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#1
第004回国会 大蔵委員会 第3号
昭和二十三年十二月六日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○製造たばこの定價の決定又は改定に
 関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時五十七分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。議題は製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、前回に引続き質疑を行いたいと存じます。
#3
○小川友三君 煙草の値上問題でありますが、政府は吉田総理大臣の名において、健全財政を建前とする第二次吉田内閣の政策発表があつたのでありまして、あの発表から受取るに、國民は等しく、この政府は非常な健全財政を採るという見通しを以ちまして敬意を表しておる方が多いのであります。そこで図らずも、ここに煙草という小さな問題を取上げまして、政府が誤診を犯すというような場面を展開しようとしておるのでありますが、現在のこの法案に載つておりまするところの「きんし」を十五円に上げるという四円の幅が、國民に及ぼす影響は非常に大きいのであります。特に「みのり」を十五円にするという、この五割前後の値上、並びにこの「のぞみ」九円を十一円に上げるという二割強の値上でありますが、これは特に「みのり」と「のぞみ」は、農民大衆に配給せられる、或いは消費せられるものでありまて、農民が、吉田内閣ができてから物價が上るのだとという大きな印象を……どのくらい上げるかといえば、大体五割から三割前後上げるのだという、ここに標準を與えることになるのであります。そこで二合七勺の配給には現実になりまして、これは誠におめでたいことではありまするが、代用食が配給せられますので、國民の多くはこの代用食を忌避しまして、米という主食に力を入れ、これを闇取引をしておるという現状でありまして、この米の闇取引というものが、又二割乃至五割上つた場合は、國民に大きな影響を來すのであます。そうして、現在國民の八千万に近い同胞の待望して止まないところは、インフレをとにかく止めて呉れる、これ以上は上らない、止めて呉れる内閣はいつの日かできるであろう、特にこの間から発表せられておるところの吉田内閣のその政策でこれは止まるだろうというような見方を持つておるのであります。そこで國民の最も大きな希望をこの煙草の値上という、小さな問題のために大きな衝撃を與えられまして、やはり物は騰るのだということが言い触らされ、又そうした印象を強く農民大衆という素朴な氣持を持つておる人を中心にしまして、勤労大衆から一齊に起つて來るということは殊に國家公務員法が新たにでき、そうした矢先に当りまして、物價は依然として騰るという感じを與えるのでありまして、これは政策として最も巧妙を得ない拙い政策ではないかと堅く信ずるのであります。そこでその筋においてはこの程度の値上を〇・Kしたかも知れませんけれども、政府がこの程度で合計三十億前後という賣上を実はするんだという見方はこれは專賣局の……いわゆる今度專賣公社になりますが、その人々の販賣の計画に齟齬を來しておるのであります。販賣計画が齟齬を來した問題からこうした破裂を見ようとしておるのでありまして、本議員はこうした愚劣な策に対しましては、眞向微塵として反対する者であります。又國民の利益を擁護し、又國民にインフレはここで止まつたんだという印象を與えるために、政府御当局におかれては案の建直しを是非お願いいたしたいのであります。それは販賣網の拡張、販賣ケースの拡大という方面に方針をお向け賜わつたならば、値上をしなくても政府は期待するより以上の、或いは二倍、三倍の賣上を示すことができるのであります。そのよき例を取つて……製藥会社の例を取つて申上げますならば、日本には藥剤師、藥種商を入れまして十万戸あります。この十万戸の外に賣藥営業を加えたならば新規にどんどん拡大できる。そのために非常に成功した製藥会社がありますが、その意味から割出しますと、煙草の販賣所を百万戸程度に拡大する、現在十一万数千戸余の販賣店を百万戸に拡大したならば、政府が期待する三十億は遥かに突破し、その十倍、或いは二十倍、三十倍くらいの賣上を示すことは断じて不可能ではないと堅く信じております。特に「みのり」或いは「のぞみ」という販賣店でなく、政府の期待に外れた、当局の失敗した「ピース」「ひかり」というものを重点的に販賣店の拡大というところに重点をお置き賜わつたならば、偉大なる成功をするということは火を見るよりも明らかなことであります。本議員は今日の閣議に……政府次官が幸いおいででありますからお計らを賜わりまして、本案を全面的に御撤回あらんことを希望しておりまするが、政府の研究せられましたるところの御所見販賣ケース、販売店の増大ということに対するところの御所見等を拜聽し、又値上問題というものは賣上が上りさえすれば、三十億以上の賣上が上ればこれは撤回するのかどうかという急所をお答え賜わりたいと思つております。
#4
○政府委員(平岡市三君) 吉田内閣が健全財政を採るということは、これは当然な話でありまして、健全財政を採るためには國家財政のバランスを取らなければならんということでありまして、そのために今の見通しでありますと、煙草におきまして三十億程度の予算に対して欠損額を生ずる。そのためにこの配給煙草の値上をして國家財政のバランスを取つて健全財政に向おうと、こういう趣旨なんであります。煙草を値上するということは不本意ではありますけれども、併しこれだけの値上をいたしましても、配給の本数を一月から一人当り十本くらいを増加することにいたしますれば、國民の負担も大して多くならんじやないか、こういう見通しをとつておるのであります。
 尚小川さんのお話の通り、小賣店の増加ということは政府も最近着々やつているような工合でありますけれども、併しながら御説のように非常に小賣店を多数設け過ぎるということになりますと、却つて手数、その他の経費が掛かりますために、おのずからそこに制約を受けるわけでありますけれども、とにかく政府といたしましては小賣店の販賣店を相当増加させるべく今日やつているような次第であります。さよう御了承願います。
#5
○小川友三君 只今政府は販賣店を殖やすと手数と経費が増大をするというお話がありましたが、それは素人が聞きますとそう思いますが、我々本職が聞きますとどこに手数と経費が増大するのかということをお伺いしたいのであります。販賣店が殖えても今は煙草は配達しておりません。專賣出張所に販賣店が頂きに行くのです。それで手数は全然殖えません。経費も殖えません。傳票を切るだけですが、傳票を切るのは今まで通り切るのでありまして、賣上が増大をするのでありまするからして、当然一万円の煙草の取引に傳票の十五銭くらい切るのは当然でありまして、そうした制約というのは赤字を埋める制約という大きな急所には断じてならないと私は信じております。それから三十億の赤字予算額に対する、煙草の賣上予算額に対するところの欠損を埋める見通しがついたのだというのが値上する原因になつておりますが、それでは値上して三十億確実に政府は増收になるかという根拠がありません。今は國民が廉い煙草を買うが、それには限度というものがある。物には全部飽和点というものがあります。この飽和点に達しておる現在値上をしたならば、それだけ儉約して喫わないという量を、國民が喫う量を減らした場合、又すでに配給の煙草を五十万人というものが拒絶しておる。これが百五十万人という工合に増大した場合には、恐らく取らぬ狸の皮算用であつて、政府は上つたら三十億取れるのだという予想一本槍で來ておるが、それは当らざるも甚だしいものであります。三十億は入つてからの話ですから……入りません。これは結局消費大衆というものはもう生活が限度に達しておるのでありますからして、こういう程度では煙草をお喫いになる方はもう上つたから止めちやえ、「とうもろこし」の毛に変えちやえという方針に大きく変えたならば、政府の予算は木端微塵に粉碎せられてしまうということも想像でき得るのであります。そこでこの際政府のお考えになつているのは相当要り用なものだから何でも構わずこの案を通すのだと言うけれども、これを通しても三十億の予算が入つて來ないということになつた場合には、政府はどうするかということを一つお伺いして置きます。
#6
○説明員(日下部滋君) 只今政務次官からお答え申上げたのでありますが、小賣店十一万、將に十二万に今垂んとしておりますが、この賣上を増進いたしますのには御説の通り店補を程よく配分する、そうしてできるだけ店補を殖やしまして、消費者が買うのに不便を感じないようにさしてやるということが最もいい方法だと存じます。その方針の下にできるだけ今殖やすようにやんやと地方を督励しておる次第であります。只今相当汽車に乘り、或いはバスに乘つて販賣所に小賣の者が仕入れに來るのでありますが、この汽車賃、バス代金というものは地方では相当な額に上つております。そこでこれは非常に数を殖やしましてやりました場合に、これらの多額の交通費、又それがためには半日若しくは一日を費いやすというような状態のところが沢山あるのでございます。そういう地方に小賣店を非常にばらまくということになりまするというと、利益に比較して経費が非常に多い、今でもその点をいろいろ苦情を申しておるような状態であります。そこで店舗の拡充と合せまして、成るべくこの小賣人の手近いところに持つて行つて品物を運んでやりまして、そうしてそこで又集合配給と申しておりますが、こつちから出向いて卸しをしてやるという方法も採つております。これを二つ合せまして、この販賣の促進を図るということを今一生懸命にやつておりますので、お説の御趣旨に副うように極力努力いたしておる次第でございます。
#7
○小川友三君 それに関連して……今のは大体政府が三十億、これを上げれば入るんだというんですが、できなかつた場合、政府はどうするのだという質問をしたのですが、一つその御答弁を願いたいのです。
#8
○政府委員(平岡市三君) この値上と販賣の促進によりまして三十億の赤字をなくしようとするわけでありまして、ただ値上だけによつてカバーするというだけでなく、小川先生のおつしやる通り、小賣店も殖やさし、即ち販賣の促進と値上との両者によつてこれをカバーできると、こういうふうな確信を持つてやつておるわけでございます。
#9
○小川友三君 関連しまして……只今政務次官から名答弁を承わりまして、成る程偉い政務次官であると思います。(笑声)それは値上だけで押し通して來ておりますから、その辺に乘つかけようと思つたら乘つからないで拡張しておる。政府に申上げますが、その拡張の方で三十億以上上ります。拡大を百万戸にして三十億の赤字が埋まらなかつたなら小川友三腹を切つてお詑びします。三十億にならなかつたならば……そのくらいの自信を持つておりますから、どうか値上をしないでやつて貰いたいのであります。これに対しまして政務次官の御所見を拜聽します。
#10
○政府委員(平岡市三君) 大変頼母しい小川議員のお話でありますけれども、政府当局といたしましては、どうも値上と販賣促進の両者をかけなければこの三十億の赤字を消すという確信を持てませんので、我々はこういう法案を出したわけであります。
#11
○木村禧八郎君 ちよつと伺いますが、三十億円の煙草專賣益金の欠損を見積られておるという話でありますが、大体今度の配給煙草の値上による收益が大体三十億ぐらいというお見込なんですか。
#12
○政府委員(平岡市三君) 値上ばかりでなく、ただ値上ばかりしたということでありますれば、若しも値上してもこの販賣が思う通りに行かん、即ち配給を断わるというようなことがあり得るといたしますれば、この赤字の三十億を消せない、こういう意味で、專賣局の方といたしましては、最近販賣促進の計画を立てまして一生懸命でやつておるような次第でございます。
#13
○木村禧八郎君 その点ですね。今非常に巧妙な御答弁をなすつておるんですが、それは値上だけでは増收にならないかも知れないということは、この前の「ピース」その他の値上によつて賣上が必ず減るであろうということは我我の委員会で一致した意見であつた。それに対して政府は十分努力するという話でありましたが、現に三十億の欠損が出るという状態です。これはですね、私はこの際値上をやつて増收を得るというお考えは全く誤まつておると思います。それはいわゆる今金詰りと言われて大衆の購買力が非常に減つておるのでありまして、むしろ「ピース」その他を値下することによつて販賣益金が殖えるんじやないか(「そうそう」と呼ぶ者あり)、それが最近の経済情勢の変化に全然氣が付かない、全然それを無視しておる。これは値上して賣れると思つたら大間違いです。経済情勢は全く違つておるんですから、これは酒についても恐らくそうだと思います。むしろ政府はどういう心組か知りませんが、もう少し自由党の内閣になつたんですから、もう少しコンマーシヤル的に、営業的に考えられて、賣つて多く收益を得るということが目的なんですから、値段を下げて沢山賣れて收益が多くなれば、何も一遍引上げた値段を下げてはいけないということはないと思います。そういうことに囚われず、実際に今の経済状態をよく見て、そうしてそれに適合するような政策を採るべきである。而も財源に非常に困難をされてこういうことをやるんでしようけれども、今度政府が出したこの財源はみんな殆んど大衆課税です。これを見ても民主自由党の性格というものは実によく分るのであります。その点根本的には私は認識が誤まつているのじやないか、その点もう少しお考え直して見て、値上しないで、むしろ値下をして收益を図る、そういうお考えはないでしようか。そういつたことをですね、よく相談して協議して見たことがあるんですか、どうですか、その点を一つお飼いしたい。
#14
○説明員(日下部滋君) 私が代つて御説明申上げます。「ピース」の値段を実行いたして、且つ賣れ行きに努力いたして見ましたのでありますが、予定の通りに行かないという見通しがつきまして、予算では最初御案内の通り九十億本というものを「ピース」で以て賣る、こういう計画を立てておつたのでありますが、これが六十円で実行して見まするというと、とても九十億本というものは無理であるということが分りまして、最近九十億本の予定を半分以下に切下げまして、大体三十八億本……四十億本程度を「ピース」でやる。これには「ピース」の値下をいたすという考え方も無論あるのでありまするが、六十円、五十円、四十円、三十円、二十円という品物を作つておるのでありまして、從いまして「ピース」の数量を減らしまして、安い方を沢山出す、こういう考え方をいたしまして、結局御説の値下をして賣るということと同じ結果の方向に向つて努力をいたしておるようなわけでありまして、從いまして高級品を減らしまして下級品を殖やすということでありますから、この製造数量を又更にできるだけ作るという方向に向つて切り替えたのであります。この程度は、從つて製造能力というものにその方面から制約を受ける、こういうことになりまして、漸く九十億本の予定のものを四十億本足らずということでやつて参る、こういうふうにいたしました次第であります。尚……。
#15
○木村禧八郎君 只今お話を承わりましてはつきりしたのですが、これはこの前我々が危惧したことがはつきり実現したわけでありまして、只今のお話ですと、九十億本の予定を約四十億本に減らすということはこれはもう非常に大きな誤算だと思います。これは人間ですから正確な見通しができないのは当り前ですけれども、大体常識として当時大衆の購買力は相当減つておるのじやないか、困難であろうということを從來各議員も力説したわけなんであります。これまで委員会での煙草の問題に関する論議を通じて見まして、結局煙草の專賣統制が完全に失敗であつたと思うのです。そういう價格の問題については……。酒の問題についてもそうです。前に籤を出して、何という煙草でしたか……「新生」ですか、あの煙草も失敗です。「ピース」も……。そういう情勢から見てどうしても配給煙草を値上して、そうして増收を図るという考え方は私共は間違つておるのじやないかと思います。そういう情勢ではない。併し決いてこれは小さな値上ではないのです。「きんし」十一円を十五円、「みのり」十円を十五円、「のぞみ」九円を十一円、これは今の消費大衆にとつて毎日消費するものです。決して小さい値上じやないと思うのですよ。殊に配給價格を上げるということは大変な非常な……、自由價格の値上よりも大衆に対する課税であるがために、非常に大きいものなんであります。こんなけちなところへ、而もこれで増收ができるかできないか分らないために、その確信がないために、販賣の努力と相俟つて三十億の赤字を消すという御答弁ですが、もつと率直に、今のと言うか、これまでの実績をよく御覽になつて、專賣行政が價格に関する限り誤まつたということをはつきり認識されて、そうしてそういう方向に政策を轉換されることを希望するのです。大体只今のお話では、現実に直ぐ「ピース」を値下しないけれども、実際においては値下するような方向に向いておるようですが、こういうふうにするのが当然だと思うのです。併し面子とかそういうところに囚われずに、今非常に財源が不足して困つておる際なんでありますから、酒にしても煙草にしても、間違つておつたら値下をする、又販賣收益を増すということは何らおかしいことではないでしようし、見通しが違つていたら改めるということは何も事務当局としても決して惡いことじやないと思うのです。早く改める方がよいと思います。最後に同じ專賣の問題ですが、酒についてどういうお考えを持つておるか。それから酒については收益の状況、これはやはり煙草みたいな状態にあるかどうか。この点ちよつとお伺いしたいのです。
#16
○政府委員(平田敬一郎君) 酒につきましても、すでに御議論になつておりますように、特價酒の價行きの方は必ずしも良好ではございません。大体上半期におきまして、一應私共の計画と申しますか、計画は、できるだけ上半期において賣るという建前の下に見込を立てておりますのに対しまして、八十二、三%くらいの数量を賣つておるような状態でございまして、尢もビールの方は季節の関係もございまして相当の成績を挙げておりますが、清酒等の関係がなかなかうまくいかないで、さような状態になつております。下半期といたしましては、このビールは仰せの通り値段に相当無理があるということは確かにさようでございまして、私共の当初の予定としましては、できればもつと低いところが妥当でないかということをいろいろ議論した見たのでありますが、ただ遺憾ながら財政の全体の枠との関係から若干あれはありましても、何とか財源を充たすということに相成りまして、結局相当高いものになつた。その上に更に酒につきましては、國会の修正ですか、地方税の消費税が加えられまして、一級酒が九百七十円という非常に高いものに相成りまして、さような点が響きまして、賣れ行きが相当惡いような状況に相成つております。ただ酒は季節的に大分問題がございますので……ビールについては、上半期にはよく賣れまして、下半期には期待できないと思つておりますが、清酒の方は暮から正月に掛けまして、相当の数量を捌き得るのではないかと思つております。目下公團を監励しまして、極力消化対策を講じているような次第でございます。從いまして、今後の見通しでございますが、的確なところは申上げ難いのでありますが、いろいろ工作をやりますれば、今のところさした大きな穴を生じないで済むのではないか、そういうように是非参りたいと努力いたしております。
 もう一つは全國に密造が盛んでありまして、この密造が盛んになつて参りましたのは、酒の供給量が減つていることを酒の値段が高いというところにあることは勿論申すまでもないところでありますが、併しながら放任しますことは面白くないというので、十月頃から全國的に密造対策協議会というものを作りまして、密造防止に目下非常な努力を期しております。予算の関係その他もございまして、実効が若干遅れておりますことは遺憾な点でございますが、極力既定の経費を差繰りまして、密造については中央伊地方を通じまして、取締に当つているわけでございます。所によりましては、相当の実績を挙げているような所もあるようでございますが、併しながら尚全國的には相当盛んであるというのが事実であります。でこういう効果ある方法をいろいろやりますれば、先程申上げましたように目的が期せられると存じまして、目下やつております。
 その後も値段等につきましては、いろいろ檢討して見たのでありますが、今の値段をこの際下げるということになりますと、仮に百円下げますと、相当財政に響きまして、減少になりますので、今のところでは、何とかして現在の價格で賣捌きたい。將來これ以上上げるということは、経済上変化がない限り極力避ける、そして現在のところにおきまして、所期の目的を挙げるように極力努力したい。幸いその後原料が殖えましたので、殖えました酒類は主として配給量に廻しまして、そうして更にそれを特價酒に廻して行くという無理な計画をするということは無務当局としましては避けたいという考えでやつているような次第でございます。私共今後二、三ヶ月の間に、中央、地方を通じまして勉強しますならば、大体所期の目的が達成できるのではないかと考えている次第であります。
#17
○木村禧八郎君 その数板を示して頂きたい。上半期においては予定の八十二、三%くらいということでありますが、全額にしてどのくらい足りないのか、今酒の原料が増加すると言われたが、どのくらい増加するか、その二点について伺いたいと思います。
#18
○政府委員(平田敬一郎君) 大体上半期で私共最初配給で計画いたしておりました数量は二十六万石、これに対しまして実際に消化しました石数が二十一万二千石、かような数字になつております。税額は正確な計算しておりませんが、三十億前後の金額になるのじやないかと思つております。
 今申しましたのは、上半期で計画しておりましたのが二十六万石、実際に消費した石数が二十一万二千石、それ消費した石数が二十一万二千石、それを税額で換算いたしますると、大体三十億前後になります。数字は後で申上げます。二十六万石と二十一万二千石の差額がその程度になるというわけであります。
 それから原料の方は、米で昨年度は〇〇万石でありましたのが、本年度は〇〇万石に増加することになります。尢もこの方は大部分來年度の税收に影響がありまして、本年度は殆んど関係はありません。それから甘藷の方は昨年度は二千六百万貫程度でございまして、本年度は五千万貫、二千四百万貫程度の増加であります。この方は大都分合成酒、焼酎等でございまして、この方は成るべく増産いたしまして配給の増加に努めたいと思つております。
 ビールの方は昨年一四万石程度のものを二十万石程度に増加するようになつております。これも主として來年度に影響することになつております。これによりましても酒類の生産は全体としては相当増加することと思います。
#19
○木村禧八郎君 この米が殖えておるのは、前にお話があつたようにいわゆる造石税ですか、増收を図るために六十億、あの分としてですね。
#20
○政府委員(平田敬一郎君) 今申しました原料の分を全部本年度中に非常に早く有効に作りまして、それを相当賣れるものとして、特價酒を出すということになりますれば、六十億となる。併しながらこれも先程申しましたように、特價酒の現在の賣れ行きから見まして、計画自体が無理だつたので、今回の予算には計上いたさなかつたわけであります。
#21
○黒田英雄君 この案につきましてお尋ねしたいのでありますが、只今木村委員から言われました通り、價格の安定については確かに專賣行政は失敗であつたと思うのでありますが、これは前の第二國会でしたか、第二國会の際にこの値上の法案が出ましたときに大分論議されたことであります。私は委員長としては可決の報告をいたしましたが、実は「ピース」等の六十円というのは不当であると考えまして、本会議においては私反対をした一人であるのでありますが、果してこういう結果になつて参つておるのであります。併しこれは專賣行政の失敗と申しましても、必ずしも大藏省の專賣当局を責めるのはお氣の毒だと思うのでありまして、当時は專賣局においても、それらの價格についてはもう少し低い点を考えておられたように承知しておるのでありますが、つまり前内閣が無理に價格を引上げてかくのごとき法案を作られた点に私は失敗があるのだと思いまして、專賣局を余り責めることはお氣の毒のように実は思うのであります。併しそれはまあ失敗の問題なのでありますが、配給煙草の價格を引上げることも、これも私は余り好ましくないことと思うのでありますが、歳入が足りないということでやられるのでありましようが、一方只今酒についての御質問があつて、当局として密造酒が非常にあるのでこれを取締るということで、そうして酒の販賣を円滑にするというようなお考えも伺つたのであります。それも御尤もと思うのでありますが、葉煙草についても、これは前から当局のお勧めもあつたり、殊に第二國会におきまして專賣法の改正をして、そうして葉煙草その他の密耕作或いは横流れ、つまり私製煙草、闇煙草の出ることを防いで、そうして專賣煙草の賣れ行きをよくするということの目的を以て、專賣法の改正が行われたのでありまするが、その法律が施行されて、或いは葉煙草等についても葉数査定その他をやられる、或いは機械を所持することも禁ずる等いろいろなことがあつたのでありますが、その施行後今日までの実績はどういうふうになつておりますか、その点を伺いたいと思うのでございます。そうしてそれが本当に実効を挙げて参つておりますれば、闇煙草も抑えることができ、それらの賣れ行きも、経済関係の方はこれは別問題としましても、煙草の賣れ行きの方にそれだけよい結果を來すものではないかと思うのでありますが、その実際の成績について一つ伺いたいと思います。
#22
○説明員(日下部滋君) 第三國会で御協賛を得ました法律の施行には、監視官約千三百名程でございますが、これが畫夜必死の努力をしたしております。この具体的適用の数は今持合せておりませんので、これは後程差上げることにいたしますが、あの際罰金額を五千円に引上げられ、三年以下の懲役というところまで持つて行つて頂いたのでありますが、体刑もすでに二、三判決を受けた者がおります。又五万円最高のの罰金刑を受けました者も数十件あります。
 尚全体といたしまして、販賣の檢挙件数は昨年と比較いたしまするところによると、いずれも約五倍程度に相成つて來ております。尚これに対應しまして、罰金額も数十倍になつておるのでございまするが、具体的に件数は後から申上げることにいたします。檢挙件数はこういうふうに上つて参りましたが、実際の闇行爲というものは非常に減つて來ておるように思います。なかんずく街頭等におきますいわゆる公然たる違反行爲というものは非常に減つて参りました。耕作地からの横流し等も激減しております。まだ絶無とは参りませんが激減いたしております。ただ本年は密耕作というのが相当廣く行われておるようでありまして、これはしらみつぶしに全部を檢挙するという程に行かなかつたのではないかと思う程、相当廣く行われておつたようであります。尚取締につきましては、各地方局長をして、それぞれその管内を責任を以て当らせておるのでありますが、これにはその管内に配分しましたが、これにはその管内に配分しました監視官の人員の限度というものがありまして、最近のごとく違反行爲が潜行的になり、隠密になつて來る傾向がありまして、これの捜索檢挙には余程人力を多数要するのであります、尚これら違反行爲をする者は本当に眞劍にやつておる者が多うございまして、これには檢挙に当りまして、相当危險を感ずるという者が残存しておるわけでありまして、從いまして全國の千三百人の監視官を有機的に集中的に動員するという方法を採つております。主な昨年横流しの多かつた地方に対しましては、全國から動員いたしまして、集中監視を繰返しやるという方法を採つております。尚東京その他大都会におきまする密製造、それから密販賣等につきましても、なかなかその局におきまする監視官だけでは到底やり切れませんので、これに対しましても全國の監視官を集中いたしまして、集中取締をやる、これを反復いたして参ろう、こういう方針で只今取締の実行をいたしておる次第であります。
#23
○天田勝正君 過日相当突込んで質問したのでありますが、もう三点質問したいと思います。質問でありまするから、別に黒田さんと議論するつもりもないのですが、これは政府でやつたことだからして、どうも專賣局を責めるのは無理だという話にどうも私は同調できない。專賣局の計画数字に基いて政府も決定したのでありましようし、勿論政府も責任があります。併し言い方によれば、今度は当時の政府にしたところで、我々は提案しただけであつて、決めたのは國会が決めたのだ、こう言われれば、國会の議員は誰も質問の必要はない、こういうことになつて來るのであります。そこで提案したところの價格の問題については政府の責任でありましようが、その根拠になるところの製造数字というようなものは、これは明らかに事務当局も責任を負わなければならんものだと私は思つております。そこで過日もお伺いしましたが、先ず「ピース」にいたしましても九十億を三十八億と、こう減らした。「ひかり」を三億二千万本から五十一億に今度は殖やしておるという話である。木村君も指摘しておりましたが、人間でありまするから多少それは計画は違うということは止むを得ない。これが二割か三割違つたというのなら話は分るのであります。「ピース」においては倍以上であるし、「ひかり」においては今度は逆に三億を五十一億に殖やすという話である。こうした一体べらぼうな違いはどこから出て來たか。そこで先ず前の改訂当時におきまするところの計画とそれから今度の計画とを、全部の品目に対してどれだけ違いができて來たかということを明細に一つ比較してお知らせ願いたい。過日も二、三の銘柄については聽いたのでありますが、七月以降できました品目等についてはお示しがなかつたのであります。それから配給煙草の方は全然お話がなかつたので、それらの配給煙草も、曾てはこういう計画で今日はこのような計画になつておるという点を明確にお知らせ願いたい。
 第二の点は、この前の値上のときには、まあ今度とは余程経済情勢も違うのは勿論でありますし、その外に多少理由があつたわけであります、それというのは、物價改訂もしたし、從つて物價改訂に應じて多少いろいろな業者の利潤が上るであろう、この見当が狂つたわけでありますが、とにかく物の値段が上れば、それに通れて沢山の利益があるであろうという見当は、これは一應できるのであります。そういう根拠に立つたのと、それからもう一つは、配究の煙草は量を殖やす、こういう根拠に立つておつたのであります。ところがこの配給の煙草の量は一向殖えずに今日までズレてしまつた。過日專売局長官のお話を聽きますると、今度一月は度実に十本殖える、こういう話なんです。ところがすでにこの今度殖えるということは、前に今度は殖えると言つて一遍約束済のやつがもう一遍出て來た、何遍も何遍もこの手で約束されますと、とてもたまらないのであつて、逆に今の政府が退いた後に、あれを決めたのは前の政府だと言われたら、どの政府だつてたまらないだろうと思うのです。この一体殖えるか殖えないかという製造の根拠というものは、長く携わつておる專賣当局にあるのでありますから、一体どうしてこの前に約束したのが今日まで出なかつたか、その理由はどういうわけか。今度殖えるというのは、一体空手形に終らないか。本当に実際に実行できるというのはどういう根拠に立つてそういうことが言われるのか、一遍嘘をつかれますと、又もやと、こう我々は考えざるを得ないのであります。そういうことからこの二点は一つ事務当局の方へ御質問申上げて置きます。
 それから次は、これは政務次官に伺うのでありますが、一昨日安本長官兼大藏大臣の演説を聽いておりますと、物價と賃金の問題に触れられまして、賃金は名目賃金を上げるということでなくして、実質賃金を確保するようにしなければならない、こう述べられて、從つて物價の改訂を行うというがごときことは断じてやらない、こういうふうに結ばれておる、そこでその範を示すのが政府の責任というものでありまして、その演説の内容からいたしますると、当然この煙草の改訂などということは出て來ない筈だと思うのであります。御承知の通りインフレが昂進した場合におきまする闇物資のバロメーターになるのは、世の東西を通じて実に煙草であることは御承知の通りであります。そのインフレの中軸とでも申しますが、そうした煙草の値上ということは心理的にもどういう影響を與えるかということを考えますれば、どうしてもこのような改訂というものはできないという答えになると思うのであります。そこで安本長官はかような物價改訂は行わずということを、煙草とは申しませんが、とにかく行わずということを申された。ここでは政務次官が提案されて改訂を行うというのを現実に示されている。一体安本長官といつても大藏大臣なのでありますから、その大藏大臣とその下におられる政務次官との間においては、違つた意見を持つておられるのかどうなのか、これは政府側から伺つて置きたい。
#24
○政府委員(平岡市三君) 勿論お説の通り実質賃金を上げて、名目賃金を徒らに上げるのはこれはインフレの原因になると、こういうことは泉山安本長官の言われた通りだと私は思つている。その点から申しますれば煙草の値上をするということは、これは確かに反対すべき理由になるとも思いますけれども、今日の財源の窮屈な事情からいたしまして、このぐらいの煙草の値上をいたしても、而も配給量において十本の増加ができるならば大して國民の負担ともならないじやないか、こんなような意味で主として財源的方面からこういう案が提出されたのでありまして、本質的に申しますれば、多少矛盾するような点があり得るかも知れませんけれども、まあこういうような工合な答弁でお許し願いたいと思います。
#25
○天田勝正君 どうも苦しい答弁だが、その今度殖えるという分は政務次官前にその分が殖えるのだということで値上になつた條件になつているものである。だからこれは二重なんです。だからして今度一月になつて今度殖えるのだからして大丈夫だという御答弁は、これは筋違いである。それは前の方に終えてしまつている話なんです。それが殖えて來るのが当り前で、もう一遍殖やすというのなら私は直ぐ引下ります。そうでない。前に約束して……。被害者は嘘をつかれた國会側の我々であるとか、消費者の方がそうなのであつて、十本の方は七月から殖やす分が一月までズレている。これだけがブランクになつたのである。そういうことでは決して樂に相成りませんから。
#26
○説明員(日下部滋君) 配給首草を殖やすということは、私共事務当局としても是非やりたいという考えで進んで参つておりました。先般御審議の際におきましても、下半期できるだけ早く、つまり十月からでございますが、十月からできるだけ早く配給煙草を殖やすようにしたいということをたしか申上げたと思います。ずつとそういう建前で進んで來ておりましたのでありますが、上半期におきましても、製造の数量が、これは先般もこの本委員会で長官から申上げましたが、約十億足らず減産になりました。これはまあいろいろ原因がございますが、とにかく十億足らず減産になりました。併し一月からは是非配給を殖やしたいという計画で、この線は動かさないという考え方で進んで参つておつたのであります。この値上のことはその後でありまして、計画としてはそういう計画で進んで参つて來つておつたのであります。
 それから各品種の計画と今後の立て変えた計画との異同を申上げるのでありますが、「ピース」は先程申しました九十億本を三十八億本、從いまして五十二億減であります。「ひかり」は三億二千万本の予定のものを五十一億にいたしました。四十七億八千万本の増加であります。「いこい」が二十億の予定でありましたものを二十四億にいたしまして四億の増であります。「ピース」「ひかり」「いこい」というのは太巻きでサイズが大きいのでありまして、この能率の関係でこのようにいたしました。それから「ハツピー」、これは予算では四十四億五千万本でありますが、これを五十二億に殖やしました。七億五千万本の増加であります。「新生」が三十三億の予定でありましたのを三十六億、三億の増加「朝日」と「桔梗」は増減いたしません。
#27
○天田勝正君 増減なしというのは幾ら。
#28
○説明員(日下部滋君) 「朝日」が二十八億が二十八億、「桔梗」が二十二億が二十二億……。
#29
○天田勝正君 それから配給の方は。
#30
○説明員(日下部滋君) 配給の方は、「きんし」が百二十一億八千五百万本の予定でありましたが百二十六億八千五百万本、一億八千五百万本の減であります。
#31
○小川友三君 百二十一億八千五百万本が百二十六億八千五百万本だから、五億の増だよ。そういう勉強では困るね、政府委員が、そういうでたらめな説明は困りますよ。御訂正を願います。
#32
○説明員(日下部滋君) これはちよつと留保いたします。この数字に何か間違いがあると思いますから……。「みのり」百十二億であります。これが百十億三千二百万本で一億六千八百万本の減であります。
#33
○天田勝正君 ちよつと待つて下さいよ。百十二億……本なんですね。
#34
○説明員(日下部滋君) 百十二億本分でございます。一グラムを本と読みます。それから「のぞみ」が九十億本であります。九十億グラム。
#35
○天田勝正君 グラムですか。「みのり」は本数ですか。
#36
○説明員(日下部滋君) これもグラムでございます。
#37
○天田勝正君 そうだろう。
#38
○小川友三君 大分煙草の審議が盡されておりますが、政府も大体天田先生、黒田先生から追い込まれましてすつかり物價改訂を行わずという、天田先生の今言われた言から推しましても、物價改訂を行わずという本会議において……國民を裏切つて実は裏から煙草を上げてしまうという行爲をお採りになられたことは、天田先生が強力に衝いたようなわけでありまして、それは最も重大な問題でありまして、政務次官を通じまして閣議にこれを提出願いたい。物價改訂を行わないという大藏大臣、安本長官の説明であつたが、これを裏切る行爲がここに発見されたのだ。そこでこれを訂正すべきである。物價改訂をしないというように御訂正願うことが正しい政治であると思います。吉田総理の人格を傷付けるこうした行爲並びに國民を裏切つた行爲に対しまして、断乎として國民代表の見地から本議員は反対をいたします。それで閣議に出して頂いた結果どうなつたということを、具体的に大臣又は政務次官から、その責任において、この次の本委員会に御発言願うことにいたしまして、この最も重大なポイントが外れておるのでありますからして、これ以上煙草問題の委員会を継続するということは無駄でありますから、そういうふうに私は委員長さんがお計らい下さるようお願い申上げます。
#39
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御提案通り、政府において善処して頂きます。それから煙草の案につきましては、御質疑もあると思いますが、いずれ本審査に入つてから御質疑を継続して頂くことにしまして、この程度で打切つて置くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(櫻内辰郎君) それではそういうことにいたします。
 それから本日の午前一時からの新給與に関する大藏委員会、人事委員会、労働委員会の連合審査に対しまして、御質疑がございましたら御準備置き下さいまして、そうして会議の整理上、御質疑の御通告をお願いして置きたいと考えます。では本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
   委員
           天田 勝正君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           高橋龍太郎君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  政府委員
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大藏事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
  説明員
   大藏事務官專賣
   局煙草部長   日下部 滋君
ソース: 国立国会図書館
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