くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第004回国会 大蔵委員会 第8号
昭和二十三年十二月二十一日(火曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会の開会に関する件
○政府職員の新給與実施に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午後三時四十一分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今から大藏委員会を開会いたします。先に政府から提出され予備審査のため付託されておりました昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案につきましては、去る六日より四回に亘つて大藏、人事、労働連合委員会を開いて審議いたしました結果、十一日を以てこの連合委員会を終了したのであります。然るところ一昨十九日内閣より衆議院に対し本法案の修正につきまして承諾を得たい旨の要求書の提出をせられまして、その旨本院にも通知があり、昨二十日衆議院はその修正を承諾し、目下審議中でありますが、同時に予備審査のため本委員会に付託されておりますこの政府修正案即ち政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案について、政府提出の原案におけると同樣に、人事委員会並びに労働委員会連合委員会を開きたいと存じますが、この件につきましては大藏委員会としては御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないようでありますから、さように決定いたしまして本委員会を休憩いたします。
   午後三時四十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時十六分開会
#4
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より休憩前に引続き大藏委員会を開会いたします。衆議院より送付を受けました政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案についての御審議を願いたいと存じます。御質疑がありましたら御質疑を願います。
#5
○波多野鼎君 第三十五條が野党の修正案に附加えたという説明があつたわけなんですが、その附加えた理由として、先程政府委員の説明では、まあこの法案を急いで通す必要上、從來の勤務時間が長かつたものを短かくして、俸給を計算してやり直すということができないことと、予算上の問題があるということを説明されたんですが、予算の問題についてこの第三十五條を拔きますと、どの位予算が膨脹することになるのですか。
#6
○政府委員(今井一男君) 正確な計算はいたしておりませんが、部分的な國鉄、或いは全逓、こういつたものから集計いたしますというと、四ケ月間で二十億乃至三十億円。こういつた数字に相成る見込でございます。
#7
○波多野鼎君 それから前の問題ですね、これをこの法案の全趣旨に照らしてやり直すと、時間がかかるというのはどれ程面倒なんですか。
#8
○政府委員(今井一男君) 実体を全部把握いたしましても、私共結局最後まで四十八時間の例外として残さなければならないということが必ず起るだろうと思います。労働基準法におきましても御承知の通り若干の例外を認められておりますように、政府職員の中にも、そういうものがあろうと思いますが、又同時に大部分のものは、又時間を決め直すということが可能であるが、又同時にそのために人を以て埋めるという建前のものも出て参ると思います。かれこれ合せますと、正確な切替えを行いますためには、一月とか二月の時間では先ず不可能であります。恐らく半年乃至一年ということを最初予定いたしております。さよう御承知を願います。
#9
○波多野鼎君 それからもう一つ第三十二條の施行の方法の問題ですが、一月、二月の分をまあ一應十二月に繰上げて、十二月を六千三百円にするために、一月、二月が減る。その結果結局五千三百円ベースの場合と同じように、予算総額が二百六十三億に押さえられてしまうというお話でありましたが、人事院の方がおられるといいのですが、政府の方では何か新らしい財源を探して、そうして一月、二月の六千三百円が拂えるような努力をするつもりであるかどうか。それを一つ願います。
#10
○政府委員(平岡市三君) 我々が予算を組むときにもいろいろ考えたのでございますが、非常に財源が乏しい結果でありまして、今のところそれを一ケ月前に拂うということを努力いたすといたしましても、殆んど不可能じやないか、こういうような結果になりまして、結局二百三十二億の枠内で以てそれをやるような結果に相成つたと了承しております。
#11
○波多野鼎君 三月末までにはまだ大分時間もありますので、その間に努力して、この一月、二月の不足分を補なうことをされるのが当然だと思いますが、如何ですか。
#12
○政府委員(平岡市三君) お答えいたします。御承知の通り小川委員からも、よくもう少し税金を取るべき場所があるのじやないかとか、或いは専賣益金などはやりようによつては幾らでも挙げ得るのではないかというようなお話でありますけれども、租税の面におきましても、殆んど担税能力が限度に達しておるのじやないかとも思われますので、專賣の関係におきましても、「ピース」などの賣れないというような事情から、予算よりも三十億の赤字が出るのじやないかというようなことでございますし、お酒について考えましても、今の現状では増收は図れないというようないろいろの実情でありまして、ちよつと努力いたしましても、財源は二十億乃至三十億の財源をここで探すことはなかなか困難、否、不可能ではないか、こう考えております。
#13
○波多野鼎君 それは少しおかしいと思うんです。すでに二十四年度の予算編成期に入つておると思います。予算の編成はやつておられると思います。而も四月以降は六千三百円ベースによつて予算を組まれる筈なんです。それで四日以降の財源については六千三百円を支給し得るものを見付けておられる筈だと思うんです。でありますから少し努力さえすれば、一月、二月もそう不足させないで拂える。誠意と努力をやりさえすればあると思うんです。これができないというなら二十四年度の予算編成もできない筈だと思いますが、私はそう思いますが、どうなんですか。
#14
○政府委員(今井一男君) 大体この案を十二月から実施いたしますと約七十億ぐらい目のこで余計要るわけでありますが、御承知の通りいろいろと歳入の手段を講じましても、年度末に相成りますと、これが実際に施行されまして、收入として國庫に入りますまでには相当の日にちがかかりますので、本年度の歳入として仮にうまい案ができましても、これだけのものをカバーするようなものが今後研究を重ねましても出るか出ないかということになりますと、先程政務次官からお答えしたような御返事になるんではなかろうかと思うのであります。ただ明年全体を考えます際には、これはいろいろの新らしい企画も十分織り込み得るものでありまして、その関係からこの六千三百円ベースが基礎になりましても、まだ政府といたしまして具体的な予算計画は確立しておりませんけれども、必ず基礎の数字でありますので、そういう場合にはそういつた意味合においてやり繰りの方法は、これはつけ得るものと、かように存じます。
#15
○波多野鼎君 税收入が時間的に遅れるということは分つておるので、だからこそ外の経費については大藏省証券などで泳いで行くわけなんです。例えば償格補給金といつたような、ああいう問題になると一生懸命になつて大藏省証券なんかを出して泳いで拂つて行く。官公吏の給與の問題についてはそういう努力もしないということでは甚だ不親切だと思います。折角人事院の六千三百円の案というものは、これが科学的かどうかということはいろいろ議論のあるところであるが、結局今のようなやり方では五千三百円と同じだと、三月までと同じことなんだということが確認されちやつたんです。併し我々から言うと同じであつてはならないのであつて、先程羽仁君が言われたように、人事院の案というものが政府の案と原則的に違うものだということを示すべき努力をすべき筈だと思う。私共人事院の方に聞きたかつたのですけれども、人事院として默つておつてはならんと思う。人事院としても財源でも探して、できるだけ一月も二月も六千三百円を拂うということに努力をせよという勧告をすべきだと思う。それを怠つておるのは人事院の怠慢だと思う。政府の方でもそんな勧告案を受ける前に六千三百円が妥当であると認めたならば一月も二月も六千三百円拂うという努力をすべきだと思う。重ねて答弁をお伺いしたい。
#16
○政府委員(今井一男君) 御指摘の通り衆議院を通過いたしました法律案は、十二月から六千三百円ベースということに相成つておりますので、從つて正にお言葉の通り財源のあるだけ埋めるというようにする性質であることは言うまでもございません。ただこれが外の支出と違いまして、とにかく政府の最も経常的な支出でございますので、こういつたものに対しましては、やはり財政原則等の建前等もございまして、臨時的な特殊な経費を以て充てるということ自身も、明年度のいろいろな問題を絡み合わせること、その他から一、二具体的な案もなかつたわけでもございませんが、結局残念ながら只今のところはこういうことに相成つた、かように一つ御了承願います。
#17
○波多野鼎君 重ねて申しますがね、今直ぐと言つたのではない、今日なんとかしろというわけではないのです。三ケ月間の余裕があるから、その間に努力するだけの誠意を持つておるかどうかということを聞いておるのです。
#18
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#19
○波多野鼎君 ちよつと返事をして下さい。実際に誠意を持つているかどうか……。
#20
○政府委員(平岡市三君) 我々といたしましても、財源の許す限り公務員の待遇をよくするということはこれは当然なことでありまして、ただそれができ得ないということは、月がズレざるを得ないということは、今日の状態として決して誠意がないというのではなくて、殆んどこのままでは不可能であるというような関係からこうなつているのです。
#21
○波多野鼎君 今後のことを聞いているのですよ。今までのことを聞いているのではない。……返事がなければなくてもいい。
#22
○木村禧八郎君 政府案の五千三百三十円につきましてお伺いしたいのですが、あれは前の三千七百九十円ですが、あれに対して実効價格ですね、実効價格が上つたのはカバーする意味で三割三分くらいですか、そのくらい、とにかく物價が騰つたのに対して、実効價格が上つたのに対してカバーする意味で五千三百三十円とされたのかどうか。五千三百三十円としますと、三千七百九十円の当時よりも物價が騰つただけそれだけ上つたのをカバーしてやる、そういうのでございますか。
#23
○政府委員(今井一男君) どうも又古い案の説明なんでありますが、五千三百三十円の考え方は只今の御指摘のような三千七百九十円をC・P・Iで算出させるという考え方ではなく、一月以降の民間給與の上昇のカーブとC・P・Iのカーブと両方勘案いたしまして、民間の賃金が、実質賃金が向上しているというものもできる限り政府職員に取入れる。併しながら一方國民の消費水準はC・P・Iの関係から殆んど上つておらない。こういつた面も考慮いたしまして、それで政府職員というものはまあ直接増産に見合わない関係から、民間賃金を引写しのような関係でスライド・アップするといつたようなことをやや離れまして、國民消費水準と民間賃金の動きとの間において財政上取上げまして、但し実質賃金の向上は含まれております。おりますが、要するに民間賃金の実質賃金の向上程多くない。こういつたところで抑えたのであります。
#24
○木村禧八郎君 私が質問した趣旨は前内閣の加藤労働大臣は、三千七百九十円では食えないということをはつきり認められたのです。それでこれは何とか次に予算措置をするということを言われたのです。で、主としてこういうものが出て來た関係になつていると思うのです。ですから三千七百九十円で食えない分を、この予算措置をしたものが五千三百三十円である。ところがこれは税ということを考えていない名目的な賃金引上げになつて行く。そこで例えば物價が騰つただけ賃金の引上げによつてカバーする。これは物價と言つても実効價格ですけれども、併しながら税の方を考慮しなければ実質的に賃金が低くなつて行くという関係になるのではないかと思う。その税の点と物價騰貴の点を勘案して、実質的に三千七百九十円よりも、この実質的な五千三百三十円が低いのか安いのか、その点はどういうふうにお考えになつているか。税のことを含めてお伺いしたいのであります。
#25
○政府委員(今井一男君) 三千七百九十一円を定めました六月はC・P・Iは三四三でございます。C・P・Iの経過は木村委員御承知の通りでありますが、私共は十月四一七になつております。十一月四二六という推定をいたしました。それによりまして六月実質賃金に比べまして、一割七分向上した、こういつたことになつております。それが加藤労働大臣のおつしやつた数字と一致するかどうか、ちよつと私から申上げかねますが、考え方はそういつたC・P・Iにそのままスライドしない。民間賃金の上昇を引写しにしながら、而も消費水準の線を上廻るように引張りました。こういつた点であります。
#26
○木村禧八郎君 税の方はどうです。
#27
○政府委員(今井一男君) これは税引きにしまして申上げたのであります。
#28
○中西功君 先きの質問がまだ終結していないのです。簡單にお尋ねいたします。先きの行政整理のことに関連して大体三割くらい切るという考えを民主自由党として持つている。こういうお話でありましたが、そのとき退職資金をどの程度考えているか、傳えられているところによると一律に大体三ケ月程度というふうなことも言われているのであります。そういうふうに了承していいかどうか、増田労働大臣にお聽きしたいと思います。
#29
○國務大臣(増田甲子七君) まだ退職金のことについては政府は別に決定したものはございません。併しながら行政整理の際の退職金については從來から例もあることでございますので、又一般退職についてもやはり法令もございます。そういうような趣旨はできるだけ尊重して参りたいということは、これは当然ではないかと私は考えております。
