くにさくロゴ
1948/12/22 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 予算委員会 第11号
姉妹サイト
 
1948/12/22 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 予算委員会 第11号

#1
第004回国会 予算委員会 第11号
昭和二十三年十二月二十二日(水曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年度一般会計予算補正
 (第二号)(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和二十三年度特別会計予算補正
 (特第二号)(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
   午後二時四十五分開会
#2
○委員長(黒川武雄君) これより委員会を開催いたします。先ず大屋大藏大臣の御挨拶がございます。
#3
○國務大臣(大屋晋三君) 今回御審議通過を願いました給與法案の内容といたしまして、五千三百円ベースを根幹として予算を組んでおりましたが、今回それを六千三百円ベースに修正をいたしましたにつきまして、予算との関係を一言申上げて置きたいと存ずる次第であります。
 本來のベースは修正変更いたされましたが、給與の総額は二百六十二億でございまして、この枠には変更がない関係上、給與の修正に関しまして予算の組替え乃至修正をいたさない方針でございますので、その点は御了承を願いたいと思うのであります。尤もいつもこの給與が変更いたされまする場合には、この予算の終期におきまして、と申しまするというと、來年の三月の中旬におきまして、予算技術上の関係から、各省間の極く僅少なる調節というようなことは、これは予算の恒例的、技術的関係から、さようなことが起りました場合には、その節調節をいたす考えでおることを御了承願いたいと存ずる次第でございます。
#4
○委員長(黒川武雄君) 次に予備費について政府委員より説明をいたさせます。
#5
○政府委員(阪田泰二君) 四十五億の予算費につきまして、その内容を書類にして御配付いたして置きましたので、それにつきまして簡單に御説明申上げたいと思います。
 今回の補正予算に計上いたしました四十五億の予備費につきましては、当初この予算の提出をいたしましたときに申上げましたような事情によりまして、一括して予備費として計上してございましたわけでありますが、これが内容をどういうふうに決定するかということにつきまして、その後引続き各省各廳とも協議をいたし、尚関係方面の了解を得べく努めて参つたのでありますが、その内容が差上げました書類のように決定いたしましたので、これを御報告いたして置きまして、御了承を得て置く次第であります。尚この予備費は予算上は予備費として計上せられたものでありまするから、予備費の原則に從いまして、使用の実績を國会に後日報告いたすということは、財政法上当然の手続でありまして、これは次の機会において行うわけでありますが、それに先立ちまして、すでに内容が決まりましたので、それをここに御報告申上げる次第でございます。
 先ず最初に書いてありまするように、國会の所管が一億二千九百万、裁判所が五億五千万というように、まあ所管別に内訳を最初に揚げてございますが、その裏の方に参りまして、所管にまだ分れて計上されていないもの、即ち超過勤務手当の一億八千万がございますが、これは例えば病院の看護婦でありますとか、或いは警察官、或いは刑務所の看守、その外そういうような方面の特別に超過勤務手当を業務の性質上特に多く要する方面に、大体振当てる計画でありまして、只今この内容も各省と協議しておりまして、殆んど纏まるばかりになつております。それでその以下の別紙の各所管別の事項につきまして、極く簡單に申上げたいと存じます。
 國会所管につきましては、先ず衆議院の部でありますが、今回の臨時國会その外の臨時國会の関係で、経費に不足しまする分が第一であります。それから閉会中に開かれております不当財産取引調査特別委員会等に必要なる経費、衆議院の法制局を拡充いたしまする経費であります。それから四は今回の六千三百七円ベースに伴いまして、議員の歳費、或いは補助員の給與等を増額するに必要なる経費でございます。参議院も同様の経費が計上いたしてありまして、臨時國会の経費、六の常任委員会の経費、これは御承知の裁判官の刑事事件不当処理に関する委員会、その外常任委員会で閉会中も継続開催いたしておりますものがありますので、それに要する経費でございます。法制局経費、議員の歳費、これは衆議院と同様でございます。その外図書館につきまして、赤坂離宮の図書館の建物を修繕する経費、彈劾裁判所につきましても同様赤坂離宮関係の建物を整備いたします。それから共通費といたしまして、議案等の印刷に要する経費が計上いたしてございます。
 それから次に裁判所の経費でありますが、最初に掲げられました民事訴訟法の改正に伴い必要な経費、その次の刑事訴訟法の改正に伴い必要な経費、その先に行きまして、檢察審査会法の施行に必要な経費、これはいずれも前々國会におきまして、決定いたしました裁判所関係の重要なる法律の改正がございましたが、それが明年の一月一日から実施に移されますので、それに必要なる経費でございます。訴訟の進行の仕方等が非常に今までとは変つて参りまして、多くの経費を要することと相成るわけでございます。その他の経費につきましては、特に申上げる程のこともございませんが、六の裁判に必要な経費の増加、これは裁判官の証人、鑑定人の日当旅費とか、いろいろ裁判関係の紙類、用紙類の増加とか、こういう裁判に使われる経費が足らなくなつて参りましたので、これだけ追加いたしたわけであります。それからこの裁判所の部の一番最後でありますが、家庭裁判所の新設に必要なる経費、これが先程申上げましたと同様國会において、少年法が改正せられまして、明年一月一日から全國の各高等裁判所と同じ地域で家庭裁判所というものが設けられまして、その家庭裁判所の中に家事審判所と少年審判所というものが二つ設けられることになります。それに必要な経費であります。現在少年審判所は全國で十八箇所でございますが、それが家庭裁判所の下に各全國府縣にそれぞれ出來ますので、かような経費を要するわけであります。
 それから総理府関係の経費、これはそれぞれの各廳におきまして、いろいろ從來の経費で不足いたしますもの、或いは予備金本予算等で経理いたしておりましたものが月割の一月以降、或いは十二月以降の経費が載せてありませんでしたものを、今回その分も追加いたすもの等でございまして、初の方は特に申上げる程のものもございません。次に九の皇室費についてちよつと申上げて置きたいと思いますが、皇室費は当初の予算に計上の際に、一般の各省間にありましたような價格補正特別措置費というようなものを計上いたしてありませんでしたので、その関係で宮廷費の面におきまして、いろいろ物件費等の増加を要するのであります。それから東宮附の外人教師の給與におきまして、ドル建で支給することになつておりますが、ドルの換算率の関係で増加いたしましたので、これが上せてあります。内廷費或いは皇族費の定額等には変化はございません。それから十一以下に警察関係のいろいろな経費が載つております。大体におきまして十四のものが額がやや多いのであります。これは最初に警察官を採用いたします際に、國家地方警察も自治体の警察も同じく一様に國家において採用いたしまして、これを訓練するというような関係上、それに必要な経費が載つておるわけであります。
 次に法務府について申上げます。先ず一にありますように相当刑務所の收容人員等増加いたしましたために、かような看守の強化を図る経費が必要となつて参つたわけであります。それから最後の十五、十六でございます。刑事訴訟法改正に伴い必要な経費、少年法改正等に伴い必要な経費、これは先程申上げました裁判所におきまする明年一月一日から実施される制度の改正に伴うもの、これに対應して檢察廳なり、そちらの方で必要になつて参ります経費でございます。
 外務省につきましては特に御説明申上げる程のこともございません。
 大藏省は、一に食糧配給公團出資に必要な経費でございます。これは食糧配給公團のいろいろの設備の充実に要する分でございまして、当初八千万円の出資を五千万円増加いたしまして一億三千万円に相成るわけであります。徴税費は今回の祖税の増加に伴いまして、いろいろこれがために必要な旅費、事務費等の増加或いは納税宣傳費等でございます。
 文部省の所管におきましては、一の教員共済施設費補助に必要な経費、これは公立学校の職員の共済組合の事務費、共済組合法に基きまして地方に補助をいたすものであります。三の大学附属病院の運営に必要な経費、これがやや多いのでございますが、すでに申上げましたように経費もやや増高して参りましたが、一方蔵入の方も相当この関係で殖えておるようなわけであります。血清及び痘苗調製配送に必要な経費も同様の関係であります。
 それから厚生省でございますが、一の標準保健所に必要な経費、これは全國の各府縣に一箇所モデル保健所を造るその関係の経費でございまして、司令部の勧獎に基いて造るものであります。二の関係は、当初予算が少し不足いたしました関係上補足いたしました。三の特殊薬品と申しますのはDDTでございます。これを買取つて又府縣、市町村を通じて配給するに要する経費であります。五の國民健康保險組合補助に必要な経費、これは國民健康保險組合が直営診療所を造ることになりましたのに対しまして補助をいたす経費であります。これは当初予算に見込んでおりましたより各地方において相当多数の診療所が設置され、完成し或いは完成せんとする状況でありますので、それに対する補助を増額して計上いたした次第であります。
 農林省所管におきましては相当事項がございますが、七の農地改革について必要な経費、これは一番金額としては多くなつております。これは農地委員会のいろいろの旅費、事務費、超過勤務手当、そういうような経費が増加する分、その外に農地委員会の書記に対する給與を、今回の官廳職員の給與と同様のベースに引上げるに必要な経費でございます。この外いろいろ農林省関係におきましては、取締統制法令等の改廃に伴いましての経費が計上してございます。
 その次に商工省関係でありますが、この最後のものはやや金額が多いのでありますが、これは大体指定生産資材の統制を國において行うことになりました際に、統制團体から相当人員を移管してやりましたわけでありますが、その際商工省関係におきましては、今後の見込を考えまして或る程度人員を抑制して入れてありました。最近の情勢からいたしましてこの程度経費を入れないとやれないということがはつきりして参りましたので、増加いたしましたのでございます。
 運輸省、逓信省関係は別に御説明申上げることもないと思います。
 最後に各省各廳といたしまして、超過勤務手当の不足額、これを出しておりますが、これは先程申上げましたようなことでありまして、各省各廳における超過勤務手当の不足額を補うために支出いたす計画になつております。
 合計四十五億となつておりますが、こういうような予定になつておりまして、大体この予算案が通過いたしますれば、至急に、緊急なものがございますので、支出の手続をいたす。そういう心構えでおります
#6
○山下義信君 予備費につきましては先に大藏大臣への質疑に際しまして私の質疑を保留させて頂きましたのでありますので、この際質疑をさせて頂きたいと思います。
#7
○委員長(黒川武雄君) 山下委員にお尋ねいたしますが、引続き價格調整費の中の予備費五十九億について、秘密会を開いて説明を求めたいと思いますが、その後の方がよろしうございますか。
#8
○山下義信君 その前の方が……、私のは予備費だけに関連いたしますから……。先ず伺いたいと思いますのは、予備費として予算を計上されますると、申すまでもなくその金額というものが適当であるかどうかというだけしか我々は審議権がないのでありまして、当然その内容に関しましては、我我の審議の対象にはならないのでありまするが、今回の追加予算に余りに多額の予備費が計上されておりまするので、段々どういうわけで四十五億の計上がされておるのであるかということを伺つておりますと、それぞれ相当の目的があつてこの金額の御計上があるのでありまして、又他の各省関係の大臣に伺いましても、いろいろ予備費の中にその予定を持つておられることを御説明に相成りました。勢い内容についてお尋ねをしなくてはならんことに相成りまして、只今詳細な説明並びに資料を頂いたのであります。然るところこの予備費を以て充当されようとなさいまするこれらの予定を承わりますると、法律上法規の上で当然計上なされなければならんような費目があるやに見受けられるのでありまするが、それら当然計上なさるべきような経費というものは、款項目の方に明らかに計上せらるべき性質のものではないかと考えるのでありますが、それらが一括して予備費として計上されてありまするのはどういう理由でありまするか、その点を御説明を得たいと思います。
#9
○政府委員(野田卯一君) お話の点につきましては、若し時間が許すならば、只今御説明申しました四十五億の内訳を各款項目に盛つて出すべきだと思いますが、各般の事情によりまして非常に急ぎまして時間の余裕がない。一方官公職員の給與の支拂いを急がなければならんというような諸般の事情を勘案いたしまして、結局一應予備費の中に計上した。但し予備費の中に計上いたしつ放しにしないで、もつと議会におきましてその内容を委員の皆さん或いは議員の方々に申上げまして御了解を得る。こういう方法を取つた次第でございます。
#10
○山下義信君 私はこれは実は重大な問題ではないかと思うのであります。これらの費目というものを一括して予備費の中に入れて置かれてあるということになりますると、それだけはいわゆる我々の審議権というものを棚上げにしてしまつて、そうしていうまでもなくこれはただ事後承諾に止まることに相成るのでありまして、これらの内容費目を見ますると、相当審議いたさなければならんような項目が非常に多いのでありまして、只今の御答弁ではこれを款項目に計上する暇はなかつた、未定であつたからということをおつしやるのでありますが、それならば総計の四十五億という予備費としての要求は、極めてでたらめな金額を先に出して置いたということにも相成るのでありまして、私共甚だ遺憾に存ずるのであります。款項目はこれを区分けいたして計上する時間的余裕がなかつたということは、單なる政府の逃げ口上でありまして、要するところ予備費というものの性質を無視いたして、そうして我々の予算の審議権を棚上げいたし、四十五億の殆んど数十項目に亘るところの経費は、ただ單に爾後の國会で事後承諾を求むるということの方途に出られましたることは、予算の編成上我々の審議権を無視したるものであると私は断ぜざるを得ない。大藏大臣はこういう予算の編成方法を果して妥当であるとお考えになりまするか、如何でありますか御答弁を得ておきたい。
#11
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の点は、只今御説明いたしました通り、時間を急ぎました関係上、さような取計らいをいたしました次第でありまして、この次にゆつくり予算を組む場合には、さような点をもつと詳細に本予算の款項目に嵌めていたそうと考えております。
#12
○山下義信君 私は時間の関係ではないと思う。計上する時間的暇がなかつたから予備費というのではなくいたしまして、当然法規上計上しなければならない費目は、これを予備費に求むべきではなくして、正しく款項目として計上すべき性質のものである。かように申しておる。それは時間がないために一應予備費として支出したということは、そういうことのあることは私も認めまするけれども、先ず予備費を先に計上して、そうして当然款項目で要求すべきものをその中から出すということは、私は順序が顛倒しておる、かように思うのであります。今後ともかような予算の編成振をなさるお考えがありまするか、今後はかような編成振はなさらないか。当然法制上積算計上すべき費目は、款項目に掲げて編成すべきが至当であるとお考えになりますれば、將來とも予備費として一應取つておいて、そうして然る後に内容の審議をしないで事後承諾を求むるという、かかる編成方針を依然としてお取りになる考えでありますか。その点を大臣はどのようにお考えになりまするか。重ねて御答弁を得たい。
#13
○國務大臣(大屋晋三君) 只今申上げました通り、次期の予算の編成に当りましては、その点を十分考えまして、最初から成るべく詳細に本予算の方に組込をする、さような方針をとろうと思つております。
#14
○山下義信君 然らば今回のこの予備費の計上の仕方、かような予算の編成方法、要求は適当でなかつたと考えてよろしうございますか。
#15
○國務大臣(大屋晋三君) 只今申上げました通り、時間の関係で取急ぎました次第でさようにいたしましたので、不適法とは考えておらんのであります。
#16
○山下義信君 私は只今の大臣の答弁に満足いたしませんが、所見の相違として一應この程度で止めておきます。
#17
○委員長(黒川武雄君) それでは皆樣にお諮りいたしますが、この後直ぐ價格調整費予算のうち、五十九億の予備費について祕密会を催したいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(黒川武雄君) 御異議ないものと認めます。それではこれから祕密会に入ります。
   午後三時十二分祕密会に移る
   ―――――・―――――
   午後三時五十六分祕密会を終る
#19
○理事(飯田精太郎君) 只今の祕密会で取りました速記録は、公表しないことにしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○理事(飯田精太郎君) 御異議ないと認めます。森下委員。
#21
○森下政一君 今度の予算は給與改善に伴うところの予算、政府職員の待遇改善に関する必要な予算であると、こういわれておるのでありまするが、その基本をなす政府職員の給與につきましては、先頃大藏委員会で、私はこういうことを尋ねたのであります。当時政府は五千三百三十円ベースを固執しておられた、一方人事院の方からは六千三百七円ベースを勧告しておる、丁度今井局長もここにおられまするが、國の財政上止を得ないので、六千三百七円ベースを妥当と考えるけれども、よんどころなく五千三百三十円ベースで賄うより途がないという考え方か、若し財政上がこれを許すならば、人事院の勧告をそのまま呑んでもいいという考が政府にあるだろうか、こういうことをお尋ねしたことがあつたのでありまするが、今井局長は人事院の勧告する六千三百七円ベースというものが合理的な基準とは考えられない、むしろ政府案である五千三百三十円ベースの方に合理性が多いという信念を持たれて、然らば人事院の勧告する案の不合理だと思わるる点は、どういう点だろうとお尋ねしますると、数項目に亘つてその不合理なところを列挙されまして、而もその説明を聞いておると、如何にも説明が地に足が着いておるという印象を私に與えたのでありました。ところがその政府が、六千三百七円ベースを突如として採択しなければならなくなつた。一々これは客観情勢によると思うのでありまするが、客観情勢に余儀なくされて、曾ては政府が不合理だと考えられたベースを、そのまま採択しなければならなくなつたというのみならず、而もこの予算は不動のままでその新らして賃金ベースによるという決心をしたというふうな、もろもろの情勢を勘案して見ますると、忌憚なく申しますると、予算の審議に対して当初持つておりましたような熱意が、甚だしく削減されるという感を覚えることは、皆さん一樣であろうと私は思うのであります。
 ただ私はこの機会に一言だけお尋ねしたいと思いますのは、ややそれらとは問題を異にした本質的なことでありまするが、今度の予算を眺めて見まして、誰しもが一樣に感じますることは、歳入面の大半を賄うておるものが、税の自然増收である、こういう点であつて、ここに一つの非常な不安を感ぜしめるものがある、同時に予算の脆弱性を思わしめるものがある、かように思うのであります。政府から提出されました資料によつて見ましても、國民所得と、所得税の課税の対象になつております所得の総額とに、非常な懸隔があることは、先刻皆さん御承知の通りでありまするが、いわば税により捕捉されていないという國民所得が非常に多い。從つて若し國民が忠実にその所得に應じて税を負担しますならば、日本の財政を非常にやりにくいといわれておるが、若し皆が正直な課税をするならば案外財政を樂に切盛できるのじやないかということが考えられる。如何にして捕捉されていない税を捕捉するかということにつきまして、片山内閣、芦田内閣共にこれを捕捉することには成功しておりません。而もこの両内閣とも新しい税種を挙げて、新税を創設することによつて、これまで捕捉されていない所得を捕捉する途はないと考えて、徴税機構を拡充することによつてのみ捕捉されていない所得を捕捉しようと、こういう考え方を一貫して持つたと思うのでありますが、
   〔理事飯田精太郎君退席、委員長着席〕
 当時在野党でありました民自党は、嚴しくこれに対して批判を加えたのでありまして、その批判を聞きながら一理あることと私は考えておつたのであります。從いまして若し民自党が天下を取る、政権につくことがあつたならば、これらの点に対して何らかの新らしい工夫、創意がみられるのじやないかということを期待いたしておつたのでありまして、一に又それに成功されることを私は祕かに望んで止まんのでありまするが、大屋大藏大臣はその点についてどういうふうにお考えでございましようか。甚だ失礼なことを申しまするが、大屋さんは前藏相の後を受けて、暫くの間藏相を兼務されるだけで、早晩その兼任は解かれるのだと私は覚えまするけれども、政敵なんという感じを持つて私は大屋さんを見ておらん。同じ選挙区の人で平生から親しみをより一層感じまするし、又商工業の先覚者として業界に重きをなしておられて、あなたの朝に在ると野に在るとを問わず、民自党の政策に及ぼすインフルューエンイというものは非常に強いと、こう考えまするので、特に商工大臣である大屋さんに、この機会に、この捕捉されていないところの所得というものを捕捉する遂について何かお考えがおありでありましようか。この点を、本質的な問題でありまするが一應御所見を伺うことができれば幸せだと、かように思うのであります。片山内閣も芦田内閣もこの点においては必ずしも成功しなかつた。而も勤労所得税は軽減することに努めてその代り財源、穴埋めとして、今評判の非常に惡い、而して民主党が廃止しようとして声明されておられる取引高税のごときものを創設したのでありましたが、若し捕捉されていない所得をそのまま放任しておくということになると、捉え易いものにのみ必要に應じて段々税の重圧を加えて行くということにならざるを得ない。勤労所得、特に源泉で課税されるものは一〇〇%に課税されて行く。その他の事業所植に対しましては、本事上本当に收益がない、辛うじて食うや食わずというふうなものが、大雜把な一つの基準によつて類推的な課税をされるということのために、更正決定の都度全國的にいろいろな問題を起しておりまするが、そういう傾向が段々激しくなつて來るということが憂慮されるのでありまして、結局誰しもが好まない、正直者が損をするという政治が日本の政治の現実になつてしまつておる。而しそういう度合が段々濃厚山になる。(簡單」と呼び者あり)そういう危險があることを感ぜられるので、私はこの本質的な点につきまして、特に大屋さんのお答えを、御所見を承わりたいと、かように思います。
#22
○國務大臣(大屋晋三君) 只今森下君のお尋ねの問題は、日本のこの財政の、予算の編成に関しまする、いわゆる税法の全面に亘りました重大な問題でございまするが、只今のところそれを二つに私は分けて考えられると思います。一つはいわゆるすでに予算に組入れましたこのいわゆる税金のコレクシヨン、これを完全に徴税するということと、それから森下君の仰せらるる未だ捉えられざるとり易い税源を発見する、税目をここに制定する、この二つの問題についてこれから眞劔にこの問題と取つ組まなければ健全財政は組めない。なかんずく最近司令部から発表されましたあの九原則の中にも、税のコレクシヨンという問題を一層徹底的にやりという問題がございまするし、又実は本日私は午前中あちらの関係筋の人と話しましたが、その点について政府の具体的の措置を促されて帰つて参りました次第でございます。森下君同樣さような見地におきまして、この問題は十分に取組んで行くつもりでありますが、まあ無責任に今まで考えていることは多々ありますが、さようなことを如何に放談いたしましてもいたし方がありませんから、具体的の問題は只今の御発言によりまして、一層私も森下君のごとき財政のエキスパートもさようにお考えになつているということを、私の頭の中に取り入れまして、一つ近き將來に出直す吉田内閣におきまして、或いは私はもう藏相じやないかも知れませんが、新規の藏相が出るかも知れませんが、十分吉田内閣といたしまして、その点に対しまして眞劔に取組んで行きたいという程度で御了承願います。
#23
○森下政一君 ただこの際私はお願いしておきたいことは、税のコレクシヨンを完全に行うということが、單に捉えやすいところの所得だけを捉えてそれを完全に徴收するということでなくして、捕捉を免れている者に対して免れしめないというコレクシヨンが行われるように、一つ御勘案を願いたいと切に御努力をお願いします。
 それからもう一つ今度の予算を眺めまして、最も私の危惧いたします点は、財源の中に償還金が上がつておりまするが、これは地方公共團体等からの償還金を予想されておるものかと思うのでありまするが、地方公共團体の租税の逼迫はもう申すまでもありません。これは單に償還期が到來しておるものを計数的に計上しておるだけであつて、何か確たるお見込を以て計上しておるものかどうか、この点を一つお伺いしておきたいと思うのであります。單なる見込であつて事実上この償還金が納まらないということになりますならば、予算の執行に非常な障碍を來するのでないか、ここに一つ危惧すべき点があると思いますが、この点をお伺いしておきたいと思います。
#24
○政府委員(野田卯一君) お答えいたしますが、只今御指摘の地方團体からの償還金につきましては、一應の見通しを以てかようにいたしております。地方公共團体の財政の苦しいことはよく分つておりますが、本年の補正予算におきましては、相当百億を超える配付金が地方に参りますので、それと睨み合せましてあの程度の回收ができると計上いたしたわけであります。
#25
○委員長(黒川武雄君) 小川委員に申上げますが、大藏大臣が対する質問はこの間の理事会の申合せによりまして、應答共十五分と御承知願います。
#26
○小川友三君 よろしうございます。大臣にお尋ねしますが、税金方面で大藏大臣の主張されているところの取り易い新規の財源を発見するというような言葉がございましたが、その一、二の例を挙げて頂きたいのであります。本議員の考えでは、現在五十数万戸の料理店が闇営業をやつておるのは隠れもない事実であります。これに課税を適当にしたならば、百億くらいの増税は容易であろうと思いますが、これに対しまして大藏大臣の御所見をお伺いいたします。
#27
○國務大臣(大屋晋三君) その問題は、いわゆる國民生活の面並びに税收の面、両方面から考えまして、吉田内閣の母体でありまする民主自由党は、速かに料飲店の再開をしたというのが政策に載せてあるのでありますが、主食その他の面と睨み合せまして、早く実行いたそうと思つておりましたのですが、未だ実行の運びに至つておりませんが、これは更に速かに研究をいたしまして、着手をいたしたいという方途に努力いたしておることを御了承願いたいと思ます。
#28
○岩木哲夫君 もう別にないのですが、ただ序でに一つお聞きして置きたいことがあるのです。それは先程もちよつと触れたわけですが、五千三百三十円ベースから六千三百七円ベースに改訂を余儀なくされましたことの問題は別問題としまして、こうした結果から、この予算の中には五千三百三十円を基調とした事実上の價格改訂があるわけであります。價格改訂に当然触れておる部面が沢山ある。例えば今の四十五億の雜件予備費の中にも、当然物件費も計上されておることでありまして、これが物價高に伴うことであることは明らかであります。かような工合に諸般の歳入歳出の予算面に、五千三百三十円を基調とした物價改訂が事実上行われておる。ところが今度六千三百七円ベースになると、更にこれらの物價改訂というものに拍車をかけるということは、予算面に限られておる問題ばかりでなく、全面的に亘る物價改訂ということが余儀なくされることは必至であります。大臣は先程も、三月の末まで二百六十二億の枠内であるから、そのようなことは起らないという御見解を言われておりましたが、これは到底疑問を解くことはできないと思いますわけであります。かような状態から及ぼしまする將來の物價改訂、これに盛られておる物價改訂はもとよりでありますが、物價改訂はすでにこの予算において多数にその基本的なものを出しておるのですが、六千三百七円を今度は基調とした物價改訂というものはどういう足どりで、時期で、方法で行わんとせられるのでありますかどうか。これは近く考えられまする本予算において当然予想されるわけでありますが、こうした関係から一般民間企業に及ぼしまする賃金の問題はもとより、企業の整備の問題、或いは爲替レートの設定の問題等、各般に影響する問題が非常に複雜化して來るわけでありますが、こうした点につきまして、大臣はどういう御方針、御見解を持つておるかということを一点お聞きしたいことと、それから先程來伺いました五十九億並びに四十五億の予備費的なものにつきましては、相当予備費としての計上でない性格のものでありまして、当然審議をすべき問題が沢山ありまして、これに対しまして相当議論もあるわけでありますが、結局まあ封殺の形になつておるわけであります。併し大まかに見ましても、このうち三十億乃至四十億というものは、今回二百六十二億の枠内で、例えば一月、二月は給與が減額されるといつたような問題を、せめてこの中からでも少し補填をするというようなことが、親切な予算編成の熱意であろうと思うわけでありますが、この五十九億乃至四十五億の予備費のうち、何らかの方法でこの一月、二月の減額される給與に対する補填の方法を生み出す考え方は政府にないかどうかという、この二点をお伺いいたしたいのであります。
#29
○國務大臣(大屋晋三君) 第一点のいわゆる價格改訂問題は、これはまあ非常に重大な問題でありまして、只今さようなことが起きるかも知らんというふうには私も思うのでありまするが、目下具体案を持つておりませんから、いずれも、スタートして、吉田内閣が又あなた方の御協賛を……共に國政を論ずるチヤンスがございましたら、その節十分研究いたします。
 第二点の問題は、岩木君のお考えになるようなことは、政府といたしましては、只今考えておりません。
#30
○中西功君 一番最初に僕は大藏大臣に、復興計画の問題について、更に最近出されました九原則との関連について少し意見を聞きたいと思います。
 今度の場合は、追加予算、殊に給與に絡まる追加予算ということになつておりまして、まだ吉田内閣全体の政策は或いは出ていないと言い得るかも知れませんが、併し一應我々は、吉田内閣がどういうように日本の今後の政策をやつて行くかということを考えなければなりませんし、更に又これと関連して、一番これが明確に具体的に出るのは、今後の日本の復興計画というものをどういうふうに考えて行くかということだと思うのであります。この復興計画については、片山内閣の末期から計画された五ヶ年計画というものがあるわけです。ところで、この復興計画については、恐らく今大きな修正が進んでおると思うのです。いろいろこれについては具体的な問題もありますが、この復興計画を大体吉田内閣としてはどういうふうに持つて行く所在であるか、その概括的な質問を先にしたいと思います。
#31
○國務大臣(大屋晋三君) 只今の問題、私が逃げれば、中西君、それは総理大臣、又は安本長官にお伺いを願わなければなりません。併しそう言つても余りそつけないから、二・三分お答えいたしますが、それは早い話が、私はこうじやないかと思います。今までの吉田内閣は、今日か、明日か、明後日までの選挙管理内閣でありまして、ここまで來ます間に当面のいろいろな各種産業のストライキ、賃上げというものは、解決しなければいけませんが、基本的吉田内閣の味を出すのは、出直して再出発してからであると私は考えまするし、そこへ持つて來まして、幸い九原則というものは、まあ芦田内閣、片山内閣時代から、司令部から言われておつたことと余り変らんと思いまするが、併しこれが又異なる観点から非常に強力に、而も明らかにここに現われて参りましたので、実は今日も私は司令部との定例会見で、速かに案を具して持つて來いという註文を受けて参りました次第なので、そのときも、只今中西君にお答えをしたと同じお答えをして参りましたので、只今は別に何も、何もというとちよつとおかしいのですが、中西君の御満足の行くような私はまだ成案を準備していないという程度でお許しを願いたいと思います。
#32
○中西功君 それでは具体的に聞きますが、これは民主自由党にも非常に責件のある問題で、今まで外資導入ということを非常に当てにし、更にそのための受入態勢だと称して、いろいろな施策が行われて來ておるのが最近までの特徴である。よく外資導入の問題については、民主自由党の方の專賣であるということさえ言つておつたのであります。ところが最近の傾向は、外資導入といつても外資が直接來るのではなくて、或いはそれよりももつと日本人自身の力で國内の資源を開発してやつて行かなければいけないのだ、こういうふうな観点が可なり強調されて來たと思うのでありますが、そういう点について今までの民主自由党や或いは芦田内閣が言つて來たような外資導入の考え方を、ここで具体的にどういうふうに考えられるのか。例えば今までの財界の人々は殆んど異口同音に、外資導入がなければ日本の復興はできないのだ、外國の援助がなければできないのだ、こういうことをはつきり言つて來たと思うのであります。ところがそうではなくて、日本人自身が復興しなければ外國からの援助も入つて來ないのだ、こういうことになつて來てしまつたのだと思いますが、それに対する大藏大臣自身の所見は一体どうなのかお聞きしたい。
#33
○國務大臣(大屋晋三君) 外資導入の観念は、いうまでもなく現在行われておりまするガリオア・アァンドとか或いはイロア・ファンド、或いはリヴオルヴィング・ファンドというものは、これも外資導入でありますが、もう一つ只今直接に外資導入の言葉で言い表われさておる指導観念は、いわゆる民間のクレジットの問題をいつておるのではないかと思うのであります。勿論日本の民間に連合國の資本を導入して、日本の産業を急速に開発することが非常に重要なのでありますが、又日本におけるいろいろないわゆるこの法制上の制限が残つておりまするというような点、或いはその他外資が安心をして入つて來るのには、まだ日本の実情がそこまで行つていない、いろいろな観点から入つて來ないのでありまするし、又從來しばしば民間の会社が、あちらの民間から外資を導入するためにいろいろな形で折衝が行われておりましたが、いずれも成功した例は殆んどない。最近一、二これをやつておるものがございまするが、まだ進行の途中でございます。まあ私はいわゆるアメリカの援助がなければならんということは、こればかりでなしに、その援助によつた外資導入、物資導入、食糧の導入というようなものに應えて、日本人があの九原則の趣旨を有力に具体化して、非常に努力をして行くという方式以外には方法がないと思うのでありまして、これからの政局を担当する者は、その内容をこれから充実した政策で具現しなければならん、さように考えておる次第であります。
#34
○中西功君 復興計画の問題について申しますと、片山内閣の末期に計画された復興計画の特徴は、昭和五年から九年ですか、ああいう時期の國民生活水準に國民の生活程度を復活するという点に可なり重点が置かれておつたと思うのであります。ところが最近の傾向はそれとはちよつと違いまして、むしろ國際收支に重点を置く、それでその場合國民の生活水準がどうかということは問題でない、國際收支をとにかくうまくやらなきやいけない。こういう観点から同時に又それに関連した飢餓的な貿易の振興ということが非常に前面に出て來る。それから爲替レートの問題もありますが、その観点から日本経済を徹底的に料理するというふうに方向に向いているように見えるのでありますが、そういうふうな方向をやはり政府も考えておるのかどうか、それをちよつとお聞きして置きたいと思います。
#35
○國務大臣(大屋晋三君) 中西君も御承知の通り輸入と輸出のバランスが非常にアンバランスになつておりまして、恐らく今年度の輸入も一億七、八千万ドル、二億万ドル内外と思います。それから輸出は三億七、八千万ドルということで非常にアンバランスになつておる。この形を考えて見まするときに、この輸入いたしました資材、原料或いは食糧というような、食糧は消費してしまいますが、復興資材を更にこれに有力に加工をして、加工賃を十分それに附けて輸出をいたすということを十分にいたさなかつたならば、いつも輸入のバランスばかりが残るというようなことでは、延いてはアメリカの援助、即ちアメリカにありますタツクス・ペイヤー税金を拂う人及びアメリカの輿論に対してもよろしくないのであつて、これでは日本人は自分で努力せずにただ乞食みたいに人の憐れみのみを乞うておるということでは、日本の復興に障碍を來すという観点から、輸出産業にあらゆる重点を置くという考え方が生れて参りましたので、勿論この間に、昭和五、六年の消費水準を一定の限度にして復興するという観念に、多少の修正が行われているというような考え方が國民の間にあるかと思いまするが、政府といたしましても現在は明らかにさような方針をとるということはまだ表明しておりませんが、併しながらいわゆる経済九原則の面から考えて見ましても、又現実の輸入と輸出のバランスがさようなふうになつておる面から考えましても、亦從來日本の経営者並びに労働者の産業復興に対するやり方の批判の点から考えましても、やはりそのすべての結果というものは、輸入された資材を十分こなして、輸出もそのバランスに合うようにできないということには、どこかに欠点があるということを考えなければなりませんので、私がこれから商工行政やなつて行く面につきましても、飽くまで輸出をとにかく振興いたして参る、その場合に國民消費の水準も、或いは昭和五年から九年のいわゆる五ヶ年の平均水準というようなことが前にいわれておりましたが、それを訂正するの止むを得ざる場合に至るかも知れませんが、まだそこまでの的確な政策を私は考えておりません。
#36
○中西功君 それでこの復興計画の問題について、私は結論的な問題を言いますと、要するに今まで日本の政治をやつて來た人々は外國から相当資材や金が入つて來る、そういうことを或る程度予想していろいろの計画を立てておる。ところが最近の情勢においては、そうではなくて、むしろ先方においては國際收支を嚴重に均衡を合せるというふうな方向が顯著に見えて來まして、そこでそれに対應した行き方をせなければならなくなつた、そういうふうな可なり大きな変化が來ておるのであります。これに関連して勿論我々は外資導入とかいうことに余りに頼らず、自主的な復興を根本に考えなければならないということを私たちは早くから言つておる。それは勿論今日向うから物が來なくなるような見通しの下に計画を変えるというような場合においても、輸出をどんどん増進するというだけの政策では、勿論これは私たちは行詰ると思うのでありますが、まあそれは別にしましても、そういうふうな輸出増進の結果としていろいろのことが今後起つて來ると思うのでありますが、我々といたしましては、この今行われておる三原則の問題も亦それに十分関連があると思うのであります。でこの農業の問題に関連してついでに申上げますが、この雜費、予備費の中で非常に大きな項目を占めておるのに農地委員会の経費があると思います。で農地委員会の経費は確か四億というふうに記憶しておりますが、この農地委員会の経費は、農地委員会の全國大会が、必要として政府に要請した額の半分だというふうに聞いておりますが、これじや実は農地委員会の残務を今後強力に遂行して行くためには非常に不十分であつて、初期の数字を減らさなければならないというようなことが現にいわれておりますが、私は実は民主自由党の農業政策が今後どうなるかという、一つの問題として、この農地改革の関連をお聞きしたいのです。で私たちが見ておりますと非常に少いのであります。こういう面からむしろ農地改革自体をストップさせるんじやないかというふうな感じを持つのです。その点でこの農地改革に必要な経費というものを、先程初期のベースを上げるというような説明がありましたが、これで実際やつて行けると考えておるのかどうかこれを少しお伺いして置きたいと思います。
#37
○政府委員(野田卯一君) お答え申上げます。農地委員会の経費の総額が不十分ではないかという御質問でありますが、その点につきましては関係各省とも十分相談をいたしまして、必ずしもそれは十分でないかも知れませんが、現在の財政状態、或いは他の経費との釣合等から見まして、この程度でやつて頂くという……、我々としては他の関係におきましては、この程度でやつて行くより外ないので、こういう経費を計上いたしたのであります。これがために農地委員会の費用がストップする、非常に行き悩むということは考えておりません。
#38
○中西功君 ついでに、開拓地に対する補助金というものが、まあ今度はここに新らしく加えなかつたような意味にちよつと見えましたが、開拓開墾方面への補助金というやつは全然やられなかつたのかどうか、ついでに……。
#39
○政府委員(阪田泰二君) 開拓、開墾の関係の補助金といたしましては今回の四十五億の内訳は全然聞いておりません。
#40
○中西功君 この中には警察関係の費用或いは裁判所関係の費用いろいろ実に多いのです。そしてこの結果としていわゆる官廳職員が又非常に殖えるというふうな面が沢山あると思うのですが、大体概算してどの程度この結果として官廳職員が殖えるのか、大体の数で結構です、それをお聞きしたい。
#41
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。総数は今ちよつと資料を請求中でありますが、警察官は大体五千人程度とみなしています。
#42
○中西功君 裁判所の方はどうなんです。
#43
○政府委員(野田卯一君) 裁判所は今調べております。
#44
