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#1
第004回国会 建設委員会 第2号
昭和二十三年十二月十三日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○予算及び住宅問題に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時五十三分開会
#2
○委員長(石坂豊一君) それでは只今より建設委員会を開会いたします。本日開会いたしました主題は、先般來東京都内の住宅並びに区画整理の現状を視察いたしましたその結果に基いて、各委員諸君の感想に基いて、特に大臣に一つ申上げて見たいという点がありますのと、又今後災害復旧その他についての基本方針として、大臣の所信を質して置きたいということがその目的であります。尚この委員会はいろいろ計数に属するものもありますから、即答できない部分は後で調査をし、又その答弁を後に讓つて頂いても一向差支えないのでありまして、悉く國民生活に直結しておる問題でありますから、非常にこの問題を大きく見ておりますので、眞劍に一つ大臣も考えて頂かなければならんと、こう考えます。只今よる御意見のある方は逐次発言を許します。
#3
○兼岩傳一君 我々去る土曜日に、一日中委員長以下東京都内の住宅の復興状態を視察したのでありますが、いずれも庶民住宅の復興状態は決して感心できるような進捗振りでないのでありまして、その進捗が非常に惡いということはどういう点に根拠があるのか。今後どういうふうに打開されるかという点が第一点なんであります。
 第二点としては、そのような不振な状態において、戸山ケ原住宅で連合軍の好意と援助によつて、千五百九十戸からの木造と二十四戸建のアパート二十二棟を作るという、この大きな庶民住宅の建設は、不振な、そして復興状態が遅れて、都民が非常に住宅難に苦しんでおる問題の解決に対して非常に明朗なものとして、先般も新聞に建設省からの発表として、東京都民はこれに対して非常な歓迎の意を以て迎えたのでありますが、それを我々は去る土曜日に見たのでありますが、ところが行つて見ますと、新聞宣傳その他のごとく、或る程著々として進んで、つまり建物そのものの築造は著々として進んでおるのでありますが、段々我々が調査して見ると、水道をどういうふうにするという問題、下水をどういうふうにするという問題、それから道路の舗装をどういうふうにするという、そういう上下水道、道路交通及び舗装というような問題に対して、殆んど対策が本格的に取られていないのであります。だから仮に建物だけが急速な状態でできたといたしましても、雨が降ればぬかるみができる、下水は十分瑠る、屎尿の汲取の問題はどうするのか、上下水はどうするのか、それから通路の路面は無茶苦茶になつてしまうというような状態で、非常に旧態依然たる、つまり非技術的、非科学的な住宅の築造が進められておるのに僕は一驚したのであります。この問題は直ちにこの場合において大臣がお答えできなければ、或いは本会議において緊急質問としてでも聽くべき問題だしいうので、その準備をいたしておりますから、即答を求めませんが旧態依然たる作文行政、つまり形だけを作つて魂の抜けた、つまり上水も、下水も、舗装も、ガスも不十分な考えの下に進めておられるというような状態で、一体大臣は御存じになつておるかどうか、以上二つの質問をいたしますから、簡單にお答え願えれば、それによつて又進めて行くので、一度に完全な御答弁を頂かなくても結構であります。
#4
○國務大臣(益谷秀次君) 庶民住宅の東京都内におけるところの計画戸数は七千三百四十八戸になつておるのであります。その内訳は木造が六千六百戸、鉄筋コンクリート造が七百四十戸、コンクリートブロクッ造が八戸となつておるのであります。これに対する工事の進捗状況は、本年十一月末の現在で、本年度使用する敷地は全部獲得済でありまして、目下工事中のものが六千八十六戸、未だ入札のできていないものが千二百六十二戸となつておるのであります。鉄筋コンクリート造を除く大部分は、年度未までに入札を終えて竣工できるものと思つているのであります。尚本月中に入札の点は終ることになつております。ただ、只今申上げましたのは庶民住宅でありまして、賃貸共営住宅であります。これは國庫において半額補助をいたしておる。從つて、予算が國家の財政の上から、十分に計画戸数を増加することができないのを非常に遺憾といたしております。從つて東京都におけるところの庶民住宅の建設状況というものは、遺憾ながら遅々といたしておるという状況であります。これは東京都とか、或いは大阪市であるとかいうような方面においては、今後財政の許す限り、でき得るだけ多く庶民住宅を建設いたす計画を今進めておる次第であります。尚戸山ケ原の住宅に附滯いたしましての設備の点についての御質問でありまするが事実私は未だ見ておりません。おりませんが、やはり最も大きい問題は下水道の問題であろうと思うのであります。それに対してもその他電氣、水道、ガスというような設備に対しても補助をいたして参らなければならんのであります。財政上の建前から、その補助が遅れておるのでありまするが、住宅建設の計画に副うように、速かに設備の上においての補助金を逐次交付するような建前で進んでおります。本年は全國におきましては庶民住宅は約四万二千戸計画いたしております。只今申しました東京都の七千三百四十八戸というのは、その中の戸数であります。全國的に申しましても、大体年度内においては計画の戸数は竣工するものと見ておるのであります。
#5
○兼岩傳一君 第一点につきまして、外の同僚議員の諸君から、もう少し御質問があるだろうと思いますので、私は專ら第二点についてもう一遍お尋ねをしたいのでありますが、つまり現在、家を先程申しましたように千五百九十戸建てるということと、それにコンクリートの四階建のアパート二十二棟建てるというために約一億四千万円の金を投じておられる。これによつて人口約一万のここに都市ができるわけであつて、それに対して今言つた水道、下水とか、道路舗装、それから学校の施設、最小限、人口一万の都市ができるための必要な附滯施設、附滯というのはどうでもいいということじやなくて、それがなくては本体そのものにならないところの技術的に言えば実質必要なものの予算が大体約二億円必要と認めておるのですが、それが全然計上されていない。金がないなら半分の五千戸に減すとかしてでも効果的のものにすべきであつて、都民及び國民に、徒らに何千戸できるのだというような大きな風呂敷だけを廣げて、さてそれで住もうとすれば、水も、道路を、ガスも、下水も、風呂も、学校も、あらゆるそういつたものが何ら準備ができていない、並行していないという、こういう行政が戰爭中から過去十年の日本の官僚行政の特徴なんであります。ところが私は去る土曜日に行つて見て、相変らずそういう官僚行政が今日尚行われておる。だから二千戸できなければ千戸でもよい。それよりも本当に都民が直ぐ間に合う内容のあるものを造られたらどうか、こういうことが私の言おうとするところなんで、これに対して準備がなければ、無論今でなくとも、できれば明日あたりの本会議において私はお尋ねしたいと思いますし、若し何らかの都合で本会議でできないならば、次の完全なこれに対する対策を、將來の委員会なり、本会議なりに延ばしてでも、この点をはつきりと、政府が科学技術的にやられるか否やという点については、徹底的に私はこの問題を取上げて、大臣にお尋ねして行くつもりでございますので、今日直ぐに、私突然のことで、これに対して答弁の用意がなければ、決して今日今答弁下さらなくてもよろしうございますが、以上の問題のある点をはつきりさせて御準備願いたいと思います。
#6
○國務大臣(益谷秀次君) 一例でありましようが、只今の御引例は戸山ケ原の住宅の問題であります。これについては舗装とか、下水とか、上水というようなものについての計画を担当いたしている政府委員が参つておりまするから、一應は政府委員から如何なる計画で千八百戸でありますかを建設しているのであるか、この計画について一應申上げまして、根本的のことについては尚十分に視察調査をいたしまして、私からお答をいたすことにいたします。
#7
○説明員(鎌田隆男君) 戸山ケ原の進駐軍放出の住宅工事千五百九十戸の問題でございますが、これの説明を申上げます。これの附帶設備でありますが、附帶設備として考えられますものは電燈工事、ガス工事、上水工事、下水工事、道路工事、大きく分けましてその五つに考えられるのでございますが、その中の電燈工事は、これは十分なだけやるようになつております。それから道路工事も十分とは申されませんけれども、住宅地内の道路としてはまあ我慢のできる程度の道路は造るようになつております。それから下水でありますが、下水の本格的な工事をあすこへやりますと約一千万円の予算を要するような計画でございます。これは予算の関係上到底実現できませんので、只今やや姑息的な工事でありますが、汚水の排水と雨水の排水は表面排水によつてやる計画になつております。それからガス工事でありますが、これは確かに何とか造りたいとは思うのでありますけれども、これも予算の関係上今直ちに実現困難な状況になつております。以上お答を申上げます。
#8
○政府委員(伊東五郎君) ちよつと大臣の先程の答弁に追加して御説明いたします。東京都の住宅建設が、重要な都市であるに拘わらず非常に遅れといる、どういうわけかというお尋ねがあつたのであります。この住宅の建設は非常に敷地の獲得、資材の手当、その他いろいろな問題に可なり時日を要します。で現在公共事業として四半期ごとに委任書を出して、それから建設にかかつているというような方法でやつております。これ自体が住宅の建設には非常に無理なやり方なんで、根本的な問題もあると思いますが、これは現在そういうことでやつておりますので、そういうやり方ではありますが、極力努力して計画通り建設するというふうに努めております。全國的には昨年度あたりの苦い経驗から成るべく早く土地、資材等の手当をさせまして、今年度はむしろ遅れないようにやつております。府縣によりましては繋ぎ資金なぞを用意しまして、実際に國庫の金が行くまいから、資材の手当、敷地の手当などしておる所もありまして、今年度はその関係で非常に進捗が早いのであります。全國的に見ますと、むしろ先のものまでも用意しておるということで、この年度内には完全に建設を終ることができると思つております。ただ東京都だけは非常に遅れています。たまたまその東京について現地に御視察願つたのでありまして、その一番まずい、利害的に一番遅れておるところを御覧願つたんで、それは結構だと思いますが、その東京都が特に遅れました理由というのは、言訳のようになりますが、もともと予算が決定いたしましたのが第二四半期からであります。七月からでありまして、予算の決定が非常に遅れて、都としても立遅れております。それが先ず今年度の特殊の政界の関係で、安定しませんでした関係で、全部が遅れておつたということが一つである。これは外の公共事業でも同様でありますが、殊に住宅の問題は複雜で細かい手間がかかりますから、敷地の手当に非常に遅れました。これは東京都のように七千戸からの家を建てる敷地を用意するということは、現在土地について政府として、或いは公共團体として強権を持つておりませんので、随意の契約で借地をしてやつておりますから、一部は買收をしておりますが、大体は借地をしておりますが、この借地が地主との間になかなか話合が纏まらない、そういうことで土地の手当が最近やつとできた、こういうことでそういうような主な理由は二つでありますが、その外東京都内部の問題につきましては、機構の改正があつたりしてその間に若干実際の仕事は遅れたというようなことがあります。が主な理由な資金が遅れたこと、それから土地の獲得が遅れたということで非常に立遅れております。でこの遅れを取返すために全力を挙げて東京都がやつております。我々も鞭撻指導して至急にやらせるようにやつておりますので、先程大臣から御答弁がありました通り、今年度の計画は三月までに全部完成を終る、但し鉄筋コンクリートの分だけは若干遅れると思いますが、本造については大体年度中に終るというふうに私共見ておりますし、東京都の方としても確信を持つておるわけであります。尚土地の手当が遅れましたのは、これは來年度になつても同様な結果になる筈でありますので、これについては任意の話合ではなかなか土地の獲得ができませんので、來年度の計画におきましては、一つはこの土地の獲得に強権を與えて頂く、これは法律を要しますので、その法律案を準備いたしておりますが、案ができましたならば國会の方に提出いたしたいと思つております。それともう一つは、借地ということが非常に困難でありますので、予算的にも相当の部分は土地の買收の予算を見るという二つの案を考えまして、來年度は敷地の問題についてもう少し円滑に行くように努力したい、こういうふうに思つております。それからこの住宅の建設はなかなか細かい手がかかります。現場の監督その他設計とかいうことが土木工事に比べまして非常に手がかかります。現在の東京都の職員で、現在の機構におきましては今年度七千戸ばかりやつておりますが、これを二倍にも三倍にもするということが現在の機構では可成り無理があるのじやないかと思いますので、來年度はどのくらい建設するか分りませんが、仮にもう少しこれを殖やすというような予算手当ができますといたしましたならば、建設省の直轄でも一部は工事をやりたいというふうに考えております。建設省においても建設部隊を持つておりますので、東京都の技術職員の足らん分は本省においても援助してやりたいというふうなことにもいたしたい、こういうふうに思つております。それから戸山ケ原につきまして附帶設備というものを軽視しておるじやないかというお話がございましたが、この点については私共としまして附帶設備を軽視しておるような氣持は毛頭ありませんので、住宅だけ作ればよいということだけでなく、やはり衞生設備なども完備しなければならんということは思つております。ただ戸山ケ原の住宅の建設は敷地の関係で非常に遅れまして、なかなか先程申しました通り、今年度全部完成するわけには参りませんので、來年度に跨がると思つております。であらまし主体の構造を建設して置きまして、附帶設備につきましては今年度できません分は來年度においても考えたい、こういうふうに思つております。
#9
○兼岩傳一君 東京都の七千三百四十八戸のうち、東京が分りませんければ全國で、十一月までに現在までにできたのは何戸ですか。
#10
○政府委員(伊東五郎君) 全國で十月末現在を申します。竣工が三千四百七十四戸、工事中二万一千三百九十二戸、それから準備中のものが一万五千百九十六戸です。
#11
○兼岩傳一君 東京のは分りませんか、七千三百四十八戸のうち、十月末現在までにでき上つた戸数……。
#12
○政府委員(伊東五郎君) できたのは百九十七戸です。
#13
○兼岩傳一君 これは十月末ですか。
#14
○政府委員(伊東五郎君) 十月末です。
#15
○兼岩傳一君 七千戸のうちで、十月末にたつた二百戸にも足りんというような不成績は、これは根本的にそのやり方、予算措置が惡いなら予算措置が惡いように、技術的なものが惡いなら惡いように、資材の面が惡いなら惡いように、これは大臣に根本的にお考えを願わなければいかんもので、答弁よりも一つ問題を差上げたいのが一つ。それからもう一つ、今の戸山ケ原住宅について、今建築局長は恰も附帶施設が並行して進んでいるように言つておられるが、現に委員会は去る土曜日に行つて見ると、並行して進んでいないから、そういう事実に基いて僕が質問しているのに、如何にも並行して進んでいるように言われるのは甚だその意を得んと思いますが、むしろ僕はそういう言葉だけの答弁を今日求めているのでないのか、本当の大臣なり、主管局長だつたら、都民に対して言葉ではなくて、現実の仕事で答えて頂きたい。その点は都の建築局と協議されて、できれば私は明日お尋ねしたいと思うのですが、大臣もまだ御覧願つていないこの大事な仕事を是非御覧願つて、これからやつて頂きたい、こう思います。
#16
○國務大臣(益谷秀次君) 御趣旨はよく分りました。努めて御趣旨に副うように努力いたします。ただ弁解を申上げるわけじやないのですが、本年の予算は御承知の通り七月両院を通つたのでありまして、只今も東京都の竣工戸数は誠に十月末まで少ないのであります。幸いにして資材の面にこれは裏付けするものがあります。期間は、敷地の決定とか、いろいろなことで相当の日数が掛かりますので、十月現在においては誠に僅少でありますが、幸いにして著々只今進行しておる状況であります。これも努めて早く予算を有効適切に使つて参らなければならんことは御趣旨の通りであります。十分当局の方でも、東京都とも連絡いたしまして、御趣旨に副うように努めたいと思つております。
#17
○委員長(石坂豊一君) 速記を止めて下さい。
   午後二時二十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十四分速記開始
#18
○委員長(石坂豊一君) 速記を始めて下さい。本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時五十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     石坂 豊一君
   理事
           原口忠次郎君
           仲子  隆君
           島津 忠彦君
   委員
           堀  末治君
           赤木 正雄君
           安部  定君
           兼岩 傳一君
  國務大臣
   建 設 大 臣 益谷 秀次君
  政府委員
   建設事務官
   (建築局長)  伊東 五郎君
  説明員
   建 設 技 官
   (建築局住宅建
   設課長)    鎌田 隆男君
ソース: 国立国会図書館
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