#30
○中西功君 これはちよつとこの新給與法案の修正問題に絡んだ問題でありますが、五千三百三十円案を政府が出すとき、もう今はいないんですが、泉山前の大藏大臣は、我々の質問に対して、確か必ずしも財源がないから五千三百円にやるんではなくて、五千三百円が適当と認めるから五千三百円にするんだと、こういう答弁があつた。ところが今増田労働大臣は、もともと人事院案を尊重したいと考えておつた、その素志はそういう点にあつたんだが、止むを得ずに、まあ財源の関係からそういうふうになつたんだ、こういう説明なのでありますが、この点に食い違いが多少あるのですが、私がここでお聞きしたいと思うのは、政府はこの度自分からの修正、六千三百円に修正した積極的な理由がどこにあるかということ、即ちそれは財源が見付かつたから六千三百円にしたのかどうかということ、そうしてもう一つは、政府は五千三百円を非常に今まで頑張つた中には、民間給與を引上げるという懸念が非常にあつた。これは各民間の経済團体から我々自身のところへさえも、六千三百円案では困るんだということが沢山來ておるわけです。そういうふうな関係からいたしまして、六千三百円に、一應水準を上げるということは、民間の、今現に爭議が起つておる爭議に対しては相当大きな影響を與えると思うのです。この間佐藤長官のこの発表によりましても、政府はその点を非常に氣にして、関係方面と交渉された、でその場合の関係方面の返事は私たち聞きましたが、そこでもう一回繰返しますが、六千三百円に替えた積極的な理由、更に今現に爭議となつておるいろいろの、この爭議に対して六千三百円に上げるというふうな氣持で折衝しておるのか、それとも從來通り民間の大体の平均は五千三百円という氣持でやつておつたのか、この点を聞きたいと思います。
#31
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#33
○國務大臣(増田甲子七君) そこで泉山前大藏大臣が五千三百円は妥当であると言つた、ところが増田労働大臣はもともと人事委員会の勧告をできるならば香みたい、そこに食い違いがあるのではないかと御質問は、御尢な御質問だと思います。私は泉山大藏大臣が五千三百三十円ベースを作られるに当つては非常に苦心を拂つておると思つております。ただ併し全然これは妥当だと言つたというふうに私はとつておりませんのでございまして、よく諸般の情勢というような言葉を泉山君は使われましたが、諸般の情勢を勘案いたしますと、先ず結果的に妥当であるというふうな意味合で答えたものと思つております。私なり吉田総理は、衆参両院の予算委員会等におきましても、できれば人事委員会の勧告を呑みたいのである、併しながら財政の現況に鑑みて、止むを得ず五千三百三十円というところへ落着いておるということは、しばしばお答えいたしております。結局止む得ず五千三百三十円に落着いた次第であります。この点もどうか御了承願いたいと思います。
 それから中西君が非常に御心配の、一般産業労働賃金に対して惡影響はないかどうか、この点は、実は私が一番苦慮した次第でありまして、御承知の通り、折角賃金闘爭も漸次收まりつつあるのでございまするが、それが六千三百七円というベースになりますと、若し実質賃金がそれだけ急に千円上つてしまつたとすると、これは折角妥結に到達いたしました各種の爭議が再燃しないとも限らない、又現在のこの賃金闘爭の終熄しないものについては、惡化する傾向がありはしないかというわれで、実は非常に心配しておつた次第でございまするが、これにつきましても、先程他の委員の御質問に対してお答え申上げました通り、産業労働賃金という立場から見ると、実質賃金という意味で問題を考えて然るべきかと思つております。
 実質賃金といたして見ますというと、枠とか、或いは原則とかいうものは、人事委員会の勧告はもとより尊重しておりまするが、実質賃金から見ますと、來年の三月までは五千三百三十円と同じであるというようなことになりますと、今の段階において私はお答えをなし得るだけでありますが、來年の三月までにおきましては、一般の賃金闘爭の問題を惡化さしたり、或いは折角妥結に到達いたものが再燃するというようなことはますますないというふうに考えておる次第であります。
#34
○中西功君 そういたしますと、今電産や石炭や、或いはその他の問題に対しても、結局政府としては五千三百円案で行くと、これを讓らない、そういうことになつて、政府はこの度六千三百円というものを一應ここに組んだのも、全く実質のない、全くインチキな、ペテンなものであつたということを、これは單に全官公に対してそうであるのみでなく、一般産業に対してもそうだということがはつきり言われるように聞えます。
 もう一つ年末調整の問題ですが、これはこの前僕が質問したときに、確かにこの点は考えたいということをたびたび申されたように記憶しておりますが、この年末調整については、全官公の今の職員がに対してなされるかどうか。そうして、今日実は一般の民間の労働者も非常にこれは困つておるのです。我々議員でさえ困つておるのです。それで、そういう年末調整の問題を、前言われたように処置されるつもりなのか、或いは全然情勢は別個になつたからもうそういうことは考えないのか、それをお聞きして置きたいと思います。
#35
○政府委員(今井一男君) ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#36
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#38
○中西功君 この一般俸給表というものを三つ照し合せて見ますと、ちよつと違うのです。そうしてむしろ問題なのは、今日渡された本当の修正案、元の修正案と正誤修正案とこう突き合せますと大分違うのです。これは一体……これは勿論野党の問題なので、政府に聞くのはおかしいのですが、誰も聞く人がないので、それを聞きますが、それはどういうわけなのですか。この修正案の元の表、一般俸給表とそれから正誤表についてですね。
#39
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#40
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#41
○小川友三君 議事進行について……本案につきましては、いろいろ議論もすればまだ沢山あるように思われますけれども、現の歳末に迫つておりまして、全日本の各方面に支出する点で、年末で間に合わない点があると困ると思いますので、論議はこの辺で打切りまして討論に移ることをお願いいたします。
#42
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の動議に御賛成の方……。
   〔「賛成」と呼び者あり〕
#43
○委員長(櫻内辰郎君) 御賛成の方がありますからお諮りいたします。質疑を終局して討論に入ることに御賛成の方は挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#44
○委員長(櫻内辰郎君) では御異議ないと認めます。討論についての御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#45
○小川友三君 本案は諸般の事情で、殊に歳末でもあり、衆議院を通過した原案に賛成いたします。
#46
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。
#47
○高瀬荘太郎君 極く簡單に申上げたいと思います。この法案によります政府職員の給與の標準は、支拂いの方法と関連して見ますと、どうも甚だ矛盾した点があるように思うのであります。形式的に六千三百七円の基準を取つておるということになつておりますが、支拂の方法を見ますと、一月、二月は五千何円ということになつておりますので、そこにどうも重大な矛盾があるように思います。第二には、この標準を取りますと、私はやはり民間給與に対しまして、非常に重大な影響があるものと確信をいたします。つまりそれがために物價と賃金の惡循環は避けられないものでありましようし、從つてインフレも必ず促進される、そう考えております。第三には、これが明年度財政の著しい膨脹を生ずるということも、これも免れないのでありまして、それが健全財政の原則を破壞する危險があります。第四には、六千三百七円という基準そのものに私は疑問を持つのであります。これは人事院が非常に長い間かかつて愼重に御研究になりました結果ではありますけれども、私共考えますと、どうもその理論的な根拠及び給與の標準というものと國の経済力との均衡という点を考えると、それらの点から見まして、まだ人事院としてはもつとよく御檢討になる必要があると思は考えております。これらの点から見まして、私としてはこの法案について決して十分の賛成を表することはできないように感じがするのであります。併し今日の客観的情勢はどうも今更修正を要求する余裕もないようでありますし、予算の成立ということが政治的にも経済的にもどうしても急速にやらなければならない情勢にあると考えています。從いまして実は甚だ不満ではありまするけれども、各種のそれらの事情を考えまして賛成を表する次第であります。
#48
○木村禧八郎君 私は甚だ残念でありますが、この法案に反対せざるを得ないのであります。その反対の論拠は第一に、この法案は公務員法改正の趣旨、その根本精神に反しているということです。なぜ反しているかと言えば先程來御質疑の中で述べましたように、改正公務員法は爭議権、團体交渉権をこれを奪つておる、從つて他面においてその代り公務員が民主的にそうして能率的に公務を遂行できるような保障をしなければならないのであるに拘わらず、この法案においてはその保障は十分になされない、そういうことがこの質疑を通じて明らかになつたという点であります。これは一般的な反対論拠であります。
 次に具体的な反対論拠としましては、第一に人事院は改正公務員法の施行によつて、公務員は團体交渉権、爭議権、そういうものがなくなつたから、公務員の生活を守るという建前から、政府の五千三百三十円では公務員の生活は守れない、そこで六千三百七円というものを勧告したのでありますが、その勧告の内容は、十一月一日から六千三百七円を実施して、そうしてその予算としては大体六百億円というものを想定していたのでありますが、ところがこの法案は人事院の勧告を十分に取入れたと言いながら、実際には形式だけ取上げて、実質的には人事院の勧告を無視している。具体的には増田労働大臣も、來年三月までは五千三百三十円と実質的に同じである、そういうように言つておられます。併しながら來年三月までは同じであるけれども、三月以後においてはよくなるのだという答弁員ありましたが、來年四月頃には公定價格の改訂というものを予想されるようでありますし、又その後における物價騰貴というものも考慮しなければならないし、三月以後のことは何ら保障されない。これは上野人事委員の説明にもありました取り、明らかにボヴアテイ・ラインを実質的に割つておる。從つてこれは公務員生活が保障できない。一方においては團体交渉権、爭議権を奪いながら。地方において公務員の生活の保障ができないというこの法案に我々は賛成することができない。更に政府は財源がないという点を非常に強調しておりますが、この財源の点について、十分努力したというあとが認められない。我々の見解によれば、マツカーサーから発せられたいわゆる指令九原則によりましても、政府は支出を嚴重に引締め、その他必要と認められる思い切つた措置を取ることによつて、一日も早く総合予算の眞の均衡を図るに至ると言つておる。これはこれまでの政府が、歳出歳入共に両面において思い切つた措置を取つて、そうして財源というものを生み出していない証拠であります。それだからこそこういう指令が來ておる。もつと努力を拂えば、私は今具体的には申上げませんが、財源はある、必ずある。それは政策の違い、政治の違いだ。民主自由党の政策の下では財源がありませんけれども、政治が違つて來、政策が違つて來ると必ず財源がある。私たちは一歩を讓つて大きく財源を認められないとしても、この法案において少くとも、実質的に五千三百三十円と同じであるのです。これよりも多少でも多くその努力を拂つたか、一つも拂つておらない。これは非常に私は怠慢である。この点につきましても我々は承服できない。
 最後にこの給與体系、やはりこの給與体系はまだ人事院案よりも改善されたとは言え、まだ下に薄く上に厚い体系になつておると思うのです。以上の諸点から我々は甚だ遺憾であります。甚だ遺憾でありますが、本法案に反対せざるを得ないのであります。
#49
○中西功君 我々日本共産党は勿論この法案に絶対反対であります。理由は簡單に述べますが、もうすでに今までの質疑によつても明瞭なんでありまして、この政府原案、即ち五千三百三十円の原案、或いは政府がこの度出した修正案にしろ、或いは又野党三派を中心として作られた修正案にしましても、本質においてこれはすべて同じであります。これはもうこの度の質疑においても明瞭にされたところでありまして、これは五千三百円案と実質的に何ら変らない。來年の四月一日からは新らしいベースで得になる、こういうふうなことが言われますが、これは今日の経済情勢で考えるならば、当然四月一日にはもつと時の情勢を考えて再檢討されなければならないのであつて、四月一日においても何ら檢討しようといない意図が明瞭に出ておると思う。まあそういうふうな不誠意な態度が今度の案に貫いておると思うのですが、同時にこれは六十万か或いは幾らか知りませんが、少くとも三割の行政整理、即ち首切りを前提としておることは明瞭であります。更に又これは実質において労働強化を強いております。労働時間を引上げることによつて若し給料が増すようにされるならば、勿論結構ではありましようが、実際にはそうではないのであります。増したことによつてその他の手当が減ることによつて、それはただ労働強化だけが残つて、何ら実質的な本当の改善、生活の改善にはならない。その他いろいろのことがあります。労働基準法自身がこの給與法案においては極めて明瞭に抹殺されておる。今まで現場において労働基準法が実際に破壊されて來た、実施されなかつたそのことを、この法案においてはこれを合法化しようとしておる、そういうようないろいろのことがあるのでありまして、修正案においてもこれはもうてんで徹底的に私はインチキだと思う。こういうようなインチキな給與法案によつては、決して今國民的に要求されておる日本の本当の復興や、或いは眞に官公吏の能率的な活動ということは、絶対に期待できないと思います。我々は八月現在における七千三百円の全官公廳の要求を支持し、更に又二・八ケ月の補給金の要求を全面的に支持する、こういう意味においてこの法案に反対するわけであります。以上であります。
#50
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はありませんか。
#51
○波多野鼎君 私は本法案につきましては賛成の意を表します。成る程官公吏の給與といたしましては、この六千三百円ベースというものが不十分なものであるということははつきり分るのでありますが、日本の現状におきまして特に農村の人たちの所得との関係など考慮しまして、止むを得ないところではなかろうかという感じがいたしますので、六千三百円のベースによるこの法案に賛成するわけであります。ただ私共として甚だ遺憾に思うのは、次の二点であります。第一の点は、第三十五條の衆議院の審議の、というよりむしろ討論の過程におきまして、突如として挿入された。この点について甚だ我々を納得せしめないものがございます。できるならば私は、この三十五條を削除する案を提案したいのであります。けれども、いろいろな事情で、その余裕もないということが明らかになつて参りましたので、この三十五條を挿入した点について甚だ遺憾の意を持つておるということを一つ表明しながら賛成せざるを得ないのであります。もう一つの点は、一月、二月の給料を差引いて、そうして六千三百円ベースというものを一月、二月において壊してしまつておるという点についてであります。私はこの点甚だ遺憾に思つて、政府の誠意ある答弁を要求したのでありますけれども、残念ながら得られなかつた。併し私は尚これを賛成するについても、政府が是非今後まだ三ケ月も余裕があるから、努力をして、そうして、一月、二月においても、六千三百円を確保し得るような策を講ずる、そういう誠意ある態度を示さんことを強く要望しながら賛成する次第であります。
#52
○油井賢太郎君 私は、この案に対しまして、賛意を表するものであります。併しながら、この案が提出される前に、政府より五千三百三十円の案が出されまして、その檢討中最期に至つて六千三百七円に政府も同意されたという点の、その推移が甚だ明瞭でなかつたという点に不満を感ずるものであります。又この六千三百七円ベースが実行されるに当りまして、先程各委員から申されましたが、必ず民間給與の問題も出まして、インフレの促進、或いは中小企業の問題等が惹起され、労働爭議の頻発まで起るのではないかと、懸念されるところであります。而も六千三百円になりますれば、四月以降の財政問題についても、重大な影響を及ぼすことは当然であります。そういう点につきまして、政府は三ケ月の間に熱心に、眞劍に、この問題に取組んで解決をして頂きたい。而もその間約一ケ月間というものは、衆議院におけるところの解散により、総選挙も行われることになりますから、政府は徒らに選挙対策にのみ沒頭せずして、本当に國民の問題、國民の生活問題ということの解決のために、懸命なる努力をせられんことを要望いたしまして、この案に賛成するものであります。
#53
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。
#54
○小川友三君 直ちに御採決を願いたいと思います。
#55
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて、直ちに採決いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 衆議院より送付の原案通り、可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#56
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が、議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    高瀬荘太郎  松嶋 喜作
    油井賢太郎  黒田 英雄
    小川 友三  波多野 鼎
    伊藤 保平  九鬼紋十郎
    米倉 龍也
#58
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないものと認めます。それでは散会いたします。
   午後九時十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  國務大臣
   労 働 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト