くにさくロゴ
1947/11/24 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第10号
姉妹サイト
 
1947/11/24 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第10号

#1
第001回国会 決算委員会 第10号
  付託事件
○建設省の設置に關する陳情(第三十
 六號)
○建築行政の地方移管に關する陳情
 (第四十號)
○建設省の設置に關する陳情(第七十
 二號)
○昭和二十年度歳入歳出總決算
○昭和二十年度特別會計歳入歳出決算
○昭和二十年度歳入歳出決算檢査報告
○建設省の設置に關する陳情(第八十
 三號)
○建設省の設置に關する陳情(第八十
 六號)
○建設省の設置に關する陳情(第九十
 三號)
○建設省の設置に關する陳情(第百三
 號)
○内務省廢止に當り同省と運輸省との
 共管事項を整理することに關する請
 願(第三十四號)
○建設省の設置に關する陳情(第百十
 一號)
○建設省の設置に關する陳情(第百十
 八號)
○建設省の設置に關する陳情(第百四
 十七號)
○施政の資料をしゆう集調査研究する
 綜合的機關を創設することに關する
 請願(第九十八號)
○建設省の設置に關する陳情(第百七
 十號)
○建設省の設置に關する陳情(第百七
 十八號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 百九十九號)
○建設省の設置に關する陳情(第二百
 三號)
○鑄物行政一元化のため鑄物課を新設
 することに關する請願(第百四十
 號)
○建設省設置に關する陳情(第二百三
 十四號)
○金澤市に地方商工局並びに北陸財務
 局を設置することに關する陳情(第
 二百三十七號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 二百三十九號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 二百七十三號)
○國家公務員法案(内閣提出衆議院送
 付)
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免等に關する法律案
 (内閣提出衆議院送付)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 三百五十六號)
○建設省の設置に關する陳情(第三百
 六十七號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 三百八十五號)
○林野行政と砂防行政の一元化に關す
 る請願(第三百二十九號)
○林野行政と砂防行政の一元化に關す
 る請願(第四百二十二號)
○林野行政と砂防行政の一元化に關す
 る請願(第四百五十三號)
○建設省の設置に關する陳情(第五百
 號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 五百四十五號)
○中央出先機關廢止に關する陳情(第
 五百五十七號)
○建設省設置に關する請願(第五百二
 十四號)
○内務省及び内務省の機構に關する勅
 令等を廢止する法律案(内閣送付)
○最高法務廳設置法案(内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十一月二十四日(月曜
日)
   午前十時五十八分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十年度歳入歳出總決算
○昭和二十年度特別會計歳入歳出決算
○昭和二十年度歳入歳出決算檢査報告
 (大蔵省預金部資金の運用について
 證言あり)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) 只今から決算委員會を開きます。最初にお諮り申上げたいことがございます。第一分科念の審査されました事項の中で、「官金」という題のところで、大蔵省預金部において資金の運用よろしきを得ないことに關する點につきまして、證人を喚問してお尋ねしたらどうかというような意見がありますので、御異議がなければさように取計らいたいと思いますが、いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(下條康麿君) それでは證人を喚問することにいたします。證人喚問の手續をいたします間に、昭和二十年度の決算につきまして、各分科會から主査の御報告を得たいと存じます。順次御報告を願います。
#4
○西山龜七君 第一分科會の審査の經過並びに結果について御報告を申上げます。御承知の通り、第一分科會は歳入、大藏省所管及び農林省所管の部を審査いたしましたのでございますが、分科會は、十月七日、同月九日、十月二十一日の三同に亙りまして、愼重に審議をいたしました。
 まず最初に、政府當局並びに會計檢査院當局の御説明を聞きまして、質疑に移つたのでございます。而ういたしまして、假決議をいたしまして、去る十九日の委員長及び正副主査打合會で央に審議いたしまして、本日お手許に即付いたしましたような決議をいたしたのでございます。
 まず歳入の部について申上げますと、總決算に計上いたしてある歳入決算額は、經常部として百七億八千三百餘萬圓、臨時部として百二十七億四百餘萬圓、合計いたしまして二百三十四億八千七百餘萬圓であります。これを同年度の豫算額に比較いたしますると、經常部で三十七億二千八百餘萬圓、臨時部で十九億四千餘萬圓、合計いたしまして五十六億六千九百餘萬圓を減少いたしておるのでございます。尚歳入の減少を生じました事由、各特別會計におけり歳入の詳細については、各決算書類で御覧を願いたいと存じます。大藏省所管、農林省所管の部についても、詳細は決算書類、會議録によりまして御承知願いたいと存じます。本分科會所管におきましては、會計檢査院から豫算及び法律勅令違背の事項といたしまして批難されておりますものが二十一件あるのでございます。その主なものを申上げますと、農林省所管食糧増産対策諸費、青森縣において支出しました三百五十萬圓は、作付轉換施設事業に對して昭和二十一年四月地方公共團體たる縣に交付した補助金でありますが、これは作付轉換のため果樹園を整理した者に對し、段當り百四十圓の割合で二千五百町歩に對して縣を通じて交付したものでありまするが、實施面積は千七百十九町歩餘であつて、未了の分に對する補助金百九萬二千餘圓を返還せしめたものでありまして、會計檢査院は、補助金の交付に關し措置よろしきを得ないものとしておるのであります。又二十年度の未確定金額の中、食糧増産対策諸費は、一億六千餘萬圓に上つておるのであります。よつて將來嚴重なる注意をすべきであるといたしたのであります。
 次に官金の部で、大藏省預金部において資金の運用よろしきを得ないものであります。それは昭和二十年八月終戰直後におきまして、陸軍共済組合において所持しておりまする外地の證券七百九十二萬餘圓のものを、大大蔵省預金部に懇請いたしまして、それを買上けた事件であります。本問題につきましては、委員におきまして、相當強硬なる意見もありまして、要するに終戰直後ポツダム宣言によりまして、四圍の情勢は一憂しておるに拘わらず、特に外地證券を買上げた。こういうことは、その資金の運用のよろしくない點が相當に委員によつて強調せられたのであります。この點につきましても、分科會におきましては、厳重に注意をすべきものとしたのであります。
 右以外の批難事項十九件につきましては、いずれも會計檢査院の檢査報告の解釋を同じ見解を持つておりまして、他の事項につきましては異議がないと議決いたしたのでございます。以上簡單でありますが、御報告といたします。
#5
○委員長(下條康麿君) 第二分科御報告願います。
#6
○山下義信君 第二分科會の審査の結果並びに分科會の經過を簡單に御報告申上げます。
 第二分科會で審査の決議をいたしました報告書は、文書を以ちまして委員長の御手許に提出いたしましたので、これは朗讀を省略いたします。委員會十月七日、十月十日、更に正副主査の打合會を入れますと、数回に亙りまして開催をいたしまして、會計檢査院の檢査報告書に基きまして、本決算案の審査をいたしましたのでございます。
 要點を申上げますると、第二分科會の所管をいたしておりまする内務省、司法省、文部省、厚生省及び運輸省所管のこの中につきまして、運輸省關係に未確定金額が比較的多くございますので、この點につきまして運輸省から説明を求めましたのでございます。その政府の説明書は分科會が點檢をいたしまして、これを承認いたしておりますので、これ又書類を以ちまして委員長のお手許に御報告いたす次第でございます。
 次に會計檢査院が指摘いたしておりまする批難事項を審議いたしましたのでございますが、いずれも檢査院の指摘してありまする批難事項竝にその所見は極めて妥當なるものでありまして、分科會は全く檢査院の所見に同意をいたしまして、政府に對しましても十分なる注意を與えました次第でございます。その審議の過程におきまして特に注意をいたさねばなりませんことは、運輸省が收益勘定におきまして即ち運輸收入におきまして、私鐵との間の會計連絡上、當然早く回收をいたさなければなりません鐵道賃金につきまして、二千二百三十有餘萬圓という金額が長く回收が怠慢にせられてありましたということは、常時の終戰後の事情として止むないことでございまするが、運輸省から私鐵の方へ拂うべきは拂つて置いて、取る方だけを延ばして置いたというような事柄につきましては、これは十分注意せなければならんということを、これは當局にも注意を促して置きました次第でございます。
 又同じく運輸省の所管の中におきまして、鐵道改良費の中から土地を買いまして、四十三萬有餘圓でございまするが、而も終戰後でございますから、疎開の必要もなくて、その賣買契約は中止いたすべき筈のものを、依然としてその土地を買入れまして、食糧増産のためにそれを使用をいたし、爾後そういうことをやつておりますというようなことは、これは會計法上不當でもございまするし、どうかということが非常に問題に相成つたのでございます。事情といたしましては、食糧難の折柄現業廳がさような厚生事業のようなことをやりますることは、全く尤もな次第でありまするが、こういう經理の面を紊してまでもやるということにつきましては、非常にこれは考えなくてはならんことでありまして、これらの點につきまして、特に小野委員、千田委員から十分なる御議論がございまして、これは結局運輸省というがごとき現業廳の會計法は、これは普通の一般の豫算のああいうような、他の省のごとき豫算、決算のやり方をしなくて、別に生きた機動性のある、又實際と相伴うような、普通の民間企業體のごとき彈力性もあり、いろいろ伸縮性も伴うことのできるような、別の會計法と申しますか、そういう經理組織というものを考えなければならんのではないかという御議論が出まして、これにつきましては運輸省の當局の方も全く同感でありまして、いろいろ當局でも研究されておるというような御答辯があつたのでございます。この點は將來の注意を促しまして事情止むを得ざるものと我々も考え、尚會計檢査院のその所見に同意をいたしました次第でございます。
 その他第二分科會の所管の中の批難事項といたしまして、特に目立ちますることは、内務省におきましても、厚生省におきましても、運輸省におきましても、いろいろ土木事業建築費といつたような請負建築費につきまして、未だ工事が十分にできておりませんのにその全額を支拂をいたし、或いは會計年度を紊りまして支出いたしましたような事項がございます。比較的金額は小さくはございまするが、さような取扱をいたしますることは甚だ適當でございませんので、それらにつきまして一々當局の御報告を求めまして、それぞれ當局におきましても遺憾の意を表し、且つ今後注意する旨の答辯があつた次第でございます。
 つきましては第二分科會におきましては、以上の審議の状況に鑑みまして、それぞれ批難事項に該當いたしまする當時の責任者の氏名の報告を求め、且つ又如何なる處置を探つたか、その處置を採りました状態、年月日というようなものの書類の提出を求めまして、それそ、適當なる處分をなされておりましたことを確認いたしました次第でございます。これ亦合せまして、その書類は委員長のお手許に差出す次第でございます。
 以上のごとき審議の經過を經まして、書面を以ちまして報告申上げました通り、當第二分科會の所管に關しまする決算事項につきましては、只今申上げましたごとく、會計檢査院の批難事項は至當であり、且つ又その他の決算の事項につきましては異議がないものと決議いたしました次第でございます。以上簡單でございますが、御報告申上げて置きます。
#7
○委員長(下條康麿君) 第一二分科會の御報告を願ひます。
#8
○太田敏兄君 第三分科會の審査の經過及び結果を御報告いたします。
 第三分科會では昭和二十年度歳入歳出総決算並びに昭和二十年度特別會計歳入歳出決算、及び既往年度檢査未確定金額の檢査確定中、外務省所管、商上省所管、第一復員省所管及び第二復員省所管の部を審査したのみでありま丁。八月一日に正副主査の互選をいたしまして、十月八日から前後三岡に亙りまして各政府委員の説明を聽き、これに對しまして各委員より熱心に質疑、討論を行いまして、愼重審議いたしたのでありますが、本分科會で問題となりました件は、都合五件でありまして、その中で特に問題として取上げましたのは、元大東亜省から終戰後り昭和二十年八月十七日に、秋闘法人東亜經濟懇談會に交付いたしました事業補助金二十五萬圓は不當であるというのであります。これは本件補助の指分を交付しました二十年六月常時は、丁でに戰局の推移は交通、通信が困難となりまして、東亜諸地域と内地との連絡は不可能であり、もはやその活動はできなくなつておつたのでありますか、この事情をも考慮せずして、終戰後補助金を交付したのは妥當の措置と認められないというにあつたのであります。その後當局では、右金額の中で九萬圓を返還さしておりまするが、あとの二十萬圓はそのままであります。本分科會では、かような補助金濫費の傾向が相當追及されたのであります。
 次に大阪陸軍造兵廠關係で、昭和二十年七月、香川造船機株式會社に請負わせた小型輸送船二十隻に對する支拂金の問題でありますが、實際は契約數量二十隻に對しまして、終戰當時著手していたのは僅かに六隻に止まつており、これも完成品に換算いたしまして、僅に二隻四分であつたのを、昭和二十年八月十三日に全部納入したものこして、請負代金金額を支拂つたものい、その過拂金が百三十九萬餘圓となるのであります。これが問題となりましたのであります。尤もこの中で二十五萬圓は返還いたしておりますが、残りの百十四萬三千餘圓が残つておるのであります。これに對しまして各委員から相當峻烈なる質問が出たのでありよずが、併し今日同會社は工員を減員し、やつと經管を續けておるような有体なので、一度にこの金額を取立てるといたしますると、會社は忽ち閉鎖せざるを得ないような運命に立至りまするので、その返還方法を便宜定期貸しの形式にいたしまして、實際に支拂える方法で何回かに取立てようということになりまして、さように取計らうことにしたのであります。
 その他商工省所管に一件第一復員省所管に一件、第二復員省所管に一件の會計檢査院批難事項がありまするが、これは同院のこの檢査報告に指摘しておるのと同じ見解を採ることにいたしたのであります。而してその他の事項は、異議なく承認をいたしたのであります。その結果といたしまして、十月十八日にお手許に配付いたしておりまするような假決議をいたしまして更に二十二日に正式にこれを決議したのであります。以上簡單ながら御報告申上げます。
#9
○委員長(下條康麿君) 各分科の審査報告に對しまして御意見を伺う前に、先程御承認得ました誰人が見えておりますから誰人につきまして一應御説明を伺つて、それに對して質問になり御意見の開陳を願います。それでは元陸軍次官若松只一君から當時の事情について御説明を願いたいと思います。
   〔證人若松只一君は次のように宣誓を行つた。〕
   宣誓書
 良心に從い眞實を證言することを誓います
      證人 若松只一
#10
○證人(若松只一君) 私は陸軍共濟組合の事務統轄の責任にあつた當時の陸軍次官であります。最初に明かにいたして置きますことは、陸軍共済組合の組合員の數、それはいかなるものであるかということを、すでに御承知と思いますが申します。約五十萬ございまして、その約四十九萬までは兵器本廠關係の造兵廠その他の工員航空本部、糧抹本廠、被服本廠その他の各工員でございまして、あとの一萬くらいの者か判任文官、雇員、傭人というような者でございます。
 で終戰後速かにこの共濟組合の解散を必要とする状況で、ございましたので、その解散のために掛金に封ずる解散脱退の給付金を出さなければならないので、現金を持つておりませんので、有價證券を、處分いたしまして、現金に換えて交付をしなければならん。で、その有價證券の買上げを願うことにつきまして、大藏省にお願いをして買上げて頂いたという次第でございます。全く普通の事務事績によりまして買上げをして頂いた。で各組合員にそれによつて交付いたしました一人當りの額というものは、非常に零細なものでございまして、百七十圓乃至二百圓くらいの、當時におきましても零細なものであります。この件に關しまして、大藏省當局に非常な御迷惑をおかけするような結果になりましたことにつきまして、誠に相濟まなかつたと思いまして、遺憾の意を厚く申し述べます。
 尚詳細に亙りまして御質問がございましたなれば、當時の主任課長がおりますから、御説明申し上げます。
#11
○委員長(下條康麿君) 元陸軍省整備局戰備課長佐藤裕雄君にお願いいたします。
   〔證人佐藤裕雄君は次のように宣誓を行なつた〕
   宣誓
 良心に従い眞實を申述べます。
       證人 佐藤裕雄
#12
○證人(佐藤裕雄君) 只今若松元次官から申上げられましたように、事情は今述べられた通りでございます。私は當時戰備課長としまして、共済組合の主務の事項を全部擔當いたしておつた君であります。當時のいきさつは、今述べられましたように終戰直後でございまして、而も全國に亙つて散在する五十萬からの共濟組合員を至急に解散をし、而もその事務手續を短期間に終らなければならんという状態でございまして、共濟組合員の醵出しましたこの積立金が、大部分が有價證券、一部工員の福利施設としまして、病院、療養所等を持つておつたのであります。當時の實情から、この療養施設とか、或いは固定したものを急速に處分するということは、殆ど不可能でありますし、ただ給付金を返すために、財源となるべきものは、手持の有價證券のみだつたのであります。それで終戰直後四、五日の間にこれを決定し、而も全國に手配をしなければならんという實情でございましたので、特に大藏省の金融局の方にお願いをしまして、手持ちをしておりました國債、その他有價證券を換價處分いたしたのであります。終戰直後のこの氣分的な状況につきましては、勿論申上げるまでのこともないと思いますが、大藏省の當局におかれましても、非常に御同情頂きまして、もう殆ど私共のお願いを容れて頂いて、即座に決めて頂いたような次第であります。終戰直後一週間以内に殆ど事務手續も終つて、各地方に指令を出した。實に常時の大藏省當局の厚い御同情の結果と思つて、只今でも感謝いたしております。そのために各工員には、一應、非常に少い百五十圓か二百圓程度の額でございましたが、それ以上に給與することもなにもできませんから、本當の解散の涙金というものが、手許に渡つたわけであります。又満洲に残つております者に對しましても、その金が若干残つておりますために、これを歸還者に引當てて、まあ今にして見ましたら殆ど問題にもならんような、二百圓程度のものを、臨つて來たら一應交付し得るような態勢になつておるわけであります。さような實情でございまして、私共が事務的に處理を急速に完了し得たのも、實に大藏省の御斡旋の結果と存じて、只今でも感謝をいたしておる次第であります。
 實情は以上のような状況でございますが、尚細部に互つて御質疑がございましたら、お答えいたします。終り。
#13
○委員長(下條康麿君) 次には元大藏省金融局長式村義雄君の御説明を願います。
   〔證人式村義雄君は次のように宜誓を行なつた〕
   宣誓
 良心に縫い眞實を申述べます。
       證人 式村 義雄
#14
○證人(式村義雄君) 私は、本日當委員會のお招きを受けました證人式村義雄でございます。昭和二十年の五月、大蔵省金融局長を拜命いたしまして、同年十月末まで在任をいたしましたのであります。私の在任期間中に、本日只今問題となつておりまする、大蔵省預金部におきまする、陸軍共濟組合所有有價證券買上の問題が起りましたのであります。本日ここに會計檢査院の御指摘を受けておかまする次第でありまするので、一應私から、當時の問題の經過につきまして、御説明申上げたいと存じます。
 終戰直後の昭和三十年八月の中旬でありましたが、私が金融局長在職當時でありますが、陸軍共濟組合の當局者の方々が、再三大藏省に參られまして、終戰に伴ないまして、陸軍共濟組合を解散する必要があるので、その資金の調達上、所有いたしておりまする、有價證券を賣却しなければならない。ついては、終戰當時の金融界、證券界が非常に混亂いたしておりまするので、有價證券を多額に賣却することは、市場では不可能でありまするから、ぜひとも大藏省預金部において買上げてもらいたいという申出でがありました次第であります。只今、先程來、元陸軍省の證人の方々からお話がありました如く、陸軍共濟組合は、非常に多數の組合員から成つておりまして、その積立金につきましても、只今お話がありました如く、極く少額な、零細な資金の拂戻しをするような状況でありまするし、且つ又當時の情勢から見よしても、組合員の不安な氣持も十分察せられましたのであります。併しながら大藏省預金部といたしましても、預金部資金運用委員會その他のいろいろな法規に從つた手續をとらなければならないのでありますから、十分それらの有價證券につきまして、審査をいたして見ましたのであります。それによりまして、適法に買い入れ得るものといたしまして、額面で申しまして、三千七百萬圓ばかりのものを買取りまして、資金化することに感じました次第であります。ところがその證券の中に、今回問題となつておりまする有價證券があるのでありまするが、當時といたしましても、それらの證券につきましても、實は政府の元利支拂の保證がありまするとか、或いは又重要な國策曾社の證券でありまするとか、地方債券、地方證券でありまするとか、それらのものでありまするので、無論當時といたしましては、終局的には、それらの證券の償還も確喚であると、かように私共考えておつたのであります。併しながらその後の事態の推移に感じまして、今日から考えまするというと、かかる有價講劵を買上げまして、預金部資金に損失を與えることと相成りました次第でありましで、誠に責任者といたしまとて遺憾に存じております次第であります。この點は責任者の私から十分お託びを申上げて置く次第であります。
 以上簡單でありまするが、一應御説明を申上げまして、尚御質問がありましたなればお答えすることにいたしたいと思います。
#15
○委員長(下條康麿君) 證人の發言に對しましてお尋ねになりますことは、この際お願いしたいと思います。
#16
○西山龜七君 この陸軍濟組合以外にもそういうような例がありましたか。どうでしようか。
#17
○證人(式村義雄君) その當時としては他にはなかつたと思いまするが、こういう問題は、實は預金部資金運用委員會の決議によりまして、大藏省金融局長に委託されておりました次第であります。ですから市場から買上げるということもありましたし、又例えば學校とか、圖書館とかいうふうなところから國債講劵とかその他の社債舞などを買上げることは度々ありましたのであります。實例ははつきりここで記憶はいたしておりませんですけれども、相當敷ありましたのであります。
#18
○千田正君 有價證劵雰は、大體において、外地におけるところの國策會社の有價證劵が主のように見受けられまするが、大體この所有株主の或る一部は、滿洲事變當時におけるところの犠牲者であつた人達の遺族が相當持つておると思いますが、或いは日華事變當時にもあつたと思います。濁り陸軍の兵濟組合のみならず、陸海軍におけるところの戰歿者の遺族その他が北支開發、若しくは滿洲方面の株を持つておると思うのでありますが、現在も持つておりますが、こうした方面に影響があるということをお考えにならなかつたかどうかという點について一言お伺したいと思います。こういうことを處分することによつて、濁り陸軍の共濟組合のみならず、實際持つておるのは地方自治團體も持つております。又同時に遺家族その他にもこれは持たしてある筈でありますから、こういう株主諸君が將來、終戰後における清算というような場合に、そうした人達にも影響するということの多少お考がなかつたかという點についてお伺いしたいと思います。
#19
○證人(式村義雄君) 只今御質問の點でありまするが、申すまでもなくそれらの多数の方が、今回問題となりました證劵額を御所持になつたことと思うのであります。併しながら當時といたしましては具體的に私共の耳に入りまして、それらの證劵を買上げて呉れという申出は無論なかつたわけであります。そういう問題が起つた場合にどうするかという問題も、實はまだそれを考えてはいなかつたのでありまして、陸軍共濟組合の問題が起りましたのが、初めてであり、又それが一つでありましたのであります。何と申しましても共濟組合は先程元陸軍次官からもお話がありました如く、非常に澤山な組合員でありましたし、それから又所有基金も一人當りにいたしますると少ない金額でありまするが、多数の組合員の氣持を察しまするというと、何とか便宜を計らつてやることが妥富ではなかろうかというふうな感じがいたしたのでありまして、その外に只今御質問のお話のような問題が起りましたなれば、又相當大きな問題になるかと存じまするが、その當時といたしましては、これ一件が實は問題に相成りました次第であります。
#20
○山下義信君 若松さんに伺いたいと思うのでございますが、御事情は私共もよく分るのでございます。分るのでございまするが、併しながら苟しくも國會の問題になりました以上は、十分明らかに致さなければならんことでございますので伺いたいと思うのでございます。共濟組合の解散に際して、できるだけ多数の者にしてやりたいお心持であつた、つきましてはいろいろこの資産を處分なされまするのに、只今も御説明のありましたように、直ぐに金に換えることのできないものなどがありまして、比較的金に換え易い有價證劵を大藏省の方と御相談になつてお金になさいましたのでありますが、他に陸軍省として共濟組合か解散しまする場合に、ああいう状況下ではありましたけれども、平素からのいろいろな考などからいたしまして、他に解散手當を組合員に與えるためにも、財源というものが全然もうなかつたのでございましようかどうか。どのくらいの金を総額お作りになりましてそれぞれ支給の御心配をなされましたでありましようか、その邊を關連いたしまして、御記憶でございますれば承りたいと存じます。
 それから第二點といたしましては、五十萬という組合員、ああいう状況下でござりまするから、どうなりましたか。何處におりまするか判明のいたしません組合員もある筈でございましたでしようが、一體その解散手當というものが、中央で當時の責任者がお考えになつておりましたように、末端までにも金額の多少に拘わちず、この手當というものが行届きましたでございましようか、如何でござりましようか。且つその配分というものがどういう配分状況をなさいましたでしようか。或いは殆ど平等にお與えになりましたか。やはりその間に多少があり、厚薄があり、動もいたしますと、こういう場合にはどさくさ紛れに乘じまして、下世話で申しますと、一部の者が巨額なるものを懐ろに入れて、後でその金で商賣をとたり曾社を興したりというような例がよく他にあるのでござります。併しながらこの場合に限りましてさようなことはないと存じまするが、その配分状況がお分りでございましたらばお示しを願いたいと存じます。尚ここに出ておりまする有價證劵の三千七百萬圓、これだけを五十萬の者に割當てますると十一人當りは如何にも金額が小さいことに相成りまする。併しながら、常時の約四千萬圓という金といたしましては、相當の巨額でございます。これらの處分につきましては、當時の金融局長でおいでになりました式村さんは、御自分のお一人の御權限でその處理をなさいましたのでございましようか。或いは次官、大臣、いわゆる上司に御相談になりましたのでございましようか。この點は式村さんに伺いたいと思うのでございます。
#21
○證人(若松只一君) 只今の御質疑につきまして、概略を私から、尚詳細は元戰備課長からお答え申上げます。第一の御質問の、かかる場合を豫想して他に何らかの方法がなかつたかという御質問でごさますが、それにつきまして有價護劵と不動産というもののみではありませんので、尚現金も、現金と申しますか、預金も持つておつたわけでありまして、その中の有價證劵が今あげられたもので、尚もの中の、當時の状況としても不當であるというようなふうに指摘されましたのは、尚その中の問題になるのは七百萬圓程のものでございます。急に處置をするのに間に合うのは、預金と有價證劵以外にはございませんでした。第一の點はさようでございます。尚第二問の、配分の方法ということにつきまして、これは陸軍共濟組合規則でありまして、これによりまして脱退の場合とか、その他年数、その他掛金に應じましての給付が規定してございます。それに應ずることは、到底一遍にやるのでありまして、できないので、當然の權利というようなもの、普通の場合に脱退するのであつたならば、年金であるとか、その他いろいろな權利を組合員は得るわけなんでありますが、それができなくて、從來の掛金に感じただけのものは貰えずに、ほんの零細な二百萬足らずのものを、今まで當然得ておりました權利に對しましては、非常に少く貰つた。それにまつて按分というようなことは恐らくできなかつたのじやないかと思うのであります。長年勤めて、長年掛金をした者に對しては、誠に氣の毒であつたと私は感じております。ただ或る者が不當に澤山貰つたというようなことは絶無であつたと私は信じております。この共濟組合の清算の事務は、まだ續いておるのでありまして、私は昭和二十年の十一月一日に陸軍次官を辭めまして、その後自然共濟組合の清算事務というようなことについて關係を持つておりませんので、その後のことについてはよく存じておりませんが、先程もちよつと觸れましたように、滿州におりました工員その他未歸還の者につきましての給付の義務はまだ残つておりますので、それらのものは、いろいろの處分をしたりして、即ち病院を賣つたり、そういうようなことによつて事務が続けられております。そういう状態でありますので、巨額のものを當時誰かが取つたというようなことは絶無であると確信を以て私は申上げることができると思います。
#22
○證人(佐藤裕雄君) 只今申されましたところにつきまして、若干補足をいたします。
 先ず第一に、解散の手當というようなふうに、今の給付のことを御解釋になつておつたようでございますが、終戰當時やりましたことは、共濟組合規則に基きましての脱退の給付金でありまして、先程若松元次官から申されましたように、工員各人が當然自分の醵金したものを貰う権利を持つておるのであります。それを合法的に支給をしたということなのであります。それで工員各人は、自分の醵金したものを、共濟組合員を辭めるとき、即ち普通だつたら工員を辭めるときの脱退給付金として貰う。或いは非常に長い年月工員として勤めておつた者に對しましては、年金の給付を受ける。こういう規則になつておるのであります。それを當時におきまして解散をしなければならんという實情がありましたために、打切り給付しまして、先程申されましたような平均一人二百圓程度のものが給付されたわけであります。この脱退給付につきましては、全部標準がありまして、一定の標準と申しますと、當時約一億近くのものが財産としてあるわけでありますから、それを各人の醵出した金に對して一定率を乘じまして、その率で以て各人に支給をしたのであります。例えば加入後一年乃至五年の者に對しましては一〇〇%、六年未滿の者に對しては一一〇%、七年未滿の者に對しては一一二%、八年未滿の者に對しては一一四%、九年未滿の者に對しては一一六%、十年未滿の者に對しては一一八%、こういうふうに支給をしたのであります。それの平均が大體二百圓見當になるのであります。そういうことでございまして、當時におきまして、一人が巨額のものを取つたとか或いは途中で以て金が行方不明になつたというようなことは絶対ないと私は確信しております。と申しますのは、只今でもこの脱退給付の問題は跡を引いておりまして、第一復員局の中に共濟組合の残務整理部というのが携つておりまして、これが一々受領證なり何なりを全部集計しまして手許に集めておるのであります。そういう實情でございます。
 次に先程の有價證劵以外に何か處理するものがあつたかという御質問の點でございまするが、大體當時元の陸軍省で持つておりました金額が、総計しまして約七千八百萬圓ございます。その内譯は、細部の数字は省略いたしますが、當座預金として二百七十九萬圓、振替貯金として十一萬圓、信託預金として二千百四十七萬圓、有償謹劵として四千四百二十萬圓、通知預金として二百五十萬圓、定期預金として六百萬圓、その他入れまして七千八百萬圓の額になるのであります。その外に各地方の部隊が各人から醵出した金を持つて來た。それを持つておる。それから又その途中で辭める者に對して給付するために各地方の部隊が手許に持つておる金でありまして、それが約一千五十六萬圓、その外に先程申上げました病院、醫療施設等があつたわけでございます。當時解散のときに分配の細部の業務について、末端の方では相當非常に努力を要すると思いますし、又終戰になつたので工員がその儘出て來ない。行方も分らないという者へは、或いは一部支給洩れの者があるかも知れませんが、それは金額としまして集計して、先程申しましたように受領書を取つているもの以外のものは、當然これは残務整理部で以て保有しておるという状況に相成つておると考えております。
#23
○證人(式村義雄君) 私に御質問になりました本件措置を決定する前に上司に協議したかどうかという御質問であつたのでありまするが、實は甚だ申しわけない次第でありまするが、協議したと思うのでございまするが、はつきり實は記憶をいたしておらないのであります。と申しまするのは、お察しの通り終戰常時におきましては金融界、證劵界、その他各方面につきまして、實は非常に私共多忙でありましたのでありまして、各種の重要案件が山積いたしまして、實はてんてこ舞をいたしましたのであります。從いましてこの問題として決して輕視いたしたというわけではないのでありまするが、何と申しましても私に委任に相成つておりまする仕事でありましたので、上司に詳しく御相談申上げるという機會を實は得なかつたようにも思われるのでありまして、その問題につきましては、はつきりした記憶瞬ないことを誠に遺憾に存じまする次第でありまするが、一應その點だけお答え申上げて置きます。
#24
○山下義信君 證人の各位の御説明を承わりましたのでございますが、若干は了承をいたしました。私は共済組合の整理というものは、先程尋ねました言葉の中に、いわゆる解散手當のような意味の言葉を申しましたが、それは給付金なら給付金でよろしゆうございますが、そのときに急いでやらなければならん。直ぐに皆片付けてしまわなければならんという状況下にあつて、かかる處置をなさつたものとこう考える。然るに只今の御説明によりますと、今日尚その残務の整理をなさつておいでで、そうしてできるだけ組合員に缺けるところのないように公平的に處理をなさりつ、あるということを承りまして、この點極めて私は結構に思います。さようにゆつくりやつてもよろしい整理でございまするならば、終戰は八月十五日、本件は八月二十日、かかる場合に、急遽こういう御處置をなさつたということが腑に落ちないのでありまして、而もそのときにこういう有價證劵がどういう形の變動を來すかということはよく分つておる。誰にも分る。この當時の御關係者の中には、それが依然として終戰前と、少くとも相當程度の價値を持続するというような考をお持ちになつた方は一人もないと思う。これはもう反古同様になつてしまつた。これはただみたいになつてしまつたということは、あの敗戰の、降伏のあの状況下におきまして誰にも分る。その處置をお頼みなされた方も、その依頼を御承諾なされて御盡力なされた方も、よくお分りでなされた。而もそれを取急いでその場合になされたということにつきましては、我々が國民に代りましてこの官金の消費状況というもの、使用状況というものにつきまして審議をいたす關連で伺いました次第でございまして、私共はその時に早く金にして、早くこれを皆に分けて、早く處理をしてしまうという、そういう差迫つた場合に、他にいろいろ組合に分けてやる金の出途もなく、止むを得ざことでなされたのであろう。こう幾分は想像いたしたのでございますが、併しながらよく考えてみますると、當時の陸軍省といたしましては、尚十分のいろいろなお金もお持ちであつた筈でもあり、且つ又ずつと後々までいろいろこの給付金の清算というようのの事務をお運びになるというような前後の模様から考えまして、この措置はこれは餘程決算委員會といたしましても、十分審議をしなければならんごとであると、こう感ずる次第でございます。一言所見を申述べまして、質疑を打切ります。
#25
○千田正君 只今山下委員からも繊々お話がありましたし、先般來當時の責任の方々から事情も伺いましたが、私は大藏省當局に敢て一言お伺いしたいと思うのであります。ということは、只今ここの問題になつておりまするところの外地におけるところの有價證劵の殆ど全部というものは、御承知の通り閉鎖機關の名前の下に、すでに日本政府としてはどうにもでき得ない外國の所管事項になつておる。すでにこうしたものの庭分が零に等しい問題を、今取上げて當時の責任者をどうこう言うても仕様がない問題であるがごとく見えまするけれども、大藏省當局としましてはこれによつて生じて來たところの、殆ど收入があり得ないところの空の有價證劵を只今買上げて持つておるということの處置に對しては、如何なさる御所存でありましようか。補填する方法があるならば、どういう方法でやられるか。或いは當時の責任を追及するという處置に出られるのか。その點において大藏省當局の御所信を伺いたいと思います。
#26
○政府委員(愛知揆一君) 只今のお尋にお答えいたしますが、只今御指摘の通り、現在の状況におきましては、私は率直に申上げまするが、補填の途はございません。で、これは……ただ併しここで一言附加えて置きたいと思いまするのは、本件に限りませず、實は預金部といたしましては相當多額の保證債或いは外地債を持つておりますので、これは別途當國會におきましても御審議をお願いいたしまして御議決頂いておりまする預金部の損失補償その他虚理についての法律もございますわけでございます。相當多額の損失を負檐いたしておるようなことでございまして、その中におきまして御承知のごとく、郵便貯金、郵便年金その他につきまして、他の金融機關と同様に、第一封鎖等についてけ確實に預金の拂戻もできまするような別途損失補償の途を講じておるわけでございます。只今のお尋に射しましては、それだけを取上げて補填をする途はない。かような實情でございます。それからその次のお尋ねでございますが、實はすでに本件につきましては、會計檢査院の御指摘の通りでございますし、それから當決算委員會の分科會におきまして先般も申上げましたごとく、現存の大藏省といたしましてもまことに遺憾に存じておりまして、衷心から申譯なく存じておるわけであります。
#27
○證人(佐藤裕雄君) 先程のお尋ねの中に、まだ事務をやつておるのならば、まあどうせそんなに急がなくてもよかつたじやないかというような意味のこともございましたので、ちよつと釋明さしていただきます。當時團體給付金をやりませんと、各部隊が全部解散しなければなりませんので、各工員が自分の貰う金はどうするのかということになるわけで、どうしても急速にこれを處置してやらなければならなかつた状況でございます。又有價證劵は先程申上げました金額の中に相當多額を含んでおります。これを處置をしないと、どうしても内地工員に對する給付が殆んどできない。それから不動産或いは病院とかその他のものは到底當時において處分ができないという状況でございましたので、何といつても有價證劵だけが、私共としては當時の團體給付をやる唯一の財源だつたのでございまして、この點は只今はそれに漏したやつ、それから外地から歸つてくる者をぼつぼつ最後の仕上げをやつておるのでございます。尚當時私が主務課長としまして判断しました當時には、恐らくこの共濟組合そのものも今みたいなのんびり、のんびりと申しますか、今みたいに後までずつと延いて事務をやるというようなことは、實は考えられなかつたのであります。もう即日にも全部解散になつて、事務的にも何もできなくなるのじやないかというような豫測もあつたのでございまして、その點は只今から考えますと、残務整理がやれて、最後の結末まできれいになし得るということは不幸中の幸いだと存じております。
#28
○證人(若松只一君) 只今の釋明で大體お分りじやないかと思うのでありますが、私共の甚だ遺憾に存じますのは、當時豫測が付かなかつたために平穩にと申しますか、あまりがたがた騒がないで解散のできますように取敢えずの處置をいたしたのでありますが、今日尚やれるということを豫想し、その一ケ月後くらいに連合軍の指令にようてこれこれの有價證劵は無價値というようなことに決定されるというようなことは、私自身といたしましては、甚だ愚鈍にして豫測がつきません。がかる状況の下に廃置をいたしたのでありまして、できればよい處置を次々ととられることは、現在の状態として適當なことでございまして、今できるのだから、そのときにはそんなに急がんでもよかつたじやないかという御批難につきましては、私はそのままお伺いすることができないように存じます。
#29
○委員長(下條康麿君) 他に誰人に對して御質疑がなければ、それに對する質疑は終つたことと認めます。
 それでは昭和二十年度の決算につきまして、各分科の主査の報告になつらことにつきまして、御意見なり何かありましたらお願いいたします。
        ―――――
別段御意見もないようでありますから採決をしたいと思います。
   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(下條康麿君) それでは昭和二十年度歳入歳出総決算、昭和二十年度特別會計歳入歳出決算及び既往年度決算未確定金額の檢査を確定したものについて、各分科主査の報告通りこれを採決することに賛成の諸君の御起立を願います。
   〔總員起立〕
#31
○委員長(下條康麿君) 總員起立、各分科主査の報告通り決定をいたしました。それで委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、豫め多数意見者の承認を經ることになつておりますが、これは委員長におきまして、この委員會の模様を十分本會議に報告するごとといたしまして、御承認を得たいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(下條康麿君) それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたします報告書に多数意見者の署名を願いたいと思います。
   〔多数意見者署名〕
#33
○鈴木憲一君 委員長にお願いがあるのでございますが、この委員會の始まります頃に、大藏大臣が御出席になりましたときに、當時私がお願いしておつた件なんでございますが、經済界も非常にむづかしい時になつてきておりますので、決算を一年の終りにのみ、情況報告をせないで、月々或いは四半期毎ぐらいに、大體收支の状況を決算委員の方に廻して貰えないかというようなことを質問しましたところが、それは非常に結構なことであるし、大藏省の方としても、そういうようなことについて、關心を持つておるから、できるだけこれを報告をするようにするという話があつたのでございます。その當時いつ頃できるか。少くとも十月頃に第一回報告ができるだろうというようなことがあつたのでありますが、依然としてまだその儘なんであり、この邊あたりで一同是非各省或いは全體の状況を報告して頂いて、私達が國の豫算の收支状況を見て行くということは、大事なことではないかと思いますので、是非適當の機會に委員長からそういう會を開いて頂きたいと希望するも
#34
○委員長(下條康麿君) お答いたします。第一、第二四半期における豫算の使用状況は、今日大藏大臣と主計局長が來て説明することになつておるのですが、大藏大臣は何か閣僚懇談會で出られないそうでありますが、主計局長は來ることになつておりますが、まだ見えません。今日間に合いませんければ、次の決算の委員會がありますから、その趣旨を申述べて置きます。それでは委員會はこれで散會いたします。
   午後零時二十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           深川タマヱ君
           小野  哲君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           山崎  恒君
           千田  正君
           北村 一男君
           竹中 七郎君
           平野善治郎君
  政府委員
   厚生事務官
   (厚生大臣官房
   會計課長)   小島 徳雄君
   復員事務官
   (第一復員局經
   理部長)    遠藤 武勝君
   復員事務官
   (第二復員局經
   理局長)    初見盈五朗君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト