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1948/12/09 第4回国会 参議院 参議院会議録情報 第004回国会 大蔵委員会 第4号
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1948/12/09 第4回国会 参議院

参議院会議録情報 第004回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第004回国会 大蔵委員会 第4号
昭和二十三年十二月九日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○復興金融金庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○議員派遣要求に関する件
  ―――――――――――――
   午前十一時二十三分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。
 本日の議題は、復興金融金庫法の一部を改正する法律案について御審議を願いたいと存じます。本案に対する質疑に入ります。
#3
○小川友三君 復金問題ですが、百億の増資をするという政府の案ですが、これは復金を利用している現在の日本の産業の復興状態から比較して見たときに、余り額が僅少でありますので、産業の復興に非常に支障を來たしているということは、隠せない事実でありますので、当局がこの百億に減らしたという理由を御説明を賜りたい。それからこの百億にどういう原因で圧縮されてしまつたか、それは復金側が、本当に現在の世界における日本の存在の、産業復興の必要を力説する熱意が足りなかつた、それからそれを説明をするところの資料に欠陷があつたという、この二つから推しまして、こうした百億になつてしまつたのだ、こういうふうに思います。いわゆるその筋の方の御意見がそうじやないかと思いますが、押して行けなかつたというのは、或いは三千七百円のベースではとても勉強できないからして、資料が不完全であつたということになるかもしれませんが、とにかくその原因を先ずお伺いいたします。
#4
○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。先ず最初に只今お手許にお配りいたしたと思いますが、百億円の増資の算出の基礎につきまして、その書類につきまして、概略御説明をいたし、更にその他に及びたいと思います。
 この第一表は、二十三年度の第三・四半期、即ち十月から十二月までの收支の見込表であります。この支出の欄にございまするように、この三ケ月間の貸出が、この表では一應百六十三億九千万円と見込んでいるわけであります。そうして收入支出それぞれ三百三十億一千万円になつておるのでございまするが、この十二月までにこういうふうな收支の見込であるといたしますと、第二表にございまするように、第三・四半期末、即ち十二月三十一日現在の債券発行余力が、ここにございまするように百七十一億……この下の欄の減のところの三行目にございますように、第三・四半期末債券発行余力、これが、第四・四半期、即ち明年一月以降に復金の貸出の源泉になる一番大きい要素ということが言えると思うのであります。その百七十一億の債券発行余力を持越しまして、第三表に入りまして、第三表では、明年の一月から三月まで、支出と收入とがどういうふうになろうかということを推算したものでございます。即ち支出の中の主なものは、貸出の二百六十八億五千万円であります。その貸出の内訳は、一般産業が二百八億五千万円、公團が四十億、農林漁業復興融資が二十億、貸出の内訳はかようになるわけでございます。それから收入におきましては貸付の回收と利息收入を三十七億と見込みまして、差引不足額が、二百四十億、それから次の前期繰越債券発行余力その他を通算いたしまして、結局これだけの支出をいたしまするために、増資の所要額としては百億という結論になつたわけでございます。
 次にこの表を離れまして、先程第三・四半期中における、貸出が百六十三億九千万円の見込と申したのでありますが、これに対しまして、この第三・四半期に入ります前に計画いたしました融資の額は、三百八億円になつておるのであります。從つて当初に見込みました三百八億円に比べますれば、只今御指摘の通り、すでに第三・四半期におきまして予想よりは遥かに少ない融資しかされていなかつたわけでございます。それで最近の復興金融金庫の貸出しの状況が、計画に比べて実績の方が少ないということの原因でございますが、これには今お話のような大きな問題もございますけれども、具体的に申しますれば、石炭が御承知のように復金融資の一番大きな部分でありますが、石炭関係の一般設備、並びに炭鉱労務者住宅の建設とかいうような石炭関係の設備関係におきまして、その設備自体を始めますることについて許可が要るわけでございますが、その許可がいろいろの事情で遅延いたしましたことが大きな原因に数えられるわけであります。即ち事業計画それ自体の遅延に伴つて融資が予想よりも少なかつたということが一つであります。
 それから御承知のごとく不当融資その他を防ぎまして、而も実際本当の復金融資を所要しておる向きに金を流しますために紐つき融資を励行いたすことにしておるのでありますが、それらにつきまして多少準備その他に不馴れのために手間が掛かつたというようなことの関係で、実際融資が相当遅延しておるわけでございます。
 それから第三・四半期がそういうような状況でございますが、今後百億では非常に少ないではないかというお尋ねでありますが、率直に申しますれば、非常に少ない計画であるということが言えるのであります。併しながら一面いわゆる三原則という問題、特に復金につきましては、運轉資金を原則的に見ない、特に赤字融資的なことは絶対ならない、又できるだけ資金の効率的な使用を図りたいというようなところから、更に又一般の市中銀行の協力を得るというような建前から申しましても、一面において、必要なものはどうしても復金でなければ担当できないものについては、十分見込む必要がございますけれども、同時に復金の負担になる融資というものは、できるだけ一面において少なくいたしたいというようなことから、いろいろと檢討が加えられました結果、先程申しましたように、一應今のところでは明年の三月末、即ち今年度の第四・四半期末までの所要としては、百億で何とか泳いで行ける、又そうしたいものであるというようなことから、百億というような数字を算出したわけでございます。
#5
○小川友三君 只今百億で何とかやれるというお話でありますが、それは貸さなければ、一銭もなくてもやつて行けるのでありますから、産業復興という大きな重点的な責任を以てやつたときに、百億では足りない、これは復金へ行つて調べましても、復金の御当局の方々は、とにかく百億という僅少な額じやどうにも仕事にならないという悲鳴を挙げております。それは直ちに産業の復興に影響をするのであるということは、隠れもない事実であると固く信ずるのでありまして、どうして百億しか取れなかつたかという、政府原案の基本がどういう原因でそういう工合にお削りになつたのか、産業振興をさせないつもりか、させるつもりであるけれども、まあここいらで何とかやつて行こうという消極的な、極めて退歩したお考えでないかと思いますが、その点について一つと、それから百億の問題で、非常に食い違いを起す原因がここにありますが、第三表の中に收入、回收、利息三十七億と見られております。現在日本の税金を掛ける高度の率から申しまして、借りた者は、なかなか三十七億すんなりと返せない、分も返せば関の山と思いますが、先ず十七億も返せば関の山と思いますが、そうすると二十億くらいの食い違いが出て参ると思いますが、これにつきまして、政府も取つて來ないのだから、絶対に自信もないでしようけれども、大体そうすんなりと入らないという見通しを持つておりますが、これについて御答弁を賜わりたいのであります。
 それからここに第一表でありますが、第一表で利息が二十億というのが明記されておりますが、これは先程の質問に関連しておりますが、なかなか回收できない状態にあるというのは、大体電期の内容が、どこでも儲かつておる会社がないような状態でありますからして、この合計三百三十億一千万円というのが、これはペーパー・プランとしてははつきり出ますが、大きな食い違いができて來るのじやないか、それからこれは債券発行の手取金が百四十八億一千万円あるのだと言いますけれども、果してこれが焦げ附いてしまう分が現われまして、ここに又何割かの食い違いができて來ると思います。その点につきまして一つ御答弁を賜わり、又支出の分ですが、貸出は百六十三億九千万円の予定でありますが、やはりいわゆる幹事会或いは理事会というようないろいろな委員会でやつて、どうしてこれをやるかという場合に、貸出を見込む金額はこれに何倍かするのだと思いますので、そこでこれは余計出て行く場面になる、こうきつちりと字に書いたように出て來ない点がありはしないか、かように思つておりますので、この点につきましてゆとりを、いわゆる運轉資金を復金は実際はやらないのだという、そこに大きな復金の資金問題に対しまして、借りたい者は、運轉資金は一銭もないのだというような調子でやられたのでは、ずれができまして、つまり物が半年後に借りるときは上つてしまつて、その計画はできないからして、その貸す場面においても食い違いが起きて來るという点がありますので、大体百六十三億九千万円を、申込みを受けてから何ヶ月間で大体これは貸すのですか、この点につきまして御答弁を賜わりたいと思つております。
 それからもう一つ、復金の不当融資という言葉が出ましたが、昭和電工問題に対して復金が出したことは、これは不当融資じやないと私は思つております。復金が昭電に貸した金で、化学肥料が沢山できまして、貸出が非常に早かつたために、農民がその肥料を使つて食糧増産をしました量というものは、金額に見積りましたならば、恐らく百億も百五十億も國家的貢献をはつきりとしておる、かように私は思つております。あれは断じて不当融資でなく、ただその融資のうちから幾らか撤いたという人がありましたので不当融資的に考えられましたが、復金の貸し方は、断じて私は不当な貸付はしていない、かように信じております。それは專門的見地から、こうしてこういう工合に必要であるということを科学的に研究せられてお貸出しになつたものであつて、復金の貸出には一つも不当貸附はない。借りた者がただ幾らか濫費した者があるのだという解釈でありまするが、それにつきまして、私の解釈は違うかどうか、一つ御答弁を賜わりたいと思います。
 紐附き融資の問題がそれに関連しますが、紐附き融資もそれは必要であります。併しあまり紐附きで刑務所入りするような状態では、資金というものは、そう余り紐で結わえられますと、その紐も細い紐ならいいですが、ワイヤ・ロープの強いやつで結わえたような恰好であるますので、産業はこれでは振興しないと思いますから、立派に経営する会社に貸して行くということは、そう危險ではなく、又断じて危險ではないのでありますからして、それにつきまして、飽くまでも紐附きで行つてしまうのかという点につきまして、御所見を拜聽いたしたいと思つております。
#6
○政府委員(愛知揆一君) 百億では非常に足りない、これでは産業復興ができないではないかというお尋ねにつきましては、私もその感を深うする者でございますけれども、同時に、先程もちよつと申しましたように、復興金融金庫の融資につきましては、できるだけ効率的に、而も他の財政金融諸政策と相即應し、且つインフレーションをできるだけ進度を緩やかにしたいというようなところから申しますれば、やはりその面からはできるだけ復金を通ずる融資が少からんことを欲しなければならん情勢ではないかと思うわけでございます。実はこの百億につきましても、若し或る程度円滑にと申しますか、或いは言葉は惡いのでありますが、多少ルーズに考えまするならば、実は私共の計算でも二百億余りの増資が必要ではなかろうかという計算も出るくらいでございまして、百億が現在の情勢から言つて少きに失するということは、私共事務的に考えて認めざるを得ないところであることを率直に申上げたいと思います。ただこれはやはり見込の問題でございまして、前々から復金の融資の資金計画と、実際の融資の実績とのことについては、前の増資の機会にも申上げましたように、実際は相当情勢の推移に應じて食い違いが起つて参ります。先程申しましたように、この第三・四半期等におきましては、殆んど資金計画の半分も金が出なかつたというような、又それは出さなかつたということになるのでありますが、さように大きな開きもできるくらいでありまするので、どうしても産業の再建のために、或いはその他の必要から、どうしても復金でなければ賄えないという金が出て参りますならば、これは一應の見込でもございますのでありますから、その時期になりまして、又改めて増資案をお願いするというふうに考えたいと思つておるわけでございます。
 それから回收の点についてお尋ねがございましたが、実は私共の考えでは、お配りいたしました表にありまする回收は、今少しこれより金額が多いのではなかろうか、今申しました百億が少な過ぎるということにも関連いたしまして、資金繰りとしてはむしろ回收がこれよりは少し多いということによつて、多少裕りが出るのではなかろうかと見込でおるくらいでございます。と申しますのは、從來とも回收については復金の当局でも非常に努力されて來たのでありますが、最近公團関係の融資の回收が非常に順調になつて参りました、そうして公團関係の回收率は大体八八%くらいになつております。それから一般産業に対する貸出の回收は一三%、これらを相対的に平均して見ますと、五七%の回收率を上げておりますので、最近に至りまして、復金融資の回收状況は相当良好であるということができるのではないかと思うのでございます。一般産業については一三%であることは、比較的未だ低率ではございますけれども、資金の性質上或る程度現在では止むを得ないのではなかろうかとも思われまするので、できるだけ企業におきましては自己資本の充実を図つて頂くというような方法によりまして、尚一層の回收率を上げるようにしたいと考えておるわけであります。それはともかくといたしまして、今申しましたように回收はこれより多少上廻りわしないだろうか、從つて貸出に向け得る余力が予想より多少多くはなりわしないかと考えておるわけであります。
 それから次に不当融資の問題でありますが、先程ちよつと私の言い方が足りなかつたのでありまして、私も復金に関する限り不当融資という言葉は使いたくないと思うのでありますと申しますのは、私も大体において過去のものにつきましても、不当融資ではなくて、当時の状況においては止むを得ず融資しなければならなかつた、諸般の経済的、財政的、或いは物價政策等に基く原因があつたのでありまして、それが一部不当に消費されたということについては非常に遺憾に思いますので、融資計画なり、融資を実行した時にこれは不当であるということを知つてやつたというようなものは絶対にないというふうに考えておるわけでございまして、その点につきましては小川さんの御意見に全然私も同感である、又そういうふうに見て頂けることができるということは、私共としても非常に有難いことと考えております。
#7
○天田勝正君 問題は資本額にあるのではなくて、これを殖やして、その使途が如何に使われるかということでありまして、これは別段小川委員がおつしやつたように、復金が何か惡事のような融資の仕方をしておるということではありません。いろいろな産業を復興して参りまする上に、どうしたバランスの上の妥当にこれが撤布されておるかということになると思うのであります。一例を挙げますと、第二・四半期の分でありますが、農業水産関係に四十億という別の枠がとられておりまして、この取扱が大藏省と農林省との間になかなか繩張りがありましたために、その貸出が遅れておりました。この点について過日も質問を申上げたのでありますが、それはどうやら妥結をして、すでに貸出をするようになつたという話を伺いました。その後それを調査する機会がありませんので、どうなつたか分りませんが、それはそれといたしまして、このように役所間の何か繩張り爭いのようなものによつて、折角の枠が決められたものすら利用が遅れる、こういうことが日本産業の発展のために不当に阻害をなすものだと思うのでありまして、こういう点について一つ今後如何に運営されて行かれるおつもりかと、それからこれに関連してでございますが、ここに過日貰いました業種別融資残高推移表というものがございますが、それを見ても分りますように、農林業のところを見て参りますと、大低概ね〇・一%であります。水産業は四・四%から一番多い時でも八%、こういうような表が出ておるわけであります。これと第三・四半期の枠とを考え合せて見ますと、第三・四半期は一般の工業が三百五十億、農林水産が二十億、それから中小企業が二十五億、こういうふうに聞いております。この数字が誤りならば別でありますが、そういうことになりますと、一体農林水産業がどうして他の工業と比較した場合に、このように二十億というような、十分の一にも充たない水準に置かれておるのか、甚だ私には不可思議で堪まらないのでありますと申しまするのは、一口にいえば、農業は都市の工業程の打撃を受けていない、こういう話になるのでございますが、併しながら水産業も含めての農林水産でありまして、水産業に至つてはやはり大きな打撃を受けておりまするし、この面に若し融資を十分にやるといたしまするならば、直ちに食糧、就中蛋白資源の確保というものは簡單にできるものであります。そういう点などが、何かこう農林水産というような感じに置かれており、どうも業者としても、又農林團体といたしましても、役所、或いはそうした金融機関に行くことを億劫がるという点もあるのでありますが、そういう面はどうも忘れられ勝だ。こういうふうに私共は感ずるのであります。そこで今後それらのバランスをどういう観点に立つてかような配分をされるのか、この点を一つ明細にお伺いしたいと思うのであります。
#8
○政府委員(愛知揆一君) 先ず最初に、先般ちよつと申上げましたように、農林漁業復興金融につきましては、御指摘のような事実もなかつたことはないのでございますが、その節もお話申上げたと思いますが、農林中央金庫の理事長に具体的に融資の決定等は御一任するということになりまして、現在順調に進んでおることだと考えております。詳細の額も一部持つて参つておりましたけれども、後刻説明することにいたしまして、次に根本的の問題でございますが、実はこれは復興金融金庫ができました時からの問題と思うのでありますが、大体何と申しましても、復興金融金庫は、言わば言葉は惡いのでございますが、インダストリーに対する融資ということが重点であつたと考えるわけであります。從つて農村方面の問題、或いは漁業水産関係につきましても、例えば農村における工業の発展というようなことについては、從來も復金として融資の対象といたしておりました。それから水産関係等でも例えば船舶建造、それと罐詰工業、その他食糧加工業というようなものは、やはり復金の融資の対象として從來も相当やはり私は重点を置いてやつたと思うのでありますが、それ以外の造林でありますとか、開拓、干拓、船溜り、漁礁の構築というようなものについては復金の融資の対象には初めから考えていなかつたということが言えるのではないかと思うのであります。何故かと申しますと、開拓、開墾等についてはむしろ金融問題というよりは財政支出の問題として、非常に長期に亘つての問題でございますから、むしろ財政で以てこれを計画すべきが妥当ではなかろうかという考え方があつたと思いますし、現在もそういう考え方で大体においてよいのではないかと思うのであります。ただ從來におきましては、例えば預金部資金というようなものの運用は財政と金融のやや中間を行くようなものでありまして、その融資先というもは、今御指摘のようなものに相当重点を置いて融資されておつたと思うのでありますが、これが終戰後の状況によつて預金部資金のそういう方面についての運用は一切禁止されておるようなわけであります。
 それから從來勧業銀行、或いは北海道拓殖銀行といつたような長期の債券を発行することができた銀行が、その方に対して相当の貢献をいたしておつたと思うのでありますが、この途も大体において閉ざされておるということで、農林漁業復興資金は改めて財政でまあ見るべきものは見るけれども、その見られる範囲は或程度限定せられざるを得ないというので、どうしても金融的にその穴を埋めなければならんというので、御承知のごとく、いろいろの変遷がございましたが、漸く前回の國会では、第二國会が済みました後で漸く関係方面の了解がついて、復金の中に一應別個の枠を作つて、それが農林中金の引受けということで、農林中金の金を作つて、その方から面倒を見るということが漸く決まりまして、十月の六日から貸出しの実行に入つたようなわけであります。さようなわけでございますので、今後の問題といたしましても、このやり方が飽くまで暫定的なやり方でございまするので、引続き農林、漁業復興金融資金については、特別に政府の特別会計を創設するか、或いは現在復金と中金が提携してやつております方式を恒久化するということが現在大きな懸案として未解決のまま続いておるような状態でございます。それから根本的にこの生産の復興、経済再建、それから農業関係と工業関係等の割振りというようなことにつきましては、実は御承知のごとく、政府側としては経済安定本部の産業政策に從つてやつておりますようなわけでございますので、余り詳しく私から御答弁申上げるのは如何かと思いますし、又十分審びらかには御説明できないと思うのでありますが、ただ一言申上げたいと思いますのは、現在の状況下で申しますと、金額的に申しますと、先に御説明申上げましたように、何分今から飜つて見れば、石炭を中心としただけでも百億以上のいわゆる赤字融資が溜つているというような状況であり、而もそれがいろいろの意味でも政策の尻拭いがそこに集中されておるのでありますから、必ずしもこの金額だけで鉱業関係に対して多く又農村関係に非常に冷遇したと必ずしもその金額だけでは比較はできないかと思うのでありますが、諄いようでございますが復金の創設以來の経過を振り返つて見ますと今申しましたように、インダストリーが主であつたことと、それから今日の大きな懸案として、農林漁業の援助を復金か、或いは財政の援助かどうするかということが現在懸案として残つておるということを申上げたつもりでございます。
#9
○天田勝正君 最近復興金融金庫の問題が新聞紙上で喧しく採上げておるのでありますが、あれは一部の権力者がとやこうされた点はあるでございましようが、そのために何か復金自体が腐り掛けたということは断じてないと私も信じております。併しあの噂さが新聞に載ります以前においても、相当世間は僻目で見ますせいかいろいろ噂さとりどりであります。その噂さとりどりというのは、どうも一部の所へ片寄る、自分の所は冷遇されるというようなことが、結局積り積つて噂さになるのでありますが、そこで私はこう考えるのです。大きな産業と小さな産業、こういうものを比較して同じように公平に取扱へ、こう復興金融金庫の職員に要求してみたところで、その要求の方が無理なのだ、私共のような立場におりましても各地に委員会等で出張した場合に、大きな所と小さな所を見せられた場合に、必ず大きな所の方が印象に残りまして、これはもう人間の心理で止むを得ない、それを大も小も繊維業も石炭業もガス業も水産業も交通業もという工合に職種もいろいろであれば、企業の大小もいろいろあるのに、同じように公平に取扱へといつても、これは要求する方が無理である、どうしても業種別か、さもなければ企業の大きさに應じまして五十人以下であるとか、或いは二十人以下、或いは五百人以下、或いは千人以下という工合にいろいろに区分いたしまして、極めて比較に簡單な要するに制度を採ればこれは一番公平に裁定ができると思うであります。これは理想論であります。理想論であるからして、そう言えば何十もの金融機関を作つた方がいいという答えになるのでありますが、そんなことは現実として恐らくできないでございましよう。併しながら化学産業なら化学産業、機械産業なら機械産業、電氣事業なら電氣事業、こういうような大分類の業種別にするか、或いは大中小、こういう企業の大きさに應じての三段階ぐらいにするか、こういうことならできるのじやないか、私はこう思うのですが、これは事務当局にお伺いするのは無理な質問だとは思います。併しそのようなことを多少事務局において考えられて、一つそのような立案をしてみようということがありましたかどうか、それからこれも局長にお伺いするのは若干無理でありますが、本当は、農林省の方がおればその方にお伺いしたい、よその、よそと申しますと、外國の水産業を見ておりますると、大体水産を採上げる前に、先ず加工の設備を考えて、それに應じて、要するに漁獲をやる、こういう方式で獲れたものは、その場であわてふためいてこれを肥料にしてしまうとか、或いはたんと獲れたからどうしてしまうということがどうも少ないようであります。ところが日本では、もう無計画でありまして、ただ魚を獲るということだけを主にして、加工の方が一向に設備が伴わない、勿論それに應ずるところの金融面も不十分である。こういうようなことからいたしまして、尊い食糧となるべきものも、あたら腐らしてしまう、こういうようなことが、多々あるのであります。腐つたら仕方がないから肥料にする、こういう、言つて見れば出まかせのやり方、そこで、一体このようなことについて農林省はどういうふうに考え、これを根本的な対策を立てようとされるのか、これは恐らく局長には御無理でありましよう、併しそういうことは、金融面についてもやはり申せるのでありまして、こうした根本的の点をお考えになられたかどうか、こういうことを一つお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(愛知揆一君) 資金の融資につきまして、業種別、或いは規模の大小というようなことについてのお話でございますが、これは或いは直接御答弁にならないかも知れませんけれども、又復金の理事長がお見えでありますから、理事長から御説明頂いた方がよいと思いますが、私の承知しておりまするところでも、この問題は、復金の当局としても非常に、常に考えられておるところであると思うのであります。現状は、事務的の仕事のやり振りを、簡單に申しますと、融資担当の部は、数部に分れておりまして、その部は、特に石炭のときは石炭融資部というものが、独立して、石炭だけ、それから石炭に直接関係のあるところだけを縦に担当して、詳細に審査をいたしております。それから、その他の融資面についても、三つの部に分れておりまして、その中の、例えば一つは化学工業関係に、ずつと縦の関係を見ております。或いは農林関係、それに関連する農林関係のところも詳しく見まして、一方農林、漁業、復興金融の方は、これは復金から直接ではございませんが、その道の專門家の一番多い農林中金に一つの特設した部を作りまして、これがやはり業体別として縦に詳しく審査をいたしておるわけであります。
 それから規模の間でございますが、同じく融資につて、復金の中に中小事業部というものが特設してございまして、この方は金額が、一件二百万以下でございますか、三百万以下でございますか、金額で制限を置きまして、そうして中小のものについて、その部が直接に担当をいたしておるわけであります。更にその外に、中小の金融につきましては、代理店を活用いたしております。これも前回申上げたと思いますが、例えば興銀、勧銀、商工中金というような、中小金融に習熟にたしておりまするところに代理貸を、一・四半期、今期は約八億程度と思つておりますが、これは大体において、その大部分が代理貸をいたしております。代理貸をいたしますところに、その審査の大半の権限を委讓いたしまして、その知識経驗を大いに活用しておるわけであります。その外に又復金としても直接の融資も中小金融でやつておりますし、又市中銀行に対する補償融資ということも中小金融についても行なつておるようなわけであります。このやり方につきましては現在でも復金は人数が非常に少ないのが欠点でありますが、これを拡充することもなかなか困難でありますので、その與えられた人員の中でこれを今申上げましたように業種別と金額別との両方の基準によつて睨み合せて審査に当つておるような関係であります。
 それから水産と加工の点については私からは御答弁いたしかねますので、農林省の政府委員に傳えて別な機会にお答えいたします。
#11
○松嶋喜作君 復金債券のことについて伺います。この表によると前期繰越債券発行余力百七十一億とありますが、これは近い將來に発行のお見込がありますか、どういう條件で御発行になりますか、その発行余力に対する復金債券の発行についてお伺いしたい。
#12
○政府委員(愛知揆一君) これはやはり今まで通りの方式で先ず市中銀行に消化して貰いたいと思つております。併し御承知の通り最近興業銀行は、興業債券を発行し得るような状態になりましたので、いわゆる興業債券の発行條件、應募者利廻り等と復金債の應募者利廻り等との関係におきまして可なり微妙な問題が出て参つております。併し私の考えでは復金債はやはり一種の國債に準ずるようなものであり、又今までのやり方は融資準則上で財政資金の枠の中から協力して持つて貰うべきものとなつておりますので、銀行が何と申しますか、コンマーシャルなベーシスで債券を発行するのとやや異つた考え方をしてよいのではないかというふうに考えております。それから地方銀行等につきましても大体情勢の変化に拘わらず復金債の消化ということについては引続き好意ある協力を求め得るという見通しを持つておるわけでありますが、同時に前々から申しておりますように、少くとも日銀引受になりますもの以外には必ず期限通り現金で償還するというようなことがその前提として最も大切なことであるというように考えておるわけであります。
#13
○松嶋喜作君 そうするとこの債券発行本五十億の財源というものは大部分日銀の引受、つまり日銀の肩替りということになつておりますが、一般市中銀行、地方銀行の引受と日銀の引受との比率はどういうふうになつておりますか。
#14
○政府委員(愛知揆一君) 市中の消化率は最近非常によくなつて参りまして、一時は日本銀行が大体八割程度を持つておつたのでありますが、今年十一月三十日現在で、只今までの債券の発行に対しまして日本銀行の所有しておりますものはパーセンテージで申上げますと四一・二%、日銀以外が五八・八%、金額で申しますれば日銀手持が四百六十五億四千百余万円ということに相成つております。
#15
○松嶋喜作君 この平均の條件はどれくらいでありますか……、細かい話はそれでは後廻しにいたしまして、別に私は……。
#16
○政府委員(愛知揆一君) 平均はちよつと出しておりませんが、最近のものを申上げますと、應募者利廻日歩一銭九厘六毛、年利六分三厘三毛、それから最終利廻は日歩二銭五毛、年利七分四厘八毛、それから詳しくお答えいたしたいと思いますが、ちよつと只今資料を十分なものを持つておりませんので、後刻お答えいたしたいと思いますが、引受手数料が百円について十銭、それから償還手数料が償還元金百円につき三十銭、これらを総合いたしまして、多分應募者利廻二銭五毛と私記憶いたしております。なお詳細は……。
#17
○松嶋喜作君 発行者利廻は幾らですか。私のお尋ねしたいのは、今回興業債券の二銭六厘という標題が出ておりましたが、ああいう債券が出ますと、こちらの方の債券は恐らく公債なりとはいうものの、非常に條件が高くなつて、こちらの方が非常に低いですから、恐らく発行者利廻が二銭五厘か幾らかくらいなんでしようが、それではこの債券が発行できないではないか、結局余力ありというものの、債券発行は。余力が殆んど空ということで、復金債券は今後消化は困難ではないか、余程條件を上げなければいけないではないかという懸念で、バランスの点がどうか、その点をお尋ねしたいのであります。それはどうですか。
#18
○政府委員(愛知揆一君) 只今のお尋ねは私共も非常に困難な問題と考えておるのでございまして、数日來非常に事務的にも悩みましたのでございますが、ただその結論は先程もちよつと申上げましたように、復金債と興業銀行債券とは、まあ見方によれば、等しく金融債券といえるかも知れませんが、現状において復金債はいわば一種の生産公債或いは建設公債とでもいうべきものにむしろ属するものではなかろうか、それ故に財政資金で以て融資準則の上でも、これの保有を大いに協力を求めておるわけでございまして、その方式を続けて行くということによつて、現状よりはやや困難さを加えるかも知れませんが、更に当局側も努力し、又大いに積極的に協力を求めたいというような考えておるわけでございます。それから尚將來の問題といたしまして、でき得るならばこの復金債券の利廻につきましても、適当善処いたしたいと考えておるのでありますが、ただこれは、今縷々申上げましたように、公債との関係、或は横の金利のバランスということも相当問題でございますので、今はつきりとその賣上を考えるということまでは申上げ切れないような状況でございます。
#19
○松嶋喜作君 私は数字から結論をお伺いしたので、そう別に細かい数字を要求しておるのではないのであります。もう一つこの表を拜見しますと、経費の点でありますが、第三・四半期の收支のところの経費として、一億二千万円、それからその次の第三表の二十三年度第四・四半期收支が、一億五千万円となつておりますが、一体この十二月までの復金の経費の総額はどれほどであるか、この第四・四半期に表示されておる一億五千万円の経費というものの主な相手というものは、どういうものですか、私は結論を先に申上げますが、一体復金の收支勘定というものは、どの表にも出ておりませんが、どういうことに相成つておるかというところが質問の要点なんですが、その前提として経費をお伺いしておるわけですから……。復金のこの一年間――二十三年度――の收支計算の尻はどうなつているかということをお伺いするために、この経費を伺つたんです。
#20
○政府委員(愛知揆一君) 多分お配りいたしておるかと思いますが、「第四國会提出参考資料」「復興金融金庫」という資料がございますが、それの一番最後の十八の諸勘定残高表を御覽頂きたいと思うのでありますが、経費の大部分は復金債の割引料ということに相成ると思います。
#21
○松嶋喜作君 一八の表で分りますか。これは数字ですからこの次でもよろしうございます。質問を留保しておきますから、次の方にどうぞ……。
#22
○米倉龍也君 私も農林漁業復興融資について二三お伺いいたしたいと思うのです。大体初め政府は四十億を決定しておいたものを貸出期間が短縮されたというようなこと、まあその他事情があつたでありましようが、これを二十億に圧縮した、これは非常に遺憾なことでありますが、併し事実そのくらいしか融資が可能でないというようなお見込のようでありますけれども、漸くこの融資の事務的な点が軌道に乘つて、今行われておるのでありましようが、どのくらいな今情勢でありますか、この第三・四半期に、計画では六億七千四百万円というようなものが、暫定的に決定されておるようでありますが、或はこれ以上相当多くの中金債が発行されるのではないかと思うくらいな状況ではないかと思うのであすが、どんな状況になつておりますか、そういう関係から仮に第四・四半期において、更に順調にこれが進行しまして、二十億を越しましても、その場合にはこの二十億の枠を修正をして復金の中でこれ以上の融資ができますかどうか、その点、それからこれは多分二十億なら二十億ということで抑える手はあると思います。それは主務大臣が事業別資金運用計画というものを先ず作つて、上の方からその割当をしてしまう、その割当の範囲において融資するということになりますれば如何に地方においてそういう資金需要が起り、希望がありましても、そこで抑えられるということに相成りまして、抑えれば抑えられるのですけれどもそういうことでなく、そういう資金の需要が増すならば二十億以上でも第四・四半期においてはやるかどうかということを先ずお聞きしたい。それからこの資金の問題の起りました経過から見ますると、今年の六、七月頃の極めて農村金融の危機に瀕したような事情打開のためにいろいろ御研究を願つたことと思うのであります。その結果これは申上げるまでもない短期金融の面では農業手形のような制度をお作りになり、長期金融の面でこの復興融資が考えられたとこう思うのであります。結局こういうことは現在の又將來考えられる農村金融のいろいろの今までの考えなきやならない面を打開しまして、農村金融全般の問題の解決をしたいということから出て來たことでありまするが、これがどういうことか、長期金融というようなことのために結局政府が先程局長がおつしやつたように行政資金で以て或る点やらなきやならないことが沢山ある、併し行政資金が十分に行かないからしてその補完作用をするために金融面の措置を採るようにこれはなつてきておるということをおつしやつたので、その通りと思います。そういうふうに何かこれは造林とか、造林等は別としましても、林道とか、開拓とか、或いは船溜りというような國土計画の方で考えなきやならないようなこと、言い換えれば農林水産事業の基礎的な條件を作つて行くというようなことで、これは本当は國家に相当にこの財政資金を出さなければならないものである、それが便乘という言葉はどうか知りませんが、そういうようなことをする一つの意味でこの資金をお考えになつて進んで來たようになつてしまつて、初めこの金融のこういうことを考えたその時の氣持からは大分外れてきたように私共はみておるのであります。そのために今度のこの融資の対象となるものは只今申しましたような全く基本的な事業に対してでありまして、それだけでは現在の農村、又今後考えられる農村金融の問題の解決はむずかしいと思うのであります。で現在やつている資金の対象にただ一つ乳牛を農村へ入れるということのために資金が貸出されております。又これは大変失礼なことでありますが私は更に進んで農村の工業に対して農村資金をやはりこの金融で賄つて行くということがいいじやないか、農村の工業に対しては、別に農村工業方面への資金の枠を作つてあるということはよく知つております。けれどもそれがどんなふうに今現に行なわれておりまするか知りませんが、恐らくそれはただ枠を作つたというだけで、まだ実際の融資の点まで行つておらないかと思う、或いはむしろこの問題の起つて來た経過から考えますというと、やはり農村工業方面にこの金を使うというふうに融資の対象をもつと拡げて、今のような狹いものでなくて、もつと拡げてお考えを願つた方がよいのじやないかと思うのでありますが、そのためにはあの中に共同施設に対する融資ということがあるのですが、どうも実際の取扱の上では、そういうものを認めておらんようであります。実際やつておらんようであります。これはむしろその方面へ積極的に進んで、そうして現在の農村金融の困つておる点を、この農村金融の困つている点は、言うまでもなく農業会というものが解体しまして、農業協同組合になつた、この制度の変更のときに、実は政府としては、何らこの金融措置を考えておらなかつたということが大きな影響が今日出て來ていると思うのであります。そういう意味でこの農村の組織の変りましたことに対して考えましても、農村工業方面に相当今日まで農村資金が長期に固定している、この長期に固定している資金をなんとか解放してやらなければやはり農村金融は依然として昨年の通り、又今年の春から夏に掛けてのことが來年も再來年も繰返えされるのではないかと私はこう心配する者であります。この農林漁業復興融資の範囲、対象というものをもつと廣く一つお考えを願われないか。ただ財政資金をやらなければならないような事業、当然それはやらなければならん、そうして沢山やらなければならない事業、そういうものだけでなく、実際の事業として、実際の企業として成立つような方面への融資にこの法をもつと今よりも向けて行くというようなふうにやつて行つて頂きたいのです。この点についてのお考え方をお聞きしたい、この二点を……。
#23
○政府委員(愛知揆一君) 第一点の四十億の枠の問題でございますが、実は私共の考えといたしましては、四十億を二十億に圧縮したつもりではないのでございます。先程第三・四半期の資金計画が全体で三百八億であつたところが恐らく十二月末までに出まするものは百六、七十億であろうという御説明をいたしたのでありますが、農林漁業復興金融につきましても、二十億円と第三・四半期に予定いたしましたものが現実に資金として手に渡りますものは恐らく六、七億に止まるだろうと思うのであります。併しながら第三・四判期分としてその外に二十億を現に計画いたしております。それから今期から來期に流れ、ずつと継続的に計画を進めておりまするので、その結果において同じじやないかと或いはおつしやられるかも知れませんけれども、継続的にずつと考えておりますので、枠としては第三・四半期も二十億、第四・四半期も二十億、而も第三・四半期では予定したものだけが出なかつたということは、当然に第四・四半期においてもそれは頭に入れて計画し実行をするということにいたすことになると思うのでございます。それから第三・四半期分としては実は一番最初の計画は三億八千余万円というような計画でございますが、経済安定本部が、この案をいろいろ廣い観点から檢討いたしまして、次のようにこれを第三・四半期分としては計画いたしたわけでございます。即ち第一が耕地の改良造成、若しくは復旧に対して七億七千余万円、第二が造林、林道開発、又は復旧に三億八千五百万円、第三が魚礁、船溜りに対し四千五百万円、第四が、農業共同施設について七億八千余万円、その他を合計いたしまして二十億を適当とするということでございまして、去る十月の六日から貸出に着手いたしたのでありますが、これが何分先程天田さんから御指摘もありましたようなこともございましたし、それからやはり何と申しましても、初めてのことでございまして、中央と地方との連絡等が十分でありませんでしたために、現実の貸出の契約が相当予定より遅延しておるということは否定できないところでございます。結局いたしまして十二月一ぱいに現実に資金化するものは大体七億ぐらいの程度ではなかろうかというふうに考えております。
 それから第二の基本的な考え方の問題でございます。これは結論を先きに申上げますと、先程申しましたように、非常に大きな懸案として我々に與えられておる問題でございます。大藏省といたしましても、現在金融制度懇談会というようなものを各方面の方にお願いいたしまして、研究を進めて頂いております。まだその結論は出ておりませんが、今後農林金融の問題について如何なる制度、如何なる機構によつてどういうものを採上げて行くべきかということについては、引続き非常に熱心に檢討いたしております。又農林省、安定本部等とも随時連絡を密にして、成るべく早く成案を急ごうと思つておるのでありまするが、関係方面にもいろいろの意見がございますようで、いろいろその折衝には腐心をいたしておるところでございます。從來の実は考え方はどうかと申しますると、大体昨年の四・五月頃から夏に掛けまして、御指摘のように本年の四、五月から七、八月頃に掛けまして、農村の金融が非常に逼迫いたしまして、そのときの大藏省としての考え方は、先ず短期の應急資金としては農業手形制度を創設したということが一つ、それから農村の工業化ということにつきましては、復金が当然融資をして然るべきものであるという考え方で実行をいたしたのであります。それから第三のものとして農林漁業の関係の相当長期に寐る金で、而も財政でも寐られない金というものについて一番研究に手間取り、一番折衝でも手間取つたことは、只今の二十億或いは四十億という計画でともかくやつて行こうということにいたしまして、大体三段構えに対策を考えたわけでございます。將來只今お話のように今暫定的に始めました農林漁業復興資金の考え方を農村工業の方にも対象を拡げて、むしろ復金の直接の融資の対象から外ずす方がよいのか、それとも現在のように復金でも直接に見るし、又特に長期に固定するようなものを独立に見た方がよろしいかというようなことにつきましては、実は冒頭に申しましたように、現在の審議研究の対象にいたしまして、廣く各方面の御意見や関係方面の意見を徴しつつ研究をいたしておるようなわけでございます。今私共の纏つた意見としてまだ申上げ得る段階にはなつておりませんわけでございます。又農業手形の問題にいたしましても、今年のようなやり方をあのまま來年も続ける方がよいか、又更に短期資金の問題につきましても、別に改善策がないであろうかということも併せて現在研究しておるわけでございます。尚又復興の問題としては、御案内の通り金融業法の立案ということもございますので、その一環として農村の組合金融の問題その中央機構の問題というようなことをも総合的に現在やつて考えておりまするような次第でございます。
#24
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。まだ御質疑はあることと存じますが、本日はこの程度に止めたいと思いますが、御異議ございませんか。それからこの際お諮り申上げたいことがございます。黒田小委員長から金融制度改革に関する調査の議員派遣の要求をしたいという御提議がございました。派遣の目的は関西方面の金融界及び産業界代表者より金融制度改革に関し意見を聽取すると共にその実情を実地調査し、以て金融制度改革の調査に資する、派遣議員は黒田英雄、森下政一、木内四郎、伊藤保平、松嶋喜作の諸君、派遣期間は十二月十三日より十二月三十一日までのうち七日間、派遣地は大阪府、京都府、兵庫縣、こういう御要求が出ておりますが、この議員派遣要求書を議長に宛てて提出することに御異議はございませんか。
#25
○天田勝正君 勿論異議あるわけではありませんが、実際問題といたしましてこの予算がいつ本会議に上程されるか、これが問題だと思うのです。それが一つとそれから過日本会議で御承認頂いた私共の在外同胞引揚に関する特別委員会の全員出張でありますが、実はあれについて本会議で御承認を得た上でその取扱に困つているという話もある、これは打明け話でありますけれども、それはこの委員会でも給與の法案が出ておりますし、予算も構わずして行くというわけにも参りませんし、直ぐに解散ということは必至だろうと思うので、参議院だからして理論的に言えば解散などは一向構わない、こういうことになるのでありますけれども、実際問題とするとどうかというふうに今考え直しておりまして、さて本会議で御承認を頂いてしまつておつて、今度調査報告を出さにやならん、こういう問題があつて行かずに済ませるというわけにも参りません。こういうようなことでむしろお困りになることになりはせんか、私は自分としてはそういう御調査をやつて頂きたいとすら考えておるわけでありますが、今言うようなことで、この二、三日樣子を見られたらどうかというふうに考えるのですが、それとも長い期間をとられて、一つその中で何日というふうに相当長くとられて要求されたらどうか、これは御注意までに申上げるのですが……。
#26
○委員長(櫻内辰郎君) 黒田小委員長の御意見は如何ですか。
#27
○黒田英雄君 これは年内となつておるのですが、年内のうちには七日ぐらい、五日ぐらいで済みますか、まあそれで若し解散が延びて、こちらにいろいろな法案が出て、用があるようでありますれば、更に今度は変更したらどうでありましようか、若し急に解散があるというと、この承認を取る機会を逸してしまうということになる。
#28
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(櫻内辰郎君) それでは速記を始めて……。
 只今の期間を、十二月十三日より、昭和二十四年一月三十一日までの中の七日間、こういうふうにいたしましてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(櫻内辰郎君) それではどうぞ御了承を願います。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
   委員
           天田 勝正君
           森下 政一君
           松嶋 喜作君
           油井賢太郎君
           高橋龍太郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  政府委員
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
ソース: 国立国会図書館
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