○中西功君 大藏大臣にこれに関連してお聞きしますが、私ちよつとこれを見たときに行政整理ということを非常にいわれて置きながら、この警察だとか或いは裁判所とか……、裁判所というのは別にしましても、最近外國においても日本の警察を殖やすとか殖やさんということも出ておりますが、民主自由党が言つておる行政整理というものは、こういうような警察とかそうしたものを殖やして行く行政整理なのかどうか、それを少しお聞きしてみたいのです。
#45
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。裁判所の関係の経費は、現在の日本の裁判所の制度というものが、いろいろと英米的な観点から申しますと非常に不備な点が多いというので、その方面の整備を急いでおるという関係で、やはり若干の人員整理は免れ難いと思つております。
#46
○國務大臣(大屋晋三君) 衆議院で民主自由党の岩本君の発表いたしましたやつはこれはそこでございまして、あれを実施いたしますまでには又それぞれ十分に研究する余地のあることを御了承願います。
#47
○中西功君 もう余りないのですが、取引高税についてちよつと聞きたいのですが、取引高税は確かこの新らしい追加額の中には入つておりません。即ち取引高税の増徴ということは見込んでいないわけであります。実際に租税の今まで取立てた実收の実績を見ますと、取引高税の実收というものは実に少い、これはまあ驚くほど少い。ところが実際に取引高税というものは、取引が殖えれば当然入つて來る、殖えて行く筈のものなのであります。当然増收が見込まれなければならないものだと思うのです。ところが見込んでいない。これについてはいろいろ問題がありましようが、所得税の増徴、自然増收を非常に多く見込むについては、それだけの大きな事業活動があり賣買の増大があつたわけであります。それと同じように考えるならば、取引高税の額というものはもつと大きく見込まなければならんわけであります。どういう意味で取引高税というものを全然見込まなかつたのか。これは民主自由党が今まで取引高税の廃止といつて來たから、法律はあつてもまあ適当に許してやるという意味で見込まなかつたのか、その点お聞きして置きたいと思います。
#48
○政府委員(野田卯一君) 取引高税につきましては、御承知のように日本全國においても幾らであるという測定は、当初においては非常に困難でありまして、或る程度の推測を以てスタートしたのでありますが、それも実績によりますと、大体現在の予算に計上されておるのが適当じやないかというふうな点に到達したので、数字に改訂を加えなかつたのであります。
#49
○中西功君 そうするとさつきの御答弁は、よく実数が分らないので、増徴を見込まなかつたと、こういうふうな話でありますが、併し我々が前の國会で、本予算を審議したときには、可なり詳細ないろいろの計算をやつたし、あれにつきましては、公聽会もあつて、いろいろの問題が出たと思うのでありますが……。私はお聞したいことは、当然所得の自然増收を見込めるならば、取引高税もそれに應じて上らなければならん又見込んでいいもんだと思うのです。ところが実收も惡いし又このたび見込まれていないわけです。そういうことからいえば、結局私は大藏大臣に聞きたいのは、取引高税については非常に困つていることは事実です。実際証紙をみんなが貰つているか貰つていないかも分らない。そういうふうな状態にある場合に、一應法律があるんでありますが、それをどういうふうに今後処置して行くつもりか、もう実際取れないものとして諦めて取らないつもりか、その辺はつきりしておきたいと思います。
#50
○國務大臣(大屋晋三君) 取引高税は廃止したい意向を持つておりますのですが、まだ技術的に廃止を決行するに至らないというふうに御了承を願いたいと思います。
#51
○中西功君 もう一つ、これは大したことはないのですが、官有財産の收入の中で官有財産拂下代というのがあるわけです。私はこの点は今日ここで答弁を求めなくてもいいです。終戰直後から今日まで官有財産がどういうふうに処理されて來たか、そしてその賣拂いされた場合に、どのようなものを大体どの方面に今まで賣捌かれたか、そういうふうな資料があれば、それを私適当な機会に出して貰いたい、こう思うのです。それが一つであります。
 それからもう一つ、簡單な数字でありますが、このことも私前にちよつと政府委員の方に質問したのです。ただ今度所得税が自然増收を見込まれまして、この問題については非常に多くの人がどのくらい取られるのかということについて、非常な関心を持つていると思うのであります。それで一言で結構でありますが、このたびの更正決定の場合においては、昨年度の更正決定額に対して、大体何倍程度の見積りにこの増額がなるのかという、簡單な倍率で結構でありますが、それをお聞きして置きたいと思います。
#52
○政府委員(野田卯一君) 二倍から三倍程度でありますが、もう少し正確な数字を言いますか。
#53
○中西功君 それは十月の仮更正決定のとき、大体二・二とか二・五倍とか、或るものは十五倍もありましたがそういうようなものは例外として、二・二とか二・五倍ということを言われたと思います。ところが実際に自然増收をこれだけ見込んでいるわけですが、その点それが相当殖えると思うのです。又殖えざるを得ないだろうと思うのですが、そういう計算はしてないのですか、それがないと困るのじやないかと思うのですが……。
#54
○政府委員(野田卯一君) 本承知の通り今度の所得税の増額の大部分というものは、勤労所得税の勤労徴收の分で殖えております。勿論百億を超えるものが申告所得税の方にも殖えておりますけれども、全体から見ますと、そう何割という非常に大きな割合にはならんと思います。それからもう一つ、先程の官有財産の処分でありますが、これはやはり元軍の持つておつたものを、地方公共團体と公共性を有している團体等に処分しております。概略的なことだけを申上げておきます。
#55
○中西功君 勤労所得税なんですが、これはまあいろいろの方面でももう皆さんも指摘されているので申しませんが、今度の場合六千三百円ベースにしても、勤労所得税が一定している場合に、実におかしな矛盾が起きて來るのであつて、大藏大臣がこの勤労所得税の問題を、段々給與ベースが上つて來るに從つて、何か近くこれについて改革をするというふうな御意向があるかどうかですね、それをお聞きして置きたいと思います。
 もう一つついでに、実は煙草の問題です。これは非常に簡單なことですが、我々が國会において協賛を何らしないところの煙草を專賣局が沢山賣つているですね。確か日本の煙草としてはそう多くない筈です。ところが我々が見たこともないところの、横文字の書いてある煙草が公然と專賣局において賣られている。こういうことは一体許されることかどうかということを私は非常に不思議に思つております。この煙草の値上げも、或いは何を賣るということについても、詳細なことが國会に報告され又審議されているのに、店屋に行きますと、公然と何ら我々の知らないところの煙草が賣られている。これは一体どういうわけか、どうもおかしな氣がするんです。その点もついでにお聞きしたいと思います。
#56
○國務大臣(大屋晋三君) 只今第一点の、勤労所得税の問題に関しましては、いろいろの議論のあることは私も承知いたしております。この問題につきましては愼重に研究をいたしたいと考えております。第二点は專門の委員に答えさせます。
#57
○政府委員(原田富一君) 財政法第三條の規定に基きまして、國会の議決に基いて專賣品の價格を決めることになつております。この三條に基きまして、現実にどういう物の價格を法律又は國会の議決に基いて決めるべきかという法律が出ましたのであります。それでその中で專賣品といたしましては、政府の製造しまする製造煙草の消費者價格、定價を決める場合に、國会の議決を経るということで法律を以て價格を決めることにして煙草を賣つております。それで輸入煙草のようなものはそれに触れていない、政府が決めている、從つて中西さんのお話のように、國会法に基かないものでもあるわけです。
#58
○中西功君 それは私は法律の裏は幾らでも掻けると思うのでありますが、專賣局の事業としてはそういうふうに輸入煙草を賣るという問題は、相当重大な問題じやないかと思います。これは普通の時代であつたら相当問題になるところだと思います。それが或いは私的な会社が引受けてやるという場合には、これは簡單かも知れませんが、ともかくも日本の政府の專賣局がこういうものをやることについては、何らかこれは財政法第三條の建前から見ても、國会に報告なり、了承を得るとかすべきものではないかと思うのです。そうしてその價格を決める場合にも、輸入品だから幾らでも賣つてよろしいということになりますれば、これは実は私はおかしなことになる、こう思うのです。ですから今後そういうふうな問題についてはやはり一應この度の場合でも、煙草の法案は出ておるのですから、そういうときにそういう問題も併せて報告して、了解を得るというふうな氣持があるのか、ないのか、すべきものか、すべきものではなくてもいいのか、それを聞きたいと思います。
#59
○政府委員(原田富一君) 現在出ておりまする外國の煙草は、実は普通に輸入をして販賣しておるのではありませんので、進駐軍が進駐軍用として向うから持つて参りましたものの中で、一部のものを特に放出と言いますか、こちらに頂いて、農村の供出報奬用なり、炭坑用なり、又農村に向かないというようなものを、都市で自由販賣するということになりましたわけで、特殊のものなのであります。割合に数量がありましたが、今後どのくらいあるか、又その見透しなんかもつかないのでございますけれども、それが今後沢山輸入があるということになりますれば、お話のように或いは法律で價格を決めて頂くべきものだと思います。そういう特殊なものでありましたので、これまで國会の御審議を願わなかつたような次第であります。お話のように、國会で煙草の定價を御審議願えるようになりますれば、できるだけ御説明なり、御報告をいたしたいと十分考えております。
#60
○中西功君 私はもう結構です。
#61
○政府委員(野田卯一君) お尋ねになりましたうちで、警察官が何人殖えるかということでありましたが、あれは当局から五千人の要求があつたが、最終的にはそれを消減いたしまして、二千人にしております。予算には二千人というように訂正しております。
#62
○帆足計君 時間も迫つておりますので、簡單に間質問いたしますが、第一の点は、政府支拂の問題であります。御承知のように、昨年から政府支拂の停滯が非常に多くなりまして、これが推進の声はいたるところに聞かれるわけでありますが、その後実績は若干推進されたようでありますけれども、御承知のように満足すべき状況ではありません。然るに政府におきましては、税の方はどんどん当然のこととしてお取立てになつておりますが、拂うべきものの方はなかなか拂わない。それではこれが又一つの金融逼迫の原因になつておるというような状況でありますから、私共の希望としましては、第一に支拂につきましての準則を定めまして、只今比較的順調にやつておりますのは、逓信省関係と聞いておりまするが、それに倣いました各省共通の一般的準則をお作りになりまして、その準則に從つててきぱきと支拂を推進されること。第二には、その準則の規定に反して事務の非能率、又はその他の原因のために停滯しました場合に、政府も亦これに対して過怠金を拂う、このことは前の内閣で北村大藏大臣から言明がありましたけれども、その後研究中ということを伺つておりますだけで、一向満足な御返答に接しておらない状況であります。私はこの政府の支拂の問題につきましては、経済関係でありまするから、何ら私的の関係と異なるところはないと思います。然るにやはり日本の一種の官僚主義から、政府が金を拂うことは滯つても一向差支えない、これは政府の特権であるというような、官僚独善的な考えが意識的に、或いは無意識的のうちに相当やはり残つているのではないかと考えます。從いましてそれはやはり準済経的問題でありまするから、経済的問題として処理して然るべきであつて、政府と雖も何ら商取引におきしまて個人と変りないわけでありますから、不当に國民に迷惑をかけるということを認めらるべきではないのではないか、從いましてこの只今申上げました準則を作りまして、そうしててきぱきと支拂うこと。第二に、過怠しました場合におきましては、政府側の方において利息をつける。この二つの我々の希望に対しまして、商工大臣の只今のところのお考えを確めて置きたいと思います。
#63
○國務大臣(大屋晋三君) その問題は前からの関連がございますので、政府委員をして答弁いたさせます。
#64
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。政府支拂の遅延の問題は、政府におきましても非常に注意いたしておりまして、先般來これが促進につきまして、各種の方策を講じておるのでございます。お話の支拂準則を作つたらというような点も、只今はいろいろな規則によつて支拂の仕方等は決まつておりますが、今後尚この促進の方を考究いたします場合に、お示しのような点も十分考慮して参考にいたしまして、尚改善して頂きたいとい、こう考えております。
 それから過怠金として利息を付したらどうかということにつきましては、御指摘のように、北村大藏大臣のときに研究しようということをお話になつたわけであります。その後事務当局におきまして研究をいたしておるのでありますが、万般に亘るところの政府の支拂につきまして、過怠金を付することにつきましてはどういう種類のものにするか、又起算点をいずれにするか、又率をどの程度にするかということにつきまして、いろいろな実質上並びに法律上の問題がございますので、目下研究をいたしておるのでありまして、若しその結果、成案を得ますれば、又いろいろの方面にお諮りをして考えたいと、こう思つておる次第であります。
#65
○帆足計君 只今の御答弁の趣旨に從いまして、至急実際支拂が推進されるように計画して頂きたい。次の國会までに実績が上がるようにして置いて頂くということをお願いいたしまして、又その頃実情を調べましてお話したいと思います。
 それから第二には、價格差益金の問題ですが、これも各委員からちよいちよいお話がありましたことを耳にいたしておりますが、これは承御知のように、終戰直後におきましては非常な闇物資を持つておる向きが多かつたわけでありますから、値段の動きのたびに非常な不当利得を得る者が多かつたことは事実であります。そういう客観的情勢を前提としてできた税金であると考えまするけれども、現在におきましては、余程そういう傾向が少くなつて参りました。特にこの工場その他におきまして、ランニングに必要なストックに対しましてこれが過当に課せられますと、それは犠牲的な益金でありますが、実際は益金でないわけでありますから、今度は仕入れますときに金がなくて困るということになりますわけですから、ランニングのものに対しましてはこれを私は当然省くべきである。そうしてストックの、その以上のストックや、買溜のものにつきましては、これは当然予想外の利益でありまするから、適当額を課税することは当然でありましようけれども、ランニングの正常なストックに対しまして課するということは、これは理論的に見ても私は間違つておると思います。このために金融の逼迫を來たしまして、割当の資材も引取れないという例が至るところにあるわけでありまするから、この問題も至急研究して頂きたいのでありまするが、只今当面どういうふうにお考えになつておりまするか、それを確めて置きたいと思います。
#66
○政府委員(野田卯一君) お答えいたしますが、この價格差益徴收の問題は、主として経済安定本部がおやりになつておるのでありまするが、私も関連事項といたしましてお答えいたしたいと思いますが、根本の原則といたしましては、物價の改訂がありました場合に、業者がそれがために不当利得と申しますか、言葉は非常に強くなるのでありますが、それ式のものを得てそのままにして置くということが、現在の情勢においては認められ難いと思うのでありまして、そのうち適当な部分を、相当な部分を政府の方に徴收するということは、建前としては認めて頂かなければならんと思います。併しながら徴收の方法、割合等につきましては、経済界の実情に即するように十分配慮しなければならんと思つて研究しておるのであります。只今お示しの点等につきましては、十分今後研究課題の中の一つとして採入れまして考慮いたして行きたい、こう存じます。
#67
○帆足計君 そうしますと大藏事務当局におきましては、ランニング・ストックの値上りも、これは一種の利益というふうにお考えなのでありましようか。ちよつとその点を伺いたいのですが……。
#68
○政府委員(野田卯一君) これは一つ計算問題でありますが、原則的にはやはりそういうものを含めて考えて、然る後その全部を取るかどうかという点を考えて行くべきではなかろうかと、こういうように存ずる次第であります。
#69
○帆足計君 私はその点は極めて不合理だと思いますが、そりが正常なストック以外のそれを超過する部分につきましては、それは利益ということになりますけれども、正常なランニングのものにつきましては、同額のものを又仕入れねばならんわけでありますから、これは明らかに税制としても不当なものである。從いまして修正の必要があると、こう考えますが、いずれ次回の國会までに事務当局においても研究して貰うことにしまして、只今の問題につきましてはそういうふうに私は考えておりまするから、さよう御承知を願いたいと思います。実は大藏大臣が安本長官を兼ねておられますときに、いろいろと両方兼ねて御質問したいことがあつたのでありますが、只今両大臣別になりましたから、大藏大臣に対する質問はこれで打切ります。
#70
○山下義信君 この際ちよつとお許しを得まして一つ伺いたいことがあるのでありますが、それは類似金融業の取締につきましてでございますが、最近まあ政府におきましても、金融機関の再建整備につきましては非常にお骨折であり、且つ又預貯金の奬励につきましても一段のお骨折をなすつておりまするので、いかがわしい類似金融業者に対してのいろいろ取締等も御心配なすつていらつしやるとは存ずるのでありますが、最近の非常な金融逼迫に乘じまして、殊に年末に臨みましてひどいように見受けるのでありますが、地方におきましては、手形を以ちまして民間人から相対づくで金を借りまして、そうして集めましたる現金を更に高利に廻しまして、その間の利鞘を取るということを営業にいたしまして、何々会社或いは利殖株式会社、いろいろ名称を付しまして、そういう営業を非常に大げさに新聞廣告などいたしましてやつておる者があるのでございます。これは当初は奇異に感じておりましたようでありますが、次第に相当大きな廣告をいたしますのと、或いは某某方面はこういう新規な営業に対しては極めて賛成して貰つておるなどと称してやるものでございますから、最近は例えば一ケ月余りで数千万円の金を集めておりまする、そういう利殖会社がありまして、最近又それに類似の営業者も続出するような形勢にあるようでございます。本員はそれらの材料も手許に持つておるのでありますが、從いまして銀行業者は少なからん脅威を感じまして、或いは大藏省方面にも金融業者の陳情があつたのではないかと存ずるのでございますが、段々とそういう趨勢が盛になつて参りまして、これは銀行より確かだ、銀行はいつ取付けがあるか分らんが、自分達は手形でやつているのだから数千万円集めようと、数億集めようと手形期日が來るまで取付けということは絶対にないのだから、まあまあ安全だということを頻りに誇大に宣傳いたしまして、現金を集めておる営業者がございます。こういうのは果して適法でありますかどうか。こういう金融類似業者に対しまして、相当ないろいろお考えがありますかどうか。この際当局のこういう業者に対しまするお考えなり、御方針を承つて置きたいと存ずるのでございます。
#71
○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。只今の問題は実は大藏省当局といたしましても、その対策を目下鋭意考えておるところでございますが、只今御指摘の種類のものの中で、特に最近起りましたことを一つ御報告申したいと思うのでありますが、それは中國の或る都会におきまして、私共耳にいたしましたのは約一ケ月前でございますが、或る利殖興業株式会社という名前をつけまして、会社として借入金をいたしまして又会社として貸付をする、その間に相当の利鞘を取つておるという事実を発見いたしまして、これにつきましては、関係の方面、即ち法務廳その他と対策を鋭意檢討いたしました結果、只今得ておりまする結論といたしましては、やはり銀行法の違反になるという意見が大体有力でございます。即ち銀行法におきましては、預金の受入と貸付をなすものは、すべて銀行法によつて拘束を受けるわけでございまするが、名称の如何を問わず、実質的に不特定多数の人間から金を集めまして、そうしてこれを運用するということは、実は率直に申しますると、多少法令の解釈として困難な点もございまするが、実質上社会に及ぼす影響から申しまして、法務廳の見解といたしましても、銀行法の違反だということで律してよろしいのではないかという見解に到達いたしました。從つてその見解に基きまして所要の措置を現在、管轄は廣島財務局でございますが、廣島財務局を通じて現在措置を執りつつある状況でございます。それから尚かような事柄につきましては、実はその他の地方におきましても耳にしないでもないのでございますが、同樣の事例については同樣の措置を講じたいと思いまするが、尚現在御承知の金融業法を鋭意立案中でございますが、その金融業法の中では、さような金融機関類似の業務を、徹底的に取締るような條項を挿入することを考えておる次第でございます。
#72
○山下義信君 当局の答弁で了承いたしました。どうか被害が甚大になりません間に御善処願いたいことを希望いたして置きます。
#73
○油井賢太郎君 主税局の方にちよつとお伺いしたいのですが、頂いた資料の中で、租税滯納状況調というのがございますが、それによりますと、実に二百三十九億六千百万円という大きな滯納があります。これについて大体滯納の日歩というのは、日歩二十銭というように算定されておるようでありますが、実際この二十銭でお取立になつておられるかどうか。又二百三十九億のこの大きな額というのは、順々にやはり平均して毎日のようにこれは残つて行くものと思いますが、これの日歩二十銭の延滯利子というものは一年にしますと厖大なものになりますが、この大きな金額はどこかこの予算の中に含まれておるか、こういう点について御説明願いたいと思います。
#74
○説明員(原純夫君) お答えいたします。日歩二十銭で取つておるかどうかということでございますが、これは二十銭で取つております。これを予算上どういう処理になつておるかというと、確か雜收入の中であつたと思いますが、入つて、それで收入するということにいたしておる筈でございます。
#75
○油井賢太郎君 雜收入が極めて少い額になつて、確か二億足らずだと思いましたが、二十銭ずつ取立てたら、一年間二億の延滯日歩徴收というものは極めて微々たるものになつてしまいます。そうすると、まじめな者だけ延滯日歩を拂つて、その他の者は拂つていないというふうにも考えられますが、その点について……。
#76
○政府委員(野田卯一君) 詳細な点は今取調べをいたしておりますから、後でお答えすることにいたします。
#77
○委員長(黒川武雄君) 他に政府委員に対して御質問ございませんか……。それでは暫らく休憩をいたします。
   午後五時十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時四十八分開会
#78
○委員長(黒川武雄君) これより予算委員会を再開いたします。
 先ず総理大臣に対する質疑を行います。総理大臣に対する質問は、先だつても申上げました通り、理事会の決定に從いまして、委員の質問應答の時間は五分以内にお願いいたします。質問の順番は委員長に御一任下さることを御承認願います。尚質問の趣旨は、成るべく重複しないように御注意願います。
 栗山委員、質問ございますか。
#79
○栗山良夫君 中止いたします。
#80
○委員長(黒川武雄君) 帆足委員。
#81
○帆足計君 総理に御質問いたしますが、只今の予算の中には、補給金とか、その他赤字を埋めるに類したものが非常に多いわけですが、只今の物價政策に止むを得ない事情があること、その外に相当無理があることから來ておると思います。御承知のように物價は生産の指標になるものでありますが、現在物價の公共性及び機密を必要とする事業からいろいろ物價の決定を挙げて、官廳に一任されておる状況であります。ところが物價というものは経済の魂をなすものでありますから、これが不当に決められた場合に來る生産の障碍というものは、実に深刻なものでありまするが、現在の制度の下におきましては、全く物價の決定が官廳の一方的意思に委ねられておりまして、正当なる生産者の要求すら一蹴されてしまうという状況でございます。從いましてそのために非常な生産障碍を來しており、過当なる補給金、補助金等となり、又赤字処理などの問題が山積しておるという状況であります。これを合理化しまするために、どうしても物價政策におきましては、民間の知識、経驗、実情を反映した物價政策審議会のようなものが、第一に必要である。
 第二には、物價の形成の過程自体には、業界及びその他の実情を反映する價格形成の諮問委員会のようなものが必要である。
 第三に、不当に物價を独善的に決められた場合には、これに抗弁するところの機関が当然設けられねばならん。各國の例を見ましても、こういう問題につきましては、産業諮問委員会のようなものが当然設けられておりまするに、我が國ではひとりこの物價問題は全く官僚の独善に委ねられておりまして、民間業界は非常な苦痛を忍びながら、陳情尚これを努めるという情けない状況でございます。これに対しまして、相当な対策がなくては今後の改革はむずかしいことと思いますが、先般の閣議の申合せとかが新聞に出ておりましたが、これに対しまして、物價に対しまする諮問機関のようなものを研究中ということを承わりましたが、この予算を審議するに当りまして、この問題につきまして、総理並びに安本長官はどういうお考えでありましようか、伺つて置きたいと思う次第であります。
#82
○國務大臣(吉田茂君) これは安定本部長官からお答えする方が正確であろうと思いまするが、御意見は私において御尤ものように伺います。從つて又御意見のことは安定本部長官からお答があるでありましようが、私としては一應御意見の程は研究いたします。
#83
○委員長(黒川武雄君) よろしうございますか。……それでは岡田君。
#84
○岡田宗司君 総理大臣にお伺いいたします。一昨年マッカーサー指令により、経済安定に関する九原則が発表されたのでありますが、これは日本の今後の経済にとりまして極めて重要なる指標となるものと思うのであります。この九原則はいずれも現在の日本の経済につきまして、統制の強化を要請しておるものと私共には考えられるのであります。この点、民自党はその在野党時代からの政策といたしまして、統制経済をできるだけ緩和して、自由経済に帰るということを主張されておるのでありますが、この九原則と反するように私共には思われるのであります。この点につきまして、この九原則を実施するために民自党といたしましては、從來の政策を棄て、民自党の政府亦この九原則に則つて、從來の民自党の政策を否定せざるを得ない立場に立つと思うのでありますが、この点総理は、九原則に從うために民自党の從來の政策を棄てられるや否や、その点を先ずお伺いしたいと思うのであります。
#85
○國務大臣(吉田茂君) お答えいたしますが、マッカーサー元帥の指示せられた原則は、これは直ちに実施しろという程のことではないと思います。で民自党としても民自党の政策はとにかくとして、政府として始終本議場で、或いはその他委員会において、私からも明確に述べておりますが、統制は成るべく外したい、併しながら今日の状態において、すべて外すということはできないことで、必要のない統制は成るべく外す、必要な統制は存置する、或いは強化するということは、この議場及び委員会において屡々申述べているところであつて、マッカーサー元帥の書簡に示すところと、私共が考えておる政策と、お話のように根本において牴触するとは考えないのであります。
#86
