くにさくロゴ
1948/12/10 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 文部委員会 第3号
姉妹サイト
 
1948/12/10 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 文部委員会 第3号

#1
第004回国会 文部委員会 第3号
昭和二十三年十二月十日(金曜日)
    午前十一時十六分開議
 出席委員
   委員長 圓谷 光衞君
   理事 松本 七郎君 理事 伊藤 恭一君
   理事 久保 猛夫君
      古賀喜太郎君    平澤 長吉君
      水谷  昇君    山名 義芳君
      受田 新吉君    高津 正道君
      田淵 実夫君    松本 淳造君
      西山冨佐太君    野本 品吉君
      松原 一彦君    黒岩 重治君
 出席國務大臣
        文 部 大 臣 下條 康麿君
 出席政府委員
        文部事務官   辻田  力君
 委員外の出席者
        文部事務官   相良 唯一君
        專  門  員 宇野 圓空君
        專  門  員 武藤 智雄君
       專  門  員 横田重左衞門君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 教育公務員特例法案(内閣提出第一二号)
    ―――――――――――――
#2
○圓谷委員長 これより会議を開きます。
 昨日に続いて総括質問を継続いたします。なおお手元に配付いたしました教育公務員特例法案のうちにミス・プリントがありますので、政府の方より訂正を願います。
#3
○辻田政府委員 お手元にお配りした本印刷の方の分について訂正がございますので申し上げたいと思います。いずれ正式には正誤表が参るはずでありまするが、御審議の際に必要かと思いまするので申し上げておきます。
 まず目次の第一章総則の下に(第一條―第十八條)とあるのを(第一條―第三條)におかえ願います。附則のところに(第二十三條―第三十五條)とありますが、その三十五條は第三十四條であります。本文の二十三條第二項に「この法律中の規定が」の下に点をお入れください。それから二十九條は全部削除、從つて條文は三十條が二十九條に、以下一條ずつ繰上ります。以上であります。
#4
○野本委員 この法案の名称でありますが、第一條に「教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き、」ということが言われておるのでありますが、その特殊な職務と責任に基いて施行されるのでありますから、これは当然特例というような文字を使わなくてもよいのではないかと私は思うのです。この点についてどういうようなお考えでありますか。
#5
○辻田政府委員 この法案は、國家公務員法の特例をなす法律案でございまするので、名称も特例ということを明示した方が、内容と看板と一致するという意味で、特例という文字がある方が國民一般にはつきりわかつて、いいのではないかと思つて入れたのでございます。
#6
○野本委員 私の考えは、さつきもちよつと申しましたが、これは教育公務員に対する立法なんでありますから、特例という文字を使う必要はないのです。当然のことなのでありますから……。この名称についてどうも疑問を持つておるのです。
 それから次の問題でありますが、いわゆる教育関係の事務職員についてはどういうふうにお考えですか。
#7
○辻田政府委員 教育関係の事務職員、たとえば文部省の役人とか、教育委員会の事務局の職員についてのお尋ねだと思いますが、教育委員会につきましては、免許状を必要としまする教育長と專門的教育職員につきましては、この法案の対象になつております。しかしその他の者並びに文部省の人間、あるいは学校の事務職員につきましては、一般の法規が適用になつておるわけでございますので、特例を認めないということであります。從つてここにありまするのは、本体としては実際に教壇に立つ教育者を考えておるのでございます。その他の者は、一般の國立の國家機関であれば、國家公務員法で、地方の機関であれば地方の公務員法ができますと、それが直接適用されることになるわけでございます。
#8
○高津委員 昨日文部大臣から提案理由の説明をお聞きしたのでありますが、その御説の中に、「六・三の義務教育制を根幹とする新学校制度は、今や着々実施を見つつあるのでありますが、直接新教育実施の任に当る学校の校長、教員等の選任を公正かつ適切ならしめるとともに、教員の地位を確立し、もつて教員をしてその職務に專念させることは、教育刷新、教育振興の基礎條件であり、現下における喫緊の要務と存ずる次第であります。」こういう言葉があつたのでありますが、この特例法は教職員の職務と責任の特殊性にかんがみて、一般の國家公務員法で律せられるよりは有利な点が、大分含まれていることは私も認めているのであります。それならば教職員の地位を確立し、もつて教職員をしてその職務に專念させるような便宜をはかるという意味を、この第一條の中へ織り込んで、この法律の目的を明らかにすべきではあるまいかと思います。この間第三國会で通過した國家公務員法の第一條は「この法律は、國家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準を確立し、」とありますが、國会ではそれが修正されてその中へさらに「職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。」という文句が挿入されたのであります。だからこの場合も教育公務員というものはその特殊性にかんがみて大いに保護をするのだ、能う限り便宜を與えるのだ、そういう意味を第一條に織り込んでおくべきではなかつたかと思うのであります。これに対する政府の所見をお伺いする次第であります。
#9
○辻田政府委員 ただいま高津委員から御指摘の点は趣旨としてはその通りでありまして、仰せの通りの考えでこの法案ができているのであります。ただここに特にそういうことを明記しなかつたのは、この「教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き、」というところに意味を含ませまして、教育者としては特別の使命があるのである。從つて特別の保護と申しますか、身分の保障を考えらるべきであるという趣旨から、ここに含ませて仰せのようなことを規定しているつもりでございます。
#10
○高津委員 次に第一條の特殊性という意味内容は、常識的にはわかつているようでありますけれども、いやしくもこれは法律であり、この特殊性について政府としての定義、解釈をこの際明確にお伺いしておいたらと思うのですが、特殊性とは何ぞやということについてお伺いいたします。
#11
○辻田政府委員 國家公務員法の附則の十三條に、一般國家公務員であつても、その職務と責任の特殊性に基きという言葉が書いてありますが、その言葉を援用いたしましてそのまま用いたわけでありまして、それ以外の意味はないのでございます。
#12
○高津委員 公務員法との関係で向うにあるからその言葉を持つて來たのであつて、特別の意味はないと言われるのであるが、文部省があつせんして特につくつてここへ出された以上は、特殊性というのは教育には他の國家公務員、あるいは地方公務員とはこの点、この点、この点で違うのだという特殊性を、具体的に数えてもらいたいという意味の質問なのです。そのことが明らかになつておれば、教育公務員というものは、それゆえにこそ待遇その他の点で特別のはからいをしなければならないという條項が生まれて來るのでありますから、この点が非常に重大だと思います。
#13
○辻田政府委員 今のお話の点よくわかりました。教育者の特殊性の内容でございますが、國立及び公立の学校の教員と申しますか、教育に当つている方々は、その職務と責任において他の一般の公務員とは特殊なものを持つているのであります。すなわちその職務の内容あるいは責任の内容というものを考えてみますときに、教員の從事する教育というものの職務は直接人間を対象といたし、しかも未成熟な被教育者の人格の完成を目ざしていることにおいて、主として一般人の便益をはかることを目的とする一般の対人的な業務と、その性格を異にしていると思うのであります。教育関係は人格と人格との関係でございますので、教員の人格というものは意識的に、無意識的に被教育者の人格に影響するところが非常に大きいのでありまして、この点におきまして教員には教育者たるの資格と、それに伴う特殊な職務上の義務ないし責任が要求されると思うのであります。さらに教育は文化を傳達し、新しい文化を創造する人間をつくり上げなければならないものでありますので、そのために教員は教育者たるにふさわしい人格とともに、その教授する事柄につきまして、十分な学識を備え、その教育技術を心得ていることが必要であると思うのであります。今教員の資格については特定のものが必要でありまして、また在職中の教員については常に研究と修養に努めなければならないことであると思うのでございます。なお教育は常に人間をつくる高いしかも不変な目標に向つて行われるものでありますので、そのときどきの勢力によつて左右されたり、不当な支配を受けたりすることがあつてはならないのであります。從つて法令の範囲内で創意とくふうをもつて自主的に教育を行うことが絶対に必要であります。教員がその職務の遂行にあたりましては、教員の等級によつて責任の軽重があるという問題ではなく、各人が同一の責任をもつて行わなければならないのであります。こういうようなことからして、教員の身分取扱いにつきましては、教員各自がその地位に安んじて職務を遂行し、以上申し上げました重大な責任を全うすることができるように、措置しなければならないと思うのでございます。そこで右申しましたような考えのもとに、教育公務員について一般公務員に対する國家公務員法の規定をそのまま適用するのではなく、ここに一定の特例を必要とするというふうに考えている次第でございます。
#14
○高津委員 大分特殊性の内容が明らかになつたと思うのでありますが、教育という職務は直接人間を相手にして、それを育て上げて行くという点があるし、文化の傳達をやる役目であるから、また人格、学識いろいろ必要だとか、創意とくふうをもつてだとか、不当の支配を受けてはならぬとか、いろいろ御説明を聞いたのであります。私はそれも特殊性と認めますが、しかしながらその程度のことでは、ほかの公務員の場合でも人間を相手にするものももちろんたくさんありますし、人格学識、さらに研修をやらなければならぬという、それもみな特殊性を主張して來るので、相違点はほんの少しということにならないでしようか。裁判をやつている者、みな特殊性があつて、今の御説明では抽象的にそうでないものは残らないように思うのですが、もう少し聞きたいと思います。
#15
○辻田政府委員 あるいは言葉が足りませんでそういう御質疑になつたと思いますが、もちろん一般公務員の中にも、その從いまする仕事の内容によりましてそれぞれ特殊性はございます。ここにただいま申し上げましたのは教育者としての特殊性を申し上げたつもりでございますが、もちろん裁判官には裁判官の特殊性もございましようし、また農林事務に当つている者は農林事務の特殊性がございます。また一般的な共通の性格ももちろんあると思います。そこで一般的なものについては一般的な法律の規定の適用を受けるのでございますが、教育者としては先ほど申しましたような教育事務に從事することが目的でありますので、その教育という面から特別に人格の問題あるいは学識の問題、あるいはその地位に安んじて仕事に当ることができるようにしなければならぬということについて、特例を認める必要があると思つたのでございます。たとえば採用等にいたしましても、單に一般の公務員と同じような方法をとるのでは十分な採用はできませんので、ここに書いてあるような特殊な方法で採用することになりますし、またその扱います学問の特殊性からかんがみまして、普通の一般公務員の採用とは違つて、大学の先生につきましては大学の特殊性に基いて、特例を設ける必要があると思うのでございます。
#16
○松原(一)委員 文部大臣にお尋ねいたします。本法案の第三條によりますと、國立学校の学長、校長、教員及び部局長は國家公務員法の支配を受ける。公立学校の学長、校長、教員及び部局長等は地方公務員の身分を有するということが明記せられてあります。これではつきりわかるのでありますが、そうなると第二十三條の「この法律中の規定が、國家公務員法の規定に矛盾し、又はてい触すると認められるに至つた場合は、國家公務員法の規定が優先する。」という條項は、これは國立学校の教職員に当てはまるものであつて、公立学校の教職員には当てはまらないと思うのでありますが、さように解釈してよろしうございますか。
#17
○下條國務大臣 実はこの二十三條第二項の規定は、こういうような趣旨に書いたつもりであります。すなわち現在のこの規定が、國家公務員法附則第十三條の例外規定として特別法が設けられたのでありますが、將來もし本体の國家公務員法の関係におきまして何か新しい改正があつて、そうしてその改正規定と特例法との間に食い違いが生じた場合には、公務員法の改正の方が適用せられるということでありまして、現在は別にここに矛盾はないと解釈しておりますが、その範囲は國家公務員法が適用せられる範囲に限られております。
#18
○松原(一)委員 よくわかりました。それで私どもはかように解釈いたします。公立学校の教職員は、近くできる地方公務員法の拘束を受けるのであつて、ただいまのところにおいてはそれができるまでは、公立学校の教職員は國家公務員法の規定には拘束せられない、かように解釈するといたします。
 次にそれによりますと、矛盾がここにあるのであります。第三十四條となつておりますが、修正がありましたから第三十三條となりますが、その末項に「政令で、國立学校の学長、校長、教員又は部局長の例に準じ、特別の定をすることができる。」とあります。これは今の解釈によりますと、いささか矛盾すると思います。國立学校の学長、校長等の例に準ずる必要はないので、これは地方公務員法ができるまでは政令でもつて標準をとるとするならば、内務省令の都道府縣職員服務規定に準ずべきものであつて、國立学校の職員の例に準ずべきものではないと思う。この点についての文相のお考えはいかがでしようか。
#19
○下條國務大臣 実は國立の教員につきましては、國家公務員法が適用せられる。それから公立の場合につきましては地方公務員法がありまして、母法があつて、そしてこの特例法が例外になるという組織になるはずなのであります。ところが御承知の通り地方公務員法ができませんから、暫定的に地方公務員法にかわる規定を第三十四條に設けたのであります。ここにも書いてありますように、地方公共團体の職員に関して規定する法律ができるまでは、暫定的に政令で地方公務員に関する規定と同じような母法をつくつておく。こういう建前であります。その地方公務員法の内容は実はまだはつきりしておりませんが、大体公立学校の職員に対して適用されるようなものは、ここにもあげなければならぬだろうと思います。
#20
○松原(一)委員 議事進行に関しましてお諮りをお願いいたしたいのであります。重大なる法案でありますから、時間の許す限り懇切に御答弁を願つて研究を進めたいのでありますが、御承知のような逼迫したる情勢のもとにありますので、この法案はわれわれもぜひ通したい、一時間も早く完了いたしたいという希望を持ちます。その関係上ごく少数の修正を委員会全体の意見として一應まとめて、これを関係筋への交渉を委員長を介してお願いして、なお続けていろいろな質疑應答をするといつたように、少し順序が逆でありますけれども、一應のごく少しの修正をまとめたいという希望から、私修正案を提出したいと思うのであります。お諮りを願いたいと思います。
#21
○圓谷委員長 ただいまの松原委員の動議に御異議ございませんか。
#22
○松原(一)委員 御同意を得たようでありますから、私皆さんにお諮かりを申し上げたいのであります。
 昨日來の御意見等を聞いておりましても、およそ集中するところは、わずか数点にあるように思われるのであります。根本的な問題としての選考権の問題は、これはなかなか重大な議論があるのでありますが、その点をまず拔きにいたしまして、私は三つの修正点をここに申し上げたいと思う。
 第十四條中の休職規定、これは「二年」とありますのは、肺結核の病状の從來の統計その他から、久保委員からも奥さんが肺結核にかかつて、二年でなおつて出て失敗せられた悲惨な実例を述べられましたように、二年ではいけないのであります。それで「二年」を「三年」と改めます。それから「俸給」とありますが、かような氣の毒な病人に本俸だけやつておくのでは、生活ができて行けません。どうか「給與」とこれを改めていただきたい。そうして末尾に「全額を支給することができる。」とありますが、これはいかにも弱うございますから、「支給する。」として「ことができる。」という文字を削除したいのであります。こういうふうに十四條を改めたいのであります。
 それから第十九條の研修のところでありますが、その第二項の中の最後のところの「その他研修に関する計画を樹立し、」の次を「かつ研修に要する費用を計上し、その実施に努めなければならない。」かようにいたさなければならないのであります。これは研修に関するいろいろな報酬等がありますが、事実今年の四月からまだ一ぺんも旅費等をもらわないというものがたくさんあるのであります。これは私自分の家の家族にも教員を持つておりますが、間違いない事実であります。なかなかこの費用は出ません。それでここにせつかく親切な教育公務員法をつくるのでありますから、「研修に要する費用を計上し」、の文字をそこに入れたいと思うのであります。
 第三点は、第三十四條、これは改められた三十三條でありますが、三十三條の終りに、ただいま質問いたしました「政令で」という下に「國立学校の学長、校長、教員又は部局長の例に準じ」とありますのは削除いたしたいのであります。二十一字だけ削除いたします。そうなりますとこれは「政令で特別の定をすることができる。」となりますので、その結果は当局で特別の定めをおやりになればいいのであります。但し委員会としての希望は、その定めは都道府縣職員服務規程というのが現にあつて、これが地方公務員を拘束いたしておる内務省令で生きておるのであります。この規程を準用になればいいのであります。いずれ近いうちに地方公務員法もできることでありましようから、それまでのつなぎはさようにいたしておきたいと思うのであります。
 この三つの点を私は委員会の満場一致の御賛成をもつて修正案とし、その筋への交渉をお願いいたしたい。
 なおもう一つつけ加えますことは、教育公務員法の法案の名称でありますが、これは特例法案とせずに、やはり教育公務員法案といたしたい。特例という二字はとつた方がいい。内容においては特例的なものがありますけれども、自然これはあらためて独立法案とすべきものであつて、將來内容も改めねばなりませんが、一應この際は教育公務員法案といたしたいのであります。これにつきましてどうか委員長からお諮りいただきまして、できます限り全員一致の御賛成を得て、その筋への交渉方を手早くお願い申し上げたいのであります。御賛成を願います。
#23
○圓谷委員長 お諮りいたします。ただいま松原委員より修正に関して意見が出たのでありますが、ここで暫時休憩いたしまして、御懇談願いたいと思うのですが、いかがですか。
#24
○久保委員 懇談もいいでしようけれども、大体松原委員の修正箇所並びにその考え方に私は大体賛成でありますけれども、字句その他のことについて各党から一名ずつ出ていただいて、それをまとめるというふうにしたらどうかと思います。今の松原委員の修正でけつこうとも思われますけれども、たとえば研修の費用、これで考えなければならぬことは、十九條にそういう松原委員が言われたような字句を入れたがよいか、二十一條として、二十條の次に一條設けてそれを規定したらいいか、そういう意見もあると思うのであります。
#25
○久保委員 二十條の第四項とすれば、これは研修の機会ということになつておつて、研修の機会のための費用だけを含むというおそれがあるはずです。ところが十九條の方では、研修の機会だけの費用でなくて、教育公務員としての研修の責任を負わされておるのであつて、責任を負わされて費用は出さないというのが今日の実情なんです。それをこの法律で改めて、教育公務員に絶えず研修、修養に努めなければならないという責任を負わせておきながら、その費用を規定せぬというのはおかしい。本來ならば二十一條として一箇條設くべきだと私は思う。そういう点について各党で打合せてはどうかと私は思うのですが、いかがですか。
#26
○圓谷委員長 ただいま久保委員の御意見がありますので、各党より一名ずつの委員を出して相談いたしたいというのですが、いかがでしようか。
#27
○圓谷委員長 それでは暫時休憩いたしましてさようとりはからいます。
    午前十一時五十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後四時四十五分開議
#28
○圓谷委員長 休憩前に引続き会議を開きます。まず法案の逐條審議に入りたいと思います。
 教育公務員特例法
  目次
  第一章 総則(第一條―第十三條)
  第二章 任免、分限、懲戒及び服務(第四條―第十八條)
   第一節 大学の学長、教員及び部局長(第四條―第十二條)
   第二節 大学以外の学校の校長及び教員(第十三條―第十五條)
   第三節 教育長及び專門的教育職員(第十六條―第十八條)
  第三章 研修(第十九條・第二十條)
  第四章 雜則(第二十一條・第二十二條)
  附則 (第二十三條―第三十四條)
    第一章 総 則
  (この法律の趣旨)
 第一條 この法律は、教育を通じて國民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き、教育公務員の任免、分限、懲戒、服務及び研修について規定する。
  (定義)
 第二條 この法律で「教育公務員」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一條に定める学校で、同法第二條に定める國立学校及び公立学校の学長、校長(園長を含む。以下同じ。)、教員及び部局長並びに教育委員会の教育長及び專門的教育職員をいう。
 2 この法律で「教員」とは、前項の学校の教授、助教授、教諭、助教諭、養護教諭及び講師(常時勤務の者に限る。以下同じ。)をいう。
 3 この法律で「部局長」とは、大学の学部長その他政令で指定する部局の長をいう。
 4 この法律で「專門的教育職員」とは、教育委員会の職員のうち、免許状を有することを必要とする者(教育長を除く。以下同じ。)をいう。
  (身分)
 第三條 國立学校の学長、校長、教員及び部局長は國家公務員、公立学校の学長、校長、教員及び部局長並びに教育長及び專門的教育職員は地方公務員としての身分を有する。
 以上について御質疑がありますれば伺います。
#29
○久保委員 教育公務員の特殊性に基いた特例法であるから、大体教育公務員というのを、ここに規定された通りに一應限定された意味はわかるのでありますけれども、学校におります教育事務官であるとか、あるいは学校看護婦であるとか、あるいは教育委員会の事務局におるその他の事務員、そういうのと全然身分の区別がある。待遇の上に差別があつて、同じ職場に同じ氣持で勤務しておるということは、何らかそこに將來みぞができて行くようなおそれも考えられるのでありますが、でき得るならばそういうやはり学校に勤務する者、並びにその事務に当る者は、教員――ここで言う教育公務員と同じ氣持になつて行かなければ、教育というものはできない。極端なる例をもつてするならば、学校の小使に至るまで一つの教育的な、生徒、兒童に対して親切さというものを持つて行かなければ、教育というものはできるものではない。そういうことを考えてみると、この教育公務員法のうちに、今言つたようなそういう人たちを全部包含するということが、むしろ私としては望ましいことではないかと思うのでありますが、こういうことについて政府当局の御見解を聞いてみたいと思います。
#30
○下條國務大臣 まことにごもつともなお尋ねだと思います。私もついこの間まで学校の校長をしておりましたが、学校の経営の立場から申しますと、教員と事務職員との間に相当心のつながりがなければ、実際の運営はできない。でありますが、この事務職員の方は、教員の方に近いというよりもむしろ一般の公務員の方に、すべての事務の内容から申しましても近いのでありまして、一体となつてやる点においては、申し上げたように、学校は校長と教員と事務職員と学生とから成り立つ一つの社会でありますから、それがなければできないのでありますが、その事務の大要から申しますと、事務職員は学校の教員よりもほかの一般の事務職員の方に近いのでありまして、その方の一般公務員として取扱うことが適当であるというふうに考えたのであります。もつともこれにつきましては多少まだ研究をしたいという余地は実は持つておるのでありますが、大体今のところはさように考えております。
#31
○久保委員 教員ではないが、学校におります看護婦、助手、そういうものはこの中に入らぬのですか。
#32
○辻田政府委員 免許証によりまして養護教諭とかあるいは養護教員に当る者は第二條に当るのでありますが、そうでない者、二十二條の「教員の職務に準ずる職務を行う者」の中に該当する者につきましては、政令の定めるところによりまして、この法律を準用することになります。
#33
○久保委員 それはどういう者ですか。
#34
○辻田政府委員 たとえば非常勤の講師とか、助手とか、大学や高等学校の助手、そういうふうな者でございます。看護婦もこれは入れるかどうかについて、政令によつて定めるべきでございますが、その点よく研究したいと思います。
#35
○松本(七)委員 今のには大学の副手、それからインターンの学生などはどうなのでありますか。
#36
○辻田政府委員 インターンの学生は、はつきり学生でございますから、この中に入れる考えはございません。副手もただいまのところは、助手までにいたしまして、入れないつもりでございます。
#37
○松本(七)委員 こういう時勢に副手の保護については前國会でも特に問題になつたのですが、インターンについて何か保護する方針はございますか。
#38
○相良説明員 お答えいたします。インターンの学生につきましてはやはり学生であるという身分でありますので、一應考えておりません。
#39
○西山委員 今のインターンの方は学生の身分の方がよいと思う点はごもつともと思います。育英会の方の金を出すのに、育英会の対象として学生の身分として金を出すのですからその方がよいのだと思います。
#40
○圓谷委員長 第二章に移ります。
    第二章 任免、分限、懲戒及び服務
     第一節 大学の学長、教員及び部局長
  (採用及び昇任の方法)
 第四條 学長及び部局長の採用並びに教員の採用及び昇任は、選考によるものとし、その選考は、大学管理機関が行う。
 2 前項の選考は、学長については、人格が高潔で、学識がすぐれ、且つ、教育行政に関し識見を有する者について、大学管理機関の定める基準により、学部長については、当該学部の教授会の議に基き、教員及び学部長以外の部局長については、大学管理機関の定める基準により、行わなければならない。
  (轉任)
 第五條 学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、その意に反して轉任されることはない。
 2 大学管理機関は、前項の審査を行うに当つては、その者に対し、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。
 3 審査を受ける者から、前項の説明書を受領した後三十日以内に請求があつたときは、大学管理機関は口頭審理を行わなければならない。口頭審理は、その者から請求があつたときは公開して行わなければならない。
 4 審査を受ける者は、すべての口頭審理に出席し、自己の代理人として弁護人を選任し、陳述を行い、証人を出席せしめ並びに書類、記録その他のあらゆる適切な事実及び資料を提出することができる。
 5 前項に掲げる者以外の者は、当該事案に関し、大学管理機関に対し、あらゆる事実及び資料を提出することができる。
  (降任及び免職)
 第六條 学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、その意に反して免職されることはない。教員の降任についても、また同樣とする。
 2 第五條第二項から第五項までの規定は、前項の審査の場合に準用する。
  (休職の期間)
 第七條 学長、教員及び部局長の休職の期間は、心身の故障のため長期の休養を要する場合の休職においては、個々の場合について、大学管理機関が定める。
  (任期及び停年)
 第八條 学長及び部局長の任期については、大学管理機関が定める。
 2 教員の停年については、大学管理機関が定める。
  (懲戒)
 第九條 國立大学の学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、懲戒処分を受けることはない。
 2 第五條第二項から第五項までの規定は、前項の審査の場合に準用する。
  (任命権者)
 第十條 大学の学長、教員及び部局長の任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分は、大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。
  (服務)
 第十一條 國立大学の学長、教員及び部局長の服務について、國家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第九十六條第一項の根本基準の実施に関し必要な事項は、同法第九十七條から第百五條までに定めるものを除いては、大学管理機関が定める。
  (勤務成績の評定)
 第十二條 学長、教員及び部局長の勤務成績の評定及び評定の結果に應じた措置は、大学管理機関が行う。
  2 前項の勤務成績の評定は、大学管理機関が定める基準により、行わなければならない。
     第二節 大学以外の学校の校長及び教員
  (採用及び昇任の方法)
 第十三條 校長及び教員の採用は、選考によるものとし、その選考は、採用志願者名簿に記載された者のうちから、大学附置の学校にあつてはその大学の学長、大学附置の学校以外の國立学校にあつては文部大臣、大学附置の学校以外の公立学校にあつてはその校長又は教員の属する学校を所管する教育委員会の教育長(選考権者という。この條中以下同じ。)が行う。
 2 前項の採用志願者名簿は、校長又は教員の免許状を有する者で、採用を願い出た者について、免許状の種類に應じ、國立学校にあつては人事院、公立学校にあつては都道府縣の教育委員会が作成する。
 3 前二項に定めるものを除くほか、採用志願者名簿に関し必要な事項は、國立学校にあつては人事院規則、公立学校にあつては都道府縣の教育委員会規則で定める。
 4 教員の昇任は、從前の勤務実績に基く選考によるものとし、その選考は、選考権者が行う。
 5 選考権者は、教員について第一項及び前項の選考を行うに当つては、その学校の校長の意見を聞いて行わなければならない。
  (休職の期間及び効果)
 第十四條 校長及び教員の休職の期間は、結核性疾患のため長期の休養を要する場合の休職においては、満二年とする。
 2 前項の規定による休職者には、その休職の期間中、俸給の全額を支給することができる。
  (任命権者)
 第十五條 公立学校の校長及び教員の任命権は、その校長又は教員の属する学校を所管する教育委員会に属する。
 2 前項の校長及び教員の任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分については、任命権が行う。
 3 任命権者が、校長又は教員に対し、その意に反して降任し、免職し、その他これに対しいちじるしく不利益な処分を行い、又は懲戒処分を行う場合については、國家公務員法第八十九條から第九十二條第二項までの規定を準用する。但し、この場合において、「人事院」とあるのは「任命権者」と読み最えるものとする。
     第三節 教育長及び專門的教育職員
  (採用及び昇任の方法)
 第十六條 教育長及び專門的教育職員の採用は、選考によるものとし、その選考は、採用志願者名簿に記載された者のうちから、教育長については、当該教育委員会、專門的教育職員については、当該教育委員会の教育長が行う。
 2 前項の採用志願者名簿は、教育長又は專門的教育職員の免許状を有する者で、採用を願い出た者について、免許状の種類に應じ、都道府縣の教育委員会が作成する。
 3 前二項に定めるものを除くほか、採用志願者名簿に関し必要な事項は、都道府縣の教育委員会規則で定める。
 4 專門的教育職員の昇任は、從前の勤務実績に基く選考によるものとし、その選考は、当該教育委員会の教育長が行う。
  (教育長の退職)
 第十七條 教育長は、教育委員会の承認を得て、任期中退職することができる。
  (任命権者)
 第十八條 教育長及び專門的教育職員の任命権は、当該教育委員会に属する。
 2 第十五條第二項及び第三項の規定は、教育長及び專門的教育職員に準用する。
 以上について質疑を行います。
#41
○松本(七)委員 再三繰返す点ですが、本來ならば、この大学管理機関の内容を示した大学法が提出されてから、並行審議すべきものだと思いますが、現下の特殊の状況のもとにおいてそれは不可能でありますし、またせつかく教員の任免等に特例を設けようというのですから、なるべくすみやかに審議を進めて行きたいと思うのですが、それにしてもこの大学管理機関の内容を定めるところの大学法というものは、日本の今後の文化水準に関する影響の非常に大きい法案であることを予想されますので、今後の取扱いについて文部省としてよほど愼重にやつていただきたい。これをこの際要望いたしておきます。すでに先ほども申しましたように、この大学法が試案ができて、教育刷新委員会の方で問題になつたときに、大学の教授、あるいは一部の学生の間では相当眞劍にこれが取上げられておるのですが、まだ一般世間にはどういうものなのか、内容その他概略の方向もまだわかつておらないような状態であります。この文部委員会でもやつと先般資料をいただきまして、非公式な懇談会で学校局長とそれから劔木次長から、刷新委員会の審議の経過は概略伺つたのでありますが、どうしてもこれは今後は一般の世論に訴えて十分に檢討して、各方面の意見をわれわれも聞く必要がありますので、この点は拔かりのないように、特に御留意を願つておきたいということを條件に審議を進めたいと思います。この点ひとつどうぞよろしくお願いいたします。
#42
○久保委員 小さいことでたくさんあるのですが、第四條の学長及び部局長の採用並びに教員の採用の選考でありますが、これは自分が学長になりたい、部局長になりたい教員はもちろんありますが、教員の中から学長、部局長を選ぶという場合に、これは希望者の中から選考するのでありますか。もし希望者の中から選考するのであるとすれば、希望者がない場合にはどういうふうにしようとするのであるか。私は学長になりたいという申出がない場合があり得ぬとは限りません。これはその例がいくらもあります。つまり学校が非常に問題を起して混乱して、教授会等が非常にむずかしくなつた場合には、学長になりたいという人はそこに現われて來ないのであります。そういう場合にやはりその人の意に反してでも、大学管理機関でこれを選考するのであるか。まずそういう点をお伺いしたい。
#43
○下條國務大臣 今お話のような場合があつたことを私も記憶いたしております。それでなりたい人もありますけれども、大学の教授を自分の任務と考えるような方でありますと、むしろ学部長のような事務官的な者になりたくないという希望が非常に多いのであります。私もある私立大学に関係しておりますが、教授会では避ける人の方が多いので、なりたいという人はむしろ推薦したくないような人が多いのであります。しかしながらとにかく学部長を置かなければならぬということになるから、結局そこで何とか話合いをつけて、だれか適当な人を推すということになつて、結局はできておることになるのであります。やはり教授会の決議に基かないで、上から高圧的に、あるいは今までならば大学の管理機関あたりが、本部とか何とかというところで任命するところで任命するようなことは避けないのであります。やはり教授会の議決に基いて任命せられるという形をとりませんと、その後のいろいろな進行がうまく行かないので、あくまでも教授会の議を経て行きたい。教授会は今申しましたようにいろいろな場合がありますが、結局はその人が得られるように考えます。
#44
○久保委員 部局長にしても学長にしてもその場合そうなさるのか。もし選考機関では不適当と思うが、自分で名乘り出た者が一人ここにあるというような場合には、やはりその一人を一應選考するのですか。ほかの人はみんな希望しないのだというような場合にはどういうふうになりますか。
#45
○下條國務大臣 大体は希望者を募るというよりも、そこで選挙いたしまして、そうして選挙の結果学部長に、または学長――総長とか学長とかは別にいろいろ組織がありますが、学部長の場合でありますと、たとえば当該教授会で学部長を選挙するということになります。何とか学部長が選定せられる段階になると思います。
#46
○久保委員 第十條に「大学の学長、教員及び部局長の任用」云々、それは「大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」大学管理機関が選考し、そうしてそれが任命権者に申し出る、こういうことになつております。ここに教授会というのは別に出ておらぬわけです。この管理機関というものは、私は教授会というものとは違うと思う。大臣のお話を聞いていると、大体教授会においてそれを選考して推薦して、そうして任命権者の方に申し出るようなかつこうになりそうでありますが、ここに書いてある大学管理機関というものは、これは教授会とは全然趣が違うものでないかと私は思う。そこでお尋ねしているのでございますが……。
#47
○下條國務大臣 私の申し上げたのは、学部長についてお尋ねになつたように思いましたので……。
#48
○久保委員 学部長と学長なんです。
#49
○下條國務大臣 学部長は大学管理機関で、たとえば教授を何年以上した者とか、あるいは何か適当な基準を設けるだろうと思います。そういう基準に合致した者のうちから教授会で決議して、それに基いて管理機関が任命するということになつております。
#50
○久保委員 学長はどうですか。
#51
○下條國務大臣 学長については、これは大学管理機関の定める基準によつて、学部長の場合と違つて、教授会の決議が書いてない。学長の点につきましては政府委員からお答えをいたさせます。
#52
○辻田政府委員 大学管理機関の將來のあり方につきましては、先ほど松本委員からもお話がありましたように、大学法で、はつきりといたすのでありますが、経過的には、それまでの間におきましては附則の二十五條によりまして、それぞれ從來の慣例を尊重いたしまして、それに基いて経過的な規定がございますが、それによりますと、この学長につきましては「協議会の議に基き学長」ということがあります。その協議会と申しますのは、やはり二十五條によりまして評議員及び部局長で構成する会議でございます。一個の学部を置く大学によりましては教授会の構成員、部局長で構成する会議が協議会ということになりますので、教授会に部局長が加わつたものを協議会といたしまして、その協議会で十分議を練りまして、そこで決定したものを学長に出すということになつておる。そこできめました基準によりまして、今度は選考につきましては、学長については協議会自身がこれを行うことに二十五條によつてなつておるのであります。從つて今の協議会と申しますのは、一個の学部だけの場合には教授会と部局長をもつて構成されておりますので、教授はやはり全員入ることになつております。
#53
○久保委員 そうしますと今辻田局長の言われた教授会と部局長ですか、それがここでいう大学管理機関ですか、それと違うのではないですか。
#54
○辻田政府委員 大学管理機関は條文のそれぞれによりまして、大学管理機関というものは全部読みわけておりまして、この場合に学長につきましては協議会ということに読むわけであります。それから部局長を選考する場合には「学長」というふうに、大学管理機関というものを読みわけるわけであります。それから教授につきましては協議会の議に基きまして学長というふうに、大学管理機関というものを読みまして――これは二十五條に書いてあるのでありますが、読みわけて、二十五條に「(大学管理機関等の読替)」というところに、一つ一つ詳しく書いてあるわけであります。
#55
○久保委員 わかりました。
 次に轉任というところと懲戒というところに「審査」という言葉がある。この審査は大体各学校の大学の管理機関に全然まかせて行われるのであるか。大学が五十できた場合に、その五十の大学はおのおの何らの連絡なしに、一定の基準もなしに、まつたく独自に審査というのが行われるのであるか。何か一つのよりどころというものが考えられるのであるか。それから審査する場合に、甲という大学と乙という大学に審査の結果に非常に甲、乙があり、矛盾があつてもかまわないのであるかという問題、次は第七條でありますが、第七條は個々の場合についてやはり大学管理機関において長期の休養を決定すると、こうなつております。私が前に言いました轉任とか、懲戒の場合には、もし甲という大学と乙という大学とが別々の審査をしたからといつて、それは何ら予算的な問題には関係がありません。ところがこの第七條にいたつてはそうは行かない。もし甲乙丙丁の学校に、この個々の場合長期の休職の期間を各々の大学にまかせたというような場合には、ただちにこれはその大学の予算に差ができて來るのであります。同じ問題について差ができて來る。甲という大学ではこの休養を三年とした、乙という学校では同じ状態のものを三年としたとする。そういう場合にそこにただちに経費の問題がからんで來るのでありまして、從つてこの第七條の場合には、ただ單に個々の大学にまかせるということには私は行かないと思う。そこでこの第七條のような場合には何らかそこにどこかで統一がとられるか、あるいは標準が規定されねばならないのではないかと考えられるのであります。その点をどういうふうに考えられておるか、これが第二点。第三点は勤務成績の評定の問題で、第十二條でありますが、この評定をするのにこれももう大学管理機関にまかすべきだと私は思うのですが、ここに一定の例をとりますならば、考課表みたような一つのものを考えて、それから評定する場合の一つの基準というものを統一される考えがあるのかないのか。ただそういうことも一切大学にまかせるのであるか。そしてこの第二項に勤務成績の評定は大学管理委員会が定める基準による。この基準の一つのわくというのを、私が聞いておるのは統一されるかどうかということである。この点について伺いたい。
#56
○下條國務大臣 今お尋ねになりました諸点については、大学法のきめ方で違うのじやないかと思います。実はもし大学法のきめ方が、たとえば管理機関に関しまして中央に一つの管理機関が設けられる。その管理機関のもとに総括的な操作が行われる。それからもう一つの考えとして各大学に管理機関的なものが設けられる、そこで自身の働きをするということになるかによつて違うのじやないかと思います。もし大学の自治を尊重する意味において、各大学でおのおの自分の管理機関を完全に掌握するというようになりますと、今お話のようないろいろな審査とか成績の評定とかについて、統一を欠く場合が起るかと思います。それは現在でも各綜合大学、國立大学の間にいろいろ問題がありまして、これらについては逐次会議を開きましていろいろな問題を打合せて來ました。休職の期間等についてはどういうふうにするか、その他評定はどんな規定によつて評定するかということも打合せた上で、統一して行くことになるのじやないかと思います。
#57
○久保委員 大体文部省の考え方を聞いておるのであります。こまかな点はもちろん大学法ができなわければわからないことは、私も了解しておるのでありますけれども、文部省としては今私が言いましたような点について、たとえば三つにわけて言つたのでありますが、第七條の場合にはこれは各大学に全然まかせることには行かないことがあるということ、その他の点はまかせようと思えばまかせられることだ。しかしそれを何らか統一しようという、統一性を求めて行こうという考えであるかどうか。第七條はどうでもこうでもこれはある程度統一されねばならない性質のものであると思う。そういう点について文部省の考え方を聞きたい。
#58
○下條國務大臣 この第五條並びに十二條等についてもなるべく態度を同じくしたいと思います。これらはいずれも皆重要な点でありまして、甲の取扱いと乙の取扱いとが齟齬しても適当でないと考えます。なるべくこれを統一して行くようにしたいと思いますが、大体趣旨は大学の意思を尊重して行くという態度でおります。しかし相互の間に連絡をはかつて、その間にあまり差のないようにして行きたい。この点は今お話の第七條についても同樣であると思います。
#59
○黒岩委員 今、久保委員が指摘せられました第七條でありますが、大学以外の学校に対しては休職のままに俸給を支給するところの年限を明記しておりますのに、大学の方はこれを何らきめてない。その理由を御説明願いたいと思います。
#60
○下條國務大臣 これは昨日一應申し上げたと思いますが、大体いろいろの判定について画一的でなく、各大学の自治にまかせて適当にやつて参りたい。こういう考え方でそこに何ら規定をおいてないのであります。しかし今久保さんから言われるように統一を欠くおそれがありますので、できるだけ自発的に相互の間に協定を逐げて、適当な運用を逐げたいと考えて、別にここには書かない趣意でおります。
#61
○黒岩委員 それでは大体二年になるか三年になるかわかりませんが、大学以外の学校に適用された年限より短縮されることはないと了解してよろしゆうございますか。
#62
○下條國務大臣 その点は別に今ここにはつきり申し上げかねますけれども、おそらくそういうことになるだろうと思います。ほかの場合よりも短くてよいということには考えないと思います。
#63
○黒岩委員 もう一点お伺いしたいと思いますが、この教育公務員の任免その他の身分に関することは、大学管理機関がやるということになつておりますが、事務職員の人事に関してはどこが扱うのでありましようか。これは別の法律ができたときに当然決定さるべきものであると思いますが、その辺のお考えはどういうふうであるかお伺いしたいと思います。
#64
○辻田政府委員 仰せのごとく大学の事務職員については大学法によつてはつきり明定されると思いますが、現在においては國家公務員法の規定が、そのまま適用されることになると思います。
#65
○松原(一)委員 ちよつと伺いますが、從來公立学校の一、二級官は文部大臣が任命しておつたのですが、今度は一律一体に級を問わず第十五條によつて、教育委員会がこれを任命するものと心得てさしつかえございませんか。
#66
○辻田政府委員 さようでございます。
#67
○松原(一)委員 次に伺いますが、國立大学の方については轉任のところにたいへん念が入れてありますが、公立学校の職員には任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分があつて、轉任がここに書いてないようですが、これでは意に反した轉任があり得ると思うのでございますが、この点について伺います。
#68
○辻田政府委員 轉任の問題でございますが、ここに轉任という文字を使つてありませんので、今お申し述べになつたような御疑問があつたと思いますが、これは任用という中に一本になつて入つております。出る方からいうと退職の方に相当する場合が多いのでありまして、その場合にその人の意に反してなされる場合には、ただいまの十五條の三項の規定によりまして救済の方法がとられておるわけであります。
#69
○松原(一)委員 もう一度伺います。そうしますと、今後各町村にまで教育委員会が普及したときには、甲の村の教員が乙の村に移る場合には、轉任ではなくて一度退職して、それから乙の村であらためて任用するという形式をとるものと心得てよろしうございますか。
#70
○辻田政府委員 さようでございます。
#71
○松原(一)委員 もう一つ伺います。その場合に恩給関係の年数計算はどうなりますか。從來は切れた場合においての計算はめんどうであつたのですが……。
#72
○辻田政府委員 恩給年限を計算いたします場合には通算して恩給を積算されるわけです。
#73
○久保委員 小さいことですが、十五條の任命権者が教育委員会であつた場合に、たとえば長崎縣教育委員会という名で指令等を出すのですか。それともその委員長の名前で出すのですか。
#74
○辻田政府委員 長崎縣教育委員会として出せます。
#75
○久保委員 もう一つこれはむずかしい問題ですが、勤務成績の問題であります。勤務成績をどうして評定するかという問題は実にむずかしい問題だと思う。ここでは「從前の勤務実績に基く選考によるものとし」と第四項にうたつてありますが、この勤務成績の評定ということは実にむずかしいことで、結局は神でないものはほんとうのことはできないということになるかもしれませんが、しかし從來私の知つている範囲で申し上げますと、自治体によつて勤務成績評定の標準が非常に違うのであります。あるところでは出席、欠席、早退、遅刻を第一に考えてやるところがある。もちろんそれは非常に大事な要点でありますが、あるところではその人の教育効果がどんなに高かつたかということを校長が判定して、それによつてやるという考えがある。しかしまた校長の考えは主観に流れ功利的に流れるおそれが非常に多いのであります。これはただ單に勤務成績という場合だけでなく、人物を選考する場合も同樣でありまして、私はある先輩の非常に尊敬している人に、甲乙丙丁みな人物の見方が違う場合に、どういうふうにするがよかろうかということを聞いたことがありますが、そういう場合に一番間違わない考え方は、同僚に聞くことだということを教えられたのであります。同僚や学友が見た人物並びに勤務成績は、ほとんど動かぬものだということでありまして、私はなるほどそうだろうと思つて、その後迷つたときにはいつもそういう方法をとつた経驗を持つのでありますが、ただここで勤務成績を選考といえば簡單にできそうであるが、これくらいむずかしい問題はない。そこで第五項には「学校の校長の意見を聞いて」となつております。これは一應こうならざるを得ない。私も一應校長の意見を聞くということが、校長を信用してそこにすえた以上、こういうことになると思うのでありますけれども、実はここに非常に問題がありまして、今後教育界が漸次民主的になつて行き、学校の運営というものがそういうふうになつて行く場合に、必ずこれは問題が起ると私は思うのであります。そこで「校長の意見を聞いて」というのに、校長ばかりでなくて職員、大学においては教授会というのがあるのだから、そういう一つの教員の声、そういうものを聞く必要があるのではないかということが一つ、もう一つは勤務成績を評定するのに、少しこれはむりな質問かもしれませんが、あなた方文部当局、あるいは大臣は、どういう標準でこれを選考するのが一番よいと考えておられるか。そういう点について伺つてみたいと思います。
#76
○下條國務大臣 お考えの通りまことにむずかしい問題でありまして、実はやはり結局は選考権威者の判断できまるほかはないと思います。その場合にとにかく一應校長の意見を聞いてみるという程度以上、実は名案がないのであります。何かありましたら実は承りたいと思うのであります。それで同僚の意見を聞くということも、一つの考え方でありまするが、ずいぶんまた逆のこともあるのであります。從來同僚が排擠するようなこともありましたので、まずこの程度で一應進んでみるよりほかない。從來大体こういうようなことをやつておつたのでありますが、大体この程度よりほか、さしあたり書き上げるだけの名案がないように思います。
#77
○久保委員 從來ひどい人事選考の例は、大都市ほどひどいのであります。大都市であると、社会の者が廣く一人の人物を知るということは困難でありますから、その区域の人が一人の教員なら教員、あるいは校長なら校長というものを批判する材料が非常に少い。それで大都市ほど弊害が大きいのです。日本の六大都市の市の課長をしていた者で、私が懇意にしておつた者がありますが、ずいぶん前の話でありますけれども、そこの例などは、一人の校長を選ぶ場合にだれを選んでよいかわからないというのであります。そこで一番押しかけて來てしようがない者を選ぶ。それがいいとは思わぬけれども、結局これが一番よかつたというりくつをつけるのであります。そういうふうなことが実際行われて來た。何とかしてわれわれはこういう点を防ぐ方法を考えておかなければならぬと思うのです。人間には必ず長所もあり短所もある。いくら短所が多い人でも、長所の一つや二つ持つておらぬ者はないのでありますから、りくつは必ずつくのであります。今の大臣の答弁では名案はないと仰せられるのでありますが、この表現をするまでの過程において、どういうことを考えてみられたか。それを辻田局長に聞いてみたい。
#78
○辻田政府委員 勤務成績を的確に評定することは、仰せのようにたいへんむずかしいことだと思います。これをあらゆる角度から見て評定しなければ、正確な評定とは言えないのであります。われわれといたしましては勤惰とか、教授力あるいは教育技術の面を含めた教授力、それから大学等においては特に研究の業績とか、あるいは教育活動力、あるいは同僚間の協力状況というふうなもの、またその他にもいろいろあると思いますが、そういうようなものを平素常に校長はよく公平に正当に観察しておりまして、その結果を表わすようになると思うのであります。なおそのときに、法文には書いてありませんが、だんだん民主的な考え方が成長いたしますと、校長としても制度としてではなしに、現実において教員の総意をやはり適当にしんしやくしてと言いますか、教員全体の意向をよく察知して、評定をするものだと信じておる次第でございます。
#79
○久保委員 教員というのはお話の通り教授力というものが大事である。教壇に立つては教授力が大事ですけれども、大学において部科長であるとか学長というような場合には違う。中学、新制高校以下でありますと同様のことが言えるのであります。小学校においても中学校におきましても、高等学校におきましても、教壇に立つての教授力というのと、教頭としての腕、人物と、それから校長としては別であります。ところが從來人物選考の場合にはそれをすべて混同しまして、ただ單に教授力があれば校長によいと考えられる。あなたもそうお考えじやないかと思うが、そういうことじやないと私は思います。非常にこれはむずかしい。それでは辻田局長の御答弁はこう解していいかどうか、もう一應聞いてみたい。この校長の意見――教員の意向を含めた校長の意見、こういうお考えでありますか。
#80
○辻田政府委員 お答えいたします。これは法律的に一つの義務として行かなければ、その校長の意見ではないというふうな意味ではなくして、現実の問題として校長は教員の方の全体の意向がどこにあるかということをよく知つて、それを自分の勤務成績を評定する場合の重要な材料にするのであろう、ということを信じて疑わないのであります。
#81
○久保委員 それならそういう表現を考えてごらんになりましたか。あなたがそういうことをほんとうに希望されるのであれば、あなたのその希望がはつきりこの法案の中に出て來るような表現というものを、一應とつてみられたかどうか、考慮されたかどうか。
#82
○辻田政府委員 民主的な思想がだんだんに発展する過程においてそれぞれ違うと思いますが、われわれとしてはそういうことを十三條の第五項によつて、校長の意見を聞いてという中に十分包含し得ると思つておるのでございまして、校長がただ單独に全然無関係に、自分の狹い範囲だけの問題を追つて、勤務成績をきめることはないと思つておるのでございまして、その場合の表現としては、この「校長の意見を聞いて」ということでわかると思います。
#83
○黒岩委員 この第十三條、第十五條にありますが、大学以外の公立学校であつて、教員の身分が教育委員会に所属しない学校というものがあるでしようか。あればそれを説明願いたいと思います。と申しますのは、第十五條によりますと「公立学校の校長及び教員の任命権は、その校長又は教員の属する学校」云々と「校長又は」の文字が特に入つております。私が一應考えて見ますのに、教育委員会法が実施になりました今日、公立学校で教育委員会に属しない学校が、ほかにあるであろうかという疑問を持つのであります。
#84
○辻田政府委員 公立の高等学校以下の学校におきましては、教育委員会に属さない学校はないと思います。
#85
○黒岩委員 そういたしますと、この法文にあります「その校長又は」という文字はどういう意味でお入れになつたのでありますか。
#86
○辻田政府委員 あるいはお尋ねのこととちよつと違うかもしれませんが、その校長や教員が属する学校は縣立の場合もございますし、市町村の場合もございますので、そこはその公立学校といつても設置主体が違いますからそそれによつてそれぞれの学校に属する教育委員会――この教育委員会の中には都道府縣の教育委員会、市町村の教育委員会、あるいは組合の教育委員会というようなものがありますので、かようにしたのであります。
#87
○黒岩委員 そうすると今の御説明によりましてもまだわかりませんが、「その校長又は」の文字を入れた意味を承りたい。現在都道府縣に委員会ができましたが、市町村の委員会ができるまでは、都道府縣の委員会がすべての市町村の委員会の教員の問題を扱うと理解しております。してみると委員会に所属しないところの学校の教員というものはない。そう考えると「その校長又は」という文字をどう理解していいかということがわからぬ。
#88
○辻田政府委員 御質疑の意味を理解できないのであります。「その校長又は」というのは、十五條の「公立学校の校長及び教員の任命権」とありますのに対して、「校長及び教員の属する」ということにすべきだということでございましようか。ちよつと……。
#89
○黒岩委員 「その校長及び」とすれば意味がわかると思いますけれども、「校長又は教員の属する学校を所管する教育委員会」という表現では、校長も任命権を持つておるし、委員会も任命権を持つておるような感がいたします。
#90
○松本(七)委員 辻田局長にお伺いするのですがね。この意味はこういう意味なんじやないですか。校長の場合はその校長の属する学校を所轄する教育委員会だし、教員の場合はその教員の属する学校の所轄する教育委員会、どつちにしても教育委員会がやるのであつて、ただ校長及び教員と両方入れなくちやならないので、それぞれの属する学校を所轄するという文句をここに入れたのじやなかつたですか。
#91
○辻田政府委員 さようでございます。その点は教育委員会法の四十八條で明らかでございますが、黒岩委員の御質問の、校長が任命権を持つておるということがわからないのであります。
#92
○黒岩委員 私の読むところによると「又は」という文字は、校長と委員会とを並列するような理解しかできないのであります。「校長及び」という表現ならば、あなたの御説明の御趣旨の通り理解ができます。
#93
○辻田政府委員 これは黒岩委員のように誤解といいますか、お読みになる方があるかもしれませんが、それはわれわれとしてはいろいろな機会に、そういうことのないように説明いたしたいと思います。普通の場合には、校長の下にポツがあつた場合には、法制的には意味が違つて來るのであります。
#94
○黒岩委員 わかりました。轉任のことにつきまして松原委員からお尋ねがありましたか、轉任はないという御答弁であつた。ところが実際問題として從來の扱いは、都道府縣をまたいで教員が異動するときでも、甲の縣からは出向命令を出し、乙の縣で採用になつて任命せられるまでの期間が多少ずれがありましても、その間の問題というものは出向命令を出しました地元の都道府縣に属しておつたのであります。してみるとその間に実際に期限はなかつた。ところか轉任がないということになると、甲の委員会で免職せられて、乙の委員会で任用せられる期間の間に、もし空白の時日があつた場合には、教員の恩給というものに対して迷惑を及ぼすという結果になりはしないか。こういうように考えますときに、何がゆえに大学以外の学校の教育公務員の轉任を認めないか。この点を御説明願いたいと思います。
#95
○辻田政府委員 從來の規定によりますと、國において任命権を持つておつたのでございます。從つてその相互の轉任ということはあり得るわけでありますが、今回教育委員会法ができて、またこの細則が施行されますと、任命権者の所在がかわつて來る。それぞれの教育委員会の委員が任命権者になるわけであります。任命権者の違う間において轉任ということはあり得ない。一方においては退職し一方においては任用されるという形式になるわけであります。ただ御心配にありましたような時間的に空白がありまして、恩給が通算されないということになりますことは、これは極力避けなければならぬことでございますので、そういうことのないように、万全な処置をとらなければならぬと思います。われわれとしましてはそういうことについては、この法案が幸いに通過いたしまして実施される場合には、趣旨の徹底ということについて遺漏のないようにいたしたいと思います。
#96
○黒岩委員 從來の任命権者は國であつたという御説明でありましたが、なるほど二級以上は内閣から辞令が出ております。三級官の教員には都道府縣からその辞令が出ておつたように記憶しておりますが、そうしてその三級官の教員が府縣をまたいで轉任するときでも、その轉任地の知事が出校命令を出しておりました。そうしてみますと、委員会は、免許状の点から申しますと、市町村委員会は免許状を與えることはできません。府縣の委員会の方から免許状を與えるようになつていると承知しておりますが、してみるとその間の取扱いは、從來の三級官の教員の取扱いを都道府縣知事がやつておつたのと似た性質のものではないかと思いますが、その点十分納得するように御説明願いたいと思います。
#97
○辻田政府委員 今の点は研究しまして、はつきりしたことをあとでお答えいたします。
#98
○松原(一)委員 ついでに辻田政府委員にお尋ねしますが、都道府縣の公立学校の教員が、その同一府縣内において轉任するということはあり得るものと思いますが、そう心得て間違いありませんか。
#99
○辻田政府委員 同一府縣内におきまして、縣立の学校間においては轉任ということはあり得る。しかし市町村立の学校につきましては、相互轉任することはないのであります。
#100
○松原(一)委員 もう一つお伺いいたします。その場合に意に反したる轉任が行われますか、どうですか。
#101
○辻田政府委員 縣立学校の場合は本人の意思に反するということもあり得ると思います。
#102
○松原(一)委員 もう一つ伺います。その場合に、意に反して轉任を命じた場合に対する取扱いに関しては何も書いてないようですが、轉任ということをどうしてそこで拔いてあるのか。「その意に反して降任し、免職し云々」とあつて、その意に反したる轉任がない。この点についてはどうお考えになつたのでありましようか。
#103
○辻田政府委員 ただいまの事故が起りました場合は第十五條の三項に、「その他これに対しいちじるしく不利益な処分を行い」ということが書いてありまするが、今の意に反して轉任をさせられるような場合には、「いちじるしく不利益な処分」という中に事実それが入りますと、それに対しては救済の道が講じてあるのであります。
#104
○松原(一)委員 その場合には「國家公務員法第八十九條から第九十二條第二項までの規定を準用する」とありますが、そうなりますとそれは人事院の関係でありますけれども、ここでは任命権者と読みかえるならば、同じ任命権者の行つたる不法もしくは不利益なる行為をその任命権者に訴えて、それで最後の解決となるのでありますか。
#105
○辻田政府委員 任命権者が一つの処分を行いまして、それが非常に不利益な処分であつたという場合には、本人からいろいろ適当に書類等を備え、あるいはまた弁護人等を出して任命権者に向つて要求をするわけであります。その場合に任命権者はそういう資料を十分参酌して、それでもなお自分の行つた行為が適当であると思つた場合には、もとの通りの判決、判定をするかもしれませんが、しかしその場合に時間的な考慮の余地を與える。また資料等によつて反省の機会を與えるということになるわけです。これはちよつと変にお考えになると思うのですが、訴願のような場合にも、やはり処分廳に対して訴願をするということになりまして、そういうふうな先例もあるのでございます。
#106
○圓谷委員長 明日は午前十一時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後六時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト