をお願いしたいと思うのですが……。
#58
○木村禧八郎君 簡單なことなのでありますが二点……。
#59
○委員長(黒川武雄君) 極く簡單にお願いします。
#60
○木村禧八郎君 第一点は、この前泉山大藏大臣に賃金三原則のことについてお伺いしたいのでありますが、ところが泉山大藏大臣は只今商工大臣の御答弁になつたような内容とは多少違うような説明をされたのであります。それは財源さえあれば補給金というものは出していいのだ、そう窮屈には考えていない。そういうことを言われました。それは今度の追加予算の中に三原則に反するようなことが入つておる。例えば煙草の値上げをするとか、現に價格差補給金を出してある。それに対して財源さえあればいいのだと、そういうようなまあ解釈らしいのです。そうしますと、今又商工大臣の今のお話とは喰い違つておるのです。それが一点でございます。それから只今の綿製品拂下の八十億融資のお話を進めておられるようでありますが、これは私は非常に問題だと思うのであります。折角財政面でインフレを阻止しようとしているのに、そういう金融面でこれを打破つて行くということは、これは私は問題だと思います。一應これは通貨を出して、そうして綿製品を賣れば、これは引上げになる筈でありますけれども、そこに回轉して行きますから、折角財政面でバランスを取つてインフレを抑えて行こうというときに、又そこに日銀から新らしく札を出すということは非常に問題であります。この前にやはり配給機構を変えるときに、前の商工大臣水谷氏の時にも、百億かの融資が問題になつて、日銀から非常に強硬に反対されたというあれもあるのであります。この資金は、業者がそういうストックを持つておるのですから、そういうストックを賣れば資金が出て來るのです。それを賣らないでストックを持つておるから資金がない。何か商工大臣はこういう面で、そう安易に金融面から通貨の膨脹するようなことはなるべく避けて、そうしてそういう資金を調達するように努力すべきだと思うのです。この八十億をそう簡單に日銀から札を殖して融資するということは、それはもう非常な問題だと思うのです。この点御意見を承わりたい。
#61
○國務大臣(大屋晋三君) 木村君の只今の御意見誠に御尤もなんでありまして、第一点は、実はこの予算の中に百十億の價格差補助金を盛り込んだということと三原則の関係は誠に……これはちよつと速記を止めて頂きたいのです。
#62
○委員長(黒川武雄君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて下さい。
#64
○山下義信君 若し大藏省の方を聽くのがいいんでしたら、そうおつしやつて頂きます。輸出滯貨物資の処分のことでございますが、この内需消化の方法はどういうふうにしてなさろうというお考えでございましようか。その点承わりたいのであります。
 それから諸掛りを非常に沢山計上しておいでになるんですが、これはどういう意味の諸掛りでございましようか。例えば絹織物で二億でありますか、二億有余の諸掛り、綿布でも二億余の諸掛りのように資料がなつておるのでありますが、どういうふうな内容の掛りになつておりますか、伺いたい。それから今一つは、この絹織物の國内消化を年度内四分の三という見込をしておいでになりますが、すべて内需にお向けになりまするこの滯貨は年度内に、この表のように御消化になるお見込なのでありましようか。この点伺つて置きたいと思います。
#65
○國務大臣(大屋晋三君) 只今山下君からの御質問の点は、実は今具体的のことがまだ決まつていないそうでございますから、さように御了承を願います。
#66
○山下義信君 具体的なことの決まつていないというのはどういうことですか。
#67
○政府委員(山本高行君) お答えいたします。只今繊維局長がおりませんので、私の知る限りにおいて申上げますが、最初の御質問は、輸出滯貨を今度歳入に見ております分の処理方法は、どういう方法を取るかという御質問だつたと思うのでありますが、まだ具体的にどういう機関を通じて、どういう方法でやるかということについては確かに決まつておりませんので、ここでお答えするだけの材料がないというのが大臣の御趣旨だと思います。さよう御了承願います。
#68
○山下義信君 ちよつとその処理方法が具体的にお決まりにならないと諸掛りの費用の計算が出ないと思いますが、その点はどうでしようか。
#69
○政府委員(山本高行君) 只今早速その点を調べましてお答えをすることにいたしますが、暫時御猶予を願います。
#70
○小川友三君 議事進行について……只今最も尊敬する山下先生並びに最も尊敬する商工大臣との質疑應答の中に緊急動議を提出いたします。時間も非常に過ぎたことで、政府におかれましては資料をお集め頂くに対しまして、すべて官廳はお帰りになつた後でありますからして、本日の予算委員会は休憩或いは明日に延期をする動議を提出いたします。
#71
○委員長(黒川武雄君) 只今の小川委員の動議に御賛成でありますか。
   〔「散会賛成」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(黒川武雄君) それではこれを以て散会いたします。
   午後五時四十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           田村 文吉君
           東浦 庄治君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           森下 政一君
           山下 義信君
           岡田喜久治君
           西川 昌夫君
           西川甚五郎君
          橋本萬右衞門君
           一松 政二君
           深水 六郎君
           岩木 哲夫君
          尾形六郎兵衞君
           小杉 繁安君
           深川タマヱ君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           新谷寅三郎君
           高瀬荘太郎君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           堀越 儀郎君
           松村眞一郎君
           池田 恒雄君
           栗山 良夫君
           藤田 芳雄君
           小川 友三君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 林  讓治君
   商 工 大 臣 大屋 晋三君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局次長) 坂田 泰二君
   商工事務官
   (商工大臣官房
   会計課長)   渡邊 一俊君
   商工事務官
   (総務局長)  山本 高行君
   商工事務官
   (電力局長)  玉置 敬三君
   石炭廳次長   渡邊  誠君
   運輸事務官
   (鉄道局総務局
   長)      三木  正君
ソース: 国立国会図書館
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