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#1
第004回国会 懲罰委員会 第2号
昭和二十三年十二月十三日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○懲罰権の適用範囲に関する調査の件
  ―――――――――――――
   午後二時十一分開会
#2
○委員長(太田敏兄君) それではこれから委員会を開きます。本日は懲罰権の適用範囲に関する調査の一部といたしまして、議院の懲罰権に関しまして、法規上の解釈につきまして法制局長及び事務総長等から一應の御意見をお伺いしたいと思います。
#3
○事務総長(小林次郎君) 今本会議に出る都合がありますので、簡單に申上げまして、詳しいことは委員部長並びに法政局長からの御意見の発表があろうと思いますから、とにかく私から申上げます。議員の懲罰の問題は憲法の五十八條に「院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。」とこういう規定があるのでございます。この憲法の五十八條はいわゆる議院の自律権を決めた法文でございまして、第一項は議長その他の役員の選任、第二項にこの両議院の規則制定権及びこの議員を懲罰する権能のことが規定してあるのであります。議員を懲罰する権は從來は議院法の九十四條以下に規定してあつたのでありますが、今度は新憲法になりまして、これを憲法の上に公認して、ただこの懲罰の種類その他詳細の規定を法律又は議院規則に讓つたのであります。國会法の第十五章に懲罰という章がございまして、それに百二十一條乃至百二十四條に手続とか、種類とかいうものを定めてあります。それを受けまして、参議院規則の第十八章懲罰という章に、二百三十二條から二百四十七條まで十六ケ條に亘つて詳細な規定があります。それで一体これを御覧になりますれば分りますように、院内の秩序ということが要件であります。それから議員に対してやるということになつております。それでその院内というのはどのくらいの範囲に亘るのであるか、或いは時間的に見て議会開会中だけか、それとも、それ以外に亘つてもよろしいか、或いは議院の体面を汚すという事犯はどういうようなことになるかというようなことについて、いろいろ議論もありますが、いずれにいたしましても、まあ我々としてはこの規定を見ただけでは実ははつきりしない点もあるのでございます。建前としてはやはり院内だけに限つておるわけでありますけれども、近頃のように國会の権限が非常に拡がりまして、外までも調査のために出張できるというようなことになりますと、やはりそういう場合には別に考えなくちやならんのじやないかと考えられるのであります。それから時間的に申しましても、一應は議会開会中でございますが、何か他へ出掛けておりまして、議会の閉会中調査のためにでも出ておりまして、何か事犯が、体面でも汚したというような場合も亦そこに考えなければならん問題が起るのではないかと考えるのであります。いずれにいたしましても、前例と申しましても、今度は新憲法の下においては両院ともまだ懲罰事犯の前例はないのであります。それで前の貴族院時代には一件ありそうになつて、そのままになりまして、なかつたのでありますが、衆議院には沢山懲罰の前例はあるのであります。それによりますと、大体初めは本会議と委員会ということに懲罰事犯というものの起る場所は限定されておつたのであります。ところが第五十回議会に、休憩中議場の脇廊下で森田という代議士が暴行を受けて非常に怪我をしたという事犯が起りまして、それの結果規則を改正して、議場ばかりでなく、或いは委員会ばかりでなく、議院内部においてという範囲を拡げた衆議院規則ができることになつたのであります。それで今度の小川氏の問題はどういうことになるかということになますと、これは私が言い漏らしたところ或いは法制局長から申上げることを御勘考の上適当に御判断を願う外はなかろうかと思います。大体私はこれだけ申上げましてお許しを頂きたいと思います。これから本会議に参りますが、よろしゆうございますか。
#4
○委員長(太田敏兄君) 今の総長の御意見に対して何か御質問がありましたら……。
#5
○事務総長(小林次郎君) それではこれから本会議の方に参りますから、何か細かいことで足りない点がございましたら、委員部長の方から申上げますか、或いは法制局長の方からお話があろうと思います。どはこれで退席いたします。
#6
○法制局長(奧野健一君) それでは私からちよつと……只今事務総長からのお話もありましたように、憲法五十八條の第二項と申しますものは、結局議院の各両院の自治権或いは自主性を認めた規定でありまして、即ち自分で、法律とかそういうものによらないで規則で以て院内部の規律を決めて、而してその規律に違反した議員をみずから懲罰することができる、いわゆる自分で自律的に規則を決めて懲戒をなし得るという規定でありまして、この内部規律に関する規則制定権を認めておりますものは、裁判所の場合にもあるわけでありまして、結局國会、裁判所がおのおの自主性を重んじておる規定と考えるのであります。そこで五十八條の第二項には「内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。」というので、ここに院内の秩序とありますので、この院内の秩序というのはどういう意味を持つものであるか、これを文字的に解釈すれば、或いはこの院の建物、少くとも構内といつたような物理的な意味に限定して考えることも一つの解釈かと思いますが、本來この五十八條の第二項というのは、只今も申上げましたように内部規律を決めて、その内部規律に違反すれば即ちその部内の秩序が乱れるわけでありますから、その秩序を乱した議員を懲罰に付することができるという規定と考えますので、この院内というのは、院の秩序或いは各議院部内の秩序を乱したものを懲罰することができるというふうにむしろ解すべきもので、院内というものを建物というふうに物理的に解すべきものではないのではないかというふうに考えております。この点に関する英文の飜訳を見ますと、院内というような言葉がありませんで、ただディスオーダーリー・コンダクトをパニツシユメントするということになつておりまして、いわゆる建物内といつたような言葉がありませんし、アメリカの憲法においてもやはりそういつたような制限的な規定も見付かりませんのであります。そこで現行國会法或いは議院規則等を見て見ますと、勿論懲罰事犯はこの本会議或いは委員会、或いは少くともこの建物の内部に発生することがまあ通例でありましようけれども、從つてそういう意味で規定されておる部分が多いようにも思われます。併しながら尚この國会法、参議院規則を見て見ますると、例えば國会法の百二十四條で、正当な事由なくして議員が参集しない、或いは招状を受けて正当な事由なくして出席しないというような者に対して懲罰に付するという規定があります。これは少くとも、その行爲は院外、建物の外で、建物の中に出席しないということで、行爲自体は建物外の行爲であります。又秘密会で公表しないということに決したものを外に洩した者に対して、参議院規則二百三十六條で、これ又懲罰事犯として懲罰委員会に付することになつておりますが、この祕密を漏洩するという行爲自体は勿論院内でもありましよう。建物内でもあり得るでしようが、多くはむしろ外部において、その祕密を漏洩するという場合が多かろうかと思うのでありまして、そういう場合に懲罰に付せられない場合はこの規定の意味がありません。そういうわけですから、こういう点を見ましても、現行法の下においても、必ずしもその院内という建物或いはそれに類するものだけに限らなければならないとするならば、これらの規定は憲法に違反する無効なものであると言わざるを得ないことになろうかと思うのであります。そういう意味で、結局必ずしも院内という言葉を物理的に考えないで、いわゆる院部内の或いは院の秩序を乱した議員ということに対して、懲罰ができるという意味に解釈するのが至当ではないかと思うのであります。そうして内部規則、いわゆる議院規則等におきまして、例えで議院の体面を汚してはいけないとか品位を重んじなければいけないといつたような内部規律を決めて置いた場合に、それに違反したというような場合は、即ち議員としての義務に違反したということになりますので、懲罰の対象になるのではないかとされた場合に、その行爲が建物外であるということは何ら懲罰には妨げにならないのではないかと考えます。從いまして議員派遣等によつて、派遣された出先において非常に院の体面を汚すような行爲があつたとするならば、その行爲は建物外ではありますけれども、懲罰の事犯となり得るのではないかというように考えるのであります。勿論こう申しましても、議員たる行動ではなくて單なる私人、一個人としての行動でありますれば、これは院内部の規律ということはそこに及ばないので、議員たる資格、議員たる行動についての内部規律を決めた場合に、これに違反すれば、やはり院内の秩序を乱したということになるのではないかというふうに考えまするので、現行の参議院規則等においては多くは会議、委員会或いは少くともその他の院内部におけることを目標として書いてはおりますが、憲法の趣旨からそれが必らずしも出たものとは思えないので、從來の議院法等から受けて來た規定であるというふうに考えますので、この五十八條の「院内の秩序」というのは、そういつた建物内といつたような窮屈な解釈でなくて、「院内の秩序」というのは、むしろ廣く解釈すべきじやないかというふうに考えておる次第であります。
#7
○参事(河野義克君) 先般本委員会で調査の承認を求められました懲罰権の適用範囲のことについてのことになるわけでありますが、それに関しまして総長の話されたことにつきまして若干補足いたします。懲罰権の適用範囲という問題は、その内容の点もありましようが、主としては場所的関係と時間的関係の二点に帰着すると思いますから、それについて御説明申上げます。
 第一、場所的関係即ち憲法にいわゆる「院内」の意義について申上げます。これにつきましては、参衆両院の規則には、ひとしく「会議又は委員会においての外、議院内部において、懲罰事犯があるときは、」云々という規定がありますから、第一にこの「院内」の意義が本会議場委員室のみでないことは明瞭でありまして、この関係からは、場所的限界として議事堂の構内が一應考えられるわけであります。併し他面國会法第百二十四條には、今法制局長も言われた通り、一定の場合に議長が特に招状を発し、その招状を受取つた日から七日以内に、尚故なく出席しない者は議長が懲罰委員会に付することを規定しておりますし、又参議院規則第二百三十六條は、國会法第六十三條に違反して、祕密を漏洩した者を懲罰に付することを規定しております。而しここの二点のうち、後者は物理的な意味における院外で起ることがあり得ると言いますか、むしろそれが多いでしようし、前者は必らず院外で起るわけであります。而してかかる國会法、参議院規則の規定が憲法に淵源することなくできているとは考えられませんから、これらの場合も憲法にいわゆる「院内」であること、從つて少くとも憲法にいわゆる「院内」は物理的意味における院外の場合があり得ることは認めざるを得ません。又議院の議決により派遣される議員の行動も、それが公のものであるが故に、その場合は院内の延長と考えて然るべきではないかとの説も立ち得るわけであります。ただ議員派遣の場合については、仮に理論上はそう考えられても、そのための規定を欠く現在としては、直ちにこれを懲罰の対象と考えることは如何であろうかとの説もあります。かように考えて参りますと、場所的な限界は相当拡張されるようでありますが、これらの場合が憲法のいわゆる「院内」と解釈されるゆえんのものは、招状に應じて出席しないことは、本会議と言いますか、その院に参集しないことであり、祕密漏洩のことは、本会議又は委員会の会議内容の漏洩、即ち院内の会議の漏洩であり、又派遣議員の場合は、院の議決により派遣され、院の公務に從事しているというふうに、いずれも院内の事柄と密接の関係がありますので、これを憲法上の「院内」と解釈し得るのでありまして、濫りに適用範囲を拡張すべきものではないと思います。
 根本的に申上げますれば、議員の地位は公選によつて取得されたものであり、國権の最高機関の構成者でありますから、その地位の喪失にも関し得る、即除名をなし得る懲罰権の範囲については、むしろ法規を嚴格に解釈すべきだと思われますし、又そもそも懲罰権は、各議院の國政審査の任務を達成する上に不可欠の要件である法規の遵法、秩序の維持をなし易からしめんがために設けられた一の自律権であると同時に、憲法第五十條の紊りに逮捕されることのない議員の権利、及び特に第五十一條の院外無答責の権利と密接な関係があるのでありまして、院内の議員に対しましては國の一般統治権が及んで参りませんから、それだけ議員が相互に自粛自戒し、苟くも不都合のことがあれば、これを懲罰に付そうということであります。從つてその半面、一般統治権の及ぶ院外の場合においては、先に申述べたような場合を除き、原則として議院の懲罰権は及ばぬて考えるべきではあるまいかと思われます。
 それから時間的関係即ち会期不継続のことでありますが、これは会期不継続の原則が懲罰案件についても適用があるならば、この根拠は國会法の六十八條でありますが、同條の適用ありといたしまするならば、例えば解散の直前に行われた懲罰事犯、或いは会期の最終日に行われた懲罰事犯は、未來永劫これを問題にする機会はなくなるというような点から、非常におかしいではないかというお考えが多いと思いますし、誠に御尤なことだと私も思うわけでありますが、これを沿革的に申上げますと、元來懲罰事犯を提起する期間というものは三日間であつたのであります。それで現在も議員が二十人以上で懲罰事犯の動議を提出するときは、やはり三日間という期限があるのでありますが、昔は議長の職権による場合も三日間であつたのであります。それが先程総長も言われましたように、廊下における行爲も懲罰の対象に含めるという大正十五年第五十一回議会のときの改正によりまして、議長が職権によつて懲罰委員会に付託する事柄については、三日間という制限を置かないということになつたのであります。從つて現在は議長が職権によつて懲罰委員会に付託する事柄については、期限がないわけであつて、つまりそのことは、会期中ならばいつでも議長はそういうことをなし得ることになるのであります。その半面やはりそのことについては、後会不継続の原則の適用があるのであろうというふうにまあ考えているわけであります。それでなぜそういうふうに考えるかと言いますと、やはり懲罰というようなことは、議院運営上非常にわだかまりを残すようなことで、これを長きに亘つて放置して、それが心理上その他いろいろな暗影を投じて議会の運営が面白く行かないというようなことがあるのを顧慮して、懲罰事犯がある場合には、一定の期限を画して、その期限内に何らの行動を取らないときには、それを一應流してしまう。それから議長の職権による場合に、事犯によつては相当の時間最な余裕を持たなければならんために、法規上期限を付さないという場合においても、懲罰案件を後会に持越すということは、議院運営上、わだかまりを残すことになつて非常に工合が惡い。從つて新らしい國会の会期に入つたときには、一應すべて白紙の恰好で、さらつとした氣持でやつた方が、議院運営上円滑に行つてよかろうというような配慮で、後会不継続の原則の適用があると考えているだろうと思うのであります。
 それともう一つは、これは非常に技術的なことになつて如何かと思いますが、例えば閉会の直行に懲罰事犯が起つたような場合には、その次の議会において若しこれをどうしても問題にしたいということであるならば、その懲罰事犯に対して事情調査のための特別委員会のごときものを作りまして、その特別委員会において、あの時こういうことをしたのはどういうつもりでやつたのかとか、それに対してどう考えておるかとか、いろいろなことを査問いたしまして、それに対して改悛の情顯著であると認めた場合にはこれを不問に付する、それから改悛の情が顯著でない場合には、そこに着目して、その会期の出來事としてこれを懲罰の対象に持つて行くというようなことが技術的にも考えられるので、まあ後会不継続の原則の適用を懲罰事犯に限つて、特に排除する必要もあるまいじやないかというようなことが考えられたのであります。尢も以前大権によつて帝國議会が開閉をされ、その開会期間も三カ月くらいであつて、その間閉会期間が臨時議会等もなければ、九ケ月にも及んでおつたときの議会と、次の議会との関係と國権の最高機関である國会の現在のような運営のもとにおける会期と、次の会期との関係を同一に考うべきかどうかていうことは、いろいろ問題がありましようし、現在の國会運営における会期と会期の関係を、それ程重要視すべきかというようなことについては尚いろいろ檢討しなければならん点もあろうかと思います。ただ從來久しく議事に從事しておつた我々、これは衆議院も同じように聞いておりますが、その我々は懲罰法規の沿革的経緯も考え、やはり懲罰にも一應後会不継続の原則の適用があると考えていいのではないかというふうに考えております。
#8
○委員長(太田敏兄君) 何か御質問はありませんか……それじや私から法制局長にお尋ねしたいのですが、國会法六十八條の「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。」というこの條文は、いわゆる懲罰権に対してもやはり適用されるというふうな解釈を下されるのでありましようか。
#9
○法制局長(奧野健一君) 会期不継続の原則というのは、只今御指摘の國会法六十八條でありますが、これはすでに案件になつておるものが会期中に議決に至らなかつた場合は、もうすべてそれは流してしまつて、原則として後会には継続しないというだけのことではないか、案件として起つた場合の議決に至らなかつたものを後から続けてやらないで、又新らしくやり直す、必要があればやり直すということだけでありまして、或る行爲が懲罰に値するかどうかというようなことについて、言換えれば、その会期中になされた行爲については、次の会期で懲罰にできないかどうかということは、ちよつと事柄が違うのではないか、すでに案件になつて議決に至らなかつたのは後に継がないというだけのことで、会期不継続の原則で、その行爲の時期如何によつて、その行爲のあつた時期の会期でなければ懲罰に付せられないで、その後の会期で懲罰に付し得ないかどうかというのは、この規定或いは会期不継続の原則ということから來るのではなくて、むしろ各事案々々について見るべきではないかというふうに想像しているのであります。成る程そういつて考えまするならば、第三國会の議場を騒がしたというような事柄、或いは第三國会に欠席してどういても出席しなかつたという事柄は、むしろ第三國会の議場とか、そういうことに專属的なものであつて、第四國会でそれを云々するというのはどうかと思うのでありまして、それはむしろ事の情質上、その議場を騒がしたという、その会期で專属的にむしろ始末すべきものであるとか、或いは第三國会に出席しないということに対する懲罰は、むしろその会期で処置すべきもので、その次の國会でやるということは、事の性質上むしろできないことがあるのではないかという、事の本質から論じて行くべきで、会期不継続の原則ということとはちよつと事柄が違うのではないかというふうに思うのであります。從いまして事の性質によつて、祕密漏洩というようなことにつきましては、その祕密にしようといつて、その会期中に祕密漏洩しなくとも、後の会期で祕密漏洩をしたら、やはりそれはあとの会期で懲罰に付していいのではないかというふうに考えます。その時期と会期、その時期と会期と言いますのは、行爲のあつた時期と会期というふうに一緒にして、会期不継続の原則というものがあるというふうに考えない方がいいのではないかというふうに今考えております。從いまして、ある行動が現に國会の体面を汚しておる、議院の体面を汚しておるとか、或いは品位を傷つけて現にいる徳いうことであれば、場合によつては、その会期以前の行動であつても、それが現在の議院というものの対面なり、品位を傷つけているという場合には、この問題にし得るのではないかというふうに想像しているわけであります。勿論その考えは、例えば衆議院の場合で、総選挙によつて、解散において、総選挙によつて新らしい議員になつた場合には、それはもう人格が殆んど違つたという考えから受継がないということが考えられますけれども、そうではない、ただ会期、会期の問題ということになると、ややそこが又違つて來るのではないか、継続して、継続した人格として秩序が紊されておる場合というのと、それから單にここの議場で騒いだとか、或いはここの会期における出席を拒んで出て來ないというのと、又それぞれその特殊性があつて、事の性質によつて違つて参るのじやないかということを考えますので、從いまして、若し仮に継続し得るものであつても、この懲罰の事犯について付託されて、審査中に会期が來てしまつたという場合には、やはり六十八條が適用になつて、そのままでは後会に継続しないということにはなるのであろうと思うのでありますが、そういうふうに、こういう実体と六十八條とはちよつと繋がりがないように一應今考えております。
#10
○委員長(太田敏兄君) そうすると、先程委員部長の会期不継続についての事由について御見解を述べられたのでありますが、その中には尢もと思われる節もありますが、まあ具体的に申しますと、議院の品位を傷つけるとか、或いは議院の体面を汚した、そういつたような問題の内容によりましては、会期不継続の事由に当らんということになりますか。
#11
○法制局長(奧野健一君) それは実は事柄によりまして、行爲が仮に前にあつて、それが知れないでおつて、今現われて発覚して來た。そういうことがあれば、これは今の少くとも院の品位が非常に傷害されておるということであれば、その行爲が前の行爲であつても、場合によつては、やはり取上げ得るが、これは何も六十八條の後会に継続しないとかいう問題とは少し事柄が違うのではないかというふうに思つております。
#12
○委員長(太田敏兄君) それでは今日は法制局長なり、事務当局からなりの見解を一應伺つたのでありますが、これに対して委員諸君の御意見はどうでしようか……それでは今日は関係者の方からの意見を聽取したことに止めまして、委員諸君のこれに対する討論は次の委員会に讓ることにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(太田敏兄君) それでは本日はこれで散会いたします。
   午後二時四十八分散会
 出席者は左の通り
   委員長     太田 敏兄君
   理事
           荒井 八郎君
           松井 道夫君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
          池田七郎兵衞君
           野田 俊作君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
  法制局側
   局     長 奧野 健一君
ソース: 国立国会図書館
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