○岡田宗司君 只今総理のお話でありますというと、この九原則は直ちに実施せらるべきものではないと、こういうお話でありましたけれども、アメリカの対日援助計画が極めて急速に行われるだろうと予想されるのでありまして、すでにフアイン博士もその問題のために向うに行き、そうしてその案についていろいろ協議されて帰つて來られておるのであります。そういたしますと、これは私共の考えとすれば、直ちに実現されるものと考えられるのでありまして、從つてその場合における政府の政策というものも、これに当然則らなければならんものと考えられるのでありまして、その点総理が考えられておるところと違つた結果が出るだろうと予想されるのであります。
 それから次にお伺いいたしたいことは、この問題と関連いたしまして、本年になりましてから芦田内閣以來、経済安定本部におきまして、日本の経済安定のための五ヶ年計画を立てておつたのでありますが、これが当然いろいろ変化を蒙らなければならんと考えるのであります。現在この内閣は先に芦田内閣の時代に著手されました五ヶ年計画を、この九原則並びにこの九原則の実施と同時に與えられるであろうところのアメリカの援助を考慮して、これを改訂される準備をされておるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#87
○國務大臣(吉田茂君) 私の只今お答えしたことは、直ちにと申すのは、日本の実情に從つて、マッカーサー元帥の示された原則に、私の手紙を書いたように言いましたが、成るべく協力する、その線に沿うて進む、併しながら日本の実情にも照し合せて考えなければならんことでありますから、又日本の政策は日本政府の責任においてやれということが、マッカーサー元帥の指示の方針でもありますから、即ち直ちにと申すのは、時間的に申すと、直ぐさま明日からというようなことにもなりますが、そういう意味ではなくて、その原則に從つて、日本政府の政策はこれと協力し、その線に沿うようにいたしますが、明日から悉くそういうようにやれというように言われますと、政府としても甚だ困るので、そういう趣旨ではないということを申しただけであります。
 それから又五ヶ年計画については、私は一度、今から二週間ばかり前に委員の諸君から一應話を聽きましたので、そうして御承知の通り数日前にあの原則が示されたので、その間にどう調整すべきかということは、只今研究中なのであります。五ヶ年計画についても、一度話を聞いただけでありまして、その性質とその全貌については、未だ私は研究を盡しておりませんから、しばらくこれに対する意見は御猶予を願いたいと思います。無論マッカーサー元帥の書簡にある原則については了承いたしたのでありまするから、その線に沿うて日本の政策も調整するようにはいたしますが、五ヶ年計画とどう違つておるか、実は私はつきりした考えがありませんから、いずれ研究した上でお答えをいたします。
#88
○岡田宗司君 もう一つ最後にお伺いいたしたいことは、この九原則が示され、更にアメリカの対日援助計画も漸次具体化して参るということになつて参りますというと、経済安定本部長官並びに大藏大臣が兼任であるということは、極めて不都合なことであると思うのであります。これらは当然直ちに專任が置かれなければならんわけであります。吉田総理大臣は選挙が済んで、そうして新らしく内閣が組織される前に、即ちこの議会が或いは明日あたり解散されるかも知れませんが、その直ぐ後にでも、安定長官並びに大藏大臣を直ちに選任される意思があるかどうかその点をお伺いしたいと思います。
#89
○國務大臣(吉田茂君) これはマッカーサー書簡がなくても選任いたしたいと考えておつたのでありまするが、御承知の通り大藏大臣は突発なる事件のために辞職せられるようになり、安定本部長官については、從來いろいろ心当りの者もあり、考えておつた者もあるのでありますが、この安定本部長官は、これはGHQと十分協力のできる人を挙げたいと考えますと、人選がなかなかむずかしいのであります。もう一つは、いい人があると思うと、それが追放になつているとか、その追放を解除して貰おうとして、いろいろ話して見ても、支障が起つたり、これは実情であります。そういうようなことで、決してこれを不問に附しておつたわけではないのでありますが、人選に非常に困難なものでありますから、大変遷延して、甚だ私も心苦しく思いますが、成る可く早く選任いたしたいと思つております。
#90
○岡田宗司君 以上で終ります。
#91
○委員長(黒川武雄君) 総理大臣に対する質問の通告はこれで終了いたしました。尚総理大臣は渉外関係で直ちに退場されますから、御承知置きを願います。先程の帆足委員の質問に対して安本政務次官からの御答弁を願います。
#92
○政府委員(中川以良君) 帆足委員の物價政策審議会に関する御質問がございましたが、これに関しましてお答えを申し上げます。経済安定本部におきましては、今後物價政策に関しましてはここで愼重なる審議をいたしまして、この物價制度に関しまして業界の実態並びに國民の要望に應うべき、正しき物價政策を立てなければならんと存じておりまして、物價制度審議会に関しましても只今檢討中でございまして、これには各関係官廳の外に、民間の学識経驗者並びに業界の代表者等をお集まり頂きまして、これらの眞の叫び、業界の実情に関しまする眞の実情等を十分に承わりまして、物價政策というものが今後、殊に賃金の三原則並びに経済安定の九原則に関しまして、最も重要なる問題でございまして、これが不合理に参りました際には、この新しき三原則なり九原則なりの実際の実行が不可能となりますので、この実行が自由に、闊達にできまするように、物價政策に関しましても十分なる檢討を加え、只今折角愼重にこれが審議中でございます。
#93
○帆足計君 只今の審議会の件には私も非常に賛成でありますが、不当なる公を決められましたときに、これに抗弁し、それに正当に修正を要求し得るような機構を併せて作ることを、一つ御研究願いたい。これだけを希望して置きます。
#94
○委員長(黒川武雄君) 次は商工大臣に対する質疑を行います。中西委員。
#95
○中西功君 商工大臣に二点質問いたします。一つは……。
#96
○委員長(黒川武雄君) 極く簡單に願います。
#97
○中西功君 さつき秘密会で多少問題になつて、そうしてそのまま保留しておつた問題でありますが、電産の爭議の問題であります。中労委が一應調停し、更に政府が或るときには強制調停をやろうとした案は七四六百五円であります。ところが最近に至つて、その額ではなくて、七千百円前後の問題が出されておる、すでにこの爭議が非常にまあ切迫した状態に來まして、或る妥結を見なければいけないような事情に迫りつつあると思うのでありますが、電産と会社との労働協約では、商工大臣御存じのように、年四年に分けてスライドすることにこれは決まつておるわけであります。ところが今までの政府は、七月にスライドするのをうまく逃げて十月にずらしてしまう、そうして、この度も一月にやるべきところを、或いはやらずに四月までずらしてしまうというふうな傾向が見えておると思うのです。そこで簡單に問題を申しますと、政府の意図としては、こういうことを考えておるのではないかと思うのであります。即ち七千百円ぐらいでこの度はこれを押付けて、そして、一月改訂をずらして、四月頃にまあ七四六百円という、初め出した調停案に戻して行こうというふうな考え方があるのではないかと思うのです。私はこの爭議が非常に切迫した状況に來ておるので、ここではつきりと、より具体的に商工大臣のこれに対する解決方策というものを、はつきりここで示して貰いたい、これが第一点であります。
 第二点は炭鉱の保安に関する問題であります。炭鉱の今日の保安状態が非常にゆゆしき状態にあるということは例を申しません。これは分りきつたことでありまして、非常に沢山な災害を現実に生んでおります。從つて各方面からこの炭鉱保安法案の作成が要望されておつて、すでに法案ができておるということまで我々は聞いておつたのでありますが、一向議会に持つて來ないのであります。これをやらなければ炭鉱の増産は本当に問題にならないと思う。これには二つの問題があつて、労働省にこれを完全に移管するという問題最、それから炭鉱保安法案を急速に立派なものを作つて、とにかく出すという問題と二つあると思うのであります。これに対してとにかく今あれ程急がれておるのが出て來ないのでありますが、商工大臣としてこの問題をどう処理しようと考えておるか、この二点をお聞きしたいと思います。
#98
○國務大臣(大屋晋三君) 只今中西君の御質問の第一点の七千六百五円は中労委の裁定であります。この中労委の裁定の計算の基礎を見ますと、十月のCPIはかような数字であろうという推定の下に計算いたしました数字が、七千六百五円であつて、それを中労委が裁定いたした次第でありまするが、それを十月が経過いたしまして、十月のCPIが確然と分りましたときにおきまして、その正確な数字によつて計算を吟味いたして見ますと、ラウンドナンバーで七千百円ということに相成つたということだけを申上げたので、実はどちらの案でこの問題を解決するかということは関係方面と目下折衝中で、オーケーが未だに來ておらん次第でございますから、只今中西君が御推定になりましたような事実は只今のところないのであります。
 次に第二点の問題は、実はこれは長い間懸案になつておつて相当に不便を感じておりましたが、昨日閣議におきまして、商工省におきまして一元的にこの行政をやるということに決定いたしました。つきましては來國人に直ちに法案を提出いたします。その法案はもうすでにでき上つて準備をいたしているような次第でございます。
#99
○中西功君 そういたしますと、もう一遍確認して置きますが、先のはただ計算の問題で、現実に今政府として七千百円を以て解決しようとする意図ではない、で從來の調停の線に從つて動いているという、こういうふうに確認してよろしいのですか。
#100
○國務大臣(大屋晋三君) それは只今も申上げました通り、如何なる方法、如何なる数字で解決できるかということに対しまして、只今関係筋に協議をしておりますので、どういうふうになるか只今のところは申上げる材料がないのでございます。
#101
○中西功君 もう一つ電産の……、(「時間だ、時間だ」「委員長駄目だよ」と呼ぶ者あり)これは非常に現実に大きな問題になつているのではつきりしたことを聞いておきたいのですが、先に増田労働大臣が電産の代表に対してこういうことを言われたのであります。それはこの度六千三百円の政府の給與案において、十七歳の最低が二千四百円ベースである。この電産の解決においてもこの十七歳の最低が二千四百円を割るようなことはないと思うがどうか、こういうふうに聞きましたところ。増田労働大臣は、それは十七歳以下が官廳の平均よりも少く、安くなるというようなことはない。こういうふな確言を得た。これは労働大臣の責任においてこういうことを言われたということを言われておりますが、その問題を一應解決の衝に当つておられる商工大臣はどうお考えになつておるかということと、それからついでにもう一つは、さつき、どうなるか分らん、七千六百円になるか、七千百円になるのか分らんというふうなお話でしたが、御存じの通りに、政府は強制調停で以てこの調停をやろうとした。又やつたのであります。そういうことから言えば、当然この七千六百円には政府の責任があるのであります。ところが今になつてどちらになるか分らんというふうな、こういう態度は政府の責任として許されるかどうかという点を、もう少しはつきりと私は聽いておきたいと思います。
#102
○國務大臣(大屋晋三君) その点は増田労働大臣が如何ようなことを申したか私は存じないのでありまするが、この電産の問題に関する限り、その数字の檢討は私の手で関係方面とやつておりますので、私の申上げることは間違いがないということを(「名答弁」と呼ぶ者あり)御了承願いたい。それから第二点の問題は……。
#103
○中西功君 労働大臣の方は勝手なことを言つておるというわけですね。
#104
○國務大臣(大屋晋三君) どういうのか私は存じませんから、内容に対して批判する材料はないのであります。第二点の問題は、中労委の裁定を必ずしも政府がそのまま鵜呑みにしなければならないという私は根拠はないと考えておるし……。
#105
○中西功君 ところが政府は強制調停をやつた。
#106
○國務大臣(大屋晋三君) 勿論これを尊重する考え方は、今まで屡々労働大臣及びに私共は述べておることは事実でございます。
#107
○山下義信君 この際大藏大臣にお伺いして置きたいと思いますので、お尋ねいたします。只今私共の手許に松村委員から修正案というものが配付されてありますので、或いはやがて討論に入りましたらばこの修正案が議題に上るのではないかと推察されます。それに先立ちまして、我々社会党がこの修正案に対しまする態度を決定いたしますることと関連したしまして、大臣の御所見をお尋ねして置きたいと思うのであります。それは先刻若干の質疑應答を大臣と交えたのでございましたが、尚十分判明いたしませんので、この際お伺いいたしたいと存じます。問題は予備費の四十五億の内容が、当初は時間的な関係がありまして予備費としてあつた。然るに今日になりますと、その使途が極めて明白である。そうなると予備費の性質を失なつて來るので、これは予備費ということは不適当ではないかということの問題と、價格調整費中の五十九億が、説明書中に予備費としてこれが示されてあることは、價格調整費という費目の中に更に予備費なるものがあるということは、予備費という名称上から申しましても適当でないという、この二点の問題であります。これた対しましては、或いはこれは予算編成上の過失とまで言わなくても、不十分な点であるということを我々は考えてもおり、指摘いたして参つたのでございますが、將來こういうことに対しましては十分御注意相成りまするか、その点につきまして大藏大臣の確たる御説明を願いたいと思うのであります。
#108
○國務大臣(大屋晋三君) 只今山下君の御質問の予備費の点は、これは緊急措置といたしまして例外的のものであると御了承願いたいのであります。尚將來の予算の編成につきましては、かような例外的措置は一切取らないように注意をいたしましてやりまするつもりでいたしておりまするから、今回はこの点に対しまして御看過あらんことを切にお願いする次第であります。
#109
○委員長(黒川武雄君) これにて質疑を終りまして、直ちに討論に移りますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(黒川武雄君) 御異議ないと認め、討論に入ります。討論は賛否を先にお述べになりましてからお述べ願いたいのであります。尚理事会の申し合せによりまして、討論の時間は五分間といたします。先ず緑風会、松村委員。
#111
○松村眞一郎君 私はこの予算案に対しまして、修正案を提出いたします。修正案はお手許にお廻ししてある通りでありまして、予備費の四十五億を九十七億一千三百七十一万一千円に改める。國会費の予備経費がありますが、その款の中に一億二千九百六十二万円を加えるということ。裁判所費の予備経費、款の中に五億五千六百六十六万九千円を加えるということ。價格調整費の部、款、項の金額おのおの百十億を、それぞれ價格調整費、部、款、項五十一億に改める。
 こういう案であります。この要点は、予備費の四十五億というものにつきましては、いろいろこういうような考えで使用するつもりであるということを申述べられたのであります。それは極めて詳細に御説明になつております。これが予備費であるか予備費でないかと申しますと、やはりこれは予備費であります、いくら御説明になつても。何故かと申しますと、これは目も節も決まつてない。そうしてこれはまだ予定であつて、変更するかも知れんということを言うておられるのでありますから、これは明かに予備費であります。いくら御説明になつても予備費であります。予備費であるが故に予備費として計上されておる。ところが價格調整費の五十九億については、その内容は予備費の説明よりももつと粗漏なことを言つておられるのであります。祕密会でいろいろ御説明になりましたことは、極めてこれは大綱のことであつて、予備費よりも、予算の中に書いてある金額の方の内訳が、尚、不正確であるということは、尚更予備費であるということは明瞭であります。そういうわけでありますから、予備費にしなければならん。何故そういうことを申すかといえば、憲法の予算の議決を、我々は内容を了解しないで、そのまま議決いたしましたなれば、祕密会で御説明になつた以上のことを追究する機会を、我々は持たないことになります。何故かといえば、四十五億の方は予備費でありますから、後で事後承諾を政府は求めることになります。我々はこれに対して、審議する機会があります。ところが五十九億に至つては、予備費でないのでありますから、丸呑みにしてしまつて、ここで議決してしまえば、後は何ら説明を求める機会もなければ、又恐らく内閣はそれに対して、説明をしないでありましよう。それであれば、我々は五十九億については、予算審議権を抛棄することになります。そうして事後承諾も、議決もできないのでありますから、憲法の六十七條、六十八條の両方の権利を、國会として抛棄することになりますので、これは許されざることになります。それ故に一應これは予備費に組入れて、事後の説明を求めよう。事前の説明を、この委員会においてしないのであります。事前の説明をしなければ、せめて我々は事後の報告を聞かなければならない、という必要を感じますから、これは予備費の中に組入れるべきものであるという意味であります。これが私の修正の意見の要点であります。これは追加予算だけでありますから、私は追加予算に議論を限つておる。ところが公共事業費にいたりましては、十三億三千三百万円というものを、大藏省の説明の中にも予備費として書いてある。そうして、大藏省で全体の予算の説明書を出しておりますが、その中にも予備費として明らかに書いてある。公共事業費そのものが、すでに予備費でありますから、それをも加えますと、公共事業費の十三億三千三百万円、これは皆様に配付された書類の中に出ております。明らかに予備費と書いてあります。それが十三億三千三百万円、これは既定予算で決つておる。この内容も分らない。これは本質は全然予備費として体裁を許さない。それと問題は、予備費であるものを、予算の着物を着せて、我々の予算審議権を奪つてしまう。そうして予備費ではないのでありますから、ただ丸呑みにして國会を通つた後で、予備費でないから事後承諾が要らない。結局我々は予算審議権と、事後承諾の議決権の両方を失い去るということになりますから、こういうような予算を組み入れるということは、予算として体をなしていないということに考えますから、その意味において修正案を提出する次第であります。以上理由の説明を終ります。
#112
○高瀬荘太郎君 今回政府から提出されております追加予算案につきましては、我々としていろいろ不満を感ずる次第であります。併し現下の甚だ切迫いたしました政府経済の情勢を考えまして、我々の態度を明らかにいたしました上で、賛成をいたす次第であります。時間が五分間に限定されておりますので、御説明の時間はございませんが、極めて簡單に意見を述べます。不満に感じます重要な点を列挙いたしますと、第一に、今回の追加予算が、予算の健全性の原則に十分合致しておらないという点であります。つまり歳入面からも物價騰貴通貨膨脹等によるインフレ促進の危險があり、歳出面からも同じく物價騰貴、賃金引上げを刺戟するというような点で、インフレを促進する危險があるというような点におきまして、この予算が決して健全性の原則に合致するとは考えられないのであります。
 第二には先程も問題になりましたが、今回の追加予算が予算の明瞭性の原則に合致しないという点であります。例えば先程問題の價格調整費中に莫大な予備という項目を設けて、使途不明の費目を掲げておる。又雜件として種類、性質の異なります雜多な項目を一括計上いたしまして、その内容を明示しない。そういうような点におきまして予算編成の合理化に反しており、明朗性を欠いておるという点であります。
 第三に今回の給與予算につきましてでありますが、公務員の給與標準の設定という重大な問題に関しまして、内閣に確たる態度、方針が欠けておつたという点が甚だ遺憾であります。これは内閣が公務員の給與立案に関する人事院の権限及び責任等につきまして、予め十分の檢討と認識を欠いておつた結果であろうと思います。又今回新たに提案されました給與案の内容について見ますと、人事院案を原則として採り、六千三百七円を給與標準とするといつておりますが、実質的にこれが採用されておらないという点に欠陥が認められると思うのであります。
 又今回の案は、財源の関係から、支拂い時期につきまして、いろいろ苦心がされておるのでありますが、つまり財源の不足を支拂い時期によつて調節するということが行なわれておりますが、これは健全財政の原則に反すると思うのであります。その他今回の給與予算について申しますと、六千三百七円という標準は、今までの三千七百九十一円のベースと比べますと、約六六%の引上げに当るわけでありますが、勤務時間等の点につきまして、幾分の変更はありましても、このような著るしい引上率が民間の給與に重大な刺戟を與えないということは、事実上あり得ないと思うのであります。民間における各種の給與が官公吏の給與ベースを参考として決められておることは明らかな事実でありますので、これが必らず重大な影響を與えるということは、疑いのないことと思うのであります。その他申上げたいことはいろいろありますが、時間がありませんので、省略をいたします。
 これらの点から見まして、今後の追加予算につきましては、いろいろ重大な欠陥を認めまして、それを是正する必要があると考えるのでありますが、先程申上げましたような現下の政治経済の情勢に鑑みて、私共としては、次の点について政府の誠意ある反省と、重大な決意を強力に要望して賛成をする次第であります。
 第一に、政府はその主張する企業三原則を嚴格に励行して、今後價格調整費、補給金等は漸次削減を図り、そうしてその濫用を嚴重に戒めること。
 第二、政府は速かに税制改革を断行して、租税と國民負担力との不均衡を是正すること。
 第三、政府は速かに財政整理を断行して、財政支出と國民所得との不均衡を是正すること。
 第四、政府は今後予備費、雜件等の名称を以て内容不明の費目を予算に計上することを極力避け、予算明朗性の原則を確立すること。
 第五、政府は速かに行政整理を断行して、公務員の雇傭を合理化し、給與水準の引上に伴う人件費の膨脹を抑え、公務員の給與水準と予算との不均衡を是正し、財政の健全性を保持しながら公務員の給與水準を向上せしめる健全なる方途を必ず実施すること。
 第六、政府は公務員の給與改善と対應して、民間企業の給與水準に対する適切強力なる安定方策を実施して、給與の不均衡とこれがために生ずるインフレの促進を極力防止すること。
 今回の追加予算につきまして、只今指摘いたしましたような重大な欠陥を認めるのにも拘らず、尚急迫して情勢に鑑みまして、これは賛成をいたしますにつきましては、我々の責任を明らかにして置く必要があると思うのであります。從つて我々は今挙げましたいろいろの点につきまして、政府の誠意ある善処を強く要望する次第であります。
 尚人事院勧告の公務員給與案につきましては、給與標準決定の理論的根拠並びに公務員給與と國の経済力との均衡等につきまして、尚一層の再檢討を人事院当局に対して強く要望する次第であります。
#113
○油井賢太郎君 私は民主党を代表いたしまして、今回の補正予算に対し、希望條件を付して賛成を表する次第であります。今回提案されました予算の内容を仔細に檢討いたしますのに、少くとも天下の公党として、民主自由党が國民に公約をる政策の何ものも織込んでいない、否織込むことができなかつた無力ぶりに対しまして、衷心より遺憾の意を表する次第であります。そもそも野党時代の民主自由党は、統制の撤廃を高らかに掲げ、取引高税の撤廃、料飲店の再開を呼号しつつ、國民大衆の自由への心理的憧れを深く食い込んだのであります。然るに一朝天下を取るや、その公約を果すべき絶好のチヤンスをキヤッチせるにも拘わらず、取引高税の撤廃はいつになるか目鼻がつかず、料飲店の再開は大衆なる文字を頭におぶせてお茶を濁さんとするような態度を示しておるのであります。ちやんと財源があるから我が党内閣になつたならば、即時やつてのけると言い切つた筈の取引高税撤廃はどこへ行つてしまつたのでありましようが。今回の補正予算には全然これは現れておらないのであります。單なる人氣取りや選挙対策のため、善良なる國民を惑わすがごときことのないよう、今後深く現政府の反省を求めるものであります。又歳入の大部分を占める租税の自然増收四百十億について見ますに、僅か五ヶ月足らず前に昭和二十三年度予算案の審議に当りまして、民主自由党の諸君が、租税の徴收方法が苛酷であり、その徴收基礎ともなるべき國民所得の算定が甚だ杜撰であると言われ、もつとこれを引下げるべきであると主張されたにも拘わらず、今回その算定を二兆四千億といたしまして、五千億も一挙に引上げてしまつたのであります。而も六月当時の前内閣が一兆九千億円を算定したときに方法と全く同樣の手段を以て、即ち前内閣の算定方法と何ら変りのない方法により、物價騰貴を織込んで二兆四千億と算定したものであります。この物價騰貴の大なる理由は、吉田首相の主張するところの自由経済主義の影響であります。この一事を以てしましても、現内閣が首尾一貫しない、場当り主義であるということへ示すものとして、我々相通ずる保守政党の立場より誠に残念に堪えない次第であります。
 さて歳出の部については、官公廳職員に対し二百六十三億円を以て、六千三百七円ベースと決定されましたことは、最初政府より提案されました五千三百三十円ベースと大分異り、いわゆる野党三派の修正案に政府が全面的に歩み寄つたわけでありますが、これに伴いまして首相が國民に約束いたしました行政整理は、若し次期政権が引続き得られた曉には、來るべき三月末までには必らず断行して、以てその政治的責任を完全に果されんことを今から切に要望いたすものであります。又行政整理によつて生ずる失業問題、或いは賃金ベース変更による物價改訂、中小企業の整備、民間給與の解決等幾多の大問題が関連して浮び上つて参るのであります。殊に、インフレの上昇は今回の補正予算によつて絶対避け得られないところでありますが、これによる國民生活の不定、國際経済関係における不利を極度に避けるべき方策を樹てるべきであります。以上の諸点に対し今回の予算が國民をして心から安堵の念を以て現内閣の主張する生産第一主義に邁進し得るような具体的方策、並びに予算措置が何ら示されませんことは、誠に遺憾に堪えないところでありますが、吉田首相初め各大臣が選挙対策にもに没頭せず、眞劍にこれが解決策を立てられるよう切望いたし、諸般の情勢上止むお得ずこの補正予算に対し賛成を表する次第であります。
#114
○木村禧八郎君 私はこの予算に四つの理由から反対するものであります。
 第一の理由は、この予算の根本的性格に対して反対せざるを得ない。この根本的性格というのは、この予算が極めて不純であり、不まじめなる予算であるということであります。と申しますのは、泉山大藏大臣事件に現われておりますように、あの性格がこの予算に現われておる。(「この通り」と呼ぶ者あり)それはこの給與ベースを決定に当りまして、給與ベースを眞劍に主義政計の立場からこれを決定するのではなく、これを政略的に党略的に選挙目当に、自党に如何にしてこれを有利にするかという立場においてこれが編成されたということは、もう周知の事実であります。そういう立場からこの予算が編成されたということは、これは決して純粋な氣持でこの予算が編成されたということを示すものではない。即ち非常に不純な予算である。不まじめな予算である。そういう意味において先ず私はこの予算に反対せざるお得ない。
 それから第二の反対に論点は、この経済再建の見透し計画と殆んど関係なく、漫然とこの予算が組まれておる。今の日本の現状は、漫然とこの予算を組むような現状でないのであります。経済再建計画を中心として計画的に統制を強化しつつ、この経済再建をしなければならんということは、先にマッカーサー元帥から寄せられた十原則によりましても、今回の九原則によりましても明らかなことなのであります。然るに民主自由党は、自由主義的な方向に経済政策を持つて行こう、そういう立場においてこの予算を編成しておるのでありまして、これは明らかに日本経済が今後向う方向と逆行している。矛盾しているものであると思う。そういう立場において編成されたこの追加予算はどうしても我々は賛成できない点であります。
 それから反対の第三点は、これが予算制度の民主化に反するということであります。この民主化に反する論点は四つあります。いうまでもなく、新憲法において、わざわざ第七章において、財政という項目を設け、それに基いて財政法というものを作つたのは、予算を民主化するためであつたのであります。ところがこの財政法、憲法第七章及び財政法に基いて予算の民主化というものがどれだけ行われたか。この追加予算を見ましても、次に述べるごとき諸点において、この民主化に反しておるのであります。
 その第一は、予算民主化の第一條件として、予算の均衡性、バランスの問題であります。この点については、先程高瀬委員も言われましたが、形式上はバランスが取れておるようでありますが、歳入面においては、自然増收四百十何億という非常に無理な増收を挙げておりますが、これは名目的には増收になつておりますが、実際には増收と徴税との間にこれがギャップができまして、そうして結局これはインフレを促進することになると思います。又特別会計においてもバランスが取れておりません。又金融面においても、復興金融金庫の資本金を又殖やしまして、そうして金融面からインフレを促進する、そういう方向にあります。これは予算民主化の第一條件である予算の均衡性、バランスを取るという点に反しております。
 第二には、先程高瀬委員も言われまして予算の民主化の條件である公開性と明朗性に反しておる。予備費的なものが非常に多い。而もこの予備費的なものについては、先程大屋大藏大臣が、これは緊急支出的なものであると言われたが、緊急支出を止めるというのが、この財政法の主眼なんであります。今度の財政法をそもそも作つたその一番重要な点は、緊急支出的のものを止める、これは旧憲法の支出であります。從つてこれは予算の公開性、明朗性に反しておる。
 次に、予算の民主化の條件としては、國民生活の安定に資し得なければいけないということでありますが、この点については時間もございませんから、その理由は省略します。
 それからその次に、予算の民主化の條件としては、これが再生産に役立たなければならんということが、予算民主化の條件でありますが、これにも反しておる。
 更に、予算民主化に反するという理由は以上の通りでありますが、最後に我々が反対しなければならない論点は、若しこの予算を、追加予算を我々がここで反対して、そうしてこの予算が通らなかつたときに、混乱が生ずるではないかという意見に対して、我々は今日本の現状はそんな時期ではない、本当に民主化をする場合には、乱を見るに卑怯であつてはならない。一時の摩擦混乱は、これは堪え忍ばなければならん。それよりも、もつといい予算を作つて、一時多少混乱はあつても、もつと立派な予算を作つて、日本経済の再建に本当の寄與をしなければならんと思う。それを当面の非常に姑息な現状維持的な状態にいつも引きずられるから、もう理窟としては反対せざるを得ないに拘わらず止むを得ず認める。そういう状態にあると思うのであります。これではいつまで経つても日本経済の民主的な再建はできない。以上の理由によつてこの予算に反対いたすものであります。
#115
○森下政一君 日本社会党はこの予算に少なからん失望と不満を持つものでありますが、政府職員に対する給與が極めて急を要する際であり、殊に時間的に修正の余裕がないという意味におきまして成立に賛成をしたいと思います。この予算が政府職員に対する給與の改善を主眼とするものであることはしばしば政府が声明したところであり、而も人事院の勧告を斥ぞけて五千三百三十円ベースを堅持して、その合理性を主張し、同時に又財源と併せ考えて、この予算が妥当であることを縷々説明を過日來されておられたのでありまするが、突如として起りました客観情勢のために六千三百七円ベースをそのまま政府が採択するに至つた。私共の甚だ奇異に堪えないと思いますることは、五千三百三十円ベースしか財政の関係上賄えない。且つ又五千三百三十円ベースに歴然たる合理性があると主張しておりましたものでありますが、客観情勢に籍口いたしまして六千三百七円を採るのみならず、予算の組替に何ら著手することなくして、このまま六千三百七円を賄ない得るというに至りましては、到底國民が容易に納得することのできない事柄とかように思うのであります。民主自由党は客観情勢が起りました時に、予算の組替が時間的な余裕がないというならば、むしい諦観すべきだつた。その方がより以上に國民の喝采を博したであろうと考えるのであります。私共がこの予算を通観いたしまして、非常に危惧いたします点は、歳入の面におきまして殆んどその大半が税の自然増收によつておるものでありますが、これは在野時代の民自党が嚴しく時の政府を批判いたしましたように、税の水増しが計上されておると言うたが、その批判いたしました通りのことを、より以上に顯著に計上しておると考えるのでありまして、結局捕捉し易い税源に対してのみ追求が行われることが恐らく急であろうということを虞れるのでありまして、勤労者、農民に対する苛酷なる誅求が必ずや年度末に現われて來るのではないかということを危惧するものであります。或いは又窮乏その極にある地方公共團体の財政状況に鑑みまして、果して政府が歳入に見込んだ通りの償還金を財源として数えることが妥当なりやに対しても甚だ危惧の念なきを得ないのであります。或いは雜收入の見積等におきましても、その実情に副はない單なる机上の計算に過ぎないのではなかろうかと思われるものが少くないのであります。或いは又前年度繰越金がすでに審議の経過の途中におきまして論議されたように、見積りが過少ではないかと思わるる点がある、或いは又歳出の面におきましては先刻來各委員より指摘されましたが、價格調整費の中に数十億に上る使途不明確なものがあり、或いは又予備費の内容にその性質上当然それぞれの款項目に計上すべきものが少くないというふうな点を列挙して見まするならば、大きな不満と同時に又予算の編成それ自体が甚だ杜撰であるという印象を拂拭することができないのであります。併しながら先刻申しましたように年末を控えて政府職員に対する給與の急を要するものがあり、予算を修正の時間的な余裕のないということを、事情よぎなきものと考えまして賛意を表するものであります。將來においては政府は須らく在野時代における民自党の主張を敢然として予算の上に現わされて、在野時代の公約を実現することに邁進せられんことを期待して止まない次第であります。
#116
○中西功君 私は日本共産党を代表いたしましてこの予算案に反対いたします。その反対いたします理由は実に沢山あるのであります。むしろこれ全部、どれを見ても反対だと言つてよいのであります。併し時間も限られておりますので、非常に簡單に申上げます。さつき松村委員からこの予備費の問題について適切な指摘がありました。私はこの度の、この予算の編成が木村委員が指摘いたしましたごとく、非常に杜撰であることはいろいろの点において、我々はこれを認めることができるのでありますが、第一に我々は復興計画自体についても、或いは今後日本の経済をどうして行くかということについても、何ら政府側として答えることができない。勿論私は政府に方針がないとは思つていない。非常に立派な方針があると思つておる。ただ併しそれを今日出すことは極めて不利であるということをやはり政府の人が知つておると思う。だから選挙管理内閣でございますのでとういうふうな名目で、何ら自分の本質を出さない。併し出さないとはいいながら、これにはつきり現われておる。それも勿論簡單に申しますれば、この予算案は低賃金予算案であります。ただすべての政策が労働者、或いは勤労大衆の生活に対して攻撃を加えて行くという点にだけ集中されておる。それは民希自由党が以て誇りとするところの根本の政策であつて、それをはつきり言うならば問題は極めて簡單に解決するのでありますが、それが言わないし、而もなかのごとく言つておるわけであります。ただ併しないという点ではつきり言うならば日本の経済を再建して行く、本当に正しい方針がないというだけは明瞭なんであります。そのようにして基本方針が何らはきつりせずに、これが作られておるということだけは極めて明瞭なんでありますが、更に又この予算の組み方、さつき言われました財政法の問題についても、これは非常に大きな異論があることは、大藏大臣が今さつき認めたところであります。そういう問題も沢山ありますが、これは省略いたします。尚もう一つ大きな問題としましては政府はこれを給與或いは災害費の予算であるというふうに最初から言つておる。併しこの六百億の予算の中で本当にいうところの給與並びに災害費はどれだけあるか、普通の人は二百二十二億だといつておる、併しそれは嘘である、本当に言えば二百三十二億である、更にこの中から七十七億を引かなければならん、即ち百五十五億、これがいわゆる給與である、災害復旧費に至つては六十億しかない、六百億の中でその三分の一が、僅かに三分の一がいうところの給與及び災害費ではないか、そのあとは何か、具体的な例を引くならば船舶運営会に補助費としてやらておるところの二十六億を、我々は分析すれば極めて明白である、明らかにこの中に給與としてやられるものは五億である。二十億はすべて船舶主に対する補償とか、或いは修繕費とか、備品費とかそういうものによつて使われておる。このようにこれは價格調整費においても同じであつて、実に便乘し、給與予算であるとか、或いは何であるというふうに便乘してこれが結局において資本家的な予算になつておるということは、蔽うべからざる事実であると思うのであります。尚歳入の面、或いはその他の面についても、これは沢山の問題がありますが、併し時間がありませんので、私はこの続きを本会議で述べるということにいたしまして、これを以て反対理由といたします。
#117
○委員長(黒川武雄君) これに討論は終局いたしました。直ちに採決に入ります。まず松村委員より提出せられた修正案を議題といたします。本修正案に賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者少数〕
#118
○委員長(黒川武雄君) 少数でございます。本修正案は否決されました。よつて原案即ち昭和二十三年度一般会計予算補正(第二号)、昭和二十三年度特別会計予算補正(特第二号)について採決いたします。原案通り可決することに賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#119
○委員長(黒川武雄君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本案の内容、委員会における質疑應答並びに討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(黒川武雄君) 御異議ないと認めます。
 これより委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    油井賢太郎  岩男 仁藏
    岡田喜久治 橋本萬右衞門
    深水 六郎  松嶋 喜作
    西川甚五郎  西川 昌夫
    一松 政二  藤森 眞治
    深川タマヱ  飯田精太郎
    島村 軍次  田村 文吉
    東浦 庄治  岩崎正三郎
    岡田 宗司  下條 恭兵
    森下 政一  山下 義信
    岩木 哲夫 尾形六郎兵衞
    小杉 繁安  堀越 儀郎
    帆足  計  久松 定武
    伊藤源一郎  高瀬荘太郎
    新谷寅三郎  西郷吉之助
    井上なつゑ  櫻内 辰郎
#121
○委員長(黒川武雄君) 御署名洩れはございませんか……。ないと認めます。これて散会いたします。
   午後九時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           島村 軍次君
           田村 文吉君
           東浦 庄治君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           岡田 宗司君
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           山下 義信君
           岡田喜久治君
           西川甚五郎君
           西川 昌夫君
          橋本萬右衞門君
           一松 政二君
           深水 六郎君
           松嶋 喜作君
           岩木 哲夫君
          尾形六郎兵衞君
           鬼丸 義齊君
           小杉 繁安君
           櫻内 辰郎君
           高橋  啓君
           深川タマヱ君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           新谷寅三郎君
           高瀬荘太郎君
           伊達源一郎君
           久松 定武君
           帆足  計君
           堀越 儀郎君
           松村眞一郎君
           栗山 良夫君
           藤田 芳雄君
           小川 友三君
  國務大臣
   内閣総理大臣
   外 務 大 臣 吉田  茂君
   商 工 大 臣
   大藏大臣臨時代
   理       大屋 晋三君
   文 部 大 臣 下條 康麿君
   農 林 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   内閣官房長官  佐藤 榮作君
   内閣官房次長  橋本 龍伍君
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大 藏 次 官 野田 卯一君
   大藏事務官
   (大藏大臣官房
   次長)     河野 通一君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
   專賣局長官   原田 富一君
   商工政務次官  小林 英三君
  説明員
   大藏省主税局國
   税第一課長   原  純夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト