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1947/10/16 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第9号
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1947/10/16 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第9号

#1
第001回国会 決算委員会 第9号
  付託事件
○建設省の設置に関する陳情(第三十
 六号)
○建築行政の地方移管に関する陳情
 (第四十号)
○建設省の設置に関する陳情(第七十
 二号)
○昭和二十年度歳入歳出総決算
○昭和二十年度特別会計歳出決算
○昭和二十年度歳入歳出決算檢査報告
○建設省の設置に関する陳情(第八十
 三号)
○建設省の設置に関する陳情(第八十
 六号)
○建設省の設置に関する陳情(第九十
 三号)
○建設省の設置に関する陳情(第百三
 号)
○内務省廃止に当り同省と運輸省との
 共管事項を整理することに関する陳
 情(第三十四号)
○建設省の設置に関する陳情(第百十
 一号)
○建設省の設置に関する陳情(第百十
 八号)
○建設省の設置に関する陳情(第百四
 十七号)
○施政の資料をしゆう集調査研究する
 綜合的機関を創設することに関する
 請願(第九十八号)
○建設省の設置に関する陳情(第百七
 十号)
○建設省の設置に関する陳情(第百七
 十八号)
○中央出先機関廃止に関する陳情(第
 百九十九号)
○建設省の設置に関する陳情(第二百
 三号)
○鑄物行政一元化のため鑄物課を新設
 することに関する請願(第百四十
 号)
○建設省設置に関する陳情(第二百三
 十四号)
○金澤市に地方商工局並びに北陸財務
 局を設置することに関する陳情(第
 二百三十七号)
○中央出先機関廃止に関する陳情(第
 二百三十九号)
○中央出先機関廃止に関する陳情(第
 二百七十三号)
○國家公務員法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○中央出先機関廃止に関する陳情(第
 三百五十六号)
○建設省の設置に関する陳情(第三百
 六十七号)
○中央出先機関廃止に関する陳情(第
 三百八十五号)
○林野行政と砂防行政の一元化に関す
 る請願(第三百二十九号)
○林野行政と砂防行政の一元化に関す
 る請願(第四百二十二号)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月十六日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法案
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免等に関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) 只今から決算委員会を開きます。先に当委員会に予備審査のため付託せられました國家公務員法案外一件の法案が、衆議院を通過したものとして正式に当委員会に付託せられましたので、改めて御審議を煩わしたいと思います。この二案につきましては、衆議院におきまして修正がありましたので、修正案はまだお手許に配付する準備になつておりませんので、今朗読を申上げたいと思います。
   〔副参事朗読〕
   國家公務員法案に対する修正案
  國家公務員法案の一部を次のように修正する。
  國家公務員法目次及び國家公務員法中「人事院」を「人事委員会」に、「人事院規則」を「人事委員会規則」に、「総裁」及び「人事院総裁」を「人事委員長」に、「人事官」を「人事委員」に、「事務総長」を「事務局長」に、「人事官会議」を「人事委員会議」に、「事務総局」を「事務局」に改める。
  第一條、この法律は、國家公務員(この法律で國家公務員には、國会議員を含まない。)たる職員について適用すべき各般の根本基準を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て國民に対し公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的とする。
  第七條第一項中「六年」を「四年」に、同條第二項中「十八年」を「十二年」に改める。
  第八條第一項第三号中「十八年」を「十二年」に改める。
  第十一條第二項中「院務」を「会務」に改める。
  第十二條第二項第十二号中「第八十六條」を「第八十七條」に、同項第十三号中「第九十一條」を「第九十二條」に、同項第十四号中「第九十四條」を「第九十五條」に、同項第十五号中「第百二條」を「第百三條」に、同項第十六号中「第百七條」を「第百八條」に改める。
  第十三條第二項を次のように改める。
  人事委員会に、國会の承認を得て地方の事務所を置くことができる。
  第二十九條第一項中「確立」を「立案」に改め、同條第一項の次に次の一項を加える。
  職階制の基準に関する事項は、法律でこれを定める。
  第三十八條第三号中「第八條第二項第二号の事由による罷免」の下に「公の彈劾による罷免」を加える。
  第三十九條中「授受を約束し」の下に「たり」を、「方法を用い」の下に「たり」を、「公の地位を利用し」の下に「又は」を加え、「若しくは約束し、又は」を、「若しくは約束したり、或は」に改める。
  第七十七條を第七十八條とし、以下第百十條までを一條ずつ順次繰り下げ、第七十六條の次に次の一條を加える。
  (彈劾による退職)
  第七十七條 職員は、國民の申出に基く公の彈劾手続により罷免すべきものと決定された場合は、退職するものとする。
  前項の彈劾手続に関する事項は、別に法律でこれを定める。
  第八十一條第一項中「第七十七條乃至前條及び第八十八條乃至第九十一條」を「第七十八條乃至前條及び第八十九條乃至第九十二條」に改める。
  第八十二條中「譴責」を「戒告」に改める。
  第百二條第二項中「を除いて」を削り、同條第三項中「職員」を「法律又は人事委員会規則で定めた職員」に改める。
  第百三條第三項中「許可」を「申出により人事委員会の承認」に改め同條第七項中「第九十條」を「第九十一條」に改める。
  第百八條第二項中「第九十二條」を「第九十三條」に改める。
  第百十條第四号中「第百二條」を「第百三條」に改める。
  附則第一條第一項中「十月一日」を「十月二十日」に改める。
  附則第二條第六項中「(両議院の同意に関する部分を除く)」を削る。
  附則第四條中「四年」を「五年」に、「二年」を「三年」に改める。
  附則第八條中第八十一條一を「第八十二條」に改める。
  附則第十二條中「第九十九條」を「第百條」に改める。
   國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律案に対する修正案
  國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律案の一部を次のように修正する。
  第一項及び附則第二項中「人事院規則」を「人事委員会規則」に改める。
#3
○委員長(下條康麿君) 只今朗読いたしました通りの修正の案でありますがその要領を申上げますと、「人事院」を「人事委員会」に、「人事院規則」を「人事委員会規則」に改める。その次は、人事委員の任期「六年」を「四年」に、再選せられました場合の「十八年」を「十二年」にする。それから地方事務所の設置は國会の承認が要る。それから「事務総長」は「事務局長」に、というふうに改める。それから職階制は法律で決めるばかりでなく、その計画につきましては、この法律実施前に國会の承認が要る。それから職員に対する國民彈劾の規定が入つて、これは法律で決めると、政治活動を幾分緩和して、職員の営利事業に関係する場合並びに職務上密接な関係ある企業に天下りする場合の許可は、所轄廳の許可では不十分で、所轄廳の申出によつて人事委員会の承認を得るというように改める。それから人事委員会の発足は、十月一日とありましたのを十月二十日と改める。その他字句の修正が多少ある。こういう要領であります。
 これらの修正点につきましては、衆議院からしばしば当委員会並びに決算労働委員会に協議がありまして、この案につきましては大体これらにおいても了承している点であります。又この中には相当な部分参議院の委員会の意見が織込まれておるのでありまして、但し参議院の委員会側の意向としてはこの外にまだ修正したい個所が相当あつたのでありまするが、併しいろいろの事情で今日この程度に止めることに相成つたのであります。この段はよろしく御了承を願いたいと思います。取分け私共が最も必要と考えました点は國家公務員法案第五條の第二項におきまして、人事官の任命について衆議院が同意して参議院が同意しない場合においては、衆議院の同意を以て両議院の同意とするということになつております点であります。この点は今日衆議院を基礎にして議院、内閣制度ができますることに鑑みまして、参議院の意見というのが最も尊重しなければならんことであろうと考えまするので、これは衆議院、参議院と同等の立場において同意をするということに改むべきものと思うのでありますが、この点も他日の問題ということになつたのであります。大体そういうような経過におきまして修正案ができたのであります。
 この際國家公務員法案並びにその附帶する法案につきまして御質疑がございますれば願いたいと思います。
#4
○帆足計君 ちよつと重要な点でございまするので、最初に質問さして頂きたいと思います。これは先般の委員会におきましても、山下委員その他からも御質問が出ましたが、只今行政監察委員会というものが臨時に設けられております。これに対しまして現状を以て見ますると、例えばその委員は部課長の方、それから民間から官廳側でお選びになつた方でできておりますが、例えば厚生省の例などを見ますると、委員の中に官廳の外廓團体である日本社会事業協会理事長なども加わつております。このような形では私は十分に官廳の査察はできないと考えます。從いまして行政監察につきましては、公務員法案と並びまして、今後國会でも審議いたしまして、これを一つの恒常的な制度としまして何らかの機構が考えられねばならんと存ずるのでありますが、その必要につきましては、恐らく各委員の方々も痛感されておられるように從來の委員会の空氣で拜察しておりますが、これに対しまして政府当局におきましてどうお考えでございまするか、この一点を伺いたいと思います。
#5
○國務大臣(齋藤隆夫君) 官界を刷新しなくてはならんという議は、現内閣成立間もなく起りまして、いろいろ閣僚の間におきましても審議を重ねておるのでありまするが、官界の刷新ということは長い間の國民の要求であります。それと共に歴代の政府もこれを方針の一つに加えておつたのでございまするが、なかなか目的を達することができなかつたのであります。というのは、ただ官界刷新とか、官紀粛正とか吏道刷新というようなことが口で唱えられ、又紙の上に書きまするけれどもただそれだけでありまして、これを実行するところの具体的の方法が実は設けられていなかつたのであります。いわゆるこの声明を実行するところの形が備わつていなかつたのであります。そこで現内閣におきましては行政監察委員会というようなものを設けましてこれが中心になつて相当な力を以てこの目的を達成するということに決めまして行政監察委員会が設けられております。中央即ち内閣におきましては、たしか十五名の監察委員が設けられております。私及ぼずながらその委員長になつております。それから各廳におきましてもそれぞれ委員会が設けられまして、この内閣の委員側と各廳の委員側と連絡をば緊密にいたしまして、目的の達成に向つて今日努力をいたしておりまして、大分仕事も進んでおりまして、各方面に向つて相当の活動を始めております。これにつきましては一般國民はいうに及ばず、各省各廳の協力を得なくてはなりませんので、言論機関も相当に利用せんければなりませんので、言論機関をば先達て招集いたしまして、その趣旨を明らかにいたして協力を求めたりいたしましたが、何分にも今日は非常に國家の重大問題が輻湊いたしておりますので、余りこの仕事が新聞紙上において現われて参りませんが、全國民の一つ協力を得まして國民の官界に対するところの不平不満はこの委員会に通告して貰いたいというような趣旨を各方面に述べておるような次第であります。但しこれは今日の場合におきましては永久の制度でなくして、大体半年ぐらいな期限でやつております。この公務員法が実施せられましたならば、これと睨み合せまして、この制度をばもつと長く続けるか、或いは公務員制度の実行によつて大体目的を達することができましてこの制度を止めてもよろしいということになりますか、まだ今日のところにおきましては決まつておりませんが、何としても多年の問題でありますので官界刷新の目的は相当の程度において達成して見たいというのが現在の状態でございますからして、さように一つ御承知を願いたいと思います。
#6
○山下義信君 修正案につきましてちよつと伺つて置きたいと思うのでございますが、第七十六條の次に「國民の彈劾による罷免」という一項が加えられましたのでございますが、これは第六節といたしますると、固より当然の節に入るのでございますが款で申しますと第一款の分限の中に入つておるようでございますが、第二款は懲戒になつておるようでございます。彈劾による罷免ということは、公務員の分限に属しまするのか、懲戒に属しまするのか、いずれの款に入るのが適当でございますのか。これは懲戒の款に入るのが適当ではないかというようにも思われまするので、その点を伺いたいと存じます。
 もう一つはこの法案に関聯してでございますが、この機会に政府に伺いたいと思います。先日の委員会で政府におかれましては官吏の栄典制度につきまして研究中ということを承わりましたのでございますが、今日の現在の官吏の位階勳等というものが私はもうなくなつておるのかと思いましたら、官報を見まするというと、やはり從何位に敍すとか何とかいうのが出ておりますので、依然として位階勳等があるということを承知いたしたのでございますが、これは從來の勳等というものと今日の官吏の功績というものは、本質は非常に相違しておりますと考えます。從來の勳五等は從來の立場で勳五等という功労がございました。それが勳四等に今日そのまま繋いで行くという栄典が現に行われておりますことはいささか奇異に感ぜられる節がございますので、これは新らしく栄典制度が定められまする前に、固より憲法におきましては、これが天皇の國務のお仕事の一つにはなつておられまするが、速かに現行の位階勳等というものは然るべくお取計らいが相成るべきものではないかというように感ぜられますので、政府のお考えはどういうことでございましようか、伺いたいと思います。
#7
○國務大臣(齋藤隆夫君) 新憲法によりまして、天皇の栄典大権はそのまま保存されておりまするが、併し現在の栄典制度を改革しなくちやならんということはこれは誰でも痛感いたしまするので、先達て政府内におきまして栄典制度調査会というものができまして閣僚が五名調査委員に選定されております。賞勳局長も、その中の……賞勳局の方々とも相談いたしまして、眞の栄典制度の制定につきまして今頻りにその研究をいたしておりまするが、なかなかむずかしいのでございまして、非常に複雑しておつて、いろいろ議論がありまするけれども、まだその議論をば外部に発表する段取まで参つておりませんが、結局これは相当に改正するつもりでございますのと、近頃官報などにおきまして、位階とか、勳等とか、敍勳ということが出まするのは、それは死んだ人に対してでございまして、現在そうでない人には敍勳、敍位制度は暫く停止しております。昨年の三月でありますが、これは幣原内閣の当時でありまして、別にかれこれ言われたのではありませんけれども、こういう時節でありまするから、敍位、敍勳をこれは暫く停止するという、内閣が自発的にこれを止めておりまして、今日は敍位、敍勳はございません。ただ最前申しましたように、死んだ人とか或いはその他何か從來の関係によりましてやらなくちやたらんような事情があります極めて僅かな人が敍位、敍勳されておるのでありまして、その他の者は一切停止されておりますと同時に栄典制度は根本的に改正することになつておりますからして、これだけのことをお話申上げて置きます。
#8
○政府委員(井手成三君) 衆議院の御修正の趣旨でございますが、私共はこの趣旨に対してこういう工合に考えております。この彈劾の中にはこの法律案で御覧頂きますと、人事官の場合が丁度例になつておりますが、八條の二項を御覧頂きますと、彈劾の事由については「心身の故障のため、職務の遂行に堪えないこと」というのが一つの理由、もう一つは「職務上の義務に違反し、その他人事官たるに適しない非行があること」、それからもう一つ、裁判官彈劾法の中でも同樣に第一号のような、体の故障で以て勤め兼ねるもの、それから又惡いことをした「非行が裁判官彈劾の理由になつております。これが議院側の提案になつた法律でございますが、会計檢査院の方は彈劾という形を採つておりませんが、同樣なことでありまして、やはり二つの理由を挙げております。彈劾は必ずしも懲戒的とみられない、一号の方は体が弱つておるというために、つまり無能ということですが、懲戒ではない、若しその人が体さえ復活すれば幾らでも就けるというのでありますから、これを七十六條の後に持つて來たのがいいか、懲戒の方がいいかといえば、半分は懲戒、半分は單なる分限規定であります。どちらが廣いかといいますると、懲戒の結果身分を失つてしまうということになりまするので、大きな意味で分限の方にお入れになることが止むを得ない趣旨じやないかと思います。二つに分けますと、又まづぐなりますので、この辺で大体よいところじやないだろうか、かように私共はこの修正に対して考えております。
#9
○小野哲君 只今の山下委員の質問に関聯する問題であります。これは政府委員の答弁をお願いするということは或いは筋違いかも知れないのであります。只今の「彈劾による罷免」という新しい項が衆議院の修正案の中に入ることになつたのでありますが、これと第三十八條第三号中の一部が削除されることに相成りまするので、そうなりますというと、この法律案を起案されました政府側におかれて、法律の建前から考えてどういうような結果になるか、この点についての御見解を承りたいと思うのであります。
#10
○政府委員(井手成三君) 三十八條の第三号の括弧が削除されました。これは恐らく私共の考えておりまするところでは、職員の彈劾の規定は別に法律でできる。これは國家公務員法の完全の施行のために恐らく至急に……この法が実質的に動きますのは來年の七月一日ですが、そのときまでに成立して置いた方がいいのじやないか、政府側は努力しなくちやならんのじやないか、というように思うのでありますがどういうような彈劾の内容になつて來るか、或いは懲戒免職にふさわしいものになるか、或いは二年間で復活させないで、十年くらい復職を認めない或いはもう少し長く、永久に認めないという意味のいろいろのあれに分かれて來るか、それを見極めてやつたらいいであろうというので、三号が拔けますと、第八條の二号のような非行に対して出訴ができる。彈劾された者は一應法文の款項では復職し得る。それについても復職し得ないというように読めるのでありますが、これは実施が大部先のことでありまするので、この法律が七十七條の法律ができまする頃には、この辺を十分勘案して整備して頂くことがいいのではないか、先ずこの法の施行に困らないだろうと考えておる次第であります。
#11
○帆足計君 先程の行政監察の問題でありますが、地方自治体の方の行政につきまして、それは私共に最も身近かな問題でございますが、これは中央政府として何か監察の方法なり、その他お考えでございますか。
#12
○國務大臣(齋藤隆夫君) 自治体の方も、やはり官界の、吏界でありますか刷新して貰わなければならんのでありますが、併し中央からしてこれを命令することもどうも行過ぎではないかと思うのであります。命令はいたしませんが、中央でこういうような組織ができた以上、それに副うて地方におきましてもやれるだろう。こう思つておるくらいでありまして、中央では今別に関係しておりません。
#13
○小川友三君 この第一條の能率主義いわゆるメリツト・システムという点につきまして、ちよつと私お伺い申上げたいと思いますが、この能率主義を建前として、今政府は可なり力を入れておるのでありますが、この第一條の基本條件によつて國民が大多数泣かされておる者があります。例を申上げますから國務大臣の御答弁をお願いいたします。麦を一〇〇%供出すれば、硫安をくれるという羊頭狗肉を掲げて麦を供出させた、もう麦蒔きが始まつたのでありますのに、一向に硫安の配給がないのであります。能率、能力主義というものを盛んに官廳で唱えられてそうして巻添を食うのは農民数千万同胞でありまして、このメリツト・システムというものは、巻添を食う被害者があるところの能率主義を建前としてやられたら非常に國民が困るのでありまして、数千万の農民を苦しめて、そうして苦しめたいわゆる公務員に対して、その退職の場合は恩給をくれる、國民は苦しめられて、退職する場合は又恩給をぶつたくられるというような建前に、この能率主義が行かないように十二分なるところの行政官廳の御注意をお願いしたいのであります。本年度行われておるところの、硫安を配給しないところの実体に対しまして、大臣から責任ある御答弁をお願いいたします。
#14
○國務大臣(齋藤隆夫君) 実は硫安のことは私よく存じませんので、どういうことでありまするか、お答えをすることができませんが、その方面のことがどうなろうとこうなろうと、とにかく公務員法の建前といたしましては、官吏を督励して一〇〇%の能率を発揮せしめたい、こういう見地に立つてこの法案を立てたのであります。一つこれくらいで御了承願いたいと思います。
#15
○小野哲君 各條項では、ございませんが、國務大臣が御出席でございますので、総括的に御所見を伺つて置きたいと思うのであります。今回國家公務員法が成立いたしました曉におきましては、明治初年以來の我が國の官吏制度というものが根本的に改革されることに相成るのであります。併しながら一面この法律の施行によりまして、能率的な國家公務員の仕事振りが実現されるであろうということは十分期待されるのでありますが、併しながら何と申しましても、公務員の能率が完全に発揮されますためには、組織が適当であるかどうかということがこれと関聯して重要な問題であろうと存じます。特に今回の衆議院の修正によりましても、人事院を人事委員会に改め、而もこの人事委員会が執行機関としての権限を持つというふうなことで、これは一つの官廳組織の重大な改革と申しまするか、さような意味を持つておるのではないか。從いまして一面國家公務員制度の確立によりまして、現行の官吏制度を徹底的に改革いたしますと共に、相竝んで官廳組織自体につきましても、能率化を発揮いたしますために、これが改革を図つて行くことが焦眉の急務ではないかと存じます。特に人事委員会制度によりまして執行機関たる性格を與えるということになりますことは、將來の我が國の官廳組織に一つの示唆を與えておると私は思うのでございます。さような意味合におきまして、官吏制度の改革を実施いたしますと共に官廳組織の改革を行う必要がある、この点に関して恐らく政府はそれぞれ御準備になつておると思うのでありますが、國家公務員制度の今回の樹立によりまして、それと竝行して、できるだけ速かに官廳組織自体の問題を取上げて、新らしい構想の下に成案を得られるということが必要だろうと思いますが、この点に関して齋藤國務大臣の御決意と申しますか、御構想を伺いたいと思います。
#16
○國務大臣(齋藤隆夫君) いつかもちよつとお話したことがあるかも知れませんが、行政機構を根本的に且つ全体的に改革するというこの目的のために昨年の十一月に行政調査部が設けられまして、その後それぞれ部員を定めまして、約百人ぐらいの若い事務官も参りまして、内外の行政組織等について非常に研究をいたしておりまして、その研究の結果はたしか議会に対して二同ばかり相当廣汎な報告書が出ておるつもりであります。それからその具体化したものも相当あります。併し議会の協賛を得ましたものは前の議会において行政官廳法を出しましただけですが、今度この公務員法が出ておりますし、それからして御承知の内務省の解体とか、又近く出そうとする司法省の機構の改正とかいうようなことも、相当に行政調査部において関係して來たのであります。尚その外行政機構の根本改革ということもよく謳われまするが、併し実際やつてみますると、どの程度においてこれを果すことができるかということは、これはなかなか困難なる問題でありまして、各國の行政組織を調べてみましても、大概その共通点が多いのでございまして、その國の特殊な事情によりまして、特殊な機構もございまするが、大体は同じようなものであります。各省ということにつきましても、余り変つたところの省のあるのは二、三に過ぎないのでありまして、その外は大体同じようなものであります。これは明治以來、いろいろの傳統の上に組織されておりまして、その傳統をすつかり打切つてしまつて更に新らしいものが行われるということができるかできんかということ、又それをやるということが時代の要求に副うものであるかということも考えねばならないことでありまして、全く古いものは打ち毀して、新らしいものばかりを作るということは、実際におきましてはなかなかでき難い点があります。理論におきましても、実際におきましても、そういうことはやれないと思うのでありますが、併し現在の官廳組織を以て満足するものでは、ございませんからして、できるだけ成るべく簡單にして能率を上げるようにやりたいと思つておりまして、今のところここの者は非常に骨を折つております。
 それから公務員法でございまするが、公務員法ができましたけれども、それだけでは駄目でありまして、やはりこれはうまく運用しませんと、この目的を達することはできませんので、先程申しましたように、日本の官吏というものは、明治以來の傳統によつて支配されておりまして、官吏を法律によつて決めましても、これは官吏の頭から改造して、本当に官吏は、天皇の官吏でなくして、國民の公僕として新憲法の線に副うて十三分の働きをされるということは、これはなかなか一朝一夕のことではいかないのでありますけれども、公務員法ができましたから直ぐに官吏の頭が変つて來て、公務員法の第一條にいつておりますような能率を発揮して、民主化に進むということはできるとは思いませんけれども、併し時と共に段々と改善されて行くものであろう、又改善しなくてはならんと思つております。法案は一つの文字でございまして、これを運用するのは國民であり、又その衝に当りますところの公務員でありますからして、互いに力を合せて進んで参りましたならば、日本の官吏制度も十分改革できるという、この信念の下におきましてこの法律案を出したものでありますからして急には参りませんけれども段々と改善して行くであろう、私はこう思つております。
#17
○千田正君 先程委員長の御挨拶の中に話がありましたが、法案第五條第二項の人事官の任命に関しては、日本國憲法第六十七條第二項の場合を適用するという問題につきましては、先般來いろいろ審議されまして、先日は國務大臣からもこれは見解の相違であるという答弁を承つたのであります。我々参議院といたしまして、この憲法の適用の範囲に関する問題について、この案が果してこの適用に該当するものであるかどうかということを檢討した場合に、遺憾ながら私はこの問題に対しては賛成できないのであります。いずれそのうち採決されることと思いますけれども、一言この点については尚お伺いしたいと思いますが、こうした種類の法案が再三再四今後ともいろいろ出て來ると思いますが、その度ごとにこの日本國憲法第六十七條第二項の場合の適用を、新らしい法案が再三提出されるということになりますというと我々参議院として十分この問題については考慮しなければならない、こういうことを私は思うのであります。つきましてはこの法案だけの問題でありまするか、或いは將來ともこうい法案ができた場合に又適用する可能性が十分にあるというお考えでございますか。その点につきまして、國務大臣の御答弁を頂けば結構と思います。
#18
○國務大臣(齋藤隆夫君) これはこれまでの御質問に対して政府委員の方からして答弁をしておることと思いますが、これは会計檢査院の方に例がありますので、会計檢査院の例を今度の公務員法に準用……同じ性質のものをば現わしたに過ぎないので、ございまして今後こういうことが又他の法律において現われるか、現われんかということは、これは今日何とも予言することはできませんが、いずれその法律の性質によりまして自然に起つて來る問題であろうと思いまするが、今日はそんな法律が將來できるかどうかということは分りませんから、確かにお答えをして置くことはできんように思います。
#19
○伊達源一郎君 先刻小野委員からの御質問があり、國務大臣から詳細な御説明がありまして、この法が行われ、行政機構が改革できれば、立派に官吏制度は運用して行かれることと存じますけれども、世の中の事態に非常に急速に変りますし、この官吏制度というものも生きたものであるから、これが本当に立派な効果を奏するためには、官吏養成の機関が非常に必要だろうと思いますし、養成と共に再教育……あの官界の殻の中に入つておづて、硬ばつてしまう官吏ができないように、再教育を繰返す必要があると思いますが、その点においてどういうふうなお考えがありますか、承つて置きたい思います。
#20
○國務大臣(齋藤隆夫君) お尋ねの御趣旨のように、官吏がただ学校を出て若しくは試験だけによつて官吏になりまして、それであらゆる國家の事務を鞅掌するということにつきましては、いろいろそれは欠けるところがありまするので、この法案もそれに鑑みまして、七十三條に職員の教育訓練に関する事項を、人事院や関係廳の長はやらなければならんということを書いてあるくらいでありまするからして、官吏の教育は又試験ばかりでなくして、実際それぞれ行なつておりまする職務、性質によつて相当に訓練を課さねばならんということは極めて同感でございまして、この法律もその目的のために一條を設けてあります。この法律の運用によりまして、是非御趣旨のような目的を達したい、こういう工合に考えております。
#21
○委員長(下條康麿君) 外に御質疑もございませんければ、これで質疑は終つたことにいたしたいと思いますが、御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(下條康麿君) それでは直ちに討論に移ります。
#23
○太田敏兄君 本案につきましては、審議中、各方面から反対意見や、いろいろの点につきまして、修正意見が相当強く現われておるのでありますが、これに対しまして、今の場合にそれらの修正が不可能であるといたしますれば、將來適当な時期に適当な修正をいたしまして、一層よりよき公務員制度を確立するというような一つの希望條件を附して決議したらどうかと思うのでありますが、この点につきましては皆さんの御意見を伺いたいと思います。
#24
○委員長(下條康麿君) 太田さん、これは私の私見ですけれども、これが不完全であつて、よりよき案を作れというのはちよつとまずいのじやないですか、どうでしようか。今作つたらよさそうなものですね。理窟からいうと、何かこういう点がいかんからということを挙げていうのならいいのですが、これは悪いから將來いいものを作れということは、今作つておるところですから、立法しつつあるところでありますから今日でもできます。早ければ……。お考えは誠に同感なんですけれども、何でしたそういう趣旨を委員長の報告の中に入れて置きましようか。
#25
○太田敏兄君 委員長の報告の中に適当にそういう希望を盛つた報告をして頂きたいと思います。
#26
○委員長(下條康麿君) それではそういうことにいたします。
#27
○千田正君 法案二條の人事院の問題につきましては、私としては是非これは國民もこの適用を受けるところの公務員も相当納得のできる方法を取るべきであつて、三名というのは実に納得ができないと私は思うのであります。ということは、人事委員会を置くということは賛成でありますが、果して三名の人事委員会においてこの法の万全を期しての運営ができるか、こういう問題を考えたときに、これは十分の研究の要があるのじやないか。この点につきまして再三政府御当局からも本縷々御説明がありましたが、私の意見としましては、いかなる立派な法が出ておつても、これが実際適用を受けるところの公務員その他がこれを十分に納得して、いわゆる人民の公僕として國民に忠実に、公務員としての職責を果すような方法を取らなければならんと考えたときに、この三人の人事官を以て人事委員会を組織するということは法の万全を期し得ないという点においてこの点については十分考究する時間を與えて頂きたいということを特に強調するものであります。
#28
○小川友三君 本案に対しまして賛成する者であります。能率主義により日本を救いたいというこの原案に対しましては満腔の敬意を表するものであります。ただこの行政上について十二分の注意をして貰いたいという條件を附けて本案を承認いたします。
#29
○帆足計君 私はこの法案につきまして先程來諸委員の、この法案の審議について時間その他不十分であつたという点につきまして私もそう思つております。併し一定の期間に仕上げねばなりません以上、それも已むを得ないと存じますが、この法案につきましての希望といたしまして、先ず第一に國民による彈劾を認められておりますが、私は將來これが法律になります場合に極めて簡素な方法によつてそれが行い得るということにして頂きたいということを希望したいと思います。
 第二は行政監察委員会の今後の結果を見、又公務員法の施行の様子を見てこの問題を考えるという大臣の御答弁でありましたが、この問題を我々は今後檢討するということについて期待したいのであります。
 第三に、人事委員会、委員会という名前に変りましたか、私は將來この運営を見まして、独断に陷り偏狭に陷るような虞れがあるとしましたならば、諮問委員会を將來作ることにつきまして考究したいと存じます。
 それから最後に、官吏の教育並びに再教育につきまして、政府の御施策に大いに期待したいのであります。
 総括しまして、この程度の案でも、私は日本の現状から見まして極めて進歩的な法案であると存じます。從いまして原則的にはこの法案に私は賛成でございます。
#30
○山下義信君 私はこの修正案に賛成をいたします。趣旨は大体賛成の同僚の委員がお述べになりましたのと同様でございます。本法案が可決されますのを契機にいたしまして、その実施は將來であるにいたしましても、この御準備になります道程におきまして、かねて政府の御主張に相成つております官僚制度の刷新或いは官紀の粛正、そういう方面につきまして一段と民主化の力強い運営と相成りますように切望いたす次第でございます。尚修正案がたとい不十分であるといたしましても、相当各委員の熱望いたしますところが採入れられてございまして、而もかかる修正案ができまするまでには決算委員長並びに各委員諸氏、殊に吉川委員、労働委員長或いは労働委員の山田君その他の各委員諸氏が熱心に努力せられましたことにつきましては私共関係の委員といたしまして非常に多とするところでございます。修正案に賛成いたします機会に、委員長以下各委員に敬意を表する次第でございます。
#31
○西山龜七君 本案は各委員が熱心に論議せられまして、各委員の意向は十分速記録に現われております。然るに周囲の情勢はこの程度で止めなければならない状態にあります。私は修正案に賛成をしたいと思います。
#32
○委員長(下條康麿君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものと認めて、直ちに採決いたします。國家公務員法案及び國家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律案は衆議院の修正案通り可決することに賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#33
○委員長(下條康麿君) 多数と認めます。よつてこの両案は衆議院の修正を加えて可決せられたものといたします。
 この際私から政府に要望したいと思います。先程來たびたび委員各位から御発言になりました通り、今日の情勢におきましてはこの修正案の程度で止めなければならないのでありますが、併しながら先程千田委員が述べられました第五條第二項のごときものが、確かに私が申しましたように衆議院を基礎とした議院内閣制を採ります以上、参議院の意見は衆議院と同等の尊重を受けなければならんというように確信いたす者であります。かようなことは今回はこれを他日実績を見ました上といたしまして適当の時に修正せらるべきものでないかというように思うのであります。又かような点は今後各般の法律案を御起草になる場合に、十分にこの委員会の意思のあるところを御了承下さいまして、御参考願いたいということを強く申上げて置きたいと思います。
 それから職階制の問題でありまするが、職階制はその優れた点もありまするが、同時に職員を職域に釘付けにいたしまして、例えば鉄管の中に人間を入れてずつと下から上まで押出すような工合になるものでありまして、脇の状況が分らないので、職員のいわゆる見解というものが狭くなる虞れがないか。又人事交流の点にも遺憾があるのではないかということを甚だ虞れるのであります。又この制度ができました結果、新らしい意味の官僚制度ができる。殊に人事官の権限は絶大でありまして、その濫用に流れることも可なり懸念せられるのでありまして、この新公務員制度がこれから発足しましても各般の立案が今後行われると思いまするが、そういう場合に、その具体的実施がある場合におきましては、政府において愼重に御注意下さいまして、我が國情に最も適するように御実行になるように、執行に当る政府に強くお願いいたしたいと思います。これだけ申添えまして、この採決が終つたことにいたします。
 それから委員会における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経なければならないのでありまするがこれは委員長におきまして、両法案の内容、委員会における質疑應答の要旨討論の要旨及び表決の結果を報告することにして、御承認を願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(下條康麿君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたします報告書には、多数意見者の署名が要ることになつております。両法案を可とする方は順次署名を願います。
   〔多数意見者署名〕
#35
○委員長(下條康麿君) 御署名は済みましたか。
   〔「済みました」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(下條康麿君) それではこれで、散会いたします
   午前十一時五十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           岩崎正三郎君
           田中 利勝君
           吉川末次郎君
           今泉 政喜君
           北村 一男君
           中川 幸平君
           竹中 七郎君
           谷口弥三郎君
           平野善治郎君
           小川 友三君
           小野  哲君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           山崎  恒君
           千田  正君
           西田 天香君
  國務大臣
   國 務 大 臣 齋藤 隆夫君
  政府委員
   法制局次長   井手 成三君
   總理廳事務官
   (行政調査部總
   務部長)    前田 克巳君
ソース: 国立国会図書館
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