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#1
第004回国会 労働委員会 第3号
昭和二十三年十二月十日(金曜日)
    午前十一時五十九分開議
 出席委員
   委員長 綱島 正興君
   理事 山花 秀雄君 理事 中原 健次君
      青柳 高一君    東  舜英君
      尾崎 末吉君    大石 武一君
      倉石 忠雄君    三浦寅之助君
      亘  四郎君    久保田鶴松君
      村尾 薩男君    山下 榮二君
      大島 多藏君    赤松 明勅君
 出席國務大臣
        労 働 大 臣 増田甲子七君
 委員外の出席者
        專  門  員 濱口金一郎君
    ―――――――――――――
十二月九日
 委員田中久雄君辞任につき、その補欠として織
 田正信君が議長の指名で委員に選任された。
同月十日
 委員鈴木明良君辞任につき、その補欠として、
 青柳高一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公共企業体労働関係法案(内閣提出第六号)
    ―――――――――――――
#2
○綱島委員長 ただいまより会議を開きます。
 公共企業体労働関係法案を議題といたしまして討論に入ります。討論は通告順によりまして開始いたします。倉石忠男君。
#3
○倉石委員 私はただいま上程されました公共企業体労働関係法案に対しましまして、民主自由党を代表いたしまして賛成の意を表明するものであります。長い間にわたつて無理解な断圧のもとに過して参りましたわが國の運動が、終戰以來その基本的な自由をとりもどして、健全なる発達の樣相が芽ばえて参りましたことは、私どものひとしく祝福いたしておつたところであります。しかるに昨今ようやくわが國労働運動のあり方が、心ある國民大衆の峻烈なる批判の対象となり、その組合運動が、ともすれば社会の同情を失うがごとき傾向を招來いたしましたことを、私どもはまじめなる勤労大衆のために、まことに悲しまざるを得ないのであります。申すまでもなく、戰いに敗れたる廃墟の中から立ち上らんとするわが國の再建は、勤労大衆の絶大なる協力なくしては不可能であります。しかるに現今行われておりまするわが國の労働運動の中には、元帥マッカーサーの音明にも言われますごとくに、進歩よりもむしろ退歩を、調和と安定よりもむしろ不調和と混乱とをその究極の目的とする、全然信頼に値しない指導者たちによつて撹乱されているものが多々存在することを、私はまことに遺憾に存ずるものであります。私は公共企業体の労働関係に対して、單独立法をもつて臨まなければならぬという客観的情勢のもとにある今日のわが國労働事情は、決して健全なる労働運動とは申されないと存ずるのであります。英國における國有事業下の労働組合、またアメリカの鉄道、郵便事業のもとにおける労働組合等が、それぞれその組合規約において、自主的に爭議行為を完全に抑制しつつあるありさまを見るときに、私たちは、わが國の労働行政の局に当る者も、はたまた企業家も、労働組合の指導者たちも、ともに深く反省すべきであると思うのであります。
 本案に反対せらるる諸君の論点は、第十七條及びその精神に集中せられておつたのでありまするけれども、私どもまた、わが國の労働運動が英米のそれのごときものでありましたならば、本案第十七條には賛意を表明するに躊躇せざるを得ないのであります。しかしながら今日の客観的情勢は、われわれをして本條に対してすら、なお反対するの勇氣を持ち得ざらしめたことは、きわめて残念に思うものであります。本案第十七條の爭議権禁止に対して、反対論者は、一旦與えられたる労働者の権利を剥奪するものなりと、強く主張せられておるのでありまするけれども、この御意見に対して、われわれはにわかに同調することはできないのであります。およそすでに有する人民固有の権利も、これを制限することが公共の利益であり、社会通念に反せざる場合には、しばしばその行使を制限せられておるのであります。近く行われました農地制度の改革のごときも、明らかに憲法に保障せられたる財産権の制限であり、その他幾多の立法例に多くその例を見るのであります。すなわち本案第十七條をもつて勤労者の既得権侵害なりとせらるる論者は、いたずらに階級的立場をのみ固執せらるる近視眼的偏見なりと、申さなければならぬのであります。またある者は、アメリカにおいてタフト・ハートレー法の廃止を傳えられつつあるのゆえをもつて、本案のごときは時代に逆行する立法なるかのごとき御意見を、吐露せられる向きもあるのでありまするけれども、アメリカにおいても、世界情勢の現段階において、タフト・ハートレー法の枢軸をなしておるところの、過激分子を労働運動より排除せんとする基本的要素は、依為存置しておく意向なりと労働長官が声明しておることも、われわれは断じて見のがしてはならぬのであります。
 これを要するに、私は本案を通覽いたしまして、不正労働慣行を嚴に取締り、紛爭処理、仲裁等に対する立案者の心づがいを多とすると同時に、オープンシヨップ制を採用して、個人労働の自由を認めたる点、本案に対する進歩性を高く評價いたしたいと存ずるのであります。
 私は本案の討論を通じて、公共企業体七十万の労働者諸君に訴えたい。今や敗戰のちまたから立ち上らんとする私ども日本人に対し、その復興を援助せんがために、かつての敵國アメリカ人は、一日平均百万ドルの負担をあえてしておることを、忘れてはならないと存ずるのであります。一日も早く、この好意に報いるために、労働の不安を除き、企業の安定を招來することは、一にかかつて勤労者諸君の聰明と叡知にあるのであります。
 また一方、本案のごとき法律を制定され、労働運動を制限することに対しては、政府及び企業の担当者は、重大なる責任を感ずべきであると同時に、企業経営の科学的研究、合理的運営に力をいたし、背後にこれを靜かに監視しつつある國民の負托にそむかざるよう、努力せらるることを切望いたしつつ、本案に賛成の意を表する次第であります。(拍手)
#4
○綱島委員長 次に山下榮二君。
#5
○山下(榮)委員 私は日本社会党を代表いたしまして本案の討論を行うものであります。本法律案は、國有鉄道、專賣公社の粛企業に適用さるる單行法案でありまして、わが國の労働運動の現状から申しますならば、かような法律は不必要であることを痛感いたすものであります。敗戰後わ世國には労働組合法ができ、さらに労働基準法ないしは労働関係調整法ができまして、いわゆる労働三法適用の労働運動が展開いたしておるのであります。日本の今日の労働運動はいまだ幼稚でありまして維労働運動の初期であります。從つて労働関係に関する法律案は、労働運動の育成助長を中心とするものが必要であることは、論をまたないのであります。かような観点からいたしますならば、今ここに提案されましたるところの公共企業体関係労働法案というものは、労働運動の彈圧、労働運動の阻止法案とも申し上げて、さしつかえないであろうと私は存ずるのであります。しかし今日わが國の置かれてある客観的情勢から、かようなこともやむを得ないものと一應假定をいたし、本法案に対しましても愼重な態度をとつて、わが党はその檢討を試みて参つたのであります。すなわち第二條の点におきましても、國有鉄道ないしは日本專賣公社に適用するというのでありまするが、國有鉄道の公共企業性はわれわれはこれを認めるのであります。しかるに專賣公社等に至りましては、あながちこれがただちに公共企業の性質から逸脱してないと、断言することもできないのであります。かような点から考えましても、かような点の修正、すなわち專賣公社を除く問題、あるいは五條に盛られましたところのオープン・シヨップ性をとろうとしている点、すなわち労働組合員と労働組合員にあらざる者の待遇その他に対する條件がまつたく同一である点、先ほど申し上げまするように、わが國の今日の初期の労働運動の時代におきましては、労働運動を育成助長する体制を政府はとらるべきでありまして、かようなことをとられることは、ひいては労働運動を混乱に陥れ、労働運を壊滅しようとする意図のあることを、察知いたさなければならぬのであります。從つてかような方面の改正、さらに團体交渉の範囲におきましても、本法律案によると第八條によつて非常に粛正、制限を行われておるのであります。われわれはこの労働運動の初期においては、かような面が全面的に廣く大幅に採用され、企業形態に対しましても、経営協議会的組織をもつて、もつと團体交渉が廣汎なものになり得ることを考えておるのであります。さらにわれわれは罷業権の禁止に対しましても、先ほど申し上げまするように、今日のわが國の労働運動の初期の時代におきましては、みだりに労働爭議の禁止を行うべきではないと思うのであります。さりとて労働者がみだりに労働爭議を敢行すべきものでもないのでありますけれども、これはいわゆる公党として、労働爭議は労働組合の要訣でなければならぬと、われわれは存じておるのであります。労働爭議を把握しない――持たない労働運動というものは、その労働運動の價値の有無が私は問われるであろうということを、想像してやまないものであります。かような点からいたしまして、今日のわが國の労働運動の現状から考えまして、どうも罷業ないしは怠業というものの権利を與えることも、これは当然過ぎるほど当然な事柄でなければならぬと考えておるのであります。かような点に対するところの修正箇所をわれわれは檢討いたしまして、その修正の準備を持つておるのでありまするが、しかしながら今日のわが國の客観的情勢において、これらの修正を許されない事情が、明確になつて参つて來たのであります。從つてわれわれはここに至りました今日、しかも先ほど申し上ぐるように、わが國の労働運動の現状から考えて、一切の法律は日本の労働運動を助長、発達せしめるために行われなければならぬのにもかかわらず、かような制限法律案をつくることは非なりと考えまして、本案法律案に反対をいたす次第であります。
 從つて日本國有鉄道、日本專賣公社というものは、これはよろしく他の労働運動とひとしく、すなわち労働組合法、労働基準法、労働関係調整法のいわゆる労働三法適用の労働運動となすべきであるということを痛感してやまないのであります。ことに労働関係調整法の第三十七條の中には、爭議行為の禁止、制限が行われてあるのであります。さらに関係法の第八條の中には公益事業の指定が行われまして、その指定の中には運輸事業、郵便、電信または電話の事業、鉄道、電氣またはガス供給の事業、医療または公衆衞生の事業等、それぞれ公益事業の指定が行われ、さらに法文の中には主務大臣は前項の事業のほか、中央労働委員会の決議によつて公益事業に指定することができる。こう規定をされておるのであります。かような面から考えまして、この労働関係調整法を全面的に活用することにおいて、何ら公共企業体労働関係法という單行法をつくる必要のないことを、われわれは痛感してやまないのであります。先ほど申し上げまするように、戰後わずか三年足らずの今日、日本の労働運動が初期であるときに、あるいは欧米の労働運動のごとき法案を、みだりに日本につくるべきではないということを、われわれは痛感してやまないのであります。眞に労働三法適用の労働運動を全面的に助長発達せしめて、自他ともに健全なる労働運動が展開されることになつて、しかる後にわれわれはかような單行法の必要が迫るであろうことを想像いたすのであります。かような意味合いにおきまして日本社会党は、本法律案に反対の意思を表明する次第であります。
#6
○綱島委員長 大島多藏君。
#7
○大島(多)委員 私は國民協同党を代表いたしまして、ただいま上程中の法案に対し、若干の意見を述べ賛成するものであります。
 本法案は、先般成立を見ました國家公務員法とともに、連合國最高司令官の書簡に基き立案されたものであり、まさに國家公務員法と姉妹編をなすものであります。この両法案を比較いたしますときに、だれしも感ずることは、姉妹編でありますから、國家公務員法は秋霜烈日の感あるに比しまして、本法案は爭議行為の禁止にあるとはいえ、團体交渉権は認められ、苦情処理機関ないし調停委員会の制度さらに仲裁委員会制度を置く等、前者に比し相等緩和されていることであります。その点姉妹編としての両法案の均衡の点から考えますときに、当を失したる感がいたしますが、これは当然公務員法を緩和して、少くとも本法案の線まで上昇させるべきものであると思う次第であります。しかしながら両法案ともに、敗戰後の経済窮乏と生活逼迫のために惹起されたる労働運行き過ぎ是正の非常手段として立案せられたる結果、ともに健全なる労働組合の育成助長の法案でなくして、拘束的、取締法的使命を果すに急にして、勤労階級の生活安定の條規に欠れるところもあるは、われわれ國民としてはなはだ遺憾とするところであります。しかしてかかる法案制定の必要性が今なお存することは、わが國の恥辱でありまして、私は一日も早くわが國民がゆたかな生計を営むことができ、すべての労働者、すべての勤労階級が生活の脅威を感ずることなしに、安んじてその職務に從事し、健全なる常識と判断をとりもどすことによつて、かかる過渡的、一時的な國辱的法案の撤廃されんことを切望して、本法案に賛成するものであります。
#8
○綱島委員長 赤松明勅君。
#9
○赤松(明)委員 私は社会革新党を代表して、本法の原案に反対の討論を行うものであります。
 すでにわが党といたしましては公共企業体労働関係法の修正案を、本委員会に提出したのでありますが、客観情勢はこれを議題として委員会が論議するに至らず、ただ記録にとどめるのみに終つたのであります。私はこの記録にとどまつておるところの私の用意した修正案、これに私の意図する方向はきわめて明確に織り込んであります。三十八箇條にわたる原案を二十九箇條に縮め、大幅修正をいたしたのであります。この内容についてはすでに幾たびかの委員会において、私の意見も述べてあるところでありますから、きわめて簡潔に根本的な反対の理由を申し述べておきたい。
 法はあくまでも万人の前に平等であるべきことは当然のことでありますが、この法は万人の前に平等であるべきであるということを刑罰法規においてのみ取上げるきらいはないか。恩惠法規の上においてもちろん万人の前に平等でなければならないことは、これは当然といわなければならない。本法案の対象となつておるところの國鉄が、その業務の内容において私鉄とはたしてどこに異なりがあるのか。あるいはまた專賣事業の部面において、タバコの葉を巻く女の從業員たちが多いと私は聞いておりますが、これが紡績に働く女の工員とどこに異なりがあるか。私は今日の日本の現状よりして、現政府の與党であるところの民主自由党の方々が言うところの生産第一主義、もとよりけつこうであると思う。しかしその生産第一主義の根底をなすものは、額に汗して勤労みずから行うところの労働階級の協力なくして、生産第一主義は断じて実現できない。この意味において私の言わんとするところは、團結こそ最後の勝利でなければならぬ。團結の力をもつてして、日本の生産業界に民主主義を打立てなければならないと私たちは考える。しかるに本法案の根本的なものは、私鉄においては罷業権を持つ労働三法をもつてし、その取締りの対象あるいは権利義務の対象において、同じ性質の内を持つところの勤労團体にして、ただ公共企業体に從事するという名のみによつて権利を剥奪され、しかも制圧を受けなければならない。これは法は万人の前に平等であるという精神に背反する。もちろん專賣局の從業員のごときは、あえて紡績と対照するまでもなく、はたして專賣関係のもののみ公共企業性だと言い得るか。断じて私企業に從業しておるところの労働階級とかわりはない。私は本法案が國家公務員法の陰に隠されたことによつて、きわめて皮相の檢討をしか加えられなかつたかの感を持つのでありますが、これは國家公務員といういわゆる國家の保護を受けておるものとは異つた公共企業体、しかもただ收税、いわゆる納税の面においてのみ公共性があるというものも加つておる。これが今言うような私企業と國鉄の関係、あるいは專賣の從業員の関係、こういう面から見ると当然労働三法をもつてのみでよろしいにもかかわらず、こういうことが行われるということは、將來に向つて、あるいは電産であるとか、あるいはまた公共企業性を持つところの労働者に対し、制圧の口火を切るものであるし言わなければならぬと思う。私はこういうことを考えておる。いかに訓練されたねこであつても、そのつめを抜いてねずみをとれといつて、はたしてねずみがとれるか。あるいは賛成せられる方が言うだろう。保護規定があるではないか。あるいは解雇されないとか、仲裁調停にあたつては第三者がこれに介入するとか。しかしそれは單なる弁解のための弁明のごとくに私たちには聞える。あくまでも法は平等でなければならぬという建前からするならば、これはおそらく、その保護されているという保護規定というようなものは、たとえて言つてみると、野原に放たれているところの鳥を鳥かごに入れておいて、雪が降つても風が吹いても、外氣に当てないで室内でえさをやつておいて、これを保護しているのだというのと同じだ。その鳥かごの中で保護せられている鳥は、はたして寒風の中を飛びまわることよりも非常に喜んでいるかどうか。今日の日本の生産能率を向上して、そして経済的に祖國を建て直さなければならぬ、その原動力であるところの勤労者に対して制圧を加え、一方において、わずかな保護規定を設けておいて、これで足れりとすることは、將來に向つての日本の労働運動に対し、一大不安と動搖を與えることによつて、逆に生産が阻害せられるおそれがないか。たとえば石炭國管案のごとき、いわゆる労働三法をもつてしておれば、労働者が経営権に参加できておつた生産協議会、これが担任大蔵の諮問機関というようなことになつて、事実上労働者はこの経営に参加できなくなつた。その後において、この法案がまだ施行せられているのではないけれども、その準備期間において増産になつたかならなかつたか。今日減産されつつあるというこの実情も、あわせて考慮に入れておく必要があると私は思う。本法案の根本的の理念は表面には現われていないけれども、その底流をなすものは、少くとも労働團体に対してその團結を阻害するために役立てることができる。この労働團体の團結を阻害することができるということは、資本家的であり反動的である。この面において、われわれは終始一貫して本法案に対する根本的な修正意見を持ち、しかもその修正意見を文書として提出したのでございます。きわめて簡潔ではございますけれども、わが党が終始一貫して本法案を大幅修正しなければならないと申して参りました理由はここにある。しかし今社会党の山下委員よりの言葉もありましたが、今日の客観情勢は認めないわけには行かない。しかし私がここでこの反対の意見を表明し、これを記録にとどめることは、きわめて近い將來において、この反対の理由を事幹として、かくのごとき彈圧法規を廃除しなければならない。そして法を根本的につくりかえて、万人の前に平等で、しかも労働者は同一の権利義務のもとにおいて、生産に從事することができるという事態をつくらなければならない。それの口火を切ろうとするものであるということを、あわせて申し上げて私の反対意見を終ります。
#10
○綱島委員長 次に中原健次君。
#11
○中原委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、ただいま上程に相なつておりまする公共企業体労働関係法案に反対をいたすものであります。
 申すまでもなくわが日本は、長い戰火からようやくのがれ出まして、民主主義國家の建設に向つて非常な努力を拂うて今日に至つております。しかもその民主主義日本建設の最初にして、しかも最大なる要件といたしましては、労働階級の民主的成長、從つてまた労働組合の民主的確立強化が養成されている次第であります。しかるに今回さきの第三回國会におきましては、その蛭確制を阻害するはなはだしき内容を織り込みました國家公務員法を、さらに改正いたしまして、いわば國家公務員の独自性をはなはだしく圧迫いたすの結果となつたのであります。さらにそれに関連いたしまして日本國有鉄道法案、日本專賣公社法案の通過を見、さらにそれに関連し、かつ続きまするものといたしまして、ここに本法案が提出に相なつたわけでございまするが、さて私どもはこの関係法案が、はたしてわが日本の現在目標といたして進みつつあるこの過程を、きわめて正常に成長せしめるために役立つものであるかどうか。このことについていささか内容を檢討してみなければならないと考えるのであります。
 まず最初に、この法律案に一貫する一つの考え方とも申しましようか、労働組合の強化を阻害し、労働組合をしばしば混乱に導き入れて、労働組合の独自な、しかも統一性にある活動をはばむという性格を持つておることを、見のがすわけに参らぬのであります。そのまず第一番に考えられる点は、すなわちクローズド・シヨップ制を否定いたしまして、いわゆるオープン・シヨップでの形をとらしめようと、あえていたしておる点であります。しかも第四條によりますならば、わざわざ入念にも組合を結成し、もしくは結成せず、組合に加入し、もしくは加入しないことができると規定いたしまして、労働組合結成に対する労働者の本能を、そとにそらしめようにする一つの意図がうかがわれることは、はなはだ遺憾と考えるものであります。このような状態をもつてして、はたしてわが日本の労働組合が正常に育成されて行くであろうかどうか。この点はなはだ遺憾ながら、われわれの最も氣づかいとする一点であります。從いましてこのような考え方は、敗戰後ただちに立法いたされました労働組合法の精神を否定するものでありまして、労働組合法のそれによりますると、労働組合法は團結権の保障及び團体交渉権の保護、助成によつて労働者の地位の向上をはかる。このように明記いたしておりまするが、この労働組合の精神をまつたく裏返と、否定いたしまして、むしろ労働組合の保護、助成をサボタージュするというよりも、むしろこれを積極的に打ちこわそうとするの傾向を示しておることを、私どもは見のがすわけに参らぬのであります。同時にまたそのような形をもつて進みまするときに、第二の労働組合の結成が促進されて來る。第二組合の結成促進ということは、同時に労働組合の戰線に一つの対立、紛爭を激発せしめるような條件がそこに伴つて参るわけでありまして、このような観点から考えましても、この法案に盛られておりまする内容は、はたして労働組合の健全なる本來あるべき組合の発展、助成のために盡さんとするものであるかどうかということについては、遺憾ながらそうでないということを、われわれは結論しなければならないことを遺憾に思うのであります。
 さらにその次に指摘しなければならない問題は、しかも本法律案の中の最も重要なる部分として考えられる点は、労働組合に対してその行動を、組合の自由なる意思によつて、組合の責任においてこれを行使することを拒否するばかりか、労働者のすべてが――最後の労働者に保障された一つの実力行使としての爭議行為を禁止しておるという一点であります。この爭議行為禁止の條章は、特にわれわれが強く心を突かれる点でありまして、労働階級が何よりもこの本律案に対して憤りを感じた点は、この爭議行為禁止の法律案の精神は、今われわれが思いを過去に立ら返らしめてみまするならば、往年、すなわちわが日本の帝國主義者どもが、彼らの野望を満たさんために帝國主義戰爭強行へのいろいろな用意を進めたことでありまして、その当時日本の支配階級は、労働階級に対しましてあらゆる方法を通して、その行動の自由を拘束することにこれ努めたのでありまして、しかもその労働階級を初めとする全勤労大衆に対しまして、その行動の自由、あるいは言論の自由、あるいは出版、集会等々の自由を妨げるために、治安維持法の制定を遂に見るに至りました。しかも治安維持法の制定は、労働階級を初めとする全勤労階級の一切の行動の自由を一つのわくの中にはめ込み、労働階級を初めとする全勤労階級はそのために政治的にも、あるいはまた思想的にも、あるいはまたその他の万般の方途において一切の行動の自由が阻止され、遂に言わば奴隷の状態の中に追い込まれて参つたのでありまして、さらにこの治安維持法が数回にわたりまして改悪を見たのでありましたが、その後そのような中にもかかわらず、労働運動は必然の要請にむちうたれまして、労働組合を強化するに至つたのでありましたが、しかしその労働運動の強化に対して、時のわが日本の支配階級はこれを禁圧するために、あらゆる方途を講じまして、遂に満洲事変の勃発いたしました昭和六年でありましたか、労働爭議調停法なるものをつくつたのでありまして、この調停法は名は調停法でありますが、実は労働組合運動の禁圧法であつたのでありました。このようにいたしまして資本の構成力を強化するために、浮身をやつしたのでありましたが、その結果は遂にわが日本の全域から、民主性を決定的に剥奪いたしまして、民主性剥奪の結果として、日本の國民多数者は遂にみずからの意見を行使することもせず、ただ易々諾諾としてこれ命ずるままに從わなければならないというような状態に置かれたことでありまして、このような状態を経驗して参りました日本の國民といたしましては、今日民主主義日本の建設を言われ、まつたく往年のすべての不自由なる状態からのがれ出でようといたしております今日、そして経驗を経驗しつつある今日、またぞろここに、必ずしもそれと同一の方向をとる、とらないは別といたしまして、それに類似する、あるいはそれを思い起さしめるような法律案の提出されることに対しえは、少くとも國を眞実に愛し、わが日本の民族を憂うるものにとりましては、いささき思いなきを禁ずることができないのでありまして、しかもこの第十七條は、このような爭議行為禁止の目的をもつてつくられておりますが、爭議行為そのものは、いまさら繰返して申し上げるまでもなく、憲法の改正に伴いまして、わが日本の國民は基本的人権の享有を妨げられないことを規定され、しかもその基本的人権の不可侵性を規定されているのであります。また同じく十二條は、この憲法が國民に保障する自由及び権利は、國民の不断の努力によつてこれを保持しなければならないと規定いたしているのであります。從いましてわれわれは、わが日本の國民の一人として、また労働者として、その與えられた労働者の当然の利益を、これらの法律案の出るたびごとに一つ一つこわされて行くという状態は、断じてこれを黙過するわけにはいかないのであります。われわれは憲法の命ずるその点の重要性のみにかかわらず、本來わが日本の労働階級はこの重大轉換期に際しまして、大きな民族的な使命を持つているわけでありまして、その民族的な使命を達成いたしますためには、わが日本の労働階級が眞実に侵されることなく、民主性を確保することでなければならぬと考えているのであります。しかるにかかわらず、この爭議行為禁止の法案は、これらの民主性を阻害すること最もはなはだしく、また労働階級はややもすればあやまちを犯し、あえて過激を行使するがごとき印象を與えようとし、しかもこの法律案の上程された根拠の重要な部分として、労働運動の行過ぎであるがごとく、吹聽いたしている人たちもあるようでありますが、私どもははなはだその点を遺憾に考えるのでありまして、わが日本の労働階級は行き過ぎているために、このような法律案を上程されなければならぬような、無責任なる爭議行為をいたしたためしはないのでありまして、これは前年の二・一ゼネストの態勢以來、しばしば相当大きくゼネストの形態をとらなければならないような状態に、押しやられたのでありましたが、しかしながらわが日本の労働階級が置かれている客観的な諸事情に対する、きわめて愼重な考慮のもとに、いささかも誹謗されなければならないような行き過ぎ行為を、いたしたためしはなかつたのであります。このようにいたしまして、わが日本の労働組合運動は、決して一部の人たちが誹謗いたすような、責任なき行動をいたしたためしはなかつたのであります。もとよりみずから願みて批判すべき必要のある点については、他から指摘されることをまたず、批判すべきを批判いたして参りました。しかもこの爭議行為なるものは、決して軽々にこれを行うことをなし得るものでないのでありまして、爭議行為にストライキ戰術をとらなければならないような條件というものは、ストライキの方策に出ることなしには、労働階級の最低限の権益を守ることのできない場合、やむを得ずその挙に出るのでありまして、決して一部の煽動によつて、しかも組合外の者の煽動によつて、そのような挙に出るものではないのでありまして、これは少くとも、労働組合運動をまじめに凝視する者であるならば理解される点であります。しかもわれわれは、なるほど戰後三箇年の組合運動の経驗でありますが、過去においてすでに長い経驗を持つて参りましたわが日本の労働組合運動は、その点においてはいささかも第三者の杞憂に値するようなことはいたさないのでありまして維この点については私ども確信をもつて、労働組合運動の自主性と責任性を強張することができるのであります。いわんや、それのみならずすでに憲法の第二十八條において團結するの権利、團体行渉するの権利、團体行動するの権利を確認している。從つてこれらはすでに正当に享有いたしました労働階級の、いわば基本的人権の重要なる内容の一つでありますが、この問題をただ一片の法律案をもつて否定し去らんとするがごときは、遺憾至極の事柄であると考えるのであります。
 さらに労働組合に対していわゆる官僚の監督権を確立せんとする部分が見えることもまた遺憾とするのであります。それは特に組合会計に対しまして、外部の監督者を置くことを規定している点であります。これは言うまでもなく組合の自主性を侵犯するものであり、外部的干渉を強化するものでありまして、そのようなことを通じて組合に対する支配権を、官僚の手に確保せんとする意図がうかがわれることは、私どもは了承できないのであります。しかもこの組合会計に対する一つの監査の規定の問題は、これをもし組合が用いざる場合においては、この法律によつて定める一切の権利を奪う。こういう一つの罰則的な規定が附加されているのでありまして、これらのごときは特に行き過ぎであつて、同時に本法律案が一つの取締法としての性格を持つていることも、また私どもは指摘せねばならぬと考えるのであります。
 さらに專從職員に対して一つの制限を加えようとしている点であります。本來專從職員の問題は、当然組合の自主性にまかさるべきものでありますが、本法律案はその自主性を侵すと同時に、わガ日本の労働組合運動が、敗戰後今日までに必然的な條件のもとに獲得いたしました、いわゆる專從員職の給與問題を、ここにまた否定しようとしている点は、見のがすことができないのであります。なるほど労働組合の專從職員が経営側から給與を得るということは、本來ではないことを私も否定するものではない。しかしながらここにはわが日本の組合運動の実情が、当然かくあらしむべき必然を持つておつたわけでもありまして、そのことはすなわち、わが日本の労働事情の特殊性といたしまして、はなはだ低い賃金が強要されておる。すなわち低賃金が強要されておるということであります。しかも今日の段階は特にその低賃金に対しまして、高物價の政策が一面強行されておるということも、また見のがしてはならない。從いましてこのような特別な條件のもとにおいては、当然專從職員の身分は保障されなければならないし、しかも一面最低賃金制の確立を見ておらないわが日本といたしましては、なおさらのこと、このような特殊事情を否定することは、同時に組合運動を破壊するものに相なるということを、私どもは指摘しなければならぬのであります。このような事情のもとに、当然獲得いたしました既得権が簡單に否定されることについて、私どもは賛成することができないのであります。
 さらに團体交渉の規定でありますが、この團体交渉の規定を見れば、その團体交渉の範囲を一方的に、しかも決定してかかるということの一点であります。これは労働者側の意向に何らのしんしやくを與えることなく、労働者側との、あるいは労働者代表側との協議をすることなく、ただ一方的にこれを決定して、しかも法の上に明記したということは、労働組合の権威を傷つける最もはなはだしきものでありまして、この点はまた労働者の意向を顧みざる、いわば一つの官僚独裁の傾向を、最も露骨に証明しておるものであると考えるのであります。
 さらに交渉委員の制度が設けられておりますが、この交渉委員制度はこのように法定すべきものではないと考える。少くとも企業側と労働側との交渉をいたします場合には、労働組合の自主的な、そして自由なる意思によつて、当然あるべき交渉委員が選考されて、その交渉委員が組合員の利益を全幅的に代表して、そのことに当ることが適当なのであります。從いましてこの選ばれた交渉委員は、あくまでもその排他性を強く持たなければならないわけであります。しかるにもかかわらず、本法律案に規定された交渉委員は、まつたく労働者の意思と有機的につながつておるということを、われわれは立証することができないのでありまして、このような交渉委員は当然またその交渉の万般にあたりまして、必ずしも組合員の自由なる意思を代表するのでなく、交渉委員の独断によつてそのことが行われるおそれがあるのであります。しかもその委員の選考の方法は、ひとり交渉委員のみならず、苦情処理共同調整会議代表者、あるいは調停委員、仲裁委員等々の選考の中に一貫いたします一つの矛盾は、本法律案の最も大きな矛盾の一つをそのまま現わしておるわけであります。それはすなわち組合に加入せざることもまたよしという一つの組合非加盟の、いわゆる非組合員の地位を高く評價して、取扱つておるという一点に関連するのでありますが、そういうことに関連いたしまして、選ばれたこれらの各種の委員は、必ずしも労働組合員としての組合員的自覚、從つて労働者的自覚に徹しておらない場合がしばしば予想されるのであります。むしろ労働組合に加盟せざることをもつて、かえつてよしとするかのごとき、言いかえますならば、労働組合運動に対して一種の反逆性を持つような職員が、相当この中に意見を反映することのできるような手続になつておることを、私どもは指摘しなければならない。從つてそのような関係において選ばれました交渉委員初め各種の委員は、当然労働組合の、そしてまた労働者の本來の目的を達成せしめるために、十全なる活動をなし得るものと考えられないことも、またわれわれはあわせて指摘しなければならぬのであります。このようなことは、選ばれた交渉委員初め各種委員が、経営者側にしばしば有利な役割を果すものとなるおそれがあるのでありまして、しかもこの仲裁委員等の罷免権等の場合におきましても、総理大臣にその罷免権が委嘱されておるというがごときは、一つの官僚独裁の傾向を一層強化促進することに、役立たしめるように相なつておる点、すなわちこの法律案に盛られておりまする一つの特徴ともいうべき、労働組合運動に対する官僚の容喙権、官僚の支配権、それを強化するようにできていることを、私どもははなはだ遺憾とするのであります。
 さらに仲裁委員会が経営側のいわゆる第五條違反の行為なりと決定いたしました場合に、その行為を取消させるというだけのことが、規定されているのでありますが、この場合は第五條違反によつて労働者に被害を與えました経営側といたしましては、当然その被害賠償の責任が規定されなければならないし、同時にまたその企業代表者、責任者、あるいはその第五條違反の行為を行為いたしました責任者は、当然その責任を負わなければならないと考えるにかかわらず、これに対しましては何らかの責任追究の規定が設けられておらない。すなわち、労働者に対しましては容赦なき制裁の規定があるにかかわらず、企業側に対しましては制裁、責任追究の規定がないということは、はなはだ片手落ちであるということを申し上げなければならぬのであります。
 最後にこれらの内容を檢討して参りまするとき、私どもはこの法律案がもし本國会を通過いたしまして、立法化せられますならば、まずこの関係労働者は言うまでもなくこの法律に縛られまして、労働組合運動の当然あるべき自主的な、責任ある、そうして民主的なる運営が、その面から妨げられて行くということを、指摘しなければならぬのでありまして、このようななされ方は、すなわち労働組合の育成助長を念願すると常に口にいたている政府として、はたしてこのような法律案の成立をもつて、労働組合の正常なる成長を約束することができると断言することができるかどうか。このことは、非常に立案者側の、そうしてまたこれを決定しようとする國会の、わが日本の民主化に対する大きな責任であると私は考えるのであります。ここにわガ日本の労働組合運動の特性といたしまして、敗戰後ようやくあの横たわる残骸を乘り越えて、廃墟の中からはい上つて参りました労働組合が、ここに三年の経驗をして参りました。從つてこの三箇年の経驗というものははなはだ尊い経驗でありましたが、しかしながら、なおかつ、いまだ成熟せざる点も多く、いまだ到達し得ざる部分も多いのでございまして、從つてそれらのいまだ及ばざる部分をみごとに獲得いたしますためには、きわめて自由にして秩序ある條件のうちに、労働階級が不断の努力を傾けて、みずからを成育しなければならない事情に置かれておるのであります。もとよりそのことは、あくまで労の自主的にあるべきことが前提でなければならぬのでありますが、ことに日本の民主化の徹底が要請されておるこの段階におきましては、すなわちこの歴史的な課題といたしまして、日本の民主化を徹底せしめるなければならない段階におきましては、労働組合運動の発展強化ということはきわめて大切なる要件であると考えるのであります。いわんやこの日本の民主主義的な傾向を阻害するすべての障害、これを除去すべしと命じましてポツダム宣言の忠実なる履行のために、われわれはあくまで労働組合が何ら制約されることなく、しかもすくすくと伸びる諸條件が確保されなければならないし、またそのことによつてのみ初めて自由と平和を愛好し希求するものの本來の責務を、全うすることができるものであると考えるのであります。このような見地によつて考えますときに、この法律案はまさしくわが日本の歴史の発展を阻害して、世界の恒久平和に貢献せんとするわが日本の歴史的過程を、逆行するものであると申さねばならぬのであります。しかもそればかりではない、このような大切な時期にあたりまして、歴代の内閣がいわゆる反労働者的な政策を行い、全日本の大衆が要請しております、インフレーシヨンに対し、そのインフレーシヨンの処理解決に努めることなくか、えつて逆にそのインフレーシヨンを助長し、これを一方的に強行せんとするの施策に終始いたしております場合、労働階級の生活はまさに飢餓の線下に追い込まれざるを得ない事情に置かれておるのであります。このようにいたしまして飢餓線下に追い込まれておる労働階級が先頭に立つて、日本の経済再建の主役を受け持たなければならぬのであります。このような状態のもとに、はたして日本の労働階級が日本経済再建の主役を担当して、みごとに働き得るものであるかどうか。労働階級はその労働力を回復いたしまして、すなわち労働再開に用意するために必要なすべての要件を、確保せしめなければならないのであります。しかるにその必要なる條件を確保するための生活権の確立、このことはいささかも保障されないばかりか、きわめて危險なる線に脅かされておるという現状にあるのであります。しかも今日の現状は、先の内閣もそうであつたが、吉田内閣もまた低賃金政策を行い、高物價政策に終始して、そしてまさにやせ馬にむちうつがごとき態度を示しておるのであります。われわれはこのような事情のもとにおいて、労働階級がほんとうに歴史的なその正しい使命を達成することができるかどうか。このことをはなはだ氣づかうのでありまして、このような必要の要請にこたえるためには、かくのごとき法律案の制定を見ることではなくて、むしろ逆に労働組合運動をますます正しく育成するように、働きかけることのできる條件を附與しなければならないと、主張いたすものであります。從いまして今日の場合としては、われわれはいわゆるすでに制定されております労働三法の適正なる運営をもつて、かくのごとき面もまた調整さる得ると信ずるのでありまして、今さらこのような、いわば正常な線を歪曲したこの法律案の通過を、あくまではばまなければならないと考えるものでありますが、このような意味におきまして、私どもはこれらの内容を持つている本法律案に対しまして、労働者農民党を代表して、かつ日本の労働階級のすべての自由なる意思を代表いたしまして、この法律案に反対いたす次第であります。
#12
○綱島委員長 ただいままでで討論の通告のありましたお方は、大体済みましたが、通告のありました人のうち、民主党の川崎秀二君が今日欠席いたされましたが、これはやむを得ざる事情がありましたとかで、民主党はことごとく委員全員原案賛成であるというこる附言されました次のような文書を、委員長の手元までよこしておられるのであります。そこでこの川崎君のよこされました文書を討論にかえて、記録中に載録することに皆さん御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○綱島委員長 異議なしとすればさようにとりはからいますが、朗読を省略してこの文書を載録させることにいたしますが、これも異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○綱島委員長 しからばこれをもつて討論を打切りまして採決に入ります。原案賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#15
○綱島委員長 起立多数、原案通り可決確定いたしました。(拍手)
 なおこの際お諮りいたしますが、報告書の作成につきましては、委員長に一任されたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○綱島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。
 なお、反対意見がございますので、本会議において討論をいたすことに皆さん御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○綱島委員長 しからばさように決定いたします。
 次に本案につきまして、本会議に上程の際その討論者を指名いしておきたいと存じますが、その員数は六名として委員長において指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○綱島委員長 御異議なしと認めまして、倉石忠雄君、辻井民之助君、川崎秀二君、大島多藏君、赤松明勅君及び中原健次君を本会議討論者に指名いたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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