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#1
第004回国会 大蔵委員会 第2号
昭和二十三年十二月四日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○製造たばこの定價の決定又は改定に
 関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○砂糖消費税法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○大藏省預金部特別会計外二特別会計
 の昭和二十三年度における歳入不足
 補てんのための一般会計からする繰
 入金に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○復興金融金庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○連合委員会開催の件
○國政研究会開催の件
  ―――――――――――――
   午前十時五十三分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。本日は提案をされておりまする諸法案の提案理由の御説明を願いたいと存じます。最初に製造たばこの定價の決定又は改訂に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたしたいと存じます。
#3
○政府委員(平岡市三君) 只今議題となりました製造たばこの定價の決定又は改訂に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由を説明いたします。
 政府は昭和二十三年度專賣益金として九百四十三億円を計上し、この益金を確保するため、あらゆる努力を傾注して極力たばこの賣行増進を図つて参つたのでありますが、四月から十月までの七ケ月間における煙草の賣上高は四百九十八億円でありまして、計画に比し九三%の成積であり、本年度煙草賣上予算千百二十一億円の四四%を賣上げたに過ぎないのであります。かかる煙草この賣上不振は、主としてピースが当初予定した通りの賣行を示さなかつたことに起因するものでありまして、このまま推移いたしますと可なりの專賣收入減を來すことと相成りますので、政府は当初の煙草販賣計画の内容を修正することといたし、ピースの販賣数量を減少してこれに代え、光「いこい」等の増産を計画し、これが賣拔きに邁進することといたしたのであります。ただ、このような対策を構じ賣行増進に努力いたしましても、尚遺憾ながら本年度專賣益金において予算に比し、約三十億円に近い不足を生ずる虞れがあるのであります。
 國家財源の極度に逼迫しておる現状におきましては。右の不足を克服いたしまして、專賣益金九百四十三億円を是非とも確保する必要がありますので、ここに政府は配給煙草の値上を断行いたしたいと考え、財政法第三條の規定により、この法律案を提案いたした次第であります。
 本案の配給煙草の値上案の内容は、「きんし」十本当り、現在十一円を十五円に、「みのり」十グラム当り十円を十五円に、「のぞみ」十グラム当り九円を十一円にそれぞれ値上げすることでありまして、明年一月以降実施することにいたしまして、本年度約三十億円の増收を計上することができるのであります。
 今回の配給煙草の定價改定案は、財政收入確保のため止むを得ない値上案でありますので、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを切望いたします。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がございましようが、御質疑は後に願いまして、次に砂糖消費税法等の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を願いたいと存じます。
#5
○政府委員(平岡市三君) 只今議題となりました砂糖消費税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。本法律案は砂糖消費税と物品税に関するものであります。以下順次簡單に説明いたします。
 先ず政府は、今回公務員の給與水準の引上げに伴う経費その他必要な経費の増加により、補正予算を提出したのでありますが、その財源の一部に充てるため、輸入砂糖に対する課税を復活することとしたのであります。即ち、輸入砂糖につきましては、それが主要食糧として配給されることに鑑み、特に砂糖消費税を課さないこととし、第二國会において租税特別措置法の一部を改正し、本年七月七日から施行したのでありますが、その後の食糧事情の好轉により、去る十月を以て主要食糧としての砂糖の配給は停止されることになりましたので、ここに右の租税特別措置法を更に改正し、輸入砂糖に対する非課税の措置を廃止しようとするものであります。併しながら砂糖は尚調味料として配給されることとなつておりますので、その消費者價格を適正にする必要を認めまして、從來の砂糖消費税の税率を若干引下げることといたしたのであります。
 尚煉乳製造の用に供せられる砂糖は從來免税されておりますが、それと同樣の性質を持つ育兒食の製造の用に供せられる砂糖に対しましても免税することといたしますと共に、主要食糧としての配給は十月を以て停止されましたが、未だその配給が完了しておりませんので、その分に対しましては從來通り非課税としております。
 次にサッカリン及びズルチンに対する物品税の税率を引下げることといたしました。即ちサッカリン及びズルチンは終戰後の甘味の不足を補うものとして一般から強く要望され、その價格が極めて高價なものとなりましたので、第一國会におきましてその税率を一挙に從來の五倍に引上げたのでありますが、その後砂糖の供給が増加して参りましたので、サッカリン及びズルチンの價格は下落し、現在の税負担に堪えることが困難となり、その生産に大なる支障を來すと共に種々の弊害を生じておりますので、今回その税率を適正に引下げることとしたのであります。
 今回の改正によりまして、砂糖消費税において本年度約三十億円の増收となる見込であります。物品税におきましては現在までの課税実績及び税率の軽減による供給の増加を考慮に入れますと、予算額に対し、減收はない見込であります。何とぞ御審議の上速かに協賛を與えられんことを希望する次第であります。
#6
○委員長(櫻内辰郎君) それでは次に大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案の御説明を願います。
#7
○政府委員(平岡市三君) 大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案の提出の理由を御説明申上げます。
 大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律によりますれば、大藏省預金部特別会計、國有鉄道事業特別会計及び通信事業、特別会計に対して、その昭和二十三年度における歳入不足につきましては、それぞれ四十五億七千九百九十七万九千円、二百九十一億七千四百万円、六十億二千六百万円を限度として、一般会計から繰入金をすることができることになつております。ところが今回提案にかかる昭和二十三年度特別会計予算補正特第一号に計上いたしました、政府職員に対する給與改善に要する経費につきまして、國有鉄道事業特別会計におきましては、更に十一億五百六十九万五千円、通信工業特別会計におきましては、更に九億四十三万七千円の歳入不足を生じ、又、食糧管理特別会計におきましても、今回の給與改善等の措置に伴いまして、新たに十二億千八百三十五万二千円の歳入不足を生ずることになり、而もこれらの特別会計の本年度における收支の状況に鑑みまして、この歳入不足は一般会計から補足する必要がありますので、法律第十八号に規定してあります繰入金の限度額を國有鉄道、通信の各特別会計につき、その歳入不足額だけ増額し、又食糧管理特別会計につきましては、新たに不足額の繰入れができることを規定する必要があるのであります。
 大藏省預金部特別会計におきましては、その保有する軍事公債の利子收入が本年七月以降分として約四億七千万円を見込むことができるようになりました等のため、今回の給與改善に要する経費を賄いましても、尚四億三千三百九十五万三千円の余りが生ずる予定でありますので、法律第十八号に規定してあります一般会計からの繰入金の限度額を右の額だけ減額する必要があるのであります。
 以上の理由によりまして、法律第十八号につき所要の改正をするため、この法律案を提出いたした次第であります。何とぞ御審議の方速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
#8
○委員長(櫻内辰郎君) 次は復興金融金庫法の一部を改正する法律案について提案の理由の御説明を願います。
#9
○政府委員(平岡市三君) 只今議題となりました復興金融金庫法の一部を改正する法律案につき提案の理由を御説明いたします。復興金融金庫法の改正につきましては、すでに数次に亘り國会の御審議をお願いして來たところでありますが、今回更に資本金増加のため同法の一部改正法律案を提案した次第であります。
 御承知のように復興金融金庫の資本金は、去る七月に九百億円より千三百五十億円に増加いたしたのでありますが、その際に申述べましたように、この資本金は概ね十二月までに必要とする資金を賄うためのものでありまして、最近の貸出の状況より達観いたしますときは、本年末より明年に繰越し得る債券発行余力は尚相当程度あると予想されるのでありますけれども、本年度末までの所要資金を賄うために今回更に百億円を増資いたしまして、資本金を千四百五十億円といたすことが必要となつて参つたのであります。
 復興金融金庫の資本金がかくのごとく巨額の金額に増嵩いたしまするにつきましては、通貨金融面に対するなみなみならぬ影響にも鑑みまして、國会初め各方面より種々御意見乃至御要望を承つておるところでありますが、もとよりこの点につきましては関係者一同深く留意し、苟くも放漫に流れることのないよう細心の注意と努力をいたして参つたのでありますが、今後の融資に当りましても、尚一層國家資金の取扱に彌が上にも愼重を期すると同時に、復興金融金庫の組織運営の上においても、適正確実な融資の行われ得るような体制を整備すべく鋭意準備中であります。
 復興金融金庫の融資は昨今依然として増加の傾向を辿り、十月末現在一般産業、公團を併せて九百七十三億円を突破するに至つておりますが、これが増加の理由を接じまするに、先ず産業界の資金需要の面から申上げれば、経済再建の根幹たる石炭鉄鋼、肥料等の重点産業をはじめ、その他産業における生産設備の復旧、補修、拡張等の計画が依然順調に進捗しており、かたがた本年七月には物價補正の行われた関係もありまして、各種企業の資金需要はいよいよ巨額を加えて参つておるのであります。併しながら公團につきましては、本年六月より全公團につき公團認証手形の制度を設け、市中銀行の蓄積資金の大幅の活用を期したのでありますが、これが予期以上の成功を收め、建設関係公團を除した配給公團の運轉資金はむしろ減少の傾向を辿つておるのであります。他方これら資金の供給面を達観いたしますと、再建途上の経済界の不安は必ずしも全的に拂拭せられたとは言い難く、各企業の採算状況は物價補正により概ね良好になつたとは申せ、先行きの見通し等よりいたしまして、自己資金の調達等は必ずしも容易とは申せない状況であります。又金融機関の蓄積資金も企業の要求する厖大且つ長期の資金を円滑に供給する余力を十分に持たないのが現状でありまして、これらもろもろの原因が加重して企業の復金依存の傾向を減少せしめないものと考えられるのであります。併しながらもとよりかかる復金依存の傾向は速かに是正を要するところでありまして、政府といたしましては他の施策と相俟ち、でき得る限り復金融資の節減を図り、努めて市中金融機関を活用する方向に推進すべく努力いたしておるのであります。
 今般の増資額は冒頭に申上げましたように、本年度末までの所要資金を充足せしめるためのものでありまして、第三四半期資金貸出の趨勢を見ますと、石炭関係一般設備並びに炭住資金の貸出は、起業許可の関係により相当遅延しておるほか、紐付融資の励行等により実際の融資が若干遅延しておりますので、第三四半期の債券発行余力、言換えますれば第四四半期において発行し得る債券は、現資本金においても当初予想いたしましたより多額に上ることが予想されるのであります。併しながらもとよりそれのみを以てしては先程申述べましたように巨額に上る産業資金需要を賄い得ないのでありまして、それに今度の増資額を加えまして本年度末までの資金需要に充てんとするものでありますが、生産計画の進捗と物價補正の影響の本格化等を考慮いたしますときは、甚だ窮窟な金額と存ずるのでありまして、政府といたしましてはこの際從來の融資方針を相当修正し、融資に当つては嚴格な査定方針をとると共に、いわゆる経済三原則の精神を堅持し、飽くまで健全金融の方針を貫徹いたしたいと存じております。
 次に從來ややもすれば遺憾の点のあつた復金融資の管理監査回收の問題でございますが、この点につきましては復金の管理監査の両部が中必になりまして着実な成績を挙げておりますが、近く官廳が主体となりまして復金からの借入金一億円を超える八十三商社の監査を嚴重に行い、融資金の使用状況の不適当と認められるものについては、断乎たる処置をとることといたし、資金の効率的運用に格段の配慮をいたしたいと存じております。
 御承知のように復興金融金庫の資金は殆んど復金債券の発行によつて調達しておるのでありまして、債券消化成績の如何は直接通貨膨脹に影響いたしまするに鑑み、当事者一同極力これが消化に努力いたしておる次第であります。併しながら金融界の資金不足により十分の消化成績を挙げるに至つていないことは、誠に遺憾に存ずる次第であります。
 最後に復興金融金庫に組織並びに運営の問題につきましては、金庫設立以來の経驗に鑑みまして、各方面よりの熱心な御意見も十分参酌いたし、関係当事者間において愼重に檢討を行なつておるのでありますが、間もなく成案を得て御披露する日も遠くないものと確信いたしております。
 今般提出いたしました復興金融金庫法の一部を改正する法律案は、以上の諸種の事情を十分勘案の上、差当り本年度末までの資金の最少限度を見込みまして、資本金の増額を実行いたすためでありまして、現在の資本金千三百五十億円を百億円増加して千四百五十億円といたすことを適当と考えたのであります。
 以上復興金融金庫法の一部を改正する法律案につき提案の理由を説明いたしましたが、何とぞ十分御審議の上速かに御賛成相成るよう希望いたします。
#10
○委員長(櫻内辰郎君) それではこれより製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、御質疑がありましたならば御質疑を願いたいと存じます。
#11
○小川友三君 製造たばこの定價改正の法律案でありますが、政府は「きんし」を十一円を十五円にする、そうして「みのり」を十円を十五円にして三十億前後の増收を図りたい、その原因が六十円のピースが、成績が不振であつたからそうするのだというような意味にとれるのでありますが、この値上げ問題ですが、むしろ値上げすると共にピースを値下げして行くというような方針をなぜ政府はお立てにならなかつたかということを先ずお伺いいたします。
 政府の煙草の現在の本年度全体を通じての賣上げ見込みというものが、この表で見るとまだ五〇%前後の成績であるというようなわけであります。そこで増收を図るということは、極めて必要な健全財政であるということは、何人も認めるところでありますが、煙草の販賣につきまして政府に非常な手抜かりがあるのであります。もつと煙草は賣れます、現在のままで……。それを政府は小賣業者を限定いたしまして非常に小賣業者が少い、少いから買う人が面倒くさいから、まあ喫わないで、我慢してしまうというような態勢を相当にとつております。そこで業者をふやす、うんと業者を現在の二倍に増やした場合は賣上げは予想を突破するということは想像できます。それを旧來の小賣業者にへつらいましてなかなか増やしてくれないので賣りたいが賣れないというような状態が、全日本の小賣商店街を通じ或いは農村の商店を通じての現実であります。そこで煙草の販賣というものは一体賣れる量が八〇%であつて、商店がストックしておる量が二〇%になつておると思いますが、小賣業者の量を現在の二倍、三倍、四倍、五倍ぐらいに持つて行きます。そうしますると相当の量を小賣店がストックして呉れます。ストックするということはすでに販賣が成功しておるわけですから、如何に小賣店に多くストックさして、現金を回收するかという見通しがつけられたわけであります。現在小賣りをしておる業者が日本に何軒あるか、恐らく五十万軒はないはずである。五十万軒の小賣業者に対しまして五千円ずつストックすれば、二百五十億円というストックができのでありますから、それだけ現金がすぐ回收されます。それで五十万軒程度の小賣店業者を作らなければならないということを提唱いたします。恐らく十五万か三十万未満の小賣業者であると思います。それでその点をお示し賜りたいと思います。
 それから「きんし」が十一円を十五円に上げるということですが、これは思い切つて二十円に上げた方がよいでよしう。五円札というものは惡い紙で持つて歩けないから持つていない。それで十円札二枚で調えるというようにするのがいい。これを十五円にしてやたらに生産されると、ピースを喫う人までが三分の一で済むからこれを買つてしまうということになつて、結局政府の予想はジレンマにおちて賣上げは増して行かないといつたような形になります。この際一挙に二十円にして「みのり」は十五円でよいと思いますが、こういうやり方をしていつた方がよいと思います。小賣業者に沢山ストックを持たせるために、小賣業者をうんと増すという方法、これは四分儲かるからよい商賣です。所得税はかからないし四分という利益は非常によい商賣ですからこれは行商させる。闇屋がうんと失業しておりますので闇屋を動員して「たばこ」を賣らせて歩くという方法をとつた方がよいと思いますが、それに対しまして政府の御所見をお伺いします。
#12
○政府委員(原田富一君) 只今のお尋ねにお答え申上げます。配給煙草の値上げに関連しましてピースを何故値下げをしないかという第一点の御質問でありますが、ピース六十円という値段は、お話のように大体割高だと思います。六十円という値段が五十円を十円上廻つたために勘定が非常に工合が惡いという点もありまして、賣行きが私共が最初予定をいたしましたように行きません。それでそれならば、これを値下げすべきかどうかという問題になりますが、いろいろ調査をいたしまして、やはりピースの愛好者というものが相当あるように私共調査の結果ではなつておるのであります。ピースは最初九十億本を一年間に賣る予定で、この九十億本という数は、本年度の煙草の販賣予定数量の全体が五百五十億本でありますが、その中の九十億本というものは非常に大きなものであります。これを六十円で賣るというのが私共の見込みが間違つたので恐縮でありますが、無理だつたのであります。併しこれを値下げすれば賣れるかも知れませんが、値下げをすれば全体の收入金額の上で減ります。又ピースの愛好者も相当ありますので、私共は値下げをしないでこれを相当数量減らして、減らした数は製造の関係もありますが、できるだけ「ひかり」以下に振替えますと同時に、又最初の製造の予定数量も殖やしまして、全体の金額では落ちないように塩梅したいと思つて、そういう案に変えて実行しておるのであります。ピースは相当思い切つて減らすことにして定價は從來通りにやつて、愛好者にはやはり從來通り消費して頂く、こういう考えで進むことがいいのではないかと思つておるのであります。
 それから第二点の販賣の増收案の一つとしていろいろ貴重な御意見を伺いまして大変有難いのでありますが、業者を殖やす点は私共もそういう考えで実はおるのであります。小川さんは今五十万くらいは必要だというお話でありました。現在は十一万ちよつと十二万足らずでございます。ただこれは今販賣の手数料が定價の四分であります。これは尢も所得税はかかるのであります。いろいろ考えようによつて四分が多いか少いかということもありますが、相当沢山賣れれば相当の利益がありますけれども、そんなに賣れんというとそう樂とはいえないのであります。そういう手数料との関係もありますしそう一時に非常に沢山殖やすというのも如何かと思うのでありますが、繁華な所では相当賣行きを示しておりますのでできるだけ殖したい、こういう考を以て現在進んでおるわけでございます。又小賣人の人数を殖やすということもそうでありますが、小賣の店を殖やすということを多く考えなければならん、支店を殖やすなり、或いは小川さんからお話のございました出賣り制度というものも、專賣制度でもできるのであります。例えば劇場の中とか、野球場の中とか、競馬場の中、そういう所で出賣りということを專賣局が認めてやる、そういうことで一面においては、闇商人をも排撃しよう、こういうことを今やつておりますが、尚それを一層奬励してやるようにいたしたいと思います。
 それからストックを増す点について、そういうふうに店舗を増し、小賣人を増すという外に、尚專賣局から小賣人に、煙草を賣渡すのが大体月に何回という予定を作つてやつておるのであります。尢も所によりましては一應予定は立つておりますが、予定以外の日でも自由に賣るということをやつておりますが、その賣渡し予定日を成るべく殖す、或いは專賣局の方から小賣の店まで直接持つて行つて配給する、これは昔やつておつたのですが、戰爭中からいろいろ人が足りなかつたり配給する車が足りなかつたりして、十分にやつておらなかつた、これをできるだけやつてつまり回轉を早くするということが、全体の上で見るとストックを増すということにもなります。そういうことを考えて増收の方策を今やりつつあるのでございます。
 それからその次に「きんし」を二十円にせよというお話でございますが、実は今煙草の増收で一つ非常な障害になる問題が、御承知の闇煙草の氾濫でございます。これは非常に司令部の方面でも関心を持つておりまして、應援して頂いて今馬力を掛けて取締りに当つておるのであります。田舎で煙草耕作者の作つた葉煙草がいろいろな形で横流れをして、それを刻んで巻煙草にして賣つておるのが多くあります。最近は取締りの結果割合に都会には少くなつたのではないかと思いますが、田舎ではまだ相当あるのじやないかと思われます。現に葉煙草のいろいろの流れを掴まえておる実状から見ましても相当あるのでありますが、そういうふうな闇でできた煙草が十二三円最近は上りましても十四五円のところでどうも出ておるように思われるのです。今こういうふうな「きんし」あたりを二十円にいたしますと、その闇煙草に対する影響がどうなるかということを非常に私共恐ろしいと考えております。二十円にしても東京あたりは勿論賣れると思いますが全体のことを考えるとそうもいかんと思うので、今のところ十五円が最上のところではないか、そういうふうに考えております。
#13
○天田勝正君 前の第二回國会におきましても、煙草値上げの問題が出ましたとき、実は社会党である我が党も内閣に入つておつても、尚且つ私共は席を立とうかとすら考えたときがあつた、併し國家財政全般から見れば、そうただ感情だけで動くわけにもいかんので、審議したわけなのですが、そのとき專賣局長官の約束は、配給煙草を殖やすということが先ず前提でございました、然るに今度値上げをするという御提案になつて、その半面に配給煙草は更に量を殖やすというお話はなかつたのであります。その点はどういうことでありますか。
 それから次はこの中に「のぞみ」でありますが、これは一番望まない煙草であります。これは一銭たりとも値上げは私は反対するのであります。皆なこれには閉口しておる筈です。これも含めて一体値上げをしようというのはどういうお考えであるか。
 それから闇煙草の問題でございますが、これは前の値上げのときも私は指摘して、確か製造部長だつたと思いますが、御答弁頂いたのを覚えております。当時はまだ如何なる訳に参りましても、堂々と闇屋が氾濫いたしておりまして、盛にピース、光等を賣つておりました。その当時は必ず、專價局の許された店から買うよりも、五円乃至十円高い、こういうとこは通例であつたわけです。ところが配給煙草が殖えるということになり、それから自由煙草をどんどん專賣局が出して來るということになりましたら、今度は逆にそれで定價よりも下つて來た。当時ピースは四十八円というのを私は覚えております。非常に不思議であつたので、新橋駅頭の闇屋と仲よくなりまして聞いて見ましたところが、一体どこから出て來るのか、こういうものが定價よりも安く賣れるということはおかしいじやないかと言うと、それは專賣局から出ますとあつさりした答えです。この点について私はこの委員会で申上げたことがあるのです。それでは現在はどうなつておるかといいますと、私共は普通の勤め人のごとくこの建物の中に來てしまうので世間のことに暗くなつて來るのですが、たまたま要するに喫茶店等に行つて見ますると、昔は堂々と賣つておつた闇が今度は逆に地下へ潜つたという形で、そういうところで何なり廣く取引されておるようであります。このような点を若し防遏できるならば、私はさして心配がないのではないかというふうに考えるのですが、ラジオ等を聽いておりますると、相当專賣局も眞劍になりまして、関係方面の應援を得ながら取締に当つておるようであります。併しながらその取締の対象というのは、御承知の葉煙草の生産地から流れて來るその道を防遏するように努力されておるのでありまして、逆に自分の足下の方にはあまり御熱心でないように思いますが、そういう点についての対策は立つておられるのでありますか。
#14
○政府委員(原田富一君) 最初に配給煙草の増配の問題であります。これは天田さんのおつしやつた通り第二國会で値上げが御審議になりましたときに、私共できるだけ製造を予定の数量より殖やすことに努力しまして、下半期に入りまして成るべく早い機会に家庭配給の増配をしたいということを申上げたのであります。実はこれまで上半期の製造の実績を見ますると予定より多少でありますが引込みました。これはいろいろの関係があつたのですが多少引込みまして、下半期増産計画で十月は予定より多く行つております。それで今のところで見ますと大体の見込では、一月から從來の五十本を六十本にする見込みをいたしておりまして、大体できることと思つております。十本の増配をいたしたいと思つておりまして、特別の支障がない限りは一月から六十本にしたいということで進んでおります。
 それから「のぞみ」の問題でありますがおつしやる通りに、「のぞみ」は非常に私共申訳ないので、最初は今年のうちに「のぞみ」をなくすることにいたして進んでおつたのでありますが、遺憾ながらいろいろの準備がそれまで参りませんので、今のところではこれは正直に申上げまして、來年の夏くらいまではまだ「のぞみ」があるような状態で、非常にこれは遺憾に思つておりますが、煙草の紙巻機の増産を急ぎまして、できるだけ早く「のぞみ」をなくしたいと思つております。「のぞみ」を値上げすることはおつしやる通り成るべくいたしたくないのでございますが、最小限度二円の値上げを止むを得ずいたしたいと提案いたしたような次第であります。できるだけ早く「のぞみ」をなくすようにいたしたいと思つております。
 それから闇煙草の問題につきまして、專賣局が自分のところから流れるものに対する取締はどうかということでありますが、この点は誠に御尢もな点で私共非常に苦心し、たとい少しでも專賣局の工場なり倉庫からそういうふうなものがなくなるように、実は一生懸命やつておるわけであります。いわゆる世間的な宣傳やなんかでは、汽車の闇屋さんの担いでおるものを捕まえたりなんかやつておりまして、工場から職員なり從業員が帰るところを一々檢査しておることを、一般的には宣傳いたしておりませんけれども実は嚴重にやつております。これには労働組合なんかも非常に眞劍にやつておりまして大体工場から帰るとき一々檢査しておりますが、專賣局の取締員、これは職員でありますが從業員の方といつしよになりまして、男は男の人がやり女は女の人がずつとやつておるのであります。これにしましても間々不心得の方が遺憾ながらありまして、そこを通らないで何とかして潜るというような途を考えてやつていることもあるようであります。これはいろいろな面からやつているのであります。できるだけこれはもう本当に嚴重にやりまして、そういうものはたとえ少しでも絶滅するということで一生懸命やつております。組合も非常に努力してやつておりますが遺憾ながら不心得な者があります。又ちよいちよい盗難等がありましてそういうところから流れる例もあると思います。どうもピースが定價より安く或いは定價で闇賣されているということは、どうしてもそういうふうな変な途から來たものに違いないのでありまして、こういうことは私共としても誠に責任上申訳ないと思つて、できるだけ早く絶滅することを考えております。
#15
○天田勝正君 今お話を聞きまして相当部内でも取締つてるという話で、確かに自分たちの見る目からいたしましても元のように堂々というやり方がなくなつたのでありますから、恐らく功を奏して來たのだろうと思います。ただこの前御指摘申上げたのは私が直接実は聞きに行つたのであります。新橋で聞いてそんな馬鹿なことがあるのかと思つて聞くと、田町に行けばざらだ、それで行つて見たところがそれはそこら中でやつておりますといつたようなことを聞いて、第二回國会でもその点を多分部長だと存じましたが御注意申上げた。現在も恐らくずつと減つてはおりますけれども併しないのではなくして、確かにピース四十八円というのを私も見ているしカフエーなどで賣つているのも見ております。そういうことからいたしまして一段の一つ御努力を願いたい。
 尚これはこんなに煙草の値が上らない先もそういうことがあつたのでありまして、これはたまたま私業平橋の專賣局の直ぐ傍におつたとき、路地を通つて毎晩不審な人間が行くのでどうも不思議に感じておつたところが、さつぱり近所でも別に物を盗られる樣子がない、段々不思議で調べて見ましたところが、塀越に煙草を中から抛るのであります。そういう手もあるのでやつておる人から見るとこのようなことを言うと甚だお氣の毒なことになりますけれども、内部の人が外へ廻つて内部の人と連絡してそういうことをやるのかもしれませんが、すでに二十年前の安い時分ですからそういうことがあつたということからして、こうなれば必ずそういうことがあるのですからして、こういう点を十分更にもお氣を付け願いたい。
 ピースなどはどこで賣れないかということの統計があれば非常によいのですけれども、恐らく統計がなくても田舎に行く程どうにも始末のつかないことじやないかと思う。そこで買い得るところの都会でさように闇煙草を安く賣るということになれば、買う範囲の人たちの蝟集している都会で賣れないということになると、結局全國的に賣れないということになると思うのです。
 それから曽て新生とハツピー、恐らく名前を変えたと思いますが、この新生の不評によつてハツピーができた。新生も値段が下つて來た。そういうことで殆んど新生の不評というものは一掃されまして、今度新新がえらく出るようになつたことは御承知の通りであります。從つて値ごろ頃合いということでそう不評にならないで品質のこともいわれなくなる、こういうこともありますので、これはもう小川委員が先程「きんし」を十一円から一遍に二十円に上げろということをおつしやいましたがこのことは以ての外だと思います。このこともせめて配給されるうちでは紙巻として唯一の安い値段でありますから、そうした一つの望みを持たせるように、これ亦やはり十一円ぐらい、一つぐらいはサービスがあつてよい筈でありますから、この程度でお上げにならんように、何とか他の面で一つ御工夫願いたい。例えていえばピースでも五十五円に下げればそのくらいは何とか捻出できるというふうに考えるわけであります。この点のお見込はどうなんでしようか。
#16
○小川友三君 只今天田先生から「きんし」の二十円案は以ての外であるというお叱りを頂載しましたのに関連しまして申上げます。甚だどうも同じ埼玉縣選出議員で……(笑声)これは問題でありまして、「きんし」は、実は埼玉縣ですが、どこの煙草屋さんを捜しても一本も賣つておりません。これは長官が氣をきかせまして引合わないのだから「きんし」は出さないようにして置こうということで生産をうんと低下しておられるのだと思います。又値上をする準備でストツクしておられるのかとも思いますが、「きんし」は煙草屋どこを捜しても賣つておりません。私は家の前が專賣局の出張所ですから、いつも監督し煙草の状況を見ておるのでありますが、実は天田先生おつしやいましたが十一円といつても全然出ていないのです。國会には一日十本出ておりますが國民は「きんし」という煙草ないものと締めております状態でありますので、その点天田先生にお叱りを受けましたが、お詑び旁々状況をお話申上げまして了解を得たいと思います。又私は無意味に二十円にして呉れというわけではありませんので、三円でも構わないのでありますが、併し國家財政と公務員の諸君が口を明けて持つておるいわゆる新賃金ベースというものと睨み合せますときに、煙草を喫える人が三円でも五円でも負担し合つて國家公務員の生活を維持してやろうという建前から二十円案を出しましたのでありまして、公務員をお救い申上げる、特に社会党に投票する人の多い國家公務員さんを救うために、金持の連中も「きんし」を買つて應援するという建前でございますから、どうか天田先生お叱りなくお含この程お願いいたします。ちよと関連しまして申上げて置きます。
#17
○政府委員(原田富一君) 天田さんの御質問でございますが、実は提案理由でも説明がありましたように本年度の專賣益金は、上半期と申しますか今日までの賣行状況から申しますと、正直なところ三十億程度の収入減が予想されまして、これをこのまま抛つて置いて歳入減として置くことは、今日の日本の財政上忍び得ないところでありまして、何とかして專賣益金が予定通りに行く方法はないかと思いましていろいろ研究いたしたのであります。結局專賣益金と申しましても煙草以外の塩、樟腦は殆んど収入の点では現在のところ問題にならない。煙草といたしますと数量を殖やすか値段を上げるかということに結局落付く。数量の問題は先程ちよつと申しましたように上半期では予定に比べて三%ちよつとのところですが減、これは下半期に大体回復できる見込でありますから、数量の点については大体予定通り行く。
 さて値段の問題にいたしますと、御承知のように、この前の第二國会でお決め願いましたピースの六十円から十円刻みで二十円まで、これは闇煙草に対する関係や何かもありまして、十円刻みの値段にして適当に「きんし」を出しましたならば或る程度闇値に対抗できるということも考えられ、併せてそれによつて増收を図つた、こういうことを考えております。自由品について値上することは今のところちよつと無理でありまして、自由品の安い品物をちよつと値上げしても、そこに或る程度穴があくように思うわけであります。ということで結局配給品の問題になつたのですが、配給品といたしましてもこれはまあいわば必需品でありまして、これは余り値上することは勿論いかんと思いますが、最近のいろいろな物價の情勢なり今度の賃金ベースの改訂等を考えまして、大体これはこの程度に上げても國民生活にそうさしたる影響もない。そうしてこの程度値上げすれば大体三十億ばかりの増收が期せられるので、これは予定される減收というものをこれでカバーされる、こういう考で案を決めたような次第であります。
 それから小川さんからちよつとお話がありましたが「きんし」が少いということは、いろいろの事情で「のぞみ」がまだ相当ありますし、それから又輸送等の関係でうまく行かないで「きんし」がいつも不足がちになるかと思います。埼玉縣の加須町に特に「きんし」を少く持つて來ることは私も十分事情は分つております。
#18
○天田勝正君 私がここで申上げたいのは、專賣局ではピースの製造を「ひかり」の製造に切替えたということは新聞に出ておるわけです。それが違うなら別でありますけれども、そういうことでありますればやはり多少單價は違うといたしましても、この前頂戴したように製造價格というものはそうえらい違いがあるものではないのでありまして、從つて今度はピースの代りというてはなんですが、「ひかり」に力を注ぎまはということで、結局五十円でも沢山賣れればというのがそこに現れておるのでありますから、ピースにしましても何らかの措置をとつて賣上げが増すということになりますれば、このような配給煙草の方を値上げしないで済むのじやないか、こういうふうに考えるわけです。
#19
○政府委員(原田富一君) ピースを「ひかり」以下の自由品に切替えましても、ピースは六十円でそこに十円の開きがある。ちよつと計画を申上げてみますと、最初ピースの本年度の計画数量では九十億本であつたのですが、これが只今変更した計画で申しますと、五十二億本ばかり減らして三十八億本にする予定であります。それから「ひかり」は三億二千万本の最初は予定でありましたがこれを五十一億本にする予定であります。「いこい」が二十億本の予定を二十四億本、ハッピーが四十四億五千万本の予定を五十二億本にする。「しんせい」が三十三億の最初の予定を三十六億にすることにいたしております。これが製造関係がありまして太巻と細巻では機械が違いますのでそう自由にもできませんし、原料関係から申しましても手一杯のところで、先も申しました三十億円の減收をカバーするために増收を考えるとすると、どうしても自由品では出てこないような状態でありますので、止むを得ず配給品の値上を考えたようなわけであります。
#20
○小川友三君 煙草問題で政府が赤字になるというので非常に苦労していらつしやいますので、ここで論議がその点に大分盡されておりますが、前に申上げました通り煙草を余計賣るということは造作ないことでありまして、三十億くらいのはした金で苦労しておる政府は、もつと大経綸を立てる必要があります。今十一万から十一万数千のこんな少い販賣店で八千万の同胞に供給をして行くということに大きな欠陷があります。そこで販賣店のケースを殖やすといういわゆる商業政策を立てなくちや違いますので、商業政策が樹立していないわけであります。煙草が欲しかつたら一里或いは二十町も歩いて買いに來いというような官僚的の建前をとつておりましたから、そうしたいわゆる長官のおつしやつた通りいろいろぐらぐらしておるというのであります。政府が立てた販賣目標は一千百二十一億ということでそれを突破して二千億賣つちやつたといつても差支ないのでありますから、そうするには十一万軒のいわゆる販賣ケースというものを十倍に拡大する、いわゆる政党でいえば党勢拡張運動をやる、百万戸くらいに販賣ケースを殖やして行く。そうすると百万軒の販賣店は募集すれば勿論突破してしまいます。なぜ突破するかといえば、煙草の利益は少いがあそこで煙草を買つた序でにマッチを買う、その序でに靴下を買う、その序でに「りんご」を買つて來てしまうというので、外のものを賣りますから、煙草を儲からなくても、うちは信用があるから專賣公社で煙草の指定になつたというので、サービス品で「たばこ」を取扱つて外のもので利潤を上げるというのが販賣業者大体の目的ですから、十倍に拡大するという案を立てますと、一軒で一万円づづは平均買いますから、百億という煙草が直ぐ消化することができます。我々もどなたも同じですが煙草をポケットに持つておれば喫います、なければ爪楊子でもくわえておる、ひどい人は齒糞でも堀つておるというふうになつて、あれば直ぐ喫う。この販賣ケースが多ければ多い程余計消化されます。つい煙草を賣つておるんだから儲けだけ喫つてしまえというので、販賣店が十販になりますと殖えた連中は儲けだけ喫う。けれども終いには「きんし」なんか安つぽいからピースを喫つてしまえというわけで喫うというようなことになりまして、販賣は恐らく二千億くらいに行くと思いますが、二千億いわゆる十割突破くらいは造作ないと思います。これを是非実施して欲しい。幸いに賢明なる政務次官と賢明なる長官がいらつしやいますのでそこは積極的にやつて貰いたい。
 もう一つ販賣を増進するために申上げたい。我々はポケットに外國煙草を持つております。これはその氣持を心理的に解剖して見れば、いい煙草を喫つておるんだという簡單な氣持です。それは一箱二百円くらいで買つて來ます。又至るところで内緒で賣つております。それに打つ手を政府はとつていない。そこでそれを好きな人はプロ・ソ連、プロ・エチオピヤ、好きな人はプロ・中華、プロ何々、プロ・アメリカという工合にいろいろな國々の好きな人がいますから、そうした名前を付けた高級煙草二十本二百円でも樂に買う人は沢山おる。この人が或いは百億も三百億も買うでしよう、消耗してくれるでしよう。高級煙草の專賣公社でも作るという建前をとつた方がよいと思います。俺の方は安い煙草しか作らないんだということでなく、いい煙草二十本二百円くらい出しても何十億という賣れる見通しがありますから、政府はそれにつきまして関心を勿論持たれておると思いますが、高級煙草、包裝も立派であり又中味も砂糖が入つておつていくらか立派だというようなものを作る計画を立てた方がよいと思いますから、それに対する御所見を伺いたい。
 それから販賣ケースをうんと殖やそうという方法を勿論実行して貰いたいのであります。これは官公吏の給與ベースを人事院が六千三百円とやつておるのを七千円も出したい、八千円も出したいのでありますから、それは收入が増えなければ出せないのですから、どうしても收入が増える方法をとにかく專賣公社で工夫してやれば直ちに実行できるのでありまして、長官の使命は極めて重大ですが、これに対しまして本当に眞面目なお考えを賜りまして、御所見を一つお述べ願いたいと思います。
#21
○政府委員(原田富一君) 小賣の店舗を増す貴重な御意見を拜聽いたしまして十分考えたいと思います。
 高級煙草の問題でありますが今ピースが專賣局の一番高級煙草であります。私共も御説の通りにできるだけいい立派な煙草を作りたいと思つて今努力しておるでありますが、何と申しましても一番元は原料でございます。昔ホープやチェリーを作つておつた時代にはアメリカのヴァージニア葉が五割以上入つておりました。現在でも米葉と申しますのはアメリカ種でそれもずつと古く輸入したのでやつておる。今のところ遺憾ながらアメリカの葉程のいい品質に行かない。御承知のように最近肥料は大変よくなりましたがその肥料も本当にできるだけ十分にというまで参りませんので、今いろいろ研究をやつております。そうしてお話のように、たとい数全体の專賣の收入から見れば少くても、そういういい煙草を作つて、外國のいろいろの観光客もありますし日本の一つの誇りでもあると思いますし、私共もできるだけ研究いたしましていい煙草を作りたいと思います。それには今申しました原料の点やそれから香料の今のところ日本では進んでおりませんが、今香料をつけておるのはピースと「いこい」でありますが、香料の増産もやり御説のように砂糖を使いまして、いい煙草を作りたいと思つて努力いたしております。
#22
○波多野鼎君 この前煙草の値上をするときに、配給品の煙草はもう絶対に値上しないということが一つの條件でもあつた。それから又配給品については値上をしないばかりでなしに、配給の本数を増すということは財政金融委員会で政府が言明しておつたのであります。そういう見込があるというようなことから自由品の煙草の値上ということを一應認めたというような経緯もあるので、今度益金が三十億も減收になるというこの欠を補うために配給品の値上をしようということを考えておるようでありますが、大体こんな欠が出るということはこの前各委員が口を揃えて言つたことなんです。ピースなんかも六十円にしたら必ず賣れないということも、財政金融委員会の委員が当局に皆口を揃えて言つたことなのであります。併しそれにも拘わらずああいうことを認めたのはその当時のいろいろの事情があつて認めたのですが、そのときに認めるについては今言つたような條件をつけて認めていたと思います。ところが現在当局としてこういうことをやろうというのはどういうお考えでありますか。もつと別な方法があるのじやないかと思いますが、今一應その辺のことについて政府の意見を承りたいと思います。
#23
○政府委員(原田富一君) この前第二國会でいろいろ御議論がありました。私共といたしましてはピースを六十円にする案を最初政府部内で決めるときにいろいろ問題がありまして、結局財政全般の点からこういうことになりまして、あのときは縷々御説明申上げましたので今重複して申上げることは恐縮でありますが、私共といたしましてはピースを六十円にいたしまして予定通りに賣るつもりでおつたのでありますが、今日までの結果は遺憾ながら私共の見込が非常に違いまして申訳ないのであります。あの当時は配給品はもう値上したくないとまあ申しておりました。今日この案を出したことはそれらの事情から申しましていろいろな見込違いでありますし恐縮でありますが、やはり現在の財政一般の事情から申して止むを得ずこういうふうな結果になりました。財政全体の事情から止むを得ずこういうふうな案を出しましたことを御了承を願います。配給煙草の本数の増加につきまして、先程天田さんの御質問にお答え申しましたる通りに、特別の支障がない限り一月から十本づつ殖やす予定で進んでおります。
#24
○波多野鼎君 最近配給煙草の辞退をする人があると聞くのですがこれはどうなのですか。
#25
○政府委員(原田富一君) 一應私共の方で調査いたしました結果によりますと、大体全國で五万人程度の配給辞退がこれまであつた調査になつております。これは地方が多いのでありますがそれらの事情を詳しくは実は調べていないのですが、大体地方で調べた人たちの話を総合しますと、農村なんかで供出に対する報奬用として煙草なんかが相当御承知のように参ります。それが相当纒つて行くのであります。そうすると一時に入るのでそういうときに辞退するのが可なり多いのであります。これはまあ酒なんかも非常に纒つて行く例もあります、煙草もそういう例であります。それから最近御承知のように葉煙草ができまして、耕作者は煙草を家に持つて、専賣局が買上げておるのですが、一遍に全部買上げないのですから持つておる。そうすると或る程度自家消賃と申しますか、屑のこぼれたようなのを刻んで吸うということもあり得ると思います。そんなふうな事情から配給辞退があるのではないか、それから一般的に申しまして農村の金詰りという点も考えられる、大体そういうふうなことでございます。
#26
○波多野鼎君 実際そういうような金詰りの状態が大きくなつて参りまして、而もそれはただ農村だけの問題でないのでありますから、そういうような状態の下においても配給品の値段を上げるということになりますと又これは闇煙草がどんどん殖えて來る懸念が多いのです。そうして財政收入を上げようという含みと必ずしも合わないことになつてしまう。そういうことについての政府側の見通しはどうなのですか。
#27
○政府委員(原田富一君) お話のように配給煙草を値上げしたために現在よりも或いは殖えるかも知れないと思いますけれども、これが「きんし」、「みのり」が十五円といたしまして一ヶ月一月から六十本といたしまして九十円でございます。煙草の好きな方だといたしますと九十円という金額はそう大したものでない。結局そうするとそれが高級品にどういうふうに影響するかという問題にもなると思いますけれども、まあこれは値上げの率の上からいえば四割とかいうことになりますけれども、全体の金額から申して生活上そう大した支障はないのではないか。多少は殖えるかと思いますけれども、これは取締り、それに配給辞退に関連して闇が横行するということは別の面で、いろいろ宣傳なり取締りで相当防げるのではないかと思います。その上げたために我々の國民の生活にそう大した影響はない、こんなふうに考えております。
#28
○波多野鼎君 先般の二十三年度の煙草賣行状況の調べを頂いたのですがこの調べを見ておりますと、七月から十月までの計画に対する対比表を見ますと、自由品と配給品を合せての対比として計画に対して九三%賣れているという数字が出ておりますが、配給品と自由品を区別して見るとどんなふうになつておりますか。自由品は計画に対して何%、配給品は計画に対して何%ということをちよつと承りたいと思います。
#29
○政府委員(原田富一君) 今実はその区別したものを手許に持合しておりませんが、配給品は大体計画通りのことと思います。或いは労務加配や何かが最初予定した通りの人数に行つていないで或いは減つているかも知れませんが、これは特別に減らしたという事情ではありませんので最初の予定と違つたことであります。それで結局減つているということは自由品が減つているということに御了承願います。
#30
○波多野鼎君 それから今度の補正予算の中で、煙草の益金は官業益金となつて出ておると思いますが、官業益金の増收六千三百万円という数字が出ておるのは、この配給品の煙草を値上げすることによつて、三十億の欠を埋めてその上に六千三百万円の増收を見込んでおるということなんですか。
#31
○政府委員(原田富一君) その補正予算の官業益金の増というのは我々の方の専賣ではないのであります。煙草の方では收支とんとんということで補正予算の方には全然出ておりません。それはその内容を今ちよつと書類を持合しておりませんが別に御説明いたします。
#32
○天田勝正君 もう一つお伺いしますが、本來この大衆向けの煙草の論議をするには提案の説明が、要するに一番高級であるピースの賣行不振で、かような措置になつて來たという話でありますから、必然的に高級煙草のことに論及されますが、第二回國会のときの値上げに波多野さんのおつしやつたように、幾たびか各委員から必ず煙草賣行不振が來るということを指摘されておる。併しながらただ高級品だけの中で比較いたして見ますると、実は当時アメリカの高級煙草が百八十円余程安くても百六十円ぐらいで取引されておつたのであります。從つてそれから見ますると六十円でも専賣当局が賣れるという見当をつけたことは無理からんことで、当時の相場からすれば無理ではなかつた。ところがこの頃では実は百三十円で手に入ります、我々はその方が遥かに得であります。得だけれどもまさかあれを喫つておつたのでは体裁が惡いという一点から喫わずに我慢しておるわけであります。從つてそういう他のいろいろの物價が上つたけれども、そういう面に対してはこういう変動が來ている、今はいろいろな物價の面について非常に変動の激しいときでありまして、煙草の相場もそういう工合に來たのが結局賣行不振の一つの原因だと思います。先程指摘しました点は勿論一つの原因でありますが、併しそれも亦大きな原因を作つているのじやないかとこういうふうに考える。それから推してもやはりピースの賣行不振ということはピース自体で解決できるのじやないか、同じ太さの巻きである「ひかり」に製造を轉換すると、先程数字を以てお示しになつたそういうことからしても、ピースの値段を五十五円なりにして賣るということになれば結構それは捌ける余地がある、これは長官に伺います。
 それから今度は政務次官にお聞きしたいのでありますが、専賣局の会計とすれば別段そう今日まで不足がある筈がない。むしろ益金が出て來る状態でありますから、別段これを上げなくても他の面で一つ政治的に増收を図る、或いは経賃の節減をする、そういう面で調整し得る余地がないのか、専賣局にこの数字を何とかせいと言われるから、専賣当局も何か無理をしてでもこういう措置を取らざるを得ないわけでありますが、併しすでに益金のあるものから更に増收するということでなしに、もつと他の面から増收なり節減なりを図れば、こうした専賣製品の方へ何の手を付けることなしに済むのではないかと思うのですが、そうした政府側のお見通しがあればお伺いいたしたいと思います。
#33
○政府委員(平岡市三君) この追加予算が七百億にも上るものでありまして、御承知の通り主たるものは災害対策と新給與ベースの引上げでありまして、この財源を求めるのがなかなか困難でありまして、総合的にいろいろ勘案して考えましたけれども、せめて専賣の方の関係でありますれば赤字を出さないようにして頂くことが非常に全体から見て必要な事項になるので、まあいろいろ考えましてこの煙草の値上げということもやらん方がいいのじやないかということも非常に研究したのでありますけれども、今日の追加予算の厖大なものに対する財源としてはいたし方がないというような関係で、結局ここへ來てしまつたようなわけでありますけれども、併しこれとても値上げはするけれども、一方一月から又煙草の増配をするならば、結局大して消費者にそう負担もかけないじやないか、こういうような見解からこうなつてしまつたわけなんでございます。
#34
○小川友三君 今政務次官から災害対策と新給與ベースという問題が出ましたので、この煙草に関連をしておりますのでお伺い申上げます。今、天田先生がおつしやつた通りこれは非常にいいことを言われたので、つまりピースが賣行き不振だからこの対策がはみ出して來たわけで、非常に眞理をついた天田先生のお話です。ピースという高級煙草、比較的樂な階級が吸うであろうと想像せられる煙草の利益が減つたから、それで本当の勤労大衆の「みのり」とか「のぞみ」とか「きんし」というものに、それらの連中の人々に負担をかけるというような、政治的に非常に面白くない現象がここに発見されるわけであります。併し政府は根本方針を変えまして、そうしてピースの標準を高めてピースという名前じや倦きたのだから、今言つた通り先程申上げた趣味が人間にありますから趣味にぴつたり合うために、つまり中華民國の好な人は親中華煙草とか親中國とかいう名前で、私はアメリカが好だから(笑声)親米というような煙草を出して貰えば宣傳にもなるし命がけで買います。財産の八割くらい買占めてプレゼントして行く、そういう方に考えられましてそうしていろいろの方面とも趣味を捉えてやつて行くということを樹立して、それから今君は駄目だと制限しておる小賣業者を、その制限を取つてしまつて、どんどんやつたら今のピースでもどんどん賣れる。今までの小さい枠の中で金盥の中で賣つてるのだが、それを大きな海に放して販賣網をうんと拡大さそうという方針にしたならば、これは値上をしないで済みます。値上をしないで賣上をうんと殖やすことができます。そこで政府は何でも構わずに困るならば値を上げてやろうというようなわけで、弱い者いじめで本当に困つておる勤労大衆の收入を、足を拂うようなこれは実は値段でありまして、これは実に怪しからんというところを発見しましたのですが、富裕階級、比較的樂な階級の方の面で販賣を殖やして行くという建前にしたならば、これは間違なく赤字なんというものは突破しまして、この七百億という金は煙草だけで上ると思います。私は生れてから煙草の中を頭を突込んでおりますから、それで煙草には明るくて一生懸命に勉強をしてやりますから、どうか政府におかれましてももう一遍閣議を開いて販賣ケースを殖やして行くように、販賣店百万戸に殖やすというようなことにお願いいたしたい。ですからどうかそういう工合に原案を撤回して貰いたいです。一つ閣議の結果又御報告を承りまして、次の法案がありますから、この辺で次の法案に移りたいと思いますが如何ですか。
#35
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします、只今小川君の御発言通り御質疑はまだ盡きないと思いますが、次回に讓りまして、本日はこの程度で散会したいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(櫻内辰郎君) それから新給與の法案が大藏委員会に付託されました。ところが先程人事委員長と労働委員長から連合審査をして貰いたいというお申出があるのであります。それで明後日から連合審査に入りたいとこう考えまするから御了承を願いたいと存じます。
 それから尚國政研究会の名によつて最近の金融状勢という題で日銀の営業局長の五十嵐理事、それから庶民金融の現状というので庶民金庫理事長の櫛田氏のお話を願うことといたしまして、それは十二月の七日午後一時からであります。それから連合委員会は六日の午後一時からいたしたいとこう考えます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
   委員
           天田 勝正君
           木内 四郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           小川 友三君
  政府委員
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      黒金 泰美君
   專賣局長官   原田 富一君
ソース: 国立国会図書館
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