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#1
第004回国会 建設委員会 第1号
昭和二十三年十二月九日(木曜日)
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     石坂 豊一君
   理事      原口忠次郎君
           仲子  隆君
           島津 忠彦君
   委員      岩崎正三郎君
           島田 千壽君
           堀  末治君
           水久保甚作君
           石川 一衞君
           田方  進君
           赤木 正雄君
           安部  定君
           久松 定武君
           北條 秀一君
           兼岩 傳一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○道路の修繕に関する法律案(衆議院
 提出)
  ―――――――――――――
   午後一時三十六分開会
#2
○委員長(石坂豊一君) 只今より建設委員会を開会いたします。
 本日は公報によつて御通知申上げてありまする通り「道路の修繕に関する法律案」、衆議院から回付されたのでありまして、幸い衆議院建設委員長がお見えになつておりますから、一應の立案の御趣旨を説明して頂きたいと思います。
#3
○衆議院議員(柏原義則君) 國土の再建は先ず道路の再建より始まりますと考えまして、第三回國会より衆議院の建設委員会におきまして道路小委員会を設置いたしまして、これが改修、維持に関し種々検討して参りました。その第一段の措置といたしまして、ここに「道路の修繕に関する法律案」を提出しまして、皆様の御審議を仰ぎたいと存ずる次第であります。以下提案の要旨につきまして御説明申上げます。
 即ち本法案は道路修繕費の國庫補助を行うこと、並びに國道の修繕を國の直轄工事として行うことを目的とするものでありまして、これを議会立法として制定せんとするものであります。
 先ず第一に我が國の國道は戰争中の酷使によりまして非常に損傷を受けているため、幹線、支線共にその機能が大いに阻害されまして、交通輸送に重大なる支障を與えておる現状であります。現行道路法では道路の新設、改築、修繕及び維持は道路の管理者即ち地方公共團体の長が、その所属する公共團体の費用を以て行わなければならないことになつており、新設又は改築についてはその費用の一部につき國庫補助をなし得るよう規定いたしておりますが、修繕と維持につきましては國庫補助の規定がありません。維持については、現状通り管理者にその所属する公共團体の費用を以てこれを行なわしめるべきものと考えられますが、修繕については多年止む得ざる事情もありまして、その必要とする費用が随分嵩んでおりますので、現状におきましては地方においてのみこれを負担することは地方財政面から著しく困難でございますので、この修繕につきましても、新設、改築と同様に國庫補助を認めることが絶対に必要となつておるのであります。
 次に現行道路法では、道路の新設、改築につきましては、國の直轄工事を認めておりますが、修繕につきましてはこれ又直轄施工が認められておりません。併しながら地方財政の困難な折から道路管理者にのみ修繕の義務を負わせず、新設、改築と同様に修繕についても國の直轄工事を行ない得る途を拓くべきものと考えるのであります。尚たまたま十一月二十七日に関係方面より日本政府宛に道路維持修繕五ケ年計画に関するメモランダムが発せられまして、日本政府に対し、道路の維持修繕に全力を挙げること、そのために昭和二十七年度までの道路維持修繕計画を樹立し、これを一定期限までにC・T・Sに定供することを義務とすることを命じて來た次第であります。
 さて道路法の全面的改正は目下建設省において研究中でありますが、前項のメモランダムに徴しましても、連合問題を速かに解決することが最も肝要であると考えられるのであります。尚先般関係筋とも協議いたしましたところ、本案は荒廃せる我が國道路の改善を促進するには暫定的措置といたしまして、最も適切妥当なものであるとの意向でありました。そういうわけでありますから、何とぞよろしく御審議の程をお願い申上げます。以上であります。
#4
○赤木正雄君 この「当分の間」、と書いてありますが、これは現在の道路法は不十分でありますから、どうせ道路法は全面的に改正なさるだろうと思いますが、それまでのことを言つておられますか。或いは現在の道路が修繕される前のことを言われておるのでしようか、どういつたものでしようか。
#5
○衆議院議員(柏原義則君) それは「当分の間」でして、道路法をつつ突き出したら非常にうるさいものですから、あつちこつちも……。半年も一年もかかるのではないかと思うが、應急措置として引抜いて單独法としてやる方が手つ取り早いのであります。
#6
○赤木正雄君 では道路法を全面的に改正なさる前と、そういうふうに解釈してよろしいのでございますか。
#7
○衆議院議員(柏原義則君) そうです。
#8
○赤木正雄君 それからもう一つ、補助を與えることになりますが、この修繕に対して……その補助の率はどれ程にするか。そういうふうのお考えを何かお持ちになつておりますか、補助の率の割合を。
#9
○衆議院專門員(西畑正倫君) 第一條の補助率は三分の一という見当でございます。第二條の第三項の地方公共團体の負担する率はこれも三分の一という見当ございますが、目下建設省が主体になつて政府と関係向きとその補助率或いは補助すべき事業の内容等についていろいろ折衝中でございますから、まだ確定し得ないのでございまして、一部という言葉にしたと御了承願つて置きます。
#10
○衆議院議員(柏原義則君) 尚勝手に決めないというようなことでありました。当委員会に、最後に決める時分には相談するということです。勝手に政令はやらんと言つていました。
#11
○仲子隆君 この第一條と第二條との区別されておるゆえんは、第一條が一部を政府が補助し、第二條の方は國道を全額國家が負担する。こういうふうになつていますが、この法令は第一條の「道路法に規定する道路の修繕」という言葉があります。この場合には國道を含まない道路ということになつているのですか。
#12
○衆議院專門員(西畑正倫君) 道路法に規定する道路というのは、國道、府縣道、市道をも総括して申上げるのでございまして、第二條の、建設大臣が直轄施工するという部分は國道に限られるという意味であります。
#13
○仲子隆君 そうすると第一條の道路の場合と、第二條による道路の場合とでは何か特別な区別が考えられるのですか。前の道路の方は三分の一を、あとの方は三分の二を國家負担にすると、こういう形になるようですが……。
#14
○衆議院專門員(西畑正倫君) 第一條と第二條はおのおの独立した意味を持つているでございまして、第一條は地方公共團体がやるものに対して、政府が補助しよう。約三分の一程度のものを補助しよう。第二條は、必要があると認めた場合は、地方公共團体のやるべきものを建設大臣が直接施工しよう。その場合は当然國がその費用を負担する。併しながら地方公共團体はその費用の一部を負担する。こういう規定なんであります。
#15
○仲子隆君 ここに「政令で定める」ということがありますが、第一條にあるところの「政令で定める。」それから第二條第二項に「政令の定めるところにより、」とあり、第三項にも「政令の定めるところにより、」こうありますが、これらの政令はすでにできておるのでありますか。或いは案程度のものに定まつておるのでありますか。この法律は公布の日からすぐ施行するという附則を考えますと、施行せられるまでにこれらの政令ができておらなければならんと思いますが、これらはどうでしよう。
#16
○衆議院專門員(西畑正倫君) まだ政令の内容ははつきり確定いたしておりませんのですが、その外貌だけを一應御説明申上げます。第一條の政令の内容は、補助率と補助すべき事業費の範囲、それから補助金の支拂方法を規定するものであります。それから第二條第二項の政令と申しまするものは、道路法第二十條第二項の規定による主務大臣の権限に関する件勅令第三百八十五号とほぼ一致するものでございまして、直轄玲事施工中におきまして、道路管理者に代つて建設大臣がその行使すべき権限を規定しておるものでございます。それから第三項の政令は道路法第三十三條第三項の規定による道路に関する費用負担の件勅令第三百八十六号及び國庫補助規程内務省令第一号と内容的にはほぼ一致するものでございまして、補助率及び地方公共團体が費用の一部を負担する際の手続等を規定するものでございます。それでこの三つの政令というものは、今度政令として出す場合には一本にして、なるべく簡單に纏めて出すことを建設省では予定されておるのでございます。それでこれが或る程度の成案を得ましたら、衆参両院の建設委員会に御相談するという、さつき委員長が申したような手配になつております。それで何故こういうことをしたかと申しますと、実は今回の措置というものは、先程から申しましたように應急措置でございまして、関係向きのメモランダム等に基きまして、早急にこれを制定する必要があつたのでありまして、その過程におきまして、建設省の方といたしましては、或る程度今改築に主眼点を置いて参つておるのでございますが、今回のメモによりますと、補修維持に主眼点を置き、改築は暫くこれをおけというような措置にも取られますので、尚且つ年度計画、或いは五ヶ年計画というものを早急に出して、先方と折衷するということになつておるようでございまして、その結果におきまして補助すべき仕事の量、或いは補助率というものが或る程度変動があると思いますから、その辺、折衝の余裕を残すという意味で、こういうふうな政令によるというふうな措置をいたした次第であります。
#17
○仲子隆君 この政令がないのに、この法律を公布の日から施行するということになると、これは実施上非常に困難になりやせんかと思われるのでありますが、これらに対して至急にやるということではあるけれども、予め直きにできるという時期を考えずに、この法を法定して支障はないのであるかどうか。
#18
○衆議院專門員(西畑正倫君) これは來年度の予算折衝までには当然制定できるものと思います。
#19
○仲子隆君 先程のメモランダムに從つて、一方で修理その他が始まりますが、それに関係して、この修繕費或いは補助額の予算、こういうものも予め考えられて、この法律はできるのであるか、ただ來年度の予算を取る前提というように考えるのであるか、本年度の補助金額が考えられてあるかということを伺いたいと思います。
#20
○衆議院專門員(西畑正倫君) これは法文として一應の体系を整えまして、メモに基いて折衝する。政府当局において具体的に折衝するのでございまして、関連性はございますけれども、先ずこの法律の狙いどころとしては、修繕に対して國庫補助ができる。必要の場合には修繕を建設大臣が直接行うことができる。こういう大本から決めて行きたい。こう考えておるのであります。
#21
○政府委員(赤木正雄君) ちよつとお答えします。こういうものを作つて、直ぐ維持費があるかという御質問ですが、実は今の法規では維持費としてははつきり出すことはできません。併し今日のこういう情勢からいろいろ考えまして、一部の維持費はすでに出しておるのです。それから又向うの申出によりまして、現在第四四半期の道路、これに対してもなるべく維持の方を重的点にやつて呉れという申込みがあるのです。尤も現在工程を立てて、それで次ぎ次ぎに施工しておるものに対して、これを全面的に止めろということは申しておりません。併し主としてなるべく維持の方に持つて行く。こういうふうな意向もありますから、この法律はできれば或いはそういう費用を直ぐ表向きに維持の方に持つて行ける。こういうことであります。予算の方から申しますと。
#22
○仲子隆君 分りました。
#23
○委員長(石坂豊一君) 皆さんの御質問の中間でございますけれども、委員長より一つお尋ねしたいのですが、お尋ねというよりは、最近に起つた陳情に基てでありますが、道路の一部をなす軌道の施設及び修繕、あれは道路と一体をなすという解釈にして頂かんというと、軌道敷設の担当者は、この頃賃金べースの騰貴と諸材料の暴騰、いろいろの終戰後の事情によつて單独の財力ではできない。その点これは東京始め横浜、京都、大阪等の六大都市、主として軌道を敷設しておるところから陳情が來ておりまして、非常に重大な問題になつております。このままに放棄すると、線路の修復などは思いも寄らんことになつて、旅客運賃というものは全く労働賃金に取られてしまうという状態になつておるので、路線の復旧などは容易でない。こういう問題に逢着しておるのです。幸いこの法案が出て参りました今日でありまするから、この法案の解釈によりまして、一般の路面の同樣な扱いをして補助を與えるということにしたら非常に助かつて來るのじやないか、こう思うのですが、如何でしようか。これに対して提案者の方々において、これを取入れてよろしいということであれば、非常に便利なことになろうと思いますが、一應伺います。
#24
○衆議院專門員(西畑正倫君) この法案を提案した側の立場から申しますと、今委員長のお話しになりました問題は、軌道と関連性がございまして、これをいきなり道路と判定するには、法文上或る程度の修正をしないと、いきなりこれを織込むことは困難であると思う。これは根本問題になりますから、でき得べくんば政府当局からの御意向を承つて見たい。
#25
○委員長(石坂豊一君) 政府の答弁を一つ。
#26
○政府委員(赤木正雄君) 今委員長のお話は、実際そうしないと困る場所も沢山あると思います。現に六大都市で五ヶ年間に軌道のために二十三億の修繕費を要する。五ヶ年間やつて置けば先はどうでもいい。とにかく五ヶ年間だけ補助して欲しい、そういう切なる陳情があります。從つて六大都市以外の都市におきましても、それと同じような問題があろうと思います。併しこれは軌道法の関係でありますから、この法律を少し別問題になります。又別個に考えて見たいと思つておりますから御了承願います。
#27
○委員長(石坂豊一君) 一應道路局長から実際の取扱いとして……。
#28
○説明員(菊池明君) 委員長からの只今のお政、誠に御尤もな御意見でございまして、我々にも大都市の軌通関係者が現にしばしば参りまして、そういうお話がありました。研究いたしておるのでありまするが、何しろ現在は軌道法によりまして、明かに軌道経営者が維持修繕すべきことが規定されております。それは道路の方の管理者としてこれを維持することができないことになつておりますので、その軌道法の方を何とかしなければ、いきなり道路の費用によつて軌道の面を修繕することはできないわけでございます。ただ私はそれでは困るということは十分分つておりますので、又実はこの問題につきましても関係方面からもしばしば何とかならんかということを言われております。それで軌道関係者とそれから道路の関係者と寄つて貰いまして、何とかできないかということを話合いをつけたいと思つておりまするが、直ぐに道路費を以て軌道を敷こうというわけにはいずれにしても行かない、結局道路の方に或る程度の助成をいたしまして、どうせ同じ市長或いは都長の下にある道路関係の部局或いは交通関係の部局がやつているのでありますから、内部的に財政的な遣り繰りがつきはしないか、こういうふうに思つておりますので、只今のところは道路面から助成して、市長或いは都長の肚で、肚と申しますか、市なり都の内部におきまして遣り繰りをやれんかと、そういう話をつけたいと、そういうふうに思つております。
#29
○委員長(石坂豊一君) 今の問題ですね、同じ道路修繕に関連した問題ですから、藪から棒の質問と私は思わんでもないが、私共は非常に手つ取り早くやつてやつた方がいいという考で申したけれども、これも只今のように法規関係にそれぞれ制約があるとすればいたし方がないが、何とかしてやらんというと皆困つておるので、ただ贅沢な、國にばかりすがろうというわけではない、やりにくくて先き先きが困つておるのですから、これを打開するために本省として一つの法案をお出し下さる機会がないでしようか。
#30
○政府委員(赤木正雄君) 法案を出す或いは出さないにしても、事実において修繕できるか、よく研究します。
#31
○委員長(石坂豊一君) どうか至急それをやるようにやつて頂きたい。私の質問はこれだけです。
 皆さんから法案に対しての御質問はございますまいか。……そうしますと、本案に対する質疑を終つたものとして扱つてよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(石坂豊一君) それでは道路の修繕に関する法律案の質疑は終了したことといたします。同時にこれは会期の関係もありまするし、取り急ぎますが、討論に移りたいと思います。如何でしようか。……それじや討論に移ります。本案全部を問題といたします。……それでは採決に移ります。原案の通りで御異存ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(石坂豊一君) それでは皆さんの御同意で本案は可決したものとして取扱います。これで委員会は散会いたします。
   午後二時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     石坂 豊一君
   理事
           仲子  隆君
           島津 忠彦君
   委員
           岩崎正三郎君
           島田 千壽君
           堀  末治君
           赤木 正雄君
           安部  定君
           久松 定武君
  衆議院議員
   建設委員長   柏原 義則君
  政府委員
   建設政務次官  赤木 正雄君
  説明員
   建 設 技 官
   (道路局長)  菊池  明君
   衆議院建設委員
   会專門員    西畑 正倫君
ソース: 国立国会図書館
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