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#1
第004回国会 商工委員会 第2号
昭和二十三年十二月十日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○廃兵器等の処理に関する法律案(内
 閣送付)
○特殊鋼に関する請願(第三十三号)
  ―――――――――――――
   午後二時三十八分開会
#2
○委員長(小畑哲夫君) これより商工委員会を開催いたします。
#3
○栗山良夫君 ちよつと政府当局にお尋ねをいたします。前回の委員会で廃兵器に関する終戰後の大体の状態、並びに今回問題になつておりまする産業復興公團の内容について、一通り御質問をいたし、且つ御答弁を頂いたわけでありまするが、もう少し復興公團の内容について御質問を続けて行きたいと思います。
 先ず最初に、現在の産業復興公團のやつておられまする業務を、部門別にいたしまして、全体の仕事の各部門に対する比率と申しますか、ウエートと申しますか、そういつたようなものを、或る程度お聽かせ願いたいと思います。
#4
○政府委員(山本高行君) 産業復興公團の業務の内容についてお尋ねがあつたのでありますが、復興公團の行います仕事は、大きく申しまして三つに分れております。それは復興公團法の第十六條というのに規定があるのでございますが、その第一には、「経済安定本部総務長官が定める方策に基く産業設備の建設及びその貸付又は賣渡」、これを一口に建設業務と略称いたしておりますが、それが一つでございます。それから第二に、「経済安定本部総務長官の定める方策に基く産業設備又は資材の買受及びその貸付又は賣渡」、これが二番目の仕事でございます。三番目に、指定業務と呼んでおりますが、「経済安定本部総務長官の指定する業務」、公團法の第一條に公團の目的が書いてございますが、「産業復興公團は、経済安定本部総務長官の定める基本的な産業政策及び産業計画に從い、産業設備又は資材の整備又は活用を図り、以て産業の速かな復興を促進することを目的とする。」この目的に適つた仕事でなければならないのはもとよりでございまして、それを先程のように十六條で三つに分けているのであります。從いまして、最後に申上げました指定業務も勿論第一條の目的の範囲内、その目的を達するに必要な指定業務と、かような関係になるわけであります。
 次にこれらの仕事に現在大体どれくらいの資金なり人間なりを廻しているかということにつきましては、概略の数字につきまして説明員から御説明を申上げます。
#5
○説明員(永山時雄君) 只今お答えをいたしましたような内容で主な仕事をいたしているのでありますが、現在の復興公團の仕事の情況といたしましては、殆んど大部分を資材関係の仕事が示めております。これを現在の人員で見ますると、大体十月当初の復興公團の職員は全國合せまして約千百名いるのでございます。そうしてそれを内訳をいたしますると、本部の関係が約七百名、それから支部の関係が約四百名、こういうような大別になつております。この支部の関係は、殆んど全部が資材関係の仕事をいたしております。それから本部の約七百名につきましても、その三分の二程度の者が資材関係でありまして、残りが建設の仕事その他一般の企画庶務というような共通事務の関係をやつているという実情でありまして、從いまして復興公團の仕事はその大部分が資材関係の仕事であると申上げてよかろうと思うのであります。それで金額の問題はこれは期によつて非常に凸低がございまして、一概に申しかねるのでございますが、大体最近までの建設関係の仕事といたしましては、建設の工事の契約をいたしましたものが三十五件、金額にいたしまして八億七千五百万円程の額に達しております。この中には基礎産業関係、例えば現在やつております代表的なものといたしましては、東北の松尾鉱山の硫化鉱の積出し施設を建設いたしておりますが、こういうようなもうなものがその代表的なものでございますが、これが大部分を占めまして、その八億七千五百万円のうち六億四千万円程がこの基礎産業の関係が占めております。件数は三十五件のうち七件でございますが、金額的には基礎産業関係が大部分を占めております。その他のものは輸出産業その他というような関係になつております。これに対しまして資材関係の仕事といたしましては、先ず鉄鋼関係、これは終戰前に鉄鋼販賣株式会社という統制会社があつたのでございまするが、その資材の一部を産業復興公團が引受けまして、それを処置いたしておるのでございますが、これは扱い量は約三万七千トン、四万トン近くの数字でありまして、金額的には一億三千万円ばかりでございますが、このうち約二万トンをすでに処理いたしておるのでございます。それからこれと同じような仕事といたしましては、非鉄金属の関係でございますが、これは日本金属株式会社、これもやはり非鉄金属についての一種の統制機関であつたものでございますが、これの持つております約九万五千トン程の非鉄金属の買取りをいたしておるのでございますが、このうちすでに約四万トン程の処理をいたしまして、その金額は約九億円くらいになつております。その他に金属回收会社の回收した古鉛の関係も扱つておりますが、これも現在までに約一億六千万円以上の金額を処理し、又金属鉱業の振興対策といたしまして、山元に滯貨になつております電氣銅、水銀というようなものを約二億円程現在までに買取り、保管をいたしております。この外に石綿関係というようなものも扱つておりまして、これが約一千万円、それから八軍からP・Xの不用品の拂下を受けまして、これを重要事業関係の労務者配給等に向けておりますが、これも現在までに約二千万円近くの金額の処理をいたしておるのであります。その他に風水害対策、例えば昨年の関東の風水害、それから先般の福井の震災の救済物資、それから東北方面の水害の対策の物資というようなものでも本公團をしてその救済物資の一部を取扱わせるというような処置をいたしておりまして、資材関係といたしましては相当厖大な金額と多種類の業務を扱つておるという状況でございます。それから特に最近におきまして資材部関係の大きな仕事になりつつありますものは、本年の三月末で、全國的に在庫の一斉調査をいたしまして、それに基きまして不正保有物資、いわゆる隠退藏物資に該当する物、不正保有物資と、それから一定数量以上に持つております過剰在庫をこれを政府が買上げをすることに相成つておるのでございますが、それの代行機関としてこの産業復興公團が活動するということになつております。これはこの隠退藏関係の問題につきましてはいろいろ從來からの経緯を辿つておつたのでございますが、昨年の当初から大体復興公團をして買取り処分をさせるということに相成つて、昨年からこの事業を始めておりますが、その後本年の五月からはその性格を切替えいたしまして、只今申上げましたように政府が買上げをして、ただその仕事を産業復興公團をして代行処理をさせるということになつておるのでございますが、その前段の産業復興公團自体が買取り処置をするという関係の段階の仕事の量といたしましては、不正物資を約三億円程度の買上げをいたしまして、最近までに一億六千万円以上の配給処置をしたというような実情になつております。
 それからもう一つ大きな問題といたしましては、ここに御審議を願つております廃兵器処理の関係を復興公團をして國の代行をさせるということで、これも先般資料に基いて御説明申上げましたような規模と内容で、今後復興公團として相当大きな仕事になつて参るだろうとかように考えておるのであります。尚從來この外にやつておりました仕事といたしましては、農村の米の供出に対するリンク物資の配給を、特に繊維品の配給を産業復興公團をして取扱わせておりましたのでございますが、これは最近におきましては復興公團の取扱いを止めまして、別途の措置に切替えることになりました、從いまして現在は取扱つていない実情になつております。大体復興公團の仕事の内容は只今申上げました程度でございます。
#6
○栗山良夫君 今いろいろ伺いましたけれども、復興公團の仕事の内容は、公團の最も大きな目的の、いわゆる産業設備の建設という面でなくて、その外の雜的な仕事に大変沢山入つておるようでありますが、私ちよつと頭を整理する意味で、もう一度総括的にお伺いしたいのは、資材関係、産業設備の建設関係は一件で六億というようなのがあるということを伺いまして、よく分りましたが、その外資材関係全部引つくるめまして、金額でどれくらいに、復興公團が発足しましてからなつておるのか、その総計を一つお伺いしたいと思います。人員の方が千百名あつて、こういう陣容を持つておるということを申されましたが、人員の数が復興公團の仕事の内容なり、或いは活動の状況を明らかにするのではないのでありまして、やはり仕事の面でお伺いしたいと存じます。
 それからもう一点伺いたいのは、いろいろな資材関係の買取り或いは賣渡しというようなものが全部復興公團へ集中されておると申しましたが、私共の承知しておるところでは、強ちそうではなくて、現在まだ復興公團へ引継ぎせられていないというような種類の仕事がある。例えば特殊鋼の問題のごときは、全然外の機関で行われておるらしいのでありますが、そういうような内容をもう少し明らかにして頂きたい、それから又どうしてそういうものがこの中に入らないのか、その事情も一つお伺いしたいのであります。
#7
○説明員(永山時雄君) 御説明申上げますが、特殊鋼につきましては、これは閉鎖機関になつております特殊鋼の関係の統制機関が相当大量に持つておるのでございますが、これは閉鎖機関整理委員会方面の意向といたしまして、復興公團に処理せしめずに、直接閉鎖機関整理委員会の手許で処理をするということになつておりますので、從つて特殊鋼の大部分は産業復興公團から外れておるということになつております。
#8
○栗山良夫君 もうその外にこういうようなもので外れておるものはございませんか。特殊鋼以外に……。
#9
○説明員(永山時雄君) この外には尚鉄網が、先程申上げました鉄網販賣株式会社、終戰前の統制機関でございますが、この関係で持つております鉄が相当ございますが、約十万トン近くのものがあるように記憶いたしますが、その関係が外れております。それからその外にも交易営團がこれ又閉鎖機関になつておりますが、交易営團関係でも相当の鉄綱その他の資材があるのでございますが、これ又外れておる、いずれも先程申上げました特殊綱と同じような事情と経緯で外れております。先程御質疑のございました数字の問題をお答えいたします。資材関係につきましては、第二、四半期、本年の九月までの累計が買入の合計が約五十六億八千万円強になつております。それに対して拂出が三十三億、在庫が十八億五千万円これはいずれもラウンドしておりますので若干数字の端数に違いがあると思うのでありますが、そういうような数字になつておりますが、それに対しまして建設関係は先程申上げました三十五件で八億七千五百万円でございますが、更に先程申し落しましたので追加させて頂きたいんですが、石炭関係の亞炭の積込施設或いは炭鉱の福利施設の関係、これ又建設関係の業務に入るのでございますが、この関係が先程の三十五件、八億七千五百万円に追加をされまして、追加分が七十二件で二億四百万円そういうような数字になつております。
#10
○栗山良夫君 大体時間もあれでありますから、この点で一應今日これで委員長は上げられるわけではございませんか。
#11
○委員長(小畑哲夫君) 今日衆議院の本会議に掛かつておりませんので、今日は質問だけで……。
#12
○栗山良夫君 それでは私只今伺つたことで結論的なことも、もう一度調査を願いまして次回までに御発表を頂きたいと思いますが、私が今まで受けました産業復興公團の印象を端的に申上げますならば、産業復興公團をつくつて、そうして日本の産業復興に積極的に役立たせるとそういうような当初の目的から外れまして産業復興公團ができた、できたけれども最初の人とは違いまして思うように仕事がない、それだからこの公團を養つて行くために何とかいろいろと仕事を見附けては少しずつこれに與えて行こう、こういうような性格に現在陷りつつあるということを端的に私は印象的に受けたのであります。で、若し私のこういうような印象が過ちであるとするならば、次の点を一つ明らかにして頂きたいということであります。それは只今申上げましたように産業復興公團が産業設備の建設、或いは國内の遊休の設備、資材の買受、貸附或いは拂出をやりまして、重点的に産業の復興に寄與して行くとこういうことになればやはり一元的な大きな視野に立ちましてこの産業復興公團を動かして行くということでなければなりませんが、その場合に特殊鋼の場合におきまして、或いは先程の鉄鋼販賣会社の引継がまだ未了、或いは公易営團関係の外れておる分、こういうものが現在残つておるということは私共どうも了解ができない、これは例えば先程の理由の中に、特殊公團は閉鎖機関の意向によるということになつておりますが、この閉鎖機関の意向が如何ような意向であるかというような点が明らかにされなければ私共は了解ができない、こういうことであります。この点を是非とも次の機会までに明らかにして頂かなければならないということであります。
 それから段々この仕事の面で申しますると、産業設備の建設ということも積極的におやりにならなければ、仕事の分野というものはやはり段々と間口が狹くなつて、この復興公團は縮小の方面へ進展せざるを得ない、こういう工合に考えられる、もう一つ申しまするならば、産業復興公團は雜魚漁りの方へ段々伺いつつあるというような工合にとれるわけでありまして、こういうような点も私共が、産業復興公團の本來の任務を達成するように動いておるというはつきりした自信を持ち得るものであるならば持ち得るような、もう少し内容的な説明を願いたい。
 それから若しそれが端的に私が今申上げた通りの事情ならばはつきり言つて頂きたいということであります。それでその場合には当然にこの産業復興公團なるものの存廃、或いは解除とか、そういつたような問題にも発展する問題であろうと思いますが、そういうことに対して商工省は將來の見通しとして如何なる見解を持つておられるか、この点も次回までにもう少しはつきしたことにおいてお伺いをしたいということであります。その点が産業復興公團に対する私の率直な批評から出た……印象を観点としましての質問であります。
 それから次にもう一つ時間を取つて恐縮でございますが、御質問申上げたいのは、今度の法案の中で非常に私は不可解に感じまするのは、第一條の中に「主務大臣が、その定めるところにより、」と書いてございまして、この主務大臣と産業復興公團との間における監督の権限の範囲と申しますか、内容と申しますか、そういうものが極めて不明瞭な形になつております。それで本來ならば私共はこの席上で主務大臣の定めようとしておるところの内容、これは指令で出ますのか、或いは規則で出ますのか、よく分りませんが、とにかくそういうものを同時にこの説明を願わなければならないと思うのであります。そういつた問題について如何なる考えを持つてお出でになるか、その点を一つ明らかにして頂きたいと思います。
#13
○政府委員(山本高行君) 只今二種類の御質問がございましたのでありますが、第一の分につきましては、若しできますならば速記を止めてお話申上げたいと思うのですが……。
#14
○委員長(小畑哲夫君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて……。
#16
○政府委員(山本高行君) 將來の復興公團を如何に持つて行くかという問題でございますが、先程御説明申上げましたように関係方面との協議を要する事項もいろいろございますが、只今のところ商工省といたしましては、いわゆる長期復興計画の実施面において、この復興公團を活用する面があるのではなかろうかと思う。但し今後の電力にいたしましても、或いは石炭の新鉱開発にいたしましても、莫大な資金、資材を要する大計画でありまして、これらをただ復興計画だからといつて全部復興公團にやらせるのが適当であるかどうか、これはアメリカのT・V・Aのような事例もございますが、これらの実際の経驗等もよく研究いたしまして、如何なる形でこの公團を活用して行くかということは篤と研究いたしたいと思うのでありますが、いずれにいたしましても、現状においては先程述べましたような問題がございますので、関係方面とその点はよく連絡、打合を要するものと考えております。
#17
○栗山良夫君 私の質問に対してちよつとお答え願つていない点は、あらゆる資材、遊休設備の整理統合、その他の問題は何故一括してここでできないのかという問題、これは非常に重要な問題だと思います。今主目的はすでに関係当局とのいろいろな交渉もあつて殆んど薄れておる、そして実質的には産業資材の整理公團のような性格になつておる、こういうことになれば、産業資材の整理公團としてのいわゆる性格を出させて、そして而もそういうものを全部國内的なものを総括して一個所でやる、その方が現在の実情に最もよくマツチするのではないか、発電所を造るとか或いはその他の産業設備をやると申しましても、現在の資金、資材の関係ではこの産業復興公團に如何に逆立をしても、大した私は仕事はできない、それよりも手つ取り早い仕事、そういうた設備、資材の整理公團的の仕事を先ずもつと積極的にやらせないと、私が先程率直に印象を申上げたような結論になつてしまうのではないか、こう思います。
#18
○政府委員(山本高行君) 資材の活用の問題につきましての業務が、この復興公團の外に鉄綱販でありますとか、或いは交易営團でありますとか等の機関に一部残存しておりますことは事実でございまして、仕事の総合運営という点から申しますならば、それらの仕事も一括して公團にやらせるということも確かに一つの考え方だと思うのでありますが、実は活用と申しましてもどういう資材をどの産業部門へ割当てるかということは、復興公團なり或いはその他の機関にいたしましても、全然これは関知しないところでありまして、これは政府……具体的には安定本部が定めることになつておるのであります。從いまして資材活用の前段、つまり遊休の資材を発見し、それを保管し、選別し、破碎して使えるまでの段階へ持つて行くというのがこの公團の仕事でございますので、最終の利用統制の意味から公團に集めるということは必ずしも必要はないわけであります。尚仮にその前段の仕事として見ても、総合運営の必要があるといたしましても、それらの他の機関が持つておりますものを左右に保管換えをいたしますことは、実際問題としてはなかなか手数を要し、費用を要するのでありまして、前段御説明いたしましたように、兵器処理委員会の引継につきましても相当の手間と費用を要したような関係でございまして、それらの理由から、無理にこの仕事を現状において統合しようということはいたさなかつたわけであります。ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#19
○委員長(小畑哲夫君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(小畑哲夫君) 速記を始めて。
#21
○栗山良夫君 私まだどうもすつきりとよく分らないのですが、今総務局長をおつしやつたように、これを法理論的に目的といいますか、事業の性格だけで云々すれば、あなたのおつしやつた通りで、復興公團は資材の破碎とかその他整理のところまでやるので、利用の面までタツチして行くべきではないということに勿論、私、なると思いますが、そういう理論で行けば、産業復興公團そのものが、産業復興設備の建設ということのできない事情にして置いて、資材の面だけに乘つて行こうとすること自体がすでにおかしいことになるので、そういう考え方ではなくて、やはり産業復興の総合的な仕事をここでやらせるという観点から立てば、今のような解釈でなくて、もつと廣く一貫してやつて行くというような工合に、あらゆる資材を掴み、設備を掴んでやつて行くという考え方が政治的には考えられるべきだと私は思うのです。ですから、その点がやはり行政内部のいろいろな事情はありましよう、又関係筋の問題もありましようけれども、この産業復興公團が生れた本來の目的を活かして、復興公團をして積極的に活動させて行く面において、そういうことを政府当局としては十分に考え、且つ実行に移すようにされなければならないのではないかと私は思います。ただ今までの質疑の中で欠点その他私が挙げました点は、大体政府側から積極的な否定もなかつたので、大体私の申上げたことは是認せられた点が相当多いと思いますが、もう少し最後に私が申上げました点について、これは本当は大臣からでもお聞きしないと、大きな政府としての考え方になるのだと思いますけれども、もうちよつと説明して頂きたいと思います。
#22
○政府委員(山本高行君) 資材活用の問題につきまして先程私の申上げたことは、最終のそれらの資材の利用の計画なり決定なりというものが政府にあるということを申上げたのでありまして、勿論その基本の方針なり計画なりに基く実行面の仕事は、只今御質問のありました通り、この機関をできるだけ総合的に使つて行くという方針は、大局的には私は結構だと思うのでありまして、できるだけそういう方向へ運用の面を向けて行くべきだというふうに考えます。
#23
○栗山良夫君 私第二問の方のお答を今頂ければ……。
#24
○政府委員(山本高行君) 復興公團の今度の法律に基きまして行います活用業務につきまして、監督の関係はどういうふうになるのかという点についてお答え申上げますが、先ず今度の法案の第一條によりまして、「その定めるところにより」と、主務大臣がこの新らしい業務の執行方法を指示するという根拠があるのでありますが、これは相手方が産業復興公團一つでございますから、大体省令という形をとらずに、指示命令と申しますか、通牒と申しますか、そういう形で参ることになると思いますが、これは復興公團法による指定業務に今回の仕事が指定されるわけでございまして、その指定業務の運営方法ということで大臣から指示をされることになるのだと思います。その指示されます内容の主なることは、次回に又書物にして差上げますが、大要を申上げますと、業務の区分、つまりこの仕事は直営でやる、この仕事は委託をしてもよろしいという業務の執行区分の問題、それからその委託代行をやらせます場合に、代行者を如何なる方法によつて選定して過ちのないことを期するかという代行者の選定方法、それから直営の仕事といたしましては、只今のところ販賣業務は直営をして貰うことに考えておりますが、その販賣方法について、如何なる方法で販賣するかということ、それから、以上述べました事柄について常時政府に報告をいたさせまして、その報告に基いて業務の促進、或いは監督をやるわけでありますが、その報告の要領、そういうような事柄が指示通牒として発せられることになると思います。
 それから具体的の監督といたしましては、それらの書類による報告によりまして督促をし或いは改善を命ずる外に、実地の監査もできるだけやることにいたしたいと思います。これは結局本省では到底各地域に手が届きませんので、出先機関の商工局等を活用いたしまして、まあときどき実地檢査もやつて過ちなきを期するということにいたしたいと思います。それから監督の規定は、この新らしい法律には書いてございませんのですが、これは復興公團法に監督関係の規定が規定されておりまして、その復興公團法に基く監督規定によつて監督が行われるということに相成るものと考えます。
#25
○委員長(小畑哲夫君) 外に御質問ございませんか……。それではこの廃兵器等の処理に関する法律案、これについての討論採決は次回に讓りたいと思います。この問題に先ずこれで措きます。
 次に請願が一件出ておりますので、請願第三十三号、特殊鋼に関する請願であります。これを議題といたします。專門員の方から請願の趣旨の説明申上げます。
#26
○專門員(山本友太郎君) 請願の要旨につきましては、お手許に配布いたしました大体要領で畫きているわけでありまするが、終戰後非常にこの窮窟な操業をやつて参りました特殊鋼関係が、最近に至りまして、すつかり手持ちストックも食い潰してしまいまして、非常に操業が苦しくなつたために、このような請願が参つたわけなのであります。これの打開策といたしまして、願意に掲げて置きましたように、普通鋼と同じような性質の價格差補給金を支給して貰いたい、それが一つでございます。
 次に特殊鋼向けの石炭の價格を、これも又普通鋼と同じように、特定産業價格として取扱つて、実質的に言いますと、値引して貰いたいという点でございます。
 第三点といたしましては、これはまあ特殊鋼だけに限つた問題ではございませんが、價格差補給金等の制度がございませんために、手許資金が非常に窮窟になつておりますので、資金運用上に特典を附與して貰いたいというのであります。
 次に生産割当の額を増加して貰いたい。
 大体以上四点に畫きておりますが、この機会に、いずれ政府側からも御説明があろうかとも存じますが、手持の資料によりまして、特殊鋼につきまして、少しく御説明申上げて置きたいと思います。
 現在特殊鋼といたしましては、製造会社が全國で、小さなところまで入れまして、約四十七社、その工場は全國に散在いたしまして、六十五工場くらいがございます。主として関東、信越、並びに近畿、並びに東海方面に沢山あるわけなんでありますが、最近の生産の状況は、一、四半期に約二万トン程度でございます。これに対しまして、先程生産割当の増加の要望が第四点に出ておりますが、生産割当といたしましては、本年の最近の例をとりますと、第一、四半期には一万六千トン。第二、四半期には一万八千トンの割当があつてわけなんであります。それに対しまして、実際生産は、本年度の第一、四半期には二万一千二百五十五トン、第二、四半期には二万一千三百三十九トンということで、表面から見ますと、生産割当よりも、実際生産の方が遥かに上廻つているというような状況でございまして、一見特殊鋼の方がうまく行つているんだと、普通鋼の方から申しますと、生産割当と実生産との間には相当な開きがございまして、マイナスの開きが出ているわけなんでありますが、特殊鋼については、逆に生産割当よりもオーヴァしておりまして、これは極く最近だけだけの実例ではございませんので、終戰後段々業界が復帰して、操業を再開いたしました後の、ずつと引続いての傾向でございます。この面から申しますと、特殊鋼は、先程申上げましたように非常に順調に行つているかのごとき感を與えるのでありますが、最近までこれを持ちこたえて参りましたのは、先程も申上げましたように、このストック関係を食い潰しておりました点が非常に大きな支柱となつていたわけなのでありますが、最近に至りまして、完全にこれを食い潰しまして、業界内部の状況が非常に惡化して來て、このまま請願になつたわけなのであります。尚價格等につきまして一例を申上げますと、この價格を釣り上げたらどうかという問題も出て参るわけなのでありますが、一例を最も代表的な炭素工具鋼にとつて申しますと、現在マル公として決められておりますのが、トン当り三万円でございますが、それが市場におきましては、遥かにマル公を割りまして、トン当り二万七、八千万円というような状況でございます。然るに一方それを原價計算いたしまして、工場原價を出してみますると、大体三万五千円程度の何が出て参ります。さように実際上工場生産におきましては、赤字になつておるわけなんでありまするが、これを仮に上げて見ましても、先程申上げましたように、市場價格がマル公を割つていると、即ち要需者がとてもそういう高い値段では追つついて行けないというところに、この價格差補給金を提案されるところの一つのまあ理由があるわけなんであります。併しこの点につきましては、すでに皆さん御承知のように、普通鋼自体につきましても、價格差補給金制度に再檢討の問題が出ておりますので、業界としまして、私の調べましたところにおいて、非常に強き要望がないようであります。ただ問題は、第二点の石炭の價格を特定産業向けとして、普通鋼並みに扱つて貰いたいという点については、せめてこれだけなりともやつて貰いたいという要望が非常に熾烈なものがあるようでございます。簡單でございますが、附随いたしまして御説明申上げた次第でございます。
#27
○委員長(小畑哲夫君) 政府側の御意見を承りたい。
#28
○政府委員(小林英三君) 只今の請願の趣旨が大体四つに分れているようでありますから、この点につきまして、政府側といたしましての意見を申述べたいと思います。特殊鋼は、今專門員の方からお話がありましたように、大体戰時中におきましては、百万トンぐらいな生産を挙げておりまして、現に非常な需要があるのは御承知の通りであります。今日は大体十万トンぐらいな生産に相成つております。第一番のこの請願の趣旨でありまする特殊鋼々材に補給金をつける問題につきましては、これは現在政府といたしまして、一般のこの鉄鋼に対しまして、價格差補給金を二十三年度におきましては、約二百三十億円の價格差補給金をつけておりますから、鉄鋼全般に亘りましてつけているわけであります。併しながら今日鉄鋼の増産の趨勢にございまするので、銑鉄でありますとか、或いは鋼塊でありますとかいうものは、引続いて價格差補給金をつけることに相成つておりまするけれども、普通鋼材につきましては、來年度から大体この補給金をとつたらどうか、こういうようにいわゆる補給金を支給することを廃止するというような今日趨勢になりましたので、今の特殊鋼に対しても、即時これを支給するということは困難と考えられております。いわゆる普通鋼と同一な状態になるように努力したいと考えております。それから第二番目の、特殊鋼に対しまする石炭を特定産業並みに扱つて貰いたい、こういう請願につきましては、これは、先般実施いたしました特殊鋼事業者の実態調査の結果に基きまして、それを睨み合せまして、関係官廳との協議の上に善処いたしたいと考えております。
 それから第三番目の特殊鋼に対する資金の問題でありまするが、これは御承知のように、今日の経済三原則に基きまして、資金運用の問題につきましても、前と同樣にこの実態調査の結果によりまして、設備の改良等が必要と認められた工場につきましては、設備資金につきましては、十分に努力いたしたいと考えております。これは今日特殊鋼というものが非常に需要が減つて、單爭中から考えますと、約一割ぐらいな需要になつて参りましたので、一〇%ぐらいになつて参りましたので、今日、專門員の先程の御説明にありましたたように、大体四十五、六社でありまして、それらの工場というものは殆んどフルに運轉しておる工場はないのであります。大体におきまして一割乃至二割ぐらいな稼動でございます。從いましてこれらの工場が將來この設備の上におきまして、或いは普通鋼材に移行する、或いは鑄鋼に移行するというようなことも考えられるのでありまして、特殊鋼それ自体の設備の改造等につきましては、今後それらの移行した後におきましても、又移行するこの現在のままにおきましても、設備という問題につきましては相当考えなくちやならん問題と考えております。ただ運轉資金等の問題につきましては、赤字金融は三原則の上からいたしまして、考えなくちやならん問題でありまするが、設備の問題については、是非この実態調査に基きまして考えたいと思います。
 第四番目に、特殊鋼の生産割当の問題でありますが、これは機械部門、或いは鉄道の部門等の需要者と十分に連繋の上に、割当の点について努力いたしたいと思つております。ただ問題は、今日のこの需要というものが終戰後におきましては非常に減つて参りましたので、今の價格の点につきまして、普通鋼につきまして補給金を廃止するということになりまするというと、價格の点につきまして普通鋼と特殊鋼とは大体バランスがとれるようになりますので、そういう方面から勘案いたしまして、需要の面におきましても、相当増大するのじやないかというように考えられるのであります。大体政府の考え方といたしましては、以上のように考えております。
#29
○委員長(小畑哲夫君) 何か御発言はありませんか。
#30
○山田佐一君 特殊鋼というものは、百万トンが十万トンになつても、結局は供給が需要をオーヴアされるのかどうか……。
#31
○政府委員(小林英三君) 漸く需給の面がマッチしておる程度でございまして、大体用途といたしましては、鉄道のバネ鋼、自動車で申し上げますとスプリング、ギヤー、エンジス関係、それから炭車、汽車等の軸受類、それから紡織機械のローラーとか、リングとか、通信機械のつまり磁石、農機具の刄物、工作機械の工具、ピアノ線、ああいうものが大体今日の用途でありまして、戰爭中は御承知のように飛行機、戰車、篩いは軍艦の甲板の板、大砲の砲身、或いは機関銃というように、いろいろ兵器に使われておりましたわけでありますが、厖大な需要がありまして、今日は戰爭中の約一割しか生産が挙つておりません。いわゆる注文がないそうであります。それが今日の現状であります。ですから一〇%か二〇%しか稼動していないのであります。
#32
○山田佐一君 珪素鋼板なんかも特殊鋼の中ですか。
#33
○專門員(山本友太郎君) 珪素鋼は今特殊鋼の扱をしておりません。普通は普通鋼の扱い方をしております。
#34
○山田佐一君 珪素鋼板も非常に足らんと言つておるし、普通の特殊鋼の丸鋼でも何でも、今迄の兵器処理の方面にあつたものの拂下は一應済んで、今度いよいよ市場になくなりかけて來ておる端境期でありませんか、実情としては……。將來共に今の生産と何か丁度マッチして行くか、或いは今までのものは、繰越があつたから市場價値は安かつたけれども、このまま放つて置けば市場價値は今度自然に上つて來るのでないかと思うのですが、これは見通しのことですが、どんな御見当ですか。
#35
○專門員(山本友太郎君) その点につきましては、大体現在、只今小林政務次官からも御説明がありましたのですが、正常な普通鋼との釣合をとりますと、大体月間一万トン、年産にして十二万トン程度の生産が適当ではないかと思つております。併し現在のところは、一例を申上げますと、例えばシャフトでございます。非常に特殊鋼を使いました方が耐久力もあるし、いいに違いありませんけれども、特殊鋼が普通鋼と比較した場合に、値段が非常に嵩んで高いものになりますから、それで代用品として普治鋼で間に合しておるというような点がございまして、請願の第一点に触れて参るわけでありますが、普通鋼價格、いわゆる普通鋼の需要者價格……。裸でございませんで、現在の需要者價格というものと特殊鋼の價格というものが、鞘寄せして参りますと、御指摘の点で足らない分が相当出ておりますので、特殊鋼の需要は將來は或る程度まで殖えて行くであろうという見込はついております。
#36
○山田佐一君 普通鋼の丸鋼は幾らくらいしておりますか。
#37
○政府委員(小林英三君) 大体一万円から二万円くらいです。これは消費者價格です。それに價格差補給金が一万円から一万五千円くらいつきますから、生産者價格は二万とか三万五千とかいうことになつております。それを補給金で消費者價格を安くして、一万から二万くらいになつております。
#38
○宿谷榮一君 この請願は、本委員会といたしましては採択して、政府の方へお送りするようにしたらいいかと思います。
#39
○委員長(小畑哲夫君) 今宿谷委員の動議が出ましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(小畑哲夫君) それでは採択すること決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小畑 哲夫君
   理事
           島   清君
           山田 佐一君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
   委員
           小杉 繁安君
           佐伯卯四郎君
           玉置吉之丞君
           細川 嘉六君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   商工政務次官  小林 英三君
   商工事務官
   (総務局長)  山本 高行君
  説明員
   商工事務官
   (総務局物資調
   整課長)    永山 時雄君
   常任委員会專門
   員       山本友太郎君
ソース: 国立国会図書館
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